大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2012年03月

冴草 里奈 地獄イカせ20時間

※ 前作『AV女優 冴草 里奈』最後のシーンの加筆。
  若干NTRに類する表現があるかも。



『冴草 里奈 地獄イカせ20時間』

AVのタイトルにはそうある。
丸々4時間の映像を写したDVD五枚組みで、
それぞれのパッケージ表面に里奈の四時間刻みでの姿が印刷されている。
それを見るだけでも、中身の壮絶さが十分に予想できた。
最初のまるで聖母のような慈しみの表情が、一枚ごとに崩れていく。
髪はしなびたまま海草のように乱れ、体中がしとどな汗にまみれ、表情に正気は無くなり。
最後の一枚などは、涎を垂らしたまま完全に白目を剥いており、
言葉が通じるのかさえ疑わしい有り様だ。
「……凄い、里奈さん……」
駿介は、その壮絶な有り様を脳裏に刻み、想像という形での覚悟を決めた。
そして今一度生唾を飲み込んだ後、最初の一枚を取り出してデッキにセットする。

しばしの後、黒背景に白文字でタイトルが表示された。
続いて、やや小さめの文字で注釈が付けられている。

『※本作は、AV女優 冴草 里奈 自らの希望により、
  女の性感の限界を追及するべく作り上げた作品である。
  何十時間でも休むことなくこの大女優を責め続け、イカせ続ける。
  その果てに失神しても決してやめないよう、彼女自身が切望している。
  この究極の記録がどれだけの長さになるのかは、誰にも解らなかった。
  そして全てが終わった今になって、私たちは自信を持って言える。
  これは、AV界に革命をもたらす映像である、と……』
   
白文字は、BGMも環境音さえない無音の中で、無機質に表示されていた。
まるで、一切の演技を排したドキュメンタリーである事を強調するかのように。



白文字の次の場面では、里奈が早くもショーツ一枚の姿となり、
ベッドの上で仰向けに横たわっていた。
ショーツは青い華の描かれた、どこかティーカップの柄を思わせるような優雅なものだ。
それは若々しく整った里奈の肢体と合わさり、異様なほど色めいて映る。

本当に優れた身体だ。
仰向けになっていてもなお張りを保つ乳房、すっきりと締まった下腹。
かと思えば尻の肉付きは年相応の安定感があり、
また全体に伸びやかでありながらも男心をくすぐる太腿は芸術的だ。
現代版のヌードモデルとしてでも一世を風靡する事は間違いないだろう。

その里奈の身体がしばらく映された後、画面の端から2人の男の手が迫る。
浅黒く、血管の浮き出た老いを感じさせる手。
だがAV男優の物である以上、それだけ技巧を身につけた神の手ともいえる。
特に片方は現人神と言われる増谷準なのだから、半端であろうはずがない。

その2本の神の手が、里奈の身体に纏わりついて円熟の性感マッサージを施す。
一本は肩から腕へと揉み下ろし、腋の下をくすぐり、胸を愛しつつ、腹部の各所をほぐしていく。
一本は太腿から始まって内腿、膝、脛、くるぶし、足裏、そして足指の一本一本までを愛撫する。
初めは指のみで、やがてオイルを塗った状態で。
仰向けで身体の前面を丹念に愛撫し、やがてうつ伏せにして後ろ側を。
さらには里奈をベッドの上に座らせ、一方が胸を揉みしだき、もう一方が内腿を解していく。
見た目にはオイルのてかりがいやらしいだけの普通のマッサージだ。
しかし、熟練のAV男優2人によるマッサージが並であるはずがない。
事実、里奈の唇からは徐々に甘い声が漏れはじめていた。

「あっ……はっ、あん……くゥ……ん、あ、はぁっ…………!!」

熱い息を吐きながら、時おりぶるりと身もだえする里奈。
やや俯きがちな横顔は髪に隠れてよく見えないが、恐らく真剣な表情になっているだろう。
豊かな胸を、餅をこね回すように揉まれ、肉感的な腿は男の手の中で幾度も強張る。
その迷いのない手指の動きを見るだけでも、里奈の感じように説得力が出てくるかのようだ。
何十分かは続いただろうか。
里奈の身体に塗られたオイルが乾いた頃、彼女はベッドから椅子の上に移される。


それは肘掛けのない、背もたれだけのガラス椅子だった。
里奈はその座部に足裏を乗せるようにして座り込む。
すると画面の下から、マッサージ器が姿を現した。
一見すると何の変哲も無いが、駆動音がやけに騒々しい。
男がマッサージ器をガラス椅子の端に当てると、耳障りな音が響いた。
通常のものよりも威力が強く、また振動が細かになるよう改造されているらしい。
男の手はそれを見せつけたあと、焦らすようにしながら里奈のショーツへと押し当てる。
「んうっ!!」
里奈はぞくりと背筋を伸ばし、目を見開いた。
しかし逃げることなど許されない。
一人の男の手が、里奈の右脚を折り畳んだ状態のまま押さえ込む。
同じく左の膝にも男の手が置かれ、別の手が巧みにマッサージ器を操る。

「んんんんっ…………ふ、ううふんんんっっ……!!!!」

映像の中に、里奈の快感の呻きだけが響いた。
男優はしばし器具で里奈の恥じらいの場所を刺激すると、数秒の間器具を放す。
当然その間は、里奈のショーツの股布が晒されるままとなった。
内腿の窪みの中央、土手の部分の盛り上がったショーツ。
そこは器具が放されるにつれ、僅かずつ、僅かずつ透けていく。
愛液が溢れているのは間違いなかった。
あれだけ丹念にマッサージを受け、器具の振動を加えられれば当然のことだ。
けれどもショーツ以外の部分……艶かしい脚や、締まった腹部や、品のある顔が、
それを異常なほど淫靡な事態であるかのように錯覚させる。
“これほど清楚で良い女が濡らしているのか”という共通認識をもたらすのだ。

「んんっ……あうう、うんっ……あう、あっ……うんんんんむっっ……!!!!」

里奈の嬌声は、次第に間隔が短く、余裕の無いものに変わっていく。
やがて男の手に押さえつけられる両の膝が痙攣するようになり始め、
ある時ついに左脚が滑るように床へと降りた。
右脚はなお折り畳んだまま、左脚をカメラへ向かって突き出すような格好。
それは里奈の美脚をこれでもかとアピールする結果となり、観るものの興奮を煽る。
そしてこうなった時の里奈は、すでにある程度出来上がっていた。
マッサージ器の下からかすかに潤んだ音が漏れ、
露わになったショーツは桜色の割れ目をうっすらと透けて見せる。
伸ばした左脚がマッサージ器の振動に併せて震え、右の足指が椅子を掻くような仕草を見せる。

そうして散々に嬲った後で、ついにショーツが取り去られた。
「ひゅう、すげぇ……」
男優が思わず呟いたのも納得で、ショーツには股布へかすかに粘性の糸が引いていた。
秘裂は無論のこと蕩けきっており、男優は里奈に股を開かせた状態でそれをカメラに捉える。
椅子に腰掛けたまま、180度ほどの大股開き。
男優の手が、十分に湿った里奈の陰毛を掴むようにして弄くり、秘部を2本指で広げる。
「やっ……」
里奈は嫌がって脚を閉じようとするが、別の男が膝を押さえてそれを制した。
さらに先ほどの男優が、里奈の腿の上下から腕を回し、両手の2本指でしっかりと秘部を割りひらく。
ごく薄いモザイクが掛かっているとはいえ、赤い媚肉の有り様が露わとなっていた。
モザイクの関係なのかは定かでないが、赤い肉の中にかすかに白いものが映ってもいる。
「いや、映さないで!」
里奈も状況が解っているのだろう、小さく抗議を口にした。
しかし許されようはずがない。むしろ撮影は、ここからが本番と言ってもよかった。



ベッドに戻された里奈は、丸裸のまま、増谷準によって捕食された。
桜色の肌を晒した里奈が片脚を上げている。
その片脚は増谷の腕に抱え込まれ、腿の裏に口づけの雨を降らされている。
それだけではない。
増谷は脚を抱え込む腕で里奈の陰核を刺激し、さらに別の手で秘部を責め苛んでいる。
世界最高の技術を持つと言われる増谷による『手マン』。
この牙に捕らえられて、たとえ大ベテランンの里奈とて逃れる術などあろうはずもない。

「ああっ!!ああう、いやっ!!ああ、はあああううううっっ!!!!!」

里奈は叫びを上げながら、増谷の技術に溺れていた。
片脚を高く掲げたまま、陰核を中指と人差し指に挟まれて転がされ、
秘部を抉り込むように2本指で穿たれる。
2分ともたなかった。
瞳を閉じ、唇を半開きにしたまま耐えて一分余り、里奈は一度目の潮を噴く。
この撮影でのベッドシーツは紫色のものが用いられており、
豪奢で妖艶な空間を作り出すと共に、体液を撒き散らした部分が黒ずんではっきり解るようになっていた。
そのシーツへ飛沫が飛び、いくつかの黒い斑点を形成する。
「あっ、はぁっ、い、いっちゃ……った…………」
里奈が喘ぎながら声を漏らす。しかし、それで終わるはずがない。
増谷は里奈が潮を噴いた直後から、再び黙々と指を繰り始めた。
「ふぅうあああああっ!!?」
里奈は驚きの声を上げるものの、すぐに快感に呑まれ、同じ姿勢のまま2度目の潮噴きを迎えさせられる。
二度目は最初よりも勢いがよく、シーツの遠くに広範囲の斑点を残した。
「あ、すごっ……い……」
里奈がさらに荒い喘ぎで呟いた。
しかし、増谷の指責めはなお終わらない。

増谷は、捕まえていた片脚をさらに前方……里奈の胸へ付くほどに倒す。
さらに別の脚も同じようにし、紅い秘部が真上を向く格好を取らせた。
愛液が尻の割れ目を伝い、紫のシーツへと立て続けに滴る。
「あ……う……!」
里奈が小さく声を漏らす中、別の男優が彼女の足首を掴んだ。
そうして姿勢を戻せなくなった所で、再び熟練の指責めが彼女を襲う。
「ああ、あ、ひゃあああああっ!!?」
弱いながらも悲鳴がと呼ぶべきもの上がっていた。
愛液が次々と尻肉を伝っていく様が、カメラにはっきりと映り込んでいる。
やがて為すすべも無く三度目の潮噴きを迎えた里奈は、自らの顔に盛大に体液を浴びた。
自分自身の潮が滴り落ちる顔は、何ともいえず惨めで性的だ。

増谷は、自らの技巧の極みを里奈の身体で表現しようとするかのごとく、
その後も立て続けに里奈に潮を噴かせ続けた。
様々な体勢が取らされた。
里奈は絶え間なく悲鳴を上げ、唇の端から涎を垂らしてその責めに晒され続ける。
特に最後、大股を開いたまま腰を浮かせる姿勢で潮を噴かされるシーンは凄まじかった。
口内一杯に快感の唾液を満たし、それを溢れさせながら、いくいくいくいく、と必死な声を絞り出していたのだから。
とはいえ、両脚は中腰の姿勢でガクガクと震え続け、
ベッドシーツも潮の噴きすぎで一面小雨にあったようになっていたため、当然の事ではある。
増谷の腕にしとどな愛蜜を伝わせ、十数度に及ぶ立て続けの潮噴きを経た後、
ようやくに里奈は一旦解放される。
しかし豊かな胸を上下させて喘ぐ彼女には、間髪与えず次の責め苦が課せられるのだった。



幾度もの潮噴きを迎えた里奈を待っていたのは、無機質な機械だ。
遠慮もなく、容赦もなく、蕩けきった里奈の柔肉を責め苛むマシンディルド。
初めはソファに深く腰掛けた状態で、足の裏が上向くように脚を持ち上げられ、
むき出しの秘部にハンディサイズのマシンが押し込まれた。
しかし、サイズは小さくとも振動は人間の受容力を凌駕している。
当然里奈は、あっあっと震えるような声を上げながら、断続的に小さな絶頂に至らしめられた。

「ほぉーらどうして、あそこがもうグチャグチャじゃねぇか。
 男優泣かせの冴草 里奈ご自慢の持ち物がよ!」

機械を操る男が、どこか真に迫った様子で罵りながら機械の引き金を引く。
奥の深くでディルドに暴れられ、里奈は苦しげに目を細めながら震え上がるしかない。

そのまま何度絶頂を迎えさせられただろうか。
やがて里奈は、別の一人掛け用の革椅子に移され、いよいよ本格的に緊縛された。
大きく股を開かされたまま、座部の下を通る縄で太腿の数箇所を結わえられ、
両足の裏も椅子の根元に密着させたまま、草鞋でも履くように幾重もの縄で結び付けられる。
さらには両腕も腋を完全に晒す形で、背もたれの後ろに回されてしまう。
それはまるで、相当に強く暴れる事があらかじめ想定されているかのように。
「やだ、これ動けない……!」
里奈もこの窮屈さには驚きの声を上げた。
そしてその瞳は、目の前に現れたマシンを見て、一際大きく見開かれる。
まるで映画に出てくるエイリアンだ。
物々しい骨組みに、無数の配線、六つ脚で地面に根ざす異形。
それは舌を突き出すようにゆっくりとアームを伸ばし、先端の責め具を里奈の潤みに沈み込ませる。
膣だけでなく、陰核部分にも柔らかなブラシが宛がわれているようだ。
その極楽への責め具は、いくつかの稼動部を唸らせながら厳かに動作を始めた。

「うぁああああああああ、あっああああっ!!!
 はぁあああああうあああああ゛あ゛あ゛あ゛う゛っっ!!!!!」

里奈の叫び声が響く。
彼女は顔を引き攣らせ、脚を強張らせて深くを抉る機械責めに反応していた。
拘束に携わった男達が彼女を取り囲み、至近距離でその狂乱を見下ろしている。
まるで処刑か、何かの儀式のように。
里奈の反応は大きかった。
しかし身体は厳重に拘束されているため、その感覚は頭の振りによってのみ表される。

初めこそ歯を喰いしばって高貴さを残していた里奈の表情は、
10分を過ぎる頃には大口を開けて涎を垂らすだらしのないものに変わっていった。
艶やかな黒髪を振り乱し、右へ左へ、天を仰ぐようにと乱れ狂う。
秘部からは機械の強烈な抜き差しに合わせ、しとどな愛液が飛沫いている。
里奈を取り囲む男優達は、彼女の身体から発散されるあらゆる体液を口に受けながら笑った。
男を手玉に取るクイーンのあられもない姿が、よほど珍しいのだろう。
里奈はその好奇の視線に囲まれながら、幾度も、幾度も繰り返し極まっていた。

そのまま、実に50分。

里奈は、椅子の背もたれに肩を預け、上体が半分ずり落ちるようになりながら責め苦を受け続けていた。
顔をアップに捉えた映像には、泣き腫らした涙まみれの表情が映り込んでいる。
秘部周辺を捉えるカメラは、夥しい愛液の飛沫に塗れ、ほぼ映像機の役目を果たしていない。
それでも水滴の間から、悲惨な状態と成り果てている椅子の下部が覗き見えた。
ぽたぽたと滴る愛液の雫だけが、唯一平和に見える光景。

「おおおおおおお゛お゛っ、あああお゛っ!!!!
 んおおおおお゛あぐおおおお゛おお、はああああおおお゛お゛お゛お゛っ!!!!!」

里奈の叫び声も、およそ美しい女が発するものとは思えないものになっている。
余りにも異質すぎる咆哮は、どれほどの快感が巡っているのか想像する事も困難にする。
「凄いよね。もう完全にポルチオ性感が極まっちゃってるんだよね、あれ。
 男じゃ一生味わえないような深い快感が、津波のように襲ってるの。
 でも多分、それでも自我を保ってるよ、彼女。女ってホントに強いよね」
増谷による、独白のようなカメラへの語りかけが印象的だった。

「ごぉおおおおお゛ぉおおほおおう゛う゛っっ!!!!!」

さらに五分後。
里奈は絶え間ない突き込みの果てに小便を噴き零し、それと共に失神した。
背が反り返り、椅子の背もたれに手首だけで引っ掛かるようになった里奈。
背後のカメラで映されたその顔は、鼻水と涎の混合液が逆立った髪の間を滴り落ち、
両の眼が上を剥いた凄まじいものだ。
美しいとは到底言いがたい。しかしそれは芸術的で、心に直接染みてくる何かがあった。



機械で散々に快楽を仕込まれた里奈は、それでもなお休めない。
満を持してといった様子で、水分を補給する彼女の傍に東南系の顔をした青年が座り込む。
ポリネシアンセックスを身につけた男優として、数は少ないがコアなファンのいる男だ。

彼はすでに快楽に蕩けきっている里奈へ、蕩けるような口づけを与える。
未熟な男ならキスだけで射精に導く里奈は、しかしその口づけに翻弄されていた。
瞳を合わせながら、鼻息を通じさせ、唾液を交換し、熱い吐息を送りあう。
やがて自然な動きで男が身体を重ね、里奈の中へと挿入を果たす。
しかし動かさない。
あくまで里奈と唇を貪りあい、その肉感的な身体を愛撫する。
繋がりあったまま局所のみを微動だにさせず、それ以外の里奈の全てをほぐしていく。

「……あつい……」
やがて、里奈の唇からその言葉が漏れた。
まるで性の快感を初めて仕込まれた生娘のように、澄みきった瞳で吐息を吐きだす。
そして数秒後、彼女の腰がびゅくんと跳ね、何もしない内に絶頂を迎えた事を明らかにする。
「はぁ、はぁ、はッ、はぁっ……!!!」
里奈は男に抱きしめられたまま、汗をびっしょりと掻き、ひたすらに荒い息を男の耳に吐きかけていた。
ただ奥深くで繋がっているだけの、何の変化もない光景。
しかし里奈と男は、その最中に何度も不意の射精と絶頂を繰り返しているようだった。
ただ呼吸だけが、荒くなる。

やがて耐え切れなくなったのか、里奈の尻肉がシーツに音を立てた。
「動いちゃだめだよ」
男が優しくその尻肉を押さえて囁く。
里奈はつらそうに何度か首を振り、伸びやかな脚の先でシーツを掴むような仕草を見せる。
やがて男が口の端を緩め、ゆっくりと逸物を抜いた。
すると抜け出る瞬間、里奈の秘部から夥しい量の潮があふれ出す。
理解に苦しむ現象。
しかし潮吹きは、それが現実だと主張するかのごとく長く続いた。
コップ一杯ほどの量。
それが終わった後、青年は再び表情を無にして里奈の奥深くへ入り込む。
しばらく深くで交わったまま髪やうなじを愛し、ほんの少し腰を動かす。
ちゃぷっちゃぷっとカメラにも拾われるほどの水の音がした。
そして抜き出されると、長い失禁。
「あ……ああ、はぁあああっ…………」
里奈にも自分の身体の現状が理解できないらしく、目を見開いたまま秘部を凝視する。

この不気味ともいえる結合は、やがて里奈が昂ぶりの末に過呼吸を起こし、
もうやめてくれと言わんばかりに青年の腰を押しのけるまで続けられた。
明らかにひどい状態だった。
しかし、地獄はまだ終わらない。
女の真の限界を追究することが目的のこのビデオは、これでもなお彼女を許さない。
これまでの焦らしに次ぐ焦らしで暴発寸前となっている男優の数は、10人ではきかないのだから。



「ああああ゛あ゛おおお゛お゛お゛、
 ッはぉあああああ゛あぐんはあああおおうう゛っっ!!!!」

ベッドの上に狂乱の声が響き渡っていた。
寝そべった男に跨り、彼の膝に後ろ手をつきながら腰を上下させ続ける里奈。
完全に快楽の虜となった彼女は、いくら酷い状態になると解っていても腰を止められない。
豊かな乳房を上下させ、はしたなく開いた脚の先で、さも心地良さそうに足指を広げ、快楽の深層に入り浸る。
無論、彼女が跨るばかりではない。
ある時は脛が頬につくほどの深い屈曲位で、子宮の深くを掘り下げられる。
ある時は両脚を天へ向けて伸ばした状態で、狭くなった膣の中を太い物で抉り回される。
ある時には犬のように這わされ、ガクガクと痙攣を続ける下半身を何の容赦もなく突き込まれる。
男の首に腕を回してなんとか姿勢を保ちながら、中腰で繋がり続けもした。
背面座位で弱い部分を突き上げられ、何度も潮を放出もした。
「こっちも綺麗にしてるだろうな」
その言葉と共に後ろの孔を犯され、前後から挟み込まれた上に口にまで男の猛りを咥えさせられることさえあった。

何十という逞しい男が里奈に群がり、四方八方から絶え間なく犯し続ける。
ギシギシという安物のベッドの軋みは、数秒たりとも止むことがない。
紫のシーツは、いつしかまるで濃い染みの部分が基調であるかのようになっている。
大股を開いて突かれ、やわらかな身体の脚の部分にだけ、たまらなさそうに筋肉を盛り上げる里奈。

「んんあああ、ああっあ゛あ゛あ゛もうっ、もうだめえええぇっ!!!
 うあああくるうっ くるっちゃうう゛っ!!!
 ああ゛あ、おぐ、おぐがっ、お゛ぐがすごひいいいい゛い゛い゛っっ!!!!!」
そこには微塵の余裕もない。欠片ほどの正気もない。
ただ快楽の果てにある者を疾走して追い求めるかのように、一心不乱の性交を続けている。
それは何時間続いていただろう。
脱水症状を起こしかければペットボトルの水を飲ませ、
セックス地獄のあまりの快楽に気を失えば、やはり激しい犯しをもって目覚めさせる。
涙を零し、涎を垂らし、失禁し、失神し。
その全てを、あます所なく数台のカメラが捉えていた。
やがて飽和しすぎた快楽で艶かしい身体が痙攣を起こし、泡を噴いて昏倒するその瞬間まで。

最後は男優達と救急隊員の喧騒の中、白目を剥いた里奈が担架で運ばれる姿が映り、20時間に及ぶ映像は幕を閉じる。
あまりにも、あまりにも凄まじすぎる状況。
丸一日をかけてそれを観終えた駿介は、ただ言葉を失っていた。
幾度も幾度も自ら慰め、逸物が痺れるほどになっている。それでも興奮が収まらない。
これが、里奈の本気。
彼に示したかったという、AV女優としての頂の光景。
駿介はそれを、一度の鑑賞では受け止め切れなかった。波に呑まれるがままだった。
「もう一度だ……」
彼は再び一枚目を手に取り、再生を始める。
映像の全てを咀嚼しきり、里奈という女性の価値観を、真に共有できるようになるまで……。



                         終わり
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AV女優 冴草 里奈

※一部にスカトロ(嘔吐)属性あり、注意


眩い照明とレフ板が、閉ざされた室内を真昼のように照らす。
パシュッという音で一瞬の閃光が走り、ピピピピピと電子音が続く。
カメラを構えた男達が真剣そのものの顔で正面を凝視する。
その中心では、一人の女が数人の逞しい男達に囲まれていた。
行われているのはセックスだ。
ボディラインを浮き出しにしたまま、逸物を咥え、男の上に跨って蠢く女。
行われているのがアダルトビデオの撮影である事は疑いようもない。
しかし渦中の女性は、およそ性的な営みとは無縁なほど清楚に見えた。

「本当に彼女、惚れ惚れするぐらい若いよね。
 あれで今年32だなんて信じらんない。せいぜい女子大生くらいだよねぇ」
メイク係の女が壁に寄りかかりながら言った。
話しかける相手は、この撮影現場には似つかわしくないような少年だ。
歳は15,6といった所か。
坊主刈りの青い頭に、好奇心を抑えきれない瞳が新鮮だった。
彼の瞳は、女優の痴態に釘付けとなっている。

冴草 里奈(さえぐさ りな)。
女優顔負けのルックスを誇り、あらゆるハードコアを極めたと言われるAVクイーン。
デビューしてから11年が経ってもその人気が風化する事はなく、
DVDの売り上げでは今なお単体女優の中でもトップクラスに位置している。

デビュー当時は妹系、特にロリコン趣味の層をターゲットとする清純派女優だった。
初出演作はイメージビデオ程度の刺激の弱いものだったが、
アイドル級の愛らしさは早くも一部のマニアから高く評価されていた。
そして二作目、三作目でいよいよ本格的なセックスシーンが撮られると、
普段撮りとはまた違うカラミのシーンでの表情の良さ、声の通り具合が話題となる。
ただ可愛いだけでも綺麗なだけでもない、『エロい』女優。

やがて様々なメーカーを渡り歩いて経験を積んだ里奈は、
当初の“清純派ロリータ女優”というカテゴリから脱却し、官能美を売りにしはじめた。
女らしい艶があり、けれどもデビュー当時の瑞々しさも残している。
愛らしい、綺麗、色っぽい。それら女性の美の全てを内包した未知の魅力。
聖母という表現も多く用いられた。
作品を経るごとに洗練されていくその神秘性は、長らくに渡って男達を魅了し続ける。

「この業界ではね、女優は出演するたびに価値が下がるって考えが基本なの。
 ほとんどのAV女優がデビュー後3作かそこらで消えるでしょ。
 まぁ名前を変えてまた出たりもするけどね。
 でも里奈さんは、その厳しすぎる業界で11年も残り続けてる。
 いや、残るなんてもんじゃない、今でも第一線だわ。
 新作が出れば迷わず買うっていう熱狂的なファンが一杯いる。そうだよね」

メイクの女は、少年に向けてそう続けた。
少年……駿介は、図星を突かれたかのようにメイクの女を振り仰ぐ。
確かに、駿介自身も冴草里奈の大ファンだ。
彼女の過去作は何度も見返しているし、雑誌のインタビューも余さずチェックしている。
間違いなく恋といえるレベルでの好意を持っているのは間違いない。
月に2本出る里奈の新作が日々待ち遠しくて堪らず、
学校の友人が里奈の話をしている際にはつい聞き耳を立ててしまう。

その駿介にとって、目の前の撮影現場は現実ではないようだった。
冴草里奈のセックスシーンなど飽きるほど観てきたはずなのに、興奮が止まらない。
空間に漂っているのは、殆どが男優の体臭と精液の匂いだが、
その中に微かに混じる甘い香りが、里奈の発するものではと思ってしまう。
彼女は何人もの男に囲まれる状況下で、ベテランの貫禄を見せ付けていた。


里奈に逸物を咥えさせている男は、甘いマスクで人気のある、やはり経験豊かな男優だ。
「ううっ!!」
しかし彼も、里奈に口と手で逸物を扱きまわされ、情けない声で射精する。
里奈の唇が離れた時点でカメラからはフェードアウトしている筈だが、
傍から見ている駿介には男のその後の姿もしっかりと見えていた。
男は信じられないといった表情で逸物を見下ろし、荒い呼吸を繰り返している。
よく見れば筋肉質に締まった脚が震えてもおり、どれほどの快感に襲われたのかが見て取れた。
彼とて『ヤスの女性狩り』シリーズで、数名の女性を相手取って10回以上も射精する絶倫だ。その彼がまるで子供扱いとは。

里奈に騎乗位で跨られる男優もまた、彼女の技術に翻弄されていた。
里奈は両の掌で2つの逸物を扱き、口にも2人分を咥え込んでいるので腰しか使えない。
しかし、彼女が腰を浮かせながら締め付けると、下になった男から呻きが漏れる。
「くっ……!!」
男優はまるで犯されている女のような顔をしていた。
彼は自由な両手を使って里奈の腰を掴み、主導権を握ろうと躍起になるが、
やがて脚の先までをピンと伸ばしてあえなく射精を迎えてしまう。
にちゅっという音と共に結合部が外れると、里奈の割れ目からは多量の白濁が零れ落ちた。
明らかに絞りつくされたかのような量の精液。
無論、今絶頂を迎えさせられた男も、熟練の域にあると名高い中年の名手だ。
AVに出ればそれだけで看板となりうる実力派男優が、次々と果てさせられる。
その様はまるで妖魔に精を搾り取られるようで、作品の仮題である『吸精主リナ』そのものだ。

やがて撮影も終わりとなった所で、里奈を円状に取り囲んで逸物を扱きはじめる。
〆のぶっかけ、という定番の手法だ。
男達が苦渋の顔を作りながら逸物を扱きたて、呼吸を合わせて里奈の顔へ次々と白濁を浴びせかける。
「あ、あ!」
しかし若い一人だけは、中々射精に至らない。
勃起は他の誰よりもしているが、現場慣れしていないだけに上手く射精できないのだろう。
「カット、OK!お疲れさん!!」
そこで監督の声が入り、撮影は終了となる。
男優達が一様に安堵の息を吐く中で、半端に達し損ねた若い一人が項垂れた。
すると里奈が彼の足元に歩み寄り、その逸物を摘み上げて口に咥える。
「えっ!?」
男優は驚きの声を上げた。
カメラの回っていない部分でまで奉仕をする義務は女優にはなく、完全なサービスだ。
カットが掛かればすぐに気だるそうに座り込み、煙草をふかす女優も多いというのに、
大ベテランがそこまでしてくれるものなのか。
「あ、有難う……ございますっ……!」
男優が感謝の言葉を述べながら、実に心地よさげに射精を迎える。
里奈は精液を口に受け、手渡されたティッシュに吐き出してから、男優に朗らかな笑みを向けた。
それを直視した若き男優は、危うく惚れそうになったことだろう。



「お疲れ様でした!!」
若い男優を先頭に撮影スタッフが頭を下げる中、里奈はバスローブを羽織ながら振り返る。
「みんなこそ、お疲れさま!」
汗を浮かべながらそう笑う顔は、まるで試合を終えたスポーツ選手のようだ。
駿介はその里奈の格好良さに見惚れると共に、改めて彼女がこの現場の主役なのだと実感する。

「彼女って、どれだけ大きな存在になってもああなのよね。
 その人徳が回りまわって、彼女をクイーン足り得させてるのかも知れないけど」
メイクが、シャワールームへ消える里奈を見ながら呟いた。
「彼女、業界でも有名なのよ。交渉でゴネない女優だって。
 勿論NGプレイはマネージャーから指定されるけど、ギャラは完全に相手の言うなり。
 本当ならもう豪邸を建てられるくらい稼げてるはずなのに、
 里奈さん本人は食べられるだけの稼ぎがあればいい、って言ってるらしいの。
 ホント、あたしなんかの物差しじゃ測れないような人だよ」
メイクはそう言いながら、自分の仕事をしに部屋の外へと消えていく。

スタッフ達も各々の仕事に忙しなくなる中、駿介はしばし立ち尽くしていた。
撮影の熱気に当てられたようだ。
頬が紅潮し、重苦しい息が漏れる。隆起した物が、窮屈そうにズボンの中で脈打つ。
丸2日に及ぶ撮影は、思っていたよりも遥かに生々しく、凄まじかった。
それに比べれば、単にビデオ映像を観るだけの行為など搾りカスのようにすら思える。
これが現場。これが生の熱さなのだ。
駿介がそう思って生唾を呑みこんだ時、彼の視界に再び里奈が現れる。
場の主役であった里奈が、傍観者である少年の目の前に。

「お待たせ。帰ろっか、シュンくん」
カジュアルな私服に着替えた里奈は、そう言って駿介の手を取った。
柔らかくしっとりとしたその掌の感触に、駿介はぞくりとする。
あの冴草里奈と親しい存在だという事実。
それが思い起こされた瞬間、少年は危うく射精しかねないほどの興奮に見舞われた。





駿介と里奈は、同じマンションの隣同士だ。
カリスマAV女優とはいえ人間で、日本のどこかに住んでいるのだから、
たまたま近所である人間がいても何の不思議も無い。
その幸運な少年が駿介だった。

隣に住んでいるのがAVクイーンだという事は、駿介の両親共に知っている。
父親は密かなファンで、自室にいくつも彼女のDVDを隠しており、
駿介が冴草里奈という女優に一目惚れするきっかけを作った。
母親はその父の鑑賞シーンを目撃して隣人の正体を悟ったが、悪く思う風もない。
「あれだけ可愛いんだもの。稼げるうちに稼いでおくのは賢いわ」
そのようにむしろ肯定的に捉えている天然ぶりだ。
両親がまだ駿介と共に住んでいた頃には、母親が作りすぎた惣菜を、
父親が鼻の下を伸ばしながら里奈に届ける光景が頻繁に見られた。
里奈はお袋の味が楽しめると、それは大喜びだったそうだ。

今では両親揃って遠くに出張しているが、それでも月に一度、
里奈の分も合わせて2つセットでの惣菜が届く。
それを届けるついでに憧れの里奈の部屋に招き入れられたのが、
2人の知り合うきっかけだ。
初めて里奈の部屋に上がった時、駿介はインテリ人間の部屋という印象を持った。
とにかく本が多い。
一般小説に始まり、心理学、語学、環境学といった教養本が本棚に詰まっている。
額縁の卒業証書からは、驚くほど偏差値の高い大学の出である事も窺い知れた。
各部屋のレイアウトも斬新だ。
探究心と向上心に溢れた性格だという事が、家の中を見ただけで解る。

里奈は頭の良い女性だった。
勉学のみならず、生活の上での諸問題についても、自身の哲学に沿って答えをくれた。
そして駿介に近い大人の誰よりも、しっかりとした倫理観を備えている。
『隣に住むお姉さん』として駿介と親しくはしても、それ以上になろうとはしない。
駿介が下心から里奈の体に触れようとすると、里奈はそれを頑として拒んだ。
「まだ早いよ」
ぴしゃりとそう告げ、欲情に猛る少年を戒めた。

……ただし、それはあくまで駿介が性欲からの行動を起こした場合の話だ。
里奈と共に過ごす内に、いつしか彼は『本気で』里奈に恋するようになっていた。
諌められても、叱られても止まらない想い。
未熟な身でありながら、駿介は揺らがない恋心を里奈に抱いていた。

「…………本気なのね?
 その選択は、シュンくんの人生にとって毒になるかもしれないんだよ。
 後ろ指を差されて生きる事になるかもしれないんだよ」

里奈は何度もそう諭し……思い悩んだ末にその気持ちを汲む。
隣のお姉さんとして、彼の憧れるAVクイーンとして、ありのままで駿介の本気を受け止めた。





乳液を肌に塗る里奈の後ろから、駿介が抱きつく。
「里奈さん……」
シャツの裾から腕を潜らせ、脇腹を経由して乳房を揉みしだく。
「あんっ!」
里奈が声を上げた。
駿介の手のひらに吸い付く餅肌は、彼より10以上も年上のものとは思えない。
何かの拍子に触れた彼の同級生の肌にすら、負けてはいないように思える。
それは天性の素質に加え、里奈の努力にも拠るものだ。
ジムで定期的に汗を流し、朝晩の手入れも欠かさない。
また菜食を中心とした食事内容は、日々彼女の公式ブログに掲載され、
ある著名な女性アスリートもそれを参考にしているという。

駿介は、その芸術的な張りと触感を持つ肌を掌の中で堪能する。
「こら。私、さっき撮影終わったばっかりじゃない。
 撮影以外のプライベートでまでセックスなんて嫌ぁよ」
里奈は頬を手で叩いて引き締めつつ答えた。
「そんな」
駿介の表情が残念そうなものに変わった。
勃起しきった逸物を背中に擦り付け、名残惜しそうにねだる。
里奈の口元がふっと緩んだ。

「なーんて、ウソ。男の子の生理は、よく理解してるつもりよ」

里奈は突如振り返ると、駿介の唇を奪う。
少年の嗅覚を、里奈の付けている香水、乳液の薫り、そして女の匂いが埋め尽くす。

柔らかな唇も、ぬめった舌も心地良い。
「ん……んんっ」
駿介はされるがままに、ベテランAV女優のディープキスを受け続けた。
上手いなどという次元ではない。
唇が生き物のように蠢く一方で、舌が口内に侵入してくる。
その舌先は少年の歯茎、舌の付け根、そして上あごの粘膜を丹念に舐めまわす。
ゾクゾクとする快感が少年の背筋を駆け上り、そして。
「んううっ!!」
里奈の舌に開かれたままの口から悲鳴が漏れた。
そして腰が小刻みに揺れた直後、下着の中がぬるいもので満たされる。
それは少量では済まず、どくどくと溢れて太腿を汚した。

状況を察した里奈は、糸を引きながら唇を解放する。
そして少年のズボン摺り下げ、悲惨な状態となっているトランクスを脱がせた。
「可愛い。キスだけで出ちゃったのね」
里奈が白濁に塗れた少年の持ち物を指先で弾く。
「う、うん……キスだけで、出ちゃった」
催眠に掛けられたように、同じ言葉を繰り返す駿介。
その髪を愛おしげに撫でながら、里奈は逸物の先を握り込んだ。

「ねぇ、シュンくん……今日も潮吹きさせてあげよっか」
意地悪そうな瞳が告げ、やわらかな掌は、射精を経験したばかりの敏感な亀頭を扱きはじめる。
「あっ、ああ!!」
駿介はその感覚に腰を蠢かせた。
射精直後の亀頭責め。それはつらいが、里奈の導くままに我慢していれば、
やがて痛烈な尿意にも似た感覚の直後に精液が飛沫くのだ。
肉体的な快感は薄いものの心が気持ちよく、駿介はそれに病み付きになっていた。
「あっ、あっあっ、ああっ!!」
AV男優をも腰砕けにする一流女優のテクニック。
それを惜しげもなく披露されながら、少年は声を上げ、極感の坩堝へと飲み込まれていった。





冴草里奈のAV女優としての公式なデビューは、有名レーベルでの美少女物。
まるでアイドルのイメージビデオのような作品だったが、
実際にはそれ以前に、無名なインディーズビデオへの出演があると言われている。
ファンの間で存在が囁かれては、『ありえない。他人の空似だ』と一蹴される噂。
だが他ならぬ里奈自身がそれを持ち出した時、駿介は噂が真実なのだと知った。
「シュンくんは、これ……見た事ある?」
里奈は駿介の隣に腰掛けながら、そのDVDを翳す。
駿介が首を振ると、里奈はやや躊躇いを見せながらも再生を始めた。
冴草里奈を形作る、始まりの一作として。

ワイドテレビの画面に映像が映し出される。
素人娘が風俗店の店長から研修を受けるというありふれた内容のようだ。
ありふれてはいる。けれども横に座る里奈の、素人時代のビデオだ。
そう考えると、駿介は鼓動の高鳴りを抑えられない。

映像の中には、まだロリータ系の雰囲気を有していた頃の里奈がいた。
彼女は店長役の男優からスケベ椅子やマットを使って客の悦ばせ方を仕込まれた後、
いよいよベッドでの本番講習を受ける。
本当の講習らしく、正常位、座位やバックなど一通りの体位での実践がなされたが、
騎乗位での腰の使い方は特に念入りに仕込まれているようだった。

「これは辛かったわ……。他の体位と違って、騎乗位は自分で腰を使わなきゃいけないでしょ。
 最初は腰を振るのが恥ずかしくて、全然出来なかったの」

里奈自身の言う通り、ビデオの中の彼女は騎乗位を苦手としているらしかった。
男優に秘部を見られるのを嫌うのか、膝を閉じて腰を浮き沈みさせるばかり。
それはまるでお嬢様のセックスとでも言うべきものだった。
しかし里奈は、男優に何度も叱られ、半べそを掻きながら必死に腰遣いを覚えていく。
純白の布が何度も泥水に漬け込まれ、染められていくように。

「勿論お芝居なんだけど、初めて本格的なテクニックを仕込まれたこれは、
 私にとって本当の風俗研修のようなものだったわ」

里奈が遠い目で語る間に、テレビ画面の中は新たな場面に移る。
技量不足として、遊び人風のボーイ2人を相手に経験を積まされるシーンへと。



「あははっ、遊び慣れてない娘のキスって旨いよな」
鼻にピアスをした男が、ベッドに座らせた里奈の唇を奪っている。
片手首を掴み上げ、頭を押さえつけたままでの口づけ。
困り果てたような顔で息を乱す里奈は、なるほど経験豊かそうには見えない。
「アソコもキッツキツだぜ。処女みてぇ」
下半身では、また別の一人の手がショーツに潜り込んでいた。
指はショーツの形を歪に変えながら激しく動かされ、クチュクチュと音さえ立てている。

「……感じてるの?」
画面の前で、駿介が里奈に尋ねた。里奈は首を振る。
「違う。感じる所を刺激されて、むりやり愛液を滲まされてるだけよ。
 怖くって、快感に浸るような余裕なんてなかったわ」

里奈の意思に関わらず、ショーツは彼女の愛液で透けるほどになっていく。
やがて男達はそのショーツを脱がし、ベッドの上でフェラチオをさせ始めた。
「徹底的に仕込んでやるから、覚悟しとけー」
男の声がする。
里奈は寝転がったその男に覆い被さって黒髪を上下させていた。
「んー、ダメだ。お前さっきから咥えてるだけじゃん」
男は痺れを切らしたように身を起こし、里奈の口に指を入れる。
そして2本指で挟みこむようにして舌を引きずり出した。
「フェラはこの舌を使うんだよ。ほら、指舐めてみろ」
男の指が、まだ幼げな顔をした里奈の口内を蹂躙する。
「あっ、あえおっ、あおああっ……!!」
里奈は非難めいた声を上げながら、執拗に舌遣いを仕込まれる。

やがて指が唾液塗れになった頃、男はベッドの上で膝立ちの姿勢を取った。
「そろそろコツも解ったっしょ。ほら、それを俺のチンポに対してやってね」
里奈は唇の端から唾液を零しながら、半ば泣くような瞳で逸物を口に含む。



里奈が必死にしゃぶり回すうち、男の逸物は明らかに大きさを増していった。
初めは里奈の口にすっぽり収まるサイズだったものが、明らかにはみ出てきている。
「えっ、えはっ!!あえっ……」
里奈は苦しそうに呻きながら、唾液塗れの逸物を指の輪で扱く。
しかし男はその手首を掴み、跳ね除けた。
「ほら、苦しいからって手で誤魔化さないの。これ舌遣いの研修なんだから」
そう言いながら里奈の両腕を頭の後ろに掴み上げ、喉奥深くに逸物を捻り込む。
女の苦しげな声が映像内に漏れた。
そこから、リズミカルなディープスロートが行われ始める。
里奈のえづきや嫌がりなど度外視した、無機質にも思える喉奥蹂躙。
「…………っ!!」
容赦のない責めに、駿介は隣の里奈を仰ぎ見た。
かすかな笑みで画面を見つめる里奈は、横顔を凝視する視線に気付いて口を開く。

「スムーズにしているように見えるけど、かなり深くまで咥え込まされてるのよ。
 それはもう苦しくて怖くって、カメラの映っていない所では、
 男優さんに何度も『もう許してください』って上目遣いの視線を送ってるの。
 でも全く手を緩めてくれなくって、ああ自分で頑張るしかないんだって、
 うっすらとだけど現場の流儀に気付きかけてた」

里奈はそう言うと、しなだれかかるように駿介をソファへ押し倒した。
そしてジャージを摺り下げ、逸物をつまみ出す。

「AVみたいな特殊な環境じゃ、自分自身で気分を盛り上げていかないとダメなの。
 ライトは眩しいし、カメラは恥ずかしいし、人は多いし、
 声や表情も普通にセックスするだけじゃなくて、人の目を意識しなきゃいけない。
 素面のままじゃ、身も心も縮こまっちゃって何もできないわ。
 そういう意味じゃ、ボクシングなんかのリングと近いわね、AVの現場って」

里奈はそう囁いてから逸物を咥え込む。
過去を映したDVDの前で、積み上げてきた技術の実践をするように。



「んむっ、おっき……相変わらず、AVに出ても恥ずかしくない立派さね」
里奈はそう言いながら、唇、舌、そして手を使って駿介の物を扱きたてる。
その技量は凄まじく、駿介の物にはたちまち血が滾って痛いほどに勃起していく。
「んふっ」
里奈が鼻に抜けるような笑いを浮かべた直後、逸物が喉奥までずるうっと入り込んだ。
「あふぁっ!?」
駿介の方が声を出させられた。
食道という未知の器官で、逸物の先が締め付けられる快感。
亀頭の裏に感じるコリコリとしたものは、普段彼が“喉チンコ”と呼ぶものか。
そのまま数度喉奥で扱かれると、耐えることは出来なかった。
「ううっ!!」
駿介は足を震わせ、里奈の喉奥へ亀頭を入り込ませたまま為す術なく射精を迎える。
里奈はそれをしっかりと受け止め、やや頭を後退させてからごくん、と飲み込んだ。
「……ンっ。ふふ、にがぁい」
そう笑う里奈。
ほのかに匂う汗の香りと、少し汗ばんで額に張り付く髪、柔らかな瞳。
相も変わらず、ぞくりとするほど魅惑的だ。

映像の中では、なおも在りし日の彼女が陵辱されている。
口内に深く咥え込んだ状態のまま、背後からももう一人の突き込み。
「うむおおおおおっ!!!」
里奈は、明らかに苦しげな声を上げている。
それがしばし続いた後、ビデオの中で男が役割を入れ替えた。
すなわち、フェラチオをさせていた男が膣へ挿入し、
膣へ挿入していた男が口を犯し始めたのだ。

「これは勇気が要ったわ。自分のあそこに入ってたものを咥えさせられるのよ。
 咥える瞬間に匂ってくるのが解った。
 単純な匂いの強さだけなら、男優さんのアレの匂いの方が強いんでしょうけど、
 自分の匂いって不思議とよく嗅ぎ分けられるものなのよね、困ったことに。
 でも最初は嫌だったけど、段々と興奮してくるの。
 自分の愛液塗れのものを無理矢理咥えさせられてるんだって思うと、
 それだけで軽く達しそうなくらいに。
 自分がどうしようもなく変態なんだって気づいたのはこの瞬間ね、きっと」

里奈は駿介の短い髪を撫でながら、懐かしむように言う。
これがAVクイーン・冴草 里奈の始まり。
ここから里奈は、様々な経験と苦労を積み重ねて、人としての厚みを増していく。



「一番印象深いことって言えば、やっぱり初めて増谷さんと撮った時ね」

里奈は駿介の質問に、悩む風もなく即答した。
増谷とは、AV男優の増谷準の事だ。
AV産業の黎明期から業界に関わり、何千という女性と撮影を重ねてきた。
彼のノウハウや思想は数多くの出版社によって書籍化されており、
押しも押されぬAV男優のカリスマとして広く知られている。
経験豊富なだけに、仕事はまた別として女性の選り好みが激しい事でも有名で、
彼に認められる事が一流AV女優の条件とする声も多い。

「とにかく顔を合わせた瞬間からオーラに圧倒されたわ。
 単体女優として間近で向き合ってると、呑み込まれそうな雰囲気。
 やっぱり伊達じゃないのよ、増谷さんって。
 初めてあの人と共演した時は、女優としてのデビューから3年目で、
 自分では脂の乗ってきた頃だと思ってたの。
 でも増谷さんは、私とカラミを撮った後に『まだ小便臭い小娘だ』って。
 ……ただ実際、撮影してる間中、私はあの人に翻弄されてた」

里奈のその言葉を聞きながら、駿介は彼女が増谷と初共演した作品を思い起こす。
確かにあの作品の里奈は、終始増谷に圧倒されているのが見て取れた。
増谷は表面上はいつも通りの甘い声で里奈と仲睦まじく撮影しているように見える。
しかし何度も観返すと、その責めにはまるで容赦がなく、
まだ女優として青い里奈を徹底的に責め抜いて恥を晒させているのが見て取れた。
ネット上でもファンの間から、いつもの増谷らしくない、
事務所と関係が悪くなったゆえの女優いびりだ、などと様々な意見が交わされている。



「胸を揉まれても、お尻を撫で回されるだけでもイきそうな気持ちよさが湧いたし。
 実際にセックスを始められたら、もう何度もイッちゃって演技どころじゃなかった。
 快感に蕩ける表情をするシーンでもボロ泣きしちゃって、何度もカットが入って。
 照明さんからもカメラさんからも、ダメな女優だなって視線を向けられた。
 再開してもすぐに状況が変わるわけもなくて、完全に素人そのものだった。
 それまでに28本のビデオに出演してたのに、よ。
 素人男優なら2分以内で逝かせられたし、風俗嬢とのレズでも太鼓判を貰った。
 それでも全然ダメだったのよね」

里奈はそう言いながら、少しつらそうに駿介から視線を外した。

「それで軽く自信喪失しかけたんだけど、増谷さんはやっぱり一流だったわ。
 撮影の合間になるたびに私の横に座って、色々と私の良い所を指摘してくれた。
 勿論心の内じゃ小便臭い小娘だと思ってたんだからお世辞だろうけど、
 私はそれが嬉しかった。
 優しい言葉を掛けられながら身体を撫でられると、それだけであそこが濡れて、
 次の撮影がハードでも耐えられるだけの準備が自然と出来てた。
 恋とは違うんだけど、業界の一流に褒められるのって嬉しいのよ」

そこで里奈の指が恥ずかしそうに組み合わされる。

「増谷さんとの初めての撮影は、苦い思い出だけど良い経験になったわ。
 あの人のお陰で驕りも消えて、本気でAVの奥深くに挑もうって気分になった。
 スカトロも、獣姦も、黒人とのカラミも、やれるだけのセックスをして、
 一部でもう私のことは見飽きたって声も出た7年目でようやく2度目の共演をして、
 『やっと一人前の女になった。ずっとこれを待っていた』って言って貰えたの。
 自分の7年の頑張りが認められたんだと思うと嬉しくて、涙が止まらなかったな」

言いながら当時の事を思い出したのか、目元に薄っすらと涙を浮かべる里奈。
それが駿介には、まるでコーチに認められたアスリートのように見えるのだった。



里奈のファンの間で、特に大きな話題となったのは12作目だ。
まだ素人そのものの、初々しい頃。
撮影の中でもどこか控えめな部分が目立ち、犯罪臭さえする。
一部のマニアには人気が出るだろうが、シリーズを見た者からすれば、
落ち着いてエロを堪能するには不向きといえた。
それでもファンの間では、里奈のビデオで初のアナル要素入りとして神格化されている。

問題のシーンは、普通のセックスが行われる中での繋ぎとして入れられていた。
「ひぐっ んぁっ……」
愛撫を受ける一環で、倒立をした格好のまま尻穴を舌で舐られる。
さらにそこから指入れへとエスカレートし、細いアナルビーズを出し入れされる。
たったそれだけでも、アイドル顔負けのルックスを誇る里奈がとなれば話題性があった。

「これ、撮影の中で初めてアナルを弄られてるみたいに演出されてるけど、
 実は撮影の前日にスタジオに呼び出されて、お尻の穴を念入りにマッサージされた後なの。
 それでも一日経ったらまたぴっちり閉じちゃって、弄くられると凄かったんだけどね」

里奈はビデオを観ながら告げ、駿介に恥じらいの部分を晒すままにしている。
駿介の視線は、今日は桜色の秘裂にではなく、その下に息づく排泄の穴に吸い寄せられた。
「えっちでしょ」
里奈が囁く。
その言葉通り、彼女の肛門はよく開発され、柔らかそうにふっくらと盛り上がっている。
まるでルージュを塗った唇のように。
駿介はその妙な艶かしさに生唾を飲み込んだ。

「……本当のホントにそこの処女を奪われたのは、さっきのAVを撮るよりも前なの。
 実質的には枕営業だった」

里奈がややトーンを下げて紡いだ言葉に、駿介は顔を上げる。
伏目がちな里奈と視線がかち合った。



「当時私の所属してた事務所の何人かが、クスリの中毒で捕まってね。
 あそこはヤバイってことで、どの制作会社からも完全に干された時期があったの。
 そうなると、AV女優としては仕事がないわけじゃない?
 そうして困ってた時に、ある大手メーカーで監督をしてた男がメールを寄越したの。
 事務所で一番良い女とやらせれば仕事をやる、そんな意味合いのね。
 当時事務所で一番人気だった私は、かなり躊躇はしたけど、その要求に従ったわ。
 そうしないと友達も私も終わりだったもの。
 でもそいつっていうのが、とんでもない変態だったのよね」

里奈の指は、記憶を思い起こすように膨らんだ肛門の淵を撫でていた。
駿介はその動きにすら妖しさを感じつつ、次の言葉を待つ。
異様なほど胸がざわついていた。

「撮影は、しばらく使われてない古いスタジオでされたわ。
 今でも忘れられない。埃っぽいビニールの上に、事務所の女の子がずらっと正座させられて。
 私はその目の前で慰み者にされた。
 騎乗位で奉仕させられて、フェラで抜いて。
 イチジクを四個入れられたまま、椅子を2つ並べた上に座らされて、洗面器に出して。
 その挙句に指でほぐされてから、顔を見合わせる体位で後ろの処女を奪われたの。
 ……ずっとそいつの目を見ていなくちゃならなかった。
 痛くって息が詰まるんだけど、そいつはもっと声を出せ、もっと出せって何度も叫んでて。
 私は言われるがままに、感じてる演技をしながら喘ぎ声を絞り出した。
 スタジオには結構自分のその声が反射して、嘘っぽいのが自分でも解ったわ。
 知り合いの大勢いる前で、響き渡るくらい声を上げて、初めてのお尻を犯されるのは、
 死にたくなるくらいに恥ずかしかった。
 でもその時はそうするしかなかったの。小さい事務所だったし、私自身も無力だったし」

そこまで言い終えた所で、里奈は言葉を失っている駿介に気付く。
そして安心させるように肩を竦めて笑った。

「ま、今はその男とも完全に力関係が逆転してるんだけどね。
 必死に覚えたテクで搾り出せるだけ搾り尽くして、もう女を見るのもイヤって言わせてやったわ」

そう言い放つ里奈は独特のカリスマに満ちている。
その厚みは、まさに今語ったような苦労を経験した成果だ。それゆえのAVクイーンだ。
ただ、駿介は知っている。彼女の苦労話は、それだけではないという事を。



『私、ぜったい吐いたりしません』

それが、里奈の出演した初のハードコアレーベル『Agony』の作品だ。
その頃の里奈は何人もの男優にフェラチオをして回る作品が多く、
ディープスロートの女王などと祀り上げられていた。
実際、彼女の清楚な横顔を映しながらのディープスロートは、
反則的なまでに男の性欲を刺激する絵面だったので仕方のないことではある。
ただ一部のファンの間には、
『ディープスロートの女王を名乗るならAgony作品に出ろ』
との声が大きくなっていた。
そこで満を持して、S級単体女優・里奈の出演となったのだ。

それは、里奈の綺麗どころとしての矜持と、イラマチオ男優の意地の合戦であると銘打たれた。
後ろ手に縛られた里奈が膝立ちで睨み上げ、それを勃起させた男優群が取り囲む。
そのパッケージは、まさしく女優と男優達との真剣勝負を想起させ、
発売開始前から大評判となった。
何しろ冴草里奈といえば、それまでオーソドックスな大衆向けの作品が殆どで、
しかしそれでもなおファンのつくルックスと愛嬌を備えた人気女優だ。
それが突然のハードコアレーベル入りとなれば、期待するなという方が無理な話だろう。
そしていざ蓋を開ければ、そこには期待を裏切らない壮絶な映像が繰り広げられていた。

大きさ自慢の男優が里奈を取り囲み、頭を掴んで次々に剛直を咥え込ませる。
白いワンピース型の水着を着たまま後ろ手に縛られた里奈は、
その男達の怒張を舌遣いと喉奥の扱きだけで射精へと導かなければならない。
体勢でも、数の上でも圧倒的に女優不利の状況。
その中で、里奈はよく健闘していた。
男優のうち最初の数名は、里奈に逸物を咥え込まれた瞬間に、もう腰が引けていた。
そして一人当たりわずか2分余りで精を搾り取られ、輪の外に退く。
普通の撮影であれば、その時点で里奈が貫禄を見せての勝利となったことだろう。
けれども、ハードコアの撮影はそんなものでは終わらない。



自分だけが休むことのできない無間地獄で、里奈は次第に追い詰められていく。
そして男優達もまた、徹底的に里奈の弱った所を責めていく。
「んっ……んああっ、はぁっ……あごっ、ああっ…………」
何人目かで、顎の疲れた里奈が、やはり達しそうで余裕のない男優と拮抗していた時。
突如その弱った逸物が抜かれ、まだ一度も達していない余力の有り余った一本に変わる。
「あごおろっ!!?」
突如固く逞しい物に奥を抉られ、里奈の喉から小さな嘔吐の音がした。
カメラは今だと言わんばかりに里奈の足元から見上げる視点で撮り始める。
しかしこの時は何とか持ちこたえ、映像には太い涎の線が滴るのみとなった。

とはいえ、里奈が追い詰められているのは事実。
男優達は何度も何度も白い喉の奥へと怒張を抉り込む。
そして里奈が苦しげな反応を示すと、怒張を奥深くで留め、ぐりぐりと亀頭を擦り付けるのだ。
「あごぉっ……おご、おぼおぉっ…………!!」
これは実に効果的らしく、里奈はそのたび目を見開き、頬を膨らませて吐きそうになる。
澄んだ瞳一杯に涙を溜め、唇が陰毛に隠れて見えなくなるほど深く飲み込んでの長期戦。
その気丈な抵抗の末に、8人目でついに限界が訪れる。
「う、お゛おぉっ!!!」
低い呻きと共に、里奈の上体がうねる様に大きく波打ち、唇が逸物から離れる。
そして嘔吐。
「げおっ!!!おえ゛っ、う゛お゛ぉおお゛ぉおううえ゛ええ゛!!!!!」
その獣のようなえづき声と、瞳も唇もぐしゃぐしゃになった嘔吐顔は、
一部コアなマニアの間で大いに語り草となった。
映像も、わざわざその嘔吐シーンを、六ヶ所のカメラからの映像で繰り返す。
まるでインディーズメーカーが、一流女優を屈服させた証とでも言いたげに。
ただその凄まじい決壊が、清純派女優の屈服を端的に表すものである事は間違いない。

一度嘔吐という屈服をしてしまえば後は脆く、
里奈は涙と涎でグズグズになった顔のまま、その撮影の中で実に12回、
様々な体位からのイラマチオで嘔吐を晒し続けることになる。
特に、椅子に腰掛けた男に無感情な瞳で奉仕しながら嘔吐する終盤は、
そのままショックで女優業を引退するのではとファンを不安にさせるほどだった。


ただ里奈によれば、これは男優と女優の対決でも何でもなく、
元より『吐くまで撮り続ける』事を前提とした出来レースであったらしい。

背景には、その年の春、2人の現役アイドルが突如AV業界入りした事がある。
その話題性は凄まじく、人気が「元芸能人組」とその取り巻きに持っていかれ、
純正のアダルトビデオが廃れる恐れを業界にもたらした。
そこで事務所が、業界の面目を保つべく、トップ女優である里奈をハード路線に走らせたのだという。
元芸能人の一発目では絶対にやらない事をさせる事で、同じく話題を作って対抗したわけだ。

この異例の対決は、様々な週刊誌やスポーツ新聞に取り沙汰される事となり、
里奈の世間一般における知名度・注目度を飛躍的に向上させた。
その影響もあってか、結果として『私、ぜったい吐いたりしません』はヒット。
セル・レンタル共に元芸能人組を上回ることとなる。
衝撃的であったのはどちらも同じだが、やはり男の本能を直撃する里奈に軍配が上がり、
ハードなアダルトビデオの強さを改めて世間に知らしめた。
最も、勝因はただプレイの過激さだけではなく、里奈自身のルックスが、
前年まで現役アイドルであった娘にも引けを取らないレベルであった事も大きく関わっているだろう。

ともあれこれをきっかけに、これまでアナルを少し弄られる程度の清純派路線だった里奈は、
正統派のビデオと平行してハードな物に次々と挑戦するようになっていく。
その経験を経て、いよいよ里奈は熟練の雰囲気を纏い始め、色気を増していった。
今や経歴も人気も実力も、どこを取ってもクイーンの名に恥じない存在だ。
そんな里奈と親しく出来る事が、平凡な学生に過ぎない駿介には夢のようだった。
彼女はどこまで本気で、自分を気に入ってくれているのだろう。
どこまで彼女の心の中に、ちっぽけな自分が存在できているのだろう。
里奈のやわらかな笑顔を見つめながら、駿介は時々そう考える。



里奈の撮影は次々と過激さを増していった。
その果てに、ついに里奈が撮影中意識を失い、病院に担ぎ込まれる事態にまで発展する。
「里奈さんっ!」
「ああ、シュンくん……心配かけてごめんね。さすがに無茶しすぎちゃったかな。
 私の希望で限界までしてってお願いして、監督さん達にも迷惑かけちゃった」
大慌てで病室へ駆けつけた駿介に、里奈は恥ずかしげな笑みを見せた。
そして一つ瞬きし、悪戯っ子のような瞳で続ける。
「……でもね。今度はきっと、今までの作品の中で一番凄いのになってるよ。
 それくらい凄いのをシュンくんに見せたかったんだ。
 好きな子にこれを観て貰えるんだって思いながら演技すると、一番興奮するの。
 ねぇ、シュンくん。ビデオが家に届いたら、どうか私の全力を観届けて……」
里奈はそう囁き、疲れたように瞳を閉じた。

遥かに年上とはとても思えない、まるで妖精のような寝顔。
「……里奈さん……」
駿介は、静かな寝息を立て始めた里奈の顔を撫でて呟く。
身体を壊すほどの全力で、AVに取り組む。それが里奈という女優だ。
そんな事は解っている。そんな里奈だからこそ、駿介は恋したのだ。
その里奈からの告白を、受けないわけにはいかない。

『冴草 里奈 地獄イカせ20時間』
それが最新作のタイトルだった。
ノーカットで20時間の撮影を流し、4時間×5本組とした前代未聞のDVD。
購買力の高いファンが多数いる里奈だからこそ出来る新境地だ。
そこに秘められた里奈の“全力”を咀嚼するように、駿介は覚悟を決める。

ただ観るだけではない。
増谷を初めとする最高峰の男優から愛撫を受け続け、
指責めで幾度にも渡る潮吹き絶頂を極めさせられる姿。
最新鋭のマシンバイブを用いた、徹底したポルチオ開発。
ヨーガの達人による、快感の泥沼に沈み行くようなスローセックス。
それらによって発せられる里奈の悲鳴を、涎を、失神を、失禁を、痙攣を、
全てを読み取って彼女が意識不明に至るまでに感じていた事を把握する。
それが彼女の全力に応えるということだ。

「……ふぅ」
駿介はひとつ深呼吸し、脳髄の焦げ付きそうになる作業に挑み始めた。



                       終わり
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真に耐え難き責め

※スカトロ、痛い系回想注意


捕らわれてから何日が経っただろう。いや、何週間というべきか。
冷ややかな石牢の中、ビエラ・ブリオーニは一糸纏わぬ姿で横臥していた。
均整の取れた身体つきをした美女だ。
全体的な肉体バランスはモデルと言っても違和感がないほどだが、
パーツごとに視線をやれば、只の町娘ではないことが解る。

細いながらも必要な分だけ筋肉の蓄えられた上腕、
健康的に張った乳房、頼もしく膨らみを浮かび上がらせた腹部、
マラソンランナーもかくやというほど形も露わに引き締まった脚線。
いずれも女らしさを失うことなく、しかし静止してなお見る者に躍動感を伝える。
それは異常ともいえるほど艶かしい女の裸だった。
その肉体を露わにして迫るだけで、何人の男が堕ちるだろう。

身体だけではない。その顔つきもまた並ではない妖艶さだ。
北欧女性特有の神秘性を基盤にしながら、東洋人の柔らかな印象が付随する。
『愛らしい』と『美しい』がない交ぜになった中毒性のある顔付きは、
多くの男の人生を狂わせた世界的悪女に通じるものがある。
彼女がもしスパイの類であれば、これほど恐ろしいことはない。
そしてその「恐ろしいこと」は事実だ。

ビエラ・ブリオーニの存在は、裏社会に於いて半ば伝説と化している。
情報として流通しているだけでも、24人の有力者が彼女に致命的な機密を盗まれた。
体面を重視して公表しない者の事も考えれば、実際の被害はさらに上だろう。
最高級の娼婦を思わせる気品と妖艶さを併せ持ち、
けれども時として子猫のようなあどけなさを見せる彼女には、何人もの男が虜となった。

諸組織の数年に渡る分析でその話し方の癖や行動パターンが解明されても、
ビエラを真っ向から捕まえるには至らなかった。
恐ろしいことに、ビエラは荒事にすら精通していたからだ。
私設軍隊に包囲された状態から逃げ延びた事は一度や二度ではない。
森で待ち構えていた傭兵とのゲリラ戦でも、一つの血痕すら残さずに姿を眩ましている。
それは、元特殊部隊にいたという経歴でもなければ有り得ない事だった。



そのビエラを追い詰めた要因は、最先端の技術でも訓練された兵でもない。
ひとえに彼女自身の運の無さだ。
目標物を入手し、十分に撹乱した上でビルからパラシュートで脱出しようとした時、
肝心のそれが開かなかった。
極々稀に存在するという不良品に当たってしまったのだろう。
結果論としては事を起こす前のチェックが不十分だったとも言えるが、
日々問題なく活用し続けてきた道具の、何万分の一に不備があると見抜く事など不可能だ。

不運の結果、ビエラは意図せず地面へ叩きつけられ、両脚と右肩に重傷を負うこととなる。
それでもなお付近の混乱に乗じ、怪我人の1人として病院への搬送作業に紛れ込んだ手腕は流石だ。
しかし、諜報組織と結託した警察の身元調査を完全にすり抜けるほどの工作は、
意識の混濁した彼女に出来ようはずもない。
かくして彼女は、担ぎ込まれた病院でついにその正体を自供させられた。
命に関わるほどの重症に喘ぎ苦しむ最中、強烈な自白剤を投与されては抗いようもない。
やがて諸組織の監視下で治療を終えた彼女は、そのまま本格的な尋問を開始される。
誰に雇われているのか、収集した情報を誰に渡したのかを訊き出すことが目的だ。

ビエラには、各組織の擁する尋問官から日々様々な拷問が課せられた。
爪を剥がし、奥歯を麻酔無しで抉り出し、
背中に熱湯を浴びせ、指を含めた手足のあらゆる関節を外し、
上下から板に挟み込んだ乳房を針山のように刺し貫いた。
ビエラとて人間だ。
人にとって耐え難いよう計算された苦痛の数々には、反射からくる苦悶の声を上げた。
唇をへし曲げ、目を固く瞑る凄絶な表情を晒しながら涙を零した。
けれどもいざ尋問が終われば、『その程度か』と言いたげに蔑むような視線を寄越すのだ。
これは責める側にとってかなりの負担となった。
挑発に乗って責め殺しては元も子もない。だがいくら痛めつけても柳に風だ。

それを幾週間にも渡って繰り返すうち、尋問官の間には、
この女に口を割らせる事など不可能なのでは……との疑念さえ湧き始めていた。



「……う゛っ!」
石床に横たわるビエラはふいに目を見開き、身体をくの字に曲げて酷く咳き込む。
「げっ、げぽっ……がはっ!!」
咳と共に僅かな水が吐き出され、ビエラの頬から広がる水溜りへ滴った。
水責めの名残だ。
今日は口の中に巨大な漏斗を捻じ込まれ、ホースで延々と水を飲まされた。
苦しみに暴れる身体を何人もに押さえ込まれたまま、延々と。
その水が、拷問のとうに終わった今もなお溢れてくる。

「がっ、えぼ……っ…………!!」
眉を寄せて苦しげに咳き込んでいたビエラは、
しかし地上へ繋がる鉄扉が開く音を聞いて動きを止めた。
横臥したまま、僅かに身体を前へずらして自らの吐いた水を隠す。
そして軍靴を打ち鳴らしながら近づく看守を待ち受けた。

看守はビエラに冷たい視線を落としながら、粗悪な食事の盛られた皿を床に置く。
ビエラは先ほどまでの苦しみようが嘘のように、涼しい顔で看守を迎えた。
「あら、また私のために素敵な食事を運んできてくれたのね。
 私大好きよ、カビの生えかかったパンも、男の精液がぶち込まれた塩だけのスープも。
 貴方にも味わわせてあげたいくらい」
嘲り笑うビエラ。それを見下ろしながら、看守は靴底で床のパンを踏みつける。
そして幾度も蹂躙し、土と砂に塗れさせてからそれを牢の中に蹴りこんだ。
「……素敵な味付けね」
嘲りを続けるビエラにはもはや目もくれず、看守は踵を返して歩き去る。
彼は理解しているのだ、ビエラ・ブリオーニと会話を交わせば篭絡されると。
彼に偉そうに講釈を垂れていた胸糞の悪い、けれども頭だけは恐ろしく切れる男達が、
もう何人も彼女によって破滅しているのだから。



鉄の扉が再び閉じられた瞬間、ビエラは息を吐き出しながらぐったりと頭を下げた。
「はっ、はぁっ、はあっ…………!!!」
精一杯の虚勢を張りはしたものの、もはや彼女の体力は限界に近い。
もしあの男が牢に入り込み、蹴りでも喰らわそうものなら、為す術もなく昏倒していただろう。

「……ひどいものね」
ビエラは腰の辺りまで伸びた自慢の金髪を撫でながら呟く。
入浴も稀にしか許されないこの地下で、その女の命は乾燥してささくれ立っていた。
北国の雪のように美しかった肌にも、くすみが目立ってきているようだ。
それでなくとも全身には夥しい笞打ちの跡が残っており、眺めると惨めさが沸き起こる。

通信機はなし。
体内に隠しておいた小型爆弾やその他装備一式も、連日の拷問の中ですべて吐き出してしまった。
御丁寧な事に、髪に潜ませた針金や、右肘に埋め込んでいたセラミックナイフまで奪われている。
そもそも連日の拷問で、もはや歩く事もままならない有り様だ。
ビエラの経験の中でも絶望的に近い状態と言えた。
とはいえ、まだ諦めるには早すぎる。
「……私の運は、尽きてなんかいないわ」
ビエラは口の端を吊り上げながら、白濁に塗れた塩だけのスープ皿を引き寄せた。
仲間の助けが来る日まで、此処の人間に、精々ビエラ・ブリオーニの矜持を見せ付けておくとしよう。
どのような拷問を受けようとも、あくまで涼しい顔をしていることで。

……耐えられる筈だった。
このまま、環境に変化が無ければ。





「……正直、あなた方が彼女を捕まえるとは思いませんでした。大手柄ですね」
黒髪の女が、狐のように目を細めて告げた。
年の頃は30を少々過ぎた程度に見えるが、瞳はまるで老婆のように静かだ。
ただ目を合わせているだけで、心の不安を掻き出されそうになる。
テーブルを挟んで向かい合う男が息を呑んだのも、そうした理由からだろう。

「あくまで偶然に過ぎません。事実、我々はあの女を持て余している。
 ゆえに貴女にお越し願ったのです、イライダ・アカネリ。
 どのような女の口をも割らせるという“魔女”の腕前、期待していますぞ」
男はそこで女の前に資料を広げた。
男が広げた資料に、イライダと呼ばれた女は興味深げな視線を落とす。

「あの女を捕らえた当初は、苦痛を伴う拷問を一通り施しました。
 針に爪剥ぎ、水責め、笞打ち。
 特に傭兵上がりの男に股関節を外させた時には、それは大層な苦しみようで、
 今度こそいけるかと確信もしましたが……駄目でしたな」

男はそう言いながら、資料の一つを指でつまみ出す。
それは、ビエラがまさに股関節を外される瞬間の写真だった。
左脚と上半身を屈強な男に抱えられたまま、浅黒い肌の男に右脚を捻り上げられたビエラ。
くの字に曲げられたその生足は、通常の開脚では有り得ない方向を向いていた。
右脚の付け根には巨大な三角形の窪みがあり、素人目にも骨が外されているのが解る。
よく見れば、尻肉の盛り上がりの奥には黄金色の飛沫が映りこんでおり、
苦痛のあまり小便を漏らしてしまっているのだと見て取れた。
何より異常なのがビエラの表情だ。
恐怖に見開いた目で自らの腰付近を凝視したまま、顎が外れそうなほどに口を開いている。
耳を塞ぎたくなるほどの絶叫が響き渡っていた事は想像に固くない。

「これはこれは、痛そうな」
イライダは写真を見つめながら無調子に呟いた。
「立ち会った何人かの鼓膜がいかれたと聞いております。
 また、基本的にはさせぬのですが、この時に限って股の外れた状態で強姦をしたと。
 右の膝裏を掴んでゴリゴリと軋轢音を響かせつつ犯せば、それは良く締まり、
 全身に気味の悪い脂汗を掻きながら悶え狂った。
 激痛のあまり気絶しても、その都度水を掛けて意識を戻して……
 しかしついに、何ひとつ白状することはなかったそうです」
「相手はあのビエラ・ブリオーニですからね。痛みで音を上げる事は無いでしょう。
 羞恥責めなどは如何ですか?」
イライダが問うと、男は顎に手を当てる。



「そうですな……初めに丸裸のまま、近隣の街を練り歩かせる事をしました。
 もっとも尋問というよりは、見せしめという側面が強いですがね。
 それからやはり……浣腸ですな」
男はまた別の資料をイライダに示す。
今度は一枚ではなく、同じ場面を写した数枚が連続しているようだ。
そこには両の手首を天井からの鎖に吊るされたまま、
胡坐を掻く格好で尻を突き上げるよう拘束されたあられもない姿が写されていた。
光の加減で純白にも見える艶やかな金髪、引き締まった艶やかな裸体。
拘束されているのは紛れもなくビエラ本人だ。

写真は、まずそのビエラの『桜色の蕾そのもの』を後方から写していた。
次の写真では、その蕾に薄黄色の液体を湛えた浣腸器が刺さっている。
さらにその次では、そのシリンダーの中身が半分ほど蕾の中へと入り込んでいた。
「酢酸浣腸です。腸が焼けるようにつらい、と聞き及んでおります」
写真を示す男がどこか自慢げに告げる。
しかしながら、写真の中のビエラは実に涼しげな顔だ。
両腕を吊るされ、腋と乳房を周りの男達に晒すがままにしながらも、
それがどうしたと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべている。

「ずいぶん良い顔ですこと」
イライダがそう漏らすと、男はなお得意気な顔を崩さずに答えた。
「この女にはいつもの事です。しかしここから……その顔にも本音が出てくる」
男はさらに新しい資料を示す。
どれほどの後なのだろう。
ちょうど全ての薬液を注ぎこんだ浣腸器が、ビエラの菊門に刺さっていた。
そしてその身体の先端……ビエラの顔は一変している。
歯を食いしばり、鋭い瞳で背後を睨み据えて。明らかな焦りが浮かんでいる。
それもそのはずだ。既に彼女の腹部は、一目で解るほどに膨らんでいるのだから。
「2リットルと少々といった所です。流石に耐えがたいようですな」
男が示す次の一枚では、浣腸器の代わりに男の指が肛門に触れていた。
肛門の輪をやや上方に押し広げるような指。
ビエラの表情が険しさを増していること、肛門周りが濡れ光っている事から、
しばしの時間、その指が肛門を弄くり回していた事が解る。

そして、さらに次。
決壊の瞬間が収められていた。
ビエラの艶かしい脚の付け根、桜色の肛門を押し広げて汚液があふれ出している。
溜め込んだ汚物を宙に放出している様が、部分部分でブレながらも記録されている。
ビエラの瞳は余裕なく正面を凝視し、噛みしめた唇の端には涎の線が見えた。
さらに次、最後の一枚は、引いた視点で汚液の撒き散らされた床と、
汚れた尻を突き出す格好のビエラを写し込んでいる。
その周りでは数多くの男が嘲笑を浮かべており、一連の恥辱が見世物だった事が明らかとなった。
「あの女への浣腸責めは、気に入った人間も多く居ましてね。
 ちょうど今も、どこぞの連中が貴女を待つ時間潰しにやっている筈ですよ。
 下手な苦痛責めで責め殺すよりは、よほど良いので」
男はそう言って資料を一所に纏め、席を立つ。
イライダも終始面白そうに目を吊り上げたまま、その男の先導に沿って尋問室の扉を開いた。



もう何時間、責めが続いているのだろう。
ただでさえ密閉された地下室で、完全に視界を遮る目隠しなどされていては、
ビエラに時間の感覚などあろうはずもない。

苦しみばかりが続いていた。
手は後ろに、腕同士を擦り合わせるようにして革製品で拘束されている。
足はへたり込んだ状態のまま、膝裏に棒状の物を通して結わえ付けられ、
どう足掻こうが立ち上がることはおろか、前後左右にさえ動かせない状態にある。

その逃れようの無い状況で、肛門には太いチューブが入り込んでいた。
チューブはどこかの機械に繋がっているのだろうか。
責め手の男が操作するたびに駆動音が響き、振動と共に腸内に物質が注ぎ込まれる。
ゼリー状の柔らかさを有するその物質は、直腸はおろかその先のS字結腸、
あるいはさらにその先までを限界以上に満たしていく。
すでにビエラの腹部は、妊娠後期かそれ以上にまで醜く膨れ上がっている事だろう。
ひどく呼吸が苦しい。肺から下に一抱えほどある石を埋め込まれた気分だ。

つらいのは量ばかりではない。
ゼリー状のものには痛烈な催便作用がある。
主成分は、恐らく塩化マグネシウムかその類……。
きつい酒を直に飲んだかのように、腸が焼けるように熱くなる。
腸液がドロドロと分泌されていく感覚と共に、肛門が勝手に開いて排便しようとする。
しかし、それが叶わない。
肛門のチューブは逆流防止弁が付いているのか、入りはしても出す事は出来ない。
どれほどに息んでも、肛門が捲れそうに力を込めても。
本当に腹部の膨れ上がる限界が訪れ、責め手が赦すまでは排泄できない。

尋問官達は繰り返し浣腸を施しながら、あるいは剥き出しの乳首を捻り潰し、
あるいは膨れ上がった腹部を揉みしだいてなるべくの苦痛を与えてくる。
さらには太くいきり立った逸物を咥えさせ、
頭を掴みながらのイラマチオを強制する事も頻繁にあった。
ただでさえ妊婦のように腹が膨れて吐き気を覚えていた所だ。
そこへ逸物で喉奥を突かれては堪らず、数分ともたずに激しく嘔吐してしまう。
嘔吐した所で男がやめる事はなかった。
くちゃかっくちゃかっと、いよいよ小気味良い音を立てて喉奥を掻き回す。
次々に胃の中の物が掻きだされ、自慢の胸や膨れた腹、そして太腿までを汚していくのが解る。
ビエラはその暴虐に晒されながら、無力だった。
目隠しの下から涙を零し、お゛えっ、ごええ゛っと苦悶の声を『上げさせられる』だけ。



駆動音がして腸を満たされ、荒れ狂う腸内で留めさせられ、臭い逸物を咥え込まされて嘔吐する。
嘔吐し、嘔吐して、腹がはち切れそうになった所で弁が開く。
腸内が捲れあがるように蠢き、ブリブリと耐えがたい音を立てながら大量に排泄する。
そのサイクルが永遠とも思えるほどに繰り返された。

密室に充満する、機械特有のオイルの匂い、自らがぶち撒けた汚物の匂い、
鼻と口を繰り返し満たす様々な男の体臭と精液の匂い、吐瀉物の酸い匂い、
自らの身体から立ち上る雌の汗の匂い。
それらが絡まりあいながら、粘つくかのようにビエラの脳内を覆った。
視界を遮られているがゆえに、その全ての感覚から逃れることができない。
いつしか喉奥を掻き回されても吐く物はなくなり、ただ喉の水分を掻き出されるだけとなっていた。
男の放つ精液が唯一の食事。
男のひどく匂う精液を飲んでは吐き、飲んでは吐く。
肛門に入り込んだチューブもまた、飲ませては吐かせ続ける。
もはやビエラは、その為の機械の一部となっているかのようだ。
しかし。それほどの状態になってなお、かのビエラ・ブリオーニが屈することはない。
「どうだ。いい加減、雇い主の事を話す気になっただろう?」
粘液塗れの逸物を喉奥から引き抜き、尋問官が訪ねた。
しかしビエラは口元に薄笑いを浮かべ、まさか、と掠れた声で呟く。
「ちっ……もう丸2日だぞ。どうなってんだコイツの頭は」
尋問官は舌打ちし、忌々しげに呟いた。

「……あらあら。思ったより良い責めをなさっているようではありますが、
 彼女の核には届かないようですね」
狐目の女、イライダが口元を押さえながら嗤い、尋問室へと足を踏み入れる。
そして尋問官達の不審な目を受けながらビエラの前に屈み込み、その目隠しを取り去った。
「うっ……」
久々の光を受けたビエラは、眩しそうに目を瞬かせながら呻く。
何度も瞼を開閉して瞳の焦点を合わせ、ようやくイライダの姿を視界に捉える。
そこには笑みがあった。
口元は笑っているが、目が合っていない無機質な表情。
「初めまして、ビエラ・ブリオーニ。新たにお前の尋問を任されたイライダよ。
 尋問という形でお前の身体を愛せる事を、光栄に思うわ」
それは穏やかな宣言だった。
けれどもビエラの表情には、それまで他の尋問官に向けていたような不敵な笑みは無い。
ただ恐怖と、焦りがあるだけだった。





「ほう……なるほど、凄まじい効果だ」
ガラス越しに尋問室の中を覗く男が、感心したように一人ごちた。
尋問室では、台の上に四つ足で這うような姿勢で手足を拘束されたビエラが、
肛門に電極棒を捻じ込まれたまま電流責めに掛けられている。
今までも舌や胸の突起、性器などに電流を流して苦しめた事はあったが、
直腸へじかに電流を流すことなど、イライダの的確な指示が無ければ為しえない。
その効果は劇的だった。

「があああああぁぁあっ!!びゃああうあああああかあうあああああっ!!!
 ひぎゃああうううあああ、、いえやあああううああああああっっっ!!!!!」

ビエラは言葉にもならない悲鳴を上げながら、汗に濡れ光る身体を震わせていた。
瞳にはもはや余裕などなく、ほぼ完全に黒目が上向いている。
浣腸責めの後、押し込むようにして摂らされた食事も大半を戻してしまっていた。
胃液に限らず、涎や涙までが垂れ流しだ。
電極棒が突き刺さった下部、秘裂も開ききっており、愛液と尿を溢れさせるままになっている。
とうに自律神経が破壊されているのだろう。

美しいビエラのあられもない姿。
それをイライダは、電源装置を操りながら淡々と観察していた。
ビエラが限界を迎えたと見ると一旦電流を切り、
がくりと項垂れたビエラが汗まみれで荒い呼吸を繰り返すのを見つめる。
やがて白目を剥いていた瞳が静けさを取り戻した頃に、再び電流を流すのだ。
「お゛お゛お゛お゛お゛っっ!!!!」
ビエラは獣のような声を上げながら白い尻を跳ねさせ、また白目を剥き始める。
助手の男達が喉を鳴らす中、その悪魔じみた施術は延々と続けられた。



電流責めが終わった後、ビエラの身体は壁に拘束された。
手首を壁に取り付けられた鉄の輪で拘束され、腰が床から少し浮く格好。
ビエラの表情にもはや力は無く、溺死からかろうじて助かったかのようだ。
身体にも力が入らないのか、大きく股を開いたままだらしなく脚を投げ出している。
イライダはそのビエラの前に屈み込み、指先を肛門へと押し当てた。
「ああ、ふぁあ……」
朦朧とした意識の中、ビエラが力なく呻く。
電流責めで弛緩しきった彼女の肛門は、イライダの腕をすんなりと受け入れた。
「お前の内臓の中は、ぬるくて気持ちがいいわ」
イライダはそう囁きながら無遠慮に腕を押し込み、肘の辺りまでを埋め込んでしまう。

「ほうら……ここがお前の直腸の奥よ。腸液でぬるぬるしているわねぇ」
腸奥を撫で回しているのだろうか。ビエラが、く、と苦しげに息を漏らした。
そしてさらにイライダが肘の角度を変えて蠢かした時、突如ビエラの腰が跳ね上がる。
「ひあっ!!」
酩酊したようだった瞳を見開き、驚愕しながら下腹部へ目を落とすビエラ。
その動きを、イライダは嬉しそうに受け止める。

「凄いでしょう。S字結腸へ繋がる穴に指が2本入り込んでるのが解る?
 その反応からすると、この結腸の入り口付近はそれほど麻痺していないようね。
 だったら、ここを徹底的に愛しぬいてあげるわ。こんな経験、初めてでしょう?」
イライダに問われ、ビエラは気丈な瞳を向けた。
「……そんな事で、私が屈するとでも思ってるの?」
「まぁ、これだけでは無理でしょうね。でも焦る必要はないの。
 時間はまだまだたっぷりとあるんだから、堪能しなさい」
イライダはそう告げながら、腸の中で腕を蠢かす。
ビエラが苦しそうに眉を顰めながら、うう、と呻いた。



「おい……もう一時間近くもああしてるぜ」
尋問を見守っていた一人が、時計を見やりながら隣の男に囁く。
イライダの腕は、なおもビエラの直腸に入り込んだままだ。
見た目には、その肛門から覗く肘が角度を変える様子しか変化がない。
しかしビエラの様々な声が、その内部の責めを見る者に想像させた。
「ああうっ!!んん、ああうううおおお゛うっ!!
 うあ、はぅああああうう!!!!」
ビエラは目を見開きながら声を上げる。
イライダの細腕が蠢く度に、ビエラの肛門からは腸液が掻きだされ、
美脚がぞくぞくと震え上がりながら宙を蹴る。
それは、正常位でのセックスで女が感じた時にする脚の動きと同じだった。

「そろそろ腸の痺れも取れてきたようね。
 腸壁が絡みつくように腕を圧迫してきて、いやらしいわ」
イライダはそう囁きながら、一旦腕を引き、次いで腸の奥へと叩き込む。
まるで極太の逸物を突き入れるかのように。
「はぐうおおっ!!!」
ビエラは呻きを上げる。反応が確かに大きくなっていた。
イライダはさらに腕を抜き差ししてその反応を愉しみながら、
再び肘までを埋め込んで奥を抉り始める。

「ほぅーら、堪らないんでしょ。
 狭かったS字結腸の入り口を、3本指でコリコリほぐしてあげて、
 もうこんなにくっぱり開いちゃった……解るでしょう?
 指先に絡んでくるこれは、お腹一杯に浣腸されたあのゼリーの残滓かしら。
 それとも無理矢理食べさせられた物が消化された、うんちかしら」

イライダは言葉責めを交えてビエラを追い詰めていく。
ビエラはぞく、ぞくっと脚を反応させてしまいながら、頬を燃えるように赤らめていた。
様々な辱めを受けてきたビエラだが、ここまで惨めな姿を晒すのは初めての事だ。



「恥ずかしいんでしょう、ビエラ・ブリオーニ。
 ほら、5本の指でも結腸の穴に入り込めるようになったわ。
 未経験の穴に捻り込まれる感覚って凄いわよね。
 ふふ、御覧なさいな。お前のあそこは、もうどろどろに蕩けているわ」
イライダはそう告げながら、空いた手でビエラの秘唇を割り開く。
彼女の言葉通り、そこは開ききってしとどな愛液を溢れさせている。
ビエラの顔がいよいよ羞恥に染まった。

「可愛らしいこと、お尻の奥の門をほじくられて、何回も達していたのね。
 でも安心なさい。これからもっともっとよくなれるように、導いてやるわ」
イライダはそう告げながら、腸液塗れの細腕を引き抜く。
そして胸元から注射器を取り出した。
ビエラの瞳が恐怖に染まる。
「な……何の薬よ?」
「私が個人的に調合したドラッグよ。
 これは凄いわ、他の感覚が遮断される代わりに、性感だけが研ぎ澄まされるの。
 投与してから半日も放置すれば、セックスがしたくてしたくて堪らなくなるわ。
 その状態で犯しぬいて、何もかも喋らせてあげる」
イライダが得意げに解説する内容を聞き、ビエラが口を歪めた。
すでに奥歯を抜かれているために音こそならないが、何とも腹立たしげだ。
「……馬鹿にしないで」
「別に馬鹿になんてしていないわ。ただ今まで、61人に試して全員に成功しているだけ。
 それが女ならどんな相手でも落とすと、私の評判を上げてくれているの。
 お前も人間の女である以上は、この薬に抗えないわ。
 無理をすれば頭が焼き切れて、自分の名前さえ言えなくなるのが感覚的に理解できるの。
 今は耐えられると思うかもしれないけれど、実際その恐怖を味わうと、皆呆気ないものよ」

イライダは薄笑いを浮かべながら、ビエラの首元を撫でる。
そして血管を見つけ出すと、ゆっくりと注射器の針を宛がった。
「くそ……くそっっ!!!!」
ビエラの声が木霊する。言葉の体をなしている、最後の声が。



END

教団の中へ

※スカトロ、NTRっぽい部分あり


和広の初恋の相手は、近所に住む淳(じゅん)という女性だ。
少年のような名に相応しくスポーティな少女だった。
和広は家の近所にある公園で、よく彼女が黙々とバスケットの練習をしている姿を見かけた。
小さな公園ではあるが、古ぼけたバスケットゴールが備え付けてあるのが特徴で、
それゆえ淳も興味を持ったのだろうと思われる。

和広は、その淳の姿を初めて見かけた時から『格好良い』と感じていた。
胸はないが、全体的にすらっと伸びたスレンダーな身体。
黒いショートヘアの揺れる、キリリとした瞳で前だけを見据える貌。
額と首元を流れ、躍動と共に飛び散る汗。
それらは、幼い和広が生まれて初めて感じる官能美だった。

淳は和広より2つ年上で学校も違ったため、それほど接点はなかった。
けれども淳が一人黙々とバスケットの練習をする姿は、和広の友人達もよく見かけたようだ。
彼らが淳の事を美人だと噂するたび、和広は自分の感覚が正常なのだと安堵すると共に、
どこか嬉しくさえ感じた。
だが淳にまつわる噂は良いものばかりではない。
中には、淳はいわゆるスポーツ馬鹿で、騙されやすい性格だという物もあった。
スポーツ雑誌の巻末にある、如何わしいスポーツ用品の説明を信じて購入したり。
道端にある、見るからに怪しい露店の商品を口八丁で買わされたり。
よく言えば純真だが、悪く言えば危うい。それが淳という女性だという。
それを耳にし、和広とその友人は、淳がいつか危険な目に遭うのではと危惧したものだった。

皮肉な事にその危惧は、7年ほど後、和広自身も忘れ去った頃に的中する事となる。



高校2年の春休み。駅前を目的もなく彷徨っていた和広は、ふと暗がりに数名の人影を見つけた。
若い男が2人と、女が1人。
和広はすぐに、その女の方が淳なのだと気がつく。
胸はないがすらりとしたスレンダーな体型と、黒いショートヘア。
迷彩柄の半袖シャツとジーンズ調のホットパンツという活動的な格好は、
まさしく彼女のイメージ通りだった。
リュックを背負っている事からして、近くのスポーツクラブ帰りだろうか。

和広は見つかるとバツが悪いとの考えから、やや離れた場所で3人組を観察する。
始めはナンパかと思ったが、どうやら様子が異なった。
男2人はいかにも真面目な、というよりも生真面目すぎる様子で語りかける。
対する淳は、そのキリリとした瞳を彼らに向けながら、何度も頷いていた。
手元にあるアンケート用紙に印を付けながら、話をし、また何か書き込む。
それを繰り返す内に話が盛り上がっていき、やがて3人連れ添って駅前から移動し始めた。
男の手の平が駅から少し離れたビルを示している。

和広が不審に思いながらそれを追いかけようとした瞬間、後ろから声を掛けられた。
「すみません、アンケートにお答え頂いても宜しいでしょうか」
静かな瞳で語りかけてくる女が2人。
きっちりとしすぎた髪型に、襟元や袖口まで神経質に整った衣服。
雰囲気は淳と共に似た二人と同じく、つい裏を勘繰りたくなるような優等生ぶりだ。
和広が受け取ったアンケート用紙を捲ると、そこには『受福救心教団』という文字が見える。
「っ!」
それを見た瞬間、和広はぞっとした。明らかに新興宗教だ。
この地方での新興宗教は碌な物がない、絶対に関わるなと母や祖母が日々口煩く言っていた。
単なる信仰の違いではなく、実際に昔からカルト教団による人攫いが頻発しているがゆえの警告だ。
「…………淳さん!?」
和広は慌てて淳が歩き去った方を振り返ったが、そこには既に人の姿はなかった。



信じたくはなかった。出来れば思い過ごしだと、和広はそう思いたかった。
しかしその日を境に、淳の姿を見たという情報は途絶えてしまう。
2週間が経ち、さすがに何も事情を知らぬ和広の友人でさえ不信感を抱き始めた時、
和広は決意した。
自分の責任だ。自分があの時、みすみす淳が連れ去られるのを見送ったせいだ。
ならば自分が救い出さなければ。そう思った。

宗教関係で警察が全く頼りに出来ないことは古くから知られている。
かといって、カルト教団に淳が連れ去られた事実を彼女の知人に話すのも怖かった。
自分がこっそりと教団内に忍び込み、淳を連れ出す。それで事は収まれば、そう考えていた。
意気地がないかもしれない。
しかし覚悟もないまま襲ってきた非日常を前に、和広はそれでも勇気を振り絞った方なのだ。
再び駅前をうろつき、いつかの妙に優等生ぶった女2人に声を掛けられた時、
和広はすでに膝が笑っていた。
それでも何とか女の話に合わせて慈善活動に興味が強い事をアピールし、
教会の活動内容を聞いてさも感銘を受けたかのように振舞って、本部へと忍び込む事に成功する。

「あの辺りにお住まいの方々は、本当に自然を愛する意識が高いようですね。
 少し前にも、貴方のように真理への理解があり、とても清らかな心を持った方が入団されました」

組織本部へ続く階段を下りながら、女性がアナウンサーのように淡々とした口調で告げた。
和広には、それが淳の事だと薄々見当がついたが、念の為さらに問う。

「へぇ、そうなんですか。どういった方なんですか?」
「スポーツがお好きで健全な身体を有した、本当に純真な方です。
 その高貴な魂は、施主(せしゅ)である想木先生も大層お気に召されたようで、
 まだ入団後僅か2週間であるにも関わらず、直々に清めて頂いているのです。
 羨ましい限りですね」

女性が口にした施主とは、恐らく教団の支配者の事だろう。
淳の高貴な魂を気に入って、などというのは建前に決まっている。
施す主、などと自称するその煩悩の塊が、淳のルックスに欲情しただけのこと。



「清める、ってどういう風に?」
やや声を震わせながら訊ねる和広に、女はかすかな笑みを返した。
「彼女はとても徳の高い方でしたが、始めのうちはやはり俗世の価値観に囚われてしまっていました。
 ですから想木先生が彼女に救いを与えようとしても、中々素直になれずにいたのです。
 その哀れな彼女の心を解放する為に、想木先生は『放悪(ほうお)』をなさいました」
「放悪?」
「暴れる事のないよう手足を拘束したまま、想木先生と2人で三日三晩同じ部屋で過ごすのです。
 これを受けられるのは、先生が光を見出した、心身ともに清らかな乙女だけ。
 私は恥ずかしながら経験がありませんが、私のひとつ先輩に当たる義姉(あね)は、
 不浄の孔に先生自らの御手で聖水を注いで頂き、先生の眼前で穢れを排出したそうです。
 初めは悪い魂が暴れて大変だったそうですが、何度も何度も先生に見守られながら排泄を繰り返し、
 やがて飢えきった所で先生の口に清められた自らの汚物を口移しで頂き、嚥下した瞬間、
 それまでの先生を憎む心がすっと消え去り、全てを投げ出す事が苦にならなくなったそうですよ」
女は、今では義姉も教団幹部の1人なんです、と得意気に続けた。

和広は感心した風を装いつつ、怖気が走るのを感じる。
本当に宗教に嵌まり込んだ人間というのは、こうも価値観が違ってしまうものなのか。
何が放悪だ。変態と共に監禁し、恥辱責めで心を折って服従させたではないか。
「その、僕と同じ町の人は何をされたんですか?」
和広が尋ねると、女は歩を進めながらかすかに瞬きする。
「放悪は施主と教団員の間だけで交わされるものなので、詳しくは知りえません。
 彼女を裸に剥き、椅子に手足を括り付ける所まではお手伝いしましたが、
 そこからは解らないのです。
 ただ数時間後に扉の前を通りがかった時には、まさしく悪魔のような呻き声が聴こえました。
 あれほどの声が出るのですから、彼女の中の悪は次々と浄化されていった事でしょう。
 実際彼女はそれ以来、先生を拒絶する事がなくなりました。
 今では先生の愛を一身に受ける、私たちの可愛い義妹です。
 ……そして、貴方もまた運が良い。今日はちょうど、先生が義妹に愛を授ける日なのです。
 ご覧になっていくと良いですよ」
女はそういい、下り階段を突き当たった先の扉を開く。
和広は息を呑んだ。
宵闇のように薄暗い空間を蝋燭の灯だけが照らしていた。
中央の台だけを避ける形で何十、いや何百という白いローブを着た信者が手を繋いでいる。
異様としか表しようのない光景。



場の熱気に包まれながら、何が起こるのかと立ち竦んでいた和広は、
部屋中央の台の奥から2つの人影が現れるのを見て目を見開いた。
女は紛れもなく淳だ。
スレンダーな身体を惜しげもなく晒し、薄暗い空間に浮かび上がらせる。
和広が始めて目にする裸体。
胸はやはりさほど大きくはなく、代わりによく締まった腰と突き出た尻がやけに女らしい。
スポーツで充分に引き締まった脚線も舞台栄えするものだった。
「あれが、施主である想木公人先生です」
和広を先導していた女が、淳の隣に立つ男を指差して言う。
髭面のにやけた顔に、小太りの体型。
明らかに普通の、いやむしろ冴えない部類の中年男だ。
施主などという肩書きに相応しくない。和広は、思わずその男を殴りつけたくなった。

「さぁ、いよいよ始まりますよ」
女が和広に告げた次の瞬間、想木は舞台に置かれた椅子に静かに腰掛けた。
するとその想木の前に淳が膝をつき、想木の腰元から逸物を引き出す。
そのまま縋るような瞳で淳が想木を見上げると、想木はかすかに頷いた。
「良し」
その言葉を耳にするや否や、淳は堪らないといった様子で逸物を咥え込む。
まるで飢えきった所に食べ物を出されたような、不可解な行動。
「ああして先生の物を口に迎え入れる事で、義妹は口内を洗浄しているのです。
 人を憎む言葉も、蔑む言葉も口から出る。口とは本来そうした穢れの器官です。
 ゆえに義妹は、先生に清めて頂くまでは言葉を喋る事もできません。
 呼吸をする事さえ出来るだけ避ける必要があるため、苦しかった事でしょう」
女がそう解説する。
その解説が終わるか終わらないかの内に、不意に周囲が騒がしくなり始めた。



ぞっ ぞっ ぞっ ぞっ ぞっ ぞっ ぞっ


そうした意味の解らない言葉が、信者達から発せられる。
腹の底からといった様子の、応援団のように恐ろしいほど力強い雄叫び。
「な、何だ!?」
「この行いと一体化する呪文です。雑払(ぞふ)と唱えて、自らも穢れを放出するのです。
 一緒にやってみましょうか」
女はそう告げると、自らも顔を歪めながら、ぞっ、ぞっ、と繰り返し始める。
瞬きすらほとんどせず、真剣な表情で声を絞り出す集団。
和広はその只中で、世間で言われている教団の異常性など氷山の一角なのだと理解した。

その何百という呪文に包まれながら、淳は台の上で想木の物をしゃぶり続ける。
ショートヘアの淳がそれをすると、唇の動きまでがよく見えた。
「ん……んふっ……ふっ…………せ、先生の……んむうっ……」
片手で逸物の幹を掴みながら、一心不乱に顔を前後させ、時に上目遣いに想木を窺いながら。
想木は色白で毛深い脚を開き、薄笑いを浮かべながらその様子を見下ろしていた。
「もっと深くだ」
想木が笑いながら命じると、淳は一瞬目を見開き、しかし言われるがままにする。
想木の肉がたるんだ腰の腕を回して引きつけるようにし、逸物を無理やりに喉の奥へ迎え入れる。
「う゛ぉおえ゛えっ!!!」
当然、淳の喉奥からはえづき声が漏れた。
頬の筋肉の引き攣りようが、どれほど苦しいのかを物語っていた。
それでも、淳は動きを止めない。
ふんぞり返った毛だらけの想木の腰へ吸い付くようにして、何度もえづき上げる。
う゛え゛っ、ごえっ、お゛お゛え゛えっ、という聞くもおぞましい声が何度も響く。
涙は止め処なく、また逸物を喉深く送り込まれた口からは当然に唾液が溢れ出ていた。
深さからすると或いは胃液も混ざっているようなものが、想木の股の間からかすかに光って滴り落ちた。



「良い声が出ているな、淳。お前の中の悪魔が苦しんでいるのだ。
 私の性器を拒絶しようという心が、すなわちお前の中の悪魔だ。
 乗り越えなさい。今度こそ私の手を借りるのではなく、お前自身の手で」

想木は明らかに作った大仰な声色で囁きかける。
周囲のぞっ、ぞっ、という怒声がいよいよ大きさを増す。
和広はその様子を眺めながら、立ち尽くすしかなかった。
こんな状況は間違っていると思っても、狂気を孕んだ熱の中では言えない。
もし疑問を口にしようものなら、その場で殴り殺されそうな雰囲気を誰もが発している。

「う゛ぇっ……え゛っ、ああ゛!う゛、げぼっ、ガハッ……!!!」

背中一面に汗を掻きながら、自らディープスロートを強いる淳。
その髪を撫でながら、想木はさらに囁きかけた。

「ようやく目がトロリとしてきたな、悪魔も随分と弱っているようだ。
 ならばこのまま屈服させてしまいなさい。
 喉奥を私の性器で覆い尽くされているのを感じながら、絶頂を迎えるんだ。
 もう何度も一緒にやってきているのだから大丈夫だな、淳」

想木が幼子に語りかけるように囁くと、淳はかすかに首を動かして頷く。
そしていよいよ凄まじい声を上げはじめた。
「ごぉおおお゛お゛おおうう、え゛ぉろおおおお゛お゛ぉうあごあ゛あ゛あ゛!!!!」
自らを壊すかのようにえづきながら、やがて膝立ちになった脚の指先を突っ張らせる。
足の裏を垂直に立てたまま、足の指で床を掻くかのような動き。
「おおおっ!!!」
やがて想木は、その淳の喉奥へ挿れたまま腰を震わせて射精を迎えた。
淳はその一滴をも逃すまいと顎の下に手を添えながら、喉奥への直の射精を受け入れる。
「…………達したか?」
精を飲み干した所で想木が問うと、淳は涙に濡れた顔で、逝きましたと答えた。



「……ご覧になっていますか?義妹は今、不浄の孔を清められているのです。
 事前に義姉さん達の手で中身を綺麗にして肛門マッサージも受けている筈ですが、
 よほど穢れが染み付いていたのでしょうか。かなりの反応ですね」

女の言葉で、和広は顔を上げた。
舞台の上では、ぞっ、ぞっという掛け声の中で淳が想木の上に跨っている。
小便をするように大きく脚を広げたまま、尻穴を穿たれている。
動くたびに椅子がギシギシと鳴るのが生々しかった。

「あああ、おしり、おしりいいぃっ!!!」
淳は顔を歪ませたまま叫んでいた。
脚の間から、ぶりゅ、ぶりゅっと水気のある結合音をさせながら。
その左手はしっかりと想木と繋がれている。
その顔は次第に喜びの色を明らかにし始めている。

それを見守りながら、和広は、自らの逸物が痛いほどに隆起していくのを感じていた。



END

汚辱の宴

※オールスカトロ、大注意


奏陽子の定期連絡が途絶えたのは、昨日の夕方だ。
陽子は某国外務省直属の極秘捜査官で、マフィア絡みの犯罪を追う捜査チームの一員だった。
長い黒髪と整った顔立ちをした、美しい日本人。
チームでは主にそのルックスを活かし、名を偽った上で組織構成員との交渉役を担う。

捜査は長い時間を掛けて行われた。
陽子はその中で、何度も構成員と肉体関係を持つこととなる。
情報を得るため設けた酒の席で、浴びるほどにカクテルを飲まされ、
仲間に内線を通じさせたままで抱かれる。
時には六人以上の人数に輪姦されている事もあるようだった。
陽子は娼婦さながらの巧みな技術を用いて男を悦ばせ、
しかし最後には演技でなく感じ入ったような艶かしい声を上げながら耐え忍ぶ。
そうして一夜が明けた後には、涼しげな顔をして仲間の乗る指令車に戻り、
男達と粘膜で触れあいながら聴き出した情報を語り始める。
その情報は、毎度必ず捜査に進展をもたらした。

中間達はそれに感謝をしながらも、陽子の身を案じていた。
報告を行う陽子の顔は涼やかで、口調も淡々とした機械的なものだ。
しかし彼らは、内線を通じ、彼女が何度となく絶頂を迎えたと告白する様を、
もうやめて欲しいと哀願する様を耳にしている。
その乱れようが演技なのか、或いは淡々と報告する顔が羞恥からの強がりなのか。
仲間である男達にさえそこの見当が付かない。
それは捜査官としては頼もしいが、人間としては薄気味悪くさえ思えるものだった。

やがて数ヶ月の後。
陽子の人脈にいよいよ組織の大物が加わり、捜査も佳境に入った頃。
陽子は組織幹部の一人から自宅へ招かれる栄誉を得た。
わざわざ家へ招くという事は、改まって腹を割った話をしようという意思表示だ。
当然、陽子はそれを快諾する。
しかしその幹部の男は、女に対して変態的な趣向を持つ人物だとの情報もあった。
特に美女の排泄物が至上の好物ともされている。
そのような人物の自宅に招かれれば、女の地獄を味わう事は間違いない。
しかし陽子は、それで引くような芯の弱い女性ではなかった。
むしろいつも以上に凜とした表情で、背を伸ばして指令車を後にした。
ロングコートの襟元に小型の無線機を忍ばせて。



数時間の後、陽子は薄暗い地下室に繋がれていた。
壁は一面石造りで、あちらこちらにポールダンスをするような鉄の棒が設置されている。
天井からは色とりどりの縄が垂れ下がり、唯一の光源である壁面下部からの仄白い光に照らされる。
そして何より異常なのは、その床の一面がガラス張りで出来ており、地上でなされるあらゆる行為を映し出している事だった。

陽子の身にはショーツだけが残されていた。
腕も、乳房も、腹筋も、脚線も、局部を除くすべてを晒すがままだ。
両手首は万歳をするように天井からの赤い縄で吊るされている。
他に変わった事としては、白い腹筋から重苦しい唸りのような音が漏れてもいた。
「うく……く」
唸りが大きくなるにつれ、陽子の唇から声が漏れる。
苦しいのだろう。美しい顔と腋の下には、はっきりと見えるほどの汗が浮いている。

原因は、彼女の踵の近くを見れば明らかとなった。
金でできた洗面器にガラス式の浣腸器が立てかけられ、グリセリンの瓶が脇に置かれている。
グリセリン浣腸を受けたのであろう事は明らかだ。
「うンッ……は、くっ……」
陽子は痛烈な排泄感に苛まれながらも、なお捜査官らしい凜とした表情を崩さない。
斜め下を向く表情には隙のなさと寒風のような鋭さが同居し、男の視線を釘付けにする。
なるほど、用心深いマフィアの構成員が次々と篭絡されるはずだった。
陽子の正面に立つ男は、その毅然とした態度に顔を綻ばせる。
小太りで頭の半ば禿げ上がったこの男が、この館の主、つまりはマフィアの幹部なのだろう。

「……そろそろ浣腸を施してから20分。中々によく堪えるものだ。
 食事の時にも説明したが、お前がディナーと共にこまめに服用した錠剤には、
 消化活動に働きかけて排泄物そのものの容積を増し、さらにそれを膨らませる作用がある。
 その総量たるや、一ヶ月全くの排泄をしなかった場合と同程度。
 あれから4時間あまり……もはやお前の十二指腸はおろか、小腸の一部にまで排泄物が詰まっているだろう。
 出しても出しても終わらんぞ」

小太りの男は余裕の態度で陽子を眺めながら、その顎に指を掛けて顔を上げさせ、凛とした瞳を覗きこむ。
男に取り入る必要のある陽子には、その視線を避ける事は許されなかった。
苦悶に震えながらも男と目線を交し合い、やがてさらに10分近くが経った頃、ついに決壊が訪れる。

「ンぐぅっ!!!!」
陽子が目を見開きながら膝を擦り合わせ、内腿に力を込める。
その直後、凄まじい破裂音が臀部から響き渡った。

まず異臭が立ち込める。
次いで陽子のすらりとした脚の間から、茶色い汚液が滴り落ちていくのが見える。
さらに唯一身に着けていたショーツが、繁みを覗かせるほどにずり落ちた。
陽子の背後に回れば、ショーツの後ろがまるで石を詰めた麻袋のようになっているせいなのだと解る。
小太りの男はそのショーツの惨状を嬉しげに見やっていた。
「どうかね、良い歳をした美しいレディである自分が、“お漏らし”をしてしまった気分は。
 屈辱と羞恥に混じって、妙な開放感があるだろう」
男はそう良いながら陽子の髪に指を絡ませ、押し込んで下を向かせた。
直視しがたい現実が鏡に映り込んでいる。

純金の洗面器とガラス浣腸器、それに浴びせかかる形での茶色い下痢状の便。
茶色い液溜まりを踏みしめる形の足首、すっと汚液の線が伸びる脚線、穢れを滲ませながら歪に膨らんだ下着。
小太りの男がショーツを腿の半ばまでずり下げれば、いよいよ股布にこんもりと乗った汚物が露わになる。
その一部は股布と腿の間をすり抜けるように滑り落ち、ガラスに映る陽子の秘部を覆い隠した。

「……お尻が気持ち悪いわ。早く処理をしてちょうだい」
陽子は努めて冷静な態度で男に告げた。
まるで排泄ぐらいどうということもない、と言いたげに。
しかし何も感じていない筈はない。
絹糸のように艶めく黒髪や、女らしさを損なわないままによく鍛え込まれた腹筋、神経質なほどに揃えられた恥毛。
そこに見て取れるのは、陽子という女がもつ美しさへの徹底的なこだわりだ。
仕事柄だ、という見方もあるかもしれない。しかし公私の別なく、外見にこだわる行為にはプライドが付き纏う。
そのプライドを強制排便という恥辱的な行為で穢されて、心中穏やかであろうはずがない。
「これからが楽しみだな」
小太りの男はそうした女の心理を熟知しており、ゆえに嗤った。
陽子の頬がほんの僅かに引き攣るほどの醜悪さで。



一旦床と陽子の下半身が清められた後は、手首を吊るす格好をそのままに別の責めが行われ始めた。
幹部の男の子飼いと思しき男が、陽子の足元にしゃがみ込み、排泄の孔に器具責めを課す。
用いられるものは、膣用のバイブレーターと、真珠がいくつも連なったような棒状の器具。
男はバイブレーターを唸らせて陽子の前の孔を蕩かしながら、真珠状の棒を尻穴に出し入れする。
陽子は手を吊るされたまま、脚を肩幅より広く開いてそれに耐えていた。
「んっ……く、ふんんっ……!!」
陽子は唇を噛みしめるようにして声を殺していた。
つまりはそうする必要があるほどに、責めに何かを感じているという事なのだろう。

手の平で掴めば、簡単に形を変えてしまう白く柔らかな尻の肉。
そのちょうど渓谷に当たる部分に真珠の棒が出入りしている。
男が言った様に、陽子の腸の中には所狭しと便が詰まっている状態だ。
一度グリセリン浣腸で直腸の分を出し切ったとはいえ、
腸の蠕動によってすぐにまた新たな汚物が十二指腸の幽門を越えてくる。

その状態での尻穴責めは、それはえげつないものだった。
パール状の物体が引き抜かれるたび、珠の尻穴側の方にべっとりと汚物の付着している様が見える。
何度も抜き差しされると、その半液状のものは膣を苛む方の男の手に滴り、そこからさらに床のガラスへと飛沫を散らす。
責め手の男も意地が悪いもので、何度も連続して責め具を抜き差しし続ける最中で、
不意に責め具の動きを止める事があった。
陽子の初々しい肛門は、その動きに対応しきれずになおもひくっ、ひくっと蠢いている。
珠の冷たく無機質な感触だけが感じられる状況。
それに耐え切れず、陽子が下を向けば、そこには汚液を散々に掻き出され、尻穴から噴き出させている惨状がある。
その光景は陽子を確実に追い詰めているはずだった。

また、純粋に尻穴調教として見ても油断ならない状況だろう。
膣の方をバイブレーターで抉りまわされながら、尻穴に異物を抜き差しされる。
その薄皮一枚隔てただけの刺激は、脳に至る過程で簡単に交じり合い、尻穴の快感として伝わる。
特に延々と排便を繰り返すような、確実に物が出て行く感覚を伴いながらの責めは痛烈に脳に刻み込まれるはずだ。

「随分と心地良さそうな事だな。蜜壷を掻きまわされながらのアナル責めは効くだろう」
いつの間にか陽子の傍に立っていた小太りの男が言葉を掛ける。
陽子はその瞬間、潤みかけていた瞳を何度か瞬かせ、毅然とした瞳に戻した。
「退屈だわ。セックスの方がずっとまし」
淡々とそう語る陽子の顔へ、男の半笑いの表情が粘りつく。
「ほう、その割にはよく秘部を濡らしているようだが……まぁいい。
 もう少し立派なものに変えてやれ。それでは感じんそうだ」
男が責め手に告げると、男は無表情のままに責め具を引き抜き、一回り太い物にローションを塗していく。
それが尻穴へと埋め込まれ、勢いよく引き抜かれた瞬間。
「ぐっ!!」
陽子の口から明らかな声が漏れ、両の足指が丸め込まれる。
「直径が1cm太くなるだけで、感じ方も大分違ってくるらしいな」
小太りの男はそう言いながら、新たな快感に戸惑う陽子を観察し続けた。

「……よし、そろそろ左脚を上げてみろ」
反応が薄くなると、そうして新たに命令を下しもする。
陽子は言われるがままに左脚の膝を曲げ、右足一本で立つ状態での二孔責めを余儀なくされた。
「ぐ、うううっ!!!」
姿勢が不安定になることで腹圧も強まり、腰に力を入れざるを得ないために括約筋の刺激も増す。
「うう、あうっ!!」
軸足である右の太腿が筋張りながら痙攣し、健康的な土踏まずがより床から遠ざかるように反る。
「おうおう、ドロドロになってきたな」
小太りの男は、開かれた脚の間を覗きこみ、秘部を凝視しながら呟いた。
「…………ッ!」
陽子は凛とした態度を保とうとするが、秘部のバイブレーターが柔肉の割れ目から飛沫を飛ばし、
桜色の蕾からブリブリと音を立てながら太い責め具が抜き差しされる状況は、どうする事もできなかった。


恥辱はそれからも続いた。
仰向けに寝転がる格好の陽子の脚を、背後の男が肩につくまでに引き寄せる。
そうして晒された肛門へ、何度もローションを付け直しながらの指責め。
男の2本指を使っていよいよ肛門性感を覚え込ませると共に、ローションを尻穴内部へ染みこませる事が目的のようだった。
そうして肛門が充分なローションで満たされると、その菊輪には蛇口にも似た器具が取り付けられる。

息むたびに肛門の器具から少量だけ排便できるようになった陽子は、床のガラスに引かれた和紙の上に映される。
「さて、ではその紙の上に、美女の糞便で以って名でも記して貰おうか。
 日本人ならば習字などお手の物だろう?」
小太りの男がそう告げると、陽子は従うしかない。
両の手のひらを紙に突き、震えのきはじめている両脚をつま先立ちにしながら必死に腹部へ力を込める。
そうして少量ずつ出て行く便を視認し、自分の語っている偽名の綴りを思い出しながら腰を動かした。
「はっ……はあっ……はああっ…………」
呼吸も、発汗も酷い。陽子が精神的にかなり追い詰められている事は明らかだった。

名前を記し終えても、汚辱の宴は終わらない。
陽子はガラス床の上に四つ足で這うようにさせられ、延々と浣腸を受けていた。
暴れるのを防止するためか、肩口を押さえ込まれ、足指をぴんと張らせた下半身に、何度も何度も浣腸を施される。
すでに陽子の腹部は膨れ上がり、妊娠したかのようになって垂れ下がっていた。
それを床の鏡に映して確認しながら、背後の男は淡々と浣腸を続ける。
「へへ、よくもまぁこんなになるまで我慢ができるもんだぜ」
別の男は膨れ上がった陽子の腹部を撫で回しながら、小馬鹿にしたように告げる。
「ふうっ……ふううーっ……!!!」
陽子はそれらの屈辱に耐えながら、やがて本当の限界が来ると肛門から放物線を描いて汚液を飛ばした。
さすがに最初に比べると薄いものの、なおしっかりと赤茶色の付いた汚液。
それは美しい女捜査官の身体を穢しながら、勢いよく噴出しはじめた。
「はは、壮観じゃ、壮観じゃ」
小太りの男は椅子に腰掛けながら、満足げにその様子を見守っていた。



朝が来る頃になっても、陽子は肛門を犯され続けていた。
数人の若い男から、入れ代わり立ち代わり肛門に逸物を捻じ込まれ、下痢便を漏らしながらアナルセックスを繰り返す。
「おおおっ、いいっ!!!おおおぉぉおお、おしりいいいぃっ!!!!!!
 だめ、気持ち…いいっ!!うんち漏らしながら、おしりで、セックスするなんて……
 こんなの、こんなのぉ、知らな……あう、んひぃいいいいっっっ!!!!!」
度重なる恥辱と快感に、とうとう堪えきれなくなったのか。
陽子はそれまで発したことのないような獣じみた声で快感を宣言し続けていた。
もはや理性はほとんど残っていないように思える。
本当に任務を続行できるのか、このまま篭絡されて逆に情報を明け渡してしまうのではないか。
狂乱の様子を無線を通じて聴いていた仲間が、そう危惧し始めた頃。
その無線から、妙にはっきりとした声が流れ、仲間達を戦慄させる。

『……さて、聴こえているかな、雌犬捜査官のお仲間諸君。
 私の屋敷では、来客の衣服は極秘裏に調査することにしていてね、盗聴などの愚行は見逃さんのだよ。
 少々手間取ったが、先ほどようやく逆探知に成功した。
 そこを動かずにいたまえ。諸君らの中に女がいるなら、器量次第では次の玩具にしてやろう』

そう下卑た嗤いを含む声がした直後。
指令車の窓を開けたチーム員は、車が既に包囲されている事実に愕然とした。
チーム員には他に女が2人おり、彼女らは顔を強張らせながら、縋るように銃を抜いた。


END
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