※風俗イラマチオ&フェラチオ物。
持つべきものは友だ。
泰典に教わらなければ、俺は一生その風俗店を知らずにいただろう。
ネットで普通に検索しても見つからない。
何しろその店のホームページは、一見地味なエステサロン風なのだから。
しかし、会員だけに通知されるパスワードでログインすれば、一転して禁忌の園に様変わりする。
店舗型の高級ヘルス倶楽部。
一番の特徴は、他の店なら即座に出禁を喰らうようなハードプレイ……たとえばイラマチオなどが行える事らしい。
それでいて嬢のレベルは決して低くない。
高級店特有の、写りを計算しつくした煌びやかな写真が並んでいる。
目元のモザイク越しにも、間違いなく美人と確信できる嬢が何人もいた。
それだけに目移りしてしまう。
大体、風俗嬢の写真は加工ありきと考えるのが常識だ。
写真で期待できる嬢ほど、実物が外れだった時の落胆は大きい。
【本日出勤】の写真をしばらく眺め回した末に、俺はある賭けに出た。
一覧の左端……一つだけ写真がない嬢がいる。
クリックして詳細を開くと、そこにはこんな説明文があった。
『文句無しの抜群ルックス! 新鮮一番、思わず咥えさせたくなっちゃいます!!』
ルックスがいい……本当かは解らない。
しかし他の嬢が顔出ししている中で、一人だけ写真がない事が妙に気になった。
風俗で働いている事を知られたくない、育ちのいい娘なのかも。
あるいはこれも罠で、とんでもなく残念なルックスの娘なのかも。
期待と不安が心の中で入り混じり、それでも俺は期待の方に賭けた。
迷った時には最初の勘を頼りに進む……それが俺の信条だ。
ホームページに記載された番号に電話を掛け、指名する。
写真のない唯一の嬢……『愛璃』を。
『えっ、愛璃ちゃん…………ですか!? どこでそれを?』
電話番の店員は、まず驚きの声を上げた。
俺がホームページで見た事を伝えると、受話器から店員の気配が遠ざかる。
『…………おいおい、なんでもう愛璃ちゃんの写真載ってるわけ?
お客さんが見たって言ってんだけど。マズいよー、誰だよ更新したの』
別の従業員に呼びかける声が遠く聴こえる。慌てるあまり保留にし損ねたという様子だ。
その瞬間、俺は確信した。この愛璃という嬢は、やはり特別なのだと。
「愛璃ちゃんで、お願いします!」
俺が語気を強めて告げると、通話状態である事に気付いたのだろう、店員の息を呑む声がする。
その後はしばし、困惑したような唸りが聴こえていた。
「是非!」
俺はさらに押す。ここが交渉時だ、プレミア嬢を何としても指名するのだ。
すると数秒の沈黙の後、ついに小さな溜め息が聴こえてくる。
「…………わっ……かりました、愛璃ちゃんですね。
ただ言っときますけど、あんまりサービスの方は期待しちゃ駄目っスよ。
一応研修はしたんですけど、正直まだ接客向きの態度じゃなくって……。
指名料はオマケしときますんで、そこんとこ大目に見てやってください」
まるで腕白娘を紹介する親のように、店員は声を潜めてそう告げた。
※
店に着いたのは、予約時間である16:00より30分も前だった。
当然、時間までは1階隅の待合室で待機するのだが、その道すがら……俺は聞いた。
「おごぉお゛ええ゛…………ッえ゛ぉ、おお、っご…………!!」
凄まじい、えづき声。
普通のフェラチオではまず出ない、AVの中でしか聞いたことの無い声。
それが間違いなく、個室から漏れている。
俺は思わず足を止めた。
しばらくえづき声が繰り返された後、飲み物に噎せたような鼻水の音が3度。
そして、げほっ、ぇほっという激しい咳き込みが続く。
「ホラ、何やってんの。駄目だろ離しちゃ」
いかにも変態親父という感じの声が、咳の音に混じった。
咥えた物を離した事について叱っているのだろう。
もはや疑う余地は無い。
この薄いドア一枚隔てた向こうでは、俺が夢にまで見た、生のイラマチオが行われているんだ。
俺は、早くも逸物が硬く勃ち上がるのを感じた。待ち時間の一秒一秒がもどかしかった。
そして…………ついに夢の時間が来る。
螺旋階段を上がって2階へ。左手突き当たり、フリルだらけのカーテンを越えれば楽園がある筈だ。
ところが。
――――しまった!
部屋へ一歩足を踏み入れた瞬間、俺は反射的にそう感じていた。
嬢……“愛璃”がブサイクだった訳じゃない。というより、容姿を確認する間さえなかった。
『間違って、女子校生の部室に入ってしまったような錯覚』
俺の全身を支配していたのは、まさにそれだ。冷や汗が背中を伝う。
しかし、一呼吸置いて俺は落ち着きを取り戻した。
よくよく室内を見れば、ありふれたヘルスの個室だ。
オレンジ色の光に彩られ、ダブルサイズのベッドが圧倒的な存在感を誇る小部屋。
女子校生の部室とは似ても似つかない。
ただ、ベッドに腰掛ける愛璃に視線を戻した時、俺は錯覚の理由を理解した。
そこにいたのは、疑う余地も無い完璧な『女子校生』だったからだ。
愛璃はブレザー型の制服を身に着けていた。
ヘルス倶楽部で、制服がコスチュームとして取り入れられている例は珍しくない。
ただ、愛璃のそれはコスプレという風ではなかった。
駅で立っている本物の女子校生を見て、制服のコスプレだとは思わないように、
彼女の制服姿はあまりにも違和感がなさすぎた。
使用感というのか、妙に着慣れている感じがする。
顔立ちもどこかあどけなさを残しており、いよいよ本物の女子校生らしい。
近年は、風俗店が『本物の未成年』を雇って騒ぎになるケースがあるが、もしやこれも……と疑うほどに。
「何?」
あまりにも顔を凝視しすぎていたのか、愛璃は憮然とした様子で告げた。
この態度もまた、先ほどの錯覚の要因だろう。
この愛璃という嬢、常に妙なプレッシャーというか、パリッとした雰囲気を放っているのだ。
それはまさに、高校の部活動で感じられる類のものだった。
俺は嫌がられるのを承知で、改めて顔を注視する。
初めて意識的に見るその顔は、正直、予想を遥かに超えるものだった。
アイドル級。甘い評価でなく、はっきりとそう言える。
コンビニで週刊誌の表紙を飾っていれば、思わず手に取ってしまう。
背中まである黒髪は艶やかで、頭頂部付近の光の輪が印象的だ。
ただ、万人向けとは言い難いルックスだった。
表情が厳しいからだ。
明らかに、こちらの事を警戒あるいは軽蔑している。
眉根は寄り、吊り目気味な瞳はくっきりと開いたままこちらを見据え、口元にも緩みというものがない。
実際、目力は相当なものだ。気の弱い人間なら、2秒間視線を合わせることすら困難だろう。
ただし、俺のような変態にとっては大好物だ。これほどルックスのいい少女に睨まれていると、それだけで興奮できる。
俺はゆっくりと愛璃の方に歩み寄り、ベッドに腰掛けた。
そして愛璃の肩に手をかけてキスを迫る。
しかし、愛璃はにべもなく顔を背けてしまう。その先に回りこんで再度キスを申し入れても、同じこと。
あくまでキスを拒否するつもりらしい。
念の為言うと、ホームページには『即尺、即キス大歓迎!』とあったのだ。
どうやら接客態度がなっていないのは本当らしい。
とはいえ、俺の興奮は些かも冷めない。むしろその冷たい態度が、いよいよ俺の嗜虐心を尖らせていくようだ。
しばしキスを拒絶された後、俺は仕方なく愛璃をベッドに押し倒す。
そして、一枚ずつ彼女の制服を脱がしにかかった。
当然というべきか、愛璃はその時にも抵抗の意思を見せる。
「俺は客だぜ」
そのたび、俺はそう囁いた。すると、愛璃の抵抗が一旦収まる。
さすがにヘルスで働く以上、裸になることを仕方ないとは思っているようだ。
とはいえ、最後のシャツを脱がす瞬間や、パンツのゴムに手を掛けた瞬間にはまた抵抗を見せる。
結局、服を脱がしきるまでに、俺は10回以上も『俺は客だ』と繰り返すハメになった。
その苦労の甲斐あって、とうとう愛璃の肢体が露わになる。
本物の現役女子校生ではという疑念は、俺の中でさらに大きくなった。
身体が本当に瑞々しい。
普段俺が指名するヘルス嬢とは、まるっきり肌ツヤが違う。
オレンジの光の中でも解る、淡い桜色だ。腹部の肌を見ているだけで勃起の感覚が来る。
体型は、腰のくびれも魅惑的なスレンダー型。
けれども乳房のボリュームだけはかなりあり、男である俺の手でも掴むのがやっとのサイズだ。
D、いやEカップか。俺は脳内でそう当たりをつける。
「いい身体してるね。何かスポーツとかやってるの?」
俺は軽く愛璃の身体に触れながら尋ねた。
「まぁ」
愛璃は素っ気無く答える。
「何やってるの?」
「日拳」
2度目に返ってきた答えで、俺は正直少しだけ引いた。
日拳……略さず言うと日本拳法。
直突き(ストレート)の強烈さで知られる、実戦派格闘技だ。
防具をつけて練習するので顔や体に傷がつかず、女性向きといえば女性向きなのかもしれない。
俺は一瞬愛璃の身体から手を離しかけたが、ここで退いては男が廃る。
「へぇ、凄いね」
俺は平静を装いつつ、いよいよ愛璃の肉体を弄り始める。
愛璃の視線が露骨に鋭くなっても、男の意地で怯えは見せない。
見た目通り、愛璃の肌触りは最高だった。やはり本物の女子高生では……3度そう思うほどに。
ボディラインはいかにも女の子で、一見格闘技をしているようには見えない。
ただ、腕を軽く掴むとやはり違和感があった。
力瘤のできる部分の逆側……二の腕の下部がやや発達しているようだ。
太腿にも一般的な女性より若干の厚みがあり、弾力もあり、下半身の力はかなり強いものと思えた。
これらが、日拳をやっている人間の特徴なのだろうか。そう思いつつ触ると、下心を抜きにしても興味深い。
「触り方がキモいよ」
下心抜きに、と思った矢先、愛璃が言った。
氷のような視線、氷のような口調。たまらない。
俺はいよいよ嬉しくなり、愛璃の背後に移る。そして長い黒髪に鼻を埋めながら、乳房に手を回す。
「ちょっ……と」
愛璃は不機嫌そうな声を発しながら、やおら俺の手首を掴んだ。
格闘技をやっているだけあって、相当に力が強い。
俺もかなり力を込めているはずなのに、簡単にぐいと外された。最も、そういうコツがあるのかもしれないが。
「俺は客なんだぜ」
仕方なく、俺は魔法の言葉を囁きかける。
すると、俺の手首を掴む愛璃の手が強張った。そして数秒の躊躇の後、ゆっくりと指が開いていく。
俺は遠慮なく幸せを堪能にかかった。
一時的とはいえ、すっかり大人しくなった愛璃の髪を背後から嗅ぎ、乳房を揉みしだく。
きめ細かい黒髪の内側からは、とてもとても良いシャンプーの匂いがした。
俺は全く知らない類のシャンプーだ。女の子は一体どこで、こういうシャンプーを見つけるんだろう。
乳房もまた極上だ。若干の硬ささえ感じられる、張りたっぷりの乳房。
俺はその芯の残った乳房を揉み解すように、無遠慮に乳房を揉み続ける。
上下左右に大きく揺さぶり、乳首を指先でこねくり回し。
遠くにある風呂場の姿見にも、ボリューミーな乳房の乱れようがはっきりと映っている。
「どう、気持ちいい?」
俺が尋ねると、姿見の中で真一文字に引き結ばれていた愛璃の唇が開く。
「うざい」
紡がれたのは、たったのその一言。
あくまで一呼吸の範囲内でしか会話をしないつもりなのか。
その生意気さは…………俺にとって最高だ。
俺はいよいよ興奮し、愛璃の片腕を高く上げさせる。そして晒された脇の下を、これ見よがしに嗅いだ。
「…………っ!」
露骨に眉を顰めて嫌そうにする愛璃。その顔が、たまらない。
もっと嫌がられたいという、倒錯的な気持ちが沸き起こってしまう。
しばしのスキンシップの後、シックスナインの体勢に入ってからも、愛璃の態度は相変わらずだった。
俺が下になり、愛璃の秘裂を舐める。熱心に。
上になった愛璃は、勃起した俺の逸物をしゃぶる。いかにも気乗りしない様子で。
フェラチオというレベルにすら満たない、緩慢かつ無気力なしゃぶりだ。
上から密着してくる愛璃の肉や、左右非対称とはいえ充分に綺麗な秘裂の味は素晴らしい。
しかし、肝心な嬢の奉仕が杜撰では生殺しというものだ。
俺は無気力な嬢に罰を与えることにした。
この店では様々なSM道具が、無料オプションだけでも色々と用意されている。
その中の一つ……鼻フックを取り上げて愛璃に見せ付ける。
「どう使うか、解るよね」
俺が言うと、愛璃は予想通り表情を険しくする。
険しいが、それでも充分に愛嬌のある顔。それを今から、醜く壊すのだ。
フェチな人間として、これに興奮しない訳がない。
「ンあ゛っ……!!」
勢い良く鼻フックで吊り上げると、愛璃は短く呻いた。
鼻腔は見事な逆三角に変形し、鼻頭は醜く皺を寄せて潰れ、数秒前までの美貌が跡形もない。
なんて罪深いんだろう。俺は胸の中にゾクゾクと沸き起こるその考えに酔いしれた。
ブタ鼻を虐めるのは、想像以上に愉しい。
これでもかというほど執拗に鼻腔の内外を嘗め回し、俺の唾液まみれにする。
指で鼻を浅く穿り回し、その後綿棒やこよりを使って、気が済むまで鼻腔の深くを弄くり回す。
愛璃は凄まじい目力で睨んできていた。
さすが格闘技をやっているだけあって、割とマジで怖い。
ただその瞳も、鼻腔を弄くり回すうちに細まり、痙攣し、耐え難い苦しさに歪む。
かひょっ、ぁひょっと情けない声を何度も喉の奥から絞り出し、やがて目頭から大粒の涙を零す瞬間は最高だった。
軽く10分以上は苛め抜いただろうか。
最後の方には、愛璃の鼻はよく拡がったまま病気のように痙攣するようになっていた。
その頃には鼻水の量もそれは凄まじく、本来は整っている愛璃の鼻から下をグズグズに汚していた。
俺はその無残な姿を堪能しつつ、さらに道具を追加する。
ホワイトヘッド開口器。口を大きく上下に開いたまま固定できる、医療用の道具だ。
口を開きやすい代わりに外れやすくもあり、固定するためには頭後ろに回すゴム紐が必須でもある。
さすがにその辺りは良く考慮してあり、ここのオプション用開口具もゴム付きだ。
口を大開きにさせたまま、俺はしばし愛璃の舌を弄んだ。
愛璃の舌は、他の誰でもがそうであるように生暖かく、程よい弾力を持ちながらも柔らかい。
指で扱くと、身を捩るように指の間で踊り狂う。
口を閉じられないため唾液は垂れ流しになり、俺の手の平から零れては滴っていく。
俺は時々舌を離し、手首を返しながらしとどな唾液を舐め取った。
無味無臭のはずの唾液が、目の前の美少女のものだと思って舐めると媚薬のように感じられる。
それを飲み下した瞬間、俺は自分の中の熱さを堪えきれなくなる。
気付いた時には、痛いほどに勃起した逸物を、開いた愛璃の口内に押し込んでいた。
小さく腰の辺りが圧迫されている。
事態を把握した愛璃の抵抗だろうが、俺の腰を止めるには至らない。
俺は愛璃の艶やかな黒髪に指を絡ませ、深く逸物を咥え込ませた。
シックスナインの時とは比べ物にならないほど、逸物が深く入り込んでいるのが解る。
口を目一杯開いていてもなお、口内の生暖かさが伝わってくるのが新鮮だった。
はっ、はぁっ、という吐息も正面から亀頭をくすぐる。
その中で、俺は逸物の抜き差しを繰り返した。
なるべく奥まで突くようにしつつ、どこまで入るのか試すように抜き、挿す。
8回目の試みあたりから、逸物の先に喉の奥まりの感触がしっかりと伝わるようになってくる。
「んがカっ、えぁ゛…っハァ、ハァ、ハァッ………ぁえあ゛っっ…………はっ、ハァッ…………!!」
犬のように荒い呼吸に混じり、愛璃のえづき声が漏れていた。
涎も垂れ流しになっている。口を閉じられないので、止める術がないらしい。
鼻も豚のようで、実に惨めな有様だった。
強気な娘だ、内心では相当な屈辱を感じている事だろう。
実際、最初の頃は例の鋭い眼光で睨み上げてきていた。
ただそれも疲れるのか、数分した頃には目を細め、視線を斜め下に投げ出すようになってしまう。
苦しさからか、屈辱からか、その細まった目尻からは時おり涙の雫が伝い落ちる。
俺はそれらすべてをたっぷりと愉しんだ。
その後に、俺は愛璃の開口具と鼻フックを取り除いた。
愛璃の可愛らしい頬には、くっきりと開口具の痕が残っている。鼻も真っ赤だ。
「ぷっ、ぷっ、ぺっ!!!」
すぐに愛璃は、口内のものを吐き出しはじめる。
俺の先走りの汁でも吐こうというのだろうか。
俺はそんな愛璃を視界の端に捉えつつ、三つ目の道具を手に取った。
開口マスク。
先ほどの開口具とは違い、完全なSM用の道具だ。
鼻から下を覆う黒いラバーマスクに、一箇所だけ円筒状のリングが嵌め込まれている。
そこへ逸物を差込み、強制的に咥え込ませるという仕組みだ。
「ほら、咥えろよ」
俺はマスクを裏返した状態で愛璃に近づけ、リングを口元に押し付けた。
「やあっ……!」
愛璃は拒絶の言葉を口にしようとしたが、まさにその口の形が、リングを嵌め込むのに最適だ。
俺はすばやくリングを口内に押し込み、マスクを装着させる。
「うっ、うう゛う゛っ…………!!」
愛璃の非難は、すぐにくぐもった響きに変わった。
前の開口具より、声を遮る効果が高いらしい。
俺はまた新しい興奮を覚えながら、黒マスクの穴へと逸物を潜り込ませていく。
今度の抽迭は実にスムーズだった。
さっきは口を大きく開かせていた分、挿入する角度を工夫しなければならなかった。
ところが今回は、ただリングの中に突っ込むだけだ。何の迷いもない。
口内自体も、さっきより締まりが良い。
逸物の先が喉の突き当たりに届くと、漏れなく口粘膜が肉幹に纏いついてきて堪らない。
全く喉を突かなくても、狭まった口内の生暖かい呼吸が、はぁはぁはぁはぁと逸物に吹きかかる。
それはごくごく弱いフェラチオのようなもので、くすぐったい快感があった。
射精には至らないにせよ、萎えない程度のクールダウンにはもってこいだ。
そして、何より。
「んごぉおお゛ぇええ゛っ、おうえ゛っ…………!! んごっ、お、あお゛おぉっ、お゛、お゛っっ…………!!」
このえづき声だ。
一切遠慮の必要がなくなった俺は、愛璃の頭を両手で抱え込み、自分の腰に押し付けている。
もう喉奥を突くなんて事は当たり前。喉奥の窄まりを突破し、さらにその奥の空間に亀頭を滑り込ませる事もある。
凄まじいえづき声は、だいたいそこから亀頭を抜く瞬間に上がった。
そして興奮する要素は、触覚、聴覚のほかにもう一つ。視覚もある。
開口具と鼻フックの時は、意図的に愛璃の相好を崩していたが、今度は素の顔が見える。
目を固く瞑って、額にいっぱい汗をかいて咥えこむ愛璃の顔は、もう反則的としかいえないほどに可愛らしい。
いつの間にか、俺の足を押しやろうとする抵抗もすっかり弱まっていた。
時々反射的にそういう動きをするものの、大抵は俺の膝上を小さい手で掴んでいるだけだ。
イラマチオを受けている最中は暴れるなと、店から指導を受けているのかもしれない。
あるいはあまりの辛さに、呆然としているのかもしれない。
いずれにせよ好都合。
俺は幾度も幾度もリングの中で逸物を前後させ、時には引き抜いてもみた。
リングから、まず唾液で濡れ光る逸物が現れ、それを追うようにして真っ白な唾液が零れ落ちる。
愛璃自身は虚ろな瞳を開いたまま、俯きがちに喘ぐ。前髪や額から汗が次々と噴きだし、滴る。
その色っぽさを堪能すれば、また咥え込ませる。
それを繰り返した。その果てに、俺の射精感は刻一刻と高まっていく。
ここ数年来なかったほどの、膨大な射精の予感がする。
長く楽しみたい思いは、ついに射精欲求に負けた。
俺はいよいよ激しくストロークを繰り返しながら、喉の深くでぬるい空間へと精をぶちまける。
予想通り、凄まじいまでの射精だ。逸物の内部が幾度も幾度も脈打ち、精を吐き出していく。
たっぷり10秒は射精した後に、俺は逸物を引き抜いた。
愛璃自身の唾液でべとつくリングを通り抜け、冷ややかな外気の元へ。
「うぇ、えっ…………」
その直後、俺の放った大量の精液が愛璃の口から吐き出される。
可愛い顔から精液が吐き出される様子は、本当にいやらしい。
喉奥まで咥え込まされたのが、よほど苦しかったのだろう。
愛璃は薄っすらと涙を浮かべ、熱に浮かされたような瞳で前方を眺めていた。
「大丈夫か?」
さすがに心配になった俺は、マスクを外しながら愛璃に呼びかけた。
けれども反応はない。最初の頃の、ピリッとした雰囲気が跡形もない。
やりすぎただろうか。そうも思ったが、店で許可されている範囲で愉しんだまでだ。
俺はそう割り切り、せめて時間一杯愉しませて貰おうと、今度は道具なしで逸物を咥え込ませる。
脱力した愛璃を人形のように使い、頭を掴んで前後させる。
舌も動かない。拒絶もない。
けれどもその空しい一人遊びは、それから数分もしないうちに、180度変わることになる。
最初に感じたのは、逸物が握りこまれるような感触だった。
ぎゅうと締まるような感覚。
「うわっ!?」
何事かと驚いている間にも、状況は進行していく。
逸物に舌が絡みつき、口内粘膜が纏わりつき、尋常でない吸引がなされる。
じゅくっ、じゅぶっという水音が部屋に響き始める。
「あ、うわぁあああっ!!?」
俺は思わず叫んでいた。快感があまりに大きい。
先ほどまでのイラマチオも、人生初の劇的な体験だった。
ところが今のこのフェラチオは、その記憶をさらに上書きするほどに凄まじい。
『腰が抜ける』という感覚を、俺は生涯初めて、身を以って体験していた。
とても立っていられない。
縋るようにベッドに座り込み、膝立ちでなお逸物に吸い付いてくる愛璃の玩具と化す。
「ん、んふっ…………ん、んふぅん…………」
愛璃は小鼻から愛らしい息を漏らしながら、ただフェラチオに没頭していた。
とろんとした目の様子こそマスクを外した時と変わらないが、それ以外の全てが一変している。
「あああああああぁああっ!!!!!!」
俺はまた叫んだ。快感が強すぎて、叫ぶ以外の行動が取れない。
格闘技の熟練者に殴られ続ける間は、ただ叫ぶしかないように。
そうだ……これは、暴力での一方的な蹂躙と同じだ。
「ヤ、やぇっ…………ちょっ、ほんと、に…………!!」
俺は自分でも情けないと思える声を出していた。
大量射精したばかりの、鈍痛さえ覚える逸物から、問答無用に搾り取られる苦痛。
それは声を裏返すに充分だった。
何分もっただろう。いや、何十秒堪えられていただろう。
俺はもう堪らず、一度出したにも関わらずかなりの量を射精していた。
射精の最中に声は出せなかった。歯を真一文字に食い縛り、バーベルを上げるような気迫で射精していた。
さらに、それでもなお愛璃は止まらない。
射精した尿道の中身を、異様な吸引力で吸い上げ始める。
射精に次ぐ射精、その直後の尿道責め。これには、俺の内腿がビクンビクンと痙攣を始めてしまった。
「おい、おい!! やめろよっ、休めよ…………!!」
俺は叫んだ。愛璃は何かに憑かれたように、一心不乱に精液を吸い上げている。
やばい、やばいやばい。
俺が脳裏にその言葉を繰り返し始めた頃、唐突に吸引は止まった。
「………………あれ………………?」
気の抜けるような愛璃の声が発せられる。
その後、彼女は自分の精液まみれの手の平を見やり、目の前の逸物を眺めて……
やってしまった、と言わんばかりに、大仰な溜め息を吐いた。
※
「いっやぁ、あれは気持ちよかった。最高だ!!」
俺は愛璃に賞賛の言葉を送る。
本心の一部でもあったし、そう言えば愛璃が困ると解ってもいるからだ。
「うるっさいなぁ、もう…………。
あくまで、仕事だからやったんだからね。最後の最後にさぁ」
愛璃は、鋭い目つきで俺を睨み上げながら告げる。
纏う雰囲気は最初と同じ。
けれどもなぜか今は、まるで違って思えるのが不思議だ。
「あ、でもノリノリでやってたとか誤解招きそうなこと、店員にとか、ホムペの掲示板で言わないでよ?
もし言ったら、次から絶対NG客にするから!」
憤慨した様子でまくし立てる愛璃の頭を、俺は優しく撫でた。そういう気分だった。
「じゃあ、言わなきゃまた会ってくれるんだよな?」
からかうように俺が言うと、愛璃は唇を真一文字に引き結ぶ。
しかしその膨れ面からは、ついに否定の言葉が出てこないのだった。
終
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泰典に教わらなければ、俺は一生その風俗店を知らずにいただろう。
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しかし、会員だけに通知されるパスワードでログインすれば、一転して禁忌の園に様変わりする。
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目元のモザイク越しにも、間違いなく美人と確信できる嬢が何人もいた。
それだけに目移りしてしまう。
大体、風俗嬢の写真は加工ありきと考えるのが常識だ。
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【本日出勤】の写真をしばらく眺め回した末に、俺はある賭けに出た。
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ルックスがいい……本当かは解らない。
しかし他の嬢が顔出ししている中で、一人だけ写真がない事が妙に気になった。
風俗で働いている事を知られたくない、育ちのいい娘なのかも。
あるいはこれも罠で、とんでもなく残念なルックスの娘なのかも。
期待と不安が心の中で入り混じり、それでも俺は期待の方に賭けた。
迷った時には最初の勘を頼りに進む……それが俺の信条だ。
ホームページに記載された番号に電話を掛け、指名する。
写真のない唯一の嬢……『愛璃』を。
『えっ、愛璃ちゃん…………ですか!? どこでそれを?』
電話番の店員は、まず驚きの声を上げた。
俺がホームページで見た事を伝えると、受話器から店員の気配が遠ざかる。
『…………おいおい、なんでもう愛璃ちゃんの写真載ってるわけ?
お客さんが見たって言ってんだけど。マズいよー、誰だよ更新したの』
別の従業員に呼びかける声が遠く聴こえる。慌てるあまり保留にし損ねたという様子だ。
その瞬間、俺は確信した。この愛璃という嬢は、やはり特別なのだと。
「愛璃ちゃんで、お願いします!」
俺が語気を強めて告げると、通話状態である事に気付いたのだろう、店員の息を呑む声がする。
その後はしばし、困惑したような唸りが聴こえていた。
「是非!」
俺はさらに押す。ここが交渉時だ、プレミア嬢を何としても指名するのだ。
すると数秒の沈黙の後、ついに小さな溜め息が聴こえてくる。
「…………わっ……かりました、愛璃ちゃんですね。
ただ言っときますけど、あんまりサービスの方は期待しちゃ駄目っスよ。
一応研修はしたんですけど、正直まだ接客向きの態度じゃなくって……。
指名料はオマケしときますんで、そこんとこ大目に見てやってください」
まるで腕白娘を紹介する親のように、店員は声を潜めてそう告げた。
※
店に着いたのは、予約時間である16:00より30分も前だった。
当然、時間までは1階隅の待合室で待機するのだが、その道すがら……俺は聞いた。
「おごぉお゛ええ゛…………ッえ゛ぉ、おお、っご…………!!」
凄まじい、えづき声。
普通のフェラチオではまず出ない、AVの中でしか聞いたことの無い声。
それが間違いなく、個室から漏れている。
俺は思わず足を止めた。
しばらくえづき声が繰り返された後、飲み物に噎せたような鼻水の音が3度。
そして、げほっ、ぇほっという激しい咳き込みが続く。
「ホラ、何やってんの。駄目だろ離しちゃ」
いかにも変態親父という感じの声が、咳の音に混じった。
咥えた物を離した事について叱っているのだろう。
もはや疑う余地は無い。
この薄いドア一枚隔てた向こうでは、俺が夢にまで見た、生のイラマチオが行われているんだ。
俺は、早くも逸物が硬く勃ち上がるのを感じた。待ち時間の一秒一秒がもどかしかった。
そして…………ついに夢の時間が来る。
螺旋階段を上がって2階へ。左手突き当たり、フリルだらけのカーテンを越えれば楽園がある筈だ。
ところが。
――――しまった!
部屋へ一歩足を踏み入れた瞬間、俺は反射的にそう感じていた。
嬢……“愛璃”がブサイクだった訳じゃない。というより、容姿を確認する間さえなかった。
『間違って、女子校生の部室に入ってしまったような錯覚』
俺の全身を支配していたのは、まさにそれだ。冷や汗が背中を伝う。
しかし、一呼吸置いて俺は落ち着きを取り戻した。
よくよく室内を見れば、ありふれたヘルスの個室だ。
オレンジ色の光に彩られ、ダブルサイズのベッドが圧倒的な存在感を誇る小部屋。
女子校生の部室とは似ても似つかない。
ただ、ベッドに腰掛ける愛璃に視線を戻した時、俺は錯覚の理由を理解した。
そこにいたのは、疑う余地も無い完璧な『女子校生』だったからだ。
愛璃はブレザー型の制服を身に着けていた。
ヘルス倶楽部で、制服がコスチュームとして取り入れられている例は珍しくない。
ただ、愛璃のそれはコスプレという風ではなかった。
駅で立っている本物の女子校生を見て、制服のコスプレだとは思わないように、
彼女の制服姿はあまりにも違和感がなさすぎた。
使用感というのか、妙に着慣れている感じがする。
顔立ちもどこかあどけなさを残しており、いよいよ本物の女子校生らしい。
近年は、風俗店が『本物の未成年』を雇って騒ぎになるケースがあるが、もしやこれも……と疑うほどに。
「何?」
あまりにも顔を凝視しすぎていたのか、愛璃は憮然とした様子で告げた。
この態度もまた、先ほどの錯覚の要因だろう。
この愛璃という嬢、常に妙なプレッシャーというか、パリッとした雰囲気を放っているのだ。
それはまさに、高校の部活動で感じられる類のものだった。
俺は嫌がられるのを承知で、改めて顔を注視する。
初めて意識的に見るその顔は、正直、予想を遥かに超えるものだった。
アイドル級。甘い評価でなく、はっきりとそう言える。
コンビニで週刊誌の表紙を飾っていれば、思わず手に取ってしまう。
背中まである黒髪は艶やかで、頭頂部付近の光の輪が印象的だ。
ただ、万人向けとは言い難いルックスだった。
表情が厳しいからだ。
明らかに、こちらの事を警戒あるいは軽蔑している。
眉根は寄り、吊り目気味な瞳はくっきりと開いたままこちらを見据え、口元にも緩みというものがない。
実際、目力は相当なものだ。気の弱い人間なら、2秒間視線を合わせることすら困難だろう。
ただし、俺のような変態にとっては大好物だ。これほどルックスのいい少女に睨まれていると、それだけで興奮できる。
俺はゆっくりと愛璃の方に歩み寄り、ベッドに腰掛けた。
そして愛璃の肩に手をかけてキスを迫る。
しかし、愛璃はにべもなく顔を背けてしまう。その先に回りこんで再度キスを申し入れても、同じこと。
あくまでキスを拒否するつもりらしい。
念の為言うと、ホームページには『即尺、即キス大歓迎!』とあったのだ。
どうやら接客態度がなっていないのは本当らしい。
とはいえ、俺の興奮は些かも冷めない。むしろその冷たい態度が、いよいよ俺の嗜虐心を尖らせていくようだ。
しばしキスを拒絶された後、俺は仕方なく愛璃をベッドに押し倒す。
そして、一枚ずつ彼女の制服を脱がしにかかった。
当然というべきか、愛璃はその時にも抵抗の意思を見せる。
「俺は客だぜ」
そのたび、俺はそう囁いた。すると、愛璃の抵抗が一旦収まる。
さすがにヘルスで働く以上、裸になることを仕方ないとは思っているようだ。
とはいえ、最後のシャツを脱がす瞬間や、パンツのゴムに手を掛けた瞬間にはまた抵抗を見せる。
結局、服を脱がしきるまでに、俺は10回以上も『俺は客だ』と繰り返すハメになった。
その苦労の甲斐あって、とうとう愛璃の肢体が露わになる。
本物の現役女子校生ではという疑念は、俺の中でさらに大きくなった。
身体が本当に瑞々しい。
普段俺が指名するヘルス嬢とは、まるっきり肌ツヤが違う。
オレンジの光の中でも解る、淡い桜色だ。腹部の肌を見ているだけで勃起の感覚が来る。
体型は、腰のくびれも魅惑的なスレンダー型。
けれども乳房のボリュームだけはかなりあり、男である俺の手でも掴むのがやっとのサイズだ。
D、いやEカップか。俺は脳内でそう当たりをつける。
「いい身体してるね。何かスポーツとかやってるの?」
俺は軽く愛璃の身体に触れながら尋ねた。
「まぁ」
愛璃は素っ気無く答える。
「何やってるの?」
「日拳」
2度目に返ってきた答えで、俺は正直少しだけ引いた。
日拳……略さず言うと日本拳法。
直突き(ストレート)の強烈さで知られる、実戦派格闘技だ。
防具をつけて練習するので顔や体に傷がつかず、女性向きといえば女性向きなのかもしれない。
俺は一瞬愛璃の身体から手を離しかけたが、ここで退いては男が廃る。
「へぇ、凄いね」
俺は平静を装いつつ、いよいよ愛璃の肉体を弄り始める。
愛璃の視線が露骨に鋭くなっても、男の意地で怯えは見せない。
見た目通り、愛璃の肌触りは最高だった。やはり本物の女子高生では……3度そう思うほどに。
ボディラインはいかにも女の子で、一見格闘技をしているようには見えない。
ただ、腕を軽く掴むとやはり違和感があった。
力瘤のできる部分の逆側……二の腕の下部がやや発達しているようだ。
太腿にも一般的な女性より若干の厚みがあり、弾力もあり、下半身の力はかなり強いものと思えた。
これらが、日拳をやっている人間の特徴なのだろうか。そう思いつつ触ると、下心を抜きにしても興味深い。
「触り方がキモいよ」
下心抜きに、と思った矢先、愛璃が言った。
氷のような視線、氷のような口調。たまらない。
俺はいよいよ嬉しくなり、愛璃の背後に移る。そして長い黒髪に鼻を埋めながら、乳房に手を回す。
「ちょっ……と」
愛璃は不機嫌そうな声を発しながら、やおら俺の手首を掴んだ。
格闘技をやっているだけあって、相当に力が強い。
俺もかなり力を込めているはずなのに、簡単にぐいと外された。最も、そういうコツがあるのかもしれないが。
「俺は客なんだぜ」
仕方なく、俺は魔法の言葉を囁きかける。
すると、俺の手首を掴む愛璃の手が強張った。そして数秒の躊躇の後、ゆっくりと指が開いていく。
俺は遠慮なく幸せを堪能にかかった。
一時的とはいえ、すっかり大人しくなった愛璃の髪を背後から嗅ぎ、乳房を揉みしだく。
きめ細かい黒髪の内側からは、とてもとても良いシャンプーの匂いがした。
俺は全く知らない類のシャンプーだ。女の子は一体どこで、こういうシャンプーを見つけるんだろう。
乳房もまた極上だ。若干の硬ささえ感じられる、張りたっぷりの乳房。
俺はその芯の残った乳房を揉み解すように、無遠慮に乳房を揉み続ける。
上下左右に大きく揺さぶり、乳首を指先でこねくり回し。
遠くにある風呂場の姿見にも、ボリューミーな乳房の乱れようがはっきりと映っている。
「どう、気持ちいい?」
俺が尋ねると、姿見の中で真一文字に引き結ばれていた愛璃の唇が開く。
「うざい」
紡がれたのは、たったのその一言。
あくまで一呼吸の範囲内でしか会話をしないつもりなのか。
その生意気さは…………俺にとって最高だ。
俺はいよいよ興奮し、愛璃の片腕を高く上げさせる。そして晒された脇の下を、これ見よがしに嗅いだ。
「…………っ!」
露骨に眉を顰めて嫌そうにする愛璃。その顔が、たまらない。
もっと嫌がられたいという、倒錯的な気持ちが沸き起こってしまう。
しばしのスキンシップの後、シックスナインの体勢に入ってからも、愛璃の態度は相変わらずだった。
俺が下になり、愛璃の秘裂を舐める。熱心に。
上になった愛璃は、勃起した俺の逸物をしゃぶる。いかにも気乗りしない様子で。
フェラチオというレベルにすら満たない、緩慢かつ無気力なしゃぶりだ。
上から密着してくる愛璃の肉や、左右非対称とはいえ充分に綺麗な秘裂の味は素晴らしい。
しかし、肝心な嬢の奉仕が杜撰では生殺しというものだ。
俺は無気力な嬢に罰を与えることにした。
この店では様々なSM道具が、無料オプションだけでも色々と用意されている。
その中の一つ……鼻フックを取り上げて愛璃に見せ付ける。
「どう使うか、解るよね」
俺が言うと、愛璃は予想通り表情を険しくする。
険しいが、それでも充分に愛嬌のある顔。それを今から、醜く壊すのだ。
フェチな人間として、これに興奮しない訳がない。
「ンあ゛っ……!!」
勢い良く鼻フックで吊り上げると、愛璃は短く呻いた。
鼻腔は見事な逆三角に変形し、鼻頭は醜く皺を寄せて潰れ、数秒前までの美貌が跡形もない。
なんて罪深いんだろう。俺は胸の中にゾクゾクと沸き起こるその考えに酔いしれた。
ブタ鼻を虐めるのは、想像以上に愉しい。
これでもかというほど執拗に鼻腔の内外を嘗め回し、俺の唾液まみれにする。
指で鼻を浅く穿り回し、その後綿棒やこよりを使って、気が済むまで鼻腔の深くを弄くり回す。
愛璃は凄まじい目力で睨んできていた。
さすが格闘技をやっているだけあって、割とマジで怖い。
ただその瞳も、鼻腔を弄くり回すうちに細まり、痙攣し、耐え難い苦しさに歪む。
かひょっ、ぁひょっと情けない声を何度も喉の奥から絞り出し、やがて目頭から大粒の涙を零す瞬間は最高だった。
軽く10分以上は苛め抜いただろうか。
最後の方には、愛璃の鼻はよく拡がったまま病気のように痙攣するようになっていた。
その頃には鼻水の量もそれは凄まじく、本来は整っている愛璃の鼻から下をグズグズに汚していた。
俺はその無残な姿を堪能しつつ、さらに道具を追加する。
ホワイトヘッド開口器。口を大きく上下に開いたまま固定できる、医療用の道具だ。
口を開きやすい代わりに外れやすくもあり、固定するためには頭後ろに回すゴム紐が必須でもある。
さすがにその辺りは良く考慮してあり、ここのオプション用開口具もゴム付きだ。
口を大開きにさせたまま、俺はしばし愛璃の舌を弄んだ。
愛璃の舌は、他の誰でもがそうであるように生暖かく、程よい弾力を持ちながらも柔らかい。
指で扱くと、身を捩るように指の間で踊り狂う。
口を閉じられないため唾液は垂れ流しになり、俺の手の平から零れては滴っていく。
俺は時々舌を離し、手首を返しながらしとどな唾液を舐め取った。
無味無臭のはずの唾液が、目の前の美少女のものだと思って舐めると媚薬のように感じられる。
それを飲み下した瞬間、俺は自分の中の熱さを堪えきれなくなる。
気付いた時には、痛いほどに勃起した逸物を、開いた愛璃の口内に押し込んでいた。
小さく腰の辺りが圧迫されている。
事態を把握した愛璃の抵抗だろうが、俺の腰を止めるには至らない。
俺は愛璃の艶やかな黒髪に指を絡ませ、深く逸物を咥え込ませた。
シックスナインの時とは比べ物にならないほど、逸物が深く入り込んでいるのが解る。
口を目一杯開いていてもなお、口内の生暖かさが伝わってくるのが新鮮だった。
はっ、はぁっ、という吐息も正面から亀頭をくすぐる。
その中で、俺は逸物の抜き差しを繰り返した。
なるべく奥まで突くようにしつつ、どこまで入るのか試すように抜き、挿す。
8回目の試みあたりから、逸物の先に喉の奥まりの感触がしっかりと伝わるようになってくる。
「んがカっ、えぁ゛…っハァ、ハァ、ハァッ………ぁえあ゛っっ…………はっ、ハァッ…………!!」
犬のように荒い呼吸に混じり、愛璃のえづき声が漏れていた。
涎も垂れ流しになっている。口を閉じられないので、止める術がないらしい。
鼻も豚のようで、実に惨めな有様だった。
強気な娘だ、内心では相当な屈辱を感じている事だろう。
実際、最初の頃は例の鋭い眼光で睨み上げてきていた。
ただそれも疲れるのか、数分した頃には目を細め、視線を斜め下に投げ出すようになってしまう。
苦しさからか、屈辱からか、その細まった目尻からは時おり涙の雫が伝い落ちる。
俺はそれらすべてをたっぷりと愉しんだ。
その後に、俺は愛璃の開口具と鼻フックを取り除いた。
愛璃の可愛らしい頬には、くっきりと開口具の痕が残っている。鼻も真っ赤だ。
「ぷっ、ぷっ、ぺっ!!!」
すぐに愛璃は、口内のものを吐き出しはじめる。
俺の先走りの汁でも吐こうというのだろうか。
俺はそんな愛璃を視界の端に捉えつつ、三つ目の道具を手に取った。
開口マスク。
先ほどの開口具とは違い、完全なSM用の道具だ。
鼻から下を覆う黒いラバーマスクに、一箇所だけ円筒状のリングが嵌め込まれている。
そこへ逸物を差込み、強制的に咥え込ませるという仕組みだ。
「ほら、咥えろよ」
俺はマスクを裏返した状態で愛璃に近づけ、リングを口元に押し付けた。
「やあっ……!」
愛璃は拒絶の言葉を口にしようとしたが、まさにその口の形が、リングを嵌め込むのに最適だ。
俺はすばやくリングを口内に押し込み、マスクを装着させる。
「うっ、うう゛う゛っ…………!!」
愛璃の非難は、すぐにくぐもった響きに変わった。
前の開口具より、声を遮る効果が高いらしい。
俺はまた新しい興奮を覚えながら、黒マスクの穴へと逸物を潜り込ませていく。
今度の抽迭は実にスムーズだった。
さっきは口を大きく開かせていた分、挿入する角度を工夫しなければならなかった。
ところが今回は、ただリングの中に突っ込むだけだ。何の迷いもない。
口内自体も、さっきより締まりが良い。
逸物の先が喉の突き当たりに届くと、漏れなく口粘膜が肉幹に纏いついてきて堪らない。
全く喉を突かなくても、狭まった口内の生暖かい呼吸が、はぁはぁはぁはぁと逸物に吹きかかる。
それはごくごく弱いフェラチオのようなもので、くすぐったい快感があった。
射精には至らないにせよ、萎えない程度のクールダウンにはもってこいだ。
そして、何より。
「んごぉおお゛ぇええ゛っ、おうえ゛っ…………!! んごっ、お、あお゛おぉっ、お゛、お゛っっ…………!!」
このえづき声だ。
一切遠慮の必要がなくなった俺は、愛璃の頭を両手で抱え込み、自分の腰に押し付けている。
もう喉奥を突くなんて事は当たり前。喉奥の窄まりを突破し、さらにその奥の空間に亀頭を滑り込ませる事もある。
凄まじいえづき声は、だいたいそこから亀頭を抜く瞬間に上がった。
そして興奮する要素は、触覚、聴覚のほかにもう一つ。視覚もある。
開口具と鼻フックの時は、意図的に愛璃の相好を崩していたが、今度は素の顔が見える。
目を固く瞑って、額にいっぱい汗をかいて咥えこむ愛璃の顔は、もう反則的としかいえないほどに可愛らしい。
いつの間にか、俺の足を押しやろうとする抵抗もすっかり弱まっていた。
時々反射的にそういう動きをするものの、大抵は俺の膝上を小さい手で掴んでいるだけだ。
イラマチオを受けている最中は暴れるなと、店から指導を受けているのかもしれない。
あるいはあまりの辛さに、呆然としているのかもしれない。
いずれにせよ好都合。
俺は幾度も幾度もリングの中で逸物を前後させ、時には引き抜いてもみた。
リングから、まず唾液で濡れ光る逸物が現れ、それを追うようにして真っ白な唾液が零れ落ちる。
愛璃自身は虚ろな瞳を開いたまま、俯きがちに喘ぐ。前髪や額から汗が次々と噴きだし、滴る。
その色っぽさを堪能すれば、また咥え込ませる。
それを繰り返した。その果てに、俺の射精感は刻一刻と高まっていく。
ここ数年来なかったほどの、膨大な射精の予感がする。
長く楽しみたい思いは、ついに射精欲求に負けた。
俺はいよいよ激しくストロークを繰り返しながら、喉の深くでぬるい空間へと精をぶちまける。
予想通り、凄まじいまでの射精だ。逸物の内部が幾度も幾度も脈打ち、精を吐き出していく。
たっぷり10秒は射精した後に、俺は逸物を引き抜いた。
愛璃自身の唾液でべとつくリングを通り抜け、冷ややかな外気の元へ。
「うぇ、えっ…………」
その直後、俺の放った大量の精液が愛璃の口から吐き出される。
可愛い顔から精液が吐き出される様子は、本当にいやらしい。
喉奥まで咥え込まされたのが、よほど苦しかったのだろう。
愛璃は薄っすらと涙を浮かべ、熱に浮かされたような瞳で前方を眺めていた。
「大丈夫か?」
さすがに心配になった俺は、マスクを外しながら愛璃に呼びかけた。
けれども反応はない。最初の頃の、ピリッとした雰囲気が跡形もない。
やりすぎただろうか。そうも思ったが、店で許可されている範囲で愉しんだまでだ。
俺はそう割り切り、せめて時間一杯愉しませて貰おうと、今度は道具なしで逸物を咥え込ませる。
脱力した愛璃を人形のように使い、頭を掴んで前後させる。
舌も動かない。拒絶もない。
けれどもその空しい一人遊びは、それから数分もしないうちに、180度変わることになる。
最初に感じたのは、逸物が握りこまれるような感触だった。
ぎゅうと締まるような感覚。
「うわっ!?」
何事かと驚いている間にも、状況は進行していく。
逸物に舌が絡みつき、口内粘膜が纏わりつき、尋常でない吸引がなされる。
じゅくっ、じゅぶっという水音が部屋に響き始める。
「あ、うわぁあああっ!!?」
俺は思わず叫んでいた。快感があまりに大きい。
先ほどまでのイラマチオも、人生初の劇的な体験だった。
ところが今のこのフェラチオは、その記憶をさらに上書きするほどに凄まじい。
『腰が抜ける』という感覚を、俺は生涯初めて、身を以って体験していた。
とても立っていられない。
縋るようにベッドに座り込み、膝立ちでなお逸物に吸い付いてくる愛璃の玩具と化す。
「ん、んふっ…………ん、んふぅん…………」
愛璃は小鼻から愛らしい息を漏らしながら、ただフェラチオに没頭していた。
とろんとした目の様子こそマスクを外した時と変わらないが、それ以外の全てが一変している。
「あああああああぁああっ!!!!!!」
俺はまた叫んだ。快感が強すぎて、叫ぶ以外の行動が取れない。
格闘技の熟練者に殴られ続ける間は、ただ叫ぶしかないように。
そうだ……これは、暴力での一方的な蹂躙と同じだ。
「ヤ、やぇっ…………ちょっ、ほんと、に…………!!」
俺は自分でも情けないと思える声を出していた。
大量射精したばかりの、鈍痛さえ覚える逸物から、問答無用に搾り取られる苦痛。
それは声を裏返すに充分だった。
何分もっただろう。いや、何十秒堪えられていただろう。
俺はもう堪らず、一度出したにも関わらずかなりの量を射精していた。
射精の最中に声は出せなかった。歯を真一文字に食い縛り、バーベルを上げるような気迫で射精していた。
さらに、それでもなお愛璃は止まらない。
射精した尿道の中身を、異様な吸引力で吸い上げ始める。
射精に次ぐ射精、その直後の尿道責め。これには、俺の内腿がビクンビクンと痙攣を始めてしまった。
「おい、おい!! やめろよっ、休めよ…………!!」
俺は叫んだ。愛璃は何かに憑かれたように、一心不乱に精液を吸い上げている。
やばい、やばいやばい。
俺が脳裏にその言葉を繰り返し始めた頃、唐突に吸引は止まった。
「………………あれ………………?」
気の抜けるような愛璃の声が発せられる。
その後、彼女は自分の精液まみれの手の平を見やり、目の前の逸物を眺めて……
やってしまった、と言わんばかりに、大仰な溜め息を吐いた。
※
「いっやぁ、あれは気持ちよかった。最高だ!!」
俺は愛璃に賞賛の言葉を送る。
本心の一部でもあったし、そう言えば愛璃が困ると解ってもいるからだ。
「うるっさいなぁ、もう…………。
あくまで、仕事だからやったんだからね。最後の最後にさぁ」
愛璃は、鋭い目つきで俺を睨み上げながら告げる。
纏う雰囲気は最初と同じ。
けれどもなぜか今は、まるで違って思えるのが不思議だ。
「あ、でもノリノリでやってたとか誤解招きそうなこと、店員にとか、ホムペの掲示板で言わないでよ?
もし言ったら、次から絶対NG客にするから!」
憤慨した様子でまくし立てる愛璃の頭を、俺は優しく撫でた。そういう気分だった。
「じゃあ、言わなきゃまた会ってくれるんだよな?」
からかうように俺が言うと、愛璃は唇を真一文字に引き結ぶ。
しかしその膨れ面からは、ついに否定の言葉が出てこないのだった。
終
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