※スカトロ注意


 バーのある通りに入ると、その瞬間に奈津美の存在が解った。
 風俗嬢だらけの中にあって、クールな彼女は明らかに浮いている。
 パンツスーツに白ブラウスという固い格好ながら、なお艶やかな女らしさが漂う。
 しかしナンパを仕掛ける者はいなかった。ホスト連中でさえ遠巻きに耳打ちし合うだけだ。
 当然だ、と晃は思った。
 あからさまに無理そうな感じがする。
 パンツスーツを着用しているのは、スカートで男に媚びる気などないという表明だろう。
 同時に己の価値をよく自覚しているタイプだろうし、恋人にも切磋琢磨しあえるだけの資質を求めるクチだ。
 裏通りにたむろする男では相手にならない。
 無論それは晃も同じで、高嶺の花である奈津美に近づくことなど許されなかった。
 ……ほんの、数日前までは。

「おい、アイツ…………!」
 晃が奈津美の前に立つと、通りに緊張が走る。ついに無謀な馬鹿が出た、と。
 だが奈津美が拒否ではない表情を見せた時、その緊張はざわめきに変わった。
「あら、早いのね。偉いわ」
 奈津美は腕時計を見やり、約束の10分前である事に賛辞を与える。
 晃達より4つ下らしいが、上に立つ姿がひどく堂に入っていた。
 小学校でクラス委員、中高で生徒会長をしていたタイプだろう、と晃は思う。
 根拠のない憶測だが、あながち間違ってもいない筈だ。

 奈津美は横に並ぶと170cm台の長身であることがわかる。何しろ晃と目線が同じだ。
 股下はありえない長さで、ベルトラインが晃の臍より高い。
 完全に西洋人モデルの体型だった。
 由希が可憐であったように、この奈津美もまた麗しい。
 珠玉に次ぐ珠玉。晃は涎が垂れそうになる。

「すみません、私などの為にわざわざお時間を下さって」
 晃が康平らしい謙虚さで頭を下げると、奈津美はふっと笑った。
「部下の面倒を見るのが上司の仕事よ、気にしなくて良いわ。飲みながら話しましょう」
 奈津美はショートヘアを靡かせてバーの戸を開ける。
 気楽に、とはよく言ったものだ。
 こうして二言三言会話を交わしただけで、もう通りの視線を集めているというのに。

 バーは薄暗く、しかし夜だけあって客で溢れかえっていた。
 喧騒が辺りに飛び交う。
「ずいぶん賑やかですね」
 晃には少し意外だった。奈津美の雰囲気からしてシックな店を選ぶと思っていたからだ。
「社外秘の話をする時は、こういう場所がいいのよ」
 奈津美はそう言いながら奥まりのテーブル席へ向かう。
 姿勢を正した歩き姿は絵になり、カウンターの男達が口笛を吹いた。
 晃が奈津美の向かいに座ると、サービスだというジン・トニックのグラスが運ばれてくる。
「こういうショットバーには来たことがある?」
 奈津美はそう切り出した。間近で見ると恐ろしいほど整った顔だ。
「え、ええ、何度かは」
「そう、でも何だか落ちつきがないわ。取引先との接待ではしゃんとしなさい」
 ぴしゃりと述べる言葉には気迫がある。
 晃は内心で震えた。
 奈津美の挙動や目配りには隙がなく、下手を打てば即座に成りすましが暴かれそうだ。

 しかし、対話は意外と穏やかに進んだ。
 奈津美は晃が恐れる休職理由への言及はしない。
「休職の必要があるならキッチリと休みなさい。半端に仕事を続けるより良いわ。
 復帰後は周囲の評価が厳しくなるけれど、そこは踏み堪えなければいけない所よ」
 それが奈津美のスタンスだ。口調こそきついが、この場は純粋に激励目的で開いたらしい。
 厳しくも温かな上司、といった所だ。
 そうなれば晃が考えるのは、この女をどう酔わせるか、それだけでいい。

 ただそれも一筋縄ではいかなかった。
 晃は会社勤めで上司を酔わせるノウハウを身につけていたが、奈津美はそれをさらりとかわす。
 逆に晃が飲まされるほどだ。
 恐らくは暗に接待のやり方を仕込んでいるつもりなのだろうが、晃からすれば厄介この上ない。
 正攻法では晃が先に酔い潰れるのは確実だった。

 だが、晃にはひとつ策がある。普通なら絶対に使ってはならない、危険な策だ。


「……それでですね、私は思うんです。我々が建前と呼んでいる物とは、突き詰めればですね……」
 晃は下らない話を続けてとにかく時間を進めた。
 奈津美はアルコールに強く、今はシングルモルトのスコッチを味わっている。
 そのまま飲み続けてもお開きまでは潰れないだろう。だが、そんな彼女でも避けられないことがある。

 晃がなお語り続けていた時、奈津美がふとそれを遮った。
「ごめんなさい、5分だけ席を外すわ」
 そう言い残してトイレに向かう。晃はしてやったりとほくそ笑んだ。
 奈津美にトイレへ向かわせる事こそが時間稼ぎの目的だ。
 人は水分を摂れば尿意を催す。特に女の膀胱は男より小さいため、その間隔も短い。

 晃は店内を見渡した。
 宴もたけなわ、店中が馬鹿騒ぎで晃へ注意を払う者はいない。
 晃はその隙に懐から粉入りの袋を取り出す。康平の部屋にあった抗うつ剤だ。
 袋に貼られたメモによると、

 『水溶性が高く味も薄めで、ジュースに溶かせば苦味がわからない。
 レスリン・テトラミドが含まれ、鎮静効果ですぐに深く眠れる』

 らしい。
 晃は最初にメモを見て笑った。
 まるで人を眠らせるのに使え、とでも言うようではないか。
 実際、その効果は強烈だ。
 アルコールと薬の催眠効果が重なれば、どんな酒豪も一発で沈む。
 ゆえに決して行うべきではない危険な行為だ。
 だが晃はあえてその禁忌に踏み入った。

 奈津美のスコッチに粉を入れ、かき混ぜる。粉は一瞬にして溶けた。
 スコッチほどクセの強い酒なら味で解ることもないだろう。

「……悪かったわね、話に水を差して」
 ややあって奈津美が席に戻る。
 涼しい顔をした晃の前で、奈津美は飲みさしのスコッチを傾けた。

 テーブルがガタンと揺れたのはその数分後だ。
「課長、どうなさったんです!?」
 晃が白々しく声を掛ける先で、奈津美は机に突っ伏していた。
 店の視線が奈津美に集まる。
「ど、どう……して…………?」
 奈津美は震えながら肘をついた。一気に酔いが回り、もう瞼を開けているのも辛いはずだ。
「大丈夫ですか、課長!!」
「……くっ!」 
 晃が大仰に心配すると、奈津美は無理矢理に背を起こす。
 部下が酔い潰れる前には絶対に落ちない覚悟だ。
 だが晃の演技で他の客も騒ぎ出し、急遽店先にタクシーが呼ばれる。

「降ろ……しなさい……ひとりで……帰……れるわ……」
 奈津美はタクシーの中でも抗った。
 実際、記憶をなくすほど酔っていても、自宅には自力で帰り着くタイプだろう。
 だが前後不覚のなか康平のマンションに連れ込まれ、ソファに座らされた瞬間、
 奈津美はがくりと首を垂れた。
 さすがの奈津美も、安堵した時の睡魔には勝てなかったらしい。


   ※

「なんとか上手くいったか……」
 晃はソファで息を吐いた。深く眠り込んだ奈津美に起きる気配はない。
 晃はその奈津美のスーツをそうっと脱がしにかかる。
 ブラウス姿にすると酒の匂いが強まった。
 クールな美人が頬を染めて酒の匂いをさせるのはそそる絵面だ。
 さらにブラウスのボタンを外していくと、青い宝石つきのネックレスが覗く。
「高価そうだな。この石ころで何百万するんだ?」
 晃が毒づいた。奈津美という人間の恵まれぶりを象徴するようだ。

 晃は劣等感に苛まれながら奈津美のブラジャーを剥ぎ取った。
 豊かな乳房が零れ出す。
 カップはEかFか、28歳とあって少し崩れてはいるが、突き上げればさぞかし揺れるだろう。
 乳輪と中心の尖りは初々しいピンクで、男の扱いに長けるイメージとはややギャップがある。
 ボディラインはスレンダーだ。
 縦に一筋入った腹筋はスポーツジムの女を思わせる。
 海で焼いたのだろうか、肌がほどよく色づいた中で乳房だけが白い。
 晃はさらに奈津美のベルトに手をかけた。
 ベルトを外しロングパンツを脱がせると、黒のストッキングが視界に飛び込む。
「……すげぇ脚だな……」
 晃は息を呑んだ。西洋モデルのような脚線に黒ストッキングは反則的だ。

 ブラウスをはだけ、下はストッキングのままソファに横たわる美女。
 いかにも襲われたオフィスの女という格好だった。
 晃はそれを逃がすまいと、箪笥から麻縄を取り出す。
 康平の金で買い漁ったアダルトグッズの一つだ。
 いきなり本格的な緊縛は無理だが、動きを封じるぐらいはできる。

 晃はまず奈津美の手首を後ろ手に縛った。
 それから奈津美を革張りの椅子へ腰掛けさせ、脚をMの字に開いて脛と太腿を結び合わせる。
 大股開きの、シンプルながら羞恥心を煽る縛りだ。
 椅子の座部はよく沈み、普通に座っても立ち上がるのに力がいる。
 そこへ縛られ押し込められたとあっては、自力ではまず抜け出せまい。
 奈津美にとっては絶望的な状態だが、観る者には極楽だ。

「人生最高の眺めだぜ、こりゃあ」
 晃が目を細めた。奈津美のすらりと長い脚はこの縛りに映える。
 晃は上機嫌で次の準備に移った。

 ビデオカメラを取り出し、USBでそのカメラとデジタルレコーダー、テレビを繋ぐ。
 そうすればビデオに撮った映像をテレビで直接観ることが可能だ。
 試しに眠る奈津美へビデオを回すと、スクリーンのような大画面にあられもない姿が映し出された。
 部屋の四隅にあるサラウンドシステムが些細な息づかいまで響かせる。
「ちょっとしたAVのつもりだったが、まるで映画だな」
 晃はビデオカメラを三脚に取り付けながら笑う。

 奈津美を縛り上げ、撮影の準備も整い、万一に備えて服も隠した。
「さて、と」
 晃は息を整え、奈津美のストッキングを股部分から引き裂く。
 下着はピンクの“紐パン”だ。パンツスタイルでもショーツラインが出にくいためだろう。
 その紐パンを解くと、ついに奈津美の秘部が露わになる。

 恥毛がかなり毛深い。臍から尻穴にまで墨を塗ったように生い茂っている。
 こうやって秘部を見られる事など想像もしていなかったのだろう。
 あるいは商社の課長ともなれば、毛の処理をする間もないほど多忙なのかもしれない。
「あんなお高くとまった顔してて、こんな剛毛を隠してたのかよ。奴らに知られりゃ暴動もんだぜ」
 晃は遠巻きにしていたホストを思い出す。

 濃い茂みは晃の欲望を増幅した。ただ濃すぎるため、肝心の割れ目がほとんど見えない。
「これはこれで良いもんだが、仕方ねぇな」
 晃はバスルームに入ってシェービングクリームと剃刀を探しあてる。
 そして奈津美の恥毛にたっぷりとクリームを塗りつけた。
 テレビ画面に恥毛の剃られていく様が映し出される。
 恥毛を剃られる間も奈津美は目を覚まさない。その寝顔は子供のようにあどけなかった。
 人前で寝顔など晒さない女だろうから、かなり貴重な映像だ。

 毛をすべて剃り落とすと、見違えるほどに綺麗な肌が覗いた。
 上半身同様、太腿は健康的に焼けているのに三角地帯だけは雪のように白い。
「おおっ……」
 晃は股座を覗き込みながら、ある一点に目を奪われていた。
 奈津美の肛門だ。
 背を座部につける格好のため、肛門は晃の真正面に晒された。
 白い尻肉の中心に放射状に皺が並び、全体に淡い桜色をしている。
 排泄器官と称するのが躊躇われるほど慎ましい蕾だ。
「これが、奈津美のケツの穴か。へへ、マジでこんなに綺麗だったなんてな……」
 晃は吸い寄せられるように肛門へ口づけした。
 味はわからない。だがあの奈津美の肛門を舐めているのだという事実が晃を満たす。

 3日前、奈津美を知ったときからこうしたかった。
 高貴な彼女を尻穴で悶えさせたいとグッズを揃え、その使い方を調べながら、
 どう辱めようかと妄想を膨らませた。
 それを実現させる時が来たのだ。


   ※


 晃は夢中になって奈津美の肛門を舐め続けた。
「……な、何をしてるの!?」
 そう悲鳴が漏れたのは、数分後の事だった。奈津美がようやく目覚めたらしい。
 晃は意に介さずに尻穴を舐り続ける。
「やめなさい!」
 奈津美は鋭い声でさらに叫んだ。
 目が覚めれば見知らぬ部屋で縛られ、裸で尻穴を吸われている。
 しかもあれだけ剃っていなかった恥毛が、いつの間にか残らず処理されてもいる。
 その恥辱たるや如何ほどのものだろう。
 晃はそれを想いながら、肛門の皺へ舌を這わせて唾液を塗りこめる。
 桜色の蕾がひくついた。

 蕾周りの肉を親指で押しやり、蕾に口を開かせて門に舌を這わす。
 蕾を形成する内向きに膨らんだ筋肉を、一つずつ、慈しむ様に丹念に舐め上げ、
 時に押し開く力を緩めて蕾そのものを吸い上げる。
 ずぞぞぞっという音が機器で部屋中に響き渡る。かなり唾液が入っていたらしい。
「やめなさい、いい加減にしなさい!!」
 プライドの高い奈津美は高圧的に命じ続けた。
 だがそんな彼女も、酔ったまま全裸で尻を吸われ、確実に感じてきているようだ。
 小刻みに強張る太腿はそれを如実に表していたし、肛門を啜り上げながらふと見ると、
 割れ目も物欲しそうに喘いでいる。

 気持ちの良くないはずがなかった。
 人はみな幼少時に肛門期を経て育つ、たとえ一生女陰の性感を知らずに終わる令嬢でもだ。
 鹿や狼でさえ肛門の快感は知っていて、仲間同士舐めあったりする。
 肛門のもたらす快感は生物の根源に関わるものだ。
 この極上の女とて、尻穴を延々と舐られれば凛然としてはいられない。
 特に酒の入っている今は、身体が快感にむけて開いているはずだ。
「本当にもうやめなさい、クビになりたいのッ!?」
 恥辱に塗れた奈津美の怒号。尻穴から漂いはじめる肉の香り、異臭。
 それらを楽しみ、晃は呆れるほど残酷に尻穴を舐り続ける。
 受けるだけの奈津美はどんどんと追い詰められていく。

「ううっ!!」
 ある時ついに奈津美が声を上げた。
 見上げると、彼女は天を仰いでいる。その瞬間強い女の香が漂い、割れ目から濃厚な蜜がどろりと伝い落ちた。
 蜜はゆっくりと肛門の脇を流れていく。
 肛門を吸い続けられた奈津美が、ついに達したのだ。
「オフィスの高嶺の花が、尻を吸われて絶頂か。人間の身体なんて単純なもんだな」
 小指大に口を開いた肛門を撫でると、奈津美の太腿が跳ねた。
 それに気を良くしながら、晃は小指を肛門にゆっくり沈めていく。
 食い千切るようなきつさの中を進むと、あるところで硬いものに行き当たった。
 それが何かを悟り、晃は口元を吊り上げる。

「おいおい、なんだこれ?アンタでもクソが溜まるのかよ。
 涼しい顔して男の目を浴びてたくせに、皮一枚かっさばきゃあただの糞袋ってわけだ」
 晃が煽ると、奈津美の射殺すような視線が晃を捉えた。
「に、人間なら排泄物が出るのは当たり前でしょう!
 あなたはどうなの?一度もトイレに言った事はないとでも主張するつもり!?
 自分の事を棚に上げて、人の欠点ばかり挙げる。大したお人柄ね!」
 凛々しく正論で返す奈津美に、晃は可笑しさが止まらない。

「解ってねえなぁ。全然違うんだよ、俺とアンタじゃ。
 ゴミみたいな俺にクソが詰まっている事実と、女神みてぇなアンタにクソが詰まっている事実。
 こりゃもう全く別の話だぜ」
 晃は言いながら、箪笥を開けてローションボトルと烏口の器具を取り出した。
 妖しく銀色に光るそれを見て奈津美が危機を察する。
「これを知ってるか?」
「知らないわ、あなたみたいな変質者の得物なんて。……それで何をするつもり?」
「こいつは肛門鏡っつってな、この20cmばかしの烏口を肛門に差し込んで、
 腸の奥の奥まで開こうってんだ。きっとよく見えるぜ、何が入ってるかよ」
 晃のその言葉を耳にし、さしもの奈津美も動揺を隠せない。
「くっ、うっ!」
 後ろ手に縛られた手首を揺すって逃げようともがく。
 だが底なし沼のような椅子の中では、自力で逃げ出すことなど傍目にも絶望的だ。

 晃は肛門鏡の烏口にたっぷりとローションを垂らし、奈津美の肛門へと宛がう。
「暴れんなよ。仮にも金属なんだ、明日からトイレで泣くことになるぜ」
 晃が脅すと、奈津美は承服しがたい顔ながらも抵抗をやめた。
 狭い腸内にゆっくりと肛門鏡を押し入れると、20cmの烏口はかなり深くまで入っていく。
 奈津美は冷たい感触に眉を顰めた。
 晃は烏口を完全に埋め込むと、今度はゆっくりと開いていく。
 徐々に腸壁が見えはじめ、完全に開くと奈津美の腸内が露わになった。
 晃はそれを満足げに眺めながら、三脚からビデオカメラを外した。
 そして奈津美の前で腸内をアップに撮りはじめる。

「……ぐう、うっ!!」
 奈津美が悔しげに俯いた。
 無理もない、144×95cmのテレビ画面に自分の腸内が大きく映し出されたのだ。
 女が直視するにはあまりにも残酷な映像だった。
 だが晃は片手でビデオを撮りながら、もう片手で奈津美の顎を掴んで無理矢理に観させる。
「どうだ、え?ずいぶんと溜まってそうだなあ」
 晃も大画面を観ながら嘲笑う。

 画面には複雑にうねるピンクの腸壁がはっきりと映し出されていた。
 その洞穴のようなものの底、画面下部に黒茶色の水溜りがある。さながら洞穴のせせらぎだ。
 晃がカメラをやや下に向けると、そのせせらぎが画面中央に映された。
 泥団子に似た汚物がアップになる。
 汚いそれをたっぷりと映像に残した後、カメラを引いて美しい奈津美自身も映像内に入れる。
 愛液をてからせた割れ目、白い乳房、宝石のネックレス、顎を掴まれた美顔。
 奈津美が目を見開く。

「綺麗な身体だよなあ、顔も別嬪さんだ。でも下を見りゃあんなに汚ねぇ。
 アンタにクソが詰まってるのは別の話って意味……解ったろ?」
 晃は奈津美の顎を離し、肛門鏡をゆっくりと引きずり出した。
 広がりきっていた肛門は再び菊の花に戻り、中心からわずかにローションの泡を覗かせる。
 奈津美は汚辱の映像が途切れたことで大きく息を吐いた。
 安堵か失望かは解らない。
 第一、晃にはもう奈津美の心理を考えている余裕など無かった。
 写真を一目見ただけで心臓が破けそうに高鳴った相手の、腸内の有り様を覗いたのだ。
 手足まで震えるほどに興奮している。


「さあ、あんだけ汚れてたんだ。綺麗にしねえとなぁ」
 晃は息を荒げながら準備を始めた。奈津美はその内容に目を見張る。
 まず床と椅子の座部に粗相用のシーツが敷かれた。
 次いで洗面器にぬるま湯が汲まれ、そこに透明な薬液が落とされて無色のとろみが広がる。
 さらには注射器に似たガラス製のシリンダーが薬液に浸された。
 グリセリン浣腸だ。
 奈津美がそれをされた経験など勿論ないだろう。
 だが彼女の洞察力なら、それが薬液を注ぐための準備であることが解るはずだ。
 そして注がれる先とは、今までの会話から奈津美の腸内に違いなかった。
 晃は奈津美の表情を楽しみながら、浣腸器に薬液を吸い上げては吐き出させる。
 空気を追い出す為だ。
 それが終わった後、改めて薬液を吸い上げて奈津美の前に戻る。

 奈津美の肛門は先ほどの舐りでかすかに口を開いていた。
 晃は浣腸器を片手に、ボトルからローションをひと掬いしてその肛門に塗りつける。
 窄まりがひくんと反応するのが面白い。
 そうやって潤滑を増した後、ついにガラスの嘴口を奈津美の肛門へと宛がう。
「や、やめなさいっ!!」
 奈津美はここへ来ても高圧的な態度を崩さない。
 しかし肛門を見下ろす表情には明らかな怯えが見て取れる。

 晃は奈津美の荒い呼吸を読み、タイミングを合わせて嘴口を押し込んだ。
「うんっ……」
 奈津美が目を細める。叫ばないのは流石といったところか。だが、まだこれからだ。
「入れるぞ」
 晃は一声かけてシリンダーの尻に手をかけ、強く押し込む。
 奈津美の腹圧による抵抗がくるが、無理矢理に注ぎ込んだ。
「いや、は、入って……くるっ……!!」
 奈津美は余りの汚辱に呻いた。紛れもなく腸内に水が入っているのだ。
「ああそうだ、奈津美。お前のきたねぇクソ穴を浄化してくれる、ありがたい水だぜ!」
 晃は腕が震えるほど興奮しながら罵った。

 すぐに一本目の浣腸器が空になる。
 100ml入りの容器なので、初めての浣腸とはいえまだ入るはずだ。
 晃は嘴口を抜き出し、再度洗面器へ浸す。
「はぁ……はぁ……っ」
 奈津美は目を閉じたまま呼吸を荒げていた。
 そして晃の指がまた肛門を押し開くと、信じられないという顔になる。
「まだ入れる気なの……?」
「当たり前だろう、まだ100mlだぜ」
「嘘をつきなさい、あれがたった100mlなわけがないでしょう!」
 奈津美は晃に叫ぶ。腸内への僅かな注水は、彼女にとって凄まじい容量に思えたらしい。

「お前がどう感じようが、事実は事実だ。そら、もう一本いくぞ」
 晃は再度嘴口を肛門に咥えさせた。桜色の蕾が押し開かれる様は小人のフェラチオのようだ。
 シリンダーをゆっくりと押し込むと、腹圧に勝って少しずつ水が入っていく。
「んんん、ぁ、熱い……っ」
 奈津美が小さく唸った直後、彼女の下腹の奥がきゅろろろ、と小さく唸った。
「腹が鳴ってるぜ。腸ん中がぬるま湯で刺激されてきたか?」
 晃が問うと、奈津美は答えずに目線を逸らす。
「へっ、強情な女だ」
 晃は嬉しそうに呟いた。

 洗面器に汲んだ湯を粗方吸い上げ、4本分、400mlが奈津美の中に注がれた。
 初めての浣腸としては入った方だろう。


「さ、さぁ、気が済んだでしょう。この縄を解きなさい」
 注入を終えた瞬間、奈津美が言った。
「はぁ?何でだよ」
 晃は惚けたような笑みで答える。勿論言わんとしている事を知っての上でだ。
「トイレに行くのよ、それぐらい解るでしょう!」
 奈津美は顔を赤らめて怒鳴りつける。晃はますます笑みを深めた。
「いや、全く呑み込めねぇ。何でお前をトイレに行かせなきゃいけねぇんだ」
「何を言ってるの、じゃあどうやって……」
「牛豚でも解るハナシだろ。“ここ”でするんだ」
「なっ……!!」
 晃が淡々と返すと、奈津美の顔が怒りに震えた。
 晃は世話が焼けると言いたげに肩を落とす。
「わかったよ、じゃあ……10分だ。10分だけ耐えられたらトイレを使わせてやる」
 晃はそう条件をつけた。
 初めてのグリセリン浣腸は5分と耐え切れない、という噂を思い出した上での酷な提案だ。
 だが晃が譲歩した以上、奈津美も意地を見せて頷く。
「……じゅ、10分ね、いいわ。必ずよ」
 すでに声が震える中、タイマーが設置され、奈津美の地獄が始まった。

 晃は浣腸に耐える奈津美を悠々と観察しはじめる。
 惨めな格好だ。
 肌は健康的に色づき、乳房と三角地帯だけが白い。
 上は乳房を露わにした丸裸で、後ろ手に縛られ、高価そうなネックレスだけが提がっている。
 下は脚を開いて縛られ、股部分の大きく破けた黒ストッキングが絡みついている。
 肛門は薬液を漏らすまいときつく閉じたままだ。

 晃は眺めるに飽き足らず、その美しい身体に舌を這わせはじめた。
 縦線の入った腹筋を舐め上げつつ乳首を摘むと、奈津美の肩が震える。
「牛みてぇな乳だな。よく痴漢されるんじゃないのか、ええ?」
 晃がなじると、奈津美の目がふと悲しみの色を湛えた。

「……白戸くん、あなたは知っている筈でしょう?私が昔、給湯室で部長に痴漢をされていた事」
 今までとは違う目だ。晃は胸が高鳴る。
「その部長を止めてくれたのは、あなたじゃない。
 私はあの日、男にだけは負けないと誓う一方で、あなたの力になろうと決めたのよ。
 出世コースを外れたあなたを、何とか引っ張りあげるつもりでいた。
 ……それなのに、こんな、男だったなんて……!!」
 奈津美はそう言って涙を零した。

 なるほど美談だ。
 だが晃にしてみれば、また康平か、と黒い想いが募るばかりだった。

「……ああ、そうだったな。確かにあん時も、お前はこうやって陵辱されてたっけ。
 さすがの俺も頭に血が上ったよ。
 なにせお前を犯すのは、この俺の悲願だったからなぁ!」
 晃は歯を剥きだして笑う。康平のイメージを自ら穢していく事が快感だった。
「……き、気が狂ってる……!」
 奈津美は親の敵のように晃を睨み据える。
 晃はその奈津美の乳首を吸いながら、片手の小指を奈津美の尻穴へと埋めこんだ。
「あっ!」
 奈津美の桜色の唇が開いた。晃が指を捻ると、ますます口の開きが増す。
「どうした?」
「や、やめてっ!今そんな事されたら、が、我慢がっ……!!」
「我慢がどうなんだ?」
 晃は意地悪く指を抜き差しする。
 奈津美が唇を噛む。

「じゃあ率直にこう言いな。
 『お尻の穴に指をズボズボされると、我慢できなくてうんちを漏らしてしまいます、
 どうかお止めください』 ってな」
「だ、誰がそんな事……!」
 晃の提案を、奈津美は眉を顰めて拒否する。
 だが指がさらに奥へ入ると、首を跳ねさせて声を上げた。
「わ、解ったわ、言うわ!……お、お尻の穴に指を、ズボズボされると、我慢っ、できなくて……
 う、ちをっ、うんちを、漏らしてしまいます! ど、どうかお止め……くださいっ!!」
 その哀願はテレビにしっかりと映し出され、部屋中に響き渡る。
 晃は大袈裟に笑いながら小指を引き抜いた。

「そこまで惨めったらしくお願いされちゃあ、しょうがねぇ。大人しくケツでも観てるか」
 そう言ってビデオカメラを拾い、奈津美の尻穴をアップで写しはじめる。
 限界が近いのは明らかだった。
 奈津美の肛門は喘ぐように細かく開閉し、その開きに応じてごく小さな放屁が起きる。
 同時に穴の奥から泡が溢れ、奈津美の呼吸でその泡が吸い込まれた直後、
 黒い空洞となった内部から茶色い汚液が流れ出す。
 その汚液で白い尻肉はすっかり汚れきっていた。
 奈津美自身もその映像を目の当たりにし、汗まみれの眉を顰める。
 一気に限界が近づいたことだろう。傷口を見たときほど痛いものはない。


「……じゅ、10分まであと、どのくらいなの?」
「4分26秒だ。良かったな、あと少しだ」
 晃は白々しく褒める。時間はあと半分近くもあり、とても保つわけがない。
「ふんんん……!」
 奈津美は目を強く瞑って必死に耐えた。だがそれも無駄な抵抗だ。
 それから40秒後、ついに奈津美が叫び声を上げる。
「お願いッ、トイレに、トイレにいかせてぇ!!もう本当に、耐え……っられない!!」
「あとたったの3分だぞ。無理なのか?」
「もう本当に限界なの!お腹が痛くて、これ以上はもう……!」
 汗まみれで懇願する奈津美に、晃は笑いながら洗面器を置いた。
 そして膝立ちになり、戸惑う奈津美をゆっくりとその洗面器の上に抱え上げる。
 カメラの間近で、はっきりと全体を捉えられる位置だ。

「い、いやあっ!何の真似よこれは!?」
 奈津美は幼児が小便をさせられる格好で叫ぶ。
「お前のトイレはこの洗面器だ。ほんの10分も我慢できない馬鹿女には充分だろ」
「ふざけないで!こんな事……う、ううんっ……!」
 奈津美はあくまで反抗的な目をしたが、腹が強烈に鳴り始めるとその威勢もなくなった。
「い、いっ……、いやああああああぁーーーーーっ!!!」
 断末魔の悲鳴が部屋中に響く。
 直後、排泄が始まった。

 勢いよく噴きだした汚液が洗面器に鈍い音を立てる。噴いては止まり、間欠泉のように溢れ出す。
 抱えられる奈津美の足指が強く曲げられる。
 桜色の肛門は激しく開閉して水を吐き続けた。排泄の勢いは次第に弱まり、雫のみとなる。
 だが出たのは注入した水ばかりで、肝心のものが出ていない。
「何だよ、もっと息めよ」
「して……るわ、でも、出ないの……っ!!」
 奈津美が苦しそうに呻く。姿勢のせいか、あるいは慣れない浣腸だからか。

「ったく。オツムばっかりで、世話の焼ける女だな」
 晃は奈津美の身体をシートに降ろし、その足の縄を解く。手は後ろに縛られたままだ。
「跨がれ」
 晃が洗面器を叩きながら命じた。奈津美は渋々と洗面器を跨ぐ。
 晃は箪笥からラテックスの手袋を出して嵌め、奈津美のバランスを取る為に片手で髪を掴んだ。
 そしてもう片手で奈津美の尻穴を弄ると、おもむろに指をねじ込む。
「あうっ!」
 奈津美はその感覚に思わず叫んだ。
「変な声出すなよ」
 晃は野次りながら尻穴を弄繰る。奈津美は耳まで赤らめてそれに耐える。

 どれほどの羞恥だろう。
 商社でのし上がってきたような女が、後ろ手に縛られ、髪を掴まれ、洗面器を跨ぎ、
 尻穴に入った指で排泄物を掻き出されているのだ。
「ああ、あったけぇ。ケツ穴の締まりも最高だぜ」
 晃は奈津美の尻穴を二本指で捏ねくり回す。
 ぐちゅぐちゅと尻穴の中で音がし、指を大きく開くたびに洗面器へ粘ついた音が落ちていく。
「おお……おおおっ!」
 尻穴への嬲りがよほどおぞましいのか、奈津美は何度も声を上げていた。
「ははっ、何がおお、なんだ?もっと可愛らしく喘げよ」
 晃が罵っても、奈津美は腹の底からの嬌声を止められない。
 羞恥からか胸の突起をしこり立たせている。
「あぁあああっ!!」 
 尻穴から何度も熱い奔流を垂れ流し、ついには失禁まで犯して恥辱に耐えた。
 すべてがビデオに収められていると知りながら。


    ※

 屈辱の摘便が終わった後、晃は濡れタオルで奈津美の体を拭き清めた。
 尻穴からの汚液はストッキングを伝って足首にまで届いており、ストッキングを全て脱がせて拭う。
 奈津美はただ大人しく裸体を晒していた。奥歯を噛み締めるが、逃げようとはしない。

 逃げられないのだ。
 ここから無事に逃げ遂せるには、ビデオを破壊し、かつ衣服を調達する必要がある。
 ただ逃げてもビデオを残していては、恥辱の映像をネットに流されて破滅する。
 衣服がなければ、裸で見知らぬマンションの周りを駆け回ることになる。
 責任ある立場の奈津美にはどちらも不可欠な条件だが、手を縛られている上に晃の目があっては不可能に近かった。
 第一、こうもプライドの高い女性だ。男に排泄を晒したばかりで冷静な判断ができるはずもない。
 晃もそれを承知しているため、じっくりと奈津美を堪能できる。


 晃は奈津美の身体をゆったりとしたソファへ運んだ。
 仰向けに寝かせ、両脚を持ち上げて頭の横に下ろさせる。
 身体を腰から半分に折ったような形だ。
 脚が極端に長い奈津美にはそこまで苦しい体勢ではない。しかし奈津美は顔を顰める。
「腕と背中が痛いわ」
 彼女が呻いた。後ろ手に縛られた腕が背に圧迫されるらしい。だが晃はそ知らぬ顔だ。
「へぇ、そうかい。俺は痛くないね」
 その問答は今の2人の関係そのものだった。
 奈津美は溜息をつき、自ら手首の位置を腰の下に調節して痛みを和らげる。
 それは結果的に、尻穴を晃の目の前にまで掲げることとなった。

 晃は今一度、奈津美の尻に見惚れる。
 豊かな双丘と桜色の蕾。
 あれだけ薬液を排泄し、あれだけ二指で弄繰り回したにも関わらず、もう慎ましい菊の花に戻っている。
 そこを指で押し開き、口をつける。
「う、またお尻っ……!!」
 奈津美は驚愕の表情を浮かべた。
「こんだけ美味そうな尻してるんだ、興味を持たない方がおかしいぜ」
 晃は奈津美の尻肉を揉むようにほぐしながら肛門を舐める。
 尻を責められている、という感覚を強く煽るためだ。

「どうだ、気持ちいいか?」
「はぁ……はぁ……お、お尻で感じるわけ……ないじゃない」
 奈津美は鋭い目をしながら快感を否定する。
 だが、尻を揉まれながら肛門を舐められる、やはりこれが効いたらしい。
 奈津美の割れ目は次第に喘ぎ出し、ある時どろりと蜜を吐いた。
 濃いその蜜は腹筋を滑り落ち、横になったネックレスを伝って床に滴り落ちる。
「なんだ?また尻穴でイッたのかよ。着実に開発されてきてんなぁ、お前のケツも」
 晃が嬉しそうに言葉をかけた。奈津美は晃の視線を逃れるように目を伏せる。

 晃はさらに辱めようと、中指にたっぷりとローションを垂らして尻穴に押し付けた。
 最初の抵抗を越えると、滑り込むように中に入り込む。
 奈津美の腰が跳ねた。
 摘便の時は二本指も入った肛門だが、今は中指一本でも圧迫感を感じるほどに狭まっている。
 手前から奥までが指に絡みつくようだ。
 絡みつきを楽しみながら指を抜き差しすると、ローションのぬちゃぬちゃという音がしはじめる。
 それが尻穴に指を入れているという事実をよく表した。

「どうだ?指一本なんざ逸物に比べりゃ細いもんだが、それでもこっちの穴に入れられる屈辱感は堪らねえだろ、なあ課長さん」
 晃がさらに奈津美のプライドを揺らす。奈津美は何も答えないが、身体は正直だ。
 充分に中指を出し入れした後、晃は一旦指を抜いて肛門を観察した。
 指の分だけ開いた口が窄まり、艶やかに光る。やはり小人の唇だ。


「ちょっと待ってろ」
 晃は奈津美に一声かけて箪笥を漁り、直径2cmの球が連結した棒を取り出す。
 アナルパールという道具だ。
 10個の球が並ぶ形状も異様だが、細部まで純金製である事がさらに無機質さを増している。
「こんな道具も用意したんだ。金ピカで、きっとお前によく似合うぜ」
 晃は奈津美の目の前にアナルパールを見せ付ける。
 奈津美が顔をひきつらせた。

「ま……まさか、それを私のお尻に入れるつもりじゃないでしょうね。絶対に嫌よ!」
 生理的な恐怖からか、奈津美が身を捩る。
 だが不自由な体勢では力も入らず、すぐに晃に押さえ込まれた。
「暴れんな!クソひり出してるシーンをネットに流されてぇのか!?」
 晃が怒鳴りつけると、奈津美は観念したように抵抗の力を緩めた。
「賢い奴は好きだぜ。なに、これもすぐに良くなるさ」

 晃は純金のアナルビーズにローションを垂らし、先端の一球を肛門に宛がう。
 球の後ろを押してぐうと押し込むと、蕾に飲み込まれるような形で一球が消えた。
「まずは一個だ」
 晃は言い、次の球も同じように押し付ける。
 二個、三個……と同じ直径の球が次々に奈津美の腹へ入っていく。
「う、くうう、うぅ……」
 奈津美は苦しそうに顔を顰めていた。
 その苦しそうな顔とは裏腹に、柔軟性のある腸内は次々に球を飲み込む。

「奈津美、今いくつ入ってるか解るか」
「ろ、6個でしょう……」
 奈津美が薄く目を開けて答えた。
「正解だ。一個入るたびに数えてたみたいだな、この変態め」
 晃が嬉しそうに笑い、アナルパールを半ば飲み込んでいる尻肉を揉み始めた。
「いやあっ!」
「どうだ?こうされると腸に入ったパールがごりごり擦れあって堪らないらしいぜ」
 晃は尻肉を前後に揺さぶって更に辱める。
 奈津美は確かに中の感触を感じているのか、脚を震えさせている。

 晃はしばらくそうしていた後、ふと身体をよけて奈津美の尻をビデオに撮らせた。
「見ろよ奈津美。すげぇ似合ってるぜ」
 晃はテレビの方へ顎をしゃくった。大画面に奈津美の尻が大きく映し出されている。
 白い尻肉の中、桃色の蕾から、金色の真珠が連なって提がっている。
「いい眺めだな、おい」
 晃は真珠を指で弾き、肛門から揺れさせた。
 奈津美は目を見開いて見入る。
 その直後、晃の指が真珠の末端にある輪にかかった。
 指が輪にかかったままアナルパールが持ち上がり、斜め上に真っ直ぐ伸びた直後、
 一気に引き抜かれる。
「きゃああぁぁっ!?」
 それは初めての、奈津美が初めて放つ、完全な少女の叫びだった。
 アナルパールが一気に引き抜かれる瞬間、彼女の肛門からは様々な液体が雫となって飛び散った。
 ローションかもしれないし、晃の唾液かもしれない。
 あるいはもっと別の、奈津美の腸内から滲み出た体液かもしれない。

「へーぇ、いい声だ」
 晃は雫の滴るアナルビーズを提げて面白そうに笑う。
「な、な……に、今の……」
 奈津美は腰をひくつかせ、茫然自失の表情をしていた。
「今のがアナル性感ってやつだ。クソを続けざまにひり出すような感じで気持ち良かったろ?」
 晃は嬉しそうに奈津美の尻を開き、再度アナルビーズを宛がう。
「やめて……」
「何がやめてだ、ケツはさっきより断然うまそうに飲み込んでくぜ。期待しやがって」
 奈津美の拒みをよそに、晃の指が次々とアナルパールを押し込んでいく。

「8個……と、おい、息を吐け。次が入らねぇぞ」
 9個目を押し込みながら晃が命じた。
「んうう……も、もうお腹が一杯なの、もう無理よ!」
「俺とさして背も違わねぇくせに、何言ってやがる。まだまだ入んぜ、お前の腹には!」
 晃はぐいぐいと球を押し込む。球の詰まった腸内に更に一個押し込み、最後に残った10個目も指の力任せにねじ込んだ。
「くううぅ、う……!!」
 奈津美が苦しそうに眉を顰める。晃はかすかに鳴る奈津美の腹を撫でた。
「……苦しいか?」
 晃が問うと、奈津美はすぐに頷いた。
「よし、なら3、2、1で抜いてやる。しっかり呼吸を合わせろよ」
 晃がそう言ってアナルパールの尾を掴む。
「3、2、」
 カウント1に合わせて奈津美が息を吸う瞬間、晃は勢いよくアナルパールを引き抜いた。
 10個の純金の球が粘液に塗れて溢れ出す。
「ふぐうううぅっ!?」
 完全に不意をつかれた奈津美は目を見開き、白く長い脚を震え上がらせて身悶えた。
 10個の球が抜けた後、それを追うように開いた肛門から粘液が垂れる。

「おーお、液まみれじゃねえか」
 晃は抜き出したアナルパールを翳して声を上げた。
 触るとほのかに暖かく、独特の内臓臭もして、紛れもなく奈津美の腸内へ入っていたと解る。
 晃は興奮が限界に近づくのが解った。逸物がはち切れそうに痛むが、解放にはもう少しだ。
「ずいぶんと盛大に感じたみたいだな、奈津美?」
 晃が奈津美の尻穴を覗き込んで言った。尻穴は球の直径と同じだけ口を開いている。
 奈津美は放心したまま涙を零していた。



「……しかし、よく拡がったもんだ」
 晃は肛門へ二本指を捻じ込む。粘液に塗れた腸内は二本の指を容易に受け入れる。
「へへ、あんがとよ、こんなに腸液を滲ませてくれて。ローションより滑りがいいぜ」
 晃は言葉で辱めながら奈津美の腸内を弄繰り回した。
 中指一本の時と違って指を開けるため、尻穴責めにもバリエーションが出る。
 晃は二本指の腹を腸内の膣側に当て、左右にゆっくりとくゆらせながら、次第に激しく振動を与えはじめた。
 アナル経験のある人間の実体験で、最も気持ちよかったという嬲り方だ。
「うくううぅっ!!」
 奈津美は嫌がって腰をうねらせる。スレンダーな身体が艶かしく汗に光る。

 晃はその反応を楽しみながら、さらに指を増やして三本を突き入れた。
 晃の読みどおり、奈津美の柔らかな括約筋はその逸物より太い質量をも飲み込んでしまう。
「いやあ、こっ、壊れるわっ!!」
 奈津美は叫ぶが、そんな事は決してない。
 三本指に拡げられた腸内は洞窟のように開き、中からはローションのような乳白色の粘液と大きな泡が覗いていた。
 挿入は十分に可能だ。
 開ききった肛門を覗きながら、晃は確信する。


 指を引き抜き、恍惚の表情を浮かべて横たわる奈津美を横目に、晃は亀頭にローションを塗りたくった。
 腸液で潤滑は十分にも思えたが、何しろ本来入れる場所ではない排泄の穴だ。
 どれだけ潤滑を増してもしすぎる事はない。
 晃がローション塗れの逸物を反り立てて奈津美に跨ると、彼女は悲鳴を上げた。
「ちょ、ちょっとっ、何をするつもりよ!!」
 頭のいい奈津美のことだ、見当は付いているのだろう。
 ただ余りに自分の常識から外れているため、受け入れられないだけだ。
「大丈夫だ、もうお前のケツはこれより太いやつも飲み込んでる。暴れるな」
 晃は腰から折り返された形の奈津美にのしかかり、その肛門を亀頭で探る。
 ぬめる粘膜を擦り付けあい、弾力感のある肛門を見つけた瞬間、
 亀頭を強く押し込んだ。
「や、やめてええぇっ!!!」
 奈津美の心地よい叫びが耳を震わせると同時に、血の通った亀頭が肉の輪にめり込む。

 晃は慌てず、ゆっくりと怒張を沈み込ませた。
「あああぁぁぁ……入ってくるぅぅ……!!!」
 奈津美が泣くような、或いは快楽に狂うような声を上げる。
 その様子を見ながら、晃はさらに奥へと進める。
 一番太い亀頭が菊門へ吸い込まれた。
「いたい!」
 奈津美が小さく呻く。
 亀頭が腸内の襞を掻き分けるのがわかる。
「む、無理よ……。もう、入……らない……!!」
 奈津美は前傾して縮こまるように恐怖に耐えていた。
 押し出そうとする奈津美の亀裂と、捻じ込む晃の槍。
 当然槍が勝り、憤った怒張が奈津美の腸へ奥深く入り込む。

 しばし後、晃の怒張は根元まですべて奈津美の中へ収まった。
「何が無理だよ、全部飲み込んだじゃねえか」
 晃が言うと、奈津美は首を激しく振って抵抗する。
「嫌あぁっ!!いや、いやよ、何で……わ、私のお尻に、こんな深くに、ああぁ、男の……っ!」
 肛門に挿れられたショックで錯乱しているようだ。
 無理もない。
 男であれ、女であれ、肛門を男性器で貫かれるという行為は、完全に屈服させられた事に等しい。
 今日まで男に負けるものかと凛々しく居た女が、今、男によって征服されたのだ。
「おい、動くぞ」
 晃はゆっくりと抽迭を開始した。
 奈津美のアナルと繋がっている。奈津美の尻穴が今、大きく拡がり、自分の怒張を咥え込んでいる。
 それを怒張へ絡み付く粘膜にたっぷりと感じながら。


 結合はとても心地の良いものだった。
 恥毛を残らず剃り落とした秘部は肌触りが抜群だ。
 奈津美の太腿を押し倒す格好だとその膝裏が筋張っているのが見えて美しい。
 太腿を押し込むと健康的な弾力も窺える。
 抱く相手の顔は、汗と涙に塗れたとはいえ、オフィスの華というだけの美しさがあった。
 濡れたショートカットが涼しげな美貌に貼りつく様は、なんと犯し甲斐のあることか。
 そして尻穴の熱くきつい潤みは、およそこの世の快楽とは思えない。
 比喩でも何でもなく、浮遊している気分にさえなった。

「ああああ、あああああ!!」
 叫びが漏れているが、果たしてどちらの叫びなのか解らない。
 晃も叫んでいるし、奈津美も叫んでいる。
 甲高く、あるいは低く、狂気に塗れて唸る声は、もはや性別の判断さえつかない。
 晃の腰使いが次第に早まり、肉の打つ音が響きわたる。
「うう、いくぞ、いくぞ!!」
 晃は奈津美を深く突き上げた後、その腸奥へ白濁を注ぎ込んだ。
「うあ……!!」
 奈津美はそれがわかったのか小さく呻く。
 晃が逸物を抜いた後、奈津美の肛門にはぽっかりと穴が開いていた。
 だがそれもほんの数秒で閉じてしまう。

 晃は奈津美と共に大きく息を吐いた。
 しかし、晃にはこれで奈津美との性交を終わらせるつもりなどない。
 この時の為に3日間精を溜め、心待ちにし、今日もずっと射精せずに耐えていたのだ。
 一度で疼きが収まるはずがなかった。


 晃はそれから、奈津美と2人、ビデオカメラの前で繋がり続けた。

 突き上げに応じて後ろ手に縛られた奈津美の乳房が揺れる。
 それが巨大なテレビに余すところなく映し出された。
 大音量で音も聞こえる。
 ソファが軋み、粘り気たっぷりで結合する音。
「聞こえるか?あの音。映像も見えるよな。セックスしてるんだぜ、今。尻の穴でよ」
 晃は奈津美の耳元で何度も囁き続けた。

 由希と同じく、奈津美も正常位、側位、後背位と様々に抱いた。
 何度も何度も奈津美の尻穴で抜き差しを続け、射精した。しかしまたすぐに勃起する。
 晃自身これには驚いていた。
 20代でも、クスリを使ったときでさえ、自慰でそれほどの射精と勃起を経験したことなどない。
 だがこうして奈津美のショートヘアに顔を埋め、歯を食いしばった悔しそうな奈津美の顔を眺め、
 長い脚を掴んで抜き挿ししていると、脳内から自然に性欲が溢れるのだ。

 無論明日になれば逸物は腫れ、腕や腰は筋肉痛になるだろう。
 だが今は、痛覚が麻痺したかのように延々と奈津美を犯すことができた。

 ぬちゃっぬちゃっぬちゃっぬちゃっ……

 粘膜の捏ね合う音がし、汗まみれの暖かい柔肉が腰の上で跳ねる。
 晃はその繰り返しの中でふと腰を止めた。
 そして奈津美の身体を持ち上げ、白濁塗れの亀頭でひくつく肛門を撫で回す。

「重てぇ女だぜ、何キロあるんだ?」
 そう奈津美をなじる。
 いくらスレンダーといえど、170cmの奈津美は50kgを下らないはずだ。
 晃はその奈津美の尻穴を亀頭で焦らし、肛門が物欲しげに吸い付くと再び逸物を沈めた。
「うん……っ!!」
 奈津美が艶かしい声を上げる。
 晃はそれにそそられ、奥まで貫いたまま奈津美の秘部を弄った。
 そこはとろとろに蕩けている。
「へっ、あんだけクールだった女が、尻を嬲られただけでここまでにしやがって」
 晃がそう言いながら、指を割れ目の奥へ潜り込ませた。
 その時だ。

「いたいっ!!」
 奈津美が急に叫んだ。晃は虚を突かれる。
 あれほどに潤んで、指もすんなりと入ったのに。
 だが今の叫びの鋭さは、ただの演技ではありえなかった。
「……もしかして、お前……処女、なのか?」
 晃はまさかと疑りながら問いかける。すると、奈津美はかすかに頷いた。
「へ、へへっ……」
 晃は笑いが堪え切れない。
 あの高嶺の花が、本当に一人の男も知らない初物だった。
 そして晃はその処女に、清らかなままアナル性感を教え込んだのだ。

「そうかい。処女のままアナルで濡れちまって、お前もこれで変態の仲間入りって訳だ!」
 晃は俯く奈津美を抱きかかえながら、さらに腰を使い続ける。
「ああ、ああ、あああっ、ああ……」
 息も絶え絶えな声が交じり合って響く。
 互いに疲れ切っても結合は続けたままだ。
 晃は奈津美を後ろから抱きかかえ、腸奥で逸物を脈打たせたままとろとろと眠りに落ちる。


       ※

「う、ん……」
 朝陽に顔を照らされて目覚めると、奈津美は晃を揺すって起こした。
 晃が奈津美を抱え上げて逸物を抜く。
 奈津美の肛門内はローションや精液、腸液で溢れかえっており、ソファと床へ盛大に垂れ落ちた。
「こんなに床を汚しやがって」
 晃はそうなじりながら奈津美の手の拘束を解く。
 ようやく手が自由になった奈津美はゆっくりと肩を鳴らした。手首には深く縄の後が残っている。
「シャワー……使わせて貰ってもいいかしら。これから、出勤だから」
 奈津美は少し困ったような顔で晃に申し出た。
「好きにしろ」
 晃は横柄に頷き、バスタオルを投げ渡す。
 風呂ぐらい使わせても困ったことにはならない。むしろ奈津美が間近でシャワーを浴びるのは嬉しくさえある。
 奈津美のシャワーはかなり長いこと続いていた。その音が晃を興奮させた。

 ようやく風呂場から上がった奈津美が、バスタオルで身体を拭う。
 晃はその格好に見惚れた。
 何度見ても見事なボディラインだ。
 晃はゆっくりと裸の奈津美に近づいた。奈津美が身体を震わせる。
 奈津美からは石鹸のいい香りがした。汗臭さもいいが、やはりこういう香りは美人によく合う。

 乳房に顔を埋めると、奈津美が抵抗を示した。
「やめなさい、せっかく洗ったんだから……」
 口調は以前の居丈高なものに戻っているが、どこか歯切れが悪い。
 晃が片手をそっと尻穴へ潜らせると、奈津美の身体が竦んだ。
「まだかなり拡がったままだな」
 晃は指二本が楽に入る肛門をなじった。指を抜いて匂いを嗅ぐと、ここも石鹸の香りがする。
「へぇ、ケツの中に指を突っ込みでもして洗ったのか?」
「…………」
 晃の言葉に、奈津美は顔を赤らめる。ひどく恥じ入っているようだ。

 その後奈津美は、晃の差し出した昨日のスーツを着て出社準備を整えた。
「勿論解ってるとは思うが、昨晩の事はビデオに撮ってあるからな。
 今後も大人しく従うなら、あのビデオは俺の秘蔵で終わる。
 もし妙な事をしたと解れば、その時点でネットに流す。いいな」
 晃は玄関口の奈津美に呼びかけた。
 奈津美はドアノブに手をかけたまま、背後の晃に吐き捨てる。
「……あなたなんか、死んでしまえばいいのに」
 そう言ってドアを閉めた。オートロックが硬い音を立てる。


「ふぅ……」
 晃はリビングで溜息をついた。
 欲望に駆られ、実に無計画で危険な橋を渡ったものだ。
 ビデオ映像という脅しはかけたが、奈津美が警察に届け出れば晃の生活は終わる。
 安全な確立は五分だろう。
 結局は奈津美がどういう性格かに尽きた。純潔とプライド、どちらを重視するタイプかだ。
 『あなたなんか、死んでしまえばいいのに』
 これはどちらの決意から発された言葉だろう。

「 …………とうに死んじまったよ、奴ぁ 」

 晃は日記を眺めて呟いた。
 康平を見た辺りから、自分が狂い続けている気がする。
 死んだ人間に成りすまして家に棲みつくなど正気の沙汰ではない。
 それでも晃は、この康平の家を離れられないでいる。
 一度富や権力を得た以上、何もない生活に戻るのは、怖かった。


                                続く