大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2010年11月

The edge ep.10-3

1.

半年以内に、茜と王座を賭けて再戦する。
それが悠里の最終目的だ。
だがそこへ辿り着くには、楓に勝って自らの生き様を認めさせなければならない。
一度は為す術もなくやられた相手。
アリーナの絶対王者と呼ばれる悠里とて、今度ばかりは勝てる確証などなかった。
しかし逃げる訳にはいかない。

「大目的を果たすには、まず小目的をクリアするのが基本……よね」
悠里は目の前のビルを見上げて呟いた。
『奈波フロンティアビル』
青ガラスにその文字が見える。
悠里がその名を白人少女から奪い取った瞬間、彼女の家となった外資系のビルだ。
世間では、悠里はそこの社長令嬢という事になっている。

自動ドアを開いて悠里が中に入ると、身なりの整った受付嬢が目を見開いた。
「お、お嬢様、ご無事だったのですね!?
 3ヶ月前にトレーニングに出られて以来戻られず、何かあったのではと心配しておりました!」
受付嬢は涙ながらに悠里に駆け寄った。
「あははっ、ごめんごめん」
悠里は頭を掻きながら済まなそうにする。
心配もするだろう。ここに戻ったのは莉緒に絡まれた日以来だ。
そしてここに帰ったのは、ただ家であるから、だけではない。
「……マヤさん、いる?」
悠里がそう問うと、受付嬢が事情を察したように表情を変える。


鳳麻耶(おおとりまや)。
悠里の住む奈波フロンティアビルの警備責任者だ。
『強そうだ』とレディースに絡まれては返り討ちにする悠里には、ビル近辺に敵が多い。
当然、悠里の住むビルにイキの良いレディースが乗り込んでくる時期もあった。
そんな時、男の警備員では少女を殴れない。
男が年端も行かぬ少女を殴ったとあっては、例え正当防衛でも周りが騒ぐ。
ゆえに腕の立つ女用心棒が必要だった。そこで雇われたのが麻耶だ。

麻耶を推薦したのは悠里自身だった。悠里は彼女の強さを良く知っていた。
何しろ麻耶は、悠里が女王の座に就く以前、その地位にいた“先代女王”なのだから。



その世代交代劇は、今でもマニアの間で語り草になっている。
破竹の勢いで王座挑戦権を得た女子高生・悠里と、マーシャルアーツの“女王”麻耶の激突。
共に長い黒髪にスタイル抜群の、女王然とした美女だ。
試合開始前、拳を突き合わせた時には誰もが互角のやり合いを予感しただろう。

だが試合開始4分余り、場は早くも驚愕に包まれた。
それまでの全試合を鮮やかな一本勝ちで決めていた悠里が、リング上で亀のように丸まったのだ。
後のビデオによる再生によれば、鳩尾に強烈な貫手を喰らって崩れ落ちたらしい。

丸まった悠里の背中へ麻耶が覆い被さり、悠里の顔へパンチを浴びせる。
腰を切らずにコンパクトに当てるロシアンフック。
それをうまくガードの隙間に打ち込まれ、美しい悠里の顔はたちまち血に塗れていった。
リングサイドの最前列で観戦していた男女3人が、それを見て口を押さえながら席を立ったと言われる。
麻耶のファンはその容赦のなさに歓喜の叫びを上げ、
悠里のファンになりつつあった者達は、せめて美貌の取り返しがつく内に棄権してくれと祈った。

ようやく悠里が亀状態からまろび出た時、その顔は原型が分からぬ程に腫れ上がっていたという。
コーナーを背にようやく立っている状態だ。
その悠里にトドメとばかりに麻耶が迫った瞬間、観客からは悲鳴が上がった。
しかし数秒後、その客の悲鳴を麻耶自身の悲鳴が掻き消す。
「きぇぁああああ゛あ゛!!!!!」
麻耶は絞められた鶏のような叫びを上げ、左足を抱えてリングに倒れこんだ。
左足は膝下がくの字に折れている。
対する悠里は、コーナーに追い詰められたまま残心を取っていた。
下段蹴りで女王の足をへし折ったのだ、というのが、その構図から良く分かった。

左脚を粉砕された後も、鳳麻耶は王者の意地で悠里に挑みかかった。
だが悠里は、斧のように鋭く重い蹴りで彼女のアバラを打ち砕く。
そして麻耶が血飛沫を吐きながらマットに沈んだ時、悠里は王座と共に2つ名を得たのだ。

“カーペントレス(木こり娘)”と……。



王座から陥落して以来、鳳麻耶は落ちぶれた。
悠里にやられた傷が癒えても、リングには戻らず、酒を浴びるように飲み、
高額な料金をふっかけるバーで女だてらに用心棒をしていた。
それを知った悠里がバーを訪れ、奈波フロンティアビルの警備を持ちかけたのだ。
当然、麻耶は怒った。
誰のせいでこうなったのだ、馬鹿にするな、と。
だが悠里の放った言葉で、その怒りは形を変える。

「だから、いつでもリベンジ出来る場所をあげる、って言ってるのよ。
 王座挑戦権とか、客の需要とか、そんなの一切関係ナシ。
 同じビルに住んで、いつだって寝首を掻きに来るといいわ。
 常にそういう緊張感があった方が、私も強さに磨きが掛かる気がするしね」


それ以来、麻耶は奈波フロンティアビルの用心棒となった。
悠里を狙って乗り込んできたレディースは叩き出し、不審者も誰一人見逃さない。
彼女さえいれば悠里のいない間も安心、と皆からの信頼も上々だ。
しかし、悠里との勝負は依然として続いている。
試合が不完全燃焼で終わった日は、悠里は必ず麻耶に勝負を持ちかけた。
もちろん、麻耶が悠里に宣戦布告する事もある。

その戦歴は、悠里が41戦39勝2分。
総合の戦い方に慣れ、格闘家として脂の乗った悠里に、ロートルの麻耶が敵う事はなかった。
地力が違い、反応速度が違い、センスが違う。
そして悠里に負けて以来、酒浸りで弱い者いじめをしていた期間の差も大きい。
まさにその間に、悠里は王者としての風格を身に着けていったのだから。

ただ、今はそれが逆になっている。
悠里は楓の元にいる間に鍛錬が出来ず、麻耶は悠里を倒すべく日々稽古を積んだだろう。
出会って4年近くが経ち、それなりに腹を割って話せる関係にはなった。
しかしプライドの塊である麻耶は、今でも悠里の事を小憎らしく思っている。
勝負を持ちかければ、いつでも試合さながらの気迫で襲ってくるのだ。



「マヤ、全力で来て頂戴。私を倒せたら、一晩好きにさせてあげる」
広い自室の中、リングのそれと同じ照明を浴びて悠里が手招きした。
結った後ろ髪が獅子の尾のように揺れる。

対する麻耶は、全身に青いボディスーツを纏っていた。
腰まで伸ばした若干癖のある黒髪に、冷たい細目、八重歯の覗く口。
輪郭はシャープで、狼を思わせる精悍な顔つきをしている。
殺気を漲らせる悠里とはまた違う、冷酷な女王といった見目だ。

「言われずとも。でも良いの、お嬢様? 見た所、以前の冴えは無いようだけど」
麻耶は目を輝かせて告げる。
実に嬉しげだ。悠里の鈍りを見抜き、自らの勝機を嗅ぎ取ったらしい。
その腕は武者震いし、今にも相手を打ち砕こうと戦慄く。

「……行くわよ!」
麻耶が笑みを浮かべて駆け出した。姿勢を低くしての突進。
タックルだ、と読んだ悠里は膝を合わせての迎撃を狙った。
だが麻耶は寸前で踏みとどまり、突き出た悠里の腿を外へと払う。
「あっ!?」
悠里は大股を開く形でバランスを崩す。
その崩れた隙を狙い、麻耶の左手が悠里の襟を掴んだ。
「っせァ……ああ!!」
麻耶はそのまま悠里を引きつけ、自らは背を向けながら悠里の内腿を蹴り上げる。
柔道の内股だ。
バァン、と轟音が響き、円転した悠里の身体は床に叩きつけられた。
「がはぁっ……!!」
肺の空気が押し出されて噎せる悠里。
そこに麻耶の影が落ちる。
「はッ!!」
打ち込まれたのは体重を乗せた下段突きだ。
しまった、と悠里が思った時にはもう遅く、それは腹部に突き刺さった。
腹筋を固める事を忘れた柔肉に、深々と。

「う゛っ…………んげろ゛ッ!!!」
苦悶の後、悠里の口から黄色いものが噴きあがった。吐瀉物だ。
それを汚らしそうに見下ろしながら、麻耶が嘲笑った。
「あなた、本当に悠里お嬢様?……にしては、ちょっと反応が遅すぎるんじゃない」
「…………ッ!」
悠里は横に転がりながら口元を拭う。
普段の悠里ならここで嫌味を返すところだが、今は苦悶の表情を深めるばかりだ。
腹に相当重く入ったらしい。
それほどまともに喰らったという事であり、まさに反応が遅い事の証だった。



 (重い、身体が……重い……!)

麻耶の猛攻を必死に捌きながら、悠里は思う。
動体視力は落ちておらず、相手の動きは全て見える。
しかし捌こうにも身体がついてこない。
緩慢な麻耶の膝蹴りが、動かない腹部に突き刺さった。
「おえ゛え゛っ!!」
悠里の口から声が上がる。
腹筋は驚くほど軟く、膝蹴り数発で簡単に崩壊してしまう。

気がつけば悠里は後頭部を掴まれ、密着して膝を腹に打ち込まれていた。
首相撲だ。
以前の悠里なら、自分に首相撲を挑むなど良い度胸だ、とばかりにやり返し圧倒したものだが、今は苦悶して腹を捩じらせる事しかできない。
耐えるので精一杯、対抗して膝を打ち込むなど到底不可能だ。

(マヤ相手に、ろくに……動けない……。ここまで鈍ってるなんて……!!)

物心ついて以来、常に鍛え続けてきた悠里が迎えた、初めての空白期間。
その代償は大きく、悠里は嘔吐しながら麻耶の首相撲に屈した。
「…………ぁ…………あ、ぅ………………」
麻耶の身体を滑り落ち、力なく地に伏せる。

麻耶が高らかに腕を突き上げた。

「…………ふふ、ふふふふ。どれだけ、どれだけこの瞬間を待ち望んだか……!
 さーぁ悠里お嬢様。約束通り、一晩“好きに”させて貰うわよぉ?」
悠里の顎を持ち上げて麻耶が告げると、現女王は口惜しそうに俯いた。



2.

「ああ、すっごいコレ。中にすっぽり収まって、本当に犯してるみたい。
 いつかあなたに使える事を夢見て、買っておいた甲斐があったわ」
麻耶がペニスバンドで悠里を犯しながら言う。

悠里は女子高生時代の制服を着せられていた。
麻耶を女王の座から引きずり下ろした時のものだ。
白と紺のセーラー服に、赤いスカーフ。
スカートは普通の少女が履けば膝上5センチの丈だが、脚の長い悠里が履くと超ミニに映る。
更にはベッドで犯されているにも関わらず、紺のハイソックスと革靴まで履かされていた。
制服を着てなど、皺になるし汚れる。
悠里はそう憤ったが、一晩好きにさせると宣言した手前、断る事はできなかった。

麻耶は悠里をベッドに腹ばいにさせ、尻だけを高く掲げさせて犯し続ける。
捲れたスカートから時おり極太のペニスバンドが覗く。
ディルドーは双方同じ長さで、悠里と麻耶自身の秘部へ深々と沈み込んでいた。
「悠里お嬢様、顔をお上げなさい」
麻耶が悠里に命じる。
一夜に限り絶対のその言葉に従い、俯いていた悠里が前を向いた。

姿見に2人の女の交わりが映し出されている。
一人は制服を着た女、一人は女王然としたコスチュームに身を包んだ女。
悠里は女子高生時代に戻ったかのようだった。
もしかすればあったかもしれない、王座争奪戦における敗北の結末だ。
惨めたらしい姿だった。
逆に麻耶は、なんと満ち足りた顔をしている事だろう。



「でも驚いたわ。まさか私に殴られて、こんなに濡らしてるなんて。
 私のご主人様はずいぶんな変態だったみたいね。
 4年前のあの時も、後ろから顔を潰されながら濡らしてたのかしら?」
麻耶は腰を遣いながら悠里に問う。
結合部からは粘ついた音が立っていた。確実に感じている音だ。
悠里は唇を噛み締める。

確かに悠里は濡れている。しかし快感からではない。
3ヶ月の間、楓や紗江、クミ達から女の悦びを教え込まれた。
寝ている間にさえ開発を進められた。
女達に数時間に渡って絶頂状態を維持させられ、泡を吹いて失神した事も何度もある。
そうする内に、悠里の肉体はすっかり火照りやすく作り変えられてしまった。
ただでさえ敏感だったのに、だ。
もはや痛みでも苦しみでも、何もかもが快感に摩り替わる回路が脳に出来上がっている。
濡れるのは仕方のない事だった。
しかし麻耶が、それで追求を止める筈もない。

「本当に凄い。下の唇が呑み込むみたいに蠢いて、蜜を塗りつけてる。なんてエッチなのかしら」
麻耶は結合部を見つめながら言葉責めを続ける。
「それに、ほらなぁにここ?突かれる度にヒクついてるじゃない」
麻耶の指が、秘裂より後ろにある蕾を弄くった。
悠里の腰が跳ねる。
「い、いやっ!お尻はやめて!!」
その反応に、麻耶はいよいよ楽しげに口元を吊り上げた。
「へぇ……あなた、お尻が弱いの?これは良い事を知ったわ」
麻耶は秘裂からペニスバンドを抜き、濡れ光るそれを悠里の後穴に宛がう。
「んぐ!!」
「ふふ、簡単に入っていくわ、相当慣れてるみたいね」
麻耶は嘲笑いながら腰を進めた。



ペニスバンドが根元まで入り込むと、麻耶は悠里を膝立ちにさせる。
そしてその尻穴へ深々と抜き差しを始めた。
「う、うぐ……!!」
悠里は顔中に皺を寄せて耐える。
開いた脚の間に突く手が震えていた。
「あら、膣よりもずっと気持ちよさそうな顔してるわね。排泄の穴よ?ここ。
 仮にも私の跡を継いで女王を名乗る女が、こんな所で感じるだなんて」
前女王が悠里をなじる。細い腰を掴み、尻穴に抽迭を繰り返して。
悠里の唇が固く結ばれた。
口惜しいが、反論する資格はない。自分は勝負に負けたのだ。
いくら自分が鈍っているとはいえ、ロートルで負け続けのマヤに遅れを取る筈がない。
心のどこかでそう思っていた。その結果がこれだ。

麻耶は膝立ちになった悠里の尻穴に何度か深い突きこみを入れた後、
腸内を捲り返す勢いで引き抜く。
そして花のように開いた蕾が閉じきらない内に、再び深々と突き刺す。
これを何度も繰り返した。
「んううう……!!」
肛門性感のうち最も敏感な菊輪が強く刺激され、悠里は思わず甘い声を上げる。
当然、麻耶がそれを嘲笑った。

「お尻の穴深くに抜き差ししてるのに、うんちがつかないのね。
 事前に綺麗にしてきたの?それとも毎日ここで自慰をしてるからかしら?」
引き抜いた極太のディルドーを見つめ、麻耶が問う。
悠里は答えない。
麻耶はさほど気にもしない様子で、突いて、抜いて、挿入する動きを繰り返す。
その意図に悠里が気付いた時には、もう遅かった。

ある時、ぶうっ、と悠里の後孔から空気が漏れる。
悠里が目を見開いた。
「あらお嬢様。アナルセックスが気持ちいいからって、おならはいけないわ」
麻耶が馬鹿にしたように笑う。
あの引き抜いてすぐに挿す行為は、腸内に空気を入れる為だったのだ。
空気を抱き込んだ悠里の腸内は、抜き差しの度にぶう、ぶううっと卑しい音を立てる。
悠里の美顔が耳まで朱に染まった。

「……よっぽど、私が憎いみたいね」
掌を握り締めながら悠里が呟く。
「ええ、当然でしょう?私を王座から引き摺り下ろしたのはあなたなんだから。
 あのクソガキの尻穴を、今こうして犯してる。楽しくって堪らないわ!」
麻耶は心から嬉々とした様子で答えた。



それから麻耶は、膝立ちになった悠里の後孔を延々と穿ち続けた。
「うぐっ……!ひぃっ……!!!」
悠里は身体を震わせながら声を漏らす。
気張るような体勢であるため、抜かれる度に強い排便の快感を得る。
逃げ出そうと思えばいつでも出来た。
しかし一晩好きにさせると言った以上、どれほどおぞましくとも耐えるしかない。

「ねぇどうなの、排泄する所にこんな太いのを捻じ込まれる感覚って?
 私はそんなおぞましい経験したくもないけど、後学の為に聞いておきたいわ。
 気持ちいいの、悠里お嬢様?」
麻耶はセーラー服の上着越しに悠里の胸を弄った。
「あかっ……!!」
悠里が切ない声を上げる。

麻耶の抜き差しには全くの容赦がなかった。
悠里の腰を鷲掴みにし、圧倒的な質量を腸の最奥まで突き込んでくる。
一突きごとに丹念に、丹念に。
そこには麻耶の執念が満ちていた。
悠里を犯すという行為を、気の遠くなるような時間、夢想し続けたのだろう。
その執念が腸奥を抉り回す。それで感じないはずがない。

「あっ……!んっ………う……!!……あぁっ……!!!」
悠里は喘ぎながら内腿に蜜が溢れていくのを感じた。
膝立ちの姿勢が保てなくなり、ベッドにうつ伏せに倒れこむ。
それで大きく脚を開いてしまう事になり、麻耶のものが決定的なほど深く入り込んでくる。
「…………あ゛…………!!!」
極感が、悠里の唇を無理矢理に開かせた。
そこへ抜き、嵌める動作が加わると、もう悠里の力みはほとんど無くなってしまう。



「……もう、許して……」
どのくらいが経ったのか、悠里はシーツを掴みながら乞うた。
「……もう…………おしりはやめて……っ!」
腸内に異様な感覚が生まれていたからだ。
明確な快感ではないが、身を任せれば心地が良いと確信できる感覚だ。
スリーパーで絞め落とされる最期の一瞬に近い。
何もかも捨てて浸りたい、極めて危険な感覚が悠里の脳に疼いていた。
膣に比べれば遥かに凡庸な快感を幾重にも重ねられると、そのうち足がつかないほど深い快感の波が来る。
一度その波に呑まれると後戻りが利かない。
頭が快感に染まって失神するまで、満たされる事がない。悠里はそれを恐れた。

だがようやく目を蕩けさせた悠里を、麻耶が休ませる筈もない。
「冗談でしょう、お嬢様? 私が勝ち取った一夜は、まだまだこれからよ」
麻耶は汗と愛蜜で濡れたベッドから悠里を降ろし、傍らのソファに寄り掛からせる。
悠里はソファの背もたれに肘をついた。
突かれる度にソファが軋む。
ぼたたっ、と液の滴る音も聞こえた。見るとソファの革の座部に、秘部から漏れた蜜が滴っている。
さらさらとした透明な液だ。
腸は荒れ狂い、膣も内臓が溶け出しそうだというのに、溢れる蜜は何と純粋なのだろう。

麻耶はソファに移ってからも変わりなく、ぐっ、ぐっと執念を込めて尻穴を穿つ。
「あっ… はっ…… !! あ、 あがっ…… う! 」
悠里はその一突きごとに声を絞り出された。
とてつもなく気持ちがいい。
愛液がとめどなく溢れて脚を伝い、ハイソックスを濡らし、革靴にまで入り込む。
おかげで快感に足を踏みかえるたび、にちゃにちゃと粘ついた音がした。
腰が抜けそうだ、いや実際に抜けかけている。
ソファに膝を預ける脚が痙攣を始めていた。

「あら悠里お嬢様、脚が震えていらっしゃるわ。どうしたのかしら。
 まさか、もう足腰に限界が来た……なんて事はないでしょうね。
 私も同じものを中に入れて、同じように腰を遣っているのに平気なのよ。
 ……本当に限界なの?何度も言うけど、あなた本当に悠里?
 他人があのお嬢様の皮を被ってるだけとしか思えないわ」
麻耶は悠里の太腿を自らの腿で叩きながら嘲る。
彼女の言う通り、その脚はまだまだ堅強だ。
息も多少しか乱れていない。
気がつけば悠里などは、すでに気息奄々となっていた。
快感と、口を閉じるのがつらいのとで、桜色の唇の端から糸が垂れる。
どんな有様になっているのだろう。
それが恐ろしくも気がかりで、悠里はふと横目で鏡を見やった。


セーラー服姿の女が犯されている。
結合部が背骨に近いため、排泄の孔を使われているのだと解る。
ソファにつく細腕と、上着越しにも解る巨乳が見事だ。
座部に膝を預ける形でくの字に折れた脚も素晴らしい。
元々の長い脚が、制服のミニスカートとハイソックス、革靴に彩られている。
快感のあまり爪先立ちになっている足が何ともエロチックだ。

とても愛らしく、美しい女。女体美の完成系とさえ思える。
しかし・・・・・・弱い。
彼女は弱い。
後ろで尻穴を犯しているロートル女にさえ、まるで敵わない。
悠里は奥歯を鳴らした。
鍛錬だ。身体全てを作り変えるような覚悟での鍛錬が必要だ。
この悔しさをバネに、次こそこの麻耶を打ち崩し、かつての調子を取り戻すのだ……。



3.

「はっ……はっ……はぁ、はっ……」

桜の舞い散る中、悠里は波打ち際で走り込みを続けていた。
その美しい脚の膝から下には、厚い布が巻かれている。
それらはたっぷりと海の水を吸い、相当な重さとなっている事だろう。
しかし悠里はそれを意にも止めず、淡々と波の上を走り続ける。

簡単そうに見えるが、波打ち際は尋常でない走りづらさだ。
水の中では浮力で足の踏ん張りが十分に利かない。
押し寄せる波が腰を押しやり、走る姿勢を崩してくる。
さらには海底の砂に紛れた小石や貝殻などを踏む事になるため、
よほど足裏の皮膚が丈夫でないと痛くて走るどころではない。
そのような過酷な状況だ。

ゆえに身体の鈍り具合もよく解った。
「……はっ……はぁ、……は、ぁ……!!!」
かつての半分ほどの距離を走っただけで、もう悠里は息が上がっている。
3カ月間鍛錬を怠り、一番に失ったのはスタミナだ。
かつての強さを取り戻すには、ランニングを繰り返して体力をつける事が最優先だった。

他にも鈍った部分は数多い。
手足が冷たい、と悠里は思った。身体の末端にまで血が行き渡っていない。
かつては体中をどくどくと熱い血が漲り、平熱も人より2度は高かったというのに。
基礎体温が高いと、それだけ免疫も代謝も良くなる。
今はそれが悪い状態だ。

腹筋の軟さも分かりやすい劣化だった。
悠里は腹を鍛え抜きたい、と焦れたが、先に背筋や大腿筋を鍛えるべきだとも理解している。
筋肉はバランスよく鍛えなければ、実戦で役に立たないのだ。
遠回りのようでも地道に鍛えていくしかない。



ある日には、悠里はスポーツジムで汗を流した。
ボクサーやプロ格闘家さえ利用するハードなジムだ。
会員には筋肉隆々の男しかおらず、並みの人間なら一歩入っただけで気後れするだろう。
“女人禁制”という男女平等を嘲笑うような垂れ幕が掛かってもいる。
だがその垂れ幕をさらに嘲笑うかのように、悠里はその真下にあるチンニングバーにぶら下がっていた。
そのままレッグレイズ(足上げ)を繰り返す。

一見すると握力と腹筋さえあれば数をこなせそうに見えるが、
実際には体が前後にぶれるため、上半身を安定させる体幹の強さが問われる。
疲労が溜まるほどに体がぶれ、足上げどころではなくなるのだ。
「……ふっ……ふっ……んッ……!!」
悠里は頬を膨らませ、タイミングよく呼吸しながら脚を上げる。

「へぇ……やるじゃねぇか」
「けっ、あんなガリだから出来るんだろうよ。俺らじゃ体格が良くて難しいが」
男達から賞賛と嫉妬の目が向けられる。
いずれも悠里の鍛錬が興味深い、という風を装っているが、
その実は悠里の肉体に心奪われているのが見え透いていた。
男臭い世界に女優のような美女が混じっているのだ、それも仕方のない事かもしれない。
そしてそれは、悠里がジムを使う目的と合致してもいる。

鍛錬で最も大切なのはイメージだ、というのが悠里の持論だ。

例えば腹筋を鍛える際、最も大切な事は何か。
それは一日のメニューを終えた後、腹筋を鏡に映して成果を確かめる作業だ。
そうして腹筋のつき具合を誇り、また将来の理想像を再確認する。
人体とは不思議なもので、それをする事で漫然と鍛える場合よりも遥かに効率よく鍛えられるのだ。

悠里の場合もこれに似て、他人の視線を受けながら鍛錬すると効率が良い。
素晴らしい身体だ、抱きたいほど良い女だ。そんな視線が悠里の肉体をより良く仕上げてくれる。
とはいえ無闇に男臭いジムへ寄ると、ストーカー被害が頻発する。
無論レイプしようとした所で、悠里を組み敷ける男などそうはいないが、鬱陶しい事には変わりがない。
ゆえに悠里がジムを使うのは、ここぞという時に限られていた。



「……んっ……んくっっ……!!!」
苦しげに顔を顰めながら、悠里のレッグレイスは続く。
「お、おい、まだいけんのかよ?」
初め否定的だった男達の顔にも、次第に驚愕の色が浮かびはじめた。
彼らの記録を目の前で大きく塗り替えられたからだ。

悠里のランニングシャツにスパッツという格好が汗に濡れ、ボディラインを浮き彫りにしていく。
垂れる事のない豊かな胸、逆三角に締まった腰つき、魅惑的に盛り上がった尻、
すらりとしながらも腿やふくらはぎに力強さが窺える脚線。
芸術的なほどに鍛えられた女体美だ。
すでに極上であるのに、これ以上鍛え上げるつもりか……と男達はいよいよ息を呑む。
悠里にはその視線が心地よかった。

その後も悠里は様々なトレーニングをこなした。
殆どが自重や筋肉の反発を利用したものだ。
自らのスタイルを誇る悠里は、ベンチプレスのように筋肉が肥大する器具は用いない。
その代わりに自前の筋肉と関節を限界まで活性化させる。



何時間もいじめ抜いた手足が震え始めた頃、悠里は最後の締めに入る。
シーテッド・アダクションマシンを使った、足の開閉運動だ。
股関節の内転、屈曲を行う大内転筋を鍛えられる。
ハイキックを放つ時などはこの筋肉の柔軟性が肝となる。

悠里はマシンに深く腰掛け、息を吐きながら脚を閉じ始めた。
そして完全に閉じたところで、今度は息を吸いながらゆっくりと戻していく。
「はぁ、ふぅっー……、はぁ、ふぅー……」
足の開閉を淡々と繰り返しながら、悠里は妙な感覚に苛まれていた。

大内転筋は恥骨と触れ合う筋肉であるため、そこを刺激し続けると、当然の如く性感が沸く。
加えて周囲の男達はトレーニングに勤しみながらも、目の端で悠里の股座を凝視している。
人に見られながらの足の開閉は何ともむず痒いものだ。
大内転筋の活性化と、雄の視線。
それを浴びながら、悠里は何度もオーガズムに匹敵する電流を秘部に感じていた。

トレーニングの最中はそれに没頭できるのでまだいい。
だが1セットを終えた後、インターバルの休憩に入ると、忘れていた感覚が一気に沸き起こる。
息は荒く、身体は熱く、熱湯のような汗に塗れている。
それを男の視線に晒すのだ。
「ん……!!」
悠里は陰核がスパッツを押し上げるように勃ち上がり、溢れた蜜が尻肉を濡らすのを感じた。



鍛錬を終えてトイレに入った悠里は、ショーツを下ろして溜息を吐く。
「……濡れてる。糸まで引いて……前は、ここまでじゃなかったのに」
これが3ヵ月に及ぶ調教の痕だ。
すっかり身体が火照りやすくされてしまっている。
男に精が溜まるのと同様、一日に数度は性欲を発散させたくて堪らない状態になる。

「うん、ンんっ……!!」
悠里は便座に寄りかかる姿勢で自らを慰めはじめた。
以前より膨らんだ乳房をこね回し、先端の蕾をひねり潰すと、叫びそうに心地良い電流が駆け巡る。
その快感を貪るように、陰核を指先で弄び、秘部に指を入れてかき回す。
「ひぃっ!!」
快感に背筋がそそけ立った。
秘裂からは潮が吹き出し、便器から溢れて床に零れる。
「はぁ、はぁ……」
自らの愛液の線を見下ろしながら、悠里は身体が変わってしまった事実を改めて噛み締めた。
この火照りのせいで、長時間のトレーニングではどうしても集中が途切れてしまう。

鍛錬や実戦よりも、まずはこれをどうにかする必要があった。

悪夢の3日間 (ふたりエッチ)

※今週また優良さんがアナル拒否してたので、ムシャクシャしてアナル調教してみた。
 オリキャラ・アナル・スカトロ・NTR注意。




「はぁ……」
小野田真は項垂れぎみに溜息を吐いた。
彼がそのように思い悩む原因は、大抵が夜の営みにある。
「どうしたんだ、小野田?」
小便器で隣り合った同僚が真に声を掛けた。
真にとって、積極的に話をするほど懇意ではないが、見知ってはいる相手だ。
「えっ?あ、うん、ちょっとね……」
真は人懐こい照れ笑いを浮かべ、
「……あ」
しかしすぐに思い直したような真顔になった。
眼前の男が、今抱えている悩みを打ち明けるのに最適ではと考えたのだ。

真の悩みとは、妻である優良とアナルセックスをしてみたい、という物だった。
優良とは結婚4年目になる。
どれほど愛し合っていようと、普通のセックスでは流石にマンネリに陥る頃だ。
女である優良は繋がり合っているだけで幸せなようだが、
オスである真は全く未知の性体験もしてみたい。
性教本には、そうしたマンネリ打破には特殊なプレイが効果的とあった。
AVでも最近は愛らしい娘が当然の如くアナルセックスをやっている。
会社の仲間がニューハーフとアナルセックスしたという話も聞いた。
それらの情報で、真のアナルセックスへの憧れは日増しに膨らんできている。

しかし、肝心の優良は断固としてそれを許さない。
『そんな所でしても、子供はできません!』
諭すような口調でそう突っぱねられる。
早く子供を作りたい、というのは優良の本意ではあろうが、
例え肛門性交で子供が出来たとしても、排泄の穴でのセックスを良しとはしないだろう。
よく言えば清楚、悪く言えば潔癖。
それが真の愛する優良であり、それゆえに真はこの悩みを解決できずにいた。

普段なら性の悩みは近しい女性や同僚に相談する所だが、今回は内容が内容だ。
アナルセックスが常軌を逸している事は真もよく理解している。
それを親しい者に真剣に問いかけるのは、やはり気が引ける事だった。

その点で言えば、今小便器で隣り合った男は、さほど親しい訳ではない。
かといって知らぬ顔でもない。
また口の堅い男であるとも聞く。
コアな悩みを打ち明けるのは、案外このタイプが一番なのでは。
真はそう考えた。



「……なるほどな」
同僚の男は真の相談を聞き、頷いた。
「おれの勝手な考えだってるのは分かってるんだ。
 優良さんが悲しむような事もしたくない。でもさ……」
真は弱りきったように表情を曇らせる。
その様子をしばし見やり、同僚の男は静かに口を開いた。

「自分に押し切る勇気がないなら、“プロ”に任せるのはどうだ?」

その言葉に、真は首を傾げる。
「……プロ?」
「俺も昔、同じ悩みを持っていた。そんな時にネットで見つけたんだ。
 3日間『調教師』とでも言うべきエスティシャンに嫁を預け、
 帰ってきた時にはアナルセックスへの抵抗が無くなっている。
 おまけにどういう仕組みなのか、嫁にはその間の記憶が全くないんだ。
 連休の3日間を眠り通して過ごした、と今でも思い込んでるよ。
 副作用もないし、日常生活で品が無くなった訳でもない。
 ただセックスの幅が広がっただけだ。
 お前の嫁さん、専業主婦だったな。だったら都合もつきやすいだろう」
同僚はそう告げ、後で詳細のメールを送る、と言い残して去った。

真は呆然と立ち尽くす。
彼にとって、予想を超えた衝撃的な話だった。
調教のプロ、そんな如何わしいものに愛する妻を預けられるか。
当然そう思う。
しかし気になるのは、話をしていた時の男の清清しい顔だ。
悩みを吹っ切って快晴の元へ進んだような晴れやかさだった。
今の真にその表情はできない。
いい加減、この曇り空のような状況に神経を磨り減らしている所だ。
自分の力だけで打開できるとも思えない。
「だから、プロに…………?」
真は導かれたように呟く。
そこへの帰着は何とも心地よく、そして頼もしいものだった。



真は件の調教師との連絡を取った後、ホテルのスイートで落ち合った。
「高瀬です。よろしく」
握手を求める男は、真が想像していたような脂ぎった中年とは違う。
肌の浅黒いサーファータイプの男だ。
だが軽薄という訳ではなく、知識を蓄えた人間の厚みが滲み出ている。
タイプとしては、弁護士であり、また性の教師でもある実兄の明に近い。
真はそう直感した。
好きな人種ではないが、こうした事に関しては信頼を置ける、と。

「あのっ、調教の記憶が残らない、というのは本当でしょうか!?」
真は詰め寄る勢いで高瀬に問うた。
彼が最も気にするところだ。
「ええ、保証します。3日間の記憶はその後の人生で、まず甦る事はありません。
 人間の記憶には、身体の記憶と脳の記憶、の2種類があります。
 記憶喪失の方が食事をしたり自転車に乗れたりするのは、身体の記憶に因るものです。
 私は調教の最終段において、脳の記憶だけを消し去ります。
 秘匿事項ゆえに詳しくは話せませんが、後遺症等は無い、と確約できます」

高瀬は控えめな態度ながら、内からは絶対的な自信を窺わせる。
こうした人種に対すると、真はついその勢いに気圧されがちだった。
半ば相手に呑まれながら、それでも真はせめてもの疑いを投げかける。

「優良さんのアナルを開発してくれるんですよね。でも、アソコも使ったりするんですか?
 それで妊娠したりしないですよね?
 それと、どんな調教をされたのかを、おれが知ることって出来ますか?」
不安を掻きだすかのような質問。
高瀬は冷静にそれを受けた。
「未経験のアナルを開発する場合、膣性感と併せて覚え込ませる必要も出てきます。
 しかしその際にはスキンの装着は徹底し、状況に応じて避妊薬も使います。
 またご希望であれば調教を録画し、後日貴方のみが受け取れる形でお渡ししましょう。
 それをいつか奥様にお見せになるか、終生お一人の秘密とされるかはご自由に」
「……そ、そうですか。有難うございます……」

真は、自分が高瀬に完全に呑まれている事を悟った。
短く感謝を告げるのが精一杯だったからだ。



高瀬の指定通り、真は調教を始める日の前夜、優良をバーに連れ出した。
そこで真と高瀬は旧知のふりをして出会い、酒を飲み交わす。
付き合いのいい優良も自然と酒が進んだ。
優良は酒に弱いこと、酔うと大胆になること、反応は激しいが事後は眠くなりがちなこと。
そうした性質は全て高瀬に伝えてある。

「……あれ……なんだか眠く……なってき……ちゃっ……た」
やがて優良は酔い潰れ、腕を枕にしてカウンターに突っ伏した。
「じゃあ、よろしく……お願いします」
真が不安げな瞳で見守る中、高瀬は優良に肩を貸して歩き去った。



「やめてえっ!あなた誰なんですか!?私、人妻なんです、夫がいるんです!!」
優良の必死の叫びが響く。
始めは酔って呂律が回っていなかったが、ようやく酔いも醒めてきたのだろう。

彼女は素っ裸に剥かれ、浅黒い肌の男に抱かれていた。
目には容易には取れないよう厳重に目隠しが巻かれている。
ベッドの小刻みな軋みが耳に心地良い。
すでに優良の秘部からは蜜が溢れ、内腿に垂れ落ちている。
気持ちが良いはずだった。
彼女を抱くのは、筋者関係の裏ビデオで何十人と女を抱いてきた男優だ。
その彼が腰を掴んで丹念に丹念に抽迭を繰り返すのだから、
夫とのセックスで日夜性感を開発されている優良が感じずにいられるはずがない。

「あうっ、あああう、ふああっ!!」
優良は澄んだ声で叫びながら腰を跳ねさせた。
後ろから抱えられ、剛直を銜え込まされて蜜を垂らす。
まるで瑞々しい果実が虫に食い破られるかのようだ。
その光景を、数台のビデオカメラが淡々と映像に収めていた。
ストロボや反射板などもあり、完全にアダルトビデオの撮影のような雰囲気だ。

「……全く、あんな小僧には勿体ない女だ」
高瀬は犯される優良を見下ろし、呟いた。

28歳とは到底思えない若々しさだ。
髪は腰の辺りまで黒々と艶を流し、清楚な印象を決定付けている。
前髪にやや癖が強いものの、後頭部から毛先に至るまでは芸術的な程に滑らかだ。
身体の輪郭も理想的だった。
華奢な肩にすらりとした細腕。
Eカップの見事な胸に、逆三角に下って弛み無く引き締まる腰。
腿は分厚すぎず薄すぎずの理想的な肉感を有し、当然脚の形も悪いはずがない。
完璧か否かは個人の主観に拠るだろうが、およそ肉体を見せる世界のどこへ行っても
高評価を得るであろう体つきをしている。

見事なプロポーションながら、一方で顔つきはあどけない。
その子供らしさがまた男の庇護欲をくすぐる。
加えて言えば、纏う雰囲気からも日本的な清楚さや慎ましさが伺えた。

どこを取っても欠点とはなり得ない、愛らしさの塊だ。

その愛らしい若妻は今、生々しい性交を行わされていた。
肉感的な身体が四つに這った格好を取り、背後から男優に犯される。
男優は片膝を立てたまま、優良の腰を掴んで力強い抜き差しを繰り返した。
抜かれる際にゴムをつけた怒張が覗く。
かなりの太さを有していた。
常人より逞しい立派なものだ、長さも相当あるだろう。
そんなものを根元辺りまで押し込まれるとどう感じるのか。
それは受ける優良にしか解らないが、反応から窺い知る事はできる。

「はぁっ、はぁっ、あっ……あ、あ!!!」
優良の総身はがくがくと震えていた。
白い尻は突き込みの度にさも心地良さそうにうねり、肩幅に開いた太腿の先がシーツを擦る。
脱力したような下半身に対し、上半身には力みが見えた。
色気ある鎖骨が浮き出ている。
腕は細いなりの瘤を作ってシーツを握り締める。
豊かな双乳が揺れてぶつかり、ぺちぺちと音を立てる。
汗が酷く、額から顎、首筋から乳房の先へと絶え間なく汗の筋が流れていく。

「あうっ!」
男優が一際深く腰を突き入れた時、ついに優良は顔を上げて叫んだ。
口内から白い歯が覗く。
清楚そうなそこからはぁはぁと息が漏れる。
それを機に優良の上体から力が抜け、伏せるようにベッドにくず折れた。
白い太腿がさらに重心を落とす。
男優も即座にその変化に合わせた。
片膝を立てた状態から膝立ちに移行し、腰を掴む手を離して優良の臍の前で組むようにする。
そして自らの股間へと優良の腰を引き付けた。
「いやっ、ふ、深い……っ!!」
優良が悲鳴を上げ、シーツを掴む。
薬指の婚約指輪が鈍く光る。
尻を高く掲げたまま犯されるその絵面は、這っている時以上の衝撃があった。
華奢で童顔という優良の性質もあり、いかにも犯罪的だ。
突き込みの度に優良の澄んだ喘ぎが上がった。
それが間違いなく、この愛らしい人妻の性器に男のものが入っているのだと理解させる。

ふと何人かが鼻をヒクつかせた。
広く股を開いたせいなのか、優良が性交の際に発する匂いが部屋に一層強く漂い始めている。
濃厚なその匂いは、優良の膣内がもうどろどろに蕩けきっている事を想像させた。
カメラマンの一人が寄って結合部を接写しはじめ、思わず口笛を吹く。

接合部は液に塗れていた。
剛直に押し広げられた桃色の秘唇から、岩清水のように透明な愛液が溢れ出す。
それは薄い茂みを濡らし、内腿を濡れ光らせ、また前屈みの姿勢に沿って下腹を流れ落ちてゆく。
溢れる液は透明だが、秘部に纏いつく部分は白濁していた。
秘唇にも、抜き差しされる逸物にも、その本気の汁が絡み付いている。
男優の逸物は勃起しきっていた。
被せたゴムを破るかのように太さを増し、血管まで浮き立たせて。

「シゲ、どうだ。具合はいいか」
高瀬が男優に問うた。
男優は無表情に淡々と犯していた顔を高瀬に向ける。
その顔中が汗まみれだった。
「“ミミズ千匹”っすよ、これ……。正直洒落になんないス。
 スポーツで鍛えてんのか締まりもいいし、大体こんな清楚で良い女、抱いたこともねぇ。
 ブスだブスだって暗示かけねえと、全部搾り取られちまいそうだ。男優失格っすね」
男優はそう語りながら眉を顰める。達しそうになったのだろう。
10時間にも及ぶ撮影を平然とこなす彼が言うのだから、名器である事は疑いようもない。

それでも男優は意地を見せ、延々と優良の膣を掻き回し続けた。
百戦錬磨の男優に本気で抱かれるのだ、素人の優良はたまったものではなかったろう。
さらに目隠しをされていては、嫌でも神経が集中してしまう。
「真さん、ごめんなさい……真さん、真、さん……」
優良はそう繰り返しながら、快感を享受していた。
今の彼女にはそうするしかなかった。
喘ぎながらシーツに涎を垂らし、体中を震えさせ。
何度か潮も噴かされていた。最後の辺りでは、抜き差しの度に飛沫が上がったほどだ。





男優が何度目かの射精を迎え、とうとう限界を訴えて逸物を引き抜く。
その瞬間、優良の秘裂から愛液の流れが溢れ出た。
「そろそろか」
高瀬はベッドに横たわった優良の秘部を覗き込む。
赤らんだ秘唇は何かを求めるように喘いでいた。
形のいい肉ビラが肥大して乱れ、何ともいやらしい。
陰核も包皮を半ば捲りあげるように勃ち上がり、かすかに震えている。

「充分に昂ぶっているらしいな。これなら抵抗も少ねぇだろう」
高瀬はゴム手袋を嵌め、優良の肛門に触れた。
見えるのがやっと、という小さな器官だ。皺は綺麗に並んでおり愛らしい。
未使用であるのは間違いないだろう。
高瀬は蟻の門渡りに光る愛液を掬い取り、それを優良の肛門に塗りつけた。
「あっ、そこは!?」
優良が目隠しをされたまま驚きの声を上げる。
高瀬はそれに構わず、中指の腹を無理やり小さな蕾に咥えさせる。
ぷくりとした菊輪が抵抗を示したが、穴である以上、指の進入を防ぎきれるものではない。
そうしてついに優良の腸内へ、高瀬の指が潜り込んだ。
「やめてっ!!お尻の穴なんてイヤっ!!」
優良は足をばたつかせるが、その足首を高瀬に掴まれてしまう。
「あっ……!?」
片足を大きく上げた状態になり、秘部が衆目に晒される。
その羞恥に優良の動きが固まった。

「いい穴だ。菊輪はきついが拡がりやすい。中も奥までしっとりと絡み付いてくる」
高瀬は優良の後孔に中指を挿し入れて評する。
「……ただ、やっぱり人間だな。奥に何か当たるぞ。まずはコレを取り除かねぇとな」
腸奥で指を曲げながら高瀬が続けると、優良の顔がたちまち赤らんだ。
天女のように愛らしい優良にも、排泄物はできるのだ。
その事実にカメラマン達が生唾を呑む。
高瀬はベッドの下からイチジク浣腸の箱を取り出した。
一つの袋を破り、優良の慎ましい蕾へ先を宛がって中身を搾り出す。
「つ、冷たいっ……!何を入れてるんですかっ!?」
優良が声を上げた。
その初々しい反応にほくそ笑みながら、高瀬はさらに二個、三個と中身を注ぐ。
その度に優良の白い身体が身悶える。



五個のイチジク浣腸が優良の腸内に注がれた頃だ。
「あっ、お腹が、いたいっ……!!」
優良が呻いた。
「トイレに、トイレに行かせてくださいっ!お願いです!!」
髪を振り乱して哀願する優良に、男達の嗜虐心が煽られる。
高瀬はカメラマンの一人が逸物を取り出して扱いているのを目にし、彼に合図した。
「トイレに行かせてほしいか。なら、今から咥えさせられるモノから精液を搾り出してみろ。
 毎日旦那にやってんだ、難しい事じゃねえだろ」
高瀬の言葉に沿い、男が優良の鼻先に逸物を突きつける。
「んッ!!」
劣悪な臭気に優良が顔を顰めた。
無論拒否したい所だろうが、腹の鳴りも激しくなっている。
排泄感は他のどんな事よりも優先させたいものだ。

仕方なく優良は口を開き、男の逸物に震える舌を這わせる。
そうして唾液を塗りこめた後、ゆっくりと咥え込んだ。
その瞬間、また眉が顰められる。愛する夫以外の味が受け入れがたいのだろう。
しかし腹の鳴りに急かされ、手も添えてしゃぶり始めた。
ぐぷぐぷという音が響く。
「うおお、き、気持ちいい……!!」
男は呻いた。優良の口内で逸物が次第に太さを増し、成人男子の平均を超える。
「んん……!」
優良が苦しげに呻いた。
普段口に含み慣れている夫のものよりも巨大になった証拠だ。
男は優越感に満ちた笑みを浮かべる。
しかし逸物に添えられた指の婚約指輪を見て、目つきを変えた。

「ほーら奥さん、いつまでそんなお上品なフェラしてんの?
 それじゃあ早漏しかイけないよー。もっと、こう!しなきゃ」
男が無理やり優良の髪を掴んで腰を前後させる。
「う!うぶう、うぐっ…………!!!」
優良は苦しげに頬を膨らませた。
男はそれを愉しみながら、ついに喉奥で精を放つ。
「!!」
優良は肩を震わせ、逸物が抜かれると即座に精液を吐き出した。
「うえっ、えほっ!!」
白い歯にも、綺麗な舌にも、唇の端にも精液が絡みつき、それは何とも背徳的だった。


ようやく男を射精に導いた頃、優良の腹の鳴りはいよいよ重苦しいものになっていた。
あどけない顔に脂汗が滲み、苦しげに歪む。
「はや……く、トイレ……に……!!」
呻く優良に、高瀬が意地の悪い笑みを浮かべた。
「トイレ?そこで何をするんだ」
「……何って……ト、トイレに、決まってる……じゃないですかっ!!」
「それじゃ解らねぇな。もっと解りやすく言えよ。ウンチか?オシッコか?」
高瀬が言うと、周りから下卑た笑いが起きる。
優良は屈辱に唇を噛み締めた。しかしもはや迷っている猶予はない。
すでに肛門から幾筋か生暖かい物が垂れはじめている。
「…………う、うんち……です!うんちを、したいんです……っ!!」
優良は叫んだ。嘲笑う声が大きくなる。
「ふん、仕方ねぇな。おい」
高瀬は満足そうに頷き、傍らの男達に指示を出す。

男達は優良を抱え上げ、浴室のドアを開けて洋便器に優良を下ろした。
「ひっ!?」
優良が叫ぶ。足裏に当たる便器の冷たさで、状況を把握したらしい。
「イヤっ、普通にさせてっ!!」
「おい、暴れるな。便器の中に足を突っ込んでも知らねぇぞ」
高瀬の声に、優良の動きが止まる。
目隠しをした状態でその不安定な状況は、さぞ恐ろしい事だろう。
「せめて、せめて……見ないで、ください!」
優良は泣くような声で哀願した。
しかし、そんな哀願を高瀬達が聞き入れる筈がない。
好奇心からか、調教の一環なのかはともかく、彼らは優良に恥辱を与えんとしているのだ。
見ないどころか、息のかかるような至近からカメラが優良の股座を捉える。

「いや、いやーあっ……!!真さん、真さん、助けてっ……!!!」
優良は心細さに泣きじゃくった。
そして秘部を隠そうというのか、便器に腰掛けたままで太腿をすり合わせる。
膝頭で豊かな両の乳房が押し潰された。
膝下も骨を境に、張った外側と凹む内側に分かれ、優良の力みを代弁する。
男達がその力みに期待感を膨らませてゆく。

「…………も、だめぇっ…………!!」
ついに優良が叫んだ。その直後、破裂音がして便器の水にちょろちょろと音が立つ。
まずはイチジクの薬液だ。
そしてそれを追うように、優良の嫌がっていた物があふれ出る。
慎ましい蕾が火山のように隆起するのが見えた。
次いでその先が口を空け、茶色い水を噴き出させる。かなりの勢いだ。
よく目を凝らせば、その奔流の中に時折固形物が混じっているのが見て取れる。
「いやっ、いやぁぁっ!!」
優良は膝頭を掴んで俯いた。耳まで真っ赤になっている。
日本的な慎ましやかな振る舞いが似合う女性だ。
その優良にとって、この恥辱はどれほどに心を締め付けるものだろう。

だがそれが見て取れるゆえに、男達はこの光景に狂乱した。
排泄する、その事自体は特別な事ではない。
誰でもする。この優良とて、毎日のように繰り返す日常の行為に過ぎない。
しかしそれがこうして異性の前で晒す、となっただけで、何と淫靡に変わる事か。
男達は清純な女性を排泄で辱めるとき、言い表しがたい多幸感を抱く。
高瀬もそうらしく、実に愉快そうに優良の排泄を観察していた。





排泄を終えた後、優良は疲弊しきっていた。
だが男達は逆で、いよいよ優良の肢体にギラついた視線を向けている。
優良へのアナル開発はここからが本番なのだ。

まず優良には縄が打たれた。
油を染み込ませて黒ずんだ麻縄を用い、優良の上体を亀甲縛りで彩る。
豊かな胸がくびり出され、後ろ手に手首を結わえられた形だ。
「ん……」
優良が鼻にかかったような声を上げた。
何しろ縄師の業だ。縄を打たれただけで身が引き締まり、性感が増す。
下半身にも縄が掛けられた。
膝裏に短い棒を挟み込み、腿と膝下に幾重にも縄を巻きつけられる。
こうされると、もう膝を曲げきった状態のまま身動きが取れなくなってしまうのだ。
達磨のような格好でベッドに座らされた優良は、これ以上なく無防備だった。

「本当にもうやめてください!お金ならあたし、何とか作りますから!!
 好きな人がいるんです、夫なんです!……わかって!!!」
優良は目隠しの下から涙を零して乞うた。
男達はその純粋な優良を嘲笑う。
「そりゃあ無理だ。だって俺達が欲しいのは、奥さんのカラダなんだからよ」
カメラマンの一人が告げると、優良が固まる。
高瀬が笑った。
「そういう事だ。付け加えると、カラダと言っても普通のセックスじゃねぇ。
 俺達ゃここの穴が好きでよ、奥さんがここでも出来るようになるよう、
 今から徹底的に仕込んでやるからな」
高瀬は指にたっぷりとローションを垂らし、優良の後孔に押し当てた。
「や、やめてっ!そこは違います!!!」
優良は震えながら拒絶の意を示した。
だが手足の自由が利かない状態ではどうする事も出来ない。

高瀬の節ばった中指がゆっくりと優良の排泄口へと潜り込んでいく。
今度はゴム手袋無しの生の感触だ。
優良が強張りきった状態でいると、その背後に男優が回り込んだ。
「そうガチガチになんなって。気持ちよくなるように、手伝ってやるよ」
そう言って、背後から乳房を捏ねまわす。
「ああっ!!」
優良が気持ちよさそうに顎を上げた。



優良は達磨のような格好のまま、高瀬の指で肛門を弄くられ続けた。
いつしかその指は、中指と薬指の2本に増えていた。
2本指は、抜き差ししながら菊輪を第二関節でこりこりと刺激したり、
思い切り開いて括約筋を伸ばしたり、あるいは曲げられて腸内の至る所を刺激していく。
その感覚は優良にとって全くの未知で、声を上げずにはいられない。
ああ、ああ、という喘ぎが勝手に漏れているのを、優良はもう随分前から知覚していた。

その感覚に苛まれながら、さらに別の刺激も加えられる。
乳房を根元から丹念に揉みあげられ、快感でつきたての餅のように膨らんだ所で乳首をひねり潰される。
それは母乳が噴き出すのではというほど気持ちがよかった。
また陰核にも男の指が触れ、優しく撫で回したり皮を剥きあげたりして焦らす。
神経の塊のような部分だ、そうされて感じない筈がない。
手つきもあまりにも巧みで、目に見なくとも秘裂から愛液がとろとろと溢れていくのがわかる。

それらの快感が肛門の指遣いとリンクし、肛門の気持ち良さだと錯覚させられる。
目隠しのせいでそれらの雑音も頭を満たすほどに大きく、他に何も考えられなくなる。
ただ一つ、左手薬指の指輪の冷たさだけが感覚に割り入ってきた。
真と過ごした幸せの時間が、随分昔の事のように感じられる。
本来なら今ごろ、2人で肌を合わせて幸せに浸っていた筈だ。
酒が入れば優良も大胆になり、彼の好む事を何でもしてあげられる。
変なビデオを持っていたり、射精の一度目が早すぎたりするけれど、この世で一番愛する真。
その彼の感触が、今はあまりに儚い。



「優良さん、今ごろどうしてるんだろ……?」

同刻、真はスーパーで買った惣菜をつまみに酒を飲み続けていた。
やはり見知らぬ人間に妻を預けるのはまずかったのではと、今更になって悔やんでいた。
性欲に駆られての行動で後悔するのは、今に始まった事ではない。
しかし今回は、取り返しようのない行為のような気がしていた。

同僚が上手くいったとはいえ、それはそれ、優良は優良だ。
彼女が世のどんな妻より特別である事は、真は結婚4年目の今でもひしひしと感じる。
この世で一番愛しい優良。
その彼女が今、どこかで調教を受けているのだ。
真はその事実に、もう何度目かの痛々しいまでの屹立を覚え、ひたすらに自慰を繰り返す。
自らの業の深さを噛み締めながら……。





「うひゃ、拡がったもんスねぇ~」
男優が高瀬の手元を見やり、歓声を上げた。
高瀬の2本指によって、慎ましかった優良の肛門は悠にその2本指が入り込む大きさに拡張されていた。
菊輪はもはや菊の花というより、ぷくりぷくりと膨らんだ小さな唇だ。
肛門の周りには指のみならず、様々な道具がテカリに塗れて転がっている。
ビワの実大の肛門栓、エネマバルーン、先が球になったガラス棒、アナルパール、アナルバイブ……。
それらの異様なテカリ具合はローションだけではないだろう。
延々と続けた指と道具による刺激で、優良の腸内からはさらさらとしたものが分泌されはじめている。

肛門がそこまでになったのだから、女性器の方も当然乱れていた。
もはや陰核に触れられもせずに愛液が溢れ出す。
あるいはとうとう肛門を弄繰り回されることで蜜を吐くようになったのだろうか。
それが現実的に思えるほど、高瀬の尻穴弄りは徹底的で容赦のないものだった。
「はぁっ……はぁっ……はぁ…………」
優良は白い歯を覗かせて荒い呼吸を繰り返す。
全身に水を浴びたような汗を掻き、癖の強い前髪がしなびて額に貼りついている。
その汗の掻きようが、彼女の受けた快感を表していた。

高瀬はその息を受けながら、優良の後孔に今一度指をねじ入れる。
今度は人差し指も加えた3本指だ。
しかし十分なぬめりと伸縮性を備えた優良の後孔は、それを易々と飲み込んでしまう。
「3本を咥え込んだか。もう本物を入れても大丈夫そうだな」
高瀬はそう言ってカチャカチャとベルトを外し、逸物を取り出した。

それは遠目にも平均より立派だと分かる。
先ほどの男優やカメラマンも中々の持ち物だったが、これには及ばない。
優良が目にすれば間違いなく絶句していただろう。

高瀬自体、そこまでの大きさになるのは久しぶりだった。
普通のセックスにはさして興味がない。さして言えば女の後孔を弄くるのが好きだが、
それにしてもこの優良ほど弄くっていて興奮した女はいない。

高瀬は久方ぶりの律動を愉しみながら、優良を抱えあげてうつ伏せにした。
バックスタイルだ。
「いくぞ、力を抜けよ」
そう告げて亀頭を小さく口を開いた肛門に押し当てる。
優良は小さく縮こまるようになってその時を待っていた。
さすがにあれだけ弄くられれば、肛門を犯される覚悟もできたのだろう。
高瀬は腰を掴んだまま逸物を押し込んだ。
「ん!」
優良が眉をしかめる。高瀬はかなりの抵抗を破って腸内に押し入った。
亀頭とカリ首をぬるりとしたキツさが包む。
犯していて気持ちのいい尻穴である事が、この時点で把握できた。
「ぐっ……!!」
逸物を全て押し込み、高瀬はそこで声を上げる。
本当に気持ちがいい。そしてまた見晴らしがいい。
背に流れる艶やかな黒髪、引き締まった腰つき、柔らかな尻、足に密着する太腿。
ボディラインは熟した女ながら、しっとりとした肌触りはまるで生娘だ。
なんと上質な女なのか、と改めて驚かされる。
まるで天女。
これが人妻などという俗めいた肩書きを持つ事が、にわかには信じられない。

高瀬はその極上の女の腰をしっかりと掴んだ。
その天女の排泄の穴に性器を突っ込んでいる、という事実に胸が弾けそうだ。
ゆっくりと腰を引く。
そして一呼吸置き、一気に再度突き入れた。パンッと肉の当たる音がする。
「う!」
優良の声も遠くに確かに聞こえた。
その声が嬉しく、高瀬はさらに腰を遣いはじめる。
パンッパンッパンッパンッ、と小気味よい肉のリズムが奏でられる。
「ふ、太……い……!……おしり…………さけ、ちゃうっ…………!!」
優良の声がする。
高瀬は天にも昇る気分だった。
間違いなく優良の尻穴を犯している、と身体の最も熱い部分で感じられる。
この女はいつもここで糞をするのだ、その穴を自分の性器が塞いでいるのだ。
そう考えれば逸物が強く脈打つ。
そのシーンを何台ものカメラが収めているのだと思いを馳せれば、脳内に麻薬が湧き出る。
故にいくらでも肛門性交を続けられた。



高瀬は飽くことなく優良の尻穴を穿ちつづけた。
達磨のような格好の優良をベッドにうつ伏せにさせ、圧し掛かるように尻穴をほじくる。
シーツに沈んだ優良の口から漏れる、くぐもった喘ぎがいやらしかった。

その格好で何十回と突き続けた後、次に高瀬は後ろ手に縛られた優良の手首を掴む。
そうして無理やり優良を引き起こし、腰を打ち付けていく。
先ほどの体勢で快感のあまり涎を垂らしていたらしい優良が、シーツに銀色の糸を垂らす所、
そして豊かな乳房が突きこみにあわせて揺れる様が圧巻だった。

そこから一度射精を経た後、高瀬はベッドの端に座って膝の上に優良を乗せる。
身体の前面がカメラを向いた騎乗位、いや駅弁スタイルと言った方が近いだろうか。
正面からは口を開いた秘唇が丸見えのため、尻穴に入っているのが最も分かり易い体勢だ。
先ほど腸内で射精されたためか、結合部からぐっぱぐっぱと恥辱的な音が立っている。
そしてこの体勢は、優良の細身と豊かな乳房を堪能するのにも最適だった。

またこの頃には、優良も相当に感じたのか天を仰ぎ、聞くだけで妙な気分になる喘ぎを上げていた。
「……はぁっ……さん……真……さん、真さん、……はーっ……真さん……!!」
喘ぎにそういった叫びが混じる。
まるで夫が自らの全てだと言わんばかりにだ。それは健気さを通り越して不気味でさえある。
元々感度がよく反応が激しめの女性ではあったが、この時の乱れぶりは快感の電流で脳が焼ききれたかのようだった。


だがこれらは、たかが4時間程度の出来事でしかない。
優良はこれから3日間、徹底的に尻穴を開発され続けるのだ。
ビデオカメラはその様子を淡々と映像に残し続ける。

『ほら落とすなよ。口の方も、玉を舐めるぐらいまで舌を伸ばしてみせろ』
ある時には中腰の姿勢で極太のアナル栓をねじ込まれ、そこに重りを下げられた。
括約筋を鍛えるためだ。
同時に優良の口には男の剛直がねじ込まれている。
犯されている間も、休む間でも、間断なく逸物をしゃぶらされ続け、
優良はすっかり他人の物を咥え込むことに抵抗をなくしていた。
鼻先に男くさい物を突きつけられるだけで唾液を溢れさせるほどになっている。
喉奥を使って飲み込むように扱くやり方も教え込まれた。

『いやぁっ、出る、出るう、出ちゃうぅぅっ!!!!」
ある時には腹いっぱいに牛乳浣腸を施されたまま、腸内に剛直をねじ込まれる。
抜き差しのたびに抗いようもなく排泄をさせられる。
牛乳のおかげで排泄の匂いはないが、肛門性交と排泄を結びつけるこのセックスは、
優良の頭に消える事のない感覚を刻み込んでゆく。


この3日の記憶は、優良の中に蘇ることは決してない。
ただ愛する夫と愛を育むうち、ふと遠い日の失恋のように、彼女の心を刺す事だろう。
生涯消える事のない傷跡として……。



                        終
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The edge ep.10-2

1.

麗らかな春の風が吹き抜ける。
楓の道場からは今日も威勢の良い掛け声が響いていた。
しかしそこから庭を隔てると、全く異質な空気に包まれる。
茶室だ。
そこでは着物に身を包んだ悠里が、楓の為に茶を点てていた。

竹の茶杓で抹茶を掬い、茶碗に3杯分を入れて湯を注ぐ。
茶筅で抹茶と湯を馴染ませるように練り、さらに湯を足して点ててゆく。
その手つきは優雅なものだった。
手元を眺める目線も穏やかで、品の良さが滲み出る。
どんな茶の席に出しても恥ずかしくない所作だ。

「結構なお点前で」
悠里の点てた茶を2口半で飲みきり、楓が礼を返す。
口当たりのとろりとした濃茶は、渋みのない見事なものだった。
共に出された悠里の自作菓子も逸品だ。
白い羊羹の上に、桃色の小さな落雁。雪に舞い落ちた花を模したという。
「ほんまに出来のええ子やね。茶も華も、もう教える事があらへん。
 菓子作りも見事なもんやし、すっかり立派なお嫁はんや」
楓が悠里の頭を撫でる。悠里は安らぎの表情を浮かべた。

悠里には親の記憶がない。
物心つかぬ頃から戦いに明け暮れ、便宜上身元保証人となった養親は顔も知らない。
その悠里にとって、楓の温もりはとても良いものだった。
楓に包まれていると心に渦巻く不安が薄らいだ。
自分が本当に欲していたのはそれなのかもしれない、そう思えた。



楓はそっと悠里を離す。
「そや、悠里。今日はあんたにとって大切な日や、ゆうてたな?」
楓の言葉に、悠里が頷いた。
「……ええ。大切な日、……でした」
悠里は穏やかな瞳のまま答える。
それに安心したような目をし、楓は傍らの桐箱からある物を取り出した。
黒ずんだ空手の茶帯。
かつての悠里が肌身離さず持ち歩いていた、後輩とのささやかな絆。
それを前にし、悠里の瞳が見開かれる。
「あんたにそれはもう要らん。最後のケジメは付けさせたるよって、何処へなりと捨てて来ぃ。
 それが出来て初めて、あんたの新しい人生が始まるんや」
楓は悠里に告げた。口調こそ穏やかだが、目線は厳しく悠里の瞳の奥を抉る。
この問いかけこそが調教の要諦。場の空気が張り詰めてゆく。
「…………っ!」
悠里は肺を絞られるように感じて目を閉じる。

即座には答えない。
茶室に鹿脅しの乾いた音が響く。
長い、長い沈黙。

しかし、悠里はやがて観念したように大きく息を吐き出した。
眉が垂れ、瞳はゆっくりと開かれる。
「……わかりました……」
悠里の瞳は、何かを諦めたような、泉の底のように静かなものだ。
楓は満足そうな笑みを浮かべた。



2.

校門には早咲きの桜が舞い落ちていた。それを見上げ、悠里は4年前を思い出す。
高校の卒業式、去る悠里に追いすがり、泣きながら抱きしめてきた茜の事を。

 ――あなたは強くなるわ。またリングで会いましょうか。

あの時、悠里はそう言った。
かくして茜はそれを守った。驚くほどの精神力を携えて。
茜の強さは心の強さだ。
以前は実力で劣っていても、次に会うと見違えている。
それは、茜が常に前だけを見ているからだ。
過去を払拭するため戦う悠里とは根本的に違う。

「あの子こそ、真の王者ね」
悠里が黒ずんだ茶帯を握り締め、踵を返した、その時。
「やっぱり、ここに来ましたね」
校門の影から、少女が姿を現した。
「茜……」
悠里は静かにその少女を見つめる。
驚きはなかった。

少し見ないうちに、随分と成長したものだ。
悠里は茜を前にして思う。
顔は童顔で、瞳はこちらの姿を映し込むほどに澄みきっている。
だが、その内面から滲み出る安定感は岩を思わせた。
素人は彼女を侮り、修練を積んだ者ほどその秘めた実力に目を見張るだろう。
弱さの中に隠された強さ。それは武の本質と言えるものだ。



「先輩。私、暫定王者になりました」
茜が静かに告げた。
「そう、おめでとう。あなたなら当然ね」
悠里はにこやかに笑って称え、茜はそれを眩しそうに見上げる。

「……半年です」
茜が再び口を開く。
「あと半年以内に王座統一戦を行わなければ、先輩のベルトは剥奪されます」
「そんなに待つまでも無いわ。私はもう、殴り合いの世界とは縁を切ったの。
 お茶やお華を教わって、温かさの中に暮らして……。
 普通の女としての幸せを、こんな私でも掴めそうなの」
悠里は少し照れたように腕を組んだ。

相も変わらず優雅だ。
しかし今のそれは、茜にとってひどく遠いものに思えた。
格闘になど縁のない、良家のお嬢様のように。
茜の体中に怖気が走る。
親の訃報を知らされた人間に近い気持ちだろう、と茜は直感した。

「……そ、そうですか。先輩、すごく……女らしいですもんね。
 それは、いい事だと……思います」
茜はショックで震えながら、懸命に言葉を紡ぐ。
「ありがとう」
悠里が笑い、茜も愛想笑いを返し、そして沈黙が訪れた。



(これはあの先輩が出した答え、私に反対する権利なんてない。
 それに、女としての将来を考えたなら本当にいい事だ。殴り合ってるより、ずっと……)

沈黙の中、茜は考える。

悠里が格闘に身を置くのは、似合う一方で何か不思議な感じがした。
美人で、モデル体型、そして品のある物腰。
当時空手一筋だった茜は知らなかったが、高校女子の中で一番人気があったらしい。

悠里と路地裏で出会った翌日、茜は彼女が『同じ制服を着ていた』という記憶を頼りに校内を探し回った。
中庭で取り巻きに囲まれる悠里を見つけた時には、夢が現実になったような感動を覚えたものだ。
悠里は茜の姿を認めると、手を振って笑いかけてくれた。
取り巻き達は不機嫌そうなものの、その特別扱いが茜にはとても嬉しかった。

悠里と茜には共通点もあった。
茜は部活で、悠里は地元の道場で空手を習っていた事だ。
もちろん、実力は雲泥の差だった。
全日本レベルの悠里と、地区大会でそこそこの成績を残す程度の茜。
茜が属する部活など、悠里からすればママゴトに等しかっただろう。
それでも、それゆえに、悠里に存在を認められている事実が茜には誇らしかった。
『がんばれー、茜っ!!』
試合の応援に来た悠里がそう声を掛けてくれるだけで、どんな相手とも退かずに打ち合える。
互いの勝利を祝い合う時、茜は悠里と一体となる感覚に陥ったものだ。


しかし、同時に茜は、肝心な所で悠里の助けになれない事も思い知る。
悠里は空手で全国を制した後、異種格闘技戦に興味を示し始めた。
「色んな格闘技が集う裏の舞台で頂点に立つの。それでこそ強いって事でしょ?」
悠里はそう息巻く。
その瞳には妙な必死さが窺えた。
まるで空虚な自分に、そうする事で価値を与えようとするかのように。
茜はその瞳に危機感を覚えながら、口を挟むことは出来ずにいた。
空手で全国を制した先に広がる世界だ。
そこはもう茜が立ち入れるレベルではない。

強くて優しい、人生の目標である女性。
その彼女が仄暗い世界へ踏み入ろうとしているにも関わらず、止める事ができない。
修練に付き合って実力を底上げしてやるだけの力もない。
茜は自らの未熟さを心底悔やんだ。
そして卒業式の最後、別れの瞬間、悠里に抱きついて帯を交換したのだ。

ささやかな絆のつもりだった。
彼女が闇の世界で自分に失いそうになった時、空手が引き戻してくれるように。
茜との想い出で踏みとどまってくれるように。
だからリングで悠里と再会した時、彼女がまだその時の帯を持っているのを見て、
茜はつい泣いてしまったのだ。


茜にとって悠里は、遠い、遠い、絶対的な存在だ。
初めて会った瞬間からそれは変わらない。
しかし逆に悠里にとって茜は、どのような存在なのだろう。
そう考えた時、茜には不思議な事が一つあった。
最後の瞬間である今、茜は長らく訊きそびれていたそれを尋ねる事にする。

「先輩、ひとつ……訊いてもいいですか」
茜の声に悠里が顔を上げる。
「路地裏で初めて会った時、先輩、私を見て驚いた顔をしてましたよね。
 なぜですか?……私はただ、動けずに見ていただけなのに」
初めて悠里と会ったとき、彼女は茜に驚いた。
茜が悠里の常識を超えた動きに驚くのはわかるが、その逆は理由がない。
悠里は微笑んだ。

「空手に興味があったからね、同じ学校のあなたの試合を前から見てたのよ。
 それで、すごいなぁって」
「……すごい……ですか?私が?」
茜は怪訝そうに眉を寄せる。
悠里と出会う前の試合は、ただ相手に臆して守っているばかりだった筈だが。
「そうよ。あなたは、私を勇敢だと思う?」
悠里は自分を指し、茜に問う。
茜は即座に頷いた。
守りの構えを取らず、常に攻め、瞬く間に相手を打ち崩す。
あれを勇敢といわずして何というのか。

「……違うわ。私はね、相手が何をしてくるのか、わからないの。
 じっとしていたら何をされるかわからない。だから思い切って攻撃するだけ。
 でも、あなたは違う」
悠里は茜を指差した。
「あなたは、恐れてた。相手の『行動』を、あらゆる『危険性』を予測して身構えてた。
 私には、それが底知れなく強いと思えたわ」
茜は息を呑む。
確かに、茜は相手と対峙したその瞬間、常に最悪のビジョンが見えた。
最も受けてはいけない攻撃と、それのもたらす結果がありありとわかった。
悠里は、試合を傍から見ただけでそれを見抜いたのだ。

「だから、王者に相応しいのはあなたよ。恐怖を克服できる、あなた。
 …………頑張ってね」
悠里は最後に茜を抱き寄せ、ちゅ、ちゅっとその両の頬にキスをした。
そして一瞬寂しげな表情を見せた後、彼女に背を向ける。


卒業式のあの日と同じ。
しかしあの日とは違い、もうどうやっても交わる事のない道へ、悠里は歩き去ってゆく。
歩く姿は様になった。
長い脚、しゃんと伸びた背、艶やかな後ろ髪。
格好いい、と茜は思う。彼女と今まで話をしていた事が誇らしくなるほどだ。
これから彼女は一人の女性として生涯を終える。

  ――彼女を超えられただろうか?
    あの日見た、人智を超えた彼女の強さに追いつけただろうか?

その答えは、もう永久にわからない。
カーペントレス(木こり娘)と呼ばれた女王の姿が、もう二度と見られない。

 嫌だ。

茜は肩を震わせた。

 …………嫌だ!



『 悠里いいいぃっ !!!!! 』


茜の叫びに、悠里が振り返る。その瞬間。
パンと乾いた音がし、悠里の頬に熱さが走った。
「え、な、何するの……」
彼女がうろたえる中、再び茜の手が動く。悠里は防ごうとしたが、速い。
パンッ!!
再び茜の手のひらが悠里の顔を打つ。

「今のあなたは先輩じゃありません。その皮を被っただけの偽者です!
 先輩は、確かに弱い人でした。
 寂しがりで、情緒不安定で、孤高を気取るくせに誰かと居たがる。
 おまけに気分屋で、パーティーでもすぐにふらっといなくなる。
  …………でも先輩は、戦いにだけは真摯でした!!」

3度目、茜のビンタが悠里の顔を歪ませる。
あまりの痛みに、とうとう悠里の穏やかな表情が変わった。
「……あ……あんたに……、あんたに私の何がわかんのよ!」
悠里もビンタを返す。
バチィン、という音と共に茜の顔が弾け飛んだ。

「ッ何ですか、これ……ぬるいですよ!!」
茜は叩かれた顔を戻すとともに、悠里の頬へ平手を浴びせる。
悠里の黒髪が風に舞い、首が弾け跳ぶ。
「…………こ、のぉッ!!!!」
悠里も力を込めて打ち返した。今度は茜の首が弾けとぶ。


バチン、バチッ、バチィン!!


桜の舞い散る中、2人はビンタの応酬を浴びせあう。
頬は赤く腫れ、眦には涙を浮かせながら。

暴力はいけないのに。
悠里の脳裏に刷り込まれた考えが浮かぶ。
暴力を行使する限り、悠里は幸せにはなれない。
美人に生まれたのだから、女の生活を送らなければ。
そう思うのに、頬を叩きあう度に胸の奥の激情が揺り起こされる。

「どうして、一言相談してくれなかったんですか!!
 追い詰められて、追い詰められて、爆発するまで溜め込んで!!」

茜が悠里を叩きながら叫ぶ。

「言ったところで、私の問題があなたに解決できるの!?
 私が小さい頃、どんな事をしていたかなんて知らないでしょう?
 人を殺したのよ、私は!!殺しあった末に今の私があるの。
 人を傷つけて恨みを買って、傷つけられて。こんな世界はもう沢山!!
 私は女らしく生きたいのよ!!」

悠里も叫びを返した。

「じゃあ、今までの先輩は全部、余計なものだったとでもいうんですか!!
 あんなに鍛えて、強くて綺麗で、みんなの憧れで!!
 カーペントレスとして生きてきた悠里は、いらないって言うんですか!!!」

茜は退かない。猛然と掌を振るい、悠里を打ち据える。
強烈な痛みが悠里を襲っていた。
それは鍛え続けた茜と、格闘から遠のいていた悠里の差だ。
どくん、と悠里の心の底に寂寥感が疼く。

「わかった風な口を!私以上に“カーペントレス”の事が解るつもりなの!?」

悠里は寂しさを振り払うように掌を振るう。
すでに息が苦しい。以前では有り得ないほどにスタミナが落ちている。
その事にまた身体の奥が嘆きを示した。

「解りますよ!!昔から先輩は、本当に楽しそうに戦ってました。
 空手の型は見惚れるほどに綺麗だったし、実戦ではそれよりずっと輝いてた。
 あんなもの、戦うことが好きじゃないと出来る訳ないじゃないですか!!
 私は、そんなあなたの背中を追いかけてここまで来ました。
 あなたのお陰で、今の私があるんです!!
 私だけじゃない。早紀だって、他の皆だって、あなたが……好きなんだ!!!」

茜の掌が悠里の頬に爆ぜる。同時に悠里の掌も茜に打ち込まれた。
共に渾身の一撃。
その一撃で、2人は共に打ち倒された。




「はっ……はぁ……はぁ…………!!!」
桜の絨毯に横たわりながら、悠里は涙を湛えた目で茜を睨みつける。
だがその瞬間、悠里の目が見開かれた。
「何よあんた、笑ってるの?」
茜は悠里と同じく涙を湛えながら、笑みを浮かべている。
「ええ。……だって」
頬を押さえながら茜が答えた。
「だって、嬉しいんです。私、ずっとこうしたかった。
 先輩と対等な立場で、怒って、殴って、感情をぶつけ合いたかった」

その茜の笑顔を見ながら、悠里は叩きつけられた言葉を噛み締める。
“戦う事が好き”。
間違いない。悠里は茜と張り合ううち、自由に動かない身体を嘆いた。
強さを求めたいと身体が訴えている。
それが自分の根幹だ、と悠里は気がついた。
3ヶ月の間、楓達に消し去るよう求め続けられたが、やはり忘れ去れそうにもない。
そしてこの想いこそが、今の茜を生み出したのだ。
自分に憧れている、目指してくれている。
その想いに応えたい、という気持ちが心の内から湧き出てくる。

「……そうね」
悠里は呟き、後ろ髪に手を伸ばした。
器用に髪をかき上げ、手に持った紐で髪を結っていく。
後ろ髪は獅子の尾のようにきりりと垂れた。
「私は王者だったわ。」
茜はその美しさにただ見惚れた。
ぞくぞくする心を抑えられない。やはり、やはりこの人こそが女帝だ。

茜は懐から黒帯を取り出し、悠里に差し出す。
「先輩、リングで会いましょう」
「いいの?今の私たちが戦ったら、きっと殺し合いよ」
悠里も手にしていた茶帯を茜の手に乗せた。
「あはは。じゃあ、殺しあいましょう」
「そうね、そうこなくちゃ」
二つの帯が交わされる。
悠里と茜は並び立ち、互いを見つめ合った。
四年前はあれほどあった差が、今は殆ど感じられない。

強い身体に、弱い心。
強い心に、弱い身体。

共に不完全であった2人は、まさに今、彼女達の望む強さを手にしていた。



3.

光ある所には影もある。
悠里と茜が帯を交わすのを、遠くから陰湿な目が観察していた。

「チッ……尾行けて来といて良かったよ。まだ調教が甘かったみたいだね」
金髪の娘が言う。
三ヶ月の間、暇があれば悠里を虐げていたクミだ。

「まぁまぁ、今の状態でまたぶっ潰せば問題ないよ。
 悠里は身体鈍ってる筈だし、その横にいるのは弱そうだしさ」
ライダースーツに身を包んだ女が言う。
「そうね、あの人の誇りをもう一度折れるのは嬉しいわ」
黒髪の生真面目そうな娘、紗江も笑った。
クミを先頭とする一団の人数は8人。
その一団は悠里を捕らえるべく、物陰から足を踏み出そうとする。

その瞬間、彼女達の後ろで物音がした。
クミが振り返る。
少女がいた。金メッシュを入れた、セミロングのダークブラウンヘア。
「……てめッ、西高の早紀か……!?」
クミが表情を強張らせた。
クミの属するチームと敵対するレディースチームの頭だ。
気がつけば、クミ達はその早紀が率いる集団に取り囲まれていた。


「……どういうつもりだよ」
クミが呻く。
「解るっしょ。悠里姐さんの邪魔はさせない、ってつもり」
早紀は指を鳴らしながらクミに近づく。
「悠里姐さん、だぁ?テメェあんな雌犬にビビってんのかよ?」
クミも三白眼で早紀を睨みながら、同じく距離を詰めた。

「……舐めんな!!」
突如クミが手を伸ばし、早紀の髪を掴もうとする。
しかし早紀は素早く頭を引き、逆にクミの足にローキックを放った。
「ぐ、あっ……!?」
その一発でクミの身体がぐらつく。
喧嘩の蹴りとは違う、明らかに鍛え上げた蹴りだ。
「へっ、効くだろ?」
早紀はさらにクミの肩に、腹に突きをいれ、最後にレバーブローを叩き込んだ。
これもまた喧嘩では見られない洗練された動きだ。
「おおう、ええっ!!!!」
クミは成す術もなく蹲り、咳き込む。

「こんなもんか。古武道やってるっつっても、所詮お遊び程度になんだな」
早紀がクミを見下ろして言った。
「あたしは、本気で鍛えてるよ。悠里姐さんみたいになりたくてね。
 悠里姐さんの強さは全然こんなもんじゃなかった。
 聞けばお前ら、その姐さんを好き勝手にしてたらしいじゃねぇか。
 覚悟しな、きっちり同じ目に合わせてやっからよ!!」

早紀のその一言で、クミの一団と早紀のチームとの抗争が始まった。
いや、それは抗争とは呼べないかもしれない。
人数の差もあり、早紀の強さもあって、煙草を一服するほどの間に鎮まったからだ。





「やめてっ、もうやめてぇっ!!お、おしっこの穴が、緩くなってしまうわ!!!」
紗江の声が廃工場に響く。
彼女は裸に剥かれ、数人のレディースに手足を押さえ込まれていた。
そのがに股に開かされた脚の間には一人の少女が屈みこみ、尿道に綿棒を挿し入れている。
「よく言うよ、あんたもやってたんでしょうに。それにホラ、とっても気持ち良さそう」
尿道をくじる少女が、そのついでに陰核を摘んだ。
紗江の腰が跳ね上がる。
尿道越しに陰核の根元を扱き続けられ、紗江の内腿はしとどな愛液で濡れ光っていた。
女の匂いが周囲に立ち昇ってもいる。
清楚そうな紗江には、かなりギャップのある乱れようだ。
「いや、こんなの、嫌……いやぁッ……!!!」
紗江は女達に押さえ込まれながら恥じ入った。

だが、その紗江などはまだマシな方だ。
廃工場にはその他にも族の女が捕らえられ、悠里に対して行った分と同じだけの苦痛を味わっていた。

各々の行動は、楓の道場にスパイとして潜り込んでいる早紀のチーム員によって、
写真つきで逐一記録されている。
それに沿って、ある者はホースで蛙腹になるまで水を飲まされ、
ある者は天井から吊り下げられて腹をサンドバックのように打ち据えられた。


最も悲惨なのはやはりクミだ。
「ははっ、いい格好だねコレ」
早紀が彼女を見下ろして笑う。
クミは今、『マングリ』を自らの身で行われていた。
尻を天に向けた格好を取らされ、ローション一瓶を注いだ直腸へマイクを抜き差しされる。
ぐぼっぬぼっと聞きたくもないような音が響き渡る。
「やめろ、てめぇっ、殺すぞ!!ぜってぇ殺してやる、くそ、殺してやる!!!」
クミは金髪を振り乱して叫んだ。
わりに造詣のいい顔は屈辱に歪んでいる。
その尻の穴に、絶え間ないマイクの抜き差しが続けた。

「く……っ!!う…………!!」
クミは耐えた。
しかしどれだけ堪えようと、抜き差しの度にマイクはがローション塗れの腸奥を刺激する。
泡だったローションが下痢便のような音を立ててあふれ出す。
堪えきれる訳が無い。
その事実を、クミは自らの身で以って思い知った。

「もう………やだ…………ぁ………!!」
女として最も聞かれたくない音が工場中に響き渡る。
内臓の匂いが漂い始める。
馬鹿にしきった目が惨めな自分を見下ろしてくる。
そして、どうしようもない理不尽な排泄感。

『泣いちゃったんだ?』

悠里に投げかけた侮蔑の言葉が頭に響く。
「も、もう……もうだめえっ……!!出ちゃううーーー!!!」
屈辱的な叫びを上げ、クミは最悪の時を迎えた。
堪えきれずに涙が溢れる。
そしてクミは悠里に行った折檻がまだまだ山のように残っている事を思い出し、
絶望に唇を震わせた。
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