「しっかし、勿体無ぇ話だよな。こんな上玉だってのによ」
牢番の1人が振り返り、鉄格子越しに捕虜の女を見やった。
イゼット・フラン。
癖のない金髪に、澄んだブルーアイ、透き通るような白い肌。
寒気すら覚えるほど鋭く整った美貌を持つ北欧美人だ。
優秀な軍人でもあり、よく引き締まった芸術的なスタイルが特徴的だった。
後ろ手に手錠を掛けられているほか、恥辱を与える目的からか、軍服の上だけが取り去られている。
ゆえに、白い首筋、鎖骨、豊かに膨らんだ乳房、そしてその先端に息づく桃色の蕾のすべてを、若き4人の牢番達に見せ付けている。

「しゃあねぇだろ。この女、将官連中がまず先に喰っちまうつもりなんだから。
 俺らに回ってくるとしたら、さんざ使われて心身ともにぶっ壊れた後だろうぜ」
「ああ、さぞ大事なんだろうねぇ。わざわざ独房に入れた挙句、4人も牢番が付くんだ。
 下手に手ぇつけたら、文字通り首が飛ぶぞ」
そう囁きあい、牢番達は顔を青ざめさせる。
しかし1人が、なお諦めきれないと言った様子で口を開いた。
「で、でもよ、俺達だって少しは甘い汁啜ってもいいんじゃねぇか。
 こんな何もない所で一日中突っ立って、極上の女眺めてるだけなんざ惨めもいいとこだ」
その一言で、他の者も気を浮つかせる。
「…………た、確かにな。要は痕が残らねぇように愉しめばいいんだ。
 そうだ、乳だけでも嬲ってやる」
牢番はそう言い、鍵を開けてイゼットの傍らへにじり寄った。
そして女日照りの震える手で、白く豊かな乳房を鷲掴みにする。
「おおお……や、柔らけぇっ! 女だ、ああ、オンナの身体だぜ!!」
その蕩けるような声色を聞くと、他の者も堪らない。
話し合いの末に一人だけを牢の前に残し、残る3人がイゼットを囲むようにしてその乳房を嬲り始める。
「へへ、どうだ。気持ちいいだろう」
1人が問うと、イゼットは彼を軽蔑しきった瞳で睨みつけた。
「そんなもので、感じるか」
軍人らしく、芯の強さを感じさせる語気。
しかし情欲に煽られた男共には、その凜とした口調さえも、久しく聞かなかった『女の声』でしかない。
「へへ、そうかい。じゃあ感じちまうまで、たっぷりとてめえのチチを可愛がってやる。
 お前を引き渡すにはまだまだ時間があるんだ、仲良くしようぜ?」
舐めるように顔を近づけながら、男達はイゼットに囁きかけた。
イゼットは話にならぬと言いたげに冷ややかな瞳を閉じる。
そこから、執拗な愛撫が繰り返された。


どれほどの時間が経ったのだろう。
「おいおい、この女よ、乳首勃ってきてねぇか?」
牢番の1人が嬉しげに告げた。
彼の摘む胸の尖りは、もはや疑いようもないほどに硬さを増し、指を離した状態でも円錐の形を保つ。
どれほどイゼットが冷静を装おうとも、彼女とて女の身体なのだ。

男達は交代で常に1人のみ牢番を立て、残る者で入念に乳房を刺激していた。
1人は背後から手を回し、下から掬い上げるように丁寧に胸の脂肪を揉みほぐす。
1人は左の乳輪に執着し、ほのかに粟立つそこを舌で嘗め回し、爪で擦り、指の腹で撫でる。
興奮するに伴って乳輪が広がり、膨らむと、いよいよ丹念に舌を這わせるところから繰り返す。
1人は残る右の乳首を、指先で摘み、潰し、口に含んで吸い上げる。
そうした責めを、手を変え人を変え、延々と一時間近くに渡って続けていた。
いかに女軍人とて、これで身体が反応しないはずはなかった。
着実に性感反応を示していくイゼットの顔を覗き込みながら、3人の男は辛抱強く嬲りを続けた。
いつか山頂に辿り着く登山と同じく、進めば確実な成果が見込まれる彼らの手つきは軽やかだった。

乳首の尖りを指摘してから、さらに数十分。
男の1人が右の乳首をチェリーのように舐めしゃぶり、啜り上げた末、唾液を飛ばしながら勢いよく口を離した瞬間だ。
「っんん゛ッ!!!」
それまで氷のように無反応を貫いていたイゼットが、ついに、ついに声を漏らした。
弾けるように彼女の顔を見た4人の男達は、薄目を開け、右の乳房を凝視する気高い女軍人の表情を目撃する。
滲み出るような口惜しさに混じり、戸惑いと焦り、そして色めきが混じる。
「へへへ、ついに反応しちまったなぁ、美人さんよ!!」
「随分と堪えてたようだが、とうとう限界か。まぁ当然だな、口ン中でどんどんコリコリになってたからよ!」
牢番達は嬉々としてイゼットに言葉をぶつける。
イゼットは音が立つほどに奥歯を噛みしめ、男達を1人ずつ睨みつけた。
「付け上がるな! 貴様ら雑兵風情が、わたしを屈服させる事など出来るか!!」
口の中に溜まっていた唾液を一部零しながら叫ぶイゼット。
しかし男達が優位であり、彼女が追い詰められる側である事は、もはや幼子ですら感じ取れるだろう。
男達はあえて言葉を返すことをせぬまま、再び白い乳房に手を添える。
「……くっ!」
左の乳房を一度優しく揉み込んだだけで、イゼットの肩が小さく跳ねた。
もはや、力のバランスは崩壊していた。



そこからは、惨めな限りだった。
男たちの指が優しく、時に激しく、乳房のあらゆる部分を蹂躙する。
イゼットは強く歯を食い縛り、ううう、うううう、と切ない呻きを上げ続けた。
口を真一文字に引き結ぶ一方で、整った鼻からは荒い息を吐いているのが生々しかった。
後ろ手に縛られたまま、いやいやをするように、肩から身を捩って男達の手を振りほどこうと足掻くこともあった。
しかし、それで状況を打開できた事はただの一度もない。

「しかし、こうも敏感な女だったとはな。最初は思いもしなかったぜ」
しこり勃った乳房を弄びながら、牢番の1人が呟く。
刻一刻、時間が経てば経つほどに、彼女の肉体的な変化は増していった。
スレンダーな上半身はしとどな汗に塗れ、乳房を転がす男の指などは、彼女自身の汗でワセリンを掬ったように濡れひかる有様だ。
腰が砕けたのか、イゼットが後ろから胸を揉む男にしなだれかかる事も多くなっていた。
何しろ絶世の美女だ。それはそれで役得であるが、乳房への愛撫で暴れる動きも加わってはやや手に余る。
ゆえにイゼットは寝転ぶ格好を取らされた。
後ろ手の手錠は一旦外され、鉄格子のひとつに鎖を引っ掛けた状態で、頭上に拘束し直される。
ちょうど万歳をしたまま鉄格子に繋がれる格好だ。

イゼットの乳房には張りがあり、仰向けの姿勢になってもなお低い椀のような形を保つ。
その先端に息づく蕾はいよいよ紅くしこり勃ち、男の指2本分ほどの高さを有している。
乳輪ももはや最初が思い出せないほどに拡がり、膨らみ、心地良さそうに薄茶色く色づいていた。
『これこそ、女の胸の性感が極まった状態である』として、標本にしたいほどに。
男達はその見事な出来上がりぶりに満足の息を吐きながら、さらにその先へ追い込むべく乳房に触れる。
相手を寝かせた姿勢は、座らせた場合よりも遥かに乳首を弄びやすい。
変に身を屈める必要がないので、乳首を口に含んで転がす方法が楽に行えた。
そう。イゼットが殊更に良く反応する、舌を用いた刺激が。
「っああああっ、ああっ、く、ああっ……あはあっ、あああああっ…………!!!!」
いつしかイゼットの呻きは、歯を食い縛ってのものから吐息を吐き出すようなものへと変わっていた。
恋人に愛を囁くかのような、甘く熱い吐息だ。
軍服のズボンに包まれた両足をがに股気味に踏ん張りながら、イゼットは必死に耐える。
それでも、追い詰められていく。
乳首の尖りが限界を見せてから、さらに数十分が経った。もはや、致命的な領域だ。

「ううう、ふむうううう゛う゛っ!!!うう、うううう゛…………ッッ!!!!
 は、離せっ、乳房から、その口を離せぇっ!!!は、はやく、早く、はなせ……。
 た、頼むっ、少しだけでいい、ほんの少しだけ休ませ……て……ッッッ!!
 あ、ふあ、あうっ……う、うんんん゛んああああうううううっっ!!!!!!!」

哀れな叫び、心からの叫びと思えるものが搾り出されていた。
しかし牢番達は、それを耳にしながらも責めの手を休めない。
それほどに切実な声が出ている最中に、さらに責めればこの気高い女はどうなるのか。
それを楽しみに、いよいよ甘く激しく責め立てる。
当然、イゼットには反応が起きた。
反応の始めは、彼女の脚の辺りで『サフッ』と音が鳴ったこと。
それは厚手の軍用ズボンが、内股に閉じられた事で起きる衣擦れの音だった。
女の子のような内股。
そこから、締まった女軍人の身体に視線を這わせつつ見上げれば、ぐったりとした顔が視界に映る。

艶やかな金髪を床に預け、軽く天を仰ぐ顔。
瞳は焦点を失って虚空を見上げ、唇の端からはふた粒の泡の混じる涎が垂れ。
腕は手首の錠に引かれて緩い傾斜を保ったまま、二の腕を床へと柔らかそうに溶かしていた。
まさに全身の脱力。
たとえ性経験の一度もない青年であったとて、それが女の果てた姿であると直感的に悟るだろう。
「っ!!」
絶頂の様を凝視されていることに気付き、すぐにイゼットは自分を取り戻した。
二の腕を筋張らせて手錠を鳴らし、首を持ち上げて男達を射殺さんばかりに睨み上げる。
しかし、一度絶頂したという事実は消えない。
牢番達はいよいよ下卑た笑みを張りつけながら、憐れなイゼットの憐れな乳房に手の平を添える。

そこから数分を待たずして、イゼットの口は再び縦に大きく開き、謳うような声を響かせ始めた。



 
「…………ぃ、いっ…………あう、ぅぅぅ……ぅあ、ううっ…………!!」
両腋を晒したイゼットの腕が強張り、細い指先が鉄格子を掴む。
胸の蕾を吸い上げられる瞬間にぞくりと顔が震え上がり、ううう、と今一度呻きを上げる。
衣擦れの音。内股に脚が閉じられた。
「ははは、まただ。もう26回目じゃねぇのか?」
「いや、28回だ。小さいが、ズボンの中でさらに脚が蠢いている事もある」
牢番達が笑う。彼らの口にする回数は、そのまま獲物が達した回数と見ていいだろう。
「…………もう、やめろ…………捕虜にも、人権は認められている筈だ……。
 こんな扱い、許されるはずが…………ない…………」
イゼットは涎に塗れた口を開閉して告げる。しかし、今更そのような言葉が聞き入れられる道理もない。

すでに痛々しいほど感度の上がっている胸に対し、男達は残酷な焦らしに入る。
3人でもって乳房を徹底的に愛撫しつくし、快感をじわりと高めていく。
しかし、いよいよ張り詰めていく先端部には撫でる程度にしか触れない。
「ううう、ううう……ぅう、あうっ…………っふん、………………っう……………………!!!!」
イゼットの喉からは切ない呻きが漏れ続けた。
苛烈な責めに乳房が慣らされていた所へ、この生殺し。
たっぷり十分以上はそれが続けられただろう。
「ふぅうううっ…………!!」
イゼットが奥歯を噛みしめ、いよいよ堪えきれないという反応を見せる。
それを見て取り、男達は一気に攻めに移った。膨らみに膨らみきった胸の蕾を、指で捻り潰したのだ。
イゼットの脳内で麻薬の弾ける音が、彼らにも聞こえるかのようだった。
「っぁはあああぁぁああ゛あ゛ーーーーーーっっ!!!!」
絶叫が迸る。
イゼットは瞳孔を狭めながら、口を目一杯に開いて叫びを迸らせる。
その熱気に煽られながら、男達は幾度も幾度も、指の先で胸の尖りへと噛み付いた。
「やめろっ、やへろおおおッッ!!! はっああああ゛ッ、くあ゛あああぁああ゛あ゛っっ!!!!!!」
叫びとは裏腹に、イゼットの口元は笑っているかのようだった。
軍服のズボンから衣擦れの音が起きる。牢番は、そこを見て思わず笑みを浮かべた。
イゼットの脚は、内股になるのみならず、浅ましく上下に痙攣してすらいたからだ。
この上なく淫靡な動きだった。
正面から彼女を抱いていたなら、自分の腰へと脚を絡みつかせている所なのでは、と思えるほど。

絶頂の波が収まった所で、イゼットの身体が床に落ちる。
牢番達もまたスパートを掛けた煽りで、大きく息を吐いた。
気だるい空気の流れる中、男達はイゼットが腰にはめたベルトへ手を掛ける。
そして手際よくそれを外すと、ほとんど抵抗の力を残していない脚から軍服のズボンを抜き取った。
「…………っ!!」
イゼットは村娘のように内股になり、最後の抵抗を試みる。
しかしその細い脚は男の腕に掴まれ、無理矢理に開かされていく。
奥を覗き込んだ男達から笑いが起きた。
「ははっ、何だよ、ドロドロじゃねぇか。お前どんだけイキまくったんだ?」
「おうおう、濃い女の匂いがしてやがんぜ。ああ畜生、女日照りの身体にゃ酷だぜ」
口々に罵りの言葉が掛けられる。
イゼットは視線を横に逃がしたまま、涙を湛えてそれに耐えていた。
何もかも終わりだと、そう思っていたのだろう。

しかし、終わりではなかった。
他に時間を潰す方法のない牢番達は、イゼットを放ってはおかない。
震える乳房に手を添え、ぎょっとしたように視線を向けるイゼットの顔を可笑しそうに覗き込む。
「言ったろ、まだまだ時間があるって。
 お前の迎えが来るのは、あと三日後だ。それまでたっぷりと遊んでやるよ。
 生憎逸物をくれてやる事はできねぇから、お前にとっちゃ延々と続く生殺し地獄だがな」
「せいぜい正気を保っておけよ、将官共への貢物なんだからな。
 将校殿に犯されるのが楽しみで毎日濡らしていました、と報告しといてやるよ」
サドの気をありありと見せて笑う牢番達を前に、イゼットの表情が凍りつく。

「………………悪…………魔………………。
 お前たちの民族はやはり、悪魔…………なのだな……………………」

茫然自失といった様子で、ようやくにその一言が呟かれた。
そこからの長い地獄を思わせる、底無しに暗く沈んだ語調で。



                             終
<初出:2chエロパロ板 『【乳】おっぱい総合スレ2【胸】』 スレ>