大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2009年11月

皇女アリン

「ほら皇女様、しっかりと踏ん張っていてくださいな。
 それとも椅子に座る癖がついてしまって、立てませんか?」
裸の少女を嬲りながら女が囁く。
少女――“元”皇女アリンは唇を噛み、後ろ手に縛られたまま大きく股を開く。

彼女は3日前までクウェラ帝国の皇女であった。
しかし革命が起き、帝国が打倒された今は一人のうら若き女囚でしかない。

ただ、アリンは並の少女ではなかった。
慎重に溝を彫り宝石を埋め込んだようなブルーの瞳。
眉からすっと伸びた小さな鼻梁。
上唇のやや尖った薄い唇。
そして額を、頬を、そして肩をやわらかく包む陽光のような髪。
「ひょー……改めてじっくり見ると、本当に人形みてぇだな」
「あぁ、人形屋のオリグもあれを模して何度も挫折したって言うぜ」
「今何歳だっけ…え、14? へぇ、の割に随分良い脚してるな」
国民が口々にアリンを品評する。

彼女は今、査定されていた。
皇族としての罪がどれほどの物かを図る為だ。
この国の宗教観では、女性の陰核の感度がその罪深さを示す指標だった。
陰核は「快楽を生むだけ」の不浄の器官とされたのである。
女の場合、その陰核への刺激でどれだけ悶え乱れるかで刑罰が決まった。

帝国に関わるすべての女性が査定を受けた。
アリンの母、アグネアは若い頃娼館で働いていた為、熟しきった身体が快楽を拒めなかった。
結果極刑とされ、四肢を縛られてどこかへ連れ去られた。
アリンの姉、サリファはそのプライドの高さゆえ、身体を汚される前に舌を噛んだ。
アリンの親友、シスター・ケイシーは極度の不感症であったため、3年の肉体労働で済んだ。

そしてついに最後、クウェラ帝国第二皇女、アリンの査定が始まったのである。


アリンは背筋を伸ばし、毅然と前を見据えたまま辱めに耐えていた。
耐えなければならない理由があった。
今回の革命は成功したが、それは急進派勢力が穏健派のそれを僅かに上回る辛勝だった。
今ならばまだ、穏健派でアリンの力になってくれる者もいるはずだ。
だが年月が経ち、新たな国で急進派が支配的になればそれも叶わない。
父が殺され、母が連れ去られ、姉が死んだ今、鍵となるのはアリンしかいないのだ。
チャンスは短い。
この査定で身の潔白を証明し、なるべく早く勢力を立て直さなければならない。

しかし、アリンは心配で仕方なかった。
彼女は元来、性に関心の強い性格だからだ。
修道院で姦淫することなかれ、肉欲に溺れる事なかれ、と説かれるたびに窮屈な思いをしたものだ。
何度も同室のケイシーと折り重なり、互いの花園を舐めあっていた。
自慰を覚えたのは物心つく前だ。
そんな自分が、果たして……耐えられるのか?

「あら皇女様、太腿がひくついていますわ。おしっこでもしたいのかしら?」
女の言葉に、アリンは後ろ手に縛られた手を握り締める。

女の指は陰核を撫でるように往復しながら、蜜を執拗に塗りつけている。
果実酒のようなきつい匂いのする蜜だ。塗られた部分が一瞬熱く、次いでひんやりと冷える。
冷えた後は神経が剥きだしになるような感覚で、どくどくと脈打つのだ。
アリンはそのせいでもうかなりの汗をかいていた。
「あら皇女様、愛らしいクリトリスがどんどん硬くなって参りましたわ。
 コリコリしてとても美味しそう」
女がそうなじりつつ、足元から一つの瓶を取り出した。
中を見てアリンは思わず目を剥く。
瓶の中には水に近い透明な色をした、蠢く軟体生物がいる。

「特殊なヒルですわ。血を吸ったりはしないのですが、代わりに、この蜜が大好きですの。」
女が周囲に聞かせるように語りながら、瓶に先ほどからアリンに塗りたくっている蜜を一滴垂らした。
その瞬間。
「キィイーー!!」
金属を引っかくような音が発せられた。ヒルの鳴き声だ。
ヒルは頭から蜜を被ると、狂ったように瓶の中を転がり始めた。
喜んでいるのか、狂っているのか。
「な…何の音だ?」
「気持ち悪い……なに?」
周囲から動揺気味の声がする。離れた場所からはこの透明なヒルが視認できないらしい。


見えなくとも、そのヒルがただ出されただけでは無いのぐらいわかる。
アリンは自分の血の気が引いていくのを感じていた。
女がそのアリンを見上げて笑う。
「ふふふ……気付きまして?貴女のお母さん、アグネア様もこのヒルに『ココ』を吸われていたのよ」
女がアリンの陰核をとんとんと叩いて言った。
アリンは思い出す。
母が、あの淑やかさを体現するような穏やかな母が、聞いた事もない低い声でうめきながら転がり回っていた事を。
何度もあさましく腰を地面に打ち付け、ぶりぶりと大便まで漏らして泣き叫び。
ヒルが陰核に吸いついていたというのなら、その全てに説明がつく。
確かに、申し訳程度に嬲られる様からは想像できない乱れようだった。

「ふふ、全部を理解できたようね、美しい皇女様。
 ごめんね?貴女が耐えてるのは解るけど、どうしても貴女を極刑にしたい人たちがいるのよ」
女が笑いながら瓶に手を入れ、ヒルを掴みだす。
「やめてっ!」
アリンは余りの汚辱感にたまらず叫んだ。
動揺するアリンの太腿に飛びついたヒルは、陰核の蜜へと一目散に擦り上がる。
そして強かに吸い付いた。
「うう!!!」
アリンの金髪が風に泳ぐ。柳眉がきつく寄せられる。
ちゅう、ちゅう、ちゅう、と吸われ、先ほどまでイヤというほど嬲られていた陰核から電流が流れ出す。
「…はぐっ!」
アリンは目を見開いた。
そして膝頭を微かに震わせると、ぺたりとその場にへたり込む。

「まず、1回」
女が見下ろして呟いた。
次いでその視線は、ヒルに吸われて高くしこり立った陰核に向けられる。
「まるでおちんちんね、皇女様。
 ……ここからは、麗しい姫様の射精大会よ」

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腹責めスレなどで変態小説を書いておられるkさんのサイトです。
お前が言うな?なにぃ~聞こえんなぁ~

冗談はともかく、本当に実力のある書き手さんです。是非ともご覧下さい。
そして時々でいいから、私のこと思い出してください。

今さらラノベを読み漁っている燻製ねこより。


オーフェンとかブギーポップとか、どこら辺がライトなんでしょうね?

60000HITアリガトウゴザイマス

今ふと見たら、いつのまにかカウンタが60000ちょいでした。
これもひとえに(漢字わからん)この変態ブログへ訪れて下さる皆様のお陰です。
有難うございます!

)*(  ケツ オイトキマス

さて。
最近はバンバン短編を書いている燻製ねこでありますが、これは連載をしたい裏返しです。
いっつもそうなのです。
『とある科学の超電磁砲』のアニメなんかを観ていると、改めてキャラクターや世界観を作り込む事の大切さを実感します。
やっぱり売れている物というのはその辺りが抜かりない。
異能力モノは今のところ全く書かない私ですが、日々新たな要素に目覚めているので
(最近ではヘソ責めと乳責め、鼻責め辺りですね)
そのうちああいった作品を主に書くようになるかも解りません。

ともあれ、新たに連載がしたいなーとぼんやり構想を練っている最中です。
どうせやるなら今までにやってないような物がしたい。
最近はバトル分がないと寂しく感じてしまうので、きっとバトル有りになるでしょう。

うむ、どうしようか。

師範達磨

 ※ 一対多数、微グロ注意

少女達は津波を前にした時のように、目の前の情景をただ眺めるだけだった。
「な、何なんだよあいつ……おかしいだろ……」
一人がうわ言のように呟く。
その視界の先には見渡す限りの人間がいた。全てが若い女だ。
ある者は鉄パイプを持ち、ある者はナイフを翳し、たった一人の女性を取り囲んでいる。

妙に色気のある女性だった。
瞳は燦爛と輝き、姿勢もよく、血色は周囲を囲む小娘よりも良いほどだ。
格好も臍のでたシャツにブラウス、スリット入りのスカートと若々しい。
彼女がもう32になると聞いて、疑わない男はほぼ居ないだろう。

だが異様なのは外面だけではない、その身のこなしも尋常なものではなかった。
一人が鋭利なナイフを構えて突進する。
どれほど屈強な人間であろうと緊張を伴う一瞬だ。だが女性は眉一つ動かさない。
ほんの半身ほど身体をずらして迎え、握手を求めるような動きで相手の手首を払った。
ナイフを取り落としながら女性に突っ込む相手は、そのまま前転するように投げられて女性の後ろにいた仲間を薙ぎ倒していく。
一呼吸で3人の仲間が倒された。少女を囲む女達は無意識に後退りする。
女性に手を出せば出すほど同士討ちになるようだ。

女性――楠美里(くすのきみさと)は目を細めたまま溜息をついた。
美里は近辺の女性に護身術を教える師範だ。
護身術といっても元々は彼女の祖父が生み出した我流に過ぎない。
だが美里の住む町で女性への性的被害が多発した際、美里が一念発起して道場を開き、
女学生を中心に多くの生徒を抱えるに至ったのだった。

美里自身、幼少から祖父に厳しい修練を課せられた。
股裂きに加え、滝に打たれて風邪を引いた夜でも腹筋・背筋など全身のトレーニングをさせられた。
夏には遠泳、冬にはフルマラソンと季節を問わずハードワークをこなしている。
その気になれば、短距離だろうが高飛びだろうが、様々な競技で近辺のあらゆる男に勝るだろう。
その美里にとって、近場にたむろするレディースなど相手ではなかった。
というより関わる気などなかったし、些細なきっかけで因縁を付けられている今の状況が厄介で仕方なかった。

放っておいた方が良かったか。

丹田に力を込めながら美里は思う。
門下生が美里に教えを受け、いじめっ子を撃退した。それが気に食わない不良娘が助っ人を頼んだ。
そういった具合に話が膨れ上がり、とうとう美里自身が地元のレディース集団に取り囲まれる事態にまで至ったのだ。


相手の一人一人は美里にとって蚊にも等しかった。軽くいなせる程度の者しか居ない。
しかし、その数が膨大すぎた。
「うらぁッ!!」
少女の一人が美里の腰を狙ってタックルを仕掛けてくる。
右側のナイフも意識しなければならない美里は、そのタックルを後ろに退がって切った。
その瞬間に投げ出された腕へ鎖が飛ぶ。
「っ!」
美里はそれに気付いて素早く腕を戻す。指先を鎖が掠める。後一瞬判断が遅ければ、腕を絡め取られる所だったろう。
美里はそうした戦場のような状況下、もう一時間も動き続けていた。
「は…はぁっ……」
美里の息遣いに周りが聞き入る。息が乱れ始めたのは、ようやくといった所だった。
50人ほどの仲間が戦意を喪失して、ようやく。
あと30余りの仲間「しか」いない現状で、倒しきれるのか…?
誰もがそう思い始めているようだ。

その混戦の中、2人だけ遠くで傍観している者がいた。
集団のトップとその付き人だ。
「総長、どうします?このままじゃあ全滅だ!」
付き人が隣の女に告げる。総長と呼ばれた女――巴は、味方が次々と項垂れていくのを黙って見守っていた。
「なぁ総長!」
付き人が再度声を上げると、巴は咥えていた煙草を吐き捨てた。
「頃合いね」
そう一言を呟き、胸元に手を入れた。付き人がそれに視線をやり、目を見開く。
「………マ、マジっすか……?」
付き人の呟きに、巴は静かに口元を上げた。
手には黒光りする銃が握られていた。彼女は緩慢な動作でそれを持ち上げていく。
視線の先は、ちょうど地面に着地したばかりの美里の太腿を捉えていた。
「人海に光り物、挙句にコレ。…どうにも悪いわね」
巴がそう口にした瞬間、偶然か、はたまた勘か。
美里が振り向いた。

銃声が、響く。


棒立ちしていた。
今まさに美里を襲おうとしていた少女達が、対象の太腿を突き抜けた鮮血に足を止めた。

美里もまた、初めてその場に足を止めていた。
「ぐ、……っう、っあ」
ざす、と美里が片膝をついた。初めてのことだ。
「あ、ああああああああああっっ!!!!!」
凄まじい叫び声が響く。撃たれた左足が激しく痙攣を始める。
美里は片目を強く瞑って激痛に耐えているようだった。
その美里の前に巴が歩み寄った。
「こんにちは、初めまして。お師範さん」
美里が顔を上げる。そして巴が銃を向けているのに気付き、一杯に目を見開いて腰を浮かせた。
「かわせやしないわよ」
ドン、と再びの銃声が届く。
「くぁああああっっ!!!」
美里の白い腿が赤く穿たれ、飛沫を放つ。今度は右足だ。

「うそ、じゅ、銃……?」
「撃った、ホントに……!?」
周囲がざわめき立つ。その只中で、美里は膝立ちのまま口を開けて凍り付いていた。
「ぐ、お、ぁああ……っっ!!!!」
低いうめき声が響く。
「弱ってる…?」
「き、効いてるんだ……」
誰かが呟き、一瞬の静寂があり、そして地鳴りのような叫びが轟いた。
「今だっ、こいつ皆でやっちまえ!!!」

今まで軽くあしらわれて来た恐怖が裏返り、爆発した瞬間だった。


「くっ……!!!」
美里は何とか立ち上がろうとし、撃たれた太腿の痛みに腰を砕かれて尻餅をつく。
その後ろへ突いた腕へ鎖が飛ぶ。今度は到底反応できず、ジャラジャラと腕に巻きついた。
「しまっ…!」
鎖を引かれ、美里の華奢な身体は横様に引き倒された。
「そら、引け引け!!」
「っ…さ、せるか!」
そのまま身体を引き摺られ、太腿が弾けそうな痛みに美里も鎖を引く。
「うわ!?」
鎖の主がよろけて声を上げる。
美里は這った姿勢から腕の力のみで、逆に鎖を引き返しているのだ。
「ちっ、どんな鍛え方だ!!」
他の2人が鎖を引くのを手伝い、ようやく均衡が保たれる。
だがそれはつまり、鎖の絡まった美里の腕が伸びきる事を示していた。
「しゃあ、頂きぃ!!!」
美里の頭上で声がする。美里が見上げると、レディースの一人が靴を振り下ろす所だった。
ぐきき、と鈍い感触がする。
「ぬっっ!!!!」
美里は唇を噛んで身震いした。折れたのがはっきりと解った。

「なんでぇ、あんま声ださないじゃん」
「ま、脚撃たれたのに比べりゃあね」
「馬鹿、今の完全に折れてたって。おら、鳴きなよ」
「う、ぐあああ!!」
女がぐりぐりと折れた腕を踏みなおすと、美里は甲高い悲鳴を上げる。
「お、いい声いい声。」
「あ、見なよ、 痛くて足バタバタさせてる。
 よく見たらこの女イイ脚してるよね~」
「ホントだ。知ってる?ああいう太腿と脹脛が細い脚が、一番スタイルよく見えるんだってさ」
苦痛に悶える美里を見ながら、そんな会話が交わされる。
「い、いい加減に、しておけ……」
美里は目を赤くしながらもその集団を睨み上げた。
だが以前は周囲を萎縮させたその眼光も、脚から血を流し這い回る今は役に立たない。

「何ぁにその目?超うざいんですけど」
集団の一人がそう言いながら無防備な美里の顔面を踏みつける。
「ごぶっ!!」
美里は思わず声を上げ、さらに踏みつけてくる足を鎖のない手で払おうとした。
だが力の限り踏みつけてくる足をそんなもので防げるはずもない。
「うぶしっ!ぶしっ!!」
息が潰されて妙な声が漏れる。
「はははは!聞きなよ、ぶしっ!だって。カッコ悪ぅ」
「おもっきり蹴られてるんだから。笑っちゃ悪いってぇ」


「…うっは、すげぇ鼻血ダッラダラ。こいつ鼻の形良かったのになぁ~」
何十回と顔を踏み荒らされ、髪を掴んで引き起こされた美里はそう顔を罵られる。
瞼は閉じ、唇は腫れ、鼻は豚のように低く潰れていた。
かつて通っていたジムで男の視線を欲しいままにした美貌は、今や無数の靴痕と泥に無残に蹂躙されていた。

「おーおー、ぐったりしちゃって」
髪を掴んだ女が美里を揺らしながら言う。肌の黒いハーフ系の容姿だ。
「だな。ケイ、ちょっと意識戻してやりなよ」
傍観者の一人が言うと、女は無論だといわんばかりに膝を踏みしめた。
この女はムエタイをやるらしい。
「ねぇ痩せっぽちオバサン、さっきはよくもアタシの膝を捌いてくれたねぇ。
 おかげでさぁ、こっちの面目、丸潰れだッつうんだよッッ!!」
ケイは美里の虚ろな目を覗き込み、力の限り溜めた電光石火の膝を美里に叩き込む。
「おごろぉおっっ!!!」
「はは、また凄い声。なぁにオバサン、何て言ったの?もっかい言ってー」
「ぉぶっ!んぉろごっ…!!!!」
「うっわぁ、こいつの腹メチャやらけぇ。気持ちいい~」
「へぇ、結構鍛えてるみたいだったけど腹筋ないのかな」
「いや、腹筋締めるどこじゃないんだろ。膝立ちで太腿の血ひどい事になってるし」
小便を漏らしたように血の滴る股下を見て、ある者は写真を撮り、ある者は狂乱を深める。
「ほらほら、リクエストあるんだから、もっかい『おごろぉっ』って言わないとやめらんないよぉ」
「ごおえええ゛っ!!がふぇえ゛お゛っ!!!」
「だから違うって。耳が悪いの?それとも頭が悪いんですかー?」
ケイが嘲りながら脚を引いた。美里の肩を掴みながら、頭の後ろにまで足首を反り上げる。
「バイバイ、内臓ちゃん」
その言葉と共に、ケイの浅黒い脚が振り下ろされる。
驚異的なスピードを備えた硬い膝は、隣で見ていた女が肩を竦めたほどだ。
それが美里の臍へ、細い腰のど真ん中へ、深々と沈み込んでしまう。
「………ぉ…っ………!」
静寂。たったの一言。
今までで最も地味な悲鳴を零し、美里の喉元が蠢いた。
顎が脈打ち、下唇がぴくりぴくりと動き、 美里が倒れこむように前屈みになると、
その小さな口をこじ開けるようにして吐瀉物が溢れ出す。

ごぼぐふぉっ……ぐぼぼご……っ。

息で泡立った吐瀉物が零れていく。よく見れば、鼻の穴からも太い筋が流れている。
「おお強い強い、やっぱ殺人技だわこれ」
ケイはいつの間にか安全な場所まで退避し、わざとらしく鼻を摘みながら言った。


「は、はっ……あ、あく……」
美里は前のめりに手をついたまま目を見開いていた。土気色の顔には夥しい発汗が見られた。
周囲の少女は誰からともなくその美里を観察し始めていた。
脚は銃創からの出血で赤く染まり、折れた左腕は長い事鎖に引き続けられて細長くなっている。
「残るは、右腕だけだねぇ」
一人が言い、前のめりに倒れた美里の背後に回った。
そして捲れたスカートから覗くショーツのある部分に指を添え、くすぐった後に突き入れる。
「ん!」
美里が大きく背を仰け反らせた。同時に露わになったスカートの前を液体が濡らし、
ぽとぽとと黄金色に垂れていく。
「でた、必殺七年殺し!」
「あーあ、おしっこ漏らしちゃってるよ。オバサンのゆるケツの癖に、オーバーなんだから」
野次が飛び交う中、美里は自らの汚物の中に引き倒される。
そして細い右腕の肩と手首を2人の女に掴まれた。
「そこ、まで…やるの、か……」
「やるよ?だってここだけ無事じゃ、キリ悪いじゃん」
少女2人は言いながら、細い腕を無造作に捻り上げた。
「うおあごっあああああああっぐ!!!!」
美里は今まで出した事のないような低い声と共に、白目を剥いて意識を飛ばす自分を感じていた。

(い………意識が……呼吸……た…丹田………に………。)

幼少からの辛い特訓。それらが全て、無駄になったのだと知りながら。




2日後、楠美里は自らの道場に戻っていた。ただ、それは師範としてではない。
「ふふ。可愛い肉達磨ね」
巴が美里を見下ろして言う。
美里の四肢は折り曲げたまま包帯でぐるぐると巻かれていた。
まだ傷が癒えきってはいないのだろう、ほっそりと美しい太腿は盛り上がり、包帯に赤い点を滲ませている。
包帯のない胴は透けるように白く、背中に流れる黒髪の美しさもあって本当に人形のようだ。
だが彼女は人形ではない。人形は愛液を分泌しない。

「………っ!!」
美里が強く唇を噛み締める。
彼女は畳に敷かれた座布団へ胡坐をかくように座らされていた。
その傍らには何人もの少女がおり、様々に美里を辱めている。
一人は美里の背後からその豊満な胸を揉みしだきつつ、硬く尖った蕾を指の腹で扱いていた。
一人は飽くことなく美里の臍を弄繰り回し、嫌がって腰がうねるのを愉しんでいた。
一人は両の指を使って美里の秘所をいっぱいに開きつつ中をこね回し、
一人はその下に息づく蕾へ延々と中指を抜き差ししていた。
そして脇に控える二人が美里の膝裏に回した縄を引き、残酷にも胡坐をかいたまま脚を閉じられないようにしていた。
加えて言えば、美里の細い首にかけられた首輪を一人が引き、彼女に常に前を向かせている。
前に、すなわちギャラリーの方に。

美里の前にはさらに大勢の人間がいた。こちらは何十という数だ。
うち6割ほどが木刀やチェーンを持ったレディースで、残りはそれに脅える胴着姿の少女達。
「あなた、つくづく人望のあるのね。『師範が危篤』ってだけで、こんなに集まって」
巴がギャラリーを振り仰いで言う。美里は前を向いたまま視線を動かさない。
少女達は美里の門下生だ。
美里はもう2時間にも渡り、偽りの情報で集められた彼女らの前で嬲り者にされていた。
長らくの愛撫ですでに美里の肉襞からは唾液のようにねとついた液が奔流となって溢れ出し、座布団を黒ずませるさらさらの愛液の上に滴り落ちていた。

「そろそろ限界なんじゃないの?お師範さん」
秘所を弄繰り回していた女が言い、それまでより深く指を差し入れた。4本指が第二間接まで入り込む。
美里は眉間の皺を深め、内腿に筋を立てて反応した。しかし声は出さない。
ちっ、と秘所の女が舌打ちした次の瞬間、
「違う違う、こっちだってば」
臍に指を差し込んでいた娘が突如、美里の陰核を剥き上げた。
「ふぁあっ!?」
敏感な肉芽への刺激に美里が叫ぶ。
その時、和室はしんと静まり返った。

「あれ、なぁに今の?」
くすくすと笑いながら巴が言う。
「ち、違う!違うんだ!!待ってくれ、堪忍してくれ!!!」
美里は凛とした佇まいから一転し、口をぱくぱくと開閉させて弁明する。
しかし誰も聞かない。
「あーあ、師範さんまーたやっちゃった。ごめんよー、おちびちゃん」
レディースの一人が言い、口に咥えていた煙草を指に挟む。
煙草の先は、隣で震える小学校高学年ほどの少女へ向く。
「やめてくれ、お願いだ!」
美里が叫ぶ。少女は声もでず、首筋へ煙草が近づくのを見て固まっている。
じゅ、と細い首を炎が炙った。
「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
少女は首を押さえて暴れ回る。瞳からは大粒の涙が溢れ出す。
「高阪ぁああッッ!!!!」
美里が身を乗り出して少女の名を叫んだ。
「あーあ、可哀想ねぇ。お師範さんのせいで」
巴が嬉しそうに呟いた。かわいそ、かわいそ、と周りのレディースが囃し立てる。
「…っ!!」
美里が肩を震わせた。その美里へ、微かな声が届く。
「……せ……せん、せ………」
先の少女だ。首筋にくっきりと煙草の痕を残しながら、美里を見ている。
その目はしかと美里を見据えていた。怒りか、悲しみか、恐怖か。
よく見れば、部屋の中にはそのように首筋を押さえ、美里を見る少女が他に何人もいた。

「喘ぎ声を上げたら根性焼き。1回イッたらレズレイプ。約束よね?」
巴が嘲笑うように言う。
少女達はただのギャラリーではない。美里が性的に反応を示すたび虐げられる虜囚なのだ。

「何て、事を…」
美里は少女達を睨み上げながら言う。だが誰も臆さない。
「なにが何て事を、よ。ココこんなに濡らして、やらせたがってるとしか思えないんですけど?」
秘所を嬲る娘が秘裂を深くかき回しながら言う。ピンク色の粘膜から新たな粘液が滴った。
「ホント。こんなにビンビンにしやがって、ガキの根性焼き見て興奮したんじゃねえの」
陰核も亀頭を撫でるようにくすぐられる。美里は声を上げかけ、唇を強く噛んで耐えた。
耐えるのを繰り返しているのか、桜の花のような唇からは血が滲んでいる。
「あんま無理すんなよ。こっちだって女嬲んのは初めてじゃねぇんだ。
 ここまで来た女をイカせるくらい、いつでも出来るんだぜ?」
少女が囁きながら美里のGスポットを擦りまわす。美里は狂おしそうに鼻を鳴らした。



「へぇ、耐えた耐えた」
数十分後、巴はようやく性感帯責めから開放された美里を前にしていた。
白い乳房には幾重にも手形がつき、乳首はあまりに執拗な乳責めからか微かに母乳を垂らしている。
臍はいじり尽くされてくっぱりと開き、陰唇も同様に完全な華を咲かせている。
裸に剥いた時は綿棒すら入るかという慎ましさだった尻穴は、指2本がらくに入るほどに拡げられていた。
「とっても気持ちよくなってるみたいね。じゃあ、これで終わらせてあげる」
巴はスカートを脱ぎ捨て、下半身を露わにする。周囲から歓声が上がり、美里が目を見開いた。
巴の股座にあったのは黒いペニスバンド。大きさも反り具合も、普通の物ではない。
「ほら、大きいでしょ。あなたの臍ぐらいまであるわね」
巴は達磨姿の美里に覆い被さり、その白い下腹部にペニスバンドを擦り付けて囁く。
「ふん……大きければ良いと思う小娘め」
美里は凛とした瞳を精一杯に見開いて巴を睨む。だが巴はにこやかに笑うだけだった。
「大きければ良いのよ。今まで何人もレイプしてきたけど、皆一番コレが良いみたいなの」
その余りの害意のなさに、美里が凍りつく。
「じゃあ、挿れるよ」
巴は閉じかけた美里の股を無理矢理に開かせると、覆い被さって秘裂に押し当てた。
力を込めると、溢れた愛液で瞬く間に亀頭部が沈み込む。
幹の部分が長々と入り込み、凶悪な反りが美里の中を擦りあげる。
「ぐ………!」
美里はみるみる間に目を見開いた。巴がにやりと笑う。
「ね、これ凄いでしょ?」
ペニスバンドはその八割ほどが収まった時点で動きを止めた。
「ふうん、これがあなたの膣の長さなの。歳の割に可愛らしい大きさなのね」
巴は目を見開いたままの美里を見つめ、その細い腰を掴む。
「さぁ、たっぷり犯してあげる」


『……ゆ、許してくれ、皆!』

美里がそう叫んで以来、部屋には少女の悲鳴が絶え間なく続いていた。
美里が露骨に喘ぎだしたからだ。
「うっ…うっ……うっ…あっ……うっ…………ハッ………は………っ」
美里は達磨のように拘束された四肢をぶらりと下げ、巴に犯されるままになっていた。
巴は美里の腰を掴んで強烈に腰を使い続けている。
「あつい、あつい熱いよおおお!!!」
「ちくしょう、先生、なんでですか!先生っっ先生ぇっ!!!!」
少女達の叫びが木霊する。美里はそれを聞き、喘ぐ口から涎をこぼしながら必死に腹部に力を入れていた。

ペニスバンドが奥まで来た瞬間、それが女泣かせの物だとわかった。
さらにはそれを使う巴も実に手馴れており、的確にそれを美里の感じる部分へ擦りつけ、突き上げてくる。
まともには耐えられない。声を我慢すれば、瞬く間に達するのは目に見えていた。
だからあえて喘ぐ。生徒達は根性焼きをされ、自分を恨むだろう。
だが美里が達すれば、彼女達はレイプされるというのだ。まだ幼い彼女達に、それは絶対にさせたくなかった。
「なるほどねぇ、そういう事か。そういうの好きよ、私」
巴が美里の考えを見透かしたように言う。

でもね、と巴は心の中で付け足した。
男と違い射精のない女のレイプは終わらない。巴の足腰が立たなくなっても、代わりは山ほど居る。
皆がダメになれば玩具を使ってもいい。
声を我慢しようがすまいが、絶頂はすぐに来るのだ。
それを巴はあえて言わず、美里を喘ぐままにしておいた。
四肢を拘束されたまま結合部を見つめて息む美里は、赤子のようで実に可愛らしかったからだ。
このままずっと達磨にして、オブジェにしてもいいな。
巴はそんな事を思いながら、美里を犯し続けるのだった。


                                    終

不自由なる女神

180ある警官が遥か見上げたのだから、その身長は2mを越すだろう。
体重はおよそ150kg、若手警官ヘイスはそう踏んだ。
もっとも、「それ」を構成しているのが人間と同質の筋肉なら、だ。
彼にはその生き物が猛獣にしか見えなかった。
上腕は成人男子の腰より太く、首はまるでドラム缶で、隆起した肩の筋肉は溢れ出すコールタールの如くだ。
ゴリラのようなその生き物は、やけに人めいた表情で笑った。

「どうした、もう撃たねぇのか」

街路樹の間隔ひとつ分がゆっくりと詰まってゆく。
ヘイスは震えながら銃を構え直した。その背後には阿鼻叫喚が広がっていた。
片腕を雑巾のようにへし曲げられた男、赤い血を流して泣く女学生、炎上するガソリンスタンド。
炎に煽られて街路樹は葉を落とし、アスファルトが空の赤を映していた。
それを背負い立つヘイスは英雄と呼ぶに相応しいだろう。
「フ、フリーズッッ!!」
その英雄は涙を零しながら引き金を引いた。
パァン、と発砲音が響く。次いでもう一発。
しかし弾を喰らった相手は、その度に一瞬歩みを止めただけだった。
当たっているのだ。
弾は確実にゴリラのような化け物の頭蓋へ呑み込まれている。
人間なら即死だ。しかし、効かない。
「う…ぁ、ああああ!!!」
ヘイスは半狂乱になって更に引き金を引く。しかし、弾が出ない。
がちん、がちんと無情な音が響く。
化け物が口端を吊り上げた。
「くそ、クソっ…!!」
後ずさりしながら街路樹に行き当たり、ヘイスはいよいよ震え上がる。

「そう怖がんなって。一発でぶち撒けさせてやるよ」
化け物が拳を握るのを、ヘイスはただ呆然と眺めていた。
だが肩が動き、それが自分へと向かう事が解った時、彼はもがいた。
足をばたつかせ、滑って尻餅をついた。
前髪を質量が掠める。その質量は凄まじい速度を以って背後にぶつかり、街路樹の幹を軋ませた。
聞いたことの無い音だった。
ギヂヂヂッヂヂ、そういう軋轢音と共に、背後にあった街路樹が倒れていく。
「ちっ、避けやがって」
化け物が唸りを上げるのが聴こえる。ヘイスは蹲りながら顔を覆った。
「神よ、神よ、神よ、神よ…!!!」
喧嘩無敗、今までの人生で祈った事など無い彼だったが、知らずの内にそうしていた。
化け物が嘲笑っている。
だがともかく神に祈りはした、瞬間的にだが父母に懺悔もした。これで天国へ逝ける筈だ。
あとは化け物に拳を振り下ろされ、死ぬだけだ。ヘイスはそう覚悟を決めた。

そして訪れる、長い、長い静寂。
…走馬灯はゆっくり流れるというが、それにしても長い。
ヘイスは瘧にかかったように震えながら、僅かに指を開いて顔を上げる。
そこには尚も異形の化け物がいた。しかし、その視線はどこか遠くを向いている。
「……驚いたな」
化け物は低く呟き、くるりと背を向ける。
「祈って女神を引き当てやがった」

ヘイスは涙に濡れた視線の先に、確かに女神を見た。
東洋人らしい彼女は黒髪を赤い風にたなびかせ、化け物を見据えていた。



「あ、絢葉だ!おい皆、絢葉が居るぞ!!」
誰かが叫び、周囲の視線がその少女に集まった。
「ま、マジだ、――絢葉ぁああ!待ってたぞぉっ!!」
「化け物はGS前の街路樹だ!ポリスが一人で相手してる、助けてやってくれ!!」
人々の声を受けながら、絢葉と呼ばれた少女は地を駆ける。

その出で立ちはまるで逃げ出した虜囚のようだった。
拘束服のような白い上着で身を締め付け、その腕にも首にも腰にも、至る所に大小様々なベルトが見える。
唯一脚だけは自由、というより下穿きを履いただけの生脚だ。
その生脚は、この狂乱の中にあっても男達の眼を釘付けにするすばらしい形をしていた。

「どうやら、只者じゃねえな。お前みたいなのを待ってたぜ」
異形が、少女の脚に露骨に視線をやりながら言う。
少女は辺りの惨状を見渡して化け物を睨んだ。
「レディーを迎えるなら、もう少し紳士的にお願いしたいわね」
「へっ。生憎俺は、『イイ女は犯してこそ』の益荒男思想なんだよ」
化け物がにやりと笑う。
そして地面を蹴り、巨体に似合わぬ速さで絢葉に迫った。

「聞きゃあ随分と兄弟を潰してるそうじゃねえか。どんなもんか、見せてみろ!!」
化け物は絢葉の顔目掛けて爪を振り上げる。
絢葉は鋭いステップで横へ回避した。完全にかわした筈だ。
しかし化け物の腕から繰り出される風圧は、それだけで黒髪を巻き取っていく。
「くっ…!?」
吹き付ける暴風の中、絢葉はかろうじて目を開ける。
その視界の中、化け物が傍らにあるバイクを軽々と掲げるのが見えた。750ccの大型バイクだ。
「ミンチになりなァ!」
キガシャアァンッッ!!!!
バイクは凄まじい音を響かせてアスファルトに打ち下ろされる。
絢葉は素早く後ろへ跳んで直撃こそ避けたが、四散するバイクの破片を体中に浴びる形となった。
「……つっ!!」
絢葉は目を庇いながら後ろへ左右へステップを刻む。
数瞬反応が遅れれば大惨事という破片の吹雪を素早く切り抜ける。


「やるじゃあねえか。下の下で即死、中の中ならでかい破片で瀕死ってとこだが…掠り傷か」
化け物はバイクの片割れを手に感嘆を示した。
絢葉は頬に幾つか、服に5ヶ所、脚には数えるのも億劫なほどの切り傷を負っていた。
「…そっちこそ、やってくれるわ。脚は自慢の一品なのよ」
絢葉は自分でも傷を見て溜息をつく。
そして自らの腕で自分の胴をかき抱くような仕草をした。
 ――手加減はしてられないか。
そう呟いたのは聴こえなかったのだろう。化け物が口元を綻ばせる。

「怖ぇのか。まあ目の前であんな事されちゃあ、ビビらねぇ訳がねえよな」
そう言って勝ち誇ったように力瘤に口付けする。
その間も絢葉は更に強く細身を抱き、何かを呟いていた。

「おいあれ、た、助け……ないと……!」
腰を抜かしていたヘイスは、それを見て叫ぶ。このままでは、あの少女もやられる。
しかしヘイスを介抱した通行人は、穏やかな表情で首を振った。
「大丈夫だ。じきに勝負は着く」
よく見れば、他の人間たちも縮こまる絢葉を見て目を輝かせている。
ヘイスにはそれが脅えているようにしか思えないのに。


『我、絢葉の清冽なる身を赤鎖に捧げ請う … 第一拘束 拘束を開始せよ』


絢葉が低く呟いた次の瞬間、突如その身に纏っていた服が収斂し始めた。
ぎちぎちと布の締め付ける音がする。
細身をさらに押し込めるように肌に張り付き、更にベルトがぱしぱしぱし、と音を立てて幾重にも巻きついていく。
「………?」
余裕を見せていた化け物も、その異様な事態に目を細めた。
「何が、起こってるんだ…?」
ヘイスが問うと、隣の男が答えた。
「奇跡さ。『不自由なる女神』の、な。」






それから数十分後、化け物は膝を突き目を見開いていた。
「……………ッ!!」
アスファルトに彼のどす黒い血が滴っていく。鼻から溢れ出したものだ。
「投降しなさい。そろそろ限界でしょう?」
絢葉が彼の頭上から声をかける。
「…舐、っめんなああ!!」
化け物は左腕を地に叩きつけて身を起こし、同時に右腕を絢葉に叩きつける。
しかし、当たらない。
「解らずや!!」
絢葉はとうにそんな所にはおらず、彼の頭上に舞っていた。
轟音を立てて化け物の首筋に飛び降りると、その跳ね返りを利用して痛烈なミドルキックを放つ。
スバァンッ!!!
その蹴りは見事に化け物の顎に入り、血飛沫を舞わせてその巨体をぐらつかせた。

「お……くあ…お………」
足に力が入らずよろめきながら、化け物は理解していた。
絢葉が腕と上半身を自ら拘束したあの瞬間から、その脚力が爆発的に増している。
ステップの速さも、踏み込みの深さも、蹴りの威力も、全てが人間のそれではない。
周囲の盛り上がりから推測できた。これこそが彼女の真髄だ。
一時的に腕を犠牲にし、悪を屠る足腰を得る女神の奇跡。

ゴリッ!!
絢葉の生脚が化け物の顎を抉る。ほんの僅かにいい匂いが鼻腔を擽る。
その威力たるや、まるで自分がバイクをぶつけたあの破壊力さながらだ。
化け物は自分の頭の中にぶちぶちと千切れる音を感じていた。
頭に銃弾を打ち込まれても何ともない頭部だが、超威力の打撃を喰らい続けた場合には耐え切れない。
もっともトラックに激突されても、さして問題のないレベルな筈だが。
 ――ありえねぇ……こんな細っこい、ガキが……!
化け物は脳髄が焦がされる痛みを覚えながら、何とか耐えようとし、
 ―――頭が、割れる…目が見えねぇ…………
     ば、化け物、め…ッ!!!
しかし、ついには血を噴いて仰向けに転がった。
血は噴き上がって絢葉の身体に降りかかる。流石の絢葉も攻撃の後にそこまでは避け切れない。
化け物が動きを止めると、わっ、と周囲に歓声が上がる。
その只中で絢葉は膝まずき、化け物の瞼を静かに閉じさせた。

絢葉(あやは)、17歳。
彼女こそ街を騒がせる異形への、ただひとつの切り札だった。





「絢葉ちゃん!」
絢葉が扉を開けると、軍服姿の女性が椅子から立ち上がった。
2つに分けたセミロングの金髪が美しい。
「よく無事で。皆、心配してたのよ」
「ありがと、アネッサさん」
敬礼してそう話す女性に、絢葉は肩を竦めて答える。
アネッサは絢葉より5つ上だ。落ち着いた物腰の彼女は、絢葉には姉のように思えた。

「おや…生きていたか」
部屋の奥からも軍服の男が現れ、敬礼する。
アネッサがその敬礼を見て目つきを鋭くする。
「左手敬礼ですよ、中尉」
中尉と呼ばれた男はなおも左手敬礼を改めぬまま鼻を鳴らした。
「さて、ゾンビになって帰ってきているかもわからんからな。
 左手礼は死者への黙祷だ」
「中尉っ!」
アネッサが食ってかかり、今の男、カークが悪戯っぽく笑う。

この2人は元は軍属だったが、ここ数年の化け物事件と
それにまつわる軍内部の怪しさを嫌い、退役したという経歴がある。
カークは当時アネッサの上司であったらしい。
退役した彼らが違法調達までしてなお軍服を着用するのは、軍人としての誇りの為であるようだ。

「敬礼なんて別にどっちでも良いわよ。
 …ところでカーク、それとは別に、今度一緒に組み手やらない?
 大事な子袋をたっぷり可愛がったげるわよ」
絢葉はカークの胸に指を突きつけて告げる。
「はは、は、謹んで遠慮させてもらうよ。君とは人間としている気がしない」
カークは苦笑いしながら後ずさりした。





「…くっ!…あ、あいたた……!」
シャワーを浴びながら、絢葉は小さく悲鳴をあげた。
湯で体中の切り傷が染みる。特にバイクの破片で負った傷が深い。
挙句には最後、あの化け物の血をまともに浴びてしまった。
その血潮が今も傷口でどくどくと鳴っているようだ。

――ゾンビになって帰ってきているかもわからんからな。
カークの言葉が甦る。

街に化け物が出始めたのは2年ほど前。
この街――サリムコスクは元々治安の良い地域ではなかった。
ギャングと違法入国者の吹き溜まりで、軍も警察も他国ほどまともには機能していない。
『犯罪者を捕らえろだと?それなら街沿いに鉄格子でも作ればいい』
先代の市長は記者にそう言い放った。
その街に化け物が現れた所で、対処に当たるのはよほどの正義感をもった警官か、薬物中毒者だけだ。

そんな中、絢葉が化け物と戦い始めたのがちょうど1年前になる。
初めは孤独な戦いだった。
一人で拘束服を纏い、化け物と相対していた。
そうしているうちに仲間ができた。最初は不良軍人のカークだ。
次にその部下のアネッサが、そして他のメンバーが集まり、化け物の対策チームができた。

あの化け物には、特別な名前が与えられていない。皆が化け物とだけ呼ぶ。
普通なら死ぬ攻撃でも死なないから、ゾンビと呼ばれもする。
彼らには謎が多かった。
誰が、何の目的で造り出したものかわからない。
どのぐらい人間らしさが残っているのかも謎で、何の為に暴れるのかも解らない。
ただあの化け物は、誰かが止めねばならないのだ。

戦いに終わりは見えない。
だが絢葉たちは確実に、あの化け物達を駆逐していっている。
あのような化け物を一体作るのがそう容易いはずも無い。
ならばいつかは、いやきっともうすぐこの戦いも終わる。
絢葉たちは誰もがそう思っていた。

そしてそれは、ある意味で間違いではなかった。






「随分と不満そうじゃないか。悪がヒーローの組織に押しかけるのは卑怯…とでも言うのかい。
 ヒーローの方はよく敵のアジトに押しかけるじゃないか」
「くっ……!」
アネッサは壁に背を預け、眼前の敵を睨み据えた。
目の前には眼鏡をかけた白衣の女性が佇んでいる。軍で生物の研究をしていた女だ。
「それらが全て、貴様の研究結果…というわけか」
アネッサは女の傍らに目をやった。そこには数多くの怪物がひしめき合っている。
動物と人間を合わせたような生き物から、不気味に蠢く軟体生物まで。
アネッサ達の基地はそれによって完全に占拠されていた。
仲間が殺されるのは何度も目にしたし、通路で別れ別れになったカークも駄目だろう。
恐らく生き残っているのは、最奥に逃げ延びた自分と、あと一人。
街中で化け物と戦っている絢葉だけだ。
そのアネッサも、今まさに最期の時を迎えようとしていた。

「よくやった、と褒めてやるよ。軍で大人しく人を撃っておけば、それなりの地位になれただろうね」
白衣の女、石間はアネッサを眺めて言う。
化け物の頭に何十と弾を撃ち込み、2体を沈黙させた。
肩を大きく抉られているが目はまだ死んでいない。
「あの娘を待っているのか?…絢葉、と言ったかな」
石間の言葉に、アネッサが目を見開く。
「貴様、なぜその名前を……ッ!!」
「何でも聞こえてくるよ、軍に居るとね。研究の邪魔をする組織の存在に、そこの構成員……花形」
「軍主導の『実験』、という訳か。気狂いめ!」」
アネッサが震えながら銃口を石間に向け、放つ。
しかし弾丸は石間に届かない。その前に立ちはだかった、牛のような化け物に弾かれる。
化け物はそのままアネッサを壁へと押し込んだ。
「うご、はっ……!!」
アネッサは目を見開き、銃を取り落とす。
「ミノタウロス、力加減を間違えるんじゃないよ。その女は内臓が潰れただけで死ぬんだ」
盛り上がる肩に潰されたアネッサを見て、石間が言う。
ミノタウロスが肩を話すと、アネッサは力なく崩れ落ちた。その口から真っ赤な血が溢れ出す。
「か、かはっ…う、あ……!!」
「言わんこっちゃない。……まぁ、丁度いいか」
石間は胸元から瓶を取り出すと、中から小さな青虫のような生物を摘み出した。
「期待に応えておくれよ?」
石間は膝をついて微笑むと、まだ気絶しているアネッサの耳へその生物を近づけていった。




ハイウェイ脇の巨大モニターに、その映像が映ったのは唐突だった。
「うお、何だあれ、女……!?」
「若い女じゃん。うっわぁ…結構美人なのにありゃひでぇや」
モニターを見た男達が口々に囃し始める。
そしてそれを一人、愕然とした表情で見る少女が居た。
「……うそ……アネッサ…さん……?」
モニターに映る2つ分けの金髪の女性は、紛れもなくアネッサだ。

彼女は彫りの深い顔立ちを鼻フックで歪められ、眉間に皺を寄せていた。
さらに拡がりきった鼻孔には細長い綿棒のようなものが深々と突き入れられていた。
女のものと思しき指が綿棒を挿し入れ、奥の奥に達するとアネッサが堪らず咽帰る。
『んぉごえぼえぼ、あぶっ……んぐぶううううっっ!!』
じゅるじゅると鼻汁を噴きこぼしながら嗚咽する。

「うわ、きったねぇ。食事の後に何見せやがんだ」
「鼻水も汚いけど、声も凄いよね。女の出す声じゃないよ」
「誰だよ、公共の場所でAVなんか流してる馬鹿は」

周囲の野次が盛り上がる中、絢葉は画面に釘付けになっていた。
後ろに見えるのは基地の設備だ。
アネッサが嬲られているのは自分達の基地でだろう。
そしてアネッサは羞恥の鼻責めに悶絶しながら、必死に何か言おうと口を開閉していた。
絢葉にはそれがわかった。
読唇術の心得など無いが、あらかじめ予想がついていれば読み取るのは容易い。
 あ や は ち ゃ ん
彼女は確かにそう言っていた。

絢葉はそれに気付いた時、ハイウェイを駆け出していた。
「ま…て…!」
その先に先刻倒した化け物が、満身創痍の状態で立ち塞がる。
しかし絢葉は止まらなかった。
「どきなさいっ!!!」
絢葉が一括すると、化け物は身を竦ませる。
そして基地へと駆ける絢葉を、ただ呆然と見送った。






「一体何が……!」
絢葉は基地の階段を飛び降りながら周囲を見渡す。
黒ずんだ壁、鮮血がワックスのように広がる床。
火事か虐殺でも起こらないとこうはならない。
いや、実際そのどちらもが起こったのだろう。
ただそれを確かめようにも、生存者も記録物も見当たらない。
先程から肉片しか視界に映らないのだ。
「!!」
と、絢葉はふと足を止めた。最下層へ向かう途中の廊下で人が倒れている。
それは絢葉のよく知る人物だった。

「カーク…!!」
絢葉はその男の前に歩み寄った。彼は壁に背を預け、腹部にコートを被っている。
彼の周りには3体の化け物が仰向けに息絶えていた。
「おや…生きていたか」
カークは瞼をむりやり持ち上げるようにして絢葉を見上げる。
絢葉はぱくぱくと口を開閉し、瞳を彷徨わせたあと、下を向いて黙り込んだ。
「何だ…?何も言わない君は、気色が悪いな」
カークは息を吐き出しながら言う。
「そのコートの下は……どうなっているの……?」
絢葉は言った。普段カークに物を言う姿からは想像もつかない、しおらしい口調だ。
「見たいか?君の好きな子袋ぐらいは、残っていそうだぞ」
「………!!」

絢葉は胸につくほどに深く項垂れ、少しして顔を上げる。
彼女はカークを見つめた。
何とかしたいとも考えたが、もはや助かる人間の顔色ではない。
絢葉は涙を零しながら敬礼した。
「……左手敬礼だぞ。」
「願わくば、貴方がゾンビとなって生き永らえますように…よ」
絢葉がくしゃくしゃの笑みを向けると、カークも同じ笑みを浮かべた。
「謹んで、遠慮させて貰うよ」



カークの息が途切れた後、絢葉は遺骸を抱えてそっと唇を重ねた。
そして彼を優しく休ませると、意を決して立ち上がる。

『我、絢葉の清冽なる身を赤鎖に捧げ請う … 第一拘束 拘束を開始せよ
 我、絢葉の清廉なる心を赤鎖に捧げ求む … 第二拘束、拘束を開始せよ』

ぎち、ぎちっと布が絢葉の胸を締め付け、腰に食い込む。
腕が雁字搦めに縛られ、今度は少女の細い首にまで鎖が絡みついていく。
「ぐ、ぐぐ…!!」
上半身の全てを締め付けられ、絢葉は顔を顰めた。
しかしその瞳は明らかに変化し始めている。
燦爛と輝いていた瞳孔の光が鈍り、深さを増していく。戦人の目だ。
「いつ以来かな。……本当の本気で戦うの」
絢葉は脚を踏み出した。ずん、と床が揺れる。
下穿き以外は何も纏わないすらりとした脚は、今や意のままに操れる重機と化していた。


「ようやっと来たかい。待ち侘びたよ」
石間が絢葉を振り返って言う。その瞬間、地面が揺れた。
絢葉が飛び掛ったのだ。
「させねぇよ!」
蛇の腕を持った化け物が絢葉の脚を絡め取る。絢葉は空中で勢いを失くし、床に落ちる。
「へへ、残念だったな……」
しかし。床についた瞬間、勢いよく振り上げた脚により、その脚を引いていた蛇はいとも簡単に千切れ飛んだ。
「うぐあああああああっっ!?」
蛇男がのた打ち回る。
「ちぃっ、きやがれ!!」
豹を思わせる縁取りの男が腕を伸ばして襲い掛かる。
「邪魔しないでっ!!!」
だが絢葉はその伸ばした左右の腕を踏み台に駆け上がり、男の脳天に痛烈な踵落としを喰らわせた。
男はタイル張りの床を粉々に打ち砕きながら倒れ伏す。


「ほう、大した気迫だ。まるで竜巻だねぇ」
石間は構えながら賞賛する。彼女は自信があった。
生物の研究を進める傍ら、特に優れた遺伝子は積極的に自らも摂取したのだ。
今や彼女の肉体は人間サイズながら、象よりも強靭でチーターよりも俊敏な筋肉を備えていた。
しかし、絢葉が3mの距離から跳んで放った回し蹴りを見た時、石間の頭に不安がよぎる。
そしてその不安は的中した。
バグンッ
明らかに蹴りの音ではない、破裂するような音と共に、防ぎきる筈だった石間の腕は完全に2つ折れになっていた。
「「ぐう、う…!!」」
石間は呻き、同時に蹴った絢葉も脛を押さえて蹲る。硬いのは硬いのだ。だが破壊された。

「馬鹿な……あくまで人間の力なんじゃないのかい」
石間は腕を押さえながら後退する。
「残念、違うわ。これは、神の力よ」
絢葉は床を踏みしめながら言う。
「この拘束服は、キリスト様の聖布を復元したもの。体の一部に枷を追うことで、他の部分に加護を頂くの。
 鎖は海の底で眠っていた客船の碇を打ち直したもの。数千の人間の怨嗟が服の制約効果を増強するわ。
 この服を着て念じれば、数千人分の力と神の加護を得られるわけ。
 もっとも大抵の人じゃ、神性と邪念の板挟みで戦うどころじゃなくなるけどね」
絢葉の言葉に呼応するように、拘束服の鎖と布が蠢き出す。
「なるほど……それで『不自由なる女神』か」
石間は民衆が絢葉を呼ぶ2つ名を思い出した。
「そうよ。観念した?……言っとくけど、もう命乞いは聞かないわ。
 何十という命を食い潰してきたあなたのは、ね」

石間はここで深く息を吐いた。
「やれやれ、だ。大方の動物の遺伝子をモノにして、とうとう勝てると思って乗り込んだんだけどね。
 相手がここまで強いとなると、参っちまうよ。だから」
「そう。じゃあ楽にしてあげる!」
絢葉が石間に駆け寄った、その瞬間。突然絢葉に人影が襲い掛かる。
「しつこ…!?」
絢葉は蹴り飛ばそうと腰を切りかけ、その人物を見て急いで脚を止める。
「……だからさ、ちょいと汚い手、使わせてもらうよ」
石間がそう言って寄り添った相手。

アネッサだった。



「アネッサさん!無事だったのね!!」
絢葉がアネッサに笑みを見せた瞬間、その頬をナイフが掠める。
「………え?………」
頬に血が流れるのを感じながら、絢葉は立ち尽くす。ナイフを投げたのはアネッサだ。
操られている…?それとも弱みを握られて言いなりに…?
絢葉はどちらかと考えようとし、しかしどちらでも同じだと気付いた。
アネッサは二つ目のナイフを手にとって翳す。
「くっ……こ、こんな……!!」
絢葉はアネッサと対峙しながら眉を顰める。すると石間が笑った。
「ははっ、何身構えてるんだい。別にお前と戦わせようなんざ思っちゃ居ないさ」
「何ですって……?」
絢葉は耳を疑った。戦わせない?それならば依然絢葉の優位が変わらないではないか。
そう思った直後、絢葉は目を剥いた。
アネッサが自分の首元にナイフの先を差し込んでいたからだ。
つう、っと血が流れていく。

「あ、アネッサさん!馬鹿なことはやめてっ!!」
絢葉は無意識に駆け寄り、拘束服を解除してアネッサの手を掴んでいた。
手がぶるぶると震える。簡単に引き剥がせる力ではない。
というより拘束服の力を借りない絢葉よりは、軍人であり年上でもあるアネッサの方が腕力は上なのだ。
ナイフは少しずつアネッサの白い喉を裂いて行く。
「うわあああ!やめて、やめてぇ!!おお願いですっ!!!」
絢葉は涙を零しながら必死にナイフを掴む。
今背後から襲われたら即死ものだが、もはやそれどころではない。
「助けて、誰か……!!」
言いかけ、絢葉ははっと気付いて石間を見る。彼女はさも可笑しそうに見ている。
絢葉は一瞬躊躇い、しかし赤い血が掌に落ちるのを感じて決断した。
「石間!……さん、お願いです、やめさせてくださいっっ!!!」
「おや、じゃあ何でもするのかい」
「な、何でも!?………くっ、します、何でも!だから早くうぅっ!!!」
絢葉の手首にまで血が流れ始め、絢葉は声の限り叫ぶ。
すると、ふっとアネッサの力が緩まった。
絢葉は大きく安堵の息を吐き、その場にへたり込む。
「ハイ、契約成立。」
石間がけらけらと笑い、化け物たちに絢葉の拘束服を剥ぎ取らせにかかった。
絢葉は抵抗しかけ、しかし石間と目が合った瞬間にその細い身体から力を抜いた。



「おいおい……冗談じゃねえぞ!!」
「何敵のいいなりになってんだよ、しっかりしてくれよ絢葉!!」
「誰よあれ!あんな破廉恥女一人、死んだっていいじゃない!!」
「助けてよ、このままじゃアタシら全員殺されちゃう!!」
各地のモニターの下では絶望の声が上がっていた。
先ほどの基地でのやり取りは、全て街全域に流れている。
絢葉が乗り込んだ時は祭りのようであった民衆も、今は絢葉を非難する声で埋め尽くされていた。
それを嘲笑うかのように見下ろすモニターは、また新たな情景を写しはじめていた。


絢葉は裸に剥かれ、仰向けで尻を突き出す格好を取らされていた。
肩を地面につけてブリッジをするように腰を浮かせている。
そして秘裂を石間に晒したまま、後ろの孔には自らの指を挿し入れていた。
「ほぉら、もっと勢いよくずぷずぷしたらどうだい。カマトトぶってるんじゃないよ」
石間に唆され、絢葉は指の繰りを深める。第二間接までを嵌めこんで抜き差しを続けた。
「しっかし、いい脚してやがんなぁ。太腿と脹脛はむちむちしてて、膝裏と足首だけ締まってるなんて…都合のいい形だぜ」
「全くだな。ずっと拘束服で解らなかったが、乳も相当でけぇし。…っといけね、出ちまった」
化け物の一人が手のひらに大量の精液を噴出した。彼はそれをにやけながらこね回し、絢葉に近づく。
「お待ちかね、潤滑剤の補充だぜ」
彼はまず絢葉の股の間に顔をうずめ、少女の花園の匂いをいっぱいに吸い込んで何とも言えぬ顔をする。
そして精液のねっとりと絡んだ指をおもむろに慎ましい蕾へと挿し入れる。
「んくっ!」
「おお、すげぇ。俺の指をきゅんきゅん締め付けてくるじゃねぇか。気に入ったのか?」
化け物は気をよくして指を出し入れする。しまる、しまると呟いている。
「おい、いい加減にしとけ。あくまで嬢ちゃんのアナルオナニーなんだぜ」
「だってよ、この穴すげえ締め付けてきやがるんだ。ぜってぇ気持ちいいんだぜこれ」
「バーカ、おめぇの指は嬢ちゃんの何倍もあるから痛くて締めるってだけだろ」
仲間に諭され、化け物は名残惜しそうに指を抜く。
「あー、気持ちよかったなぁ」
すっかり薄まった精液のついた指先を撫でながら、彼は一人呟いた。


つらいのは精液をたっぷりとすり込まれた絢葉だ。
彼女は石間に急かされ、再び後孔に指を潜り込ませる。そして中をかき回しているとき、
絢葉は眉を寄せて斜め上に視線を投げ、先ほどとはまた違った表情をみせていた。
その妙な表情のわけはすぐに解る。

びすっ

絢葉が何度目かに直腸を弄り回していた時、小さな破裂音がした。絢葉の肩が震える。
放屁だ。中途半端に白濁が入り、肛門に空気が堪ってしまったらしい。
「おやおや、正義のヒロインが尻の孔ほじっておならするんじゃないよ」
石間のなじりで笑いが起きる。絢葉は耳まで赤くする。
モニターの向こうでも苦笑が起きている事だろう。
「続けな」
石間の言葉で絢葉は再び指を出し入れする。ぶすっ、ぶうっ、ぶちっ。音が続いて笑いが起きる。
「ちょいと鳴らしすぎじゃないのかい。この分じゃあ、中身もたんと詰まってると見たね。
 そこのお前、一度指の匂いを嗅いでやんな。あの匂いがしないか、ね」
石間が言い、絢葉が顔を強張らせる。しかし逆らえない。
絢葉はゆっくりと尻穴から指を抜いた。ぐちゅりと音がする。音の通り、白濁した糸が細い指に纏いついていた。
「ったく、しょうがねぇな」
隣にいた犬の化け物が絢葉の小さな手をとり、鼻へ近づける。
「ん~?んん~??」
遠くから匂いを嗅ぎながら、いやらしく絢葉の瞳を覗き込む。
顔を赤くした絢葉はその視線をさけるように目を閉じた。
そして犬男がいざ直接手のひらを嗅ぎ、
「う、ぐえほぇほげけほ、うおっううぇっ!!!」
思いっきり噎せ返った。犬の嗅覚なのだから当然だ。
「うええ、臭せぇ!すげえ匂いさせてやがる。溜まってる以前に、女がさせて良い匂いじゃねぇぜ!」
犬男は半ば本気で噎せ、半ば茶化しながらわめく。
「う……ううっ…!!」
絢葉は片手を嗅ぎ回られながら唇を噛み締めた。

「よっぽどなんだろうねぇ。さあこれで、中が詰まってる事は解ったわけだ。
 正義の味方様が中に不浄を溜めたままじゃあ格好つかないからね、すっきり出させてやるよ」
石間がそう言いながら手に持ったのは、彼女の腰ほどもある長い長いゼリー状の軟体生物だった。
絢葉が恐ろしそうに見上げる。
「さぁ、かわいい尻を持ち上げな」
石間が命じた。


「うああっ!ああっ!!」
尻を高く掲げながら軟体生物を入れられ、絢葉の腰は激しくうねっていた。
「ふふ、随分暴れるだろうこいつは。美少女の腸に入れて喜んでんのさ。
 …いい事を教えてやろう。こいつはね、元は人間だったんだ。
 軍の女子トイレをいつも覗いてて軍法会議になる所だったのを、うちが引き取ったのさ。
 まさかこんな軟体生物にされるとは思ってなかったろうが、今は人生の至福だろうね」
石間の言葉を証明するかのように、軟体生物は鰻のように暴れ周り、半分ほどが入ったところでつるんと中へ潜り込んでしまった。
「うあああぁーあ!!」
あまり声を出さないようにしている絢葉が叫んだほどだから、それはおぞましい感覚だったのだろう。

「石間様、軟体生物の浣腸たぁ面白い趣向ですね。でも、こっからどうするんです?」
膨れた腹に唖然とする絢葉を尻目に、一人が聞いた。石間は機嫌よく笑う。
「とりえあず、どうもしないさ。これはそのまま放置しとくのが一番面白いんだ。
 まぁ一応、手だけは封じときな」
石間の命で絢葉は後ろ手に戒められる。

そこからは地獄の放置が続いた。モニターも尻穴に軟体生物を迎え入れた少女の苦悶を延々と流していた。
最も多い構図は、寝る時のように横臥した絢葉を真上から撮ったものだった。
一見すると動きは少ないが、絢葉は確実に反応していた。
三角座りのような基本形から、ある時は「ん!」と小さく叫んで乳房を押しつぶすように両膝を上げ、ある時は脚を少し休ませるように下げ。
上下の移動が止んだと思うと、今度は左右の太腿をこすり付けるようにし始める。
モニターでは『オナニーしたいんだ』と指摘されたが、絢葉の手は後ろで拘束されているため真相はわからない。

また次に多かったのが、正座するように座らされた構図だ。
この時は絢葉の腹筋越しに軟体動物ののたくるのが見え、モニターで悲鳴のような歓声が上がった。
また絢葉の恥じらいの部分が繊毛だけとはいえ覗いていた。
絢葉は正座のまま、歳の割に豊かな乳房を弄ばれた。2人の化け物に左右一つずつの乳房を掴まれ、乳房と乳首を延々と弄られた。
乳房を揉みあげられ、乳首をこりこりと扱き上げられると、絢葉は声こそ出さないが目を細めて本当に気持ち良さそうにした。
モニターで見ていた女性のひとりは、その乳責めを見て語る。
『あれね、気持ち良さそうだけど地獄だよ。あそこまで徹底的に乳嬲られると、普通ならあそこ触ってって叫んじゃう。
 それから考えたらあの子、心がすごく強いね』
しかし、乳責めはそこでは終わらなかった。
化け物2匹が執拗に乳責めを行ったのは、絢葉を心地よくするためではない。
彼らはアリクイと蝶の器官を模した化け物であり、その真の目的は絢葉の母乳を飲むことだったのだ。
結論から言えば、蝶は飲めた。アリクイの方は失敗した。
蝶怪人の口は極めて細かったが、アリクイのものは乳管への挿入には太すぎたのだ。
そのため最終的には、右の乳首に蝶の口を差し込まれて母乳を溢れさせ、一方の左乳房からは何も出ない、という情景になった。
「ふぁ、ふぁ、だめ、あう吸っちゃだめ、ふぁあ、ぁああ……!!」
絢葉は右の乳ばかりを強烈に吸われ、涎を垂らしながらどくどくと母乳を溢れさせた。
そのせいか乳責め後、仰向けに転がった彼女の胸は、右の乳房が若干左より小さくなっているのが見て取れた。


軟体生物が腸内に入れられてから10時間ほど経っただろうか。
突然絢葉が強烈な排泄欲を訴え始めた。
「はやくはやく早く、トイレに、トッ…トイレにいかせて、お願い!!」
絢葉の腹部では凄まじい蠢きが見て取れた。だが石間はそれを許さない。
「駄目だ、もっと踏ん張りな」
尻穴から軟体生物が顔を覗かせると、そこをライターの火で炙ってまた腸内に戻す。
そこから絢葉は30分、我慢させられた。
「うぐぐ…っ、ぐ、ぐひっ……う、う~っ…あ、はぁっ!」
汗をびっしょりとかき、唇を噛んで俯き、弾けるように天を仰ぎ、何かを払うように首を振る。
そうやって散々に苦しんだ後、ついに石間が許可を出した。
「よし、良いだろう。ひり出せ」
2人の化け物に絢葉の腕を掴ませ、四股を踏んだような格好で立たせる。
絢葉は一瞬その恥辱の格好に不満そうな顔をしたが、すぐに排泄一色の表情になる。
「う、ううぅ……っ!!!」
絢葉が息んだ瞬間、それは凄まじい音を立てて溢れ出した。

ぶびびっ、ぶうちゅっ!…みちみち、ぶり、ぶり!ぶりいいっ!!

思わず耳を塞ぎたくなるような破裂音と粘っこい音が交差する。
絢葉の可愛らしい菊の花は目いっぱいに開き、中から湯気を立てた軟体生物が流れ出てくる。
それは最初に比べて随分と太さを増していた。
「くく、あーはっはっはは。見なよ、中に山のように詰まってたんじゃないか。
 一体何日の便秘だったんだい、女神様!!」
石間が笑い、排泄を終えて喘ぐ絢葉に軟体生物を見せ付ける。絢葉は表情を凍らせた。
軟体生物の巨大化した理由。それは絢葉の腸内にあった排泄物を、ゼリーのような自分の身体で包んだからだった。
赤いゼリー体に包まれた自らの排泄物を前に、絢葉は下を向いたまま黙りこくる。

「ふん、そう落ち込むんじゃないよ。可愛い女神様も、所詮人間ってことだね。
 そうだいっその事、とことん堕ちてみちゃあどうだい?」
石間はそう言うと、一匹の化け物を手招きした。馬の化け物だ。
「く…臭いっ!!」
その化け物のあまりの臭気に絢葉が顔を背ける。
しかしその直後、信じられない物をみたという表情で顔を戻した。
「気付いたかい?これほどのものにはお目にかかった事もないだろう。
 本物の馬にしちゃあ小さめだが、こんなのをお尻に入れたら、もうヒトとして失格だね」
石間は面白そうに言う。
「い…いや……」
絢葉は首を振った。馬の化け物は特に野生的なのか、猛然と絢葉の上に圧し掛かり、
大量排泄で開いている蕾に逸物の先を宛がった。
「やめてえええっ!!!」
絢葉の叫びと共に、みちみちと逸物がめり込んでいく。


いつしか部屋には絢葉と馬の化け物だけになっていた。
昂ぶるたびに臭気を増す馬に他の者が耐え切れず、絢葉だけを置いていったのだ。
哀れな絢葉は、胡坐をかいた化け物の上に乗せられ、背後から強烈に突き上げられていた。
「いや、くさいっ、くさいっ、くさいっ、くさいいっっ!!!」
絢葉は泣きながら叫んだ。耐え難い悪臭だった。
目は真っ赤に充血し、鼻孔は開ききって鼻水を垂れ流している。喉の奥がひどく痛む。
まるで毒ガスを吸い込まされたようだ。
匂いも強烈なら、その突き込みも痛烈だった。
馬の逸物は凄まじく大きく、太さは骨盤が割れそうなほどだったし、長さは腸の奥底まで至ってもまだ余っているほどだ。
それほどの質量が腰を掴まれたまま叩き込まれるのだから、堪ったものではなかった。

胡坐をかいた姿勢で腰を掴み上下させられると、自分が相手の備品になったような気がしてくる。
それが怖くて貫かれながら脚をばたつかせるが、勢いよく最奥を貫かれると、足の指を曲げたまま脚を縮こめるしかない。
どちゅっ…どちゅっ…どちゅっ…
自らの重みも加わって深く長く抉られているのが解る。ストロークの爽快感はこれが一番だ。
馬の怪物が掴む場所を腰から太腿にかえてきた。これはより激しく抽迭する証だ。
腰を両手で挟まれて上下されるのもいいが、太腿を手のひらでがっぷりと掴まれて叩きつけられるのも爽快だ。
腿を鷲掴みする掌の大きさ、掴まれる腿の細さ、その対比が否応無く男女を意識させる。
絢葉は自分がそのような考えで興奮するとは思っていなかった。むしろ男を従える方だと思っていたのに。
しかし事実、絢葉はその犯されている自分を実感して興奮していた。
一度、二度、三度と突き上げが来て四度目。
この大一番で絢葉は黒髪を相手の胸に預けるようにしながら天を仰ぐ。
「あああっ!!!!」
尻穴の奥深くから脳天までが剛直で貫かれたような間隔に、絢葉は思わず声を上げた。
仮に彼女達の交わりを正面から映しているものがあったなら、開かれた脚の中心で花弁の疼いた事が解るだろう。

いきたい…  いきたい……よ

誰にも聴こえないほどの小声で、絢葉は言ってみる。頭の中がそれで詰まっており、少し漏らさざるを得ないのだ。
もし周囲に聞かれれば嘲笑われるだろうし、馬の怪物に言っても理解はできまい。
だが偶然だろうか、馬は突然絢葉を持ち上げて四つん這いにすると、今度は後背位で交わり始めた。



「う…!うっ……!うっ……!!」
絢葉は後背位で貫かれながら、歯を食いしばって耐えていた。
今度もたまらない。ただでさえ獣じみた恥辱のスタイルだというのに、後ろ手に縛られた今はさらに征服感が強い。
胸が床に擦れ、膝頭がじんと痛む。
しかしそれらを遥かに凌駕する、腸の奥の奥まで届く突き込み。
前のめりになったこの状態だと子宮が上がり、より腸の深さが広がるようだ。
馬の怪物もそれが解るのだろう、絢葉の下腹に手を回して一気にスパートをかけた。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅずんずんずん、ぬちゅぐちゅっぎちゅっ
尻穴から粘液の攪拌される淫靡な音が漏れる。
 (この音…っきもちいい……っ!)
絢葉はその音に背徳感を感じながら性感に浸った。太腿がずりずりと動いてしまう。
いつの間にか怪物の体臭が気にならなくなっていた。
いやむしろ、その匂いがどうしようもない強烈なホルモンとなって自分の身体からも立ち昇っている感じさえする。
繋がってるんだ…絢葉はそう感じて腰をうねらせた。その時、馬の怪物が絶頂に達する。
「ウオオオオオオオォォッ!!!!!」
叫びながら強烈に突き込み、腸の一番奥へ擦り付けるようにして射精する。
その射精量も半端ではなかった。ヒトの10倍、20倍、そのぐらいは悠にありそうな量を「なみなみと」注ぎ入れる。
 (こ…これっ……絶対結腸の奥行っちゃってるよ………)
少しぐらい外に出して欲しい絢葉は腰を蠢かすが、それがかえって刺激になるのか馬の化け物は二度目の射精を始めた。
そしてそれが終わると、尚も硬さを持続したままの逸物を再び叩き込み始めるのだ。
まさに獣じみた性欲だ。だが、それは絢葉にとって好都合だった。
絢葉も後もう少しで達する、という所まできているのだ。ここで終わりにされては、それこそ堪らない。

ごじゅっ…ごりゅう…ごりゅっ…!!
抽迭が再び始まる。スプレー缶のような大きさの逸物が抜けるたび、開ききった後孔から白濁が溢れ出す。
(いくっいくっいくっいくっ…!!)
絢葉は頭の中を絶頂の事で満たされながら、祈るように念じた。
奥底を剛直が叩く度に腰が跳ね上がり、喉が鳴る。気持ちよくて抑えが利かない。
もっと突いて、と尻を突き出すと、馬の化け物は応えるようにズドンと突き入れてくる。
(うぁ、深い……こんなの、もうたまらない、たまらないよっ!!!)
絢葉は頭を地に擦りつけながら悶えた。
視界の向こうに開いた脚が見える。その間を雫がぽたぽたと垂れている。
それは垂れるだろう、こんなにも気持ちいいんだから。絢葉はそう納得した。
気持ちいい、ほんとうに気持ちいい。絶頂はもうすぐそこだ。

「あ゛っ…あっ…あ、あ゛っ……!」
極限まで昂ぶっているからか、喘ぐ声が濁ってしまう。馬も荒々しい息を耳元に吹きかけてくる。
馬の怪物は最期に四つん這いから身を起こし、中腰に近い姿勢で犯し始めた。
正面からは尻穴に剛直が叩き込まれるところは勿論、その上でひくつく花弁、さらには剥けきったクリトリスまでもが見えるはずだ。
そして絢葉はその何も無いはずの空間に、確かに山のような視線を感じた。
これまで自分を慕ってくれていた人間達が、蔑み、絶望しながら見つめてくる怨嗟の視線。
それに気付いた瞬間、絢葉はこれまでにない痛烈な快感を感じた。
腸奥から子宮を巻き込み、脊髄をゆっくりと走り抜けていく電流を。

「あ、あ……お、おお゛お゛いぐッッ!!!!!!」

絢葉は今までに出した事のない腹の底からのうめきを上げ、ついに体中を弛緩させた。
びゅ、びゅっと潮を噴いているのがわかる。潮は何度も噴き上げ、最後に尿のように止め処なく迸り始めた。





「おやお前達、まだやってたのかい」
扉を開け、石間は呆れたようにいう。
その視線の先ではアネッサが延々と絢葉の尻穴を貫き続けていた。
アネッサにはペニスが生えていた。カークの物を移植したのだ。
アネッサと絢葉はそれが手に入って以来、しばらく泣きながら求め合っていた。
しかししばらく経ってみてみれば、もう何もかもを忘れたように喘ぎまわっている。
友の死を乗り越えたのか、誤魔化したのかはわからない。
ただそこにいるのはただの獣だ。
石間は絢葉の前に歩み寄り、尻穴を突かれてだらしなく開いた花弁をくじる。
「ふぁっ…」
絢葉はだらしない声を上げた。
「おやごめんよ、感じちゃったのかい。
 正義の女神様ともあろうものが、まさかうんちの穴で感じてるなんて思わなかったからね」
石間が辱めの言葉をかけても、絢葉はただ遠い目をするだけだった。
アネッサはもとより突きこみ射精することしか考えていない。

石間は溜息をついた。
「軍の機密を邪魔してくれる厄介者だったけど……今思えば、あの頃は楽しかったね」
そう呟き、床に落ちていた拘束具を拾い上げると、傍らのゴミ箱へ投げ込んだ。
そして扉を閉める。


『自由なる女神』


そう記された、漆黒の扉を。

                           
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