※ 【何発でも】腹責め専門SS・その8【叩き込め】スレの
7 :名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 00:26:10.33 ID://KNP+WM 返信 tw
人体の穴から中に入り込む凶悪スライムひしめく洞窟に挑む盗賊娘。
苦労して手に入れたスライムが嫌う秘薬を耳や膣などに塗りこめ、
いざ一攫千金と洞窟に入るが、臍の穴を忘れていて潜り込まれる。
臍をこじ開けて入り込む軟体に身悶え、松明を落として完全な闇に。
おぞましさがやがて痛みに変わり、腹部を引き攣らせながら悶え叫び悶え、
嘔吐と失禁の果てに息絶えるのだ
およびnnS氏のイラストを元にしています
世の言葉を金に換算するなら、リーネは『正義』に最も安い値をつける。
ひねた考えからではない。
ただ、正義に拘っていては、彼女はその日のパンも口にできない。それだけだ。
元々リーネの家は、裕福というわけでもなかったが、慎ましやかで善良な市民をしていた。
しかし2人目の子が生まれた時、状況は一変する。
その幼子、すなわちリーネの弟には先天的な持病があった。
体が徐々に衰弱していく病だ。
高名な医者に見せても原因は解らず、どれほど栄養を摂らせても成長はおろか衰弱を防ぐので精一杯。
父は治療費を稼ぐため働き続け、やがて過労で世を去った。
母は一家の食べる物を求めて市場で盗みを働き、警備の兵に斬られた。
それから数年。リーネもまた盗賊に身をやつしている。
盗みの才に優れる訳ではないが、まさしく命懸けで修羅場を潜り抜けてきた。
「どーう、お姉ちゃんキレイでしょ?」
リーネは商人から奪った金装飾や宝石で身を飾り、寝たきりの弟に見せびらかす。
「うん、凄いや!」
弟は素直に頷いた。
しかし……それに微笑を返しながらも、リーネの表情には曇りがある。
リーネ自身は豪華な装飾品など欲しくはない。
誇らしげにそれを纏うのは、弟に自分の盗賊業があくまで“趣味”であるように見せるためだ。
自分のために姉が窃盗をしていると知れば、弟は心を痛めるだろう。
だから趣味とする。宝石が欲しいから盗んでいるだけ、弟を養っているのはそのついでだと。
弟が物心つく前からそのスタンスを貫いてきた。
弟の目には強欲で浅ましい姉に映るかもしれないが、それでもリーネは構わない。
弟を幼くして死なせるよりマシだ。
せっかく生まれた以上は、綺麗な景色を目にし、女の子と恋をする機会を得るべきだ。
たとえ手を汚してでも、弟に生を全うさせる。それが姉としての義務だとリーネは思っている。
「……もう少しだよ、アシル」
リーネは拳を握りしめ、聴こえぬほど小さな声で弟の名を呟いた。
彼女はすでに弟を救う手立てを見つけていた。
弟の衰弱していく病気は未知のもので、治す方法は無いかもしれない。
だがその症状を中和する秘宝ならば存在した。
『天使の首飾り』と称されるアクセサリだ。
身に着ければ、人間の自然治癒力を劇的に高めてくれる。
かつて姫君からそれを賜った騎士は、斬られて血の流れる中でも息絶えることなく、
国を勝利に導き英雄になったと伝えられている。
それさえあれば、アシルも病の進行を抑えこんで成長できるだろう。
無論、それほどの秘宝がありふれた所にあろうはずもない。
噂では、『天使の首飾り』が眠る洞窟には、人体の穴から体内に入り込む凶悪なスライムが生息しているという。
しかしリーネはすでに、そのスライムが嫌うという秘薬を手にしていた。
秘薬の入手には随分と苦労させられたが、これでようやく洞窟に入ることができる。
リーネの心は弾んだ。
弟と手を繋いで野を駆けるイメージを胸に、手馴れた様子で荷を纏める。
「……もう少し。もう少しだからね」
思わず、また呟きが漏れた。
※
「……ここか」
リーネは地図から目を離し、洞窟の入り口を見やる。
旅慣れたスタイルだ。
金色の髪は簡素に後ろで纏め、女のシンボルをやっと覆う程度の生地をベルトで締め付けている。
動きやすさを重視するため、肩周りや脚に引っ掛かりはない。
白い肌が胸部から下腹まですらりと流れる様は、何ともコケティッシュな魅力に溢れていた。
腕に嵌めたアームガードはウェストポーチと揃いのデザインで、挙動の邪魔にならないシンプルなものだ。
主に金貨や仕事道具を収納するポーチとは逆側に、小さな荷物袋もベルトから提げ、護身用のショートソードの重みで押さえつけている。
首に巻いた長マフラーは、いざという時の止血や水を濾す用途にも使えるが、やはり何といっても盗賊の定番スタイルという意味合いが強い。
「さて、いよいよこれの出番ね」
リーネはポーチから秘薬の瓶を取り出し、指先で掬い取った。
ハーブのようなやや尖りのある香りが鼻を抜ける。
リーネはそれを自らに塗りはじめた。
「ひええぇ……」
耳の穴に薬を塗りこめるのはおぞましいものだった。
さらに、鼻、口の粘膜へと馴染ませ、そこでふと手を止める。頬が赤らんでいた。
「……あ、あそこにも……塗らなきゃ、だよね」
太腿を擦り合わせながら呟く。
股下に空いた2つの穴。今まで指以外の侵入を経験していない、新鮮そのものの秘境だ。
リーネは周囲を見回しながらベルトを緩める。
そして指先に秘薬を掬い直し、下腹のさらに下へ滑り込ませた。
「んんっ」
冷たさに肩を竦める。
適当に表面だけ塗ろうかとも考えたが、性器にスライムが入り込んでは大事だ。
そう考え、腰の力をなるべく緩めながら、深くにまで指を迎え入れる。
膣に冷ややかさが広がると、次はそれ以上に馴染みのない穴、後孔にもだ。
「あーん、やだなぁ……」
リーネは眉を寄せて振り返る姿勢になり、排泄の穴を指先で弄くる。
固く窄まった場所を何度も押し込み、僅かに指を潜り込ませると、それだけで足踏みしたいようなおぞましさが背筋を走った。
「……お尻に指入れてるなんて……こんなとこ、アシルには絶対見せらんないよ。
もうホントやだ!ここ、スライムに入られてもうんちみたいにひり出せないかな」
羞恥心を紛らわせるように呟きながら、腸壁にも丹念に塗りこめ、勢いよく指を抜き出す。
「よし、おわり!薬も塗ったし、さっさとお宝頂いて帰ろっ!!」
リーネは誰にともなくそう告げて、取り出したカンテラに灯をともした。
その頬は霜焼けしたように赤らんでいる。よほど性器と後孔を弄くったのが恥ずかしいらしい。
しかしその羞恥に紛れ、彼女はひとつ、自分に空いた大切な穴を見落としている。
後にそれを死ぬほど後悔するとは露知らず、盗賊娘は洞穴へと踏み込んだ。
洞窟の中は薄暗く、壁面は苔で覆われ、湧き水でもあるのか水辺で嗅ぐ匂いが立ち込めていた。
スライムが好む環境だ。
はじめこそ有り触れた洞穴のようであったそこは、地下に降りるにつれ迷宮の相を呈しはじめる。
壁に刻まれた目印、遺言、そしてその下に横たわる白骨。
骨と化した遺骸たちは、みなどこかしら身体の穴を押さえていた。
耳や、鼻、尾骨の下……。
「身体に入り込むスライムがいるってのは、どうやら本当みたいね」
リーネはそれを横目に最奥へ向かう。
人骨の数は、その奥に眠る財宝の価値を裏付けるものだ。
もう少し。リーネは幾度となく呟いたその言葉を今一度反芻し、ひたすらに洞窟を下った。
そして数分の後、ついに到達する。
大きく開けた場所に鎮座する宝の箱。
かなりの時間経過を思わせる木の痛み具合、縁取りの金の汚れ具合。
リーネは盗賊としての心を躍らせ、カンテラを置いて箱の口を勢いよく開く。
中には目も眩むような宝が詰まっていた。
金塊に宝石、宝剣、そしてそれらに埋もれて輝くペンダント。
「こ、これって!?」
震える手でそれを掬い上げ、両手の間で広げて、リーネは言葉を詰まらせる。
かつて古代文明で湛えられた太陽の神鳥を象る形状。
手に乗せただけでほのかな暖かさを感じる不可思議な力。
紛れもなく『天使の首飾り』そのものだ。
首に掛けてみると、たちまち探索の疲れが取れてゆく。
これさえあれば、病弱な弟も……!!
リーネの目に薄っすらと涙を浮かんだ。
しかしその至福の時間は、背後で蠢くおぞましい気配に邪魔される。
「ッ!?」
リーネは素早く拾い上げたカンテラで背後を照らす。
そこには無数のスライムがいた。
まるで壁の窪みから染み出すように、わらわらと湧いてきている。
宝箱を開けたと同時に出現したのだろう。実際、財宝に囲まれ歓喜する旅人を襲うモンスターは多い。
「ちぇっ。行きはよいよい帰りは怖い、ってワケね」
リーネは腰を沈めて走り出す構えを取った。
物理的手段で対抗しづらい軟体である上、この数だ。逃げるのが最も賢明だと言えた。
だがまさにリーネが走りだそうとした瞬間、その脚にスライムが絡みつく。
地面から染み出してきたスライムだ。
「しまっ……!!」
足を取られ、転倒するのを済んでのところで回避するリーネ。
だがその体へ、無数のスライムが纏いつき始めた。
「うっ!」
ぬめらかな感触に眉を顰めるリーネは、しかし心のどこかでは楽観視している。
こうなった時の為に、穴という穴へスライムの嫌う秘薬を塗りこんだのだ。
体内へ入り込まれさえしなければ、あとは何とかもがいて脱出すればいい。
そう考えていた。
その考えを嘲笑うかのように、スライム達はじわりじわりと、リーネの肌に纏いついてゆく。
スライム達はベルトを潜り、マフラーを押しのけてリーネの体を這い回る。
しかし耳や秘裂に近づくと明らかに動きが鈍った。
肝心な部分には迫れぬまま、周囲を這いずるのみだ。
(やっぱり、この薬が嫌いみたいね。苦労した甲斐があったわ)
リーネは安堵の息を吐いた。
だが下腹を這っていた一匹が、唐突に彼女の想定を覆す。
「いっ!?」
腹の中心へ“重さ”が差し込んできた。
冷や汗が噴き出す。
頭を殴られた時とも、腕を切られた時とも違う、何か決定的な崩壊の予感。
痛さが薄い腹膜を抜けて背筋まで通る。括約筋がきゅうと引き締まる。
「う……うそ……!……そこ、は……!!!」
リーネは震えながら自らの身体を照らした。
スレンダーな下腹の中心がぽっかりと口を開いている。
コップから溢れる水のように光る軟体を溢れさせて。
臍だ。
自らの臍をスライムが押し広げ、中を覗かせているのだ。
リーネの顔が一瞬にして青ざめた。
彼女はようやくにして気付いたのだ。自分が臍の穴に秘薬を塗り忘れていた事実に。
というより、リーネは臍を穴として認識した事さえなかった。
耳や鼻のように大切な器官というわけではない。
生れ落ちてしまえば不要なもので、たまに垢を取るくらいはしているものの、あくまで窪みという認識でしかない。
よもやそんな場所に入り込まれるとは。
「やっ、く、苦しいっ!!そんなとこ、入らないで、よぉっ……!!!」
リーネはカンテラを持たない手で必死にスライムを掻き出そうと試みる。
しかし軟体であるスライムがどうにかなるはずもない。
それどころか、一匹が無事に入り込めた情報が他の個体にも通じたのだろうか、次々と臍の中へ入り込んでくる。
「やだ、やだぁ!!やめてええっ!!!」
リーネが泣き叫んだところでスライムが止まるはずもない。
「ぐう!」
2匹目が強烈に臍の中を抉った瞬間、リーネは思わず腰を折って崩れ落ちた。
カンテラが硝子の砕ける音をさせて転がる。
灯は弱まり、洞穴はかすかに下方から光を受けるだけの暗闇となった。
「あああっ、あう、ぐうっ!!あ゛はぅああああ゛あ゛!!!!」
盗賊娘の叫び声が洞窟にこだまする。
オレンジの光の中で、白い腹部がのたうっていた。
臍の中には2匹のスライムが入り込んでいる。
普段小指よりも小さい穴は、侵入によって醜く押し拡げられていた。
奥底にある赤い腹膜さえ晒されているほどだ。
直視しがたい惨状だった。
「ああ、いやあッ、いやああああッッ!!!!」
リーネは懸命に腰を捩って状況の打破を願う。
しかしそれでどうにかなるはずもない。
スライムは彼女の臍に居つき、さらに強欲にスペースを求めるかのように腹膜を抉りまわす。
柔らかなスライムとはいえ、最も腹膜の薄い部分を押し込まれるのだ。
少女の苦しみたるや想像を絶するものだろう。
2匹のスライムが貪欲に拡張し、僅かにできた隙間にまた一匹が入り込む。
臍からの圧迫感は鰻上りだ。
「お゛うっ!?うおっ、おお、ごぉえ、ええっえ゛……!!!」
リーネは目を見開き、舌を出してえづいた。嘔吐の気配がこみ上げてくる。
臍から体内までを槍で貫かれたように痛んだ。
それに連動するように、腹部も腐食したような痛みを放っていた。
呼吸が阻害される。
足の裏や肘など、肝心な部分に力が込められず、身を起こす事さえできない。
臍というのはこれほどに身体の各所に通じていたのだ、とリーネは初めて気付いた。
(だからって、それを冥土の土産になんてするもんか!!)
せっかく天使の首飾りを手に入れたのだ。あとは弟の元へ帰るだけなのだ。
リーネは足掻く。
力の入らない中で、腕の引きつけだけで這うように進む。
目的は床に転がるカンテラ、正確にはその中にある火だ。
リーネは何とか燭台を掴みだし、蝋燭の火を臍に近づける。
「さっさと……どいてよっ!!」
そう叫んでスライムの表面を炙った。
殴っても斬っても効果が無いスライムとはいえ、炎ならば通用する。
表面を軽くでも炙ってやれば、たちまち嫌がって臍から飛び出す……はずだった。
しかし、リーネの臍にいるスライムは、あろうことか近づけられた炎を包み込む。
そしてまるで咀嚼するかのように、臍の中で弄び始めた。
飛び上がったのはリーネの方だ。
「あっ、あっついいいいっ!!!ああ熱っ、あつうぅぅうぃいい!!!!!!」
リーネは先ほど以上に激しく腰を跳ね上げ、転げまわる。
スライムが臍の中で炎を包み込んだのだ。
スライム自身によって若干温度が緩和されているとはいえ、臍の中を直接炙られるに等しい。
「ああああっ!!んぐああああああっ!!!!」
リーネの瞳から涙が零れ落ちる。堪えられるはずがない。
槍で刺されるようだった臍奥の痛みが、赤く焼けた棒を押し付けるほどになっているのだから。
状況を打開しようとした行為が完全に裏目に出た。
臍を引き裂かんばかりに広げられ、熱さと共に抉りぬかれて、やがてリーネは喉元を蠢かす。
「う゛っ!?う、うむう、おええ、んお゛お゛ええ゛え゛っ!!!!!」
嘔吐だ。
休みなく繰り返される腹膜一枚での内臓責めに、とうとう盗賊娘の胃の中のものが吐き溢される。
しかしそれさえも今さらか、と思えるほどに、彼女の苦しみは深かった。
荒い息遣いが人気の無い洞窟に響く。
(……く、くる、しい……。私、ここで、こんな所で、死ぬの…………!?)
絶望的な考えを浮かべながら、リーネはまた口から吐瀉物を溢れさせた。
臍には次々と遠慮なくスライムが潜り込み、性交のように不気味に蠢きまわっている。
その苦しみに少女の腹筋がぎちぎちと音でも立てるように強張っていた。
耐えるためではない。
ドアの蝶番が破壊される際、木の扉部分までもが軋みをあげるようなものだ。
事実その腹筋はつり始め、少女の呼吸を大幅に阻害していた。
ぼやけた頭の痛みに、搾り取られるような腹部の痛み。それが少女を呑み込む。
「は、はは、あ……はっ、ははっ……はひっ……、ひはっ」
笑いにさえ聴こえる引き攣った呼吸を繰り返しながら、盗賊娘は悶える。
刻まれる一瞬一瞬の苦痛が強烈なせいで時間の概念が曖昧だが、もう一時間は経っているかもしれない。
よく死なないものだ、とリーネは思った。
出血があるわけでもないが、酸素は明らかに足りておらず、ショック死するに十分な衝撃もある。
そう思った時、一段と強烈な痛みが腹部を抉り、リーネの体が跳ねた。
「うあああああああっ!!!!」
絶叫と共に背を逸らす。その瞬間、彼女の首元で金属音がした。
『天使の首飾り』。
リーネは理解した。この苦痛の中でも、自分が意識さえ失わずにいる理由を。
ペンダントの効力で僅かに身体が癒えているのだ。そのおかげで死に至らない。
死ねない。
「あついっ、あついいいっ!!!いたいっ、ああっ、もう、もうそこ、抉らないで、えええっ!!!」
リーネは幼い悲鳴を洞窟に響き渡らせ、悶え続ける。
白い腹部が引き攣り、すらりと細長い脚が地面の上で幾度も震えるアーチを描いた。
幼さを残す顔も涎と涙に塗れていた。
暗闇の中のその惨状を、臍で燃え盛る炎の残滓が照らし出す。
盗賊娘が立ち上がって逃げ出せる可能性は、もはや0と言っていいだろう。
始めのうちならば力を振り絞れば不可能ではなかったかもしれない。
だが未知の痛みに悶えてそれに踏み出せず、じわじわ、じわじわと体力を削ぎ落とされた。
『天使の首飾り』の回復でも追いつかない。
むしろその回復で苦しみが長引くほど、娘の心は恐怖に切り刻まれていくともいえる。
ちょうど臍で燃える炎が、彼女の命、といったところか。
「い、いた、いいい……!!だ、だれか、だれか、たすけ、て……!!!
もう何も盗まない、悪い事なんてしない、からあ゛……!!!」
リーネは横たわったままで枯れた声を上げる。
声に力はないが、その体中はなおも強く震え続けていた。
臍の奥をまた強く抉られたのか、その白い脚がくの字に強張る。
やがてそれが震えながら降りてゆく時、その股の間からかすかに黄色いせせらぎが流れ出す。
しかし娘の焦点の合わない瞳は、もはやその失禁さえ問題としていないらしかった。
「あ……あう……ああう、う゛っ、ア゛……!!」
震える指が首に掛けられたペンダントを掴む。そして静かに離される。
それを捨てようとしているらしかった。
『天使の首飾り』を投げ捨てれば、たちまちこの無間地獄から解放されるだろう。
しかしそれは死ぬという事だ。
弟にこのペンダントを渡すために、ここまで来たのではないか。
盗賊稼業を続けてきたのも、すべてはそのためだったではないか。
そう考えると、やはりリーネは生を諦める訳にはいかなかった。
せめてペンダントだけを、どうにかして弟の元へ送る事ができれば。
そんな都合のいい空想ばかりが頭を巡る。
しかしそんな些細な考えさえ寸断させるほどに、腹部の痛みが深く大きくなってきていた。
腹部へぽっかりと穴が空いているように感じる。
ドリルが突き刺さっているように。
それが真実でない事を確かめるかのように、リーネは震える手で臍の近りを摩った。
思っていたよりかなり弾力の強いスライムが何匹も触れる。
そしてそのスライムのいる土壌、リーネ自身の腹部は、滑るほどの汗に塗れていた。
無論それは腹部だけではない。うなじも、腋も、股下も、結露のように細かな汗が流れている。
それに気づいた時、リーネはある確信を得た。
せっかく塗りこめた秘薬が、その汗によって流れ落ちつつある、という確信を。
ヒトは危機に瀕した際、悪い方に感じる予感に限ってよく当たる事がある。
今もそうだ。臍からあぶれた生ぬるいスライム達は、リーネの体中を遠慮なく這い回った。
薬の塗ってあった場所であろうと構わずに。
その状態から、鼻に口に、そして秘裂や肛門にさえ質量が入り込んでくるのは、当然の事だった。
「んむうううーっ……!!!んっ、んんんっ、ふンっ……んんん、ンんっ!!!」
洞窟に悲鳴が上がる。
口の中にまでスライムに入り込まれているため、くぐもったものだ。
その身体には粘つき連なったスライムたちが、まるでトグロを巻くようにして絡み付いていた。
耳の穴には横髪を掻き分けて何度も粘液の波が送り込まれている。
胸の布は下部のベルトを残して肌蹴られ、ほどよい大きさの乳房を軟体が覆い尽くしていた。
軟体の蠢きにあわせて形を変える乳房。
その先端にある蕾はいつしかハッキリと形を主張し始めており、持ち主が一定の興奮状態にあるらしい事を窺わせた。
股下までのショートパンツの中にも大量にスライムが入り込んでいる。
パンツの形を変えるほどのその殺到ぶりは、まるで洪水のような失禁に見えた。
性器へのスライムの侵入。それがどんなものかは、娘の反応を眺めていれば解る。
リーネは両脚をだらりと伸ばしたまま、親指の先だけを重ねて『その時』を待っていた。
やがてベルトの金具が鳴り、ショートパンツが蠢くと、その親指の重なりが土踏まずを擦り合わせるほどに強まる。
「んんーっ!!!」
目が見開かれ、スライムを吐き出す勢いで唇から甘い悲鳴が上がる。色に例えるならピンクといったところか。
明らかに快感を孕んだ声だ。
そのままスライムの群れがぐぶっ、ぐぶっ、と肉の重なりを刺激すると、娘の小さな手は快感に空を掻き毟る。
狙われるのは花園ばかりではなかった。
その後ろ、慎ましく閉じた排泄の穴もまた、軟体に侵入されて作り変えられている。
後孔にゼリー状の塊が狭道を通り抜けるとき、リーネは決まって腰を浮かせた。
内腿に筋を立て、唇を噛みしめて汚辱感に耐える。
そしてスライムが腸内で蠢き、生ぬるい排泄のような感覚をもたらしはじめると、何とも愛らしい少女の顔を見せるのだ。
盗賊娘はその身をスライムに包まれているのと同様に、その心を快楽に染められていた。
膣を通り抜ける軟体の心地よさ、肛門を滑る感覚のえも言われぬこそばゆさ、そして変わらず臍の奥を焼き抉るつらさ。
それらが下腹で交じり合い、少女の心を掻き乱す。
もはや逃げる事は叶わない。しかし『天使の首飾り』をしている限り、死ぬ事もない。
彼女の行く末は2つ。
その閉ざされた未来に諦めを抱き、ペンダントを投げ捨てて死ぬか。
針の穴ほどにも見えない希望を信じ続け、ペンダントを手放さずに精神を崩壊させるか。
そのどちらかだけだ。
「あっ、あぐっ……!はあっ、アシル……はぁ、アシルッッ……!!!!」
最愛の弟の名を呼びながら、リーネは悶え続ける。苦しみ続ける。
その中で彼女は思い始めていた。
この世で最も価値のない言葉、それは『正義』ではなく、『希望』なのではないか……と。
終わり
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人体の穴から中に入り込む凶悪スライムひしめく洞窟に挑む盗賊娘。
苦労して手に入れたスライムが嫌う秘薬を耳や膣などに塗りこめ、
いざ一攫千金と洞窟に入るが、臍の穴を忘れていて潜り込まれる。
臍をこじ開けて入り込む軟体に身悶え、松明を落として完全な闇に。
おぞましさがやがて痛みに変わり、腹部を引き攣らせながら悶え叫び悶え、
嘔吐と失禁の果てに息絶えるのだ
およびnnS氏のイラストを元にしています
世の言葉を金に換算するなら、リーネは『正義』に最も安い値をつける。
ひねた考えからではない。
ただ、正義に拘っていては、彼女はその日のパンも口にできない。それだけだ。
元々リーネの家は、裕福というわけでもなかったが、慎ましやかで善良な市民をしていた。
しかし2人目の子が生まれた時、状況は一変する。
その幼子、すなわちリーネの弟には先天的な持病があった。
体が徐々に衰弱していく病だ。
高名な医者に見せても原因は解らず、どれほど栄養を摂らせても成長はおろか衰弱を防ぐので精一杯。
父は治療費を稼ぐため働き続け、やがて過労で世を去った。
母は一家の食べる物を求めて市場で盗みを働き、警備の兵に斬られた。
それから数年。リーネもまた盗賊に身をやつしている。
盗みの才に優れる訳ではないが、まさしく命懸けで修羅場を潜り抜けてきた。
「どーう、お姉ちゃんキレイでしょ?」
リーネは商人から奪った金装飾や宝石で身を飾り、寝たきりの弟に見せびらかす。
「うん、凄いや!」
弟は素直に頷いた。
しかし……それに微笑を返しながらも、リーネの表情には曇りがある。
リーネ自身は豪華な装飾品など欲しくはない。
誇らしげにそれを纏うのは、弟に自分の盗賊業があくまで“趣味”であるように見せるためだ。
自分のために姉が窃盗をしていると知れば、弟は心を痛めるだろう。
だから趣味とする。宝石が欲しいから盗んでいるだけ、弟を養っているのはそのついでだと。
弟が物心つく前からそのスタンスを貫いてきた。
弟の目には強欲で浅ましい姉に映るかもしれないが、それでもリーネは構わない。
弟を幼くして死なせるよりマシだ。
せっかく生まれた以上は、綺麗な景色を目にし、女の子と恋をする機会を得るべきだ。
たとえ手を汚してでも、弟に生を全うさせる。それが姉としての義務だとリーネは思っている。
「……もう少しだよ、アシル」
リーネは拳を握りしめ、聴こえぬほど小さな声で弟の名を呟いた。
彼女はすでに弟を救う手立てを見つけていた。
弟の衰弱していく病気は未知のもので、治す方法は無いかもしれない。
だがその症状を中和する秘宝ならば存在した。
『天使の首飾り』と称されるアクセサリだ。
身に着ければ、人間の自然治癒力を劇的に高めてくれる。
かつて姫君からそれを賜った騎士は、斬られて血の流れる中でも息絶えることなく、
国を勝利に導き英雄になったと伝えられている。
それさえあれば、アシルも病の進行を抑えこんで成長できるだろう。
無論、それほどの秘宝がありふれた所にあろうはずもない。
噂では、『天使の首飾り』が眠る洞窟には、人体の穴から体内に入り込む凶悪なスライムが生息しているという。
しかしリーネはすでに、そのスライムが嫌うという秘薬を手にしていた。
秘薬の入手には随分と苦労させられたが、これでようやく洞窟に入ることができる。
リーネの心は弾んだ。
弟と手を繋いで野を駆けるイメージを胸に、手馴れた様子で荷を纏める。
「……もう少し。もう少しだからね」
思わず、また呟きが漏れた。
※
「……ここか」
リーネは地図から目を離し、洞窟の入り口を見やる。
旅慣れたスタイルだ。
金色の髪は簡素に後ろで纏め、女のシンボルをやっと覆う程度の生地をベルトで締め付けている。
動きやすさを重視するため、肩周りや脚に引っ掛かりはない。
白い肌が胸部から下腹まですらりと流れる様は、何ともコケティッシュな魅力に溢れていた。
腕に嵌めたアームガードはウェストポーチと揃いのデザインで、挙動の邪魔にならないシンプルなものだ。
主に金貨や仕事道具を収納するポーチとは逆側に、小さな荷物袋もベルトから提げ、護身用のショートソードの重みで押さえつけている。
首に巻いた長マフラーは、いざという時の止血や水を濾す用途にも使えるが、やはり何といっても盗賊の定番スタイルという意味合いが強い。
「さて、いよいよこれの出番ね」
リーネはポーチから秘薬の瓶を取り出し、指先で掬い取った。
ハーブのようなやや尖りのある香りが鼻を抜ける。
リーネはそれを自らに塗りはじめた。
「ひええぇ……」
耳の穴に薬を塗りこめるのはおぞましいものだった。
さらに、鼻、口の粘膜へと馴染ませ、そこでふと手を止める。頬が赤らんでいた。
「……あ、あそこにも……塗らなきゃ、だよね」
太腿を擦り合わせながら呟く。
股下に空いた2つの穴。今まで指以外の侵入を経験していない、新鮮そのものの秘境だ。
リーネは周囲を見回しながらベルトを緩める。
そして指先に秘薬を掬い直し、下腹のさらに下へ滑り込ませた。
「んんっ」
冷たさに肩を竦める。
適当に表面だけ塗ろうかとも考えたが、性器にスライムが入り込んでは大事だ。
そう考え、腰の力をなるべく緩めながら、深くにまで指を迎え入れる。
膣に冷ややかさが広がると、次はそれ以上に馴染みのない穴、後孔にもだ。
「あーん、やだなぁ……」
リーネは眉を寄せて振り返る姿勢になり、排泄の穴を指先で弄くる。
固く窄まった場所を何度も押し込み、僅かに指を潜り込ませると、それだけで足踏みしたいようなおぞましさが背筋を走った。
「……お尻に指入れてるなんて……こんなとこ、アシルには絶対見せらんないよ。
もうホントやだ!ここ、スライムに入られてもうんちみたいにひり出せないかな」
羞恥心を紛らわせるように呟きながら、腸壁にも丹念に塗りこめ、勢いよく指を抜き出す。
「よし、おわり!薬も塗ったし、さっさとお宝頂いて帰ろっ!!」
リーネは誰にともなくそう告げて、取り出したカンテラに灯をともした。
その頬は霜焼けしたように赤らんでいる。よほど性器と後孔を弄くったのが恥ずかしいらしい。
しかしその羞恥に紛れ、彼女はひとつ、自分に空いた大切な穴を見落としている。
後にそれを死ぬほど後悔するとは露知らず、盗賊娘は洞穴へと踏み込んだ。
洞窟の中は薄暗く、壁面は苔で覆われ、湧き水でもあるのか水辺で嗅ぐ匂いが立ち込めていた。
スライムが好む環境だ。
はじめこそ有り触れた洞穴のようであったそこは、地下に降りるにつれ迷宮の相を呈しはじめる。
壁に刻まれた目印、遺言、そしてその下に横たわる白骨。
骨と化した遺骸たちは、みなどこかしら身体の穴を押さえていた。
耳や、鼻、尾骨の下……。
「身体に入り込むスライムがいるってのは、どうやら本当みたいね」
リーネはそれを横目に最奥へ向かう。
人骨の数は、その奥に眠る財宝の価値を裏付けるものだ。
もう少し。リーネは幾度となく呟いたその言葉を今一度反芻し、ひたすらに洞窟を下った。
そして数分の後、ついに到達する。
大きく開けた場所に鎮座する宝の箱。
かなりの時間経過を思わせる木の痛み具合、縁取りの金の汚れ具合。
リーネは盗賊としての心を躍らせ、カンテラを置いて箱の口を勢いよく開く。
中には目も眩むような宝が詰まっていた。
金塊に宝石、宝剣、そしてそれらに埋もれて輝くペンダント。
「こ、これって!?」
震える手でそれを掬い上げ、両手の間で広げて、リーネは言葉を詰まらせる。
かつて古代文明で湛えられた太陽の神鳥を象る形状。
手に乗せただけでほのかな暖かさを感じる不可思議な力。
紛れもなく『天使の首飾り』そのものだ。
首に掛けてみると、たちまち探索の疲れが取れてゆく。
これさえあれば、病弱な弟も……!!
リーネの目に薄っすらと涙を浮かんだ。
しかしその至福の時間は、背後で蠢くおぞましい気配に邪魔される。
「ッ!?」
リーネは素早く拾い上げたカンテラで背後を照らす。
そこには無数のスライムがいた。
まるで壁の窪みから染み出すように、わらわらと湧いてきている。
宝箱を開けたと同時に出現したのだろう。実際、財宝に囲まれ歓喜する旅人を襲うモンスターは多い。
「ちぇっ。行きはよいよい帰りは怖い、ってワケね」
リーネは腰を沈めて走り出す構えを取った。
物理的手段で対抗しづらい軟体である上、この数だ。逃げるのが最も賢明だと言えた。
だがまさにリーネが走りだそうとした瞬間、その脚にスライムが絡みつく。
地面から染み出してきたスライムだ。
「しまっ……!!」
足を取られ、転倒するのを済んでのところで回避するリーネ。
だがその体へ、無数のスライムが纏いつき始めた。
「うっ!」
ぬめらかな感触に眉を顰めるリーネは、しかし心のどこかでは楽観視している。
こうなった時の為に、穴という穴へスライムの嫌う秘薬を塗りこんだのだ。
体内へ入り込まれさえしなければ、あとは何とかもがいて脱出すればいい。
そう考えていた。
その考えを嘲笑うかのように、スライム達はじわりじわりと、リーネの肌に纏いついてゆく。
スライム達はベルトを潜り、マフラーを押しのけてリーネの体を這い回る。
しかし耳や秘裂に近づくと明らかに動きが鈍った。
肝心な部分には迫れぬまま、周囲を這いずるのみだ。
(やっぱり、この薬が嫌いみたいね。苦労した甲斐があったわ)
リーネは安堵の息を吐いた。
だが下腹を這っていた一匹が、唐突に彼女の想定を覆す。
「いっ!?」
腹の中心へ“重さ”が差し込んできた。
冷や汗が噴き出す。
頭を殴られた時とも、腕を切られた時とも違う、何か決定的な崩壊の予感。
痛さが薄い腹膜を抜けて背筋まで通る。括約筋がきゅうと引き締まる。
「う……うそ……!……そこ、は……!!!」
リーネは震えながら自らの身体を照らした。
スレンダーな下腹の中心がぽっかりと口を開いている。
コップから溢れる水のように光る軟体を溢れさせて。
臍だ。
自らの臍をスライムが押し広げ、中を覗かせているのだ。
リーネの顔が一瞬にして青ざめた。
彼女はようやくにして気付いたのだ。自分が臍の穴に秘薬を塗り忘れていた事実に。
というより、リーネは臍を穴として認識した事さえなかった。
耳や鼻のように大切な器官というわけではない。
生れ落ちてしまえば不要なもので、たまに垢を取るくらいはしているものの、あくまで窪みという認識でしかない。
よもやそんな場所に入り込まれるとは。
「やっ、く、苦しいっ!!そんなとこ、入らないで、よぉっ……!!!」
リーネはカンテラを持たない手で必死にスライムを掻き出そうと試みる。
しかし軟体であるスライムがどうにかなるはずもない。
それどころか、一匹が無事に入り込めた情報が他の個体にも通じたのだろうか、次々と臍の中へ入り込んでくる。
「やだ、やだぁ!!やめてええっ!!!」
リーネが泣き叫んだところでスライムが止まるはずもない。
「ぐう!」
2匹目が強烈に臍の中を抉った瞬間、リーネは思わず腰を折って崩れ落ちた。
カンテラが硝子の砕ける音をさせて転がる。
灯は弱まり、洞穴はかすかに下方から光を受けるだけの暗闇となった。
「あああっ、あう、ぐうっ!!あ゛はぅああああ゛あ゛!!!!」
盗賊娘の叫び声が洞窟にこだまする。
オレンジの光の中で、白い腹部がのたうっていた。
臍の中には2匹のスライムが入り込んでいる。
普段小指よりも小さい穴は、侵入によって醜く押し拡げられていた。
奥底にある赤い腹膜さえ晒されているほどだ。
直視しがたい惨状だった。
「ああ、いやあッ、いやああああッッ!!!!」
リーネは懸命に腰を捩って状況の打破を願う。
しかしそれでどうにかなるはずもない。
スライムは彼女の臍に居つき、さらに強欲にスペースを求めるかのように腹膜を抉りまわす。
柔らかなスライムとはいえ、最も腹膜の薄い部分を押し込まれるのだ。
少女の苦しみたるや想像を絶するものだろう。
2匹のスライムが貪欲に拡張し、僅かにできた隙間にまた一匹が入り込む。
臍からの圧迫感は鰻上りだ。
「お゛うっ!?うおっ、おお、ごぉえ、ええっえ゛……!!!」
リーネは目を見開き、舌を出してえづいた。嘔吐の気配がこみ上げてくる。
臍から体内までを槍で貫かれたように痛んだ。
それに連動するように、腹部も腐食したような痛みを放っていた。
呼吸が阻害される。
足の裏や肘など、肝心な部分に力が込められず、身を起こす事さえできない。
臍というのはこれほどに身体の各所に通じていたのだ、とリーネは初めて気付いた。
(だからって、それを冥土の土産になんてするもんか!!)
せっかく天使の首飾りを手に入れたのだ。あとは弟の元へ帰るだけなのだ。
リーネは足掻く。
力の入らない中で、腕の引きつけだけで這うように進む。
目的は床に転がるカンテラ、正確にはその中にある火だ。
リーネは何とか燭台を掴みだし、蝋燭の火を臍に近づける。
「さっさと……どいてよっ!!」
そう叫んでスライムの表面を炙った。
殴っても斬っても効果が無いスライムとはいえ、炎ならば通用する。
表面を軽くでも炙ってやれば、たちまち嫌がって臍から飛び出す……はずだった。
しかし、リーネの臍にいるスライムは、あろうことか近づけられた炎を包み込む。
そしてまるで咀嚼するかのように、臍の中で弄び始めた。
飛び上がったのはリーネの方だ。
「あっ、あっついいいいっ!!!ああ熱っ、あつうぅぅうぃいい!!!!!!」
リーネは先ほど以上に激しく腰を跳ね上げ、転げまわる。
スライムが臍の中で炎を包み込んだのだ。
スライム自身によって若干温度が緩和されているとはいえ、臍の中を直接炙られるに等しい。
「ああああっ!!んぐああああああっ!!!!」
リーネの瞳から涙が零れ落ちる。堪えられるはずがない。
槍で刺されるようだった臍奥の痛みが、赤く焼けた棒を押し付けるほどになっているのだから。
状況を打開しようとした行為が完全に裏目に出た。
臍を引き裂かんばかりに広げられ、熱さと共に抉りぬかれて、やがてリーネは喉元を蠢かす。
「う゛っ!?う、うむう、おええ、んお゛お゛ええ゛え゛っ!!!!!」
嘔吐だ。
休みなく繰り返される腹膜一枚での内臓責めに、とうとう盗賊娘の胃の中のものが吐き溢される。
しかしそれさえも今さらか、と思えるほどに、彼女の苦しみは深かった。
荒い息遣いが人気の無い洞窟に響く。
(……く、くる、しい……。私、ここで、こんな所で、死ぬの…………!?)
絶望的な考えを浮かべながら、リーネはまた口から吐瀉物を溢れさせた。
臍には次々と遠慮なくスライムが潜り込み、性交のように不気味に蠢きまわっている。
その苦しみに少女の腹筋がぎちぎちと音でも立てるように強張っていた。
耐えるためではない。
ドアの蝶番が破壊される際、木の扉部分までもが軋みをあげるようなものだ。
事実その腹筋はつり始め、少女の呼吸を大幅に阻害していた。
ぼやけた頭の痛みに、搾り取られるような腹部の痛み。それが少女を呑み込む。
「は、はは、あ……はっ、ははっ……はひっ……、ひはっ」
笑いにさえ聴こえる引き攣った呼吸を繰り返しながら、盗賊娘は悶える。
刻まれる一瞬一瞬の苦痛が強烈なせいで時間の概念が曖昧だが、もう一時間は経っているかもしれない。
よく死なないものだ、とリーネは思った。
出血があるわけでもないが、酸素は明らかに足りておらず、ショック死するに十分な衝撃もある。
そう思った時、一段と強烈な痛みが腹部を抉り、リーネの体が跳ねた。
「うあああああああっ!!!!」
絶叫と共に背を逸らす。その瞬間、彼女の首元で金属音がした。
『天使の首飾り』。
リーネは理解した。この苦痛の中でも、自分が意識さえ失わずにいる理由を。
ペンダントの効力で僅かに身体が癒えているのだ。そのおかげで死に至らない。
死ねない。
「あついっ、あついいいっ!!!いたいっ、ああっ、もう、もうそこ、抉らないで、えええっ!!!」
リーネは幼い悲鳴を洞窟に響き渡らせ、悶え続ける。
白い腹部が引き攣り、すらりと細長い脚が地面の上で幾度も震えるアーチを描いた。
幼さを残す顔も涎と涙に塗れていた。
暗闇の中のその惨状を、臍で燃え盛る炎の残滓が照らし出す。
盗賊娘が立ち上がって逃げ出せる可能性は、もはや0と言っていいだろう。
始めのうちならば力を振り絞れば不可能ではなかったかもしれない。
だが未知の痛みに悶えてそれに踏み出せず、じわじわ、じわじわと体力を削ぎ落とされた。
『天使の首飾り』の回復でも追いつかない。
むしろその回復で苦しみが長引くほど、娘の心は恐怖に切り刻まれていくともいえる。
ちょうど臍で燃える炎が、彼女の命、といったところか。
「い、いた、いいい……!!だ、だれか、だれか、たすけ、て……!!!
もう何も盗まない、悪い事なんてしない、からあ゛……!!!」
リーネは横たわったままで枯れた声を上げる。
声に力はないが、その体中はなおも強く震え続けていた。
臍の奥をまた強く抉られたのか、その白い脚がくの字に強張る。
やがてそれが震えながら降りてゆく時、その股の間からかすかに黄色いせせらぎが流れ出す。
しかし娘の焦点の合わない瞳は、もはやその失禁さえ問題としていないらしかった。
「あ……あう……ああう、う゛っ、ア゛……!!」
震える指が首に掛けられたペンダントを掴む。そして静かに離される。
それを捨てようとしているらしかった。
『天使の首飾り』を投げ捨てれば、たちまちこの無間地獄から解放されるだろう。
しかしそれは死ぬという事だ。
弟にこのペンダントを渡すために、ここまで来たのではないか。
盗賊稼業を続けてきたのも、すべてはそのためだったではないか。
そう考えると、やはりリーネは生を諦める訳にはいかなかった。
せめてペンダントだけを、どうにかして弟の元へ送る事ができれば。
そんな都合のいい空想ばかりが頭を巡る。
しかしそんな些細な考えさえ寸断させるほどに、腹部の痛みが深く大きくなってきていた。
腹部へぽっかりと穴が空いているように感じる。
ドリルが突き刺さっているように。
それが真実でない事を確かめるかのように、リーネは震える手で臍の近りを摩った。
思っていたよりかなり弾力の強いスライムが何匹も触れる。
そしてそのスライムのいる土壌、リーネ自身の腹部は、滑るほどの汗に塗れていた。
無論それは腹部だけではない。うなじも、腋も、股下も、結露のように細かな汗が流れている。
それに気づいた時、リーネはある確信を得た。
せっかく塗りこめた秘薬が、その汗によって流れ落ちつつある、という確信を。
ヒトは危機に瀕した際、悪い方に感じる予感に限ってよく当たる事がある。
今もそうだ。臍からあぶれた生ぬるいスライム達は、リーネの体中を遠慮なく這い回った。
薬の塗ってあった場所であろうと構わずに。
その状態から、鼻に口に、そして秘裂や肛門にさえ質量が入り込んでくるのは、当然の事だった。
「んむうううーっ……!!!んっ、んんんっ、ふンっ……んんん、ンんっ!!!」
洞窟に悲鳴が上がる。
口の中にまでスライムに入り込まれているため、くぐもったものだ。
その身体には粘つき連なったスライムたちが、まるでトグロを巻くようにして絡み付いていた。
耳の穴には横髪を掻き分けて何度も粘液の波が送り込まれている。
胸の布は下部のベルトを残して肌蹴られ、ほどよい大きさの乳房を軟体が覆い尽くしていた。
軟体の蠢きにあわせて形を変える乳房。
その先端にある蕾はいつしかハッキリと形を主張し始めており、持ち主が一定の興奮状態にあるらしい事を窺わせた。
股下までのショートパンツの中にも大量にスライムが入り込んでいる。
パンツの形を変えるほどのその殺到ぶりは、まるで洪水のような失禁に見えた。
性器へのスライムの侵入。それがどんなものかは、娘の反応を眺めていれば解る。
リーネは両脚をだらりと伸ばしたまま、親指の先だけを重ねて『その時』を待っていた。
やがてベルトの金具が鳴り、ショートパンツが蠢くと、その親指の重なりが土踏まずを擦り合わせるほどに強まる。
「んんーっ!!!」
目が見開かれ、スライムを吐き出す勢いで唇から甘い悲鳴が上がる。色に例えるならピンクといったところか。
明らかに快感を孕んだ声だ。
そのままスライムの群れがぐぶっ、ぐぶっ、と肉の重なりを刺激すると、娘の小さな手は快感に空を掻き毟る。
狙われるのは花園ばかりではなかった。
その後ろ、慎ましく閉じた排泄の穴もまた、軟体に侵入されて作り変えられている。
後孔にゼリー状の塊が狭道を通り抜けるとき、リーネは決まって腰を浮かせた。
内腿に筋を立て、唇を噛みしめて汚辱感に耐える。
そしてスライムが腸内で蠢き、生ぬるい排泄のような感覚をもたらしはじめると、何とも愛らしい少女の顔を見せるのだ。
盗賊娘はその身をスライムに包まれているのと同様に、その心を快楽に染められていた。
膣を通り抜ける軟体の心地よさ、肛門を滑る感覚のえも言われぬこそばゆさ、そして変わらず臍の奥を焼き抉るつらさ。
それらが下腹で交じり合い、少女の心を掻き乱す。
もはや逃げる事は叶わない。しかし『天使の首飾り』をしている限り、死ぬ事もない。
彼女の行く末は2つ。
その閉ざされた未来に諦めを抱き、ペンダントを投げ捨てて死ぬか。
針の穴ほどにも見えない希望を信じ続け、ペンダントを手放さずに精神を崩壊させるか。
そのどちらかだけだ。
「あっ、あぐっ……!はあっ、アシル……はぁ、アシルッッ……!!!!」
最愛の弟の名を呼びながら、リーネは悶え続ける。苦しみ続ける。
その中で彼女は思い始めていた。
この世で最も価値のない言葉、それは『正義』ではなく、『希望』なのではないか……と。
終わり
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