大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2014年11月

仇を恩で返す

※スカトロ(嘔吐、排便)、アナル注意。若干後味悪し。


由希が『恩』を重んじるのは、宗教に熱心だった母親の影響だろう。
人の恩を忘れるな、人に恩を返せ。
口癖のようにそう繰り返す母の元で育った由希は、絵に描いたような優等生だ。
髪を染めたことなど只の一度もなく、手入れの行き届いた黒いストレートロングを風に靡かせる。
勉強も部活も卒なくこなし、人目のない所でも背筋をピンと伸ばして歩く。
表情などは清楚さと律儀さで凝り固まったかのようだ。
その在りようは、教師陣からは模範とされる一方で、級友からは気味悪がられた。
実際、由希は中学の秋頃に虐めを受けた事がある。
毎日教科書を捨てられ、上履きには生卵を入れられた。
その状況を救ったのが、後に由希の親友となる葉月だ。
葉月は由希とは対照的に、今風を絵に描いたような娘だった。
彼女がどのようにして由希への虐めを終わらせたのかは判らない。
しかし事実として、彼女が由希に話しかけ始めた翌日には、執拗な嫌がらせはピタリと止まっていた。
由希にとって、親友と呼べる初めての存在にして、大恩ある相手……それが葉月だ。
そう、『大恩』がある。
葉月を守るためなら、由希は身の犠牲も厭わない。

「葉月、昨日もアザ増えてたよね」
講義の最中、由希は隣に座った友人から囁きかけられた。
「……うん」
由希は短く答える。
人受けの良い葉月は、高校時代から男遊びは比較的派手だった。
しかし男選びのセンスは決して良いとは言えず、痛い目ばかりを見ているらしい。
女をATMのように見ている男、あくまで体目当てで飽きれば捨てる男……。
そして大学に入った今の恋人は、暴力を振るう。
由希は様々な噂から、その男の素性をある程度把握していた。
名は士崎瑛斗。暴走族上がりの26歳で、恐喝や舎弟等からの献金で暮らしている。
性格は極めて粗暴にして自己中心的であり、刑務所送りになったとしても、出所後に必ず通報者を殺すと囁かれている。
そのため実質的に、彼の周囲は無法状態だという。
葉月は不良じみた男と付き合ううち、この瑛斗に貢物として献上されたのだろう。
以来、葉月の体には傷や痣が絶えない。
彼女はある事を瑛斗に強いられ、それを拒否しているがために瑛斗の反感を買っているらしい。
それは、
『葉月自身よりも容姿のいい、なるべくなら黒髪の真面目そうな女』
を紹介することだ。
この噂を耳にした瞬間、由希は、自分の心にすとんと覚悟が落ちる音を聞いた。
パズルの最後の1ピースが嵌まりこんだかの如く、綺麗に決意を固められた。
自分が身代わりになり、瑛斗から葉月を守ると。
すでに迷いはない。この講義が終わった後、葉月がバイトに入っている間に、由希は瑛斗と話をつける。


瑛斗のマンションは、到底普通の20代が住めるような代物ではなかった。
15畳ほどの部屋が複数あり、光り輝くバスルームも全面ガラス張りで開放的。
その家賃の出所はすべて他人の金だというから、ふてぶてしいものだ。

「……ほぉーう、葉月の代わりか」
姿勢悪くソファに掛ける瑛斗は、由希を値付けでもするように眺め回した。
艶やかな背中までの黒髪を、穢れのない瞳を、結ばれた薄い唇を、卵の先のような顎を。
男が抱く『清楚さ』を直撃するような、お嬢様然としたブラウスにスカートを。
目論見通り、すぐに瑛斗の口元は緩む。
「なるほど、合格だ。マジで男慣れしてねぇって感じだな。そそるぜお前」
「ありがとうございます」
瑛斗の言葉に薄い笑みを浮かべながら、由希の心中は煮えたぎっていた。
大切な親友を連日痛めつける仇なのだ。
噂通りの粗暴そうな見た目。
ギラギラとした金髪を後ろに撫でつけ、柄シャツと銀のイヤリング・ネックレスを身につけている。
眉間に皺の寄った目元からは、誠意の欠片も感じられない。
胸板や上腕は相手を威圧するように厚く鍛え上げられており、女の筋力ではどう足掻いても抵抗できそうにない。
 (それで…………殴るなんて)
由希は必死に微笑を造りながら、手の指を握り締める。
「…………ひとつだけ、お願いさせて下さい。葉月には、この事……内緒にして頂けますか?」
由希は、かろうじてそう言葉を搾り出す。
本心だった。由希が瑛斗に近づく事を、葉月は望むまい。
だからこそ、葉月は親友である由希にさえ、自らの苦境を語ろうとしないのだ。
「あ?…………クッ、ハハハハッ! 何だ、アイツの斡旋じゃねぇのかよ!?
 お前みてぇなのが、自分の意思でオレん所に来るとはなぁ。……ま、いいぜ。座れよ」
瑛斗は乾いた笑いを発すると、自らが掛けるソファの横を叩く。
「有難うございます。……失礼します」
由希は30度に頭を下げ、スカートの後ろを押さえながらソファに腰掛ける。
その一連の仕草を、瑛斗の目が興味深そうに追っていた。

「んじゃ、さっそくヤることやっか」
瑛斗は手を伸ばし、由希の顎を摘み上げる。
そして強引に自分の方へ向かせると、由希自身の意思を無視して唇を奪った。
「!!!!」
由希の目が見開かれる。
彼女にとって、初めてのキスだった。
中学までは公立だったものの、高校・大学はミッション系の女子校に在籍し、男との触れ合いは一切ない。
キスはおろか、異性と手を繋いだ経験さえ皆無だ。その初めての触れ合いは今、憎い男に奪われた。
「んっ、んんんっ!!!」
口内で暴れまわる瑛斗の舌に、由希はくぐもった悲鳴を上げる。
そもそも経験がない上に、自分本位なキスを強要されては堪らない。
挙句に瑛斗は、口づけを強いながら、由希のブラウスの中に手を差し入れた。
そして無遠慮にブラジャーを引き下げ、乳房を鷲掴みにする。
「ンううっ!!!」
由希は当然に反応した。瑛斗はそれを楽しみながら乳房を揉みしだきつつ、邪魔そうにブラジャーを引き千切る。
由希の腋の下に痛みが走るのも構わず。
「っふはッ!」
瑛斗はここで一旦口を開放し、激しく喘ぐ由希の顔を眺める。
そして笑みを浮かべると、左手を伸ばしてスカートを捲りあげた。さらにはそのまま、流れるようにショーツの中へ指を入れる。
「っ…………!!!」
本能に従うならば、由希はこの時強く脚を閉じたかった。
しかし今は、何よりも瑛斗の機嫌を取らなければならない。ここで機嫌を損ねれば、葉月の身代わりどころではない。
ゆえに開く。まるで瑛斗の指を迎えるかのように。
「ヘッ」
瑛斗は小さく笑い、手の甲でショーツのクロッチ部分を盛り上げる。同時に中指と人差し指を、恥じらいの部分へ。
「おっ、結構キツいな」
そう呟きが漏れると共に、二本指は内部への刺激を始める。
ここだけは流石にと言うべきか、他の部分への刺激とはまるで違った。
優しささえ感じる絶妙な力加減で、ハッキリと快感の伝わる部分だけを的確に刺激してくる。
ほんの数秒で、由希が『変わる』未来を確信するほどに。
「ンだよ、あんま濡れてねぇなお前。オレとヤんの楽しみにして来たんじゃねぇのかよ?」
瑛斗は、語気に苛立ちを含ませて問う。由希は焦り、しかと瑛斗の瞳を覗きこんだ。
「す、すみません! すこし、緊張してしまってるみたいで」
乞うような口調でそう告げると、瑛斗の目元が若干緩む。
「ったく、しゃあねぇな。濡らしてやっか」
乳房を揉みしだきながら宣告された言葉が、棘のように由希に突き刺さる。
親友の仇に欲情させられる屈辱。しかし、そうしなければ親友を守れない現実。
その2つが由希の痩身の奥で、蛇のように這いずり回っていた。



スカートを脱ぎ捨てるように命じられてから、20分あまり。
大股を開いた上で、右脚裏だけをソファの座部に乗せる、はしたない格好を取らされてから10分あまり。
ショーツに潜り込んだ指の動きは、いよいよ滑らかなものになっていた。
もはや誤魔化しようもない、グチュグチュという水音が繰り返される。
自慰で達する時とは比にならない量の愛液が、ショーツと内腿、ソファの座部を濡らしている。
「はぁっ、はぁっ、はあっ、はぁっ…………はぁっ…………あううっ!」
由希はいつしか、激しい喘ぎ声を発するようになっていた。
演技ではない。演技などする余裕もないほど、身も心も蕩かされている。
ふわふわになった柔襞を撫でられるのも、その中で一箇所だけひどく熱いポイントを指先で押さえられるのも堪らない。
指が蠢く中、中指の付け根付近でやさしく陰核を潰されると、100%甘いだけの悲鳴が漏れてしまう。
憎い男だと頭では解っていても、その技巧への浸りが砂糖のように止められない。
「濡れてきたな」
弄ぶようだった瑛斗がとうとうその事実を口にし、ショーツから指を引き抜く。
そしてその手を由希の眼前まで持ち上げ、ゆっくりと開いて見せた。
オイルを掴んだように、全体が妖しく濡れ光った手。その指がお互いに離れていくと、そこにとろりとした糸が引く。
「うっ……!」
自らの粘ついた愛液を前に、由希は言葉を失った。
瑛斗はその由希の唇へと、自らの指を近づける。
「お前の汁で汚れたんだ。口でキレイにしろ」
おぞましくもそう告げられ、由希は一瞬驚愕の表情を見せる。
しかし、断れない。瑛斗の心を刺激せぬよう、あえて陶然とした表情を作って、節ばった指の先を咥え込む。
体臭を濃くしたような内臓の匂いが鼻に抜け、まるで美味なものではない。それでも、よく味わっているように演技する。
瑛斗が良しという瞬間まで。
「ハハッ、旨そうにシャブりやがって。やっぱお前、マゾだろ?
 オレにわざわざ抱かれに来る辺り、そうじゃねぇかと思ってたがよ。
 …………っし、もういい。んじゃ、本番いくぞ。いいな!」
瑛斗は有無を言わせぬ口調で告げ、由希の身をソファへと押し倒した。
そしてショーツをずり下げ、片足首に絡ませるようにすると、自らも素早く下を脱ぎ捨てる。
鍛え上げられた脚の間に、天を突く勢いでそそり立つ怒張が現れる。
「………………!!」
由希は、息を呑むしかなかった。
男性経験のない純粋無垢な娘が初めて目にするにしては、その怒張は凶悪に過ぎる。
「デケェだろ。ま最初は痛ぇだろうが、すぐにこれ無しじゃいられなくなるぜ」
瑛斗はそう言いながら、由希の脚の間に膝をつく。
そして左手で由希の右膝を押さえつけ右手をソファの背もたれに掛けながら、一気に腰を埋没させる。
「っ!!!!!!」
ズン、という最初の一突きで、由希が20年守り続けてきた純潔は破られる。

破瓜の痛みは、覚悟以上のものだった。
瑛斗の視線が胸の辺りにあるのをいい事に、由希は首を逸らし、瞳を一杯に見開き、全ての歯を食い縛って必死に悲鳴を噛み殺す。
かつて友人から聞いた、身が裂かれそうだという表現はまったく大袈裟でない。
そして今の相手である瑛斗は、その由希の反応を察してくれるような男ではなかった。
「ヘッ、突っ込んでもキツいじゃねぇか! コイツは、なかなかイイぜっ!!」
陰湿な笑みを浮かべながら、瑛斗は自分本位に腰を振る。
長いストロークで奥に叩きつけるような、鐘突きを思わせるセックス。
「ひっ、ひぃっ! あっ、ひはっ、かぁっ…………はぁっ………………!!」
由希は常時目を見開きながら、それに翻弄された。
下半身が巨大なミキサーに飲み込まれるような、得体の知れない不安が胸一杯に詰まっている。
そのせいで正常な呼吸がままならず、喘息のようなものとなる。
ズンと奥を突き上げられる瞬間には、カハッとなけなしの空気が吐き出されてしまい、余計につらい。
全身から冷や汗が噴きだし、しかし肌の表面は火照ったように熱い。
「あああクソ、締めすぎだ! もう出るぞ……ゴム付けんの忘れちまったが、まぁ良いよなッ!!」
瑛斗は恫喝するように叫ぶと、由希の膝頭を押し開き、いよいよ激しく腰を打ちつけ始める。
そして6度目に奥を穿った瞬間に、腰の動きを止めた。
由希の腿と密着している毛深い部分が何度か蠢き、その直後、膣の奥に違和感が生じる。
ぬるりとした何か。
それが憎い男の子種であると把握した瞬間、由希は全てを押しのけて膣内のものを掻き出したくなった。
しかし、それはできない。由希はただ、視線を横に投げ、逸物が白濁を纏いながら抜き出されるのを視界の端に捉えるしかない。
「はぁ……はぁっ……はぁ……はぁ…………」
由希が数十分ぶりに呼吸を整えている間、瑛斗が何か動きを見せた。
由希の開いた足の間、シーツを凝視している。
「ンだお前、処女かよ!?」
瑛斗は意外そうな声で叫んだ。由希は疲労のあまり声も出せず、ただ乱れた秘裂を見られるのが嫌で脚を閉じる。
しかし、その情事慣れしていない行動こそが、何よりも雄弁に事実を語った。
「ハ……ハハッ…………ハハハハハッ!! そうか、そうか! お前にとっちゃ、オレが初めての男ってワケだ!」
瑛斗は髪をかき上げながら笑う。
「しっかし、まさか処女たぁな。てめぇのダチの葉月なんぞ、最初から散々やりまくってたっつうのによ。
 ……いいぜ、益々気に入った。じっくりオレ向けの女になるよう調教してやるからな!」
絶望的な宣言。
「…………はい。…………お願い、します…………」
由希は、あふれる涙を頬に感じながら、ただ小さく頷くしか術がなかった。



由希はその日、家に帰る事ができなかった。
気分の高揚した瑛斗につき合わされ、夜の9時を回ってもなお、弄ばれ続けていた。

「んごぉおお゛うぇっ!…………ごも゛ぉっ、おお゛お゛ぉ゛おう゛えっ…………!!!」
およそ女の声とは思えない、濁りきったえづきがバスルームに響く。
処女を喪失してから2回、ソファの上で抱かれ、シャワーを浴びる目的で入ったバスルーム。
そこで由希は、まだ髪に水気も残ったままの状態で、激しいイラマチオ調教を受けていた。
仁王立ちした瑛斗へ、膝立ちしてのイラマチオだ。
ソファでの3回戦の合間に、鈴口から睾丸にかけての、1時間あまりにおよぶフェラチオ訓練は済んでいた。
しかしイラマチオとなると訳が違う。
口を大きく開いてやっと咥え込めるような怒張で喉奥を突かれれば、当然に嘔吐反射が起きる。
それはよほどディープスロートに慣れているのでない限り、どうやっても避けられない。
特に、後頭部を手で押さえつけられ、意思を無視したやり方でのイラマチオとなれば尚更だ。
「んもぅぅうぉ゛おおえ゛はああ゛っ…………!!」
「チッ…………オイ、歯が当たったぞ。気ィつけろ」
由希が嘔吐反射でえづき上げた瞬間、瑛斗が苛立たしげに舌打ちする。
無論その間も、由希の髪を掴んでの揺さぶりは止めない。自らも強く腰を前後させ、亀頭を食道内部へと送り届ける。
由希はもはや、その美貌をグズグズに崩してしまっていた。
シャワーの水と脂汗が皮膚中に入り混じり、涙は幾筋も流れ、鼻水や濃厚なえづき汁まで垂れ流している。
しかし瑛斗はそんな状態を意に介さず、自分好みの奉仕ができるようになるまで調教をやめない。

そして、約五分後。
「ううう゛っぶうごぇえ゛ええ゛え゛っ!!!」
淡々とした調教の中でも何かの一線を超えたのか、由希は凄まじい反応を見せた。
前屈みだった背筋がいよいよ丸まり、指先がタイルの溝を掻く。
その瞬間、瑛斗が再度舌打ちした。
「……オイ」
ひどくドスの聞いた声で一言告げると、由希の髪の毛を根元から鷲掴みにし、怒張を口から抜き出す。
「ろ゛ぇっ……! うっ、げほっ、ゲボッ!!」
由希は唾液まみれの怒張を吐き出しながら咳き込んだ。
そして何事かと顔を上げた瞬間、その左頬に鉄拳がめり込む。
直後、けたたましい音を立てて石鹸棚が倒れた。そしてその中に突っ込む形で、由希の姿がある。
「っぎゃああああああっ!!!!」
悲鳴と共に、由希は激しく痺れる右頬に手を当てる。
その掌を覗き込めば、生命線も運命線も、何もかもが真っ赤に染まっていた。
大半は鼻血だ。しかし痛みからして、口も切れていることだろう。

「おい、オレお前に何つった? 歯ァ立てんな、っつったよな?」
瑛斗は再度由希の髪を鷲掴みにし、拳を握り締める。
「ひっ、ひぃっ……! あ、あぉっ、す、すみあせん! すみまぁせんれした…………!!」
由希は鼻を抑えながら、必死に謝罪の言葉を口にした。身体は恐怖で震えていた。
この部屋へ来たばかりの頃は、『瑛斗憎し』の心が最も大きかったはずだ。
瑛斗という男を身を以って知り、その次第によっては、隙を見計らっての殺害すら考えていた。
しかし、一瞬にしてその考えは吹き飛んでしまう。
勝てる訳がない。どうやったって、この屈強な男は殺せない。怒らせてはいけない。
脳と体の全ての部位が、最大限の警鐘でもって由希にそう告げていた。
「……ったく、テメェもかよ! なんで女ってなぁどいつもこいつも、こう物分かりが悪ィんだ」
瑛斗は肩を怒らせながら、一旦バスルームを後にする。
そしてややあって、何かを携えて戻ってきた。
浴槽の栓のようなもののついた、黒い拘束帯だ。
「開口マスクっつってな、葉月も使ってたヤツだ。
 テメェはゲロしそうになるとすぐ歯ァ立てっからな、慣れるまでこれ使うぞ」
瑛斗はそう告げ、鼻を押さえる由希の手を払いのけてから、顔半分をゴム製のマスクで覆う。
そして開けさせた口の中にリング状の開口具を嵌め込み、位置調整をしながら後頭部で2つのベルトを留める。
完成した瞬間、由希はその恐ろしさが分かった。
大口を開けたまま口が閉じられず、常に喉の奥までが空気に晒されている。かろうじて出来るのは、舌を動かすことだけだ。
この状態で、イラマチオを強いられれば……。

「もれぇ゛っ、えおろ゛……っ……もごぉおっ……お゛っ、ごぉ、ごっ…………ぉぼっ、うも゛ぉお゛お゛っ…………!!」
開口具を嵌められてから、由希のえづきは質が変わった。
ひたすらに叫び続けていたようなそれまでと比べ、本当に苦しそうなえづきを、途切れ途切れに発するようになった。
歯を立てて殴られる心配こそなくなったが、今は唇から食道までに、常時ルートが通っている。
その状態で怒張を咥え込まされるのは、尋常なものではない。
由希はもう幾度も、酸いものが鼻腔を満たすのを感じていた。
マスクの開口部分からどろりとしたものが滴り、かなりの熱さと共に乳房や太腿へ落ちていくのを感じていた。
特に瑛斗が、最奥まで飲み込ませたまま後頭部を押さえつけ、グリグリと腰に押し付ければ、相当な量がビチャビチャと床を叩く。
「おら、舌使えよ。喉マンコだけじゃ抜けねぇんだよ」
瑛斗は由希の後頭部を両手で掴み、自分の望むままに前後させ続ける。
そうして延々と続くイラマチオの最中、由希はどうしても気になり、掌で風呂場のタイルを撫でた。
そしてねっとりと指先に纏いつくものを感じながら、その手を瑛斗の背後で掲げ、視界の端に視認した。
 (……いやあっ!)
床に散乱しているのが紛れもなく吐瀉物だと脳が判断した瞬間、由希は声なく叫ぶ。
 (こんなの、こんなのって、ひど過ぎる……! 無理矢理犯されて、しゃぶらされて、吐かされて……。
 葉月もずっと、こんな事をしてたっていうの?)
由希は親友の笑顔を思い浮かべながら、苦しさとは別の涙を流した。
しかしそうした友情を、瑛斗は全く理解しない。
「うっし、復活したぜ。オイ、ベッド行くぞ、今度は口じゃなく、本物のマンコに入れてやる。
 こんだけしゃぶらせたんだ、アソコがドロドロになって堪らねぇだろ?」
瑛斗は濃厚な唾液に塗れた怒張を引き抜き、開口マスクのベルトを外しながら告げた。
驚異的な性欲だ。まだまだ由希は、欲望の捌け口にならねばならないらしい。
かけがえのない親友の為に…………。





それからというもの、由希は瑛斗が思い立った時間に呼び出され、抱かれた。
大学にいる時でも、深夜ですら呼び出しはある。
アルバイト中にも勿論呼び出されるため、2年続けたレストランの仕事は辞めざるを得なかった。
瑛斗は避妊をしない。
『ゴムをつけて欲しい』と由希が乞うても、気分次第では聞き入れず、またコンドームの装着に少しでも手間取ると暴力を振るう。
ゆえに由希は、日常的にピルを服用しなければならなかった。
身勝手な呼び出しに、身勝手なセックス。
そんな相手との行為が、由希にとって望ましかろう筈もない。
「…………う、うっ…………く…………ぅっ………………」
数度のセックスを終えて瑛斗がいびきを掻き始めると、由希は汗まみれの体を起こし、すすり泣く。
そしてしばらくしてから涙を拭い、服を着直して部屋を後にする。
無防備な瑛斗を見ても、殺害に移る勇気は持てない。
もし仕留め損ねれば、確実に殺される、という恐怖からだ。風呂場での顔面殴打は、完全に由希のトラウマになっていた。
ゆえに由希は、耐える道を選ぶ。
初めの頃は、ただひたすらに苦しいだけだった。
経験が少ないため、どんな体位であろうとも、痛みがひどい。
それでも由希は、瑛斗に気に入られるよう、必死にセックスを愉しんでいる風を装った。
「あっ、あ……あっ、ふああ…………き、きもち……いいです…………っ!」
艶かしく喘ぎ、心地良いと訴え、なるべく身体をリラックスさせる。
すると不思議なもので、瑛斗との逢瀬を重ねるうち、本当に心地良くなってくる。
瑛斗の怒張の大きさに慣れた、という事もあるだろう。

由希が初めて膣内での絶頂を迎えたのは、処女喪失から2週間後の事だった。
いつもの通り指での前戯から始まり、正常位、背面側位を経て、対面座位に至った折だ。
予兆は初めからあった。
生理前という事もあって感じやすくなっており、前戯の時点で濡れ方が違う。
最初に正常位で挿入を受け入れた瞬間、由希の身体には細い電気が走った。
それはセックスの間中続き、親指で陰核をこね回されるたび、膣内でカリ首がGスポットを擦るたび、明確な快感となって身を巡る。
浅い絶頂を20あまりも迎えた後での対面側位で、由希は異変を確信した。
それまでは痛いだけだった膣奥への突き込みが、たまらなく心地良い。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ…………!!」
天を仰ぎながら背を逸らし、シーツに両手を突きながら、由希は一突きごとに大口を開けて息を吐いた。
いや、膨大な快感によって、そう“させられていた”。
 (こ、こんな男に、イカされるなんて…………)
そうした考えが浮かぶが、その背徳感すらも快楽のスパイスとなる。
無意識に腰を留めて突き込みを余さず受け入れ、脳髄までを蕩けさせて絶頂の準備を整える。
そこから数秒後、全身に響くほどの快楽が由希を貫いた。
「ぃっ、いくぅっっ!!!!」
高らかに宣言し、由希は絶頂の余韻に酔いしれる。手足の全てが痙攣を続けており、本当に雷に打たれたかのようだ。
「おっ! へへ、マンコの奥が吸い付くみてぇに動いてきやがる……こりゃ本イキだな?
 今までイク演技は結構してたみてぇだが、今回のはマジだろ、ええ?」
瑛斗は全てを見通したように言い、再び腰を降り始めた。
「あうっ!? ま、待って、ください! い、いまっ、イッたばかりで…………!」
「あ? 知るかよバカ。オレがまだイッてねーだろうが。
 っつーか、せっかくだ。このままヤリまくって、イキ癖つけさせてやる」
瑛斗のその言葉は、由希にとってどれほど恐ろしく、また同時に甘美だった事だろう。

実際にその夜由希は、瑛斗によって繰り返し膣性感を刷り込まれた。
「いくぅーっ、いっくっ、いくぅいくうぅううっっ! も、もぉ……またぁっ、イッてぇ、ますっ…………!!」
絶頂の時には宣言しろという条件をつけられ、由希は気が触れたかのように同じ言葉を繰り返す。
腰を両手でがしりと掴まれたまま、いよいよ結合を深くした対面座位で。
絶頂直後で敏感になっている膣奥をさらに突かれては、たまらない。
幾度も膣内絶頂を迎えながら、盛大に潮を噴き散らす。
「ははっ、何だ、また潮吹きかよ。ベッドがもうグショグショじゃねぇか」
瑛斗は笑いながら逸物を抜き去り、仕切り直しとばかりに体位を変える。
由希の身体を180度裏返し、這う格好を取らせての後背位だ。
「う、ああ、ああ、あうっ! はぁっあああっ、ふ、深い…………っ!!」
由希は、嬌声を隠せない。
挿入角度も深度も膣圧も、まったく違う新たな突き込みだ。平然としていられる道理もなかった。
左膝を前に出し、右脚は後ろに投げ出したまま、自然体で快感に浸る由希。
茂みの奥から止め処なく愛液があふれ出しては、内腿を伝っていく。
 (すごい量……。まるで、涙みたい)
白く霧のかかったような頭で、由希は思った。それが精一杯だった。





1ヶ月が経つ頃には、由希は瑛斗とのセックスにも抵抗はなくなっていた。
『身体を作り変えてやった』と瑛斗自身が豪語する通り、呼び出された夜には大小併せて10回以上の絶頂を迎えさせられる。
深夜に開放された場合には、大学の朝の講義に備えて近場の漫画喫茶で仮眠を取るのだが、
シャワーを浴びてから眠っても、朝にはショーツがひどく濡れてしまっている事が幾度もあった。
自宅で眠っている時でさえ、まどろむ頃に自慰を始めてしまう。指を縦3本……瑛斗の物の直径に合わせて。
『セックス依存症』というワードでの検索履歴が、日増しに増えていく。
「ふざけないで! …………この、このっ!!!」
由希は瑛斗とのプリクラ写真を大きくプリントアウトし、鋏で執拗に男の顔を刺し貫いた。
「許せない……葉月も、私も、面白半分に弄んで! ……殺してやる…………殺してやるッ!!」
涙を流しながら、由希は繰り返す。
しかし実際に瑛斗と向かい合えば、伏せ目がちでしおらしく胸を庇い、命ぜられるままに従ってしまうのだ。
主因はやはり恐怖だろう。しかしそうでない何かも、間違いなく胸中に芽生えつつあった。
一方の瑛斗は、由希の事を深く考えている様子ではない。
由希とのセックスを堪能した後は、仲間や舎弟を家に呼び寄せ、陵辱に参加させるようになった。

「うっわ、マジっすか!? ちょっ、超真面目そうなオンナじゃないっすか!」
まだあどけなさを残す茶髪の少年が、由希を見た瞬間に叫ぶ。
普段見慣れない人種である由希に、興奮を隠せないといった様子だ。
「オゥ、後でやらせてやる。座って待っとけ」
瑛斗はソファを顎で示す。
15畳のリビングには、すでに数人の男がいた。誰一人として、品のありそうな男はいない。
そしてその室内には、濃厚な水音とえづき声が響いていた。
仁王立ちになった瑛斗への喉奥奉仕。
ただでさえ平均以上のサイズを誇る瑛斗の怒張を、陰毛に鼻が埋没する深さまで咥え込まされる。
さらには後頭部を押さえ込まれ、最奥まで咥えさせられた状態でグリリと駄目押しされもする。
「おごっ……こぇっ、え゛っ!! う゛ぇおっ……ぉ゛っ、あげぇお゛えっ! ……ぉ、ごぉおっ、う゛うう゛っっ!!!」
当然、由希は数秒ごとにえづき上げた。
その乳房といい太腿といい、前身の至る所が濃厚なえづき汁で濡れ光ってもいた。
しかし、その背筋は真っ直ぐに伸びたまま曲がらない。ソファに乗せられた片手も、力みこそすれ、大きくは動かない。

「なんか……すげぇ慣れてるみたいっすね」
「ああ。ほぼ毎日ああやって仕込んでるらしいぜ。歯ァ立てたらそのたびに殴ってな。もう一生分のゲロ吐かせたってよ」
「うわっ、殴るんすか? ……でもまぁ、最後にはどのオンナも骨抜きになるんだから、効果的なんすかね?」
「普通はアウトだろ。アイツは調教の天才か……じゃなきゃ単にイカれてんだよ」
男達のビール片手に語る言葉は、由希の耳にも入っている。
しかし由希は、その意味を把握しないよう努めた。そうしなければ、心が保てない。
ただ、没頭する。
鼻腔を満たす、すっかり嗅ぎ慣れた陵辱者の匂いに。喉の開きに。呼吸に。
そのうち、後頭部を押さえる瑛斗の指が力を篭めるようになってくる。
頬に当たる腿の肉もいよいよ硬くなり、怒張は全体に跳ねるような動きを始める。
「うっ……いくぞ!」
由希の予想と1秒のズレもなく、瑛斗は絶頂を宣言した。
まさにその直後、喉奥の怒張がひときわ大きく上に跳ね、精を放ち始める。
「む゛ごぉっ!!…………ぉっ、ぉ、おっ…………」
由希は、喉粘膜を抉られた最初こそえづき上げるが、その後は静かに射精を受け入れた。
精飲も勿論する。顎の辺りに一瞬力を溜め、米の塊を飲み込む要領で力強く嚥下し、粘ついた精液を飲み下していく。
「うっは、ゴクゴクいってる。いいなぁ瑛斗センパァイ、あんな可愛い子にザーメン飲ませられるとかさぁ!!」
「だぁら、ちょっと待てって。…………っしゃ」
瑛斗は最後の一滴を出し終え、ぬめりに塗れた怒張を引き抜いた。
そして由希の頭を叩くようにして、少年の足元に倒れこませる。
「オラ、使えよ」
『マジすか、やったぁ!!」
瑛斗の言葉で、茶髪の少年は弾けるようにソファから立ち上がり、素早く制服のズボンを脱いだ。
あどけない顔とは裏腹に、男性部分はすでに大人と変わりない。
由希の目にそれは、少年自身の心の黒さに重なって見えた。
「ほらっ、股開けよ。突っ込んでやるからさぁ!」
少年は由希に覆い被さり、獣のように荒々しく挿入する。フローリングの上での行為だが、躊躇はなさそうだ。
「うっ!!」
由希は前戯のない挿入に呻きながらも、ただ受け入れるしかなかった。いつも、そうであるように。

ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッと、フローリングの床が軋みを上げる。

「やっべ、すっげぇ締まる!! ねぇ、花音より締まるっすよ、コイツ!」
「花音って、お前の馬鹿なクラスメイトだっけ? ヤリマンとはいえ、現役の中学生のがユルいとか、お前ヒドイ事言うね」
大声でかわされる会話の意味を、由希は理解してしまった。
この性根の腐りきった集団は、中学生の少女をも毒牙にその掛けたようだ。
「チチもでっけーし、なんかイイ匂いもすんな。センパイ、俺このままじゃ、マジ年上趣味んなりそうっす!」
無遠慮に乳房を揉みしだきながら、所有物のように腰を打ちつける、茶髪の男子中学生。
由希にはそれが悪魔のように見えた。しかし、同時に彼女は確信する。
やがて自分は、この若々しい熱意にあてられ、あぁっ、あぁっと声を上げるようになるだろう。
年の割に逞しい肩に顎を預け、首に手を回し、ともすれば腰を両脚で挟み込んで、いよいよ相手を調子づかせてしまうのだろう。
 ――嫌だ!
その叫びを、胸の内に封じ込めたまま。


 


瑛斗に呼び出しを受けるたび、居合わせる人間の顔ぶれは変わっていた。
それは瑛斗が相当数の『外道』と繋がりを持つという証でもあり、いよいよ由希の抵抗の意思を削いだ。
 (葉月もきっと、こうやって…………)
見知らぬ何人もに輪姦されながら、由希は親友の顔を思い浮かべる。
大学で葉月と会うことはなくなっていた。
見かけることはあるが、由希はどんな顔で会えばいいのか判らず、逃げるように場を離れてしまう。
最後に見かけたのは、一週間前。
噂通り葉月は、左腕に痛々しい包帯を巻いていた。瑛斗に負わされた怪我と考えるのが自然だろう。
実際に抱かれて解った。瑛斗という男は、弱者への暴力を躊躇しない。自分の意に従わせるためなら、顔も殴るし、腹も蹴る。
なるほど無法地帯の中心と化すわけだ。
その瑛斗の悪意が、再び葉月に向くような事はあってはならない。
自分に心を繋ぎとめておく事が、葉月を守る唯一の手段だ。そう信じるからこそ、由希は恥辱と屈辱に耐え忍ぶ。
しかし時には、悪意に耐え切れず泣きを入れてしまう事もあった。

「いやぁああっ!! イカせてっ、お願いもぉ゛イカせてぇぇっ、おねがいじまずぅっっ!!!」
マンションの一室に、切実な哀願の声が響き渡る。
彼女は丸裸のまま、ベッドの上に寝かされていた。
肩甲骨の下に座布団を敷いた上で、一人の男が両の肩口を押さえ込み、また左右からは別の数人が、それぞれ足を掴みあげている。
それにより、由希はMの字に大きく開脚したまま、身動きの取れない状態にあった。
そしてその秘部には、電動式のマッサージ器が宛がわれては離される。
決して達することのないよう、生殺しを目的として。
「はは、スゲー声。裏返ってっし」
「だな。こういうオンナの壊れそうな声って、なんか妙に興奮しね?」
「でたでた、ドSが。ま実際、オンナに延々と寸止めしたらどうなんのか、知りたくてやってんだしな。
 せっかくなら、ヤリマンじゃなくて清楚なのでやろうってハナシだったが…………」
責める男達は談笑の合間に、秘裂からマッサージ器を遠ざける。
そして秘唇を指で押し開き、改めて苦笑した。
「おーおー、ドロドロになっちまってよォ」
「今は何の刺激もねぇのに、ヒクついて汁垂らしてやがら。こんなの、エンコーかましてるビッチとどう違うってんだよ」
「そうは言っても、2時間もこうして焦らしてんだ、しゃあねぇべ。
 大体よ、ビッチとか言う前に上見ろや。ヤリマンと優等生とじゃ、目が違ぇっつの」
「あ、わかる。こいつの目、俺が高校ン時好きだったヤツにすげぇ似てるわ。住む世界違う系だったけどな。
 そっかー、なんかコイツ見てっと勃ってくんなと思ってたが、山城に似てっからか!」
「多分それ、ほとんどのヤツが思ってんぜ。こういうお上品系をノーリスクで好きにできる機会ってのも、そう無ぇからな。
 俺らでやりてぇ事、全部やってやろうぜ!!」
男達はそう言い、再び秘裂にマッサージ器を押し当て始める。
「…………っ、うっぐぐっ、はぁああっぐうううっ………………!!」
多少クールダウンを挟んだとはいえ、まだまだ膣の奥の火種は残っている。
そしてそれは、マッサージ器の齎す振動によって刻一刻と燃え上がっていく。限界の尿意のように。
「はぁっ、はぁっ……はぁっ、はぁっ…………はぁっ………………!!!」
息苦しさと恐怖で、由希の呼吸は乱れる。
寸止め自体もつらいが、その後に待っているであろう、この大人数での輪姦が恐ろしい。
前戯で少し濡らされただけでも、膣逝きを迎えてしまうような身体だ。
寸止めによって身の奥の奥まで蕩かされた状態で、多くの若い男に抱かれれば……理性が保てる気がしない。
仮に理性が保てたとしても、確実に崖から足を踏み外すことになる。
這い上がるどころか、元いた地平に指をかける事すら、極めて困難になってしまう。
この一ヶ月で培われた由希の経験が、そう訴えていた。


 


『俺らでやりてぇ事、全部やってやろうぜ!!』
男達の会話にあったこの言葉通り、由希は連日の如く、男達の玩具となっていた。
由希にとって最も衝撃的だったのは、肛門の開発が始まったことだ。
「えっ、ど……どうしてですか!? どうして、お尻の穴を、っつ、使うんですか?
 わ、私は、そこでうんちもしますし、皆そうですよね? そこに入れるなんて…………」
肛門開発を求める空気が沸き起こった時、由希は本当にその趣旨が理解できず、目のあった全員に代わる代わる尋ねた。
その後でなぜ大笑いが起きたのか、由希には解らなかった。
口々に『やっぱりクソ真面目だ』『正真正銘の箱入り娘だ』と騒ぎ立てる理由も。

由希の意思はどうあれ、瑛斗とその仲間は肛門開発を押し進めた。
肛門開発は、まず内容物の除去……つまり浣腸から始まる。
さすがにその場合は『匂いがつくから』と瑛斗のマンション使用は却下され、舎弟の誰かの家となった。
階下に家族がいたり、壁の薄い1DKマンションであったりした場合でも、調教は行われる。

「オラ、ちゃんと見ろよ。今ヤスが、お前のために特製の浣腸液を作ってんだろうが」
瑛斗に命じられ、由希は恐る恐る後方を振り返る。
彼女自身は与り知らぬことだろう。
丸裸のまま、膝をぴちりと閉じた体育座り。そこから胸を手で覆い隠しながら後ろを窺う様が、どれほど扇情的かを。
当然、男達の下卑た視線が由希に集中する。
「………………。」
当の由希は、その視線にいよいよ萎縮してしまい、困ったように部屋の中央へと視線を落とす。
そこにはありふれた洗面器が置かれ、中にはぬるま湯がなみなみと湛えられていた。
そこへ透明な瓶に入った薬液が混ぜられ、手でかき回される。
白地に『グリセリン』と書かれた見慣れないパッケージが、いよいよ由希の不安を後押しする。
 (……これから肛門に注入するって言ってたのに、水だけでなく化学薬品まで混ぜるの?
  お腹がおかしくなりそう…………変な中毒になったり、しないかな)
由希がそう案じる間にも、状況は進んでいく。
ガラス製の注射器のようなものが溶液につけられ、数度シリンダーを前後させて中の空気を追い出す。
その後に改めて薬液を吸い上げ、いよいよ水面から引き上げられる。
 (…………私、されちゃうんだ。浣腸…………)
由希は喉を鳴らす。
「ほら、四つん這いになってケツ向けろ」
ぴしゃりと肩が叩かれ、男の一人が由希に命じた。
由希は一瞬唇を強張らせた後、言われるがままの格好を取る。
「んじゃあ入れっぞ。覚悟しとけよ、浣腸は苦しくて恥ずかしいぜ。ま、そのうち癖になっちまうかもなぁ?」
その言葉が聴こえた直後、由希の尻穴は小さく割り開かれた。
ガラス特有の冷たさと硬質さ。その異物感に耐えながら、由希は、悪夢が始まったことを実感した。

 
悪意。いま由希を取り巻いているのは、それだけだった。
「オラ、もう1本行くぞ。尻ィ上げてろ」
その言葉で、由希は腰を上げる。
現時点でガラス浣腸器3本分、そこへ更なる追加だ。
「んんっ…………」
由希は、下腹が張っている感覚に呻いた。早くも全身にじっとりと汗が滲んでいる。
浣腸器の先が肛門を抜け、ぬるい湯を注ぎ込んでくる。キュゥゥッというその音が小憎らしい。
「今で大体2リットルか。最初はまぁ、んなモンだろ」
瑛斗のその言葉で、浣腸器が床に置かれた。
やはり集団の中で瑛斗の発言力は強いらしく、調教の進退はおよそ瑛斗の判断次第だ。
ぐぉるるる……と大きく由希の腹が鳴る。
それを聞いて周囲から笑いが起きる中、驚くべき一言が由希の耳に飛び込んできた。
「よぉ、ちゃんと撮れてんのか?」
その言葉に、由希は素早く顔を上げる。するといつの間にか、ハンディカメラで由希を撮影している男と目が合った。
「きゃっ!? とっ、撮らないで!!」
由希は目を見開いて叫ぶ。この男達に撮影されるのは不味い、と勘が告げていた。
「あ? オマエ、誰にクチ利いてんだ?」
すぐに撮影者の男は、獰猛な本性を露わにする。
「あっ、す、すみません…………で、でも、撮影するなんて聞いてません!」
由希は高まりつつある便意に顔を顰めつつ、それでも撮影の中断を乞う。
だが無論、その願いが聞き届けられることはない。
「ルッセーな、ガタガタ言ってんじゃねぇよ! 身内でちょっと回すだけだ!」
「そうそう、ガタガタ言わないの。あんま生意気だと、浣腸追加するよ?」
男の一人が怒鳴る一方、また別の男は、由希の肩に手を回しつつ、尻穴に中指をねじ込む。
「はうっ!」
由希は声を上げる。便意に耐える括約筋を拡げられたのだから当然だ。
「や、やめっ…………抜いて、ください…………」
「ダーメダメ。君が漏らすまでずーっと、こうしてクチュクチュしてるよ」
男は柔らかい口調で告げながら、肛門内部で中指を蠢かし続ける。
「う、うっ…………そんなっ、う、うううっ………………!!」
由希は益々高まる便意に身を痙攣させながら、救いを求めるように視線を彷徨わせる。
しかし視界に映るのは、男の獰猛そうな顔や下卑た笑み、そしてビデオカメラのみ。
 
ぐぅぉんうぅぅうう……。
いよいよ切羽詰った音で、由希の下腹が鳴る。
「はぁっ、はぁっ……はぁっ、はーっ…………はぁっ…………」
由希は硬く目を閉じ、荒れ狂う便意に耐えていた。
すでに全身にじっとりと脂汗が浮き、這う格好の曲面部分を伝っては落ちていく。
まるで一人だけサウナにいるかのようだ。
腸内部の熱さはそれどころではない。全てを投げ出したくなる便意の波が襲っては治まり、また襲い来る。
括約筋は意思とは無関係に蠢き、中央の指の感触を伝えてくる。
「ははっ、ヒクヒクしてら。すっげー頑張るなこの子」
「確かに、予想以上に粘ってるな。うし、あと10分我慢できたら、トイレで出させてやる」
男の言葉に、由希は項垂れたまま、しかしピクリと肩を反応させる。
あと10分。それだけ我慢すれば、恥辱を晒さずに済む。由希はそう希望を持った。
しかしこの時点ですでに、彼女は限界の淵にいる。
そこから10分を耐えるなど、不可能だ。

「ああ…………はぁっはぁっ、あっ……あああ! ………………っア、はあっあ…………!!」

4分後、由希は痛切な声を上げていた。
すでに限界も限界、両脚に病的な痙攣が起きている。
床に突いた両膝が砕けるように痛く、それ以上に脊髄にズキズキと走る便意の訴えが耐え難い。
さらにはその極限状態でもなお、肛門の中指が動きを止めない。
「はぁ、はぁ、はあっ…………もう…………させて、ください………………」
激しい喘ぎに混じってなされたその哀願を、聞き逃す男はいなかった。
「あ、何だ?」
「…………はっ、はっ……う、うんち、です…………お願いしますっ、もう、がまんできない…………っ!!」
美人が潰れるほど硬く目を閉じ、大口を開けながら迸らせる哀願。
それは男達にとって、さぞや嗜虐心を満たすものであっただろう。
「ああそうか、なら出せよ。オイ、何人かで洗面器構えとけ。ビデオも撮り逃すんじゃねぇぞ!!」
瑛斗の一声により、洗面器が由希の足元に構えられる。同時に遠くで、ビデオカメラを構え直す音もする。
しかし、それらすべてが由希にはどうでもよかった。もはや彼女の思考は一つ。
『楽になる』……それだけだ。
 
状況がそのように思わせるのだろうか。
その時の排泄音は、由希の20年の人生の中でも、最も汚らしいものだった。
腹を下して駅のトイレに飛び込んだ時の下痢便より、遥かに音が濁り、放屁の音が多い。
ぶぶびぶぶぶぶっ、という音に続き、ビチャビチャと洗面器に液状のものが叩きつけられる。
それがあまりに恥辱的で、排泄の第一波が過ぎて声が出せるようになった瞬間、由希は叫んでいた。
何を叫んでいるのかは自分でも判らない。
耳の奥が鳴り、周り中で男が『うるさい』とがなり立てる。しかし同時に、彼らは笑ってもいた。
由希が子供のように泣きじゃくりながら排泄する様は、それほどに滑稽らしい。
由希はそのすべてに耐え切れず、顔を両手で覆った。そうして視界からすべてを遮断し、嗚咽する。
しかしその行動が、かえって男達の嗜虐心に火をつけたようだ。
「オイ、いつまでも泣いてんじゃねぇぞ。今日はビデオ用に、色んな浣腸用意してきたからよォ、全部やるぞ。
 解ったら、っつーか殴られなくなかったら、さっさとそのクソ流して来いや」
男の一人がそう告げつつ、大袋を持ち上げて逆さに振った。
床に落ちては重なっていく様々な道具。由希は開いた指の間からそれらを視認し、表情を強張らせた。


「…………ふーっ、これで全部やったか? 結構時間掛かったな」
「うわ、もう夜かよ。帰んべ帰んべ」
数時間の後。
由希は宣言通り、様々な浣腸を施され、ビデオに撮られながらの排泄を強いられた。
その恥辱ゆえか、単に体力が尽きたのか。
由希は横様に倒れこんだまま、ピクリとも動かない。
眠るような横顔に、柔らかく潰れた乳房。スレンダーな腰周りに、くの字に曲がったまま重なった脚……。
誰からともなく、ゴクリと喉の鳴る音がした。
「……おいおいお前ら、こっからまだヤる気かよ?」
由希の裸体を見慣れている瑛斗だけは、周囲の様子を呆れたように笑い飛ばす。
「そうは言ってもよぉ、やっぱ改めて見るとコイツ、マジ上玉だしよ」
「ま、ヤりたきゃヤれ……っつっても、後ろはまだ使うなよ」
瑛斗が余裕に満ちた様子でそう告げ、ジャケットを着込んで部屋を後にする。
「あ…………!」
扉が閉まる瞬間、由希は何か大切なものが離れていく感覚を覚えた。
いざという時の抑止力がなくなり、獰猛な獣に囲まれている状況だから……とも言える。
しかし、由希が心の底で惜しんだのは、瑛斗の一声ではない。その視線だ。
この時の由希にはまだそれが解らず、ただ漠然とした疑問の中で、男達の欲望を受け入れるのみだったが。


 
由希の目的は、瑛斗の注意を自分に惹き付けておくことだ。
ゆえに瑛斗の視線を一番に意識するのは、特段おかしくはない。
しかしそれを差し引いても、由希の反応は瑛斗とそれ以外ではかなり違っていた。
例を挙げるなら、調教前の緊縛の時だ。
普通の男から緊縛を受ける際、由希は律儀そのものの視線で前方に見据えている。
しかし、瑛斗が直々に縄を掛ける場合には違う。
緊縛が始まって数分もしないうちに、目はとろりと細まり、視線は瑛斗の盛り上がった上腕をねっとりと捉える。
呼吸や発汗も激しくなり、『縄酔い』の様子を呈し始める。
他の男達も、それは感じ取っているだろう。
対象が瑛斗であるだけに口にこそ出さないが、自分こそが由希を乱れさせたいと躍起になっている節がある。
ゆえに、様々な男が積極的に由希への調教に加わった。

「残りたった4個なんだ。我慢して呑み込めよ」
男の一人が、粘液の纏いついた玉蒟蒻を摘みながら言う。
その眼前には、亀甲縛りを施されたまま、尻を天に向ける格好で逆向けになった由希がいる。
その由希を数人が支え、ボウル一杯の玉蒟蒻を呑み込ませては排出させる、を繰り返し強いていた。
遠くにはイチヂク浣腸の空容器も転がっており、浣腸を施された後である事も窺える。
「くっ、苦しいっ…………もう、無理、です…………っ!!」
フゥフゥと本当に苦しげな息を吐きながら、由希は頭上の男に告げた。
「何が苦しいだ、さっきは後1個ってトコまでいっただろうが。甘ったれんな」
男は脅すように答え、手にした蒟蒻の玉を肛門に押し付ける。
こちらも喘ぐようなひくつきを見せる桜色の肛門は、押し込まれる蒟蒻の玉にしばし抵抗を見せた。
しかし男がより力を込めると、力負けしてにゅるりと内部に異物を飲み込んでしまう。
「はぅうううぐうっ…………!!」
由希はしばし歯を食い縛って耐えていたが、やがて唐突に足首の辺りを暴れさせると、盛大に排泄を始めてしまう。
ぶじゅっ、ぶりゅっと音を立て、数個の蒟蒻玉が噴出して周囲に散らばる。
同時に噴出した腸液は、ほんの僅かに色のついた流れとして、由希の艶かしい身体の随所を伝った。
「ったく、またかよ。しかも今度は、結構な量吐き出しやがったぜ。
 何べんも言ってるが、全部呑み込むまで続けっからな。オマエへの肛門調教は、徹底的にやるって決めてんだ」
誰が、という部分をぼかしながら、男は床に転がる蒟蒻玉を拾い集めていく。
由希は、視線を前髪より向こうに投げた。そこには瑛斗が、缶ビールを片手に、頬杖を突いている。
濁りきった、少しも楽しそうではない瞳。しかしその瞳の中にある自分を見ようとするように、由希は目を凝らす。
チッ、と傍の男が舌打ちした。
「おい、やっぱ指で押し込むだけじゃヌルいぜ。さっきのコレ使おうや」
舌打ちした男はアナル用のバイブを拾い上げ、由希の肛門に近づける。
「あっ!? やめっ…………」
由希が慌てて頭上に視線を戻した時にはもう遅い。男の握ったアナルバイブが、腸内にみっしりと詰まった異物を押し込んでくる。
「うわあああっ!!!」
苦痛と汚辱に叫び声を上げ、由希は男の目を凝視する。
男は“それでいい”とでも言いたげに口元を歪めながら、さらに数度ばかり腸内を攪拌してから、バイブを引き抜いた。
 
こうした男の嫉妬は、今に始まったことではない。
仮にこの状況で、瑛斗が『酒を買いに行く』とでも告げて外出したとする。
その場合由希は、一時的とはいえ視線を気にせずに済む安堵感から、まず目を閉じるだろう。
しかし、それが男達には気に食わない。
『休むな』などと理由をつけて、例えば不自由な体勢のまま口に剛直をねじ込むだろう。
そして強引に喉奥を突き回し、横ざまに床へ嘔吐させる。
由希が謝罪の言葉を口にするまで、否、男達自身の気が済むまで、3・4人でそれを繰り返すだろう。

とはいえ今は、瑛斗がいる状態だ。あくまで瑛斗のためのショーという秩序が保たれている。
ゆえに、由希への調教もおおよそ淡々と進んだ。
30個の玉蒟蒻をすべて直腸に呑み込ませた後、由希は首にリードを付けられ、這う格好で犬のように屋内を歩かされる。
その中で犬の鳴き真似をさせられたり、犬の小便を真似たりしながら、自尊心を削られるのだ。
無論、尻穴から力んだ拍子に、腸液塗れの玉蒟蒻がボトボトと零れていく中で。
「……わ、わんっ…………わんっ…………くっ、…………ぅっ………………!」
自分で思う以上に潔癖な由希は、こうした恥辱に耐え切れずに涙する。
乞うような視線は、いつも始めに瑛斗を捉えた。
その事実は、瑛斗一人を満足させ、それ以外の者に恨みを抱かせる。
ゆえに瑛斗が眠いからと一足先に帰った後は、まさに地獄と化した。

「まだ全部出ねぇのかよ。どうも、もう一発ぶち込むしかねぇみてぇだな!」
玉蒟蒻を全て出し切れなかった由希は、男達の手でイチジク浣腸を数本入れられる。
そして腸内の異物と浣腸の効果で腸内が荒れ狂う中、とうとうアナルセックスを強いられるのだ。
「いぃいやぁあああっ、こんなのいやあぁーーーーっっ!!!!」
亀甲縛りを施されたままの由希が、ソファの上で絶叫する。
男に排泄の穴を犯され、下痢便のように玉蒟蒻と浣腸液を撒き散らすセックス。
それは由希から、大粒の涙と、歌うようなソプラノを搾り出す。
男達は、瑛斗の肉人形が上げるその悲鳴を聞き、ようやく満たされたような顔になるのだった。


 
由希の瑛斗に向ける視線が、単に意識するものから、哀願するようなものに変わったのはいつだろう。
今では由希の視線は、目隠しでもされていない限り、常に瑛斗の瞳を捉えていた。
『目を離さないで』
そう訴えるかのように。

由希は今も、容赦の無い肛門開発を受けている。
竹のように節で区切られ、何段階にも膨らむエネマバルーン。
それをかなりの深さまで挿入され、たっぷりと膨らませた上で留め、由希が圧迫感に浸っている最中に抜き去る。
幾度も、幾度も。
「あ…………ぁぁ……あ…………ああぁぁ…………っうぁ!!…………」
由希は声を漏らす。声を出さずに耐えられる程度の調教は、そもそも行われない。
今までに何人もの女を調教し、どこまでなら耐えられるか、どこからが本当に無理かを知る瑛斗は。
「よし、そろそろアッチに戻すか」
責め手だった男がエネマバルーンを抜き出し、別の道具を手に取る。
その道具に前後左右にも様々な道具が粘液に塗れて転がっており、多様な道具責めが為された事を物語っていた。
男が、手にした太さのあるディルドウをめり込ませるように突き入れると、由希の腰が跳ねる。
「あ゛あっ……!!!」
目を見開いてそう叫び、さらにディルドウが前後に動かされ始めると、本当に切実な声を上げ始める。
「うあっ! ……あっ、あっあ゛!! ああ゛っ、はぁ……っあ゛、ああんん゛おああ゛っっ!!!!」
「うーわ、エッロい声。ね、ホント、すげぇ声出すようになりましたよねー、このオンナ。
 やっぱ、ソレが一番お気に入りなんスね」
「太けりゃいいってモンでもねぇしな。硬さとか反りとかが、一番コイツの腸に合ってんだろ。
 ま、それにしてもスゲェけどな。今日はまだ指1本触れてねぇってのに、マンコがトロトロだぜ?」
男達は、由希の反応を嘲笑う。
しかしその間も、由希の視線は瑛斗だけを捉えていた。
肛門性感によって細まり、見開かれる事はあれども、視線を外すことはない。
瑛斗はしばし、その視線を黙って受け止めていた。ここ数日の間、常にそうであったように。
しかし今日は、ついに動きを見せる。

「……どけ」
瑛斗はソファから立ち上がると、他の男を押しのけて由希の前に膝をついた。
由希の瞳が、間近に映る自身の顔を捉える。
そして腰が掴まれ、極太が膣奥を突き上げた瞬間、瞳は限界まで見開かれた。
「あああうはぁああああっ!!!!」
高らかな叫び声の中に、明確な喜びの色がある。場にいる全てのものが、そう感じただろう。
「ああっ、うあああっ! い、いくっ…………イキ、ますっ…………!!」
由希が息も絶え絶えにそう宣言した直後、瑛斗がその耳元に口を寄せた。
「お前…………本気で、オレの女になるか?」
今までとは全く声色が違う。本気の誘いだ――由希はそう確信した。
由希の狙い通り、瑛斗の心を自分に釘付けにできる瞬間が来たのだ。
しかし。その時同時に、由希は別のことを理解してもいた。
自分は瑛斗の誘いを受け入れるだろう。しかしそれは、義務感からではない。
もっと、別の感情に突き動かされて、だ。
「はい。でも、葉月の代わり、ですよ…………?」
「ああ」
この瞬間に由希は、瑛斗を膣の深くに感じながら絶頂を迎える。
「瑛斗さん……瑛斗さんっ……ああっ、瑛斗、さんっ…………!!」
深い、深い、身に刻み込まれるような快感と共に。

瑛斗の女となった証。
それは実際に、消すことを許されないほどに深いものだ。
「…………ゥ、ゥゥッ…………ックッ…………くぅぅう………………ッ!!!!!」
由希は、和彫りの刺青を背中に刻み込まれながら、必死に手拭いを噛みしめる。
涙が出た。噛みしめる手拭いからは涎も滴った。
まさしく身を切られる痛みが、何時間も背を掻き毟った。
その果てに彼女を彩るのは、見事な菖蒲の花と、『瑛斗様 命』の太文字。
由希はそれが誇らしかった。成し遂げた証だと思った。


 
「…………ねぇ、綺麗でしょ?」
由希は湯船の中、惜しげもなく葉月にその和彫りを晒す。
「えっ……?」
葉月の目が驚愕の色を示した。
「そんな顔しないで。私、全部知ってるの。葉月が、瑛斗さんから逃げられずにいた事も、暴力振るわれてた事も。
 でも瑛斗さんは、私を葉月の代わりに、自分の女にするって言ってくれた。
 この背中の刺青が、その証なの。……だから、葉月はもう大丈夫。もう、何の心配もいらないから」
由希はそう言って笑った。昔からそうであるように、何の悪意もない瞳で。
「…………じゃ、私、先に上がるね。葉月はゆっくり浸かってて」
由希はそう言い残し、いよいよ艶やかさを増した身体を引戸の向こうに消した。
湯船には、葉月だけが残される。
近頃自分を避けているようだった由希が、突然の温泉旅行を提案してきたのも驚いた。
そしてよもやその先で、あんな刺青を見せられる事になろうとは。
「ホント、驚いたよ」
葉月はそう言いながら、入浴中も常に左腕に巻いていた包帯を静かに解いていく。
そして、その下からは……
「まさか、コレが出てくるなんて」
菖蒲の花と、『瑛斗様 命』の太文字。
由希の背にあるものと同じ絵柄が、その腕にはあった。
「…………やってくれたじゃん、由希。
 最近瑛斗様が電話をくれないとおもったら、まさか、アイツに取られてたなんて」

夕食後、由希が寝静まった後。
葉月は一人屋外で夜風に当たりながら、携帯を手にしていた。
電話の相手は、瑛斗……ではない。その周りにいた、嫉妬深い男の一人だ。

「…………へぇ、そう。ホントに取り入ってたんだ。で、瑛斗様にばっかり色目を使ってたの?
 そっか……うん、そっか。そだね、許せないよね。
 んじゃあさ、アタシと、あんたと……その他で、あの子虐めちゃおっか」
葉月はそこで少し黙り、口元を吊り上げる。
「大丈夫、あの子ああ見えて、かなりの馬鹿だから。
 昔虐められてた相手に、今でも必死に尽くすぐらいの大馬鹿。
 …………マジだって、マジ、マジ。人は見かけによんないからさ。じゃ、準備頼むね」
携帯を閉じた後、葉月は静かに目を閉じる。
月の光を求めるように、天を仰いで。

「前は、確か中一の秋頃。サッカー部の健太くんが告ってた所見ちゃって、ガンガンに追い込んだんだよね。
 あの頃はまだお互いガキだったし、日に日に死人みたいな顔になってくのに良心が痛んで、やめたんだっけ。
 普通ならタイミング良過ぎで怪しむだろうに、アンタは全然アタシを疑わなかったよね。
 もういいよって言ってんのに、アレもコレもってずっと尽くしてきてさ。正直ちょっちウザかったけど、嫌いじゃなかったよ。
 …………でもさ。他人の心の拠り所を奪うのはダメだよ。それはもう、本当にアウトなの。
 今度は、やめたげない。もう二度と、絶対に、浮き上がらせないよ……由希」

そう虚空に向かって告げる葉月の顔は、ただ純粋な悪意に満ちていた。



                           終
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耐えて、零さず

※ 『平気or平然スレ』向けの作品。
女機動隊員が必死にお漏らし(小)を耐えるお話。



反政府団体『浄和の会』によるテロ活動は、日増しに苛烈なものとなっていった。
政府高官の乗る車を狙った襲撃に、国会への手榴弾の投げ込み……。
その中で、6月初旬に起きたホテル・スィエールの立てこもり事件はとりわけ有名だ。
ホテルの宿泊客に官房長官の妻と娘がいたため、従業員や他の客を含めた140人あまりが人質となった。
実行犯は32人、それぞれが銃を所持している。
この状況では、駆けつけた機動隊とて下手には動けない。
交渉術に長けた機動隊員が拡声器で説得を続ける中、突入計画が練られては却下される。
その様を、機動隊員・木橋愛里(きばしあいり)は歯噛みしながら見守っていた。

女性の機動隊員というものはそれ自体が珍しい。このような危険な現場への出動となれば尚更だ。
しかし、愛里は自ら志願してこの場にいた。
『浄和の会』に関係する事件への出動は、現在、各機動隊員の任意とされている。
必ずといっていいほど銃撃戦や手榴弾等による死傷者が出ており、危険極まりないためだ。
しかし、愛里はそれに臆さない。
故郷の村にいた頃から、誰よりも正義感が強く、理不尽には屈しないと心に決めていた。
寮で相室となった暴君さながらの先輩機動隊員でさえ、愛里の頑固さにはついに根負けしてしまったほどだ。
「卑怯者め…………!!」
ポリカーボネート製の大盾越しに、愛里は犯行グループを睨みつける。
すると、犯人の一人がその視線を察した。
「ンだ、テメェその目は?」
男は小銃を構えて威嚇するように愛里を睨み返すが、そこで彼は、愛里の美貌に気がつく。
そう、愛里は見目がいい。宝塚の男役を思わせる、キリリと整った顔立ちだ。
犯人の男は口角を上げ、一歩退いて隣の男に何かを耳打ちする。するとその男もまた愛里の顔を凝視し、笑みを浮かべた。

『……良いだろう、人質の一部を開放しよう。ただし、条件がある』
数分の後、政治的要求を続けていた犯行グループから提案がなされた。
皆が固唾を呑んで見守る中、続いて条件が明かされる。
『そこの女が、代わりに人質となることだ』
拡声器からの宣言と共に男が指したのは、紛れもなく愛里だ。
集まった各マスメディアを中心に、どよめきが走った。
「っ…………!!」
愛里は目を見張る。背筋を冷たい汗が伝い落ちる。
危険などというものではない。国家権力に強い恨みを持つ団体だ、まず死は覚悟しておくべきだ。
あるいは見せしめとして、自ら死を望むほどの辱めを受ける可能性もある。
しかし、愛里は覚悟を決めた。
ホテル内に監禁された客の、縋るような眼。周囲からひしひしと伝わる、婦警たる自分への注目。
その中にあって、逃げ出せよう筈もない。
「解った。要求を呑もう!」
愛里は前を見据えたままハッキリと答え、手にした大盾を左隣の隊員に預ける。
そして腰のホルスターを外し、続いて黒いヘルメットを脱いだ。
首元までの癖のない黒髪が、風を孕んで広がる。
周囲の機動隊員達さえ、その凛とした美しさに一時我を忘れたほどだ。
身を守る武器も防具も持たぬまま、両手を挙げてホテルのエントランスホールに入る愛里。
その勇姿を、数社のマスコミがカメラで追う。そこから起きるであろう“何か”を、心中で期待しながら……。



「まずは服を脱げ。何を隠し持っているか解らんからな、パンツ一丁になって貰おう」
愛里の後頭部に銃を近づけながら、犯行グループの一人が告げた。
いっそ後頭部に宛がってくれたならば、それを元に位置関係を把握し、制圧することもできるのに。
愛里はふとそう考え、しかしそれをしても無駄な窮状に嘆息する。
命ぜられた通り、防弾ベストを脱ぎ、首を保護する防炎マフラーを外し、出動服とその下の警察指定のシャツをも脱いでいく。
「…………っ」
ズボンに手を掛けた瞬間、さすがに愛里の指が止まった。
公開ストリップのようで屈辱的である事もそうだが、それ以上に、暴徒に抗うための装備を捨てること自体が口惜しい。
「どうした、早くしろ」
男の焦れたような声を受け、愛里は仕方なく下衣を脱ぎ捨てる。
そして現れるのは、日々の厳しい訓練によって培われた、健康的に引き締まった女体だ。
張りのある肌は瑞々しく、実に映像栄えするものだった。
「ほぉ。服の上からじゃ判らなかったが、イイ体してるじゃねぇか」
愛里の前方に立つ男が、好色そうな声を出した。
他の男も、愛里のウェストラインや豊かな乳房を隠しもせず眺め回す。女日照りである事は想像に難くない。
「これでいいんでしょう。速やかに人質を解放しなさい」
愛里は淡々とした声で告げる。内心はともかく、見た目には裸を晒すことを何とも思わない女傑さながらだ。
「けっ、澄ましやがって」
男達は期待外れとばかりに唾を吐き、人質を退避させる準備を始めた。
結果、官房長官の身内2人を除き、ほぼ全員が無事に保護される。
「あの2人も開放して」
愛里はそう要求するが、男達は首を振った。
「ダメだ、ありゃあ俺らの交渉材料だからな。そして、お前もだ。
 手を頭の後ろに組んで、そこに突っ立ってろ。変な動きを見せたら、ガキの耳を切り落とすぜ」
銃を突きつけながら命じられれば、愛里とて従う他はない。

拡声器を通じての交渉が延々と繰り返される中、愛里はエントランス中央で立ち尽くす。
両手を頭後ろに組んで腋を晒し、両の脚を肩幅に開いて。
身に纏う衣服はショーツのみであるため、乳房やその他の肌も隠す術がない。
そしてその様を、地方局を初めとする数社マスコミに遠くから撮られ続けているのだ。
この状況を報道し続けることも犯行グループの要求に含まれているため、撮影が中断されることはない。
すなわち、愛里はあられもない姿を衆目に晒し続けるしかない。
6月初旬。幸いにも肌寒い時期ではないが、素肌に外気が触れる違和感は強かろう。
しかし、愛里の表情はその苦境を一切窺わせなかった。
パトロールを行う時のように、隙のない無表情を崩さずにいる。
マスコミはその愛里の姿勢を賞賛し、警察官の鏡、身を呈して市民を守る英雄と称えた。
ただテロリスト集団にしてみれば、その無反応が面白いはずもない。
彼らがやがて行動を起こすのは、必然といえた。


「喉が渇いただろう。水をやる」
直立を始めて小一時間が経った頃、水の満たされたコップを持って男が近づいた。
ちらりと視線を横に投げ、愛里は逡巡する。
テロリストの差し出すものを安易に口にするなど危険極まりない。
とはいえ、無下に断って男達の機嫌を損ねるのもまずい。
それにこの先、どれだけこうして立ち尽くすか分かったものではない。
5時間、10時間……あるいは数日かかる事も充分に考えられる。その間、一切の水分補給をしないのは無謀だ。
「頂こう」
愛里は仕方なく告げる。すると男は笑みを浮かべつつ、愛里の唇にコップを押し付けた。
あくまで愛里自身の行動を許す気はないらしい。
「んっ、んぐっ、ん゛…………」
男の手がコップを傾けるのに合わせ、愛里は唇を開いて水を迎え入れる。
不自然な飲み方のため、水は次々に口から零れ、首筋や乳房を伝い落ちた。
「どうだ、美味かったろう。こうしてたまには水をやるからな」
男はいよいよ笑みを深め、愛里の身体に下卑た視線を這わせながら距離を置く。
そしてまた、孤独な直立の時間が訪れた。
このまま時が過ぎ、順調に交渉が纏まるならば。愛里はそれを希望にして立ち尽くす。
しかし、わずか数分後。その身に異変が起きはじめる。
尋常でないほどの尿意が、愛里の膀胱を疼かせ始めたのだ。

 (クソッ、何か盛られたか…………!)

愛里はすぐにそう理解した。
水を飲んで数分、あまりにもタイミングが良すぎる。さらにはじわじわと尿意が沸き起こってきた訳でもない。
堰を切ったように、我慢できる限界の尿意が突如襲ってきたのだ。
「っ…………」
愛里はごく僅かに唇の形を変えた。
「うん、どうかしたか?」
水を差し出した男が、惚けたように問う。その様はまさに、愛里が憎む理不尽の化身だ。
「トイレへ行かせて欲しい。すぐに戻る」
愛里は男へ視線だけを向けて小さく告げた。あくまで、異変をカメラに拾われたくはない。
しかし、男はその愛里の願いを一蹴する。
「却下だ。いいか、お前は人質だぞ。開放した100人以上の代わりに、そこに立っているのが仕事だ」
「では、どうしても我慢が出来なくなった場合はどうすればいい」
「決まってんだろ、そこで漏らすんだよ」
「っ!!!」
男の答えに、愛里は思わず眼を吊り上げた。
なんという下劣な男達だ。そうまでして、警官たる自分に恥を掻かせたいのか。
「何だ、不満そうだな。何なら逃げても構わんぞ。ただしその場合は別の2人が、体中から血の小便を流すことになる」
銃身で部屋の隅を示しつつ、別の男が告げる。そこには手足を縛られた官房長官夫人と、高校生ほどの娘がいた。
おおよその内容を察したのか、2人共に怯えている。
「まぁ、見捨てるだろうなお前は。所詮今の公僕なんざ…………」
「解った。もう訊かん」
男の言葉を遮り、愛里は視線を前方に戻す。
こうなればもう、交渉が終わるまで何時間でも尿意に耐えるしかない。人命と、警察官としてのプライドを賭けた戦いだ。
愛里は口元を引き締め、静かに覚悟を決めた。



「ほんっと我慢強い女だな、コイツ。クスリ効かねぇんじゃねえのか」
「ああ。リサ相手に試薬使った時にゃあ、五分でもうダメっつって漏らしてたもんな。
 テスト前にゃあ、さんざん小便の我慢には自信があるとか言ってた癖によ」
「マスコミ共もまだ気付いてねぇみたいだぜ。身代わりから40分あまり、未だ直立の姿勢を崩しません、だってよ」
水を与えて10分が経過した頃、見張り役の男達が言葉を交わしていた。
愛里は隙のない表情で前を見つめ続けている。
しかし間近で見れば、その髪の生え際や額から、かすかに脂汗が滲み出ているのが見て取れた。
「人間ってのは想像以上に排泄欲に弱いらしいがな。
 膀胱は500mlほど尿を溜められるそうだが、実際には4/5ぐらい溜まった時点で脳に信号が送られるらしいぜ。
 自分は小便がしたくてしたくて堪らない、ってな。ペットボトル1本未満だぜ、だらしねぇと思わねぇか?
 ああそうだ。女の場合、予備の尿道まで短いから、もっと限界が早いかもな」
男は愛里の反応を意に介さず、延々と喋り続ける。
尿意を我慢している最中でのその話題は、非常に腹立たしいものだ。愛里は奥歯を強く噛みしめた。

表面でこそ平静を装っているものの、愛里の頭の中では警鐘が鳴り続けている。
膀胱が熱を持ったように熱く、背筋などは逆に冷え切っている。
寒い。ひどく寒い。鳥肌が立ち、思わず身震いしてしまいそうだ。
尿意は刻一刻と強まっていく。
もう限界だと思える尿意が膀胱で荒れ狂い、数十秒耐えれば少し収まる。
膀胱壁の移行上皮が伸びて内圧が下がるためだ。しかし、それも一時しのぎに過ぎない。
その凪段階が過ぎれば、今度は前回以上の大きな波が襲ってくる。
カメラで撮られている手前、平静を装うために直立を保たなければならないのもつらい。
足を交差させて膀胱を締めたり、屈伸をしたり、そうした尿意の和らげ方が一切できない。
できる事といえば、素足の親指で床を掴むようにするか、頭後ろに組んだ手で首の皮を挟み、その痛みで尿意を誤魔化す程度のものだ。

さらに小一時間が経過した頃、再び水の入ったコップが差し出された。
「さぁ、水だぞ。飲め」
「…………要らん」
愛里は水を浴びたような汗を顔中に流しながら、男の誘いを断った。
しかし、男がさらにコップを口に近づけると、結局を拒みきれない立場だ。
「んっ、……ん゛っ! ぐっふ、んっ…………!」
喉につかえながら、愛里は少しずつ水を飲み込む。
妙な味に思えるのは、今度の水も利尿剤入りだと判りきっているせいか。
事実、それが胃の中を通り抜けてからしばらくすると、いよいよ猛烈な尿意が襲い来る。
「………………っ!!!!!」
愛里は前方の空間を強く睨みながら、身を飲み込むような尿意の波を耐えた。
男達が口笛を吹く。
「すげぇな。だが、流石にもうすぐ限界だろ。今飲ませたのは、一杯目の3倍濃い奴だ」
男は汗の光る愛里の裸を眺め、可笑しそうに嗤った。



人間には『限界』がある。肉体的限界、あるいは精神的限界。
愛里はそのどちらを取っても、一般人とは比にならないほど強靭だった。
鍛え上げられた下腹部の筋肉は膀胱の口を緩めず、
武道で培われた精神は、漏らして楽になろうとする甘えを強く律する。
しかし……どれほど鍛えても、いつかは限界が訪れるものだ。

「ひひっ、すげぇ汗まみれ。コイツ反応薄いけど、やっぱキツいんだろうな」
「当たり前だろ、あのクスリだぞ。もうすげぇ量溜まってる筈なんだからよ」
背後からする男達の声を、愛里の耳はしっかりと聴いていた。
集中してしまうと膨大な尿意に耐え切れないため、意図的に外部の情報を取り入れて気を紛らわせているのだ。
最もその情報とて、愛里を追い詰め、緊張させることで膀胱を収縮させるものばかりだが。
「ふーっ…………ふーーーっ………………」
愛里は、いつしか自分の息が荒くなっている事に気がついた。
「どうした、興奮しているな。露出の気でもあったか?」
「カメラの前で、腋もチチも丸出しだからな。おカタい女ほど変態だってのは本当らしいな」
当然周りの男には茶化されるが、もはや息を制御できるレベルではない。
腿に力を篭め、奥歯を噛みしめていなければ、すぐにでも内股になって叫びだしそうな尿意なのだから。
自分の身だけが軽い地震に襲われているように、ひどく足が痙攣し、その揺れが身体にまで伝わってしまっている。
「ふっグ…………!! スーーッ、……ッハァッ…………スーーッ…………!!!」
愛里は武道で修めた調息を行い、必死に身の震えを鎮めようとした。
しかし、日頃慣れ親しんだそれすらも最早ままならない。
吸い込んだ息を下腹に留め、丹田に力を篭める『充息』の段階が、どうしても疎かになってしまう。
まるで身体中が、はやく膀胱の異物を吐き出せと愛里に訴えているようだ。

 (いや、言う事を聞いて! お願い、もう少しでいいから我慢をさせて…………!!)

愛里は必死に肛門を締めつつ、下半身の筋肉に訴えかける。
空手、柔道、合気道、杖道、剣道…………幼少時より、様々な武道を経修めてきた愛里だ。
心身のコントロールには人一倍の自信があった。
しかし、それも限界らしい。
血が流れ続ければ失血死するのと同様、心身が疲弊し続ければどこかで折れる。それがどうやら今だ。
酸欠著しく、下腹に差し込むような痛みが続いている。
膀胱付近の筋肉もとうとう攣ったように固まり、制御を受け付けない。
ならば、と愛里は覚悟を決め直す。
排泄が避けられないならば、せめて堂々としていよう。恥じらいを見せるような事はしない、と。

愛里は下腹部の力を抜いた。かろうじて掴まっていた崖から指を離すように。
直後、膀胱からの流れが尿道を焼く。
それを脳が認識した時にはもう、生暖かいものが太腿を流れていた。
白いショーツは一瞬にして薄黄色に染まり、溢れる尿の勢いで陰毛を覗かせる際までずれ落ちる。
「っっっ!!!!」
ここでようやく、愛里の脳は排尿の心地良さを捉えた。
 (嫌、きも……ち、いい………………でも、でも…………)
自宅であれば、大口を開けて存分に甘い声を上げているほどの心地良さ。
しかし愛里はそれをしない。
理知的な瞳で前を見据え、キリリと口元を結んだまま、足を肩幅に開いた姿勢を崩さない。
「はははっ、女だてらに漢らしいションベンだな!」
「ああ。コイツ、ヤクでもキメてんじゃねぇのか? 羞恥心がぶっ飛んでやがら」
「けっ、期待外れもいいとこだな。機動隊の女が泣き叫びながらションベン漏らすのを期待してたのによ」
「確かにな。……なら、そうなるまでやるか」
男達は愛里の反応に満足せず、またも水入りのコップを唇に押し付けた。
「オラ飲めよ。今度は、さらに濃い奴だ。膀胱ン中で小便が次々に作られて、漏らしっぱなしになるぐれぇにな」
コップが傾けられる際には、悪意に満ちた言葉が添えられる。
そして愛里は、その悪意を受け入れるしかなかった。

「…………ははははっ、『非常に好ましくない映像が流れています、なるべく視聴はお控え下さい』だってよ。
 最初からチチ丸出しだっつぅのに、今さら何言ってんだかな!」
「まぁ、確かにすげぇ映像だからな。駄々漏れじゃねぇか」
「泣き入れねぇことで余計に惨めになってるなんざ、皮肉だよな」
男達は、愛里を眺めながら嗤いあった。
愛里はなおも直立したまま、際限のない尿意に襲われ、幾度となく失禁を晒している。
そしてその様は、変わらず数社のテレビ局によって報道され続けていた。
「…………っ!!」
今また限界を迎え、愛里の内腿を透明な筋が流れていく。残りは床に滴り落ち、雨のような音を立てる。
それでも愛里は、凛とした姿勢を崩さない。
羞恥を顔に出さず、涙の一筋さえ流さず、意思のない人形のように振る舞い続けた。

その姿勢は、やがて興奮した男達が口での奉仕を強いはじめてからも変わらない。
「う゛、おぐっ……っっんぉおお゛、ォおおお゛オ゛エ゛ッ…………!!」
後ろ手にロープで拘束され、後頭部を掴んでのイラマチオ。
その状態で根元まで咥え込まされれば、さすがにえづき上げてしまう。
しかし反応といえばその反射的なものだけで、逸物を吐き出した時にはもう、無機質な顔を作っていた。
左右の男に交互に喉奥へ突きこまれ、濃厚なえづき汁を乳房に纏いつかせるほどになっても、精液を飲むよう強制されても。
「おら、もっと喉の奥で締めるんだよ、どうだイイんだろ? ……ったくコイツ、マジで人形かよ」
「ここまで徹底して意地張られると、逆に気持ちいいな。何かに目覚めそうだぜ、俺」
男達は、あるいは愛里の強情さに呆れ、あるいは喜びながら陵辱の限りを尽くす。
彼らは誰一人として気付かなかった。
鉄面皮のようなその顔の裏で、愛里の心が少しずつ、少しずつ、壊れてはじめている事に。



この『ホテル・スィエール立てこもり事件』は、翌日夕方に交渉が成立し、犯行グループの逮捕で幕を閉じることとなる。
しかし、社会的な波紋は大きかった。
過去例がないほどの放送事故。大勢は愛里に同情的ではあったが、警察組織の信頼は落ちた。
そして、もう一つ。
この事件の後から、爆発的に流行し始めたアダルトビデオのジャンルが『人形プレイ』であった事も無視はできない。
当の木橋愛里機動隊員は、その働きを表彰され、一生を遊んで暮らせるほどの莫大な報酬を得たものの、
警察官の職自体は辞して故郷に戻ったという。
その後少なくとも一週間の間、外で目撃された彼女は、いつも泣き腫らしたような眼をしていたそうだ。



                                     終
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甘い幼尻

※100万ヒット記念リクエスト抽選の結果、
・レズ系のイジメ物で、ロリかつアナル
気に入らない同級生をイジメるために、年上の不良な先輩(中学生とか高校生あたり)に協力を頼んだら、
性的な知識も乏しいような娘が、取り返しの付かないレベル(拡張とかアナルマゾ的な意味で)にまで調教されちゃう

を小説化することになりましたー!
とはいえ、頂いたネタはいずれも本当に面白そうなものばかりなので、気が向き次第小説に活用させて頂きたいと思います。

ちなみに、ロリ・アナル・スカトロ要素があります。ご注意を……。



「あなたの考えには、筋が通っていないわ」
級友の應矢 咲姫(おうや さき)にそう告げられた瞬間、千恵美(ちえみ)は、心にどす黒いものが広がるのを感じた。
自分の方が子供じみた理屈をこねていると理解してはいるが、未熟さゆえに認められない。
「……あっ、そう。じゃあもう、いいっ!!」
千恵美はそれだけを言い捨て、咲姫に背を向けて走り出す。
「待って、まだ話は…………!!」
後ろから咲姫の声がするが、聞き入れる気はない。

「なによ、あれ。……いつもいつもいつもいつも、良い子ぶって!!」
川沿いの堤防に膝を抱えて腰掛け、千恵美は爪を噛む。
咲姫が憎かった。
優秀な人間であることは事実だ。
若干8歳とは思えないほど分別があり、成績も優秀。
ピアノにバイオリン、英会話にドイツ語まで修め、都会から越してきたこともあってファッションセンスも良い。
ゆえに教師はおろか親の間でも評判が高く、『應矢さんみたいになりなさい』という声は様々な場面で耳にした。
しかし、だからこそ千恵美には気に入らない。
いつか化けの皮を剥がしてやろうと企み、今日もそれで口論を仕掛けて返り討ちにされた所だ。
家に帰っても、親にはどこからか口論の件が伝わっており、下らない事をするな、應矢のお嬢さんに迷惑をかけるなと絞られるはずだ。
「でも、気に入らないんだもんっ!!」
千恵美は叫び、手元の石を拾い上げて川に投げた。
乱れた心で投げた石は、一度も跳ねることなく水中に没していく。
まるで今の自分のようだ。千恵美が改めて膝を抱えていると、ふと、その頭を軽く叩かれた。
「よっ、何か悩んでんの?」
顔を上げた先には、顔見知りの高校生であるマリの悪戯笑いがあった。

マリは、いわゆる“地元の不良の先輩”だ。
彼女の落としたピアスを千恵美が拾った事で知り合い、いつしか実の姉のように親しくなっていた。
親にも友人にも秘密の関係だが、悪い遊びはそれなりに教わった。
千恵美の考え自体、マリの思考に毒されている部分がいくらかあるだろう。
「へー……そりゃ生意気なガキだ。噂にゃ聞いてたけどさ」
マリは、煙草に火を点けながら呟く。
「そうなの。もう話してる時どころか、あの子が歩いたり髪掻きあげたりするたびに、一々ムッときちゃって」
「ああ、あるある。ウザい奴は何しててもカンに障んだよねー」
千恵美の言葉に同意を示しつつ、マリは美味そうに煙を吐き出す。
そしてその煙が完全に見えなくなった頃。

「…………そいつ、イジメてやろっか?」

マリはふいにそう口走った。どきり、と千恵美の心が動く。
「イジメる……?」
「そ。アタシもスカしたガキは嫌いだからさ。他人に対してもうゴチャゴチャ言えないように、懲らしめてやんのよ」
「え…………で、でも」
「大丈夫だって、さすがにガキをボコったりしないから。ただちょっと、カマしてやるだけ。
 うっし決まり、さっそくアイツら呼ぶか! まぁ待ってな。そのうち面白いの送ってやるから!!」
マリは一人で盛り上がると、嬉々として仲間に連絡をつけ始める。
一度決めたら誰が何を言おうが止まらない女だ。
「あ……あ…………!!」
千恵美はバイクで走り去るマリを見送りながら狼狽し、相談相手を間違えたと後悔した。
しかし……あの咲姫がどんな目に遭うのか、どんな反応を示すのか。それが気になるのも、事実だった。




翌日、咲姫はいつも通りに登校してきた。
小さな身体で胸を張り、ランドセルの肩ベルトを両手で握りしめ、特徴的なツインテールを後方に靡かせながら。
その姿を見つけ、千恵美は胸を撫で下ろす。
いくらマリでも、誘拐などと大それた事はしないのだ。そもそもターゲットは咲姫、消えたりすればすぐに大騒ぎになるのだから当然だ。
さらに翌々日も咲姫が登校してきたのを見て、いよいよ半信半疑だった千恵美の心は晴れる。
しかし、それからさらに4日が過ぎた帰宅後。
千恵美はLINEに届いた新着メッセージを見て、ごくりと喉を鳴らした。
LINEの相手はマリだ。
『チャンス到来♪』
まずその一言が送信され、そこから間を置かずに一枚の写真が添付される。
高解像度の写真は、一切の誤魔化しなく、相手先の現状を千恵美に伝えた。

中央に映っているのは、紛れもなく咲姫だ。
学校で着ていたものと同じ、淡いパステルカラーのブラウスとカーディガンを纏っている。
ただし、下に穿いていたチェックスカートと黒タイツは脱がされ、リコーダーの刺さったランドセルと共に床に捨てられていた。
つまり、咲姫は下に何も纏っていない。
それどころか、大股を開かされたまま、両膝の付近を乱雑にテープで固定され、恥じらいの場所を曝け出してすらいた。
当然、秘裂は無修正で丸見えになっている。
思わず千恵美が息を呑むほど、一切の色素沈着のないピンク色だ。
『どう、綺麗なマンコっしょ??』
マリから新たなメッセージが届く。
『うん……』
千恵美はそれに同意した後、改めて画像の背景に目をやった。
咲姫が大股開きで腰掛けさせられているのは、端々が破れた古いソファだ。
壁は一面に薄汚く、破損や蔦の生い茂っている部分も見られる。
床はやはり損傷著しいカーペットとタイルで、シャワーと大きな浴槽が奥にあるらしい。
千恵美には、そこがどこかすぐに判った。
マリ達不良が溜まり場にしている、県北のラブホテル跡だ。
千恵美も何度かマリに連れられて訪れた事がある。
市街地から遠く離れている上に昔から治安が悪く、地元警察のパトロール区域からも外されている……とマリは語った。
そのような場所に拉致されては、普通に戻ってくる事は不可能だろう。

画像にはいくつかの影や革靴が写りこんでおり、複数人で咲姫を取り囲んでいるらしかった。
その上であられもない格好を晒しつつも、画像内の咲姫は気丈に前方を睨みつける。
『アンタの言ってた通り、マジで生意気だねこのガキ』
マリが新たなメッセージを寄越し、さらに続ける。
『もうイチジク2本ぶち込んでるのにさ』
その言葉に、千恵美はぎょっとした。
そこへ、また新たな画像が送られてくる。咲姫の腰掛けるソファの下を映したものだ。
柔らかそうなピンク色の足指が、画面上部に大きく映りこんでいる。
そしてその下……薄汚れたカーペットの上には、潰れてその用を終えたイチジク浣腸の容器が2つ、確かに転がっている。
何のための道具か、知らない千恵美ではない。
“オトナの知識”と称して、そうしたマニアックな知識をマリから教えられていたからだ。

 (じゃあ、今はサキちゃんのおなかの中に、浣腸液が…………?)

千恵美はそう考えを巡らせざるを得ない。
彼女にとって咲姫は気に入らない存在ではあったが、同時に最も身近な『お嬢様』でもある。
咲姫がすまし顔で女子トイレから出てくるのを見るとき、千恵美はいつも違和感を覚えたものだ。
およそ排泄というイメージに結びつかない、シャンとした子。それが正直なイメージだった。
『ちっとテストで動画送る』
マリからまた新たなメッセージがあり、直後に映像ファイルが続く。
再生をタップすると、すぐに音声が聞こえてくる。
『……たたち、こんな事して、後がどうなるか解ってるの!?』
冒頭部の途切れた糾弾の言葉。声は間違いなく咲姫本人のものだ。
極限状態にも関わらず、聞き取りやすいハッキリとした発声はさすがと言える。
ただし、ひどく息が荒い。まるで校庭を何周もしたかのように。
その理由はすぐに判った。
『父に、言いつけるわ…………!!』
咲姫が毅然として言い放ったその直後、激しく下腹の辺りから音が鳴りはじめる。
ぐぉおおううるるるる…………という極めて低くくぐもったその音は、紛れもなく腹を下した時のものだ。
『おぉー、良い音じゃんクソガキ!』
『きゃはははっ、父に言いつけるっつってもさぁ、何、今からクソぶち撒けますとで…………』
そこで動画が止まる。長時間の再生は出来ないようだ。

『動画見れた?』
千恵美が動画に見入っている間に、マリからは新たなメッセージが送られていた。
『見れたよ。……今も我慢してるの? あいつ』
千恵美はやや躊躇いがちに言葉を返す。するとその直後、マリから返答があった。
『イエス。ほれ』
その直後、再び画像が表示される。咲姫の表情を接写したものだ。
咲姫は、髪の生え際や額、小鼻に病的な脂汗を滲ませ、片目を潰れそうなほど固く閉じている。
唇は歯を食い込ませて引き結ばれ、一切の余裕が感じられない。
間違いなく美少女といえるであろう風貌は、もはや跡形もなかった。
「………………っ!!」
初めて目にする級友の表情に、千恵美はしばし言葉を失う。動悸が激しい。
『でも、すっごいわ。我慢の限界っぽいのに、全然口が減らんし。
 ペラペラペラペラと、色んな言葉でこっちのココロ抉ってくんの。ありゃ、同い年で口喧嘩しても勝てんわ。
 ……あ、でももう、さすがにマジでダメっぽい』
そのメッセージの後、しばしLINE上に沈黙が訪れる。
『ねぇ、どうなってるの?』
5分ほど後、千恵美は痺れを切らして尋ねた。
するとそこから数秒のち、短く返答がある。
『出した』
ごく短いその言葉の後、続いて画像が送られる。
それを表示させた瞬間、千恵美は、あっ、と声を上げた。
そこには、金盥の中に排泄された茶色い物体が、はっきりと映し出されていたからだ。
盥の縁高く残った跳ね返りの跡は、内容物が勢いよく盥の底へ叩きつけられた事実を物語る。

 (これ……サキちゃんの………………!?)

千恵美はスマートフォンを持たない方の手を握り締め、背筋を駆ける何かに耐えた。
今この瞬間だけは、自分が歳相応の『繊細な感情』の持ち主だと確信できた。
さらに、LINEの画面がスライドする。また新たな映像が来たらしい。
千恵美は喉を慣らし、覚悟を決めて再生を押した。
『っやあぁぁっ、イヤぁ゛いやいやいやああ゛ぁあぁああぁあああ゛あ゛っっ!!!!!!』
凄まじい音割れを伴いながら、悲鳴が響き渡る。千恵美は慌ててイヤホンを嵌め込んだ。
どうやら、排泄のまさにその瞬間を撮ったものらしい。
どれだけ気丈に振舞おうと、咲姫もやはり幼い少女だ。
排泄を晒すその瞬間には、ツインテールを振り乱し、顎が外れるのではと思うほど大口を開けて泣き叫んだらしい。
しかし碌な抵抗はできていない。
彼女の小さな躯は、数人の女子高校生の手で軽々と持ち上げられ、無理矢理に排泄の姿勢を取らされていた。
あまりにも惨めに過ぎる光景だ。けれども千恵美は、それから片時も目を離せない。
視線で咲姫の柔らかそうな脚肉と繋がり、ヘッドフォンで悲鳴や排泄音を受け入れながら、千恵美はひどく満たされていた。

1分足らずの短い映像が終わり、最後に一枚の画像が送られてくる。
排泄を終え、放心状態となった咲姫が写されていた。
後ろ手に拘束されたままソファに背を預け、ぴちりと重ねた両脚を斜めに倒すお嬢様座り。
目頭から一筋こぼれた涙が扇情的だ。
『んじゃ、こっからまたしばらくコイツで遊ぶから。また明日にでもLINE見なよ、オヤスミー。
 あ、そうそう。いい獲物教えてくれて、あんがと♪』
そのメッセージといくつかのスタンプを最後に、マリは何も言わなくなる。
しかしその後も千恵美はしばらく、排泄映像を再生し続けた。
汚物趣味があるのでは断じて無い。むしろ、汚らわしいと思う。
しかし、その汚らわしい目にあの咲姫が遭っているという事実が、自分でも理解できないほどに千恵美を煽り立てた。



案の定というべきか、咲姫が行方不明になったという噂はすぐに広まった。
大人受けのいい優等生だったのだから当然だ。
千恵美は他の生徒がそうされたように、親や教師から何か知らないかと尋ねられた。
しかし千恵美は、驚くほどさらりと白を切る。せっかくの愉しみを邪魔されたくない気持ちは、何にも勝った。

学校のトイレで、教室移動の途中で、帰宅途中で、あるいは自室で。
千恵美はスマートフォンが振動するたび、人目を避けて噛り付いた。
LINEを起動すれば、そこには刺激的な画像やメッセージが続々と届いている。
『限界に挑戦~』
そのメッセージの後に、蛙のようにひっくり返された咲姫の肛門へ、20本ほどの綿棒が入り込んでいる映像もあった。
薄桜色の地肌とほとんど変わらないような慎ましい肛門は、痛々しいほど広げられ、ただの薄い輪と化している。
奥に映った咲姫の表情がくしゃくしゃに歪んでいるのが背徳的だ。

また別の画像では、女子高生の細い2本指が、肛門を弄繰り回してもいた。
ローションを塗りこめたのか、肛門付近は妙に照り光っており、透明な一筋が尻肉を背に向けて伝い落ちてもいる。
『全員でケツん中いじくり回してんの。超締まる』
メッセージにはそうあった。

さらに別の時には、咲姫は肛門を4方向からフックのようなもので四角く拡げられ、様々な手段で嬲られていた。
『ハードな直腸検査中』
そのメッセージ通り、ぱっくりと開いた腸内をペンライトで照らし、何枚も写真に撮る事もある。
指の腹で腸壁を臍側へと押し込んでいる事もある。
真ん中にバルーンのついたチューブで透明な水を吸い上げ、駄々漏れの形で排泄させる事もある。
あるいは1本ないし2本のガラス棒で、延々何十枚にも渡って内部を弄繰り回している写真もあった。
興味深いのは、それは全てに対して咲姫が何かを叫ぶ口をしていることだ。
いや、やめて、といった哀願か。憶えてなさい、といった脅しか。それとも人格否定の糾弾か。
一点を凝視する必死な瞳に、垂れ下がりつつも根に皺の寄った眉は、どうとも取れる微妙なものだ。

その他では、数珠の連なったような道具が様々な種類揃えられ、用いられているようだった。
咲姫はスタイルこそ8歳にしては良いものの、まだまだ小さい。
そのゆえその体は女子高生達に良い様に掴まれ、様々な格好を取らされながら責められていた。
例えば、手を横から掴まれたまま、両の足首を真上に掴み上げられての肛門嬲りだ。
力瘤を作るような手の形と、カメラ側に突き出るような尻と秘肉、そして脚の間から覗く顔。
それは何とも滑稽なものだった。
肛門からビーズ状の物が抜き差しされる様も格好がつくとは言いがたく、咲姫の頬は責めの間中、湯上りのように紅潮していた。

その次の日の、倒立しかけのようなポーズでの嬲りもインパクトがあった。
肩と肩甲骨の辺りだけを床につけ、両脚を顔の上にまで持ち上げたところで鷲掴みにする。
そして、ほぼ真上を剥いた尻穴に、咲姫自身のリコーダーを幾度も出し入れするというものだ。
リコーダーの指穴から、腸液ともローションともつかない半透明の液体が流れ出ている様は、なんとも生々しい。
この責めも数十枚の写真に渡って収められていたが、面白い事には、その様子は時間を追うごとに変わっていた。
最初のころ咲姫は、口を真一文字に結び、親の敵のように脚の上を睨んでいる。
しかしそれから数十分後の画像では、目は閉じられ、口は浅く開いて、温泉にでも浸かるような表情になる。
さらにその後、目は焦点を結ばないまま横に投げられ、口はすっかりだらしなく開いてしまう。
そして最後には、その目すら閉じられ、口はとうとう涎の糸を滴らせはじめるのだ。
その蕩けようは、普段の彼女を知る千恵美には信じがたいようなものだった。
どこからどう見ても、それは1匹のメスが発情した姿だ。
目を凝らせば様々な“事実”も見て取れる。
小学校低学年だけあり、咲姫の胸はないに等しい。性器として成熟してすらいないはずだ。
にも関わらず、画像の最後の方では、乳首は明らかに勃起していた。
乳房や乳輪の膨らみがないだけに、屹立した粒はよく目立つ。
さらに言えば、咲姫の手は、最初の頃は様々な抵抗を試みるような動きを見せていた。
しかし最後の辺りでは、まるで母親の腕を取るように、甘たるく近くの女子高生の腿を掴んでいるのだ。
それは無意識下で、周囲の人間に心を許しているかのようだった。


『あいつ、すっかりアナルに慣れたよ。チビのくせに』
約一週間が経った頃、マリはそう告げた。
その日は映像が送られてきていた。
ソファの上に横臥したまま、片足を大きく持ち上げられ、肛門にかなり太さのある数珠状の道具を抜き差しされているものだ。
過去に用いられていた責め具と比べて芯があり、凹凸の極めて深いアナルディルドウと言ったほうが近いかもしれない。
それを力強く抜き差しされながら、咲姫は悦びに震えていた。
掴みあげられた細長い左脚はぞくんぞくんと痙攣し、少女の足とは思えないほど艶かしく内腿を筋張らせる。
目隠しをされた部分からは涙があふれている。
口はだらしなく開いて透明な唾液をソファに垂らし、開閉する。
『あっ、あっ、あ…………あっ……あっ、んっあ…………』
何とも甘い声が、唇の動きに合わせて漏れた。
そこで動画は途切れる。
『今の声、聴いた? あのガキ、もうずーっとあんな声出してんの。コッチまで変な気分になるわ。
 アナルで早く逝けるように、たまーにクリとかGスポとかも一緒に刺激してたんだけど、もう要らないっぽいし。
 股のへん濡れまくってたっしょ。今日全然ローション使ってないんだよ。あれぜーんぶ、チビのマン汁』
千恵美はそのメッセージを読み、改めて動画を見返す。
すると確かに、ソファに密着している咲姫の右腿が、オイルを塗ったようなテカリを帯びているのがよく解った。
毛の一切生えていない初々しい秘裂も、よく見ればやや赤らんでおり、自らの愛液で溺れるように蠢いていた。
『凄いね』
千恵美はかろうじてそう打つと、大きく深呼吸を繰り返した。

あの咲姫が刻一刻と変えられているのだ。今、この瞬間も。
そう考えると、千恵美の身体は震える。
気がつけば彼女は、過去に送られた何十という画像や映像を元に、生まれて初めての自慰を始めていた。
それも、一般的なクリトリスを用いてではない。排泄の穴を、指でこね回すやり方でだ。
異物感は強かったが、心臓の破れそうな興奮がそれを覆ってくれた。
咲姫の後を追うように、画像の最初から少しずつ、肛門開発の軌跡を辿る。
まずは綿棒を数本入れるところからだが…………汚辱感で思わず飛び上がってしまう。
先はまだまだ長そうだ。
咲姫はその間にも、よりディープな肛門性感へと歩みを進めているというのに。

『ねぇ……もっと、もっと太いのをちょうだい………………』
動画の中、とろりとした瞳で、あらゆるディルドウを味わい尽くした咲姫が呼びかける。
彼女の瞳が射止めるものは、女子高生の拳そのもの。
『げっ、フィスト!?』
『……ったくコイツ、どんだけだっての。まいいけどよ、もう一生垂れ流しだぞ、ガキのくせによ!』
不良女子高生達は薄笑いを浮かべながら、少女の矮躯を押さえつけ、拡張されきった肛門に拳を押し当てた。
そして数秒後、甘い絶叫と共に動画が終わる。
しかし千恵美の中では、動画が終わってからも情景が続いていた。
千恵美もいつか、拳でなければ満足できない身体になるのだろう。
これほどの甘美を知ってしまっては、きっともう戻れない。もう、遅いのだ。
「っはは、あははは、ははははっ………………!!」
千恵美は今さらながらにそう気付き、自嘲気味に笑った。




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