大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

The edge ep.1-2

2.

「お願いします…押忍っ!」
胴着に身を包んだ茜は、眼前の娘へ向けて叫んだ。
まだまだ甲高くあどけなさの残る喝。しかしその実力は確かだ。
神崎茜、20歳。
幼少期より空手に打ち込み、数知れぬ挫折を経て類稀な精神力と耐久性を身につける。
空手を長く続ける彼女が尊敬する人物は多い。父親、師範、試合相手…。
しかし、彼女が「憧れる」のは1人だけ。
(先輩……)
茜は瞳を開いて悠里を見つめる。

横髪を頬に遊ばせ、結った後ろ髪を揺らし、若き王者は泰然と立つ。
166cm、55kgのモデル体型。
豊かな胸に押し上げられた薄手のブラウス、黒い羽のように肩にはためくニットボレロ、
脚のラインを殊更に強調する膝下までのスパッツ。
黒を基調に整えられたその姿は、彼女の見事なスタイルと相まって
浮世離れした妖艶さを醸し出している。
彼女が立つリングは、まるでファッションショーの舞台のように思えてくる。
選手としても、女としても、あまりに高い次元で完成した遠い存在。

しかし…彼女が腰に巻いているのは、“茶帯“だった。
長らく使い込んですっかり黒ずんだ茶帯。茜はそれを知っていた。
(あれ……私が先輩に渡した…!?)
卒業式の日、追いすがって泣く茜と交わされた茶と黒の帯。
高校で空手を始め、天賦の才でたちまち全国を制した悠里との細い絆。
総合格闘技界の王者となった今も、まだ付けてくれていたのか。
茜の視界が滲む。
「ほら、試合前に泣く選手がどこにいるの?」
悠里が茜の頬を撫でて笑う。

到底勝てるとは思えない。けれども――全力で。
「全力でお願いします、悠里先輩っっ!!」
茜は腰の黒帯を引き絞り、高らかに怒号を飛ばした。
悠里は淋しそうに頷き、赤コーナーによりかかり、

表情を消す。


(脚だ、脚を受けちゃいけない!)
少女は自分に言い聞かせ、常に距離を保って悠里と対していた。
悠里と対峙した選手すべてが、まずローキックで倒されている。
あるいはそれが決定打となっていることも少なくない。
半身に構えてジャブのような左を刺してくる悠里。
それを手刀で捌きながら、茜は彼女の腰に目を凝らす。
防御一辺倒ではあるが、まだ決定打は貰っていない。
「やるじゃない」
悠里が半歩下がりながら賞賛する。息すら上がっていない。
「はっ、ハァっ…」
神経を削る作業で、茜は肩で息をしているのに。

『さぁ茜選手、攻撃のチャンスがありません!このままチャンピオンのペースか!?』
実況がそう叫んだ、開始1分42秒。
悠里は半身の姿勢から、脚を左右に揃え直した。
ローだ! ――茜の総身にアラームが鳴る。
悠里が内股に膝を下げるのに合わせ、大きく後退した。
しかし次の瞬間、少女は目を剥く。
バックステップをしたにも関わらず、悠里が目前に迫っていたからだ。
「ありえ…ない……」
直前まで悠里の左足は大きく曲がっていた。
後ろ回りに力を込めた、右を蹴りだすための軸になっていた。
それなのに、彼女はその左足で踏み込んできたのだ。
(重心が読めない…!?)
ばちんっ!!いい音がする。
ほぼ反射で防いだ顔への一撃は、踏み込みの力を利用した精確な正拳。
防いでもその拳圧で身が竦む。

開始1分51秒。
茜は反撃のために右足を踏み込もうとした、しかし、脚にはすでに力が入らなかった。
視界にまだ蹴っていないはずの右足が投げ出される。
見ると、悠里の左足が消えている。ローを放ったらしい。
脚払いに思えるほどの痛烈なローキックで、茜の身体は宙に浮いた。
視界が横に倒れ、リングの白い床が視界に広がり、頬と肩ががつんとぶつかる。
痛い。
しかし、一番深刻なはずの右足に痛みが無い。痺れている。
ごめんね。遠くで悠里の呟きが聞こえる。

そして右足が、疼いた。

The edge ep.1-1

1.

悠里は控え室の中、一糸纏わぬ姿でいた。
ストレッチをするには裸が良かった。
血色のいい桃色の肌、一見華奢に見えるが曲線で象られた身体。
「ふっ…」
小さく息を吐くと、悠里は開脚したまま腰を落とす。
長い両脚は抵抗なく真一文字に伸びきる。
合間にひとつの音すら立たない。驚くほどしなやかな筋肉。
幼少時から鍛え、股割りに慣れなければ出来ない動きを顔色ひとつ変えずにこなす。
「はっ!」
気合一閃、伸び上がるように脚を揃えて立つと、体勢を整える事もなくバク宙に繋ぐ。1度、2度、3度身体を円転させ、片手首を支えに静止する。

影から見守る男は唾を呑んだ。
その柔らかそうな女体の美しさと力強さに。
一連の躍動を流れるようにこなす技量の高さに。
音を立てず、間を読ませず、それはまるで歴史に伝え聞く『くの一』のようだ。

「…どうしたの?用があるなら入っていいわよ」
急に声を掛けられ、男は狼狽した。
いつの間にか悠里が眼前に迫っていたのだ。ぷるんとした乳房の間を汗が伝い落ちる。
女らしい甘酸っぱい香り。
悠里は裸を晒すことを恐れない。
恥を知らないからではなく、己の肉体に対する絶対的な自信の顕れだった。
事実、彼女はモデル顔負けのスタイルを誇る。

「しっ、失礼しました!…その、そろそろ準備を始めて頂きたいのですが…」
「…そう、分かったわ。少し待ってて」
悠里は隠すこともなく堂々と身支度を始める。
紐を口に咥えて手を後頭に回し、胸を揺らしながら髪を結っていく。
その腕は世間知らずの令嬢と変わらぬほどに細い。
男はただ見入った。
自分など触れる事も叶わない、圧倒的な実力を有する彼女に。

「今日の相手…茜はね」
悠里は髪を結いながら言う。
そうして言葉をかけられる事さえ、男には最上の光栄だ。
一流のアスリートでも彼女と会話する機会などそうありはしない。
「高校の後輩だったの。負けず嫌いで、大会の度にボロボロの顔で泣いてたっけ。
 それがとうとう、私に挑めるランクに来たのよ」
悠里が髪を結い終わる。黒髪は獣の尾のように揺れた。
彼女は裸体のまま、部屋の隅、下にビニールの敷かれたサンドバックへ向かい合う。
   
「正直、困ってるの。彼女は私に本気を出して欲しいはず」
タンタン。サンドバックを叩く。手打ちながらそれは小さく揺れ始めた。
「…でも私の本気は、簡単に人を殺せてしまう。」
ドッ、ドッ。腰を入れて打つと、サンドバックは振り子のように大きく揺らぎだす。
悠里はそれを冷ややかに見つめた。
揺れ、戻り、揺れ、戻り。
サンドバックが丁度自分の腰を掠めた時、彼女はきゅっと床を鳴らす。

        ド      ン

「う、うわあっ!!」
男は思わず叫んでいた。交通事故を思わせる重い音が鼓膜を突き抜けたのだ。
ざあああ…っと何かの流れる音がする。
おそるおそる顔を上げ、男は目を疑った。
蹴られた方と逆側が破れたサンドバック、黄色い粉塵、流れ落ちる砂。
あの硬く重いサンドバックを蹴破ったのだ。
人間相手ならば臓器が破れているだろう。
悪魔の与えた天賦の才。
「まさか……ね。」
悠里は、床に広がる砂を静かに見つめて呟いた。

シチュエーション 1

各種シチュエーション物。別記事にも分けて掲載しています。
ここはリョナ・ショタ・ニューハーフ・クリトリス・Mの花園。


<<女同士の壮絶なバトル>>
※The edgeシリーズはこちら

師範達磨
護身術の師範がダルマにされて嬲られるお話。
僕闘
従者を闘わせる貴族のお遊戯。騎士も庭師も、その檻の中では駒に過ぎない。
オフィスレイブ(前編)
オフィスレイブ(後編)
オフィスのマドンナに嫉妬する、女を捨てた女。
ある出来事をきっかけに徹底的に貶めはじめる。

<<腹責め>>
※『腹は災いの元』シリーズはこちら

オリヴィア・ブラウン
某国にて捕縛されていた女スパイが明かす、身の毛もよだつ拷問の仔細。
盗賊娘のヘソ
病弱な弟を生き永らえさせるため、秘宝の眠る洞窟に挑む盗賊娘。
しかし洞窟に生息していたスライムに臍の穴へ入り込まれてしまう。
世紀末女弁護士クレカ
世紀末な世界に緑を取り戻さんとするミオリと、彼女を不条理から救うべく同行するヒューマノイド・クレカ。しかしそんな彼女達を襲う不条理は、余りにも大きすぎた。
親友の“現在”
久々に訪れた生まれ故郷は、今や不良が支配する暴力の世界に変わっていた。
そこで出会った幼馴染も、また同じく。
エレクトリカル・ソルジャー
人体に特殊な薬品と電気ショックを施し、強化兵士を作り上げる。
某研究所ではその実験の一環として、日々美しい女同士の壊し合いが繰り広げられていた。
壊れた関係
祭りの夜、暴力的な恋人から逃げていた少年は、偶然サーカスの小屋を思わせる露店に辿り着く。そこは、ゴム玉を女性自衛官の腹部にぶつけ、見事屈服させれば一晩好きにできるという異常な催しだった。
腹肉萌芽
卑劣な腹部殴打でトラウマを負った女空手家に対し、その師は『毒手』ならぬ『艶手』を以って過去の払拭を図る。
荒事
私立探偵の助手としてストーカーを追い詰めた主人公だが、腹部への一撃であえなく倒される。その現場に駆けつけた女師匠は、単身ストーカーを追い……。
Water boarding
妬まれた女軍人が、悪意に満ちた水責め拷問訓練を受けるお話。
苦痛のツケ
特殊なドーピングで、一切痛みを感じなくなった素人ボクサー。
激戦の末に正統派チャンピオンを見事に下すが、薬が切れた後には地獄が待っている。
香澄の息吹
特殊な呼吸法を武器に戦うヒロインが、最強の素人と死闘を繰り広げる話。
嘔吐・失禁注意。結構しつこく腹を殴られます。

<<ショタ×成人女性>>
おとくいさま 前編
おとくいさま 後編
新人の一葉(かずは)はお得意様から子供の世話を頼まれる。
それを快く承る彼女だったが……。
加奈子先生
世間知らずの新任教師と達観した中学生の、奇妙な初体験。
虚勢の代償
弟をからかった事が原因で、その友人達に嬲られる事になったお嬢様のお話。
少年スパイ セラ
女性尋問官×少年スパイ。痛みで吐かない少年スパイをアナルセックス地獄が襲う。

<<ショタ×お兄さん>>
変化
落ちぶれたジュニアアイドル♂が女装アナル責めされるお話。オチはラブラブEND。
あるショタをね
あるショタの尻穴をグリグリとね

<<ニューハーフ>>
天使の洗礼
高級ショーパブ『アールヴヘイム』に一人の“天使”が舞い降りる。
女よりも凛々しく麗しい、彼女の性別はニューハーフだ。
女神の屈服
『天使の洗礼』の後のお話。得意客に頼み込まれ、その娘に一日貸し出された明菜の地獄。
シーメールの性欲処理
明菜が、同僚の性欲処理の捌け口にされる。
女神の試練
明菜が『アールヴヘイム』のオーナーに睨まれ、執拗に可愛がられてしまう。
暖かな水辺
戦火から逃れるため造られた下水道の町。そこに暮らす少女にはある秘密があった。
それは小さな繋がり
隠れニューハーフアイドル・莉里の発情期

<<クリトリス>>
グロトリス
グロいクリトリス、グロトリス。それが彼女のあだ名だった。
皇女アリン
陰核の感度が罪の指標とされる国で、第二皇女アリンの査定が始まる。
本マグロ娘
本マグロ娘と呼ばれる美しい娘。それには2つ理由がある。
姉たちの愉しみ
思春期を迎えた少年に姉が見せた極秘映像。
その中では、彼女ら自身の手によって高飛車な令嬢が嬲り者にされていた。
カラオケボックスでの淫事
↑『姉たちの愉しみ』の後日談的小ネタ。
JKクリいじりネタ
タイトル通りの妄想。
クリクリクリニック
天才写真家が求める女体美のため、プライドの高い女優がクリトリスを勃起させられる。
母の指
雅楽の名家に生まれ、自慰さえも管理される少女が味わう、母の指による絶頂。
友人の指
↑『母の指』の続編。母離れのため、母と雰囲気の似た不良少女に自慰の助けを乞う千里。
けだものの覚醒
研究室の堅物女主任が、研究員達と感覚をリンクさせられたまま、自慰感覚共有によって触れることなくクリトリス絶頂を迎え続ける。
悪戯妖精クリリア
ファンタジークリ責めモノ。妖精との交渉に出向いた女騎士が、悪戯妖精の玩具にされる。

<<M系・女が男を倒す話>>
こどものオモチャ
ドM男がドSロリのオモチャにされてます。
サンキュークレープ
天使のように愛らしく健気な少女。しかし男の不甲斐なさは、その天使をも悪魔に変えた。
白い敗北
少女が彼氏に絡んできた男を逆にノしてしまうお話。金蹴りなど有り。
遥か遠き少女
9歳下の従姉妹は、全てにおいて男に勝った。
美しいその少女と2人きりになった夜、男は性欲に負けて風呂に忍び入り…。
淫魔の仔
淫魔とのセックスに浸るうち、その子供を授かった男は……。
五千円の至福
息子が親の金を盗んでまで入れあげる美少女に説教をしようとし、逆にのめり込む中年男。
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