2010年04月
「……またあんた達なの?」
不良少年達を前に、女刑事・宮北愛佳は溜息をついた。
人だかりを見つけて喧嘩の現場に来てみれば、いつもの面子がいつもの如くにやりあっている。
「げ、愛佳ちゃん!?」
少年達は敬意のない呼び方ながらも愛佳に臆し、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
場に残ったのは怪我で動けない3人だけだ。
愛佳は女だてらに地域の不良から恐れられていた。
柔道初段、合気道二段、剣道四段。
女と舐めて反抗した相手を鬼の如き強さで叩き伏せる、
特に棒を持った彼女には札付きが束で掛かっても敵わない。
それでも『愛佳ちゃん』などと呼ばれるのは、彼女の器量が優れている為だ。
27歳、若さと経験が溶けあう歳。
隙のないその美しさは精悍と表しても良い。
腰までの艶やかな黒髪、常時周りに気を配るくっきりとした瞳、結ばれた唇。
スタイルもなぜ警官をしているのかと疑問が出るほど美しい。
何しろ腰から下が胴の倍以上ある。
同じ身長の婦警と並ぶとその胸の下にベルトラインが来るほどだ。
そのスタイルは黒い革ジャンを着て立っているだけでも凄みがあった。
「あんた達、何がしたくてこんな事繰り返すのよ?」
愛佳は残った少年達を見下ろして問う。
髪を赤く染めた不良がペッと唾を吐いた。
「色々タマッてんだよ。鬱憤とか性欲とかがな」
愛佳は顔を顰める。
「鬱憤はスポーツでもして晴らしなさい。性欲は……1人で処理できるでしょ」
「できませーん、若いからすぐ溜まっちゃうんです」
赤髪はおどけた調子で言う。
愛佳はますます不機嫌な顔になった。
「坊や、いい加減にしなさい。出来ない訳がないでしょ!!」
すると赤髪も真顔になる。
「……マジでムラムラしてやべぇんだ、最近。それでキレやすくなってて」
赤髪は呟いた。
「お、俺もだ。自分でしたぐらいじゃどうにもなんねぇ。」
「俺も、やばいのはわかってるけどさ」
周りの少年達もそれに倣う。
「それ、またおかしなクスリ使ってるからじゃないの?」
「使ってねぇよ!! むしろ逆だ。愛佳ちゃんに絞られてクスリやめて以来、
今度はアレの疼きが止まらねぇんだ」
赤髪は真顔のまま言った。
その瞳は輝きに乏しいが、どこか真に迫った必死さがある。
「……そ、それはでも、自業自得でしょう」
愛佳はかすかな動揺を浮かべながら言葉を返す。
数ヶ月前、確かにこの少年達にクスリに手を出さぬよう誓わせた。
良かれと思ってやった事だが、それが最近の喧騒に繋がっているのか。
「ああ、自業自得だ。だから愛佳ちゃん、もう放っといてくれよ。
バカ同士で殴り合ってる方が、レイプよりなんぼかマシだろ。
俺達、それだけはしねぇって決めてんだ」
赤髪が言い、周囲の少年と頷きあう。
愛佳ははっとして口を押さえた。
「……あなた達、そんな事を……?」
愛佳は心の底で、この少年達は更正などしないのでは、と思う事があった。
クスリを禁じても聞きはしないだろうと。
それがクスリの禁断症状に、こうも必死に抗っている。
愛佳は己が情けなかった。
「……協力するわ」
愛佳は表情を引き締めて少年達に告げる。
「協力?」
「非番の日、あなた達の性欲処理に付き合う、という意味よ」
愛佳が言うと、少年達が喜びの顔になる。
「っマジで!?」
「た、ただし!薬を使ったり、ピアスを開けたりするのは無しよ、良いわね?」
「勿論だよ、ありがとう愛佳ちゃん!!」
「その呼び方も改めなさい。……後輩にかけあって、確実に休める日を作るわ。
決まったらまた伝えに来るわね、どうせ毎日この辺りにいるでしょ?」
「うん、よろしく“愛佳さん”!!」
少年達の素直な態度に、愛佳は微笑みながら踵を返した。
遠ざかる姿も絵になる。
少年達はその後姿が見えなくなるまで見送り、
嘲笑った。
「……くく、マジで上手くいったぜ?バカじゃねーのあの女!」
赤髪はそう言って錠剤を口に放り込む。
覚醒剤だ。
「ま、何だかんだで優しーからな、警官さんは」
「クスリがそうスッパリ止められるとでも思ってんのかねぇ」
逃げ出した少年も何人かが戻ってくる。
「つか、タマッてるとかよく言うよね。毎日あたしとかダチ輪姦しといてさ」
中には女子高生もいるようだ。
赤髪がその少女を振り仰いだ。
「バーカ、マキ。あの女は別腹だよ。強くてプライド高くて、最高じゃねぇか。
あれを犯せると思うだけで勃っちまうぜ」
周囲に下卑た笑いが起きる。
「……ま、どうせヤるなら1回こっきりじゃ面白くねぇ。
この面子で一日かけて、イッてもイッても止まらねぇ身体にしてやろうぜ」
赤髪はそう語りながら錠剤を噛み砕いた。
※
翌週の朝、少年7人・女子高生1人の計8人があるアパートに集まっていた。
10畳一間の部屋には大きな雀卓とそれを囲む革張りの椅子、ゆったりしたソファがある。
まるで雀荘さながらの設備だ。
そこは付近の不良少年が賭け麻雀をやる隠れ家だった。
近隣に他の住民がおらず、夜中にどれほど騒いでも文句が来ない。
そもそも住民がいなくなったのは、その一帯が族の溜まり場だからなのだが、
ともあれ多人数で女を悶え狂わせるには絶好の場所というわけだ。
「……で、マキ。今のハナシちと纏めてくれ」
「うん。いい?おさらいするよ」
マキと呼ばれる女子高生が男7人に呼びかけた。
「目的は、あの女のポルチオ…つまり子宮口ね、そこを徹底的に開発する事。
ポルチオはクリトリスやGスポットより遥かに感じる一番の性感帯なの。
処女じゃ開発は無理だけど、愛佳ちゃんほど美人なら経験ぐらいあるでしょ」
マキの言葉に皆が頷く。
愛佳は高校はおろか警察学校ですら注目の的だったそうだから、経験の無い筈があるまい。
マキは続けた。
「ポルチオって普段はぴっちり閉じちゃってるから、開発するにはまず昂ぶらせる事。
焦らして焦らして、コリコリになった後で一気に奥を責めまくるの。
そうなったらもう全身性感帯みたいになって、ずっとイキっぱなしになるんだって。
だからすぐに突っ込んじゃダメ。愛佳ちゃんがラクになっちゃうからね。いい?」
場が熱を帯びる。
「俺我慢できっかなぁ、あの身体見てて」
「なに、若えんだしドンドン射精そうぜ」
ある少年は腕に注射をし、ある少年はドリンクを飲み干す。
そして落ち着きなく愛佳の来訪を待った。
愛佳が現れたのはその20分後だ。
水色のシャツ、7部袖の灰色カーディガン、黒のロングスパッツ。
私服はシンプルながらもスポーティで、愛佳によく合っている。
愛佳は一帯を鋭く見渡しながらアパートの入り口に立った。
赤髪がドアを開けると、部屋内の大人数に一瞬驚きを見せ、すぐに厳しい顔に戻る。
非番とはいえやはりあの宮北愛佳だ。
「……こんな溜まり場があったなんてね。盲点だったわ」
愛佳はパンプスを脱ぎながら言う。
「やだ。せっかく客として呼んだのに、チクリとか止めて下さいよぉ?」
マキが赤髪の後ろに隠れながら笑った。
愛佳は眉を顰める。
「ちゃんと彼女がいるんじゃない。私は必要なのかしら」
マキはさらに笑った。
「あたし一応未成年なんですけど。それを刑事さんが淫行奨励?」
見事な返しだ、と場にも笑いが広がる。
だが愛佳は動じない。マキの前まで来たとき、突如鼻をひくつかせた。
「あら、『未成年者喫煙禁止法』違反ね。
帰りはご一緒がお望みかしら?」
マキが青ざめて口を押さえ、周囲の者も黙り込む。
「まぁいいわ、今日は非番だからね」
愛佳は一人勝ち誇った様子で居間に向かった。
「……あ、あんの、アマッ…………!!!!」
マキが悔しげに歯を軋ませる。が、その表情はやがて笑みに変わった。
「それじゃ、早速脱いでもらうぜ?」
赤髪が愛佳のシャツに手をかける。
「何でもいいから、早く済ませなさい」
愛佳は無表情に目を瞑った。
カーディガンを脱がし、シャツを捲ると歓声が上がる。
いきなり豊かな生乳が零れ出したからだ。
「ひょお、ノーブラかよ。ヤる気満々じゃん愛佳さん!」
罵られても愛佳は答えない。
「まぁセックスさせるために来たんだし、必要ないもんな。
にしても、こりゃでかいな」
シャツが腕から抜き去られ、白い乳房が少年達に揉みしだかれる。
「うっわ、やわらけぇ!」
「ホントだ、しかもかなり張ってるな。意外に肌が若い」
乳房は少年達の手の中で様々に形を変えた。
愛佳は目を瞑り、唇を噛み締めて恥辱に耐える。
「ほらほら、それは後!さっさと全部脱がしちゃおうよ」
1人だけ冷静なマキが言うと、少年達はようやくに乳房を解放する。
次は黒いロングスパッツが摺り下げられた。
下からシルクの白いショーツが表れる。
「へぇ、白かぁ。何か規範通りって感じだね。婦女子の見本たれ!ってやつ?」
ショーツが長い脚を通って足首から抜き去られる。
不良の1人が股布を捲りかえした。
「ちっ、マン筋もウン筋もねぇや」
そう言いながら匂いを嗅ぎ始める。
愛佳はそれを信じられないという様子で凝視していた。
「スパッツの方はちと蒸れてるぜ。朝からいい天気だもんな、今日」
スパッツを嗅いだ少年が述べる。
「うわ、男ってこういう事するから最低。
ま、とにかく……これで完全に丸裸だね、宮北刑事。」
マキはそう嘲笑いながら愛佳の尻を撫でた。
休めの姿勢を取る真裸の身体にマキの指が触れる。
「じゃあ、これからあたしがこの女の性感帯を教えていくね。
いくら“鬼の愛佳”だって所詮は牝、感じるところは同じだもん」
マキの指は愛佳の黒髪に潜り、それからゆっくりと身体のラインをなぞっていく。
「まずは髪の毛……ここをかき上げられるとゾクゾクするのよ。
次は耳。息を吹きかけたり甘噛みされるとやっぱりゾクッとくる。
それから、うなじ。神経が集中してるから、撫でてもキスしてもいいわ。
その下の背筋は骨にそって舌を這わせるのが最高ね。
腰の辺りも舐めるとおしりがジンとするわ。
お尻の肉も丁寧に揉み解していくと気持ちいいのよ。
そうやって刺激したら最後にアナル……あぁきつい、これは初物ね。
入り口の皺を一本一本撫でたり、嘗め回してあげて。
肛門から膣にかけての“蟻の門渡り”もしっかり舐めてね」
マキの指はいやらしく愛佳の前身へ回る。
「鎖骨の窪みを舐めて、乳首は優しく口に含んで転がしてあげるの。
AVみたく乱暴にしゃぶると女が醒めるからダメよ。
お腹も薄く浮き出た腹筋に沿ってたっぷり舐ってあげて。
おヘソもじわじわと感じてくるポイントね。
太腿にも神経が多くて、ソフトに撫でまわされると気が狂いそうになるわ。
前はこんなところ。
ああそれから、身体の窪みも漏れなく性感帯よ。腋、膝裏、指の間なんかね。
とにかく、女の肌ってすごく敏感なの。
常に触れるか触れないかぐらいで撫でたり、舌を這わせて。
それを繰り返されるのが女にとって一番たまらないの。
……ね、愛佳さん?」
マキに解説されながら、愛佳は身が震える思いだった。
同性というものは恐ろしい、全ての弱点を暴露されてしまった。
少年達の責めはこれで格段に上手くなるだろう。
若い情熱を適当に発散させて終わらせよう、との目論見はもう通じない。
部屋の熱気にあてられ、愛佳の呼吸が乱れていく。
「じゃあ、始めるよ。これ付けて」
マキはそう言って愛佳にアイマスクを手渡した。
愛佳は驚愕する。
視界を奪われた状態で嬲られれば、その感度は何倍にもなってしまう。
「み、見えない隙に妙な薬を打つんじゃないでしょうね」
愛佳はアイマスクを着けながら精一杯の虚勢を張った。
しかしマキは余裕の笑みを浮かべる。
「 要らないよ、クスリなんて。 」
※
愛佳は目隠しされたまま硬い腕に抱え上げられ、ふわりとした場所に下ろされる。
部屋にあったのは革張りの椅子とゆったりとしたソファ。
恐らくそのソファの方だ。
愛佳の長い脚はソファに深く腰掛けても腿の一部がはみ出てしまう。
その長い脚はゆっくりと左右に開かされた。
一糸纏わない下半身の奥まりが衆目に晒される。
「へぇ、結構剛毛だ」
そうなじられた後、秘唇の肉びらに指がかけられ、無遠慮に割り開かれた。
「……おぉ、ビラビラは黒ずんでるけど中は綺麗なもんだな」
「ホントだ、すっげぇ!」
口々に言葉が聞こえる。愛佳は唇を噛み締めた。
目隠しをされ、脚を開かされ、何人もの少年におんなの部分を覗きこまれる。
耐え難い恥辱だ。
そればかりか飢えた少年は愛佳の内腿に手をかけ、なんと割れ目の匂いを嗅ぎ始めたらしい。
荒い息がすぅはぁすぅはぁと恥毛をくすぐる。
(やめてっ!)
愛佳はそう叫びたかった。
だが仮にも少年課の刑事、そのような弱音は吐けない。
恥辱に耐えながら秘部の匂いを嗅がれているうち、不意に腕を取られた。
腕は掴まれたままソファの背もたれ裏で押さえつけられる。
脚を広げて万歳をする格好だ。
その大きく上げた右腋に、またしても少年の鼻息が近づく。
腋の匂いを嗅がれているのだ。
(い、いやっ!!)
愛佳は乳房を揺らして身を捩る。
今日は天気もよく蒸し暑い。愛佳はその暑さの中を一時間以上も歩き回った。
このアパートの場所が分かりづらかったからだ。
それもノースリーブなどという色めいた格好はよくないと思い、きっちりとしたシャツで。
さらには昨晩の案件が長引いたせいで腋毛の処理もできていない。
何しろ仮眠の時間も取れずに駆けつけたのだ。
これらのおかげで腋にはかなりの汗を掻き、おまけに腋毛がそれを逃がさない。
その腋を嗅ぎ回られている。
「ああすげぇ、すげぇ匂いだよ愛佳さん!!」
右腋を嗅ぐ少年は興奮気味に言い、おもむろに腋に吸い付いた。
「うあ!!」
愛佳は声が上がるのを止められなかった。
「あははっ、刑事さんなぁに今の?」
マキの馬鹿にしたような声がする。その周りでも嘲笑いが起きている。
愛佳は羞恥で頬の染まる思いだった。
ちゅぱちゅぱくちゅ、ちゅっ……
右腋を舐める音が耳に響く。
「ん、んん」
愛佳は左肩に顔を埋めるようにして羞恥に耐えていた。
「愛佳ちゃん気持ちいいんだな。首のスジすげぇ突っ張ってるぜ」
そのようになじられても、もう他が向けない。
その愛佳を追い詰めるように、今度は左腋までも誰かに吸い付かれる。
「ふくっ!!」
愛佳は思わず跳ね上がって叫んだ。
腋から流れる細い電流が繋がり、胸の辺りでざわめく。
じゅるるるっ!
両腋を同時に吸い上げられれば、ソファの背もたれに頭を沈ませ悶えるしかない。
「あ、あぁ!」
愛佳は腕を抱え上げられ、両腋に吸い付かれ、秘部を開かれて声を上げた。
顔は唇を噛み締めながら天を仰ぐ。
「おい、なんか乳首勃ってきてねぇか?」
ぼそりと呟く声がした。
(え、う、嘘!?)
愛佳の心が波打つ。
「マジだ、尖ってきてんじゃん!」
別の声が肯定し、ますます愛佳の心は乱れた。
確かに腋を舐められるのは相当な快感だ、乳首が反応してもおかしくはない。
たがこの短時間で、しかもこんな未熟な少年に責められて反応するなど認められる筈もない。
事実を確かめたいがアイマスクで何も見えず、もどかしさだけが募る。
「へえぇ、愛佳ちゃん敏感なんだぁ」
誰かが呟いた。獲物の弱点を見つけた時の声だ、愛佳は経験からそう悟る。
その勘は正しく、次の瞬間、無数の手が愛佳に襲い掛かった。
まず右脚が持ち上げられ、足の甲を舐められた。ふくらはぎと太腿にも指が這う。
それに平行して胴にも指が這った。
乳房の先と脇腹を触れるか触れないかの絶妙な強さでさする。
「ひぅ……っ!?」
愛佳は体中に沸き起こるむず痒さに思わず叫んだ。
1度叫べば止まらない。
「あ、あ、ああ、あう、ううぅっ……!!」
ぞくぞくと身体を震わせて声が漏れていく。
何分が経っただろうか。
たかが10分ほどかもしれないし、30分は過ぎているかもしれない。
時間感覚の狂う中、愛佳の体中を舌と指が這いまわった。
両腋の少年は休まず窪みを吸い続ける。
右の足先は呆れるほど丹念に舐めしゃぶられていた。
足首から少年の唾が垂れさえしている。
指の一本一本、かかと、くるぶし、足裏、アキレス腱……
最初はくすぐったいだけだったが、時間が経つとこれが本当に気持ちいい。
あまりの快感に足首を直角に曲げ、足指を広げたままピンと張る状態が止まらなかった。
かすかに撫でられる太腿もたまらない。
強張る膝下とは対照的に腿だけが宙に浮いているようだ。
それらの快感は電流となって秘奥に集まる。
「あそこがヒクついてるぜ、愛佳さん」
股の間から声がした。最初からずっと割れ目をひらいている少年だ。
これだけ気持ちいい中でそんな事をされては恥ずかしいどころではない。
いっそうのこと素直に伝えてくれればいいのに、ヒクついているとしか言わない。
愛佳はもう何度か、身体の奥からどろりと溢れる熱さを感じているのに。
たまらないといえば乳首もそうだ。
乳を苛む少年達は、乳房を根元から丁寧にもみ上げ、
粟立つ乳輪を撫で回し、その周りを指先で囲んでソフトにさすり回す。
だが核たる乳首にだけは絶対に触れないのだ。
下半身の疼きとその執拗な焦らし。乳首が屹立しているのはもう否定しようがない。
陰唇と同じく震えているかもしれない。
だが少年達の指は淡々とその周りだけを撫でていく。
「んんん……!!」
愛佳は唇を噛み締めてもどかしさに耐えた。
「うっはぁ愛佳ちゃんきんもちよさそー、乳首ビンビンじゃない。
若いオトコノコに群がられて、女冥利に尽きるよねぇ?」
ジュースを買うと出かけていたマキの声がする。
ああやっぱり勃っちゃってたんだ、と愛佳はぼんやり考えた。
快感と睡眠不足で、ソファに埋めた頭が溶けていきそうだ。
そろそろ逝かせてもらえるな、と甘い考えが浮かぶ。
だがマキは残酷にそれを打ち砕いた。
「でも、まだまだだね。もっともっと昂ぶらせないと」
愛佳はその言葉に息を呑んだ。
「はっ……はぁっ……、んっ、うんんっ……」
荒い息遣いに混じり、喘ぐのを必死に堪える声が漏れる。
あの愛佳がそれほどに追い詰められる体勢は、獣のような四つん這いだった。
その太腿を抱え込むようにして1人が尻を吸う。
皺の一本一本をなぞり、まだ薄い菊輪に何周も舌を這わせ、ついに穴の中へと舌をねじ入れる。
愛佳はその舌遣いを嫌がって腰をうねらせた。
それはどれほど滑稽だろう。だがそれだけ余裕がなかったのだ。
たかが排泄の穴がこれほど性感に満ちているなどとは思いも寄らなかった。
アナルセックスというものが存在する事は知識として知っていたが、これなら頷ける。
腰が砕けるほどの快感なのに達するには及ばない。
尻穴をしゃぶる少年はけっして秘部には触れてくれない。きつい生殺しだった。
それに追い討ちをかけるように他の少年が髪を撫で、うなじに吸い付き、背筋をなぞる。
――ゾクゾクするのよ。
マキの解説が脳裏に浮かぶ。本当だ、これは相当にくる。
身体の芯までが甘ったれてしまって横になりたくなる。男に抱かれたい想いが身を焦がす。
そのまま女になってしまいたい。
だが愛佳は不良少年に規範を示すべき警察官だ。
歯を食いしばり、肉欲を拒むようにかぶりを振る。
「頑張るなぁ、愛佳ちゃん」
そんな声が聞こえ、横から乳房を触られた。先からの愛撫でそこはすっかり火照っている。
手はゆっくりと乳首から乳輪をさすり上げ、突如しこり勃った乳首を摘んだ。
「くうっ……!!」
食い縛った愛佳の歯から声が漏れる。
ずっと望んでいた事がいきなり襲ってきた。母乳が出るなら飛沫いているところだろう。
四つん這いでコリコリと乳首を刺激されると乳牛の気分になる。
ひどく熱い。
体中の汗腺から汗が吹き出ては垂れ落ちていく。
「んん、ん……!あはっ、うんん!!」
声を殺しきれずに唇を開いて喘いでしまう。
それがよほど色っぽかったのだろうか。
「くそ、もう我慢できねぇ!!」
少年の一人が叫び、ソファに飛び乗る。
そして愛佳をむりやり膝立ちの格好にさせると、おもむろに口に逸物を捻じ込んだ。
「もぉおう!?」
愛佳は突然口に滑り込んだ異物に慌てふためく。ひどい臭さが鼻腔を抜ける。
「しっかり舐めてくれよ、刑事さんよ!!」
男は愛佳の頭を鷲掴みにして腰を突き出した。
苦悶する愛佳は手で押しのけたかったが、腕は背後で掴まれている。
舌で押し出すのも無理そうだ。
もう少年を満足させるしかない、愛佳は覚悟を決めて亀頭に舌を絡ませた。
愛佳とて元はただの女学生だ、恋人のために技を覚えたりもした。
「うお、すげぇ気持ちいい!!なんだ上手ぇじゃんかよ!」
愛佳が舌を遣い始めると、男は腰を突き出したまま歓喜を表す。
口をすぼめてカリ首を吸い、歯茎で裏筋を扱き……頭を激しく前後させられながら色々とやる。
するとたちまちに少年の逸物は極まり、口内の中ほどでどくどくと精を放った。
若い少年の濃い精液は異常なほど生臭い。
「う、えはっ…!!」
ようやくに逸物を抜かれた愛佳は白濁を吐き出しながら酸素を求める。
息が上がっていたところに今の口辱はかなり堪えた。
しかし少年達は休ませない。
「おいずるいぞ、次は俺だ!!」
すぐに別の少年が愛佳の顎を掴み、またも臭い逸物を捻じ込む。
「ま、まって、うぶっ……!!」
愛佳は急に捻じ込まれ、先ほどの精液がまだ口内でねちゃつくまま奉仕を強要される。
こちらがどくどくと大量に注ぎ込めば、すぐに次。
放たれた精が次の突き込みで喉奥に入る。
「ゃはっ……あ、かはっ……!!!」
愛佳は口からどろどろと精液を零しながら、次々に精液を飲まされた。
その間も膝立ちになった愛佳の身体は散々に弄られる。
乳房と乳首を同時に揉まれ、膣と肛門のどちらにも指が入り込む。
後ろ手に腕を引かれるため倒れる事もできず、愛佳はパニックに陥りながらただ舌を使った。
※
「いい格好ねぇ、刑事さん」
男達が愛佳の口を堪能した後、マキは愛佳を見下ろして言った。
愛佳は雀卓横の革張りの椅子に腰掛けている。
惨めな姿だった。
目隠しをされた顔の鼻先には白濁がかかり、唇からも半透明の精が零れる。
両手首は背もたれの後ろで結ばれ、長い脚は大股に開いたまま肘掛けに結わえつけられている。
それゆえ愛佳は大きく股を開いたまま身を捩る事もできない。
その格好は尋問を受ける捕虜のようだ。
いや、事実今の彼女は似たようなものかもしれない。
マキは愛佳の股座に視線を落とす。
愛佳の秘部はだらしなく開き、愛液を溢れさせて物欲しそうにひくついている。
そこに指を差し入れると愛佳は小さくうめいた。
「すごい、トロットロになっちゃってる。気持ちよかったんだ?」
マキが問うが、愛佳は精悍な顔を崩さない。
もっとも、その顔もすでに白濁で穢されているのだが。
「ふーん、こんなになっててもまだ頑張るんだ。……じゃ、仕方ないか」
マキはそう言って鞄から何かを取り出した。
「…何だそれ?電マ?」
「そんなところ。スライヴっていう超強力な奴だよ。ほら」
マキがそのスライヴの電源を入れ、男の肩に当てる。
激しいモーター音と共に男の肩が跳ね上がった。
「うお、やべえこれ!!凄いな」
「でしょ?……これを刑事さんの“クリトリス”に当ててあげる」
マキの言葉に愛佳の顔が険しくなった。
「大丈夫だよ、イクまでやらないから。絶対に、ね」
マキは笑いながら再びスライヴの電源を入れ、愛佳の陰核に押し当てる。
愛佳の腰がびくんと跳ねた。
「んんんんん……!!!ふんんんんんっっ!!!!」
部屋にはモーター音と愛佳の生々しいうめきが延々と響いていた。
同時にむわっとする匂いが充満してもいる。
愛佳から漂う汗と愛液の匂いだ。
愛佳は体中を汗でてからせ、陰核下の割れ目から愛液を溢れさせていた。
革張りの椅子から零れた愛液がフローリングに水溜りを作る。
それでも秘部が直接刺激される事はない。
「うんん……!!」
愛佳が唇を噛みながら太腿を震えさせた。
その震えが小刻みになったとき、マキは急にスライヴを陰核から離す。
「ふうっ!」
愛佳が口惜しそうな声を漏らし、大きく息を吐いた。
「イキそうになったんでしょ?ダメだからね」
マキは笑いながら愛佳の震えが収まるのを待ち、再び陰核にスライブを当てる。
「くう、んんんっ……!!」
愛佳はまた生々しいうめきを上げ始めた。
それをしばし眺めながら、マキは傍の男にある指示を出す。
愛佳の目隠しを取れと言ったらしい。
男がすばやく目隠しを取ると、覗き込んでいた一堂に笑いが起きた。
愛佳がはっとした表情になる。
「あっはははは!!いま完っ全に白目剥いてたよね、刑事さん!
気持ちよくって頭蕩けちゃってたんだ?」
マキは笑いながらスライヴを外した。その言葉に愛佳が睨み返す。
普段なら暴力団員さえ及び腰になる眼光。
だがマキはまるで臆さない。
「あー怖い怖い。人の部屋に汗とマンコの匂い充満させといて、どうして睨めるんだろ。
ちょっと前にあたしの口が臭いとか言ってたけど、今のあんたの万倍マシでしょ。
クリトリスもビンビンにしちゃって、当てやすいわ」
意地悪く罵りながら再び陰核にスライヴを押し付ける。
「……絶対ラクにさせてやんないからね」
冷たく耳元で宣言され、愛佳はマキを睨んだまま眉を顰めた。
「素直になんなよ。イカせて下さい、って一言お願いするだけでいいんだから」
マキが愛佳の脇に立って言う。
スライヴを使いすぎて手が痺れたため、別の少年に交替したのだ。
ただし寸止めのタイミングを計るのはやはり彼女だ。
女ゆえに女の達するタイミングがわかるらしい。
「離して」
マキの一声で陰核からさっとスライブが離される。
「うぐうううぅっ……!!」
愛佳が低く唸った直後、ひくつく秘唇から黄金色の液が噴き出した。
液は放物線を描いて床に飛び散っていく。
「おいおい、ションベンかよ!」
「うひ、まさかあの宮北愛佳が大股開いて小便漏らすのを拝めるとはなぁ」
「人ン家でやってくれるぜ。権力の犬つーか、もう只の駄犬だな」
少年達が面白そうに囃し立てた。
もう何度、いや何十度の寸止めが続いただろう。
後ろ手に縛られ、品もなく開脚した身体は達し損ねるたびに椅子を軋ませる。
頬は赤らみ、髪は汗で貼りつき、口からは涎が垂れ落ちる。
クリトリスと乳首などはもう最初の状態を思い起こせないほどに痛々しく屹立している。
そんな状態でも愛佳はなお毅然としていた。
腹筋を引き締めて胸を張り、豊かな乳房を堂々と衆目に晒す。
瞳は前のみを睨み据える。
イキたいなどとは決して口にしない。それが少年達に屈する事を意味するからだ。
愛佳は耐え続けた。
だがどんな人間にも限界はある。
そしてそれが近いことを、同じ女であるマキは見抜いていた。
「おしっこ漏らしちゃったんだ。恥ずかしいね」
マキは尿の絡む愛佳の陰毛を優しく掻き分け、細い指を割れ目に滑り込ませた。
第二関節までを入れて臍側に少し曲げたようだ。
愛佳の目が見開いた。
「うわぁ可哀想、Gスポットがこんなに腫れ上がっちゃってる。
ずうっと放置されててつらかっただろうね、ちょっと撫でてあげるね。
ほら、指のお腹で、ゆっくり、ゆっくりさすって……。
激しいのは痛いだけだもんね、こういうのが一番すごいよね」
マキが割れ目の中で指を蠢かす。
すると突如愛佳の腰がびくんっ、と跳ねた。
「あははっ、なぁに今の?気持ちよかったの?」
マキは気をよくしてさらに続ける。
「んぐううう!!ふんんんっ……う!!!!」
愛佳は低い唸りをあげ、腰を艶かしくうねらせた。
「きんもちよさそー。こんなやらしい腰使い見たの初めてだよ」
マキは揺れる愛佳の視線を待ち構え、より丹念に指で嬲りまわした。
くちくちくちくち、微かな水音が漏れる。
「ぃ、ぃくっ……」
愛佳が小さく叫んだ。その瞬間にマキの指が止まる。
愛佳の震える瞳がマキを見た。
マキは悪魔のような笑みで訴え返す。
愛佳の目に見えない震えが収まった頃、再び指での嬲りが始まる。
それが何度も繰り返された。
愛佳は目に見えて追い詰められていった。
何度もマキに瞳で訴えかけ、拒まれ、訴えかけ、
ついには目尻から涙を零し始めた。
愛佳は耐えて、耐えて、耐え続けた。
しかし、そう、どんな人間にも限界はあるのだ。
服を脱がされてから4時間、嬲られ始めてから3時間余り。
ついに宮北愛佳は力なく呟いた。
「…………も、もうダメ……。もう、やめて………… 」
マキが面白そうに目を見開く。
「何をやめるの?」
「焦らすのはもうやめてっ!お願い、い……イカせてっ……!」
「イカせて下さい、でしょ?」
マキは少年からスライヴを取り、マキの秘唇に押し当てた。
「ッぐうぅう!!!い、いいイカせて下さい、イカせてくださいいっ!!!」
愛佳は椅子が壊れそうになるほど暴れ回る。
マキは満足げに笑い、スライヴを止めて愛佳の割れ目に指を差し込んだ。
奥まで差し込んで弄くる仕草をする。
触れるのはGスポットではない。その更に奥、子宮口だ。
「うん、ぷっくり膨らんでる。じゃあお待たせ。
死ぬほどイキまくってね」
マキは愛佳の縄を解き、足腰の立たない愛佳をソファに投げ飛ばす。
「っしゃあ、ようやくヤれるぜっ!!」
愛佳がソファに倒れ込んだ瞬間、先走り塗れの少年達が一斉に襲い掛かった。
まず愛佳を抱き上げたのは赤髪だ。
乱暴に股を開かせ、反り返った逸物を一気にねじ入れる。
その瞬間だ。
「…っ!?いやぁ、ふ、深いいぃっ!!!」
愛佳が絶叫した。蕩けていた目は見開き、足先がぴんと張っている。
赤髪の方も唖然とした様子で声を絞り出した。
「すっ、すげぇ、奥の窪みが痙攣して、裏筋を押し上げてきやがる!」
興奮した様子で腰を密着させぐりぐりと抉りまわす。
愛佳の表情がさらに激変した。
「あひっ、い、イグううううぅっ!!!!」
そう叫んで天を仰ぐ。腰はガクガクと震えている。
「へぇ…。“ポルチオが目覚めたら、強めに押し込むだけで何度も逝く”
って噂は聞いてたけど、本当だったのね」
マキは秘部を弄りながら呟いた。
これから慰み者となる愛佳を見て愉悦に浸るつもりだろう。
「何だ、もうイッちまったのかよ。いやらしくヒクヒク締め付けやがって、よ!!」
赤髪は笑いながら腰を引き、また根元まで強く打ち付けた。
ぶちゅうっと水の潰れる音がする。
「んおおぉっ!?やっ、やめてっ、またいっちゃう、うあぁあああああ゛ッ!!!!」
パンパンと赤髪が腰を使うと愛佳は更に大声で叫びだした。
首に筋を立て、赤髪の上半身を押しやるようにして悶える。
「うおおすげぇ、締まるッ……!!」
赤髪は気持ち良さそうに叫び、さらに数度腰を打ち付けてからどくどくと精を注ぎ込んだ。
「うくっ……、あううっ……!!」
愛佳はそれを膣奥で受け止めながらまた背筋を震え上がらせる。
「どけ、次は俺だ!!」
赤髪が逸物を抜いた瞬間、色黒の少年が愛佳を押し倒す。
ソファに肘を突かせて突き出た尻を叩く。
「おら、下げろ!」
脚長の愛佳とバックでするには膝を曲げさせる必要があった。
「や、やめてぇっ、今イッたばかりなの、お願いやめてっ!!」
愛佳は懇願するが、色黒少年は無理矢理膝をつかせて背後から突き入れる。
「くぁあああうおっ!!」
愛佳はまた普段からは考えられない声を上げる。
「おう、やっぱバックだと上手く嵌るぜ。カリが締めつけられてたまんねぇ!」
色黒少年はやはり歓喜して激しく腰を使う。
ゴッゴッゴッゴッ、と白と黒の腰がぶつかり合う。
「あっ当たる、ああ当たるううっ!!いやあイグっ、イグイグイグううぅぅっっ!!!
もうやめてぇ、もうやめてえええええええええええ!!!!!!!!」
愛佳は叫び続けた。
何度も絶頂を迎えているらしく喘ぎが酷い。
呼吸もままならないのだろう。汗と涙と鼻水と涎で、美貌が刻一刻と崩れていく。
「うへ、すげぇ顔になってるぜ愛佳ちゃん」
少年達がソファの背もたれ側から覗き込むが、もはや愛佳に余裕は無い。
「いぐいぐいぐいぐ、ああイグ、イグっ、またいぐううううっ!!!!」
歯を食い縛り下唇を震えさせて声を絞り出す。
眉の垂れ下がったその顔は、もう鬼の宮北愛佳ではない。
「もおやめてええっっ!もうイキすぎてるがらあっっ!!」
愛佳は背を仰け反らせながら叫んだ。
「おぉもうやめてやらぁ、奥に射精してな!!!」
色黒少年は愛佳の腰を強く抱えながらゴリゴリと奥を抉り、最奥で腰を止める。
「ぐうっ!!」
色黒が唸りを上げた。
腰の震えから射精しているのがわかる。それが恐ろしく長い。
「あ、あ……!!!」
愛佳は口を大きく開いたまま射精を受けとめた。
ソファに突いた太腿が筋張っているのが、ひどく生々しかった。
ぎゅぷっという音で半立ちの怒張が引き抜かれると、床にぼどぼどと精液が零れる。
「はぁっ……はぁ、はひっ……ああ、う、ひいっ………!!」
愛佳はおかしな呼吸音のままソファに顔を埋めた。
だが逸物をはち切れさせんばかりの少年はまだまだいる。
入墨をいれた腕の太い少年が愛佳の脚を抱え上げ、上下に開いた脚の間に逸物を叩き込む。
「うぐっ!ま、また……!!だめっ、さっきからずっとイキっぱなしで、息が、…っきな………!!!」
愛佳は瞳をこれ以上ないほどに見開いて抗議する。
だが入墨少年は、ただ己の快楽の為だけに無心に腰をたたきつけた。
「……ふぐうっ、う、ふぐっ、ッ!!うはおおおぉぉっっ!!!!!!」
愛佳は狂ったように叫び出す。
持ち上げられた右脚を痙攣させ、右手でソファを掻き毟ってボタンを引き千切る。
「すげぇな、あれ……もう全身が性感帯になってんじゃねえか」
射精して人心地ついた少年がマキに囁く。
目線の先には獣のように犯される愛佳がいた。
冷静になって眺めれば恐ろしい光景だ。
少年の言うとおり、愛佳は男に群がられて体中を触られながら悶える。
どこを触っても10秒以内に逝っているようだ。
例えば腕を掴むだけ、髪の毛、顔、足、尻……下腹をトントンと叩かれるだけでも。
秘部を貫かれると発狂したかのように体中がバウンドする。
無論、常に達しており、潮もいつ噴いたか分からないほどだ。
「全身性感帯……まさにその通りだよ?
クリトリスやGスポットの快感は局所的だけど、ポルチオの快感は体中に巡るの。
何せ子宮を揺さぶってるようなものだもん。
だからこそポルチオは最大の性感帯なの。
ちなみに快感はすごく深くて、あの全身性感帯の状態が一時間近くも続くらしいよ」
マキは愛佳を眺めながら至福の自慰に浸る。
その目はどこか羨ましげでもあった。
※
すっかり日も落ちた頃、ようやく少年全てが満足げな息を吐いた。
この日を心待ちにして溜めていたのか、宮北愛佳を犯せる事に興奮したのか、
全員が少なくとも4順はしていた。
愛佳は見るも無残な姿になっている。
身体は白濁に塗れ、秘唇は肉厚に腫れ上がり、顔は人形のように動かない。
「あっちゃあ、汚いなぁ」
部屋で唯一動けるマキが愛佳を見下ろした。
その秘部からは長いペニスバンドが突き出ている。
最後のとどめで犯してやろうというのだ。
マキは愛佳の脚をとり、屈曲位でペニスバンドを押し込んだ。
開ききった割れ目には手を添える必要もなくずるりと入ってしまう。
「う………」
愛佳が枯れた声でうめいた。
さすがにもうポルチオ性感は残っていまい。
マキはそう思いながらペニスバンドを押し進めていく。
半ばほどで子宮口に達するが、子宮口はやはりもう解れていた。
「あー、もうブヨブヨ。こりこりしたのが体験したかったのになぁ」
マキが残念そうに言い、子宮口の下方にペニスバンドを押し付けた時だ。
柔らかい筋肉へめり込む感触と共に、ペニスバンドの先が更なる深みへと嵌りこんだ。
「くぁうう!?」
その途端、死んだように無反応だった愛佳が再び声を上げた。
少年達が何事かと目を向ける。
「え、すごい……」
マキはその事態をすぐに理解した。
「おいマキ、何やったんだ?」
赤髪がマキの肩を叩く。マキは興奮気味に答えた。
「子宮に入ったんだよ、今。ウテルスセックスってやつ!
すごい、本当にできるんだ……」
愛佳の言葉に赤髪達が息を呑む。
「お、俺にもやらせてくれ」
赤髪が言うとマキがペニスバンドを抜き出した。
赤髪は愛佳の腰を掴んで挿入を開始する。
「こ、今度は……何なの……」
愛佳は憔悴しきった表情で結合部を見つめた。
再び硬さを取り戻した逸物がゆっくりと肉襞を掻き分けていく。
かすかに弾力を残す子宮口に当たり、赤髪は腰に力を込めた。
すると子宮口に当たった亀頭がにゅるんと奥に滑りこむ。
「うお、マジだ……入っちまった。」
赤髪が驚きの表情を見せた。愛佳も同じくだ。
「い、いやぁっ!!こ、これ何!?どこに入ってるの、いやよっ!!!」
錯乱して腰を揺らす。
「だから、お前の子宮ン中だよ。
ああすげぇ、オマンコどころか、あの宮北愛佳の子袋かよ。
おまえここで子供産むのか、なんか感慨深ぇな」
赤髪は一番の奥で挿入を止め、ゆっくりグリグリと亀頭を擦りつけた。
「ぐ、うくうううっ……!!」
愛佳はまたしても顔を歪めた。
もう場に居る者全てが知っている、それは快感を堪える時の表情だ。
しばらく亀頭を擦り付けているうち、不意に赤髪が声を上げた。
「うおっ!……へっ愛佳てめぇ、この淫乱女め。
膣の奥がうねるみてぇに締め付けだしたじゃねぇか、あ?」
赤髪がなじると、愛佳は首を振って否定する。
「違う、違うの!!これ私が締め付けてるんじゃない、
勝手にお腹の奥が動いちゃうの!!こんなのおかしいわ!!!
あああっ、いく、逝きたくないのに、あう、かってにイッちゃううっ!!」」
自分でもどうなっているのか分からないらしい。
ただ快感だけは凄まじいらしく、背を仰け反らせながらまた何度も達していた。
「ふふ、それが中逝きよ、刑事さん。
自分が気持ちよくなろうって締め付けるのとは違う、勝手に筋肉が動いてくの。
おめでとう。それを覚えこまされたらもう、二度と普通には戻れないよ」
マキが淡々と解説する。
それをバックに赤髪が腰を引き、突き込みを開始する。
「うぅ、すげえ、亀頭が輪ゴムの束で扱かれてるみてぇだ!
ポルチオの挟み込まれるみてぇなのも良かったけど、こりゃ段違いだぜ!!」
そう歓喜しながらずんずんと腰を遣う。
愛佳の方はたまったものではない。
先ほどまで突かれるだけで達していた子宮口を、菊輪のようにカリ首で刺激されるのだ。
「っいくいくいぐ、ああっ、またいぐうっ!!ああっ、くおあぁあああ゛ーーーっ!!!」
白目を剥き、泡さえ噴き、愛佳の思考は快感に塗りつぶされていく。
愛佳はただ目の前の灼熱の棒を有した逞しい身体にすがりつき、その背中に長い足を回した。
まるで恋人のごとくだ。
「いくぞ、いくぞ、射精すぞ!!」
赤髪が抽迭の果てに子宮奥で精を放つ。
あれほど出したというのにまだ残っていたのかという量が流れ込む。
「へへ、子宮の奥の奥でこんなに射精してんだ。こりゃあ孕んだなぁ、愛佳」
赤髪が愛佳の耳元で囁くが、もはや愛佳には聞こえていないだろう。
「おい、いい加減に離せよ。そんなに俺の子種が惜しいのか?」
「ああ……ああ、ああそこいいっ、ああうっ……!!!」
赤髪が茶化しても絶頂を迎えている愛佳は背中の足を解かない。
仕方なく数人の力尽くで引き剥がす。
赤髪がずるりと逸物を引きずり出すと、亀頭部分に細かな白い粒が付着していた。
「ん、なんだこれ?」
「あーらら、子宮のカスだね。恥垢ってやつ。まぁ子宮の中なんて洗えないしね」
マキの解説に正気を取り戻した愛佳が俯く。
だがその醜悪な事実は、かえって他の少年達の性欲を煽ったらしい。
「へへ、清く正しい愛佳刑事の子袋はそんなカスで汚れまくってるわけか。
なら、俺達のモノでしっかりと掃除してやんねぇとな」
「ああ、汚ねぇ仕事はお任せあれだ!」
次々逸物を反り立てて迫る少年に、愛佳は目を見開く。
巨漢の少年が愛佳を押し倒し、太い剛直を深々と挿し入れた。
「い、いやあ、ここんなの続けられたら、もう私……ぐ、おぐっ!?
お、おっき……うく、あぁ、っう、ふぁああああああぁーーーーーーーーっっ!!!!」
薄暗い部屋に絶叫が響き渡る。
かつての愛佳を知る物には聞くに堪えないその叫びは、
しかし彼女が人生で発したどんな言葉より雄弁だった。
END
続きを読む
不良少年達を前に、女刑事・宮北愛佳は溜息をついた。
人だかりを見つけて喧嘩の現場に来てみれば、いつもの面子がいつもの如くにやりあっている。
「げ、愛佳ちゃん!?」
少年達は敬意のない呼び方ながらも愛佳に臆し、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
場に残ったのは怪我で動けない3人だけだ。
愛佳は女だてらに地域の不良から恐れられていた。
柔道初段、合気道二段、剣道四段。
女と舐めて反抗した相手を鬼の如き強さで叩き伏せる、
特に棒を持った彼女には札付きが束で掛かっても敵わない。
それでも『愛佳ちゃん』などと呼ばれるのは、彼女の器量が優れている為だ。
27歳、若さと経験が溶けあう歳。
隙のないその美しさは精悍と表しても良い。
腰までの艶やかな黒髪、常時周りに気を配るくっきりとした瞳、結ばれた唇。
スタイルもなぜ警官をしているのかと疑問が出るほど美しい。
何しろ腰から下が胴の倍以上ある。
同じ身長の婦警と並ぶとその胸の下にベルトラインが来るほどだ。
そのスタイルは黒い革ジャンを着て立っているだけでも凄みがあった。
「あんた達、何がしたくてこんな事繰り返すのよ?」
愛佳は残った少年達を見下ろして問う。
髪を赤く染めた不良がペッと唾を吐いた。
「色々タマッてんだよ。鬱憤とか性欲とかがな」
愛佳は顔を顰める。
「鬱憤はスポーツでもして晴らしなさい。性欲は……1人で処理できるでしょ」
「できませーん、若いからすぐ溜まっちゃうんです」
赤髪はおどけた調子で言う。
愛佳はますます不機嫌な顔になった。
「坊や、いい加減にしなさい。出来ない訳がないでしょ!!」
すると赤髪も真顔になる。
「……マジでムラムラしてやべぇんだ、最近。それでキレやすくなってて」
赤髪は呟いた。
「お、俺もだ。自分でしたぐらいじゃどうにもなんねぇ。」
「俺も、やばいのはわかってるけどさ」
周りの少年達もそれに倣う。
「それ、またおかしなクスリ使ってるからじゃないの?」
「使ってねぇよ!! むしろ逆だ。愛佳ちゃんに絞られてクスリやめて以来、
今度はアレの疼きが止まらねぇんだ」
赤髪は真顔のまま言った。
その瞳は輝きに乏しいが、どこか真に迫った必死さがある。
「……そ、それはでも、自業自得でしょう」
愛佳はかすかな動揺を浮かべながら言葉を返す。
数ヶ月前、確かにこの少年達にクスリに手を出さぬよう誓わせた。
良かれと思ってやった事だが、それが最近の喧騒に繋がっているのか。
「ああ、自業自得だ。だから愛佳ちゃん、もう放っといてくれよ。
バカ同士で殴り合ってる方が、レイプよりなんぼかマシだろ。
俺達、それだけはしねぇって決めてんだ」
赤髪が言い、周囲の少年と頷きあう。
愛佳ははっとして口を押さえた。
「……あなた達、そんな事を……?」
愛佳は心の底で、この少年達は更正などしないのでは、と思う事があった。
クスリを禁じても聞きはしないだろうと。
それがクスリの禁断症状に、こうも必死に抗っている。
愛佳は己が情けなかった。
「……協力するわ」
愛佳は表情を引き締めて少年達に告げる。
「協力?」
「非番の日、あなた達の性欲処理に付き合う、という意味よ」
愛佳が言うと、少年達が喜びの顔になる。
「っマジで!?」
「た、ただし!薬を使ったり、ピアスを開けたりするのは無しよ、良いわね?」
「勿論だよ、ありがとう愛佳ちゃん!!」
「その呼び方も改めなさい。……後輩にかけあって、確実に休める日を作るわ。
決まったらまた伝えに来るわね、どうせ毎日この辺りにいるでしょ?」
「うん、よろしく“愛佳さん”!!」
少年達の素直な態度に、愛佳は微笑みながら踵を返した。
遠ざかる姿も絵になる。
少年達はその後姿が見えなくなるまで見送り、
嘲笑った。
「……くく、マジで上手くいったぜ?バカじゃねーのあの女!」
赤髪はそう言って錠剤を口に放り込む。
覚醒剤だ。
「ま、何だかんだで優しーからな、警官さんは」
「クスリがそうスッパリ止められるとでも思ってんのかねぇ」
逃げ出した少年も何人かが戻ってくる。
「つか、タマッてるとかよく言うよね。毎日あたしとかダチ輪姦しといてさ」
中には女子高生もいるようだ。
赤髪がその少女を振り仰いだ。
「バーカ、マキ。あの女は別腹だよ。強くてプライド高くて、最高じゃねぇか。
あれを犯せると思うだけで勃っちまうぜ」
周囲に下卑た笑いが起きる。
「……ま、どうせヤるなら1回こっきりじゃ面白くねぇ。
この面子で一日かけて、イッてもイッても止まらねぇ身体にしてやろうぜ」
赤髪はそう語りながら錠剤を噛み砕いた。
※
翌週の朝、少年7人・女子高生1人の計8人があるアパートに集まっていた。
10畳一間の部屋には大きな雀卓とそれを囲む革張りの椅子、ゆったりしたソファがある。
まるで雀荘さながらの設備だ。
そこは付近の不良少年が賭け麻雀をやる隠れ家だった。
近隣に他の住民がおらず、夜中にどれほど騒いでも文句が来ない。
そもそも住民がいなくなったのは、その一帯が族の溜まり場だからなのだが、
ともあれ多人数で女を悶え狂わせるには絶好の場所というわけだ。
「……で、マキ。今のハナシちと纏めてくれ」
「うん。いい?おさらいするよ」
マキと呼ばれる女子高生が男7人に呼びかけた。
「目的は、あの女のポルチオ…つまり子宮口ね、そこを徹底的に開発する事。
ポルチオはクリトリスやGスポットより遥かに感じる一番の性感帯なの。
処女じゃ開発は無理だけど、愛佳ちゃんほど美人なら経験ぐらいあるでしょ」
マキの言葉に皆が頷く。
愛佳は高校はおろか警察学校ですら注目の的だったそうだから、経験の無い筈があるまい。
マキは続けた。
「ポルチオって普段はぴっちり閉じちゃってるから、開発するにはまず昂ぶらせる事。
焦らして焦らして、コリコリになった後で一気に奥を責めまくるの。
そうなったらもう全身性感帯みたいになって、ずっとイキっぱなしになるんだって。
だからすぐに突っ込んじゃダメ。愛佳ちゃんがラクになっちゃうからね。いい?」
場が熱を帯びる。
「俺我慢できっかなぁ、あの身体見てて」
「なに、若えんだしドンドン射精そうぜ」
ある少年は腕に注射をし、ある少年はドリンクを飲み干す。
そして落ち着きなく愛佳の来訪を待った。
愛佳が現れたのはその20分後だ。
水色のシャツ、7部袖の灰色カーディガン、黒のロングスパッツ。
私服はシンプルながらもスポーティで、愛佳によく合っている。
愛佳は一帯を鋭く見渡しながらアパートの入り口に立った。
赤髪がドアを開けると、部屋内の大人数に一瞬驚きを見せ、すぐに厳しい顔に戻る。
非番とはいえやはりあの宮北愛佳だ。
「……こんな溜まり場があったなんてね。盲点だったわ」
愛佳はパンプスを脱ぎながら言う。
「やだ。せっかく客として呼んだのに、チクリとか止めて下さいよぉ?」
マキが赤髪の後ろに隠れながら笑った。
愛佳は眉を顰める。
「ちゃんと彼女がいるんじゃない。私は必要なのかしら」
マキはさらに笑った。
「あたし一応未成年なんですけど。それを刑事さんが淫行奨励?」
見事な返しだ、と場にも笑いが広がる。
だが愛佳は動じない。マキの前まで来たとき、突如鼻をひくつかせた。
「あら、『未成年者喫煙禁止法』違反ね。
帰りはご一緒がお望みかしら?」
マキが青ざめて口を押さえ、周囲の者も黙り込む。
「まぁいいわ、今日は非番だからね」
愛佳は一人勝ち誇った様子で居間に向かった。
「……あ、あんの、アマッ…………!!!!」
マキが悔しげに歯を軋ませる。が、その表情はやがて笑みに変わった。
「それじゃ、早速脱いでもらうぜ?」
赤髪が愛佳のシャツに手をかける。
「何でもいいから、早く済ませなさい」
愛佳は無表情に目を瞑った。
カーディガンを脱がし、シャツを捲ると歓声が上がる。
いきなり豊かな生乳が零れ出したからだ。
「ひょお、ノーブラかよ。ヤる気満々じゃん愛佳さん!」
罵られても愛佳は答えない。
「まぁセックスさせるために来たんだし、必要ないもんな。
にしても、こりゃでかいな」
シャツが腕から抜き去られ、白い乳房が少年達に揉みしだかれる。
「うっわ、やわらけぇ!」
「ホントだ、しかもかなり張ってるな。意外に肌が若い」
乳房は少年達の手の中で様々に形を変えた。
愛佳は目を瞑り、唇を噛み締めて恥辱に耐える。
「ほらほら、それは後!さっさと全部脱がしちゃおうよ」
1人だけ冷静なマキが言うと、少年達はようやくに乳房を解放する。
次は黒いロングスパッツが摺り下げられた。
下からシルクの白いショーツが表れる。
「へぇ、白かぁ。何か規範通りって感じだね。婦女子の見本たれ!ってやつ?」
ショーツが長い脚を通って足首から抜き去られる。
不良の1人が股布を捲りかえした。
「ちっ、マン筋もウン筋もねぇや」
そう言いながら匂いを嗅ぎ始める。
愛佳はそれを信じられないという様子で凝視していた。
「スパッツの方はちと蒸れてるぜ。朝からいい天気だもんな、今日」
スパッツを嗅いだ少年が述べる。
「うわ、男ってこういう事するから最低。
ま、とにかく……これで完全に丸裸だね、宮北刑事。」
マキはそう嘲笑いながら愛佳の尻を撫でた。
休めの姿勢を取る真裸の身体にマキの指が触れる。
「じゃあ、これからあたしがこの女の性感帯を教えていくね。
いくら“鬼の愛佳”だって所詮は牝、感じるところは同じだもん」
マキの指は愛佳の黒髪に潜り、それからゆっくりと身体のラインをなぞっていく。
「まずは髪の毛……ここをかき上げられるとゾクゾクするのよ。
次は耳。息を吹きかけたり甘噛みされるとやっぱりゾクッとくる。
それから、うなじ。神経が集中してるから、撫でてもキスしてもいいわ。
その下の背筋は骨にそって舌を這わせるのが最高ね。
腰の辺りも舐めるとおしりがジンとするわ。
お尻の肉も丁寧に揉み解していくと気持ちいいのよ。
そうやって刺激したら最後にアナル……あぁきつい、これは初物ね。
入り口の皺を一本一本撫でたり、嘗め回してあげて。
肛門から膣にかけての“蟻の門渡り”もしっかり舐めてね」
マキの指はいやらしく愛佳の前身へ回る。
「鎖骨の窪みを舐めて、乳首は優しく口に含んで転がしてあげるの。
AVみたく乱暴にしゃぶると女が醒めるからダメよ。
お腹も薄く浮き出た腹筋に沿ってたっぷり舐ってあげて。
おヘソもじわじわと感じてくるポイントね。
太腿にも神経が多くて、ソフトに撫でまわされると気が狂いそうになるわ。
前はこんなところ。
ああそれから、身体の窪みも漏れなく性感帯よ。腋、膝裏、指の間なんかね。
とにかく、女の肌ってすごく敏感なの。
常に触れるか触れないかぐらいで撫でたり、舌を這わせて。
それを繰り返されるのが女にとって一番たまらないの。
……ね、愛佳さん?」
マキに解説されながら、愛佳は身が震える思いだった。
同性というものは恐ろしい、全ての弱点を暴露されてしまった。
少年達の責めはこれで格段に上手くなるだろう。
若い情熱を適当に発散させて終わらせよう、との目論見はもう通じない。
部屋の熱気にあてられ、愛佳の呼吸が乱れていく。
「じゃあ、始めるよ。これ付けて」
マキはそう言って愛佳にアイマスクを手渡した。
愛佳は驚愕する。
視界を奪われた状態で嬲られれば、その感度は何倍にもなってしまう。
「み、見えない隙に妙な薬を打つんじゃないでしょうね」
愛佳はアイマスクを着けながら精一杯の虚勢を張った。
しかしマキは余裕の笑みを浮かべる。
「 要らないよ、クスリなんて。 」
※
愛佳は目隠しされたまま硬い腕に抱え上げられ、ふわりとした場所に下ろされる。
部屋にあったのは革張りの椅子とゆったりとしたソファ。
恐らくそのソファの方だ。
愛佳の長い脚はソファに深く腰掛けても腿の一部がはみ出てしまう。
その長い脚はゆっくりと左右に開かされた。
一糸纏わない下半身の奥まりが衆目に晒される。
「へぇ、結構剛毛だ」
そうなじられた後、秘唇の肉びらに指がかけられ、無遠慮に割り開かれた。
「……おぉ、ビラビラは黒ずんでるけど中は綺麗なもんだな」
「ホントだ、すっげぇ!」
口々に言葉が聞こえる。愛佳は唇を噛み締めた。
目隠しをされ、脚を開かされ、何人もの少年におんなの部分を覗きこまれる。
耐え難い恥辱だ。
そればかりか飢えた少年は愛佳の内腿に手をかけ、なんと割れ目の匂いを嗅ぎ始めたらしい。
荒い息がすぅはぁすぅはぁと恥毛をくすぐる。
(やめてっ!)
愛佳はそう叫びたかった。
だが仮にも少年課の刑事、そのような弱音は吐けない。
恥辱に耐えながら秘部の匂いを嗅がれているうち、不意に腕を取られた。
腕は掴まれたままソファの背もたれ裏で押さえつけられる。
脚を広げて万歳をする格好だ。
その大きく上げた右腋に、またしても少年の鼻息が近づく。
腋の匂いを嗅がれているのだ。
(い、いやっ!!)
愛佳は乳房を揺らして身を捩る。
今日は天気もよく蒸し暑い。愛佳はその暑さの中を一時間以上も歩き回った。
このアパートの場所が分かりづらかったからだ。
それもノースリーブなどという色めいた格好はよくないと思い、きっちりとしたシャツで。
さらには昨晩の案件が長引いたせいで腋毛の処理もできていない。
何しろ仮眠の時間も取れずに駆けつけたのだ。
これらのおかげで腋にはかなりの汗を掻き、おまけに腋毛がそれを逃がさない。
その腋を嗅ぎ回られている。
「ああすげぇ、すげぇ匂いだよ愛佳さん!!」
右腋を嗅ぐ少年は興奮気味に言い、おもむろに腋に吸い付いた。
「うあ!!」
愛佳は声が上がるのを止められなかった。
「あははっ、刑事さんなぁに今の?」
マキの馬鹿にしたような声がする。その周りでも嘲笑いが起きている。
愛佳は羞恥で頬の染まる思いだった。
ちゅぱちゅぱくちゅ、ちゅっ……
右腋を舐める音が耳に響く。
「ん、んん」
愛佳は左肩に顔を埋めるようにして羞恥に耐えていた。
「愛佳ちゃん気持ちいいんだな。首のスジすげぇ突っ張ってるぜ」
そのようになじられても、もう他が向けない。
その愛佳を追い詰めるように、今度は左腋までも誰かに吸い付かれる。
「ふくっ!!」
愛佳は思わず跳ね上がって叫んだ。
腋から流れる細い電流が繋がり、胸の辺りでざわめく。
じゅるるるっ!
両腋を同時に吸い上げられれば、ソファの背もたれに頭を沈ませ悶えるしかない。
「あ、あぁ!」
愛佳は腕を抱え上げられ、両腋に吸い付かれ、秘部を開かれて声を上げた。
顔は唇を噛み締めながら天を仰ぐ。
「おい、なんか乳首勃ってきてねぇか?」
ぼそりと呟く声がした。
(え、う、嘘!?)
愛佳の心が波打つ。
「マジだ、尖ってきてんじゃん!」
別の声が肯定し、ますます愛佳の心は乱れた。
確かに腋を舐められるのは相当な快感だ、乳首が反応してもおかしくはない。
たがこの短時間で、しかもこんな未熟な少年に責められて反応するなど認められる筈もない。
事実を確かめたいがアイマスクで何も見えず、もどかしさだけが募る。
「へえぇ、愛佳ちゃん敏感なんだぁ」
誰かが呟いた。獲物の弱点を見つけた時の声だ、愛佳は経験からそう悟る。
その勘は正しく、次の瞬間、無数の手が愛佳に襲い掛かった。
まず右脚が持ち上げられ、足の甲を舐められた。ふくらはぎと太腿にも指が這う。
それに平行して胴にも指が這った。
乳房の先と脇腹を触れるか触れないかの絶妙な強さでさする。
「ひぅ……っ!?」
愛佳は体中に沸き起こるむず痒さに思わず叫んだ。
1度叫べば止まらない。
「あ、あ、ああ、あう、ううぅっ……!!」
ぞくぞくと身体を震わせて声が漏れていく。
何分が経っただろうか。
たかが10分ほどかもしれないし、30分は過ぎているかもしれない。
時間感覚の狂う中、愛佳の体中を舌と指が這いまわった。
両腋の少年は休まず窪みを吸い続ける。
右の足先は呆れるほど丹念に舐めしゃぶられていた。
足首から少年の唾が垂れさえしている。
指の一本一本、かかと、くるぶし、足裏、アキレス腱……
最初はくすぐったいだけだったが、時間が経つとこれが本当に気持ちいい。
あまりの快感に足首を直角に曲げ、足指を広げたままピンと張る状態が止まらなかった。
かすかに撫でられる太腿もたまらない。
強張る膝下とは対照的に腿だけが宙に浮いているようだ。
それらの快感は電流となって秘奥に集まる。
「あそこがヒクついてるぜ、愛佳さん」
股の間から声がした。最初からずっと割れ目をひらいている少年だ。
これだけ気持ちいい中でそんな事をされては恥ずかしいどころではない。
いっそうのこと素直に伝えてくれればいいのに、ヒクついているとしか言わない。
愛佳はもう何度か、身体の奥からどろりと溢れる熱さを感じているのに。
たまらないといえば乳首もそうだ。
乳を苛む少年達は、乳房を根元から丁寧にもみ上げ、
粟立つ乳輪を撫で回し、その周りを指先で囲んでソフトにさすり回す。
だが核たる乳首にだけは絶対に触れないのだ。
下半身の疼きとその執拗な焦らし。乳首が屹立しているのはもう否定しようがない。
陰唇と同じく震えているかもしれない。
だが少年達の指は淡々とその周りだけを撫でていく。
「んんん……!!」
愛佳は唇を噛み締めてもどかしさに耐えた。
「うっはぁ愛佳ちゃんきんもちよさそー、乳首ビンビンじゃない。
若いオトコノコに群がられて、女冥利に尽きるよねぇ?」
ジュースを買うと出かけていたマキの声がする。
ああやっぱり勃っちゃってたんだ、と愛佳はぼんやり考えた。
快感と睡眠不足で、ソファに埋めた頭が溶けていきそうだ。
そろそろ逝かせてもらえるな、と甘い考えが浮かぶ。
だがマキは残酷にそれを打ち砕いた。
「でも、まだまだだね。もっともっと昂ぶらせないと」
愛佳はその言葉に息を呑んだ。
「はっ……はぁっ……、んっ、うんんっ……」
荒い息遣いに混じり、喘ぐのを必死に堪える声が漏れる。
あの愛佳がそれほどに追い詰められる体勢は、獣のような四つん這いだった。
その太腿を抱え込むようにして1人が尻を吸う。
皺の一本一本をなぞり、まだ薄い菊輪に何周も舌を這わせ、ついに穴の中へと舌をねじ入れる。
愛佳はその舌遣いを嫌がって腰をうねらせた。
それはどれほど滑稽だろう。だがそれだけ余裕がなかったのだ。
たかが排泄の穴がこれほど性感に満ちているなどとは思いも寄らなかった。
アナルセックスというものが存在する事は知識として知っていたが、これなら頷ける。
腰が砕けるほどの快感なのに達するには及ばない。
尻穴をしゃぶる少年はけっして秘部には触れてくれない。きつい生殺しだった。
それに追い討ちをかけるように他の少年が髪を撫で、うなじに吸い付き、背筋をなぞる。
――ゾクゾクするのよ。
マキの解説が脳裏に浮かぶ。本当だ、これは相当にくる。
身体の芯までが甘ったれてしまって横になりたくなる。男に抱かれたい想いが身を焦がす。
そのまま女になってしまいたい。
だが愛佳は不良少年に規範を示すべき警察官だ。
歯を食いしばり、肉欲を拒むようにかぶりを振る。
「頑張るなぁ、愛佳ちゃん」
そんな声が聞こえ、横から乳房を触られた。先からの愛撫でそこはすっかり火照っている。
手はゆっくりと乳首から乳輪をさすり上げ、突如しこり勃った乳首を摘んだ。
「くうっ……!!」
食い縛った愛佳の歯から声が漏れる。
ずっと望んでいた事がいきなり襲ってきた。母乳が出るなら飛沫いているところだろう。
四つん這いでコリコリと乳首を刺激されると乳牛の気分になる。
ひどく熱い。
体中の汗腺から汗が吹き出ては垂れ落ちていく。
「んん、ん……!あはっ、うんん!!」
声を殺しきれずに唇を開いて喘いでしまう。
それがよほど色っぽかったのだろうか。
「くそ、もう我慢できねぇ!!」
少年の一人が叫び、ソファに飛び乗る。
そして愛佳をむりやり膝立ちの格好にさせると、おもむろに口に逸物を捻じ込んだ。
「もぉおう!?」
愛佳は突然口に滑り込んだ異物に慌てふためく。ひどい臭さが鼻腔を抜ける。
「しっかり舐めてくれよ、刑事さんよ!!」
男は愛佳の頭を鷲掴みにして腰を突き出した。
苦悶する愛佳は手で押しのけたかったが、腕は背後で掴まれている。
舌で押し出すのも無理そうだ。
もう少年を満足させるしかない、愛佳は覚悟を決めて亀頭に舌を絡ませた。
愛佳とて元はただの女学生だ、恋人のために技を覚えたりもした。
「うお、すげぇ気持ちいい!!なんだ上手ぇじゃんかよ!」
愛佳が舌を遣い始めると、男は腰を突き出したまま歓喜を表す。
口をすぼめてカリ首を吸い、歯茎で裏筋を扱き……頭を激しく前後させられながら色々とやる。
するとたちまちに少年の逸物は極まり、口内の中ほどでどくどくと精を放った。
若い少年の濃い精液は異常なほど生臭い。
「う、えはっ…!!」
ようやくに逸物を抜かれた愛佳は白濁を吐き出しながら酸素を求める。
息が上がっていたところに今の口辱はかなり堪えた。
しかし少年達は休ませない。
「おいずるいぞ、次は俺だ!!」
すぐに別の少年が愛佳の顎を掴み、またも臭い逸物を捻じ込む。
「ま、まって、うぶっ……!!」
愛佳は急に捻じ込まれ、先ほどの精液がまだ口内でねちゃつくまま奉仕を強要される。
こちらがどくどくと大量に注ぎ込めば、すぐに次。
放たれた精が次の突き込みで喉奥に入る。
「ゃはっ……あ、かはっ……!!!」
愛佳は口からどろどろと精液を零しながら、次々に精液を飲まされた。
その間も膝立ちになった愛佳の身体は散々に弄られる。
乳房と乳首を同時に揉まれ、膣と肛門のどちらにも指が入り込む。
後ろ手に腕を引かれるため倒れる事もできず、愛佳はパニックに陥りながらただ舌を使った。
※
「いい格好ねぇ、刑事さん」
男達が愛佳の口を堪能した後、マキは愛佳を見下ろして言った。
愛佳は雀卓横の革張りの椅子に腰掛けている。
惨めな姿だった。
目隠しをされた顔の鼻先には白濁がかかり、唇からも半透明の精が零れる。
両手首は背もたれの後ろで結ばれ、長い脚は大股に開いたまま肘掛けに結わえつけられている。
それゆえ愛佳は大きく股を開いたまま身を捩る事もできない。
その格好は尋問を受ける捕虜のようだ。
いや、事実今の彼女は似たようなものかもしれない。
マキは愛佳の股座に視線を落とす。
愛佳の秘部はだらしなく開き、愛液を溢れさせて物欲しそうにひくついている。
そこに指を差し入れると愛佳は小さくうめいた。
「すごい、トロットロになっちゃってる。気持ちよかったんだ?」
マキが問うが、愛佳は精悍な顔を崩さない。
もっとも、その顔もすでに白濁で穢されているのだが。
「ふーん、こんなになっててもまだ頑張るんだ。……じゃ、仕方ないか」
マキはそう言って鞄から何かを取り出した。
「…何だそれ?電マ?」
「そんなところ。スライヴっていう超強力な奴だよ。ほら」
マキがそのスライヴの電源を入れ、男の肩に当てる。
激しいモーター音と共に男の肩が跳ね上がった。
「うお、やべえこれ!!凄いな」
「でしょ?……これを刑事さんの“クリトリス”に当ててあげる」
マキの言葉に愛佳の顔が険しくなった。
「大丈夫だよ、イクまでやらないから。絶対に、ね」
マキは笑いながら再びスライヴの電源を入れ、愛佳の陰核に押し当てる。
愛佳の腰がびくんと跳ねた。
「んんんんん……!!!ふんんんんんっっ!!!!」
部屋にはモーター音と愛佳の生々しいうめきが延々と響いていた。
同時にむわっとする匂いが充満してもいる。
愛佳から漂う汗と愛液の匂いだ。
愛佳は体中を汗でてからせ、陰核下の割れ目から愛液を溢れさせていた。
革張りの椅子から零れた愛液がフローリングに水溜りを作る。
それでも秘部が直接刺激される事はない。
「うんん……!!」
愛佳が唇を噛みながら太腿を震えさせた。
その震えが小刻みになったとき、マキは急にスライヴを陰核から離す。
「ふうっ!」
愛佳が口惜しそうな声を漏らし、大きく息を吐いた。
「イキそうになったんでしょ?ダメだからね」
マキは笑いながら愛佳の震えが収まるのを待ち、再び陰核にスライブを当てる。
「くう、んんんっ……!!」
愛佳はまた生々しいうめきを上げ始めた。
それをしばし眺めながら、マキは傍の男にある指示を出す。
愛佳の目隠しを取れと言ったらしい。
男がすばやく目隠しを取ると、覗き込んでいた一堂に笑いが起きた。
愛佳がはっとした表情になる。
「あっはははは!!いま完っ全に白目剥いてたよね、刑事さん!
気持ちよくって頭蕩けちゃってたんだ?」
マキは笑いながらスライヴを外した。その言葉に愛佳が睨み返す。
普段なら暴力団員さえ及び腰になる眼光。
だがマキはまるで臆さない。
「あー怖い怖い。人の部屋に汗とマンコの匂い充満させといて、どうして睨めるんだろ。
ちょっと前にあたしの口が臭いとか言ってたけど、今のあんたの万倍マシでしょ。
クリトリスもビンビンにしちゃって、当てやすいわ」
意地悪く罵りながら再び陰核にスライヴを押し付ける。
「……絶対ラクにさせてやんないからね」
冷たく耳元で宣言され、愛佳はマキを睨んだまま眉を顰めた。
「素直になんなよ。イカせて下さい、って一言お願いするだけでいいんだから」
マキが愛佳の脇に立って言う。
スライヴを使いすぎて手が痺れたため、別の少年に交替したのだ。
ただし寸止めのタイミングを計るのはやはり彼女だ。
女ゆえに女の達するタイミングがわかるらしい。
「離して」
マキの一声で陰核からさっとスライブが離される。
「うぐうううぅっ……!!」
愛佳が低く唸った直後、ひくつく秘唇から黄金色の液が噴き出した。
液は放物線を描いて床に飛び散っていく。
「おいおい、ションベンかよ!」
「うひ、まさかあの宮北愛佳が大股開いて小便漏らすのを拝めるとはなぁ」
「人ン家でやってくれるぜ。権力の犬つーか、もう只の駄犬だな」
少年達が面白そうに囃し立てた。
もう何度、いや何十度の寸止めが続いただろう。
後ろ手に縛られ、品もなく開脚した身体は達し損ねるたびに椅子を軋ませる。
頬は赤らみ、髪は汗で貼りつき、口からは涎が垂れ落ちる。
クリトリスと乳首などはもう最初の状態を思い起こせないほどに痛々しく屹立している。
そんな状態でも愛佳はなお毅然としていた。
腹筋を引き締めて胸を張り、豊かな乳房を堂々と衆目に晒す。
瞳は前のみを睨み据える。
イキたいなどとは決して口にしない。それが少年達に屈する事を意味するからだ。
愛佳は耐え続けた。
だがどんな人間にも限界はある。
そしてそれが近いことを、同じ女であるマキは見抜いていた。
「おしっこ漏らしちゃったんだ。恥ずかしいね」
マキは尿の絡む愛佳の陰毛を優しく掻き分け、細い指を割れ目に滑り込ませた。
第二関節までを入れて臍側に少し曲げたようだ。
愛佳の目が見開いた。
「うわぁ可哀想、Gスポットがこんなに腫れ上がっちゃってる。
ずうっと放置されててつらかっただろうね、ちょっと撫でてあげるね。
ほら、指のお腹で、ゆっくり、ゆっくりさすって……。
激しいのは痛いだけだもんね、こういうのが一番すごいよね」
マキが割れ目の中で指を蠢かす。
すると突如愛佳の腰がびくんっ、と跳ねた。
「あははっ、なぁに今の?気持ちよかったの?」
マキは気をよくしてさらに続ける。
「んぐううう!!ふんんんっ……う!!!!」
愛佳は低い唸りをあげ、腰を艶かしくうねらせた。
「きんもちよさそー。こんなやらしい腰使い見たの初めてだよ」
マキは揺れる愛佳の視線を待ち構え、より丹念に指で嬲りまわした。
くちくちくちくち、微かな水音が漏れる。
「ぃ、ぃくっ……」
愛佳が小さく叫んだ。その瞬間にマキの指が止まる。
愛佳の震える瞳がマキを見た。
マキは悪魔のような笑みで訴え返す。
愛佳の目に見えない震えが収まった頃、再び指での嬲りが始まる。
それが何度も繰り返された。
愛佳は目に見えて追い詰められていった。
何度もマキに瞳で訴えかけ、拒まれ、訴えかけ、
ついには目尻から涙を零し始めた。
愛佳は耐えて、耐えて、耐え続けた。
しかし、そう、どんな人間にも限界はあるのだ。
服を脱がされてから4時間、嬲られ始めてから3時間余り。
ついに宮北愛佳は力なく呟いた。
「…………も、もうダメ……。もう、やめて………… 」
マキが面白そうに目を見開く。
「何をやめるの?」
「焦らすのはもうやめてっ!お願い、い……イカせてっ……!」
「イカせて下さい、でしょ?」
マキは少年からスライヴを取り、マキの秘唇に押し当てた。
「ッぐうぅう!!!い、いいイカせて下さい、イカせてくださいいっ!!!」
愛佳は椅子が壊れそうになるほど暴れ回る。
マキは満足げに笑い、スライヴを止めて愛佳の割れ目に指を差し込んだ。
奥まで差し込んで弄くる仕草をする。
触れるのはGスポットではない。その更に奥、子宮口だ。
「うん、ぷっくり膨らんでる。じゃあお待たせ。
死ぬほどイキまくってね」
マキは愛佳の縄を解き、足腰の立たない愛佳をソファに投げ飛ばす。
「っしゃあ、ようやくヤれるぜっ!!」
愛佳がソファに倒れ込んだ瞬間、先走り塗れの少年達が一斉に襲い掛かった。
まず愛佳を抱き上げたのは赤髪だ。
乱暴に股を開かせ、反り返った逸物を一気にねじ入れる。
その瞬間だ。
「…っ!?いやぁ、ふ、深いいぃっ!!!」
愛佳が絶叫した。蕩けていた目は見開き、足先がぴんと張っている。
赤髪の方も唖然とした様子で声を絞り出した。
「すっ、すげぇ、奥の窪みが痙攣して、裏筋を押し上げてきやがる!」
興奮した様子で腰を密着させぐりぐりと抉りまわす。
愛佳の表情がさらに激変した。
「あひっ、い、イグううううぅっ!!!!」
そう叫んで天を仰ぐ。腰はガクガクと震えている。
「へぇ…。“ポルチオが目覚めたら、強めに押し込むだけで何度も逝く”
って噂は聞いてたけど、本当だったのね」
マキは秘部を弄りながら呟いた。
これから慰み者となる愛佳を見て愉悦に浸るつもりだろう。
「何だ、もうイッちまったのかよ。いやらしくヒクヒク締め付けやがって、よ!!」
赤髪は笑いながら腰を引き、また根元まで強く打ち付けた。
ぶちゅうっと水の潰れる音がする。
「んおおぉっ!?やっ、やめてっ、またいっちゃう、うあぁあああああ゛ッ!!!!」
パンパンと赤髪が腰を使うと愛佳は更に大声で叫びだした。
首に筋を立て、赤髪の上半身を押しやるようにして悶える。
「うおおすげぇ、締まるッ……!!」
赤髪は気持ち良さそうに叫び、さらに数度腰を打ち付けてからどくどくと精を注ぎ込んだ。
「うくっ……、あううっ……!!」
愛佳はそれを膣奥で受け止めながらまた背筋を震え上がらせる。
「どけ、次は俺だ!!」
赤髪が逸物を抜いた瞬間、色黒の少年が愛佳を押し倒す。
ソファに肘を突かせて突き出た尻を叩く。
「おら、下げろ!」
脚長の愛佳とバックでするには膝を曲げさせる必要があった。
「や、やめてぇっ、今イッたばかりなの、お願いやめてっ!!」
愛佳は懇願するが、色黒少年は無理矢理膝をつかせて背後から突き入れる。
「くぁあああうおっ!!」
愛佳はまた普段からは考えられない声を上げる。
「おう、やっぱバックだと上手く嵌るぜ。カリが締めつけられてたまんねぇ!」
色黒少年はやはり歓喜して激しく腰を使う。
ゴッゴッゴッゴッ、と白と黒の腰がぶつかり合う。
「あっ当たる、ああ当たるううっ!!いやあイグっ、イグイグイグううぅぅっっ!!!
もうやめてぇ、もうやめてえええええええええええ!!!!!!!!」
愛佳は叫び続けた。
何度も絶頂を迎えているらしく喘ぎが酷い。
呼吸もままならないのだろう。汗と涙と鼻水と涎で、美貌が刻一刻と崩れていく。
「うへ、すげぇ顔になってるぜ愛佳ちゃん」
少年達がソファの背もたれ側から覗き込むが、もはや愛佳に余裕は無い。
「いぐいぐいぐいぐ、ああイグ、イグっ、またいぐううううっ!!!!」
歯を食い縛り下唇を震えさせて声を絞り出す。
眉の垂れ下がったその顔は、もう鬼の宮北愛佳ではない。
「もおやめてええっっ!もうイキすぎてるがらあっっ!!」
愛佳は背を仰け反らせながら叫んだ。
「おぉもうやめてやらぁ、奥に射精してな!!!」
色黒少年は愛佳の腰を強く抱えながらゴリゴリと奥を抉り、最奥で腰を止める。
「ぐうっ!!」
色黒が唸りを上げた。
腰の震えから射精しているのがわかる。それが恐ろしく長い。
「あ、あ……!!!」
愛佳は口を大きく開いたまま射精を受けとめた。
ソファに突いた太腿が筋張っているのが、ひどく生々しかった。
ぎゅぷっという音で半立ちの怒張が引き抜かれると、床にぼどぼどと精液が零れる。
「はぁっ……はぁ、はひっ……ああ、う、ひいっ………!!」
愛佳はおかしな呼吸音のままソファに顔を埋めた。
だが逸物をはち切れさせんばかりの少年はまだまだいる。
入墨をいれた腕の太い少年が愛佳の脚を抱え上げ、上下に開いた脚の間に逸物を叩き込む。
「うぐっ!ま、また……!!だめっ、さっきからずっとイキっぱなしで、息が、…っきな………!!!」
愛佳は瞳をこれ以上ないほどに見開いて抗議する。
だが入墨少年は、ただ己の快楽の為だけに無心に腰をたたきつけた。
「……ふぐうっ、う、ふぐっ、ッ!!うはおおおぉぉっっ!!!!!!」
愛佳は狂ったように叫び出す。
持ち上げられた右脚を痙攣させ、右手でソファを掻き毟ってボタンを引き千切る。
「すげぇな、あれ……もう全身が性感帯になってんじゃねえか」
射精して人心地ついた少年がマキに囁く。
目線の先には獣のように犯される愛佳がいた。
冷静になって眺めれば恐ろしい光景だ。
少年の言うとおり、愛佳は男に群がられて体中を触られながら悶える。
どこを触っても10秒以内に逝っているようだ。
例えば腕を掴むだけ、髪の毛、顔、足、尻……下腹をトントンと叩かれるだけでも。
秘部を貫かれると発狂したかのように体中がバウンドする。
無論、常に達しており、潮もいつ噴いたか分からないほどだ。
「全身性感帯……まさにその通りだよ?
クリトリスやGスポットの快感は局所的だけど、ポルチオの快感は体中に巡るの。
何せ子宮を揺さぶってるようなものだもん。
だからこそポルチオは最大の性感帯なの。
ちなみに快感はすごく深くて、あの全身性感帯の状態が一時間近くも続くらしいよ」
マキは愛佳を眺めながら至福の自慰に浸る。
その目はどこか羨ましげでもあった。
※
すっかり日も落ちた頃、ようやく少年全てが満足げな息を吐いた。
この日を心待ちにして溜めていたのか、宮北愛佳を犯せる事に興奮したのか、
全員が少なくとも4順はしていた。
愛佳は見るも無残な姿になっている。
身体は白濁に塗れ、秘唇は肉厚に腫れ上がり、顔は人形のように動かない。
「あっちゃあ、汚いなぁ」
部屋で唯一動けるマキが愛佳を見下ろした。
その秘部からは長いペニスバンドが突き出ている。
最後のとどめで犯してやろうというのだ。
マキは愛佳の脚をとり、屈曲位でペニスバンドを押し込んだ。
開ききった割れ目には手を添える必要もなくずるりと入ってしまう。
「う………」
愛佳が枯れた声でうめいた。
さすがにもうポルチオ性感は残っていまい。
マキはそう思いながらペニスバンドを押し進めていく。
半ばほどで子宮口に達するが、子宮口はやはりもう解れていた。
「あー、もうブヨブヨ。こりこりしたのが体験したかったのになぁ」
マキが残念そうに言い、子宮口の下方にペニスバンドを押し付けた時だ。
柔らかい筋肉へめり込む感触と共に、ペニスバンドの先が更なる深みへと嵌りこんだ。
「くぁうう!?」
その途端、死んだように無反応だった愛佳が再び声を上げた。
少年達が何事かと目を向ける。
「え、すごい……」
マキはその事態をすぐに理解した。
「おいマキ、何やったんだ?」
赤髪がマキの肩を叩く。マキは興奮気味に答えた。
「子宮に入ったんだよ、今。ウテルスセックスってやつ!
すごい、本当にできるんだ……」
愛佳の言葉に赤髪達が息を呑む。
「お、俺にもやらせてくれ」
赤髪が言うとマキがペニスバンドを抜き出した。
赤髪は愛佳の腰を掴んで挿入を開始する。
「こ、今度は……何なの……」
愛佳は憔悴しきった表情で結合部を見つめた。
再び硬さを取り戻した逸物がゆっくりと肉襞を掻き分けていく。
かすかに弾力を残す子宮口に当たり、赤髪は腰に力を込めた。
すると子宮口に当たった亀頭がにゅるんと奥に滑りこむ。
「うお、マジだ……入っちまった。」
赤髪が驚きの表情を見せた。愛佳も同じくだ。
「い、いやぁっ!!こ、これ何!?どこに入ってるの、いやよっ!!!」
錯乱して腰を揺らす。
「だから、お前の子宮ン中だよ。
ああすげぇ、オマンコどころか、あの宮北愛佳の子袋かよ。
おまえここで子供産むのか、なんか感慨深ぇな」
赤髪は一番の奥で挿入を止め、ゆっくりグリグリと亀頭を擦りつけた。
「ぐ、うくうううっ……!!」
愛佳はまたしても顔を歪めた。
もう場に居る者全てが知っている、それは快感を堪える時の表情だ。
しばらく亀頭を擦り付けているうち、不意に赤髪が声を上げた。
「うおっ!……へっ愛佳てめぇ、この淫乱女め。
膣の奥がうねるみてぇに締め付けだしたじゃねぇか、あ?」
赤髪がなじると、愛佳は首を振って否定する。
「違う、違うの!!これ私が締め付けてるんじゃない、
勝手にお腹の奥が動いちゃうの!!こんなのおかしいわ!!!
あああっ、いく、逝きたくないのに、あう、かってにイッちゃううっ!!」」
自分でもどうなっているのか分からないらしい。
ただ快感だけは凄まじいらしく、背を仰け反らせながらまた何度も達していた。
「ふふ、それが中逝きよ、刑事さん。
自分が気持ちよくなろうって締め付けるのとは違う、勝手に筋肉が動いてくの。
おめでとう。それを覚えこまされたらもう、二度と普通には戻れないよ」
マキが淡々と解説する。
それをバックに赤髪が腰を引き、突き込みを開始する。
「うぅ、すげえ、亀頭が輪ゴムの束で扱かれてるみてぇだ!
ポルチオの挟み込まれるみてぇなのも良かったけど、こりゃ段違いだぜ!!」
そう歓喜しながらずんずんと腰を遣う。
愛佳の方はたまったものではない。
先ほどまで突かれるだけで達していた子宮口を、菊輪のようにカリ首で刺激されるのだ。
「っいくいくいぐ、ああっ、またいぐうっ!!ああっ、くおあぁあああ゛ーーーっ!!!」
白目を剥き、泡さえ噴き、愛佳の思考は快感に塗りつぶされていく。
愛佳はただ目の前の灼熱の棒を有した逞しい身体にすがりつき、その背中に長い足を回した。
まるで恋人のごとくだ。
「いくぞ、いくぞ、射精すぞ!!」
赤髪が抽迭の果てに子宮奥で精を放つ。
あれほど出したというのにまだ残っていたのかという量が流れ込む。
「へへ、子宮の奥の奥でこんなに射精してんだ。こりゃあ孕んだなぁ、愛佳」
赤髪が愛佳の耳元で囁くが、もはや愛佳には聞こえていないだろう。
「おい、いい加減に離せよ。そんなに俺の子種が惜しいのか?」
「ああ……ああ、ああそこいいっ、ああうっ……!!!」
赤髪が茶化しても絶頂を迎えている愛佳は背中の足を解かない。
仕方なく数人の力尽くで引き剥がす。
赤髪がずるりと逸物を引きずり出すと、亀頭部分に細かな白い粒が付着していた。
「ん、なんだこれ?」
「あーらら、子宮のカスだね。恥垢ってやつ。まぁ子宮の中なんて洗えないしね」
マキの解説に正気を取り戻した愛佳が俯く。
だがその醜悪な事実は、かえって他の少年達の性欲を煽ったらしい。
「へへ、清く正しい愛佳刑事の子袋はそんなカスで汚れまくってるわけか。
なら、俺達のモノでしっかりと掃除してやんねぇとな」
「ああ、汚ねぇ仕事はお任せあれだ!」
次々逸物を反り立てて迫る少年に、愛佳は目を見開く。
巨漢の少年が愛佳を押し倒し、太い剛直を深々と挿し入れた。
「い、いやあ、ここんなの続けられたら、もう私……ぐ、おぐっ!?
お、おっき……うく、あぁ、っう、ふぁああああああぁーーーーーーーーっっ!!!!」
薄暗い部屋に絶叫が響き渡る。
かつての愛佳を知る物には聞くに堪えないその叫びは、
しかし彼女が人生で発したどんな言葉より雄弁だった。
END
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ツイッターの診断メーカーで一作こさえてみました
きんぐ・おぶ・ふぁいったー
http://shindanmaker.com/12269
暇潰しにどうぞ。
改めて思うけどKOFってキャラ多いね。
13にはあんまり出ないみたいですけど。
まぁ、ユリとリョウとタクマとテリーさえ出ててくれれば文句はない。
贅沢言うならブルー・マリーも見たかったけど(´・ω・`)
きんぐ・おぶ・ふぁいったー
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暇潰しにどうぞ。
改めて思うけどKOFってキャラ多いね。
13にはあんまり出ないみたいですけど。
まぁ、ユリとリョウとタクマとテリーさえ出ててくれれば文句はない。
贅沢言うならブルー・マリーも見たかったけど(´・ω・`)
ラブホテルの照明というやつはよく出来ている。
その黄金色の光にかかれば男の肌さえ妖艶に映るからだ。
しかし俺の前に横たわる女は、そんな小細工など必要ない。いい肌だ。
さて、こいつは何者か。
160cm51kg、スタイルを見ればグラビアアイドルとも思えるだろう。
だが腹を触れば異常なほど鍛えられている事がわかる。
吸い付くような手触り、これはそこらの女と同じ。
だが1度押すと驚く。まるで生ゴムのような弾力性だ。
体重を込めて肩で押し込むと、逆に上半身が跳ね返ってしまう。
「うっ!……はッ…は、モヤシくぅん、いいよそれ」
女が喘いだ。
モヤシくんとは俺の呼び名だ。嫌味っぽく聞こえるが愛称だと信じたい。
俺をモヤシ呼ばわりするこの女は芦屋恭子(あしやきょうこ)という。
女子キックボクシングの元フライ級日本王者だ。
8連続防衛という化け物じみた記録を持ち、誰も挑戦しなくなったので最近階級を上げた。
つまり今はスーパーフライ級になる。
もっとも彼女のキック力は男を2発で泣かすレベルなので、1階級上げても変わりがない。
むしろ相手に勝つより、体重が階級の下限リミットを割らないよう苦心するらしい。
男なら暴食して膨らませれば済むが、あいにく恭子は見目がいい。
客の大半は恭子のスレンダーな肢体を見に来ているので、下手に体重を増やせないのだ。
今の女子キックの興行を支えているのがまさに恭子と言っても過言ではなく、
スタイルが崩れでもしたら協会からお叱りを受けるのだとか。
考えてみてくれ、そんな相手からセックスしろと強いられる男の気分を。
しかもただのセックスじゃない、“腹を殴りながら”の結合だ。
そう、この恭子は腹を殴られて火照る変態なんだ。
……そうしたのは他ならぬ俺なんだが。
「モヤシくん、早く続き……してよ」
恭子が蕩けた目で催促してくる。
しばらくぶりのセックスだからか、ひどく張り切っている様子だ。
俺は再び恭子の腹に触れた。
前にやった時は本当に岩のようだったが、今はうっすらと脂肪がついている。
今が試合のないオフシーズンだからだ。
この時期は練習を押さえ目にしてフィジカル中心で鍛える。
ケーキや肉も食い放題で、恭子にとって最も幸せな期間だろう。
殴る方としてもこの状態の腹が一番楽しい。
俺は汗にてかる恭子の下腹を円を描くように撫でた。
凹凸が心地良い。つくづく見事な腹だと思う。
腰から尻にかけてのラインは女性的だ。
ただし普通の女性とはやや違い、よく練りこまれた、という細さだ。
側筋が綺麗に浮かび上がっている。
よく見れば薄らと6つに割れてもいるが、逞しいというよりセクシーだ。
涼やかな顔やすらりとした太腿がそう思わせるのかもしれない。
俺はその美しい腹にやおら鉄槌を振り下ろした。
「むぐっ!」
恭子が呻き、ベッドが軋む。俺は腕を引き絞ってさらに左右の連打を叩き込む。
恭子は息を詰まらせながら俺の目を見つめていた。
頬を真っ赤にし、口端が上がっている。なんともあどけない微笑だ。
「ふん、何だよその顔。変態め」
俺もつられて笑いながら殴り続けた。
「う゛、ぐふぶっ!んぐうっ、ぐむ゛っ!!」
恭子は弾むベッドに身を預け、されるがままになっていた。
殴るたび白い脚がぴくんと跳ねる。
次第に開いていく脚の間からは蕩けた秘部が覗いていた。
汗の匂い、女の匂い、健康的な肌。
それらの情報で俺の逸物は痛いほどに屹立していく。
俺は恭子の腿の間に腰掛けて腹を殴り続けた。
尻にむちむちした腿が擦れて気持ちいい。
「あが、うぐ、お…うっぐ!!!」
恭子が強く目を瞑った。
秘部に目をやるとシーツにまで愛液が伝っている。だらしない事だ。
だがその開いた割れ目の前では、俺の逸物も同様に先走りを零していた。
もうお互いの興奮も限界らしい。
「恭子、挿れるぞ?」
聞くと、恭子は目を開いて頷いた。
情熱的な恭子は中出しを好む。
だから俺達のセックスはいつもピルを飲んでの生性交だ。
腰を進めると、もう互いに愛液塗れ、ぬるりという感触で滑り込んでしまう。
「あ、入って、くるっ……。」
恭子が小さく呟いた。
膣内は熱く相当にきつい。そこへ奥まで無理に捻じ込む。
恭子が腰をうねらせた。
それがあんまり可愛くて、腹にフック気味の一発を見舞ってやる。
「うぉぐっ!!」
恭子が身を捩って叫んだ。同時に俺の逸物に痺れが走る。
足腰を鍛えた女性は締め付けが強い。
恭子は特に強烈で、挿入したまま腹を叩くと肉を食い千切りそうな圧力になる。
例えるなら、自分の逸物を両手で、全力で握りしめるようなものだ。
俺も初めは余りの痛さに叫びながら腰を引き、抜き去る途中で射精するという無様を晒した。
だが慣れというものは恐ろしい。
今や恭子のその締めでないと射精に至らないようになりつつある。
俺は逸物を根元まで沈めたまま、恭子の腹を殴り続けた。
恭子はそのたび嬌声を上げて締め付ける。
ぐっちゃぐっちゃぐっちゃ、ばちっばちん、ばちん。
水音と激しく肉のぶつかる音が何重にもなって響く。
「あん、あう、うう、ぐうっ、くあう!!」
恭子がそのたびに良い声を上げる。
俺はその声に昂ぶり、ある時ついに背がぞくりとする射精感を覚えた。
最後だ。
俺は腰を入れて最後に強烈な裏拳を叩き込む。
すると恭子の中が逸物へ噛み付くように締まり、うねり、ふうっと緩まった。
その弛緩に許されて逸物から熱い迸りが流れ出す。
子宮口の辺りが痙攣しているようだ。恭子も達したのだろうか。
迸りはどくどくと恭子の膣奥に流れていく。
俺はいつもその射精のさなか、汗にまみれた恭子の身体を抱き締め、
ああ今この身体を孕ませてるんだな、なんて妄想をしてしまう。
雄としてこれほど誇らしい瞬間は他にない。
結合を終えた後、回復が早いのはいつも俺だ。
逸物を抜き去って冷蔵庫へ向かい、恭子の分のコーラも出してやる。
恭子は横向けになって腹部を撫で回していた。余韻に浸っているのだろう。
自分では解っていないだろうが凄い姿だ。
顔は熱があるように赤く、乳首はしこり立ち、腹筋は痙攣し、秘部から愛液が溢れ出し。
持ってきたコーラをちょいと腹に当てると、びくんと跳ねる。
「ば、馬っ鹿!冷たいよ」
恭子は今さら恥らいながらコーラを受け取った。
俺はコーラを飲む恭子を眺めつつ、鞄から二枚のチケットを取り出す。
格闘マニアの女子高生が活躍するという新作映画だ。
恭子はこの手のアクション物が好きだった。
「おお、『旋風少女』かよ!?観る観る!!」
チケットを見せると案の定の好感触だ。
「来週、練習が終わったら観に行こうぜ。ジムまで迎えに行く」
俺はにやけるのを我慢して言う。
「おうっ!」
恭子は勢いよく頷いた。
※
翌週の水曜、俺は数ヶ月ぶりにジムの前に立っていた。
大学入学を期にやめはしたものの、高校時代は随分と世話になったものだ。
恭子と出会ったのもここだった。
ただそんな大切な場所に、俺はある理由で中々近寄れずにいた。
午後3時、そろそろ恭子と約束した時間だ。
そろりとジムの戸を開ける。
途端に縄跳びの音、サンドバッグの軋む音が響いてくる。
ジムに恭子の姿はなく、代わりにすぐ近くの椅子に会長が座っていた。
前より髪の毛が薄くなったかもしれない。
「……会長、ご無沙汰してます」
俺はそっと会長の元へよって耳打ちした。
すると会長が振り向き、目を見開く。 マズい。
「うおお哲、哲じゃあねえか!!てめぇ久しぶりだな、達者でやってたかよ!?」
会長は椅子から立ち上がるなり大声を張り上げた。
ジム中の視線が俺に集まる。
すると髪を赤や金に染めたいかにも族な女達がたちまち俺を取り囲んだ。
彼女らは俺を凝視して息を吸い込む。
「………お久しぶりィーーっす、哲哉先輩ッッッ!!!!」
ジムを震わせるような大声が響き渡った。
俺は思わず竦んでしまう。
俺がジムに寄りたがらない理由はこれだ。
ジムのボスである恭子と付き合っているせいで、俺までこんな恐ろしい奴らに慕われている。
「おい、モテモテだなぁ哲!」
会長が丸太のような腕で背中を叩いてくる。冗談じゃなく背骨が折れそうだ。
俺は苦笑いしながらジムをうろつく。
リング近くに山口先輩がいる。ラガーマンのような体格だ。
昔はその見た目が苦手で避けていたが、話してみると案外温厚な人だった。
クルーザー級のキックボクサーで、実力は日本王者の恭子に次ぐ。
まぁそれゆえいつもスパーリングでボコボコにされている可哀想な人でもある。
「山口さん、お久しぶりっす」
近寄ってみるとやっぱり怪我をしている。
「お、哲っちゃんか。久しぶりじゃのぉ」
先輩は足にテーピングを受けながら俺に視線を向けた。
「あいつ、相変わらず容赦ないですね……」
俺は何故か申し訳ない気分で頭を下げた。
しかし先輩は笑う。
「いや、今日は随分とご機嫌じゃ。これもはしゃぎ過ぎての一発だしの。
何かえぇ事でもあるんじゃろうか?」
山口さんは全てを知っている笑みで俺に問いかけた。
俺が頭を掻いていると、更衣室の戸が開いて噂の恭子が姿を現す。
ジムの誰もが恭子の格好に息を呑んだ。
まず引き締まった腹筋が目に飛び込んでくる。
ヘソ出しルックというやつだ。
上は腹部を覆わないピンクシャツ、形状からサラシのようにも見える。
そのピンクシャツに半袖の黒ベストを重ね、
下は太腿に密着するこれまた黒のホットパンツ。
ベストとパンツの黒が白肌を強調し、ピンクのシャツが清楚な愛らしさを増す。
計算されたファッションだ。だが最も恐ろしいのはそこではない。
サラシ状のシャツから谷間を見せる豊かな胸、ホットパンツの裾から零れるむちりとした太腿、
そして中央に晒された側筋の浮かぶ腹。
それはもう単なるファッションではない。鍛え上げた身をアトリエにした肉体賛美だ。
似せるだけなら他の女性でも可能だろう。
だが滲み出る凄みまで再現するのはどんなアイドル、どんなモデルとて不可能だ。
そのオーラは日々を闘いに捧げる格闘家にのみ纏えるもの、
その美しさは神の気紛れと気の遠くなる鍛錬の末に奇跡的に生みだされたもの。
俺の知る限り、その格好ができる女性は恭子しかいない。
「カッコいい……」
「さ、最高っす恭子サン!!」
族の女達が黄色い声を上げる。
「ええのぅ、あんなのを連れ歩けるんじゃからの」
山口さんも俺を小突いた。
恭子はそれらに目をやりながら、ゆっくりと俺に近づいてくる。
思わず脇によけ花道に混ざりかけた俺を、一体誰が責められよう。
「悪ぃ、待たせたな」
恭子はまっすぐに俺を見上げて笑う。
髪の毛から果実的なシャンプーの匂いが立ち上ってくる。
俺は夢ではないかと疑った。未だに、だ。
「まだ3時だぞ、本当に練習はもういいのか?」
俺が問うと、横から会長が答えた。
「おう、最近は水曜を休養日にさせてんだ。軽く練習して、後は夜に走るぐらいだな」
さらりと言う。
だがその『走る』のだって、俺が5人いても達成できないキツさだ。
ランニングに付き合った時を思い出すと今すぐ吐ける。
この160cmしかない華奢な女は普段、そんな次元の違う世界に生きている。
だが今だけ、今日だけは、芦屋恭子は俺の彼女だ。
俺達は通り中の注目を集めているといっても過言ではなかった。
すれ違う奴が皆振り返って二度見していく。
確かに恭子は健康的な美人だし、痩せっぽちの俺とは釣り合わない。
だがそれだけで皆が振り向いたりはしないだろう。
最大の理由は恐らくオーラの違いだ。
恭子は何かを極めた人間特有の「強者のオーラ」に満ち溢れている。
逆に痩せっぽちの俺からは明らかな「弱者のオーラ」が溢れている。
トラとウサギが仲睦まじく歩いているようなものだ。
それは当然注目を浴びる。
そして恭子はドSだ、遠慮なく腕を組んできやがる。
そうなれば男の嫉妬心が俺へ向かうのに。
今も前から歩いてきた柄の悪いガキが、すれ違う瞬間に俺の耳元で囁いた。
「調子乗ってんじゃねぇぞ、モヤシ。」
俺は黙って視線を逸らす。
ああいう手合いと一々絡んでいては命が足りない。
「ビビってんじゃねぇぞ、モヤシ。」
隣で恭子が可笑しそうに真似をする。
思わず殴りかけるがやめた。
人前で女を殴るのに躊躇った…んじゃない。どうせ当りっこないからだ。
「怒った?」
恭子が顔を覗き込んできた。
「……腹が減った」
俺は少し意地悪い言い方をする。罰として奢れ、という意味だ。
恭子はくすりと笑った。
「おっちゃん、味噌ラーメン2つ、モヤシ大盛りでお願い!」
恭子はいつも通りのさばさばした口調で言った。
屋台のオヤジは見た目清楚そうな恭子の来店に驚きを隠せない。
「…嫌味か?」
モヤシ君こと俺は椅子に掛けながら問う。
恭子はまたニヤけた。今日は本当にずいぶん機嫌が良い。
「何で?私大好きなんだよ、モヤシ。」
告白とも取れる言葉で俺を惑わす。
「はいはい。モヤシが、ね」
俺は慌てない。慌てないが、脳内で良い様に解釈してほくそ笑む。
心なしかオヤジまで笑顔だ。
バカップル扱いは嫌いだが、俺達はこの時、確かに幸せの最中にいた。
※
屋台を出てしばらくした時だ。
大通りへ出ようと脇道に入った途端、突然何人かに囲まれた。
「よう似合わねぇお二人さん、デートか?」
そう喧嘩を売る男はドレッドヘアの黒人だ。
2メートルはあるだろうか、威圧感が凄まじい。
「何よ、あんたら……」
恭子は静かに黒人を睨みつける。珍しく余裕のない眼差しだ。
黒人の後ろにはバットを持ったレディースがおり、
俺の後ろに雰囲気のおかしい長髪男、恭子の傍にガムを噛む女子高生がいる。
「そう冷たくすんなよ。時に姉ちゃん、随分いい女だな。
そこの坊主とは今日んとこサヨナラして、皆で楽しもうや」
そう肩に手をかけられた瞬間、恭子は動いた。
シパンッ、パン!
ローで黒人の膝を崩し、下がった顎を打ち抜く。
黒人は声もなく倒れた。
さらに恭子は素早く振り向いてガムを噛む少女の腕を押さえ、腹に一撃を見舞う。
「うごぇあっ!!?」
少女は目を剥いてその場に崩れ落ちる。
「っ!?…おいチャン、こいつ格闘技やってんぞ!」
浮き足立ったレディースが長髪に叫ぶ。
流石は恭子だ、と俺が歓喜に震えた瞬間、ふと首筋に冷たい金属が触れた。
ナイフだ。
気付けば長髪の男が俺の背後に張りついていた。
煙草臭い息が鼻をつく。
「お嬢さん、そこまでだ」
長髪の低い声で恭子が振り向き、表情を凍りつかせた。
俺の頭も同じく凍りつく。
男だぞ?女を人質に取られて困るのが男だろ、俺が人質になってどうする!
俺は男の手を振り払おうとした。
だが細腕にも関わらずやたらと力強い。
ぐ、ぐ、と二度抗って失敗する。その直後、顎に鋭い痛みが走った。
「いつっ!」
つい悲鳴が上がる。
ジンジン来るやばい痛みに汗が伝う。
「あ…て、………哲哉あああぁッ!!!」
恭子が俺を見て絶叫した。
珍しいな、そんな呼び方。そんな事を思いながら目線を下げる。
シャツの襟首が赤く染まっていた。
血が流れているのだろう。恭子の顔からすると、かなり派手に。
「脅しと思うな。余計な事をすれば動脈をいく」
長髪は淡々と述べた。
声色からも、雰囲気からも、本当にやってしまう奴だと解る。
俺はそれで心が折れたが、あの恭子さえ力が抜けたように壁へ寄りかかる。
俺のせいだ。俺が不甲斐ないばかりに。
「……どん詰まりまで行くぞ」
長髪が命じると、レディースが黒人と女子高生を起こし、俺達を路地奥へ連れ込んだ。
路地奥はまさに『どん詰まり』という表現が相応しかった。
コンテナや鉄骨が上の見えないほどに積まれ、悪趣味なペイントで彩られている。
下はひび割れたアスファルトだ。
人気の無いここで俺達を囲むのは4人。
ブレザー姿の女子高生と、バットを持ったライダースーツのレディース、
ドレッドヘアの黒人と、俺にナイフを突きつける長髪。
どうやらこの長髪がボスらしい。
俺の傷には一応の手当てがされたが万全とはいえない。
特に心のダメージは深刻だ。
たとえ格闘技を齧っていてもナイフの脅威には勝てない。
むしろナイフには絶対に立ち向かうなと教育されてきたのだ。
だから俺は大人しくする他なく、そのため恭子もされるがままだ。
「姉ちゃん、拳は乱暴だがイイ身体してんなぁ」
ドレッドの黒人が尻を撫でた。
「ほんと、でかいチチも張りがあるわ」
レディースはシャツを捲り、ブラジャーを毟って乳房を露わにする。
恭子はそんなことをされても毅然と前を睨み据える。
3人はそれを可笑しそうに見つめた。
「お尻も胸も凄いけどさ、やっぱ一番はここじゃん?
見せ付けるようなカッコしてるし、自信あるんだろーね」
女子高生がそう言って恭子の腹部を撫でる。
そうやってしばし撫でた後、彼女はおもむろに腹を殴りつけた。
「んうっ!!」
恭子が声を上げる。
「ふわー、硬ぁい。やっぱ只者じゃないねぇお姉さん。
でも実はあたし、空手やってんだ。今度は耐えれるかな?」
女子高生はそう言って距離を取る。恭子も足を開いて踏みしめた。
「エェヤァッ!!」
女子高生は一喝し、踏み出した左脚を軸に身を弾き出して突きを放つ。
堂に入った移動突き。
防御は疎かだが攻撃だけは熱心に練習するタイプだろう。
当然その威力は高い。
「うんんんぅっ……!!!」
恭子は内股になって後退を堪えつつ、顔の筋肉を引き攣らせる。
「あらら、耐えちゃったよ」
女子高生は呆れたように呟いた。そして手をパンと打ち合わせて笑う。
玩具を見つけた子供のように。
「いいねいいね、じゃあドンドン行くよぉっ!」
ブレザーが風を切り、正拳が恭子の腹に叩き込まれる。
右の突きが入った瞬間には引きを利用して左が迫っており、ドドンと連続で突きが入ることになる。
しかも肝臓の寸分違わぬ位置に、もう7回も。
「うげあおッ!」
同箇所に何度も連発はさすがの恭子でもつらい。
恭子は腹部を押さえて後退する。一打ごとに押し込まれ、今度でついに壁を背負った。
「ホラホラ、後がないよ」
女子高生は腹を押さえる恭子の手を除けさせ、へそに左の中指を差し込んだ。
そのままくりくりとほじくり返す。
「ねェ気持ちいい?これ」
女子高生は指を執拗にねじ入れながら問い、恭子が大きく息を吐いた瞬間に右拳を叩き込む。
「おこえぇおっ!!!」
恭子は口を一杯に開いて叫んだ。
へそから丹田を刺激して呼吸を乱され、肺を空っぽにした所への一撃。
これはもう耐えられる道理がない。
「うぅ、あ……」
恭子は壁に背を預けたままずるずると腰を落とす。
両手は腹を押さえ、皺の刻まれた額からは相当な痛みが見て取れた。
「っしゃダウン!ほらほら早く立ちなよ、ワン、トゥー…」
女子高生ははしゃぎながらカウントを取る。
恭子は気丈にも膝を曲げて立ち上がった。
「はい、おかえり!」
同時に構えていた女子高生の突きが肝臓へ叩き込まれる。
「けおぉっお、ぐ!!」
恭子は耐え切れず再び崩れ落ちた。
立とうともがくが、すぐにまた腰を抜かし、バンと床を叩いて受身を取る。
「いつまでも芋虫みたくチンタラしてんじゃねぇよ」
レディースが倒れた恭子の脚を蹴り上げた。
恭子は汗まみれの顔で睨みあげる。
「ふん、ご立派な面構え。こっちもまだまだ終わらせねぇよ?」
レディースが目配せすると、女子高生が恭子の腋を抱えて引き起こした。
恭子はそのまま羽交い絞めで立たされる。
「いい格好だなオイ。これでもう倒れる心配は要らねぇわけだ」
空手家の女子高生に代わり、今度はレディースが構えを取った。
女子高生の突きも酷かったが、レディースの責めもやばい。
恭子は羽交い絞めで動けず、腹筋をする時のように手を後頭に組んで耐えていた。
その腹をレディースが延々フックで殴りつける。
殴り方に容赦はないが、責め方もまたいやらしい。
胸にコンプレックスがあるのかやたらに恭子の乳房を嬲りまわす。
ピンク色の乳首を指先でこりこりと潰し、苦しむ様を見ながら腹を叩きまくる。
豊満な乳房が三角になるのだから、よほどの力で引いているのだろう。
「んん、んん゛!!」
恭子は悲鳴を押し殺しながら必死に耐えていた。
殴られるたび内股の脚が直角に張る。苦しげだがどうにも逃げられずにいる。
試合でも恭子がこれほど苦悶する事はない。
どちっ、どちっとレディースの拳が叩きこまれる音が響く。
「んんぉ、うぉ、く、っく、おうふ!けおっ、おぐう、んごっ!!」
恭子はただただ耐えた。しかし人間の耐久力など知れたものだ。
確かに恭子の腹筋は脅威に値する、それでも人に全力で殴り続けられれば耐え切れない。
おまけに恭子を捕らえる女子高生は、パンチが来る度に腰を押し出して恭子の腹をせり出させるのだ。
そんな事をやられてはダメージが受け流せない。
レディースはその恭子を好き放題に殴り、身体が沈んでくると股の間を膝で蹴り上げた。
マン蹴りというやつだ。
「いあいぃぃ!!」
恭子は鼻腔を拡げて悲鳴を上げる。
男ほどは効かないにせよ急所だ、受ける恭子はたまったものではないだろう。
3度目のマン蹴りで恭子のハーフパンツから黄色い液が溢れ出す。
「こいつ、真っ黄色いの漏らしやがって!」
「あーあー、こりゃ凄いね、パンツも靴下もぐちょぐちょだねぇ」
女2人が顔を見合わせてそれを散々に罵った。
レディースはそうした陰湿な責めで生かさず殺さず嬲り続ける。
その責めはちりちりと恭子を苛んだ。
「う、うぐ、ふんん…ぐう、ああうう!!」
苦悶の声は絶え間なく続く。
頭の後ろで組まれていた手は解け、煙を払うように嫌がりの仕草を見せる。
目は気だるげに閉じて瞼から汗を滴らせる。
「はぁ、はぁ、へへ、もう限界って面だなぁ。んならこれで、終いだッッ!!」
息を切らしたレディースが恭子の頭を抱え、下腹へ膝蹴りを叩き込んだ。
「くぇをっ……」
恭子が白目を剥き、細く開いた口から黄色い粘糸が飛ぶ。
その小さな声を境にし、恭子は羽交い絞めにされたまま腰を捻るように崩れ落ちた。
女子高生が手を離すと恭子は前のめりに倒れ伏し、綺麗な黒髪がばさりと広がる。
背中がびくんびくんと痙攣していた。
俺には何だかそれが死ぬ直前のように見え、そして気付けば叫んでいた。
「恭子おおおおおおぉっ!!!」
俺の叫びに恭子の肩が動く。
「恭子、逃げろ!そのまま立って逃げろ!!お前ならできる、俺はもういい!!」
本気だった。殺されてもいいと思っていた。
だが長髪の男は淡々と俺の肩にナイフを突き刺す。
「ぎああぁっ!!!」
俺はまた喚き、身を竦ませてしまう。
「錯乱してヒロイックな気分に浸るのは結構だが、喚くな。
死にたいなら殺してやる」
ナイフがぐりりと回転し、俺は身を捩って涙を零した。
くそったれ、泣くな、恭子は耐えてるっていうのに!
そう思ってその悔しさでまた涙が出る。肩の痛みもひどく、死を色濃く感じた。
「・・・・・っ・・・・」
その時、恭子が何かを呻いた。
「ば、かやろ……へ、いき、ら…って……こ、ころ、くあ……い……。」
肘をついた恭子が背中を起こし、膝を突く。
崩れて匍匐前進のようになり、それでも立とうとする。
「げっ…こいつ、マジかよ……」
レディースが手をぶらつかせながら顔を顰めた。
硬い恭子の腹筋を殴り続けて痛めたようだ。だから最後が膝蹴りだったのか。
「全く女はしょうがねぇな。っと失礼、この不屈の姉ちゃんも女だったか。
おかげで俺にも順番が来た。感謝の極みだぜ」
そう告げるのはドレッドヘアの黒人だ。
身長は2m強、筋量は恭子の倍はある。これで弱いはずがない。
不安を示す恭子を女子高生が無理矢理に引き起こす。
左腕を抱え上げられ、腋を晒す無様な格好だ。
「さっきのぐらいなら平気なんだろ?楽しみだなぁおい」
黒人は指を鳴らし、驚くほどの素早さでフックを見舞った。
「ッ、ごぉオうろろおおおえええええ゛っ!!!」
恭子の身体は激しく前後に揺れた。
鼻から粘液が飛び出す。そして直後、唇が一杯に開いて黄色い吐瀉物が溢れ出した。
「うーわ、ついにやっちゃったよ」
女子高生が汚そうに恭子の身体を離した。
少し前に2人で喰ったラーメンがほとんど未消化で溢れ出す。
麺、焼き豚、メンマ、たっぷりのモヤシ……。
それが恭子の乳房とシャツを汚していく。
恭子は嘔吐の後も激しく咳き込み続けた。喘息のような咳だ。
何とか中腰に持ち直しても足元が定まらない。
「へ、すっかり胃の中のモンぶちまけちまって」
黒人は笑いながら蹴りを叩き込む。
「おおおおぉおおおお!お・・・・・っ」
恭子は壁に叩きつけられ、長い長い苦悶の声を漏らし、胡坐を掻くように崩れ落ちた。
リングで膝をつくことなど滅多にない恭子が、これほどにあっけなく倒れる。
もう足腰に力が入らないのだろう。
黒人は恭子の髪を掴んで壁に押し付ける。
「あ、あうう……」
恭子は天を仰いだまま口を開閉させていた。
「どうしたァ、ちょっとは辛抱して見せろよ!?」
黒人はそのまま左右の連打を見舞う。
「おお、ろおお、おお、うおおおあっがぅおえ、ぐうぇええっ!!!」
恭子は再び悲鳴を上げ始めた。背中が壁にぶつかりべちべちと鳴る。
男の大きな拳は恭子の腹筋をいとも簡単に貫いていた。
浮き出た筋がクレーターのように無残に沈み込む。
沈み、膨らみ、沈み、膨らみ。
その衝撃はホットパンツのボタンが弾けとんだ事からも窺えた。
何度も何度も殴りつけられ、やがて恭子の腹がグルグル鳴りはじめる。
「うお、あはっ・・・・!!」
恭子はついに泣いてしまっていた。
顔は涙と鼻水、吐瀉物でズルズルで、腹は一面に真っ赤、赤い溶岩の中に肋骨と臍だけが浮いてるようなものだ。
「可愛い姿になったなぁ、姉ちゃん」
男は茶化しながら殴りつける。
恭子の脚はぴんと真っ直ぐに伸び、ボタンのないホットパンツを腿に絡みつかせる。
薄緑の下着もほとんどが露わになってしまっていた。
「ああっがはっああああああっ…ああっ、あうっ…く、うぐぅぶっ……」
恭子は剛力で壁に叩きつけられながら泣いていた。
「なんだ、笑ってんのかぁ?」
顔をぐしゃぐしゃにする恭子を見ながら黒人が問う。
ズドンと腹をひしゃげさせるフックが入り、恭子の喉奥からうがいをするような音が漏れた。
「おげごろ……っ」
奇妙な声で吐瀉物がどろどろになって溢れ出す。
「……ひ、いっぐ、ひぐっ……あっあは、うひぐ……っ!!」
恭子は暗い瞳のまま泣き続けた。
泣いて泣いて、呼吸の仕方さえ忘れたようだった。
男が満足して恭子を投げ捨てた頃、彼女は目も虚ろになっていた。
口からは何度も吐瀉物を溢れさせた痕があり、
脚はヒクヒクと蠢いている。
「なんかやらしいね~」
女子高生が恭子の足元により、ショーツをずり下げて笑みを浮かべた。
「あははっ、ちょっとマジ?こいつの股、糸引いてるー!!」
レディースと黒人もそこを覗き込み、恭子に侮蔑の表情を向ける。
「あれで感じるのか。救いようのない変態だな」
「ほんと、女の恥よね。せっかくだから指入れてみよっか。イカせまくっちゃお」
「いいな。よくほぐしとけ、このデカブツで色狂いの雌にしてやる」
「ははっ、見て。クリ剥いたらすんごい気持ちよさそ~」
そんな下卑た会話を恭子を取り巻いて交わす。
くくっ、と背後で長髪の笑う声がする。
恭子は抗う事もできず、秘部を嬲りまわされて涙を零していた。
身体をボロボロにされ、心も折られ、それでも俺を救うために、耐えて。
俺は、頭の中で何かが切れるのを感じた。
生まれてこの方喧嘩などした事がない俺だが、今どうしようもない衝動が渦巻いている。
許せない。
恭子をいたぶったこいつらを、恭子を汚したこいつらを、
そのクズ共に怯え、傷つくのを躊躇った俺自身を。
「ふざ……けんなっ!!!」
俺は背後の長髪に向けて肘打ちをかます。
突然の事で怯んだのだろう、拘束が解けて距離が開いた。
すぐに長髪に向き直る。長髪は静かな殺し屋の目をしていた。
「…図に乗るな」
脅しではない様子でナイフを握り、俺の喉元へ突き立てる。
だがもう恐れない。俺はそのナイフを左手で引っ掴んだ。
握った指から血が迸るが、ナイフは長髪の利き手ごと封じている。
長髪が初めて動揺を見せた。
「図に乗ってんのは、てめぇだろうがっ!!」
俺は右手を強く握りしめる。スピードのあるストレートでも重い突きでもない。
恭子が喜んでくれる、ただ純粋な“拳”だ。
それを一直線に相手の顔へ放つ。
想いの丈を込めたそれは長髪の鼻を一瞬にして潰し、コンテナに轟音を響かせた。
俺は素早く手を引き戻して反撃に備える。
だが長髪はコンテナに寄りかかったまま動かない。どうやら失神したようだ。
「お、おいてめぇッ、何しでかしてやがる!!」
背後から黒人の怒号が聞こえた。
振り向くと、俺の行動に唖然としたまま声だけを張り上げている。
大きな身体だ。俺のとはまるで力強さが違う。
だが気迫では負けない。
「ぅぅぅうううおおおおおおおおあ!!!」
俺は黒人に向けてがむしゃらに突っ込む。
「っ…やんのかゴラァ!?」
黒人が怒鳴り散らすが、怯まない。
――ビビってんじゃねぇぞ、モヤシ。
恭子の言葉を胸に、歯をむき出しにし、眉間に筋を立てて飛び掛る。
血の噴出す拳を振りかざす。
「う、うおあああぁ!?」
黒人は俺に完全に気圧され、及び腰になっていた。
集団のボスである長髪をあっさりノされて脅えている。
そうなっては体格差は問題にならない。
俺は黒人を突き飛ばして馬乗りになり、その横っ面を殴りつけた。
黒人は恐怖と逆切れで殴り返してくる。
だが威力はない、上に乗っている人間の圧倒的優位は覆せない。
それに今は怒りで普段以上の力が出せる。
俺の2発目の拳は黒人の奥歯をへし折った。こちらを見上げる目が完全に脅えている。
だが止めない、てめぇは脅える恭子をあんなに殴っていただろう!
何度か反撃を受けて顔を腫らしつつ、黒人を殴り、殴り、殴りまくった。
奥歯を砕き、鼻をへし折った末、気がついた頃には相手は気絶していた。
俺は血塗れの両手をぶらつかせて立ち上がる。
「あ、あう…」
女2人は共に腰を抜かしていた。こいつらも散々に恭子をいたぶった奴だ。
女を殴るななんてよく言われるが、知らない。
俺は素早く踏み込んでアッパー気味に女子高生の腹部を殴り上げた。
「えろ゛ぅっ!!」
女子高生は腹と口を押さえてよたよたと歩き、指の間から黄色い吐瀉物を溢れさせる。
さらに横にいたレディースにも強烈な横蹴りを喰らわせてやる。
レディースは吹っ飛んで鼻水を垂らした。
2人の女が腹を押さえながら上目遣いに見上げてくる。
「失せろ」
俺は拳を握り締めて言った。あと一秒だって顔を見たくなかった。
女は泣き叫びながら路地を後にする。
全員が静かになったところで、俺はふと我に帰った。
すぐに恭子の下に駆け寄る。
「恭子、恭子!? おいっ!!」
俺は恭子を抱え上げた。
恭子はぐったりとしたまま、薄く目を開けている。
「……い……いやぁ、モヤシくん強い…ねぇ。……惚れ直…すよ」
恭子は途切れ途切れながらもそう言った。
呼吸は苦しそうだが命に別状がありそうではない。
俺は安堵で顔が緩む。
「おう。何たってお前の彼氏だぜ」
パンと腕を叩いて誇ると、恭子がけらけらと笑った。
「何だよ」
「だって…力瘤全然ないじゃん」
「う、うるせぇ。見た目じゃねえんだよ」
俺はそう言って恭子の腹をそっと撫でる。
恭子は一瞬つらそうにした後、俺をじっと見上げた。
「この腕はな、お前を大事にする為についてんだ」
俺はお返しに特段の臭い台詞を吐いてやる。さぁ罵れ。
「ふふっ」
でも恭子はこんな時に限って否定しやがらない。
ただ1人でくすくすと、幸せそうに笑い続けるだけだった。
「……これからもボディーガードお願いね、モヤシくん。」
END
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その黄金色の光にかかれば男の肌さえ妖艶に映るからだ。
しかし俺の前に横たわる女は、そんな小細工など必要ない。いい肌だ。
さて、こいつは何者か。
160cm51kg、スタイルを見ればグラビアアイドルとも思えるだろう。
だが腹を触れば異常なほど鍛えられている事がわかる。
吸い付くような手触り、これはそこらの女と同じ。
だが1度押すと驚く。まるで生ゴムのような弾力性だ。
体重を込めて肩で押し込むと、逆に上半身が跳ね返ってしまう。
「うっ!……はッ…は、モヤシくぅん、いいよそれ」
女が喘いだ。
モヤシくんとは俺の呼び名だ。嫌味っぽく聞こえるが愛称だと信じたい。
俺をモヤシ呼ばわりするこの女は芦屋恭子(あしやきょうこ)という。
女子キックボクシングの元フライ級日本王者だ。
8連続防衛という化け物じみた記録を持ち、誰も挑戦しなくなったので最近階級を上げた。
つまり今はスーパーフライ級になる。
もっとも彼女のキック力は男を2発で泣かすレベルなので、1階級上げても変わりがない。
むしろ相手に勝つより、体重が階級の下限リミットを割らないよう苦心するらしい。
男なら暴食して膨らませれば済むが、あいにく恭子は見目がいい。
客の大半は恭子のスレンダーな肢体を見に来ているので、下手に体重を増やせないのだ。
今の女子キックの興行を支えているのがまさに恭子と言っても過言ではなく、
スタイルが崩れでもしたら協会からお叱りを受けるのだとか。
考えてみてくれ、そんな相手からセックスしろと強いられる男の気分を。
しかもただのセックスじゃない、“腹を殴りながら”の結合だ。
そう、この恭子は腹を殴られて火照る変態なんだ。
……そうしたのは他ならぬ俺なんだが。
「モヤシくん、早く続き……してよ」
恭子が蕩けた目で催促してくる。
しばらくぶりのセックスだからか、ひどく張り切っている様子だ。
俺は再び恭子の腹に触れた。
前にやった時は本当に岩のようだったが、今はうっすらと脂肪がついている。
今が試合のないオフシーズンだからだ。
この時期は練習を押さえ目にしてフィジカル中心で鍛える。
ケーキや肉も食い放題で、恭子にとって最も幸せな期間だろう。
殴る方としてもこの状態の腹が一番楽しい。
俺は汗にてかる恭子の下腹を円を描くように撫でた。
凹凸が心地良い。つくづく見事な腹だと思う。
腰から尻にかけてのラインは女性的だ。
ただし普通の女性とはやや違い、よく練りこまれた、という細さだ。
側筋が綺麗に浮かび上がっている。
よく見れば薄らと6つに割れてもいるが、逞しいというよりセクシーだ。
涼やかな顔やすらりとした太腿がそう思わせるのかもしれない。
俺はその美しい腹にやおら鉄槌を振り下ろした。
「むぐっ!」
恭子が呻き、ベッドが軋む。俺は腕を引き絞ってさらに左右の連打を叩き込む。
恭子は息を詰まらせながら俺の目を見つめていた。
頬を真っ赤にし、口端が上がっている。なんともあどけない微笑だ。
「ふん、何だよその顔。変態め」
俺もつられて笑いながら殴り続けた。
「う゛、ぐふぶっ!んぐうっ、ぐむ゛っ!!」
恭子は弾むベッドに身を預け、されるがままになっていた。
殴るたび白い脚がぴくんと跳ねる。
次第に開いていく脚の間からは蕩けた秘部が覗いていた。
汗の匂い、女の匂い、健康的な肌。
それらの情報で俺の逸物は痛いほどに屹立していく。
俺は恭子の腿の間に腰掛けて腹を殴り続けた。
尻にむちむちした腿が擦れて気持ちいい。
「あが、うぐ、お…うっぐ!!!」
恭子が強く目を瞑った。
秘部に目をやるとシーツにまで愛液が伝っている。だらしない事だ。
だがその開いた割れ目の前では、俺の逸物も同様に先走りを零していた。
もうお互いの興奮も限界らしい。
「恭子、挿れるぞ?」
聞くと、恭子は目を開いて頷いた。
情熱的な恭子は中出しを好む。
だから俺達のセックスはいつもピルを飲んでの生性交だ。
腰を進めると、もう互いに愛液塗れ、ぬるりという感触で滑り込んでしまう。
「あ、入って、くるっ……。」
恭子が小さく呟いた。
膣内は熱く相当にきつい。そこへ奥まで無理に捻じ込む。
恭子が腰をうねらせた。
それがあんまり可愛くて、腹にフック気味の一発を見舞ってやる。
「うぉぐっ!!」
恭子が身を捩って叫んだ。同時に俺の逸物に痺れが走る。
足腰を鍛えた女性は締め付けが強い。
恭子は特に強烈で、挿入したまま腹を叩くと肉を食い千切りそうな圧力になる。
例えるなら、自分の逸物を両手で、全力で握りしめるようなものだ。
俺も初めは余りの痛さに叫びながら腰を引き、抜き去る途中で射精するという無様を晒した。
だが慣れというものは恐ろしい。
今や恭子のその締めでないと射精に至らないようになりつつある。
俺は逸物を根元まで沈めたまま、恭子の腹を殴り続けた。
恭子はそのたび嬌声を上げて締め付ける。
ぐっちゃぐっちゃぐっちゃ、ばちっばちん、ばちん。
水音と激しく肉のぶつかる音が何重にもなって響く。
「あん、あう、うう、ぐうっ、くあう!!」
恭子がそのたびに良い声を上げる。
俺はその声に昂ぶり、ある時ついに背がぞくりとする射精感を覚えた。
最後だ。
俺は腰を入れて最後に強烈な裏拳を叩き込む。
すると恭子の中が逸物へ噛み付くように締まり、うねり、ふうっと緩まった。
その弛緩に許されて逸物から熱い迸りが流れ出す。
子宮口の辺りが痙攣しているようだ。恭子も達したのだろうか。
迸りはどくどくと恭子の膣奥に流れていく。
俺はいつもその射精のさなか、汗にまみれた恭子の身体を抱き締め、
ああ今この身体を孕ませてるんだな、なんて妄想をしてしまう。
雄としてこれほど誇らしい瞬間は他にない。
結合を終えた後、回復が早いのはいつも俺だ。
逸物を抜き去って冷蔵庫へ向かい、恭子の分のコーラも出してやる。
恭子は横向けになって腹部を撫で回していた。余韻に浸っているのだろう。
自分では解っていないだろうが凄い姿だ。
顔は熱があるように赤く、乳首はしこり立ち、腹筋は痙攣し、秘部から愛液が溢れ出し。
持ってきたコーラをちょいと腹に当てると、びくんと跳ねる。
「ば、馬っ鹿!冷たいよ」
恭子は今さら恥らいながらコーラを受け取った。
俺はコーラを飲む恭子を眺めつつ、鞄から二枚のチケットを取り出す。
格闘マニアの女子高生が活躍するという新作映画だ。
恭子はこの手のアクション物が好きだった。
「おお、『旋風少女』かよ!?観る観る!!」
チケットを見せると案の定の好感触だ。
「来週、練習が終わったら観に行こうぜ。ジムまで迎えに行く」
俺はにやけるのを我慢して言う。
「おうっ!」
恭子は勢いよく頷いた。
※
翌週の水曜、俺は数ヶ月ぶりにジムの前に立っていた。
大学入学を期にやめはしたものの、高校時代は随分と世話になったものだ。
恭子と出会ったのもここだった。
ただそんな大切な場所に、俺はある理由で中々近寄れずにいた。
午後3時、そろそろ恭子と約束した時間だ。
そろりとジムの戸を開ける。
途端に縄跳びの音、サンドバッグの軋む音が響いてくる。
ジムに恭子の姿はなく、代わりにすぐ近くの椅子に会長が座っていた。
前より髪の毛が薄くなったかもしれない。
「……会長、ご無沙汰してます」
俺はそっと会長の元へよって耳打ちした。
すると会長が振り向き、目を見開く。 マズい。
「うおお哲、哲じゃあねえか!!てめぇ久しぶりだな、達者でやってたかよ!?」
会長は椅子から立ち上がるなり大声を張り上げた。
ジム中の視線が俺に集まる。
すると髪を赤や金に染めたいかにも族な女達がたちまち俺を取り囲んだ。
彼女らは俺を凝視して息を吸い込む。
「………お久しぶりィーーっす、哲哉先輩ッッッ!!!!」
ジムを震わせるような大声が響き渡った。
俺は思わず竦んでしまう。
俺がジムに寄りたがらない理由はこれだ。
ジムのボスである恭子と付き合っているせいで、俺までこんな恐ろしい奴らに慕われている。
「おい、モテモテだなぁ哲!」
会長が丸太のような腕で背中を叩いてくる。冗談じゃなく背骨が折れそうだ。
俺は苦笑いしながらジムをうろつく。
リング近くに山口先輩がいる。ラガーマンのような体格だ。
昔はその見た目が苦手で避けていたが、話してみると案外温厚な人だった。
クルーザー級のキックボクサーで、実力は日本王者の恭子に次ぐ。
まぁそれゆえいつもスパーリングでボコボコにされている可哀想な人でもある。
「山口さん、お久しぶりっす」
近寄ってみるとやっぱり怪我をしている。
「お、哲っちゃんか。久しぶりじゃのぉ」
先輩は足にテーピングを受けながら俺に視線を向けた。
「あいつ、相変わらず容赦ないですね……」
俺は何故か申し訳ない気分で頭を下げた。
しかし先輩は笑う。
「いや、今日は随分とご機嫌じゃ。これもはしゃぎ過ぎての一発だしの。
何かえぇ事でもあるんじゃろうか?」
山口さんは全てを知っている笑みで俺に問いかけた。
俺が頭を掻いていると、更衣室の戸が開いて噂の恭子が姿を現す。
ジムの誰もが恭子の格好に息を呑んだ。
まず引き締まった腹筋が目に飛び込んでくる。
ヘソ出しルックというやつだ。
上は腹部を覆わないピンクシャツ、形状からサラシのようにも見える。
そのピンクシャツに半袖の黒ベストを重ね、
下は太腿に密着するこれまた黒のホットパンツ。
ベストとパンツの黒が白肌を強調し、ピンクのシャツが清楚な愛らしさを増す。
計算されたファッションだ。だが最も恐ろしいのはそこではない。
サラシ状のシャツから谷間を見せる豊かな胸、ホットパンツの裾から零れるむちりとした太腿、
そして中央に晒された側筋の浮かぶ腹。
それはもう単なるファッションではない。鍛え上げた身をアトリエにした肉体賛美だ。
似せるだけなら他の女性でも可能だろう。
だが滲み出る凄みまで再現するのはどんなアイドル、どんなモデルとて不可能だ。
そのオーラは日々を闘いに捧げる格闘家にのみ纏えるもの、
その美しさは神の気紛れと気の遠くなる鍛錬の末に奇跡的に生みだされたもの。
俺の知る限り、その格好ができる女性は恭子しかいない。
「カッコいい……」
「さ、最高っす恭子サン!!」
族の女達が黄色い声を上げる。
「ええのぅ、あんなのを連れ歩けるんじゃからの」
山口さんも俺を小突いた。
恭子はそれらに目をやりながら、ゆっくりと俺に近づいてくる。
思わず脇によけ花道に混ざりかけた俺を、一体誰が責められよう。
「悪ぃ、待たせたな」
恭子はまっすぐに俺を見上げて笑う。
髪の毛から果実的なシャンプーの匂いが立ち上ってくる。
俺は夢ではないかと疑った。未だに、だ。
「まだ3時だぞ、本当に練習はもういいのか?」
俺が問うと、横から会長が答えた。
「おう、最近は水曜を休養日にさせてんだ。軽く練習して、後は夜に走るぐらいだな」
さらりと言う。
だがその『走る』のだって、俺が5人いても達成できないキツさだ。
ランニングに付き合った時を思い出すと今すぐ吐ける。
この160cmしかない華奢な女は普段、そんな次元の違う世界に生きている。
だが今だけ、今日だけは、芦屋恭子は俺の彼女だ。
俺達は通り中の注目を集めているといっても過言ではなかった。
すれ違う奴が皆振り返って二度見していく。
確かに恭子は健康的な美人だし、痩せっぽちの俺とは釣り合わない。
だがそれだけで皆が振り向いたりはしないだろう。
最大の理由は恐らくオーラの違いだ。
恭子は何かを極めた人間特有の「強者のオーラ」に満ち溢れている。
逆に痩せっぽちの俺からは明らかな「弱者のオーラ」が溢れている。
トラとウサギが仲睦まじく歩いているようなものだ。
それは当然注目を浴びる。
そして恭子はドSだ、遠慮なく腕を組んできやがる。
そうなれば男の嫉妬心が俺へ向かうのに。
今も前から歩いてきた柄の悪いガキが、すれ違う瞬間に俺の耳元で囁いた。
「調子乗ってんじゃねぇぞ、モヤシ。」
俺は黙って視線を逸らす。
ああいう手合いと一々絡んでいては命が足りない。
「ビビってんじゃねぇぞ、モヤシ。」
隣で恭子が可笑しそうに真似をする。
思わず殴りかけるがやめた。
人前で女を殴るのに躊躇った…んじゃない。どうせ当りっこないからだ。
「怒った?」
恭子が顔を覗き込んできた。
「……腹が減った」
俺は少し意地悪い言い方をする。罰として奢れ、という意味だ。
恭子はくすりと笑った。
「おっちゃん、味噌ラーメン2つ、モヤシ大盛りでお願い!」
恭子はいつも通りのさばさばした口調で言った。
屋台のオヤジは見た目清楚そうな恭子の来店に驚きを隠せない。
「…嫌味か?」
モヤシ君こと俺は椅子に掛けながら問う。
恭子はまたニヤけた。今日は本当にずいぶん機嫌が良い。
「何で?私大好きなんだよ、モヤシ。」
告白とも取れる言葉で俺を惑わす。
「はいはい。モヤシが、ね」
俺は慌てない。慌てないが、脳内で良い様に解釈してほくそ笑む。
心なしかオヤジまで笑顔だ。
バカップル扱いは嫌いだが、俺達はこの時、確かに幸せの最中にいた。
※
屋台を出てしばらくした時だ。
大通りへ出ようと脇道に入った途端、突然何人かに囲まれた。
「よう似合わねぇお二人さん、デートか?」
そう喧嘩を売る男はドレッドヘアの黒人だ。
2メートルはあるだろうか、威圧感が凄まじい。
「何よ、あんたら……」
恭子は静かに黒人を睨みつける。珍しく余裕のない眼差しだ。
黒人の後ろにはバットを持ったレディースがおり、
俺の後ろに雰囲気のおかしい長髪男、恭子の傍にガムを噛む女子高生がいる。
「そう冷たくすんなよ。時に姉ちゃん、随分いい女だな。
そこの坊主とは今日んとこサヨナラして、皆で楽しもうや」
そう肩に手をかけられた瞬間、恭子は動いた。
シパンッ、パン!
ローで黒人の膝を崩し、下がった顎を打ち抜く。
黒人は声もなく倒れた。
さらに恭子は素早く振り向いてガムを噛む少女の腕を押さえ、腹に一撃を見舞う。
「うごぇあっ!!?」
少女は目を剥いてその場に崩れ落ちる。
「っ!?…おいチャン、こいつ格闘技やってんぞ!」
浮き足立ったレディースが長髪に叫ぶ。
流石は恭子だ、と俺が歓喜に震えた瞬間、ふと首筋に冷たい金属が触れた。
ナイフだ。
気付けば長髪の男が俺の背後に張りついていた。
煙草臭い息が鼻をつく。
「お嬢さん、そこまでだ」
長髪の低い声で恭子が振り向き、表情を凍りつかせた。
俺の頭も同じく凍りつく。
男だぞ?女を人質に取られて困るのが男だろ、俺が人質になってどうする!
俺は男の手を振り払おうとした。
だが細腕にも関わらずやたらと力強い。
ぐ、ぐ、と二度抗って失敗する。その直後、顎に鋭い痛みが走った。
「いつっ!」
つい悲鳴が上がる。
ジンジン来るやばい痛みに汗が伝う。
「あ…て、………哲哉あああぁッ!!!」
恭子が俺を見て絶叫した。
珍しいな、そんな呼び方。そんな事を思いながら目線を下げる。
シャツの襟首が赤く染まっていた。
血が流れているのだろう。恭子の顔からすると、かなり派手に。
「脅しと思うな。余計な事をすれば動脈をいく」
長髪は淡々と述べた。
声色からも、雰囲気からも、本当にやってしまう奴だと解る。
俺はそれで心が折れたが、あの恭子さえ力が抜けたように壁へ寄りかかる。
俺のせいだ。俺が不甲斐ないばかりに。
「……どん詰まりまで行くぞ」
長髪が命じると、レディースが黒人と女子高生を起こし、俺達を路地奥へ連れ込んだ。
路地奥はまさに『どん詰まり』という表現が相応しかった。
コンテナや鉄骨が上の見えないほどに積まれ、悪趣味なペイントで彩られている。
下はひび割れたアスファルトだ。
人気の無いここで俺達を囲むのは4人。
ブレザー姿の女子高生と、バットを持ったライダースーツのレディース、
ドレッドヘアの黒人と、俺にナイフを突きつける長髪。
どうやらこの長髪がボスらしい。
俺の傷には一応の手当てがされたが万全とはいえない。
特に心のダメージは深刻だ。
たとえ格闘技を齧っていてもナイフの脅威には勝てない。
むしろナイフには絶対に立ち向かうなと教育されてきたのだ。
だから俺は大人しくする他なく、そのため恭子もされるがままだ。
「姉ちゃん、拳は乱暴だがイイ身体してんなぁ」
ドレッドの黒人が尻を撫でた。
「ほんと、でかいチチも張りがあるわ」
レディースはシャツを捲り、ブラジャーを毟って乳房を露わにする。
恭子はそんなことをされても毅然と前を睨み据える。
3人はそれを可笑しそうに見つめた。
「お尻も胸も凄いけどさ、やっぱ一番はここじゃん?
見せ付けるようなカッコしてるし、自信あるんだろーね」
女子高生がそう言って恭子の腹部を撫でる。
そうやってしばし撫でた後、彼女はおもむろに腹を殴りつけた。
「んうっ!!」
恭子が声を上げる。
「ふわー、硬ぁい。やっぱ只者じゃないねぇお姉さん。
でも実はあたし、空手やってんだ。今度は耐えれるかな?」
女子高生はそう言って距離を取る。恭子も足を開いて踏みしめた。
「エェヤァッ!!」
女子高生は一喝し、踏み出した左脚を軸に身を弾き出して突きを放つ。
堂に入った移動突き。
防御は疎かだが攻撃だけは熱心に練習するタイプだろう。
当然その威力は高い。
「うんんんぅっ……!!!」
恭子は内股になって後退を堪えつつ、顔の筋肉を引き攣らせる。
「あらら、耐えちゃったよ」
女子高生は呆れたように呟いた。そして手をパンと打ち合わせて笑う。
玩具を見つけた子供のように。
「いいねいいね、じゃあドンドン行くよぉっ!」
ブレザーが風を切り、正拳が恭子の腹に叩き込まれる。
右の突きが入った瞬間には引きを利用して左が迫っており、ドドンと連続で突きが入ることになる。
しかも肝臓の寸分違わぬ位置に、もう7回も。
「うげあおッ!」
同箇所に何度も連発はさすがの恭子でもつらい。
恭子は腹部を押さえて後退する。一打ごとに押し込まれ、今度でついに壁を背負った。
「ホラホラ、後がないよ」
女子高生は腹を押さえる恭子の手を除けさせ、へそに左の中指を差し込んだ。
そのままくりくりとほじくり返す。
「ねェ気持ちいい?これ」
女子高生は指を執拗にねじ入れながら問い、恭子が大きく息を吐いた瞬間に右拳を叩き込む。
「おこえぇおっ!!!」
恭子は口を一杯に開いて叫んだ。
へそから丹田を刺激して呼吸を乱され、肺を空っぽにした所への一撃。
これはもう耐えられる道理がない。
「うぅ、あ……」
恭子は壁に背を預けたままずるずると腰を落とす。
両手は腹を押さえ、皺の刻まれた額からは相当な痛みが見て取れた。
「っしゃダウン!ほらほら早く立ちなよ、ワン、トゥー…」
女子高生ははしゃぎながらカウントを取る。
恭子は気丈にも膝を曲げて立ち上がった。
「はい、おかえり!」
同時に構えていた女子高生の突きが肝臓へ叩き込まれる。
「けおぉっお、ぐ!!」
恭子は耐え切れず再び崩れ落ちた。
立とうともがくが、すぐにまた腰を抜かし、バンと床を叩いて受身を取る。
「いつまでも芋虫みたくチンタラしてんじゃねぇよ」
レディースが倒れた恭子の脚を蹴り上げた。
恭子は汗まみれの顔で睨みあげる。
「ふん、ご立派な面構え。こっちもまだまだ終わらせねぇよ?」
レディースが目配せすると、女子高生が恭子の腋を抱えて引き起こした。
恭子はそのまま羽交い絞めで立たされる。
「いい格好だなオイ。これでもう倒れる心配は要らねぇわけだ」
空手家の女子高生に代わり、今度はレディースが構えを取った。
女子高生の突きも酷かったが、レディースの責めもやばい。
恭子は羽交い絞めで動けず、腹筋をする時のように手を後頭に組んで耐えていた。
その腹をレディースが延々フックで殴りつける。
殴り方に容赦はないが、責め方もまたいやらしい。
胸にコンプレックスがあるのかやたらに恭子の乳房を嬲りまわす。
ピンク色の乳首を指先でこりこりと潰し、苦しむ様を見ながら腹を叩きまくる。
豊満な乳房が三角になるのだから、よほどの力で引いているのだろう。
「んん、んん゛!!」
恭子は悲鳴を押し殺しながら必死に耐えていた。
殴られるたび内股の脚が直角に張る。苦しげだがどうにも逃げられずにいる。
試合でも恭子がこれほど苦悶する事はない。
どちっ、どちっとレディースの拳が叩きこまれる音が響く。
「んんぉ、うぉ、く、っく、おうふ!けおっ、おぐう、んごっ!!」
恭子はただただ耐えた。しかし人間の耐久力など知れたものだ。
確かに恭子の腹筋は脅威に値する、それでも人に全力で殴り続けられれば耐え切れない。
おまけに恭子を捕らえる女子高生は、パンチが来る度に腰を押し出して恭子の腹をせり出させるのだ。
そんな事をやられてはダメージが受け流せない。
レディースはその恭子を好き放題に殴り、身体が沈んでくると股の間を膝で蹴り上げた。
マン蹴りというやつだ。
「いあいぃぃ!!」
恭子は鼻腔を拡げて悲鳴を上げる。
男ほどは効かないにせよ急所だ、受ける恭子はたまったものではないだろう。
3度目のマン蹴りで恭子のハーフパンツから黄色い液が溢れ出す。
「こいつ、真っ黄色いの漏らしやがって!」
「あーあー、こりゃ凄いね、パンツも靴下もぐちょぐちょだねぇ」
女2人が顔を見合わせてそれを散々に罵った。
レディースはそうした陰湿な責めで生かさず殺さず嬲り続ける。
その責めはちりちりと恭子を苛んだ。
「う、うぐ、ふんん…ぐう、ああうう!!」
苦悶の声は絶え間なく続く。
頭の後ろで組まれていた手は解け、煙を払うように嫌がりの仕草を見せる。
目は気だるげに閉じて瞼から汗を滴らせる。
「はぁ、はぁ、へへ、もう限界って面だなぁ。んならこれで、終いだッッ!!」
息を切らしたレディースが恭子の頭を抱え、下腹へ膝蹴りを叩き込んだ。
「くぇをっ……」
恭子が白目を剥き、細く開いた口から黄色い粘糸が飛ぶ。
その小さな声を境にし、恭子は羽交い絞めにされたまま腰を捻るように崩れ落ちた。
女子高生が手を離すと恭子は前のめりに倒れ伏し、綺麗な黒髪がばさりと広がる。
背中がびくんびくんと痙攣していた。
俺には何だかそれが死ぬ直前のように見え、そして気付けば叫んでいた。
「恭子おおおおおおぉっ!!!」
俺の叫びに恭子の肩が動く。
「恭子、逃げろ!そのまま立って逃げろ!!お前ならできる、俺はもういい!!」
本気だった。殺されてもいいと思っていた。
だが長髪の男は淡々と俺の肩にナイフを突き刺す。
「ぎああぁっ!!!」
俺はまた喚き、身を竦ませてしまう。
「錯乱してヒロイックな気分に浸るのは結構だが、喚くな。
死にたいなら殺してやる」
ナイフがぐりりと回転し、俺は身を捩って涙を零した。
くそったれ、泣くな、恭子は耐えてるっていうのに!
そう思ってその悔しさでまた涙が出る。肩の痛みもひどく、死を色濃く感じた。
「・・・・・っ・・・・」
その時、恭子が何かを呻いた。
「ば、かやろ……へ、いき、ら…って……こ、ころ、くあ……い……。」
肘をついた恭子が背中を起こし、膝を突く。
崩れて匍匐前進のようになり、それでも立とうとする。
「げっ…こいつ、マジかよ……」
レディースが手をぶらつかせながら顔を顰めた。
硬い恭子の腹筋を殴り続けて痛めたようだ。だから最後が膝蹴りだったのか。
「全く女はしょうがねぇな。っと失礼、この不屈の姉ちゃんも女だったか。
おかげで俺にも順番が来た。感謝の極みだぜ」
そう告げるのはドレッドヘアの黒人だ。
身長は2m強、筋量は恭子の倍はある。これで弱いはずがない。
不安を示す恭子を女子高生が無理矢理に引き起こす。
左腕を抱え上げられ、腋を晒す無様な格好だ。
「さっきのぐらいなら平気なんだろ?楽しみだなぁおい」
黒人は指を鳴らし、驚くほどの素早さでフックを見舞った。
「ッ、ごぉオうろろおおおえええええ゛っ!!!」
恭子の身体は激しく前後に揺れた。
鼻から粘液が飛び出す。そして直後、唇が一杯に開いて黄色い吐瀉物が溢れ出した。
「うーわ、ついにやっちゃったよ」
女子高生が汚そうに恭子の身体を離した。
少し前に2人で喰ったラーメンがほとんど未消化で溢れ出す。
麺、焼き豚、メンマ、たっぷりのモヤシ……。
それが恭子の乳房とシャツを汚していく。
恭子は嘔吐の後も激しく咳き込み続けた。喘息のような咳だ。
何とか中腰に持ち直しても足元が定まらない。
「へ、すっかり胃の中のモンぶちまけちまって」
黒人は笑いながら蹴りを叩き込む。
「おおおおぉおおおお!お・・・・・っ」
恭子は壁に叩きつけられ、長い長い苦悶の声を漏らし、胡坐を掻くように崩れ落ちた。
リングで膝をつくことなど滅多にない恭子が、これほどにあっけなく倒れる。
もう足腰に力が入らないのだろう。
黒人は恭子の髪を掴んで壁に押し付ける。
「あ、あうう……」
恭子は天を仰いだまま口を開閉させていた。
「どうしたァ、ちょっとは辛抱して見せろよ!?」
黒人はそのまま左右の連打を見舞う。
「おお、ろおお、おお、うおおおあっがぅおえ、ぐうぇええっ!!!」
恭子は再び悲鳴を上げ始めた。背中が壁にぶつかりべちべちと鳴る。
男の大きな拳は恭子の腹筋をいとも簡単に貫いていた。
浮き出た筋がクレーターのように無残に沈み込む。
沈み、膨らみ、沈み、膨らみ。
その衝撃はホットパンツのボタンが弾けとんだ事からも窺えた。
何度も何度も殴りつけられ、やがて恭子の腹がグルグル鳴りはじめる。
「うお、あはっ・・・・!!」
恭子はついに泣いてしまっていた。
顔は涙と鼻水、吐瀉物でズルズルで、腹は一面に真っ赤、赤い溶岩の中に肋骨と臍だけが浮いてるようなものだ。
「可愛い姿になったなぁ、姉ちゃん」
男は茶化しながら殴りつける。
恭子の脚はぴんと真っ直ぐに伸び、ボタンのないホットパンツを腿に絡みつかせる。
薄緑の下着もほとんどが露わになってしまっていた。
「ああっがはっああああああっ…ああっ、あうっ…く、うぐぅぶっ……」
恭子は剛力で壁に叩きつけられながら泣いていた。
「なんだ、笑ってんのかぁ?」
顔をぐしゃぐしゃにする恭子を見ながら黒人が問う。
ズドンと腹をひしゃげさせるフックが入り、恭子の喉奥からうがいをするような音が漏れた。
「おげごろ……っ」
奇妙な声で吐瀉物がどろどろになって溢れ出す。
「……ひ、いっぐ、ひぐっ……あっあは、うひぐ……っ!!」
恭子は暗い瞳のまま泣き続けた。
泣いて泣いて、呼吸の仕方さえ忘れたようだった。
男が満足して恭子を投げ捨てた頃、彼女は目も虚ろになっていた。
口からは何度も吐瀉物を溢れさせた痕があり、
脚はヒクヒクと蠢いている。
「なんかやらしいね~」
女子高生が恭子の足元により、ショーツをずり下げて笑みを浮かべた。
「あははっ、ちょっとマジ?こいつの股、糸引いてるー!!」
レディースと黒人もそこを覗き込み、恭子に侮蔑の表情を向ける。
「あれで感じるのか。救いようのない変態だな」
「ほんと、女の恥よね。せっかくだから指入れてみよっか。イカせまくっちゃお」
「いいな。よくほぐしとけ、このデカブツで色狂いの雌にしてやる」
「ははっ、見て。クリ剥いたらすんごい気持ちよさそ~」
そんな下卑た会話を恭子を取り巻いて交わす。
くくっ、と背後で長髪の笑う声がする。
恭子は抗う事もできず、秘部を嬲りまわされて涙を零していた。
身体をボロボロにされ、心も折られ、それでも俺を救うために、耐えて。
俺は、頭の中で何かが切れるのを感じた。
生まれてこの方喧嘩などした事がない俺だが、今どうしようもない衝動が渦巻いている。
許せない。
恭子をいたぶったこいつらを、恭子を汚したこいつらを、
そのクズ共に怯え、傷つくのを躊躇った俺自身を。
「ふざ……けんなっ!!!」
俺は背後の長髪に向けて肘打ちをかます。
突然の事で怯んだのだろう、拘束が解けて距離が開いた。
すぐに長髪に向き直る。長髪は静かな殺し屋の目をしていた。
「…図に乗るな」
脅しではない様子でナイフを握り、俺の喉元へ突き立てる。
だがもう恐れない。俺はそのナイフを左手で引っ掴んだ。
握った指から血が迸るが、ナイフは長髪の利き手ごと封じている。
長髪が初めて動揺を見せた。
「図に乗ってんのは、てめぇだろうがっ!!」
俺は右手を強く握りしめる。スピードのあるストレートでも重い突きでもない。
恭子が喜んでくれる、ただ純粋な“拳”だ。
それを一直線に相手の顔へ放つ。
想いの丈を込めたそれは長髪の鼻を一瞬にして潰し、コンテナに轟音を響かせた。
俺は素早く手を引き戻して反撃に備える。
だが長髪はコンテナに寄りかかったまま動かない。どうやら失神したようだ。
「お、おいてめぇッ、何しでかしてやがる!!」
背後から黒人の怒号が聞こえた。
振り向くと、俺の行動に唖然としたまま声だけを張り上げている。
大きな身体だ。俺のとはまるで力強さが違う。
だが気迫では負けない。
「ぅぅぅうううおおおおおおおおあ!!!」
俺は黒人に向けてがむしゃらに突っ込む。
「っ…やんのかゴラァ!?」
黒人が怒鳴り散らすが、怯まない。
――ビビってんじゃねぇぞ、モヤシ。
恭子の言葉を胸に、歯をむき出しにし、眉間に筋を立てて飛び掛る。
血の噴出す拳を振りかざす。
「う、うおあああぁ!?」
黒人は俺に完全に気圧され、及び腰になっていた。
集団のボスである長髪をあっさりノされて脅えている。
そうなっては体格差は問題にならない。
俺は黒人を突き飛ばして馬乗りになり、その横っ面を殴りつけた。
黒人は恐怖と逆切れで殴り返してくる。
だが威力はない、上に乗っている人間の圧倒的優位は覆せない。
それに今は怒りで普段以上の力が出せる。
俺の2発目の拳は黒人の奥歯をへし折った。こちらを見上げる目が完全に脅えている。
だが止めない、てめぇは脅える恭子をあんなに殴っていただろう!
何度か反撃を受けて顔を腫らしつつ、黒人を殴り、殴り、殴りまくった。
奥歯を砕き、鼻をへし折った末、気がついた頃には相手は気絶していた。
俺は血塗れの両手をぶらつかせて立ち上がる。
「あ、あう…」
女2人は共に腰を抜かしていた。こいつらも散々に恭子をいたぶった奴だ。
女を殴るななんてよく言われるが、知らない。
俺は素早く踏み込んでアッパー気味に女子高生の腹部を殴り上げた。
「えろ゛ぅっ!!」
女子高生は腹と口を押さえてよたよたと歩き、指の間から黄色い吐瀉物を溢れさせる。
さらに横にいたレディースにも強烈な横蹴りを喰らわせてやる。
レディースは吹っ飛んで鼻水を垂らした。
2人の女が腹を押さえながら上目遣いに見上げてくる。
「失せろ」
俺は拳を握り締めて言った。あと一秒だって顔を見たくなかった。
女は泣き叫びながら路地を後にする。
全員が静かになったところで、俺はふと我に帰った。
すぐに恭子の下に駆け寄る。
「恭子、恭子!? おいっ!!」
俺は恭子を抱え上げた。
恭子はぐったりとしたまま、薄く目を開けている。
「……い……いやぁ、モヤシくん強い…ねぇ。……惚れ直…すよ」
恭子は途切れ途切れながらもそう言った。
呼吸は苦しそうだが命に別状がありそうではない。
俺は安堵で顔が緩む。
「おう。何たってお前の彼氏だぜ」
パンと腕を叩いて誇ると、恭子がけらけらと笑った。
「何だよ」
「だって…力瘤全然ないじゃん」
「う、うるせぇ。見た目じゃねえんだよ」
俺はそう言って恭子の腹をそっと撫でる。
恭子は一瞬つらそうにした後、俺をじっと見上げた。
「この腕はな、お前を大事にする為についてんだ」
俺はお返しに特段の臭い台詞を吐いてやる。さぁ罵れ。
「ふふっ」
でも恭子はこんな時に限って否定しやがらない。
ただ1人でくすくすと、幸せそうに笑い続けるだけだった。
「……これからもボディーガードお願いね、モヤシくん。」
END
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菅原潤(すがわらじゅん)は若干10歳にして、自らの境遇が特異である事に気付いていた。
父親は性欲が並外れた男だった。
浮気などして当たり前、夜毎違う女を引っ掛けてきて家で可愛がる。
母親はそんな男に愛想をつかして家を出た。
そして今も潤の父は若い女を縛り上げ、その秘所を飽くことなく玩具で責め立てている。
「ああ、イヤあ…!あんな小さな子が見てるのにぃ……!!」
女は潤の方に視線をやって嫌々と首を振る。潤はそれを冷笑混じりに見つめていた。
(……何がイヤあ、だ。“薄汚い雌豚”め)
母のかつての口癖を思い浮かべながら。
「あぁ!待って!!」
女が唐突に叫んだ。見れば父が立ち上がり、外に一服しに行く所だった。
焦らし責めだ。
「逝かせて…逝かせてェ…」
女は尻が天を向くように縛られたまま、バイブを股座に唸らせて哀願する。
潤が目の前に立つと、ふとその表情が明るくなる。
「あ、ねぇボク!この縛られてるの解いて?それかお父様を呼んできて?
おねえさんすっごく辛いのよう、お願い」
猫なで声でそんな事を囁く。潤は一言も発さぬまま、女の秘所に足を乗せた。
「……え?」
女の間の抜けた声と入れ替わりに、思い切りバイブを踏み込む。
甲高い悲鳴が上がる。
潤は女の狭間が吐き出したバイブをさらに踏み込み、吐かれ、踏みを繰り返す。
「やめてっ、やめてえっ!!ちょっと、遊びじゃないのよボクっ!!!」
潤の小さな足の下で、女は喚きながらも猛烈なピストンに悦びの涙を流し、それを顔に受けて泣きじゃくる。
…ぐちゃっぐちゃっぐちゃっ…どろぉっ ぐちゃっぐちゃっぐちゃっ………
潤はそのみっともなさに溜息をついた。
少年が溜息を吐くような事は学校でもあった。
友人の一人、柳代優耶(やなしろゆうや)と話をしている時だ。
優耶は10歳という齢を鑑みてもぼんやりとしており、考えも話も幼稚だった。
親しくしておけば損はないタイプなのでつるんでいるが、潤は内心では優耶の事を蔑んでいた。
潤がそんな優耶の話を適当に聞き流していたある日、ふと優耶が変わった事を言い出した。
優耶は四人兄弟の末っ子で、一番上の姉とは歳がかなり離れている。
その姉が時々いやらしい話をしてくる、というのだ。
Hをした時のことを語ったり、時にはオナニーを見せたりさえするらしい。
その話を聞いたとき、潤はそれをすんなりと信じることが出来た。
優耶という少年はとかくぼうっとしており、無性にからかいたくなる。
特に妙齢の女性ならばそんな気持ちも強くなるだろう。
家にこんな弟がいては、性的な会話を仕掛けたくなってもおかしくない。
そんなある種の共感もあってか、潤はやおらその姉に興味が沸いてきた。
話を耳にして寄ってきた数人のクラスメイトと共に、姉の人となりを優耶から聞く。
名は京子(きょうこ)。歳は今年で28とかなり離れており、地方銀行に勤めるキャリア系らしい。
そして見た目。優耶が取り出した写真を見たとき、潤たちは息を呑んだ。
写真は出勤時の京子を撮影したものだった。
知性を裏付けるような薄縁のファッションメガネ。
首元までに整えられたダークブラウンの髪。
歩く様が絵になる、スーツに包まれた迫力ある体つき。
「すげえ美人じゃん!」
「まさにキャリアウーマンだな、カッケぇ…」
「出来る女って感じだわ。道歩いてても絶対声かけらんねえ」
クラスメイトが口々に驚嘆する。
潤も同感だった。
少なくとも潤の父によがらされるような雌とは別の人種だ。
これほど凛とした女性が、本当に優耶に不埒な事を吹き込んでいるというのか…?
潤はますます気になって仕方がなかった。
潤達はそれから毎日のように、優耶に姉の話をせがんだ。
優耶はそれに笑みで応じた。
京子が良くする話……部活の先輩との、会社の若い上司との赤面ものの性体験。
恵まれた器量のおかげでどこへ行ってもアイドルであり、相当エッチな体験をしてきたこと。
優耶はそれを自らも赤面しながら語り続けた。
しかし…クラスメイトが舞い上がる中、潤はその話を聞くにつれて一つ不可解な想いを抱くようになった。
どうにも嘘臭い。
毎晩女が感じる姿を目の当たりにしているからそう感じるのか、
京子がしているという話には、どこか初々しい幻想や無知さが見えた。
あるいは姉が不埒であるということ自体が優耶の捏造ではないかとも考えたが、
優耶がそんな頭の回るタイプではない事はよく知っている。
そしてある日、潤は確信めいた物を心に忍ばせてこう切り出した。
「なあ、いっぺんお前の姉ちゃんに会わせてくれよ。
俺らもさ…その、女の人のこと色々と知りたいんだ。なぁ」
潤が純情ぶって言うと、クラスメイトも一斉に頷いた。
優耶は満面の笑みを浮かべる。
「うん、いいよっ!友達連れて帰ったら、おねえちゃんきっと喜ぶや。」
クラスメイト達が幼い歓声をあげた。
いよいよ噂の姉とご対面だ。
そのとき潤が歪な笑みを浮かべた事を、優耶はまるで気付く素振りもなかった。
※
優耶の家が見えたとき、潤達は思わず唖然とした。家というより屋敷だ。
そもそも立地が緑溢れる高級住宅街であり、そこに屋敷を構えるとなれば何千万を要することか。
潤の家も割に裕福だが格が違う。
優耶のぼうっとした性格がわかる気がした。
「ゆーやのお友達なんて珍しいわねぇ、いらっしゃい」
優耶の言う通り、京子は弟の友人として訪れた潤らを快く迎え入れた。
テキパキと紅茶を淹れ抹茶味のシフォンまで出す手際の良さは、流石社会人である。
というより、自室に喫茶セットがある辺りを流石というべきか。
京子の部屋は新婚が悠に暮らせるほどの広さだった。
その中央にしつらえられた巨大なソファに京子を囲んで座る。
オフの日の京子は写真のイメージとはまた違っていた。
28という歳を感じさせない若々しい肌だ。
金があるゆえに美用品も最上級の物が揃えられるのだろう。
そもそも金に困らぬ彼女は働く意味があるのか?
少年の一人がそう疑問をぶつけた。
「家柄は関係ないわ。お金持ちの子はね、周りが思うよりずっと働きたがってるの」
そう言って笑う京子は、育ちの良いわりに気さくな印象を与える。
だが潤はこの時まさに、彼女の本質を垣間見た。
働きたい…?
否、そうではない。“評価されたい”のだ。
家柄で持て囃されるに飽き足らず、自分自身の能力でも一流と呼ばれんとする。
その片鱗があのファッションメガネだ。
今の京子は眼鏡をかけていない、つまり本来は必要ない。
それなのにわざわざ伊達眼鏡をかけてまでキャリアを演じる、その根底にあるのは虚栄。
事実今も、たかが小学生の来客に対して京子は小洒落た服を着込み、ネックレスにブレスレットをしている。
ハーブの香水まで纏っているという徹底振りだ。
子供相手にも素敵なお姉さんを演出しようとしたのだろう。
( ――こいつ、見栄っ張りだ )
潤は確信した。
「京子さんってさ、モテるでしょ」
潤がそう切り出したとき、京子の顔が明らかに変わった。
「…どうして?」
「だって、いかにもだもん。美人で、スタイルよくて、品があって」
けして褒め殺しではない。事実であることを承知で美辞麗句を並べる。
京子は目を閉じて息を吐いた。
あどけない少年にまで魅力を理解され、女として悪い気はしないだろう。
「そうね、お誘いは多いわ」
ティーカップを傾けて京子が答えたとき、潤は勝負に出た。
「じゃあさ、僕らにも女の人のこと、教えてよ」
京子の目が開かれる。周りの少年達も、優耶を除いて顔色を変える。
「実は僕ら、優耶くんに色々お姉ちゃんの話聞いてるんだ。
…エッチなことも時々、教えてくれるって」
京子が優耶を睨む、だが優耶のにこやかな表情を目にし、怒りのやり場を失ったように視線を惑わせた。
「あ、あのね、まだ君達みたいな子供には早……」
『お願いしますっっ!!』
京子の言葉は、突然のクラスメイトの叫びにかき消された。
「お願いします、京子さん!!」
「お願いです、裸見せてください!!
「僕ら、ずっと楽しみにしてたんです!!」
クラスメイトは子供ゆえのストレートさで京子に要望をつきつける。
それにさり気なく便乗しながら、潤は内心でほくそ笑んだ。
こういう場合に子供ほど厄介な相手はない。
これを凌げるならかなり子供慣れした女性だろう。そして箱入り娘である京子は、絶対にその類ではない。
「あ、あ、う、そのっ………」
京子は困惑しきった様子で子供達の爛々とした瞳を受け、やがて、折れた。
「……ち、ちょっと、本当にちょっとだけよ…」
そう言ってスカートのベルトに手をかける京子を、潤はいよいよ楽しげに眺める。
(うん、今日は“ちょっとだけ”……。
お姉さんの考えるちょっととは、随分違うだろうけどね)
「おおお…。」
京子が服を全て脱ぎ去ったとき、少年達は思わず感嘆の声を漏らした。
潤でさえだ。
28、下手をすれば潤たちの母親であってもおかしくない歳。
京子はその歳に恥じない熟れた身体をしていた。
豊かなあまり垂れた乳房と安産を約束する腰つきは、この上なく女らしく性的だ。
腹部は引き締まりながらも脇にわずかな肉付きがある。
それがやたらに抱きつきたい気持ちをくすぐるのだ。
そして肉感的でいながらも手足はすらりと細長く、けしてただ太っているのではないと視覚に訴える。
生半可なグラビアアイドルでは太刀打ちできぬ匂い立つ女体。
潤は女の身体を見慣れていたが、それは親父好みの未熟さを残したものばかり。
これほど性を直感させる裸体を見たことはなかった。
「綺麗だ」
潤は自分でも知らないうちに京子に寄り、その胸に顔を埋めていた。
どこまでも柔らかい乳房が頬を包む。腰に手を回せば、すべすべした腰つきに柔らかな感触。
触れていて楽しすぎる身体だった。そしてひどく安らぐ匂いをしている。
京子は戸惑ったように、躊躇いがちに潤の頭を撫でていた。
だが、潤にいつまでも安らいでいるつもりはない。
「ねえ、オナニーしてみせてよ」
乳房の間から悪戯っぽい瞳を覗かせ、潤は言った。京子が声を詰まらせる。
「………わ、わかったわ」
京子はそっと潤を離し、革張りのソファに腰を下ろした。
そして指を秘所に導き、ゆっくりと沈み込ませていく。
「……はっ、…はっ……」
京子はリズミカルに息を吐きながら指を操っていた。
脚を広げたまま親指の腹でクリトリスを捏ね、人差し指と中指を差し入れて中をくじる。
茂みの下の盛り上がりが生き物のように開閉し、抜き出された指が濡れ光る。
少年達は食い入るようにそれを見つめた。
当の京子はその目を避けるように、視線を遠い床の上に落としている。
品のいい京子がはしたない格好で自慰に浸る様はたまらない。
しかし、潤はそれで満足しなかった。
所詮は場を凌ぐ為の三文芝居だ。感じるためにやっているのではない。
「ずいぶん大人しいオナニーだね」
その言葉に、京子の視線が潤へ向く。
「もっと激しくしてよ。いつもは、あんなものじゃないんだろ?」
潤は優耶に問いかけた。
優耶は純真そうな瞳で頷く。
「……ッ!」
実の弟が相手では隠しおおせる筈もなく、京子は顔を顰めて座りなおした。
今度は脚までソファに上げ、M字開脚しての自慰だ。
気品とかけ離れたその格好は滑稽でさえあった。
京子はより深くに指を挿し入れ、とうとう本格的な自慰を始める。
少年達は生唾を呑み込んだ。
「……くっ……!」
京子は下を向き、小さく喘ぎながら指を蠢かす。
やがて指の入った先からくちゃくちゃと水音がしはじめた。
京子の息遣いも荒ぶっていき、本気で感じ始めたのだとわかる。
「そうそう、気持ち良さそうだね」
潤は優耶の方を振り仰いで言った。
優耶の反応から見て、これがいつもの自慰だろう。
「はぁっ、はぁっ、は、はぁっ……!!」
京子の息が上がり、いよいよ達しかけたと見えたその時、
「 待って! 」
潤がそれを止めた。京子が汗まみれの顔を上げる。
「まだイッちゃだめだよ。僕がもっと気持ちよくしてあげる」
潤はそう言って持参したリュックを開けた。
中からは潤が父親から貰い受けた、様々な道具類が顔を覗かせた。
「はぁ…もっと……気持ち…よくする…?…あなたが……?」
京子は絶頂の寸前で息を切らせたまま呟く。
潤はリュックから銀色の器具を取り出し、見せ付けた。
「オトナのお姉さんなら知ってるよね、こんなの」
少年達は首を傾げ、京子が目を見開く。
それはクスコと呼ばれる、女性の膣を広げて固定するための器具だ。
京子も知識でぐらいは知っているかもしれない。
だが恐らく使われた事などない。
大人社会では重大な意味を持つ柳代の姓が、世の男共に京子にそれを使うような事を許さなかったのだ。
「京子さん、足、開いててね」
クスコに潤滑油をまぶしながら、潤は淡々と告げた。
「…ふうん、ま、ませた道具持ってるじゃない」
京子は狼狽を必死に隠して言葉に従う。
潤は興奮で手が震える想いだった。
どんな大人にも先駆けて、自分がこの女性にこの淫靡な器具を突き立てる一人目になるのだ。
クスコの烏口が京子の肉ビラを割る。器具の冷たさに京子の足が反応した。
しっかりと奥まで差し込んだ後、潤はネジに手をかける。
「開くよ、お姉さん」
キリ、キリ、ネジが開かれるにつれて、京子の身体の中が露わになってくる。
「うお、なんだあれ!?」
「何か赤い肉が見えてんぞ、大丈夫なのかよ!?」
少年達が色めき立つ中、潤と京子だけが平静を装っていた。
「中まで綺麗なんだね、京子さんって」
ひくひくと息づく桃色の粘膜を覗き、潤が優耶に言った。
「うん。お姉ちゃんキレイだ」
優耶は器具の異常性にも気付かず、ただ場の盛り上がりに合わせて喜んでいる。
「それに……。」
潤はさらにクスコの奥を覗き、意味ありげに京子に笑いかけた。
京子は……とうに気付いているのか黙って視線を返す。
2人にだけ伝わる事実。
クスコの曝け出した京子の膣の中には、うっすらとえらの様な物が見える。
処女膜だ。
潤は始めから京子が処女であると踏んでいた。
この気位の高い令嬢が、そう易々と男を知れる筈がないのだ。
「じゃあ、気持ちよくしてあげるね」
京子の視線を浴びながら、潤はさらにリュックから器具を取り出す。
それは2つの、電動歯ブラシを細くした様な道具だった。
潤はそれをクスコで開かれた京子の中に差込み、にこやかにスイッチをいれる。
「うう!!」
瞬間、京子の腰が跳ね上がった。
「腰が凄い動くね。久しぶりなの、こういうプレイ?」
潤は全てを知った上でそう問いかける。
「え、ええ、気持ちいいわ」
京子はたまらず腰を左右に揺すりながら、手でソファを掴んで必死に耐えていた。
他のものはただその様子に見惚れるだけだ。
器具の電動音はいかにも強烈そうで、それが器具で開ききった体内で暴れているのだ。
潤は2つの器具をナイフとフォークのように使い、ステーキを切るように京子の中をかき回した。
京子の中からは止め処なく肉汁が溢れ出て、クスコを伝って流れ落ちていた。
「いやらしい匂いだね」
クスコの中からは、京子の感じ入った牝の香りが強烈に漂っていた。
それは潤だけでなく他の少年に、そして京子自身にも伝わり、彼女の顔を赤らめさせる。
やがて京子の足の指が丸まり、腿が痙攣しはじめた。
絶頂の予兆を感じ取り、潤は器具の繰りを早める。
中をぐちゅぐちゅとかき回し、思い切り奥を広げる。
その瞬間、京子は天を仰いで愛液を溢れさせた。
腰を何度も跳ね上げて身悶える様はとてつもない快感を表していた。
少年達は言葉をなくし、ただ黙って京子を見守る。
「最高だよ……」
潤もその京子の様子を見守りながら、ズボンから逸物を取り出した。
子供とはいえ中々の剛直だ。
潤は京子を引き起こし、未だ気息奄々の赤い唇に捻じ込ませる。
「んう!!」
苦しがる京子の髪を撫で、潤はしっかりと突きこんだ。
「セックスといえば、まずはフェラチオだよ。しっかりやってよね」
腰を引き戻しながら言うと、京子が控えめに舌を使い始めた。
硬くなった亀頭にちろちろと舌が当たる。気持ちはいいが、まだ足りない。
「もっと強く!」
舌の動きが早くなる。吸うような動きを出てきている。
それでもやはり、初心者のフェラチオだ。
「こっちを向いて、京子さん」
潤が言うと、京子は濡れたような瞳で彼を見上げた。
その瞬間、潤は言いようもない興奮に背筋を焦がされる。
潤は京子の頭を掴みなおし、腰を振って一気に彼女の喉奥へ突きこんだ。
「おううえっ!!!」
京子がえづく。その瞬間、亀頭部分に窄まった喉の肉が絡みつき、強烈な射精感を引き起こした。
「ああ凄い、これ凄いよ京子さん!」
潤はその快感に飲まれ、物のように京子の頭を前後させる。むせ返る瞬間がたまらなく気持ちいい。
「出るよ、出るからね京子さん、全部呑んでよ、大人なんだからね!」
潤は叫びながら京子の喉奥に亀頭を擦りつけ、腰を震えさせた。
驚くほどの量が流れ出ていく。
京子は目を見開きながらそれを口で受け、潤の逸物が抜けた瞬間に戻しそうになるのを堪えた。
そして一息に呑み込もうとし、喉につっかえたらしく苦しそうに咳き込む。
その表情は嫌いなピーマンを無理矢理食べさせられた子供のようだった。
「美味しい?」
潤が問うと、とてもそうは思えない表情で頷く。
そう、京子は子供だ。少なくとも性に関しては、虚勢を張りたいだけの子供に過ぎない。
潤は改めてそう思いながら、これからどうこの女らしい子供を躾けようか考えを巡らせた。
数度の絶頂で秘唇は蕩けきっている。
この辺りで周りの逸物をそり立てている連中の一人に跨らせ、自ら処女を失わせるのも面白い。
京子は痛みに顔を歪めるだろうが、それを弟に悟られぬように必死に堪えることだろう。
尻穴を開発してやるのも面白い。
クラスメイト達に尻穴でするのが普通だと思い込ませれば、京子はその初々しい蕾を差し出さざるを得なくなる。
まだまだ楽しめそうだ。
潤は京子を見下ろしながら、笑った。
終わり
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父親は性欲が並外れた男だった。
浮気などして当たり前、夜毎違う女を引っ掛けてきて家で可愛がる。
母親はそんな男に愛想をつかして家を出た。
そして今も潤の父は若い女を縛り上げ、その秘所を飽くことなく玩具で責め立てている。
「ああ、イヤあ…!あんな小さな子が見てるのにぃ……!!」
女は潤の方に視線をやって嫌々と首を振る。潤はそれを冷笑混じりに見つめていた。
(……何がイヤあ、だ。“薄汚い雌豚”め)
母のかつての口癖を思い浮かべながら。
「あぁ!待って!!」
女が唐突に叫んだ。見れば父が立ち上がり、外に一服しに行く所だった。
焦らし責めだ。
「逝かせて…逝かせてェ…」
女は尻が天を向くように縛られたまま、バイブを股座に唸らせて哀願する。
潤が目の前に立つと、ふとその表情が明るくなる。
「あ、ねぇボク!この縛られてるの解いて?それかお父様を呼んできて?
おねえさんすっごく辛いのよう、お願い」
猫なで声でそんな事を囁く。潤は一言も発さぬまま、女の秘所に足を乗せた。
「……え?」
女の間の抜けた声と入れ替わりに、思い切りバイブを踏み込む。
甲高い悲鳴が上がる。
潤は女の狭間が吐き出したバイブをさらに踏み込み、吐かれ、踏みを繰り返す。
「やめてっ、やめてえっ!!ちょっと、遊びじゃないのよボクっ!!!」
潤の小さな足の下で、女は喚きながらも猛烈なピストンに悦びの涙を流し、それを顔に受けて泣きじゃくる。
…ぐちゃっぐちゃっぐちゃっ…どろぉっ ぐちゃっぐちゃっぐちゃっ………
潤はそのみっともなさに溜息をついた。
少年が溜息を吐くような事は学校でもあった。
友人の一人、柳代優耶(やなしろゆうや)と話をしている時だ。
優耶は10歳という齢を鑑みてもぼんやりとしており、考えも話も幼稚だった。
親しくしておけば損はないタイプなのでつるんでいるが、潤は内心では優耶の事を蔑んでいた。
潤がそんな優耶の話を適当に聞き流していたある日、ふと優耶が変わった事を言い出した。
優耶は四人兄弟の末っ子で、一番上の姉とは歳がかなり離れている。
その姉が時々いやらしい話をしてくる、というのだ。
Hをした時のことを語ったり、時にはオナニーを見せたりさえするらしい。
その話を聞いたとき、潤はそれをすんなりと信じることが出来た。
優耶という少年はとかくぼうっとしており、無性にからかいたくなる。
特に妙齢の女性ならばそんな気持ちも強くなるだろう。
家にこんな弟がいては、性的な会話を仕掛けたくなってもおかしくない。
そんなある種の共感もあってか、潤はやおらその姉に興味が沸いてきた。
話を耳にして寄ってきた数人のクラスメイトと共に、姉の人となりを優耶から聞く。
名は京子(きょうこ)。歳は今年で28とかなり離れており、地方銀行に勤めるキャリア系らしい。
そして見た目。優耶が取り出した写真を見たとき、潤たちは息を呑んだ。
写真は出勤時の京子を撮影したものだった。
知性を裏付けるような薄縁のファッションメガネ。
首元までに整えられたダークブラウンの髪。
歩く様が絵になる、スーツに包まれた迫力ある体つき。
「すげえ美人じゃん!」
「まさにキャリアウーマンだな、カッケぇ…」
「出来る女って感じだわ。道歩いてても絶対声かけらんねえ」
クラスメイトが口々に驚嘆する。
潤も同感だった。
少なくとも潤の父によがらされるような雌とは別の人種だ。
これほど凛とした女性が、本当に優耶に不埒な事を吹き込んでいるというのか…?
潤はますます気になって仕方がなかった。
潤達はそれから毎日のように、優耶に姉の話をせがんだ。
優耶はそれに笑みで応じた。
京子が良くする話……部活の先輩との、会社の若い上司との赤面ものの性体験。
恵まれた器量のおかげでどこへ行ってもアイドルであり、相当エッチな体験をしてきたこと。
優耶はそれを自らも赤面しながら語り続けた。
しかし…クラスメイトが舞い上がる中、潤はその話を聞くにつれて一つ不可解な想いを抱くようになった。
どうにも嘘臭い。
毎晩女が感じる姿を目の当たりにしているからそう感じるのか、
京子がしているという話には、どこか初々しい幻想や無知さが見えた。
あるいは姉が不埒であるということ自体が優耶の捏造ではないかとも考えたが、
優耶がそんな頭の回るタイプではない事はよく知っている。
そしてある日、潤は確信めいた物を心に忍ばせてこう切り出した。
「なあ、いっぺんお前の姉ちゃんに会わせてくれよ。
俺らもさ…その、女の人のこと色々と知りたいんだ。なぁ」
潤が純情ぶって言うと、クラスメイトも一斉に頷いた。
優耶は満面の笑みを浮かべる。
「うん、いいよっ!友達連れて帰ったら、おねえちゃんきっと喜ぶや。」
クラスメイト達が幼い歓声をあげた。
いよいよ噂の姉とご対面だ。
そのとき潤が歪な笑みを浮かべた事を、優耶はまるで気付く素振りもなかった。
※
優耶の家が見えたとき、潤達は思わず唖然とした。家というより屋敷だ。
そもそも立地が緑溢れる高級住宅街であり、そこに屋敷を構えるとなれば何千万を要することか。
潤の家も割に裕福だが格が違う。
優耶のぼうっとした性格がわかる気がした。
「ゆーやのお友達なんて珍しいわねぇ、いらっしゃい」
優耶の言う通り、京子は弟の友人として訪れた潤らを快く迎え入れた。
テキパキと紅茶を淹れ抹茶味のシフォンまで出す手際の良さは、流石社会人である。
というより、自室に喫茶セットがある辺りを流石というべきか。
京子の部屋は新婚が悠に暮らせるほどの広さだった。
その中央にしつらえられた巨大なソファに京子を囲んで座る。
オフの日の京子は写真のイメージとはまた違っていた。
28という歳を感じさせない若々しい肌だ。
金があるゆえに美用品も最上級の物が揃えられるのだろう。
そもそも金に困らぬ彼女は働く意味があるのか?
少年の一人がそう疑問をぶつけた。
「家柄は関係ないわ。お金持ちの子はね、周りが思うよりずっと働きたがってるの」
そう言って笑う京子は、育ちの良いわりに気さくな印象を与える。
だが潤はこの時まさに、彼女の本質を垣間見た。
働きたい…?
否、そうではない。“評価されたい”のだ。
家柄で持て囃されるに飽き足らず、自分自身の能力でも一流と呼ばれんとする。
その片鱗があのファッションメガネだ。
今の京子は眼鏡をかけていない、つまり本来は必要ない。
それなのにわざわざ伊達眼鏡をかけてまでキャリアを演じる、その根底にあるのは虚栄。
事実今も、たかが小学生の来客に対して京子は小洒落た服を着込み、ネックレスにブレスレットをしている。
ハーブの香水まで纏っているという徹底振りだ。
子供相手にも素敵なお姉さんを演出しようとしたのだろう。
( ――こいつ、見栄っ張りだ )
潤は確信した。
「京子さんってさ、モテるでしょ」
潤がそう切り出したとき、京子の顔が明らかに変わった。
「…どうして?」
「だって、いかにもだもん。美人で、スタイルよくて、品があって」
けして褒め殺しではない。事実であることを承知で美辞麗句を並べる。
京子は目を閉じて息を吐いた。
あどけない少年にまで魅力を理解され、女として悪い気はしないだろう。
「そうね、お誘いは多いわ」
ティーカップを傾けて京子が答えたとき、潤は勝負に出た。
「じゃあさ、僕らにも女の人のこと、教えてよ」
京子の目が開かれる。周りの少年達も、優耶を除いて顔色を変える。
「実は僕ら、優耶くんに色々お姉ちゃんの話聞いてるんだ。
…エッチなことも時々、教えてくれるって」
京子が優耶を睨む、だが優耶のにこやかな表情を目にし、怒りのやり場を失ったように視線を惑わせた。
「あ、あのね、まだ君達みたいな子供には早……」
『お願いしますっっ!!』
京子の言葉は、突然のクラスメイトの叫びにかき消された。
「お願いします、京子さん!!」
「お願いです、裸見せてください!!
「僕ら、ずっと楽しみにしてたんです!!」
クラスメイトは子供ゆえのストレートさで京子に要望をつきつける。
それにさり気なく便乗しながら、潤は内心でほくそ笑んだ。
こういう場合に子供ほど厄介な相手はない。
これを凌げるならかなり子供慣れした女性だろう。そして箱入り娘である京子は、絶対にその類ではない。
「あ、あ、う、そのっ………」
京子は困惑しきった様子で子供達の爛々とした瞳を受け、やがて、折れた。
「……ち、ちょっと、本当にちょっとだけよ…」
そう言ってスカートのベルトに手をかける京子を、潤はいよいよ楽しげに眺める。
(うん、今日は“ちょっとだけ”……。
お姉さんの考えるちょっととは、随分違うだろうけどね)
「おおお…。」
京子が服を全て脱ぎ去ったとき、少年達は思わず感嘆の声を漏らした。
潤でさえだ。
28、下手をすれば潤たちの母親であってもおかしくない歳。
京子はその歳に恥じない熟れた身体をしていた。
豊かなあまり垂れた乳房と安産を約束する腰つきは、この上なく女らしく性的だ。
腹部は引き締まりながらも脇にわずかな肉付きがある。
それがやたらに抱きつきたい気持ちをくすぐるのだ。
そして肉感的でいながらも手足はすらりと細長く、けしてただ太っているのではないと視覚に訴える。
生半可なグラビアアイドルでは太刀打ちできぬ匂い立つ女体。
潤は女の身体を見慣れていたが、それは親父好みの未熟さを残したものばかり。
これほど性を直感させる裸体を見たことはなかった。
「綺麗だ」
潤は自分でも知らないうちに京子に寄り、その胸に顔を埋めていた。
どこまでも柔らかい乳房が頬を包む。腰に手を回せば、すべすべした腰つきに柔らかな感触。
触れていて楽しすぎる身体だった。そしてひどく安らぐ匂いをしている。
京子は戸惑ったように、躊躇いがちに潤の頭を撫でていた。
だが、潤にいつまでも安らいでいるつもりはない。
「ねえ、オナニーしてみせてよ」
乳房の間から悪戯っぽい瞳を覗かせ、潤は言った。京子が声を詰まらせる。
「………わ、わかったわ」
京子はそっと潤を離し、革張りのソファに腰を下ろした。
そして指を秘所に導き、ゆっくりと沈み込ませていく。
「……はっ、…はっ……」
京子はリズミカルに息を吐きながら指を操っていた。
脚を広げたまま親指の腹でクリトリスを捏ね、人差し指と中指を差し入れて中をくじる。
茂みの下の盛り上がりが生き物のように開閉し、抜き出された指が濡れ光る。
少年達は食い入るようにそれを見つめた。
当の京子はその目を避けるように、視線を遠い床の上に落としている。
品のいい京子がはしたない格好で自慰に浸る様はたまらない。
しかし、潤はそれで満足しなかった。
所詮は場を凌ぐ為の三文芝居だ。感じるためにやっているのではない。
「ずいぶん大人しいオナニーだね」
その言葉に、京子の視線が潤へ向く。
「もっと激しくしてよ。いつもは、あんなものじゃないんだろ?」
潤は優耶に問いかけた。
優耶は純真そうな瞳で頷く。
「……ッ!」
実の弟が相手では隠しおおせる筈もなく、京子は顔を顰めて座りなおした。
今度は脚までソファに上げ、M字開脚しての自慰だ。
気品とかけ離れたその格好は滑稽でさえあった。
京子はより深くに指を挿し入れ、とうとう本格的な自慰を始める。
少年達は生唾を呑み込んだ。
「……くっ……!」
京子は下を向き、小さく喘ぎながら指を蠢かす。
やがて指の入った先からくちゃくちゃと水音がしはじめた。
京子の息遣いも荒ぶっていき、本気で感じ始めたのだとわかる。
「そうそう、気持ち良さそうだね」
潤は優耶の方を振り仰いで言った。
優耶の反応から見て、これがいつもの自慰だろう。
「はぁっ、はぁっ、は、はぁっ……!!」
京子の息が上がり、いよいよ達しかけたと見えたその時、
「 待って! 」
潤がそれを止めた。京子が汗まみれの顔を上げる。
「まだイッちゃだめだよ。僕がもっと気持ちよくしてあげる」
潤はそう言って持参したリュックを開けた。
中からは潤が父親から貰い受けた、様々な道具類が顔を覗かせた。
「はぁ…もっと……気持ち…よくする…?…あなたが……?」
京子は絶頂の寸前で息を切らせたまま呟く。
潤はリュックから銀色の器具を取り出し、見せ付けた。
「オトナのお姉さんなら知ってるよね、こんなの」
少年達は首を傾げ、京子が目を見開く。
それはクスコと呼ばれる、女性の膣を広げて固定するための器具だ。
京子も知識でぐらいは知っているかもしれない。
だが恐らく使われた事などない。
大人社会では重大な意味を持つ柳代の姓が、世の男共に京子にそれを使うような事を許さなかったのだ。
「京子さん、足、開いててね」
クスコに潤滑油をまぶしながら、潤は淡々と告げた。
「…ふうん、ま、ませた道具持ってるじゃない」
京子は狼狽を必死に隠して言葉に従う。
潤は興奮で手が震える想いだった。
どんな大人にも先駆けて、自分がこの女性にこの淫靡な器具を突き立てる一人目になるのだ。
クスコの烏口が京子の肉ビラを割る。器具の冷たさに京子の足が反応した。
しっかりと奥まで差し込んだ後、潤はネジに手をかける。
「開くよ、お姉さん」
キリ、キリ、ネジが開かれるにつれて、京子の身体の中が露わになってくる。
「うお、なんだあれ!?」
「何か赤い肉が見えてんぞ、大丈夫なのかよ!?」
少年達が色めき立つ中、潤と京子だけが平静を装っていた。
「中まで綺麗なんだね、京子さんって」
ひくひくと息づく桃色の粘膜を覗き、潤が優耶に言った。
「うん。お姉ちゃんキレイだ」
優耶は器具の異常性にも気付かず、ただ場の盛り上がりに合わせて喜んでいる。
「それに……。」
潤はさらにクスコの奥を覗き、意味ありげに京子に笑いかけた。
京子は……とうに気付いているのか黙って視線を返す。
2人にだけ伝わる事実。
クスコの曝け出した京子の膣の中には、うっすらとえらの様な物が見える。
処女膜だ。
潤は始めから京子が処女であると踏んでいた。
この気位の高い令嬢が、そう易々と男を知れる筈がないのだ。
「じゃあ、気持ちよくしてあげるね」
京子の視線を浴びながら、潤はさらにリュックから器具を取り出す。
それは2つの、電動歯ブラシを細くした様な道具だった。
潤はそれをクスコで開かれた京子の中に差込み、にこやかにスイッチをいれる。
「うう!!」
瞬間、京子の腰が跳ね上がった。
「腰が凄い動くね。久しぶりなの、こういうプレイ?」
潤は全てを知った上でそう問いかける。
「え、ええ、気持ちいいわ」
京子はたまらず腰を左右に揺すりながら、手でソファを掴んで必死に耐えていた。
他のものはただその様子に見惚れるだけだ。
器具の電動音はいかにも強烈そうで、それが器具で開ききった体内で暴れているのだ。
潤は2つの器具をナイフとフォークのように使い、ステーキを切るように京子の中をかき回した。
京子の中からは止め処なく肉汁が溢れ出て、クスコを伝って流れ落ちていた。
「いやらしい匂いだね」
クスコの中からは、京子の感じ入った牝の香りが強烈に漂っていた。
それは潤だけでなく他の少年に、そして京子自身にも伝わり、彼女の顔を赤らめさせる。
やがて京子の足の指が丸まり、腿が痙攣しはじめた。
絶頂の予兆を感じ取り、潤は器具の繰りを早める。
中をぐちゅぐちゅとかき回し、思い切り奥を広げる。
その瞬間、京子は天を仰いで愛液を溢れさせた。
腰を何度も跳ね上げて身悶える様はとてつもない快感を表していた。
少年達は言葉をなくし、ただ黙って京子を見守る。
「最高だよ……」
潤もその京子の様子を見守りながら、ズボンから逸物を取り出した。
子供とはいえ中々の剛直だ。
潤は京子を引き起こし、未だ気息奄々の赤い唇に捻じ込ませる。
「んう!!」
苦しがる京子の髪を撫で、潤はしっかりと突きこんだ。
「セックスといえば、まずはフェラチオだよ。しっかりやってよね」
腰を引き戻しながら言うと、京子が控えめに舌を使い始めた。
硬くなった亀頭にちろちろと舌が当たる。気持ちはいいが、まだ足りない。
「もっと強く!」
舌の動きが早くなる。吸うような動きを出てきている。
それでもやはり、初心者のフェラチオだ。
「こっちを向いて、京子さん」
潤が言うと、京子は濡れたような瞳で彼を見上げた。
その瞬間、潤は言いようもない興奮に背筋を焦がされる。
潤は京子の頭を掴みなおし、腰を振って一気に彼女の喉奥へ突きこんだ。
「おううえっ!!!」
京子がえづく。その瞬間、亀頭部分に窄まった喉の肉が絡みつき、強烈な射精感を引き起こした。
「ああ凄い、これ凄いよ京子さん!」
潤はその快感に飲まれ、物のように京子の頭を前後させる。むせ返る瞬間がたまらなく気持ちいい。
「出るよ、出るからね京子さん、全部呑んでよ、大人なんだからね!」
潤は叫びながら京子の喉奥に亀頭を擦りつけ、腰を震えさせた。
驚くほどの量が流れ出ていく。
京子は目を見開きながらそれを口で受け、潤の逸物が抜けた瞬間に戻しそうになるのを堪えた。
そして一息に呑み込もうとし、喉につっかえたらしく苦しそうに咳き込む。
その表情は嫌いなピーマンを無理矢理食べさせられた子供のようだった。
「美味しい?」
潤が問うと、とてもそうは思えない表情で頷く。
そう、京子は子供だ。少なくとも性に関しては、虚勢を張りたいだけの子供に過ぎない。
潤は改めてそう思いながら、これからどうこの女らしい子供を躾けようか考えを巡らせた。
数度の絶頂で秘唇は蕩けきっている。
この辺りで周りの逸物をそり立てている連中の一人に跨らせ、自ら処女を失わせるのも面白い。
京子は痛みに顔を歪めるだろうが、それを弟に悟られぬように必死に堪えることだろう。
尻穴を開発してやるのも面白い。
クラスメイト達に尻穴でするのが普通だと思い込ませれば、京子はその初々しい蕾を差し出さざるを得なくなる。
まだまだ楽しめそうだ。
潤は京子を見下ろしながら、笑った。
終わり
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