大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

ブログ開設記念

ブログ開設。

大樹の木陰で涼むような、居心地の良いブログになりますように。

注意!
当ブログは著作権を放棄しておりません。
くれぐれも無断転載の無いようお願い致します。

(あまり堅いことを言う気はありませんので、常識の範囲内でお願いしますね)

リンクはフリーです。

※ 作品をご覧になる際には、カテゴリ『シリーズ目録』が便利です。

幕を引くのは(中編)

※前回前後編に分けると約束したな。アレは嘘だ
 アナル・スカトロ・NTR要素にご注意下さい




五時半ごろ、外で時間を潰していた伊田と瀬川が屋敷に戻ってきた。
乱暴に玄関の戸を開けて上がりこみ、勝手にテレビを点けた上で煙草をふかし始める。
完全に自分の家気取りだ。
「これから地下の清掃に入りますから、調教再開は6時からでお願いします」
俺がそう声を掛けても返事はなかった。伊田はソファで欠伸交じりに背中を掻き、瀬川はリビングのガラステーブルに足を乗せたままだ。
男と話すつもりがないのか、それともガキと思って舐めているのか。
調教師という人種には7人ほど出会ったが、ここまで傍若無人な連中は他にいない。

俺は苛立ち混じりに地下へ下り、扉を開け放った。途端に、むっとする匂いが漏れ出してくる。
しとどな汗に、愛液、精液……それらを分泌した中にどれだけの美少女がいたとしても、饐えた臭いが緩和される事はない。アイドルだろうが令嬢だろうが、臭いものはやはり臭い。この仕事を続けていると、その事実を痛感する。

手探りで電気を点けると、散らかった部屋の中が一望できた。
入口にほど近い場所にあるベッドは、シーツが見事なほどに乱れている。
一番皺がひどいのは中央左側。そこだけは乱れるどころか、シーツが握られた形のままで隆起している。
イラマチオを受けた入宮が、その未曾有の苦しみに耐えるべく必死で掴んでいた場所だ。
その場所から少し下部に視線を移すと、広範囲にシーツのごわつきが“見て取れた”。体液が染み込んだまま固まった時の特徴だ。毎日ベッドメイクをやっていると、シーツの色合いだけで触感が判ってしまう。
ごわつきの周りには色々な道具が散らばっていた。
ローションボトルに、ローター、3種類の太さのアナルディルドウ、ビー玉大のものが数珠繋ぎとなったアナルパール。
あの畜生共は、意識を失った入宮の初々しい肛門に、こんな物まで使ったのか。
そう思いながらよく見れば、アナルパールの先にはかすかに黄色い汚れが付着している。ベッドシーツを注視すれば、そこにも薄茶色いシミがある。執拗に肛門責めをされ過ぎて、宿便でも漏れたのだろうか。
入宮自身が気付いていなければいいが。そう考えた直後に、そんなはずはないと思い直す。
彼女は起きてすぐに、自分の状態に気付いただろう。
伊田の肩に担ぎ上げられていた右脚を下ろし、肛門へ入り込んだディルドウを抜き出した後で、ベッドの惨状を必ず見たはずだ。
その時の彼女の心境はどんなものだったろう。そして連中は、どこまで辱めれば気が済むんだ。
俺は怒りに任せて一気にシーツを取り替えた。

ベッドの上が整えば、次はその周りだ。
ベッド脇……昨日入宮が洋物AVさながらのイラマチオを受けていた場所を覗くと、やはりここも汚れていた。
床の上に、夥しい精液が広がったまま乾いている。そしてそれより一層下に、やはり乾燥した黄色い物が見える。
吐瀉物だ。それに気付いた瞬間、また胸が締め付けられる。
モニター内の映像では必死に耐えていたように見えたが、やはり入宮は相当吐いてしまっていたらしい。
それはそうだ、あんな目茶苦茶をやられて耐え切れるわけがない。
じゃあ、何だ。昨日見たイラマチオの終盤、剛直の抜き差しされる中で入宮の髪から垂れていた光る液体は、ほとんどが吐瀉物だったのか。
何とか耐えている。俺がそんな間の抜けた判断をしていたまさにその最中、入宮は地獄の苦しみの中で何度も嘔吐していたのか。すると、あの時瀬川が必死に嘔吐させようとあの手この手を使っていた、という推測もまるで見当違いということになる。
恐らくは、ベッドの脇から頭を垂らさせるようなイラマチオに移行してから程なくして、入宮は陥落……つまり『吐いた』。
しかし、その瞬間に勝ち誇った表情を浮かべたであろう瀬川の変化を、カメラの角度的にか俺の不注意からか見落としてしまい、かろうじて勝負が続いているなどという空想をしていた事になる。
どこまで愚かなんだ、俺は。



畳敷きのエリアからも道具を回収し、洗い場で洗浄していく。
調教師には、自らの使う道具は手入れも絶対に自分でやるという拘りを持つ人間も多いが、その点でも伊田と瀬川は異端だ。
仕事道具をローションや汚物に塗れさせたまま、平然と放置する。その消毒や洗浄、手入れを行うのはすべて俺だった。
すっかり慣れたはずの作業に、今日はやたらと動揺してしまう。
これが今朝まで、入宮の肛門に入り込んでいたんだ。
これが昨日、入宮の膣を拡げていたんだ。
道具を手に取るたびにそんな事を考えては、頭を振って邪な考えを振り払う。
偽善でもいい。初恋の相手だけは、能動的に穢すことはしたくなかった。

地下牢を出てリビングに向かうにつれ、何かの音が聴こえ始める。
ぬちゃっ、にちゃっ。そういう粘った水音のようなものだ。
歩みを速めながら飛び込むようにしてリビングを覗けば、昨日とよく似た光景が繰り広げられていた。
ソファに腰掛けた制服姿の入宮が、醜悪な男二人に纏いつかれている。
ただし昨日とは逆で、瀬川は上半身、伊田は下半身だ。
違っている場所は他にもある。例えば昨日夏服だった入宮が今日は冬服であること。
校則通りリボンまで着けた固い格好だけに、シャツをたくし上げて乳房を揉まれる、という状況が昨日以上に背徳的だった。
下半身の状況もやや異なる。
昨日は大きく脚を開いたまま、ショーツの中に指を潜り込ませる責めだった。
それが今日は、開脚の度合いこそ同じでありながら、ショーツが左腿に絡みつくようにして垂れている。
そして完全に曝け出された秘部には、容赦なく伊田の5本指が入り込んでいた。
小指と薬指を肛門に潜り込ませ、中指と人差し指で膣の浅い部分を捉え、親指を陰核に宛がっての三所責め。
瀬川が舌での嬲りにおいて抜きん出ているように、、伊田もまた細やかな指遣いに長けた調教師だ。
10分か、20分か。たかだかその程度の責めで、入宮はもう濡れていることが音で判った。
伊田の中指と薬指が膣内をかき回すたび、チュクッチュクッチュクッチュクッと、ひどく水気のある音が立つ。
ひょっとして、もう何度か潮を噴いているのでは。そう思えるほどの水っぽさだ。

下半身がそれだけの状態にも関わらず、喘ぎは一切聴こえない。理由は入宮の顔を見ればわかる。
「くひひっ。これで2日目だが、相変わらず現役女子高生のおクチは甘くてうんめぇなあ?
 高校で他の女子高生の股ぐら通った空気を腹いっぱい吸って、未熟なガキ特有の甘さが戻った感じだぜ」
吐き気を催すような言葉と共に、瀬川は延々と入宮の口を貪っていた。唾液まみれ、涎まみれで。本当に獣のような男だ。
その獣に執拗なキスを強いられる入宮は、まともに息ができていないように見えた。
伊田の指でまた絶頂させられたのか、細い身体がびくりと痙攣する。だが声は聴こえない。ちゅうー、ちゅるっ、という貪りの音に塗り潰されている。
入宮がかろうじて酸素を吸えるのは、瀬川自身も息継ぎをする数秒のみ。
2,3秒というごく短い間だけ、はぁーっはーあと湯気がでそうなほどに熱い喘ぎを発し、またすぐに唇を塞がれる。
「んんっ、いや…………ってばっ…………!!」
入宮は、口づけに明らかな抵抗を示していた。瀬川と唇が触れ合おうとする瞬間、大きく頭を振って阻止を試みる。
だが、抵抗を続けるには相応の体力が必要だ。そして今の彼女に、それはもう残っていないらしい。
「…………は、はっ………ぁ、はぁっ…………」
苦しげな喘ぎの中で、ある時ついに否定の首振りが止まる。その瞬間、瀬川がすかさず唇を奪う。
呼吸を遮られた直後だけは、むぐぅーっという声が上がるものの、その声すらもやがて瀬川の口で封じられてしまう。

汚辱と快感。伊田と瀬川は、それを徹底的に入宮に刷り込むつもりのようだった。
普段は地下という隔離空間でのみ行われる調教が、入宮に限っては日常空間であるリビングから始まる。
それは彼女の反抗心が強いことの証明なのだろうか。あの伊田と瀬川がスタイルを変えざるを得ないほどの難敵という事だろうか。
どうかそうであってほしい。彼女だけは最後まで、彼女のままでいてほしい。思わずそう願ってしまう。
それが虚しい願いである事は、奴らの調教を見続けてきた俺が、一番解っているはずなのに。



ヤクザという人種は、獲物についたほんの小さな傷口に吸い付き、肉を食い破りながら生血を吸い尽くすヒルのような生物だ。
だとすれば、女の調教こそまさに最もヤクザらしい所業といえるだろう。
奴らは相手の弱い責めを見つければ、それだけを執拗に繰り返す。親父がすぐに飽きると言っていたのはまさにこの事だ。
AVならば長くても数十分で責めが切り替わるが、ヤクザの調教では女が音を上げやすい責めを、何時間でも、何日でも繰り返す事がままある。
3時に見ても5時に見ても10時に見ても同じ光景が続いていたら、監視も嫌になるというものだ。
入宮への調教にも、やはりその兆候が見える。

丸裸に剥かれた入宮にまず施されたのは、瀬川によるアナル舐めだ。
主に電極責めを行うための特殊なマッサージチェアに深く掛け、命じられるままMの字に脚を開く入宮。
するとその足元に瀬川が跪き、肛門を両の親指で開く。
「んっ! …………まさかまた、お尻舐めるの? 可笑しい。これじゃまるで、あんたの方が奴隷みたい」
入宮は瀬川を睨み下ろして強がるが、瀬川の薄ら笑みは消えない。
「ほぉ、この俺を奴隷扱いたぁ言うじゃねぇか。うし、なら一つ下克上ゴッコとしゃれ込もうぜ。
 俺が奴隷なら、テメェは女王だ。まさか女王様ともあろうお方が、奴隷に尻の穴舐められて感じるなんて事ァねぇよなぁ。
 昨日と同じくグイグイ行くぜ。しっかり声抑えろや、女王様?」
そう前置きしつつ、瀬川は桜色の肛門にむしゃぶりつく。
「…………っ!!」
入宮は怨みのこもった視線で瀬川を睨みつつ、唇を引き結んで耐え始めた。

アナル舐めという責めは、効果はともかく見た目の変化に乏しい。
モニター越しに目を凝らせば様々な情報が存在するものの、固唾を呑んで見守るようなものではない。
そしてその変化の乏しい映像は、瀬川の性格からしてあと数十分は続くはずだ。
俺はそう判断してモニターを離れ、屋敷の管理人としての仕事に取り掛かる。
まずは洗い物だ。
地下室の清掃の際に回収した洗濯籠を持って、洗い場へ。
洗濯籠には入宮と男二人の脱いだ服が入っている。何を置いてもまずは、入宮と男二人の服を分けていく。
間違っても女の子の服を、野生動物のような匂いを放つ連中の物と一緒に洗うわけにはいかない。
夏用制服の上下と、靴下、Tシャツ…………そして、ショーツ。
赤いレース柄の入った、桜色の下着。間違いなく昨日入宮が穿いていたものだ。
鼓動が早まる。クリトリスを嬲られた事で散々愛液に塗れ、肌色を透けさせていた光景が脳裏に浮かぶ。
恐る恐る裏返してみると、やはりクロッチ部分に白くパリパリとした物がこびり付いていた。
乾いた愛液だろう。中学の頃には寝ても覚めても想い続けていた彼女の、愛液。

 どんな匂いがするんだろう。

ショーツを握りしめたまま、生唾を呑み込む。手が震え、鼻先にクロッチ部分を近づけようと動く。
「…………やめろッッ!!」
しかし、すんでのところで床を殴りつけて耐えた。いくら思春期の衝動とはいえ、これじゃ伊田と瀬川を笑えない。
俺は洗面所で顔を洗い、頭を切り替えて黙々と洗濯を進めた。一段落して時計を見ると、まだ20分しか経っていない。
あれから20分。地下では今、何が行われているんだろう。さすがにまだアナル舐めの最中か。
入宮は今も肛門を舐めしゃぶられ、その汚辱にじっと耐えている事だろう。
そう考えながら親父の部屋のドアに手を掛けた、その瞬間。

『だらしねぇなあ女王様よ。声が出まくってんじゃねぇか』

瀬川の下卑た声が聴こえてくる。俺は思わず硬直した。
馬鹿な。まだ、たったの20分だ。いくら瀬川のアナル舐めが巧みでも、あの我慢強い入宮がこんなに早く声を漏らす筈がない。
そう自分に言い聞かせながら、俺は部屋の扉を開く。
喘ぎが、耳に飛び込んできた。
あっ、ああっ、という女の声。この屋敷に女は入宮一人。ゆえにその声は、入宮以外のものではありえない。

映像に目をやると、その推理は強烈に裏付けられた。
入宮の引き締まった太腿を浅黒い手が掴み、その合間に顔が埋められている。
顔がかすかに蠢く間、入宮は歯を食い縛って耐えていた。日常的に筋トレをする人間特有の、強く我慢ができそうな歯の噛み方だ。
だが、足の合間の顔が『舌を捻じ込む』動きを見せた途端、閉じ合わされた白い歯は簡単に開いてしまう。
「あぁあ…………ああああぁ………………!!」
喘ぐ時の入宮の顔は悔しそうだ。だがその声色は、“たまらない”という本音を訴えていた。
それからさらに10分程が経った頃、ようやく瀬川は肛門から口を離す。
「今日のアナルの味も最高だったぜ、嬢ちゃんよ。おまけに昨日より充血が早ぇし、ヒクつきもすげぇ。すっかり俺の舌に慣れちまったみてぇだな」
瀬川は言葉責めを交えながら、両の親指で肛門を左右に押し開く。
唾液でぬらぬらと濡れ光り、かすかに口を開いた肛門が楕円形に伸びていく。確かに昨日よりも伸びがいい。
入宮はぐったりとしていた。
ようやくアナル舐めから開放され、椅子に後頭部を預けてはぁはぁと喘いでいる。白い喉が妙に色っぽい。
情のある人間ならそれを見て小休止を取る所だが、歪みきったサディストである瀬川達は逆に燃え上がったようだ。
「さて。前戯はここまでだ」
瀬川はそう言って立ち上がった。
「ぜん、ぎ…………?」
瀬川の言葉を繰り返す入宮の声には、信じられない、という色が見える。
入宮は今のアナル舐めで、何度も達したんだろう。だから息を荒げている。それを前戯と断じられては、狼狽するのも当然だ。
「そうだ。瀬川の舌ばかりではつまらんだろう。これからは、こういう道具で楽しませてやる」
伊田はそう言って入宮の注意を引きつつ、鞄から道具を取り出しては床に並べていく。
長さ、太さ、材質、凹凸のそれぞれ異なる、計32種類のアナルディルドウ。
使い込まれて黒いゴム部分が波打つようなアナルバルーン。
鳥のクチバシに似た銀色の肛門鏡。
大小様々な玉が数珠繋ぎになったアナルパール。
卵形、あるいは細長い楕円形のカラフルなローター。
スライヴと呼ばれる強力な電気マッサージ器。
さらにはボールギャグにスパイダーギャグ、ノーズフック、ラバーマスクに、アームバインダー。
「……………………っ!!!!」
責め具の数が増えるにつれ、入宮の表情は青ざめていく。スポーツ一筋に生きてきた彼女からすれば、初めて見る物ばかりだろう。
伊田はくっくっと笑った。
「そう固くなるな、何もこの全てを使おうという訳ではない。今のおまえのアヌスには、到底入らんだろうからな。
 だが、近い将来には迎え入れる事になる道具達だ。顔見せしておいて損はあるまい」
そう言いながら、伊田は黒いベルト状のものを拾い上げる。
手足を固定する為の、拘束帯と呼ばれる道具だ。
「さて。これから本格的な調教に入るわけだが、その前にこれで、太腿から下を固定させて貰おうか。
 これからやる調教は少々刺激が強くてな。大抵の奴隷が暴れるのだ」
伊田はわざとらしく言い聞かせながら、瀬川と入れ替わる形で入宮の足元に屈みこむ。
そしてさも愛おしそうに桜色の太腿を撫ぜてから、拘束帯を巻きに掛かった。
「……今まで一体何人の子を、こうやって辱めてきたの? 相当恨み買ってるよ、あんた達。もう地獄にも行けないんじゃない?」
入宮の渾身の毒舌を受けてもなお、伊田の笑みは消えない。
「なるほど。確かに私達の末路としては、地獄ですら生ぬるいな。何しろ私達は、地獄の先を知りすぎた。
 おまえにも教えてやる。自我の崩壊や、脳を焼き切る快楽……そういった苦しみの果てに辿り着く『恭順』こそ、女にとっての至福だと」
もはや宗教じみた持論を述べつつ、伊田の手は手際よく拘束を進めていく。
膝を折った状態で腿と脹脛を密着させ、腿の半ば辺りをぐるりと帯で巻いてからベルトで締める。まずは右脚、次に左脚。
さらにそれらの帯と鎖で繋がった手枷を入宮の両手首に嵌めれば、拘束の完成だ。
「くくっ。いいカッコだなぁおい、まるで潰れたカエルだぜ。マンコもケツの穴も丸見えで惨めこの上ねぇ。
 このザマをテメェの知り合いにも見せてぇもんだな。お前が振った男やら、バスケ部の可愛い後輩やらによォ」
瀬川の悪意をたっぷり込めた言葉責めに、入宮の表情が険しくなる。
「さて。では、楽しませて貰うとするか」
そう言ってアナルディルドウを拾い上げる伊田の顔には、対照的に満面の笑みが浮かんでいた。

このまま、映像を見続けていいのか。俺は迷った。
あの入宮が裸を晒し、禁忌である肛門性感を目覚めさせられていく。
それに興奮するのは事実だ。実際昨日はモニターの映像を見守りながら、痛いぐらいに勃起していた。
だが、同時に胸が苦しい。伊田と瀬川に初恋の相手が堕とされていくのを見るのはつらい。
俺はその葛藤と戦った。だが、結局は悩むまでもない。
たとえ映像を見なくても、彼女はいま何をされているんだろうと常に考えてしまう。ならばいっそ、事実を把握できたほうがマシだった。

「どうだ、この味は。覚えているか? 昨日の晩、眠りこけるおまえにたっぷりと御馳走してやったのだがな」
桜色の肛門にアナルディルドウを抜き差ししつつ、伊田が囁く。
直径は俺の中指より少し太く、螺旋型にソフトシリコンの溝が彫られている。
菊輪を刺激する事を目的とするなら、かなり効果的と思える一本だ。
「やっぱり。退屈で、このまま寝ちゃいそう」
入宮は冷たい目で伊田を見下ろして挑発する。
強がりであることは明らかだ。ディルドウが挿入され、引き抜かれるたびに、腰がぴくりと反応する。
加えて彼女は今、アナル責めと同時にクリトリスにローターを宛がわれてもいた。
陰核と肛門の同時責め。これは本格的にアナル調教を始めた時、伊田がいつも使う手だ。
複数箇所から同時に快楽を受けると、脳内の処理が追いつかず、一箇所のみを責めるよりも明らかに堕ちが早いらしい。
となれば入宮も、言葉通り平然としていられる筈がなかった。

「なるほど、このサイズはもう余裕か。ではお言葉に甘えて、もう一段階進めさせてもらうとしよう」
伊田はほくそ笑みながらアナルディルドウを床に置き、その近くの一本を拾い上げる。
アナルパール……昨日ベッドで使われていたビー玉大の物よりも、さらに一回り太さのある代物だ。
「どうだ、この太さは。次はコイツをくれてやろう」
伊田は責め具を入宮に見せつけながら、たっぷりとローションを垂らしていく。そして入宮の尻肉を掴み、先端を肛門に宛がう。
先ほどの責めでローションの入り込んでいる肛門が、ひくりと反応した。
「…………っ!!」
ずぐり、とアナルパールが入りこんだ瞬間、入宮は顔を横向け、歯を食い縛って声を堪えていた。
「ほう、悠々と入るな。もっと肛門を締めろ。……もっとだ!」
伊田は低い声で命じ、尻肉を平手で打ち据えながらさらに命じる。
桜色の肛門はきゅ、きゅっと窄まり、アナルパールの玉へやや膨らんだ菊輪が吸い付く状態になった。
その瞬間、アナルパールが一気に引き抜かれる。
「っっ!!」
入宮は一瞬口を開きかけたが、すぐに歯を噛みあわせて持ち直した。
「ふむ、流石に我慢強いな」
伊田が感心したように言う。だが、それも最初に限った話だ。二度目にアナルパールが潜り込んだ時には、陰核責めも再開された。
「では、抜くぞ」
そう宣告された時点で、入宮は耐える準備を整えただろう。だがその瞬間、ローターに陰核を舐められて守りが崩れる。
その最中にアナルパールの引き抜きを受ければ、声は抑えきれない。
「ああああ…………っ!!!」
瀬川に舌入れをされた時と同じ……あるいはそれ以上に甘たるい声が吐き出される。
自分の出した声に気付いたのだろう。すぐに入宮ははっとした表情で口を閉じるが、すでに遅い。
「良ーい声だ。血の巡りがいいせいか、おまえは本当にアヌスの感度がいい。だからこそ、人並み以上に感じるだろう。
 普通であればせいぜい数ヶ月に一度しか得られん快便の感覚……今のはそれだ。
 まずはその感覚を、徹底的に身体に覚えこませてやる。今日も、明日も、その次もだ」
その言葉と共に、肉厚な手がアナルパールの柄を握り直した。



改めて観れば、伊田の責めは実に巧みだ。
一見するとただ陰核にローターを這わせているだけだが、ローターを押し付ける強さや角度を微妙に変え、刺激に慣れることなく絶頂に追い込んでいく。
そしてまさに陰核で絶頂を迎えるというその瞬間、アナルパールを引きずり出す。
こういう玄人技を使われては、性的に未熟な人間は耐えられない。
「あああっ……!!」
何十回と抜き差しを経た今でも入宮から声が上がるのは、そういう理屈からだろう。
「色々と奴隷を調教してきたが、おまえほど思惑通りに絶頂する豚は初めてだ。口の減らない娘らしからぬ、素直なカラダだ」
伊田はそう言いながら、右手でゆっくりとアナルパールを引き抜いていく。
左手にはローションボトルを握っているのだから、本来であればローションを追加して責めを続行するつもりだったのだろう。
だが、アナルパールが完全に穴から抜け出た瞬間、伊田が動きを止める。
「…………おや」
奴はそう言って、ゆっくりとアナルパールを掲げてみせた。入宮の視界へ入るように。
「何か付いているな。何だこれは?」
入宮の顔がゆっくりと起き上がり、伊田の手を見やる。そして、大きく眼を見開いた。
「あっ!!」
彼女の澄んだ虹彩は、はっきりと映し出した事だろう。銀色をしたアナルパールの先端に、汚物が纏いついている事に。
「昨日あれだけ洗浄してやったというのに……下品な豚だ」
「…………っ!! あ、当たり前でしょ。あ、あんた達が弄くってるのは、そ、そういう、場所なんだから。
 あたしは最初っから、そんな所やだって言った。それを無理矢理したのは…………!!」
伊田の詰りに、入宮は泣くような震え声で返す。だがそうして弱みを見せたが最後、調教師はさらに攻め込んでくる。

「しゃあねぇ。なら、改めて綺麗にするしかねぇな」
映像の端に、瀬川の鶏ガラの様な足が映る。その足がさらに一歩進めば、奴の手にした物も映りこんだ。
洗面器、ガラス瓶、そして浣腸器。
奴は洗面器を入宮の座る椅子の傍に置き、怯えるような視線に見守られながらガラス瓶の蓋を開ける。
「ほう、いきなり酢か」
伊田が鼻をヒクつかせて言う。
酢浣腸。その言葉に、思わず冷や汗が出る。過去の調教映像でも、何度もそれを目にした事がある。
「お、お酢……? そ、そんなのお尻に入れるなんて、頭おかしいんじゃないのあんた!!」
入宮は不甲斐ない後輩を叱咤する時以上の声量で怒鳴る。
だが椅子に深く腰掛けたまま、大股開きで腿を拘束された女子高生が何を叫ぼうが、大の男の脅威にはなりえない。ただ、玩具にしか。
「ああ、うるせぇうるせぇ。その声量、後に取っとけや。どうせクソ生意気なテメェも、こいつにゃびーびー泣き喚くんだからよ」
洗面器に張られた酢の中で、浣腸器の空気を追い出しながら瀬川が言う。
「え……?」
入宮の顔が強張った。

「酢ってなぁ、昨日のグリセリンとはまた違う刺激なのよ。入れたその瞬間からカーッと来る類でな、中々我慢ができねぇ。2週間グリセリンに慣らしたガキでも、こいつをぶち込んだ瞬間から騒ぎ出して、こんなの我慢ができませんってボロボロ涙を溢したもんだ。
 負債持ちのテメェにゃ、いきなりコイツで泣いて貰うぜ。なーに3.5倍に薄めてやってんだ、腸は荒れねぇよ。
 今のテメェじゃ、死ぬほど辛ぇがな」
瀬川は浣腸器を引き上げ、雫を垂らしながら桜色の肛門に宛がった。
「つめたっ……!」
ガラスで出来た浣腸器の先端が入り込んだ瞬間、入宮が小さく呻く。
「ひひ、冷たいのはこっからよ。おら」
瀬川は浣腸器の尻部分を押し込むと、シリンダーに詰まった黄色い液体が肛門の中に追いやられていく。
「あ……ぁ、はあ、ぐうっ!!!」
酢が腸を灼くのか、入宮から小さな呻きが漏れる。
瀬川はそれを楽しみつつ、じっくりと時間を掛けて一本目を空にし、再び洗面器の中身を吸い上げ始めた。
「さぁ、2杯目だ。酢は体にいいからなぁ。育ち盛りのスポーツ少女にゃあ、たーっぷりと飲ませてやんねぇとな」
そう言って注入する瀬川を、入宮はなおも睨み据えている。早くも額に汗を掻きながら。
「なに、教育者気取り? だったら馬鹿丸出し。嫌がってる相手に無理矢理飲ませるのは、虐待っていうんだよ」
入宮の嫌味も、妙なスイッチの入った瀬川には通じない。
「いいや、躾さ。テメェは俺に躾けられるんだ。下さい下さいっつってシッポ振るような忠犬にな」
さらに3本目を注入した後、床からアナルプラグを摘み上げて肛門へとねじり込む。
「はぐう゛っ!!」
浣腸のつらさか、腸内の圧か、それともプラグの太さゆえか。入宮からかなり低い呻きが漏れた。
伊田と瀬川がゆっくりと立ち上がり、惨めな姿となった入宮を見下ろす。
入宮は睨み上げようとするが、その瞬間に下腹が切なく鳴り、固く目を瞑りながら歯を食い縛る。
「さて、我慢強さを見せてもらおうか豚。いや、今日のテメェは女王気取りだったな。
 早くも脂汗塗れだが……日に二度も無様を晒すなよ、女王様?」
瀬川はそう言いながら、余裕たっぷりに腕を組んだ。



「どうした、いつ出しても構わんぞ。そのためにビニールシートを敷いているんだからな」
伊田が、入宮の陰核にローターを宛がいながら囁いた。
「ふぐっ……ぐっ、くふっぅ…………ッく…………!!」
入宮は顔中にじっとりと脂汗を掻きながら、歯を食い縛って耐えていた。
その腹部からは、腹を下した時特有の、遠雷のような音が絶え間なく続いている。
しかしどれだけ暴れたくとも、拘束帯でがっちりと両腿を固めていては姿勢を変える事ができない。
伊田はそうした入宮の苦悶を楽しみながら、なおも陰核をローターで舐め続けていた。
伊田だけではない。瀬川もまた醜悪な笑みを浮かべながら、入念な乳房責めを繰り返している。
屹立しきった乳首が挟み潰される様には、今にも母乳が噴出しそうな程のインパクトがあった。
「あうぐぅううっ…………!!」
気持ちいいのに苦しい。もう我慢ができない。そういう本音を眉とへの字の唇に表しながら、入宮は身を震わせる。
狂ったようにひくつく肛門のアナルプラグは、昨日のバルーン栓と違ってひり出せない代物ではない。
むしろ入宮が我慢を諦めれば、今すぐにでも弾け飛ぶだろう。
その栓としての頼りなさは、プラグの周囲から次々と汚液が吹きだし、入宮の理想的な尻肉の合間を伝っていく事実から見て取れる。
ぐぉるるるる、とまた一際大きな腹の鳴りが響き渡った。
「へへへ、またすげぇ音させてやがる、完全に下痢便だぜこの音ァ。……にしても、不思議なもんだよなぁ。
 汗まみれとはいえまだまだ清楚って感じのテメェが、その薄皮一枚下じゃあ、下痢便に腸をかき回されてんだからよ!」
瀬川が詰りながら乳首を捻り上げた瞬間、入宮の細身がガクガクと痙攣する。
そしてその痙攣は、直前までと違い、しばらくすれば収まるものではなかった。
「……お…………おね、がい……もう、我慢できなっ…………とっトイレに、トイレにいかせてっっ!!」
細目を開き、入宮がついに懇願を口にする。浣腸から10分あまり、本当に限界なんだろう。
だが伊田と瀬川は、あくまで嘲笑混じりに見下ろすだけだ。
「駄目だ。そのままここで、惨めったらしく排便しろ」
どうあっても公然での排泄を強いるつもりらしい。調教主の意向には逆らえない、それを身に染みて理解させるためだろう。
目の前で排尿と排便を繰り返させる。下劣極まりない行為だが、実際、人間のプライドを折るという意味ではこの上なく効果的だ。

去年の今頃に伊田と瀬川が陥落させた『奴隷』は、ヤクザ6人を半殺しにして調教を受ける羽目になったレディースだった。
狂っているのかと思えるほど気が強く、常に大声で恫喝していて、伊田の丸一日かけたGスポット責めで都合70回以上潮を噴いても、
まだしゃがれ声で悪態をつき続けているような有様だった。
さすがに伊田達もその声量に辟易し、途中からは常にボールギャグを噛まされていたものだ。
その彼女を壊したのも、強制排泄だった。入宮が今座っている椅子に前後逆で縛り付けられ、突き出した肛門に様々な浣腸が施された。
イチジクを100本用いたり、、イルリガートルでゆっくりと3リットルを注いだり、、洗面器に作った薬液をエネマシリンジで送り込んだり、
浣腸器でコーヒーを、牛乳を、トマトジュースを注ぎ込んだり……。
多種多様な浣腸が繰り返されたが、一点だけ共通する事があった。排便するその瞬間には、必ず肛門に指が入っていたことだ。
まるで摘便のように、指で肛門内を蹂躙されながら便を排出する。
これを何時間か続けた末、ようやくボールギャグが取り去られた時には、あのレディースの顔が別人のように変わっていた。
幼児のように泣きじゃくりながら、堪忍してください、もうお尻に触れないでください、と哀願し続けるばかりだった。
人前で排泄を晒すっていうのはそういう事だ。
伊田と瀬川は、その威力をよく知っている。そして奴隷が反抗的となれば、容赦なくやるだろう。多分そのうち、入宮にも。


「もうぉ…………もぉ、本当にだめっ…………ぁ、ふぁああ゛あ゛っ…………!!!」
いよいよ余裕のない様子で痙攣しはじめる入宮を見下ろしながら、伊田は陰核の裏筋にローターを触れさせる。駄目押しだ。
「だめっ、だめだめ、あああああッッだッめぇぇえ゛ぇ゛ーーーーっっ!!!!!」
入宮は歯をむき出しにする必死の表情で叫んだ。その直後、ぶぼっという音と共にアナルプラグが吹き飛んでいく。
決壊が始まった。入宮にとって絶望的な、調教師二人にとっては垂涎の排泄が。
ざばばばばば、と音を立てて噴出液がビニールシートに広がっていく。
「おほーっ、酸っぺぇ匂いだ。おいクソガキ、人様の屋敷に何てぇ臭い充満させやがんだ、ええオラッ!」
瀬川の笑いつつの怒声が響き渡る。
何が人様の屋敷だ、俺の家だぞ。許す許さないを決めるのは俺だ。俺は彼女を責めない、責めるもんか。
そう思いながら入宮に視線を戻すと、狂ったように黒髪を振り乱す彼女の姿があった。これもまた、見たことのない姿かもしれない。
「いやあああっやめてぇえやめてぇーーーっ、おねがいっみないでーーーーっっっおねがぁぁあぁーーーーいっっっ!!!!!」
裏声というんだろうか。方言じみても聴こえる出鱈目な抑揚で、入宮は絶叫し続けていた。
物凄い声だ。女子バスケの県代表決定戦で、キャプテンとして『これまでの成果見せるよっ!!』と叫んでいた時には、大声でも澄んでいたのに。
「ぎはははっ、ひっでぇザマだぜ。これが本当にあの、見るだけでおっ勃ちそうだったバスケ部キャプテン様かよ!?」
瀬川の声はさらに大きさを増す。伊田も歯を剥き出しにして笑っている。
美しい物を崩壊させ、在りし日の姿を重ねて倒錯感に浸る。そういうアブノーマル性に浸っているんだろう。
勝手にすればいい。入宮さえ……あの入宮さえ、ターゲットにしないのであれば。

「…………おーおー、またすげぇ飛ばしたもんだなぁ。さすがは陸上とバスケで鍛えた下半身だ」
地下室の壁際にまで飛んだ汚液を見ながら、瀬川が嘲った。
「どうだ。大嫌いな俺らに見られながら、惨めったらしくクソした感想は?
 やめてやめてって喚いてた割にゃあ、えらく長ぇことブリブリブリブリとひり出しまくってたよな。
 正直に言えや嬢ちゃん。浸ってたんだろ? 俺らに見られて惨めにクソ漏らすのが気持ちよかったんだろ?」
瀬川は聞き逃せないようはっきりとした口調で、入宮に詰りの言葉を吹き込む。
入宮は正面が向けないのか、俯いたままで歯軋りの音を立てた。
「あたしが……したんじゃない。あんた達が、普通にさせなかった…………あんなの、我慢できるわけ、なかった…………」
ボソボソとそう呟いている。正論だ。だが調教師が、『奴隷』の正論に付き合うことはない。


「さて、んじゃあ恥の掻きついでだ。もっと惨めな姿を晒してもらうとしようか。ちっと待ってろや」
瀬川はそう言って映像から姿を消す。
不思議に思って親父の部屋を出て屋敷を探すと、キッチンに瀬川の姿があった。
冷蔵庫から何かを取り出し、ボウルに湯を注いでいる。
「あの、何か手伝いましょうか」
調教師のサポートを任されている立場上、そう声を掛けざるを得ない。しかし、いつもの如く返事はない。
近づいて手元を見ると、ボウルの湯に山盛りの玉蒟蒻が浸されていた。
それを見た瞬間、その用途がわかってしまう。これを肛門に入れるんだ。適度な質量と弾力を持つこれを直腸に詰め、排泄させる。
そうした擬似排便を繰り返し強いることで、排泄の快感を目覚めさせるつもりらしい。
「チッ」
俺の姿が視界に入った瞬間、瀬川は露骨に舌打ちする。相変わらず目は合わせないが、歓迎されている風ではない。
そして湯がある程度冷めた頃、水滴を撒き散らしながら乱雑にボウルの水を切る。

 ――クソガキが

ボウルを手にキッチンを後にする瞬間、奴はボソリと呟いた。
何なんだ、何がそんなに不満なんだ。確かに若輩も甚だしいが、一応は舎弟頭の板間さん直々に屋敷を任された身だ。
サポートの仕事だって手を抜いた事はないし、少なくとも表面上は先生と呼んで顔を立てている。それで何故、目の敵にされるんだ。
まさか、若さに嫉妬しているのか?
入宮や、その他同年代の女子と恋仲になれる可能性のある若さが嫉ましいのか?
まさかそんな、大人気ない。そうは思うが、女子中高生に限って異様なまでの執着を見せる奴だ、有り得なくもない。
あんな奴が今まさに入宮に近づいていっているなんて、気が狂いそうだ。
でもだからといって、俺に何ができるんだろう。
ない。『クソガキ』にできる事なんてない。親父の部屋に戻り、惚れた女が穢されていくのを見る以外には。



瀬川が手にしたボウルの中身に見上げ、映像内の入宮が訝しげに眉を顰める。
そう、普通は解らない。ボウル一杯に盛った、玉蒟蒻の用途など。
「そんなの、生じゃきついよ」
ボウルを手に屈みこむ瀬川に対して、入宮は戸惑いながら続けた。
その純朴さがひどく哀れだ。彼女は玉蒟蒻を、与えられる食事だと思ってしまっているらしい。
いや、ある意味で彼女はそれを“食べさせられる”。まさに腹がはち切れそうになるほど、山のように。
「安心しろ、食べやすくしてやる」
瀬川はそう言って、玉蒟蒻の山にローションをぶちまけた。そしてそれを山全体に塗り拡げた後、一粒を拾い上げる。
与える先は、不気味そうに肩を縮こめる入宮の口じゃない。その口から続く先の出口……直腸だ。
「えっ、な、何してるの!? まさかっ!!」
ようやく事情を察した時にはもう遅い。玉蒟蒻の一つ目は、浣腸で口を開いた肛門内へつるりと飲み込まれてしまう。
「い、いやああっ、何これっ、やだっ!!!」
入宮は半狂乱だ。無理もない。これまで彼女の肛門が受け入れてきたのは、舌と細い棒だけ。
対して今度は、玉蒟蒻という丸みを帯びた異物だ。固形便を想起させるその汚辱感は、これまでとは比にならないはずだった。
嫌がる入宮をよそに、瀬川はひとつ、またひとつと玉蒟蒻を拾い上げては、肛門へと咥え込ませていく。
時間が経って、良い具合に人肌まで冷めているだろう異物を。

「やめて、待って…………くるしい………………」
10個目を押し込もうとしたところで、入宮が音を上げた。我慢した方ではあるが、瀬川達に容赦する気配はない。
直腸が膨らみきるまで異物を詰め込み、我慢させ、一気に排泄させる。そうして排便の快感を教え込むのが目的だろう。
「我慢しろ」
瀬川は淡々とそう命じながら、肛門内へ玉蒟蒻を強く押し込んでいく。明らかに最初より入りづらくなっているようだが、力技で押し込む。
「おら、入るじゃねぇか。直腸の入口に溜まっていただけよ。今奥へ崩れたからな、まだまだ行けるぜ」
瀬川の声がそう告げる。
「やめて…………く、苦しいってばっ!!」
額に脂汗を滲ませながら叫ぶ入宮。未知の苦痛は耐え難いのか、物凄い声量だ。
だがその苦悶の声を耳にしても、瀬川と伊田は笑みを浮かべるばかりだ。
「まだまだあるんだ。我慢しろ」
ボウルに盛った玉蒟蒻はあと半分以上も残っている。当然責めの手は緩まず、より強引に肛門へ玉蒟蒻を押し込んでいく。
だが、相当に腹圧が高まってきたのだろう。12個目は、瀬川が力を込めた瞬間、肛門と親指の間から弾け飛んでしまう。
顔を覗かせた入宮の肛門は、親指がそのまま入りそうなほど口を開いていた。
「おーおー、中で灰色がひしめき合ってんぜ。どうやら12個で、ひとまずの限界らしいな。
 もっとも、最初からいきなり25個全部呑み込めるたぁ思ってねぇがよ」
「うむ。呑み込めない理由は容量ではなく、あくまで異物に慣れていないがゆえの力みだ。
 力みをなくすには、目的とする行為を繰り返させて慣らすのが一番いい。
 今回の場合、限界まで目一杯に玉蒟蒻を呑み込ませ、ひり出させることを繰り返せば、呑み込める数は増えていくはずだ」
「ンな事ァわぁってるっつーの。任せろや」
伊田の解説に苛立ちを露わにしつつ、瀬川は肛門をつつきはじめた。

「まだ出すんじゃねぇぞ」
今にも玉蒟蒻の飛び出しそうな肛門を左手親指で押さえながら、瀬川は入宮の下腹を揉みしだく。
蠕動運動を促すためだ。腸のうねりに伴って、今にも出口から噴出そうとする蒟蒻の群が崩れ、圧が減る。
その後、瀬川はローターを手に取った。宛がう先は勿論クリトリスだ。
「んぐうっ!!」
振動がクリトリスの頭を舐めた瞬間、入宮からいかにも苦しそうな声が漏れる。
さらにローターで円を描くようにすると、腰がピクピクと動き出す。
「なんだお前、感じてるのか? 玉蒟蒻を腸詰めされてよ」
瀬川が煽ると、入宮は唇を噛みしめる。
「……こんな事ばっかりしてると、いつか罰が当たるよ」
恨みのこもった入宮の言葉も、けだもの連中には甘い囁きと変わらないのだろう。

それからしばらく瀬川は、親指で肛門を押さえながらクリトリスを刺激し続けた。
2度か3度は小さくイッたんだろう。瀬川自身の細かな状況解説によれば、肛門は何度もヒクつき、そのたび腰も小さく震えるらしい。
そしてまた絶頂の気配がし始めたところで、ついに入宮が口を開いた。
「い、一回、出させて…………お願い」
見ると、瀬川の親指を押しのけるような勢いで、入宮のピンク色の肛門が盛り上がっている。
いかにも辛そうだ。だが、だからこそ焦らされる。
「駄目だ」
瀬川はそう言いながらローターを置き、別の道具を拾い上げた。
スパンキングラケット。硬質の革で出来た、『奴隷』の尻を叩く為の道具だ。
それが、容赦なく入宮の尻を打ち据える。
パシィンッという凄まじい音が響いた。俺がこれまで耳にしたスパンキングの音の中でも、最もよく通る類の音だ。
「あう゛っ!?」
入宮が目を見開いて狼狽し、逆に瀬川は笑みを浮かべた。
「ひひっ、さすがに良い音するな。尻の肉が引き締まってる証拠だ。たまんねぇや」
そう言いながら、さらに尻を打ち据える。
無駄な肉のない入宮の尻肉は、打たれた肉が波打つ事はほとんどない。それでも筋肉の強張り具合から、痛みがひしひしと伝わってくる。
執拗なスパンキングを受け、桜色の尻肉はその右側だけが瞬く間に赤く腫れていった。見るからに痛そうだ。
そういう激しい痛みを受けた時、人は2通りの反応を見せる。萎縮するか、激昂するか。そして入宮は、後者だった。
「い……ったい、いたいってばっ!! 殺されたいの、あんたっ!?」
三白眼で瀬川を睨み据え、怒号を飛ばす。およそ俺の周りにいる奴で、その剣幕に逆らえる生徒はいない。無頼を気取る不良でさえ、入宮にこうして食って掛かられれば、数分後には気まずそうに頭を掻きながら煙草を揉み消すものだった。
だが、瀬川には通じない。
「当たり前ェだろ、こりゃ豚の躾だ。わざと痛ェようにしてんだよッ!!」
そう言いながら、さらにスパンキングを激化する。鋭い音が断続的に響き渡り、入宮の悲鳴がそれに混じった。

やがて右の尻肉がすっかり赤く染まる頃。
「んくぅううっ!!」
一際辛そうなうめきと共に、とうとう秘裂から透明な液体があふれ出す。椅子から次々と流れていくそれは、愛液ではない。失禁だ。
「お、お、こいつ小便まで漏らしやがった! 今日びの甘ったれたガキにゃあ、オチオチ折檻もできねぇってか!?」
瀬川がねっとりとした口調で煽ると、入宮は一筋の涙を溢しながら目を見開いた。
「…………死ねばいいのに。あんたなんか」
涙を流し、激しく呼吸を乱しながら、それでも入宮の闘争心は萎えていない。本当に強く、本当にプライドが高い。女子でなくとも憧れるほどに。
「ほう。こんだけシバかれて、小便まで漏らして、まだ恨み言が出るかよ。見上げたサドだなテメェも。
 だが、だからこそ良いマゾになる。元がサドに振り切れてる奴ほど、心の壁を崩したら最後、いきなりマゾの深層へドボンだ。
 断言してやる。テメェは一度崩れたら最後、もうマゾの呪縛からは戻れねぇ。
 それが嫌なら、せいぜい心が折れねぇように歯ァ食い縛って耐えな。24時間、2対1の状況でボコられ続けて、一度もダウンしねぇように。
 ま、無理だろうがよ」
瀬川はそう言いながら、長らく肛門を押さえていた左手親指を離す。その瞬間、数個の玉蒟蒻が飛び出していく。
「あっ!?」
入宮が状況を察した時にはもう遅い。腹圧に圧され、入口付近に溜まっていたと思しき玉蒟蒻が、ぼとぼととビニールシートの上に落ちていく。
「はははっ、これはまた勢いのいい排便だな!」
「ああ。品性のカケラもねぇ、惨めなクソだ!!」
伊田と瀬川がそれを大いに嘲笑い、入宮の顔を歪めさせた。
さらに瀬川は、シート上を転がる玉蒟蒻の一粒を拾い上げ、わざわざ入宮本人に見せつけもする。
「見ろ、お前の腸液だ。こんなにヌルヌルと纏いついていやがる。お前まさか、もうケツで感じてんのか?
2日目でここまでになる奴隷はお前が始めてだぜ。これでよくもまぁ他人のことを変態扱いできたもんだよなぁ、ええオイ」
確かに瀬川が摘む玉蒟蒻は、妙なテカリを帯びていた。おそらくはローションのせいだ。
たとえ腸液がついていたとしても、それは異物を詰め込まれたために腸が取った防衛手段に過ぎない。
だが瀬川の言葉を真に受けたのか、入宮の視線は粘液の滴る異物に縫い付けられていた。
それをじっくり楽しんだ後、瀬川は手にした一粒をボウルに戻し、さらに一粒、また一粒と拾い上げてはボウルに移していく。
2個、3個、4個、と口に出しながら。そしてそのカウントは、9で止まった。
「んん?おかしいな。きっちり数えたのに、9個しかねぇや。さっきは間違いなく12個入れたのによ。
 おい、未練たらしく咥え込んでねぇで、さっさと全部吐き出せ」
瀬川のわざとらしい物言いに、いよいよ入宮の顔が赤らんでいく。
「そんなの、言われなくても…………ん、んん、く…………っ!!」
目を固く閉じて息む入宮。盛り上がってはへこむ桜色の肛門が、その力みようを物語る。しかし、残る3粒が出ない。
「どうした、出てこねぇぞ」
瀬川が肛門を突きながら嘲った。
「はぁ、はぁっ…………こ、この姿勢じゃ無理。せめて、立たせてよ」
疲労困憊という様子で告げる入宮に対し、瀬川が大仰に溜め息をつく。
「ったく、自力でクソひり出す事もできねぇのかよ。しょうがねぇ、手伝ってやるよ」
そう言いながら中指と人差し指にローションを振りかけ、肛門へと挿し入れる。
「ちょっ、ちょっと! 姿勢変えれば自分で出すから、やめてっ!!」
入宮が叫んでも、瀬川の指は止まらない。
「おっ、指先に触れたぜ。かなり深いな。だがこうして刺激してやりゃあ……ははっ、何だよオイ、菊輪がえれぇヒクつくじゃねぇか。感じてんのか?」
言葉責めを交えながら、二本指が肛門の中で回り続ける。
「おら、出てきた、出てきたぜぇ。ほら、テメェももっと力入れてひり出せよ。俺の指の付け根ばっかり、美味そうにパクついてねぇでよ」
そう瀬川が囁いた直後、まず一粒が瀬川の手の平の上を滑るようにして排泄された。
「ひぅっ……!?」
入宮が叫ぶ。その表情は戸惑いに満ちていた。指でかき回されながらの排泄が、それほど異様だったのだろうか。
さらに二粒目、三粒目と続けてひりだしていく中で、入宮の顔の引き攣りも酷くなっていく。
「うへぇ、こーりゃすげぇ。さっき以上にヌルヌルだぜ」
そう言って瀬川が3粒の内の一つを摘み上げると、床に幾筋も糸が垂れていく。
確かに今度は、単なるローションのヌメリじゃない。明らかに腸液が表面全てに絡み付いている。
モニター越しでさえそれが見て取れるのだから、目の前に突きつけられた入宮には、さらに詳細な『現実』が見えていることだろう。
「腸液ってなぁケツの愛液だぜ。つまりテメェは、ケツで感じたんだよ。蒟蒻なんぞ詰め込まれてよ」
腸液塗れの異物を晒しながら瀬川が囁きかける。
入宮は、一瞬視線を泳がせた。明らかに動揺した。だが流石に気丈だ。ひとつ瞬きする間には、もう表情を引き締めている。
「あたしは……感じてなんかいない。快感なんて、ないっ!!」
俺の初恋相手は、あくまで毅然とした態度でそう断言した。瀬川が、ほー、と感心したような声を出す。
だが、奴は『奴隷』に格好をつけさせたままでは終わらない。獲物の顔が涙や涎でグズグズになるまでは、調教をやめない。
「そうか。なら、まだまだ続けねぇとな」
そう言いながら、満面の笑みで玉蒟蒻の一粒を摘み上げた。


玉蒟蒻を限界まで詰め込み、ひり出させ。また詰め込み、ひり出させ。モニターの中では、それが繰り返されていた。
回を追うごとに、詰め込む数は増える。12個から15個、19個……そして今は、『今度こそ全て押し込む』という宣告から始まった。
「本当に、くるしい…………お腹の奥まで、詰まっちゃってる…………こ、こんなの、もう、出なくなっちゃう…………!!」
21個目で、入宮が呻いた。
汗がひどく、表情も苦しげだ。限界と言うのは本当なのかもしれない。だが、瀬川に容赦はなかった。
「あとたったの4つだ。我慢しろ!」
そう言いながら、親指で強引に22個目を押し込む。しかしまた、その一粒が弾き出される。
「出すな、ケツ締めてろ!!!」
瀬川は怒鳴りながら、零れた一粒を拾って肛門に宛がった。そして粘土へめり込ませるように、両手の親指を重ねて親指で強引に捻じ込んでいく。
「いやあぁっ!! 奥に来た、ねぇっ、今、本当に奥に入っちゃったの、もうやめてよ!!」
入宮は悲鳴を上げた。瀬川がかすかに笑みを見せる。
「また随分とパニくった声だな。大方、直腸の奥にまで玉蒟蒻の塊が届いてて、今のでS字結腸へ入り込んだか? なーにそう焦るな、感触ほどヤベェ事態じゃねぇよ。ひり出すのに、ちっと……直腸の三倍ぐれぇの気合が必要になるだけだ」
悪魔的なその言葉の最中、瀬川の背後で般若が歪み、25個全てが力尽くで押し込まれてしまう。
「やっ、くるしっ、くるしいっ! 出させて、ねぇっ出させてっ!!!!」
入宮は、恥も外聞もなく哀願を始めた。
無理もない。浣腸にしてもそうだが、人は本来保護されているべき粘膜を責められると弱い。そういう風に出来ている。加えて、直腸すべてとS字結腸にまで異物が詰まる状況など、日常生活ではまず有り得ないことだ。
入宮の脳内では今、彼女がかつて味わった事もない、最大級の警鐘が打ち鳴らされているに違いなかった。
だからこそ、伊田も瀬川も容赦はしない。
肛門に親指ごと捻じ込むようにして蓋をしつつ、陰湿に入宮を嬲る。
陰核をローターで嘗め、膣に指を入れ、乳房を揉みしだき、その上で下腹を撫で回す。逐一言葉責めを交えながら。
一方の入宮には余裕がない。
「ださせて、ださせておねがい…………っっ!!………………くぅしい、くるしい、くるしい…………!!!」
ひとつ呟いた言葉を繰り返す形で、何度も解放を乞う。たまに絶頂時の息が詰まったような反応が混じるものの、またすぐに哀願に戻る。

その状況がたっぷり10分は続いた所で、ようやく瀬川が許可を出す。
「ったく、うるせぇガキだ。しゃあねぇ、ぶち撒けさせてやる。ひり出す感覚を意識しろよ」
節張った親指が肛門から引き抜かれた瞬間、怒涛のように灰色の玉蒟蒻があふれ出した。
十を超える異物が、マッサージチェアの座部を滑り落ちては床に転がっていく。
その第一波の後、入宮の必死の息みに応えてさらに3個。さらに2個。
しかし、そこで止まった。計25個のうち、18個しか出ないまま。
「どうした、もう出ねぇのか」
「……はぁーっ、はーっ、はーっ…………だ、だから、この姿勢じゃ、お腹に力が、入れにくいんだって。姿勢、変えさせてよ」
激しく喘ぎながら抗議する入宮。
瀬川はここまで数度、入宮の姿勢変更の要望を聞き流していた。しかし、今回に限っては違う。
「いいぜ、最後だ。思いっきり踏ん張らせてやる」
そう言って伊田と目配せをし、入宮の腕と脛の辺りを抱えてひっくり返す。
大股開きで椅子に腰掛ける姿勢から、その逆……曲げた両膝を肘掛けに乗せ、座部に爪先立ちになる格好へ。
「どうだ。和式便器スタイル、一番ひり出しやすいカッコだぜ?」
瀬川が入宮の尻を撫でながら笑った。確かに排泄はしやすいが、相当な恥を伴う格好だ。何しろ肛門を突き出す形なんだから。
当然、入宮も表情を変える。
「い、いやっ、何これっ!!」
「ゴチャゴチャうるせぇな。姿勢変えろっつったのはテメェだろ。おら、さっさとひり出せよ」
瀬川はそう詰りながら、肛門に二本指を突き入れた。そして指を開閉させながら回転させ、腸内を攪拌する。
腹圧が強まった為だろう。たちまち数個の玉蒟蒻が排泄され、びちゃっ、ぼとっ、という音を立ててシートの上に落ちていく。
「いやぁーーっ!!」
入宮は枷のついた手で肘掛けを握りながら絶叫した。その羞恥の声を心地良さげに聞きながら、瀬川は二本指での蹂躙を続ける。
「くくっ。こんだけ色々やっても、まだ力むたびに俺の指を食い千切りそうな按配だ。ほんっとに良い括約筋してんなあテメェはよ。早くこのアナルにブチ込みてぇ……っと、そら、また1個出てきたぜ。どんどんひり出せや、ヨガりながらよ!」
「う……く、くぅ…………くぅう、んん、んっ…………!!!」
入宮は必死に振り返って後方を睨みつつも、異物が肛門を通り抜けるたびにびくりと腰を震わせていた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ…………ふむ、あと6つが出ねぇな。しゃあねぇ、コイツで掻きだしてやるか」
指では残りが出ないと見るや、瀬川は細めのディルドウを手に取り、肛門に宛がう。
「えっ……!? ちょっ、ちょっと、まだ中に入っ…………!!!」
抗議の声はディルドウの挿入であえなく途切れ、入宮は口を開いたまま硬直する。
「ひひっ、どうした。玉蒟蒻が奥にある状態で突かれて、脳がフリーズしちまったか? これだから汚れ知らずのガキは。こんなモンはまだ、序の口も序の口だぜ。テメェはこれから3ヵ月かけて、排便の快楽を徹底的に脳髄へ叩き込まれるんだからよ!!」
ディルドウが往復した後に引き抜かれると、奥に残った玉蒟蒻が転がり出す。何とも惨めな“排泄”だ。
「ああ、あぁああぁ゛ーっっ!!!」
入宮の叫びが胸に痛い。その悲痛な声が出るたび、矜持という殻が削がれていくのが感じ取れた。





月曜から木曜までは、こうして夜間に調教が行われ、朝からは高校へ通う、というサイクルが繰り返された。
貞操帯という邪魔はあるものの、学校にいる間は調教から逃れられる。あまり褒められた事じゃないが、睡眠という休息も取れる。
ゆえに金曜の夜からが、入宮にとっての本当の地獄だ。

さすがに一週間全てを肛虐に充てるともたないため、土曜はアナルを休ませる日と定まった。
しかし、だからといって土曜が休息日になるかといえば、そんな事はまるでない。
何故ならこの日には、入宮のアナルを除く全身に対して、徹底的な性感開発が行われるからだ。

「今日はおまえの身体に、イキ癖をつけてやる」

9月の第2週……つまり初めての土曜日の朝、伊田が改まった口調でそう告げた。
瀬川の獣のような性欲も厄介だが、頭脳派の伊田による理詰めの調教にはまた違った危険さがある。
まず入宮は、久々にゆっくりと風呂に入るよう命じられた。
男二人による監視つきとはいえ、地下室のバスタブにたっぷりと湯を張って浸かれば、必然的に身体はリラックスする。
そうして身体がほぐれれば、次はマットの上でのオイルマッサージだ。
肩から背中、腰、乳房から太腿、足指の先に至るまでを、時間をかけて入念に揉みほぐしていく。
伊田も瀬川もこれが上手い。最初は警戒していた『奴隷』が皆、自然と眉を下げるほどに。
しかし、だからこそ危険だ。
胸を開発する時は乳房から責める方法が最上であるように、他の性感帯もまた、外堀から迫るやり方が一番効く。
特に太腿。全身をくまなくほぐして血流を高めた上で太腿を丹念に揉みほぐせば、それだけでごく軽い絶頂に至る事すらあるらしい。
ただでさえ敏感な入宮が、それを凌げるはずもない。
「ん、んんっ…………んああ、ああ…………あああっ………………」
伊田と瀬川の二人がかりで太腿を撫で回され、入宮から甘い声が漏れる。苦しさは微塵もない、太腿の色と同じピンクの吐息という風だ。
にもかかわらず、彼女の顔には恐怖が見て取れる。
「や、やめて。もう触らないで。さっきから、何か、変…………っ!!」
マッサージ開始から30分が過ぎた頃、入宮はかすかに震える声でそう訴え始めた。
瀬川の手が大腿部を擦るたび、伊田の手が内腿を撫でるたび、想像を超える快感が走るのだろう。
しかし、伊田と瀬川が手を休める事はない。休める訳がない。獲物に間違いなく毒が回っていると知れたのだから。

こうして実に1時間以上に渡って性感を研ぎ澄まされた後に待つのは、容赦のない快楽地獄だ。
ベッドの上に大股を開いた状態で座らされ、背後から瀬川に羽交い絞めにされる。
そして執拗な乳房責めを受けながら、陰核をマッサージ器で責められ続ける。
マッサージ器はスライヴと呼ばれる強烈な奴だ。血の巡りがいい状態のクリトリスにそれを宛がわれれば、まず誰でも10秒ともたない。
「あぁあっ!!!」
入宮も僅か8秒で、内腿に筋を浮かせる絶頂の様子を見せた。
そして、絶頂は一度では終わらない。そこからは嫌になるほど徹底的に、クリトリスでの絶頂を迎えさせられる事になる。
細やかな責めに長けた伊田のこと、マッサージ器の扱いひとつを取っても寒気が走る。
マッサージ器は刺激が強烈なだけに、下手に扱えばやがて陰核が麻痺してしまう。
しかし、伊田に限ってそれはない。マッサージ器を押し当てる秒数やタイミングを絶妙にコントロールし、常に刺激に変化をつける。
その結果『奴隷』は、常に絶頂の高原状態を彷徨うことになる。
そしてそれは、入宮とて例外ではない。
「ん、んんんっ……ふ、ふぅっ…………だめ、く、くるっ!! また、くるぅっ…………!!!」
唇を引き結んで必死に耐えていた彼女は、やがて唇を開いて絶頂を口にした。
「くる、じゃない、『イク』だ。絶頂する時には『イク』と言え。必ずだ」
マッサージ器を微妙に傾けながら、伊田が命じる。多少は対話をする瀬川に比べ、伊田は自分のルールを『奴隷』に強要する傾向にあった。
「ああぁあぁああっ!! っく、いくっ、いくいくいくっっ!!!!」
陰核にマッサージ器を押し当てられたまま叫ぶ入宮。それを見て瀬川が笑う。
「ひひひ、すげぇすげぇ、イキまくりだ。プライドの高いガキと思ったが、こんなアクメ面を俺らに晒しても平気なんだな」
「…………っ!!」
瀬川の挑発を受け、入宮は表情を凍りつかせる。そしてそこから数十秒は、歯を噛みあわせて耐えていた。目の前の瀬川を睨み据えながら。
しかし、その状態でさらに絶頂を続けると、次第にその視線が上方を彷徨いはじめる。
そして5回ほど絶頂と思しき反応を見せた辺りからは、また目を固く閉じてしまう。
「へへっ、また逆戻りってか?」
「そう意地の悪い事を言うな、瀬川。あれだけ入念なオイルマッサージで性感を目覚めさせられたんだ。逝き通しにもなる」
伊田は瀬川を制しつつ、入宮の膣の中に指を挿し入れる。そして、ゆっくりと指を蠢かせた。
「んぐぅううっ!!!」
噛み合わされた歯の合間から、たまらないという響きの声が上がる。
さらにマッサージ器が再び陰核に宛がわれると、歯の合間からの声は、んぐぅっ、ぎぅうっ、と断続的に続くようになった。
「絶頂する時には『イク』と言え――そう教えたはずだ!」
伊川は厳しい表情でマッサージ器の角度を変える。その些細な変化で、入宮の意地は突き崩された。
「あぁぁ…………ああっ、ああああっ“イク”っ!!! いくっ、いくぅいくっ、いくぅううっ!!!!」
上下の歯が離れ、はっきりとした絶頂宣言が為されはじめる。従順というよりは、極限状態で強く命じられたことを無意識に行っているという風だ。
そしてその極限状態は維持される。意図的に、熟練の技でもって。

ちょうどこの頃から、映像内に変化があった。マッサージ器が宛がわれている入宮の脚の合間から、飛沫が飛び散りはじめたんだ。
ライトを受けて煌めくその飛沫は中々量が多く、最初は潮吹きかとも思った。しかしマッサージ器が宛がわれている限り、断続的に数分も続くことからして、そうではない。
愛液だ。入宮の秘裂からあふれた愛液が、マッサージ器の振動で四散しているんだ。
ローターによる陰核責めでは見られなかった現象。あらためて、あのスライヴという器具の強烈さを思い知る。それで陰核を責められては、絶頂続きになっても無理はない。
そう。入宮が悶え狂っているのは、意思ではどうにもならないレベルの摂理なんだ。
「あっ、あぁー…………あぁっ、う、あっ、イクっ!! ああ、ぁぁぁ…………はぁっ、ああぁ…………くぅううっ、んんっ…………いっ……く…………!! はぁっ、はーっ、はぁーっ…………ふんんんんっ………………ふぁぁあああっいっ、イグぅうううっ!!!!」

シャトルランを繰り返すような激しい呼吸の中、必死に快感に耐えようとし、しかし堪えきれずに絶頂に至る。
その恥辱が延々と続いていた。
20回目の絶頂時から、入宮の両手が背後の瀬川の左右の腕を掴むようになったのは、乳房責めを嫌ってのことか、それとも何かに掴まらなければ自我が保てないと感じてのことのか。
絶頂が30回を超えたころには、命じられた大股開きを閉じようとする気配も見せていた。
「脚を閉じるな。浅ましく開いていろ!!」
伊田がそう言って脚を押し戻すが、さらに数度絶頂するたび、また脚が閉じかけてしまう。明らかにそれ以上の絶頂を嫌がっている反応だ。それでも伊田は、責めの手を緩めない。それどころかむしろ、マッサージ器を長時間宛がう頻度が高くなっていく。
絶頂40回目からの入宮は、ほとんど泣き叫んでいると言うべき状態だった。
「やめてーーっ、とめてえーーっ!! イクっ、イクよぉっ、いってる、まらいってるぅっ!!! おねがいとめてっ!! ああぁあぁああっイグーーーーッ!!!!」
唾液をたっぷりと含んだ怪しい呂律で、体育館に響きわたりそうな声量を発し続ける。
大きく開いたがに股の脚が何度も浮き上がり、ガクガクと痙攣する。
それでも、伊田は止めなかった。奴がようやくマッサージ器の電源を切ったのは、絶頂70回あまり。入宮から声が発されなくなった後だ。
伊田はベッドに膝をついたまま前へ詰め、ぐったりと項垂れた入宮の瞼を開いた。そしてじっくりと観察し、ほくそ笑む。
「ふふ、これはまた……早くも快感で脳がドロドロらしい。良かろう、しばし休憩だ。今日は長いからな」
その呟きは、果たして入宮の耳に届いたのか。少なくとも俺はそれを聞き、底知れない恐怖を感じていた。



「やめてっ、いやーーっ!! やめてよっ、ふざけないでっ!!!」
休憩後に響き渡った入宮の叫びは、金切り声というのか、日常生活では滅多に耳にしない類のものだった。
彼女が今行われようとしているのは尿道開発。文字通り尿道に異物を差し入れ、拡張していく責めだ。
床の上で“マングリ返し”と呼ばれる格好を取らされつつ足首を掴まれた時、入宮は、またクリトリス責めかと思ったことだろう。
だからこそ、尿道の入口に綿棒が宛がわれて初めて驚愕する。
今までの『奴隷』も皆そうだった。当然だ。アナルにしてもそうだが、排泄の穴を開発されるなど、予めの知識がなければ予想すらできない。
俺も最初に尿道責めの映像を見た時には、綿棒が入り込んでいるのが膣ではなく尿道なのだと理解するのにかなり掛かった。
正確には言えば、見抜けはしなかった。ただ『奴隷』が、「そんな所に挿れてはいけない」「垂れ流しになる」と、普段の文学少女然とした雰囲気をかなぐり捨てて叫んでいたから察せただけだ。
「ふふ、存外に愛らしい反応をするものだな。瀬川よ、この様を見てもこの娘をサディストだと思うか?
 本当のSであればこうした苦境にも、グッと歯を食い縛って耐えるものだが」
「ああ、どうやら俺の勘違いらしい。こいつの矜持は紛いモンだ」
伊田と瀬川は入宮の顔を覗きこみながら煽る。そう言われては入宮も、続く非難を呑みこむしかない。
心身共に束縛された入宮は、自らの尿道へ異物が入り込む様を黙って睨み上げていた。
まさに挿入というその瞬間には、瀬川が押さえ込む足首に深く溝が入った。
「安心しなさい。キシロカイン――麻酔薬を含んだゼリーをたっぷりと付けてある。痛みは直に消える」
伊田はそう諭しながら、改めて指で秘裂を拡げなおした。
太い指に押し拡げられた鮮やかなピンクの中へ、再び純白の棒の頭が押し付けられる。
「…………い、ぃきっ………………!!」
入宮の眉が顰められ、歯が食い縛られる。痛みのせいか、恐怖のせいか。どちらに起因しているにせよ、伊田の手が止まることはない。
尿道開発はじっくりと進んだ。
綿棒の先を押し当てては離し、押し当てては離し、を数度に渡って続けた後に、ごく浅く挿入する。
先端の膨らみの半ばほどまでを呑み込ませてから、一旦引き抜き、再び呑み込ませる。
その次は、半ばほど呑み込ませた状態から、捻るようにしてさらに深く沈めていく。
そうして少しずつ少しずつ、尿道の奥へと進んでいくやり方だ。
入宮の表情は複雑だ。睨むような瞳の裏には、恐怖か戸惑いのどちらかがある。
痛みはなさそうだ。時折り眉を顰める事はあるが、後は綿棒が進んだ時や捻られた時に、あ、と小さく声を上げるばかり。
綿棒がスムーズな前後移動を始めた段階でも、それは変わらなかった。
「どうだ。尿道をこうして擦られるのは。思った以上に心地いいだろう」
尿道へ突き刺さった綿棒から一旦手を離しつつ、伊田が問う。
「……自分にもあるんだから、実践してみれば? あたしが割り箸でもぶっ刺してあげるよ」
当然、入宮は反抗の意思を見せる。伊田はその反応を想定していたのか表情を崩さず、ローターを拾い上げてスイッチを入れた。
そして、突き立った綿棒に触れさせる。
「あ、ああっくっ!?」
入宮は声を上げた。ローターの振動が綿棒を介して、直に尿道へと響いたのだろう。
「忘れていたよ。おまえの口は嘘をつく。不必要に自分を飾る。ここはやはり……素直な身体の方に訊くとしよう」
伊田はそう告げて尿道責めを再開する。
尿道へ嵌まり込んだ綿棒を前後に揺らし、捻り、ローターを触れさせ。
半ばほど埋没させた状態で一旦放置し、人差し指を膣に入れて膣壁越しに綿棒を回転させる。
これらの責めは、確実に入宮に変化をもたらしていた。
声は出ない。だが抑えきれないという様子で、熱い吐息が少しずつ早まりながら繰り返し吐かれる。
その責めが五分ほど続いた後。
「だめ…………で、でちゃう………脚離して……………!」
必死に何かを耐える様子を見せていた入宮が、頭上の瀬川を見上げながら乞う。
だが瀬川は薄ら笑みを浮かべているだけだ。
人差し指で膣内にちゅくちゅくと水音を立てていた伊田もまた、待ち侘びていたとばかりに頬を緩めながら指を抜く。
そして、かなり深く入り込んでいた綿棒が引き抜かれた瞬間。まるで異物との別れを惜しむかのように、秘裂の上から液体があふれ出す。
液体は一度低い放物線を描いてから途切れ、再度少し高い軌道でやはり放物線を描いて途切れ、
「んん、んやぁーーっ!!!」
妙に幼さを感じさせる入宮の息みと共に、三度目で本格的な放尿となる。
小さな黒点から発された液体が、まず透明な三角の膜を作り、それが収束して高らかな放物線を描いた後に四散する。
入宮自身が“マングリ返し”の格好を取らされている以上、その飛沫のかかる先は当然――彼女自身の顔付近となる。
「ぶはっ、ぷあっ!! ちょ、ちょっと……あぶふっ!!!」
自らの小便を顔に受けるうち、少なからぬ量が口に入ってしまっているようだ。
よほど溜まっていたのだろうか、放尿はかなり長く続いていた。放物線が形を保てなくなるまでには、10秒は掛かっていただろう。
恥辱の後には、入宮の無惨な姿があった。今ようやく海から陸へ上がってきたばかりという風に、濡れた髪が顔や首に貼りついている。
「おーおー、まさに小便臭いガキってやつだなこりゃ!!」
足首を掴む瀬川が嘲笑うと、入宮の目が見開かれ、殺意すら感じる視線を投げかけた。
「誰のせいで、こんなっ…………!!」
「おまえ自身のせいだ」
入宮の怒声を、冷静な伊田の声が遮る。虚を突かれたのか、入宮が言葉を止めた。
「は、はぁっ?」
「忘れたのか。おまえは負債持ちの身だ。今で3つ……いや、4つか。そうして小便を浴びているのは、おまえ自身が築いた負債のせいだ。
 おまえの不誠実な態度は、やがて恥辱となっておまえ自身に返ってくる。少しでも快適に過ごしたいのなら、大人しくしておくことだ」
冷ややかに見下ろす伊田に対し、それでも入宮は睨むことをやめない。誇り高く生きてきた彼女の矜持が、退くことを許さない。
「まぁ、こちらとしては……歯ごたえのある方が好みだがな」
伊田はそう言って、新たな道具を拾い上げる。緩やかなカーブを描いた、サージカルステンレス製の尿道ブジー。
「や、いや。やだっ…………!!」
それがゆっくりと尿道に近づけられるにつれ、入宮の目元が引き攣っていく。

ああああ、という声が上がったのは、その数秒後のことだった。



尿道ブジーが使われはじめてから、何分が経っただろう。
映像の中では、伊田と瀬川の手により、より入念な尿道責めを行う体制が出来上がっていた。
屈辱的な“マングリ返し”の姿勢はそのままに、膣が器具で大きく開かれている。
伊田はその状態で尿道にブジーを前後させつつ、陰核を指で刺激し続けていた。
激しさはまったくない。
尿道ブジーは激しく抽迭される訳ではなく、傍からは、尿道から伸びた細い糸をクイクイと指で手繰っているようにしか見えない。
陰核を責める指もまた、陰唇の上端を優しく左右に弾いたり、親指と人差し指を使って摘み上げている程度のものだ。
にもかかわらず、入宮は今や完全に感じている時の反応を示していた。
歯を閉じて、シーッと違和感に耐えるような息を吐き出したかと思えば、その直後には、ああぁ、ぁぁぁーっ、と、本当に気持ちの良さそうな声を漏らす。
そして5回に一度は、『あ』と『お』の間のような、濃厚に絶頂の気配を匂わせる吐息を吐く。
快感は身体的特徴としても表れていた。
伊田が様々に弄くり回す陰核……それがもう、ハッキリと見て取れるほどに勃起しきっているからだ。
ぼうっと見ていても、最初の頃のように大陰唇の皺の一部などとはもう思えない。それほどの尖りを見せている。
陰核は神経の塊だ。そこが極限まで研ぎ澄まされている状態で、親指と人差し指に挟まれて扱き上げられれば、たまらない。
「ぉおおあぁああぉっっ…………!!」
そうした快感の凝縮した喘ぎを漏らすのも、仕方のないことだ。たとえ、憎い男に見られながらでも。
伊田はじっくりと責めを続けながら、なぜそれほどに感じてしまうのか、そのメカニズムを入宮に対して説いていた。
外から見えているクリトリスと呼ばれる部分は、陰核亀頭と呼ばれ、陰核体という組織のごく表面的な部分に過ぎない。
ちょうど男の陰核と同じで、そこだけを刺激しても絶頂には達するが、根元からじっくりと目覚めさせた時の快感には遠く及ばない。
その根元を目覚めさせる最も効果的な方法が、尿道を責めることだ。
尿道と薄皮一枚で接する陰核客を丹念に擦り上げ、神経を研ぎ澄ませた状態で陰核亀頭を刺激すれば、この通りだ。
そうして現状を認識させつつ、さらに陰核を昂ぶらせていく。
「知らない、そんなの、知らないっ!!」
入宮は何度も首を振り、伊田の囁きを耳に入れないようにしているようだった。脳が仕組みを理解したが最後、快感の質が変わると察したからだろう。
だがいずれにせよ彼女は、快感から逃れられない。
「おーっ、見ろよ伊の字。このガキ、気持ちよすぎてヨダレ垂らしてやがんぜ!?」
入宮の顔を飽きずに観察していた瀬川が、嬉しそうに言う。画面を凝視すると、確かに入宮のだらしなく開いた口の端に何かが見えた。
はっとした様子で表情を引き締める入宮だが、もう遅い。
「出来上がったな。ちょうど陰核も、これ以上はないというほどに固くなっていることだ。そろそろベッドに戻ろうか」
伊田のその一言で、入宮の顔がゆっくりと上を向く。
「え…………?」
その表情をにこやかに受け止めながら、伊田は続けた。
「ベッドへ戻るんだ、豚。改めて、マッサージ器で可愛がってやる」
伊田の太い指が陰核を摘むと、ただそれだけで入宮の腰が跳ねる。そんな状態で、またマッサージ器を使われれば……。


「いやああぁーーーーっ、やめてやめてっ、やめてよ、とめてーーーーっ!!!!」


映像の中に悲鳴が響きわたる。
ベッドに戻された入宮は、瀬川に太腿を抱え込まれながら陰核にスライヴを宛がわれていた。
あえて拘束はされていない。瀬川共々汗まみれになったまま、格闘でもするように刻一刻と姿勢を変える。
入宮は、明らかに陰核への刺激を嫌がっていた。
性器の状態も異常だ。一度目の終盤に見られたような愛液の飛沫が、もう起きている。
スライヴが陰核へ宛がわれるたびにブジュブジュと透明な汁が飛び散り、見た目にはほぼ小便と変わらない。
「おーおー暴れやがる。やっぱすげぇ脚の力だぜこいつ」
暴れる入宮の太腿が一旦瀬川の拘束を振り切るが、瀬川は冷静に膝裏を掬い上げて大股を開かせる。
そこへスライヴが押し付けられる。
「あああぁ“--っ、いやぁーっ、いや゛ぁああ“っっっ!!!!!」
顔まで噴き上がるほどの飛沫の中で入宮が激しく首を振る。
「絶頂する時は『イク』と宣言しろ。同じ事を何度も言わせるな!」
伊田が恫喝する前で、入宮は全身を痙攣させる。
「あああ……あ゛ぁああ゛っ!! だ、だってあらし、さきからずっといってる、いきっ、できなっくらい…………!!
 だからとめてって、ああ、あぁああぁあいくーっいくーーーっ!!またイグぅぅうううっっ!!!!」
入宮の垂れ下がった目からは涙が零れ、鼻からは鼻水が、口からは牛のように涎が出続けている。
あの凛とした入宮と同じ人物だとは、到底思えないほどに。
だが、紛れもなく彼女だ。変わっていく様をずっと見続けてきた俺には解る。あれは入宮なんだ。
暴れる中でとうとう入宮はうつ伏せの姿勢になり、瀬川に覆い被さられたまま、突き出した尻にスライヴが宛がわれる。
獣同然の惨めな格好だ。前方のシーツをガリガリと掻き毟りながら、いくぅいぐぅー、と繰り返す様は品性の欠片すらない。

『イキ癖をつける』
伊田が一日の初めに宣告した目的は、見事に達せられたと言えるだろう。
事実、入宮はこの土曜以来、明らかに陰核責めに弱くなった。
翌日の日曜には、畳の上で這う格好のまま、瀬川にアナル舐めを受けながら陰核を弄られる責めを受けたが、
その時に彼女が上げた声は、聞いているだけで変な気持ちになるようなものだった。
「おーおーおーおー、なんだこりゃ。ドロッドロじゃねぇか」
アナル舐めを中断した瀬川が秘裂の辺りをまさぐると、入宮のスレンダーな身体がぞくっと跳ねる。
この時の入宮は、煽られたにも関わらず後ろを睨むことをしなかった。
それどころか、顔を見られたくないという風に、肘を突いた両手で頭を挟み込んでいた。

アナル舐めの後、道具を使った肛門拡張が始まってからも様子がおかしいのは変わらない。
アナルパールやアナルディルドウを用いられると同時に陰核を刺激されると、即座に細い腰が震える。
真正面から顔を見られる格好のため、入宮も最初は睨むような瞳で凛としていた。
だが5分が経つ頃には、右手の甲で口を押さえ、視線を脇に逸らすようになる。
そしてそこから時が経つにつれ、表情が苦しそうなものに変わっていく。
眉が顰められ、横へ投げ出した視線が鋭さを増し、口元は手の甲を噛むような形になり。
そして最後には額にじっとりと汗を掻いたまま、瞼が固く閉じられてしまう。
基本的に表情が強張ったまま変わらないが、時折り、ぴくっ、ぴくっ、と口元が動いていた。
ごく短い一言。多分、『いく』と繰り返していたんだろうが、俺には真実は解らない。同じ場所にいる伊田や瀬川と違って。



月曜の朝になってもなお、入宮の様子はおかしいままだった。
睡眠が足りていないという事もある。
入宮の反抗心を削ぐためか、伊田と瀬川は入宮に充分な睡眠を与えない。
まったく眠らせない訳ではないが、眠る入宮には必ず嫌がらせが加えられた。
身体中を舐め回したり。乳首をクリップで挟み潰したり。鼻をフックで吊り上げられたり。逸物をしゃぶらされたり。
「いいかげんに、してよ………………!!」
心の底から迷惑そうにする入宮の態度も、瀬川達には興奮材料にしかならないらしい。
ただこの月曜に限っては、単なる睡眠不足とは雰囲気が違った。
寝惚けているのではなく、蕩けている、と表現すればいいのか。
「んっ!?」
キッチンの椅子に腰掛けた瞬間、彼女は小さく呻いて背筋を伸ばした。
そしてしばらく目の前を見つめ、困惑した表情で顔に手を当てる。
「あれ……何か、ふわふわする………………なんだろ、これ………………?」
そんな事を呟いている。
朝食の間もぼうっとし続けで、危うく手にした汁椀を落としそうな有様だった。
もはや恒例となった瀬川による貞操帯取り付けの際も、普段とは違う。
股座を濡れタオルで拭く、という時、んっ、という声の後に乾いた音がした。多分、入宮が瀬川の腕を掴んだ音だ。
「今日は、ほんとにやめて…………!!」
そんな事を口走りもする。入宮だって馬鹿じゃない。弱みを見せれば、瀬川を付け上がらせるだけだと理解しているだろうに。

結局入宮はこの日、腕を掴んだ罰と称して、貞操帯以上の恥を課せられる事となった。
通学途中は常にスカートを鞄で隠し、教室の中では常に脚を閉じ合わせ。
昼休みに旧校舎の屋上へ辿り着いて初めて、普通に歩けるようになる。
「ほんと、最悪……」
フェンスに寄りかかって頭を抱えながら、入宮は溜め息をついた。
事情を知っているだけに、何と声を掛けていいか悩む。
この日の入宮の太腿には、制服のスカートでかろうじて隠せる範囲に、びっしりと淫猥な言葉が書き連ねられている。
『ジジイに奪われる予定の処女マンコ』
『ユルユルの小便穴』
『ズル剥けのデカクリ。クリ逝きで失神経験有り』
『現在拡張中。アナルパール深さ24cm、アナルプラグ直径6cmまで入ります』
性器を指す矢印と共に、そうした言葉がピンク色の肌を覆い隠す。
クールなカリスマとして学年中から注目される入宮のこと、どれを読まれても一大事というものだ。
だが、フェンスに寄りかかる入宮の頬が赤い理由は、その羞恥ばかりでもないらしい。

「ねぇ、岡野。あたしのこと……褒めてよ。何でもいいからさ」
グラウンドからの風に黒髪を靡かせながら、入宮が呟いた。かける言葉を探していた俺は、思わずその横顔を見上げる。
「な、何だよ。どうしたんだ?」
妙な胸騒ぎと共にそう訊ねると、入宮はしばし黙り込んだ。そして、ふっと口元を緩める。
「冗談、冗談。」
そう呟いて、また遠くへ視線を投げる。明らかにおかしい。
「その、入宮…………」
居たたまれずにそう切り出しはするものの、続く言葉がわからない。
入宮は一瞬俺の方に視線を落とし、またフェンスの先に視線を戻す。
「…………ごめんね。なんか朝から、変な事ばっかり言ってる。今のも別に、深い意味とかないんだ。
 ただ、岡野に励まされると、あたしすっごい元気出るからさ。ちょっと聞きたかっただけ」
その言葉が、俺の胸に刺さる。
つまりそれは、励まされないと無理なぐらいに参ってるって事じゃないのか。
「そんなに……やばいのか?」
俺は入宮を見上げた。多分苦い表情で。入宮は、またちらっと俺に視線を寄越した。
「どうかな……。精神的には、まだ大丈夫。あたしのままで居ようって気持ちは変わんないよ。
 でも、身体の方がさ。なんか、変なんだ」
ローファーが踏みかえられ、入宮の身体が俺の方を向く。
フェンスに片手を掛けたその姿は、シルエットだけなら先月までの彼女と変わりない。
でも、何故だろう。雰囲気がまるで違う。どこか…………娼婦のような。
「ごめん、ちょっと吐き出させて」
入宮は憂いを帯びた瞳でそう前置きし、手を握り締めながら語り始めた。

土曜日にクリトリスを調教されたこと。
伊田達の責めには屈するかと頑張ったものの、無理だったこと。
快感が強すぎて、何度か失神したこと。
今も勃起状態が続いていて、歩いたり座ったりするたびにショーツに擦れて感じてしまうこと……。

「多分今も、その……濡れてる、と思う。それ知られたらまた、鬼の首取ったように淫乱だとか言われるんだよ」
毒を吐き出すようにそう告げてから、入宮は深呼吸を始めた。
制服のブレザーを上下させながら。気のせいかまた、胸が育ったような気もする。
「ふーーっ、よし、弱音終了っ! ごめん、愚痴に付きあわせちゃって!」
爽やかな笑みを浮かべ、パンと手を合わせる入宮。
少しは元気になったようだ。さすがにスポーツで結果を残してきただけあり、自分なりの気の持ち直し方があるらしい。
そしてその発散対象に選ばれた事が、素直に嬉しかった。
こんな事を言える立場にない事は重々承知だが、それでも俺は、入宮に笑顔でいてほしい。
「全然。キツくなったら、またいつでも言ってくれ」
俺はそう言って笑った。
頑張れ、頑張ってくれ――――心の中で、切実にそう叫びながら。


                               続く

幕を引くのは(前編)

※スポーツ少女アナル調教モノ。NTR・スカトロ(排便・嘔吐)ありのため注意。
 長いので前後編に分割します。

 
 
『苔屋敷』。
俺の家が友達からそう呼ばれたのは、小学生の頃だったか。
言われるのも無理はない。実際ウチは、外から見るといかにも古い日本家屋の屋敷だし、あちこち苔で覆われてもいる。
先祖は旗本だか御家人だかで、その苔蒸した歴史がそのまま今に伝わっているわけだ。
ただウチには、一つだけ他所と違うところがある。それは、やたらに広い地下室がある、という事実。
元は座敷牢だったらしく、格子状の牢屋が幾つも並ぶ空間だったらしい。
それが今では半ば吹き抜けのようになり、壁には手枷足枷などのいかがわしい拘束具が並び、
簡易のシャワースペースや風呂桶、化粧箪笥を備えた畳敷きの空間まで用意されている。

俺がまだ文字も読めないガキの頃から、屋敷にはよく知らない女が出入りしていた。
頭の悪そうなギャルや、逆に遊びなんて知らなさそうな地味な子……皆地下室に降りていき、数ヶ月もすれば姿を見せなくなる。
俺はその理由を親父に問い質したが、いつも不機嫌そうに、ガキが知る事じゃねぇと一蹴された。
最近になってようやく明かされた事だが、地下の空間は、親父や爺ちゃんが代々世話になっている組の調教部屋らしい。
一昔前にはスケコマシとも呼ばれた調教師が、組にとって都合がいいように素人女を躾ける場所。
親父はその調教部屋の管理を組から任されている身だという。
まあ曾爺さんの世代からずっとここに住んでるんだから、今さら任されるも何もない気もするが。
ところがその親父は、去年の秋頃から酒で肝臓をやって入院している。だから今は一時的に、俺が屋敷と調教部屋の管理をやらされていた。
今でもまだ高3、大手を振ってエロ本も買えない身だというのに。
仕事は3つ。調教部屋の清掃および、汚れ物の洗浄・洗濯。調教師に供する食事の支度。そして調教部屋の監視だ。
室内清掃の時には、濛々と立ち込める汗の匂いやらで噎せそうになる。
飯にしても、調教師という人種はなぜか揃って偏食で、これは嫌だ、あれは無いのかととにかく注文が多い。
だが、調教部屋の監視……これだけは楽しみだった。
親父からは、女の裸がいくらでも見られるが、興奮するのは最初の内だけだと聞かされていた。
だが、思春期真っ盛りの俺には堪らない。地下の調教映像など、リアルタイムで進行する無修正AVも同然だ。

監視カメラを通して、俺はありとあらゆるアブノーマルな行為を見続けた。
最初はえぐい責めを直視できず、思わずトイレに駆け込む事もあったが、段々とそのハードさにも慣れていく。
今では、クラスの奴が回してくる『ネットのヤバい動画』では、何の刺激も得られない。
ともあれ、そうして女の痴態を見続ける俺だが、中でもスポーティな女の子の調教は興奮の度合いが違った。
理由はハッキリしている。
俺の初恋の相手にして、今でも密かに憧れているクラスメイト……入宮 知佳(いりみや ちか)を思わせるからだ。

入宮のことは小学校の頃から知っている。
入学当時から男勝りなスポーツ少女で、休み時間になるなりボール片手にグランドへ駆け出し、率先してドッジボールを始めていた。
中学に上がる頃には、それまでのロングヘアをばっさり切ってショートにし、陸上に打ち込み始めた。
そして高校に上がると、やはり陸上をやるつもりだったが強く勧誘されてバスケ部になり、今は部長をやっている。
フォワードとしてはドライブの鋭さもハンドリングテクニックも頭一つ抜けていて、県内随一とまで言われるプレーヤーらしい。
入宮が2年だった去年は惜しくも県大会準優勝で終わったが、今年こそ全国か、と校内の女子も沸いている。
要するに、見事なまでのスポーツ少女なわけだ。そして俺は、そんな入宮に惚れていた。
まず、ルックスがいい。
後ろ暗いところの無さそうな澄み切った虹彩が印象的で、入宮の前に立つと、いつも自分の姿がその瞳に映った。
猫っぽい釣り目は喜怒哀楽のはっきりした彼女らしく、刻一刻と形を変える。
逆に口元は妙に大人っぽいというか上品そうで、彼女がスポーツドリンクを飲む度につい目を奪われてしまう。
スタイルもいい。
運動でよく引き締まった身体は、クラスの他の女子なんて比較にならないほど均整が取れている。
スレンダーな印象の割に胸はCカップはあるらしく、ゼッケンの胸の辺りにはいつも少し角度がついていた。
その胸から、一切無駄な肉はないという感じに腰に向けてきゅっと締まっていき、
逆にハーフパンツから下の太腿にはいい感じに膨らみがあって、膝裏の深い窪みを経て、また絶妙な形と長さをした膝下が続く。
まだ未成年だけに成熟した体型とは言えないものの、同年代の女子として見る分にはあまりにも刺激的に過ぎるボディだ。
水泳の授業で水着姿の入宮が現れた瞬間、クラスの男子全体の雰囲気が変わるぐらいに。
そして、何といっても肌がいい。
中学までは外遊びや陸上で日に焼け、高校からは屋内競技であるバスケ、という経歴のせいなのか。
入宮の肌は、白すぎず黒すぎず、常に湯上りのような最高に血色のいい桜色をしている。
その鮮やかさは華の女子高生と呼ばれる中でも群を抜いていて、体育館に女子が集まっている中でも一発で見分けがつくぐらいだった。

俺はそんな彼女の身体がとにかく好きで、まだ自慰の経験すらない小学生の頃から、校庭で遊ぶ入宮をぼーっと眺め続けていた。
当時から漫然と好みのタイプだとは思っていたものの、中学生、高校生ともなればいよいよ本格的に性に目覚め、シャレにならなくなってくる。
一時期は本当に、寝ても覚めても入宮の事ばかり考えていた。
遠くから眺めるだけでは飽き足らず、彼女への下心ありきで外遊びに混ざった事も何度かある。
しかし所詮はインドア派。普段体を使い慣れている連中にはついていけず、足手まといの烙印を押されるのが常だった。
ただ、それでいい。足手まといの俺は、それを理由に傍らに座り込み、入宮を堂々と間近で見られるからだ。
ボールを手に、左右に鋭い視線を散らしながら素早く身体を切る入宮。
俺はその入宮の横顔と、かすかな胸元の揺れ、太腿から脹脛の筋肉の凹凸や、空中に飛び散る汗を網膜に焼き付ける。
そして家に帰るなり、その記憶をオカズに延々と至福の自慰に耽った。
そういう生活をしばらく続けた後、ちょうど中学の卒業式の時、俺は入宮に告白している。
人生で一番勇気を振り絞った告白だったが、拒絶はあっけなかった。

「ごめん。あたし、運動ダメな奴とは付き合う気ないんだ」

今思えば、このバッサリと斬って捨てる言い方は、彼女なりの優しさだったんだろう。
変に濁して期待を持たせるよりは、100%望みがないと理解させた方が良い。いかにも彼女らしい理屈だ。
後から聞いた話では、俺の他に何人もが同じく即断で斬り捨てられていて、結局入宮はまだ誰とも付き合った事がないらしい。
だから、俺に入宮を恨む気持ちはない。
実際この件があってから、昼も夜も入宮の事を考え続ける事はなくなった。
ただ、それでも彼女を魅力的と思う気持ちは変わらない。地下で運動部系の子が調教されている時、特に鼻息が荒くなるのはそのせいだ。
そのぐらい俺は、入宮の事が好きだった。
だからこそ、俺は耳を疑う。ウチでの調教を仕切る組の舎弟頭から、次の調教対象の名前を聞いて。

入宮 知佳――――。
舎弟頭の板間さんは、間違いなくそう言った。さらに、お前ェと同じ高校だよ、とも続けた。
俺は電話口でかなり取り乱していたと思う。
なんであの子が。ヤクザに関わるような子じゃないし、第一彼女は全国を狙おうというバスケ部の部長だ、調教どころじゃない……と。
そんな俺に対し、板間さんはいつも通り飄々とした態度で答えた。
理由はよくあるつまらない事。バスケ部部長の座ならすでに降りている、と。その言葉を聞いて、俺は理由が借金だと気付いた。
癖なのかわざとなのか、板間さんはいつも金絡みの案件はよくある事だとはぐらかし、他に裏がある場合は知るなと釘を刺してくる。
後で調べたところ、確かに理由は借金のようだった。
さらにこの電話の少し後、彼女は家庭の事情から、夏の大会を最後にバスケ部を引退した。
本当なら、クリスマスボウルという冬の全国大会も控えていたはずなのに。

調教開始は9月の第2週から。
場所は俺の家だ。入宮がまだ高校生である以上、平日は学校に通わなければならず、俺の家を拠点とするのが都合がいいらしい。
俺と共に下校し、地下で夜中まで調教を受け、朝はやはり俺と共に登校する。
平日はその繰り返しで、土日は原則として48時間ぶっ通しで調教するつもりらしい。
やけにハイペースなのは、入宮の写真を組の得意客にバラまいたところ、中国の金持ちが猛烈に食いついてきたせいだ。
その男は大晦日までたっぷりと入宮を愛で、年が明けると同時に処女を奪うことを熱望しているという。
ただし、最近は後孔にも興味があり、使いたい。拡張や性感開発は面倒なので任せる。
挿入するなり痛い痛いと喚かれても興醒めなので、どうせなら後孔だけで絶頂するように調教しておけ。
売買契約さえ成立すれば、金と権力で強引に高校卒業の扱いにしてやるから、遅くとも12月中には『納品』しろ。
それが男の要求で、急遽調教計画が立ち上がったというわけだ。
調教師が決まるのも早かった。この屋敷の勝手を知っている、常連の二人組だ。
一人は伊田といい、禿げ頭がいつでも脂ぎっている、醜く腹の出た男。
もう一人は瀬川という、いつでも無精髭まみれ、垢まみれで体臭のひどい痩せた男。
数いる調教師の中でも、男に対するコミュニケーション能力が皆無な二人だ。

「この度もよろしくお願いします、先生方」
俺はいつも通り、家に上がった伊田と瀬川に握り飯を振舞った。
するとやはりと言うべきか、二人揃って俺とは目も合わさずに椅子に座り、不味そうに米を食い散らかす。
女相手には呆れるほど喋るくせに、男相手となるとこれだ。何か信念でもあるのか。
あったとしても、せめて匂いぐらいは何とかして欲しい。伊田は明らかに内臓が悪い人間特有の口臭が、瀬川は体臭が酷い。
ここだけの話、こいつらに出した食器類は滞在期間が終わり次第全部捨てている。そのぐらい嫌いだ。
こんな下劣な連中が、入宮を調教するっていうのか。そう思うと、手にした玉露入りの湯飲みで殴り殺したくなってくる。
いやそもそも、入宮が調教対象っていうのが間違いなんじゃないのか。
同じ学校にたまたまいた同姓同名とか。そうだ、きっとそうだ。あの入宮が、こんな汚い場所に来る訳が…………
俺のその縋るような願いは、直後のチャイムで掻き消される。

引き戸を開けた先にいたのは、紛れもなく俺の知る初恋相手だった。
やや瞳に翳りがあるとはいえ、その澄んだ虹彩は立ち尽くす俺の姿を映し出す。
「………お世話になります」
悲壮な覚悟を秘めた一言が、桜色の唇から放たれた。
地獄に乗り込む時にもこの気丈さ。これは間違いなく、入宮だ。
そう、間違いなく……。



「へへへ、おいでなすったか。マジで眼力の強ぇ嬢ちゃんだなぁオイ!」
いつの間にか俺の背後に忍び寄っていた瀬川が叫ぶ。
「まぁまぁ、とにかく上がんなさい。腹が減っているなら握り飯があるぞ。私達の食べさしだがねェ」
伊田も教授のような妙に鼻につく物言いを始めた。
本当に、女の前でだけ態度の変わる連中だ。
「っ…………!!」
入宮がかすかに鼻をひくつかせ、眉を顰めた。それもそのはず。中年男二人が醸し出す悪臭が、辺り一面に漂っている。
「さぁ、遠慮はいらんよ」
調教師共はそう言いながら、我物顔でソファを指し示した。その唇は悪臭に怯む入宮を見て吊り上がっている。
そう、こいつらの匂いはわざだ。匂いで自分を覚えさせ、一種の催眠状態に陥らせる事で“条件付け”を容易にする、そのために。

入宮は渋々といった様子で玄関を閉め、ソファに腰掛ける。
夏休み明けとはいえまだまだ残暑がきついため、入宮の制服は夏仕様だ。
女子高生の制服っていうものは、それだけで魅力的に見える。特に入宮の場合、スタイルがいいだけに尚更だった。
改めて見ると、入宮の肌は夏を越したばかりなのに焼けていない。相変わらず血色のいいピンク色だ。
去年までは夏になるたび海でこんがりと焼いていたのに、今年はその余裕も無いほど家計が切迫していたということか。
髪も少し印象が違う。つい数ヶ月前までは、いかにも部活一筋という感じの耳が隠れる程度のショートだったが、
今は横髪の毛先が肩をくすぐる程度にまで伸びている。色染めなんてした事もなさそうなほど、黒く艶光ったまま。
それが妙に女を感じさせて、ゾクリとする。
身売りが決まった時点で、女らしく見せようと伸ばしはじめたのだろうか。そう考えると、胸が苦しくなる。

「いやーしかし、ホント凛っとした感じだよなぁ、たまんねぇぜ。テメェ、バスケ部の部長なんだろ?
 さぞかし後輩のガキ共に、偉っそうにしてきたんだろうなぁ、部長サマともなりゃあよォ」
瀬川が浅黒い指で入宮の顎を掴み上げる。
「ッ!」
入宮は鋭い視線を瀬川に向けた。
「おう、それそれ。そういう目すんだよなー、体育会系のガキは。ま、ハネ返ってられんのも今のうちだけだ。
 今日から俺ら二人が、テメェをきっちり奴隷に躾けてやる」
そう囁きかけながら、入宮の肩に手を回す瀬川。
その右手が入宮の身体をぐるりと回り、肩にかかった時。急に入宮の左手が動き、瀬川の手を払いのけた。
パシンッといい音がする。音からして、手首がジンジンと痺れる類の衝撃だろう。
「ぐおっ! チッ……この馬鹿力が。よぉ伊の字、こいつ流石はバスケ部だ、やべぇ指の力だぜオイ」
瀬川は手首を振りながら、伊田に向けて肩を竦めてみせた。
そんな瀬川を、至近から入宮の目が射抜く。
「契約した以上、身体は売るし、調教も受ける。でも、必要以上に馴れ馴れしくしないで。
 悪いけどあたし、あんた達みたいな男ってすごく嫌いなの。見るからに不健康で、だらしなくって、臭い。
 いい歳してマナーも弁えないなんて、最低!!」
間髪入れず突き刺さる、正論。語気強く諭すようなその言い方が、またいかにも部を纏めるキャプテンらしい。
部活の後輩やクラスの男子なら、こんな空気になればすぐに平身低頭で謝るだろう。
だが、今は違う。奴隷と調教師、身分の差ははっきりしている。

「そうか、私達は嫌われてしまっているのか。だが、それでも構わんよ」
黙って状況を見守っていた伊田が、入宮の隣……瀬川とは逆側に腰掛ける。そして、入宮の艶々の黒髪を撫で始めた。
「どうせ私達は、これからたっぷりとおまえの反感を買うんだ。
 おまえは男を狂わす魔性の身体の持ち主だ。おまえ自身が知ってか知らずか、ね。
 おまえの周りにいる男……同級生や教師どもはみな、引き締まったおまえのこのフトモモを見て、濁った精を放ったに違いない。
 この身体に当てられたんだ、さぞや下劣な妄想をしたことだろうね。
 逸物をしゃぶらせたり、髪の生え際から足の指に至るまでをねぶり回したり、慎ましいアヌスを犯し抜いたり。
 わかるかね……今からその妄想がすべて、現実のものになるんだよ」
伊田はそう言いながら、撫でていた髪の一房を摘み上げて舐めしゃぶる。
「ひっ! や、やめてよっ、汚い!!!」
入宮が目を剥いて叫ぶ傍らで、瀬川の手も動きを見せた。
左手を制服のシャツに滑り込ませ、そのままブラジャーを押しのけるようにして右乳房を掴む。
「きゃっ!!」
今度の悲鳴はいかにも女子らしい。いくら男勝りでも、こういう時は女の子なんだ。
「おおーっ。やっぱ女子高生のチチは最高だなぁ、張りが違うぜ張りが!
 肌もモチモチで吸い付くみてぇだし、中学生以下のガキみてえに変なしこりも残ってねぇしよ。ひひひ、やぁらけぇー。
 おまけにオイ、てめぇ細い身体のくせに、中々でかいチチしてんじゃねぇか。こりゃDはあんだろ、ええ?
 俺の手の平にすっぽり収まってよぉ、まるで俺にこうして揉まれるためにこ成長したみてぇだぜ」
瀬川は今にも涎を垂らしそうな笑みで入宮の乳房を揉みしだく。
「んっ……やめっ……て、ってば…………っ!!」
入宮は露骨に嫌がって瀬川の腕を掴みに掛かるが、その隙に逆側の伊田がスカートを捲り上げる。
ショーツが覗いた。赤いレース柄の入った、桜色のショーツだ。
「あっ!?」
「ほう、これは可愛らしい。今日一日、これで過ごしたという事か。
 こうも露骨に男を誘う下着を着けて過ごしているのは、学校内でもおまえか、ウリをやっている不良少女ぐらいだろう。
 ……と、いやいや、おかしな事を言った。おまえもまた売女だったな。
 何しろおまえは、万札で股を開く花畑な女より、さらに貞操観念の緩い豚になるんだ」
伊田はそう囁きながら、文字通り瞬く間にショーツへ指を滑り込ませた。
入宮がぎょっとした顔をしたのは、盛り上がったショーツの内部で指が蠢き始めてからだ。
悔しいがこの調教師達は、責めの展開が鮮やかすぎる。ボクサーが顎を打ち抜くのと同じぐらい、絶妙な呼吸で急所を突く。
県内随一と謳われたバスケ部員が、反応さえできないほどに。

「ふざけないで、やめてっ!! こういう事は、地下に行ってからするって約束でしょ!?
 それを、こんな所で……み、見られてるからっ!!!」
シャツとショーツの中をそれぞれ弄られながら、入宮は顔を赤くして叫んでいた。怒りか羞恥か解りづらいところだ。
どうやら、俺に見られているのが溜まらないらしい。まぁ、それはそうだ。クラスメイトなんだから。
でも残念ながら、その願いは聞き届けられない。入宮に纏わりつく二人は、多分わざとここでやってるんだから。
「固ぇこと言うな、本格的な調教に入る前のスキンシップってやつよ。それにそこの坊主は、仮にもこの屋敷の家主様だぜ。
 これからしばらく此処に住まわして貰ってよ、汗やら愛液やら撒き散らして汚そうってんだ。
 だったら、ちぃと良い目を見せてやってもいいだろうが。なに、あくまで着衣よ。同級生にチチやマンコを見られるわけじゃねぇ」
瀬川はそう言いながら、相変わらず俺には一瞥もくれずに乳房を揉みしだく。
伊田は入宮にだけ聴こえる声で何かをずっと囁きかけながら、ショーツの中で指を曲げていた。位置的にクリトリスを弄くってるんだろう。
「うう、ううく…………!!」
入宮は左右を交互に睨み、歯をかみ合わせながら脚を閉じ合わせていた。瀬川の指の侵入だけでも阻もうというのだろう。
ただ、どれだけ固く脚を閉じようが、女の股下には隙間が残る。人差し指や中指でなら、クリトリスへの刺激に支障はない。
瀬川の表情的にも、陰核責めは滞りなく進んでいるらしかった。

じっと見てちゃいけない。
それは理解しているはずなのに、俺は目の前で繰り広げられる光景を前に、ただ立ち尽くしてしまっていた。
目の前で交通事故が起きたら、しばらく固まって動けないというが、今ならその感覚がよく分かる。
そして俺は、見知った同級生の悲劇を前に、ズボンの中で痛いほど勃起していた。

「…………んっ…………んん、んっ………………!!」
入宮は抵抗こそ諦めたものの、目を閉じ、唇を閉じ合わせたまま、断固として感じないというスタンスを取っている。
別に珍しい話でもない。調教初めは皆そうだ。
そして調教師は、そういう女でも昂ぶらせる引き出しを山のように持っている。何しろ一年の大半を、女の身体を弄くって過ごす連中なんだから。
まずは伊田が乳房責めのやり方を変えた。
ずっと弄っていた乳首から手を離し、代わりに乳房そのものを外周から丹念に揉み上げていく。
「っ!!」
入宮が目を開き、自分の胸の辺りに視線を落とした。伊田はそれを確かめた上で、不気味な囁きを再開する。
「どうだ、胸を揉まれるのは。中々に気持ちの良いものだろう。だがこれから、もっと良くなるぞ。
 乳房というものは所詮脂肪の塊だが、こうやって丹念に揉み込めば中の乳腺が次々と目覚めていく。
 そしてその快感は、血の巡りに乗って先端へ集まっていくんだ。
 ほら……早速だ。乳首が尖ってきたぞ。乳輪も粟立っているなぁ、快感のあまり鳥肌が立ったか?」
伊田は乳房を揉みしだきつつ、器用に乳首の周辺を弄繰り回しているようだ。
動きからして、乳輪を指先で刺激し続けているのか。
「いいぞ、乳輪がぷっくりと膨らんできた。さすが健康体だな、血の巡りがいいらしい。どうだね、堪らんだろう。
 乳首がピクピクしているのがハッキリ伝わってくるぞ…………そらっ!!」
今度の動きはハッキリ解る。定番のトドメ――伊田の両の親指が、思いっきり乳首を捻り潰したんだ。
「ふぁああうっ!?」
それまで汗を滲ませながら必死に耐えていた入宮も、これには耐え切れない。間の抜けた声と共に、盛大に肩を跳ねさせる。
伊田と瀬川が唇を緩ませた。
「どうした、妙な声を出して。気持ちが良かったのか? まぁそうだろうな。こんなにいやらしく、しこり勃たせているんだからな!」
伊田がそう言って乳首を扱けば、入宮の目元が引き攣った。
そうして乳首責めが佳境を迎える中で、瀬川の方にも動きがある。
「はぐっ!!」
瀬川の手の甲に筋が浮いた直後、入宮からまた声が上がった。
「ひひ、こっちでもメスの声が出たなぁ。ま、こっちゃあこっちでギンギンに勃起してんだ、我慢できる訳ゃあねえよな。
 さっきから指に、マン汁がぬるぬると絡みつきまくってるしよぉ」
瀬川はそう言いながら、また手の甲を蠢かす。いや、と入宮が小さく呻いた。
「何がイヤだ、本心じゃ待ち望んでるくせによ。ここまではずっとクリトリスの皮越しにやってきたが、そろそろ解禁だ。
 こうやって指の腹でフードを捲り上げてやりゃあ…………性感帯の塊がむき出しってワケよ」
「や、やめてっ!」
瀬川の煽りを受けて、入宮の手がたまらず瀬川の腕を掴む。瀬川は笑みを深めた。
「何だ、皮を剥かれるのは初めてか。ったくウブな嬢ちゃんだ!」
その言葉と共に、一気に包皮が剥き上げられたんだろう。
「!!」
入宮は唇の真ん中を閉じ合わせた。こんな状況でも、つい可愛いと感じてしまう。
改めて見ても上品な唇だ。伊田、瀬川の視線もまた、その唇に注がれている。
このピンクの唇を、もっと歪めさせてやる。どちらも心の中では、そう思っているに違いなかった。

一年の大半も女を責めていると、陰核がどんな固さの時に、どの角度からどういう力を加えればクリティカルな刺激になるか、感覚でわかってくる。
今では延々と続く調教の中、ベッドの中で半分まどろみながらでさえ何度もイカせる事ができる。
その研ぎ澄まされた技術の粋を、たっぷりと披露してやる。
瀬川は延々とそんな事を呟きながら、ショーツの中で手の甲を蠢かし続けていた。
俺が瀬川の調教を見るのはこれで7回目、日数で言えば延べ150日以上にもなる。
それだけ見続けていれば、たとえショーツ越しだろうと、浅黒い手の動きだけで責めの内容がおおよそ把握できた。
クリトリスの裏筋を爪で擦り上げ、頭部分を指先でくりっと引っ掛け、側面を指の腹で柔らかく押し潰し。
手馴れた瀬川がそういう刺激を繰り返すと、どんな女でも濡れてしまう。
「ひっひ、何だよてめぇ。涼しい顔してるくせに、愛液がどんどん溢れてくるじゃねぇか。
 おらっ、もう少し脚開け。こんだけ濡れてるくせに、今更変な意地張んな」
瀬川は手を蠢かしながら入宮に命じる。膣からも責めたいが、ぴっちりと閉じ合わされた太腿をこじ開けられないらしい。
見ているだけでも解る。陸上とバスケで鍛えられた入宮の太腿は、力を込めている今、圧縮されたゴムのようだ。とても手の甲ひとつでこじ開けられそうにはない。
「別に……普通にしてるだけだけど」
入宮は、頬を紅潮させたまま素知らぬ顔をする。その言葉の後、瀬川の手と入宮の両脚とでぶるぶると鬩ぎ合いが起きた。
「……ったく、強情だな」
瀬川は呆れた様子で嘆息し、肩の力を抜いた。だが、断じて諦めた訳じゃない。
調教師と呼ばれる連中が、奴隷に駄々をこねられて責めを諦める事はない。むしろ抵抗を受ければ、より徹底的にやるものだ。
瀬川も責めの手法を変えたに過ぎない。
『北風と太陽』という奴だ。股をこじ開けるのが無理なら、イカせまくって脱力させるまで――多分そう考えている。

事実そこから瀬川は、クリトリス責めのペースを上げた。
それまでの人差し指と中指の二本に加え、親指も使い始める。これまでの調教を見る限り、親指での陰核責めは一番効果的だ。
力の加減が五指の中で一番やりやすく、指の腹の面積が広いだけに押し潰す責めにも向いている。
手馴れた調教師が親指まで使えば、おぼこ娘を果てさせる事なんて何でもない。
「ひっ、ひぃっ……ひぐっ、んひっ…………っきひっ、ぃ…………!!」
耐えなければ。その想いがあるらしく、奥歯を開かない口の形で入宮は何度も声を上げた。
でも、俺には解った。その声を上げている間、いや上げていない間にも、入宮が何度も絶頂している事が。
判り易いんだ。閉じ合わせた脚の膝頭同士が、ぐ、ぐぅっと強く密着して、ふーっと圧が弱まる事がある。それが絶頂に至ったサインだ。
絶頂のたびに愛液が吐かれているのか、ショーツがどんどんと透けていく。
大抵はショーツを盛り上げる瀬川の手が透けるだけだが、たまに薄らと茂みが覗く事もあり、刺激的だ。


「ん、んぐぅっ……ふぐぐぐっ…………んくっ、ぅうっ…………!!」
7、8回目の絶頂までは、入宮もかろうじて普通に座っている姿を保っていた。
ただそれが9回目を超えたころから、あからさまに乱れていく。
両手はソファの縁を掴むようになり、顔は歯を食い縛ったままソファの背もたれに埋まりこみ。
脇腹から汗が伝いはじめたのもこの頃からだ。
そして、多分15回目の絶頂時。入宮の膝がそれまで以上に強く擦り合わされて、脚は閉じたまま爪先立ちするようになった。
相当深い絶頂だったんだろう。数秒間ぶるぶると痙攣が続いた後、今度は一気に弛緩が来た。
入宮の首筋からも肩からも手首からも力が抜けて、それまで閉じ続けていた脚も、菱形にだらしなく開く。
「はい残念、ご開帳ー。」
瀬川は入宮が脱力した瞬間、遠慮なく茂みの下……膣に指を捻じ込んだ。
「あかっ!!?」
挿入感で覚醒したのか、入宮が叫びながら下腹辺りを見下ろした。しまった、という想いがありありと見て取れる顔だ。
ただ、もう遅い。完全にペースは瀬川のものだ。
「おっぉぉ、さすがはバリバリの運動部、すげぇキツさだ。ヘタ打ちゃ指が折れちまいそうだぜ。
 だが散々クリ逝きさせただけあって、グチョグチョなのがまた…………っと、見つけたぜ。ここが、てめぇのGスポットだな?」
膣に挿れた指を少しずつ奥に進めながら、瀬川が囁きかけた。
「…………っ!!」
入宮の目元がピクピクと痙攣する。どうやら、憤っていても返す言葉がない時の癖らしい。
俺が見てきた彼女は、不満があればいつでも誰にでも直球でぶつけるタイプだったから、そんな癖を見るのは初めてだ。
「いくらおぼこいっつっても、今日びの女子高生なんだ、Gスポットぐらいは聞いた事あんだろ?
 膣の浅い所にある、ここだ……自分でもしこりが感じられるだろうが。ここまで膨れてんのは、相当感度が上がってる証拠よ。
 ここをイジメ抜いてやりゃあ、女って動物はイキまくるんだ。てめぇはガキの上に血の巡りがいいからよ、軽くぶっ壊れるかもしんねーぜ」
瀬川はその言葉を残して口を噤む。責めに没頭する気だ。それを受けて、伊田もまた乳房への責めを激しくする。
入宮の喉から、あ、と高い声が漏れ、ソファに沈む腰が浮いた。

「うああああーっ、ああ、あああああっ!! ああっ、はあぁあああーーっ!! くっはぁあぁっ、んあああーーーーッッ!!!」

クリトリスとGスポット、そして乳房。3つの性感帯を同時に責められて、入宮は中年男達の望み通りに壊れていた。
もう脚を閉じる余裕なんてない。脹脛をソファに密着させたまま、カエルの様な脚の形で何度も絶頂することもあった。
かと思えば片足を床に下ろし、片足の裏をソファに載せて、力いっぱい力みながら潮を噴き散らすこともあった。
高校指定のスカートは皺だらけになりながら捲れ上がり、ショーツは愛液と潮で肌色に透けていく。
さすがに疲れたのか、瀬川がショーツから指を抜いた頃には、中々にひどい入宮の姿があった。
片足はソファの上でくの字に折れ、片足はソファ前方に投げ出されの大股開き。
ショーツは伸びに伸びてぐちゃぐちゃのあそこをかろうじて覆っている有様。
シャツはまくれ上がって汗で濡れ光った腹を丸見えにし。
両腕はソファの背もたれを逆手で掴み。
挙句顔は汗まみれのまま、閉じた口からシーッ、シーッと痛々しい呼吸を漏らしつつ虚ろな目をしている。
伊田と瀬川はそんな入宮の顔を覗き込んで笑った。
「いいイキっぷりだったな、期待通りだ。さあ、挨拶はこれぐらいにして、シャワーでも浴びようか」
まだまだ先を感じさせるその言葉で、どの女も愕然とした様子を見せる。入宮も当然そうだと思った。だが。
「…………ぅ、うぐ……っく…………!」
入宮はなんと、歯を食いしばって意識を取り戻し、伊田と瀬川を睨んでみせたのだ。
流石は入宮だ。俺は軽く感動すら覚えた。ただ、調教師2人もまた別の意味で燃え上がっている。
サディストの嗜虐心を刺激しても良い事はない。ここでは俯くなりして、大人しく振舞うのが利口なんだ。
入宮への調教は、事実ここからがスタートなんだから。



俺は親父の部屋……今や実質的に俺の部屋となっている場所に戻った。
外見こそ純和風のこの屋敷だが、何年か前の改修時にいくつかの場所を洋風に変えている。
トイレと浴室、さっきのリビングと、後は親父の部屋だ。
親父の部屋にはあまり生活感が無い。事情を知らない人間が見たら、詰め所か何かだと思うだろう。
6畳間に本棚が2つと、ベッドが一つ。そして細長い机の上に、地下を監視するモニターが上下4つずつ並んでいる。
俺はモニター前の椅子に掛けつつ、傍らのダンボールから箱買いしたペットボトルを2本引き出して長期戦に備えた。

計8つのモニター内を探すまでもなく、入宮達の居場所には見当がついている。
調教師には偏食の奴が多いが、それは調教にも当てはまり、大抵の奴が独自の調教ルーチンを持つ。
伊田・瀬川の場合は、まず最初に浣腸責めをやるはずだ。
そう思ってモニター5、ガラス戸で仕切られた簡易的なシャワールームの映像を確認すると、やはりそこに3つの人影が見えた。
バスルームの造りはビジネスホテルのそれに似ていて、シャワーが設置され、バスタブもある。ただし、便器は設置していない。
奴隷調教を行う場所である以上、排泄はおまるや洗面器でさせて恥辱を与えるのが基本だ。
もしどうしてもトイレでしたい場合、便意に耐えながら階段を上がり、俺も普段使う屋敷のものを借りる以外にない。
俺はガキの頃から何度も、下腹を押さえながら屋敷をうろつく女を見かけていた。
屋敷内は無駄に広い上、トイレのある場所は奥まった突き当たりだから、初見じゃまず解らない。
『あ、ね、ねぇボク、トイレの場所教えて!!』
彷徨っていた女は、俺を見つけるなり真っ青な顔を輝かせてそうせがんでくる。
勿論俺は教えるんだが、その場所の遠さに女の顔がまた真っ青になり、大抵は耐え切れず途中で漏らしてむせび泣く結果になった。
こんな風だったから、俺は良い大人でも漏らすんだ、女は特に漏らしやすいらしいと、妙な勘違いをしたものだ。

ともあれ、簡素なシャワールームに3人はいた。
まずはいくつかあるタオル掛けのうち、照明とほぼ同じ高さにある一つにタオルで手首を拘束する。
さらにイルリガートルを使って、たっぷりとグリセリン浣腸を施す。
このお決まりのパターンを、やはり入宮も受けていた。
浣腸液の注入には特殊なプラグが使われるため、プラグから伸びたバルーンさえ膨らませれば、自力での排泄は不可能になる。
そうして準備を整えた上で、必死に排泄感に耐える奴隷の身体を弄くり回す。それが伊田・瀬川の常套手段だ。

「うぐ……ぐぐぐ…………はあ……っく………………!!」
入宮の苦しげな声が浴室に反響する。
彼女は内股になりながら、必死に便意に耐えていた。勿論その腹の中には、たっぷりとグリセリン溶液が詰まっている。
濃度は薄いはずだが、何と言っても初の浣腸だ。浸透圧というものに慣れていない腸内は、ものの2,3分で音を上げているだろう。
ただ、何しろあの入宮だ。そうそう音を上げるはずもない。
ただ身体中にじっとりと汗を浮かべ、太腿を細かに震わせながらじっと便意に耐え忍ぶ。
伊田と瀬川は、そんな入宮の苦悶を楽しみながら、文字通り『身体中に』舌を這わせていた。
直立した伊田が上半身を、入宮の足元に蹲った瀬川が下半身を、執念深く。
伊田と瀬川の身体にはそれぞれ刺青が入っている。
伊田は、右肩から背中にかけて蓮の花が。瀬川は、背中一杯に般若の面が。
三段腹の色白デブと浮浪者同然のヒョロ長。服を着ていれば喧嘩しても負ける気のしない二人だが、裸になると流石に怖い。

その二人が、健全そのものの入宮の肌に舌を這わせていく。
髪の生え際から、額、瞼、眼球、頬、鼻腔、鼻筋、顎、首筋から鎖骨、乳房に脇腹、腹筋に臍、腹回り。
デルタゾーンに太腿内腿、臀部、脛に膝、足首から足指の一本一本に至るまで。
勿論、腋や膝裏といった窪みの部分も見逃さないどころか、汗腺から滲む全ての汗を舐め尽くそうとするかのように、何分も吸い続ける。
「ああー美味ぇ美味ぇ。しょっぺぇのに甘ぇ。現役女子高生の新鮮な汁啜るが一番のアンチエイジングだぜ!」
「その通りだ。特に今回の奴隷は一級品だな。染みもくすみもない珠の肌に、絹のような舌触り、舌を押しのけるような弾力……最高だ!!」
興奮気味に下卑た言葉を吐きながら。
その光景はおぞましいの一言に尽きた。ただ、同じ男として気持ちは解らなくもない。

初めて見る入宮の裸は、本気でモデルと見紛うレベルだった。
スクール水着を着けた姿も相当だったが、脱ぐとまた凄い。
釣鐘型の乳房も、背中の筋も、細いウエストラインも、きゅっと上がった尻肉も、健康的に締まった太腿からの脚線も。
どれもこれもが『これこそ完璧なもの』だと思える。
ただ、男はその身体に気持ちよく見惚れていればよくても、入宮自身は堪ったものではない。
「うわっ、うわ、うわぁああっ!! やめ、ちょっ、ちょっと、やめてよっ!! 舐めないで、そんな所ッ!!
 いやああっ、やあーっ!! やめてってば、やだっ!!!」
まるで身体中を蟲が這い回っているかのように、伊田・瀬川の舐りから逃れようともがく。
引き攣った顔中が脂汗に塗れている。
もっともその脂汗は、主に浣腸のせいかもしれない。実際入宮の下腹からは、ぐるぐると重苦しい音が響き続けていた。

男二人による舐りが2周目に入った頃、入宮の内股の震えは病的なものになっていた。手首の拘束がなければ膝から崩れていることだろう。
真っ青な顔もガタガタと震え、薄く開いた歯の間からは、出産でもしそうなほど鋭い呼吸が繰り返されていた。
我慢強い彼女とはいえ、もう本当の限界だ。
「………………さ、させて………………」
それまで正面だけを見つめていた入宮が、腋を舐めしゃぶる伊田を見下ろしながら呟いた。
「何だと?」
「させて、おねがい。う、うんち、うんちさせて、おねがいさせてえぇっっ!!」
こういう単語だけで構成された叫びは、本当に便意の限界を迎えた人間の特徴だ。
入宮の限界は明白だが、調教師からすぐにご褒美が与えられる事はない。奴らは懇願を受けたとき、必ず一度は焦らす。
お前のペースでは行動させない、あくまで決定権を持つのは自分だ――そう刷り込む為に。
「“させて”じゃないだろう、“させてください”だ。イヤそもそも、させて下さいって言葉自体が豚にしちゃあ真っ当すぎるな。
 お前はこれから、浅ましい尻穴奴隷になるんだ。くさい下痢便をひり出す所を見て下さい、とでも乞うべきじゃねぇのか?」
膝裏をしゃぶりながら瀬川が告げると、入宮の顔が凍りつく。
「…………ぇ…………?」
極限の便意のせいか、呆けたような声を漏らす入宮。こうして奴隷が弱っている時に畳み掛けるのが、調教の基本らしい。
「え、じゃない。“くさい下痢便をひり出す所を見て下さい”だ、言ってみろ!!」
伊田が入宮の髪を鷲掴みにし、大声で怒鳴りつける。普段は教授気取りの喋りをするくせに、こういう時の恫喝はヤクザそのものだ。
普段インテリと思わせているだけに、その豹変振りにはどんな女でも度肝を抜かれる。極限状態ならば、尚のこと。
「ひっ!」
入宮もそうだった。瞳孔が収縮し、左右に惑う。ピンク色の唇が細かに震える。
葛藤しているのか。いや、そんな余裕はない筈だ。根源的な欲求を完全に封じられた動物に、選択肢などないんだ。

「…………………く、くさ…………い…………」
入宮の唇から、命じられた通りの言葉が紡がれ始める。頬を伝う大粒の涙と共に。
「…………くさい、げりべんを…………ひっ……ひり、出す、ところを…………み、み……て…………ください……………!!」
「フフフ、惨めな哀願だ。華の女子高生に、そうまで女の尊厳を捨てられては許すしかないな。
 これからも排便する時には、そうやって許可を得るんだぞ」
宣誓が済んだところで、伊田がバルーンを拾い上げた。同時に瀬川も、入宮の肛門の後ろに桶を構えた。
伊田の指が空気を抜くボタンを押し込んだ直後、シューッという漏れ始める。そして音が終わるより早く、バルーンが弾け飛んだ。
そこから起こるのは、屈辱の排便だ。
だばばばばば、という音と共に、桶の底へと凄まじい奔流が叩き込まれていく。
あの入宮が、おそらくは生まれて初めて晒す排泄姿。
女が排便する姿などとうに見飽きている筈なのに、今はそれが未曾有の異常事態に思えてしまう。俺も現金なものだ。

「…………う、うっ…………くっ、うくっ、くうっ…………!!」
ひとしきり排便を終えた後、入宮は嗚咽を始めた。その心中は察するに余りある。
だが調教師の2人だけは笑みを消さない。それどころか、むき出しになった粘膜のような奴隷の心に、あえてヤスリを掛けていく。
盥を持ち上げながら、入宮の耳元に何かを囁く瀬川。その直後、入宮の瞳が怒りを露わにした。
「よ、良くいうよ。あんたがさせたんでしょ、こんな…………最低なこと!!!」
入宮は渾身の力を込めて瀬川を睨みつける。だが瀬川の凶悪な笑みを目にした瞬間、その表情は凍りついた。
「何言ってんだ。まだまだ先があるんだ、今から最低なんて大それた言葉を使うなよ。
 500ミリ程度じゃあ物足らんだろう。いくらでもお代わりはあるんだぜ」
瀬川は再びバルーン付きの栓を持ち上げる。引き攣った入宮の顔を楽しみながら。

そこからはまた、浣腸責めが繰り返される。
二度目の注入時には、身体を洗うという名目で入宮の身体中が撫で回された。
晒された両腋で石鹸がこれでもかと泡立てられ、乳房が揉みしだかれ、尻肉から太腿にかけて何度も手の平が這わされた。
「んんん゛んん゛っっ…………!!」
便意からかくすぐったさからか、入宮の全身の筋肉が収縮し、痙攣する。
「どうだ、もう出してぇんだろう。また惨めったらしくおねだりしてみろ、ぶち撒けさせて下さいってよ」
体中を撫で回す瀬川がそう囁きかけても、入宮は俯いていた顔を上げ、汗びっしょりで睨むだけだ。
まだ完全に参っているわけではないらしい。
「生意気な顔だ」
伊田はそう囁きつつ、入宮の股に手を潜り込ませる。
「あっ!?」
入宮が叫んだ時には、もう伊田の指先は膣に入り込んでいた。そこから円を描くように刺激を始める。
それに合わせ、瀬川もまた釣鐘型の乳房を鷲掴みにした。リビングでの責めとは逆の配役だ。
二人ともが激しく刺激はせず、石鹸に塗れながらゆるゆると刺激を続けている。
これまでの調教記録を見る限り、意外にそうした責めの方が、女を絶頂させる際に有効らしい。
おまけに今は、たっぷりと浣腸を施した状態だ。そこに来てのゆるい責めは、腸側の蠕動と同調して女を狂わせる。
「やめてっ、やめてぇーっ!! ひぃっ、いまはだめぇっ!!!」
震えるような声で入宮が叫び、手首と繋いだタオル掛けが音を鳴らす。それでも……いや、だからこそ、男達は指を止めない。
親指での陰核責めと併せてゆるくゆるくGスポットを舐め回し、入宮に2回潮を噴かせる。
汗に涙、鼻水、そして愛液。それらに塗れ、刻一刻と酷い状況になっていく入宮に対し、伊田も瀬川も何かを耳元に吹き込み続けていた。
風呂場のマイクの場所が悪いのか、内容は聴き取れない。
だがある時は激昂し、ある時は視線を彷徨わせる入宮の様子から、おおよその内容は把握できる。
そうした苦痛と恥辱の果てに、入宮は二度目もまた、泣きじゃくりながら排便を乞うのだった。

三度目の時には、伊田が執拗にキスを強要した。
何しろ伊田は口臭のきつい男だ。入宮は何度も身を捩り、頭を振ってキスを拒む。
しかし、しなければ排泄させないと脅され、仕方なく受け入れた。
そして、伊田が入宮の唇を奪う。モニター越しにそれを見た瞬間、俺は思わず机を叩いていた。小指の骨が軋む。
俺が長い間憧れ続けていた事を、あんな気持ちの悪い奴がやっている。そう思うと胸がざわついた。
キスは絵面は完全に、一度もモテた事のないブ男が女子高生を襲っているというものだ。
頬に凹凸を作りながら舌を絡め、零れるほどに唾液を交換し、歯茎や上顎までを丹念に舐め回し。
その全てが気色悪い。当然、やられている入宮だってそうだろう。
入宮は強引に口の形を変えられながら、強い瞳で伊田を睨み続けていた。
一方の伊田は、俺と視線を合わせない人間とは思えない目力で、入宮の視線を真正面から受け止めて笑っている。
そしてキスを強いる一方で、執拗に下腹を揉み下してもいた。浣腸された状態でそれをやられては堪らない。
「えう“っ、えれ“う“っ!! えう“-っ、ほおえ“あ゛ぉおーーーっ!!!」
入宮は伊田と舌を絡ませながら、何度も排泄を訴えた。だが伊田は、その全てを強引なキスで封じ続ける。
そのまま、数分。流石にやりすぎだ……俺がそう思い始めた頃。
「いいがげっにてよおおおおッ!!おぉ゛だめっで、らっどもらっども、ずっどいっでるのいぃ゛っっ!!!
 らべっ、あびゃぅ、あびゃぐうあくだざっでほおおおお゛っ!!!!」
頭を振ってキスから逃れた入宮が、涙ながらに涎を撒き散らし、言葉にならない叫びを発しはじめた。
だが伊田にしてみれば、それがまた刺激的だったらしい。
バルーンを萎ませて排便を許しながらも、ひり出させている最中にまた入宮の唇を奪う。
あまりの状況に混乱した入宮が、伊田の喉の中で恥辱の呻きを上げつづける様は異様だった。

そして四度目の時には、瀬川によってフェラチオが強いられた。あえて栓を使わず、手の拘束も解いて。
「咥えろ。イカせたら出させてやる」
そう言って瀬川が突き出した逸物は、改めて見ると恐ろしくデカい。ごく平均的な俺の物より3回りは上か。
おまけにそのデカブツには、いつ洗ったのかというほどびっしりと恥垢がこびりついている。
普段の入宮であれば、その不潔さに烈火のごとく怒り出したことだろう。
だが今の彼女は、3度に渡る浣腸と強制排便で、心身共に疲弊しきっていた。
「うぅ…………あ、あぅあ…………」
膝から崩れ落ちた格好のまま、呻きながら顔を上げる。
そしてさすがに数秒ほど躊躇いながらも、渋々といった様子で奉仕を始める。
俺はまた机を叩きそうになるが、さっきの小指の痛みを思い出して何とか思い留まった。

入宮は左手で逸物を掴みながら口内に迎え入れ、必死に舌を使っていた。だがその責めは、かなり拙いものらしい。
「うはっ、こーりゃヒデェ。小学生ってんならともかく、高校でここまで知識のねぇ女は初めてだ。
 テメェよお、部活一筋だか何だか知んねぇが、今時フェラチオすら満足に出来ねえ女子高生なんざいねぇぜ?
 さんざっぱら他人の事を非常識呼ばわりしてたがよ、テメェ自身が時代錯誤の塊じゃねえか。
 ……ったく。いくら素人嗜好っつても、こんなの納品した日にゃあいい笑いモンだ。
 こうなりゃ俺がイチから教え込んでやっから、その通りにやれや。逆らったり間違えた日にゃ小便飲ますぞオラッ!」
入宮の汗でしなびた黒髪を鷲掴みにして怒鳴る瀬川。
俯きがちな入宮の表情は窺えないが、どんな表情をしていたにしろ、従う以外の道はない。
そこから、フェラチオ調教が始まる。

瀬川は入宮の側頭部を鷲掴みにして抽迭をコントロールしながら、唸るような声で繰り返し指示を出していた。

――カリ首の膨らみに沿って三周舌を這わせろ。そう、そのキノコの傘みてぇな部分だ。
 ――鈴口から滲み出た先走り汁を啜れ。俺の体から出た汁は、一滴残らず腹に溜めろ。
――唾液をまぶせ。もっとだ。えづき汁でもいい。出ないなら出させてやる。奥を突くから、喉を開いてじっとしていろ。
 ――吐くな。吐くんじゃねぇ。そのえづき汁をまぶせ。全体にだ。そうだ……それを潤滑油にして、前後に頭を振れ。
――根元まで咥えこめ。なんだ、もう入らねぇのか。減らず口が多い割にゃ、チンケな口マンコだなぁオイ。ま、しゃあねぇ。俺のブツはデケェからな。
 ――オイ、何休んでる。根元まで咥えこめって指示は消えてねぇぞ。クチに入りきらねぇなら、喉にも入れてやる。行くぜ。
――さっきみてぇに喉を開け、息は鼻でしろ……っと、おら嵌まったぜ。ははっ、喉がビクンビクンしてやがら……っ、待て、こいつ!!
 ――あーあーあー、吐きやがってバカが。にしても、また汚ねぇえづき声だったなぁ今のァ? 流石にあんな声出す女と知れたら、誰もテメェにゃ告らねぇよ

俺は柄の悪さの滲み出たそういう恫喝を聞きながら、思わず目を覆っていた。
今まで何人もの女の調教映像を見て、散々オカズにしてきていながら虫のいい話だと思う。
過去の罪だけじゃない。今も俺は勃起している。制服のズボンは三角に尖り、トランクスの先は先走りで濡れている。
それでも俺は、初恋の相手が悶え苦しんでいる場面を、それ以上見ていられなかった。
目を覆っても、耳から情報が入ってくる。
じゅぶっじゅぶっという、下手なAVよりも下品なフェラチオの音。水気たっぷりに喉奥を掻き回す時の粘ついた音。
ケおっ、こおっ、という、喉奥の刺激に慣れていない子に特有のえづき。腹を下した時の雷のような音。
ぷはっと空気を求める声がした後には、酸素を求める荒い呼吸が続くものの、3秒と間を空けずにくぐもった呻きに変わる。
最後の方は悲痛なえづき声ばかりが連続し、そのえづきが特に低くなった直後に、決壊の声が響きわたる。
上品さの対極にあるような声。男が出したものと言われた方がしっくりくる、胃から搾り出したような濁りきった呻きだ。
俺はその声に、とうとうモニタ5に目をやってしまう。そこには決壊直後の同級生の姿があった。
縋りつくように右手で瀬川の太腿を掴んだまま、左手で下向いた口を押さえる入宮。
その左手の指の間から次々と黄色い吐瀉物が零れ落ち、彼女自身のむちりとした太腿にも滴りながら床に広がっていく。
よく見れば、膝立ちになった彼女の肛門の間からも液体が滴っており、出口側も限界を迎えていた事が見て取れる。

俺はその映像を見ながら、暗く沈んだ気分でいた。
脱力したように椅子に深く背を預け、妙な倦怠感からそのまま眠ってしまおうかとも思った。
だが、瀬川が漏らした罰として入宮に命じた内容を耳にし、考えが変わる。
『そいつを上のトイレに捨てて来い』
そう言って瀬川が指差したのは、入宮自身の汚物を受け止めた桶だ。
自分の排泄したものを持ち歩かせ、家人のいる屋敷内を延々と彷徨わせる。伊田・瀬川組の定番の仕置きの一つだ。
汚物を手に彷徨う時間が長くなるほど、奴隷はその尊厳を腐らせていく。
伊田と瀬川が調教初日に強制排便を繰り替えさせるのは、プライドの高い女を大人しくするのに、汚物責めが最も効果的であるがゆえだ。
逆に言えば、あの二人の悪意を直撃させればさせるほど、入宮の心は壊れやすくなってしまう。
そう思うと、俺は居ても立ってもいられなかった。考えるより先に部屋の扉を開け、地下から出る道へ向かって歩みを進めた。
今やっていることは、ひょっとしたら悪手なのかもしれない。
同級生に汚物を手にした姿を見られるのは地獄だろうし、何と声をかければいいのかも定まっていない。でも、何かしないとと思った。



秋口とはいえ、8時をとうに過ぎた時間の廊下は薄暗い。その廊下をしばらく行くと、向こうからも人影が向かってくる。
モデルのようにほっそりとしたシルエット。間違いなく入宮だ。
ただ、桶の中を見つめたまま、半ば死んだような表情で俯くその歩き姿は、まるで彼女らしくはなかった。
「トイレは、こっちじゃないよ」
俺がそう声を掛けると、入宮の足が止まった。そしてゆっくりと顔を上げる。
表情は暗かった。
唇から顎にかけての乾いた吐瀉物の痕が、さっきの映像は紛れもない現実なのだと物語る。
「……………………。」
入宮は虚ろな瞳を俺に向けたまま、じっと佇んでいた。
その状況に至っても、かける言葉が見つからない。言葉が出ないって事は、何も言うべきじゃないって頭が理解してるんじゃないか。
じゃあ、何でここに出てきた。わざわざ彼女の無様を見て、追い討ちを掛けるためか?
違う。トイレの場所を教えるためだ。なら、それだけ伝えればいい。それだけを伝えて、この場を去ろう。
俺はしょせん部外者。関わらない方がいい。
俺はそう結論を出して、何度も他の『奴隷』にしたように、トイレまでの道順を説明する。物悲しげな虫の声を聞きながら。
「わかった」
入宮は暗く沈んだ瞳でそう呟く。疲弊しきった表情は、薄暗さのせいもあって怖いぐらいだ。
その表情が、俺の心を抉った。
だから、だろうか。彼女が背を向ける気配を感じ取った瞬間――俺は無意識に、何かを口走っていた。
「お、俺っ! 今でも、入宮が好きだ。…………き、綺麗だと思うし、本当に、凄いと思う。
 だから、その…………上手く言えないけど、頑張って」
何とも漠然とした、何とも歯切れの悪い台詞だ。こんな事を言ってどうする。傷口に塩を塗り込む言葉だったらどうする。
でも、言ってしまった。恐る恐る窺う入宮の目は、ほんの少し大きさを増したようだ。

しばらく、廊下が静まり返った。虫の声だけが変わらずに聴こえていた。

静寂を破ったのは、俺自身の喉を鳴らす音だ。
固まったまま冷や汗を垂らす俺を前に、入宮は二つ瞬きをしてから、辛そうに顔を歪めた。
背中を冷たい汗が伝う。
「ごめん。あたし今、頭ぐちゃぐちゃでさ。何て答えればいいか、わかんない」
その言葉を残し、入宮は今度こそ踵を返した。
「あ、いや。俺の方こそ、ごめん!」
俺はもうほとんど泣きそうになりながら、反射的に謝罪を口にした。その言葉は、果たして入宮に届いたのかどうか。
彼女は俺に背を向けて歩き出し――数歩ほど先で足を止める。
「…………でも」
心なしか、さっきとは違う声色。
「嬉しかった。ありがと」
時間にしてほんの2秒の一言。それを発した後、入宮の後姿は俯くのをやめた。背筋を伸ばし、視線を前に向けて歩み始めた。
その凛とした歩き姿は、紛れもなく俺の憧れた入宮知佳だ。



「ンだ? こいつ、眼の光が戻ってやがんぞ」
「ふむ、意外だねぇ。完全に心折れるかとも思ったが……マゾヒズムに目覚めたか?」
入宮が地下に戻った時、伊田も瀬川も驚きを露わにした。
それもその筈だ。地下から出て行くときには半ば死んだような眼をしていた『奴隷』が、帰ってきた時には前を見据えていたんだから。
「あんた達の知った事じゃない。それより、もう夜も更けたみたいだけど、この遊びっていつまで続くわけ?
 夜更かしって肌に悪いから、早く寝たいの。あんた達だって、あたしの商品価値が下がったら困るんでしょ」
男二人を睨み据えながら、憎まれ口を叩いてみせる入宮。やられたらやり返す、いつもの彼女だ。
その豹変振りに、流石の伊田達も面食らう。ただ、あくまで一瞬だけだ。
連中にもプライドがある。調教師を名乗る身として、奴隷に言わせたままでは終わらない。

「言うねぇ。吐く物吐いて、舌の滑りがよくなったじゃねぇか。だがよ、いくらレディーから豚に成り下がるっつっても、慎みは失くすもんじゃねぇぜ。
 『1の反抗には3の折檻』。それが俺らのポリシーよ。身の丈一杯に噛み付いたが最後、テメェの容量限界の3倍痛めつけられるワケだ」
瀬川はドスの利いた声を出しながら、入宮の顎を摘み上げた。
射殺すような視線がぶつかり合う。
「おい。そういう眼がヤベェって話を、今俺はしてんだぜ……? 下らねぇ反抗心を出すたびに3倍返しだ。
 勿論、身の丈3つの折檻を一気にやるとブッ壊れちまうからよ、負債は分割払いで返させてやる。
 言う事さえ聞いてりゃあ平和なフェラチオ練習で済んだモンが、開口具越しに俺の極太咥え込まされて、ゲロ吐き散らしながら泣き喚く地獄に早変わり。
 大人しくしてりゃあベッドでぐっすりだった休養日を、一晩中アナル犯し抜かれて脂汗まみれで過ごす破目になったりもする。
 そこまでまるっと覚悟の上での、苦い苦ーいトリプレッソをご所望ってんなら、喜んで提供するぜ」
負債……その言葉選びは故意なのか。親の借金が原因でここにいる入宮に対して、あまりにも無神経だ。
当然、入宮の表情はさらに険しくなる。
「ふーん……確かにそれは、ちょっときついかな。あんた達って、女の子にダメージ与える天才だもん」
その入宮の言葉に、伊田が眉を顰める。
「ほう、これは意外な高評価を貰ったものだね。して、その心は?」
「心もなにも、本心だよ。だってあたし、あんた達の顔見ただけで卒倒しそうなんだもん。おまけに二人揃って臭いしさぁ。
 さっきはお風呂場で吐いちゃってごめんね。あれ、喉が苦しかったんじゃなくて、あんまりにもアレが匂うから、つい戻しちゃったんだよね。
 女子高生のフェラチオ経験がどうとか聞こえたけど、あんなのしゃぶれる子なんていないと思うな。
 援交で100万円積んでお願いしても断られるレベルだよ。あ、もしかして、だからこんな仕事してるの?」
嘲りを含んだ入宮の言葉は、調教師二人を凍りつかせる。
モニター越しにでも判る、火花の散るような睨み合い。入宮が大事な『商品』である以上、流血沙汰はないだろうが、危険には変わりない。
さすがに止めに入るべきか。俺がそう思い始めたところで、瀬川が立ち上がった。
俺も、入宮も身を強張らせる。
しかし瀬川は、意外なほど冷静な眼をしていた。
「チッ、下らねぇ。テメェみてぇな小便臭ぇガキの挑発に乗るほど、こっちもイノシシじゃねぇんだ。
 ……だがよ、これだけは忘れんな。テメェ今、『負債』を一つ抱えたぜ」
インテリヤクザの本性を表した伊田にもゾッとしたが、怒りを超えて冷静になった瀬川も想像以上に恐ろしい。
闇を抱えている事は前から解っていたが、これはヘドロのように底が見えない闇だ。
モニター前の俺はただ、そのヘドロに首まで浸かった入宮の身を案じるしかなかった。



「へへへ、いい格好じゃねぇか。ケツもマンコも丸見えだぜ」
入宮を見下ろし、瀬川が嘲笑う。入宮は畳に頬を付けながら奥歯を噛みしめていた。
入宮に施されているのは、胡坐縛りという緊縛だ。
両の乳房を搾り出されながら後ろ手に縛り上げられた挙句、下品に胡坐を掻く姿勢で固定される。
座っているだけでも惨めだが、一度尻を突き上げて這う格好にされたが最後、あそこや肛門が丸出しになり、おまけにそれを隠せない。
それどころか横に転がる事さえ叶わず、完全に無力な状態で恥を晒し続ける事となる。
この胡坐縛りは女にとって最も屈辱的な格好らしく、江戸時代の女囚などはこの縛りをされただけで羞恥のあまり罪を認めたらしい。
そうした説明を、瀬川が入宮に対して行っている。
責めの持つ意味を奴隷自身に認識させつつ、『買い手』達へ向けて解説するために。

一通り言葉責めを終えると、瀬川は入宮の足元に膝をついた。
そして形のいい双丘に手をかけ、ゆっくりと揉みしだきはじめる。
「くっ……て、手つきがやらしいよ、変態!!」
入宮の罵倒にも、瀬川が動じる様子はない。
「上の口は下品だが、ケツの穴はまたえらく可愛いもんだな。ここまで鮮やかなピンクってなぁ珍しいぜ。
 おまけにこの、ケツ自体の弾力もたまらねぇ。運動部の女を嬲る時の最高の楽しみだな。
 こういう引き締まったケツは、丁寧に揉み込んでやると大層な性感帯になんだよ。チチの時と一緒だ。
 だからよ。今日はこっからたっぷりと時間をかけて、ケツの穴と尻肉をほぐしてやる。
 肛門の皺を一本ずつ舐め上げて、真ん中の穴に舌を突っ込んで、ツバ塗りこめて、そのツバ啜って……徹底的に舐めしゃぶってやる」
瀬川のこの宣言は、明らかに脅しじゃない。心の底からやりたがっている声色だ。
入宮もその気配は感じている筈だが、彼女とて退けない。
「ああそう、せいぜい頑張ってね。ぬるい責めだったら、あたし、きっとこのまま寝ちゃうから」
頬をつけていない方の眼で瀬川を睨みながら、言い放つ。
その言葉にくっくっと笑いを漏らしたのは、それまで傍観に徹していた伊田だ。
入宮の鋭い視線が伊田に移る。
「いかんいかん、私が笑うべきではなかった。だが、おかしくてな。そこにいる瀬川は、こと菊門舐めにおいては無二の傑物だ。
 技術もそうだが、何といっても執念が凄い。同じアヌスを一日中でも犬のように舐めていられる調教師は、そうはおらん。
 淡いピンク色をしたおまえのアヌスを一目見た時から、いかにも奴好みだと思っていたよ。
 色素沈着の少ない、美しい排泄器官を持って生まれた事を悔やみたまえ」
伊田はそう宣言しながら、腰を落として入宮の顔を覗きこむ。
「断言してもいい。おまえは、瀬川の菊門舐めで女を濡らす。
 たとえ今日を耐えても、奴はけだものだ。暇さえあれば一日中でも、好き好んでお前のアヌスを舐めしゃぶるだろう。
 こんな話もある。奴は私と組む前、タイに輸出するシーメールの調教を受けた事もあってな。
 そのシーメールは、縛られたまま瀬川にアヌスを舐められ続けて、たった一夜で22度の射精に至った。
 当然と言うべきか、“彼女”の脳は快感で焼き切れて、未だに自分の名さえ思い出せないらしい」
「へっ、古い話を持ち出しやがる。だが勘違いするな。俺があの調教を受けたのは、ヤツが並の女が霞むぐれぇの美形だったからよ。
 だがまぁ、所詮は昔話だ。今はこのクソガキにしか興味が持てねぇ。
 ケツもいい、脚もいい、おまけに現役女子高生ってぇステータス付きだ。生意気(ナマ)言うところも嗜虐心を煽られるしな。
 こんだけ肛門舐めやってっとよ、自分がこれからどんだけ没頭できんのか、何となーく判んのよ。
 その勘から言やぁ……あのニューハーフを狂わせた夜より、もっと滾るぜ俺ァ」
瀬川のこの発言もまた、誇張ではなさそうだ。
入宮の痴態を映すモニターとは別の一台に、瀬川の醜悪な笑みがありありと映し出されている。
無精髭の生えた涎塗れの口周りに、何度も何度も舌を這わせながらの笑み。
そんな奴に肛門を舐められるなんて、考えただけで頭がおかしくなりそうだ。
「ひどい顔。見るからにヤク中だよ。あとさ、せめてヒゲぐらい剃ってくれない?」
入宮は気丈に瀬川を睨み上げて意地を示すが、その引き攣った頬には流石に不安の色が見えた。
「ご名答、脳内麻薬でギンギンにキマってんぜ。お前にもじきに分けてやる。
 それにヒゲもな、このジョリジョリ感が癖になるってぇもっぱらの噂だぜ? ま、味わってみろよ」
瀬川はその言葉を最後に、目の前の肛門へ顔を近づけた。カメラの位置が悪くてよく見えないが、音からして舌を這わせているのか。
「気持ち……わるいっ!」
入宮の心底からという感じの声が響きわたる。

こうして、地獄の肛門舐めは始まった。


伊田と瀬川は、数いる調教師の中でも毛色が違う。
この屋敷で調教を行った他の調教師や、板間さんからボーナスとして貰った調教記録を見るとハッキリする。
調教師は年中女の調教ばかりしているだけに、女に対するギラつきは枯れている事が殆どだ。
だから効率最優先で女を昂ぶらせ、絶頂させ続けて快楽に慣れさせ、調教終了、出荷と機械的に進んでいく。
だが、伊田と瀬川はそうじゃない。
奴らだけは年中女に触れていても、童貞を思わせる脂ぎった欲望を微塵も失わない。
思春期真っ盛りの健全な高校生である俺さえ、奴らの調教映像を見ているだけで、いい加減食傷気味だというのにだ。
特に調教対象が若くて美しいとなれば、奴らは一日中でもその身体中を舐りまわす。心から愉しそうに。
男二人からそれだけの執念を受け続けると、どんな人間でも変わってしまう。
『もう触らないで、おかしくなる!!』
奴等の調教を受けた女は、調教終盤に取り乱した様子でそう叫ぶ事が多かった。そしてその言葉がでた数日後、本当に狂ってしまう。
他の調教師を宛がわれた娘が、気持ちいいと言いながら幸せに出荷されていく一方で、
伊田と瀬川に欲望を塗り込められた娘は、快楽を貪ることしか考えられないけだものとして出荷される。
それが『買い手』に喜ばれるのかは知る由も無いが、奴らがこの屋敷で常連となるほど仕事を任されている以上、評価はされているんだろう。

中でも、瀬川のアナル舐めの執念には怖気が走る。
奴は入宮の尻肉の合間に顔を埋めたまま、もう20分以上も顔を離していない。
畳エリアのカメラは瀬川の背中を斜め後ろから撮る形のため、責めそのものは見えない。ただ、音だけでその入念さが窺い知れた。
ぴちゃぴちゃというわざとらしい水音と、それをずぞぞぞーっと啜り上げる音が繰り返される。
たまに音が止んだ時には、必ず瀬川が入宮の尻を鷲掴みにしたまま、頭を小さく左右に揺らしている。多分、肛門の中に舌を入れているんだろう。
入宮は、角度的に胡坐縛りされた脚と左肩の辺りしか見えないが、啜る音と舌入れの時には、必ずといっていいほど内腿に筋が走った。
無駄な脂肪のほとんどない脚だけに、力が込められた時の筋もくっきりとして深い。

 ――俺が見てたあの試合でも、ドリブルで切り返すたびに、ああして筋が浮いてたのかな

思わずそんな妄想をしてしまうくらい、妙な色気がある。そしてそれは、誰より瀬川が特等席で感じているはずだ。
そう。背中の般若を歪ませて舐めに没頭する奴には、全て伝わっている。入宮の体温も、匂いも、味も。
多分少し苦しょっぱいだろう肛門に舌を捻じ込めば、尻を鷲掴みにした手の平と頬に、ゴムのような筋肉の張りが感じられることだろう。
延々と顔を尻肉に埋める様は不気味この上ないが、奴の心中だけは生々しく伝わってくる。
アナル舐めを続ける中で、奴の浅黒いペニスが徐々に固さを増し、今や天を突くほどに勃起しているからだ。
興奮しているんだ、奴は。入宮の排泄の穴を舐めしゃぶって……。
駄目だ、変な事ばかり考えてしまっている。ほんの少し羨ましさまである。ふざけるな。入宮を辱める行為なんだぞ、あれは。

「顔を上げなさい」
まるで俯く俺に投げかけられたような音声で、俺はモニターに視線を戻した。
映像の中には、這う姿勢のまま首を起こした入宮の眼前で、ハンディカメラを構える伊田の姿があった。
そして直後、瀬川も動きを変える。尻肉に皺が寄るほど鷲掴みにし、首を大きく左右に振る。舌入れだ。それも多分、かなり深い。
「うあっ!?」
受ける入宮も堪らなかったんだろう。アナル舐めが始まって以来、初めての声を上げてしまう。
「いい顔だ。しっかり撮れているぞ」
伊田は笑みを浮かべながら、入宮の顔にカメラを向けていた。
「成人もしてない子供の苦しむ姿が、そんなに面白いの? さっさと頭の病院に行きなよ」
そう恨み言を返す入宮の耳は赤らんでいる。多分、頬や鼻頭はもっとだろう。
「勘違いはやめたまえ。これはホームビデオのようなものと言っただろう。あくまで、在りし日の記録だよ。
 おまえはあと何週間もしないうちに、その気丈な顔ができなくなるんだ。
 私達がアナルを舐め、ほじくり、犯すたびに、浅ましい絶頂顔を浮かべるようになる。
 そう成り果ててしまってからも過去の自分を振り返れるように、こうして記録に残しているんだ。
 見目のいい豚ほど、昔の自分を懐かしむ。まあ、過去との落差にショックを受けて壊れるケースもあるがね」

伊田の発言の最中にも、瀬川は執拗に舌を送り込み続けているようだった。入宮の脚に何度も筋が浮く。
「どうした、瞳孔が収縮しているぞ。息もイヌのように荒いな。まるで、感じているようだ」
伊田が囁くと、入宮は顎を引いた。
「はっ、はっ…………バカじゃない? お尻の穴なんか、いくら舐められても、感じるわけないでしょ」
一言ずつ吐き出すような入宮の言葉を、伊田は薄笑いで受け止める。
「そうでもない、肛門は立派な性器だ。例えば赤子には肛門期といって、排便に快感を感じる時期がある。
 この感覚は成長と共にあまり意識されなくなっていくが、無くなるわけではない。つまり肛門は、歴とした性感帯だ。
 そこを舐められて快感を得ること自体は、ありえない話ではない。
 もっとも、『ケツ穴を舐られて浅ましく濡らす女』という事実は変わらんがな」
論理的に逃げ道を封じられ、入宮の髪が細かに揺らぐ。

と、ここでようやく、瀬川が肛門から顔を離した。ぷはっと酸素を求めながら、達成感のある表情で天を仰ぐ。
思わず視線のいく肛門は――かなり、変わっていた。
少し前の映像ではまさに菊の華という感じの慎ましさだった肛門が、ぱっくりと開いている。
中指がそのまま入りそうなぐらいの穴。おまけにその穴の周囲の輪も、充血して赤く膨らんでいるようだ。

「くくくっ。まったくよ、自分の勘の良さが恐ろしくなるぜ。よお伊田。こいつはすげぇ、凄すぎるぜ。やっぱ最高のアナルだ!
 尻回りの筋肉も、股関節の筋肉も、パンパンに鍛え上げられてやがる。
 ここいらが鍛えられてっと、括約筋の締めも良くなるんだ。おまけのその肝心要の括約筋が、またよく伸びる。
 俺はよぉ、感動しちまったよ。こんなアナルなら、一年中でも舐め続けられるぜ」
瀬川は入宮の肛門の縁に親指を宛がい、左右にひらいてみせた。すると、確かに良く伸びる。
「やっ、やめてよ、変態っ!!」
「つれねぇ事言うなよ。俺だって、テメェのファンの一人なんだぜ。なぁ、斗辺高女バス部のエースさんよ。
 8月にあった夏の大会……テメェ目的でわざわざ観戦に行ったんだ。
 惜しかったよなァ。残り4秒って時に、テメェのパスを6番が取りこぼさなきゃ、まず逆転出来てたろうによ」
瀬川が放った言葉に、入宮の目が見開かれた。俺も度肝を抜かれる。
「驚く事ァねえ。俺ら調教師にゃあ、2ヶ月以上前に獲物の情報が知らされんだ。下調べ用の期間としてな。
 調教相手の普段の生活やら、癖やら弱みやら……それを知ってんのと知らねぇのとじゃ、調教のしやすさが違うのよ。
 そこの似非インテリ野郎は、どこぞで仕入れた情報を組の女相手に試すばっかだったが、俺はマジメにテメェを張ったぜ。
 俺が見ただけでも、3人に告られてたな。茶髪ロンゲと癖毛メガネ、あとマルコメ君だよ。しかも全員、速攻で振られちまった」
堰を切ったように語り始める瀬川。
「だから何? ストーカー野郎」
それを見上げる入宮の目頭には、汗が伝っていた。
「ひひっ、これだ。あの坊主共も、こんなキツイ女選んだのが運の尽きってもんだが、ま、ガキも盛るわな。
 何せテメェは、あの学校ン中でも抜群に美味そうなカラダしてっからよ。
 俺も毎日、車ン中からテメェの脚を見てたぜ。ケツと太腿の形から、いいアナル持ってんのが判んだよな。
 こいつを調教できるって思うと勃起してよ、つい昨日まで、猿みてぇにセンズリ扱きまくってたのよ……テメェの隠し撮り見ながらな!!」
感情が乗るあまり声を上ずらせながら、瀬川は入宮の両足首を掴んだ。
そしてそのまま、入宮の身体を180度回転させる。突き出した肛門を天に向けつつ、瀬川と顔を見合わせる方向に。
「くっ…………!!」
潰れた蛙のような格好で瀬川と正対することになり、入宮は奥歯を噛みしめる。
「顎もようやく温まってきた。こっからが本番だぜ……お嬢ちゃぁん」
逆に瀬川は、チロチロと細長い舌を覗かせて嗤った。
そうか。こいつのヒョロ長い身体に、ギラギラした瞳……何かに似ているとずっと思っていたが、蛇だ。
人間にとって、生理的に受け付けないものの代表格である嫌われ者。そして、執念深い危険生物。
「ひっ!!」
蛇に肛門へ吸い付かれ、入宮は小さく悲鳴を上げた。


そこからの光景は、前以上に惨めなものだった。
膝立ちになった瀬川が背中を押さえるせいで、入宮の肛門は完全に真上を向く形になっている。
その状態で太腿を鷲掴みにされ、肛門を舐めしゃぶられるんだ。
映像にしっかりと撮られはじめた瀬川の肛門舐めは、ゾッとするほどに入念だった。
菊輪のふくらみに舌を這わせ、唇で挟み、ずろりと舌で外周を嘗め回してみせ、上下に弾くように舌で舐め上げ、ちろちろとくすぐり、
時には舌を穴の中に浅く突き入れたりしながら、唾液が溜まってきたら肛門に吸い付いてわざと音を立てながら啜る。
そして頃合いを見計らい、尻の窪みに頬骨を密着させながら、かなり深く舌を送り込んでいく。
それを休みなく続けているんだ。
入宮の内腿には相変わらず何度も深い溝が刻まれていたが、そんな事は当然のように思えてしまう。
あれだけ執拗な責めを受けたら、変化があって当然だ。声が出たって、何も恥じるべきことじゃない。

最初の10分くらいだろうか、入宮はピンク色の唇を引き結んで、必死に声を抑えていた。
ただアナル舐めが長引くにつれて、段々と荒い呼吸を抑えきれなくなっていく。
「はーっ……はーっ、はーっ……はーっ…………」
逆さになってもまだ釣鐘型に近い形を保っている乳房の辺りから、首に向けて汗をだらだらと垂らし、喘ぐ。
乱れることなく規則正しい呼吸はさすが陸上とバスケットの経験者という感じだ。
でも、スポーツには酸欠の苦しみはあっても、快感はない。
責めが15分を過ぎる頃には、肛門舐めの最中に、入宮の尻付近がぶるぶると震える事が多くなった。
その変化があると、瀬川は待っていたとばかりに入宮の太腿を抱え込み、尻の窪みに頬骨を密着させる。
「あーー…………っっ!!!」
舌が深く送り込まれる瞬間、入宮は長い声を出す。
内腿には異常なほど深い筋が刻まれ、胡坐縛りを受けた足の指は、親指と人差し指の間が裂けるのではと思えるほどに反り返る。
送り込まれる瞬間だけではない。
瀬川が送り込んだ舌を蠢かすような頬の動きを見せれば、入宮の腰は、嫌がるようにぐらぐらと揺れ始める。
「あっ、ああっ!! あああ、ああっ!! あああっあっあっ……あああ、あ、あ……っ!!!」
この時にはもう、リズミカルな呼吸は出来ていない。運動下手な俺が持久走でやるような、場当たり的な呼吸だ。
「随分と声が出るようになったな。感じているのか」
伊田が、入宮の顔を覗きこみながら問う。俺でも着目するような変化を、調教師が指摘しない筈もない。
「はーっ…………はーーーっ………………そんなわけ、ない………………」
「その割には、随分と息が荒いぞ」
「き、気持ち悪いだけ……さっさと、舌、抜かせてよ…………」
汗まみれで必死に反論する入宮に対し、伊田は、ふん、と納得するような疑問を呈するような、奇妙な声を漏らした。
そして、おもむろに入宮の秘裂へと指を潜り込ませる。
「あっ!?
驚きの声を上げる入宮をよそに、伊田は水音を立てながら秘裂をかき回す。
その後に引き抜かれた指は、全体的に濡れ光っていた。
「濡れているじゃないか」
ヌラヌラと光る指を見せ付けられながら指摘され、入宮は息を詰まらせる。
「…………知らない」
そう答えるしかない。下劣な男に感じさせられた、と認めない為には。
「無理をするな、感じているはずだ。さっきは言い忘れたがな、アヌスには肛門以外にもう一つ性感帯が存在するんだ。
 肛門から2センチ奥まった場所に息づく、『歯状線』という部分。此処こそ、アナル性感を最も色濃く感じられる場所だ。
 おまえは瀬川の舌で、肛門とこの歯状線を何度も何度も刺激されている。だから、腰が揺れる」
「しらない、知らないったら!! うんちの穴なんかで、あたしが感じる訳ないっっ!!!」
伊田の得意げな解説を、入宮はあくまで否定する。
小学校は男勝りなクラスのリーダー、中学では陸上部の女ボス、そして高校では県内屈指のバスケ部部長。
ずっとそうして、プライド高く生きてきたのが彼女だ。だからこそ、排泄の穴で感じているなどとは認められない。
しかし、その頑なな態度は調教師にとって格好の餌だ。
突っ張り棒をへし折る事こそ、積み重なった自我を崩落させる、最も簡単な方法なのだから。

「ふむ。天地逆さの格好をしているせいか、どうも私とおまえとでは見えている世界が違うようだ。では…………もっと解りやすくしてやろう」
伊田はそう言って立ち上がり、化粧箪笥を漁る。そして、ある道具を取り出した。
黒いゴムベルトの両端に、ステンレス製のフックが2つずつついた器具。何度か見た事がある。
あれは……膣を開いたままにする拘束具だ。
伊田はまずフックのうち2つを入宮の膣に差し入れてから、ゴムベルトを太腿を経由してぐるりと腰に巻きつけていく。
「い、いや、何!?」
「お、お得意のご開帳かよ。好きだねーお前も」
入宮と瀬川がそれぞれ反応するのを無視し、伊田はベルトの長さを調節する。
「おまえは腰が細いからな……この辺りか。ふふ、この位置は久しぶりだ」
独り言を呟きながらゴムベルトを逆側まで到達させ、引き絞りつつ残る二つのフックを膣に引っ掛ければ……ぐぱっと膣が開ききる。
「いやああぁぁぁっ!!」
この時の叫びは、どんな女性であろうと共通だ。戸惑いと拒絶感を反射的に喉から迸らせる。
それはそうだ。斜め四隅に引っ掛けられたステンレスフックがゴムベルトに引き絞られ、秘匿すべき膣を奥の奥まで開くのだから。
子宮口まで遮るものなく丸見えなのだから、見ているほうのインパクトも凄い。
「ほぉ、膣粘膜までこのピンクぶりか。本当におまえは……外見のみならず、内粘膜まで見せる為に生まれてきたような奴隷だな」
賞賛とも侮蔑とも取れる伊田の言葉に、入宮の瞳が吊り上がる。よく見れば、少し泣いてしまっているようだ。

『ああ、あれ?泣かされたんじゃないよ。知佳って、結構カッとなるタイプだから、マジ切れすると泣くんだよね』

以前にクラスメイトの一人から、そう聞いた事がある。果たして今の涙は、それなのか。
「へへっ、ますます惨めだな」
「意地を張るからそうなる。どうだ?気分は」
伊田と瀬川が嘲笑を浴びせながら、入宮の脚を掴んで揺らした。
すると開ききった膣から、一筋の雫が伝い落ちる。その一滴は、真下に位置する乳房へ筋をつけた。
調教師二人の嘲笑が大きさを増す。
「どうだ、今の一滴はおまえの愛液と思うが?」
伊田から勝ち誇ったような顔で囁きを受け、入宮は歯を食い縛った。
「ふざけないで。あんた達みたいな気持ち悪い変態に何されたって、ゼッタイ濡れない。
 生理現象で何か出たって、そんなの濡れたうちに入らない!!
 せいぜい12月が来るまで、あたし相手にそうやって馬鹿みたいに遊んで、後で悔し泣きしたらいい。
 あんたらみたいな陰険な奴には、それが似合ってるよ?」
言われたら言い返す。それがサディストの性質だとすれば、入宮も相当なものだ。
ただ、今の彼女は絶対的に弱い立場にいる。それが解っていてもなお、退けないんだろう。
「…………やれやれ。俺もフラれちまったよ、伊田」
瀬川がわざとらしく肩を竦めながら、入宮の太腿に手を掛ける。
「ああ、そうらしい。ではお言葉に甘えて、たっぷりと遊ばせて貰うとしよう。
 私達はいい大人だからなぁ、何回か玩具を壊してしまうかもしれんが……玩具自身がいいと言ってくれたんだ。遊ぼうか」


歪んだ執念を全身に塗り込める。それが伊田と瀬川の調教だ。
だが未だかつて、入宮ほど濃厚な執念を塗り込められる『奴隷』はいなかったことだろう。

「感じていない…………か。これで、よく言えたものだ」
伊田は笑みを湛えながら、入宮の乳房付近を撫で回す。入宮がはっとした表情を作る。
今まで下半身ばかり見ていて気付かなかったが、その乳房の先端は痛々しいほどに屹立していた。
伊田は乳房に触れるか触れないかのソフトタッチを仕掛けつつ、少しずつ先端に迫った。
そしてかすかに膨らんでいる乳輪部分を指先で掻き毟り、
乳首をひねり上げる。
「ああぁあっっっ!!!」
入宮の唇から絶叫が迸った。今の今まで、声を漏らすまいと固く結んでいた唇から。
「何だこの玩具は、ボリューム設定が壊れているのか?」
伊田はそう揶揄しながら、さらに乳首責めを続けた。あ、あああ、と入宮から声が漏れる。
カメラ越しには、ただつねったり転がしたり押し潰したり、それを繰り返しているだけにしか見えない。
ただ今までの記憶を遡る限り、伊田の技術は相当巧みなんだろう。特に乳首や陰核といった小さな部分を責めるのが上手いようだ。
執念よりも、知識や技術が物をいう分野だからかもしれない。
性欲の瀬川、知識欲の伊田。昔親父が酒に寄った時、そう称していた事もある。

伊田の乳房責めで、入宮が何度も声を上げさせられている最中。
それまで肛門を舐めしゃぶっていた瀬川がまた尻の窪みに頬をはめ込み、舌を深く送り込み始める。
「あああーーーっ!!」
入宮は、やはり声を抑える事ができなかった。瀬川の長い舌を挿れられるのが、本当に気持ちよくてたまらないんだろう。
そして伊田の言葉が事実なら、舌が『歯状線』という場所を舐め取りはじめてからは、快感はさらに強まる。
「ああぁ、あああーーぁ、ぁ、ああっ、ぁぁあ…………あ、あ゛っ」
押し潰したような、じっとりとした脂汗を思わせる呻き声。派手さもなければ可愛いとも言いづらい。
でも、それ以上の快感はないのではと思えるぐらいに重苦しい喘ぎだ。
かつて瀬川からアナル舐めを受け、気が狂うまでドライオーガズムに至ったというシーメールもまた、今の入宮と同種の呻きを上げていたに違いない。
性差させ超越させうる、排泄孔という禁忌の場所。
そこを開発されるのは、一体どんな気持ちになるんだろう。解らないが、平然と流せるものでない事は確かだ。
だから、仕方がないんだ。
入宮の脚が、攣りそうに思えるほど何度も何度も強張るのも。
刺激を嫌がって逃れるように、括れた腰が左右に揺れるのも。
舌を深く挿れられるたび、中世的にも思えるほど深く色濃い灰色の呻きを漏らすことも。
その上で、女性特有の性感帯である乳房まで弄繰り回されれば、絶頂するのも無理はない。入宮は、少しも変なんかじゃない。

だが、悪魔のような伊田と瀬川は、それら全ての変化を容赦なく詰った。
限界を迎えたがゆえの発汗や筋肉の蠢き、そして喘ぎ。それを異性二人から逐一嘲笑われる環境は、地獄以外の何物でもない。
プライドの高い人間であればあるほど耐え難いだろう。それが余計に、入宮を不安定にするのか。
器具によって開かれた膣から、何度も何度も光る筋が滴るのが、カメラ越しにでも解った。
その落下地点を伊田の指が掬い取り、乳房に塗りこめて、ローションマッサージの要領で刺激し続ける。
それでまた入宮の身体が硬直し、暴れ、光の筋がこぼれるという状況が繰り返された。
モニター越しに監視する限り、膣から滴った愛液はせいぜい7,8筋というところだ。
ところが伊田の手元付近を注視すると、それがまったくの間違いであると解る。
入宮の乳房から鎖骨、首筋、顎にかけては、明らかに汗とは違うオイルめいた輝きを纏っていた。
伊田の言葉責めを真に受けるなら、『娼婦100人の乱交現場にいるような』ものすごいメスの匂いもしているらしい。
そう野次を飛ばされた時には、入宮はすでに反論すらできない状態になっていた。
胸から上は、目を閉じたまま気を失っているようにしか見えない。ただ下半身だけは、責めが終わった後も細かに痙攣を続けている。
胡坐縛りが解かれ、一糸纏わぬ姿のまま右足首を掴み上げられた時もまだ、ガクガクと身体が揺れていた。
その姿はいかにも生物らしくなく、異様としか表しようのないものだった。



翌朝、入宮の目に下にはくっきりと隈ができていた。
俺に促されるままにキッチンの椅子に腰掛け、ぼうっと空中を眺めている。
『奴隷』向けに用意されているサイズ違いのネグリジェが、余計に怠惰な――場末の娼婦のような印象を与えた。
彼女らしくない。いつもの入宮がここに居たなら、朝食の準備を進める俺の手際の悪さに業を煮やし、
『取り皿はどこにあんの』『ご飯はあたしがよそうから、あんたはこれ運んでよ』と来るはずだ。
喧嘩っ早くて仕切り屋でお節介。誰と結婚しても姐さん女房になるに違いない。入宮はクラスの皆からそう言われている。
そんな彼女がここまで呆けている以上、疑いの余地はない。彼女は昨日、ほとんど眠れていないんだ。


執拗なアナル舐めで立つことすら出来なくなった後、入宮はベッドに運ばれた。
ただし、伊田も瀬川も、そのまま休ませるような連中じゃない。
まずは仰向けに転がる入宮の顔を跨ぐようにして、瀬川が膝立ちになる。
そして入宮の頬を叩き、薄らと目を開かせる。
彼女の視界に映るのは、アナル舐めによって天を突かんばかりに勃起しきった醜悪な怒張。
太さや長さも相当だが、雁首の張り具合や幹に浮き立った血管は、男の俺でさえ目を疑うほどだった。
『咥えろ。舌とノドでうまくイカせられたら、寝かせてやる。
 風呂場じゃ結局吐いて有耶無耶になっちまったからな、補習ってやつだ。高校でもやるだろ?悪ィ点取った時によ』
瀬川はそう言いながら入宮の鼻を摘み、開いた口へと怒張を送り込んでいく。
ほとんど意識を失っているような状態の入宮は、されるがままだ。
だが、怒張が半ば以上唇の中へ入り込むと、さすがに苦しかったんだろう。
『もごォうあ゛っ!?』
目を剥いて顎を跳ね上げながら、瀬川の太腿を手で押しやろうとしはじめる。火事場の馬鹿力か、一瞬瀬川の腰が浮く。
とはいえ、瀬川も細身ながらに男だ。ベッドのヘッドボードを掴み、腰の力だけで強引に怒張を押し進めていく。
『ん゛も゛ぉお゛お゛オ゛ぇ゛っ!!!!』
美人顔の入宮に男のような低いえづきを上げさせつつ、あっという間に剛直の8割ほどが口内へ入り込んだ。
『やっぱ上から押し込むとラクだな、簡単に食道まで届くぜ。ケヘヘッ、そうビビんなって、鼻から息すりゃ死にゃしねぇよ。
 なんだ、何か言ってやがんのか? 喉奥がモコモコ動いてすげぇ気持ちいいぜ、まるでアソコの奥だ。
 ……そうだ、膣代わりといくか。テメェのバージンを奪えねぇのは癪だが、代わりにこの喉マンコを、ガバガバになるまで犯してやるよ!』
瀬川はそうがなり立てながら、太腿を膨れ上がらせて腰を押し込む。
普段は鶏ガラのような脚のくせに、こういう時の筋肉の張りは目を見張ってしまう。
あの腿から生み出される腰の押し出しは、多分男子の俺でさえ、腕だけで押し返す事は不可能だ。
いかにスポーツ少女とはいえ、女子である入宮に当然抵抗の余地はなく、瀬川が望むままのペースで喉を穿たれることとなる。

『ごぉお゛おう゛ぉえっ、んもも゛お゛ぉ……お゛お゛えぇァ゛がっ!!!』
皺の跡がつきそうなほど固く目を瞑り、限界まで口を開くがゆえに頬に深く線の入った顔は、とても美人とはいえない壮絶なものだ。
だが、地獄の底から響くような凄まじいえづき声を聞けば、その顔を茶化す奴はいなくなるだろう。
そのぐらい異様で、そのぐらい説得力のある苦しみの悲鳴だ。
そもそも瀬川の剛直は、入宮の上品な口と明らかにサイズが合っていない。
目一杯に開いた唇と剛直の直径にほとんど差が見られないのだから、咥え込めている事自体を奇跡というべきだ。
それをコンディション度外視の身勝手なペースで叩き込まれるのだから、女らしさの欠片もない表情になるのも無理はない。
『あああすげぇ。えづき汁でヌルッヌルの食道が、俺のデカブツにびっちり張り付いてやがる。こりゃあ堪らんぜ。
 なァ、テメェにも解んだろ、俺の極太で喉のカタチ作り変えられてんのが?
 ……っと、ハハハッ、なんつーツラしてやがんだテメェ。カツアゲされたガキかよ。おらどうした。俺が憎いんだろ、睨んでみろよ!!』
瀬川にそう煽られた以上、入宮も黙ってはいられない。
苦しい中で必死に瞳を開き、目頭から涙の粒を開放しつつ、かろうじて瀬川を睨んでみせる。
だがそれも、ほんのコンマ数秒という間の話。
瀬川が満面の笑みで根元近くまで剛直を送り込めば、
『んろ゛おおおぉ゛ぉおえ゛え゛っ!!!』
喉が潰れそうなほど低くえづき、目元に深く皺を作るしかない。
彼女の手は、苦しさからか怨みからか、必死に瀬川の太腿に食い込んでいる。
だが同じ掴みにしても、バスケットボールを軽々と扱っていたあの頼もしい手に比べて、なんと弱弱しく見えることだろう。

二度、三度。瀬川が休みなく腰を突き出し、剛直を深く入り込ませる。
『ほごぉおおお゛おう゛っっ!!』
それがよほど苦しかったのか、入宮の脚がバタバタと暴れ始めた。
すると、彼女の足元に座っていた伊田がその脚を捕らえ、慣れた様子で肩に担ぎ上げる。
『愉しそうだな。どれ、私はこちらの具合でも見るとするか』
そう言いながら、入宮のすらりとした脚の間……低さから見ておそらく肛門に指を差し入れる。
『ほも゛ぅあ゛っ!?』
入宮が剛直を咥えたまま“あ”の叫びを上げた事からして、やはり肛門で間違いないだろう。膣なら、その叫びにはならない。
『ひひっ。ケツに指挿れられたぐれぇで、何テンパってんだよ。俺の舌で散々ふやかしたんだ、今さら指の一本なんぞ綿棒みてぇなモンだろ。
 それとも何だ、さっきから女捨てたツラでゲェゲェ鳴いてるもんだから、おぼこい所見せてバランス取ろうって腹か?』
もはや悪意の塊しか感じられない言葉責めを浴びせながら、瀬川は悠々と腰を振りたくる。
唇から零れるほどえづき汁が溢れているせいか、ストロークの速度は上がっていた。
入宮の喉からも、クチュクチュという水気をもった攪拌の音がしはじめていた。
しかし、おえっ、ごえっというえづき自体は変わらない。そして何より、脂汗まみれの泣き出しそうな彼女の顔には、ひとかけらも『楽』が見当たらない。
対照的なのが瀬川で、こちらは腹立たしいまでに快楽と征服欲を貪っていた。
『んも“おお“おお“エ“っっ!!』
突き込み十回につき一回ほどの割合で、入宮は本気の嘔吐の兆候を見せる。
頬が膨らみ、皺だらけの顎が震え、唇の端でこぴゅっと泡が弾けて、顔全体が上向く。
その前兆を認めるや、瀬川は必ず駄目押しを仕掛けた。
入宮の額を押し込んで、顔の角度をさらに強め、明らかにやばい角度で怒張を送り込んだり、だ。
『ほお、よく締まる。これはすごい』
伊田が喜びの声を上げる中、瀬川も吠える。
『どうした、吐くのか? お? 吐いても構わねぇぜ、テメェの寝るベッドなんだからな!!』
瀬川はそう言ってスパートをかけるが、入宮は泡まみれのえづき汁を吐きこぼすだけで、吐瀉物らしき物を見せない。何度やられても。
一度バスルームで胃の中身を空にしているとはいえ、よく吐かなかったものだと思う。
俺はそんな彼女の意地に感動したが、瀬川にしてみれば敗北したような気分だったろう。

その証拠に奴は、途中から姿勢を大きく変えた。
涎で濡れ光る剛直を口から抜き出し、一旦ベッドを降りる。そして入宮の肩を掴んで向きを変えさせ、後頭部だけがベッド側面から落ちるようにする。
その上で、剛直を咥え込ませたんだ。
洋物のビデオでたまに見かけるこのプレイは、見た目の絶望感が凄い。いや、見た目だけじゃない。
『かァ……お“あ“っ、こごおぉおお“…………おも“おろお“ぇエがああ“……っ!!!』
痰を吐くときのような音を絡ませてのえづきには、さっきまでとはまた違う悲愴さがあった。
細い手指はベッドシーツを強く握りしめていたし、伊田の肩に抱え上げられた右脚も、足首を起点に腰を持ち上げるほどの力みを見せる。
極めつけは、真っ直ぐに伸びた彼女の白い喉に、ほんの僅かながら確かに、剛直の膨らみが見えたという事実だ。
瀬川が腰を押し進めるたび、喉の膨らみも鎖骨の方へと伸びていく。俺の目の錯覚であってほしいが、その長さはとんでもなかった。
屋台で売っているフランクフルト。あくまで長さだけだが、それが脳裏に浮かんだ。
それだけの凶悪な長さのものが、さらに悪意を込めて送り込まれる。

瀬川の目的は、射精よりも入宮を苦しめること……いや、多分『吐かせること』だ。そう断言できるぐらい、奴の行為は露骨だった。
白い喉に両の親指を宛がい、怒張の膨らみを縁取るように押さえつけたり。
喉を激しく責め立てながら、ピンクの乳首を弄繰り回したり。
シーツを掴むことで必死に苦痛を紛らわせている入宮の手を離させ、あろうことか、垂らした頭の後ろで組ませて支えとしたり。
あるいは抽迭の果てに根元まで……陰毛が鼻腔を覆い隠すほどの根元まで咥え込ませた所で、ぐっと腰を留めて6秒ほど駄目押しをしたり。
それでもなお、入宮は吐かなかった。
もっとも、正確なところは解らない。入宮の顔に陰が入らずハッキリ見えるのは、瀬川がストロークを大きく取ろうと腰を引いたときだけだ。
後は、濃い黒と薄い黒という世界。
妙にきらめく液体が桜色の唇からこぼれ、小鼻を通り、逆さになったショートヘアに絡みながら落ちていく様……見えるのはそれぐらいだ。
頑張れ、吐くな、耐えろ入宮。耐え切って瀬川に悔しがらせてやれ。俺は心の中でそう声援を送り続けた。

ぐもっ、ごおおっ、かぽっ、ぐぼっ、ぐごっ、かこっ…………

そういう水音を多分に含んだえづきが、絶え間なく響きわたっている。
正直ずっとそれを聴いていると、そんな音を漏らす喉に挿入したら、ものすごく気持ちいいのではと思えてしまう。
そしてそれが事実である事が、瀬川自身の唸りで証明された。
『ハァッ、ハァッ、ハッ…………俺としたことが、アナル舐めで興奮しすぎたか。そろそろマジでイキそうだぜ。
 オウ伊田、このままイッパツいいか。朝まで嬲るつもりだったが、この喉マンコが凄くてよォ、もう辛抱できねぇ!!』
瀬川が上ずった声で言うと、伊田は少し考える素振りを見せてから頷いた。
『いいだろう。ただし、出すからにはきっちりと“飲ませて”やれ』
『おお、わぁってらぁ!』
そうした会話が交わされた後、瀬川はスパートに入った。それまでの様々な技巧を捨て去った、ただひたすらの抽迭。
皮肉にも、これが一番入宮を追い詰めていた。
『んむ“ぅう、う゛っ、もお“おお゛っお、う゛ぅうおお゛っ……げ、ごっ、ほごごぼぇおお“っっ!!
 ごはっ……ん゛ごおおっ!!ん、ん“おあ“ごろおッ、おがっ、こッ……お“ぉおえ゛ごげおお゛おおお“っ!!!』
それまで以上に切実な呻きが響きわたり、細い顎が何度も何度も跳ね上がる。
唇からは異様に粘ついた糸が次々と顔面に垂れ落ち、凄まじい速さで抜き差しされる剛直の幹からも飛び散っていく。
膨らんだりへこんだりを繰り返す入宮の腹筋が、彼女自身の苦しみを代弁していた。

スパートはどれほど続いただろう。数十回の抽迭の末、ついに瀬川が射精に至る。
『くうっ、出すぞ! 全部飲み下せよ!!!』
瀬川はそう叫びながら、逸物を半ばほど咥え込ませたまま腰を止める。そして、全身をぶるぶると痙攣させ始めた。
この瀬川はもういい歳をしていながら、射精の量は相当に多い。
過去の映像でも、『奴隷』の尻から抜いた怒張から放たれた精子が、背中のみならず髪の毛にまで飛び散る事がよくあった。
若い俺でも相当昂ぶっている時で手の平一杯がせいぜいだというのに、その何倍もの精力を有する獣だ。
そんな勢いと量を誇る精液を口で受けるなど、無理な話だ。
俺がこれまで見てきた奴隷が皆そうであったように、入宮もまた、その圧倒的な射精を受けて噎せかえった。
あっという間に頬が膨らみ、ぶぷっ、ぶほっと咳き込み始める。そしてその後、鼻からも白い物が噴出す。
ただ、瀬川も慣れたものだ。
「吐き出すな。飲め」
あくまで腰を動かさず、入宮の容のいい鼻を摘み上げて、呑むしかない状況を作り出す。
そして、数秒後。白い喉がごくん、ごくんと嚥下の動きを見せると、ようやく怒張が抜き出された。
アーチ上に垂れ下がった、相当な長さの怒張。それは唾液と精液に塗れながら、ひどく泡立っていた。
「どうだ、俺のザーメンは美味かったか?」
意地の悪い笑みを浮かべながら瀬川が問うと、入宮が薄く目を開いた。
そして荒い呼吸を整えながら、天を仰ぐような姿勢のまま告げる。
「……全然、苦くてえぐいだけ。あんたって本当に不健康なんだね。そろそろ死ぬんじゃない?」
その言葉に瀬川が固まり、逆に伊田は笑い出す。その笑いで、瀬川はいよいよ機嫌を損ねたらしい。
「……約束は約束だ、今日はこのまま寝かせてやる。だがな、今のふざけた発言は負債2つ目だ。
 テメェも利子ぐれぇは早ぇとこ返してぇだろ? だからよ、特別調教といこうじゃねぇか。
 テメェが寝てる間も、俺らで朝まで肛門を開発しといてやる。たっっぷり指入れして、舐め回してやっからな。
 良い夢見ろや?」
入宮の細い身体をベッド中央に戻しながら、唇を舐める瀬川。
疲労困憊のこの状況下で、なお満足な休息すら取れない事実に、入宮の表情が強張る。
「クソがしたくなったら言え。もっとも、アナル責めはやめねーけどな」
瀬川はそう追い討ちを掛けてから、ベッドの上に這い上がった。

俺は変に目が冴えていたせいで、その後も2時近くまでモニターを監視していた。
映像内では、疲れからか死んだように眠る入宮の肛門を、伊田と瀬川が嬲り回している。
指入れが続くだけでも入宮の息は荒くなっていたが、瀬川が両の脹脛を抱え上げながら尻穴舐めを始めると、
完全に寝入っているはずの入宮の口から、あっ、あっ、と声が漏れ始めていた。
気付けば俺もそのまま眠ってしまっていたが、朝食を作るために掛けた目覚ましで起きると、モニターにはやはり乱れた光景があった。
伊田と瀬川がベッドの上、入宮を嬲る格好のままで項垂れている。
特に伊田は、入宮のすらっとした右脚を肩に担ぎ上げたまま、肛門に手を触れる形で鼾をかいていた。
寝ぼけ眼を擦ってよく見ると、その手の中にはピンク色の柄が見える。
道具まで使っているようだ、入宮が無抵抗なのをいいことに。
それに気付き、俺は無性に苛立った。朝食用に卵を溶いている時でも怒りは収まらず、初めてボウルから中身を溢してしまったぐらいだ。
エプロンをどろりと汚す黄ばんだ白濁にさえ腹が立つ。相当に情緒不安定になっている。
実のところ、怒りの矛先は俺自身にも向いていた。
入宮が昨晩まともに休めなかったのは、俺のせいなんじゃないか。
昨日の俺の言葉が変に発破をかける結果となり、彼女に意地を張らせてしまったんじゃないか。
だから、余計な仕置きを受けたのでは。そう悩んでしまう。
そしてそう思ったが最後、目の前で隈を作りながらぼうっとしている入宮が哀れでならない。

「ほら、コーヒー。目ぇ覚めるぞ」
せめて眠気覚ましになればと、コーヒーを淹れたマグカップを差し出した。
「…………ん……あ、ありがと」
入宮はそう言いながらカップを受け取ろうとし、しかし、上手く掴めずに取り落としてしまう。
「あっ!!」
マグカップは無慈悲にも床に転がり、白濁の混じった茶褐色が広がっていく。
「ご、ごめんっ!!」
「ああ、いいっていいって。それより、火傷とか大丈夫か?」
心配になって入宮の体に目をやり、はっとする。
うっかりしていた。彼女が今着ているのは、ダボッとしていながらも裾の短いピンクのネグリジェ。
上から覗き込めば胸元が、下に視線をやれば生足が視界に飛びこんでくる。
本当に形がいい……というより、十中八九男を狂わせる類のエロい脚だ。
思わず赤面してしまう。
入宮は、そんな俺の視線にも気付かずに俯いていた。
「大丈夫。…………何やってんだろ、あたし。すばしっこいのだけが取り得なのに」
すっかり意気消沈している様子だ。そんな彼女を見ているのはつらい。無理とは解っていても、元気でいてほしかった。
「そんな事ないだろ。入宮の良いところは一杯ある。いつも明るいし、優しいし、ノリが良くて面倒見もいいし。
 皆そういう入宮から、元気貰ってんだぜ。俺だってそうだ。ガキの頃からずっと」
俺がそう言うと、入宮はゆっくりと顔を上げた。
その瞳は涙で潤むようで、俺の姿は映っていない。でも、綺麗だと思った。
「ありがとう。こういう、追い込まれた時にちょっとでも励まされると……沁みるね」
そう呟き、二度瞬きをする入宮。
「昨日の晩もそう。あの時あたし、結構ガンガンやられちゃっててさ。いきなりで面食らっちゃって、折れかけてた。
 でもあの言葉のおかげで、あたしは今も、あたしのままでいられてる。
 あんな気持ち悪い奴らに好き放題やられて、根っこまで変えられちゃ堪んないよ」
「入宮……」
俺が思わず名を呼ぶと、初恋の相手は俺の視界でふっと笑ってみせた。
「あたしさ。このまま12月まで持ちこたえて、あたしを『買った』やつに会ったら、一発ビンタでもかましてやるつもりなんだ。
 まぁ、そんな事したらまたお仕置きされるんだろうけど…………その後は、どうにか生き延びてくよ」
笑顔でそう言われると、返す言葉が見つからない。
笑い返すわけにもいかないので、俺は少し黙って、朝飯に手をつけ始めた。
入宮も箸を取って食べ始める。俺が彼女のため、今までにないぐらい丹精込めて作った料理を。


「おいしい……ちゃんとダシ引いてるんだ」
味噌汁を一口啜った瞬間、入宮は感動したような口調で言った。そう言って貰えると、作った側としても報われる。
この味覚の鋭さは、小さい頃から母親の手料理を食べて、正統派の味を舌で覚えているが故だろう。
彼女は大切に育てられてきたに違いない。当然だ。惚れ惚れするぐらい、良い娘なんだから。

「まるで新婚ごっこだなぁ、ガキ共」

俺達の束の間の憩いは、品のない声と共に終わりを告げた。
「……寝てるんじゃなかったの?」
入宮は雰囲気を一変させ、刺すような視線を声の主……瀬川に向けた。
逆に瀬川は醜悪な笑みを浮かべながら、ゆっくりと近づいてくる。動物のような体臭で、一気に飯が不味くなる。
こんな奴と一晩中一緒にいたなんて、改めて入宮には同情しかない。
「大事なモンを忘れててよ。危うくテメェに、いつも通りの学生生活を送らせちまう所だった。
 今日からは、こいつをパンティ代わりに穿いて登校してもらうぜ」
瀬川はそう言って、手に下げたものを掲げる。
奴隷調教を見慣れた俺には、それが何なのかすぐに解った。被装着者の性交や自慰を防ぐ、施錠装置つきの下着……貞操帯だ。
貞操帯にも何種類かあるが、瀬川の手にしたものは、肛門へ挿入されるようにバイブレーターが固定されている物だった。
バイブレーターのサイズは、俺の親指より少し太いぐらい。一番細いサイズだと思うが、それでも慣れない内はきつい。
「こいつはこう見えてGPS内蔵でよ、テメェの居所が手に取るようにわかるんだ。
 下手に逃げようとしてみろ。その時点でテメェの商品価値は消滅。犯されながら頭カチ割られて、次の朝にゃあ簀巻きだぜ」
耳元へ吹き込むような恫喝は、いよいよ筋者のそれらしい。
「これから、シャワー浴びようと思ってたんだけど?」
「こいつを着けてから、好きなだけ浴びりゃいいさ。股は、俺が濡れタオルで拭いてやる。大事な部分が蒸れちゃいかんからなぁ。おら、下脱いで股開け」
その会話の後、入宮は心底嫌そうに溜め息をつきながら箸を置いた。
俺は、さっと目線を逸らす。視界に入るのは、入宮の食べかけの食事。米粒のついた茶碗に、半分ほど減った味噌汁、身の割れた焼き魚。
その日常的な光景の脇から、『音』が入り込んでくる。
服を脱ぐ衣擦れの音、タオルの擦れる音。意識しないようにしても、耳が勝手にそれらの音を拾ってしまう。
「んっ、ちょっ、と!!」
「へへへ、感じたのか?」
「ふざけないで。いちいちそんな所触らないと体も拭けないの!? 変態!」
「テメェはすぐそれだ、二言目にゃ変態変態ってよ。だがな、朝っぱらからこんな所しこり勃たせてるテメェこそ変態だぜ。夢ン中でケツ犯されて興奮したのか?」
「あんた、いい加減に…………!!」
「おー怖ぇ怖ぇ。さて、綺麗になったな。んじゃ嵌めんぜ」
「…………ん、ぐっ……!? ちょ、ちょっと! 何これ、太すぎるって!!」
「何が太いだ、一番細ぇ奴だぜ。正真正銘一番上のサイズとなりゃ、山芋みてぇな太さだ。病み付き具合もな。
 テメェもいつか穿くかもしれんぜ。少なくともこんな楽が出来んのは、今だけだ」
げへげへという下卑た笑い声がする。
入宮と瀬川の会話は、必ず瀬川の笑いで幕が下りた。歯軋りの音を掻き消す、太く黒い笑いで。





いつも通りに教室へ入った入宮は、クラス中の注目を浴びる事となった。
入宮が長袖の冬服に変えていたからだ。
動きやすい軽装を好む入宮は、衣替えの時期でも一番最後まで半袖を着続ける。
知佳が長袖を切るようになったらいよいよ秋だな、とも言われたものだった。
それをまだ残暑の残る今変えているんだから、驚かれるのも不思議はない。
「いやー、何となく。気分だよ気分!」
入宮は朗らかに笑ってみせたが、俺は知っている。長袖を着ているのは、緊縛の跡を見られないためだ。
昨夜胡坐縛りで責められ続けた彼女の身体には、今もくっきりと縄の跡が残っている。
胸や足首の縄跡は夏服とソックスで隠せても、後ろ手縛りをされた際の上腕や手首の跡は、夏服で隠すにはやや厳しい。
シャツの襟を閉めてリボンまで結んでいるのも彼女らしくないが、首にまで跡がある以上は仕方ない。
彼女はそれらを隠さなければならなかった。そして、隠すべきことはもう一つある。

「どうした入宮。トイレか?」
数学教師の前川が、落ち着きのない入宮にそう声を掛けた。
入宮は赤い顔で俯いていたが、やがて机に手をつきながら立ち上がる。
「……すみません、行ってきます」
椅子を離れてから扉を開けるまでの足取りも覚束ない。
「お、おい、大丈夫なのか入宮!? 保健委員、誰だ? ついて行ってやれ」
前川の言葉に保健委員が立ち上がるが、入宮は首を振る。
「いいっていいって、ちょっとお腹痛いだけだから」
そう言って扉を閉め、廊下へと姿を消す。
クラスはにわかにざわついた。
 ――聞いたかよ。あの学年一の健康優良児が腹痛だとよ
  ――そっか、だから冬服着てんのかな
 ――中学ン時から一緒だけどよ、アイツが授業中にトイレ行くとこなんて初めて見たぜ?
  ――珍しいよな。ハラ痛くても我慢するタイプかと思ってた。意地っ張りだし
 ――我慢できないレベルだったんでしょ。ひょっとしたら生理かもしんないじゃん
  ――バーカ。生理痛とか、それこそあのメスゴリラにゃ無縁だろ
 ――男子に何が解るわけ? たまに酷いときはマジ死ぬんだってば
「おまえら、その辺にしとけ。追い込みの時期だぞ!」
前川が一喝し、クラスはとりあえず受験モードに戻る。だが皆どこか落ち着きがなく、入宮を意識しているのは一目瞭然だ。
無理もない。入宮はクラス一の人気者だ。いつも人の輪の中心にいる姉御的存在。
昔から入宮が仕切るクラスだけはいじめが無かったし、学校で困り事があったら真っ先に彼女に相談する風潮もあった。
クラスの女子からは憧れの的とされ、同じくクラスの……いや、ひょっとしたら学年の大半の男子から性的な視線を浴びる生徒。それが入宮知佳だ。

俺は今日からそんな入宮と、昼休みを共に過ごす事になる。勿論恋人としてじゃなく、あくまで監視役として。
だが、それでも得難い体験だ。中学以降の入宮は、常に女子グループの中心として昼休憩を過ごしていた。
そんな入宮が男子と一緒にお昼を食べるなど、小学校卒業以来、俺が初めてじゃないだろうか。
今やほとんど使われていない旧校舎の屋上……人目につかない場所として入宮が教えてくれたそこで、二人して弁当を広げる。
「うわ、すごっ……!!」
弁当箱を開けるなりのその一言が、ひどく嬉しい。何しろ頑張ったんだ、特別に。
振られて以来、俺が入宮を真正面から見る機会はぐっと減った。
有耶無耶になった今朝を除けば、物を食べる彼女を間近で見るのは、いつも頬に絆創膏を貼っていた小学校の頃以来だ。
入宮はとても美味しそうに物を食べる子だった。
グルメレポートのような大きなリアクションもなければ、満面の笑みでもない。でも、箸を黙々と進めるその姿は雄弁だった。
「口に、合うか?」
少しの不安と共にそう訊ねると、入宮ははっとした様子で顔を上げた。
「あっ、ご、ごめん、ずっと黙ってて。なんか、お腹減ってたせいで夢中になっちゃってさ。美味しいよ、すごい美味しいっ!!」
その言葉だけで俺は、今朝の苦労分以上に満たされる。


食事を終えた後は、二人してしばらく校庭を眺めていた。
状況が状況だけに会話の切り出し方が難しく、ただグラウンドで青春を燃やす下級生達を見守る。
しかしその空気にも耐えられなくなった時、俺は意を決して訊ねた。
「2限の時のあれ、大丈夫だったのか?」
入宮が退出した時の事だ。本人は腹痛だと言っていたが、真相は多分違う。
貞操帯に嵌め込まれたアナルバイブが、ボタン電池が切れるまでの間、不定期に直腸を責めるせいだ。
「ああ、うん。あのまま授業受けるのは厳しそうだったから、ちょっと休んでただけ」
「そっか。今は平気なのか?」
「……ん」
俺の問いに、彼女はやや視線を外し気味で答える。いつも他人の目を見て話す彼女としては不自然だ。
何となく、彼女が無理をしているのが解った。
「別に無理しなくていいぞ。俺だけは事情知ってるんだから」
俺がまさにそう言った最中、入宮が肩を跳ねさせた。そして目を見開き、前方を見つめはじめる。
アナルバイブが動き始めたんだろう。
「むこう、向いててくれる?」
しばらく無言が続いた後、入宮はそう呟いた。
「え?」
「…………ちょっと、恥ずかしいことする」
間の抜けたような声を出してしまう俺に対し、入宮が篭もった声で続ける。俺は言葉の意味を認識し、急いで後ろを向いた。
後ろでごそごそと音がする。ん、んんっ、という押し殺したような声も続く。数分に渡って。
「もう大丈夫。ごめん」
その声で振り向くと、入宮の頬は赤く染まっていた。
「収まった?」
何が、とはあえて訊かない。
「ちょっとはマシになった。……んっ。でも、まだちょっとムズムズするかな。
 はぁっ、やだやだ。嫌いなんだよね、こういう中途半端な状態って。いっそ取り出して丸洗いしたいよ」
さらりと発されたその言葉で、俺はフリーズする。それは、“腸を”ってことか。
「ん?」
入宮は不思議そうに俺を見つめ、直後、自分の発言の意味に気付いたのか口を押さえる。
「あっ! う、うそうそっ、何言ってんだろ!! そのっ、変な意味じゃなくって……って、思いっきり変な意味だけど!
 あぁ、もうやだ……頭おかしくなってんのかな、あたし」
今にも泣きそうな顔で目元を抑える入宮。そんな彼女はひどく華奢に見え、居たたまれない気持ちになる。
確かに彼女の思考は歪められているのかもしれない。でもそれは、断じて彼女に責任があるわけじゃない。
「俺、そんな変な言葉聞いたかな。ただ単に、入宮がそういう気分になったってだけだろ。
 それを言葉にするなんて…………ふっ、普通だと思うけどな」
何とか励ましたい。その一心で発した言葉は、何でもない風を装いすぎて噛んでしまっていた。
かなり恥ずかしく、俺は頬が赤くなっていくのを自覚しながら空を見上げる。
だから俺には、この時の入宮がどんな顔をしていたのかはわからない。
笑いか、泣きか、それとも虚を突かれたような表情か。

「今日二回目かぁ。岡野も、ズルいね」
俺を名指しした上で、入宮はズルい、と評した。
「何が?」
青空から視線を下げると、肩を竦めながら溜め息をつく入宮が見えた。
「だってあたし、前に岡野のこと振ったじゃん。運動できない奴は嫌だ、とかいって」
驚いた。俺の告白を覚えていたのか。おまけに、断った理由まで。
「でもそうやって振った相手が、実はすごい優しくて、こんな美味しいお弁当まで作れるとかさ。あたしの見る目って何?って感じだよ」
弁当箱を少し傾けながら、どこか拗ねたような口調で言う。
一見すると普段の彼女らしいが、必死に明るいところを演じているだけだろう。
「そりゃ買いかぶりだ。俺がそんな手の込んだ力作弁当作んのも、イイ奴ぶんのも、相手が入宮だからだって。
 誰にでも優しくするわけじゃない。他の奴には普通に冷たい事もある」
俺は、思わず顔を顰めながら言葉を搾り出した。
実際そうだ。今の俺の行動は、すべて下心から出ている。
初恋の相手に好かれたい。嫌われたくない。その損得だけでしか動いていない。
大体俺は今まで、屋敷で女が調教されて変わっていく姿を、AVでも見るような気持ちで眺めていたクズだ。
何人もの人生を狂わす鬼畜の所業に、間接的に加担してきたんだ。
そんな俺が、今更惚れた相手だからと優しさを見せたところで、所詮は反吐が出るほどの偽善に過ぎない。
俺は自分が心底嫌になり、深く溜め息をついた。
でも、何故だろう。目の前の入宮の面影が、変に俺自身と重なって思えるのは。
「…………そっか」
入宮はそう呟いて俺の瞳を見つめ、にへら、という感じで笑った。11年ほど見てきた中で、初めて見る笑い方だ。
「じゃ、お互い色々ダメってことで」
どこか投げ出すような言い方で、二言目が吐かれる。その軽さはどこか可笑しいほどで、つい釣られてしまう。
「だな」
俺も同じく、肩の力を抜いて笑った。するとなんだか、楽になった。

しばらく砕けた空気が漂う。でも昼休みが終わりに近づくにつれ、互いに口数は減っていった。
当然だ。
この休みが終わって、午後の授業を終えて……その後はまた、地獄が始まるんだから。


                                 続く
アクセスカウンター

    ありがたいコメント
    メッセージ

    名前
    メール
    本文
    さくさく検索
    プロフィール
    • ライブドアブログ