※ 『平気or平然スレ』向けの作品。
女機動隊員が必死にお漏らし(小)を耐えるお話。



反政府団体『浄和の会』によるテロ活動は、日増しに苛烈なものとなっていった。
政府高官の乗る車を狙った襲撃に、国会への手榴弾の投げ込み……。
その中で、6月初旬に起きたホテル・スィエールの立てこもり事件はとりわけ有名だ。
ホテルの宿泊客に官房長官の妻と娘がいたため、従業員や他の客を含めた140人あまりが人質となった。
実行犯は32人、それぞれが銃を所持している。
この状況では、駆けつけた機動隊とて下手には動けない。
交渉術に長けた機動隊員が拡声器で説得を続ける中、突入計画が練られては却下される。
その様を、機動隊員・木橋愛里(きばしあいり)は歯噛みしながら見守っていた。

女性の機動隊員というものはそれ自体が珍しい。このような危険な現場への出動となれば尚更だ。
しかし、愛里は自ら志願してこの場にいた。
『浄和の会』に関係する事件への出動は、現在、各機動隊員の任意とされている。
必ずといっていいほど銃撃戦や手榴弾等による死傷者が出ており、危険極まりないためだ。
しかし、愛里はそれに臆さない。
故郷の村にいた頃から、誰よりも正義感が強く、理不尽には屈しないと心に決めていた。
寮で相室となった暴君さながらの先輩機動隊員でさえ、愛里の頑固さにはついに根負けしてしまったほどだ。
「卑怯者め…………!!」
ポリカーボネート製の大盾越しに、愛里は犯行グループを睨みつける。
すると、犯人の一人がその視線を察した。
「ンだ、テメェその目は?」
男は小銃を構えて威嚇するように愛里を睨み返すが、そこで彼は、愛里の美貌に気がつく。
そう、愛里は見目がいい。宝塚の男役を思わせる、キリリと整った顔立ちだ。
犯人の男は口角を上げ、一歩退いて隣の男に何かを耳打ちする。するとその男もまた愛里の顔を凝視し、笑みを浮かべた。

『……良いだろう、人質の一部を開放しよう。ただし、条件がある』
数分の後、政治的要求を続けていた犯行グループから提案がなされた。
皆が固唾を呑んで見守る中、続いて条件が明かされる。
『そこの女が、代わりに人質となることだ』
拡声器からの宣言と共に男が指したのは、紛れもなく愛里だ。
集まった各マスメディアを中心に、どよめきが走った。
「っ…………!!」
愛里は目を見張る。背筋を冷たい汗が伝い落ちる。
危険などというものではない。国家権力に強い恨みを持つ団体だ、まず死は覚悟しておくべきだ。
あるいは見せしめとして、自ら死を望むほどの辱めを受ける可能性もある。
しかし、愛里は覚悟を決めた。
ホテル内に監禁された客の、縋るような眼。周囲からひしひしと伝わる、婦警たる自分への注目。
その中にあって、逃げ出せよう筈もない。
「解った。要求を呑もう!」
愛里は前を見据えたままハッキリと答え、手にした大盾を左隣の隊員に預ける。
そして腰のホルスターを外し、続いて黒いヘルメットを脱いだ。
首元までの癖のない黒髪が、風を孕んで広がる。
周囲の機動隊員達さえ、その凛とした美しさに一時我を忘れたほどだ。
身を守る武器も防具も持たぬまま、両手を挙げてホテルのエントランスホールに入る愛里。
その勇姿を、数社のマスコミがカメラで追う。そこから起きるであろう“何か”を、心中で期待しながら……。



「まずは服を脱げ。何を隠し持っているか解らんからな、パンツ一丁になって貰おう」
愛里の後頭部に銃を近づけながら、犯行グループの一人が告げた。
いっそ後頭部に宛がってくれたならば、それを元に位置関係を把握し、制圧することもできるのに。
愛里はふとそう考え、しかしそれをしても無駄な窮状に嘆息する。
命ぜられた通り、防弾ベストを脱ぎ、首を保護する防炎マフラーを外し、出動服とその下の警察指定のシャツをも脱いでいく。
「…………っ」
ズボンに手を掛けた瞬間、さすがに愛里の指が止まった。
公開ストリップのようで屈辱的である事もそうだが、それ以上に、暴徒に抗うための装備を捨てること自体が口惜しい。
「どうした、早くしろ」
男の焦れたような声を受け、愛里は仕方なく下衣を脱ぎ捨てる。
そして現れるのは、日々の厳しい訓練によって培われた、健康的に引き締まった女体だ。
張りのある肌は瑞々しく、実に映像栄えするものだった。
「ほぉ。服の上からじゃ判らなかったが、イイ体してるじゃねぇか」
愛里の前方に立つ男が、好色そうな声を出した。
他の男も、愛里のウェストラインや豊かな乳房を隠しもせず眺め回す。女日照りである事は想像に難くない。
「これでいいんでしょう。速やかに人質を解放しなさい」
愛里は淡々とした声で告げる。内心はともかく、見た目には裸を晒すことを何とも思わない女傑さながらだ。
「けっ、澄ましやがって」
男達は期待外れとばかりに唾を吐き、人質を退避させる準備を始めた。
結果、官房長官の身内2人を除き、ほぼ全員が無事に保護される。
「あの2人も開放して」
愛里はそう要求するが、男達は首を振った。
「ダメだ、ありゃあ俺らの交渉材料だからな。そして、お前もだ。
 手を頭の後ろに組んで、そこに突っ立ってろ。変な動きを見せたら、ガキの耳を切り落とすぜ」
銃を突きつけながら命じられれば、愛里とて従う他はない。

拡声器を通じての交渉が延々と繰り返される中、愛里はエントランス中央で立ち尽くす。
両手を頭後ろに組んで腋を晒し、両の脚を肩幅に開いて。
身に纏う衣服はショーツのみであるため、乳房やその他の肌も隠す術がない。
そしてその様を、地方局を初めとする数社マスコミに遠くから撮られ続けているのだ。
この状況を報道し続けることも犯行グループの要求に含まれているため、撮影が中断されることはない。
すなわち、愛里はあられもない姿を衆目に晒し続けるしかない。
6月初旬。幸いにも肌寒い時期ではないが、素肌に外気が触れる違和感は強かろう。
しかし、愛里の表情はその苦境を一切窺わせなかった。
パトロールを行う時のように、隙のない無表情を崩さずにいる。
マスコミはその愛里の姿勢を賞賛し、警察官の鏡、身を呈して市民を守る英雄と称えた。
ただテロリスト集団にしてみれば、その無反応が面白いはずもない。
彼らがやがて行動を起こすのは、必然といえた。


「喉が渇いただろう。水をやる」
直立を始めて小一時間が経った頃、水の満たされたコップを持って男が近づいた。
ちらりと視線を横に投げ、愛里は逡巡する。
テロリストの差し出すものを安易に口にするなど危険極まりない。
とはいえ、無下に断って男達の機嫌を損ねるのもまずい。
それにこの先、どれだけこうして立ち尽くすか分かったものではない。
5時間、10時間……あるいは数日かかる事も充分に考えられる。その間、一切の水分補給をしないのは無謀だ。
「頂こう」
愛里は仕方なく告げる。すると男は笑みを浮かべつつ、愛里の唇にコップを押し付けた。
あくまで愛里自身の行動を許す気はないらしい。
「んっ、んぐっ、ん゛…………」
男の手がコップを傾けるのに合わせ、愛里は唇を開いて水を迎え入れる。
不自然な飲み方のため、水は次々に口から零れ、首筋や乳房を伝い落ちた。
「どうだ、美味かったろう。こうしてたまには水をやるからな」
男はいよいよ笑みを深め、愛里の身体に下卑た視線を這わせながら距離を置く。
そしてまた、孤独な直立の時間が訪れた。
このまま時が過ぎ、順調に交渉が纏まるならば。愛里はそれを希望にして立ち尽くす。
しかし、わずか数分後。その身に異変が起きはじめる。
尋常でないほどの尿意が、愛里の膀胱を疼かせ始めたのだ。

 (クソッ、何か盛られたか…………!)

愛里はすぐにそう理解した。
水を飲んで数分、あまりにもタイミングが良すぎる。さらにはじわじわと尿意が沸き起こってきた訳でもない。
堰を切ったように、我慢できる限界の尿意が突如襲ってきたのだ。
「っ…………」
愛里はごく僅かに唇の形を変えた。
「うん、どうかしたか?」
水を差し出した男が、惚けたように問う。その様はまさに、愛里が憎む理不尽の化身だ。
「トイレへ行かせて欲しい。すぐに戻る」
愛里は男へ視線だけを向けて小さく告げた。あくまで、異変をカメラに拾われたくはない。
しかし、男はその愛里の願いを一蹴する。
「却下だ。いいか、お前は人質だぞ。開放した100人以上の代わりに、そこに立っているのが仕事だ」
「では、どうしても我慢が出来なくなった場合はどうすればいい」
「決まってんだろ、そこで漏らすんだよ」
「っ!!!」
男の答えに、愛里は思わず眼を吊り上げた。
なんという下劣な男達だ。そうまでして、警官たる自分に恥を掻かせたいのか。
「何だ、不満そうだな。何なら逃げても構わんぞ。ただしその場合は別の2人が、体中から血の小便を流すことになる」
銃身で部屋の隅を示しつつ、別の男が告げる。そこには手足を縛られた官房長官夫人と、高校生ほどの娘がいた。
おおよその内容を察したのか、2人共に怯えている。
「まぁ、見捨てるだろうなお前は。所詮今の公僕なんざ…………」
「解った。もう訊かん」
男の言葉を遮り、愛里は視線を前方に戻す。
こうなればもう、交渉が終わるまで何時間でも尿意に耐えるしかない。人命と、警察官としてのプライドを賭けた戦いだ。
愛里は口元を引き締め、静かに覚悟を決めた。



「ほんっと我慢強い女だな、コイツ。クスリ効かねぇんじゃねえのか」
「ああ。リサ相手に試薬使った時にゃあ、五分でもうダメっつって漏らしてたもんな。
 テスト前にゃあ、さんざん小便の我慢には自信があるとか言ってた癖によ」
「マスコミ共もまだ気付いてねぇみたいだぜ。身代わりから40分あまり、未だ直立の姿勢を崩しません、だってよ」
水を与えて10分が経過した頃、見張り役の男達が言葉を交わしていた。
愛里は隙のない表情で前を見つめ続けている。
しかし間近で見れば、その髪の生え際や額から、かすかに脂汗が滲み出ているのが見て取れた。
「人間ってのは想像以上に排泄欲に弱いらしいがな。
 膀胱は500mlほど尿を溜められるそうだが、実際には4/5ぐらい溜まった時点で脳に信号が送られるらしいぜ。
 自分は小便がしたくてしたくて堪らない、ってな。ペットボトル1本未満だぜ、だらしねぇと思わねぇか?
 ああそうだ。女の場合、予備の尿道まで短いから、もっと限界が早いかもな」
男は愛里の反応を意に介さず、延々と喋り続ける。
尿意を我慢している最中でのその話題は、非常に腹立たしいものだ。愛里は奥歯を強く噛みしめた。

表面でこそ平静を装っているものの、愛里の頭の中では警鐘が鳴り続けている。
膀胱が熱を持ったように熱く、背筋などは逆に冷え切っている。
寒い。ひどく寒い。鳥肌が立ち、思わず身震いしてしまいそうだ。
尿意は刻一刻と強まっていく。
もう限界だと思える尿意が膀胱で荒れ狂い、数十秒耐えれば少し収まる。
膀胱壁の移行上皮が伸びて内圧が下がるためだ。しかし、それも一時しのぎに過ぎない。
その凪段階が過ぎれば、今度は前回以上の大きな波が襲ってくる。
カメラで撮られている手前、平静を装うために直立を保たなければならないのもつらい。
足を交差させて膀胱を締めたり、屈伸をしたり、そうした尿意の和らげ方が一切できない。
できる事といえば、素足の親指で床を掴むようにするか、頭後ろに組んだ手で首の皮を挟み、その痛みで尿意を誤魔化す程度のものだ。

さらに小一時間が経過した頃、再び水の入ったコップが差し出された。
「さぁ、水だぞ。飲め」
「…………要らん」
愛里は水を浴びたような汗を顔中に流しながら、男の誘いを断った。
しかし、男がさらにコップを口に近づけると、結局を拒みきれない立場だ。
「んっ、……ん゛っ! ぐっふ、んっ…………!」
喉につかえながら、愛里は少しずつ水を飲み込む。
妙な味に思えるのは、今度の水も利尿剤入りだと判りきっているせいか。
事実、それが胃の中を通り抜けてからしばらくすると、いよいよ猛烈な尿意が襲い来る。
「………………っ!!!!!」
愛里は前方の空間を強く睨みながら、身を飲み込むような尿意の波を耐えた。
男達が口笛を吹く。
「すげぇな。だが、流石にもうすぐ限界だろ。今飲ませたのは、一杯目の3倍濃い奴だ」
男は汗の光る愛里の裸を眺め、可笑しそうに嗤った。



人間には『限界』がある。肉体的限界、あるいは精神的限界。
愛里はそのどちらを取っても、一般人とは比にならないほど強靭だった。
鍛え上げられた下腹部の筋肉は膀胱の口を緩めず、
武道で培われた精神は、漏らして楽になろうとする甘えを強く律する。
しかし……どれほど鍛えても、いつかは限界が訪れるものだ。

「ひひっ、すげぇ汗まみれ。コイツ反応薄いけど、やっぱキツいんだろうな」
「当たり前だろ、あのクスリだぞ。もうすげぇ量溜まってる筈なんだからよ」
背後からする男達の声を、愛里の耳はしっかりと聴いていた。
集中してしまうと膨大な尿意に耐え切れないため、意図的に外部の情報を取り入れて気を紛らわせているのだ。
最もその情報とて、愛里を追い詰め、緊張させることで膀胱を収縮させるものばかりだが。
「ふーっ…………ふーーーっ………………」
愛里は、いつしか自分の息が荒くなっている事に気がついた。
「どうした、興奮しているな。露出の気でもあったか?」
「カメラの前で、腋もチチも丸出しだからな。おカタい女ほど変態だってのは本当らしいな」
当然周りの男には茶化されるが、もはや息を制御できるレベルではない。
腿に力を篭め、奥歯を噛みしめていなければ、すぐにでも内股になって叫びだしそうな尿意なのだから。
自分の身だけが軽い地震に襲われているように、ひどく足が痙攣し、その揺れが身体にまで伝わってしまっている。
「ふっグ…………!! スーーッ、……ッハァッ…………スーーッ…………!!!」
愛里は武道で修めた調息を行い、必死に身の震えを鎮めようとした。
しかし、日頃慣れ親しんだそれすらも最早ままならない。
吸い込んだ息を下腹に留め、丹田に力を篭める『充息』の段階が、どうしても疎かになってしまう。
まるで身体中が、はやく膀胱の異物を吐き出せと愛里に訴えているようだ。

 (いや、言う事を聞いて! お願い、もう少しでいいから我慢をさせて…………!!)

愛里は必死に肛門を締めつつ、下半身の筋肉に訴えかける。
空手、柔道、合気道、杖道、剣道…………幼少時より、様々な武道を経修めてきた愛里だ。
心身のコントロールには人一倍の自信があった。
しかし、それも限界らしい。
血が流れ続ければ失血死するのと同様、心身が疲弊し続ければどこかで折れる。それがどうやら今だ。
酸欠著しく、下腹に差し込むような痛みが続いている。
膀胱付近の筋肉もとうとう攣ったように固まり、制御を受け付けない。
ならば、と愛里は覚悟を決め直す。
排泄が避けられないならば、せめて堂々としていよう。恥じらいを見せるような事はしない、と。

愛里は下腹部の力を抜いた。かろうじて掴まっていた崖から指を離すように。
直後、膀胱からの流れが尿道を焼く。
それを脳が認識した時にはもう、生暖かいものが太腿を流れていた。
白いショーツは一瞬にして薄黄色に染まり、溢れる尿の勢いで陰毛を覗かせる際までずれ落ちる。
「っっっ!!!!」
ここでようやく、愛里の脳は排尿の心地良さを捉えた。
 (嫌、きも……ち、いい………………でも、でも…………)
自宅であれば、大口を開けて存分に甘い声を上げているほどの心地良さ。
しかし愛里はそれをしない。
理知的な瞳で前を見据え、キリリと口元を結んだまま、足を肩幅に開いた姿勢を崩さない。
「はははっ、女だてらに漢らしいションベンだな!」
「ああ。コイツ、ヤクでもキメてんじゃねぇのか? 羞恥心がぶっ飛んでやがら」
「けっ、期待外れもいいとこだな。機動隊の女が泣き叫びながらションベン漏らすのを期待してたのによ」
「確かにな。……なら、そうなるまでやるか」
男達は愛里の反応に満足せず、またも水入りのコップを唇に押し付けた。
「オラ飲めよ。今度は、さらに濃い奴だ。膀胱ン中で小便が次々に作られて、漏らしっぱなしになるぐれぇにな」
コップが傾けられる際には、悪意に満ちた言葉が添えられる。
そして愛里は、その悪意を受け入れるしかなかった。

「…………ははははっ、『非常に好ましくない映像が流れています、なるべく視聴はお控え下さい』だってよ。
 最初からチチ丸出しだっつぅのに、今さら何言ってんだかな!」
「まぁ、確かにすげぇ映像だからな。駄々漏れじゃねぇか」
「泣き入れねぇことで余計に惨めになってるなんざ、皮肉だよな」
男達は、愛里を眺めながら嗤いあった。
愛里はなおも直立したまま、際限のない尿意に襲われ、幾度となく失禁を晒している。
そしてその様は、変わらず数社のテレビ局によって報道され続けていた。
「…………っ!!」
今また限界を迎え、愛里の内腿を透明な筋が流れていく。残りは床に滴り落ち、雨のような音を立てる。
それでも愛里は、凛とした姿勢を崩さない。
羞恥を顔に出さず、涙の一筋さえ流さず、意思のない人形のように振る舞い続けた。

その姿勢は、やがて興奮した男達が口での奉仕を強いはじめてからも変わらない。
「う゛、おぐっ……っっんぉおお゛、ォおおお゛オ゛エ゛ッ…………!!」
後ろ手にロープで拘束され、後頭部を掴んでのイラマチオ。
その状態で根元まで咥え込まされれば、さすがにえづき上げてしまう。
しかし反応といえばその反射的なものだけで、逸物を吐き出した時にはもう、無機質な顔を作っていた。
左右の男に交互に喉奥へ突きこまれ、濃厚なえづき汁を乳房に纏いつかせるほどになっても、精液を飲むよう強制されても。
「おら、もっと喉の奥で締めるんだよ、どうだイイんだろ? ……ったくコイツ、マジで人形かよ」
「ここまで徹底して意地張られると、逆に気持ちいいな。何かに目覚めそうだぜ、俺」
男達は、あるいは愛里の強情さに呆れ、あるいは喜びながら陵辱の限りを尽くす。
彼らは誰一人として気付かなかった。
鉄面皮のようなその顔の裏で、愛里の心が少しずつ、少しずつ、壊れてはじめている事に。



この『ホテル・スィエール立てこもり事件』は、翌日夕方に交渉が成立し、犯行グループの逮捕で幕を閉じることとなる。
しかし、社会的な波紋は大きかった。
過去例がないほどの放送事故。大勢は愛里に同情的ではあったが、警察組織の信頼は落ちた。
そして、もう一つ。
この事件の後から、爆発的に流行し始めたアダルトビデオのジャンルが『人形プレイ』であった事も無視はできない。
当の木橋愛里機動隊員は、その働きを表彰され、一生を遊んで暮らせるほどの莫大な報酬を得たものの、
警察官の職自体は辞して故郷に戻ったという。
その後少なくとも一週間の間、外で目撃された彼女は、いつも泣き腫らしたような眼をしていたそうだ。



                                     終

<初出:2chエロパロ板『【羞恥】平然or平然を装うシチュ【無反応】』スレ>