大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

2021年03月

【告知】『シリーズ目録』を整理しました。

長い連載が増え、シチュエーションの中にあると探しづらく感じたため、シリーズ目録を整理しました。
※2021/3/16『魅せられた僕等の夏』まとめを追記

■変更点①
長編連載作品を個別記事に纏めました。
2021/3/16現在、

『楽艶祭』まとめ
『澄んだ肖像』まとめ
『The edge(ジ エッジ)』まとめ
『腹は災いの元』まとめ
『幕を引くのは』まとめ
『向こう岸の彼女』まとめ
『止まらないカメラの向こうで』まとめ
『緋色の首輪』まとめ
『魅せられた僕等の夏』まとめ
『二度と出られぬ部屋』まとめ

が存在します。


■変更点②
単にシチュエーション1、などとしていたタイトルを、収納シチュに応じて

『シチュエーション1(リョナ・ショタ・ニューハーフ・クリトリス・M)』
『シチュエーション2(NTR・スカトロ・いじめ)』
『シチュエーション3(連続絶頂、風俗、敗北ヒロイン、痴漢)』
『シチュエーション4-1(アナル)』
『シチュエーション4-2(アナル)』
『シチュエーション5(拷問・性拷問)』
『シチュエーション6(その他、非エロ)』
『二次創作』

に、それぞれ変更しました
(元々あったオシリーズは、ケツのような双子のシチュエーション4に生まれ変わりました)。
そのため、タイトルで直感的に探しやすくなっています。


2021/3/16現在のシリーズ目録は、こういう並びになっています(新しい順)。
               ↓
2021-03-16 (1)

作品を多少探しやすくなったと思いますので、ぜひご活用ください。
また、「こういう風にしてほしい」「こういう感じの方が見やすい」というご意見があれば、コメント等でお聞かせください。
できる範囲で頑張ります。

今後とも、よろしくお願いします。

 

二度と出られぬ部屋 最終章 オーバードーズ Part.5(前編)

Part.4の続きです。
 前回から間が空きすぎ&前半だけで5万字近くになったため、一旦投稿します
 (藤花が登場する後半については、もう少々お時間を下さい……)。
 また、アナル開発回のため、浣腸及びスカトロ大が多めとなっております。
 苦手な方はご注意ください。




 千代里との『審査会』の翌朝、百合の姿はフロアになかった。前の晩、客がもう少し借りていたいと言い出し、連れ出していったきりだ。
「VIPルームで、足腰が立たなくなるまで可愛がってやる」
 フロアを後にする時、連中はそう言い残した。黒人に犯され続ける沙綾香を凝視し、怒張をいきり立たせながら。本当は沙綾香としたいが、そうもいかないので百合で我慢する──その思いがありありと感じ取れる態度だ。
 気持ちは解る。俺も沙綾香を初めて見て以来、毎日のように自慰に耽ったものだ。エレベーターの壁を足蹴にする素晴らしい脚線と、寒気が走るほど妖艶な笑み。それが網膜にこびりつき、猿のように逸物を扱きまくった。癒えない渇きに、恐怖と陶酔感を覚えながら。
 沙綾香を目にすれば、大半の男がそうなるに違いない。俺も、客達も、そして黒人連中も。その衝動を抑えて調教師として振る舞えるなら、まさにプロだ。そしてここには少なくとも3人、そういう人間がいる。俺の前で愉快そうにカップを傾ける端塚と、客を沸かせる手越。そして葉巻を吸いながら、終始余裕の態度を崩さないロドニーだ。
 ロドニーの印象は最初から変わらない。初めてその姿を見たのは、藤花を調教している映像だ。ギャング連中を束ねる、マフィアのボス……そう感じさせるだけの威圧感を持っている。
「そろそろマッサージの時間だが、白髪の姉ちゃんが帰ってこねぇな」
 ロドニーは煙を盛大に吐きながら、部屋の中を見回した。
「お、そういや言ってなかったか。昨日の客から延長したいって申し出があってよ、今日いっぱい貸しとくことにした。呂律が怪しかったとこ見ると、ドラッグパーティーでもやってんだろうな。百合のだと思うが、女の悲鳴もしてたぜ。オマンコに打つのはもうやめてーっつってな」
 ソファで寛ぐ手越がそう答えると、ロドニーは鼻で笑う。
「はっ、いい歳してお盛んなこった。だがあの女がいねぇとなると、昼の調教は誰にやらせるかな」
 ロドニーはそこで言葉を切り、しばし考え込む。だがすぐに妙案を思いついたらしく、色黒な頬を緩めた。
「……そういや、次の『審査会』はあの藤花ってサムライガールが相手だよな。となりゃ、やるべきはアナル開発ってわけだ。ちょうどいい、“あの連中”に任せるか」
 ロドニーは一人頷くと、テーブルにあったガスの吸引具を拾い上げ、沙綾香のいるベッドに近づいていく。
「……ッ!」
 沙綾香は、乳房を手で覆いながらロドニーを睨み上げた。
「腐っても財閥令嬢だな、まだ羞恥心が残ってるとは。それでこそ穢し甲斐があるってもんだぜ」
 ロドニーは嬉しそうな声色で囁きつつ、吸引具を沙綾香に近づけた。


                 ※


「んじゃ、行ってくらぁ」
 ロドニーが手越に一声掛け、たっぷりとガスを吸わせた沙綾香を連れ出した。直後、壁のモニターに映像が映し出される。左右に開くエレベーターの扉と、沙綾香の頭頂部。ロドニー自身が構えたハンディカメラの映像だろう。
『ヘンなとこ触んないでよ!』
『なんだ、今ので感じたのか? 随分と敏感だな』
 そんな会話が交わされる中、エレベーターの到着音が鳴り響いた。地下17階……藤花が調教されていたフロアだ。
 エレベーターの扉が開き、大きな扉と、『SM』という文字の刻まれた銀プレートが映り込む。見覚えのある光景だ。だがその扉の先は、過去の記憶とは違う。それはそうだ。俺が前にあそこへ行ったのは、この施設に来て9日目のこと。今はそれから何日も経っているんだから。
『9日目』
『10日目』
『11日目』
 資料館のような展示エリアには、見覚えのない日付のプレートと写真が貼られている。コースがAとBに分けられているのも相変わらずだ。
『おっ。Aコースのガキ共も、結構きついプレイやらされてんじゃねぇか』
 ロドニーがそう言いながら、11日目の写真にカメラを向ける。被写体は、どれも沙綾香と変わらない年頃の子だった。彼女達は悲痛に顔を歪め、涙を流している。鞭で叩かれ、汚水に顔を漬けられ、直腸に異物を詰められ。俺が前に見た8日目までとは比較にならないハードさだ。それまで過激な責めを一身に受け止めていた藤花が9日目に折れ、その矛先がこの子達に向かったんだろう。下衆な客を楽しませる、それだけの目的で。
 ギリリ、と音がする。カメラが横を向くと、写真を見ながら奥歯を噛み締める沙綾香が映った。
『どうした、おっかねぇツラしやがって。こいつらの泣き顔が気になんのか? こんなもん、煙草の吸いはじめに噎せるのと同じだ。ある程度慣れてくりゃ、むしろヤミツキになる』
 ロドニーは茶化すように訊ねながら、カメラを左に振ってBコースの写真を映す。
 そこには、Aコースとは対照的な笑顔が並んでいた。後背位や屈曲位でアナルを犯されながら、筋肉質な少女が笑みを浮かべている。とはいえ、そこに朗らかさはない。酩酊して前後不覚になっている時の表情に近い。
『あれが、“後ろ”の良さを知った人間のツラだ。アナルイキする時ゃ、どんな奴も反応は同じなんだぜ。俺も軍にいた頃は、捕虜を尋問するって任務が多くてよ。捕まえた少年兵(ボーイ)を向かい合わせに立たせちゃ、部下に尻を犯させた。そうすると、どいつも最初は嫌がって喚くんだが、そのうち体中をガクガク震えさせて、未知の快感にヒィヒィ鳴きながら絶頂するんだ。全くの新米だろうが、リーダー気取りで胸張ってた野郎だろうが……』
『やめて。そんな話、聞きたくない!』
 ロドニーの気持ちよさそうな語りを、沙綾香の一言が遮った。
『へッ、そうかよ。なら自分で体感してみるこったな』
 ロドニーは肩を揺らしながら沙綾香の睨み顔を映し、どこからか取り出したアイマスクで彼女の目元を覆いにかかる。
『や、何、何っ!?』
 沙綾香は腕を振って抵抗するが、ロドニーはそれを難なく捌き、額の半ばから鼻上までを覆い隠した。
『なーに、ビビるこたぁねえ。身バレを防ぎながら、気分も出せる優れモノだ。人間ってなあ視界を奪われると、それ以外の五感が研ぎ澄まされるからな。自分に今、何が起こってるのか。誰から、どんな姿を見られ、どういう風に嗤われてるのか。そいつを感じてみな。審査会にゃ影響がねぇようにしてやるからよ、素直に楽しみゃいい』
 ロドニーはアイマスクを固定しながら、沙綾香の肩を抱いて展示エリアの先に進む。
『お疲れ様です、調教師さま』
 二人の受付嬢から頭を下げられつつ、Aコースと書かれた扉の向こうへ。

 プレイルームの扉が開いてすぐに、見覚えのある調教師共の姿が見えた。肩にドクロのタトゥーを入れ、タンクトップで上半身の筋肉とタトゥーをアピールしている男。唇にピアスを開け、アゴ髭を蓄え、ダボダボの迷彩ズボンを履いた男……。
『あれ、ロドニーさん? 何でここに──……っ!』
 連中はまずボスの来訪に驚き、その隣に視線を向けて息を呑む。沙綾香のスタイルに驚愕しているらしい。
『よう。オメェらに、ちっと頼みがあってよ』
 ロドニーはそう言って調教師に近づくと、小声で何か耳打ちする。
『はい、……はい。…………え、マジすか!?』
 調教師共はロドニーの言葉に耳を傾けるうち、愉快そうに眼をギラつかせはじめる。連中は生粋のサディストだ。そういった手合いが眼を光らせれば、ろくでもない事が起きるに決まっている。そう思うのは俺ばかりではないらしく、這いつくばる格好で白濁した餌を食わされている少女4人も、それを取り囲む客達も、カメラの方に意識を向けていた。
『ちょ、調教師さん、その子……何? もしかして、新しい奴隷とか?』
 客の一人が、鼻息荒く歩み寄る。横目で沙綾香を伺う様子からは、あわよくば抱きたいという下心が透けて見えた。
『ああ、説明が遅れてスンマセン』
 ロドニーから耳打ちされていたドクロタトゥーの男が、客の方に向き直る。
『この子は、“VIP用の”奴隷だそうです』
 続くその言葉で、歩み寄っていた客が動きを止める。
『び、VIP……!?』
 心なしか上目遣いのまま、震えた声で訊き返す。町でナンパした相手が、暴力団組長の娘だと判った──そんな反応だ。このフロアの連中にとって、VIP客は雲の上の存在らしい。
『ええ。ただこの子、結構生意気らしくって、このフロアでお仕置きして欲しいそうです。浣腸ぶっ込まれてクソひり出したり、尻の穴犯されたりすりゃ、ちょっとは大人しくなるだろってコトで』
『はぁ!? 何言って……ん、グッ!!』
 あらぬ事を並べ立てるタトゥー男に、沙綾香が抗議する。だがその言葉は、すぐにロドニーの太い腕で封じられた。
『ほ、ほうほう……! それで、俺達が調教してもいいの?』
『したいなあ、ぜひ! とんでもない上玉じゃない!』
 客の何人かが身を乗り出して訊ねると、ロドニーはまたタトゥー男に何かを囁く。タトゥー男は何度か頷き、面白そうに眼を丸めた。
『えー……残念すけど、それはムリらしいっす。この子、VIPの人らのお気に入りなんで、他の男には触れて欲しくないらしくて』
『そ、そう。まあVIP会員がそう言うなら諦めるけど、だったらどう調教するの? 他の男がNGってことは、調教師さん達もダメなんでしょ? でも、今日は女性客いないよ?』
『それなんですけど、こういうのはどうっすかね。今そこで、ザーメン入りの飯を食っている奴隷。そいつらに調教させるんス』
『っ!?』
 タトゥー男の提案を聞いて、伏し目がちだった少女4人が一斉に顔を上げる。口の端に、白濁塗れの肉片をこびり付かせたまま。
『え、こいつらに?』
『レズSMってわけか。へぇ、結構面白そうじゃん』
『だな。よーし、“1号”から“4号”、立て! あの新入りに、アナルプレイの良さを教えてやれ!』
 客達は頷き合い、足元の少女達に命令を下す。彼女達には首輪が嵌められていて、そこに1から4の数字が刻まれていた。さっきの“1号”といった呼び名は、その数字と対応してるんだろう。
『……しょ、承知しました』
 4人の少女は戸惑いながらも、言われるがままに立ち上がった。薄汚れた肌に、痩せた身体。直立すれば、どれだけ粗雑な扱いを受けているかがよく解る。一応はまともな食事が用意され、毎日シャワーも浴びられる沙綾香の方が、衛生面ではマシかもしれない。


                 ※


『それにしても、凄えスタイルだな……』
『藤花っつったっけ。あのデカチチの剣道娘もエロかったが、こっちはそれ以上だ!』
『肌も綺麗だな。おそらくティーンだろうが、それだけじゃない。小さい内から良い物を食べて、良い化粧水を使わなければこうはならんよ』
『なんだなんだ。このルックスで、家柄にまで恵まれたお嬢様ってことか!?』
 10人あまりの客は、想定外のゲストを改めて視姦する。その欲望を一身に浴び、沙綾香は身を掻き抱いた。
『いや、誰っ!? どこに、何人いるのっ!?』
 その様は、初心でありながら煽情的。妖艶でありながら無垢。女として花開きつつも、清純さを失いきってはいない令嬢──居並ぶ客は、そういう印象を受けたに違いない。そして、沙綾香を取り囲む4人の奴隷も。
『…………』
 彼女達は、一言も発さずに沙綾香を見つめていた。歓喜に沸く客とは違い、その表情は暗い。命令通りに立ったはいいが、加虐には気が進まないようだ。彼女達にしてみれば、沙綾香は自分達と似た立場なんだから、当然の反応ではある。だが、客は焦れていた。奴隷が奴隷を虐げるという最低なショーを、一刻も早く見たいという様子だ。その空気を察してか、迷彩ズボンの男が手を打ち鳴らす。
『オラ何やってる、早く始めろ! 言っとくが手ェ抜くんじゃねぇぞ。ぬるい責めしてみろ、ケツに7番のプラグぶち込むからな!』
『ひっ!!』
 調教師の怒声に、奴隷少女達は肩を竦めた。7番プラグというものがどんな代物かは知らないが、奴隷を怯えさせるのに十分な効果があるようだ。
『………………』
 互いに目を見合わせた後、一人が意を決して沙綾香の腕を掴む。首輪に1と刻まれた少女──“1号”だ。
『ひゃっ!? こ、この手……女の、子? 女の子、だよね?』
 沙綾香は一瞬悲鳴を上げたが、掴んだ手のサイズで同性と察したらしく、安堵の息を吐く。だが、少女の顔は依然として厳しい。
『……ごめんなさい』
 彼女は一言そう呟くと、沙綾香の腕を思いきり下に引く。
『え、きゃあっ!?』
 沙綾香が姿勢を崩す中、他の子達も協力し、沙綾香を押さえ込んだ。
『まずは“マングリ返し”だ。そいつのマンコと尻を、よーくお客に見せてやれ!』
 迷彩ズボンの調教師が叫ぶと、“1号”達は力を合わせて沙綾香を逆さ吊りの状態にする。
『や、いやああっ!!』
 沙綾香は当然暴れるが、4対1では敵わない。されるがままに天井へ尻を向け、男達に恥部を晒してしまう。
『うおおおっ、丸見えだ! オマンコも、アナルも! VIP御用達の女だと思うと、余計に興奮すんぜ!』
『他の奴隷にも散々やらせた格好だが、このスタイルだと見応えが違うな!』
『おお。あの長ぇ脚見ろよ、胴体2つ分あんじゃねぇか!?』
 客達の興奮ぶりは相当なものだ。8頭身の身体が取る屈辱のポーズを、食い入るように凝視している。その視線は、舐め回すように脚線を這った後、とうとう恥じらいの部分に注がれた。
『ヴァギナがあんなに拡がって……VIP連中に随分と可愛がられてるらしいな。どんなサイズのバイブを使われてるのやら』
『後ろも多少は使われてんな。ちっちゃく口開いてんぜ!』
『ああ。オイ、もっと拡げてみろ奴隷共!』
 客から命じられ、少女たちは沙綾香の尻肉を割りひらく。逆に沙綾香は必死に閉じようとし、その鬩ぎ合いで肛門が開閉を繰り返しはじめる。
『ははは、ケツがヒクヒクしてんな! ミテクレテアリガトウーっつってよ!!』
『VIP御用達のお嬢様が、ケツの穴で挨拶かよ!? ひーっひ、腹イテェ!!』
 口汚い言葉だ。例の黒人共の謗りなら聞き流せる可能性もあるが、今は初見の相手だ。耳慣れない声で、かつ日本語で発される罵詈雑言を、繊細な沙綾香が無視できるとは思えない。実際、彼女のすらりとした両脚は、屈辱に震えている。
『せっかくだ、道具使ってもっと拡げてやれ!』
『おお、そうだな!』
『いいねえ。お嬢様のハラん中、俺らに見せてくれよ!』
 ある客の提案に、別の人間も同調していく。それを見て、ドクロタトゥーの男が近くのバッグから道具を取り出した。先端の丸い、大きめのフック。男はそれを、“1号”達に1本ずつ投げ渡していく。
『これって……!』
『見覚えあんだろ? 今度はお前らが、後輩に使う番だ』
 タトゥー男が命じると、少女達は困ったように顔を見合わせる。
『どうした、早くしろ。使い方が思い出せねぇんなら、この場で再教育してやってもいいんだぜ!?』
 調教師の怒号に、少女達はびくりと肩を震わせ、渋々ながら動きはじめた。
 “2号”が瓶を手に取り、オイルのようなものを沙綾香の肛門へと塗りこめる。
『ひゃっ、何それ!? そんなとこに何する気!?』
 沙綾香が悲鳴を上げる中、4人の少女はそれぞれフックを手に持ち、一本ずつ肛門に差し込んでいく。
『んぐっ!!』
 小さな呻きは漏れるものの、塗られた潤滑油のおかげで挿入はスムーズだ。あっという間に4つのフックが肛門内に収まってしまう。
 客が前のめりで見守る中、奴隷4人はフックの付け根から伸びるベルトを握り、別方向に引きはじめた。上下左右……肛門が菱形に拡がる形で。
『ひぎいいぃっ!?』
 沙綾香の悲鳴が響き渡る。黒人相手の経験もある肛門とはいえ、ここ数日は集中的に犯されることもなく、窄まりに戻りつつあったはずだ。それを4方向へ無理矢理割りひらかれれば、悲鳴が漏れないはずがない。
『はっはっは、良い声だな!』
『ああ、まったくだ。しかも見ろよ。ばっちり拝めるぜぇ、最上級奴隷のハラん中がよお!!』
『ホントだな。この子は脚が長えから、ケツん中見んのに屈む必要もねぇや!』
 客は大喜びで手を叩きつつ、開かれた肛門の中を覗き込む。カメラもそれに追従した。
 4つのフックでぐっぱりと開かれた、ピンク色の粘膜。その最奥に、茶色い物体がいくつも見える。
『ひひひ、随分溜まってんじゃねぇか! いつからクソしてねぇんだ、ええ?』
『現実って残酷だよなあ。こんなに顔とスタイルのいい娘でも、腸に詰まってるもんは、きっちり汚ぇんだからよお!』
『まったくだ。一皮剥いちまえば、あの3流所のブス共と何も変わらねぇ!』
 客は沙綾香の腸内を覗き込み、散々に嘲笑う。
『だめえ、見ないでっ! お尻の中なんて見ないでえーーーっ!!!』
 沙綾香は、年頃の少女として当然の反応を示す。足を強張らせ、腰を上下させて絶叫する様は痛々しい。
 そして、客の言葉に惑わされるのは、沙綾香だけじゃない。3流所などと蔑まれた少女達もまた、全力でフックを引きながら、枯れた表情筋を歪ませていた。


                 ※


『ったくよ。肴がいいと、酒が旨えな!』
『全くだ。底辺女が底辺女をイジメるショーほど面白えもんはねえや!』
 客達が嬉しそうに囁き合う。その視線の先では、沙綾香がなおもマングリ返しの恰好を取らされていた。しかも、それだけじゃない。彼女は何分か前に、イチジク浣腸3つを注入されている。
 今また、沙綾香の下腹部からギュルギュルと音が鳴った。
『あ、あ……だめっ、お、お腹が……!!』
『ああ、鳴ってんなぁ。ケツの穴もヒクヒクしてきてるぜ?』
『もう限界かよ? 甘ったれてやがんなぁ。お前ら、指でお仕置きしてやれ!』
 客が面白半分に命じると、首輪付きの少女達は大人しく従った。“4号”が指にサックを嵌め、沙綾香の背中側に回ると、便意で開閉する肛門へと二本指を沈めていく。
『あっ! なに、指っ!? い、今はダメっ!!』
 沙綾香が叫んでも、“2号”は指の動きを止めない。根元まで沈み込ませ、グリグリと捻り、抜き出し。沈み込ませ、捻り、抜き出し。
『やめてってば! 出ちゃうっ、そんなの、ホント出ちゃうう゛っ!!!』
 沙綾香はさらに余裕のない叫びを上げ、長い脚を暴れさせる。だが両脇の二人は、そんな沙綾香の足首を無慈悲に押さえ込んだ。
『ひひひ、暴れてやがる。だいぶ便意が強まってきたらしいな』
『だな。よう“2号”。そうしてっと、その責めのキツさを思い出すだろ? お前らも散々泣き喚いてたもんなあ!?』
 客は沙綾香の反応を笑いつつ、指責めを続ける少女に呼びかけた。
『はい。これは、キツいです。排泄感と、息苦しさと、恥ずかしさとで……じっとなんてしていられません』
 “2号”は、苦しむ沙綾香を見下ろしながら、ぼそぼそと呟く。相手に同情してはいるものの、客や調教師に逆らってまで助ける勇気はない。そんな風だ。

 ぐぉるるるる、という音が響く。沙綾香の腹の鳴りだ。
『ひひひ、すげぇ音だな! 完璧に腹下した時のだぜ!』
『そろそろ3分か。浣腸慣れしてねぇ女なら、そろそろ我慢の限界って頃合いだな』
『限界なのは間違いねえよ。アヌスが盛り上がって、ヒクヒクしてやがるからなあ!』
 客が嬉々として囁き合った、その直後。沙綾香が大口を開けた。
『ぐうう、う……ううう、うう、む……っ! あああっ、ダメ、ダメええっ!!!』
 悲鳴と共に、びすっ、という破裂音が響き、肛門から汚液が垂れ落ちる。下腹へ、腿へ、背中側へ、色のついた液が滴っていく。
『いや、いやあああっ、気持ち悪いいぃっ!!』
 何が起きたかは、沙綾香自身にも解ったようだ。彼女は叫び、悲痛な表情で歯を打ち鳴らしはじめる。
『はははっ、コイツとうとう漏らしやがった!』
『ああ、誤魔化しようもねぇぐらい濃いクソ汁だな!』
 客はゲラゲラと笑い、沙綾香の顔をさらに引き攣らせた。一方、沙綾香を押さえ込む少女達は顔を顰めている。同情からか、嫌悪感からか。
『お、お願い、離して! もう、ホントに我慢できない……っ!!』
 泣くような沙綾香の声に、また耳障りな笑いが起きた。
『くくっ、我慢できねぇとよ。あのまま全身汚液まみれになるのを拝むのもいいが、どうする?』
『いや、俺は反対だね。そこの貧相なブス共なら糞化粧させてもいいが、この娘は上玉だ。しばらくは白い肌を愉しもうぜ』
『同感だ。せっかくスタイル抜群なんだしよ、クソの塊にするにゃ勿体ねぇ!』
 客は、たぶん故意にだろう、奴隷少女達を貶めつつ方針を語る。そんな物言いをされて、貶められる側が愉快であるはずもない。
『…………ッ!』
 首輪をつけた少女4人は、ここでようやく、瞳に明確な意思を宿らせた。4人が4人とも、目元を引き攣らせて沙綾香を睨み下ろしている。筋違いな恨みではあるが、彼女達が負の感情を向けられるのは、自分達より立場の弱い人間だけなんだろう。
『よーしお前ら、次だ。犬みたいに這いつくばらせたまま、しっかりと“栓”をしてやれ!』
『……承知しました』
 客が命じると、少女4人は静かに頷く。その暗い瞳は、欲望にギラつく男共のそれより、よほど質が悪く見えた。

                 ※

 沙綾香は一旦足首を解放され、這う格好を取らされる。
『もう出そうなの! 早く、早くトイレ行かせてっ!!』
 彼女は必死に叫び、這ったまま逃れようとする。だが脚に震えが来ているせいで、その歩みは遅い。結果、簡単に肩と手首を押さえられてしまう。
『いや、いやあっ! お願い、わかるでしょ!? おなかが苦しいのっ!!』
『わかるよ。でも、命令だから』
 沙綾香の哀願を“2号”が切り捨て、沙綾香の尻肉を掴む。唇を窄めたような形の肛門からは、すぐにでも中身が噴き出しそうだ。そんな肛門の真後ろで、“1号”がペニスバンドを手に取った。股間部分に双頭のディルドーが取り付けられたもの。“1号”はディルドーの短い方を自分の割れ目に挿入し、長い方を沙綾香の肛門に押し当てる。
『いくわよ。お尻に力入れて』
『ひゃっ! な、何、この硬いの!?』
 沙綾香が驚いて振り返る中、“1号”は腰を押し出した。便意に戦慄く肛門が、無機質なペニスに割り開かれる。
『あああ゛あ゛っ!!!』
 沙綾香の悲鳴は泣き声に近い。ディルドーの直径は黒人共のそれより細いのに、漏れた声の悲痛さはずっと上だ。その悲鳴を聴いて、少女4人の唇がかすかに持ち上がる。
『奥までいくから、お尻を締めておきなさい』
 “1号”は沙綾香の背を押さえつけ、尻の高さを自分に合わせると、さらに腰を押し出した。ディルドーは難なく沈み込み、“1号”の腰と沙綾香の尻肉が近づいていく。
『ぃ、ひいいいっ!!!』
 か細い声を上げながら顎を上げる沙綾香。“1号”はその悲鳴に目を細めながら、腰を前後させはじめた。申し訳程度に敷かれた透明なシートが、4つの膝の下でニチニチと音を立てる。
『いやああっ、出し入れしないでっ!! でちゃう、ホントに出ちゃうっ!!!』
 沙綾香の悲鳴が響き、そこに混じる形で、ぶびっ、ぶちっ、という音が聴こえる。
『お尻締めなさい。漏れてるわよ!』
 “1号”は沙綾香の尻を叩いて叱責しつつも、腰を緩めない。むしろその動きはリズミカルになっている。脂の乗ったアナルセックスそのものだ。便意に荒れ狂う腸内でそんなことをされれば、受ける方は地獄だろう。
『やああ゛あ゛っ、あああ゛あ゛あ゛う゛っ!!!』
『ひひひ、イイ声出てんなあ! よっぽど腹がヤベェんだろうな』
『ああ。グルグル鳴ってよ、ありゃマジで腹具合がやべえ時のだぜ?』
『やっぱ素材がいいと、しんどいのを我慢してるだけでも画になるな!』
『乳がでかいのもポイント高いぜ、身悶えるたんびにブルンブルン揺れて。ま、藤花のウシチチにゃあ負けるがよ!』
 客は少し離れた場所に並び、女同士の痴態を楽しんでいた。その言葉はしっかりと沙綾香に届いているらしく、薄い唇を噛み締めさせる。だが、それも僅か数分のこと。彼女はすぐにそれどころではなくなってしまう。
『はあ、あっあ……! んくっ、んんんん゛っく!!』
 震えながら歯を食いしばり、這ったままつま先を立てる沙綾香。
『おーお、頑張ってんなー。死に物狂いってやつか?』
『太腿にあんなに力入れて、よっぽど人前で漏らしたくねぇらしいな。さすがはVIP御用達のお嬢様ってか。だがそうなると、意地でも恥掻かせたくなるよなあ?』
『ああ、お上品に便所なんか使わせるかよ。おら“1号”、もっと腰使え! 思いっきり突っ込んで、引き抜いて、お嬢様のクソを掻き出してやれ!』
 沙綾香の抵抗を面白がる客から、口々に野次が飛ぶ。その声を受け、“1号”はさらにピストンの速度を上げた。結合部付近から、グチョグチョという音がする。水気が多いというより、明らかに粘ついた音だ。
『あーあ、また出てきたわ。うんちを漏らしながら犯される気分はどう?』
『んぐっ、ん゛ん゛ん゛っ……!! ど、どうって、最悪に決まってんでしょ!? さっきから、やめてって言ってんじゃん!!』
 最低な行為に恥じ入っている中での、わかりきった問い。当然、沙綾香は憤りを隠せない。その真っ当な反応は、ギャラリーをさらに沸かせ、首輪少女達の頬をも緩ませる。
『そう……ふふふっ、そうよね。恥ずかしくって悔しくって、頭の中がグチャグチャになるわよね。よかった。VIPの人に可愛がられるような奴隷でも、私達と同じなんだ。私達と同じように調教されたら、私達と同じ、イヌに堕ちるってことよね!?』
 “1号”達のリミッターが外れていく。あの子達は、今日まで散々に辱められ、尊厳を踏みにじられてきたに違いない。だからこそ、沙綾香が同じように取り乱していると安心するんだろう。そう考えれば、“1号”の激しい腰遣いは、どこか救いを求めるようでもある。もっと、沙綾香が穢れるように。自分達が穢れてしまったのも、仕方ないことなんだと思えるように。
 薄汚れて瘦せこけた脚が、白く肉感的な太腿に打ちつけられる。肉のぶつかる音と、ぎゅぶぎゅぶという音が交互に響く。沙綾香の脚が強張り、震え、痙攣する。
『ああ……ああああぁ゛っ!!! もお゛無理っ、もお無理いい゛っ!! 漏れちゃう、漏れちゃうううう゛ーーーーっ!!!』
 とうとう沙綾香は、食いしばっていた口を開き、膝を交互に上げながら叫びはじめる。
『ちょっと、暴れないでよ!』
 “1号”達が押さえに掛かるが、半狂乱状態の沙綾香は止まらない。
『ははは、暴れてる暴れてる!』
『ついに限界か! ま、よく我慢したぜ。アナル初心者としちゃあよ!』
 客が大笑いする中、沙綾香の脚の痙攣はいよいよ酷くなっていく。そして。
『ああああでるっ、出ちゃううう゛う゛う゛ーーーっ!!!!』
 決壊の時は、泣きわめく声と共に訪れた。ディルドーが突き刺さったままの肛門が激しく蠢き、茶色い液があふれ出す。雪のように白い肌が、あっという間に黄褐色に汚れていく。
『ひゃっひゃっひゃ、出しやがった!! こんないい女が、ギャンギャン泣きながらクソ垂らすとかよお、眼福だぜ!』
『匂いは最悪だがな。おお臭ぇ臭ぇ、鼻が曲がりそうだ!』
『おいおいおい。お客に失礼な匂い嗅がすんじゃねぇよ。大概にしねぇと、ケツの穴に芳香剤詰めんぞ!』
 客や調教師はわざとらしく鼻を摘み、ここぞとばかりに謗りの言葉を投げかける。そしてそれは、首輪付きの少女達もだ。
『ふふ……あははは。あーあ、漏ーらしたぁ』
『ホント、汚くてくっさい豚。VIP御用達なんて言っても、あたしらと何も変わんないんだね』
『あはっ。コイツもしかして泣いてる?』
 汚物に塗れた高貴な存在を前に、彼女達は目を爛々と輝かせている。これまでのストレスを、弱い人間への加虐で発散するつもりだろう。
『はぁ、はぁ……っく、う、ふうぃう゛……ッ!!』
 蔑みの言葉と視線を一身に浴びながら、沙綾香はぶるぶると震えていた。羞恥からか、怒りからか、固く歯を食いしばって。


                 ※


 “1号”達の沙綾香に対する扱いは、目に見えて雑になった。汚物に塗れてへたり込む沙綾香に対し、ホースで水を浴びせかける。
『ぶふっ、あぶっ、げほえほっ! ちょっ、やめっ……!』
『何言ってんの、汚い豚は洗わないと。外がキレイになったら、次は内側もいくから』
 “3号”はそう言って、他の3人に目配せする。3人は頷き、水浸しの沙綾香を担ぎ上げると、壁際に設置された台へと運んでいく。体育倉庫にある跳び箱を思わせる代物だ。
『お、次は“エネマホース”か!』
『ひひひっ、あいつらも意地が悪ィなあ。自分らがやられて嫌だったこと、フルコースでやる気だぜ?』
『女のイジメは陰湿っつぅからなあ。ま、見応えがあって結構だがよ!』
 客の笑い声が聴こえる。あの台は三角木馬というらしい。確かにその名通りの責め具だ。ただし、木馬の背の部分は幅広の弧を描き、そこにイボのような突起が無数に敷き詰められている。3人の首輪少女は息を合わせ、そこに沙綾香を跨らせた。
『ひゃっ、何これ!? やだやだ、キモいっ!!』
 突起が股座に触れるなり、飛び跳ねる沙綾香。3人の少女はその姿を面白がりながら、沙綾香を拘束しはじめる。
『ほら、暴れない。木馬から落ちるわよ』
 そう言いながら“1号”が、沙綾香の両手首を腰後ろで重ね、拘束帯で固定した。続いて“3号”がホースを肛門に捻じ込み、残る“2号”と“4号”が、そのホースに乗せる形で両足首に錠をかける。そうなれば、もはや沙綾香に自由はない。海老反りの恰好で木馬に跨ったまま、前後にも左右にも動けない。
『い、いやああっ! 何この格好、苦し……ムグッ!?』
 沙綾香にできるのは、必死に非難の声を上げる事のみ。だがその声さえ、ボールギャグで無慈悲に封じられてしまう。沙綾香の目元が引き攣った。
『ふふ、完成。木馬の座り心地はどう? 怖いでしょ、動けないもんねぇ。でも、本当に震えるのはこっから。腸にどんどん水が入ってくるのが解るでしょ? これが、地獄の“エネマホース”だよ』
 “2号”が沙綾香に囁きかけながら、沙綾香の下腹に指を這わせる。沙綾香はそれほど筋肉質という訳じゃないが、無駄な肉がないから、海老反りの恰好をすると腹直筋や腹斜筋が浮いて見える。それだけに、水膨れの変化が解りやすかった。刻一刻と、腹の凹凸がなくなっていく。まずは平坦に。そしてさらに数秒が経てば、下腹がかすかに膨れてくる。
『ンッグ、グゥ……ッ!』
 ボールギャグから呻きが漏れた。苦しそうだ。その声を聴いて、4人の少女とギャラリーの口元が吊り上がる。
『ふふふ、つらいよねぇ。食べ過ぎてお腹張ってるみたいな苦しさもあるし、まず水が入ってくる違和感もすごいんだよね。お尻ってやっぱり出す場所なんだって実感するよねえ?』
 “2号”は平らな沙綾香の腹筋を指で押し込み、さらに呻きを漏れさせる。いや、呻きだけじゃない。腹そのものからも、ぐるるるる、という凄まじい音が鳴った。
『ククッ、えげつねぇ音だな。ありゃ苦しいんだろ、これで楽にさせてやれ』
 迷彩ズボンの調教師が、そう言って“4号”に何かのスイッチを手渡す。
『! ……はい、承知しました』
 “4号”は、その意味するところをすぐに察したらしく、格別に歪んだ笑みを浮かべながらスイッチを押す。すると、ヴウウウーンという羽音のような振動音がしはじめる。音の出所は木馬の背の部分だ。
『ングッ、んンン゛ッ!!?』
『甘い声出して。そんなに感じるの? そういえば、オマンコは随分と可愛がられてるっぽかったもんね』
 木馬を軋ませて反応する沙綾香を、面白そうに茶化す少女達。

 (自分達が畜生扱いされている裏で、のうのうとVIPの相手なんて)
 (ちょっとばかりルックスがいいからって、不公平だ)
 (お前も味わえ、地獄を)

 歪んだ笑みからは、そんな感情が溢れるかのようだ。その悪意に晒されながら、沙綾香は地獄へと引きずり込まれていく。
『んっぐう、グウウ゛……ムウウ゛、ウウ゛ーッ!!』
 木馬が振動を始めてから、沙綾香の反応が明らかに激しさを増した。細い身体が何度も強張り、反り返る。特に太腿は、不自然な拘束で力が入ってしまうのを踏まえても、異様と言えるほどの力みぶりだ。この部屋へ来る前にたっぷりとガスを吸わされているから、特に感じてしまうんだろう。
『すごい。もうクリ勃ってる』
『ホントだ。オマンコもヒクヒクして、気持ちよさそー』
 首輪少女達は沙綾香の秘部を覗き込みながら、本人に聴こえるように囁きかけた。
『ウ゛うむ、むうう゛っ!!!』
 よほど恥ずかしいんだろう。沙綾香は顔を左右に振りながら呻き、ギャグの端から唾液を伝わせる。まさにその瞬間、沙綾香の我慢の糸は切れたんだろう。ホースの入り込んだ肛門から、ぶぢっ、という破裂音がする。
『ぎゃはははっ、逆流させてやがる!!』
『おいおい、まだまだこっからだぜ? 我慢しねーと!』
 客が大いに喜ぶ中、首輪少女達も沙綾香の股を見下ろして笑った。
『あはっ、汁垂れてる!』
 “4号”が木馬の側面を指し示す。カメラが近づくと、確かに透明な雫が伝い落ちる様子が見えた。状況からして、沙綾香の秘裂から漏れたものに違いない。
『もう濡れたんだ? 感じやすいんだね。じゃ、もっと良くしてあげるよ!』
 4人の少女は目を細め、弱った沙綾香をさらに追い詰める。2人がかりで腰を掴んで前後に揺らしたり。くの字に折れた膝を押し下げて、木馬の凹凸と割れ目を密着させたり。その残酷なやり口に、沙綾香の身体が狂ったように暴れはじめる。
『ふっ、ぐ、ぐう゛!! ふむ、う゛っ、う゛……むうう゛う゛ーーーーっ!!!』
『あはっ、イってるイってる。わかるよー、これヤバいよね。やわらかいシリコンのブツブツがクリ擦るのも堪んないし、密着してオマンコ全体を震わされるのもすっごい効くんだ』
『うんうん。一回イクと敏感になるから、またすぐイって、そのうち秒でイクようになっちゃうよね。しかも、イって身体に力入ってるうちはまだいいけど、そのあと力抜ける時がまたキツいし』
『だね。腸まで緩むから、一気に便意が来てさ。でもホースで蓋されてるし、こうやって高い位置で足首縛られてると、勝手にお尻の穴が窄まっちゃうから出せないんだよね。気持ちいいし苦しいし恥ずかしいし、気が狂っちゃいそうだったよ』
 首輪少女達は顔を見合わせて語り合う。砕けた口調は、心からの言葉である証拠だ。
『くくくっ、あいつらもやるなあ! 自分らがやられて音ェ上げた責めを、あんなに嬉しそうによお!』
『目下の人間が出来たってことで、今までの鬱憤を晴らしてんだろ。面白いショーだと思ったが、ガス抜きとしても良いかもな、こりゃ!』
『へっ。底辺が底辺をイジメるなんざ、救えねぇな。ま、俺はそういうの大好きだがよ!』
 客達が盛り上がる中、奴隷少女達はまた責め方を変えた。沙綾香の脚から一旦手を離し、太腿の外側を撫でていく。指先を使ったフェザータッチだ。刺激はごく僅かだろう。にもかかわらず、沙綾香の反応は大きかった。
『ふ、ふうう! ふ、ううう゛あ、あらあア゛!!』
 指を嫌がるように足を閉じ、結果として木馬の背に密着してしまい、震え上がる。その一連の動きを、客は大いに笑い飛ばす。
『ひひひひっ、テメェからアソコを擦りつけてやがる。大した好きモンだぜ!』
『撫でられただけであの反応ってなると、相当敏感になってるらしいな。何遍もマンコイキするとああなんのか?』
 そうした嘲笑に紛れ、“1号”達もクスクスと笑う。笑いながら、沙綾香の腿を撫で、乳首を摘んでさらに追い詰めていく。
『うぐううお、お、おおっ…………もおあえっ、あええぇえ゛っ!!!』
 沙綾香は、ボールギャグの穴から唾液を垂らし、激しく身を震わせていた。その原因は、たぶん快感だけじゃない。水を注がれ続け、胃の辺りまで膨らみつつある腹が苦しいんだろう。ギュルギュルという腹の音も、さっき以上にひどい。
『だいぶ腹ァ膨れてきたな。ガキ孕んでるみてぇだ』
『ああ。妊婦腹になっちまうと、抜群のスタイルも形無しだな!』
 客も腹の膨らみに言及し、意地の悪い笑みが広がっていく。首輪少女達も似たような笑みを浮かべながら、なおも沙綾香を嬲っていた。
『ふぉ、おごっ、おごおおおっ!!!』
『あ、今なんて言ってるかわかっちゃった。いく、いくうーって言ってるよ』
『さっきからずっとでしょ。イヤとかダメとかイクばっかだよ、コイツ』
『実際イキっぱなしだもんね。汁垂れまくりだし』
 “1号”達は笑いながら責め続ける。スイッチを弄って木馬の振動に変化をつけつつ、沙綾香の腰を前後させ、あるいは密着させ。そうして沙綾香が愛液を垂らせば、それを木馬の側面から掬い、沙綾香自身の身体へと塗り込めていく。仰け反る首も、先の尖った乳房も、膨れ上がった腹も、すべてが妖しく濡れ光る。
『ハハハッ、マン汁コーティングとは最高だな!』
『ああ、お肌スベスベだぜ!』
 客が腹を抱えて笑い、最悪な空気になった頃。ぶびゅうっ、と凄まじい音が響いた。沙綾香の肛門から水が噴き出したらしい。
『限界だな。ホース抜いて栓しろ』
 ドクロタトゥーの男がそう言って、“1号”にアナルプラグを投げ渡す。かなり大きめのプラグだ。“1号”はそれを受け取ると、ホースが抜かれて水飛沫が噴き出る肛門へと、思いきり捻じ込んでいく。
『もっごぉおああ゛っ!!』
 沙綾香の呻きは、苦しみに満ちたものだ。その声を聴いても、奴隷少女達の表情は変わらない。意地の悪い薄ら笑みを浮かべたまま、沙綾香の足首の拘束を解き、木馬から引きずり下ろした。
『んふっ、ふーっ、ふーっ……ふーっ』
 沙綾香の息は荒い。へたり込んだ沙綾香の腹は、スイカでも入っているかのようだ。普段の彼女とはあまりに違う。そんな沙綾香を見下ろし、“2号”がボールギャグの留め具を外した。ギャグは弾けるように押し出され、大量の唾液を纏いながら床に落ちる。
『気分はどう?』
『はぁ、はぁ、はぁ……く、苦しい……お願い、おしりの栓、抜いてっ!』
 判りきった問いに対し、余裕のない様子で叫ぶ沙綾香。その必死さを、また客が笑う。
『お願いされてんぞ。どうすんだ奴隷共?』
『タダで出させちゃあ面白くねーぞ。なんかしら芸でもやらせろや!』
 下劣な野次に対し、“1号”達は勿論だとばかりに頷き、沙綾香の方に向き直った。
『限界なんだ。楽にしてほしい?』
『はぁ、はぁ……だからっ、そう、言ってんじゃん……!』
『ああ、そう。だったら、私達を口で気持ちよくさせなさい!』
 “1号”はそう言うなり、喘ぐ沙綾香の顔に股を押し付ける。
『うぶあっ!? んっ、んぶン゛ーーっ!!』
 沙綾香は驚きながら顔を背けた。“1号”はそれを追いかけて秘部を押し付けるが、沙綾香は顔を左右に振る。
『はっはっは、嫌がってらあ!』
『女のマンコ舐めんのは、チンコしゃぶる以上にキツいかもな。屈辱的でよ!』
 客は沙綾香の反応を可笑しがり、大いに笑った。
 そんな状況が何十秒続いただろう。だが、それにも終わりが来る。ぎゅぐるるるる、という凄まじい腹の音で。
『あーあ、すごい音。もう限界なんでしょ。でも、アソコ舐めない限り出させないよ?』
 “3号”が、つま先でアナルプラグを押し込みながら告げる。そうなると、沙綾香にもう選択肢はない。
『ぐ……っ!』
 迷った後、渋々ながら割れ目に舌を這わせる沙綾香。
『そうよ、ちゃんと舐めなさい。ビラビラを舐めたり、中に舌入れたり、必死に工夫するの。口で私を満足させるまで、お尻のプラグは抜かないから!』
 “1号”は勝ち誇った顔で、さらに腰を押しつけた。後ろ手に拘束された沙綾香は、それを拒めない。上体を後ろに傾がせ、ついには床へと倒れ込んでしまう。それを見ても“1号”は加虐の手を緩めない。沙綾香の顔の上に跨り、腰を前後に揺らしはじめる。
『あははははっ、気持ちいいわ! 舌もいいし、鼻も擦れて最高! お前は鼻筋が通ってるから、余計に刺激強いのかしら。あああいいわ、もうすぐでイケそう。あ、そう、そう……んっ、あんっ……。あはは、イッちゃった! 興奮してるから、すぐだったわ』
 “1号”は上機嫌で腰を振り、身を震わせて絶頂に至る。
『ぶはっ、はぁ、はぁっ……も、もういいでしょ!? トイレに……!』
 沙綾香は激しく喘ぎながら、必死に解放を求めた。だが“1号”は無慈悲にも首を振る。
『まさか。私一人で終わりなわけないでしょ。4人全員、イカせてからよ!』
 “1号”はそう告げるやいなや、“2号”と入れ替わる。
『そういうこと。さ、頑張れー』
 “2号”は用でも足すような気軽さで、沙綾香の顔へ腰を落としていく。ギャラリーによく見えるよう、大股を開きながら。いや、という沙綾香の声は、すぐにくぐもって声ではなくなり、代わりにすらりとした脚が暴れる。
『ふふ、苦しそう。ま、お腹こんなんだからねぇ』
 “3号”が膨れ上がった腹を押し込みながら囁いた。それだけでも、今の沙綾香を追い詰めるには十分だ。だが、“3号”の悪意はそんなものでは済まない。彼女はあろうことか、床に転がっていたバイブを拾い上げ、それをおもむろに沙綾香の割れ目へと捻じ込みはじめた。
『れぇ゛あ゛っ!?』
 “2号”の秘裂を舐めていた沙綾香が悲鳴を上げる。
『あはは、いい声。こんなお腹ポンポンの状態でバイブ入れられたら苦しいよね?』
 “3号”は相手の状況を理解しながらも、バイブを容赦なく抜き差しする。バイブはけして細くない。刺激の強さでいえば、平均的な日本人相手のセックスと同等だろう。沙綾香は苦しみ、下半身を暴れさせる。だがその足を、“1号”と“4号”が巧みに押さえ込んでいた。
『あっはっは、すっごい暴れ方! 苦しそ~』
『顔もすごいよぉ。ほら、ブス顔してないで舐めなってば。そんなんじゃイカないよアタシ』
 4対1のリンチ。本当に醜悪な画だ。そんな地獄を、沙綾香は呻き、のたうちながら耐える。だが数分後、本当の限界が訪れた。
『もおだめっ、でるっ、でるでるでるうう゛っ!!』
 沙綾香が暴れ出す。火事場の馬鹿力というやつか、4人の少女を跳ねのけ、這う格好になる。
『あ、やばい!』
 “2号”がそう叫び、近くにあった金盥を引き寄せた。それとほぼ同時に、びじゅうっという音と共にアナルプラグが弾け飛ぶ。
 そして、排泄が始まった。
『いやああああああーーーーーッ!!!!!』
 絶叫が響き渡る中、“2号”が構える金盥へ、凄まじい勢いで水が噴き出していく。
『うわ、すご……!』
『はははっ、すげえ勢いだ!!』
 見守る人間の感想は似通っていた。瑞々しい少女の尻から、決壊したダムのように水が溢れ、刻一刻と膨らみきった腹のサイズが縮んでいく。そんな光景を前にすれば、すごいとしか言い表しようがないようだ。
『んぐ、ぐっ、ううう……う……!!』
 沙綾香は歯を食いしばっていた。公衆の面前で排泄を晒しながら、涼しい顔ができる子じゃない。その心中はズタズタに傷ついていることだろう。
 入れられた量が量だけに、排泄は長い。勢いは数秒で弱まったとはいえ、その後もチョロチョロと漏れ続けている。
『ほーらぁ、きっちり出し切っちゃいなって!』
 “3号”がそう言って、沙綾香のクリトリスを指先で転がしはじめた。
『んはっ!?』
 食いしばられた沙綾香の口が開き、肛門からの噴出が勢いを取り戻す。
『あははっ。気持ちよくて漏らしてるわ、こいつ』
 “3号”の口は悪い。沙綾香に対する同情など、すっかり消え失せているらしい。それは他の3人も同じで、嗜虐の笑みを浮かべながら性器を弄りにかかる。そうなれば沙綾香は、身を捩りながら、成すすべなく排泄を続けるしかない。
『や、やあ、やめっ……っく、ふぐうう! っく、はあっ……あ、ア゛……みないで、みないでぇ…………っ!』
 唾液と縮れ毛に塗れた口から、苦しげな呻きが漏れる。アイマスクに覆われた目から、また大粒の涙が零れていく。
『ひひひっ、また泣いてやがる!』
『そりゃ泣けるよなぁ。女の手でマンコ弄られて、糞をブリブリひり出すしかねぇんだからよお!』
『見ろよ、マンコがまたヒクヒクしてきたぜ。じきに潮噴くんじゃねぇか?』
『そりゃあいい! 前と後ろ、両方から体液を撒き散らすってわけだ!』
『ああ惨め惨め。こうなっちゃあもう、奴隷の等級なんざなんの意味もねぇなあ!?』
 客は大盛り上がりだ。沙綾香の惨状を嘲笑い、心底旨そうに酒を酌み交わす。

 俺も、あんな風に正気を失えたなら、どれだけ楽になれることだろう。


                 ※


 排泄欲を煽り、羞恥と苦痛とで芯を腐食させる。藤花を散々苦しめたこの路線が、今は沙綾香に牙を剥いていた。

『ほら、もっと動きなって。オマンコで媚び売るの、得意でしょ?』
 床に寝そべった“3号”が、意地悪く詰る。沙綾香はその上に跨ったまま、ペニスバンドで前の穴を犯されていた。
『やあっ……やめ、てっ!!』
 沙綾香は腰を振って逃れようとする。表情こそ苦しそうだが、身体の反応は快感を得ている時のものだ。そしてそれは、“3号”も見抜いているらしい。
『何がイヤなわけ? もうオツユ出まくりじゃん』
 そう言いながら沙綾香の尻と太腿を掴み、逃げ道を塞ぐ。
 一方で他の3人は、沙綾香の背後から揺れる尻を観察していた。
『うん。お尻の穴、良い感じ』
 “1号”がそう言いながら、手にしたガラス瓶の蓋を開ける。そして瓶に二本指を突っ込むと、ゼリー状の中身を掬い取った。
『おっ? オイ、あれって……』
『ああ、例のヤツだな。ありゃキッツいぜえ』
 客が何かを察する中、“1号”の指が沙綾香の肛門へと捻じ込まれる。
『んあ゛っ!?』
 沙綾香は悲鳴を上げた。不意打ちに近い形だから、それ自体は何の不自然さもない。だが、その次の反応は不可解だった。
『え、えっ!? お、お尻が、ムズムズするっ! 何塗ったのっ!?』
『何って、浣腸液をゼリーにしたものよ。さっきのイチジクより強めの、ね』
 “1号”のその言葉が終わるよりも早く、沙綾香の腰が蠢きはじめる。
『や、ああっ!?』
『あははっ、さっそく効いてきた。やっぱ浣腸慣れしてないと早いわね』
『あー、もう何か漏れてるじゃん。我慢できないの? しょうがないなあ、気を紛らわせてあげるよ。オマンコの方でさ!』
 “1号”が嘲笑う中、“3号”も目を細め、より激しい騎乗位を強いる。
『うああっ!? い、今だめっ……あ、ああああっ! あ、んっ、ああ、んんっ!!』
『へッ、気持ちよさそうな声出しやがって! ありゃあ本気で感じてる声だぜ?』
『おお。マンコはよくこなれてるらしい』
『しっかしエロいガキだなー。女の裸なんて見慣れてんのに、勃起が収まんねぇや!』
『俺もだ。腰があんな細ぇのに乳はデケェなんて、反則だぜまったく!』
 客達は前傾姿勢で沙綾香に見入っている。調教師の目さえなければ、ふらふらと近寄っていきかねない雰囲気だ。だが、そうして新参者が持て囃される状況は、古くからいる人間にしてみれば面白くない。
『なによ、気持ちよさそうに腰振って。やっぱ見た目通りのビッチじゃん』
 “2号”が沙綾香の顎を掴み上げ、意地悪く言い放つ。公然でのビッチ発言に、客が明らかに反応する。そうなれば、沙綾香は“2号”の言葉を無視できない。
『あっ、はっ、はっ、はっ……び、ビッチじゃ、ない……っ!!』
 激しく喘ぎながらも、必死になって首を振る。
『嘘、思いっきり感じてるじゃない。さっきから足にマン汁が零れまくって、気持ち悪いんだけど?』
 “3号”は言葉で詰りつつ、沙綾香を膣を責めたてる。
 同性というものは恐ろしい。彼女達は、女を追い詰める『コツ』を本能的に掴んでいるようだ。“3号”は沙綾香の太腿を引きつけ、効果的な膣奥責めを実現する。他の3人も、巧みに沙綾香を押さえ込む。上半身を左右に揺らして逃げようとすれば、両サイドからそれを封じ。前傾したまま腰を浮かそうとすれば、肩を押し込んで阻み。まるで先読みでもしているようなドンピシャリのタイミングで、沙綾香の逃げ道を塞ぐ。そうなれば、沙綾香はただ昂っていくしかない。
『あっふ、ん、あんっ! ああっあ、んっ、ん……!!』
『はっ、なにそのヨガリ声。アタシ相手に発情してんの? やめてよね』
 沙綾香から漏れはじめた声を、“3号”が鼻で笑う。ヨガリ声──その通りだ。黒人共のレイプで上がる嬌声を血反吐の赤だとするなら、今の声はさながら桃色の溜息。俺とのセックスでよく耳にした類のものだ。
 ぎゅぶっ、ぎゅぶっ、という水気の多いピストン音と、柔な肉のぶつかる音、壮絶な腹の音が混ざり合っている。その音を聴くだけで、沙綾香の苦しみぶりが伝わってくるようだった。
『んっ、んぐっ、くっ……んんんっ…………!!』
 沙綾香は、耐えていた。何度も顔を振り、歯を食いしばって。それでも、いつかは限界が来る。
『あはっ、すごい!』
 沙綾香の太腿を掴む“3号”が眼を見開く。太腿が痙攣を始めたらしい。その、直後。
『あぁあああっ!!』
 沙綾香の顎が上がり、叫び声が響き渡った。喘ぐような口の動きが、深い絶頂を訴えている。
『はははっ、イキやがった!』
『こんだけコケにされてる状況で、よくまあ呑気にイケるもんだ。オツムの弱ぇガキだぜ!』
 客は沙綾香の絶頂を大いに嘲り、奴隷少女達もクスクスと笑う。そういった情報は、沙綾香にも届いているだろう。だが、彼女はそれどころではないらしい。絶頂して筋肉が強張った後には、弛緩の時が来る。それは防ぎようがない。昂った末の絶頂を、どうやっても止められないように。
『あ……だ、だめっ、だっめえええぇっ!!!』
 嘲笑の中心で沙綾香が叫び、同時に尻肉が蠢く。カメラが後方へ回り込むと、大きく開いた肛門から、透明な粘液がとろとろと溢れているところだった。それを目にし、“3号”が満面の笑みを浮かべる。
『あー、やった。』
 ただの一言。だがその短い言葉は、沙綾香の心を抉るのに十分だ。
『う、ううう……!!』
 沙綾香は俯き、歯を噛み鳴らす。大勢の前で、疑似ペニスで犯されながら、また排便を晒してしまった。真っ当な羞恥心を持つ彼女にとって、それはどれほど耐え難いことだろう。そしてやはりというべきか、奴隷少女達はそんな沙綾香の心情を汲みはしない。
『先輩の上でひり出すなんて、いい度胸してんじゃない。これは、もっともっと躾ける必要があるみたいね』
 “4号”が沙綾香の前に立ちはだかり、割れ目を顔に押し付ける。
『んぶっ、あっ!!』
『ほら、逃げないの。お仕置きなんだから』
 嫌がる沙綾香の頭を抱え込む“4号”。一方で“3号”も、浣腸で開いた肛門へ両親指を引っ掛け、強引に左右へ割り拡げる。
『あはっ。お尻の穴開くと、オマンコが締まるんだあ。面白ぉい』
 完全に遊び口調で、肛門を開閉しつつペニスバンドの抜き差しを繰り返す。
『ああ゛っ、あ゛、あああ゛……っ!!』
 沙綾香は呻く。今の彼女には、それしかできることがない。
『ふふふ、惨めねぇ。これで私らより上等なんて、ありえない』
『だね。きっちり躾けて、自分の立場を弁えさせないと』
 手の空いた“1号”“2号”が、腕組みをしたまま沙綾香を見下ろす。ふてぶてしいその態度は、まさしく調教師そのものだった。


                 ※


 沙綾香への加虐は、夜を徹して行われた。ぬるい責めなど一つもない。いずれも強い羞恥と苦痛・快楽を伴う、苛烈なものだ。

 例えば今も、沙綾香はラバースーツで全身を拘束され、天井近くのフックから吊るされている。
 至るところに悪意が満ちていた。
 ラバースーツは頭頂部からつま先までを包み込むタイプだが、鼻から顎にかけてと、乳首周辺、秘部周りだけは穴が開いていて、丸裸以上に煽情的だ。
 吊るし方にしても意地が悪い。両肩と鼻のフックだけで吊る方式だから、沙綾香は顔を上向けたまま、三角に拡げられた豚鼻を晒すしかない。吊る高さも絶妙で、常に両脚を揃えてのつま先立ちを強いられる。
 ここまででも拷問に近いきつさだが、一番の問題は、前もって下剤を飲まされていることだ。その効果が、拘束から何分か経った今、ついに表れはじめたらしい。ラバーに覆われた沙綾香の腹から、ギュルギュルと音が鳴る。
『う……ぐうう!!!』
 沙綾香は呻くが、声にはならない。噛まされたバイトギャグが、彼女の言葉を阻んでいる。
『あ、始まったみたい。下剤って、浣腸とはまた違うしんどさがあるのよねえ。脂汗がドッと出てきて、寒気がして、気持ち悪くて……』
 “1号”がそう囁きながら、沙綾香の尻を鷲掴みにした。
『あたし、クリいくよ』
『おけ。じゃ、私らはおっぱいね』
 “2号”達も囁き合い、指にオイルをつけた上で、剥き出しの乳首とクリトリスを弄びはじめる。百合と同じく、けして激しくはない、だが芯を捉えた指遣いで。
『んふふ、勃ってきた勃ってきた。オマンコだけじゃなくて、こっちも調教済みみたいね』
 “2号”はそう言って、床のバッグからリングを取り出した。そして屹立したクリトリスの根元にそのリングを嵌め、包皮が捲れ上がった状態にさせた上で、さらに磨き込む。
『っむうう゛、んんふうう゛っ!! うう゛あ、あ゛、おぉんんんう゛っ!!!』
 沙綾香は不自由な体制のまま、身をくの字に折っていた。腹の鳴りも気にしない必死さだ。それでも、“2号”達の魔の手からは逃れられない。
『カーッ、酒がうめぇ酒がうめぇ! 8頭身のイモムシダンスは傑作だぜ! 今すぐラバー剥いで、あのエロい腰をブチ犯してやりてぇ!』
『ああ。でもよ、たしか前に連中がやられた時ぁ、クリをローターでくすぐるぐらいだったよな? あそこまでやってなくねぇか?』
『だよな。俺もそう思ってたとこだ』
『はーん、ってこたぁよお。テメェの経験を踏まえて、こうされたらもっとヤバかったってアレンジ加えてるわけか。怖ェ先輩もいたもんだぜ!』
 奴隷少女達の悪辣ぶりに、客は大喜びだ。逆に沙綾香は地獄でしかない。
『ウう゛、う、うう゛ッ!! ふぅむううう゛ーーーッ!!!』
 バイトギャグを噛みしめ、涎を垂らしながら、顔を激しく左右に振る。腹を下しているその最中、乳首とクリトリスの3所責めで絶頂しているんだろう。
『あは、すーごい力入ってる』
 尻を撫でていた“1号”が太腿に手を伸ばし、けらけらと笑う。そんな中、沙綾香は限界を迎えた。ぶりゅ、ぶちちっという下痢の音が響き、沙綾香の顎が上がる。
『う゛あ゛ーーーっっ!!!』
 ギャグを噛まされたままで出しうる、最大級に悲痛な声。吊るされた身が揺れる。脚の拘束帯が軋み、頭上の鎖が騒々しく音を立てる。
『ふふふ、出ちゃったかあ。その状態で出すと、生あったかいのが脚伝って、つま先の方に溜まって、最悪な気分になるよね。あたし、思わず泣いちゃったもん』
 “2号”は懐かしそうに語りながらも、クリトリスへの指責めをやめない。乳首を責める“3号”“4号”も同じくだ。
『ウグッ!? ウウウ゛、ウウ゛っ……!?』
『なに騒いでんの? うんち出したら終わりって誰が言った? 甘ったれんじゃないよ』
『そうそう。この責めは、やる側が飽きるまで終わらないんだから』
『下剤の効果だってまだまだ続くしね。死ぬほど我慢して、3回目に水下痢が出たぐらいからが辛いんだよ。足ガクガクになるもん』
『あー、だね。そこに絶頂まで加わったら、マジでもたないよ。こんなペースでクリイキしてて大丈夫? ま、大丈夫じゃなくてギャンギャン泣いたって、やめないけどさ』
 4つの歪んだ笑顔が、呻く沙綾香を取り囲む。そして実際に、その後も沙綾香は嬲られつづけた。ゲラゲラと笑う客の声、悲痛な呻き声、鎖の音、下痢便の破裂音……それらが騒々しく鳴り響く。
『むう゛ーーっ、ウ゛ーッ、ウムうぅッううヴウ゛ッッ!!!!』
 沙綾香は不自由な身体を反らし、揺らし、つま先を宙に浮かせるほどの苦しみぶりを見せた。ようやく少女達が飽きて手を離した頃には、意識があるのかさえ怪しい有様だった。鼻フックの外れた顔をだらりと垂らし、濃厚な鼻水と涎を滴らせるばかり。カメラに映る両の乳首は痛々しいまでに尖っているし、クリトリスの方も、覗き込んだ“2号”曰く「なんかの木の実みたい」な状態らしかった。

 しかも、そこで一休みというわけじゃない。あくまで、吊り下げる形での責めに飽きたというだけだ。
 加虐の楽しみを知った少女達は、目を爛々と輝かせたまま沙綾香の拘束を解き、場所をソファに移して次の責めに入った。
 まずはガラス浣腸器で何かの液体を吸い上げ、3回分注入する。その上でかなり太さのあるアナルプラグを捻じ込み、なおかつソファに座らせることで、簡単に排泄できない状態を作り上げる。そうした一連の行為を受けながら、沙綾香は抵抗らしい抵抗をしていなかった。いや、できなかった、というべきか。
『や、やめて……。今度は、何なの……おねがい、休ませ、て…………』
 バイトギャグを取り去られた瞬間、沙綾香の掠れ声がした。前の責めで疲弊しきっているようだ。だが、首輪をつけた少女達は気にも留めない。
『冗談。こっからが本番だよ、お嬢様!』
 画面外から“2号”が現れ、沙綾香の横に腰を下ろす。その手には、電動マッサージ器が握られていた。
『っ!!』
 マッサージ器が唸りを上げた瞬間、沙綾香はびくりと肩を竦ませ、ソファから立ち上がろうとする。だが、他3人がそれを阻んだ。同時にマッサージ器の先が股座に押し当てられ、重低音の質が変わる。
『っんぐううう!!!』
 口枷に遮られない、はっきりとした悲鳴。それは、普段以上に痛々しく聴こえた。
『んふふ、痙攣しそうなぐらい気持ちいいでしょ。こんなにクリが勃起してたらさぁ!』
 “2号”は沙綾香の声を面白がりながら、クリトリスに押し当てたマッサージ器を静止させる。沙綾香の太腿がピクピクと反応する。
『だ、だめ……い、いくっ、いっくうううっ!!!』
 掠れ声から一転、童女のように澄み切った声で、絶頂が宣言された。太腿が一瞬引き締まり、どろりと溶ける。その落差こそ、絶頂の深さのバロメーターだ。
『へーえ、どこでイったの?』
 “2号”は薄ら笑いを浮かべたまま、ほんの少しマッサージ器の先端を浮かせる。刺激も弱まるはずだが、絶頂へ追い込むには十分らしい。
『いひっ、ひっ……! く、クリでっ、クリでイった! もうイッたから、やめてえっ!!』
『はあ? やめるわけないじゃん。もっともっと、どんどんイかせたげる。イク時は言いなよ、ここのルールだからさぁ!』
 “2号”がマッサージ器を縦にし、刺激の種類も変えながら囁く。沙綾香の腹筋が波打ち、ぐぎゅるるるる、という渋り腹特有の音が鳴る。
『んひいいっ!! い、いくいくっ……いくっ!! い、い、イってる、クリでイってるうっ! おねがいやめてっ、刺激、強すぎて……が、我慢が……っ!!』
『我慢ってなんの我慢? あ、もしかしてぇ、またうんちが漏れそうなの?』
 事情を察したらしい“2号”の問いに、沙綾香は何度も頷いた。
『ふーん、そおっかぁ』
 “2号”は冷たい笑みを浮かべ、マッサージ器の位置を下げていく。クリトリスから、大きく開かれた股の合間へ。
『ふぁああっ!? や、やだやだあっ、ダメぇそれダメっ!!!』
『アハハハッ、ダメだよねー、知ってるよ。クリイキもきっついけど、うんち我慢してる時の方って、コッチのがヤバいんだ。オマンコ全体が痺れちゃって、お尻の穴に力入んなくなるからさあ!』
 “2号”はそう言って割れ目を震わせ、他2人も膝を掴んで開脚状態を強いる。
『ホラ、楽になっちゃいなさいよ。どうせもう漏らすしかないんだから』
 そう言う“1号”は両手で沙綾香の顎を浮かせているが、あれは顎を引いて耐えるのを防いでいるのか。
 四対一の壮絶な追い込み。助けに来ないその状況下で、沙綾香は歯を食いしばって踏ん張っていた。それでも、いつか限界は来る。
 痙攣を続けていた太腿が、ぶるりと大きく震えた。
『んぐ、ぐ……んひゅゆ……っ!!!』
 沙綾香は、最後の最後まで耐えようとしたんだろう。妙な声はその証だ。だがそんな健気さとは裏腹に、排泄の音は格別に酷い。ばぶうっ、という破裂音。放屁に似ているが、すぐにそうでないと判る。ソファの座部に、薄黄色の液体が広がりはじめたからだ。
『あっはっはっはっは、すっごい勢い。せっかく太めの栓したげたのに、よくそんなに出せるね』
『VIPのお偉いさんにも、こんな感じの芸で取り入ったんでしょ。潮噴きまくったりして』
『いやあ案外コイツ、こういうのが好きなんじゃないの? さっきからオマンコイキしまくってるもん。乳首だってビン勃ちだしさ。普通こうはなんないって、同じ女にイジメられる状況でさあ!』
 奴隷少女達はそう言いながら、また沙綾香を追い込みはじめる。両膝を開かせ、マッサージ器でクリトリスに宛がい、背もたれ側から手を伸ばして乳首を捏ねまわし。
『やあああっ、いゃっやめてええっ! 気持ち悪いっ!!!』
 沙綾香はただ顔を振り、涙を流す。嗜虐心の強い人間にとって、その表情はさぞ魅力的なことだろう。


                 ※


『しっかし、あいつらもやるもんだな。つい今朝方までは、客の言うなりのイヌだったくせによ』
『ああ。ケツ蹴り回してでもイジメさせようと思ったが、想像以上だ。むしろ、やりすぎねぇように監視しねえと』
 部屋の中央に視線を向けたまま、調教師が囁き合う。
 確かに、奴隷少女の豹変ぶりはそら恐ろしいほどだ。彼女達は今も、座椅子に沙綾香を拘束し、嬉々として嬲りつづけていた。

『はっ……は、はっ……。も、もう、それ塗るの……やめて…………!』
 沙綾香が息を荒げながら懇願する。汗の量も普通じゃない。一方、その沙綾香を囲む4人の少女は涼しい顔だ。
『やっとギブ? ずいぶん頑張ったじゃん。ウンコはすぐ漏らすくせにさ』
 “2号”が意地悪く告げ、周りの笑いを誘う。沙綾香が悔しそうに唇を噛めば、笑い声はさらに大きくなる。
『ま、大したもんだよ。このゼリーって、山芋の5倍痒いらしいから』
 “3号”はそう言って、手にした筆を宙に翳す。彼女は、小さな容器からとろみのある何かを掬い取っては、筆先で沙綾香の肛門へと塗り込んでいた。最初の一塗りから、すでに20分は経っているだろうか。
『すっかり緩くなってるもんね、こいつのケツ』
『ほんと。浣腸で綺麗にしといてよかったわね。じゃないと、中身ボタボタ垂れるでしょこれ』
 “1号”達が指摘する通り、沙綾香の後ろの穴は変わり果てていた。指二本が入りそうなほど開いた菊輪は、紅く腫れ、腸液でぬらぬらと光っている。そしてそれは、沙綾香も自覚しているらしい。
『いや、見ないでっ!』
『今さら何言ってんのよ、ずっと丸見えなんだけど。ホントは見られて喜んでるくせに。この変態!』
『へ、変態じゃ、ない……!』
『ふん、よく言うわ』
 “1号”が沙綾香の恥じらいぶりを可笑しがり、肛門のすぐ内側を指で掻く。今の沙綾香は、それだけで尻を跳ねさせた。
『ひぐっ……!』
『あはは、すごい反応。お尻引っ掻かれてそんな声出すとか、やっぱり変態じゃない。でも、わかるわ。お尻が痒くて痒くて、堪らないんでしょう? だったら、いい物をご馳走してあげる!』
 そう言いながら“1号”は、近くの鞄から指サックを取り出した。棘のような凹凸が無数についたものだ。それが人差し指と中指に被せられ、肛門へとねじり込まれる。
 目隠しをした沙綾香に、心の準備などできない。不意打ちの激しい刺激は、彼女のなまの反応を引き出す。
『んぎぃいいいっ!?』
 食いしばられる白い歯。内に折れる十本の足指。引き締まる太腿。見ていて苦しくなる反応だが、あの場では嘲笑の種にしかならない。
『ほーらほら。気持ちいいでしょ、凸凹が擦れて!』
『……っ、ふ、ン……んっ、ん!!』
 “1号”はますます調子づき、二本指で肛門の入口付近を掻き回す。対する沙綾香は声こそ出さないものの、表情は絶頂時さながらだ。あるいは実際に、ごく軽い絶頂を繰り返しているのかもしれない。
『あは、お尻が窄まってきたわ、刺激を下さい下さいって、池の鯉みたいねえ! オマンコもヒクヒクしてる。全部丸見えなのよ。こうやってお尻の穴をほじくられるのが、気持ちいいんでしょう?』
 サック付きの指が踊るたび、伸びやかな下半身が跳ねる。割れ目が開閉しているのも事実だ。それを周囲に知らしめた後、“1号”はゆっくりと指を引き抜いた。
『こうも物欲しそうにされたら、もう指なんかじゃ駄目ね。太い物で、たっぷりと犯してあげるわ』
 “1号”の目は、爛々と光っていた。下のフロアで、食い入るようにモニターを眺めている黒人共とそっくりだ。

 拘束を解かれた沙綾香は、床に這う格好を取らされる。“1号”はその背後で、また鞄を漁っていた。
『うはっ、それいっちゃうの?』
 鞄を覗き込む“2号”が、にやけ顔で訊ねる。
『あんなに欲しがってるんだし、刺激が強い方がいいでしょ』
 そう答えながら“1号”が取り出したのは、イボ状の凹凸があしらわれたペニスサックだ。ゴーヤを思わせるそれでペニスバンドを包み込んでから、“1号”は沙綾香の背後に膝をつく。そのまま挿入の態勢に入ろうとするが、高さが合わない。モデル級のスタイルを誇る沙綾香は、這い蹲っていても腰の位置が高い。
『ホント、長い脚ね』
 “1号”は吐き捨てるように呟いた。複雑な表情だ。目元と眉は吊り上がっているが、口は薄笑みを湛えている。嫉妬と征服欲の入り混じった、歪な顔。
『奴隷のくせに生意気だよね』
『うん。頭が高いよ!』
 “3号”と“4号”が沙綾香の脚を開かせ、“1号”の腰の高さに合わせる。
『なにがよ、アンタらがチビなだけ……んふわ゛っ!?』
 気力を振り絞って言い返そうとする沙綾香だが、それが裏目に出た。“1号”の挿入と同時に、情けない声が漏れ、ギャラリーを一斉に噴き出させる。
『はははははっ、ンだよ今の声!』
『んふわっ、だってよ! ひっひひっ、どっから出た声だよ!?』
 女による女へのアナルレイプ。それはどのみち笑いものになっただろうが、嘲笑われる対象が具体的だとなお辛い。沙綾香の顔が屈辱に歪む。
『良かったわねぇ。あんたの声、お客さんに喜んでいただけてるわよ。もっと聴かせて差し上げたら?』
 “1号”は品のある口調で焚きつけながら、腰を前後に揺り動かす。ペニスバンド半ほどまでの、ごく浅い抜き差し。ペニスサックの凹凸で、敏感な菊輪を刺激することに注力しているらしい。
『……っ、んっ。……ッ、ッ、…………ん、ンッ…………!!』
 陰になっていて見えづらいが、沙綾香は、下唇に歯を立てているようだった。ついさっき声で失敗したため、意地でも声を出すまいとしているのか。
 だが多分、それは悪手だ。山芋の5倍痒いゼリーを塗りたくられ、指で引っ掻かれるだけでも腰が跳ねる状態の今、凹凸だらけのペニスバンドで犯される心地よさは壮絶に違いない。声が出て当たり前の状態だろう。その状態で声を殺すとなれば、ガスが噴き出すペットボトルの口を強引に閉じるようなもの。当然、逃げ道を失ったエネルギーは、容器の中を駆け巡る。
 カメラに映る範囲で、最初に変化が表れたのは太腿だ。這う格好である以上、もともと沙綾香の脚にはある程度力が入っている。だが、“1号”の腰が前後するたび、太腿の太さが驚くほど変化した。引き締まり、弛緩する、その振れ幅が異常だ。黒人相手のセックスで、2、3回ほど絶頂に追い込まれた段階で、ようやく見られるような蠢き方。
 あれは、もたない。俺はそう確信した。そして俺の予想は、ネガティブな事に限ってよく当たる。
『…………ぉ、ほっぉ、ぉ……ッく、んは、ぁっ、あは、ふっ……ん、んふっ…………!』
 硬く噛み締められていた下唇が開き、『お』の音を漏らしはじめる。足指が床に対して爪先立ちの形になり、手の指も握り込まれる。
 そうした微かな変化を、責め手の“1号”は見逃さなかった。
『ふふ、気持ちいいでしょ。気の狂いそうな痒みが和らいで、ジーンって痺れるような感覚が頭まで這い上ってくる感じよね。それがアナルセックスの気持ちよさなの』
 “1号”は妙に優しい声色で囁きながら、大きく腰を引いた。サックのぶん太さを増したペニスバンドが、ゆっくりと抜き出されていく。ゴーヤのような凹凸……それが朱色の蕾を通り抜けるたび、白い太腿が筋肉の形を浮き立たせる。
『どう、うんちしてるみたいな気持ちよさでしょ。腰が抜けちゃいそうよねぇ』
 砂糖水のような甘い声。ペニスバンドは亀頭部分まで覗く位置にまで抜き出され、そこで一瞬静止した。
『今度は、奥まで犯してあげる』
 “1号”の口は、沙綾香の耳を舐められる位置でそう告げ、ゆっくりと腰を押し進める。
 抜き差しなら、もう何度も目にしていた。だが、今のこの挿入には、格別の重量感を感じてしまう。
 凹凸が、菊輪を歯車のように変形させ、次々に呑み込まれていく。これまではペニスバンドの中ほどで止まっていたが、ついにそのラインを超え、ぐっぽりと尻の穴深くに嵌め込まれていく。
『…………ンんんんっ………!!』
 沙綾香から漏れる声は、咽び泣きとも取れる。だが実際には、快感の呻きだろう。
『ほら、ここが奥。あんたみたいなデカ女でも、直腸の深さはあたしらと変わんないんのね。腸の中が満たされてるのがわかる? 慣れないうちは苦しいし、違和感もすごいよねえ。そのうち、それが良くなってくるんだから』
 “1号”は沙綾香の腰を掴み直し、また腰を引いた。カリ首付近まで抜き出し、根元まで押し込む。そうした最大級のストロークで、じっくりと回数をこなしていく。目を爛々と光らせながら。
『ったく、女はウソが上手ぇな。“1号”のやつ、テメェがやられる時ゃ悲劇のヒロインぶってたくせに、しっかりケツで感じてたわけか』
『言うなよ、おかげで大した竿師ぶりだ。女にしとくにゃ勿体ねえ』
『そりゃどうかな。見ろよあの動き、ぺニバンを最大限活用してやがる。男があんな真似すりゃ、三擦り半でイッちまうぜ? 女だからこその責めだと思うね』
『確かにありゃ、モノホンのチンポだと堪らねぇな。ケツ穴に嵌まり込むギリギリのサイズだしよ、締めつけが半端ねぇだろ。ま、そんなギリギリサイズで犯されるVIP嬢ちゃんも、同じく感じまくってんだろうがな』
 画面外に、下卑た声が飛び交う。客も調教師も、女同士のアナルセックスを随分と楽しんでいるようだ。逆に俺は、動悸が止まらない。なまじ犯される沙綾香を見続けてきたせいで、彼女の良くない兆候にすぐ気が付いてしまう。
 最初は、いつも音だ。にち、にち、にち、と音がする。ペニスバンドに擦られる肛門が、腸液で潤いだしているせいか。こういう粘ついた音は、沙綾香の限界の先触れだ。
『んっ、んぐっ……んぅーー~~っ……!!』
 沙綾香の呻きにますます余裕がなくなった頃、まず手が形を変えた。床に両肘をつく形から、片手を床につく形に。そしてその後、つま先が持ち上がり、続いて膝が床から離れる。
『なに、気持ちよくなっちゃった? お尻を上げて、はしたないおねだりねぇ』
 沙綾香が体勢を変えても、“1号”に焦りはなかった。沙綾香のくびれた腰を掴み直し、大振りのストロークを続行する。焦らず、じっくりと。
 沙綾香はさっき、このままではまずいと感じたんだろう。もう数秒かでどうにかなってしまう。そう直感したから、腰を上げて状況を変えようとした。だが、それも失敗に終わる。“1号”は慌てず、淡々と、沙綾香の感じたレッドラインを踏み越えた。
『ん゛あっ、はっ、はっ…………!!』
 止まっていた沙綾香の息が吐きだされ、膝が落ちる。屈服。誰がどう見ても、それだ。
『ふふ、震えちゃって。後ろの良さが解ってきたみたいね』
 “1号”が唇を舐め、思いきり腰を沈める。これまで以上の深さだ。
『お゛っ!?』
 沙綾香の全身がぶるっと震え、同時に『お』の音が絞り出される。今回ばかりは、聞き間違えではありえない。場の全員の耳に届いた。どっと沸く笑い声が、その何よりの証拠だ。
『んん、いい声。“こっちの穴”だと、そういう声が出ちゃうわよね。いいわ、もっと出しなさい。お前のケツイキ声で、お客様に楽しんでいただくの!』
 “1号”は調教師らしい口調で命じつつ、沙綾香の腰から手を離した。そしてその手を沙綾香の両肩に置くと、中腰になり、本格的にピストンを開始する。
 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、という音が響きはじめた。尻肉と腰がぶつかる音。セックスの時に必ず鳴る音。
『ふふ、ふふふあははっ。楽しいわぁ、すっごく楽しい。お前を見てると、ヘンな気分になるの。犯したくて仕方なくなるのよ。だからこれは、お前が悪いの。わかる?』
『い、イミ、わかんない、イミわかんないっ! んんん゛っ……はぉお゛っ!? はぁ、はぁっ……おねがい、やめて。おしりはホント嫌なのっ……ん、あぁお゛っ! ぃんんん゛っ、う゛お、おっ、う゛、ぉぉ……ほぉおおお゛っ!』
 沙綾香は中断を求めつつ、必死に声を殺そうとしていた。だが、叶わない。深く突き入れられるたびに、惨めな喘ぎが漏れてしまう。
 衝撃的な光景だ。体格なら、やせ細った“1号”より、身長も肉付きも沙綾香が勝っている。だというのに、沙綾香は完全に征服されていた。両肩を掴まれ、背を弓なりに反らせたまま、成すすべなく喘ぐばかり。逆に“1号”は、掴んだ肩を支えにして、意のままに腰を叩き込んでいく。
 アナルレイプ──それ以外に、これを言い表せる言葉がない。
『おほっ、お゛……ぉっく、あはっ、はぁ、はぁっ……はーっ、はっお、っく…………!!』
 沙綾香の呼吸が荒くなっていく。口が片時も閉じなくなり、細い涎の糸が滴り落ちる。ちょうどそのぐらいの頃から、“1号”の動きに変化があった。思いきり腰を打ちつけるスタンスが変わらない。だが、中腰がやや浅くなり、挿入角度が変わったようだ。横向きに腸奥を抉る動きから、斜め下へ突き込む動きに。
『どう、お嬢様? こうすると、子宮に当たって気持ちいいでしょ。ほとんど処女のあたしでも、こうされるとお腹の奥が疼くもの。普段からオマンコで可愛がられてるお前なら、どうなっちゃうんだろうね?』
 “1号”はそう囁きかけながら、意味深にカメラの方へ視線を寄越す。するとカメラもそれに応え、沙綾香達の背後に回った。映り込むのは、前後に揺れる痩せた尻と、その内側で波打つ肉感的な太腿。そのままズームの倍率が上がれば、より詳細な部分までが露わになる。
 沙綾香の割れ目は、ぱっくりと開いていた。熟れた桃へ切れ目を入れたように、透明な雫がポタポタと滴り落ちてもいた。男の身ながら、その快感の度合いに想像がつく。腰が抜ける。腰が溶ける。そういう類のものに違いない。
 そう予想を立てていたから、数分後、沙綾香の腰がぐらぐらと揺れ始めた時にも、不思議には思わなかった。
 腰に力が入らなくなってからも、沙綾香は踏ん張ろうとした。だが結局、床に広がる自分の愛液で膝が滑り、寝そべるような格好になる。そして一度そうなった以上、這う格好に戻ることはできなかった。
『あっはは。自分のマン汁で水浴びとか、ほんと呆れたマゾね』
 “2号”達がゲラゲラと笑う中、“1号”は沙綾香に覆いかぶさり、ほぼ真上から紅色の蕾を貫く。
『きひゃああっ!?』
 沙綾香の叫び声が変わった。久々の『あ』行、明瞭に響き渡る声だ。それは“1号”が腰を上下するたび、ああ、あああ、と繰り返される。その新鮮な反応に、客達が一人また一人と立ちあがりはじめた。
『なんだ、すげぇ反応だな。息も絶え絶えって感じになりかけてたのによ』
『ああ。しかもよ……なんかアレ、マンコ犯されてるみてぇだな』
 客達の言う通り、沙綾香の上げる声は、黒人共に膣を犯されている時によく似ている。
『ふふふ……ほら、注目されてるわよ』
 “1号”は客の反応を横目に、さらに腰を蠢かした。上下に突くだけでなく、円を描くように腰を動かし、奥の奥へとペニスバンドをねじり込む。沙綾香が寝そべっている今、それは腸側から子宮を押し込み、硬い床とで挟みつぶしているに等しい。
 沙綾香は、その刺激に耐えられなかった。Vの字に伸び切った両脚が、感電でもしたように震える。
『ぁかはっ……!!』
 大口を開けたまま舌を突き出す表情は、まさしく膣奥で絶頂した時のそれだ。
『すごい、足がブルブルしてる。どうしちゃったの?』
『ど、ど、って……おねがっ、抜いて……。おしりぃ、ひらく……ひろがっちゃう、からっ…………!!』
 “1号”の問いかけに、必死で答える沙綾香。だがその様子に、また笑いが巻き起こる。
『別にいいじゃない、拡がったって。お前、アナル奴隷なんだから。それに、そんなの建前だよねえ? 本当は今、お尻でイッたんでしょ、このマゾがッ!』
 “1号”は笑いながら沙綾香の髪を掴み上げ、その耳元で問い質す。大層な迫力だ。彼女自身、ここの調教師から同じ事をされてきたんだろう。
『い、イって、ない……。私、お尻、なんかで……イかない…………』
 沙綾香は首を振る。だが、激しく喘ぎ、涎を垂らしながら何を言おうと、外道からの嘲笑は免れない。
『ふーっ。お前、見た目以上の馬鹿ね。じゃあいいわ、そうやって意地張ってれば』
 “1号”はわざとらしく溜息を吐くと、アナルレイプを再開する。円を描くように腰を動かし、腸の奥を抉りながら子宮口を杭打ちする。
『んくっ……あ、お゛っ、んお゛っ!! はっ、はッ……かはっ、はぁっはぁっ……ぉあ゛っあ゛、ぁおお゛っ!!!』
 沙綾香は喘ぎ、呻き、絶叫する。せめてもの抵抗か、膝下をバタバタと床に叩きつけて暴れもする。だが、“1号”はそんな必死の抵抗を見て笑みを深め、より念入りに絶頂へと追い込むばかり。
 馬乗りで殴られ続けるに等しい状況で、沙綾香は随分と頑張った。すらりと長い脚が、何十回強張ったかわからない。
『ぃゆうお゛、ぁお゛お゛ああッ!!!』
 尻肉が断続的に痙攣しはじめた数分後、さらにぐりぐりと腸奥を抉られ続け、耳を疑うような声で失禁を晒しても、沙綾香は音を上げなかった。
 だが、いつか必ず終わりは来る。
『…………はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………。お、おねがい…………。認める、から…………お尻で、イッたの、みとめる、から…………やめ、て…………』
 床に突っ伏したまま、沙綾香は頭上の主に哀願する。陥落を今か今かと待ちわびていた客から、おおっ、と歓声が上がった。
『フーン、やっと認めるの。随分頑張ったわねぇ。でも、そんな小声じゃダメ。参りましたは、部屋の皆に聴こえるように、大声で言わないと!』
 “1号”は沙綾香の状態を知りつつも、駄目押しとばかりに腰で円を描く。沙綾香のすらりと長い脚が、陸に打ち上げられた魚のようにのたうつ。
『はううぁああっ!! あのっ、ほぉっ、ほしりでっ、お尻でへっ、い、いヒました……。お尻で、イっひ、ましたっ!!』
 沙綾香は必死に叫ぶ。呼吸もままならない状態で声を張る様は、実に健気だ。だが、それを憐れむほど、この倶楽部の客は優しくない。
『はぁ? 何言ってっかわかんねーよ。人間の言葉しゃべれ、豚が!』
 明らかに聞き取れているだろうに、そんな野次を飛ばす奴が必ず出る。“1号”はそれを見越していたようで、沙綾香の上からどこうともしていない。
『ほら、よく聴こえないって。皆に届くように、お腹から声出しなさい!』
 そう叱りつけ、痙攣の収まらない沙綾香の肛門を抉り回す。
『んはっ、あぎゅううっ!!! い、イきましたあっ!! お、おほっ、お尻で……お"ッ! いま、お尻で、んぉほっ、おっ……んぃひイ゛ってますぅっ!!』
『だから、言葉になってねぇんだっつーの。やり直し!』
『そ、そんな……ひってる、イッてる、イッてるのお゛ーっ!!! お尻でっ……おしりで、お尻でイってますっ!! お尻でイってますうっっ!!!』
 沙綾香は涙を流し、半狂乱になりながら肛門での絶頂をアピールし続ける。十数人のギャラリーは、その最悪な状況を散々に嗤い、詰る。ようやく野次が止んだのは、何分後のことか。
『よく大声で言えるわね、あんなこと。私は怒られたって無理だなぁ。ま、いいわ。その必死さに免じて許してあげる』
 “1号”は最後にそう毒づき、腰を引いた。久々にカメラに収められた肛門は、すっかり開き、ぬらぬらと光る粘膜の一部が外に捲れている有様だった。それを見て、また客が嗤い、沙綾香が顔を伏せる。だがその顔は、すぐにハッとした様子で持ち上がった。
 一旦離れた“1号”の代わりに、今度は“2号”が沙綾香の肛門を指で嬲りはじめたからだ。
『や、なに……!? 終わったんじゃ……』
『ハァ、何勘違いしてんの? それは、一人目の話。こっからは、あたしの番だから』
 トンボを捕まえた子供のような顔で、“2号”が告げる。その顔は、言葉を失う沙綾香を前にして、より歪な笑みへと変わった。


                 ※


 責める側に回った女は、つくづく恐ろしい。男なら射精すると手が緩むが、女にはそれがない。複数人で交代しあえば体力が尽きることもなく、腹の底から湧き上がる感情のままに、夜を徹して全力で責め抜くことができる。挙句、責め方そのものも、硬軟織り交ぜた巧みなものだ。

 深夜22時から、たっぷり2時間、肛門性感の開発が行われた。
 沙綾香はマットの上で、マングリ返しに近い恰好を取らされ、背後の“1号”・“2号”に足首を掴まれる。そうして丸見えになった尻穴を、“4号”にじっくりと嬲られるんだ。
 最初に、例の痒みを催すゼリーが塗り込められた。その効果で沙綾香が唇を噛みしめ、肛門付近が激しくひくつきはじめた頃、道具が使われはじめる。
 大ぶりな珠がいくつも繋がったディルドー。
 法螺貝に似た形状のバイブ。
 サザエの殻を縦に4つ重ねたようなディルドー。
 そういう、いかにも刺激の強そうな責め具が、ゆっくりと抜き差しされる。行為自体は少し前の責めと似ているが、今度はとにかく静かだ。バイブの駆動音を除けば、ぐちゅり、ぬちゅり、という粘ついた音しかしない。それでも、沙綾香の足指と尻肉の蠢きを見れば、どれだけ気持ち良いのかの想像がついた。口から滴る唾液や、引き抜かれた責め具に纏いつく腸液の量も大変なものだ。
 痒みに疼く粘膜を刺激されれば、気持ちがいいのは当然だ。それに、沙綾香を追い詰める要因はもう一つある。沙綾香の横に陣取り、クリトリスを指で刺激しつづける“3号”の存在だ。彼女は“4号”の手元を見ながら、クリトリスを人差し指の腹で叩く。トン、トン、トン、トン、と同じリズムで叩いていたかと思えば、トトン、トン、トン、と変化をつけもする。あるいは、単に指の腹で圧迫しているだけのこともある。いずれにせよ、激しく擦ったりはしていない。にもかかわらず、沙綾香にとって無視できないものらしい。
『はぁ、はぁ、はぁ…………クリ、叩くの、やめて…………』
 まもなく20分が経とうとする頃、沙綾香は“3号”の方に顔を向けて乞う。目隠しをしていても、弱った瞳をしているのが伺い知れる。
『え、なんでぇ?』
 “3号”は問い返しながらも、指の動きを止めない。
『なんでって……っ、き、キモいから……』
『嘘つき』
 歯切れの悪い沙綾香の答えを、“3号”が切って捨てる。沙綾香は息を呑んだ。
『お前、ホント頭悪いね。まだあたしら騙せると思ってんの? こっち経験者だよ、全部わかってるっつーの』
 “3号”は調教師さながらの口調で詰めながら、またクリトリスを指の腹で叩いた。同時に“4号”も、凹凸だらけのディルドーをずるりと引く。
『ッ!!』
 沙綾香が息を詰まらせ、かすかに顎を浮かせた。
『アハッ、また感じたわけ? もう解ってるだろうけど、あたしら呼吸合わせてんだよ。お尻に出し入れするタイミングと、クリ叩くタイミングを同じにしてんの。こうすると、お尻弄られる違和感とか嫌悪感が、クリの気持ちよさで誤魔化されて、一気に感じやすくなんだよね。お前ももう、クリで感じてるのかお尻で感じてるのか、わかんなくなってきたんでしょ?』
 “3号”は種を明かしつつ、“4号”と息を合わせて責めはじめる。沙綾香が口を閉じて耐えられていたのも、ほんの数秒。しばらくすれば、また口を開き、あ、あ、と喘ぎはじめる。苦しそうだ。今にも達しそうなのに、それができない……そんな風に見える。
『そうそう、そうやって大人しく感じときな。もうちょっと辛抱したら、今度は死ぬほどイカせてあげるからさ』
 “4号”はそう言って他3人と視線を交わし、陰湿に笑う。

 その宣言通り、24時を回ってからの責めは一転して苛烈だった。
 沙綾香に這う格好を取らせ、、一人が圧し掛かる形で肛門を犯し、一人が割れ目で刺激し、残る二人が乳房を弄ぶ。
 あの陰湿な焦らし責めの直後に、菊輪と腸奥、乳首やGスポットといった性感帯を一挙に責められれば、耐えきれるはずもない。
『んぎぃいいいっいいクっ、イクイクイクッ!! ぃぐう……きいいっ、いィグウうっいぐううっ、あイクうううう゛っっ!!!』
 全身を震わせ、狂ったように絶頂を訴える沙綾香。そこまでの様子を前にしても、首輪をつけた4人の少女は責めの手を緩めない。時おり役割を入れ替わりながら、延々と沙綾香を嬲りつづける。
 彼女達が気にかけることは、ただ一つ。酒を片手に見守る客や調教師から、より多くの拍手を得ること、それだけだ。


                 ※


 たった一晩で、いくつの道具が使われただろう。ディルドー、バイブ、ローター、マッサージ器……それらは半透明の粘液に塗れたまま、部屋の至る所に転がっている。それらのどれ一つとして、無意味に使い捨てられた物はない。それぞれの性能をフルに使い、沙綾香の肛門性感を目覚めさせた。
 今行われている責めは、その集大成というところか。

『すごっ、まだ入るよ』
 “3号”の驚く声が聴こえる。彼女は、宙吊りになった沙綾香の肛門にバイブを押し込んでいるところだった。バイブといっても、鰻を思わせる、相当な長さの代物だ。
『でも、流石にそろそろ限界みたいね』
 “1号”の指摘通り、沙綾香の肛門は、すでに限界まで拡げられている。ひしめき合う責め具は、太さも形状もそれぞれ違うが、一つだけ共通点があった。腸の奥まで届くほどに長い、ということだ。そこへ今また、一本のバイブが深々と差し込まれていく。
『よーし、入った入った。じゃ、もう一回いこっか!』
 “3号”の掛け声で、4人の少女は頷き合い、手にしたバイブのスイッチを入れた。
『ひぐ、う゛っ……!!』
『あはははっ、イイ声。お尻がまた拡がって、堪んなくなっちゃった?』
『いつもの癖でカマトトぶってんのかもよ。ケツにバイブ詰め込まれてぶら下がってるとか、なんも可愛くないけどさ!』
 少女達は沙綾香の反応を嘲笑いつつ、スイッチを持ち替えた。新しいスイッチが指で操作されれば、当然別のバイブが振動しはじめる。
『あはっ、あ、あ……ぅ、うあっ…………!!』
 身を揺らし、苦しげな声を漏らす沙綾香。滴る汗の量が半端じゃなく、垂れ下がった足指の強張り具合も痛々しい。だがそんな反応ですら、責め手の少女達にとっては物足りないようだ。
『なにカワイ子ぶってんのよ。散々恥さらしといて、今更さあ!』
『そうそう、もう遅いから。逆にダサいよ、それ?』
 口汚く罵りながら、バイブの強弱を出鱈目に変える。
『ひっぐ!』
『お、反応してる反応してる』
『どれだろ、これかな? ……アハハッ、当たりっぽい、これだこれだあー!』
 たまに沙綾香が大きな反応を見せれば、その反応を引き出したバイブの出力を一気に上げる。
 首輪少女達は、そうして徹底的に沙綾香を辱め、見世物にしつづけた。哀れなのは沙綾香だ。
『んぐっ、は、んぐっ……!! っ、ぐはぁ、ぉ゛……お゛……っ!!!』
 無数のバイブで肛門を拡げられ、奥を掻き回されるうちに、とうとう呻き声が変わりはじめた。当然、少女達もギャラリーも、その声を聞き逃さない。というより、それを待ち侘びていたんだろう。
『ひひひっ、出たぜ出たぜ、あの声!』
『今度はずいぶん我慢してたじゃねぇか。ま、ムダだったけどな!』
 客がゲラゲラと笑う中、“1号”達もいよいよ歪んだ笑みを浮かべながら、さらに手元のスイッチを弄り回す。より、沙綾香が切ない声を漏らすように。より、足指が握り込まれるように。
 カメラマンも沙綾香の敵だ。沙綾香がひとり放置されているのを良いことに、その至近にまで歩み寄り、肛門周りを接写する。
 いつにもまして酷い映像だ。大小無数のバイブがうねり、羽音を立てる様は、洞窟で蟲が蠢いているよう。皺が無くなるほど拡がりきった肛門は、刺激を受けるたびにひくつき、その下に息づく割れ目もまた、しきりに開閉しながら雫を滴らせている。そうした変化は、余さずギャラリーに看破され、罵倒のネタになった。

『…………あれ、気絶しちゃった?』
『まさか。アナルイキに浸ってるだけだって』
 沙綾香の反応が薄くなった頃、“2号”と“3号”が顔を見合わせる。それを受けて、“1号”が沙綾香の髪を掴み上げた。
『はっ、はっ、はっ…………』
 沙綾香の顔はボロボロだ。鼻水を垂らし、涎を垂らし。もう何度も目にしてきた変化だが、今はなぜか、格別に品がなく見えてしまう。
『アッハ。やっぱ、ケツでイってたんじゃん!』
 “4号”のトドメの言葉で笑いを起こしながら、沙綾香の後ろに回った。そして、今もなお肛門で唸るバイブを、一本ずつ引き抜いていく。
『……っ!』
 バイブが抜かれるたび、沙綾香は小さく呻いた。
『ちょっと。気持ちいいからって、いちいち反応しないでよ』
 “4号”は言葉で詰り、抜いたばかりの粘液に塗れたバイブを衆目に晒して、ますます場を沸かしていく。その辱めが何度も繰り返され、ついに最後の一本が抜き去られた。
 カメラがまた肛門を映す。一本の異物も入り込んでいないというのに、真紅の穴はぽっかりと口を開けたまま戻らない。
『はははははっ、よく拡がってやがる!』
『綺麗なアナルローズじゃねぇか。こいつはVIPのダンナ方も、目ン玉剥いて驚くだろうぜ!』
 美少女の排泄器官を台無しにしたことが、ここの連中には嬉しくて仕方ないらしい。開いたアナルを眺めながら、ワインで祝杯を挙げている。魔女狩りを思わせる悪趣味な宴だ。だが、宴にはまだ続きがあった。
 吊るされた沙綾香が床に降され、マットレスの上で這う格好を取らされる。その後ろで、“1号”が薄いゴムの手袋を嵌めていた。ぎゅびっ、という音でゴムが延ばされ、細い手首に密着する。さらにその手袋に、たっぷりとローションが垂らしかけられ、沙綾香の肛門へと近づいていく。
『力抜いときなさい。って言っても……今は締められないだろうけど』
 その言葉が言い切られた直後、“1号”の指が肛門へと入り込んだ。すでに充分拡がっている肛門は、3本指をスムーズに受け入れた。さらに4本目、5本目も難なく入り込み、そしてついには、手の甲の部分までもが飲み込まれてしまう。
『あがああっ!?』
 当然ながら、沙綾香の反応は大きかった。今の今まで呆然としていた顔が、一気に強張る。よっぽどの怪我をした時の反応だ。その異常を目の当たりにしても、“1号”の薄ら笑みは消えない。
『ほーら、どんどん入ってくわよ』
 沙綾香の傍に膝をつき、より深く手を押し込んでいく。手の甲が通り抜けてしまえば、後は流れだ。1分と経たないうちに、手首までが隠れてしまう。
『ひひっ、入った入った! 骸骨みてぇな腕とはいえ、もうフィストができるとはなあ!』
『ああ。ケツに手が入るようになっちゃあ、もう普通の女にゃ戻れねぇぜ、お嬢ちゃんよお!』
 行為のハードさに便乗する形で、客の罵声も酷さを増す。沙綾香は一瞬その言葉に反応したが、“1号”の手がさらに奥深くへ入り込めば、耐えることを優先せざるを得なくなる。手指足指でマットを掴み、必死で耐える。そんな沙綾香を見下ろしながら、“1号”が微笑む顔のまま口を閉じた。その、直後。
『ぃひゃあああっ!?』
 沙綾香が急に悲鳴を上げた。彼女の変化を楽しんでいた人間さえ、虚をつかれるような大声だ。
『やっ、そ、そこダメ、何に触ってるの!? そこ触んないで、ホントにだめっ!!』
 目隠しをしたまま“1号”の方を振り返り、必死に叫ぶ沙綾香。これまでの反応の中でも、格別に大きい動揺だ。
『暴れないでよ。ちょっとS字結腸をくすぐっただけじゃない』
 “1号”は慌てふためく沙綾香を煽るように、ゆっくりと言って聞かせた。S字結腸と、確かに。
『S字、結腸……!?』
『そう。うんちが直腸へいく時のセンサー部分よ。敏感だから、こうやって指で弄られると……ほうら、気持ちいいでしょう』
 “1号”の手の甲が蠢く。中指と人差し指を鉤状に曲げる動きだ。
『やめてやめてっ、やめてってばっ!! それホントに駄目なのっ、ヘンになるっ!!!』
 沙綾香は腰を振り、這いずって、必死に逃れようとする。だが、それを他3人が許すはずもない。
『ヘンになるって? いいじゃん、なんなよ早く。お客さんもアタシらもみーんな、お前のおかしくなるトコが見たいんだからさあ!』
 足首と肩を押さえ込みながら、“2号”達が叫び返す。そこからは力比べだ。よほど危険と感じているのか、沙綾香は多勢に無勢の状況でも抵抗をやめない。腕にも足にも筋肉を浮き立たせ、逃げ出すきっかけを作ろうとしていた。
『くくくっ、すげぇ暴れっぷりだ。結腸を指で弄られんのが、よっぽど堪えるらしい』
『ああ。まるでレイプされてるみてーな反応だな。興奮すんぜ』
 女が醜い争いを繰り広げる一方で、男は気楽なものだ。ワイン片手に地獄を見下ろし、下卑た発言を繰り返す。レイプ……その単語が出た瞬間、沙綾香と“1号”が反応した。
『ねえ聴いた? 今お客様が、すごくいい表現をなさったわ。レイプですって、本当にそんな感じよね。ほら、言ってみなさいよ。結腸を指でレイプされて、感じてますって』
 “1号”が嘲りつつ、また手首に筋を立てる。骨と皮ばかりのその手の先が、肛門の中でどう動いているのかは判らない。だが想像するのは容易だ。マットレスの上で、つま先を立たせる沙綾香の足……それが全てを物語っている。
『あーら、腸液が出てきたじゃない。指に絡んでくるわよ』
 淡々とした指摘は、下手な野次よりも性質が悪い。事実として映像の中には、クチュクチュという音がしはじめていた。
『ん、ふううんんっ……!』
 沙綾香はマットを握りしめ、顔を左右に振って耐えるが、我慢もそろそろ限界だ。クチュクチュと音が鳴るたび、腰が跳ねる。
『ぅは、はっ……あ、はっ、ぉ……んはっ! ぉ、ぉ゛……くっ!』
 喘ぐ合間合間に口が尖り、『お』の声を出しかけては、必死に呑み込む。だが、見守る面子はそれを見逃さない。
『あはっ、まただぁ!』
『また、だねえ。ねえ豚、意地張んないで、思いっきり声出しなよ。んおおおおって叫びながら、うんちするみたいに気張ってさあ。腰ガクガクになるぐらい気持ちいいよ、お前みたいなヘンタイなら!』
 奴隷少女達による、悪意に満ちた茶化し。それを耳にして、とうとう沙綾香の堪忍袋の緒が切れた。
『……いい加減にしてよっ!』
 沙綾香は大声で叫び、横の“3号”に顔を向ける。
『人が大人しくしてれば、調子に乗って! あんた達だって、昨日まではイジめられてたんでしょ? なのに、なんでこんな事できんの!? 自分がされて嫌な事は他人にするなって、親に教わんなかったわけ!? そこにいる、客のオッサンらも! いい年して、若い子イジめて喜んでるとか、ホント終わってるよ!』
 よほど鬱憤を溜め込んでいたんだろう、凄まじい剣幕だ。だがどれほど迫力があろうと、檻の中のライオンを怖がる人間はいない。
『好き勝手言っちゃって。よく恰好つけられるよね。結腸アクメするマゾのくせに』
『か、感じてないってば! 結腸だかなんだか知んないけど、そんなとこ、弄られてもキモいだけだし!』
『うーわ、まだ言うの。バレバレなのに寒いよー?』
 あくまで意地を張る沙綾香に、“3号”が呆れ声を漏らす。沙綾香自身も表情は硬い。白々しい自覚はあるが、感じさせられた場所が場所だけに、受け入れるわけにはいかないんだろう。
 そんな中、責めを主導する“1号”が手を止めた。不思議がる仲間や客の前で、彼女は頬を緩める。
『こんなに強情なら、もう皆の前で証明するしかないよね』
 “1号”はそう言いつつ、肛門から手を引き抜いた。途端に、おおっ、と驚きの声が上がる。衆目に晒されたゴム手袋は、何かの液体に塗れていた。考えたくはないが、流れからいえば腸液の可能性が高い。少なくとも“1号”はそう確信している。だからこそ彼女は、沙綾香の公開処刑に踏み切ったんだろう。

                 ※

 沙綾香は、恥部周りを一旦拭き清められた後、さっきとは逆の格好を取らされた。寝転がったまま、足だけを持ち上げる形だ。その状態で、秘部にシールのような布が貼り付けられる。
『これは前貼りっていうの。薄いやつだから、マン汁とか染みるとすぐ判るよ。ま、感じないって言い張るぐらいだから、関係ないかもだけど』
 “4号”が秘部をなぞりながら囁きかけ、沙綾香の表情を引き攣らせる。一方で“1号”も、着々と準備を進めていた。新しいゴム手袋に付け替えた上で、瓶入りのゼリーを掬い取る。
『それじゃあ、いくわよ』
 “1号”はそう宣言し、ぽっかりと口を開いたままの肛門へと手を捻じ込んでいく。挿入はスムーズで、数秒とかからず手首までが入り込んでしまう。
 そして、“1号”が手首を曲げた直後……沙綾香が顎を浮かせた。
『ひあっ!? ちょっ……こ、これって!?』
 慌てた様子で、“1号”に問いかける。妙な反応だ。その理由は、すぐに明らかになった。
『そう。ちょっと前にも使ってあげた、浣腸ゼリーよ。グリセリンより効きが強い中級者向けの溶液だから、今のお前にはきついでしょうねぇ。強い便意に苛まれたまま、結腸をほじられ続けたらどうなるか……味わってみなさい!』
 その言葉と同時に、手首の動きが早まった。
『んぐっ! んは、はっ……く、んぐうっ……う゛!』
 沙綾香の歯が食いしばられる。無様を晒すまいとしているんだろう。
『くくくっ、頑張ってらぁ。アナル性感ってなぁ、ああして力めば力むほど深みにハマっちまうのによ。学ばねぇガキだぜ!』
『ま、藤花みてぇにプライドが一番って女もいるからな。こいつもこのルックスだ、さぞやチヤホヤされてきたんだろ。それが結腸で感じるマゾだったなんて、認められる訳もねぇよなあ!』
 沙綾香の健気さを、何人もの客が笑い飛ばす。そんな最悪な空気の中、くるるる、ぎゅるる、という音が響いた。沙綾香の腹の音だ。大量浣腸された時ほど深刻な音じゃない。とはいえ、まずい状況なのは確かだ。
『そーらそら、浣腸が効いてきたぜ。だろ、奴隷1号?』
 客の一人がそう問いかけると、“1号”は恭しく頷いた。
『はい。結腸がヒクヒクと蠢いて、指に吸い付いてきます。どうやら私の指先を、下ってきた大便だと勘違いしているようです。ねえ、そうでしょうお前。私の指をうんちだと思っているのよねぇ。本当、失礼しちゃうわ。意識を集中させなさい。ほら、うんちがこんな鉤爪みたいな動き、できないでしょう?』
 下劣な物言いで場を盛り上げながら、“1号”が手首の角度を変える。その直後、沙綾香の太腿が引き締まり、肛門からぶぢいっと放屁が起きる。
『んーー~~ッ!!!』
 とどめに口から漏れたのは、声にならない悲鳴。何かを我慢しきれない時に出るものだ。これは、格別に大きな笑いを呼んだ。客も調教師も、腹を抱えて笑い転げる。いっそ野次でも飛んだ方がマシな状況だ。
 そして、悪い事はもう一つ。
 これ以降、沙綾香は口を閉じられなくなった。

『……はっ、はぁっ……あッ、あ、あ! くあっ! あ、あ、ひあ!!』
 常に激しく喘ぎ、“1号”の手首が動くたびに声が出る。激しい反応だ。そこまでの反応が起きるようになれば、当然、別の変化も起きてしまう。
『あーあ。もう濡れてんじゃん』
 沙綾香の右足を掴む“4号”が笑い、指で前貼りをなぞった。彼女の言葉通り、ごく薄い前貼りは、その中心辺りがうっすらと透けかけている。沙綾香はそれに一瞬反応するが、すでに構っていられる状況にはないようだ。
『あッあッあッあッ、あっ…ダメ、ダメっ……!!』
 鋭い呼気を繰り返しながら、首を左右に振りたくる。どうやら絶頂が近いらしい。
『イク時は言うのよ。皆に聴こえるようにね』
 “1号”も同じことを察したらしく、そんなことを囁きかける。
『…………ッ!!!!』
 沙綾香は、かろうじて声を噛み殺した。だがそれは、あくまで第一波を凌いだだけのこと。“1号”の手は止まらない。当然、第二波、第三波が沙綾香を襲う。
『ぉっ、ほおっ…おお……ん、おっ、ほおお……っ!!!』
 沙綾香の唇が尖り、とうとう『お』行の呻きが漏れはじめた。客が沸き立つ中、“4号”達が沙綾香の両脚を拡げさせ、堪えづらい体勢を作り上げる。その上で“1号”が、骨ばった腕に筋を浮かせれば、それが決定打となった。
『ィひっ!? っひ、っ……ぉ、ぉ…………おお゛お゛っ!!』
 低い呻きと共に、沙綾香の腰が痙攣する。足指も空中で握り込まれる。さらに一秒遅れて、前貼りにじわりと染みが広がった。絶頂だ。疑う余地もなく。
『はははははっ、とうとうイキやがった!』
『だな。おまけに今のは、相当な深イキだぜ!』
 客は勝ち誇ったように叫び、沙綾香の心を抉りにかかる。
『あーあ、結腸で感じてるのバレちゃったあ!』
『つーかさあ、イク時は言えっつってんじゃん。ルールなんだから守んなよ。次黙ってイッたら、漏斗で小便飲ますからね』
 奴隷少女達も便乗して沙綾香を追い詰める。
『はっ、はっ、はっ、はっ…………』
 沙綾香は、荒い呼吸を繰り返しながら罵声に耐える。ただし、その目隠しの下からは、真新しい涙が伝っていた。

 一度絶頂してしまえば、勝負は決したも同然だ。沙綾香は、敏感さを増した結腸を弄られ続け、立て続けに絶頂へと追い込まれていく。
『あはぁお゛、お゛、んンンおおお゛っ!!! い、いくっイクッ、お尻のおくでっ、イクぅうう゛っっ!!』
 沙綾香に許されるのは、切ない声で絶頂を訴えながら、足をばたつかせることだけだ。マットレスを掴んでいた手が、今は側頭部の辺りを押さえているが、あれは何故だろう。狂いそうな頭を覆っているのか。あるいは万が一にでも目隠しが外れ、顔を見られるのを必死に防いでいるのか。解らない。傍からでは理解が及ばないほど、沙綾香の状況は悲惨だ。
『ふーん、またイったんだあ。もう何回目だっけ? あとさ。前貼り、剥がれちゃってんだけど』
 “2号”が嘲りながら、沙綾香の割れ目に指を沈めた。可溶性の素材なのか、すでに前貼りはほとんど破れていて、指の侵入を阻めない。“2号”は膣の中でぐちゅぐちゅと音を立ててから指を引き抜き、纏いついた愛液を沙綾香の鼻の下に塗りつける。
『ん゛!』
 沙綾香は嫌がって顔を逸らせるが、そのせいでまた絶頂に耐え切れなくなる。
『んふゅう゛、こっほ、お゛……っ!! ……はっ、はーっ、はぁっ、はぁっ……あダメっ、また、またくる、またくるううぅっ!? 』
 妙な吐息と共に絶頂に達し、それが終わらないうちにまた震え上がる。
『ほっお、おおっ、んんんんおおおお゛っっ!! んふっく、んはぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……もう、いや、もうやめて……。ず、ずっと、来てるの……来る感じがっ、ずっと繋がってるのおっ!! お願いわかって、もう無理なの、こんなの、ほんとにヘンになるから゛あ゛っ!!』
 沙綾香の言葉は、呂律のみならず内容まで怪しい。論理的に話す余裕がないんだろう。便意の限界を迎えた時、藤花が単語でしか話せなくなっていたように。
『おいおい、人間の言葉話せって。来るのが繋がってるってなんだよ』
『見てる感じだと、イってる最中にまたイっちまってんだろうな。止まんねぇ下痢便みてえによ』
『ひゃははははっ、なーるほど! じゃあなんだ、ありゃあ結腸アクメの下痢便ってか!!』
『ぶふっ!! お前、人がワイン飲んでる時に笑わせんじゃねーよ! 結腸アクメの下痢便とか、どんだけヒデー言葉作ってんだよ。相手は仮にも、VIP御用達の上級奴隷だぜ?』
 客達は沙綾香の言葉尻を捉え、容赦のない罵倒を投げかける。当然奴隷少女達も同情などせず、むしろ今が仕掛け所とばかりに、思いつく限りの嫌がらせを始めた。
 大股を開かせたり、足首を高く掲げさせて我慢が利かないようにするぐらいなら可愛いものだ。ある時には、そうして持ち上げた足を揃え、ぴっちりと股を閉じさせた。言うまでもなく、肛門に腕が入ったままで、だ。その刺激の強さは想像に難くない。実際に沙綾香はこの責めの間、やめてやめてと狂ったように叫び続けていた。
 地味に凶悪だったのは、“3号”の乳首責めだった。結腸の刺激と乳首への加虐のタイミングが合えば、沙綾香は切ない声で泣きながら、ガクガクと腰を震わせる。それは喚き立てる以上に支配欲を満たす反応で、客から拍手喝采を引き出すほどだった。

                 ※


『ななじゅう、さん……っ! な、ななっ、じゅうう…………よんんっ……!!』

 沙綾香のカウントが、静かな空間に響きわたる。彼女はスクワットの要領で、巨大なバイブに跨ることを要求されていた。
 バイブは極悪だ。太さはスチール缶に近く、長さはヒトのペニスの3倍以上──40センチはあるだろう。幹の部分は凹凸が多く、さらにペニスでいう雁首の部分にも、横一列にびっしりと真珠のような突起がついている。スムーズな挿入を阻むギミックだらけで、ただ肛門へ挿入するだけでも難儀する。
 しかも、沙綾香に課せられているのは根元近くまでの挿入だ。バイブの底から数センチのところにマジックで線が引いてあり、その線が肛門に隠れなければ、挿入とは見做されない。少なく見積もっても35センチ以上は飲み込む必要があり、直腸には収まりきらない。ではどうするかといえば、今まさに、沙綾香が75回目を披露しているところだ。
 肉感的な太腿が沈み込み、バイブと同じ大きさに開いた肛門が、凶悪な責め具を包み隠す。そのまま難なく6割ほどを飲み込み、そこで一旦動きを止める。長さから言って、ちょうど直腸奥へ達したところだろう。
『すーっ……』
 沙綾香は大きく息を吐き、大腿部に力を込めた。そして意を決し、さらに腰を沈めていく。
『なあっ、じゅう…………ご、おおお゛っ……!!』
 数をカウントする声は震え、美脚が痙攣する。今まさに、バイブが直腸奥で折れ曲がり、真珠の並んだ雁首で結腸の壁をこそいでいるんだろう。
 バイブの最後の特徴は、その柔らかさだ。痩せ細った奴隷少女でも、両手で力を込めれば曲げられるほどに。とはいえ、自然と曲がっていくほど柔らかくもない。固めのスライムのようなもので、直腸奥へ押し付けて体重を掛ければ、ようやく横へ弾けるという具合だ。経験者である“2号”は、満面の笑みで沙綾香にそう言い含めていた。
 沙綾香に課せられた挿入ノルマは100回。挿入のたび、バイブの雁首で結腸を虐め抜かれるわけだから、達成は容易じゃない。“2号”の説明中に調教師が噴き出したのを見る限り、彼女もまた成し遂げられてはいないようだ。
 それでも“2号”は、沙綾香に無理を強いる。バラ鞭を構え、沙綾香の腰が止まるたび、腹や太腿を打ち据えながら。
『ななっ、じうう…………なゃあ、ああ゛……っ!!』
 唾液交じりの口でカウントしながら、沙綾香がまた腰を下ろした。回を重ねるごとに、太腿の痙攣がひどくなっていく。今や雪山で凍えるかのような有り様だ。
『ふ、くっ……!』
 直腸で一旦腰を止め、気合を入れてさらに腰を沈める。その、直後。
『んんおおおお゛お゛っっ!!!!』
 沙綾香は口を尖らせ、低い呻きを漏らした。もう何回にも渡って我慢していたが、とうとう抑えきれなくなったんだろう。当然その生々しい悲鳴は、周囲の笑いを呼ぶ。だがやはり、沙綾香はそれどころじゃない。
『ハッ、ハッ……ハァ、ハァ…………!!』
 開いた口から舌を突き出し、犬のように荒い息を繰り返している。目隠しで覆われた目も、余裕なく瞳孔を開いているに違いない。
『はっ、まーたイキやがった』
 そう茶化す客の目は、沙綾香の股間に注がれていた。深く沈み込んだ腰……そこに花開く割れ目からは、失禁と見紛うような愛液があふれている。このスクワット責めだけで、何度達していることか。いい加減、体力も限界近いだろう。だから、体力のあるうちに少しでも回数を稼ごうと、すぐに腰を上げたのも頷ける。
 だが、“2号”はそれを見逃さなかった。
『ちょっと待ちなよ!』
 バラ鞭で沙綾香の乳房を横薙ぎにし、怒声を張る。
『え……?』
『え、じゃない! バイブのラインまで入ってないじゃん。77回目、やり直し!』
 叱りどころを見つけた姑のように、ヒステリックに喚き立てる“2号”。実に醜いことだが、今の沙綾香には、それに食って掛かる気力など残っていない。
『く、ふん、んんんっ…………!!』
 鼻声を漏らし、必死に腰を沈めようとする。だが、すでに充分沈んでいた状態の腰をさらに押し下げるのは、普通にスクワットをこなす以上に負荷がかかる。結果、すでに虐め抜かれていた沙綾香の足は、ここで限界を迎えた。
『あ、あっ!?』
 焦る声を上げながら、沙綾香は尻餅をつく。バイブを腸へ飲み込んだまま。
『ひゅぎいいいいっ!?』
 悲劇的な出来事が起これば、悲劇的な声が上がる。沙綾香は、長いバイブを根元まで飲み込んだまま、震え上がった。比喩ではなく、腰から肩へ身震いが駆け上がるのが視認できた。下から雷に貫かれたような反応だ。雷は、人体を焦がす。その人間の芯がどれだけ強固であろうと、いともあっさりと炭化させる。
『かはっ……あ、はっ、はっはっはっはっはっはっ……』
 沙綾香は尻餅をついたまま、狂ったように喘いでいた。その頬から太い涙の筋が流れ、続いて割れ目から飛沫が噴き上がる。
『うおっ……潮噴き、か?』
『いやあ、ションベン漏らしてんのかもしんねぇぜ……』
 客は会話を交わしながらも、呆然とした様子だった。呆然としながら、口元だけをニヤつかせている。奴らは、血の匂いを嗅ぎつけたんだ。散々嬲ってきた獲物が、今まさに致命傷を負い、血達磨で転がっている。それを察し、今は倒れた獲物の周りをグルグルと回っている状態に違いない。群れのボスが傍観する中、獲物にトドメを刺すのは、狩り方を覚えたての小さな捕食者だ。
『あーあ、腰抜かしちゃって。こりゃ失敗だね、どうする?』
 “2号”が溜息交じりに肩を竦めると、“4号”がバイブのスイッチを拾い上げた。
『決まってんでしょ、100回はやらせないと。でも、もう自力じゃ無理だろうから、こうしない? バイブ動かして、5分我慢したら1回分ってことにすんの。今77回目失敗してて、ノルマまであと24回だから、×5で120分。2時間たっぷり遊んだげよ!』
 “4号”はそう言ってスイッチを押し込み、バイブを駆動させる。
『え、あっ……いゃあああっ! な、なにこれっ!?』
 沙綾香は悲鳴を上げながら覚醒し、左右に顔を振り向ける。足をばたつかせてもいるが、立ちあがる余力はないらしい。その反応を前に、ギャラリーが口元を緩ませた。
『バイブのスイッチ入れただけ。リング回転と、ヘッドスイングってのがあるらしいよ。コレと、コレ。どっちがキツい?』
 “4号”は薄ら笑いを浮かべながらスイッチを操作する。
『あ、い、いやいやっ!! こ、擦れるっ、んあああっ、か、形変わっちゃううっ!!』
 沙綾香は震えながら、半狂乱で叫んでいた。血飛沫を上げるに等しいその姿を見下ろしながら、“2号”と“3号”が膝をつき、沙綾香の足首を掬い上げた。そのまま両脚がVの字に持ち上げられれば、沙綾香はどう頑張ってもバイブから腰を浮かせることが叶わなくなる。
『うあ、か、かはっ……ああ、ふ、ふかい! いや、いやいやっ!! やめて、おねがいやめてっ! これ、怖いいっ!』
 沙綾香の反骨心は、完全に失せた。不自由な身を震わせ、加虐者に哀願する……それしかできることがない。その願いが、けっして聞き入れられないと解っていても。
 バイブの唸りが増した。“4号”がまたスイッチを弄ったようだ。重低音が響く中、沙綾香の痙攣が激しさを増す。
『んわああああっ、ああうアア゛っ!! あアッ、かはっ、ほおお゛お゛お゛……っ!! やめて、やめてえっ! またくるっ、またあれが来るうっ!! お願い許して、なんれもするから!! もう、ホントに無理……本当に、ヘンになるからあ゛っ!!』
 沙綾香は身も世もなく泣き叫び、哀願を繰り返す。そんな沙綾香に、今度は“1号”が近づいた。
『だから、言ってるでしょう。変になればいいじゃない。男の人はね、ちょっと頭がユルいぐらいの女の子が好きなのよ。鼻っ柱の強さだとか、プライドの高さなんていらないの。そういう邪魔なものは、ここで捨てちゃいなさい。お前得意でしょう、ブリブリとひり出すのが』
 そう語り掛ける“1号”の右手指には、無数の突起のついた指サックが嵌められていた。“1号”のその4本指を割れ目に宛がい、上下に動かしはじめる。表面をぬるぬると擦る責めだ。百合もしていたから解る。その責めに激しさはないが、すでに何度も達している今、効果は絶望的に高い。
『あ、は、はああ゛っ!! あ、アソコまで……んきっ、ひい、いっぐ、う……っ!! はぁ、はぁ……むりっ、無理無理、無理いいイイイ゛ーーッ!!!』
 沙綾香は、割れ目から愛液を飛ばし、絶叫する。そしてここから沙綾香は、ほとんど常に叫んでいるようになった。普通の状況ではないから、叫ぶ内容も理路整然となどしていない。
『ふぁああ拡がるっ、おひりの奥が拡がるうっ!! うんちでちゃうっ、出ちゃうよっ、そんなのしたら出ちゃうっ!! もう漏れてるのっ、わかんないいいっ!! お願いっ、これ本当に無理なのっ!!』
 例えば、こんな具合だ。そしてこの必死の叫びを、“1号”達はあくまで楽しむ。
『ふうん。どう無理なの? 納得させられたら休ませてあげてもいいけど』
 あえてそう囁き、微かな希望を持たせもする。勿論、端から守る気などない約束だ。
『ほ、ホントっ!? あの、あのあの、う、うんち、ずっとうんちしてる感じなのっ!! ずっと、漏れてるかんじで、漏らしてるのに、それで感じて、い、い……いっちゃう、の……』
『あら、それでイクの。それは、オマンコで?』
『お、おまんこもっ、ヒクヒクするけど……お尻の奥っ、け、結腸?が疼いて、イク時には背中に快感が走るの。そしたら、腰が抜けそうなぐらい気持ちよくて……』
『へえ、そりゃ良かったじゃん』
『よ、よくないのっ!! 気持ち良すぎて、こ、怖い……底なし沼に沈んでるみたいっ…………あ、あ、またきた……ふんッ、ぐ、ぐう……っああ来る、来る、来る来るくるうううっ!!』
 その絶叫と同時に、沙綾香の両脚に震えが走った。電流が迸ったようだ。その出所へ目を向ければ、脚の震えに納得できてしまう。さっきまでぴったりと床についていた沙綾香の尻が、浮いている。轟音で唸る極太のバイブが、その出力でもって沙綾香の腸内を押し上げているせいだ。
 床と隙間のできた肛門からは、くっちゃりくっちゃりという耳に馴染みのない音が漏れ続けている。壷に入った水飴を角材で掻き混ぜるような音。実際、カメラに映らない内部では、腸液を潤滑油にバイブが柔肉を練っているに違いない。その状況が休まず続けば、脚だって震える。普段は出さない声も出る。
『ほっ、ほおっ、おおお゛おお゛っ!! い、いく、またイグっっ!!』
『ふうん。どこでイクの?』
『ほおっ、ほおおっ……お、おひりっ、お尻でイクっ!! おひりで、イグ、ぁ、あイグ……んぐうう゛っ!! うう゛んん゛おおお゛お゛お゛っ!!!』
 唾液が絡んで不明瞭な声。絶頂続きで満足に息もできず、鼻水と涎を垂れ流しながらグシャグシャに歪んだ顔。凍えるように震え続けるモデル級の肉体。その全てが笑いものになった。元が良いだけに、余計におかしい。そんな言葉が何度も聴こえていた。
『おい、そろそろ水飲ませてやれ。口移しでもいいぜ』
 壁にもたれて様子を見ていたドクロタトゥーの調教師が、近くの“4号”に指示を出す。最初の頃の、恫喝するような口調とはずいぶん違う。まるで後輩に接しているようだ。指示を受けた“4号”も、見違えるように落ち着いていた。
『承知しました』
 そう言ってコップに水を注ぎ、沙綾香の背後に回る。そしてコップの水を口に含むと、喘ぐ沙綾香の口を奪った。
『ん、んむ゛っ!? んむ゛っ、ぃえれ゛っ!!』
 沙綾香は嫌がり、顔を振る。だが“4号”はその顎を掴み、強引に口づけを受け入れさせた。ただ唇を重ねるのみならず、舌まで入れる濃厚なキスだ。沙綾香が嫌がったのもわかる。それはまるで、征服の儀式のようだった。
『あら、オマンコがヒクヒクしてきたわ。ディープキスで感じてるみたい』
『うわ、マジ? こいつレズなのかな。今のこの調教も、喜ばせちゃうだけかもね』
『なんかムカつくねー、それ。だったらさ、呑気に喜んでらんないレベルで追い込もうよ。ウンコするだけでイク身体にしちゃお』
 心根の歪んだ奴隷少女達の笑い声は、鈴を転がすように澄みきっていた。舌を突き出し、涎を垂らしながら、女らしからぬ声で呻く沙綾香とは正反対だ。
 正直者が、馬鹿を見る。
 俺は、悶え狂う沙綾香を観ながら、そんな言葉を思い出していた。


 
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