大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2013年01月

ドリーミィ・カプセル

『ドリーミィ・カプセル』とネット検索して、真っ先に出てくるのが宏尚(ひろなお)の店だ。
書面上は彼の祖父が経営者という事になってはいる。
しかし研究と物造りにしか興味を示さない祖父が、接客業などする筈もない。
ゆえに大学生である孫息子の宏尚が、アルバイトという名目で店を切り盛りしている。

ドリーミィ・カプセルとは、巨大な日焼けマシンのような形をした女性用性感マシンだ。
元はカプセルの中に入れた人間へ多様な電磁波を浴びせる、医療用機械として開発されていた。
しかしその研究が佳境に入った時点で、世間では電磁波が人体に与える悪影響が騒がれ始めた。
放射能の恐怖がもたらす余波だ。
結果、研究は途半ばにして急遽中止され、それに憤った宏尚の祖父は、あろうことかその医療用マシンを性感マシンとして作り変える。
それは融通の利かない上層部への当てつけだったに違いないと、開発に携わるメカニックは評していた。

世界初の女性用性感マシン『ドリーミィ・カプセル』は、当初こそ無名だったが、宏尚の宣伝によって瞬く間にその名を広める。
八年ほど前に人気を博した、悪く言えば旬を過ぎたドラマ女優を安値でモデルに起用し、ネットで機械のCMを流したのだ。
旬を過ぎたとはいえ女優を知るものは多く、CMのプレビュー数はかなりの数に上った。
そしてその皆が目撃したのだ。
日焼けマシンを思わせる巨大な卵形の機械へ女優が入り、スイッチを入れれば、やがて艶かしい喘ぎ声が漏れてくる様を。
試運転が終わり、バスタオルに包まれてマシンから下ろされた女優は、ぐったりとしながらも明らかに発情しきった顔をしていた。

「す、すご……い……。こ、こんあの、人間相手じゃ……絶対、むり…………」

女優は虚ろな瞳でそう呟く。
彼女が幾度も幾度も、機械によって絶頂を迎えさせられた事は、CMを観る同性の者には殊更によく解った。

そうなれば、予約殺到だ。
宏尚は、世にはこれほどに未知の快感に飢えている女性が多いのかと仰天した。
マシンは一台しかないので、当然に店は完全予約制となった。
圧倒的な売り手市場であるため、細かな規則はすべて店の意見一つで決まる。
さすがに料金は一律にするが、営業時間も、一日の予約数も、実際には宏尚の気分次第だ。
キャンセルは一切受け付けない、という強気な態度もその一つだった。
基本的に時間帯区切りの貸切利用となるため、予約キャンセルで穴が開くと大きな利益損失が出るという理由からだ。

忙しくはあったが、その分湯水のように稼ぎも入り、宏尚の“バイト”は充実していた。
予想外の客が訪れたのは、そんなある日の事だ。


店に足を踏み入れた瞬間、その女性は宏尚を見て目を丸めた。

「げっ……モ、モジャブタ…………!?」
「久しぶり、安西さん」

宏尚は落ち着いて答える。
女性は、宏尚の高校時代のクラスメートだ。
安西 翔子といい、宏尚が知る限り、高校で一番モテていた少女だった。
理由はといえば、一にも二にもルックスがいい。それだけだ。
しかしながら、それだけで並み居る性格美人を押しのけて男子人気を独占するだけの物がある。

シャンプーのCMに出ればいいと噂された、毛というより最上級の織物のような長い黒髪。
サドの気を隠す事もしない、猫のようにくっきりと開いた吊り気味の瞳。
スペイン系クオーターゆえの、整形を疑われる完璧すぎる鼻筋。
思わず見惚れる、艶のあるふっくらとした唇。
スタイルは見事な八頭身で、制服のミニスカートを翻して歩けば、その日常的ならざる脚線に常に五・六人の視線が釘付けにされていた。
しかしそのスレンダー体系に似合わず、バストサイズは相当なもので、体育の時間に脱ぎ去られたブラウスは胸部にかなりの皺が寄っていた。
苦しいからと大抵胸の第二ボタンまでを開けており、教師陣に視線を彷徨わせつつ注意されていたものだ。
彼女を特別視していた男性教師は一人や二人では済むまい。
事実、彼らは翔子のいるクラスで授業をする時にはほとんど黒板から振り向かず、問いを投げるのも翔子が座っていない列に限られていた。

そのように教師すら惑わす美貌の翔子は、実質的に男子のほとんどを自分の駒としていた。
性格が曲がっている事は誰もが知っていたが、それでも翔子に気に入られたいという下心が勝るのだ。
運動部のエースや学年の番長格といった力ある生徒も例外ではなく、翔子はそれらの駒を使って学年を牛耳っていた。
気に入らない生徒を苛めるのも、好みの生徒を特別扱いするのも、翔子の命令一つだった。
宏尚は、その苛めを受けていた方だ。
冴えない見た目をからかわれ、モジャブタという蔑称を付けられた。面白半分に金を巻き上げられた事もある。
それが、安西 翔子という女だ。


「な……なんでアンタがここに居るのよ!」
「何でって、店員だから」

翔子が苦々しい顔で叫ぶ一方で、宏尚は余裕の表情を崩さない。

彼は、翔子が店を訪れる事をあらかじめ知っていた。
この店では予約を受ける際に、WEB上でのアンケートに回答させる。
年齢や体型、怪我・病気の経験、普段の性生活などを事前に把握する事で、最適なプランを算出する事が目的だ。
そのアンケートは当然、翔子も記入していた。
本名や年齢、体型、初体験はわずか十一歳のときであること……。
その情報を目にした時、宏尚はすぐにそれがかつてのクラスメートである事に気づいた。
同姓同名というだけなら他に有り得るとしても、初体験を十一歳でしてしまう女などそうは居ない。
小学生時代からすでにモデル体型であり、雑誌の取材を受け、大人の世界に片足を突っ込んでいた翔子ならではの経歴だ。
昔、自分を苛めた元締めが来る。
宏尚はそれを知り、今日この時を焦がれるように待ち望んだものだ。

「……帰るわ」

翔子は不機嫌に顔を歪め、入り口に向けて踵を返した。しかし、宏尚がその手を掴む。

「ちょっと、気安く触んないでくれる!? モジャブタ菌が付くんだけど」

翔子が荒々しく手を振り払うが、宏尚の余裕は崩れない。

「残念だけど、帰せないよ。WEBの注意事項に、赤字で大きく書いてたよね。
 『キャンセルは一切受け付けない』って。
 ここって時間帯の貸切だからさ、そこに穴開ける事になったら、かなりの額の弁済金貰うよ?
 知ってるだろうけど、ここの人気って今凄いんだよね。ずっと順番待ちなわけ。
 何もせず帰ったにしては、到底割に合わない金額になると思うなぁ」

宏尚がそう強気に告げると、翔子の顔が引き攣った。
論の正当性は宏尚にある。それにこの待ち焦がれた獲物を逃すまいという、決死の気迫もある。

「…………っ!!!」

さすがの翔子も自らの分の悪さに気づいたのか、苦々しい顔をしつつもバッグを放り捨てた。

逃げだす心配の無くなった翔子の姿を、宏尚は改めてじっくりと観察する。
むちむちと瑞々しい肢体はそのままに、ますます目の醒めるようなスタイルになったようだ。
小学生の頃から小遣い稼ぎに読者モデルをしていたという彼女も、今では名の売れたスーパーモデル。
欧州のファッションショーに呼ばれる事も多いと、同窓会では噂が持ちきりだった。
その相手を好きに嬲れる。
宏尚は、歓喜の叫びでも上げたいほどだった。


「んじゃ、始めっぞ。中入って」

宏尚は顎でマシンを示しながら、シャワーを浴びてバスローブ姿となった翔子に告げる。
『~するぞ』などと高校時代に言おうものなら、たちまち翔子の逆鱗に触れ、屈強な運動部員を動員してリンチされた事だろう。
しかし今は、宏尚の方が主導権を握っている。
彼の手には、性感コースを選択する電子パネルがあった。料理店で客の注文を入力する機械と似たようなものだ。
本来それは、客に逐一可否の確認を取りながらコースを組み立てていく。
ただ今回はそれがない。宏尚が自らの煮えたぎる欲望のままに入力していく。
翔子はそれを恨めしげに睨みつつも、プライドが邪魔をするのか何も尋ねず機械に入り、バスローブを脱いで扉を閉じた。

卵形の『ドリーミィ・カプセル』は完全に翔子を包み込み、外からは一切内部が伺えない。
防音性も完璧で、中でどれだけの大声を上げても外には漏れないようになっている。
……ただし、それは一般的な人間の場合。
実のところ、宏尚とその祖父に限っては、開発者特権として機械の設定そのものを弄る事ができた。
複数のプレートから成る外装の各部位を、マジックミラーの要領で外から透けさせる事もできる。
内蔵スピーカーを操作し、中の声を機械外部へ向けて発する事もできる。
無論というべきか、内部にはカメラも秘蔵されており、その録画映像をモニタールームで鑑賞することも可能だ。
薄暗く精密な機械内部にそれらの仕掛けがあったとて、第三者が気付く由もない。

今までも、見目のいい客が訪れるたび、宏尚は密かにその恩恵に与っていた。
若い女が快感の極地に至った際の反応は、およそ見飽きたと言ってもいい。
ただ、その相手が知り合いとなればまるで話は別だ。
特にあの小憎らしく、魔性とすら思えるほどのルックスを誇る安西 翔子ならば。

「……さぁ、特上コースでいくぜ。スゲェ声、聴かせてくれよな」

宏尚は数ある機能のうち、あえてスピーカーからの音漏れだけを操作した。
映像は後のお愉しみだ。
内部から漏れ聞こえる声と、機械のモード表示だけを元に、翔子の現状を想像する。
その愉しみ方は、今しかできない。



機械外部のモニターが緑色の光に包まれ、正常作動を告げる。
『 カンチョウエキ チュウニュウ 』
責めの第一として、そうカナ表示がなされた。
浣腸だ。快感責めのあまり脱糞する女性は実際に多く、衛生面や機械への影響から、まず便を出す事は重要だ。
無論嫌がる女性も多いのだが、哀れにも翔子には強制である。

「あっ、ちょ、何よ!!どこに何、塗ってるの!!」

『 ゼリー 塗布 』の表示と共に、翔子の叫びが響いた。表示は機械内部にも同じく示されているはずだ。
つまりは全く状況が解らないのではなく、単にそれを受け入れられないでいるのだろう。
宏尚が笑いを噛み殺す中で、表示はさらに『 ノズル ソウニュウ 』へと変わる。
直後、ぐうっという呻き声が響き、宏尚の笑いを後押しした。
ノズルは浣腸液を注ぎ込む為のものだ。
ごく柔らかな先端が直腸内部にまで入り込んだ後、菊輪のちょうど前後で円状の膨らみができ、固定される。
薬液は相当に浸透圧が高く、つまりは『きつい』もの。
それを一定量流し込み、栓をした状態である程度我慢させた後に吸い上げる。
やり様によっては相当な快感を伴うようだ。
事実、恋人とのアナルセックス経験があるという24歳の女性は、この浣腸だけで軽く逝きかけたと宏尚に告げた事がある。
浣腸液には多少の強壮剤や興奮剤も入っている上、ノズルそのものも不定期に振動して栓ごと菊輪を刺激するのだから、有り得ない話でもない。

ただ、翔子の場合はどうだろうか。宏尚はほくそ笑む。
彼女には、恨みを込めて容赦のない設定にしてある。
薬液の濃さは濃い目、量は初心者としてはかなり多い700ml、耐える時間は5分。
これは、グリセリンに慣れた浣腸中級者でもウンウンと唸るような内容だった。

「…………や、だっ…………まだ、入ってくるの……!? もう、くるしい、ったら…………!!」

本人は独り言のつもりだろう呻きが、宏尚の耳に届いた。
やがてダプンッという薬液タンクが閉まる音がし、表示が切り替わる。

『 シバラク オマチクダサイ ...About 5 minutes. 』

無機質なそのカナ表示に、息を呑む音が続いた。冗談でしょ、と消え入るように呟いている。
本当だぜ、と宏尚は心の中で答えた。


音だけでも、かなりの情報が手に入るものだ。
凄まじい腹鳴りの音、刻一刻と荒くなっていく呼吸音、喉をすり抜けるような甲高い呻き。
それらは全て、翔子の苦しみぶりを表す記号だった。

「はっ、はっ……何よ、これっ…………全然、抜け……な……い…………!!
 うんち、したいのに…………これのせいで、でな…………!!!」

翔子は必死に肛門栓をひり出そうとしているようだ。しかし、人間の腹圧如きで抜けるようには出来ていない。
宏尚はその焦りを愉しみながら、同時に翔子の荒い呼吸に聞き入っていた。
いつも他人を使うばかりで、自分自身が息を切らせることなどまるでなかった翔子。
宏尚は彼女に虐げられてはいたが、同時に他の男子と同じようにその色香に当てられてもいたため、
翔子が男と交わって喘ぐさまを夢想して自慰に耽る事も多かった。
その様々に夢想した答えが、いま彼の耳に流れ込んできている。
何も特別ではない。
見目は淫魔か何かかと思うほどに際立つ彼女も、排便を我慢する今の喘ぎは、他の女と変わらない。
へひっへひっという短い喘ぎも、ぐぅぅっという苦しげな呻きも。
しかしその生々しい“普通さ”は、返って強烈ないやらしさを伴って宏尚を昂ぶらせる。
後で録画映像を見れば、バスタオルさえ脱ぎ去った真裸な翔子が、生脚をうねらせながら浣腸に耐える姿があるのか。
そう考えると、いよいよはっきりと逸物の先がジーンズを盛り上げる。

宏尚は一息つき、パネルを操作した。
『キュウイン カイシ』と機械本体の表示が変わる。
五分経過にはまだ少し早いが、どのみち翔子には正確な時間など解らないだろう。
喘ぎ声も堪能したことだ、いい頃合で次に移ろう。宏尚はそう考えている。

「あ、あっ! す、吸われて、るっ……!! な、に、この感覚…………ッん、うんんんんっっ……!!!」

室内に響く翔子の声は、明らかに初々しい肛門性感が目覚め始めた時のものだ。
今までに何人も、アナルは経験がないが一応、と浣腸を受けた女性達が同じ反応を示した。
ガクガクと腰を揺らし、人にもよるが涎を垂らす。そうした反応を伴って。

「ああぁぁ…………っ!!!!」

吸引の後半、ノズルから液体以外のものが通る音がし始めた頃、翔子は喉を開いて声を上げる。
それは浣腸に好意的な感想を述べた娘達と、よく似通った兆候だった。



浣腸用ノズルが抜け、荒い息を吐くばかりの翔子をよそに、宏尚は再び電子パネルを操作する。

「……次は、そのデカイ乳を善くさせてやるよ」

宏尚の指先が動くと、機械のモニター表示も『 バスト マッサージ 』へと変化した。
胸への刺激の方法は、幾度も録画で見てきた為に手に取るように解る。
吸盤のついた電極を乳房の各部と胸板に取り付け、電気マッサージの要領で揉みほぐす。
計算されつくしたその刺激は、一流マッサージ師が行う施術と何ら遜色の無いものだ。

また、乳頭への刺激に限っては明確に人間のそれを超える。
肉眼では到底捉えられない、髪の毛の1/20の細さしかない端子が無数に乳頭に取り付き、乳腺へと入り込む。
その感覚は、受けた女性から『胸の中を直接揉まれているよう』だと評価されていた。
二日程度しか日を置かずにこの乳頭責めを五回受けた若妻は、出産経験がないにも拘らず折に触れて母乳が零れるようになり、夫から訝しがられたという。
続ければ母乳が出るほどの責めなのだから、当然女にとっては尋常でなく心地良いはずだ。
翔子もまた、臀部の下に突き出た突起へ腰を下ろしたまま、その極上の乳房責めに浸っているようだった。

「あ、あっ……ああ、はぁっ……あ、あっ……あぁっ…………」

素直な喘ぎ声が響き渡る。
浣腸の時の様な苦しみはなく、ただ純粋な心地よさばかりが読み取れた。
何者をも警戒せず、無邪気に喘ぐ声。
その喘ぎを聞く時、宏尚はふと機械内部の女性に愛らしさを感じる。
部屋を訪れた時にはどれほどツンと澄ましたキャリアウーマンでも、この瞬間には童女のような声を出す。

宏尚はしばし翔子の愛らしさに聞き入ったのち、再び電子パネルを手に取った。
『 バスト マッサージ 』の表示はそのままに、ひとつ下の行で番号を選択する。

『 ニョウドウ 垢トリ 』

新たなメッセージが緑モニターに現れ、一秒の後、機械の中から叫びが響いた。
両の太腿半ばに拘束用のベルトが巻かれたのだろう。そうして機械の力で大股を開かされる所がはじまりだ。

「や、な、何その棒……まさか、ニョウドウって、あの……まさか、え!?」

困惑しきった声が響く。その直後、うううぅ、と中々に悲痛な呻きが続いた。
尿道に極細のノズルが入り込んだのだろう。ノズルはカテーテルよりも細く、先端にはキシロカインゼリーも付いている。
痛みはそれほど無いだろうが、尿道に挿入を受けた瞬間は、まず十人いれば十人ともが声を上げた。
それだけ異様な感覚であるという事だろう。
若干の固さがあり、表面に凹凸もあるノズルは、そのまま尿道の中で前後に揺れるようにして刺激を始める。
女はみな必死に逃れようとするが、腿の拘束ベルトがあっては足を閉じることすら叶わない。
それでも反射的に身を捩ろうとし、女の太腿に深い筋が浮く瞬間は、何ともエロティックで宏尚のお気に入りだった。


尿道を扱きたてられている間は、女性の喘ぎ声というものはおおよそ似通っている。
ああ、ああ、と不安からか細く声を上げるのが大半だ。
ただ、翔子は違った。喘ぐ代わりによく喋った。

「何よこれ、そこ、おしっこの穴じゃない! やめてよっ、垂れ流しになっちゃう!!
 あ、敦美の言ってた通り、これ、すごい深くまで……来る…………。
 …………やだ、もぉ…………
 なんで、感じるの…………おしっこ漏れてるのに、何でそれが、いいの…………?」

どうやら翔子は、友人からここの尿道責めの心地よさをあらかじめ聞き及んでいたらしい。
その時の反応は目に浮かぶ。猫のようなサド気のある瞳で、やだ変態じゃないの、などとからかった事だろう。
それがまさか、自分も尿道で感じてしまうとは思わなかったに違いない。
無論、彼女とその友人が特別なのではない。
この尿道用のノズルは、女性の尿道の形を統計的に算出し、抜き差しに無理のないよう設計されていた。
幹の僅かな凹凸も絶妙に刺激を増す。
また、ごく小さい球であるノズルの先端部からは定期的に鎮痛剤が奥へ浴びせられ、痛みを和らげると共に擬似排尿を強いる。

何より尿道を抉る動きそのものも、最大限の快感を与えるよう計算し尽くされたものだ。
尿道の快感とは、狭い入り口を擦る動きと、尿道奥にある『陰核の根』への薄皮越しの刺激に集約される。
それを徹底的に教え込むようなストロークは、中毒性が高い。
この尿道責めを受けた女性の中には、もうそれまでのように陰核をこね回すだけでは到底満足できず、
尿道に深く綿棒を押し込んだまま、その末端を指でトントンと打ちながらではないとエクスタシーに至れなくなった女子大生もいる。

「……い、いい、良い、いいっ…………!! やだ、クリ……すごい勃っちゃっ、た…………」

翔子はいよいよ激しく喘ぎながら、自らの状態を実況した。
その言葉が、宏尚を次の行動に移らせる。

「へへ、覚悟しとけ。こっからはちと、地獄らしいぜ」

彼がパネルに入力した次の責め、それは『 クリトリス ブラッシング 』。ただしその文字表示は点滅している。
これは寸止めを示す表現だ。宏尚の口端が、歪に吊り上がった。


「ふむんぐううううっっっ!!!!」

機械内部から漏れる声は、多分なもどかしさを孕んでいた。
翔子の陰核はいま、ごく小さいながらも強力なマッサージ器の振動に晒されている。
さらにそのマッサージ器の周囲には、極上の筆先を思わせる繊毛が約700本も密集しており、
触れるか触れないかという絶妙な具合で陰核の表面を撫ぜてもいるだろう。
それらの責めは、尿道責めで性感を目覚めさせられた陰核をいよいよ固くしこり立たせ、打ち震えさせていく。
しかし、決して絶頂には至らしめない。

料理のフルコースで言えば、前菜の後にスープが供されるようなこの段階に於いて、
被験者の頭にはカチューシャ状の脳波測定器が取り付けられている。
その測定器は常に被験者の脳波を探り、絶頂に至る寸前の所で機械の動きを和らげる。
マッサージ器は全神経を集中させなければその振動が感じられないようになり、繊毛は風に揺らぐ程度の動きしかしない。
そうして性感の波が引きはじめた頃を見計らって、再び絶頂の際まで追い込むのだ。
幾度も幾度も、性感という雫を縁のギリギリまで満たされ、零れる寸前で放置され、また満たされ、放置される。
それは女の地獄と言えた。

「あ、くうっ……!? ……な、何で……焦らすのよぉ、バカっ! 
 あとほんの二秒くらいで、イけたのに……今イケてたら、すっごい気持ちよかったのに……。
 あ、ふあ、あっ…………な、何でいつまでも表面ばっかり、そんな、弱く…………」

焦らし始めから、何分が経っているだろうか。
翔子はおそらく無意味とは知りつつも、唯一の対話相手である機械へ向けて罵倒を繰り返していた。
これは強気な女性の殆どがそうだ。罵倒をもってマシンプログラムを服従させようとする。
しかし機械だけに、そのような情に訴えかけるやり方は聞き入れられない。
幾度も幾度も、幾度も幾度も高圧的に命じ、それを黙殺され、やがてはプライドが折れて涙声で哀願するに至る。
宏尚はその瞬間が堪らなく好きだった。
その歪んだ性癖の元となったのも、いま機械の中で焦らされている元いじめっ子が原因なのだ。

「うううう、ふぅうぅんうううううっっ!!!」

昂ぶらされているのか、焦らされているのか。機械から聴こえる翔子は、苦しげな呻きを漏らしている。
宏尚はそれを聞きながらパネルを操作し、機械のモニター表示を変えた。

『 頭部カバー カイホウ 』

その表示が出た瞬間、機械から息を呑む音が聞こえた。同時に、それまで繰り返されていた喘ぎがなくなる。
カバーが開き、宏尚に顔を見られる事が解ったのだろう。
宏尚はミネラルウォーターをガラスコップに注ぎ、それを片手にパネルを操作した。
マシン上部のカバーが観音開きに開放される。


「よう、汗掻いて喉が渇いてきたろ。水でも飲めよ」

宏尚は顔全体に下卑た笑みを浮かべながら、翔子に告げた。
翔子の顔は尋常でない汗に塗れている。機械内部も、甘いような酸いような、彼女の汗の匂いで蒸れ上がっていた。
何時間もその空間にいれば、やがて自分の汗の匂いが発情のスイッチになる事もあるというが、第三者には汗臭いばかりだ。
宏尚はわざと鼻をひくつかせてその臭気を吸い込みながら、機械内部に目線を落とす。

そこには、初めて目にする翔子の裸体があった。制服に包まれていない、バスローブすら羽織っていない、なまの裸だ。
宝石か何かのように肌が美しい。
見るからに張りがあり、くすみなどどこを探しても見当たらず、全体に薄桃色をしている。
たまにこの店を訪れる現役の女子高生以上に、その肌は若々しいように思えた。
さすがは世界を舞台にする東洋系スーパーモデルだ。

バストも、爽快なほどに大きい。
宏尚が手の平を目一杯に広げても、せいぜいその半分ほどしか掴むことができないだろう。確実にFはあると宏尚は見た。
また大きいばかりでなく、その乳房は充分すぎる張りを保ち、釣鐘型をしているのが壮観だった。
乳首の色も鮮やかな薄紅で、ヌード写真でも出そうものなら、何万の男が熱狂するだろう。
そして面白いのは、その素晴らしい乳房は今でもなお乳房責めを受けており、電極の刺激によって本当に人の手で揉まれるように動いている事だった。
先端の蕾にしても、見えこそしないが無数の端子を束ねるパイプが間近にあり、やはり責めを受けていると解る。
そして左の乳首には、驚くべきことに一筋の母乳が零れてもいた。
乳腺のうちの一つだけが異常に活性化させられたらしく、同じ箇所から純白の球が浮き、つうっ、つうっ、とバストラインに沿って伝っていく。
それは理屈など抜きにして、何とも心地よさそうな情景だった。

ただ惜しむらくは、その豊かすぎる乳肉が邪魔をして、翔子の下半身がよく見えない。
しかし太腿の半ばに拘束ベルトが巻かれている事と、その開かれた股の合間に複数の器具が蠢いている事は解る。
ウィウィ、サリサリと音を立てるのが陰核責め。独特の水音を立てているのが尿道責めだろう。

「最低ねモジャブタ、じろじろ見すぎ。いつまでも職権濫用してないで、さっさと水よこしなさいよ」

翔子は恨めしげな瞳で宏尚を睨む。彼がコップを口に近づけると、すぐにそれを飲み始めた。
水分が無ければ危険な状態であることは、彼女自身が一番理解しているのだろう。
白い喉が蠢き、水を嚥下していく。
コップが空になると、その顔はすっかり澄ましたものに戻っていた。
しかし、あくまでそれは強情を張っているだけだ。
よくよく見れば、時折り彼女の身体がぶるりと小さく震える。おそらくその震えは、陰核から上ってきているのだろう。

「感じてるのか?」
「…………別に。噂で聞いたより、随分とぬるいわ」

宏尚が問うと、必死に平静を装うのが面白い。


やがて翔子は、ふいに刺すような鋭い視線を宏尚に向ける。薄く開いた唇から息が漏れ、次いで下唇が噛みしめられた。

「いつまで、そうやって覗いてるつもり?もう満足でしょ」

かろうじてそう言い終えた後、艶やかな後ろ髪を機械内部のクッションへ沈み込ませ、顎を小刻みに震えさせる。
まず間違いなく、陰核を苛烈に責め嬲られて絶頂の際へ追い込まれている最中なのだろう。
いい加減にやせ我慢も限界といった様子だ。
宏尚はその様子を今しばらく愉しんだ後に、へいへい、と嘲るように扉を閉めた。
そして、一旦切っていた機械のマイクを再度入れる。その瞬間。

「…………ッあああぁぁあっ!!!つ、つらいっ、つらいぃっ!!い、イカせて、もぉイカせてよ!!
 クリがっ、た、勃ちすぎて痛い………あそこの奥が、ヒクヒクして止まんないの!!
 どうなれば、次に移るの? もう三十分ぐらい焦らしてばっかで、もう本当に…………!!!」

堰を切ったように、翔子の叫びが溢れる。
実際に小一時間ばかりも寸止めを続けられており、蔑んでいた男の前で意地を張った疲労も加わって、その声は哀願の色に染まっていた。

「……イカせて、イかせて!逝かせていかせて、逝かせて、いかせてっ!!!お願いイかせてよぉおおおおッッ!!!!!」

哀願が何度も繰り返される。宏尚は機械に寄り掛かってそれを耳にしながら、嗜虐の悦に入る。
そしてとうとうその叫びが声でなくなった頃、ようやくにして彼の手が動いた。

「へへへ、すげぇ金切り声。……なぁ安西 翔子ちゃんよ。今おまえ、マシンの中でどんな風になってんだろうなぁ。
 浣腸で軽く感じて、乳責めで気分出させられて、挙げ句に尿道責めでしこり勃ったクリトリスを三十分も嬲り抜かれたんだ。
 焦らされて焦らされて、焦らされて焦らされて。
 俺らが散々憧れたそのマンコも、もうグチョグチョになってんだろう。
 子宮口もふっくらほぐれて、下りてきてるんだよなぁ、このコースだと皆そうなるからよ。
 ……さって、んじゃあ本番だ。
 おまえも所詮、そこらを歩いてる平凡な女と何も変わらない、メスだって事を教えてやる」

宏尚の指が荒々しく電子パネルの表面をなぞり、設定を入力する。
『 シセイ:チョクリツ / ディルドウサイズ:XL(カリ ゴクブト) / ストローク:サイダイ / バイブレーション:MAX / シンジュ:オオツブ 14コ /
サドウジカン セイゲン: -  』
思いつく限り、最大限に凶悪な設定を仕込む。今までのどの客にも、ここまで酷い設定にはしたことが無い。

「…………さぁ、地獄のはじまりだ」

そして宏尚の親指は、開始ボタンを力強く押し込んだ。


「くああああああっ、ッあああああぁああっ、ああは……ああああああっっ!!!!」

絶叫が響き渡っていた。
普段翔子が出す声よりも一オクターブは高い声が、間断なく響き渡っている。
さらにはクッションがギシギシと軋む音や、水気のあるものを攪拌する音もはっきりと聴き取れる。

「すごい、凄っ、凄ひいぃっっ!!! こ、こんな太いの、骨盤が……壊れ……ちゃ……う!!!
 抜けるだけで……っ真珠も、くっ……擦れて、奥っ……子宮、潰され…………っ!!!」

翔子は、その常に強気な気質からすれば意外な事だが、自分の痴情を自ら実況して悦に入るタイプなのだろうか。
彼女はその身に受ける快感を、声色の全てで表していた。
もっとも、この店にくるような女は、まず間違いなく並以上の被虐欲を持っている。翔子とて同種だ。
ここに来る客達がアンケートで述べた、『自分にとって最も恥ずかしいこと』は、彼女にもそのまま当て嵌まるに違いない。
宏尚はそう確信を得ながら、凶悪な点滅を繰り返す電子パネルを手に取った。
一度表示された文字より、さらにアブノーマルな位置に配置されたボタンを押す。

『 頭部 オヨビ マシン前面カバー カイホウ 』

そのメッセージが表示されると同時に、マシン前面部に緑色の光が走る。
そしてその光の縁から割れるようにして、厚いプレートは左右へと移動を始めた。
LEDが淡く輝く機械内部の様子が、徐々に露わになっていく。
前面カバーが開ききるのに要する時間は五秒。中にいる人間が、晒される覚悟を決めるのに充分な時間だ。
カバーが開ききり、満を持して宏尚が中を覗くと、翔子もやはり『平然を装う』準備を終えていた。

改めて、凄まじい格好で拘束されている、と宏尚は驚く。
直立姿勢であるその拘束形態には、腰を掛けられる座部は存在しない。
両腋を晒す格好で上部拘束具に手首を固定され、宙吊りに近い格好で急角度の板に背を預ける。
脚は腿の半ばに依然として拘束ベルトが巻かれ、下半身の動きを著しく制限していた。
容赦がないことには、足の裏にさえ足場のようなものはなく、踏ん張りが利かないために機械の突き込みを直に膣奥で味わう事となる。
この姿勢は、上級者向けと言うべき最も過酷なものだ。

さらに膣へ入り込んでいるディルドウそのものも、極悪な逸品だった。
人間のペニスをリアルに再現した、しかし悪夢のような大きさだ。
ストローク幅を最大としているため、突く際には長大な本体がほぼ全て膣内に隠れ、抜かれる際には“雁首”までが露わになる。
その“雁首”の太さたるや、500ml入りのペットボトルと大差がない。
およそ日本人に使用するべきものではなく、ハードプレイに慣れた欧米女性用のジョーク的なサイズだ。
幹の方となると凶悪な直径がやや細まるとはいえ、こちらはこちらで大粒の真珠がそこここに突起を作っている。
コマシを生業とするヤクザでも、ここまで真珠を埋め込むことは物理的に不可能だろう。
そして彼らヤクザが女を虜とする目的で真珠を入れる事からも明白なように、この突起というものは多いほど刺激が凄まじい。
挙句には機械の特権とばかりに、容赦のないバイブレーションまで加わっている始末だ。

突き込みそのものも実に女泣かせで、いわゆる『九浅一深、右三左三』を基本にしながらも、けして慣れないよう不規則にタイミングを変えている。
すなわち、鋭く突き込んでからあえて時間をかけて引き抜いたり、その逆をしたり、
ド、ド、ドと立て続けに三度奥を貫いたり、一番の奥を貫いたままでグリグリとさらに押し付けるようにしたりする。
そうやって蕩けた膣奥を無慈悲に責め立てるのだ。
さらにこれらの運動は、測定した女の脳波に基づいて最適なものを選択しているため、受ける女側としては堪らない。


翔子も例外ではなく、間違いなくその責め立てで感じ入っている筈だった。
実際、機械が密閉されていた間の彼女はマイクを通じ、その狂おしいほどの快感を訴えていた。
しかし、カバーの開いた今は違う。
ここが翔子という女の意地のあるところで、宏尚の視線の先で何食わぬ顔を保っている。
無論、頬は赤らんでいるし、発汗もかなりのものだ。
しかしそうした物理的にどうしようもない部分を除けば、彼女はまるで春風が吹きぬけるかのような顔をしている。
唇をかるく開き、視線を横に流して。

「へーぇ、さすがは高校の女ボス。頑張ってるじゃんか」

宏尚が皮肉めいて声を掛けても、視線を動かしすらしない。
まるで何も耳に入っていないかのように、クォーター特有の美しすぎる横顔を晒している。
ただ、宏尚にとっては彼女が反応をしようがしまいが、どちらでもいい事だった。
彼はすでに、薪を並べたところへ着火剤と火種を放り込んだ状態にある。
燃え上がる未来が確定している以上、ただ眺めるだけでいい。

まずは翔子の赤裸々な居姿を愉しむ事にする。
今や世界に誇る日本人スーパーモデルである彼女が、生まれたままの姿で拘束されている。
そもそも、それ自体が特筆に価した。
改めてその姿を眺めれば、日本人離れしたスタイルをしているものだ。腰の高さが、街を往くどの女性ともまるで違う。
汗の流れる桜色の肌艶は、いよいよ目を奪うばかりに輝かしい。

そして、視界に飛び込んでくるのはやはりその豊満なバストだ。
今は乳責めの器具がすべて取り去られているものの、開発の爪痕は依然として残っている。
乳首は見えない管に詰められたかのように、痛々しいばかりにしこり勃っている。
左の乳房にはやはり母乳の零れた跡が残っており、乳房を下って脇腹の方にまで白い飛沫を貼りつかせていた。

豊かな双乳から視線を下げれば、よく引き締まったセクシーな腹部がある。
さらに、水着撮影に備えてか几帳面に切り揃えられた茂みがあり、そこから続く形で問題の秘裂があった。
澄ました様を装い続ける顔とは違い、そこは正直なものだ。
性感のあまりか、陰唇が赤く膨らんで厚ぼったい唇のようになっている。
その唇を目一杯に押しひらく形でディルドウが出入りしているのだが、それに合わせて秘裂の奥からは夥しい蜜が溢れていた。
蜜は内腿を濡れ光らせ、彼女の爪先の下をぬるぬると濡れ光らせている。
水溜りともいうべき分泌量から見て、つい数分前に漏れ始めたという訳でもないだろう。
それは翔子の偽らざる『現状』だった。


翔子は視線を横に逸らし、唇を引き締めて、あくまで平常を装おうとしている。
宏尚はそれがどうにも可笑しく、彼女の恥じらいの場所に顔を近づけた。
茂みの毛先が鼻に当たるほどの距離。
機械の駆動に伴う若干の焦げ臭さに混じり、予想よりかなり濃厚な女の匂いが漂ってくる。
客が使用した後のマシンを清掃する時、いつも嗅ぐ匂いだ。
しかし、それがあの翔子のものだと思えば、嗅ぎ慣れた匂いもまるで違って思える。

ディルドウの動きが控えめになった瞬間を狙い、宏尚は秘裂に向かって舌を伸ばした。
ちろり、と愛液を舐め取る。
同級生の一体どれだけが、安西 翔子のこの液体を口に含む妄想に耽ったのだろう。
気のせいか甘く思えるそれを、宏尚はわざとらしく喉を鳴らして嚥下する。
視界の上方で、一瞬だけ翔子がぎょっとしたように目を見開くのが見えた。
その後の顔は、相当に憤慨している様子だ。
彼女からすれば、『モジャブタ』などと蔑称で呼んでいた冴えない男に愛蜜を舐め取られるなど、受け入れがたい屈辱だろう。
高校時代、学年でも一・二を争うような人気の男子でさえ、翔子とは浅いキスをするのが関の山であったのだから。

宏尚はそれに言いようもない優越感を覚えつつ、秘部へくまなく視線を這わせる。
散々にマッサージ器と繊毛に責め立てられた陰核は、小豆のように赤く膨らみ、ほぼ完全にフードを捲り上げていた。
剥き出しで敏感さの極みのようになっており、事実ふぅっと息を吹きかけるだけで、面白いほどに視界横の内腿が筋張る。
宏尚は嗜虐心を煽られ、ふぅっ、ふぅっ、と息を吹き続けた。
翔子の声こそ漏れなかったが、脚線はその吹きかけにしっかりと呼応して強張り、着実に追い詰めている自覚を宏尚にもたらした。

「……にしてもお前、ホントに強情なのな。今日の性感コース設定したの俺だから、解ってるんだぜ。
 焦らしに焦らされまくったせいで、もう子宮が蕩けきって下りてきてるんだろ?
 そこをこんな極太でゴリゴリやられちゃ、堪ったもんじゃねえよなぁ。愛液すっごいぜ、小便みたいに垂れ流しだ」

宏尚は感心した風を装いつつ、言葉で現状を再認識させる。
本人も無意識下で理解している事を、言葉にすることで認めさせるのは言葉責めの基本だ。
心理学を学んだ訳ではない。宏尚自身が、惨めな高校時代、翔子の言葉でその哀れすぎる身の上を自覚させられたからだ。
今度はそれを、逆の立場で味わわせる。
一歩下がり、引いたところから蔑みの視線で相手を観察するのも、かつての翔子の真似だ。
翔子はそれをされても、いつかの宏尚のように負け犬の視線を向けたりはしない。あくまでどこ吹く風の態度を取る。

しかしながら彼女は、着実に、着実に、追い詰められている。
鋼のような世界レベルのプライドも、生物の持つ根源的欲求には叶わない。
彼女の身体中を巡っている電流のような快楽は、プライドを刻一刻と削り取っていく。


変化は、翔子の顎がわずかに持ち上がるところから現れた。
宏尚が見守る中、顎を浮かせた翔子は、次に引き締めていた口元を緩める。
呼吸は相当に苦しげなものになっていた。
息を吐くたびに小さく唇が震え、聞き取れないような小声を漏らしている。

「…………っく…………い、……ぃ…………っッ!!!」

その小さな声が漏れた事が、ダムの亀裂だった。
翔子の素晴らしい身体は、そのあちこちが電流を浴びたようにか細く震えた。
顎は徐々に徐々に上向いていき、奥歯が噛みしめられ、やがては目尻から一筋涙が零れる。
悪しくもその瞬間、長大なディルドウが殊更に容赦のない突き込みを繰り出した。

「……んぁああっ!!!!」

はっきりと聴こえるようなその叫びを上げ、その口の形のままに翔子は喘ぐ。
足指は内側に折れ曲がり、明らかに我慢は限界だった。
スレンダーな身体全体が、おこりに掛かったようにガクガクと激しく痙攣する。

「……っくいくいくいぐっ、んんん゛ん゛いぐううう゛う゛っっ!!!!!!」

ついに、翔子は大口を開けて絶頂を宣言した。泣き顔は童女のようだった。
絶頂に達したのは、今の今というわけでもあるまい。
彼女は、およそ今までこのマシンに乗り込んだ女性の中でも指折り数えられるほどの忍耐強さをもって、絶頂に耐え続けていたのだ。
その無理が、あふれ出した。ゆえに止まらない。
そこからの翔子は、憐れなものだった。

「いくぅぅうう、あああいぐう゛っ!!!みないでっ、み゛るな゛ぁ゛っ!!!!
 モジャブタァ゛、アンタ何ざまの……くぅっ、またいじめ゛て、ほじ……の、ぉ……んぉお゛お゛っ!!!
 やだ、やだ、やァ゛、ふか……い゛っ……!!いぐの、どまんな…………ンんん゛ぁああアアあおお゛お゛っっ!!!!」

かつて虐げていた者の前で乱れまいとする抵抗も、内から溢れる快感の津波に押し流される。
必死に身を捩って逃れようとするも、手首と腿の拘束具が冷酷にそれを阻む。
いくら抵抗すれど乳房が揺れ動くのみだ。
ディルドウが生々しい湿りの音を立てながら抽迭を繰り返している。
幾度も幾度も、幾度も幾度も穿たれる秘裂からは、感極まったような潮吹きが見られていた。
しかしそれを恥じるような余裕はもはや翔子にはない。
彼女は宏尚にその白い喉を晒し、身体中を仰け反らせるようにして快感に溺れていた。

「ほぉおおお゛お゛っ、あああう、あ゛ッ、くうう゛んおおおぉぉお゛お゛っっ!!!!
 おお゛お゛っ、おお゛っ、くぅぅうううおほおおおぉお゛お゛お゛っっっ!!!!!!!」

喘ぎの質もそれまでとまるで変わっている。
これまでに聞いたこともなく、想像とも全く違うほどに低い声。そして、快感の凝縮された声。
喉を絞りつぶすようなその喘ぎを聞き、宏尚は少々焦らしやディルドウ選択に容赦が無さすぎたようだと理解する。
しかし、止める気はない。

彼は瞬きも忘れ、元いじめっ子の変わりゆく姿を見守っていた。
酸欠から顔が赤らみ、目が充血し、涙が溢れるさまを。
下半身を初めとする運動筋肉が、びくんびくんと見たこともない痙攣をするさまを。
失禁するさまを。
口の端から、泡の含まれた涎が垂れ流れていくさまを。
瞳孔が開き、やがてぐるりと白目を剥くさまを。


やがて嬌声さえも上がらなくなり、翔子がただディルドウに突き揺られるだけの柔肉として完成した時、
ようやくにして宏尚はマシンを停止させた。
しかし、それでもなお彼の嗜虐心は止まらない。
拘束具を外し、桜色の裸体をソファに寝かせた時、宏尚の性欲はいよいよ燃え上がる。

「……へへ、今でも……夢みたいだ。アンタで、童貞喪失なんて」

彼は震える手つきでジーンズのチャックを下げ、下着もろともに脱ぎ捨てる。
そして膝立ちになり、痛いほどに勃起して先走りを滲ませた逸物を翔子の脚の間へと近づけた。
太腿を割る。奇跡のようにすべらかで、吸い付くような腿の感触に胸が高鳴る。
世界的な美脚の合間に自分がいることが、にわかには信じられない。

ずぐり、と突き入れた。
今の今までペットボトル並みの剛直で開発されていたせいか、締め付けなどほとんどない。
ただ緩々と膣の壁が逸物の表面に当たる感触と、モデル体型に挿入しているという視覚的満足がある程度だ。
ゆえに、宏尚は子宮口を突く事に専念した。
翔子の子宮はすっかりほぐれて降りてきており、平均的な宏尚の性器でも十二分に奥を突ける。
その入り口は、内臓そのものと思えるような独特の弾力を有しながらも、極めて柔らかい。
ゴツゴツと当たるようなものではなく、亀頭で押し込めば沈み込むほどに蕩けきっている。
それが気持ちいい。
宏尚は折れそうに細い翔子の腰を掴み、欲望のままに硬い滾りを打ち付けた。
やがて、あ、あ、あっと声を上げながら翔子が意識を取り戻す。

「や、ちょっと!やだ、やだやだやだ、挿れないでっ!!やぁっ、モジャブタになんか、や、嫌、嫌あっ!!!」

翔子は悲鳴を上げて逃れようとするが、散々に責め抜かれて腰も立たない。
弱弱しく美脚を蠢かし、自らの愛液で足裏を滑らせるばかりだ。
宏尚は何も構わず、欲望の限りを打ち込み続ける。そうなると、今でも燻りが消えていない身体だ、翔子の様子も変わる。
下唇を噛みしめ、腰を細かに痙攣させ。

「あ、あ、あぁ゛っ!!や、あ、こん……な……うそ、モジャブタ何かに……また、いっ、イガされ…………っっ!!!!」

言い終わりもしないうちに、翔子はぽかりと口を開いて絶頂の顔を晒す。
間近の正面で見るその顔は異様なほどに愛らしく、宏尚は時に豊かな乳房を揉みしだきながら、容赦なく責め続けた。
ドッドッドッドッという執念塗れの打ち込みが、四十回以上は続いた頃だろうか。
宏尚は、子宮口を突く逸物の先が、時折り何かに嵌りこむような感覚を覚え始めた。
はじめは子宮に沿ってできた窪みかとも思ったが、それよりはかなり狭く、輪ゴムで締め付けるかのようだ。
何だろうと宏尚が思っていると、翔子の方から答えが示された。


「ああ゛、あ゛……やだ、ぁ……!!は、嵌ってる、子宮口にっ、は、嵌ってるっっ…………!!!」

受ける側の翔子には、さすがにすぐ解ったのだろう。
彼女は眉をへの字に曲げ、唇を歪めて、まるで心臓を鷲掴みにされたかのように竦みきっていた。
そうなれば、宏尚の嗜虐心はますます燃え上がる。
全身に水を浴びたような汗まみれになり、運動不足が祟った荒い呼吸をしている彼だが、いよいよ力強く腰を打ちつけ始める。

「あああぁっ、いやああああ゛ぁ゛っっ!!!」

翔子の腰が跳ね回った。
何しろ子宮口に面白いように亀頭が嵌まり込むのだ。出産経験もない翔子には、絶望的な感覚だろう。
しかし彼女にとって本当に絶望的なのは、それによって彼女がまた絶頂の無間地獄に陥っていくことだ。

「いやよっ、こんな、の……あ、ああぁイグぅうっっっ!!ぬいでよっ、ぜめて、やずばぜで……っ!!
 ぜ、ぜったいぃ、くぁう!!……だ……めえッ!!!あ、あああ゛、ぁあああああっっ!!!!
 くる、来る、まだ、きちゃ……うぅ、ふうう゛、ッくああいぐううう゛っっ!!!!
 モ、モジャブ……あ、あ、えっと………ひ、ひろ、…………ひろ、なお!!
 止ばって…………ぜんぜんいぎ、できないがらっ…………!!
 いじめてたのも、あやまる、あやまるから、アア゛あっ、あやまらせて!!!!
 頭のおくが、ね、ずっと……いだいの……ぼやけてるの、いぎずぎて…………っ!!!
 ん、んん、んん゛ん゛っ!!あ、あ゛あ゛っ、はぁああ゛ああ、いぐいぐぎいんぐううぅう゛うう゛う゛う゛っっ!!!」

翔子の凄まじい呻きが響く。
宏尚は欲望のままに任せ、彼女を様々な体位で犯し抜いた。
初めてのセックスにして、夢にまで見た圧倒的加虐者への征服。腰は止まらない。
腰から折り曲げるようにして、脚を畳み込む格好でのセックス。犬のように四つに這わせてのセックス。
さんざん極太のディルドウでかき回されたせいか、あるいは子宮口に嵌めているせいか。
翔子との接合部からは、いつしか放屁のような音さえ水音に混じりはじめ、事の異常さを際立てる。
翔子はその羞恥さえも興奮の材料にして、艶やかな黒髪を相手に絡めながら蹂躙に狂い続けていた。



 ※

やがて、『ドリーミィ・カプセル』の利用時間は終わりの時を迎える。
宏尚の裁量で、特別に長い時間設定としたが、それも永遠には続かない。

シャワーを浴び、来た時と同じ服に身を包んだ翔子は、一見するとまた不可侵の存在に立ち戻ったかのようだ。
その姿に若干の気後れを覚えた宏尚は、今さらに震えながら口を開く。

「……ま、また来いよ。あんだけ快楽の虜にされたんだ、堪らないだろう。
 嫌だって言っても、こっちはお前の弱みをたっぷりと握ってるんだぞ、解ってるよな!」

そう凄みながらも、宏尚は余裕がない。
訴えられれば終わりだろうし、それ以上にこの極上の獲物を逃すのは惜しいという思いが、焦りしか生まない。
しかし、それらの考えは杞憂だったようだ。
翔子は初めと同じように、ギラリと光る猫のような瞳で宏尚を睨んだ後、不意に下を向く。
そして、小さく唇を動かした。


「…………言われなくても………………また来るわよ」


聴こえるのが奇跡というほどの小さな声。しかし、彼女は確かにそう言った。
宏尚はそれに唖然としながら、背を向ける極上のカラダを見送った。
呆けている。
ただ、頭のどこかでは冷静に考えてもいた。

『ドリーミィ・カプセル』を、さらに強烈にしておこう。期限は、次に彼女が来るまでだ……と。




                         終わり
続きを読む

オシミリ様

※若干の排便要素あり、スカトロとしてはキツくないつもり。


「……本当はもう、あんな事……したくないの」

友人の潮樋 蘭(うしおひ らん)がそう零すのを、春川 映里(はるかわ えり)は神妙な面持ちで聞いていた。
蘭は、通う高校の中でも令嬢として名の通った存在だ。
手入れの行き届いた長い黒髪といい、甘えがなく知性的な語り口調といい、洗練された物腰といい。
事情を知らない人間が見ても、まず育ちのよさを疑う事はないだろう。
事実、彼女の生家である潮樋の家は、元禄の時代から続く名家として知られる。
都会から越してきて日の浅い映里にとって、蘭のような古風な令嬢はひどく物珍しかった。

潮樋の家が名家たる所以は、ただ資産や権力を持っているというだけではない。
潮樋の一族は古くから、『オシミリ様』と呼ばれる土着神を鎮める役目を負ってきた。
この文明の世に、何とも時代錯誤な。
映里は初めこそそう思ったものだが、現実にこの一帯の人間が代々その逸話を固く信じている以上、次第に笑い飛ばす事も出来なくなる。

その潮樋一族宗家の娘ゆえだろうか。潮樋 蘭には初め、およそ対等な友人と呼べる人間がいなかった。
上級生や教師を含む誰もが蘭を特別扱いし、距離を取る。
その中でただ一つの例外となったのが、好奇心旺盛な転校生の映里という訳だ。

映里は、まさに好奇心の塊のような少女だった。
その人格形成には、実兄が敏腕ジャーナリストである事が多大に関係しているだろう。
両親を何者かに惨殺されて以来、映里の兄は報道規制を敷かれたその事件を独自に追い続けた。
やがて“大物政治家の息子が主犯格”という真相を暴き出してからも、まだ世にはグレーゾーンに覆われた事件が多いと見て、
フリージャーナリストとしての活動を続けている。
映里からすれば、両親の無念を晴らしたこの兄こそはまさに正義のヒーローだ。
六つ離れた彼が実質的な育ての親である事もあり、彼の哲学はそのまま映里の中に息づいている。
今や映里は、青い春を謳歌する女子高生でありながら、一方で確固たるジャーナリズムを秘めた一人の記者でもあった。

兄が題材として選んだ潮樋家の跡取り娘、蘭と親交を深めたのも、ネタに迫ろうという下心が無かったといえば嘘になる。
しかし蘭から胸の内を明かされるにつれ、次第に映里から下心というものは消えていった。
純粋に映里が哀れになってきたのだ。


土着神である『オシミリ様』を鎮めるのが潮樋の家に生まれた女の宿命。
恐らく蘭を持て囃す同級生達は、その鎮めの儀式が祈祷や祭事であると考えている事だろう。
しかし蘭本人から映里に告げられた内容は、耳を疑うようなものだった。

土着神は多くの場合、地元の人間に人身御供を要求するが、この地の場合もそれは例外ではない。
一族の跡取り娘が『オシミリ様』に身を捧げる事。それが人身御供に相当した。
身を捧げるとはいえ、取って喰われる事はない。
実際に土着神へ捧げるのは、穢れを知らない生娘の後孔だ。
『オシミリ様』は古くは肥やしの神ともされており、女の膣よりも排泄の孔を好む。
そして仮にも神に捧げる存在であれば、その娘は操を守る清い身であらねばならない。

身を捧げる儀式は『奉筒』と呼ばれ、夜風の生ぬるくなる初夏に執り行われる。
生贄の役を担う蘭は、それに先立つこと三週間の時点で早めの夏季休暇に入るのが常だった。
そしてその期間に、一族の者の手で後孔を開発され、『オシミリ様』を迎える準備を整えるのだ。
まだ精神的に熟しきっていない少女が、親類縁者によって尻穴を開発され、挙句そこを土着神という名の異形の者に捧げる。
同じ女子高生として、映里はその話に肌を粟立たせた。
しかも蘭の語るところによれば、その儀式は彼女が捧げ物としての資格を得た十三の時から、すでに四度も行われているという。
高校二年である今で五年目、また地獄の季節が巡ってきたという訳だ。

「……もうあんな事、したくない」

蘭はいつもの凛とした態度からは考えられないほど、肩を縮こまらせて繰り返した。

「…………蘭…………」

映里は居たたまれなくなり、友の名を呼びながらその肩を抱く。
すると蘭は力なく微笑みながら、映里の手を撫でた。

「でも、仕方ないんだ。私がやらなきゃいけない事だし。私が命を受けた世界は、こういう場所だから。
 変な話しちゃってごめん。綺麗に忘れて、また休み明けに遊んでくれると嬉しいな」

それだけを告げ、蘭は普段の彼女に戻る。
きりりと吊り上がった瞳を光らせ、唇を引き締め、男女を問わず憧れの視線を向けられる彼女に。
今年も必ず、役目を全うします。
一日の終了後、彼女は教員と級友達の前でそう宣言した。誰もがそれを賞賛した。
映里以外の、誰もが。

 (なに、諦めて受け入れてんのよ。なに、当たり前みたいに応援してんのよ。
   …………おかしいじゃない、こんなの…………!)

映里は一人だけ拍手せず、手の平を握り締めて俯く。
彼女の記者精神は、いつにも増して燃え上がっていた。
こんな仕来たりは、自分がやめさせてやる。自分が真相を世間に公表して、世の常識で正してやる。
映里はそう心に決め、その日のうちに支度を整えた。
蘭の実家、潮樋の家に潜り込む支度を。


映里が潮樋の家に着いたのは、日もすっかり暮れた頃だった。
およそ車の入り込めないような獣道をいくつも越え、畦道を渡った。
あの静々とした蘭が実家へ帰るのにこのような道を使うとは思えないため、恐らくは道を間違えたのだろう。
しかしながら、何とか辿り着く事はできる。
小高い山の上から見下ろすとすぐ、明らかにそれと解る屋敷構えが視界に入ったからだ。

「すみません、道に迷っちゃって……」

不審げな視線をくれる門番に、映里は努めて軽薄な娘を装って近づいた。
多少頭の弱そうな娘の方が警戒されにくい事を、彼女は今までの経験から知っている。
無論、映里自身の並とは言いがたい見目も含めて、だ。

艶やかな光輪の被さる黒髪をセミロングに切り揃え、横髪を肩に触れさせつつ、後ろに軽く結わえている。
格好は夏物の制服だ。
ほとんどノースリーブに近いブラウスは、薄紫のブラジャーが半ば透けて見えるほどの厚さしかない。
第一ボタンをはだけさせた首元からは、艶やかな女子特有の肌と、健康的な鎖骨が覗く。
さらにブラウスだけならばややだらしなく映る印象を、引っ掛けた付属の赤ネクタイが絶妙に引き締めてもいる。
制服の下はといえば、濃紺と水色のチェック柄スカートだ。
この辺りでは滅多に見かけないような膝上丈に短く織り込まれており、都会育ちらしい垢抜けた面を見せる。
一方で靴下はぴちりとした紺のハイカットソックスと、黒光りする革靴という真面目な風だ。

年頃らしく遊び心を取り入れながらも、根は真面目な女子高生。
それを見事に計算しつくした格好といえる。
付け加えれば、スカートとソックスに挟まれた脚線の肉付きも絶妙だった。少女の脚でもなく、熟しきってもいない。
さらに顔はといえば、くるくると動く好奇心の強そうなどんぐり眼が一番に印象に残り、細く理知的な眉と人懐こい唇がそれに続く。
その顔を見て不快感を感じる男性など、まず居ないだろう。彼女の実兄はよくそう評した。

「そ、そうか、迷ったか。まァこの辺りは解りづらいし、のう?」
「あ、ああ。もう夜も更けてきた、特別に今晩は泊まっていくとえぇ」

都会娘に馴染みのない門番達は、垢抜けた映里を露骨に眺め回しながら生唾を呑み込む。

「ありがとう、おじさん!」

映里はあどけない様子で謝辞を述べながら、内心で舌を出していた。
これまで兄に協力する形で何十度と取材を行ってきたが、こと男相手で無碍に断られた験しがない。
名家とはいえ所詮は血の通った人間の集まり、ちょろいもんね……と、この時の映里はそう思っていた。


屋敷の広間には、すでにかなりの人間が集まっていた。
あからさまに何かの儀式があると思しき、紋付袴を身に着けた男性が多く見受けられる。
全員が同じ紋を背負っている事からして、潮樋の親類筋の人間である事は明らかだ。

「すまねぇ皆、ちょっと道に迷ったってぇ娘っこが居てよ、一晩だけ空いた部屋を貸してやんねぇか」

門番をしていた男が、映里を連れて一同に声を掛ける。
心なしか声が震えている事からして、あまり歓迎される行為ではないらしい。
男達が一斉に振り返る。

「馬ッ鹿野郎てめぇ、今日からはもう『あの儀式』の準備に入ってんぞ、何余所者入れてやがんだ!!」
「そうじゃ、何のためにお前に門さ見張らせてたと思うとる!オシミリ様の祟りがあるやもしれんぞ!!」

そう怒鳴って門番を竦みあがらせる男達。
その姿の向こうに、ふと祈祷衣のようなものを纏った蘭の姿が覗いた。映里と目が合う。

「えっ!?」

蘭は不意に現れた友人の姿に驚きを隠せない。すぐに表情を戻しはしたが、男達の数人はそれを見咎めた。

「なんじゃ、蘭。…………ま、まさか、あの娘……ぬしゃの知り合いか!」
「そういえばあの制服、蘭が今通っとる高校のもんじゃぞ!!」

男達の剣幕が一層凄まじくなる。どうやら、敷地に立ち入った娘が蘭の知り合いでは余計に不味いらしい。
ここへ来て、さすがに映里の背中にも冷たい汗が流れ始める。空気が、ひび割れそうに冷たい。

「……いいえ、知らないわ。ただこんな時間に同じ学校の女の子が来るなんて、珍しかっただけよ。
 でもあまり、ここに居ては良くないわよね、誰かすぐ車で…………」

蘭は感情を抑えながら淡々とそう告げ、場を収めようとする。
しかしそれで鎮火しはじめた空気に、再び火種を放り込む人間がいた。


「 嘘ばっかり 」

そう言葉を発した人物を見て、蘭と映里の表情が青く変わる。
ちょうど支度部屋から姿を現したばかりのそのおかっぱ少女は、映里達と同じ高校の制服を着ていた。
襟元のバッチを見る限り、学年は一つ下になるらしい。
彼女は母親と思しき女性の横に立ったまま、映里の方を指差した。

「その女、蘭の知り合いだよ。都会から越してきた子って、ちょっと有名だもん。
 しかもあたしコッソリ聞いたんだぁ。この女、蘭を通じて色々この家のこと嗅ぎ回ってたよ。
 『奉筒』の事まで知っちゃってるみたい」

その言葉で、畳敷きの和室がにわかに狂乱状態になった。
大の男の嘆く声や怒号のようなものが入り混じり、映里を竦みあがらせる。
救いを求めて蘭を見やると、いつも毅然としている彼女さえもが真っ青な表情で下を向いていた。
同年代でも図抜けて分別のある彼女がそういう表情をしている以上、状況は絶望的と考えて間違いない。

「…………娘。おめ、男を知ってるか」

血管を浮かせたまま凝固したような顔で、男の一人が映里に詰め寄る。
処女かどうかを尋ねているのだろう。
映里は慌てて首を振った。これは事実だ。効率の面から色気を武器にする事はあっても、実際に『した』事はない。
その答えを聞き、男は小さく息を吐いた。安堵に近いものだ。

「そか、まだ助かったな。もし誰かに操ォ捧げた後の身体なら、殺して贄さするしかながった所だ。
 生娘なら、まだ“前菜”としてオシミリ様にお奉げする事もでぎる。
 紫絵、珠代。この娘、『奉筒』までに蘭と同じように仕上げろ」

男は先ほどの少女とその母親らしき人物に向かって告げた。
母親の珠代は恭しく頭を下げ、娘の紫絵は蔑むような視線で蘭を見下ろしている。
少なくとも蘭を疎んじていることは間違いなかった。

「……蘭、お前はお清めやら始める前に折檻じゃ。腰縄だけ着けて、座敷牢で待っとれ」

男の言葉で、宗家の娘である筈の蘭は両腋を掴まれ、無理矢理に引き立てられる。
いよいよ事の重大さが骨身に染み始めた映里は、しかし広い屋敷の只中でどうする事もできなかった。
紫絵が畳を軋ませながら近づく。

「蘭なんかと関わり合いになったせいで、酷い目に遭っちゃうね。
 お尻の中ぐちゃぐちゃにしてあげるから、身を以って取材してね、映里センパイ」

どこまでの情報を握っているのか。その意地の悪そうなおかっぱ娘は、舐めるようにそう囁いた。




映里には、まず『清め』の儀式が行われる事になった。
下剤入りの白湯を大盃一杯分飲み干し、臭みがなくなるまで体内の穢れを排出するのだという。
いかに『オシミリ様』が元は肥やしの神とはいえ、その神を受け入れる器が穢れていては失礼に当たるとの考えだ。
そうして体内を綺麗にしてから儀式当日までは、消化が良くほとんど排泄物にならない薬粥を、一日六回、少量ずつ摂るに留まる。

映里は公衆の面前でスカートを脱ぎ去り、ショーツを脚から引き抜いた。
紋付袴姿の男達は神妙な面持ちをしているが、その瞳が食い入るように生肌をなぞっているのが、映里には感じ取れた。
よく知りもしない、友人の親戚達になまの下半身を晒し、さらにはその前で下剤を服用しなければならない。
部屋の隅に檜造りの桶が詰まれた事からして、その中に“しろ”と言われる事も予想できる。
その羞恥は映里の頭を焦がすかのようだった。
しかし、映里には並の女子高生にはない意地がある。
彼女に息づくジャーナリズムは、この極限の状況下でもその瞳をはっきりと開かせ、眉を引き上げ、現実を直視させた。

目の前に差し出された、漆塗りの1尺3寸の大盃を受け取り、映里は喉を鳴らす。
満たされた液体は澄んだ色をしているが、その中には嫌がらせのような下剤が入っているのだろう。

 (…………でも、蘭だって毎年これを!)

映里は目元を引き締め、掴んだ盃を傾けて飲み下し始める。
んぐっ、ぐっと音がすると共に、白い喉が何度も蠢き、男達の瞳がぎらつく。
盃の中身は、当然というべきか口の端から次々に零れ、只でさえ薄い夏服を透かせて少女の肌色を晒した。
肩は華奢で、腰は細く、しかし二つの乳房は膨らんだ風船のように見事だ。

「ふはっ!!」

やがて、映里は息もつかずに盃の中身を飲み干した。宴会や兄弟盃の儀でなら、拍手が起こった事だろう。
しかし今は拍手はない。男達の瞳は、映里にこれから起こることを、じっくりと観察するのみだ。

 (……くっ……これ、お酒が入ってるじゃない…………)

荒い呼吸をする中で、映里は目頭の奥がズキズキと痛むような感覚を覚える。
彼女は兄を手伝う一環で、密かに酒を口にした事がある。
情報を流す見返りとして、映里のような美少女から口移しされる酒を欲する男も存在したのだ。
今飲み干した盃の感覚は、それとほぼ同じだった。


「……はっ、はっ、……はっ、はぁっ…………」

にわかに映里の頬は赤らみ、吐息が熱く、荒くなっていく。
酔いが回ったせいだけではない。
彼女の細く締まった腹部からは、にわかに異音が響き始めていた。
映里自身も日常生活でそうは聞くことのない、重く長い腹鳴り。
冬の朝、登校中に腹を下した時でも、この半分ほどの音しか鳴らなかったはずだ。
腹の鳴る音がとぐろを巻いている。映里はそのような感想を持った。

「苦しいの?背筋が曲がってて姿勢が悪いよ。蘭は、姿勢だけはきちっとして耐えてたのにな」

映里の傍に屈みこむ紫絵が、嘲るように囁いた。
意地を刺激された映里は、無理矢理に背を伸ばす。しかしその事で、さらに腹鳴りが激しくなった。
そうして映里を追い込みながらも、紫絵は淡々と映里に語る。

清めの儀式は通常、三時間ほどかけて行われること。
分家の娘である自分が、宗家の娘である蘭の清めの儀式からの全てに携わってきたこと。
排泄は、やはり檜の木桶にすること。
ある程度『穢れ』が溜まれば木桶が新しいものに替えられ、
便の出が悪くなれば、麻の手袋を嵌めた彼女が、肛門を指を突き込んで掻きだすこと。
『穢れ』の臭みがなくなったかの判断は紫絵の胸三寸で、気高い蘭をいつまででも辱められること。

それらを聞かされながら、映里は必死に荒れ狂う便意に抗っていた。
内股で膝をつきながら、片手で秘部を覆い隠し、片手で臀部を押さえて堪える。
髪の生え際や、こめかみ、首筋……晒された肌の至る所に汗が浮く。
気丈に見開かれた瞳は、真っ直ぐ前を見ていたものが、横に逸れ、上方に漂い、やがて眉根を寄せて閉じられる。
背中が痙攣するように上下し始めたのは、その五分後だった。

「…………と、トイレ、使わせて…………」

薄目を開き、紫絵に乞う映里。誰の目にも、すでに理性で抑えきれない便意に焦がれているのが解る。
すると紫絵は立ち上がり、壁際にある木桶をトントンと叩いた。
ここまで来て“しろ”、という意味に違いない。
予想通りの展開に顔を歪めながらも、映里にはもはや選択の余地はない。
かつての蘭もそうだったのだろうと思いながら、這うように壁際に辿り着き、震える脚を叱咤して木桶に跨る。
身体を安定させるべく壁に手を付けば、その瞬間に彼女の肛門は決壊した。


集まった親類縁者数十人が、贄となる娘の清めの儀式を見守った。

「……っくぅうう、うっ……うう、ぐんうぅうううぐぅぅっっっ…………!!」

映里は蹲踞の姿勢を取り、檜造りの木桶に跨りながら、およそ人前で見せた事のない表情を作る。
唇を噛みしめ、眉間に皺を刻み。
しかし、その細い腹部から響く雷鳴のような腹鳴りや、尻肉の間から放たれる耳を塞ぎたくなるような音を聞けば、
そうした表情の歪みも仕方のない事に思えた。

ある程度排泄に切りがつけば、木桶が取り替えられる。その間にも映里の便意は再び沸き起こり、排泄に至る。
汗が止まらない。身体中が湯気を出しそうなほどに熱くなっていた。
排泄を繰り返す肛門も、まるで真っ赤に焼けたリングのように感じる。
そしてなるべく意識しないよう努めてはいるが、羞恥も卒倒しかねない程にあった。

「ふふ、どうしたの、もう出ないの? 私がこれだけ丁寧に、お尻の中をほじくってあげてるのに。
 あら、そう言うと出るのね、うわぁくっさい。どれだけ桶を替えればいいのかしら」
「…………に、匂いなんて…………いい加減、するわけないでしょ…………」
「あはは、まさか。私がまだ臭いって言ったらくさいのよ、言ったでしょ。
 蘭だって毎年、太腿がパンパンになって立てなくなるまで、何時間だってその格好で排泄させてるんだから。
 うそだと思うんなら、貴方のきゅうきゅう締め付けるお尻に入れてる指を、鼻の穴にねじ込んであげましょうか。
 いい匂いなんてしないわよ、きっと。」

紫絵は映里の肛門に指を埋め込みながら、その耳元に囁きかける。
そしていよいよ顔を赤らめて恥じ入る様子を、おかしそうに眺めるのだった。




終わりのないような排泄が終わった後、映里は倉庫を思わせる部屋に移された。
背の尖った木馬や磔用の板、手洗い場などが設えられてあり、生活用の空間でない事は明白だ。
映里が試しに木馬に鼻を近づけてみると、かすかではあるがアンモニアの匂いが鼻をついた。

 (……まさかこれ、蘭の……!?)

その考えが脳裏を過ぎるが、確証はない。

「さぁ、始めますよ」

紫絵の母である珠代が、縄を手に告げた。
彼女は実に慣れた手つきで縄尻を天井の桟に通し、そのまま映里の手首を頭上で縛り上げる。
さらに左脚の腿にも縄を巻きつけ、壁の上方に打たれた杭にその縄を結びつける。
それによって映里は、腋を晒す格好のまま、行進の途中のように片脚を上げる格好を取らされる。
上半身には制服のブラウスを纏っているが、下半身はソックスと革靴だけという有様だ。
その状態は全裸よりも、かえって惨めであるように思えた。

「ふふ、いいよぉ。胸張る格好だから、ただでさえ大きいのが強調されてる」

紫絵は、常にそうであるように蔑んだ瞳で映里を眺めつつ、ブラウスの第二ボタンをはだけた。
そしていよいよ胸元の開いた映里の背中へと巧みに手を伸ばし、ブラジャーのホックを外す。
するりとブラウスから抜けた紫絵の手には、薄紫の下着が摘まれていた。
そうなれば、映里の胸は薄いブラウス一枚を残した生乳だ。
当然、紫絵がブラウス越しに揉み込む動きをそのままに感じる事となる。

 (このガキ……!!)

映里はどんぐり眼を見開いて紫絵を睨みつけるが、そちらばかりを構っては居られない。
背後では、珠代が指先に唾を垂らし、ついに未使用の窄まりへと指先を宛がっているのだから。

「あうっ!」

指が入り込んだ瞬間、映里は声を上げざるを得なかった。
十七年間、出すことしかしらなかった穴に指が入り込んでくる感覚は、それほどのものだった。

「う、う、あ、ううっ!!」

ピアノでも弾きそうな細く長い指が、映里の肛門入り口で蠢く。
その恐ろしいほどに洗練された指遣いは、そこからたっぷりの時間をかけて、映里の未知なる性感を目覚めさせていく事となる。


「あ、あっ……は、あ、あっ……、あっあ、うあっ…………」

切ない声が部屋に木霊する。しかし、それは仕方のない事だった。
何より、珠代の肛門嬲りが巧みすぎる。
映里の母が生きていれば同年代だろうと思われるこの女性は、片手で映里の尻肉を掴み、開いた肛門に指を送り込む。
指は肛門の浅い部分で泳ぐようにしていたかと思えば、急に深く入り込んで腸壁を掻くようにもする。

指だけでなく、口を使っても責め立てた。
唾を垂らしながら二本指でじっくりと責め抜いた後、その唾まみれの指を引き抜く。
そして小さな火山のように盛り上がってひくついている肛門に、やおら吸い付くのだ。
吸い付いた口は、舌を使って皺の一本まで伸ばすように舐め取り、また菊輪の全体を嘗め回す。
もっともつらいのは、そうして解された窄まりの中へ、ぬめる舌を送り込まれる瞬間だった。

「おおおおぉぉっっ!?」

腸内に舌が入ってきた瞬間、映里は声を上げた。その自分の声を聞き、彼女の心臓はすくみ上がる。
何という浅ましい声だ。女子の出すべき声ではない。
しかし、彼女はもうかなりの間、自分がそうした声を出しかねない事を理解していた。
肛門性感は、膣のそれとはまるで違う。はっきりした快感ではなく、しかし積み重なれば、臓腑から噴き上がるようなものとなる。

「えぇ、なぁに今の声?」

紫絵はこれ見よがしに映里の口に耳を近づける。
自らも声の浅ましさに気づいていた映里は所在無く視線を彷徨わせた。

「べ、べつに何も……ん、おおおおおぉっ!!」

言葉を出しかけた瞬間、小休止していた肛門に再び珠代の舌が入り込む。まったく同じ声が出た。

 (嘘でしょ、嘘……! ……ねぇ、蘭……おしりって、舐められるとこんなに気持ちいいの?)

初めて味わう肛門性感に、片脚を上げた映里の腿がふるふると痙攣する。

「へへ、もうその声出しちゃうなんて辛抱が足りないねぇ。蘭は三日目までソレ、我慢してたよ?
 ねぇお母様、この女のお尻はどうなの?」
「……まだまだ固いですね、蘭の肛門を始めてくつろげた日を思い出します。感度は悪くない様ですが」

娘の問いに、感情をあまり感じさせない丁寧語で返す珠代。そこには感情というものが欠落しているように思えた。
しかしながら、やはりその責めは凄まじい。


また、紫絵の責めも中々に無視のできないものだった。
彼女は主に乳房を責め立てている。手の平全体で乳肉を揉みしだき、先端の蕾を摘んではこね回す。
初めこそ悪戯に思える程度だったが、それも長い時間をかけられると、蕩けるような快感になってくる。
まだしこりの残る乳房であったものが、いつしかふっくらと膨らみ、蕾も固さを増していく。
その尖った蕾を甘噛みされれば、映里は身体に電気が走るような快感を覚えるのだった。

また紫絵の憎い事には、後孔責めで映里が震えるのとほぼ同時に、陰核に指を伸ばしてトントンと叩くことだった。
充分に性感を覚えさせられた身には、そのように陰核をやさしく叩かれるだけでも軽い絶頂に近づく。
肛門に吸い付かれ、同時に陰核を潰された時には、映里の足指は快感でピンと反り返った。

「ねー、お尻で感じてるの?ねぇ」

荒い息を吐く映里の顔を覗き込み、紫絵が尋ねた。

「そんな訳ないでしょ……」

映里は気丈に眉を吊り上げるが、実際には乳房・肛門・陰核の刺激で幾度となく絶頂まがいの感覚を得ている。
ゆえに紫絵の指が秘裂に割り入った時、映里は絶望的な顔をした。

「うそつきー、もうドロドロのぐちょぐちょじゃん。ほら、聴こえるでしょ。ほら」

紫絵は嬉しそうに言いながら、映里の愛蜜に塗れた秘部を刺激される。
的確にGスポットを探り当てて擦られれば、もはや耐えられる道理もない。

「はぐぅっっ……!!」

映里は細い脚を震わせ、唇を噛みしめて絶頂に至る。
それを可笑しそうに笑う紫絵へ向けて、珠代が口を開く。

「紫絵、そんな場所で果てさせるものではありません!
 肛門だけで達するよう躾ける決まりを、忘れたのですか」

先ほどとは打って変わって厳しい口調だ。紫絵は肩を竦める。
肛門だけで達するように。それは映里にとって、絶望的な言葉だった。
そしてそれは、決して有り得ない事ではないと解っている。解らされて、しまっている。


それからも淡々と、珠代・紫絵親子による肛門性感の開発が続けられた。
珠代は指と舌を巧みに使い分け、時に吐息だけを吐きかけて焦らしながら快感を高めていく。
紫絵は言葉責めと乳房・陰核への刺激で、脳内の快楽神経を錯綜させようと仕向けてくる。
大盃での酔いもほどよく回り、映里が快感に酔うのを後押しした。

「あ、あっ……あ、おおっ……あ! ひいうぁっ……くん、ん゛っ…………!!」

映里は快感の走る糸のようになって揺れながら、蘭の事を考えていた。
蘭はまだ十三の頃から、このような責めを受けていたのだろうか。
彼女は今、どうしているのだろうか。

「……え、蘭? ああ、折檻を受けてるんだよ。
 どんな、って、知らないよ。まぁ近いうち神様に奉げる身だし、疵が残るような事はしないだろうけどさ。
 でも何か水音と凄い叫び声聴こえてきたし、おじさんとかがバタバタしてたよ。
 また失禁しただとか、気つけの水用意しとけだとか。
 まぁ多分部屋の造りからして、江戸時代の女囚が受けるような拷問されてるんじゃない?」

紫絵は全てを知っていてあえて惚けているような、独特の表情で告げる。
分家の娘という引け目があるせいか、彼女は殊更に蘭の事を憎んでいるように思えた。
ならば、その母である珠代もそうなのだろうか。
しかしこちらは年季が入っている分その心が読めず、淡々と、着実に肛門への責めを進めていく。
その手にはいつしか様々な道具が握られ、肛門への責めに用いられていた。

いくつもの球が連結するような、棒状の責め具。
男根を模したような張り型。
幾通りもの太さがあるそれを、珠代は状況を見極めながら使い分ける。
その選択は残酷なほどだった。
いつしか子宮口がほぐれ、下り始めている映里は、肛門越しにその最大の性感帯を擦られて絶頂の際に押し上げられる。
しかし、まさにその只中には中々辿り着けない。
火山の淵をよろけながら周回するようなもどかしさがあった。

「…………ねぇ、ちょ、ちょっとだけ、膣で、い、いかせ…………て……。すごく……つらい……の」

五日目、映里はついに堪らなくなり、恥を忍んで珠代に懇願した。
しかし珠代は取り合わない。

「こちらの穴で逝けばいいでしょう。その気になれば、いつでも達するように躾けています」

そう冷たく告げ、淡々と道具を用い続けるだけだ。
このもどかしさは、気丈な映里の反抗心を削ぐのにかなり有効だった。


道具は他にもあった。
細い棒の先に、瘤のように太い膨らみが取り付けられたものだ。
この太さはかなりのもので、片脚を上げた姿勢では到底入りそうもない。
紫絵が映里の片方の足を持ち上げ、両脚を大きく開脚する格好で初めて受け入れる事ができた。
それほどの太さが肛門に入り込む感覚は、尋常ではない。

「や、む、無理ッ……さ、さけ…………る…………!!」

映里は全身に冷や汗を流し、恐怖に目を見開いて首を振った。
骨盤が割れそうなほどに肛門が開き、凄まじい太さを持つ質量が後孔を隙間なく埋める。
焼けるような熱さと共に奥へと入り込むそれは、奥まりで子宮の裏を強くしごいた。
抜き出される際には、すでに出し切って存在しないはずの内容物が根こそぎ掻き出されるような錯覚を覚える。
そして、蹂躙が始まった。

「あああ、ああああああ!!うああああ、ああう、くふああああああうっ!!!」

身も凍るような太さが出し入れされ、大仰に菊輪を捲り返しながら抜き出される。
外気の冷たさに腸粘膜が冷やされるのも束の間、すぐにまた絶望的な質量が尻穴を圧し拡げる。
この一連の動きは、映里のこれまでの人生で全く味わったことのない、無意識下にまで染み渡るようなものだった。
映里はろくな言葉にもならない喘ぎを発し、何度も足の筋を強張らせ、やがて秘裂から飛沫を上げる。
それは一筋の放物線となって、遠くの床にまで音を立てた。

「あはは、ついに尻穴でイったみたいね! 一度その感覚が通じると、こっからも快感が安定するみたいよ。
 少なくとも蘭はそうだった。前の年までランドセル背負ってたようなチビが、尻孔抉られて一日何度もびゅっびゅ潮噴くの。
 ご不浄でなんかイきたくない、とか何とか泣きながらさ。あれ凄かったなぁ~」

肛門絶頂を迎えて身体を弛緩させる映里に、紫得は笑いながら言う。
映里は視点を定められないままにそれを眺めていた。

 (お……おしりで……いったなんて…………うそ…………。
  ……そんな、そんなとこで……私がいくわけ、ないよ…………)

頭の中でそう考えながらも、心はもう受け入れている。その食い違いは涙となり、映里の目頭から零れ落ちた。



調教は続く。
二週目に入った頃、映里は木馬のような台に取り付けられた張り型へ、直腸だけを支えに乗せられた。
手首を後ろで縛られたまま、紫絵と珠代の両名によって台の上へ掲げられ、そのまま張り型を腸に挿し込みながら手を離すのだ。
この張り型は、多様な種類がある中で、特に映里の反応が大きかった一つが選ばれている。
カリ首の形と反り具合が、ちょうど映里の子宮を抉るように嵌るのだ。
常に目覚めた状態の子宮と肛門を、そのようなもので抉り回されては堪ったものではない。

「あああ、いや、いああああっ!!やめ、やめてっ、持ち上げて!!」

二人がかりで腰を掴まれ、強制的に尻穴を穿たれながら映里は悲鳴を上げた。
しかし紫絵はその様子を愉しむように、わざと一番の奥まで張り型を呑み込ませたまま手を止めた。
張り型の先が子宮口を強烈に押し込み、映里の尻肉がぴたりと台に密着する、最もつらい状態でだ。

「おおおおぉお゛っっ!!!」

映里は、堪らずに声を上げた。

「あははっ、またその声が出た。って事は、イッてるんだ。その時の声なんだもんねー。
 また頭の中ドロドロになってて怖いの?
 あはは、そんな暴れないの。これ、まだ14の時の蘭でも我慢してたんだよ。まぁ、気づいたら失神してたけどさ」

紫絵は可笑しそうに言いながら、幾度も幾度も、映里の腰を持ち上げては落とす。
そして最奥で押し留め、快感のあまりにガクガクと痙攣する様を愉しんだ。
やがて映里がぐったりとすると、腸液に塗れた張り型からその身を抜き去り、床へと寝かせる。

「じゃ、最後にいつものいこっか」

紫絵は自らの手首にローションを塗りたくり、大きく口を開いた映里の肛門に狙いを定めた。
そして指先を一纏めにし、肛門に宛がう。

「はヵっ!!!」

映里の喉から頓狂な叫びが漏れ、ぼやけていた瞳が覚醒する。
しかしその時にはもう、紫絵の細い腕は、するすると映里の直腸へと入り込んでいた。

「ふふ、熱くてどろどろ。腕を締め付けてくるのが可愛いよね、簡単に入るようになったし。
 ……よし、奥まで届いた。じゃ今日も、S字結腸の入り口をたっぷりと指でコリコリしてあげるね」

紫絵は怯える映里に笑いかけ、腸の奥で指を蠢かす。短い叫びと共に、映里のスレンダーな肢体が跳ねた。

「ああああ、いやぁあああっ!!」
「嘘だぁ、嫌なはずないでしょ、こんなにきゅんきゅん腕締め付けてくるんだから。嬉しいんでしょ。
 あ、あ、今の顔!もっぺんして、すごくイイよ。その睨もうとするけど怖くて負け犬みたいになる顔、すごい好き。
 蘭は一回振り切れるとびゃあびゃあ泣き喚くばっかだから、そういう表情見れないんだよね」

紫絵は映里の表情を愉しみながら、映里の腸の奥底にある門を指で抉り回す。
それは刻一刻と、映里の快感の薄壁を破っていく。

「あ、あああ、あああああ、お、おおおおっっ!!!」
「あはは、出た出た。でもさ、その『おおお』って呻きも、ちょっと飽きちゃったかな。
 ねぇ、その喘ぎ禁止にしない? 別の絶頂声聞かせてよ。次言ったら、お腹ポンポンになるまで浣腸だよ」
「あ、い、ういや、いや、あの浣腸は、も、いや……あ」

映里は紫絵の行動と言葉のすべてに、潜在的な恐怖を覚えるようになっている。
苦痛ではなく、快感ゆえの恐怖。振り切れれば、自我が消し飛んで獣になりかねないような恐怖だ。
その恐怖に震え、しかしそれすらスパイスにして絶頂を繰り返す映里。
それを見下ろしながら、珠代は呟いた。

「…………意外に、長かったわ。ようやく完全に、メインの性器になったみたいね」





三週間の調教が終わる。
映里にとっては、三ヶ月にも、三年にも思えた、永遠に続く調教が。
彼女は蘭に先立ち、『オシミリ様』の棲む森にほど近い祠へと放置された。
へたり込んだまま、両の手首足首を結び合わされて。
その顔には、以前のようなくるくると動く眼も、理知的な眉も、人懐こい唇も見られない。
あるのはただ陶然とした、与えられる快楽に翻弄されるだけの顔だ。
すでに発情しきっている。白い身体は上気し、若いメスの香を醸し出している。

祠の戸が音を立てた。
生ぬるい夜風が、祠の中に吹き込んだ。

「…………おにい、ちゃ……ん」

映里の唇が動き、兄を呼ぶ。
その映里の傍に、輪郭も朧な白い大蛇が入り込んできていた。
大蛇は生贄を品定めするようにその周りを巡り、やがて尻を突き出すようなその身体へと、鎌首の狙いを定める。

「…………あたし…………しらべたよ…………おひりって、ひゅごいの…………。
 とっても、きもちいいの……もう何もかも、ろうれもよく、なっちゃう、くらい…………。
 これから、あたし、おしみりしゃまにささげられうのよ…………とってもきもちよくて、いいこと……。
 …………おにいちゃんのかお、もういちろ見れたら、もっと……よかったのに…………な…………」

そして映里の若い肉体は、大蛇によって貫かれた。
靄のような大蛇は、限界以上に尻穴を拡げ、奥のさらに奥までを満たし、中で嵐のように暴れまわる。
映里はその今までに経験した以上の快感に叫びながら、幾度も兄の名を呼んだ。蘭の名を呼んだ。
とても、耐えられない。どうして蘭は、こんな事を何年も繰り返せたのか。

 (……ああ、そっか……これが、潮樋宗家の娘としての仕事なんだ…………。
  『オシミリ様』を鎮める事は、蘭にしか出来ない……だからきっと皆、あの子……を…………)

その考えに至りながら、それを最後に映里は考えを放棄した。
脳髄を焼き焦がす、未曾有の快感。自分を何者でもない物に変える悦楽。
それに、疲れきった心身を委ねる事にする。


彼女は、幸せだった。


                           
                               終
続きを読む
アクセスカウンター

    ありがたいコメント
    さくさく検索
    Amazonライブリンク
    メッセージ

    名前
    メール
    本文
    プロフィール

    kunsecat

    • ライブドアブログ