Part.3(後半)の続きです。
 ディープスロート回につき、嘔吐要素が多めなためご注意ください。




「八金 沙綾香の性感は、また新しいステージに進んだことでしょう」
 死んだように眠る沙綾香を見つめながら、端塚が呟いた。
 悔しいが、否定できる材料がない。
 衆人環視の中でセックスを強いられ、颯汰の手で数時間に渡って中イキを継続させられ、さらに夜通し黒人共にイかされ続けた。それを通して、彼女のポルチオ性感は決定的なまでに開発されたことだろう。
 実際、ベッドで眠りに入ってからも、彼女には普通でない状態が続いていた。仰向けになって寝息を立てる中、伸ばした脚がいきなり震えるんだ。
「っん……ふ、んんんっ……!」
 鼻を抜ける甘い声も漏れる。まるで、見えない誰かに愛撫されているような反応。
「こいつ、アクメの余韻に浸ってやがる」
 近くで監視していたロドニーが笑い、手にした缶ビールを一気に飲み干してから、沙綾香の下腹に掌を乗せる。
「はうう゛っ!!」
 太く黒い指が腹部に埋もれれば、沙綾香の足指が強張った。
「はっはっは。これでイクってのは相当だな!」
 ロドニーは愉快そうに笑いながら、さらに下腹を揉み込む。その度に沙綾香の下半身が震え、膝が上がっていく。目は閉じたままだから、眠ってはいるんだろう。つまり彼女は、意識のない状態で絶頂しているということだ。
 その異様な反応を見ていると、胸に不安が広がっていく。いつかの桜織のように、快楽に呑まれきっている気がして。だから、目覚めた彼女がシャンとした表情をしていた時には、心の底から安堵した。
 だが、あくまで『今は』大丈夫であるに過ぎない。沙綾香への性感開発は今日も続く。まずは、百合によるマッサージからだ。

「今日は、貴女の乳腺を開発するわ」
 百合は、ガスを吸引する沙綾香にそう語りかけた。そしていつも通りに薄い白手袋を嵌め、オイルを塗り伸ばすと、横たわった沙綾香の身体に触れる。
 まずは乳房の外側を、細い指先がゆっくりと撫でていく。
「んんっ……!?」
「くすぐったいでしょう。脂肪で守られていない敏感な場所だから、最初はそうなの。でも、こうしてじっくりと開発していけば、そのうち感じやすくなっていくのよ。『おっぱいのGスポット』なんて言われるぐらいだもの」
 百合はそう言い含めつつ、優しく乳房周りを撫でまわす。沙綾香は、そんな百合の顔を不安そうに見つめていた。
 乳腺開発は静かだ。シューッ、シューッ、というガス吸引の音だけが聴こえる。だが、行為の激しさと快感の強さには、必ずしも相関関係はない。百合の責めは特にそうだ。
 オイルに塗れた手が、乳房の側面から腋の下にかけてを往復する。静かに、確かに。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 吸引具を外されるなり、沙綾香は荒い呼吸を始める。汗がひどく、瞳孔も開き、いわゆる“キマって”いる状態だ。それを知りながらも百合は、マッサージの手を緩めない。
 そんな状態が、5分ほど続いたころ。ついに、沙綾香に変化が表れはじめた。
「はっ、はっあ…………ああっ…………!!」
 百合の指が乳房の横をなぞるたび、艶めかしい声が漏れる。肩幅程度に開いた脚が強張り、腰が浮く。
「気持ちよくなってきたのね?」
 百合の声色は柔らかい。後輩を慈しむようでもあり、狙い通りの展開にほくそ笑むようでもある。
「は、はい。くすぐったさが、どんどん酷くなって……腰が、勝手に浮いちゃうんです」
「くすぐったい。それだけかしら」
「…………その、気持ちよさも、少し……。おっぱいに直接触られてもいないのに、ただ、揉まれるより……」
「それはね沙綾香、乳腺が目覚めてきた証拠よ。今はガスの効果で敏感になっているから、くすぐったさばかり感じてしまうんでしょうけど……あなたの身体は、とっても気持ちよさそうよ」
 百合が乳房に5本指を宛がい、指先で何度か円を描くと、今度は沙綾香の腕が跳ね上がる。
「はぁあうッ……!!」
「フフッ、いい反応。貴女の反応ってとても可愛いわ。色気があって、でもあどけなくて。思わず、もっと虐めたくなってしまうほどよ」
 百合の指先が、沙綾香の乳房の上で円を描きつづける。そのたびに沙綾香の腕がヒクヒクと反応する。それをさらに数分続けたところで、百合はとうとう乳首に手を出した。左右両方の蕾を、人差し指で上下に弾く。
「うあああぁっ!?」
 沙綾香は叫びながら胸をせり上げた。背中が一瞬、完全にベッドから離れる。
「すごい反応。責め甲斐があるわ」
 百合はかすかに笑みを浮かべながら、オイル塗れの指で乳首を弾きつづける。
「あああっ、うんんんっ……やっ、駄目、です……っ!! こ、これって、やだ、おっぱい、だけで…………っ!!」
「あらあら、まさか乳首だけで達してしまうの? いいわ、私に見せて頂戴」
 人差し指だけでなく、親指も混ぜて胸の突起を責める百合。
「ああんっ、あ、あ、あっ……あっあ…………」
 沙綾香は甘い声を漏らしながら、何度も首を振っていた。そのうち太腿へ縦筋が浮き、胸が何度もせり上がる。一般的な女が一般的なセックスで絶頂する時でも、ここまで力が入るものだろうか。
 そして、緊張の後には弛緩が訪れる。
「んんんんんっ…………!!!」
 沙綾香は呻きながら、恥ずかしそうに唇を噛み締めた。異性である俺にも、それが絶頂のサインなんだということが解った。
「可愛いわ沙綾香、達したのね。絶頂の宣言はなかったけれど、今回は見逃してあげるわ。貴女自身、本当に胸だけでイクだなんて思わなかったでしょうし。でも、想像以上に気持ちがよかったでしょう? これに慣れると、乳首を愛撫されるだけで、膣まで痙攣するようになるの」
「ち、乳首、だけで……!?」
「そうよ。もっともっと、貴女の知らない快感を教えてあげるわ。“先輩”としてね」
 百合はそう言って、また胸の蕾を弾く。
「んふ、ぅっ!!」
 沙綾香はまた震えながら、澄んだ瞳を惑わせる。百合に愛撫される彼女は、他の誰を相手取る時よりも小さく見えた。


                 ※


「んんっ、あっ……あ! あ、っく、あぁ……っぁ……」
 沙綾香のか細い悲鳴が聞こえる。彼女はベッドで胡坐座りをさせされ、背後から乳腺責めを受けている。彼女の乳房は形がいい。重力をものともせずに前を向く、お椀型の膨らみ。
「貴女の乳房は、搗きたてのお餅みたいね。温かくて、やわらかくて、でも張りだってある。触りだしたら止まらないわ」
 百合はオイルマッサージを繰り返しながら、そんな事を囁いていた。言葉の全てに裏がありそうな女だが、今の囁きは数少ない本音だろうと思う。
 沙綾香は、相手の五感に快感を与える少女だ。
 姿を一目見ただけで、視線を縫い付けられる。一瞥して冷笑でもされた日には、猿のようにマスを掻く状態が三日三晩続く。
 声も『鈴を転がすような』という表現が相応しい、澄んで美しく響くものだ。
 匂いもいい。俺と鏡張りの部屋に閉じ込められている間、彼女は香水などつけていなかったはずなのに、ほのかに甘い香りがした。もちろん人間である以上、汗や愛液は生々しい匂いがする。でもそれすら、彼女自身の体臭と混ざり合えば、不快には感じなくなった。
 汗や粘膜にしても同じく、信じられないほど不快感はない。ほのかに感じる味は、男をいきり勃たせる漢方の代わりをする。
 そして、肌触り……これも本当にいい。乳房、脇腹、尻、太腿。彼女とセックスする間、俺はそういった場所を故意・偶然を問わず何度も掴んだが、そのたびに掌が悦びを訴えたのを覚えている。上質な毛布を撫でた時、妙な快感が背筋を走ることがあるが、それに似た部類だ。吸いつくような肌を揉んでいると止まらなくなり、嫌われるのを恐れて手をのけた覚えがある。
 そんな彼女に触れていれば、同性であろうと虜になってもおかしくない。
 しかし逆に、沙綾香の方も百合の虜になりつつあるようだ。

「ふンン……あっ、だめっ、あ! や、ぁ…………!!」
 両乳房を下から持ち上げられ、揺さぶられれば、沙綾香は震えながら否定の言葉を漏らした。
「あら、嫌なの? 私に触れられるのは嫌い?」
 百合が手を止め、沙綾香の耳元で囁く。沙綾香は恥じらう表情をするものの、答えない。黒人共相手になら、嫌だと即答しているだろうに。
「否定しないのね、嬉しいわ。もしかしてまだ、私に憧れてくれているのかしら。入学してすぐの頃も、眼を煌めかせて私を見ていたものね。貴女って華があるから、人混みの中でもすぐにわかるのよ」
 百合はまた囁きながら、勃起した乳首の周囲に触れていく。
「だいぶ興奮しているようね。乳輪がこんなに膨らんで、粟立って」
 百合の指が泡立つ皮膚をなぞれば、沙綾香の肩がこまかに震えた。あ、あ、と漏れる声も快感の色が濃い。しばらく乳輪を弄ばれたあと、満を持して乳首を摘まれれば、沙綾香はきつく目を瞑る。
「ひぅうっ!!」
 胡坐が閉じて三角座りに変わり、両手は百合の手に添えられる。そういう時の沙綾香の反応は、本当にお嬢様らしい。
「可愛いわ、沙綾香」
 百合は沙綾香の首筋に舌を這わせ、反応を楽しみながら、左手を乳首から離す。その指先が向かう先は、股座だ。一度は閉じた沙綾香の脚を再び開かせ、割れ目へと潜り込む。
「あ、はっ!?」
「こっちのGスポットも敏感ね。黒人の調教師様はカリ首が張っているから、出し入れされるたびにここを刺激されるものね。私も驚いたわ。もう3日も前のことなのに、あの方々から頂いた快感が頭から離れないの。それを毎日体験できるなんて……羨ましいわ」
 乳首を右手で転がしながら、割れ目の中の左手を蠢かす百合。もはや判りきっていることだが、その責めはツボを外さない。
「あっ、は……あ、あッ、んん……あ、あっ」
 沙綾香は肩から足先までを震えさせ、喘ぎを漏らす。割れ目からは早くもぐちゅぐちゅと水音がしはじめている。
「力まずにリラックスして、快感に浸りなさい。乳首と膣の感覚に集中するの。勿論、イク時はちゃんと言うのよ。絶頂がより強く実感するためにね」
 百合は、部活の上級生がするように命じつつ、さらに沙綾香を昂らせていく。
「あっ、あっ! あっ、あっは、あっ……! はあぁアあっ……! い、いくっ、いきますっ!! あ、あ、今イって……んあっ、あっ、ああっ……!!」
 沙綾香が絶頂を訴えても、百合の責めは途切れない。指先で乳首を転がし、割れ目を激しく指で刺激しながら、ついには右乳房にも吸い付いた。
「ひいいっ!! せ、先輩やめっ……こんなのっ、あ、あああああっ! いくっ、ひいいイクぅっ!」
 沙綾香は脚をばたつかせ、歯を食いしばりながら何度も絶頂を訴える。その姿は痛々しいというより艶めかしい。

 沙綾香が俯いて喘ぐばかりになった頃、ようやく百合は指を離した。そして一旦ベッドを離れると、コップに水を汲んで沙綾香に手渡す。
「喉が乾いたでしょう、お飲みなさい」
 そう告げるのは、純粋な優しさからじゃない。さらなる責めに備えろ、という意味だろう。不安そうにコップを傾ける沙綾香の横で、百合は手袋を替え、鞄から細いディルドーを取り出した。蛇腹の、柔らかそうなものだ。
「……っ!」
 沙綾香が表情を強張らせた。
「これで、貴女の喉奥を拡げるわ。次に審査会で戦う相手は、ディープスロートに特化した調教を受けているの。貴女も慣らしておかないと、勝負にならないわ」
 百合は沙綾香の反応に気付きつつも、あえてそう宣言する。
 階層順に勝負が進むなら、次は地下16階の千代里だ。天使のようなあの子は、客から代わる代わる喉奥を凌辱され、嘔吐していた。連日あんな行為を続けていたなら、確かに喉は相当に鍛えられているに違いない。
「口をお開けなさい」
 有無を言わさぬ口調で命じられ、沙綾香は躊躇いがちに唇を開く。顔を上向けたまま口を開くというのは、ともすれば下品に見えがちだ。だがモニターに映る沙綾香の顔は、確実に美少女と呼べるものだった。
 睫毛が長く、形のいい切れ長の目。澄みきった瞳。すっと通った鼻筋に三角の鼻孔。ピンク色の唇と、美しい歯並び。どれも最上といって差し支えない。
 百合は、そんな沙綾香の口内へとディルドーを送り込んでいく。
「もが……」
 ディルドーが舌の上を滑り、沙綾香の瞳孔が下を向く。さらにディルドーが進み、とうとう喉奥へ届けば、目元が震えて唇が閉じた。
「もっと開きなさい!」
 百合は毅然とした態度で命じ、沙綾香が従ったところでディルドーを動かしはじめる。モニターには、舌の付け根よりさらに奥まった空洞に、細い棒が出入りする様がしっかりと映し出されている。
「こォっ……!!」
 ディルドーが4往復ほどしたところで、喉奥から声が漏れた。同時にまた口が閉じ、前歯はディルドーを挟むような動きを見せる。
「沙綾香。開けなさいと何度言わせるの?」
 百合の声色が険しくなり、白手袋に包まれた左手の指が口をこじ開ける。その状態でさらにディルドーが前後すれば、沙綾香は左目を細めながら涙を浮かべはじめた。
「がっ、あ゛え゛っ!!」
 濁った声が漏れ、目尻に溜まった涙がこめかみを伝い落ちる。
「我慢なさい!」
 百合は指で舌を押さえながら、さらにディルドーを深く挿入していく。グリップ部分がすっかり口内に隠れるまで。
「ぉこっ……あ゛、うぇ、ぁ…………かァッ!!」
 沙綾香の唇が痙攣し、目元がひくつく。その震えは秒単位でひどくなり、そしてついに、豊齢線がはっきりと浮き出た。そこまでになれば、いかに彼女でも美少女と呼べる顔立ちではなくなる。そしてそれは、限界の証だ。
「ンげぇっ、あはっ!!!」
 ある瞬間、ついに沙綾香は、ディルドーを突き込まれながら横を向いた。唇の端から、口内に溜まっていた唾液が白い水流となって落ちていく。ディルドーが引き抜かれると、その水流はさらに酷くなり、形のいい顎全体を覆い尽くす。それを見て百合は、溜息をついた。
「……貴女、ずいぶん喉が弱いのね。これはまずいかもしれないわ」
「す、すみません……」
「謝る必要はないけれど、旗色が悪いのは事実ね。貴女の次の相手──千代里といったかしら。彼女はかなり喉が強いそうよ。合唱部らしいから、普段から鍛えられているんでしょうね。そんな相手とディープスロート勝負をするなら、せめてよく慣らさないと。嫌ならもうやめるけれど……勝ちたいんでしょう、貴女」
 苦しがる沙綾香に対し、百合は淡々と語る。審査会に絡めて諭されれば、沙綾香は拒めない。
「…………はい。勝ちます」
 涙目で苦しそうに喘ぎながら、素直に頷く。
 百合はそんな沙綾香の唾液を拭うと、鞄の中から道具を二つ取り出す。さっきより一回り太さのあるディルドーと、透明な開口具。千代里も口に嵌められていた、『マウスオープナー』だ。
「喉奥への刺激に慣れるまでは、これで口を開かせてもらうわね」
 百合はそう断り、沙綾香の口を大きく開かせると、慎重に開口具を嵌め込んでいく。
「すごいわ、喉の奥まで全部丸見えよ。歯並びも、粘膜も、舌も……本当に、全部が綺麗なのね」
 百合はモニターを見上げ、沙綾香自身にも顔を上げさせて語った。
「ハア、ハア、ハア…………」
 沙綾香の表情は複雑だ。百合はそんな沙綾香の瞳を見つめながら、ディルドーを拾い上げ、ゆっくりと口内へと捻じ込んでいく。今度は、いきなり深くまで。
「あ゛っ!! あがらっ、げッは!!」
 沙綾香はすぐに噎せ返り、喉の奥に唾液を溢れさせた。それは沙綾香が顔を傾けることで、泡立つ粘液として流れ落ちていく。
「どれだけ涎が出てもいいから、喉は開いておきなさい」
 百合は沙綾香の顔を上げさせ、さらに奥を責めた。
「あ゛っ……あえ゛っ、かはっ……あ……!」
 沙綾香の頬に筋が浮き、目が、顎が苦しさを訴える。さらには舌も激しく蠢き、沙綾香はとうとう百合の手を掴みはじめた。
「沙綾香。この手は何?」
 百合が嗜めると、沙綾香は手を離すものの、今度は膝が浮いてくる。本当に苦しくて堪らない、という様子だ。
 百合はそれを見て、ディルドーを引き抜いた。ディルドーの先端と口内とに、太い唾液の線が引く。開口具を伝って、帯状の唾液が滴ってもいる。
「あはあッ、はあっ、はあっ、はあァッ……!!」
 沙綾香の息は荒い。呼吸だけなら膣での絶頂に似ているが、唾液塗れで喘ぐ表情はより惨めだ。それを見ても、百合に手加減しようという感情は湧かないらしい。
「喉はあまり開かなかったけれど、潤滑剤は充分ね。次に行くわ、ベッドを降りなさい」
 彼女はあくまで淡々と命じる。鞄を探り、新しい道具を取り出しながら。

                 ※

 ベッドを下りた沙綾香は、近くのガラステーブルへと移動させられた。テーブルの下にはあらかじめ透明なシートが敷き詰められている。まるで、盛大に汚れることを想定しているかのように。
「さあ、本番よ。これを奥まで咥えなさい」
 百合は、ガラステーブルに持参した道具を置いた。人間のペニスをそっくりに模した、肌色のディルドー。サイズは日本人平均よりやや大きいか。底には吸盤がついていて、簡単には動かないように出来ているらしい。
「…………ふぁぃ…………」
 沙綾香は少しためらった後、百合の言葉に従う。前傾姿勢をに取り、開口具で拡げられた口内にディルドーを収めていく。
 最初は順調だった。だが8割ほど飲み込み、人体でいう玉袋まであと数センチとなったところで、動きが止まる。
「こほっ……ん、んぐっ……んふっ、カッぁ、こほっ!!」
 しばらく悪戦苦闘した末に、噎せながら顔を戻す。見るからに苦しそうな表情だ。ディルドーを流れ落ちる唾液の量もかなり多く、沙綾香の奮闘具合が見て取れた。だが百合は、その努力をもって良しとはしない。
「もう一度よ。奥まで咥え込めなかった自覚があるでしょう?」
 無慈悲な言葉。だが沙綾香は素直に頷いた。
「あはっ、はぁっ、はぁっ……ん、んっぐ、んん…………」
 くぐもった声を漏らしながら、健気にディルドーを飲み込んでいく。だがその動きは、ディルドーの半分を超えた辺りで早くも止まった。一回目よりも進みが悪い。
「ん、ん……!!」
 沙綾香は目を何度か瞬かせ、上の方を見上げる。まずい、と内心思っている風だ。
「どうしたの。早くなさい」
 百合が急かせば、テーブルの上に置いた手をぎゅっと握りしめ、改めて頭を下げていく。だがその動きは、やはり一度目と同じ場所で止まった。
「んぐ、ぇおっ……くっ、ごっ、ぶほっ!!」
 上唇が尖り、その尖った先から唾液が伝ってテーブルに滴る。少し頭を戻し、再度挑戦しても結果は同じ。唾液が零れるばかりで、最後の数センチが入らない。
 百合は、それを黙って見下ろしていた。だが沙綾香が3度目に噎せたところで、うなじを掴んで下へ押し込む。
「うぐっ!?」
「そのままよ。喉を開きなさい!」
 沙綾香が噎せても、押さえ込む力を緩めない。沙綾香の目が見開かれ、両手がガラステーブルを掴む。そして。
「んがっ、がえぇっ……ぶふっ!!」
 沙綾香の口内から、色のついた吐瀉物が溢れ出す。同時に沙綾香の頭が下がり、ディルドーはついに根元までが唇に隠れた。
「いいわ沙綾香。今度はそのまま、10秒キープよ!」
 百合は叫び、うなじだけでなく後頭部までも押さえつけて、沙綾香が頭を戻せないよう封じる。
 沙綾香は苦しんでいた。両手が握りしめられ、膝が忙しなく動く。開閉を繰り返す唇からは、さらに吐瀉物が流れ出す。
「げっはっ、えはっ、ごほっ、ごほっ!! あはっ、はーーっ、はーーっ、はーーっ…………!!」
 10秒後にようやくディルドーを吐き出せた沙綾香の呼吸は、恐ろしく荒かった。二筋の涙の痕と、数えきれないほどの涎の線が痛々しい。だが、それを見ても百合は顔色ひとつ変えない。
「コツは掴めたわね。さあ、もう一度よ」
 白髪やクールな面持ちから想像できる通りの、冷徹な言葉。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………ぁい」
 沙綾香はモニターの方を睨みながら、何度も喉を鳴らしてから同意を示す。涙に濡れてはいるが、固い意思を感じる瞳だ。上級生の命令だから続けるんじゃない。彼女自身が、友人との勝負に勝つために、それを必要と判断してるんだろう。

 彼女は、その強い瞳で頑張り抜いた。何度となく嘔吐し、吐瀉物がテーブルから垂れ落ちるほどになっても。一回り太いディルドーに替えられた後、目を剥いたまま、開口具が外れるほどの壮絶な嘔吐を晒しても。

「…………よく頑張ったわね。これで、喉を開くコツは掴めたはずよ」
 百合はそう言って手袋を外し、沙綾香の頭を撫でる。沙綾香は汗や涙、鼻水、吐瀉物に塗れたまま、少し微笑んだように見えた。久々に緩んだ空気だ。
 だが、それも今だけのこと。シャワーを浴び、食事を済ませて一休みすれば、また夜が来る。今夜のケダモノ共は、どんなやり口で沙綾香を犯すことだろう。楽観視はできない。なぜなら奴らは、もうずっと前から……沙綾香がまた乳腺マッサージを受けていた頃から、鉄格子を揺らして騒ぎ続けているんだから。


                 ※


 百合のマッサージに触発されたのか。この日の調教師共は、沙綾香の乳房に強い興味を示した。彼女が鉄格子の中に入るなり、背後からジャマールが乳房を掴み上げる。すべてが手荒な黒人共には珍しくない行為だが、沙綾香の反応はいつもと違った。
「ぁっ、ん!!」
 片目を瞑り、むず痒そうな顔をしながら身を捩る。その新鮮な反応に、周囲の黒人共が一斉に頬を緩ませた。
「ひひひっ! こいつ、もう感じてやがる!」
「ああ。あの白髪女に、チチ触られまくってたもんなあ!」
「乳首も勃起させてっしよ、この変態女が!」
 沙綾香の前に立つモーリスとタイロンも、ジャマールの掴み上げる乳房の先を弄繰り回す。
「んっ、ひッ!? ん、ふぁぁ、あっ……!!」
「ひっひ、すげぇ反応だ。こりゃあチチだけでイクんじゃねぇか?」
「ああ。たっぷり感じさせてやろうぜ!」
 ジャマールが無遠慮に乳房を揉みしだく中、モーリスが乳房に吸いつく。
「ちょっ、やめっ……んんっふ、くううっ!!」
 沙綾香の反応は、確かに大きい。胸に刺激を受けるたび、全身が震える。直前にガスを吸わされた影響もあるが、やはり百合のマッサージが効いてるんだろう。
「や、めてよっ……ほんと、キモいってば!」
 沙綾香自身も敏感さを自覚しているのか、黒人共を押しのけようとする。だが、その手もあえなく掴み上げられた。そしてついに両の乳首は、2人の黒人に吸いつかれる。チュウッ、チュウッと音がしはじめる。
「あ、あ、ぁぁああっ!! ンん……ッく、くふんん、ンっ……!!」
 沙綾香は腕を掴み上げられたまま、ある時は大口を開いて快感を逃がし、ある時は目も口も閉じ合わせて耐えていた。だが、いくら気丈に耐えようと、いずれ限界は来る。
「くぅ、んんんん、ふっぐうっ…………あああ゛ぁ゛っ!!」
 左右同時に乳首を吸われた瞬間、沙綾香はとうとう顎を引きながら痙攣した。断続的で細かな震え。彼女の仕草を見慣れた人間なら、それが絶頂のサインだとすぐに解る。
「へへへ。こいつ、乳首だけでイキやがった」
「ああ」
 モーリスとタイロンが口を離すと、沙綾香も顎を浮かせて大きく息を吐く。『やっと解放された』とばかりに。そしてそれは、胸を責められるのが辛かったと白状したも同然だ。生粋のサディストが、その匂いを嗅ぎつけないわけがない。
「はぁ、はあ……はぁ……」
 上半身を痙攣させ、唾液塗れの乳首を完全に勃起させた沙綾香。その乳房を、改めて背後からジャマールが揉みしだく。
「うあっ!? ちょっ、また……あ、あん、ふああぁっん゛!」
「ひひひ、甘くっていい声だな。若いジャパニーズの中でも、お前の喘ぎは格別だ。いちいちコックに響きやがる!」
 ジャマールは笑みを浮かべながら、沙綾香の乳房を弄ぶ。力任せに揉みしだいたかと思えば、掌に載せて上下に揺らし、あるいは人差し指の先で乳首だけを捏ねまわし。それを受ける沙綾香の反応は、さっき以上に大きい。
「んあ、あんっ! チ、チクビぃっ、転がさないでよおっ……!!」
 息を荒げながら、必死に抗議する。それでも責めは止まず、沙綾香は2度目の絶頂に追い込まれてしまう。
「ん、ふぐうう゛っ!! ひ、ぃひっ……なんで、感じすぎちゃう……。ち、乳首だけで、イクなんて……これなら、アソコに入ってる方がマシ……!」
 沙綾香が漏らした呟きは日本語だ。角界にいたダリーはともかく、他の英語圏の連中に通じるとは思えない。それでも連中は、沙綾香の雰囲気と、股をもじつかせる動きだけで察したらしい。
「オーケイ、ジャパニィーズ!」
 モーリスが満面の笑みを浮かべながら、沙綾香の割れ目へと太い指を沈める。
「っあ、いやああっ!!」
「嘘つけ。コッチにも刺激が欲しかったんだろ、ああ!?」
 モーリスの指遣いは激しい。経験の少ない子なら、ただ痛いだけだろう。だが今の沙綾香は、その責めで愛液を溢れさせてしまう。粘性のある水音がし、愛液が滴っていく。
「おーお、グッチョグチョじゃねえか! これでよく嫌だなんて言えたもんだな、ビッチ!」
「ち、違っ……あああっ、やだやだっ! んっくう、ぁ、だめッえ……」
 指で膣内を掻き回され、沙綾香が首を振る。まさにその瞬間、ジャマールの指が乳首を捻り上げた。沙綾香は、その同時責めに耐え切れない。
「いいいいいっ!?」
 眉をハの字に曲げ、歯を食いしばりながら、大股開きで痙攣する。さっきと違い、沙綾香の仕草を見慣れていない相手でも、一目で絶頂と判る反応だ。
「ふひゃああ~、すげぇ!!」
「オイオイオイ、乳首でここまでイクのかよ。堪んねぇなあ!!」
 黒人共は大いに沸いた。贔屓のチームが世界大会で優勝でもしたかのように、酒入りのグラスをぶつけ合って大いに笑う。
 そしてその熱は、簡単には冷めない。“檻”の入口からベッドへと場所を移してからも、黒人共はすぐに挿入はしなかった。
 焦らす。
 ベッドに寝そべったダーナルが、顔の上に跨らせた沙綾香の割れ目をひたすらに舐り。左右からはアンドレとダリーが、乳房を揉みしだく。3人の黒人が日本人少女に群がる光景は非日常的だ。ましてや、その怒張が血管まで浮くほどの完全な勃起状態となれば、もはや恐怖映像に近い。
 そんな状況下で、沙綾香は艶めかしく腰をうねらせていた。
「はぁ、あっ……んんんっ、ふぁっ! やあっ、あ……ああうあっ、んんあっ!!」
 とにかくダーナルの舐りから逃れたいらしく、喘ぎつつも、円を描くように腰を動かす。だが黒人3人は、力を合わせてそれを阻止した。左右の2人が太腿を上から押さえつけ、ダーナルが下から腿の裏を掴む。丸太のような剛腕でそうされれば、沙綾香はもう腰を動かせない。
「無駄な足掻きはやめな、ジャパニーズ」
 ダーナルは笑みを湛えたまま、赤黒い舌で割れ目からクリトリスにかけてを舐め回す。それで沙綾香が余裕をなくしているところへ、左右の2人が掴んだ乳房を舐め回し、先端の蕾に噛みつく。
「ひぐうううっ!! 痛い、やあっ!! やめてっ、乳首噛まないでえっ!! こんなの、はあっ、はぁっ……ッぐ、ひゃあぐううううっ!!!」
 沙綾香は何度も頭を振り、歯を食いしばって耐えた。それこそ、何分も。だがその末に、とうとう背中を仰け反らせ、天井を仰いだまま悲痛な声を響かせる。
「ハハッ、イキやがった!」
「ああ。マジで変態らしくなってきたな、このガキ。しまいにゃビンタだけでイキそうだ!」
 黒人共は手を打ち鳴らし、沙綾香の絶頂を嘲笑う。沙綾香はその中心で、しばらく上向いた顔を下げなかった。黒人共に顔を見せたくなかったんだろう。だがその表情は、しっかりと俯瞰視点のカメラに映されている。
 頬を伝う一筋の涙が、黒人の作る影の中、やけにはっきりと見えた。


                 ※


「さーて、プッシーもこれだけ欲しがってんだ。そろそろハメてやるか」
 ダーナルの言葉に、黒人共が頷く。
 あらかじめ順番を決めていたのか、レジャナルドが逸物を扱きながら沙綾香に近づく。他の連中は、まだ喘いでいる沙綾香をベッドに押し倒し、両手首を掴み上げた。
「いや、いやっ!!」
 沙綾香は股を閉じ合わせたまま、必死に抵抗していた。
「ほー、随分な嫌がりようじゃねぇか。俺にヤられるのなんざ慣れたもんだろ。それとも、今されるとマズイって自覚でもあんのか?」
 レジャナルドは唇を舐めながら屈みこみ、沙綾香の両膝をこじ開けると、割れ目に怒張を擦りつける。そして沙綾香が弱々しく首を振ったところで、一気に押し込んだ。
「ああああっ!!」
 沙綾香が悲鳴を上げる中、レジャナルドの腰は前へ前へと進んでいく。いつになくスムーズな挿入だ。
「すげえ、グチョグチョだ! なんでこんなに濡れてんだよ!?」
 レジャナルドは意地悪く問いながら、一心不乱に腰を振る。それを受ける沙綾香の反応も、普段以上に大きかった。開いた脚を震わせ、乳房を揺らしながら激しく喘ぐ。
「あああっ、やあっ、いやあああっ!! はあっ、はああっ……おっ、奥、痺れ……んんん、んひいいっ! だめ、だめもう、いきそう……っ!」
「よし、なら乳首でいけっ!!」
 余裕のない沙綾香を犯しながら、レジャナルドが乳首を捻り上げる。
「ひいいいーーーっ!!」
 沙綾香は仰け反りながら、呆気なく絶頂に至った。挿入されてから2分ともっただろうか。その敏感さに、黒人共も目を見合わせて噴き出す。
「スゲェ、マジでイッてやがる! はっはっは、よぉっく締まんぜええっ!!!」
 レジャナルドは一際興奮し、沙綾香に圧し掛かる形で腰を打ちつける。そうして存分に快感を貪った後、舌を突き出しながら射精に至った。
「くぁあああっ!!」
 沙綾香の悲鳴と足指の強張りこそ、紛れもなく膣内射精された証だ。
「へへへへ、すげぇ! お前らも、こいつの乳弄りながらハメてみろよ! よく締まって、うねって、とんでもなく気持ちいいぜ!?」
 レジャナルドはゲラゲラと笑いながら腰を引いた。奴の言葉は怒張の有り様が証明している。なにしろ、割れ目から完全に抜けた後もまだ、粘度の高い精液が溢れているんだから。その様子に、他の連中も触発されたようだ。
「よし、次いけ次!」
「っしゃあ、犯ってやらあ!!」
 何人もが逸物を扱き上げ、鼻息荒く沙綾香を組み敷く。

 こうして沙綾香は、次々と犯された。後背位で突かれながら、力任せに胸を揉みしだかれたり。騎乗位で突き上げられながら、乳房を弄ばれたり。体位こそ違えど、胸を責められるという一点だけは共通している。
 沙綾香は、その責めに翻弄されていた。
「胸揉まないで!」
「乳首、触んないでったら!」
 そう必死に叫び、そこから1分足らずで震えながら絶頂する。それを何度となく目にした。 前日のポルチオ開発で感じやすくなっているせいかもしれない。あるいは乳房の性感が、いよいよ目覚めつつあるのかもしれない。そのどちらにしても、沙綾香にとっては苦しい状況だ。
 今も彼女は、ベッドへ仰向けに寝かされ、乳房を引き絞られながらトラバンに犯されている。
「あああおっ、あ、きぃああああっ……!! おぐうっ、い、いったいっ!! 千切れるっ、千切れるううっ!!」
「何言ってるかわかんねえが、とんでもねぇ締まり具合だな! オラどうだ、奥掻き回されながら、乳弄られてよ!!」
 トラバンの手が、また沙綾香の乳房を引き絞る。お椀型の乳房が楕円形に変わり、沙綾香はシーツを掴みながら絶叫する。
 真っ当な神経の持ち主なら、その凄まじい光景に言葉を失うだろう。逆に嗜虐心の強い人間なら、さらに苦しめたいと考える。
「クソッ、待ちきれねぇ!!」
 今か今かと順番を待っていたドミニクが、痺れを切らして沙綾香の頭上に膝をつく。そして今まさに絶叫してる口内へと、強引に怒張を捻じ込んでいく。
「んごっ、お゛っ!? ぐぶっ、ごほっ! んぶは、あはっ!!」
 沙綾香は驚き、咳き込みながら、唯一自由になる手でドミニクの腰を叩く。だが、それで事態が好転するわけもない。ドミニクは構わず沙綾香の口内を蹂躙する。
「へへへ、苦しそうだな。ノドまで入ってんのか?」
「いや、口の奥を突いてるだけだ。だが、なかなかイイぜ!!」
「ほお、そりゃ結構なこった。こっちも口に突っ込まれてから、余計に締まりが良くなったぜ。おまけに、こうして乳を虐めてやりゃあ……!!」
 トラバンはドミニクと言葉を交わしながら、指で乳輪をねじり上げる。
「お、も゛っ!? う゛ろ゛ぉおおお゛ーーーっ!!」
 沙綾香は、くぐもった悲鳴を上げ、背中を痙攣させた。
「ははははっ! すげぇ、搾り取られる!」
「クチもいいぜ、立派なプッシーだこりゃあ!!」
 黒人共は大喜びで前後の穴を使い、大きく息を吐きながら盛大に射精する。
「おごっ……こほっ、あえ……っ」
 目一杯に開いた口から、泡立つ精液が零れていく。苦しいに違いないが、意外にも沙綾香の反応は薄い。涙を湛えながら上向く眼球は、ドミニクを睨んでいるようでもあり、白目を剥きかけているようでもあった。


                 ※


「お゛えっ、おお゛お゛え゛っ!! おごっ、お゛……ほぉおおお゛っ!!!」
 
 凄まじいえずき声が響く。マーキスの怒張を咥え込む沙綾香のものだ。
 ドミニクの口内凌辱をきっかけに、調教師共の興味は胸から喉奥に移った。千代里との対決に向けた特訓という名目で、深々と怒張を咥えさせる。しかも、恥辱を与えながら。
「お、おごっ……う゛ぼおおおえっ!」
 マーキスが後頭部を解放すると、沙綾香は弾かれたように頭を引いた。エラの張ったカリ首が喉を刺激するのか、怒張が抜ける時にも嘔吐じみた声がする。
「げはっ、えはっ!! ハァ、ハァ……っ!!」
 酸素を求めて激しく喘ぐ沙綾香。マーキスは笑みを浮かべながらそれを見下ろし、髪の毛を掴み上げる。
「あ゛っ!?」
 短い悲鳴と共に上向いた沙綾香の顔は、醜く歪んでいた。というより、“歪まされて”いた。原因は、鼻から下を覆う開口マスクと、その上の鼻フックだ。黒人共は、待機部屋に放置されていた段ボールからその二つを引っ張り出し、沙綾香に見せつけた。沙綾香は装着を渋ったが、一度その気になった連中が退くわけもない。暴れる沙綾香を押さえつけ、強引にマスクを着ける。
 これが、また地獄のような光景だった。開口マスクのリング部分の直径は、実に7センチ。最大のサイズを誇るタイロンのペニスが“ギリギリ”嵌まる直径だというが、そんなものはそうそう咥えられるものじゃない。沙綾香が目いっぱい口を開いてもまるで足りず、結局は黒人共が顎を掴んで無理やり開かせた口内に、マスクのリング部分を押し込む形となった。当然、沙綾香は苦しむ。
「アガッ、アガアアッ……!!」
 頭後ろでマスクが固定される間、沙綾香は視線を左右に振りながら、何度も喉の辺りに触れていた。顎が外れそうだ、と訴えているのかもしれない。だが黒人共は同情するどころか、今度は鼻にフックを引っ掛け、思いきり上に引き絞る。連中はとにかく乱暴だ。髪の毛を掴むにしろ、乳房を揉みしだくにしろ。そんな奴らが力任せに引くものだから、沙綾香の鼻孔は三角どころか、細い縦線にまで変形する。
 連中は、そうして歪に歪んだ沙綾香の顔をカメラに向けさせ、モニターの大画面に映し出して笑いものにした。
「あええ゛っ、ううああ゛い゛え゛ーーーっ!!!」
 沙綾香は当然ながら恥じ、不自由な口で何かを叫ぶ。その様をまた笑いものにした後、ついにマーキスが怒張を咥えさせはじめた。それが、今だ。

「ハァッ、ハァッ、ハァ……ッ」
 沙綾香の呼吸はまだ荒い。その顔は悲惨だ。吊り上げられた鼻孔は膨らみ、早くも鼻水が垂れている。喉奥まではっきりと見えるリング内からは、相当な量のえずき汁が、糸を引いて滴り落ちていく。まだ開始から1分弱、慣らし程度にペニスを押し込まれただけなのに。
 だが、マスクの傍にある剛直に目を移すと、その反応が当然に思えてくる。10人中最小のサイズとはいえ、日本人とは比較にならないその巨根は、本来喉で迎え入れられる代物じゃない。
「続けるぜ」
 マーキスはそう宣告し、沙綾香の頭を鷲掴みにすると、自分の腰へと近づけていく。カメラは各方向から、その光景を映し出していた。岩のような太腿の隙間に、小顔が密着する様を。美しい横顔に、太い生殖器が入り込んでいく様を。
「んごぉおお゛えええ゛っ!! え゛、えお゛っ! ほお゛ええ゛っ!!!」
 一気に奥まで咥え込まされ、えずき声が再開する。黒人共はバラエティでも観るように腹を抱えているが、やられる側の沙綾香は必死だ。目を見開きながらマーキスの腿を掴み、視線を怒張の付け根に固着させる。だが、マーキスが鼻で笑うのを聴きつけたらしく、強引に視線を上げて睨みつける。
「はっはっは! 相変わらずそんな眼か、すげえなお前。俺ら相手に、3日目でまだそんなツラできる女はそういねぇぜ。ま、そろそろ限界だろうがな」
 マーキスの笑みは消えない。沙綾香の頭を掴んだまま、何度も自分の腰に叩きつける。動きが速いせいでよくは見えないが、根元近くまで咥えさせているのは確実だろう。
「おう゛っ、う゛っ!! ごほっ、げふっ……ごええ゛っ!!」
 沙綾香が噎せはじめ、えずきがまた一段と酷くなる。唾液も止まらず、次々と顎から滴り落ちていく。
「いいぜぇ、だいぶ深ぇとこまで入ったじゃねぇか!」
 マーキスがそう言いながら、腰の動きを止めた。奴の言葉通りなら、喉奥深くへ捻じ込んだまま静止していることになる。黒人の怒張でそんな真似をされて、堪えられるはずもない。
「ご、お゛ごッ! ん゛おっっ!!」
 沙綾香は悲鳴を上げながら顎を浮かせる。横からのカメラには、喉が何度も上下に動く様子が映っていた。
「ははははっ、こりゃすげぇ! ノドの粘膜が絡みついて、うねりまくってやがる! こんなもんプッシーでも経験ねぇぜ!!」
 マーキスは腰を震えさせながら、また沙綾香の頭を前後させはじめた。そのピストンの速さや力強さは、膣を犯す時と同じだ。
 沙綾香は苦しむ。おえっ、ごえっ、とえずき、膝立ちになった足の先で床を蹴りながら。
「ハァッ、ハァッ……へへへ、大騒ぎしやがって、そんなに嬉しいのか? って、そりゃそうか。ロクに抵抗もできねぇまんま、お上品な口を性欲処理の便器にされるとかよお。ビッチなマゾ奴隷としちゃ、最高に興奮するシチュエーションだもんなあ!? 『先生』のをペロペロ舐めてた時より、こっちのがよっぽど刺激的だろ?」
 マーキスは散々に焚きつけ、沙綾香が本気の怒り顔を見せたところで、待っていたとばかりに絶頂する。
「くうううっ!! へッへへ、すんげぇ、射精しながらコックが震えてらぁ! どうだビッチ女、胃の中に直接流し込まれてんのが解んだろ?」
 マーキスは心地良さそうに息を吐きながら、しばらく腰を震えさせていた。もう嫌というほど目にした光景。膣への射精なら、その後は抜いて終わりだ。だが今回マーキスは、射精後もすぐには抜かない。少し腰を引きはしたものの、開口マスクの内部で逸物を動かしている。
 沙綾香は、それをかなり嫌がっていた。
「あら゛っ、ええれ゛っ! こ、こひゃえっ!!」
 おぞましそうに肩を震わせ、眉を顰めている。その反応を見て、俺はマーキスのやっている事に気が付いた。射精後の精液にまみれた亀頭を、口内に塗り付けてるんだ。
「いい機会だ。俺らのザーメンの喉ごしだけじゃなく、味も覚えろ。舌と鼻でな。獣くせぇなんぞと抜かす女もいるが、なぁに、気になんのは最初だけだ。そのうち皆、この匂いを嗅ぐだけで股を濡らすようになるんだぜ?」
 マーキスはそう嘯きながら、たっぷり数十秒かけて沙綾香の口内を穢し尽くし、ようやく怒張を引き抜く。怒張と口内とを太い唾液の線が繋ぎ、重力に負けて下に落ちていく。
「はーーッ、はーーッ……!!」
 沙綾香は口が自由になってからも、恨めしそうな顔でマーキスを睨んでいた。マーキスは笑みを浮かべながら、次のダーナルとハイタッチを交わす。
「次は俺だ。楽しませてくれよ?」
 9人の仲間に囲まれたまま、ダーナルが怒張を扱き上げる。


                 ※


 ダーナルの行為も、マーキスと大差はなかった。膝立ちになった沙綾香の頭を掴み、ひたすらに口内を凌辱する。違いといえば、奴に代わってから数分後、沙綾香がついに嘔吐したことぐらいか。
「うお、と……」
 異常を察したダーナルが腰を引くと同時に、マスクの開口部分から粘ついた液があふれ出す。頭を掴んでいた手が離れれば、沙綾香は俯き、床にびちゃびちゃと音を立てる。
「え゛ろっ……! げぼっ、ごぽっ……ぉおええ゛っ!!」
 嘔吐は数秒続いた。マーキスに凌辱されていた時から、必死に我慢していたんだろう。
 そんな状況を前にしても、黒人共はまるで動じない。
「吐いても終わんねえぞ」
 最初に輪姦していた時もそうだったように、弱った沙綾香の髪を掴み、また怒張を咥えさせる。
 3人目のドミニクも、4人目のジャマールも、やる事は同じ。ただし、沙綾香の反応は少しずつ変わっていく。後半になるほど怒張のサイズが増すんだから、苦しみ方が酷くなるのは当然だ。
 3人目のドミニクまでは、足で激しく床を蹴りながらも、かろうじて膝立ちの姿勢を維持していた。だが4人目のジャマールに蹂躙されている最中、とうとう完全に体勢が崩れる。尻餅をつき、眉間に皺を寄せながら、顔の横で何度も手を振っていた。限界のサインだ。それでもジャマールが強引に喉奥へ突っ込めば、沙綾香はげおっ、と妙な音を立てて嘔吐した。
「はははっ、なんだそりゃ! 出し損ねた屁みてぇだな!!」
 途端に沸き起こる笑いに対し、沙綾香は気丈に睨み上げる。だが、この時点で彼女は、だいぶ参っていたんだろう。この夜、睨む姿を見たのはこれが最後だ。
「うお゛っ、ごぼおお゛っ!! うおお゛お゛っ、お゛っ、もおお゛ええ゛っ!!!」
 6人目……レジャナルドに喉奥を凌辱される沙綾香の声は、苦悶に満ちていた。手の動きも苦しさを象徴していた。握ったり開いたりを繰り返したかと思えば、明後日の方に伸びきる。まるで、必死に救いを求めるかのように。
 彼女を助けられない現状がもどかしかった。そんな俺の前で、状況はさらに悪化していく。
 8人目のトラバンからは、ついに尻餅をついた状態でも咥えさせることが困難になった。サイズ的に無理があるのと、沙綾香が腕をぶるぶると震わせながら本気の拒絶を見せるからだ。だが、トラバンは喉奥の凌辱を諦めない。沙綾香の身体を床に寝かせ、上から圧し掛かる形で挿入を試みはじめる。
「あ゛あ゛あ゛っ、あああ゛らあ゛あ゛あ゛っっ!!!」
 当然沙綾香は、死に物狂いの抵抗を続けた。だが100キロを悠に超すだろう体重を、女の細腕で押し上げるのは不可能だ。沙綾香の必死さを嘲笑うように、トラバンの腰が下がっていく。コーラの缶ほどの怒張が、開口マスクの中に呑み込まれていく。
「いくぞ」
 トラバンがそう宣告した直後、挿入の雰囲気が変わった。ろくに濡れていない割れ目に、無理矢理捻じ込むような動き。喉奥へ入り込んでいるのは間違いない。
 実際、モニターの左上画面には、色白な喉が隆起していく様がはっきりと映っていた。怒張のサイズそのまま……つまり、細い喉の大部分をパイプのように不自然に盛り上げていく形でだ。
「もっごおおっ、ほごお゛お゛お゛っっ!!」
 沙綾香の足指が床を掴み、手は喉元を扇ぐような動きをする。
 観ているだけで背筋が凍りそうだ。喉のあんな変化は、日常からあまりにも外れすぎていて、苦しさを想像すらできない。
 そんな中、トラバンは嬉々として喉奥を凌辱しつづける。中腰のまま、屈曲位で膣を犯すかのように腰を振りたくり、最後にはそのまま射精に至った。
「ははははっ、ザーメン直飲みだ!!」
 変形した喉が蠢く様子を眺めながら、トラバンは笑い続ける。
 これが、8人目。
 9人目のダリー、10人目のタイロンとなれば、状況はもっと酷い。
「お、お゛っ、ゴお゛え゛っ!! もおおごおっ!! ぉぐっ、ふむぉええ゛っ!!」
 仰向けで喉奥を犯されながら、沙綾香は狂ったように足をばたつかせる。床に叩きつけられた部分が壊れるのではないかと思えるほど。
「おいおい品がねぇな。お前、ジャパンの貴族のお嬢様なんだろ?」
「プッシーが丸見えだぜ、お嬢様よお!!」
 散々に野次を飛ばされても、沙綾香の動きは止まらない。最後には失禁まで晒していたが、俺は久しぶりに理解できる反応を目にして、どこか安心したほどだった。

 こうして、1人ずつの口内凌辱は終わりを迎えた。だがそれは、あくまで1巡しただけに過ぎない。そしてあの性欲の化身共は、1回の射精などでは終わらない。むしろ、そんなものは準備運動に過ぎない。
「さてと。この変態女のことだ、そろそろプッシーにも欲しくなってきた頃だろ」
「ああ。次は上と下、両方のクチで満足させてやるか」
 10人のケダモノは、目を血走らせながら沙綾香を取り囲む。


                 ※


 黒人共は、2人一組になって沙綾香の膣と口を犯しはじめた。
「クソッ、やられた!」
 レジャナルドが悔しそうにカードを投げ捨てる。逆に向かい合うドミニクは、勝ち誇りながらベッドへと視線を向けた。視線の先では、ジャマールとダーナルのペアが沙綾香を犯している。
「オーウ。いいぜ、いいぜ……!」
「こっちもだ。ノドまで咥えさせてっと、締まり具合が段違いだ!」
 座り込んだまま逸物を咥えさせるジャマールも、高く掲げさせた割れ目を犯すダーナルも、頬は緩みきっていた。
「ん゛っ、お゛ッ!! お゛ぉングッ、んんおお゛っ!!!」
 沙綾香の口からは、苦悶の声が途切れない。逆に下半身は気持ちがよさそうだ。ダーナルが股間を叩きつけるたび、腰が跳ねる。逆に深く挿入したまま、奥をグリグリと捏ね回されれば、脚は内股になったまま痙攣する。
「おもおお゛お゛ぉ゛ぉ゛っ!!!」
「クククッ、またイキやがった。女ってやつは、ポルチオ開発されっとすぐイクようになるな」
「ああ。だがイキまくりってなぁ、ヤる方としちゃ嬉しいもんだろ」
「確かにな。……っし相棒、そろそろ出すぜ!」
「オウ、ならこっちもスパートかけるか!」
 2人は沙綾香の反応を嘲笑い、射精に向けてスパートをかけた。ジャマールは掴んだ沙綾香の頭を上下に動かし、ダーナルは狂ったように腰を叩きつけ。
「いくぞ、出すぞっ!!」
 調教師共はほぼ同時に宣言し、深々と逸物を埋めたまま腰を止める。沙綾香が目を見開いた。
「おっ!? もお゛っ、お゛、ごぼっ……!!」
 呻きの悲痛さは、大量に射精されている証拠だ。
「ハッハ、こいつも良かったらしいな。脚がまだ痙攣してやがる」
「ああ、間違いねえ。俺のザーメン飲みながら、口ん中モゴモゴさせてやがったからな」
 ダーナルとジャマールが逸物を抜き出しながら、沙綾香の反応を笑う。緩んだ空気だ。だが、これでひと段落というわけじゃない。膣と口で射精した後、奴らはポジションを入れ替えて二回戦を始める。
「俺はこうするか。コッチのが具合がよさそうだ」
 頭側に回ったダーナルは、沙綾香の身体をひっくり返した。這う格好から、うつ伏せに。その上で、勃起したままの怒張を開口マスクへ挿し入れていく。
「お゛ああ゛っ!!」
 怒張が口に入った瞬間、沙綾香は顔を顰めた。よほど嫌なんだろう。精液と愛液の絡みついたペニスなど、口に入れたいわけもない。だが、それを嫌がっていられるのも数秒だけだ。ジャマールが足首を掴めば、彼女は下半身にも注意せざるを得なくなる。
「ふん、まーだ足が震えてやがる。絶頂の余韻ってやつか? こんなザマで大丈夫かよ、俺のはダーナルよりだいぶデケェぞ」
 ジャマールが問いは、意味のないものだ。沙綾香がいくら挿入を嫌がる素振りを見せたところで、結局は構わずに挿入するんだから。
「おごっ、もごっぉお……むおぉごっ!!」
 苦悶の声が響きはじめる。仰け反った状態でのディープスロートも、屈曲位での極太の挿入も、沙綾香の望まないものだ。だが、黒人共はそんな心情を一切汲まない。気持ちがいい、具合がいいとのたまいながら腰を振り、都合三度目の射精に至る。
「うおおお、出る出る出る!! くううっ、尿道が灼けちまいそうだぜッ!」
 射精の最中も、ジャマールは騒々しかった。その睾丸は激しい収縮を繰り返している。奴らは獣に近いから、他のオスの精子を掻き出して体内射精すると興奮するんだろう。
 そんなケダモノ連中に口と女性器を犯されるなんて、地獄でしかない。

 …………ない、はずだ。

 だが俺は、夜通しの輪姦を眺めながら、刻一刻と不安を募らせる羽目になった。
 沙綾香の反応がおかしいからだ。
「どうだマゾ女。美味いか?」
 巨根を舐めしゃぶらせながら、ダリーが問う。沙綾香はその腹肉に肩を預けながら、ただ舌を動かしていた。疲れ果てているようにも見える。だが、熱に浮かされているように見えなくもない。
「美味えに決まってらぁ。プッシーがそう言ってんぜ、俺のコックに吸いつきながらよお!」
 ダリーの相棒役であるタイロンが、膣を犯しながら笑みを深めた。その言葉で、また俺は不安を煽られる。せめて沙綾香が否定してくれれば。そう思って彼女の顔を見るが、様子はさっきと変わらない。
「もういっぺん、深くいくぞ」
 ダリーがそう告げ、沙綾香の口を指で拡げながら怒張を送り込む。
「ふぁ……く、おごっ、おも゛……っふ、お…………」
 沙綾香が呻きを漏らす中、怒張は奥へ奥へと入り込んでいく。かなり深くまで入っても、沙綾香に拒絶する様子はない。まるで、怒張を受け入れるかのように。
「おお、だいぶ呑み込めるじゃねぇか」
 ダリーは嬉しそうに言うと、沙綾香の顎を掴んで腰を動かしはじめる。
「んぐっ、んご……ごほっ!!」
 沙綾香は反射的に噎せるばかり。反応は妙に薄い。
「よーし、出すぞ!!」
 やがてダリーは、沙綾香の顔を掴んだまま射精に至る。当然、沙綾香は精液を飲み下すしかない。ごくっ、ごくっ、と喉が鳴り、数秒後、これでもかというほど大量の精液と共に怒張が抜け出る。
「ぷあっ……はぁ、はぁ、はぁ…………」
 沙綾香は、激しく喘いでいた。よほど苦しかったんだろう。目頭から涙が流れ、鼻の横についた精液を洗い落とす。
 だが、沙綾香の雰囲気が強く訴えるのは、苦しさじゃない。例えるなら、憧れの先輩を遠くで見守るような、“うっとりとした”表情──それに近い。
 ダリーが、掴んだ沙綾香の顔を正面から覗き込む。
「お前……すげぇな」
 奴はそう呟いた。意味は解らない。確実なのは、サディスティックなレイプ魔が圧倒されたという事実。俺にはどうしても、それが良い事には思えなかった。


                 ※


 朝までの輪姦が終わり、昼になれば、また『審査会』が始まる。次の相手は千代里だ。

「久しぶり、サーヤ。」
 制服姿の千代里は、まず沙綾香に笑みを向けた。綺麗な歯並びを覗かせる、つられてしまいそうな笑み。沙綾香も愛嬌は相当なものだが、老若男女からの愛されやすさという点では、この千代里の方が上だろう。
 軽めのブラウンに染められたツインテール。虹彩に3つの光が踊る、綺麗な瞳。印象の全てが前と変わりない。俺が見た限りでも、彼女は喉奥を凌辱され続け、地獄の苦しみを味わっていたはずなのに。
「……久しぶり、千代」
 沙綾香も引っかかりを感じているのか。笑みを返しながらも、その表情はぎこちない。
 そんな中、部屋入口のセンサーが再び反応する。
「ほおお、ここが噂の最下層エリアですか。なんともまた……凄いですなあ」
「ホテルのロイヤルスウィートのようですねえ。少々見通しが良すぎるようですが」
 賑やかに入室してくるのは、浴衣に身を包んだ客。5人いるが、祐希の審査会に参加していた顔ぶれとは違う。とはいえ、好色な連中であることに変わりはなさそうだ。制服姿の沙綾香を見つけるなり、その脚を舐め回すように眺めるんだから。
 そして、黒人共が姿を現した途端、急に委縮する点も同じだった。
「今度のはまた、えらくガキ臭ぇツラだな!」
「そうかぁ? アジアンなんざ、どいつも似たようなもんだろ」
「確かにな。ジャパニーズは逆に、俺らの顔が見分けつかねえらしいぜ」
「ハッ。別にいいだろ、コックの味とサイズで認識させりゃあ!」
 鉄格子の扉をくぐった黒人共が、千代里を囲みながら騒ぎ立てる。身長差は相当なものだ。千代里の頭頂部は、黒人共の胸板までしか届いていない。
「うわあ、おっきい。サーヤ、いつもこの人達と……?」
 千代里は黒人連中を見上げて驚愕し、沙綾香に視線を向けた。
「……まあ、ね」
 沙綾香は苦笑する。笑ってこそいるが、あまりにも変わりない級友の態度に、やや戸惑っている様子だ。
 そんな2人のやりとりを、離れた場所から手越が観ていた。2人をというより、千代里を、か。

「定刻となりましたので、これより『審査会』を開始します」
 客が全員席についたところで、手越が呼びかける。
「まずは、一点ご報告を。ご存じの通り、『審査会』はこれで2回目です。前回のお客様には、より煽情的と思う方へご投票いただき、その得票数で勝敗を決しました。が……そのやり方では、彼女が俄然有利になるようです」
 手越は、そう言って沙綾香を指し示す。それを受けて5人の客は、いよいよ無遠慮に沙綾香を視姦しはじめた。
「ふふふ、確かに。あの娘には妙な色気がある。視線を吸われるようだ」
「ええ、全く。公平にと思ってはいても、無意識に評価が甘くなりそうです」
「皆さんもですか。実は私も、一目見た時からこう、動悸がして……」
「わかりますよ。若い時分の初恋を思い出します」
 前のめりになって語る客。その視線を浴びる沙綾香は、ごく自然に流し目を送る。
「えーっ、ホントにー?」
 絶妙だ。顔の角度といい、目つきといい、『今風娘』の演技といい。若々しい魅力をアピールしつつ、隙があると錯覚させる、魔性の誘惑。
「おお、おお、本当だとも!」
「自信を持ちなさい。君には華があるよ!」
 客はまんまと煽られ、アイドルのコンサートさながらに色めき立つ。
「いい反応を有難うございます。やはり、投票はやめて正解のようです」
 手越は肩をすくめて客の笑いを取りつつ、千代里を一瞥する。どうやらこの一連の茶番は、千代里を煽る事が目的らしい。
 ──女としての魅力では、お前に勝ち目はない。だから情けをくれてやる。
 先の発言はそう言ったも同然だ。今ひとつ闘争心の見えない千代里を焚きつけ、醜い争いをさせるつもりなんだろう。
 ところが、その目論見は見事に外れた。
「あはは、やっぱり。サーヤ、華があるもんねぇ。私も時々見惚れちゃう」
 千代里は、沙綾香を見て平然と笑っている。天然なのか、あるいは色々と察した上でか。いずれにせよ、そのあまりの毒気のなさに、沙綾香も、客も、手越すらも目を丸くした。
 ふと、レストランで耳にした会話を思い出す。藤花の心が折れるのを目の当たりにし、傷心の中で食事をしていた時のことだ。

『なまじ反骨心があるせいで、徹底して心をヘシ折られるんですよね。その点、16階の娘などは存外に強かですよ。反抗せず、素直に服従しながら、裏ではこっそり他の娘と励ましあっているんです。ディープスロートにもだいぶ慣れてきたようですし、あれはまだ結構もちますよ』

 近くで食事をしていた客の一人が、確かそんな事を言っていた。
 千代里は、藤花とは真逆なんだ。硬い木刀のような藤花とは違って、あの子はまるで風にそよぐ草。柔軟なだけに、簡単には折れないんだろう。
「……ともかく。今回は、勝利条件を変更します。制限時間内に、より多くの調教師を“ディープスロートで”射精させること。皆様には、その勝負の立会人となっていただきたいのです」
 手越は客にそう伝え、ロドニーに合図を送る。ロドニーがリモコンを操作すると、モニターの画面が切り替わった。祐希戦と同じく、上画面に数字、下画面に監視カメラの映像が映し出される形だ。
「サーヤ。頑張ろうね」
「……うん!」
 千代里が沙綾香にエールを送り、沙綾香も笑顔でそれに応じる。こうして『審査会』2戦目は、勝ちを競うはずの2人が励まし合う、奇妙な幕開けとなった。


                 ※


 『審査会』が始まる前、千代里は以前のイメージと何ら変わりなかった。実は調教など受けてはいないのでは、と思えるほどに。
 だが、現実はそう甘くない。奉仕が始まれば、すぐに現実を思い知らされた。
 千代里が最初に行ったのは“玉舐め”。仁王立ちするジャマールの股下に潜り込み、竿を手で扱きながら、睾丸に舌を這わせる。ただ舐めるだけでなく、玉袋全体を口に含んだり、会陰部を刺激したり、さらにその奥……おそらくは肛門にまで舌を這わせていく。躊躇する様子は一切見られない。普段からそうした奉仕を行っている証だ。
「オーウ、シィット……」
 減らず口の多いジャマールも、その熱心な責めにはただ呻きを漏らし、苦笑するばかり。相当に気持ちいいらしく、怒張は膨らみながら重量感を増し、千代里の顔半分を覆い尽くす。
「よーし、ビンビンになったぜ。しゃぶってくれ」
 ジャマールは深い息を吐きながら腰を引き、千代里の口内へと怒張を送り込む。
「あ、はががっ……!!」
 千代里の顔に、ここで初めて焦りが浮かんだ。彼女が奉仕してきた相手は日本人ばかりだろう。だがジャマールのペニスは、平均的な日本人のそれに比べ、長さにして1.5倍、太さともなれば倍はある。そんな規格外のサイズを口に捻じ込まれて、平然としていられるはずもない。
「う゛っ、う゛えっ……!!」
 千代里はえずき、ジャマールの顔を上目遣いで伺いながら、手を上げて『降参』のポーズを取る。しかし、それでジャマールが止めるはずもない。腰をゆっくりと前後させ、喉奥に怒張の先を送り込んでいく。
「うう゛っ、お゛うっ!!」
 千代里の目尻が垂れ下がり、えずきがさらに酷くなった。たまにジャマールが怒張を抜き出すと、嘔吐を思わせる声と共に、大量の唾液が糸を引く。

 一方の沙綾香は、比較的余裕があるようだった。ドミニクの前で腰を落とし、怒張の幹を握りながら亀頭を舐め回す。さらには客へ視線を向け、見せつけるように亀頭を頬張ると、一気に深く咥え込んで幹を掴む手にキスをする。
「ほう……」
「いやはや。あれだけの美少女だというのに、随分と慣れていますなぁ」
 客は、沙綾香のパフォーマンスに呑まれているようだ。もし手元に投票ボタンがあったなら、5票ほど入れているところだろう。ドミニクはそんな客を鼻で笑いつつ、沙綾香を見下ろす。
「手を使うな。口だけで抜いてみろ」
 そう命じられると、沙綾香は一瞬冷静な眼で相手を見上げるが、すぐに笑みを浮かべてイエスと囁いた。
 沙綾香の手が太腿に置かれる。桜色の唇が大きく開き、テニスボール大の亀頭を舌で迎えると、そのままずるりと呑み込んでいく。まずは、半分ほど。
「んフーッ、フーッ、フーッ……」
 鼻で呼吸を整えつつ、さらに奥まで。7割近くが口内に収まれば、一旦頭を引き、そこから頭を前後させてのフェラチオが始まる。
「ぐうっ!? へ、へへへ、悪くねえ」
 ドミニクが反応を示せば、沙綾香は両腿に置いた手で反動をつけながら、より深く速いフェラチオへと変化させた。
「ぬううっ!?」
 ドミニクの脚が強張り、呻きが漏れる。じゅばっ、じゅばっ、という水気の多いが響く。それだけでも興奮材料として十分だが、極めつけは沙綾香の脚だ。マイクロミニのスカートと黒のハイソックス、コインローファーに包まれた美脚。驚くほど長いその脚は、蹲踞に近い格好で肉感的に膨れ、視覚に圧倒的な充足感を与えてくる。さらにはフェラチオに伴う動きで太腿が見え隠れし、ショーツも覗くとあっては、煽情的以外の何物でもない。
 客の5人が、喉を鳴らしたのが判った。音も聴こえず、動きを注視していたわけでもなかったのに、雰囲気で感じた。
「いやいやいや……これは……!」
「た、堪りませんなぁ!!」
「まったく。もう股間がはち切れそうだ。給仕、前に来て処理しなさい」
 客は興奮し、傍に侍る百合に性欲処理を命じる。
「承知いたしました」
 百合は顔色ひとつ変えずに客の足元へ屈みこみ、ズボンを脱がして奉仕を始めた。唾液を垂らし、指で皮を剥き、口へ含み。日本人の咥えやすいサイズということもあるだろうが、明らかに沙綾香達よりも洗練された動きだ。
「ふむ。中々上手いじゃないか」
 客は満足げに息を吐きながら、沙綾香の姿を凝視する。沙綾香に奉仕されている気分を味わっているんだろう。
 実際に沙綾香が奉仕しているドミニクの方も、かなり気持ちがよさそうだ。
「ハァッ、ハァッ……どうした、もっと深く咥え込めよ。そんなもんか?」
 息を荒げ、歯を食いしばりながら、かろうじて挑発する。客の前で煽られた以上、沙綾香は応えざるを得ない。膝をしっかりと掴み、頭を振る動きをさらに動きを速めて勢いよくペニスを飲み込んでいく。
「う゛、ウう゛……も゛がっ!!」
「どうした、まだ余ってんぞ。さっさと咥え込んでくれねぇと、俺の息子が風邪引いちまうぜ!」
 噎せながらも頑張る沙綾香を見下ろし、ドミニクはさらに煽る。それを受けて沙綾香は、ついに膝から手を離し、ドミニクの太腿を抱え込んだ。そしてその手を支えに自らの顔を引きつけ、強引に怒張を押し込んでいく。
「ガボッ、オ゛ェ……ッ!!」
 眉間に皺をよせ、激しくえずく。蹲踞の姿勢が崩れ、膝が床につく。それでも沙綾香は我慢を続けた。
「ははは、やるじゃねぇか。先っちょが喉の奥まで入ってんぜ? もう一息だジャパニーズ!!」
 ドミニクが笑みを浮かべた、その直後。
「もぉ゛お゛お゛う゛え゛え゛え゛っ!!!」
 凄まじい声が響き渡る。明らかに何かの変化が起きたと判る声だ。そしてこの状況で、起きた事といえば一つしかない。
「はははっ、すげぇ! ズルーッと入ったなあ!!」
 ドミニクが興奮気味に叫ぶ。奴の睾丸は、沙綾香の下唇に密着していた。完全に根元まで飲み込んだという証拠だ。当然、その代償は小さくない。
 ドミニクの太腿に触れる沙綾香の手の形は、人間が苦しい時にするそれだ。
 コインローファーの先は、足指と床に挟まれて見事に潰れている。
 固く閉じられた沙綾香の目からは、その目頭からも目尻からも、閉じ込め損ねた大粒の涙が流れ落ちていく。
 どこを見ても、限界……あるいは、限界を強引に突き破った後の姿だ。
「おおお……あれを、根元まで!」
「喉の奥まで入っているんでしょうなあ」
「間違いないでしょう。あのペニスは、少なく見積もっても20センチを超える長さでした。食道まで入り込んでいるに違いありませんよ」
 客は無理を通した沙綾香の横顔を凝視し、驚きを口にする。壁にもたれて見守る手越が、意地の悪い笑みを浮かべた。
「“サーヤちゃん”よう、せっかくお客様に注目していただいてんだぜ? 応えてやんな」
 手越のその言葉を受けて、沙綾香は薄く目を開いた。そして口を大きく開いて隙間から呼吸しつつ、客に向けてピースサインを作ってみせる。痙攣が止まらない痛々しいサインだが、客はかなり興奮しているようだ。
「サヤちゃん、だっけ? そのまま抜いてみてよ、ずるーって!」
 1人が猫撫で声で要求した。百合に口で奉仕させている男、つまりさっき百合に対して横柄な態度で命令していた奴だ。社交界で人の醜悪さを見てきた沙綾香は、裏表の激しい人間を嫌う。だが、どれほど嫌な相手だろうと、沙綾香は客の要望を拒めない。直接の投票権を持たないにしても、勝負の『立会人』だ。不興を買えば、たとえルール上で勝利しても、後で難癖を付けてきかねない。さらに言えば、他の客に沙綾香の悪評を触れ回り、今後の審査に悪影響を及ぼす恐れもある。
「んっご、お゛え゛、エ゛っ……」
 沙綾香はドミニクの腰を掴み、少しずつ頭を引いていく。モニターには、沙綾香の喉の形が変わっていく様が映っていた。挿入時には気付きづらかったが、かなり奥までが怒張のせいで膨らんでいたようだ。
「お゛も゛ぅえ゛っ!!」
 極太の怒張は抜くにしても苦しいらしく、沙綾香は何度もえずき上げた。だが、そのたびに客を意識し、目元を中心に笑みを作る。2分近くをかけて怒張を吐き出し、激しく喘ぎながら唾液塗れの口で微笑む姿は、その最たるものだった。

 そうして沙綾香が無理を通す一方で、千代里の方も苦戦が続いている。彼女はドミニク以上のサイズを誇るジャマールのペニスを咥えさせられ、涙目で眉を顰めていた。
「ガキ、ノド開けっつってんだろうが! 喉開いてジーッとしてりゃ、俺が押し込んでやるからよお!!」
 ジャマールは千代里に向けて怒鳴っているが、千代里はその黒人英語を理解できないようだ。
「はぁ、はぁ、はぁっ……サーヤごめん、通訳して……」
 怒張から解放された瞬間、千代里は沙綾香に哀願する。まるで小動物のような困り顔に、同じく怒張を吐き出したばかりの沙綾香も頬を緩める。
「喉を開いてジッとしてろって。あー、って。千代、発声練習得意でしょ?」
「あ、そなんだ。ありがとぉ!」
 千代里が浮かべたのは、今の今まで泣いていたのが嘘のような、屈託のない笑顔。沙綾香もつられて笑い、場には妙に和やかな空気が流れる。
 だが、そんな空気が長く続くはずもない。
「オラ、休んでんじゃねぇよ!!」
 ドミニクは気を抜いている沙綾香の頭を掴み、強引に怒張を咥え込ませる。
「んぶっ、ン゛ろぉ゛っ!?」
 完全に不意を突かれた沙綾香は、その暴行に対処できない。左手を背後の床につき、背を仰け反らせながら苦しみを訴える。ドミニクはそんな沙綾香の頭を激しく前後させ、ほぼ根元までのディープスロートを強要する。
「ろ゛っ、こぉ゛え゛! もぉお゛っ……ごぉふっ!!」
 無理のあるピストンだけに、沙綾香の呻き声も異音の連続でしかない。その果てに、沙綾香の口からとうとう吐瀉物が滴り落ちる。ほんの少量ではあるが、白ブラウスに滴り落ちたそれはひどく目立つ。
「サーヤ!」
 自分のせいで窮地に陥った友人を前に、千代里が叫ぶ。だが、彼女も安全地帯にいるわけじゃない。
「お前もだよ、オラ口開け!!」
 ジャマールも千代里の口に剛直を捻じ込み、ツインテールを掴んで頭を前後させはじめる。

 壮絶なディープスロート合戦が、幕を開けた。


                 ※


「いいねいいねぇ、口便器ちゃんの汚いえずき声興奮するよお!」
「堪りませんな! まあ、マゾの変態女にとっては、別の意味で堪らんのでしょうが」
「しかし、だいぶ苦しそうですよ?」
「苦痛に酔っているんでしょう。それがマゾというものです」
 客達は、ワイングラス片手に少女の地獄を堪能していた。最前列に座る3人のうち、真ん中の男は、百合の頭を押さえつけながらディープスロートを強要している。百合は左右の男にも手で奉仕しながら、されるがままに喉奥を犯されていた。
「うぐっ、う゛ぅえ゛っ!!」
 白髪に隠れた口元からは、かすかに呻きが漏れている。出入りするペニスは常識的なサイズだが、それでも根元まで押し込まれれば苦しいようだ。
「給仕、ワインだ」
 左に座る男が百合に命じる。百合は一旦逸物から手を離し、手探りで近くの銀トレーに乗ったワインボトルを掴むと、客の差し出すワイングラスへと注いでいく。だが喉奥深く咥えさせられたまま、充分なサービスができるはずもない。震える手で注がれるワインは、幾度となくグラスの外に零れる。
「給仕、ワインが零れているぞ!」
 客がここぞとばかりに叱りつけると、百合の瞳が上を向く。
「ほぉひはへっ、ごばいま……も゛ごおお゛っ!?」
 不自由ながらも謝罪しようとしたところへ、また深く咥え込まされ、さすがの百合も顔色が変わった。嘔吐寸前、もはやワインを注ぐどころではない。傾いたままのワインボトルから赤紫の液体が流れ落ち、客の浴衣にシミを作った。
「きゅ、給仕ぃッ!!」
 客が目を剥いて叫ぶ中、百合の色気のある肉体は強張りつづける。
 中々に悲惨な状況だ。だがそれも、フロア中央の悲劇に比べれば、ごく些細な事でしかない。

「う゛っ、むうう゛っ! え゛うぉあ゛っ、え゛ぉあ゛う゛っふぇ! おえ゛っおお゛え゛え゛っ!!」
「おええ゛っ、んごえぇえ゛っ! おごえっ、ほも゛ごえっ! えおあ゛っ、う゛ぉえア゛!!」

 凄まじい。そう表現するしかないえずき声が、フロア中に響いている。喉奥を蹂躙される沙綾香と千代里、両方の声だ。
 壁のモニターは、側面から捉えた彼女らの被虐を淡々と映していた。
 黒人共には一片の慈悲もない。側頭部を掴み、前髪を掴み、ポニーテールを掴み、顎を掴み。あらゆるやり方で頭の逃げ道を封じ、ただひたすらに怒張を咥え込ませる。ペニスサイズには個人差があるとはいえ、最も小さいマーキスの物ですら、全長20センチ、直径4センチは下るまいという巨根ぶりだ。そんな物を喉の奥へと押し込まれれば、結果は決まっている。
「ぐぶっ、うぶっ、はぉぶっ、ぶふっ!! んん゛っ、ぐぶう゛っ……!!」
 沙綾香のえずき方が変わった。さっきまでのオエオエという声ではなく、何度も噎せかえっている。
「おい、ノド開けって! そんなんじゃ息できねぇぞ!?」
 ドミニクが叫ぶが、沙綾香はえずき汁を垂れ流しながら噎せ続ける。そして、彼女の全身が強張りはじめた。手はドミニクの腿を掴む。床についていた膝が浮き、蹲踞の姿勢に戻ったまま、ニーソックスが破れるのではというレベルで太腿が膨れる。背中が丸まり、ぶるぶるっ、ぶるぶるっ、と震える。そして。
「ぶっ……ごふっ!!!」
 今一度の咳き込みと同時に、とうとう吐瀉物が口から溢れ出す。
「おお、あったけぇー」
 ドミニクは呑気に笑いながら、一旦怒張を引き抜く。その動作による刺激で、沙綾香の嘔吐はさらに酷くなる。
「いお゛エ゛ッ!! おべぇっ、えはッ! かふっ! んも゛おおろ゛ろ゛ろ゛っ!!」
 怒張がすっかり抜け、口が自由になれば、いよいよ本格的な嘔吐が始まった。不意打ちで少し戻した時とは比べ物にならない規模だ。
「……ッはぁ、はぁ……ぁはっ、はヵっ……!!」
 吐くものを吐いた彼女は、激しく喘ぎはじめた。汗がひどい。外れそうな顎を調整するためか、目を固く瞑ったまま、歯を何度も噛み締めている。
「うははっ、また盛大にいったな!」
「おお、おお、酸っぱい匂いが。浮世離れして見えても、やはり人間ですか」
「ああして苦しんでいると、ごく普通の子に見えますね。淫魔に取り憑かれていた女の子が、素に戻ったような……」
「確かに。しかし、その生々しさがまた良いじゃないですか」
「ええ、まったく。我々も業の深い事ですな!」
 客の喜ぶ声が聴こえる。
「ったく、しょうがねぇな。俺らのコックに慣れてるってハンデつきのくせに、先に吐きやがって。向こうのチビ見てみろ、まだ頑張ってんぞ?」
 ドミニクは沙綾香の頭を掴み、隣の千代里の方へ向ける。

 千代里はツインテールを掴まれたまま、ジャマールの怒張を喉に叩き込まれていた。髪を結ぶ左右のゴムのうち、右側はすでに弾け飛んで床に落ちている。何度も顔面を股間に叩きつけられるせいで、鼻頭はすでに真っ赤だ。
「おぼっ、ほごっ……も゛ごっ! おええ゛あ゛っ、んごえ゛っっ!!」
 えずき声もやはり凄まじい。
 十番勝負で沙綾香を泣き喚かせたジャマールだけに、乱暴ぶりは目に余る。そもそも奴の怒張はドミニクよりも一回り大きいため、飲み込む苦しさも沙綾香以上だろう。にもかかわらずあれだけ耐えるということは、喉が相当強いらしい。
 とはいえ、それにも限界がある。そしてその限界は、最後の最後に訪れた。
「ハァ、ハァ……頑張るじゃねぇか、ガキ! まさかこの俺が、いっぺんも吐かせられずに射精まで追い込まれるたぁな。いいぜ、この勝負テメェの勝ちだ。褒美に俺の濃いザーメンを、たっぷり味わえや!!」
 ジャマールは息を乱しながらそうがなり立て、ラストスパートに入る。ツインテールを掴んだまま千代里の顔を前後させ、自らも腰を打ちつけての喉奥凌辱。硬い顔面に腰がぶつかり、バンッバンッという膣でのセックスではまず聞かない音がする。ストロークこそ短いものの、抜き差しのペースが速いせいで、唇からあふれる唾液の量も一気に増えた。顎から首を伝って流れる唾液は、制服のブラウスを完全に透けさせ、水色の下着を衆目に晒す。
 そしてその末に、ジャマールは根元まで怒張を捻じ込んだまま腰を止めた。
「うおおおおお……オー、オオーゥッ!!」
 尻肉を引き締めながら何度も呻き、気持ちよさそうに精を放つジャマール。逆に受け止める側は地獄だ。千代里は最初の数秒、ジャマールの太腿に手を宛がって耐えていた。
 一般的な人間が相手なら、射精は3秒と続かない。少し我慢すれば済むことだ。だが、あの黒人共は違う。そもそも人並外れた絶倫さを持つ上に、薬の効果で射精量が増強されている。その射精は数秒などでは終わらない。
「ング、ぐっ……ん、んんんっ!?」
 5秒が経過したところで、千代里が目を見開いた。ようやく相手の異常性に気付いたらしい。だが、ツインテールをしっかりと握られている以上は逃げられない。
「むぅう゛おうっ……けふっ、ごぶっ!!」
 見開いた瞳から涙が伝い、手はジャマールの腿から離れて宙を泳ぐ。さらには口に収まりきらない精液が唇と怒張の隙間から溢れ出し、鼻からも噴き出していく。そんな状況が実に数十秒も続いたところで、ようやく怒張が引き抜かれた。
「ンぶ、ぐっ……!」
 口が自由になった千代里は、唇を窄め、頬を膨らませて嘔吐を堪える。だが、それが叶ったのも一瞬のみ。その口はすぐに開き、精液と吐瀉物の入り混じった粘液を怒涛のように溢れさせる。
「オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッッ!!!」
 なまじ堪えようとしたのが裏目に出たのか、決壊ぶりは沙綾香以上に悲惨だ。舌を出したまま白目を剥き、大量の吐瀉物を床にぶちまける。
「はっは、これは……」
「さっきの子以上ですね。長くもったぶん、反動も大きいということですか」
「中学生のような顔をしているだけに、背徳感が凄いですなぁ!」
「それを言ったらあの2人、どっちも未成年の子供ですよ。まぁ右の子は、とてもそうは思えないスタイルですけど」
 客が口々に品評する中、ようやく千代里は吐くものを吐き終えた。眼球の位置こそ戻ったものの、まだ焦点の定まらない瞳。舌を突き出したまま、ハッハッと犬のような呼吸を繰り返す口。右側が無惨に解けたツインテール。見るからにボロボロだ。
 ただ、そんな状況下でも、彼女は普通とは違っていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……なにこれ、アゴが外れそう! それに、こんな量……サーヤ、大丈夫!?」
 千代里が呼吸を整えるなり、まず案じたのは沙綾香の身だ。自分もパニック状態に陥るほど苦しいだろうに、常に友人の心配を忘れない。思えば彼女は、前に見た時もそうだった。他人の吐瀉物塗れのディルドーを咥えさせられる時にも、まず相手の心配をする。そういう、天使のような子だ。
「千代…………。え、へへへ。こっちは大丈夫、慣れてるからっ!」
 千代里の優しさに触れ、沙綾香は一瞬泣きそうな顔になる。だが客の注意が再び自分に向いたのを悟り、すぐに『今ドキ娘』の演技に切り替える。
「ほう。まだ俺をイカせてもいねぇくせに大丈夫とは、でけぇ口叩くもんだぜ! なら、存分に楽しませて貰おうじゃねぇか!!」
 ドミニクは獣そのものの笑みを浮かべ、沙綾香の頭を掴む。その横では、ジャマールと入れ替わったトラバンが、千代里の鼻先で逸物を扱き上げている。
 太い血管が浮く二本の剛直は、ほぼ同時にピンクの唇へと押し入った。


                 ※


「ディープスロート対決というより、もはや嘔吐合戦ですねぇ」
 客の一人が呟いた通り、千代里と沙綾香は嘔吐しつづける段階に入っていた。
「おらおら、どうした!? ヘバってんじゃねーぞ!」
 レジャナルドの叫び声がする。奴は沙綾香の後ろ髪を掴み、強引にポニーテールを作って頭を前後させていた。そして沙綾香が苦しそうにしたところで、根元まで咥え込ませて動きを止める。
「ぶっふ、ごふっ!!」
 沙綾香は激しく噎せるが、後ろ髪を掴む手が邪魔で頭を引けない。結局は限界の限界を迎え、そのまま嘔吐するしかない。
「げはっ、がはっ……ぇお゛おおらア゛っ!!」
 ようやく怒張が引き抜かれても、嘔吐は続く。痰が絡んだような音と共に。
 沙綾香がこうして喉奥を虐め抜かれる一方、千代里にはもっと直接的な暴力が振るわれていた。

「オープン、ユア、アイズ」
 千代里の頭を抱え込んだダーナルが、ゆっくりとした口調で命じる。千代里にネイティブな英語が通じないと理解し、簡単な言葉を選んでいるようだ。
 俯きがちだった千代里が目を開き、上目遣いにダーナルを見る。ダーナルは笑みを浮かべ、怒張を送り込む角度を変えた。より、鎖骨に近い側。見上げる体勢の千代里に、より大きな負荷がかかる挿入方法だ。
「ほぐううっ!!?」
 いかに喉が強いとはいえ、黒人のペニスで無茶な挿入をされては我慢しきれない。千代里は頬を膨らませ、ダーナルが腰を引くと同時に吐瀉物を撒き散らす。ダーナルはそんな千代里の髪を荒々しく掴み、ビンタを食らわせる。
「きゃうっ!!」
 悲鳴を上げる千代里。こんな事が何度も繰り返されるため、彼女の頬は左右どちらもが赤く腫れていた。
 暴力が選択されるのは、彼女の場合、喉奥を虐めても効果が薄いからだろう。
 千代里は、沙綾香よりも喉奥耐性が強いようだ。モニターの数字……つまり、調教師を口で絶頂させた回数は、沙綾香が『5』に対し、千代里は『11』。沙綾香は“良いところ”ですぐに怒張を吐き出してしまうが、千代里はその大事な場面をしっかりと耐えきり、黒人共を気持ちよく絶頂に導くらしい。
 そして、もう一つ。千代里には沙綾香と違う点がある。
「ワンス、モア」
 ダーナルが千代里の頭を抱え込み、頭を前後に動かしはじめた。今度はオーソドックスなディープスロートで、沙綾香がされている事と変わりない。
 違うのは、千代里自身の反応だ。
「おぶっ……ぐっ、ぅえ゛お゛っ!! あッ、あは、ぁあはっ!!」
 黒人ペニスを喉に突き込まれれば、いかに千代里でも苦しむ。目からは涙を零し、怒張が抜き出されるたびにツララのような唾液を揺らして咳き込む。ところが、それを何度も繰り返すうちに、段々と様子が変わってくる。
「んフーっ、ふっ……んんんっ……お゛、ふ、う……っ」
 鼻を抜ける、甘い吐息。顔に注目すれば、巨大モニターに映る千代里の瞳はうっとりと細まっていた。明らかに快感を得ている時の反応だ。
「ほお。お前ェらの言う通り、ノドの具合が良くなってきたぜ。確かにこりゃあ、“よくこなれたプッシー”だ」
 ダーナルが近くにいる仲間に笑いかけた。“よくこなれたプッシー”……千代里の喉奥に射精した連中が、口を揃えて使うフレーズだ。
「伊達に調教されてねぇな。大した好きモンだ」
 手越が鼻で笑いつつ、ロドニーに合図を送る。人差し指を下から上に動かす仕草。『下から撮れ』ということらしい。ロドニーはそれを受けてリモコンを弄り、モニターの映像を切り替えた。仁王立ちになったダーナルの尻側から、千代里のミニスカートの中を見上げる視点だ。
「おおっ!」
 客が感嘆の声を上げる。
 ハの字に開かれた、やや幼さを感じさせる脚の合間。ブラジャーと同じ水色のショーツは、クロッチ部分が完全に濡れていた。失禁にしては少なすぎる。『おりもの』にしては多すぎる。
「はははっ、これは! いやらしい子だ。濡れているじゃないか!」
 客が手を叩いて笑う通り、愛液としか思えない。
 場の全員が薄々勘づいてはいたことだが、いざ決定的な証拠が晒されると、やはり違う。手越も、客も、黒人共も、愉快そうな笑みを千代里に向ける。唯一沙綾香だけが、千代里の痴態を横目に見ながら、表情を強張らせていた。
「すげぇなあ。喉奥を抉り回されるだけで、あんなに濡れちまってよお!」
 レジャナルドが沙綾香に語りかける。そして奴は笑みを深め、こう続けた。
「ゆうべのお前、そっくりじゃねぇか。」
「…………ッ!」
 レジャナルドの言葉に、沙綾香の目が見開かれる。
 俺も、実はそれに気付いていた。気付いてはいたが、認めたくなかった。
 喉奥を抉られる千代里の“うっとりとした”表情。それは、朝方に沙綾香が見せていた表情そのものだ。
「バレてねぇとでも思ったか? お前よう、今日はやたら俺らのコックを吐き出すじゃねぇか。あのガキほどじゃねえにしろ、毎晩俺らのを咥えてるお前のノドが、そこまで弱ぇわけねえよなあ。ってことはお前、自覚があるんだろ。ズルーッと奥まで咥え込まされてっと、“ああなる”自覚がよお?」
 レジャナルドの指摘を受け、沙綾香は手を握り込んだ。人が握り拳を作る時、その理由はいくつかに限定される。怒った時、喜びを噛み締める時、恐怖している時……。その共通点は、感情を激しく揺さぶられる場面、ということだ。
「同じ日本人なんだろ? ケチケチせずに見せてやれよ、本当のお前をよ!」
 レジャナルドはいよいよ顔中に笑みを広げながら、沙綾香の頭を引き付ける。ただ前後させるだけでなく、意図的に根元まで咥え込ませたまま、数秒腰を留めるやり口だ。
「んごっ、うぶっ! うおおえ゛っ、うぶっ、も゛え゛っ!! うう゛、うむ゛、ふうう゛……っ!!!」
 沙綾香はえずき、呻く。大量の唾液が顎を伝い落ち、ついにはその流れに涙が混じる。
「んん、ん゛!ん゛!ん゛!」
 沙綾香は、ここで抵抗を見せた。両手でレジャナルドの腰を押しやりはじめたんだ。
「お、おおっ!?」
 火事場の馬鹿力か、沙綾香の頭は少しずつ離れていき、レジャナルドに焦りを生じさせる。
 不運なのは、凌辱者が一人ではなかったことだ。
「こいつ、無駄な抵抗すんじゃねぇ!」
 様子を見守っていたモーリスが、沙綾香の腕を取り、足裏で後頭部を押さえつける。
「お゛、も゛ごおっ!!」
 黒人2人の力が合わされば、流石に沙綾香に勝ち目はない。決死の抵抗も空しく、沙綾香は再び喉奥深くを蹂躙されはじめた。えずき、呻き、涙を流しながら。

 一線を超えたのは、どのタイミングだったのか。
 蚊帳の外で見守るだけの俺に、それは解らない。だが、どこかにその瞬間があったはずだ。

 気づいた時には、沙綾香の仕草は、隣の千代里をなぞっていた。手指が力を失い、瞳が“うっとりとし”、深く落とされた腰が震える。
 カメラが床からのものに切り替わった時、そのインパクトは、千代里のそれを遥かに上回った。クロッチが変色している、なんて次元じゃない。
 洪水。
 溢れ出した愛液がショーツを覆い、内腿を濡らし、絶えず床に滴り落ちていく。割れ目や陰毛がほぼ透けているため、もはや下着を着けている意味がないほどだ。
 千代里は、膣の性感開発を受けていないんだろう。喉奥で快感を得る事だけを教え込まれ、結果、愛らしさすら感じる反応で済んだ。沙綾香は違う。時としてヘロイン以上の効果があるという催淫ガスを何度も吸わされ、女の悦びを繰り返し味わわされた。だから、あれほど愛液が溢れるのも仕方のないことだ。俺はそう思う。だが、他の連中は違うようだ。

「はっはははははっ!!」
「ひひひ、ひーっ、ひーっ!!」
「ぎゃはっはっはっはっはっ!!!!」

 数えきれないほどの笑い声が、混ざり合いながらフロアに反響する。手越も、ロドニーも、黒人共も、客も、心の底から楽しそうに沙綾香を嘲笑っていた。
「サーヤ…………?」
 唯一笑っていない千代里も、級友の過剰な反応を前に絶句している。
「ハハハハハッ、最ッ高だぜオマエ! 腹に刺激来てよお、このままイッちまいそうだ!!」
 レジャナルドは沙綾香の頭を自分の腰に叩きつけ、スパートをかけた。まだ呆然としている沙綾香の顔に、黒人の腰が何度も叩きつけられる。そして奴は、完全に根元まで飲み込ませながら動きを止めた。縦に揺れていた乳房が、急停止で横揺れに変わる。
「お゛も゛おおおっ…………!!」
 白い喉が蠢くのは、喉奥へ直に射精されている証拠だ。
 実に数秒をかけて精液を流し込み、ようやくレジャナルドの腰が引かれる。その足の間に映る沙綾香の顔は、生気がなかった。事切れているか、さもなくば世の中の全てに絶望した人間の顔に見えた。
 手越もその顔を目にしているはずだ。だが奴は、構わず沙綾香に問いを投げる。
「どうだ。気持ち良かったか?」
 その言葉で、沙綾香の肩が揺れた。瞳が揺れ、かすかに人間らしい表情が戻ってくる。さらに一つ瞬きすれば、その瞳の色は一変していた。嬉しくてたまらないという、濡れた瞳。
「あはっ……すごぉい。濡れちゃう、感じちゃう。太いおチンチン、もっと……舐めさせて」
 口角が上がったその顔は、性に溺れた淫乱女そのものだ。
「ほお。なら次は、俺の相手をしてもらおうか」
 そう言ってレジャナルドと入れ替わったのは、タイロン。10人の調教師の中でも、最大のペニスサイズを誇る男だ。馬並みでは済まないその逸物は、他の黒人の物を見慣れた状態であっても戦慄が走る。
「あはっ……すごい」
 沙綾香はタイロンの怒張を掴み、妖しく微笑んでみせた。演技であっても、その顔を目の当たりにすれば正気を失いそうだ。
「いくぜ」
 タイロンが亀頭を沙綾香の唇に押し当て、割りひらく。
「おぐぇ゛!!」
 亀頭の半分が口に入っただけで、沙綾香から壮絶な呻きが漏れる。無理もない。タイロンの亀頭は男の拳も同然。無理に咥えようとすれば、確実に顎が外れるだろう。少し口に含んでは吐き出すことを繰り返し、根気よく慣らしていく必要がある。
 だが、今日の沙綾香はかなりのハイペースだった。
「んぐうっ……!! んっ、ン……んぐっ!! んんんーーーっ!!!」
 鼻をほとんど真上に向け、頬が引き攣るほど口を開いて、着実に剛直を飲み込んでいく。
「……凄いな」
 客は、その鬼気迫る様子に息を呑んでいた。そして、同時に興奮してもいた。
「給仕、来い。上に跨って処理しろ」
 客の一人が、勃起した物を扱きながら百合を呼びつける。
「承知しました。では、失礼いたします」
 百合は眉ひとつ動かさず客に跨り、自ら腰を下ろす。日本人の平均にも満たないペニスは、スムーズに割れ目へと入り込んでいく。
「ほお、もう湿っているな。同じ女のディープスロートを見て興奮したのか?」
「……はい」
「ふん、淫らな女だ。だが締まりは悪くないな。どうだ、俺のチンポはいいか?」
「はい、気持ちようございます」
「ははは、淡々として。まるで人形のようですな」
「良いではないですか。この女に求められる役割は、我々の性欲処理人形だ」
「確かに。おい給仕。今から俺達でお前を使うがな、くれぐれも自分の本分を弁えろよ。気をやるにしても、派手に喘いで審査会の邪魔をするんじゃないぞ」
「……心得ております」
 客は百合を詰るだけ詰り、飽きれば千代里達に視線を戻す。女生徒の憧れの的であったという百合は、整った容姿に加え、一流の知性や品性を兼ね備えている。それを性欲処理の人形扱いとは、呆れるばかりだ。
 とはいえ、その百合ですら霞むほどの光景が繰り広げられているのも事実。

「んっ、ん……。んぐ、んんん゛……ぶっ、おげっ、お゛お゛え゛っ!!」
 また、苦悶の声が上がった。沙綾香のものだ。モニターには、彼女の口に入り込むタイロンの剛直が写っている。顔面積の8割はありそうな肉棒が口に入っていく様は、それだけでインパクト充分だ。しかもそれは、容赦なく奥へ奥へと潜り込んでいく。
「うごっ……ぐぶっ、ゴホッ!!」
 剛直が半分近く入ったところで、沙綾香は噎せはじめた。床からのカメラでは、タイロンの尻が邪魔をしてちょうど表情が見えない。それでも、目を見開く沙綾香の姿は容易に想像できた。
「ノドの滑りが良くなったじゃねぇか。慣らしはもう充分だろ、本気でいくぞ」
 怒張がさらに進み、半分以上が入ったところで、タイロンの手は沙綾香の顎と後頭部を挟み込む。絶対に逃がさない掴み方。つまり、絶対に逃げることを想定しているということだ。
 その想定通り、沙綾香の反応は壮絶だった。
「うむうう゛っ! げほっ、えほ……ごう゛っ、も゛ぇぇっ! え゛、おえ゛え゛っ!! んも゛おおお゛……う、うええ゛ぉあ゛っ!!」
 もはや、声から沙綾香の状態を知ることは不可能だ。えずき、噎せ、泣き……そうした声が、常に複数重複している。彼女の手は、タイロンの腰を必死に掴んでいた。脚は蹲踞の姿勢のまま、ガクガクと揺れていた。そうした限界を表す反応は見えるのに、肝心の表情が判らない。その状況が、俺の不安をひどく煽った。
「はぶっ、おっっぐうう゛う゛っっ!!!!」
 また、一段と凄まじい声がする。カメラに映る沙綾香の身体は、極端に前傾していた。タイロンの睾丸が、ぴったり沙綾香の顎についているように見えた。
「……ははは、はははははっ!! オマエ最高だな、マジで全部入ったじゃねぇか! 久しぶりだぜぇ、根元から先まで、丸ごと粘膜にくるまれんのは!!」
 タイロンの嬉しそうな声で、俺の疑惑は確信に変わる。彼女は今、あの野生動物級のペニスを、根元まで咥え込んでいるらしい。
 そんな無理を受け入れた沙綾香は、時間が止まったかのようだった。腕も脚も限界まで強張らせたまま、硬直している状態だ。だが、見えない部分では動きがあるらしい。
「おおおお、いいぜえ。喉の奥がビクンビクン脈打ってやがる。最高のフェラだぜこりゃ!」
 タイロンは心地よさそうに呻きながら、沙綾香の顔をさらに引き付けた。限界の、先。
「ごも゛ぉお゛お゛お゛お゛っ!!!」
 今度は、一線を超える瞬間がしっかり見えた。限界まで力の入った沙綾香の太腿が、浮き上がる。ローファーの先を完全に潰してのつま先立ち。その直後、彼女は潮を噴いた。ショーツ越しの潮噴きは、直に見る時よりも判りやすい。
「あー、凄え……!!」
 タイロンが呻き、太腿を震わせはじめた。その痙攣は、沙綾香の脚の震えとまったく同じだ。それを見て、俺は察してしまった。あの二人は今、同時に絶頂してるんだ。喉奥まで咥え込ませて、喉奥まで咥え込まされて。
 沙綾香の白い喉の動きが止まったところで、タイロンが腰を引く。
「うヴォッ……お゛ごあ゛っ、ごあっ、かおおお゛お゛っ!!」
 怒張が抜けた瞬間、沙綾香は下を向いて嘔吐した。喉奥がぱっくりと開いたまま吐き戻しているらしく、普段とは全く違う声が出ている。そうして吐くものを吐いた沙綾香は、そのまま腰を抜かすようにへたり込んだ。
「はーっ、はーっ、はーっ…………」
 タイロンの脚の間で荒い息を吐く顔は、深く絶頂した後のそれだった。

 俺はつい沙綾香ばかり見てしまうが、千代里の方も盛り上がっている。
「こいつ、マジで上手えな。むしゃぶりついてきやがる!」
 驚きの声を上げているのはマーキスだ。千代里の奉仕ぶりは、確かに“むしゃぶりつく”という表現が相応しい。亀頭を舐め回し、竿に舌を這わせ、咥え込めば一気に喉まで迎え入れる。日本人相手ならともかく、あの調教師共のペニスにそれをやれるのは大したものだ。当然、モニターの数字も順調に伸び、今は沙綾香が『8』に対し、千代里は『15』。常にほぼダブルスコアを記録している状態だ。
 ディープスロートという行為に限れば、沙綾香より素質も経験も勝る相手。短期決戦なら、沙綾香に勝ち目はなかっただろう。
 だが、千代里には弱点もあった。体力の無さだ。
 絶倫な黒人相手の奉仕は、ろくに休む暇がない。1人を射精に導いても、すぐに次の相手が来る。何本もの怒張に囲まれ、顔を左右に振りながら同時並行で奉仕させられる事もある。そんな状況の中、千代里は確実に消耗していった。もちろん、沙綾香も疲れてはいるが、余裕がないのはやはり千代里だ。
「はぁ、はぁ、はぁ……ち、千代、大丈夫……っ!?」
 時が進むにつれ、沙綾香が千代里の心配をする場面が増えていった。対して千代里は、『大丈夫』と言えなくなる。
「だい、じ……う、げほっ、げほっ……えぇえほっ、げほっ……!」
 必死に奉仕を続けようとするも、すぐに噎せてしまう。そして、根っからのサディストである黒人共が、そんな状態を見過ごすはずもない。
「おら、咥えろよ!」
「コッチもだ、1本ずつしゃぶってちゃ追っつかねぇぞ!!」
 苦しむ千代里の口に剛直を二本突っ込み、あどけなさの残る顔を散々に歪ませる。
「お前も、余裕こいてんじゃねぇぞ!!」
 沙綾香もまた剛直を捻じ込まれ、背中を丸めながら目を見開く。

 えずき、噎せ、嘔吐し。そんな地獄の中、千代里と沙綾香はいつの間にか背中合わせになっていた。互いの背中を支えとし、存在を確認するように手のひらを握り合う。
 その健気な友情は、かえって悲惨さを際立たせた。だから、黒人共はそれを引き裂こうとはしなかった。背中合わせを許したまま、それぞれの喉奥を蹂躙する。
「ははははっ、出るぞ、出るぞっ!! 一滴残さず飲み干せよ!!」
 ダリーが沙綾香の顎を掴み、喉奥に精を流し込む。2度目の射精とは思えないほど、大量に。
「ん、んぐっ、んぐううっ!!!」
 沙綾香は噎せ、鼻と口から精液を溢れさせる。その背後では、アンドレがやはり千代里の喉奥に射精していた。
「おごっ!! むぐっ、う゛、うう゛う゛っ!!!」
 千代里には、すでにその射精を耐えきる余裕がない。尻餅をつきながら足を浮かせ、ごぼおっという嘔吐音と共に失禁する。

「はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ……」
 同じ制服を纏った2人の少女は、後頭部を突き合わせながら、激しい喘ぎを繰り返していた。口からは泡まみれの吐瀉物と胃液が流れ落ち、眼球は上瞼に隠れている。
「なに白目剥いてんだ!」
 レジャナルドが千代里の髪を掴む。だが、千代里は一瞬目元を動かしただけで、ほとんど反応を見せない。
「あーあ、チビの方はぐったりしちまってらぁ。お前はまだまだ頑張れるよな?」
 千代里を鼻で笑いながら、トラバンが沙綾香の顔に怒張を近づける。
「はぁ、はぁ…………もちろん……です」
 沙綾香は激しく喘ぎながら、それでも淫靡な笑みを浮かべてみせた。


                 ※


 千代里は、明らかに疲労の限界だった。床に座ったまま咥えさせても、すぐ横や後ろに倒れてしまう。だから途中からは、一人掛けのソファに座ったまま奉仕をすることになった。
 客5人が座る椅子の正面に、黒い革ソファが2つ運ばれ、横並びで設置される。肘掛けと背もたれがU字型に繋がったタイプだ。そこへ、千代里と沙綾香が腰掛けた。わずか1メートルほどの距離にいる、美しい女子高生2人。客は興奮を抑えきれない様子だ。特に沙綾香の真正面にいる客は、あからさまに勃起した逸物を見せつけていた。沙綾香はそれににこやかな笑みを向けながら、視線を横に映す。
 沙綾香が見たのは、百合の姿だ。百合はすでに2人の客の性欲処理を終え、3人目に跨って犯されている。膣を『使われ』はじめてから、すでに1時間は経っているだろう。人形めいた無表情を保っているが、その全身にはじっとりと汗が浮いている。
「この給仕が気になるかね?」
 客は沙綾香の視線に気づき、深く挿入したまま、掴んだ百合の腰をグリグリと捻ってみせる。
「っ!」
 百合は一瞬息を詰まらせ、わずかに顎を浮かせた。どうやら軽く達したらしい。
「ふん、ふんっ!」
 客が気合の声と共に腹を引っ込めれば、膣の中の逸物が動くんだろう、百合もさらに反応する。客の太腿の上で脚を強張らせ、足指を曲げ。
「この通り、なかなかの色狂いでな。すぐに達しおる。もっとも……君ほどではないだろうが」
 客がそう言って視線を向けるのは、沙綾香の内股だ。今やショーツのクロッチ部分は完全に透け、濡れたティッシュが貼りついているようでしかない。
「そんなにパンツ濡れてたら、気持ち悪いでしょ。2人とも、脱いでいいよ」
 客の一人が、思いやりを装って許可を出す。本当は、美少女の性器を生で見たいだけだろうに。
「えー、脱ぐんですか? 恥ずかしいな」
 沙綾香はそうおどけてみせながら、千代里は疲労困憊のまま、ショーツに手をかけた。
 同じ脱ぐという動作でも、2人の印象はかなり違う。千代里は腰を浮かせてショーツをずり下げ、片足ずつ抜いていく、ごく普通の脱ぎ方だ。一方で沙綾香は、すらりと長い脚を上向きに揃え、そこにショーツを通していく。ショーツが膝までくれば脚を曲げ、一気に抜き去る。まるで超一流のストリップだ。その煽情的なパフォーマンスに、客からも調教師勢からも拍手が起きた。
 ただ……露わになった性器の美しさでは、優劣が逆転する。千代里の割れ目は、きっちりと閉じあわさったピンクの一本筋だ。一方で沙綾香は、完全に大人の女のそれだった。神に愛されたような肉体といえど、黒人の剛直を毎夜受け続けた結果をなかったことにはできない。
「ほお、これは……女性器のビフォーアフターといった風情ですな!」
「ふふふ、そうですねぇ。ツインテールの子はまだ未使用で、脚のすらっと長い子は、調教師によほど可愛がられてるんでしょう」
 下卑た目で2つの性器を見比べる客に、沙綾香は照れ笑いを浮かべた。
「やっ、比べないで!」
 そう拗ねてみせ、客の笑いを誘いもする。
 だがその一方、脚に添えられた彼女の手は、深々と肉に食い込んでいた。客からはちょうど死角、上から見下ろす俺だから気付ける仕草だ。そして当然、沙綾香の背後に居並ぶ調教師にも、その本音の動作は見えている。
「クククッ。あの連中、お前のプッシーに驚いてるらしいな。毎日このコックを咥え込んでんだ、変わって当たり前なのになぁ?」
 モーリスがソファに近づき、沙綾香の顔に怒張を乗せた。血管の浮き立った、暴力的な怒張。顔の半分を覆う圧倒的なサイズに、客が息を呑む。
「気持ちよくしてくれ。いつもみてぇによ」
 客に視線を向けながら、亀頭で沙綾香の唇を叩くモーリス。言葉が通じなかったとしても、その瞳と動作が全てを物語る。
「はい」
 沙綾香はソファの背もたれに体重を預けつつ、左手で怒張を掴んだ。
 モーリスの怒張は長い。女の右手と左手で掴んでも、なお長さが余るほどに。
「んふふ、おっきい。……えろっ……れあ、ん……っ」
 沙綾香はいやらしく微笑み、玉袋に舌を這わせはじめた。
 喉に沿うペニスは、その長さが解りやすい。沙綾香の舌が睾丸に触れている時、逸物の先は、軽く鎖骨の間を越える。沙綾香もそれを肌で感じているだろう。だが、彼女に怯えは見られなかった。
「へぇ、へぇ……ひもひ、ひい……?」
 舌で睾丸を舐り、その唾液を絡めながら柔らかに幹を扱く。見るからに心地よさそうな動きで、逸物はみるみる漲っていく。
「やるじゃねえか。おーっし、そろそろ咥えさせてやらぁ!」
 モーリスが満を持して沙綾香の口に亀頭を捻じ込む。勢いよく突き込まれた剛直は、あっという間に沙綾香の喉奥に達した。白い喉の盛り上がり方で、亀頭が今どこまで入り込んでいるのかがはっきり判る。
「んぐっ、ぐ……うっ!! おっご、オ゛ォッ!!! ふうっ、フゥオオッ……んぼっ、お゛、お゛っ!!」
 沙綾香の呻き声は、蹲踞の姿勢で咥えていた時より格段に酷い。姿勢が関係してるんだろう。ソファの背もたれを支えに、仰け反りながらのディープスロート。あんな恰好では、水を飲むことすら負担になるに違いない。
「くくく、いい穴だ」
 モーリスは沙綾香の腕を掴みながら、容赦のない抜き差しを繰り返す。怒張の半分以上まで咥え込ませては抜き、また咥え込ませ。挙句には、かなり深いところで腰を止め、グリグリと腰を押し付けてもいる。空き缶に近い太さの物でそうされて、耐えきれる人間などいない。
「おっげぁ゛!! んごおっ、ほっぉオオオ゛ッ!!!」
 沙綾香は、早くも限界を迎えた。口をへし曲げたままえずき上げ、泡まみれの胃液を吐き零す。異変を察したモーリスが怒張を引き抜けば、顔を横向け、さらに大量の液体を垂れ流していく。もう散々吐かされているため、はっきりと色のついた吐瀉物じゃない。だが、無色というわけでもない。
 そしてそういう激しい反応は、モーリスをますます興奮させてしまう。
「すげえ声だな。本性出てきたじゃねぇかジャパニーズ!」
 モーリスは沙綾香の首を両手で掴み、逃げ道を封じた上でまた怒張を飲み込ませていく。深く、深く。白い喉の盛り上がりが、鎖骨の合間まで達するまで。
「おッ、おぉ゛!! おごほっ、ごぼっ……ごお゛おおぉっ!!」
「はっはっは、いいぞぉ! 痰かゲロかしらねーが、ヌルヌルしてっからスムーズに動きやがる!」
 沙綾香のえずき声を楽しみながら、モーリスは腰の動きを速めていく。喉を掴んだまま腰を振りたくるその行為は、膣を犯している時そっくりだ。
 沙綾香の反応がまた激化した。ローファーを履いた右足がソファの座部に乗り、左足は床でつま先立ちになる。当然、スカートの中を隠す余裕などなく、ひくつく割れ目は客に覗かれ放題だ。

 苦しんでいるのは、隣の千代里も同じだった。彼女も沙綾香と同じく、ソファに座ったまま、仰け反る姿勢でダリーの物を咥え込まされている。ダリーの怒張は、モーリスより短い代わりに太い。それを喉に出し入れされる千代里は、狂ったように足をばたつかせていた。体つきの幼さもあって、駄々をこねているようにも見える。だが、えずき上げる声は幼さとはかけ離れたものだ。
「ンッ、んぶうっ! んっふ、ごほっ、うっゴォッ!! げえっ、お゛おえっ、オオ゛エ゛ッ!!!」
 沙綾香より強い喉をしているはずなのに、沙綾香以上に声が酷い。
「ははははっ、またすんげぇ声だな! なまじ強えノドで頑張りすぎて、反動が来てんのか? ま、だからっつって容赦はしねえぞ。吐きそうになってる動きとひでぇえずきが、いちいちイチモツに響くんだ。たまんねぇぜ!」
 ダリーはあえて日本語で語りかけながら、千代里の喉を蹂躙しつづける。千代里がどれだけ暴れても。どれだけの涙を流しても。


                 ※


 生き地獄。
 沙綾香と千代里の現状には、そんな言葉が相応しい。

「オラッ、喉締めろ! んな緩い穴じゃイケねぇぞマゾ奴隷!」
 ダリーは欲望のままに喉奥挿入を繰り返す。千代里はその腕を掴み、ハイソックスに包まれた脚を暴れさせて悶え苦しむ。そうした反応は、頭側と脚側のカメラを通し、大々的にモニターへと映し出されていた。
「ううお゛っぉっ……ごっふぇえ゛っ!!!」
 怒張が引き抜かれた瞬間、千代里は盛大に嘔吐する。薄黄色い液が口から噴き出し、顔面と逆立った髪に纏いつく。だが彼女はそれを嫌がる余裕さえなく、目を瞑ったまま死に物狂いで酸素を求めていた。
「ハアーッハアーッ、ハアァーーッハアーーー……ッ!!」
 全力疾走を繰り返した直後のような、荒すぎる呼吸。だが、それすら十分には行えない。ダリーがすぐにその顎を掴み、再び欲望を満たそうとするからだ。
「やああっ、や……ほごっ、ごぉ゛……おえ、おえ゛ぇっ!!」
 地獄に引き戻された千代里は、華奢な手足で何とか抗おうとする。だがその手と足も、すぐに周りの黒人共に掴まれてしまう。
「んん゛っ!? ふぐぇおっ、おお゛っ! ん゛ーーっ、ん゛ーーーっ!!」
 少女に許されるのは、手足を震わせ、切ない呻きを漏らす事だけだ。
 そうした悪戦苦闘の果てに、ようやく相手を射精に導けたとしても、十分な休息は望めない。頭上で調教師が入れ替わり、精液塗れの口に新しい怒張が捻じ込まれるだけだ。

 すぐ隣にいる沙綾香も、状況は同じだった。モーリスの剛直を喉奥まで押し込まれ、胃液と吐瀉物交じりの液体を首と顔全体に垂れ流す。暴れる手足を周りの連中に掴まれ、かろうじてソファを掴んで苦痛に耐える。そんな光景が何十分も続いていた。
 ところが。吐くだけ吐き、抵抗が弱まってきた頃、彼女の様子は変わりはじめた。
「おご゛ッ、ごっお! お゛う゛っ、もおぉお゛お゛え゛え゛え゛え゛っ!!」
 鼓膜を震わせるようなえずき声と共に、怒張が引き抜かれる。蜘蛛の巣を思わせるようなえずき汁が、口と怒張を繋ぐ。
「んぶはぁっ、はぁっ、はぁっ……はっ、はぁぁっ、はぁぁっ…………」
 モニターに映し出された沙綾香の顔は、まさしく疲弊しきった人間のそれだ。焦点の合わない眼も、舌を突き出した口も。なのに何故か、“そそられる”。
「……すごい顔ですな」
「ええ、ムラムラしてきますよ。ただ苦しんでいるだけのはずなのに、何なんでしょうねえ」
 客も俺と同じ感想らしい。
 この時は、何となくというレベルでしかなかった。勘違いと思えばそれで済んだ。だが実際には、この時に沙綾香が見せた表情こそ、決定的な変化のサインだったんだ。
 その後も、沙綾香は喉奥を犯されながら、激しい反応を見せつづけた。
「も゛ごっ、も゛ぉおおっ!! んんも゛お゛おお゛っ!!!」
 モーリスが一際深く身を沈めた瞬間、沙綾香の腰が跳ね上がった。ローファーを履いた足がつま先立ちになり、スカートが完全に座部から浮く。
「お、おおお……!」
「ははは、ははははっ!!!」
 見守る客が歓声を上げた。奴らの視線が集まる先は、マイクロミニのスカートの中だ。そこの様子なら、モニターにも大写しになっている。
 沙綾香の割れ目は、開閉を繰り返していた。ぽたり、ぽたり、と雫を垂らしながら。濡れているのはショーツの濡れ具合からも明らかだったが、性器の反応を目の当たりにすれば、生々しさが違う。
 生唾を呑む音がした。客か、あるいは調教師連中か。いずれにせよ、オスが欲情した時の音だ。
「ははははっ、なんだよお前! プッシーが喘いでるじゃねぇか!!」
 レジャナルドが笑いながら沙綾香の膝を引いた。股の角度が広がり、割れ目の様子がさらに露わになる。
「ほお゛う゛っ!?」
 沙綾香は明らかに嫌がる声を上げ、足を閉じようとしていた。だが、続く客の声でその抵抗は封じられる。
「いいぞ、もっとよく見せなさい!」
「そうだ、自分で広げて、ホラ!」
 客は好色そうな笑みを浮かべて叫ぶ。下衆な連中だが、この審査会においては王も同然だ。そんな相手に要求されれば、沙綾香は逆らえない。少し躊躇った後、自ら太腿に手をかけ、割りひらく。太腿の病的な震えは、喉を凌辱される苦しみか、それとも耐え難い羞恥のせいか。
「おっ。どうした、急にノドの締まりが良くなったじゃねぇか! はぁん、なるほど。トロトロんなったプッシーを客に見せつけて、興奮してるわけか。このビッチめ!」
 モーリスが嬉しそうな声を上げ、腰を振るペースを速める。
「おえ゛、えごぇこえ゛っ!えごあ゛っ、う゛え゛うぉえあ゛っ!!」
 沙綾香の声が一層悲痛さを増すが、そんな事はお構いなしだ。
「あああ堪んねぇ、いくぞ、思いっきり出すぞ、全部飲めよッ!!」
 涎を垂らしながら腰を打ちつけ、打ちつけて、大きく腰を震わせる。
「ふおおおぉっ……!!」
 上ずった声を聴くだけで、どれだけ気持ちのいい射精だったのかが判ってしまう。そして快感の射精は、精子の量も多い。
「ぐぶっ、ごぶふっ! お゛アっ、がげお゛っ!」
 沙綾香は精液を口から溢れさせ、苦しみ藻掻いていた。腰がまた浮き上がり……モニターの中で、割れ目が快感を訴える。たった今モーリスがしていたように、涎を垂らしながら。
「おおお、おおおおっ!! なんと淫靡なダンスだ!」
「いいぞ、いい!!」
 客は興奮のあまり前屈みになっていた。ある客は、竿役が交代しての新鮮な凌辱に期待を寄せ、ある客は、秘部を凝視しながら百合を犯す。

 百合は相変わらず、客に跨る格好で犯されていた。ただし今は、されるがままの無反応じゃない。
「くんん……!!」
椅子の手すりに手を置き、口に手の甲を宛がって必死に声を殺している。それを察して、左右に座る客が百合の手を取った。
「こっちも処理しなさい」
そう言って、それぞれに逸物を握らせる。百合は、命じられるままに逸物を扱くしかない。たとえ、そのせいで支えがなくなり、突き込みの衝撃を膣奥だけで受ける羽目になろうとも。
「はは。細身の女性とはいえ、全体重が掛かるとさすがに重いですな」
 客が百合の腰を掴み、激しく上下させる。
「っっ!!! ……っっ!!!!」
 百合は唇を噛んで声を殺しながら、太腿をブルブルと震えさせた。
「おっと。フフ……皆さん。今“達し”ましたよ、この女」
「ほう? 奉仕する身にもかかわらず、客より先にイクとは……」
「なっていない。もっともっと、躾が必要なようですね」
 客の野次が飛び交う中、百合はさらに追い詰められていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……、っ!!!」
「どうだ給仕、達したばかりの膣を犯される感覚は。絶頂後は膣が敏感になっているから、さっきより感じやすいだろう? だが、くれぐれも声は上げるなよ。お前ごときの下賤な声で、主役の邪魔をすることは許されんぞ」
 客は百合の反応を楽しみながら、ひたすらに快感を貪る。
「…………しょ、承知、して……おります」
 かろうじて床につく百合の足指は、何度も爪先立ちするように浮き上がっていた。
 絶頂に近づく中、百合の顔が前を向く。濡れた瞳は、食い入るように紗綾香の割れ目を見つめていた。彼女は、思い出しているのかもしれない。鉄格子の向こうで夜通し犯し抜かれ、狂い続けた『天国』を。
「…………くぁああイクっ!!」
 百合が、ついに声を上げた。男に跨ったまま、身を震わせながら。
「おい、『審査会』の邪魔をするなと言っただろう!」
「……ハッ、ハッ、ハッ……も、申しわけ……ございまっ、せ…………!!」
 客に叱られ、百合は謝罪を口にする。しかしその直後、また歯を食いしばりながら全身を震わせる。
「またイッたか。どうやらこの女、完全に中イキを覚え込まされているようですな」
「ははは、いやらしい人形もいたものだ。次は私の『処理』をしてもらうからな、気張りたまえよ給仕くん」
 客は百合の反応を散々に笑いながら、横目では常に沙綾香を意識していた。

「うわっ、マジですげぇな! 本気でこりゃ、プッシーよりいいんじゃねぇか!?」
 トラバンは沙綾香の喉奥に挿入するなり、目を剥いて叫んだ。よほど気持ちがいいらしい。逆に沙綾香はまたしても苦しみの渦中だ。
 トラバンのペニスは上から4番目のサイズを誇る。それを弱った喉へと突っ込まれた瞬間、沙綾香の土踏まずが浮き上がった。脚を広げる指も太腿に食い込み、実に痛々しい。
「おっご、ォお!!」
 トラバンが喉の深い所で動きを止めれば、脚は菱形になったまま宙に浮く。
「ふはははっ、ギュウギュウ締めてきやがる。こりゃ何分ももたんぜ。よおモーリス、テメエよくこれを我慢できてたモンだな!」
 トラバンは大口を開けて笑い、抜き差しを再開しながら、沙綾香の喉の膨らみを親指でなぞりはじめる。
「う゛む゛っ、う゛おっ! おっ……ぉおおお゛エ゛ッ!!」
 喉の隙間を潰された沙綾香は、ボロボロと涙を零しはじめた。脚はさらに高く上がり、一時的にではあるがVの字を描く。その望まぬパフォーマンスは、客を狂おしいほどに喜ばせた。
「ほおおっ、あんな高さまで! 凄いですなあ、どれだけ気持ちがいいのやら!」
「いいぞぉ! そのままだ、そのまま自分の足を掴め!!」
 客は悲鳴に近い声で叫び、沙綾香に恥の上塗りを要求する。沙綾香はゴエゴエとえずきながら、弱々しく手を振っていた。今は無理、という意思表示だろう。だがそれを見ても、客は要求をやめない。
「早くしろ! これも審査のうちだぞ!!」
 ここぞとばかりに特権を振りかざし、高圧的に命じる。
 沙綾香は、その言葉に従った。哀れなぐらい腕を震わせつつ、自分の太腿を抱え込み、マングリ返しに近い格好を晒す。相当にきつい体勢だ。ソファに座ったままそれを維持するには、腹筋と首に相当な負荷がかかる。つまり、喉が収縮する。
「うおおおすげぇ、コックが千切れそうだ!!」
 トラバンは歓喜しながら、膣を犯す以上に容赦のないピストンを見舞う。何度も深く突き込んでは腰を引き、また突き込む繰り返しだ。
「ゴボッ……おえ゛っ!! はぁっ、はぁっ……んぐお゛、オ゛っ、フゥおおっ……!!」
 沙綾香は聞くに堪えないえずきを漏らし続ける。一方で、身体の艶めかしさはさらに増していた。目を奪われるような美脚が、沙綾香自身の手で引き絞られながら快感に震える。V字の合間に咲く華は、露を吐きながら妖しく蠢く。
「ぐううっ、堪んねえっ!!!」
 トラバンが呻きながら腰を震わせる。苦々しいその顔は、想定外の射精だったことを伺わせた。

 体力が尽き、すぐに怒張を吐き出してしまう千代里。
 呻きながらも怒張を咥えつづけ、きっちりと射精させていく沙綾香。
 いつの間にか2人のプレイ内容は逆転し、モニター上部の数字も、沙綾香が猛烈に追い上げる形となっていた。とはいえ、タイムリミットも近いようだ。
「あと10分だ!」
 手越が時計に目をやり、叫ぶ。それを聴いて、沙綾香は動きを見せた。開いた足の踵をソファの肘掛けに乗せ、自由になった手でやはり肘掛けを掴む。
「くくっ。身体固定して、いつでも来いってか? なら望み通り、グチャグチャにしてやるよ!」
 ジャマールは沙綾香の頭を掴み直し、激しく腰を前後させはじめた。
「う゛っ、むうう゛っ! う゛え! おえ゛っ…お゛っ、うお゛っぉ……!!」
 沙綾香の喉から漏れる声も悲壮さを増す。それでも、彼女は必死に肘掛けを掴み、怒張を咥え続ける。
 水音と共に汁を飛び散らせる、苛烈な意地の張り合い。いつもなら音を上げるのは沙綾香が先だが、今回ばかりは違った。
「くううっ! ダメだ、出ちまうっ……!!」
 ジャマールが身を震わせ、当然の事のように喉奥へ精を放つ。濃い精液の直飲み。当然、沙綾香は大人しくしていられない。
「んんぐっ、ンオオ゛ぉ……ごぼっ!!」
 手足に力を込め、涙を伝わせながら、必死に喉を上下させる。明らかに辛そうだ。だが彼女は、休もうとしない。
「っぶは、ハァッ、ハアッ……。も、もっと、もっと、ちょうだい……」
 目を細め、口周りの精液を舌で舐め取りながら囁く。演技なのは明らかだが、客はもちろん、黒人共もその表情に心を揺さぶられたようだ。
「上等だ。やってやらあ!!」
 最後に名乗りを上げたのは、またしてもタイロンだ。
「…………ッ!!」
 顔とほとんど変わらないサイズの怒張を前に、沙綾香は一瞬表情を凍り付かせる。それでもすぐに頬を緩め、嬉しそうに飲み込みはじめた。
「う゛っふぇぇ! おえ゛っ…ぼぉお゛え゛ッ!! あが……がっ、オ゛エ゛エ゛エ゛ッ!!」
 半分ほど飲み込んだ時点で、沙綾香は嘔吐する。身体の暴れ方も相当だ。ソファの手すりに引っ掛けた足は強張り、痙攣し、腰を浮かせる。内腿の溝は深く、膣へ挿入されている時以上に思えた。それでも、沙綾香は死に物狂いで白い喉を蠢かす。
 水飴を掻き混ぜるような蹂躙の音。噎せる声。えずき声。荒い鼻息。それが途切れることなく続く。無理に無理を重ねてるんだろう、両脚は力むあまり手すりから滑り落ち、床の上でのつま先立ちに戻った。客がまた生唾を呑む。
「ひひ、いい格好だな! せっかくだ。テメェの手でオマンコおっぴろげて、もっとよく見せてやんな!」
 手越が面白がって沙綾香に命じる。するとそれを聞いた客も、チャンスとばかりに野次りはじめた。
「おお、そりゃいいな! ようし、やれっ!!」
「サービスしてみせろ、変態娘!!」
 もう、何度目だろう。沙綾香が言葉に縛られ、自分の心を殺すのは。
 細い指が肘掛けを離し、割れ目に宛がわれる。そして細かに震えながら、左右へと割りひらいていく。モニターに紅い華が咲いた。
「おおう、奥まで丸見えですよ。ヒクヒクと蠢いて、なんといやらしい……」
「ふふ。使い込まれた女性器というのも、オツなものですなあ」
 客は身を乗り出し、沙綾香の恥じらいの部分を品評する。沙綾香の顔は見えない。見えなくてよかったと思う。指と眉の形だけでも、彼女の恥辱が十分に推し量れてしまうんだから。そしてその恥じらいぶりは、タイロンにも伝わったらしい。
「へへへっ、堪らねえ! そろそろ出すぜジャパニーズ!!」
 タイロンはそう宣言し、背中を震わせる。
「う゛うむ゛っ! ふうう゛、う゛……っ!!」
 沙綾香の腰が跳ねた。彼女自身の指で開かれた割れ目から、飛沫が噴き上がる。
「はっはっは、勢いのいい潮噴きだ!!」
「男の物を咥え込みながらのアクメとは。いや、大した変態ぶりだ」
 客は手を叩いて喜び、沙綾香は重苦しい嚥下の音をさせはじめる。そんな中、手越が終了の合図を出した。

 客の視線がモニターを向く。赤と青を背景に光る数字は、左右どちらも『17』。最後の最後、ギリギリで並んだらしい。
「同点、ですか。こうなっては、立会人のお客様に決めていただくしかありません。多数決です。よりマゾ奴隷として相応しいと感じた方を、お指しください」
 手越はモニターを見て片眉を顰め、客に向き直る。
 千代里か、沙綾香か。結果は判りきっている。中盤までならいざ知らず、千代里がガス欠となってからは沙綾香の独壇場だった。
「私は、あの娘ですな」
「私もです」
「同じく。これはもう決まりでしょう」
 満場一致。5人の客すべてが沙綾香を指差し、『審査会』は決着する。
「はぁ……っ」
 沙綾香は顔中を精液に塗れさせながら、ほっとした様子で溜息を吐く。千代里もやはり顔中を汚したまま、寂しそうに目尻を下げた。
「……負けちゃったかぁ。勝って、サーヤに楽させたげたかったんだけど……バテちゃって、駄目だね」
 千代里が掠れ声で呟く。沙綾香は目を見開いた。
「千代、まさか、そのために……!?」
「……ん」
 沙綾香の問いに頷く千代里。その表情は慈しみに溢れている。彼女は、性欲に溺れて沙綾香に勝とうとしたんじゃない。沙綾香がそうしていたように、親友を助けたい一心で奮闘していたんだ。
「千代……!」
 沙綾香の目に涙が滲んだ。
 尊い友情だ。だが、女を嬲る事を趣味とする外道共が、そんな甘い空気を許すわけもない。

「では、これにて2回目の『審査会』は終了とします。お開き……といきたいところですが、お楽しみの最中のようですね」
 手越はそう言って、今も百合を犯す客に視線を向ける。
「悪いな。すぐに済ませる」
「いえ、続けてお楽しみいただいて結構ですよ。折角だ、こちらも夜の部を始めるとしましょう。……おい、犯していいぞ。お客様によく見えるように犯ってやれ」
 夜の部とは、鉄格子の中で毎晩行われている凌辱のことだろう。その許可を得て、黒人共の口に笑みが浮かぶ。
「よし、立て!」
 ソファに腰掛ける沙綾香の手を、ドミニクが掴み上げた。
「!」
 沙綾香は一瞬拒絶の素振りを見せたが、客の視線に気づいて表情を変える。このフロアに客の目がある限り、彼女はマゾ奴隷の演技を続けるしかない。万一にも悪評を流されないために。
 前のめりで凝視する客には、沙綾香のあらゆる反応が間近に見えているだろう。立ち上がった沙綾香の脚が震えているのも。脚の間に、雫が滴っているのも。
 ドミニクは沙綾香の背後に立ち、ギャラリーである客を優越感たっぷりに見下ろしていた。そして見せつけるように沙綾香の左胸を掴み、首筋に舌を這わせる。遠目にも、客が唾を呑んだのが判る。
 ドミニクは勝ち誇ったような笑みを見せつつ、沙綾香の股座に手を伸ばした。
「あんっ!」
 黒い指が割れ目に沈み込んだ瞬間、沙綾香が甘い声を上げる。演技と思いたいが、指が入った瞬間の腰の動きは、あまりにも自然だった。
 指はたっぷりと水音をさせてから引き抜かれ、客の前で開かれる。5本指すべての間に、濃い糸が引く。客の眼がさらに開かれる。
「俺らのコックをしゃぶるだけで、こんなにヨダレ垂らしやがって。いいぜ、味わわせてやる。極太のフランクフルトを、たっぷりとよ!!」
 ドミニクの太い腕が、沙綾香の脚を抱え上げた。奴が好む、背面立位……性器を客側に向けての『駅弁』だ。
「うあ゛あ、は……あぁ……っ」
 怒張が挿入されていく間、沙綾香の視線は結合部に注がれていた。感じすぎる予感がある時の仕草だ。
「いくぜぇ……おらっ!!」
 怒張が半ば入り込んだところで、ドミニクは気合を入れ直し、一気に沙綾香の腿を引き下げる。ぶじゅうっ、という音が響き、怒張は一気に根元近くまで入り込んだ。
「んがああ゛あ゛ーーーッ!!」
 沙綾香は天井を仰ぐ。ニーソックスに包まれた脚は膝下が跳ね上がる。劇的な反応だが、それはビンタを受けて、反射的に悲鳴が上がったようなもの。本当の痛みが来るのは、一拍置いた後だ。
「んぎいっ! あ、っ、かはっ……!!」
 沙綾香は顔を上向けたまま震えていた。4画面に戻ったモニターに、その様子がはっきりと映し出される。目を見開き、口を半開きにしたまま凍り付く表情。その顔には見覚えがある。

 ──黒人のチンポを思いっきり突っ込まれると、どの女もその顔になりやがる。目の前がチカチカする感覚なんだってな。

 十番勝負で手越が口にした言葉だ。沙綾香はまた、あの地獄に引きずり込まれているらしい。
「さ、サーヤ……!」
 ソファに腰掛けた千代里は、沙綾香の反応を見て絶句していた。前もって親友の現状を聞かされていたとしても、百聞は一見に如かず。あの壮絶な表情に勝る情報などない。
「ひひひ、注目されてんぜぇ。もっとよく見せてやれよ、オラッ!」
 ドミニクは周囲の反応を嬉しがりながら、掴んだ太腿を左右に割りひらく。足の甲がそれぞれ逆方向を向く、ほぼ180度の開脚。当然、結合部はどの方向からも丸見えとなる。
 バットの先を思わせる剛直が、根元まで入り込んでいる様も。割れ目から雫が滴っていく様も。太腿がピクピクと痙攣し、何らかの反応を抑えきれずにいる様も。
「おおお…………!」
「んんんん、これは…………!」
 客は、感嘆の溜息を漏らした。騒がず、言葉を並べ立てず。心底興奮している証拠だ。
「ぬううう、堪らん、堪らんぞおっ!!」
 やがて一人が、堰を切ったように唸った。百合を犯している男だ。奴はソファに深く掛け直し、沙綾香の秘部を凝視したまま、抱え上げた百合の太腿を上下させる。
 百合が膣を『使われ』はじめてから、そろそろ1時間というところか。すでに2人の男に欲望を叩きつけられ、今は3人目。彼女もいい加減、無反応を貫けなくなっている。
「んひいっ! あぁんっ、あはぁ……あ゛っ!!」
 客の逸物が沈み込むたび、声が漏れる。明らかに本気で感じている声だ。しかも彼女は、そうして快感に浸ってばかりもいられない。
「ほら、手がお留守だぞ!」
「こっちにも奉仕を忘れるなよ、給仕!」
 両隣に腰掛けた客が、百合の手を叩く。百合はそれを受け、握りしめた左右の逸物を扱きはじめた。だが、そうして意識を分散させれば、その分膣が無防備となる。客もそれは承知しているらしく、百合の太腿をさらに持ち上げ、膝をほとんど真上に向けさせる。腹圧が強まると同時に、それまでかろうじてソファの座部についていた百合の足裏が、完全に宙へ浮く形となる。そんな状態でさらに膣奥を突き上げられれば、今の百合は数十秒ともたない。
「あっ、ああ、あお、お゛っ……!」
 腹圧が高まったことで、百合の呻きが変わりはじめた。上品な唇の形で『あ』などと呻く余裕はすでにない。何かに吸い付くように唇を尖らせ、『お』と呻きはじめる。そこからは真っ逆さまだ。
「ふんんんおっ! ひっ、ぃ、ぃ、いぐっ…………ふぉおおおおお゛イグウウウッ!!!」
 我慢に我慢を重ねたせいか。百合は最後、左右の手で別の逸物を握ったまま、腹筋の力だけで脚を跳ね上げた。客の粗末な逸物はそれであっさりと抜け、蓋のなくなった割れ目からは、盛大に潮が飛び散る。すぐ前にいる沙綾香のみならず、その後ろのドミニクの顔にまで浴びせかかる勢いだ。
「チィッ! このビッチめ、やりやがったな!? 上等だよ。おら、お返ししてやれジャパニーズ!」
 ドミニクは白い歯を覗かせながら顔を振り、沙綾香の腰を上下させはじめる。
「んがっ、あ゛っ!! あ゛ーっ、あ゛ーーーっ!!!」
 沙綾香の反応は、百合とはハードさが違う。それもそのはず、膣に入り込んでいる物のサイズが違う。膣という空洞を丸ごと杭打ちするような剛直は、客の逸物と違い、抜ける気配さえない。規格外のサイズによる凌辱で、女体がどれだけ前後左右に暴れ回っても。
「どうだ、気持ちいいだろ? 教えてやれよ。あそこで間抜け面並べてる、イエローモンキーのお仲間によ!」
 ドミニクは腕を上下させながら沙綾香に囁きかける。沙綾香はまだ目を白黒させている状態だったが、客がドミニクの言葉に顔を上げると、表情を変えた。目尻を垂らし、妙な形に口を開いた、『ビッチ』の仮面だ。
「あ、はっ……きっ、きもち、いい……。こっ、黒人の、ペニス、最高……! あ、あそこが、全部、作り変えられちゃいそうで……ゴリゴリ、奥っ、抉られ……」
 沙綾香は淫靡な笑みを湛えたまま、セックスの快感を実況する。だがそれは、快感を噛み締めるに等しい行為だ。結果、それが彼女を追い詰める。
「あ、あ、あっ!? だ、だめ、だめいっちゃ…………あああ゛あ゛ーーーーっ!!!」
 転落は一瞬だった。蕩けていた顔が素の焦り顔に変わり、直後、快感の沼に引きずり込まれる。左右の足を大きく開き、潮を噴きながらの絶頂。剛直を捻じ込まれたままの潮噴きは、前には飛ばない。蛇口を指で押さえた時のように、四方八方へ飛び散っていく。中でもミニスカートに浴びせかかった一筋は、丁寧な作りの生地を濡らし、ぼたぼたと滴って、格別に惨めに映った。
「はははははっ、ああはははははっ!!!!」
 美女と美少女による、潮の噴き合い。オス共がそれを嗤いに嗤う。手越も、客も、黒人共も。
 恥辱を味わわされた2人は呆然と俯き、蚊帳の外に放り置かれた千代里は、親友と上級生の現在に顔を青ざめさせる。

 地獄だ。
 ここは、やはり地獄に違いない。


                 ※


 百合と沙綾香は、その後も向かい合ったまま犯され続けた。ただ、その反応はかなり違う。
「あっ、あはっ、おっ……おお゛っ、お゛う゛っ!! はぁ、はぁ……よ、よう、ございます、気持ちようございますっ……!!」
 『お』という低い声を交えながらも、快感に浸る余裕のある百合。
「あああ゛あ゛っ、ダメっ、ダメええ゛え゛っ!! ヤバイ、ヤバイよお゛っ! しっ子宮、潰れる! こんなの、ほ、ふぉんとに……かっ、感じ、すぎぢゃうう゛う゛っっ!!」
 色狂いの淫乱を演じようとするも、本気でその役に溺れそうになり、恐怖に顔を引き攣らせる沙綾香。
 違いがあって当然だ。日本人の控えめなペニスばかり相手にする百合と、ペットボトル級の黒人ペニスで犯され続ける沙綾香。受ける衝撃も快感も、たぶん桁が違う。
 そこへ来て沙綾香は、まさに昨日、徹底的にポルチオ性感を目覚めさせられたばかりだ。あれは、丸1日以上だった今もなお、沙綾香を毒しつづけている。どこが変わった、と言えるものじゃない。すべて。あらゆる反応が、前とは違って見える。
 深々と怒張を捻じ込まれた時、手足が強張り、ローファーが真上を向く程度なら前にも見られた反応だ。だが今は、ポルチオ周りの反応……ヘソの下辺りと脚の付け根が、ブルブルッ、ブルブルッ、と凍えるように震えている。しかも、同じようにじゃない。1度目、2度目も痙攣も大きいが、3度目はさらに病的だ。そしてその3度目の震えに合わせて、沙綾香は絶頂しているらしい。

『いっち、に、さーん。いっち、に、さーん』

 颯汰の声が蘇る。完全にあのリズムなんだ、沙綾香の腹の痙攣は。
 今や沙綾香は、熟しきって変色した桃に等しい。それをたとえば、鉛筆の尻で突き続ければどうなるか。誰にでもわかることだ。果皮は破れ、果肉は沈んで、内に秘められていた果汁が噴き出す。

「あ゛、はっ……お゛、お゛お゛お゛お゛お゛っっ!!!!」

 沙綾香はまた、音割れするほどの叫びと共に絶頂した。ダリーに横から突かれた時と同じく、目を見開き、舌を突き出して。M字に開いた足は、高圧電流の流れる針金で巻かれたかのように、限界まで力みながらの痙攣を繰り返す。逆に割れ目は弛緩しきり、くぱくぱと開閉しながら精液と愛液の混じったものを吐き零している。
 普通なら、心配になって行為を中断し、救急車の手配すら考えるほどの反応だ。だが、犯すアンドレは意にも介さない。破裂したばかりの桃の穴に、鉛筆を深々と捻じ込み、穴の一番奥でグリグリと腰を押し付ける。
「んう゛ぃい゛い゛い゛い゛ーーーーーー~~~~~ッ!!!!!」
 沙綾香の悲鳴は、もう声にさえならない。後頭部をアンドレの肩に預けたまま、ただ達する。一度達して、それで終わりじゃない。一切動かない剛直を根元まで咥え込んだまま、自ら腹部で3拍子を刻み……
「ふっぐうう゛う゛ん゛っ!!!」
 自ら、深く絶頂する。
「はははっ! あの娘、今勝手にイキましたな!」
「ええ。黒人の彼は一切動かしていなかった。間違いない」
「ポルチオアクメですからねぇ。ああして子宮口を押さえつけられるだけでも絶頂してしまうんでしょう。そうだろう、サヤちゃん?」
 客は膝を叩いて笑いながら、沙綾香自身に解説を求める。これが、また残酷なところだ。
「……そ、そう。あそこの奥、押さえられてるだけで……あ、足の先と、頭まで、痺れるの……。アクメが、止まんない……イってる最中に、また……ん、くううん゛っ!!」
 快感の実況。それが沙綾香を狂わせる。そして、だからこそ、客は執拗にそれを求めた。アンドレが再び沙綾香の太腿を上下させ、激しい蹂躙を再開してからも。
「はぁおお゛お゛っ!! おくっ、また、奥が……っ!!」
「奥がどうしたんだ、ええ?」
「奥っ、抉られてる……! 黒人のペニスの先でっ!!」
「ほう、ほう。サヤちゃんは奥がいいのか」
「い、いいぃっ……! 子宮の、入り口、よこっ……ズリズリされるとっ、ど、どうしても……いっちゃう……と、止めらんないっ…………!!」
「止めなくてもいいじゃないか。サヤちゃんは変態のマゾなんだから」
「………………あ、はは。そ、そ、だった…………あはっ、が、我慢、しなくて、い………いっひ、ひいい゛い゛っっ!!!!!」
 快楽を貪るマゾ奴隷。その演技が、沙綾香を飲み込んでいく。悲鳴を上げながら震える彼女の顔は、歯を食いしばった悲壮なものだった。だがその緊張が終わり、弛緩の時が訪れれば、表情も一変する。
「…………あは…………」
 虚ろな瞳で虚空を見上げ、涎塗れの口から舌を突き出して脱力する沙綾香。その口角が上がっていた。かろうじて意識を保っている状態で、演技などできるようには見えないのに。
「さ、サーヤ……。サーヤぁ…………!」
 千代里が、そんな沙綾香の姿を見上げながら泣いていた。
 友人の心中を想って泣ける彼女は、至極真っ当だ。だが、無力だ。
 遠巻きに見守る事しかできない、この俺のように。



                          続く