大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

イラマチオ

二度と出られぬ部屋 最終章 オーバードーズ Part.4

Part.3(後半)の続きです。
 ディープスロート回につき、嘔吐要素が多めなためご注意ください。




「八金 沙綾香の性感は、また新しいステージに進んだことでしょう」
 死んだように眠る沙綾香を見つめながら、端塚が呟いた。
 悔しいが、否定できる材料がない。
 衆人環視の中でセックスを強いられ、颯汰の手で数時間に渡って中イキを継続させられ、さらに夜通し黒人共にイかされ続けた。それを通して、彼女のポルチオ性感は決定的なまでに開発されたことだろう。
 実際、ベッドで眠りに入ってからも、彼女には普通でない状態が続いていた。仰向けになって寝息を立てる中、伸ばした脚がいきなり震えるんだ。
「っん……ふ、んんんっ……!」
 鼻を抜ける甘い声も漏れる。まるで、見えない誰かに愛撫されているような反応。
「こいつ、アクメの余韻に浸ってやがる」
 近くで監視していたロドニーが笑い、手にした缶ビールを一気に飲み干してから、沙綾香の下腹に掌を乗せる。
「はうう゛っ!!」
 太く黒い指が腹部に埋もれれば、沙綾香の足指が強張った。
「はっはっは。これでイクってのは相当だな!」
 ロドニーは愉快そうに笑いながら、さらに下腹を揉み込む。その度に沙綾香の下半身が震え、膝が上がっていく。目は閉じたままだから、眠ってはいるんだろう。つまり彼女は、意識のない状態で絶頂しているということだ。
 その異様な反応を見ていると、胸に不安が広がっていく。いつかの桜織のように、快楽に呑まれきっている気がして。だから、目覚めた彼女がシャンとした表情をしていた時には、心の底から安堵した。
 だが、あくまで『今は』大丈夫であるに過ぎない。沙綾香への性感開発は今日も続く。まずは、百合によるマッサージからだ。

「今日は、貴女の乳腺を開発するわ」
 百合は、ガスを吸引する沙綾香にそう語りかけた。そしていつも通りに薄い白手袋を嵌め、オイルを塗り伸ばすと、横たわった沙綾香の身体に触れる。
 まずは乳房の外側を、細い指先がゆっくりと撫でていく。
「んんっ……!?」
「くすぐったいでしょう。脂肪で守られていない敏感な場所だから、最初はそうなの。でも、こうしてじっくりと開発していけば、そのうち感じやすくなっていくのよ。『おっぱいのGスポット』なんて言われるぐらいだもの」
 百合はそう言い含めつつ、優しく乳房周りを撫でまわす。沙綾香は、そんな百合の顔を不安そうに見つめていた。
 乳腺開発は静かだ。シューッ、シューッ、というガス吸引の音だけが聴こえる。だが、行為の激しさと快感の強さには、必ずしも相関関係はない。百合の責めは特にそうだ。
 オイルに塗れた手が、乳房の側面から腋の下にかけてを往復する。静かに、確かに。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 吸引具を外されるなり、沙綾香は荒い呼吸を始める。汗がひどく、瞳孔も開き、いわゆる“キマって”いる状態だ。それを知りながらも百合は、マッサージの手を緩めない。
 そんな状態が、5分ほど続いたころ。ついに、沙綾香に変化が表れはじめた。
「はっ、はっあ…………ああっ…………!!」
 百合の指が乳房の横をなぞるたび、艶めかしい声が漏れる。肩幅程度に開いた脚が強張り、腰が浮く。
「気持ちよくなってきたのね?」
 百合の声色は柔らかい。後輩を慈しむようでもあり、狙い通りの展開にほくそ笑むようでもある。
「は、はい。くすぐったさが、どんどん酷くなって……腰が、勝手に浮いちゃうんです」
「くすぐったい。それだけかしら」
「…………その、気持ちよさも、少し……。おっぱいに直接触られてもいないのに、ただ、揉まれるより……」
「それはね沙綾香、乳腺が目覚めてきた証拠よ。今はガスの効果で敏感になっているから、くすぐったさばかり感じてしまうんでしょうけど……あなたの身体は、とっても気持ちよさそうよ」
 百合が乳房に5本指を宛がい、指先で何度か円を描くと、今度は沙綾香の腕が跳ね上がる。
「はぁあうッ……!!」
「フフッ、いい反応。貴女の反応ってとても可愛いわ。色気があって、でもあどけなくて。思わず、もっと虐めたくなってしまうほどよ」
 百合の指先が、沙綾香の乳房の上で円を描きつづける。そのたびに沙綾香の腕がヒクヒクと反応する。それをさらに数分続けたところで、百合はとうとう乳首に手を出した。左右両方の蕾を、人差し指で上下に弾く。
「うあああぁっ!?」
 沙綾香は叫びながら胸をせり上げた。背中が一瞬、完全にベッドから離れる。
「すごい反応。責め甲斐があるわ」
 百合はかすかに笑みを浮かべながら、オイル塗れの指で乳首を弾きつづける。
「あああっ、うんんんっ……やっ、駄目、です……っ!! こ、これって、やだ、おっぱい、だけで…………っ!!」
「あらあら、まさか乳首だけで達してしまうの? いいわ、私に見せて頂戴」
 人差し指だけでなく、親指も混ぜて胸の突起を責める百合。
「ああんっ、あ、あ、あっ……あっあ…………」
 沙綾香は甘い声を漏らしながら、何度も首を振っていた。そのうち太腿へ縦筋が浮き、胸が何度もせり上がる。一般的な女が一般的なセックスで絶頂する時でも、ここまで力が入るものだろうか。
 そして、緊張の後には弛緩が訪れる。
「んんんんんっ…………!!!」
 沙綾香は呻きながら、恥ずかしそうに唇を噛み締めた。異性である俺にも、それが絶頂のサインなんだということが解った。
「可愛いわ沙綾香、達したのね。絶頂の宣言はなかったけれど、今回は見逃してあげるわ。貴女自身、本当に胸だけでイクだなんて思わなかったでしょうし。でも、想像以上に気持ちがよかったでしょう? これに慣れると、乳首を愛撫されるだけで、膣まで痙攣するようになるの」
「ち、乳首、だけで……!?」
「そうよ。もっともっと、貴女の知らない快感を教えてあげるわ。“先輩”としてね」
 百合はそう言って、また胸の蕾を弾く。
「んふ、ぅっ!!」
 沙綾香はまた震えながら、澄んだ瞳を惑わせる。百合に愛撫される彼女は、他の誰を相手取る時よりも小さく見えた。


                 ※


「んんっ、あっ……あ! あ、っく、あぁ……っぁ……」
 沙綾香のか細い悲鳴が聞こえる。彼女はベッドで胡坐座りをさせされ、背後から乳腺責めを受けている。彼女の乳房は形がいい。重力をものともせずに前を向く、お椀型の膨らみ。
「貴女の乳房は、搗きたてのお餅みたいね。温かくて、やわらかくて、でも張りだってある。触りだしたら止まらないわ」
 百合はオイルマッサージを繰り返しながら、そんな事を囁いていた。言葉の全てに裏がありそうな女だが、今の囁きは数少ない本音だろうと思う。
 沙綾香は、相手の五感に快感を与える少女だ。
 姿を一目見ただけで、視線を縫い付けられる。一瞥して冷笑でもされた日には、猿のようにマスを掻く状態が三日三晩続く。
 声も『鈴を転がすような』という表現が相応しい、澄んで美しく響くものだ。
 匂いもいい。俺と鏡張りの部屋に閉じ込められている間、彼女は香水などつけていなかったはずなのに、ほのかに甘い香りがした。もちろん人間である以上、汗や愛液は生々しい匂いがする。でもそれすら、彼女自身の体臭と混ざり合えば、不快には感じなくなった。
 汗や粘膜にしても同じく、信じられないほど不快感はない。ほのかに感じる味は、男をいきり勃たせる漢方の代わりをする。
 そして、肌触り……これも本当にいい。乳房、脇腹、尻、太腿。彼女とセックスする間、俺はそういった場所を故意・偶然を問わず何度も掴んだが、そのたびに掌が悦びを訴えたのを覚えている。上質な毛布を撫でた時、妙な快感が背筋を走ることがあるが、それに似た部類だ。吸いつくような肌を揉んでいると止まらなくなり、嫌われるのを恐れて手をのけた覚えがある。
 そんな彼女に触れていれば、同性であろうと虜になってもおかしくない。
 しかし逆に、沙綾香の方も百合の虜になりつつあるようだ。

「ふンン……あっ、だめっ、あ! や、ぁ…………!!」
 両乳房を下から持ち上げられ、揺さぶられれば、沙綾香は震えながら否定の言葉を漏らした。
「あら、嫌なの? 私に触れられるのは嫌い?」
 百合が手を止め、沙綾香の耳元で囁く。沙綾香は恥じらう表情をするものの、答えない。黒人共相手になら、嫌だと即答しているだろうに。
「否定しないのね、嬉しいわ。もしかしてまだ、私に憧れてくれているのかしら。入学してすぐの頃も、眼を煌めかせて私を見ていたものね。貴女って華があるから、人混みの中でもすぐにわかるのよ」
 百合はまた囁きながら、勃起した乳首の周囲に触れていく。
「だいぶ興奮しているようね。乳輪がこんなに膨らんで、粟立って」
 百合の指が泡立つ皮膚をなぞれば、沙綾香の肩がこまかに震えた。あ、あ、と漏れる声も快感の色が濃い。しばらく乳輪を弄ばれたあと、満を持して乳首を摘まれれば、沙綾香はきつく目を瞑る。
「ひぅうっ!!」
 胡坐が閉じて三角座りに変わり、両手は百合の手に添えられる。そういう時の沙綾香の反応は、本当にお嬢様らしい。
「可愛いわ、沙綾香」
 百合は沙綾香の首筋に舌を這わせ、反応を楽しみながら、左手を乳首から離す。その指先が向かう先は、股座だ。一度は閉じた沙綾香の脚を再び開かせ、割れ目へと潜り込む。
「あ、はっ!?」
「こっちのGスポットも敏感ね。黒人の調教師様はカリ首が張っているから、出し入れされるたびにここを刺激されるものね。私も驚いたわ。もう3日も前のことなのに、あの方々から頂いた快感が頭から離れないの。それを毎日体験できるなんて……羨ましいわ」
 乳首を右手で転がしながら、割れ目の中の左手を蠢かす百合。もはや判りきっていることだが、その責めはツボを外さない。
「あっ、は……あ、あッ、んん……あ、あっ」
 沙綾香は肩から足先までを震えさせ、喘ぎを漏らす。割れ目からは早くもぐちゅぐちゅと水音がしはじめている。
「力まずにリラックスして、快感に浸りなさい。乳首と膣の感覚に集中するの。勿論、イク時はちゃんと言うのよ。絶頂がより強く実感するためにね」
 百合は、部活の上級生がするように命じつつ、さらに沙綾香を昂らせていく。
「あっ、あっ! あっ、あっは、あっ……! はあぁアあっ……! い、いくっ、いきますっ!! あ、あ、今イって……んあっ、あっ、ああっ……!!」
 沙綾香が絶頂を訴えても、百合の責めは途切れない。指先で乳首を転がし、割れ目を激しく指で刺激しながら、ついには右乳房にも吸い付いた。
「ひいいっ!! せ、先輩やめっ……こんなのっ、あ、あああああっ! いくっ、ひいいイクぅっ!」
 沙綾香は脚をばたつかせ、歯を食いしばりながら何度も絶頂を訴える。その姿は痛々しいというより艶めかしい。

 沙綾香が俯いて喘ぐばかりになった頃、ようやく百合は指を離した。そして一旦ベッドを離れると、コップに水を汲んで沙綾香に手渡す。
「喉が乾いたでしょう、お飲みなさい」
 そう告げるのは、純粋な優しさからじゃない。さらなる責めに備えろ、という意味だろう。不安そうにコップを傾ける沙綾香の横で、百合は手袋を替え、鞄から細いディルドーを取り出した。蛇腹の、柔らかそうなものだ。
「……っ!」
 沙綾香が表情を強張らせた。
「これで、貴女の喉奥を拡げるわ。次に審査会で戦う相手は、ディープスロートに特化した調教を受けているの。貴女も慣らしておかないと、勝負にならないわ」
 百合は沙綾香の反応に気付きつつも、あえてそう宣言する。
 階層順に勝負が進むなら、次は地下16階の千代里だ。天使のようなあの子は、客から代わる代わる喉奥を凌辱され、嘔吐していた。連日あんな行為を続けていたなら、確かに喉は相当に鍛えられているに違いない。
「口をお開けなさい」
 有無を言わさぬ口調で命じられ、沙綾香は躊躇いがちに唇を開く。顔を上向けたまま口を開くというのは、ともすれば下品に見えがちだ。だがモニターに映る沙綾香の顔は、確実に美少女と呼べるものだった。
 睫毛が長く、形のいい切れ長の目。澄みきった瞳。すっと通った鼻筋に三角の鼻孔。ピンク色の唇と、美しい歯並び。どれも最上といって差し支えない。
 百合は、そんな沙綾香の口内へとディルドーを送り込んでいく。
「もが……」
 ディルドーが舌の上を滑り、沙綾香の瞳孔が下を向く。さらにディルドーが進み、とうとう喉奥へ届けば、目元が震えて唇が閉じた。
「もっと開きなさい!」
 百合は毅然とした態度で命じ、沙綾香が従ったところでディルドーを動かしはじめる。モニターには、舌の付け根よりさらに奥まった空洞に、細い棒が出入りする様がしっかりと映し出されている。
「こォっ……!!」
 ディルドーが4往復ほどしたところで、喉奥から声が漏れた。同時にまた口が閉じ、前歯はディルドーを挟むような動きを見せる。
「沙綾香。開けなさいと何度言わせるの?」
 百合の声色が険しくなり、白手袋に包まれた左手の指が口をこじ開ける。その状態でさらにディルドーが前後すれば、沙綾香は左目を細めながら涙を浮かべはじめた。
「がっ、あ゛え゛っ!!」
 濁った声が漏れ、目尻に溜まった涙がこめかみを伝い落ちる。
「我慢なさい!」
 百合は指で舌を押さえながら、さらにディルドーを深く挿入していく。グリップ部分がすっかり口内に隠れるまで。
「ぉこっ……あ゛、うぇ、ぁ…………かァッ!!」
 沙綾香の唇が痙攣し、目元がひくつく。その震えは秒単位でひどくなり、そしてついに、豊齢線がはっきりと浮き出た。そこまでになれば、いかに彼女でも美少女と呼べる顔立ちではなくなる。そしてそれは、限界の証だ。
「ンげぇっ、あはっ!!!」
 ある瞬間、ついに沙綾香は、ディルドーを突き込まれながら横を向いた。唇の端から、口内に溜まっていた唾液が白い水流となって落ちていく。ディルドーが引き抜かれると、その水流はさらに酷くなり、形のいい顎全体を覆い尽くす。それを見て百合は、溜息をついた。
「……貴女、ずいぶん喉が弱いのね。これはまずいかもしれないわ」
「す、すみません……」
「謝る必要はないけれど、旗色が悪いのは事実ね。貴女の次の相手──千代里といったかしら。彼女はかなり喉が強いそうよ。合唱部らしいから、普段から鍛えられているんでしょうね。そんな相手とディープスロート勝負をするなら、せめてよく慣らさないと。嫌ならもうやめるけれど……勝ちたいんでしょう、貴女」
 苦しがる沙綾香に対し、百合は淡々と語る。審査会に絡めて諭されれば、沙綾香は拒めない。
「…………はい。勝ちます」
 涙目で苦しそうに喘ぎながら、素直に頷く。
 百合はそんな沙綾香の唾液を拭うと、鞄の中から道具を二つ取り出す。さっきより一回り太さのあるディルドーと、透明な開口具。千代里も口に嵌められていた、『マウスオープナー』だ。
「喉奥への刺激に慣れるまでは、これで口を開かせてもらうわね」
 百合はそう断り、沙綾香の口を大きく開かせると、慎重に開口具を嵌め込んでいく。
「すごいわ、喉の奥まで全部丸見えよ。歯並びも、粘膜も、舌も……本当に、全部が綺麗なのね」
 百合はモニターを見上げ、沙綾香自身にも顔を上げさせて語った。
「ハア、ハア、ハア…………」
 沙綾香の表情は複雑だ。百合はそんな沙綾香の瞳を見つめながら、ディルドーを拾い上げ、ゆっくりと口内へと捻じ込んでいく。今度は、いきなり深くまで。
「あ゛っ!! あがらっ、げッは!!」
 沙綾香はすぐに噎せ返り、喉の奥に唾液を溢れさせた。それは沙綾香が顔を傾けることで、泡立つ粘液として流れ落ちていく。
「どれだけ涎が出てもいいから、喉は開いておきなさい」
 百合は沙綾香の顔を上げさせ、さらに奥を責めた。
「あ゛っ……あえ゛っ、かはっ……あ……!」
 沙綾香の頬に筋が浮き、目が、顎が苦しさを訴える。さらには舌も激しく蠢き、沙綾香はとうとう百合の手を掴みはじめた。
「沙綾香。この手は何?」
 百合が嗜めると、沙綾香は手を離すものの、今度は膝が浮いてくる。本当に苦しくて堪らない、という様子だ。
 百合はそれを見て、ディルドーを引き抜いた。ディルドーの先端と口内とに、太い唾液の線が引く。開口具を伝って、帯状の唾液が滴ってもいる。
「あはあッ、はあっ、はあっ、はあァッ……!!」
 沙綾香の息は荒い。呼吸だけなら膣での絶頂に似ているが、唾液塗れで喘ぐ表情はより惨めだ。それを見ても、百合に手加減しようという感情は湧かないらしい。
「喉はあまり開かなかったけれど、潤滑剤は充分ね。次に行くわ、ベッドを降りなさい」
 彼女はあくまで淡々と命じる。鞄を探り、新しい道具を取り出しながら。

                 ※

 ベッドを下りた沙綾香は、近くのガラステーブルへと移動させられた。テーブルの下にはあらかじめ透明なシートが敷き詰められている。まるで、盛大に汚れることを想定しているかのように。
「さあ、本番よ。これを奥まで咥えなさい」
 百合は、ガラステーブルに持参した道具を置いた。人間のペニスをそっくりに模した、肌色のディルドー。サイズは日本人平均よりやや大きいか。底には吸盤がついていて、簡単には動かないように出来ているらしい。
「…………ふぁぃ…………」
 沙綾香は少しためらった後、百合の言葉に従う。前傾姿勢をに取り、開口具で拡げられた口内にディルドーを収めていく。
 最初は順調だった。だが8割ほど飲み込み、人体でいう玉袋まであと数センチとなったところで、動きが止まる。
「こほっ……ん、んぐっ……んふっ、カッぁ、こほっ!!」
 しばらく悪戦苦闘した末に、噎せながら顔を戻す。見るからに苦しそうな表情だ。ディルドーを流れ落ちる唾液の量もかなり多く、沙綾香の奮闘具合が見て取れた。だが百合は、その努力をもって良しとはしない。
「もう一度よ。奥まで咥え込めなかった自覚があるでしょう?」
 無慈悲な言葉。だが沙綾香は素直に頷いた。
「あはっ、はぁっ、はぁっ……ん、んっぐ、んん…………」
 くぐもった声を漏らしながら、健気にディルドーを飲み込んでいく。だがその動きは、ディルドーの半分を超えた辺りで早くも止まった。一回目よりも進みが悪い。
「ん、ん……!!」
 沙綾香は目を何度か瞬かせ、上の方を見上げる。まずい、と内心思っている風だ。
「どうしたの。早くなさい」
 百合が急かせば、テーブルの上に置いた手をぎゅっと握りしめ、改めて頭を下げていく。だがその動きは、やはり一度目と同じ場所で止まった。
「んぐ、ぇおっ……くっ、ごっ、ぶほっ!!」
 上唇が尖り、その尖った先から唾液が伝ってテーブルに滴る。少し頭を戻し、再度挑戦しても結果は同じ。唾液が零れるばかりで、最後の数センチが入らない。
 百合は、それを黙って見下ろしていた。だが沙綾香が3度目に噎せたところで、うなじを掴んで下へ押し込む。
「うぐっ!?」
「そのままよ。喉を開きなさい!」
 沙綾香が噎せても、押さえ込む力を緩めない。沙綾香の目が見開かれ、両手がガラステーブルを掴む。そして。
「んがっ、がえぇっ……ぶふっ!!」
 沙綾香の口内から、色のついた吐瀉物が溢れ出す。同時に沙綾香の頭が下がり、ディルドーはついに根元までが唇に隠れた。
「いいわ沙綾香。今度はそのまま、10秒キープよ!」
 百合は叫び、うなじだけでなく後頭部までも押さえつけて、沙綾香が頭を戻せないよう封じる。
 沙綾香は苦しんでいた。両手が握りしめられ、膝が忙しなく動く。開閉を繰り返す唇からは、さらに吐瀉物が流れ出す。
「げっはっ、えはっ、ごほっ、ごほっ!! あはっ、はーーっ、はーーっ、はーーっ…………!!」
 10秒後にようやくディルドーを吐き出せた沙綾香の呼吸は、恐ろしく荒かった。二筋の涙の痕と、数えきれないほどの涎の線が痛々しい。だが、それを見ても百合は顔色ひとつ変えない。
「コツは掴めたわね。さあ、もう一度よ」
 白髪やクールな面持ちから想像できる通りの、冷徹な言葉。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………ぁい」
 沙綾香はモニターの方を睨みながら、何度も喉を鳴らしてから同意を示す。涙に濡れてはいるが、固い意思を感じる瞳だ。上級生の命令だから続けるんじゃない。彼女自身が、友人との勝負に勝つために、それを必要と判断してるんだろう。

 彼女は、その強い瞳で頑張り抜いた。何度となく嘔吐し、吐瀉物がテーブルから垂れ落ちるほどになっても。一回り太いディルドーに替えられた後、目を剥いたまま、開口具が外れるほどの壮絶な嘔吐を晒しても。

「…………よく頑張ったわね。これで、喉を開くコツは掴めたはずよ」
 百合はそう言って手袋を外し、沙綾香の頭を撫でる。沙綾香は汗や涙、鼻水、吐瀉物に塗れたまま、少し微笑んだように見えた。久々に緩んだ空気だ。
 だが、それも今だけのこと。シャワーを浴び、食事を済ませて一休みすれば、また夜が来る。今夜のケダモノ共は、どんなやり口で沙綾香を犯すことだろう。楽観視はできない。なぜなら奴らは、もうずっと前から……沙綾香がまた乳腺マッサージを受けていた頃から、鉄格子を揺らして騒ぎ続けているんだから。


                 ※


 百合のマッサージに触発されたのか。この日の調教師共は、沙綾香の乳房に強い興味を示した。彼女が鉄格子の中に入るなり、背後からジャマールが乳房を掴み上げる。すべてが手荒な黒人共には珍しくない行為だが、沙綾香の反応はいつもと違った。
「ぁっ、ん!!」
 片目を瞑り、むず痒そうな顔をしながら身を捩る。その新鮮な反応に、周囲の黒人共が一斉に頬を緩ませた。
「ひひひっ! こいつ、もう感じてやがる!」
「ああ。あの白髪女に、チチ触られまくってたもんなあ!」
「乳首も勃起させてっしよ、この変態女が!」
 沙綾香の前に立つモーリスとタイロンも、ジャマールの掴み上げる乳房の先を弄繰り回す。
「んっ、ひッ!? ん、ふぁぁ、あっ……!!」
「ひっひ、すげぇ反応だ。こりゃあチチだけでイクんじゃねぇか?」
「ああ。たっぷり感じさせてやろうぜ!」
 ジャマールが無遠慮に乳房を揉みしだく中、モーリスが乳房に吸いつく。
「ちょっ、やめっ……んんっふ、くううっ!!」
 沙綾香の反応は、確かに大きい。胸に刺激を受けるたび、全身が震える。直前にガスを吸わされた影響もあるが、やはり百合のマッサージが効いてるんだろう。
「や、めてよっ……ほんと、キモいってば!」
 沙綾香自身も敏感さを自覚しているのか、黒人共を押しのけようとする。だが、その手もあえなく掴み上げられた。そしてついに両の乳首は、2人の黒人に吸いつかれる。チュウッ、チュウッと音がしはじめる。
「あ、あ、ぁぁああっ!! ンん……ッく、くふんん、ンっ……!!」
 沙綾香は腕を掴み上げられたまま、ある時は大口を開いて快感を逃がし、ある時は目も口も閉じ合わせて耐えていた。だが、いくら気丈に耐えようと、いずれ限界は来る。
「くぅ、んんんん、ふっぐうっ…………あああ゛ぁ゛っ!!」
 左右同時に乳首を吸われた瞬間、沙綾香はとうとう顎を引きながら痙攣した。断続的で細かな震え。彼女の仕草を見慣れた人間なら、それが絶頂のサインだとすぐに解る。
「へへへ。こいつ、乳首だけでイキやがった」
「ああ」
 モーリスとタイロンが口を離すと、沙綾香も顎を浮かせて大きく息を吐く。『やっと解放された』とばかりに。そしてそれは、胸を責められるのが辛かったと白状したも同然だ。生粋のサディストが、その匂いを嗅ぎつけないわけがない。
「はぁ、はあ……はぁ……」
 上半身を痙攣させ、唾液塗れの乳首を完全に勃起させた沙綾香。その乳房を、改めて背後からジャマールが揉みしだく。
「うあっ!? ちょっ、また……あ、あん、ふああぁっん゛!」
「ひひひ、甘くっていい声だな。若いジャパニーズの中でも、お前の喘ぎは格別だ。いちいちコックに響きやがる!」
 ジャマールは笑みを浮かべながら、沙綾香の乳房を弄ぶ。力任せに揉みしだいたかと思えば、掌に載せて上下に揺らし、あるいは人差し指の先で乳首だけを捏ねまわし。それを受ける沙綾香の反応は、さっき以上に大きい。
「んあ、あんっ! チ、チクビぃっ、転がさないでよおっ……!!」
 息を荒げながら、必死に抗議する。それでも責めは止まず、沙綾香は2度目の絶頂に追い込まれてしまう。
「ん、ふぐうう゛っ!! ひ、ぃひっ……なんで、感じすぎちゃう……。ち、乳首だけで、イクなんて……これなら、アソコに入ってる方がマシ……!」
 沙綾香が漏らした呟きは日本語だ。角界にいたダリーはともかく、他の英語圏の連中に通じるとは思えない。それでも連中は、沙綾香の雰囲気と、股をもじつかせる動きだけで察したらしい。
「オーケイ、ジャパニィーズ!」
 モーリスが満面の笑みを浮かべながら、沙綾香の割れ目へと太い指を沈める。
「っあ、いやああっ!!」
「嘘つけ。コッチにも刺激が欲しかったんだろ、ああ!?」
 モーリスの指遣いは激しい。経験の少ない子なら、ただ痛いだけだろう。だが今の沙綾香は、その責めで愛液を溢れさせてしまう。粘性のある水音がし、愛液が滴っていく。
「おーお、グッチョグチョじゃねえか! これでよく嫌だなんて言えたもんだな、ビッチ!」
「ち、違っ……あああっ、やだやだっ! んっくう、ぁ、だめッえ……」
 指で膣内を掻き回され、沙綾香が首を振る。まさにその瞬間、ジャマールの指が乳首を捻り上げた。沙綾香は、その同時責めに耐え切れない。
「いいいいいっ!?」
 眉をハの字に曲げ、歯を食いしばりながら、大股開きで痙攣する。さっきと違い、沙綾香の仕草を見慣れていない相手でも、一目で絶頂と判る反応だ。
「ふひゃああ~、すげぇ!!」
「オイオイオイ、乳首でここまでイクのかよ。堪んねぇなあ!!」
 黒人共は大いに沸いた。贔屓のチームが世界大会で優勝でもしたかのように、酒入りのグラスをぶつけ合って大いに笑う。
 そしてその熱は、簡単には冷めない。“檻”の入口からベッドへと場所を移してからも、黒人共はすぐに挿入はしなかった。
 焦らす。
 ベッドに寝そべったダーナルが、顔の上に跨らせた沙綾香の割れ目をひたすらに舐り。左右からはアンドレとダリーが、乳房を揉みしだく。3人の黒人が日本人少女に群がる光景は非日常的だ。ましてや、その怒張が血管まで浮くほどの完全な勃起状態となれば、もはや恐怖映像に近い。
 そんな状況下で、沙綾香は艶めかしく腰をうねらせていた。
「はぁ、あっ……んんんっ、ふぁっ! やあっ、あ……ああうあっ、んんあっ!!」
 とにかくダーナルの舐りから逃れたいらしく、喘ぎつつも、円を描くように腰を動かす。だが黒人3人は、力を合わせてそれを阻止した。左右の2人が太腿を上から押さえつけ、ダーナルが下から腿の裏を掴む。丸太のような剛腕でそうされれば、沙綾香はもう腰を動かせない。
「無駄な足掻きはやめな、ジャパニーズ」
 ダーナルは笑みを湛えたまま、赤黒い舌で割れ目からクリトリスにかけてを舐め回す。それで沙綾香が余裕をなくしているところへ、左右の2人が掴んだ乳房を舐め回し、先端の蕾に噛みつく。
「ひぐうううっ!! 痛い、やあっ!! やめてっ、乳首噛まないでえっ!! こんなの、はあっ、はぁっ……ッぐ、ひゃあぐううううっ!!!」
 沙綾香は何度も頭を振り、歯を食いしばって耐えた。それこそ、何分も。だがその末に、とうとう背中を仰け反らせ、天井を仰いだまま悲痛な声を響かせる。
「ハハッ、イキやがった!」
「ああ。マジで変態らしくなってきたな、このガキ。しまいにゃビンタだけでイキそうだ!」
 黒人共は手を打ち鳴らし、沙綾香の絶頂を嘲笑う。沙綾香はその中心で、しばらく上向いた顔を下げなかった。黒人共に顔を見せたくなかったんだろう。だがその表情は、しっかりと俯瞰視点のカメラに映されている。
 頬を伝う一筋の涙が、黒人の作る影の中、やけにはっきりと見えた。


                 ※


「さーて、プッシーもこれだけ欲しがってんだ。そろそろハメてやるか」
 ダーナルの言葉に、黒人共が頷く。
 あらかじめ順番を決めていたのか、レジャナルドが逸物を扱きながら沙綾香に近づく。他の連中は、まだ喘いでいる沙綾香をベッドに押し倒し、両手首を掴み上げた。
「いや、いやっ!!」
 沙綾香は股を閉じ合わせたまま、必死に抵抗していた。
「ほー、随分な嫌がりようじゃねぇか。俺にヤられるのなんざ慣れたもんだろ。それとも、今されるとマズイって自覚でもあんのか?」
 レジャナルドは唇を舐めながら屈みこみ、沙綾香の両膝をこじ開けると、割れ目に怒張を擦りつける。そして沙綾香が弱々しく首を振ったところで、一気に押し込んだ。
「ああああっ!!」
 沙綾香が悲鳴を上げる中、レジャナルドの腰は前へ前へと進んでいく。いつになくスムーズな挿入だ。
「すげえ、グチョグチョだ! なんでこんなに濡れてんだよ!?」
 レジャナルドは意地悪く問いながら、一心不乱に腰を振る。それを受ける沙綾香の反応も、普段以上に大きかった。開いた脚を震わせ、乳房を揺らしながら激しく喘ぐ。
「あああっ、やあっ、いやあああっ!! はあっ、はああっ……おっ、奥、痺れ……んんん、んひいいっ! だめ、だめもう、いきそう……っ!」
「よし、なら乳首でいけっ!!」
 余裕のない沙綾香を犯しながら、レジャナルドが乳首を捻り上げる。
「ひいいいーーーっ!!」
 沙綾香は仰け反りながら、呆気なく絶頂に至った。挿入されてから2分ともっただろうか。その敏感さに、黒人共も目を見合わせて噴き出す。
「スゲェ、マジでイッてやがる! はっはっは、よぉっく締まんぜええっ!!!」
 レジャナルドは一際興奮し、沙綾香に圧し掛かる形で腰を打ちつける。そうして存分に快感を貪った後、舌を突き出しながら射精に至った。
「くぁあああっ!!」
 沙綾香の悲鳴と足指の強張りこそ、紛れもなく膣内射精された証だ。
「へへへへ、すげぇ! お前らも、こいつの乳弄りながらハメてみろよ! よく締まって、うねって、とんでもなく気持ちいいぜ!?」
 レジャナルドはゲラゲラと笑いながら腰を引いた。奴の言葉は怒張の有り様が証明している。なにしろ、割れ目から完全に抜けた後もまだ、粘度の高い精液が溢れているんだから。その様子に、他の連中も触発されたようだ。
「よし、次いけ次!」
「っしゃあ、犯ってやらあ!!」
 何人もが逸物を扱き上げ、鼻息荒く沙綾香を組み敷く。

 こうして沙綾香は、次々と犯された。後背位で突かれながら、力任せに胸を揉みしだかれたり。騎乗位で突き上げられながら、乳房を弄ばれたり。体位こそ違えど、胸を責められるという一点だけは共通している。
 沙綾香は、その責めに翻弄されていた。
「胸揉まないで!」
「乳首、触んないでったら!」
 そう必死に叫び、そこから1分足らずで震えながら絶頂する。それを何度となく目にした。 前日のポルチオ開発で感じやすくなっているせいかもしれない。あるいは乳房の性感が、いよいよ目覚めつつあるのかもしれない。そのどちらにしても、沙綾香にとっては苦しい状況だ。
 今も彼女は、ベッドへ仰向けに寝かされ、乳房を引き絞られながらトラバンに犯されている。
「あああおっ、あ、きぃああああっ……!! おぐうっ、い、いったいっ!! 千切れるっ、千切れるううっ!!」
「何言ってるかわかんねえが、とんでもねぇ締まり具合だな! オラどうだ、奥掻き回されながら、乳弄られてよ!!」
 トラバンの手が、また沙綾香の乳房を引き絞る。お椀型の乳房が楕円形に変わり、沙綾香はシーツを掴みながら絶叫する。
 真っ当な神経の持ち主なら、その凄まじい光景に言葉を失うだろう。逆に嗜虐心の強い人間なら、さらに苦しめたいと考える。
「クソッ、待ちきれねぇ!!」
 今か今かと順番を待っていたドミニクが、痺れを切らして沙綾香の頭上に膝をつく。そして今まさに絶叫してる口内へと、強引に怒張を捻じ込んでいく。
「んごっ、お゛っ!? ぐぶっ、ごほっ! んぶは、あはっ!!」
 沙綾香は驚き、咳き込みながら、唯一自由になる手でドミニクの腰を叩く。だが、それで事態が好転するわけもない。ドミニクは構わず沙綾香の口内を蹂躙する。
「へへへ、苦しそうだな。ノドまで入ってんのか?」
「いや、口の奥を突いてるだけだ。だが、なかなかイイぜ!!」
「ほお、そりゃ結構なこった。こっちも口に突っ込まれてから、余計に締まりが良くなったぜ。おまけに、こうして乳を虐めてやりゃあ……!!」
 トラバンはドミニクと言葉を交わしながら、指で乳輪をねじり上げる。
「お、も゛っ!? う゛ろ゛ぉおおお゛ーーーっ!!」
 沙綾香は、くぐもった悲鳴を上げ、背中を痙攣させた。
「ははははっ! すげぇ、搾り取られる!」
「クチもいいぜ、立派なプッシーだこりゃあ!!」
 黒人共は大喜びで前後の穴を使い、大きく息を吐きながら盛大に射精する。
「おごっ……こほっ、あえ……っ」
 目一杯に開いた口から、泡立つ精液が零れていく。苦しいに違いないが、意外にも沙綾香の反応は薄い。涙を湛えながら上向く眼球は、ドミニクを睨んでいるようでもあり、白目を剥きかけているようでもあった。


                 ※


「お゛えっ、おお゛お゛え゛っ!! おごっ、お゛……ほぉおおお゛っ!!!」
 
 凄まじいえずき声が響く。マーキスの怒張を咥え込む沙綾香のものだ。
 ドミニクの口内凌辱をきっかけに、調教師共の興味は胸から喉奥に移った。千代里との対決に向けた特訓という名目で、深々と怒張を咥えさせる。しかも、恥辱を与えながら。
「お、おごっ……う゛ぼおおおえっ!」
 マーキスが後頭部を解放すると、沙綾香は弾かれたように頭を引いた。エラの張ったカリ首が喉を刺激するのか、怒張が抜ける時にも嘔吐じみた声がする。
「げはっ、えはっ!! ハァ、ハァ……っ!!」
 酸素を求めて激しく喘ぐ沙綾香。マーキスは笑みを浮かべながらそれを見下ろし、髪の毛を掴み上げる。
「あ゛っ!?」
 短い悲鳴と共に上向いた沙綾香の顔は、醜く歪んでいた。というより、“歪まされて”いた。原因は、鼻から下を覆う開口マスクと、その上の鼻フックだ。黒人共は、待機部屋に放置されていた段ボールからその二つを引っ張り出し、沙綾香に見せつけた。沙綾香は装着を渋ったが、一度その気になった連中が退くわけもない。暴れる沙綾香を押さえつけ、強引にマスクを着ける。
 これが、また地獄のような光景だった。開口マスクのリング部分の直径は、実に7センチ。最大のサイズを誇るタイロンのペニスが“ギリギリ”嵌まる直径だというが、そんなものはそうそう咥えられるものじゃない。沙綾香が目いっぱい口を開いてもまるで足りず、結局は黒人共が顎を掴んで無理やり開かせた口内に、マスクのリング部分を押し込む形となった。当然、沙綾香は苦しむ。
「アガッ、アガアアッ……!!」
 頭後ろでマスクが固定される間、沙綾香は視線を左右に振りながら、何度も喉の辺りに触れていた。顎が外れそうだ、と訴えているのかもしれない。だが黒人共は同情するどころか、今度は鼻にフックを引っ掛け、思いきり上に引き絞る。連中はとにかく乱暴だ。髪の毛を掴むにしろ、乳房を揉みしだくにしろ。そんな奴らが力任せに引くものだから、沙綾香の鼻孔は三角どころか、細い縦線にまで変形する。
 連中は、そうして歪に歪んだ沙綾香の顔をカメラに向けさせ、モニターの大画面に映し出して笑いものにした。
「あええ゛っ、ううああ゛い゛え゛ーーーっ!!!」
 沙綾香は当然ながら恥じ、不自由な口で何かを叫ぶ。その様をまた笑いものにした後、ついにマーキスが怒張を咥えさせはじめた。それが、今だ。

「ハァッ、ハァッ、ハァ……ッ」
 沙綾香の呼吸はまだ荒い。その顔は悲惨だ。吊り上げられた鼻孔は膨らみ、早くも鼻水が垂れている。喉奥まではっきりと見えるリング内からは、相当な量のえずき汁が、糸を引いて滴り落ちていく。まだ開始から1分弱、慣らし程度にペニスを押し込まれただけなのに。
 だが、マスクの傍にある剛直に目を移すと、その反応が当然に思えてくる。10人中最小のサイズとはいえ、日本人とは比較にならないその巨根は、本来喉で迎え入れられる代物じゃない。
「続けるぜ」
 マーキスはそう宣告し、沙綾香の頭を鷲掴みにすると、自分の腰へと近づけていく。カメラは各方向から、その光景を映し出していた。岩のような太腿の隙間に、小顔が密着する様を。美しい横顔に、太い生殖器が入り込んでいく様を。
「んごぉおお゛えええ゛っ!! え゛、えお゛っ! ほお゛ええ゛っ!!!」
 一気に奥まで咥え込まされ、えずき声が再開する。黒人共はバラエティでも観るように腹を抱えているが、やられる側の沙綾香は必死だ。目を見開きながらマーキスの腿を掴み、視線を怒張の付け根に固着させる。だが、マーキスが鼻で笑うのを聴きつけたらしく、強引に視線を上げて睨みつける。
「はっはっは! 相変わらずそんな眼か、すげえなお前。俺ら相手に、3日目でまだそんなツラできる女はそういねぇぜ。ま、そろそろ限界だろうがな」
 マーキスの笑みは消えない。沙綾香の頭を掴んだまま、何度も自分の腰に叩きつける。動きが速いせいでよくは見えないが、根元近くまで咥えさせているのは確実だろう。
「おう゛っ、う゛っ!! ごほっ、げふっ……ごええ゛っ!!」
 沙綾香が噎せはじめ、えずきがまた一段と酷くなる。唾液も止まらず、次々と顎から滴り落ちていく。
「いいぜぇ、だいぶ深ぇとこまで入ったじゃねぇか!」
 マーキスがそう言いながら、腰の動きを止めた。奴の言葉通りなら、喉奥深くへ捻じ込んだまま静止していることになる。黒人の怒張でそんな真似をされて、堪えられるはずもない。
「ご、お゛ごッ! ん゛おっっ!!」
 沙綾香は悲鳴を上げながら顎を浮かせる。横からのカメラには、喉が何度も上下に動く様子が映っていた。
「ははははっ、こりゃすげぇ! ノドの粘膜が絡みついて、うねりまくってやがる! こんなもんプッシーでも経験ねぇぜ!!」
 マーキスは腰を震えさせながら、また沙綾香の頭を前後させはじめた。そのピストンの速さや力強さは、膣を犯す時と同じだ。
 沙綾香は苦しむ。おえっ、ごえっ、とえずき、膝立ちになった足の先で床を蹴りながら。
「ハァッ、ハァッ……へへへ、大騒ぎしやがって、そんなに嬉しいのか? って、そりゃそうか。ロクに抵抗もできねぇまんま、お上品な口を性欲処理の便器にされるとかよお。ビッチなマゾ奴隷としちゃ、最高に興奮するシチュエーションだもんなあ!? 『先生』のをペロペロ舐めてた時より、こっちのがよっぽど刺激的だろ?」
 マーキスは散々に焚きつけ、沙綾香が本気の怒り顔を見せたところで、待っていたとばかりに絶頂する。
「くうううっ!! へッへへ、すんげぇ、射精しながらコックが震えてらぁ! どうだビッチ女、胃の中に直接流し込まれてんのが解んだろ?」
 マーキスは心地良さそうに息を吐きながら、しばらく腰を震えさせていた。もう嫌というほど目にした光景。膣への射精なら、その後は抜いて終わりだ。だが今回マーキスは、射精後もすぐには抜かない。少し腰を引きはしたものの、開口マスクの内部で逸物を動かしている。
 沙綾香は、それをかなり嫌がっていた。
「あら゛っ、ええれ゛っ! こ、こひゃえっ!!」
 おぞましそうに肩を震わせ、眉を顰めている。その反応を見て、俺はマーキスのやっている事に気が付いた。射精後の精液にまみれた亀頭を、口内に塗り付けてるんだ。
「いい機会だ。俺らのザーメンの喉ごしだけじゃなく、味も覚えろ。舌と鼻でな。獣くせぇなんぞと抜かす女もいるが、なぁに、気になんのは最初だけだ。そのうち皆、この匂いを嗅ぐだけで股を濡らすようになるんだぜ?」
 マーキスはそう嘯きながら、たっぷり数十秒かけて沙綾香の口内を穢し尽くし、ようやく怒張を引き抜く。怒張と口内とを太い唾液の線が繋ぎ、重力に負けて下に落ちていく。
「はーーッ、はーーッ……!!」
 沙綾香は口が自由になってからも、恨めしそうな顔でマーキスを睨んでいた。マーキスは笑みを浮かべながら、次のダーナルとハイタッチを交わす。
「次は俺だ。楽しませてくれよ?」
 9人の仲間に囲まれたまま、ダーナルが怒張を扱き上げる。


                 ※


 ダーナルの行為も、マーキスと大差はなかった。膝立ちになった沙綾香の頭を掴み、ひたすらに口内を凌辱する。違いといえば、奴に代わってから数分後、沙綾香がついに嘔吐したことぐらいか。
「うお、と……」
 異常を察したダーナルが腰を引くと同時に、マスクの開口部分から粘ついた液があふれ出す。頭を掴んでいた手が離れれば、沙綾香は俯き、床にびちゃびちゃと音を立てる。
「え゛ろっ……! げぼっ、ごぽっ……ぉおええ゛っ!!」
 嘔吐は数秒続いた。マーキスに凌辱されていた時から、必死に我慢していたんだろう。
 そんな状況を前にしても、黒人共はまるで動じない。
「吐いても終わんねえぞ」
 最初に輪姦していた時もそうだったように、弱った沙綾香の髪を掴み、また怒張を咥えさせる。
 3人目のドミニクも、4人目のジャマールも、やる事は同じ。ただし、沙綾香の反応は少しずつ変わっていく。後半になるほど怒張のサイズが増すんだから、苦しみ方が酷くなるのは当然だ。
 3人目のドミニクまでは、足で激しく床を蹴りながらも、かろうじて膝立ちの姿勢を維持していた。だが4人目のジャマールに蹂躙されている最中、とうとう完全に体勢が崩れる。尻餅をつき、眉間に皺を寄せながら、顔の横で何度も手を振っていた。限界のサインだ。それでもジャマールが強引に喉奥へ突っ込めば、沙綾香はげおっ、と妙な音を立てて嘔吐した。
「はははっ、なんだそりゃ! 出し損ねた屁みてぇだな!!」
 途端に沸き起こる笑いに対し、沙綾香は気丈に睨み上げる。だが、この時点で彼女は、だいぶ参っていたんだろう。この夜、睨む姿を見たのはこれが最後だ。
「うお゛っ、ごぼおお゛っ!! うおお゛お゛っ、お゛っ、もおお゛ええ゛っ!!!」
 6人目……レジャナルドに喉奥を凌辱される沙綾香の声は、苦悶に満ちていた。手の動きも苦しさを象徴していた。握ったり開いたりを繰り返したかと思えば、明後日の方に伸びきる。まるで、必死に救いを求めるかのように。
 彼女を助けられない現状がもどかしかった。そんな俺の前で、状況はさらに悪化していく。
 8人目のトラバンからは、ついに尻餅をついた状態でも咥えさせることが困難になった。サイズ的に無理があるのと、沙綾香が腕をぶるぶると震わせながら本気の拒絶を見せるからだ。だが、トラバンは喉奥の凌辱を諦めない。沙綾香の身体を床に寝かせ、上から圧し掛かる形で挿入を試みはじめる。
「あ゛あ゛あ゛っ、あああ゛らあ゛あ゛あ゛っっ!!!」
 当然沙綾香は、死に物狂いの抵抗を続けた。だが100キロを悠に超すだろう体重を、女の細腕で押し上げるのは不可能だ。沙綾香の必死さを嘲笑うように、トラバンの腰が下がっていく。コーラの缶ほどの怒張が、開口マスクの中に呑み込まれていく。
「いくぞ」
 トラバンがそう宣告した直後、挿入の雰囲気が変わった。ろくに濡れていない割れ目に、無理矢理捻じ込むような動き。喉奥へ入り込んでいるのは間違いない。
 実際、モニターの左上画面には、色白な喉が隆起していく様がはっきりと映っていた。怒張のサイズそのまま……つまり、細い喉の大部分をパイプのように不自然に盛り上げていく形でだ。
「もっごおおっ、ほごお゛お゛お゛っっ!!」
 沙綾香の足指が床を掴み、手は喉元を扇ぐような動きをする。
 観ているだけで背筋が凍りそうだ。喉のあんな変化は、日常からあまりにも外れすぎていて、苦しさを想像すらできない。
 そんな中、トラバンは嬉々として喉奥を凌辱しつづける。中腰のまま、屈曲位で膣を犯すかのように腰を振りたくり、最後にはそのまま射精に至った。
「ははははっ、ザーメン直飲みだ!!」
 変形した喉が蠢く様子を眺めながら、トラバンは笑い続ける。
 これが、8人目。
 9人目のダリー、10人目のタイロンとなれば、状況はもっと酷い。
「お、お゛っ、ゴお゛え゛っ!! もおおごおっ!! ぉぐっ、ふむぉええ゛っ!!」
 仰向けで喉奥を犯されながら、沙綾香は狂ったように足をばたつかせる。床に叩きつけられた部分が壊れるのではないかと思えるほど。
「おいおい品がねぇな。お前、ジャパンの貴族のお嬢様なんだろ?」
「プッシーが丸見えだぜ、お嬢様よお!!」
 散々に野次を飛ばされても、沙綾香の動きは止まらない。最後には失禁まで晒していたが、俺は久しぶりに理解できる反応を目にして、どこか安心したほどだった。

 こうして、1人ずつの口内凌辱は終わりを迎えた。だがそれは、あくまで1巡しただけに過ぎない。そしてあの性欲の化身共は、1回の射精などでは終わらない。むしろ、そんなものは準備運動に過ぎない。
「さてと。この変態女のことだ、そろそろプッシーにも欲しくなってきた頃だろ」
「ああ。次は上と下、両方のクチで満足させてやるか」
 10人のケダモノは、目を血走らせながら沙綾香を取り囲む。


                 ※


 黒人共は、2人一組になって沙綾香の膣と口を犯しはじめた。
「クソッ、やられた!」
 レジャナルドが悔しそうにカードを投げ捨てる。逆に向かい合うドミニクは、勝ち誇りながらベッドへと視線を向けた。視線の先では、ジャマールとダーナルのペアが沙綾香を犯している。
「オーウ。いいぜ、いいぜ……!」
「こっちもだ。ノドまで咥えさせてっと、締まり具合が段違いだ!」
 座り込んだまま逸物を咥えさせるジャマールも、高く掲げさせた割れ目を犯すダーナルも、頬は緩みきっていた。
「ん゛っ、お゛ッ!! お゛ぉングッ、んんおお゛っ!!!」
 沙綾香の口からは、苦悶の声が途切れない。逆に下半身は気持ちがよさそうだ。ダーナルが股間を叩きつけるたび、腰が跳ねる。逆に深く挿入したまま、奥をグリグリと捏ね回されれば、脚は内股になったまま痙攣する。
「おもおお゛お゛ぉ゛ぉ゛っ!!!」
「クククッ、またイキやがった。女ってやつは、ポルチオ開発されっとすぐイクようになるな」
「ああ。だがイキまくりってなぁ、ヤる方としちゃ嬉しいもんだろ」
「確かにな。……っし相棒、そろそろ出すぜ!」
「オウ、ならこっちもスパートかけるか!」
 2人は沙綾香の反応を嘲笑い、射精に向けてスパートをかけた。ジャマールは掴んだ沙綾香の頭を上下に動かし、ダーナルは狂ったように腰を叩きつけ。
「いくぞ、出すぞっ!!」
 調教師共はほぼ同時に宣言し、深々と逸物を埋めたまま腰を止める。沙綾香が目を見開いた。
「おっ!? もお゛っ、お゛、ごぼっ……!!」
 呻きの悲痛さは、大量に射精されている証拠だ。
「ハッハ、こいつも良かったらしいな。脚がまだ痙攣してやがる」
「ああ、間違いねえ。俺のザーメン飲みながら、口ん中モゴモゴさせてやがったからな」
 ダーナルとジャマールが逸物を抜き出しながら、沙綾香の反応を笑う。緩んだ空気だ。だが、これでひと段落というわけじゃない。膣と口で射精した後、奴らはポジションを入れ替えて二回戦を始める。
「俺はこうするか。コッチのが具合がよさそうだ」
 頭側に回ったダーナルは、沙綾香の身体をひっくり返した。這う格好から、うつ伏せに。その上で、勃起したままの怒張を開口マスクへ挿し入れていく。
「お゛ああ゛っ!!」
 怒張が口に入った瞬間、沙綾香は顔を顰めた。よほど嫌なんだろう。精液と愛液の絡みついたペニスなど、口に入れたいわけもない。だが、それを嫌がっていられるのも数秒だけだ。ジャマールが足首を掴めば、彼女は下半身にも注意せざるを得なくなる。
「ふん、まーだ足が震えてやがる。絶頂の余韻ってやつか? こんなザマで大丈夫かよ、俺のはダーナルよりだいぶデケェぞ」
 ジャマールが問いは、意味のないものだ。沙綾香がいくら挿入を嫌がる素振りを見せたところで、結局は構わずに挿入するんだから。
「おごっ、もごっぉお……むおぉごっ!!」
 苦悶の声が響きはじめる。仰け反った状態でのディープスロートも、屈曲位での極太の挿入も、沙綾香の望まないものだ。だが、黒人共はそんな心情を一切汲まない。気持ちがいい、具合がいいとのたまいながら腰を振り、都合三度目の射精に至る。
「うおおお、出る出る出る!! くううっ、尿道が灼けちまいそうだぜッ!」
 射精の最中も、ジャマールは騒々しかった。その睾丸は激しい収縮を繰り返している。奴らは獣に近いから、他のオスの精子を掻き出して体内射精すると興奮するんだろう。
 そんなケダモノ連中に口と女性器を犯されるなんて、地獄でしかない。

 …………ない、はずだ。

 だが俺は、夜通しの輪姦を眺めながら、刻一刻と不安を募らせる羽目になった。
 沙綾香の反応がおかしいからだ。
「どうだマゾ女。美味いか?」
 巨根を舐めしゃぶらせながら、ダリーが問う。沙綾香はその腹肉に肩を預けながら、ただ舌を動かしていた。疲れ果てているようにも見える。だが、熱に浮かされているように見えなくもない。
「美味えに決まってらぁ。プッシーがそう言ってんぜ、俺のコックに吸いつきながらよお!」
 ダリーの相棒役であるタイロンが、膣を犯しながら笑みを深めた。その言葉で、また俺は不安を煽られる。せめて沙綾香が否定してくれれば。そう思って彼女の顔を見るが、様子はさっきと変わらない。
「もういっぺん、深くいくぞ」
 ダリーがそう告げ、沙綾香の口を指で拡げながら怒張を送り込む。
「ふぁ……く、おごっ、おも゛……っふ、お…………」
 沙綾香が呻きを漏らす中、怒張は奥へ奥へと入り込んでいく。かなり深くまで入っても、沙綾香に拒絶する様子はない。まるで、怒張を受け入れるかのように。
「おお、だいぶ呑み込めるじゃねぇか」
 ダリーは嬉しそうに言うと、沙綾香の顎を掴んで腰を動かしはじめる。
「んぐっ、んご……ごほっ!!」
 沙綾香は反射的に噎せるばかり。反応は妙に薄い。
「よーし、出すぞ!!」
 やがてダリーは、沙綾香の顔を掴んだまま射精に至る。当然、沙綾香は精液を飲み下すしかない。ごくっ、ごくっ、と喉が鳴り、数秒後、これでもかというほど大量の精液と共に怒張が抜け出る。
「ぷあっ……はぁ、はぁ、はぁ…………」
 沙綾香は、激しく喘いでいた。よほど苦しかったんだろう。目頭から涙が流れ、鼻の横についた精液を洗い落とす。
 だが、沙綾香の雰囲気が強く訴えるのは、苦しさじゃない。例えるなら、憧れの先輩を遠くで見守るような、“うっとりとした”表情──それに近い。
 ダリーが、掴んだ沙綾香の顔を正面から覗き込む。
「お前……すげぇな」
 奴はそう呟いた。意味は解らない。確実なのは、サディスティックなレイプ魔が圧倒されたという事実。俺にはどうしても、それが良い事には思えなかった。


                 ※


 朝までの輪姦が終わり、昼になれば、また『審査会』が始まる。次の相手は千代里だ。

「久しぶり、サーヤ。」
 制服姿の千代里は、まず沙綾香に笑みを向けた。綺麗な歯並びを覗かせる、つられてしまいそうな笑み。沙綾香も愛嬌は相当なものだが、老若男女からの愛されやすさという点では、この千代里の方が上だろう。
 軽めのブラウンに染められたツインテール。虹彩に3つの光が踊る、綺麗な瞳。印象の全てが前と変わりない。俺が見た限りでも、彼女は喉奥を凌辱され続け、地獄の苦しみを味わっていたはずなのに。
「……久しぶり、千代」
 沙綾香も引っかかりを感じているのか。笑みを返しながらも、その表情はぎこちない。
 そんな中、部屋入口のセンサーが再び反応する。
「ほおお、ここが噂の最下層エリアですか。なんともまた……凄いですなあ」
「ホテルのロイヤルスウィートのようですねえ。少々見通しが良すぎるようですが」
 賑やかに入室してくるのは、浴衣に身を包んだ客。5人いるが、祐希の審査会に参加していた顔ぶれとは違う。とはいえ、好色な連中であることに変わりはなさそうだ。制服姿の沙綾香を見つけるなり、その脚を舐め回すように眺めるんだから。
 そして、黒人共が姿を現した途端、急に委縮する点も同じだった。
「今度のはまた、えらくガキ臭ぇツラだな!」
「そうかぁ? アジアンなんざ、どいつも似たようなもんだろ」
「確かにな。ジャパニーズは逆に、俺らの顔が見分けつかねえらしいぜ」
「ハッ。別にいいだろ、コックの味とサイズで認識させりゃあ!」
 鉄格子の扉をくぐった黒人共が、千代里を囲みながら騒ぎ立てる。身長差は相当なものだ。千代里の頭頂部は、黒人共の胸板までしか届いていない。
「うわあ、おっきい。サーヤ、いつもこの人達と……?」
 千代里は黒人連中を見上げて驚愕し、沙綾香に視線を向けた。
「……まあ、ね」
 沙綾香は苦笑する。笑ってこそいるが、あまりにも変わりない級友の態度に、やや戸惑っている様子だ。
 そんな2人のやりとりを、離れた場所から手越が観ていた。2人をというより、千代里を、か。

「定刻となりましたので、これより『審査会』を開始します」
 客が全員席についたところで、手越が呼びかける。
「まずは、一点ご報告を。ご存じの通り、『審査会』はこれで2回目です。前回のお客様には、より煽情的と思う方へご投票いただき、その得票数で勝敗を決しました。が……そのやり方では、彼女が俄然有利になるようです」
 手越は、そう言って沙綾香を指し示す。それを受けて5人の客は、いよいよ無遠慮に沙綾香を視姦しはじめた。
「ふふふ、確かに。あの娘には妙な色気がある。視線を吸われるようだ」
「ええ、全く。公平にと思ってはいても、無意識に評価が甘くなりそうです」
「皆さんもですか。実は私も、一目見た時からこう、動悸がして……」
「わかりますよ。若い時分の初恋を思い出します」
 前のめりになって語る客。その視線を浴びる沙綾香は、ごく自然に流し目を送る。
「えーっ、ホントにー?」
 絶妙だ。顔の角度といい、目つきといい、『今風娘』の演技といい。若々しい魅力をアピールしつつ、隙があると錯覚させる、魔性の誘惑。
「おお、おお、本当だとも!」
「自信を持ちなさい。君には華があるよ!」
 客はまんまと煽られ、アイドルのコンサートさながらに色めき立つ。
「いい反応を有難うございます。やはり、投票はやめて正解のようです」
 手越は肩をすくめて客の笑いを取りつつ、千代里を一瞥する。どうやらこの一連の茶番は、千代里を煽る事が目的らしい。
 ──女としての魅力では、お前に勝ち目はない。だから情けをくれてやる。
 先の発言はそう言ったも同然だ。今ひとつ闘争心の見えない千代里を焚きつけ、醜い争いをさせるつもりなんだろう。
 ところが、その目論見は見事に外れた。
「あはは、やっぱり。サーヤ、華があるもんねぇ。私も時々見惚れちゃう」
 千代里は、沙綾香を見て平然と笑っている。天然なのか、あるいは色々と察した上でか。いずれにせよ、そのあまりの毒気のなさに、沙綾香も、客も、手越すらも目を丸くした。
 ふと、レストランで耳にした会話を思い出す。藤花の心が折れるのを目の当たりにし、傷心の中で食事をしていた時のことだ。

『なまじ反骨心があるせいで、徹底して心をヘシ折られるんですよね。その点、16階の娘などは存外に強かですよ。反抗せず、素直に服従しながら、裏ではこっそり他の娘と励ましあっているんです。ディープスロートにもだいぶ慣れてきたようですし、あれはまだ結構もちますよ』

 近くで食事をしていた客の一人が、確かそんな事を言っていた。
 千代里は、藤花とは真逆なんだ。硬い木刀のような藤花とは違って、あの子はまるで風にそよぐ草。柔軟なだけに、簡単には折れないんだろう。
「……ともかく。今回は、勝利条件を変更します。制限時間内に、より多くの調教師を“ディープスロートで”射精させること。皆様には、その勝負の立会人となっていただきたいのです」
 手越は客にそう伝え、ロドニーに合図を送る。ロドニーがリモコンを操作すると、モニターの画面が切り替わった。祐希戦と同じく、上画面に数字、下画面に監視カメラの映像が映し出される形だ。
「サーヤ。頑張ろうね」
「……うん!」
 千代里が沙綾香にエールを送り、沙綾香も笑顔でそれに応じる。こうして『審査会』2戦目は、勝ちを競うはずの2人が励まし合う、奇妙な幕開けとなった。


                 ※


 『審査会』が始まる前、千代里は以前のイメージと何ら変わりなかった。実は調教など受けてはいないのでは、と思えるほどに。
 だが、現実はそう甘くない。奉仕が始まれば、すぐに現実を思い知らされた。
 千代里が最初に行ったのは“玉舐め”。仁王立ちするジャマールの股下に潜り込み、竿を手で扱きながら、睾丸に舌を這わせる。ただ舐めるだけでなく、玉袋全体を口に含んだり、会陰部を刺激したり、さらにその奥……おそらくは肛門にまで舌を這わせていく。躊躇する様子は一切見られない。普段からそうした奉仕を行っている証だ。
「オーウ、シィット……」
 減らず口の多いジャマールも、その熱心な責めにはただ呻きを漏らし、苦笑するばかり。相当に気持ちいいらしく、怒張は膨らみながら重量感を増し、千代里の顔半分を覆い尽くす。
「よーし、ビンビンになったぜ。しゃぶってくれ」
 ジャマールは深い息を吐きながら腰を引き、千代里の口内へと怒張を送り込む。
「あ、はががっ……!!」
 千代里の顔に、ここで初めて焦りが浮かんだ。彼女が奉仕してきた相手は日本人ばかりだろう。だがジャマールのペニスは、平均的な日本人のそれに比べ、長さにして1.5倍、太さともなれば倍はある。そんな規格外のサイズを口に捻じ込まれて、平然としていられるはずもない。
「う゛っ、う゛えっ……!!」
 千代里はえずき、ジャマールの顔を上目遣いで伺いながら、手を上げて『降参』のポーズを取る。しかし、それでジャマールが止めるはずもない。腰をゆっくりと前後させ、喉奥に怒張の先を送り込んでいく。
「うう゛っ、お゛うっ!!」
 千代里の目尻が垂れ下がり、えずきがさらに酷くなった。たまにジャマールが怒張を抜き出すと、嘔吐を思わせる声と共に、大量の唾液が糸を引く。

 一方の沙綾香は、比較的余裕があるようだった。ドミニクの前で腰を落とし、怒張の幹を握りながら亀頭を舐め回す。さらには客へ視線を向け、見せつけるように亀頭を頬張ると、一気に深く咥え込んで幹を掴む手にキスをする。
「ほう……」
「いやはや。あれだけの美少女だというのに、随分と慣れていますなぁ」
 客は、沙綾香のパフォーマンスに呑まれているようだ。もし手元に投票ボタンがあったなら、5票ほど入れているところだろう。ドミニクはそんな客を鼻で笑いつつ、沙綾香を見下ろす。
「手を使うな。口だけで抜いてみろ」
 そう命じられると、沙綾香は一瞬冷静な眼で相手を見上げるが、すぐに笑みを浮かべてイエスと囁いた。
 沙綾香の手が太腿に置かれる。桜色の唇が大きく開き、テニスボール大の亀頭を舌で迎えると、そのままずるりと呑み込んでいく。まずは、半分ほど。
「んフーッ、フーッ、フーッ……」
 鼻で呼吸を整えつつ、さらに奥まで。7割近くが口内に収まれば、一旦頭を引き、そこから頭を前後させてのフェラチオが始まる。
「ぐうっ!? へ、へへへ、悪くねえ」
 ドミニクが反応を示せば、沙綾香は両腿に置いた手で反動をつけながら、より深く速いフェラチオへと変化させた。
「ぬううっ!?」
 ドミニクの脚が強張り、呻きが漏れる。じゅばっ、じゅばっ、という水気の多いが響く。それだけでも興奮材料として十分だが、極めつけは沙綾香の脚だ。マイクロミニのスカートと黒のハイソックス、コインローファーに包まれた美脚。驚くほど長いその脚は、蹲踞に近い格好で肉感的に膨れ、視覚に圧倒的な充足感を与えてくる。さらにはフェラチオに伴う動きで太腿が見え隠れし、ショーツも覗くとあっては、煽情的以外の何物でもない。
 客の5人が、喉を鳴らしたのが判った。音も聴こえず、動きを注視していたわけでもなかったのに、雰囲気で感じた。
「いやいやいや……これは……!」
「た、堪りませんなぁ!!」
「まったく。もう股間がはち切れそうだ。給仕、前に来て処理しなさい」
 客は興奮し、傍に侍る百合に性欲処理を命じる。
「承知いたしました」
 百合は顔色ひとつ変えずに客の足元へ屈みこみ、ズボンを脱がして奉仕を始めた。唾液を垂らし、指で皮を剥き、口へ含み。日本人の咥えやすいサイズということもあるだろうが、明らかに沙綾香達よりも洗練された動きだ。
「ふむ。中々上手いじゃないか」
 客は満足げに息を吐きながら、沙綾香の姿を凝視する。沙綾香に奉仕されている気分を味わっているんだろう。
 実際に沙綾香が奉仕しているドミニクの方も、かなり気持ちがよさそうだ。
「ハァッ、ハァッ……どうした、もっと深く咥え込めよ。そんなもんか?」
 息を荒げ、歯を食いしばりながら、かろうじて挑発する。客の前で煽られた以上、沙綾香は応えざるを得ない。膝をしっかりと掴み、頭を振る動きをさらに動きを速めて勢いよくペニスを飲み込んでいく。
「う゛、ウう゛……も゛がっ!!」
「どうした、まだ余ってんぞ。さっさと咥え込んでくれねぇと、俺の息子が風邪引いちまうぜ!」
 噎せながらも頑張る沙綾香を見下ろし、ドミニクはさらに煽る。それを受けて沙綾香は、ついに膝から手を離し、ドミニクの太腿を抱え込んだ。そしてその手を支えに自らの顔を引きつけ、強引に怒張を押し込んでいく。
「ガボッ、オ゛ェ……ッ!!」
 眉間に皺をよせ、激しくえずく。蹲踞の姿勢が崩れ、膝が床につく。それでも沙綾香は我慢を続けた。
「ははは、やるじゃねぇか。先っちょが喉の奥まで入ってんぜ? もう一息だジャパニーズ!!」
 ドミニクが笑みを浮かべた、その直後。
「もぉ゛お゛お゛う゛え゛え゛え゛っ!!!」
 凄まじい声が響き渡る。明らかに何かの変化が起きたと判る声だ。そしてこの状況で、起きた事といえば一つしかない。
「はははっ、すげぇ! ズルーッと入ったなあ!!」
 ドミニクが興奮気味に叫ぶ。奴の睾丸は、沙綾香の下唇に密着していた。完全に根元まで飲み込んだという証拠だ。当然、その代償は小さくない。
 ドミニクの太腿に触れる沙綾香の手の形は、人間が苦しい時にするそれだ。
 コインローファーの先は、足指と床に挟まれて見事に潰れている。
 固く閉じられた沙綾香の目からは、その目頭からも目尻からも、閉じ込め損ねた大粒の涙が流れ落ちていく。
 どこを見ても、限界……あるいは、限界を強引に突き破った後の姿だ。
「おおお……あれを、根元まで!」
「喉の奥まで入っているんでしょうなあ」
「間違いないでしょう。あのペニスは、少なく見積もっても20センチを超える長さでした。食道まで入り込んでいるに違いありませんよ」
 客は無理を通した沙綾香の横顔を凝視し、驚きを口にする。壁にもたれて見守る手越が、意地の悪い笑みを浮かべた。
「“サーヤちゃん”よう、せっかくお客様に注目していただいてんだぜ? 応えてやんな」
 手越のその言葉を受けて、沙綾香は薄く目を開いた。そして口を大きく開いて隙間から呼吸しつつ、客に向けてピースサインを作ってみせる。痙攣が止まらない痛々しいサインだが、客はかなり興奮しているようだ。
「サヤちゃん、だっけ? そのまま抜いてみてよ、ずるーって!」
 1人が猫撫で声で要求した。百合に口で奉仕させている男、つまりさっき百合に対して横柄な態度で命令していた奴だ。社交界で人の醜悪さを見てきた沙綾香は、裏表の激しい人間を嫌う。だが、どれほど嫌な相手だろうと、沙綾香は客の要望を拒めない。直接の投票権を持たないにしても、勝負の『立会人』だ。不興を買えば、たとえルール上で勝利しても、後で難癖を付けてきかねない。さらに言えば、他の客に沙綾香の悪評を触れ回り、今後の審査に悪影響を及ぼす恐れもある。
「んっご、お゛え゛、エ゛っ……」
 沙綾香はドミニクの腰を掴み、少しずつ頭を引いていく。モニターには、沙綾香の喉の形が変わっていく様が映っていた。挿入時には気付きづらかったが、かなり奥までが怒張のせいで膨らんでいたようだ。
「お゛も゛ぅえ゛っ!!」
 極太の怒張は抜くにしても苦しいらしく、沙綾香は何度もえずき上げた。だが、そのたびに客を意識し、目元を中心に笑みを作る。2分近くをかけて怒張を吐き出し、激しく喘ぎながら唾液塗れの口で微笑む姿は、その最たるものだった。

 そうして沙綾香が無理を通す一方で、千代里の方も苦戦が続いている。彼女はドミニク以上のサイズを誇るジャマールのペニスを咥えさせられ、涙目で眉を顰めていた。
「ガキ、ノド開けっつってんだろうが! 喉開いてジーッとしてりゃ、俺が押し込んでやるからよお!!」
 ジャマールは千代里に向けて怒鳴っているが、千代里はその黒人英語を理解できないようだ。
「はぁ、はぁ、はぁっ……サーヤごめん、通訳して……」
 怒張から解放された瞬間、千代里は沙綾香に哀願する。まるで小動物のような困り顔に、同じく怒張を吐き出したばかりの沙綾香も頬を緩める。
「喉を開いてジッとしてろって。あー、って。千代、発声練習得意でしょ?」
「あ、そなんだ。ありがとぉ!」
 千代里が浮かべたのは、今の今まで泣いていたのが嘘のような、屈託のない笑顔。沙綾香もつられて笑い、場には妙に和やかな空気が流れる。
 だが、そんな空気が長く続くはずもない。
「オラ、休んでんじゃねぇよ!!」
 ドミニクは気を抜いている沙綾香の頭を掴み、強引に怒張を咥え込ませる。
「んぶっ、ン゛ろぉ゛っ!?」
 完全に不意を突かれた沙綾香は、その暴行に対処できない。左手を背後の床につき、背を仰け反らせながら苦しみを訴える。ドミニクはそんな沙綾香の頭を激しく前後させ、ほぼ根元までのディープスロートを強要する。
「ろ゛っ、こぉ゛え゛! もぉお゛っ……ごぉふっ!!」
 無理のあるピストンだけに、沙綾香の呻き声も異音の連続でしかない。その果てに、沙綾香の口からとうとう吐瀉物が滴り落ちる。ほんの少量ではあるが、白ブラウスに滴り落ちたそれはひどく目立つ。
「サーヤ!」
 自分のせいで窮地に陥った友人を前に、千代里が叫ぶ。だが、彼女も安全地帯にいるわけじゃない。
「お前もだよ、オラ口開け!!」
 ジャマールも千代里の口に剛直を捻じ込み、ツインテールを掴んで頭を前後させはじめる。

 壮絶なディープスロート合戦が、幕を開けた。


                 ※


「いいねいいねぇ、口便器ちゃんの汚いえずき声興奮するよお!」
「堪りませんな! まあ、マゾの変態女にとっては、別の意味で堪らんのでしょうが」
「しかし、だいぶ苦しそうですよ?」
「苦痛に酔っているんでしょう。それがマゾというものです」
 客達は、ワイングラス片手に少女の地獄を堪能していた。最前列に座る3人のうち、真ん中の男は、百合の頭を押さえつけながらディープスロートを強要している。百合は左右の男にも手で奉仕しながら、されるがままに喉奥を犯されていた。
「うぐっ、う゛ぅえ゛っ!!」
 白髪に隠れた口元からは、かすかに呻きが漏れている。出入りするペニスは常識的なサイズだが、それでも根元まで押し込まれれば苦しいようだ。
「給仕、ワインだ」
 左に座る男が百合に命じる。百合は一旦逸物から手を離し、手探りで近くの銀トレーに乗ったワインボトルを掴むと、客の差し出すワイングラスへと注いでいく。だが喉奥深く咥えさせられたまま、充分なサービスができるはずもない。震える手で注がれるワインは、幾度となくグラスの外に零れる。
「給仕、ワインが零れているぞ!」
 客がここぞとばかりに叱りつけると、百合の瞳が上を向く。
「ほぉひはへっ、ごばいま……も゛ごおお゛っ!?」
 不自由ながらも謝罪しようとしたところへ、また深く咥え込まされ、さすがの百合も顔色が変わった。嘔吐寸前、もはやワインを注ぐどころではない。傾いたままのワインボトルから赤紫の液体が流れ落ち、客の浴衣にシミを作った。
「きゅ、給仕ぃッ!!」
 客が目を剥いて叫ぶ中、百合の色気のある肉体は強張りつづける。
 中々に悲惨な状況だ。だがそれも、フロア中央の悲劇に比べれば、ごく些細な事でしかない。

「う゛っ、むうう゛っ! え゛うぉあ゛っ、え゛ぉあ゛う゛っふぇ! おえ゛っおお゛え゛え゛っ!!」
「おええ゛っ、んごえぇえ゛っ! おごえっ、ほも゛ごえっ! えおあ゛っ、う゛ぉえア゛!!」

 凄まじい。そう表現するしかないえずき声が、フロア中に響いている。喉奥を蹂躙される沙綾香と千代里、両方の声だ。
 壁のモニターは、側面から捉えた彼女らの被虐を淡々と映していた。
 黒人共には一片の慈悲もない。側頭部を掴み、前髪を掴み、ポニーテールを掴み、顎を掴み。あらゆるやり方で頭の逃げ道を封じ、ただひたすらに怒張を咥え込ませる。ペニスサイズには個人差があるとはいえ、最も小さいマーキスの物ですら、全長20センチ、直径4センチは下るまいという巨根ぶりだ。そんな物を喉の奥へと押し込まれれば、結果は決まっている。
「ぐぶっ、うぶっ、はぉぶっ、ぶふっ!! んん゛っ、ぐぶう゛っ……!!」
 沙綾香のえずき方が変わった。さっきまでのオエオエという声ではなく、何度も噎せかえっている。
「おい、ノド開けって! そんなんじゃ息できねぇぞ!?」
 ドミニクが叫ぶが、沙綾香はえずき汁を垂れ流しながら噎せ続ける。そして、彼女の全身が強張りはじめた。手はドミニクの腿を掴む。床についていた膝が浮き、蹲踞の姿勢に戻ったまま、ニーソックスが破れるのではというレベルで太腿が膨れる。背中が丸まり、ぶるぶるっ、ぶるぶるっ、と震える。そして。
「ぶっ……ごふっ!!!」
 今一度の咳き込みと同時に、とうとう吐瀉物が口から溢れ出す。
「おお、あったけぇー」
 ドミニクは呑気に笑いながら、一旦怒張を引き抜く。その動作による刺激で、沙綾香の嘔吐はさらに酷くなる。
「いお゛エ゛ッ!! おべぇっ、えはッ! かふっ! んも゛おおろ゛ろ゛ろ゛っ!!」
 怒張がすっかり抜け、口が自由になれば、いよいよ本格的な嘔吐が始まった。不意打ちで少し戻した時とは比べ物にならない規模だ。
「……ッはぁ、はぁ……ぁはっ、はヵっ……!!」
 吐くものを吐いた彼女は、激しく喘ぎはじめた。汗がひどい。外れそうな顎を調整するためか、目を固く瞑ったまま、歯を何度も噛み締めている。
「うははっ、また盛大にいったな!」
「おお、おお、酸っぱい匂いが。浮世離れして見えても、やはり人間ですか」
「ああして苦しんでいると、ごく普通の子に見えますね。淫魔に取り憑かれていた女の子が、素に戻ったような……」
「確かに。しかし、その生々しさがまた良いじゃないですか」
「ええ、まったく。我々も業の深い事ですな!」
 客の喜ぶ声が聴こえる。
「ったく、しょうがねぇな。俺らのコックに慣れてるってハンデつきのくせに、先に吐きやがって。向こうのチビ見てみろ、まだ頑張ってんぞ?」
 ドミニクは沙綾香の頭を掴み、隣の千代里の方へ向ける。

 千代里はツインテールを掴まれたまま、ジャマールの怒張を喉に叩き込まれていた。髪を結ぶ左右のゴムのうち、右側はすでに弾け飛んで床に落ちている。何度も顔面を股間に叩きつけられるせいで、鼻頭はすでに真っ赤だ。
「おぼっ、ほごっ……も゛ごっ! おええ゛あ゛っ、んごえ゛っっ!!」
 えずき声もやはり凄まじい。
 十番勝負で沙綾香を泣き喚かせたジャマールだけに、乱暴ぶりは目に余る。そもそも奴の怒張はドミニクよりも一回り大きいため、飲み込む苦しさも沙綾香以上だろう。にもかかわらずあれだけ耐えるということは、喉が相当強いらしい。
 とはいえ、それにも限界がある。そしてその限界は、最後の最後に訪れた。
「ハァ、ハァ……頑張るじゃねぇか、ガキ! まさかこの俺が、いっぺんも吐かせられずに射精まで追い込まれるたぁな。いいぜ、この勝負テメェの勝ちだ。褒美に俺の濃いザーメンを、たっぷり味わえや!!」
 ジャマールは息を乱しながらそうがなり立て、ラストスパートに入る。ツインテールを掴んだまま千代里の顔を前後させ、自らも腰を打ちつけての喉奥凌辱。硬い顔面に腰がぶつかり、バンッバンッという膣でのセックスではまず聞かない音がする。ストロークこそ短いものの、抜き差しのペースが速いせいで、唇からあふれる唾液の量も一気に増えた。顎から首を伝って流れる唾液は、制服のブラウスを完全に透けさせ、水色の下着を衆目に晒す。
 そしてその末に、ジャマールは根元まで怒張を捻じ込んだまま腰を止めた。
「うおおおおお……オー、オオーゥッ!!」
 尻肉を引き締めながら何度も呻き、気持ちよさそうに精を放つジャマール。逆に受け止める側は地獄だ。千代里は最初の数秒、ジャマールの太腿に手を宛がって耐えていた。
 一般的な人間が相手なら、射精は3秒と続かない。少し我慢すれば済むことだ。だが、あの黒人共は違う。そもそも人並外れた絶倫さを持つ上に、薬の効果で射精量が増強されている。その射精は数秒などでは終わらない。
「ング、ぐっ……ん、んんんっ!?」
 5秒が経過したところで、千代里が目を見開いた。ようやく相手の異常性に気付いたらしい。だが、ツインテールをしっかりと握られている以上は逃げられない。
「むぅう゛おうっ……けふっ、ごぶっ!!」
 見開いた瞳から涙が伝い、手はジャマールの腿から離れて宙を泳ぐ。さらには口に収まりきらない精液が唇と怒張の隙間から溢れ出し、鼻からも噴き出していく。そんな状況が実に数十秒も続いたところで、ようやく怒張が引き抜かれた。
「ンぶ、ぐっ……!」
 口が自由になった千代里は、唇を窄め、頬を膨らませて嘔吐を堪える。だが、それが叶ったのも一瞬のみ。その口はすぐに開き、精液と吐瀉物の入り混じった粘液を怒涛のように溢れさせる。
「オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッッ!!!」
 なまじ堪えようとしたのが裏目に出たのか、決壊ぶりは沙綾香以上に悲惨だ。舌を出したまま白目を剥き、大量の吐瀉物を床にぶちまける。
「はっは、これは……」
「さっきの子以上ですね。長くもったぶん、反動も大きいということですか」
「中学生のような顔をしているだけに、背徳感が凄いですなぁ!」
「それを言ったらあの2人、どっちも未成年の子供ですよ。まぁ右の子は、とてもそうは思えないスタイルですけど」
 客が口々に品評する中、ようやく千代里は吐くものを吐き終えた。眼球の位置こそ戻ったものの、まだ焦点の定まらない瞳。舌を突き出したまま、ハッハッと犬のような呼吸を繰り返す口。右側が無惨に解けたツインテール。見るからにボロボロだ。
 ただ、そんな状況下でも、彼女は普通とは違っていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……なにこれ、アゴが外れそう! それに、こんな量……サーヤ、大丈夫!?」
 千代里が呼吸を整えるなり、まず案じたのは沙綾香の身だ。自分もパニック状態に陥るほど苦しいだろうに、常に友人の心配を忘れない。思えば彼女は、前に見た時もそうだった。他人の吐瀉物塗れのディルドーを咥えさせられる時にも、まず相手の心配をする。そういう、天使のような子だ。
「千代…………。え、へへへ。こっちは大丈夫、慣れてるからっ!」
 千代里の優しさに触れ、沙綾香は一瞬泣きそうな顔になる。だが客の注意が再び自分に向いたのを悟り、すぐに『今ドキ娘』の演技に切り替える。
「ほう。まだ俺をイカせてもいねぇくせに大丈夫とは、でけぇ口叩くもんだぜ! なら、存分に楽しませて貰おうじゃねぇか!!」
 ドミニクは獣そのものの笑みを浮かべ、沙綾香の頭を掴む。その横では、ジャマールと入れ替わったトラバンが、千代里の鼻先で逸物を扱き上げている。
 太い血管が浮く二本の剛直は、ほぼ同時にピンクの唇へと押し入った。


                 ※


「ディープスロート対決というより、もはや嘔吐合戦ですねぇ」
 客の一人が呟いた通り、千代里と沙綾香は嘔吐しつづける段階に入っていた。
「おらおら、どうした!? ヘバってんじゃねーぞ!」
 レジャナルドの叫び声がする。奴は沙綾香の後ろ髪を掴み、強引にポニーテールを作って頭を前後させていた。そして沙綾香が苦しそうにしたところで、根元まで咥え込ませて動きを止める。
「ぶっふ、ごふっ!!」
 沙綾香は激しく噎せるが、後ろ髪を掴む手が邪魔で頭を引けない。結局は限界の限界を迎え、そのまま嘔吐するしかない。
「げはっ、がはっ……ぇお゛おおらア゛っ!!」
 ようやく怒張が引き抜かれても、嘔吐は続く。痰が絡んだような音と共に。
 沙綾香がこうして喉奥を虐め抜かれる一方、千代里にはもっと直接的な暴力が振るわれていた。

「オープン、ユア、アイズ」
 千代里の頭を抱え込んだダーナルが、ゆっくりとした口調で命じる。千代里にネイティブな英語が通じないと理解し、簡単な言葉を選んでいるようだ。
 俯きがちだった千代里が目を開き、上目遣いにダーナルを見る。ダーナルは笑みを浮かべ、怒張を送り込む角度を変えた。より、鎖骨に近い側。見上げる体勢の千代里に、より大きな負荷がかかる挿入方法だ。
「ほぐううっ!!?」
 いかに喉が強いとはいえ、黒人のペニスで無茶な挿入をされては我慢しきれない。千代里は頬を膨らませ、ダーナルが腰を引くと同時に吐瀉物を撒き散らす。ダーナルはそんな千代里の髪を荒々しく掴み、ビンタを食らわせる。
「きゃうっ!!」
 悲鳴を上げる千代里。こんな事が何度も繰り返されるため、彼女の頬は左右どちらもが赤く腫れていた。
 暴力が選択されるのは、彼女の場合、喉奥を虐めても効果が薄いからだろう。
 千代里は、沙綾香よりも喉奥耐性が強いようだ。モニターの数字……つまり、調教師を口で絶頂させた回数は、沙綾香が『5』に対し、千代里は『11』。沙綾香は“良いところ”ですぐに怒張を吐き出してしまうが、千代里はその大事な場面をしっかりと耐えきり、黒人共を気持ちよく絶頂に導くらしい。
 そして、もう一つ。千代里には沙綾香と違う点がある。
「ワンス、モア」
 ダーナルが千代里の頭を抱え込み、頭を前後に動かしはじめた。今度はオーソドックスなディープスロートで、沙綾香がされている事と変わりない。
 違うのは、千代里自身の反応だ。
「おぶっ……ぐっ、ぅえ゛お゛っ!! あッ、あは、ぁあはっ!!」
 黒人ペニスを喉に突き込まれれば、いかに千代里でも苦しむ。目からは涙を零し、怒張が抜き出されるたびにツララのような唾液を揺らして咳き込む。ところが、それを何度も繰り返すうちに、段々と様子が変わってくる。
「んフーっ、ふっ……んんんっ……お゛、ふ、う……っ」
 鼻を抜ける、甘い吐息。顔に注目すれば、巨大モニターに映る千代里の瞳はうっとりと細まっていた。明らかに快感を得ている時の反応だ。
「ほお。お前ェらの言う通り、ノドの具合が良くなってきたぜ。確かにこりゃあ、“よくこなれたプッシー”だ」
 ダーナルが近くにいる仲間に笑いかけた。“よくこなれたプッシー”……千代里の喉奥に射精した連中が、口を揃えて使うフレーズだ。
「伊達に調教されてねぇな。大した好きモンだ」
 手越が鼻で笑いつつ、ロドニーに合図を送る。人差し指を下から上に動かす仕草。『下から撮れ』ということらしい。ロドニーはそれを受けてリモコンを弄り、モニターの映像を切り替えた。仁王立ちになったダーナルの尻側から、千代里のミニスカートの中を見上げる視点だ。
「おおっ!」
 客が感嘆の声を上げる。
 ハの字に開かれた、やや幼さを感じさせる脚の合間。ブラジャーと同じ水色のショーツは、クロッチ部分が完全に濡れていた。失禁にしては少なすぎる。『おりもの』にしては多すぎる。
「はははっ、これは! いやらしい子だ。濡れているじゃないか!」
 客が手を叩いて笑う通り、愛液としか思えない。
 場の全員が薄々勘づいてはいたことだが、いざ決定的な証拠が晒されると、やはり違う。手越も、客も、黒人共も、愉快そうな笑みを千代里に向ける。唯一沙綾香だけが、千代里の痴態を横目に見ながら、表情を強張らせていた。
「すげぇなあ。喉奥を抉り回されるだけで、あんなに濡れちまってよお!」
 レジャナルドが沙綾香に語りかける。そして奴は笑みを深め、こう続けた。
「ゆうべのお前、そっくりじゃねぇか。」
「…………ッ!」
 レジャナルドの言葉に、沙綾香の目が見開かれる。
 俺も、実はそれに気付いていた。気付いてはいたが、認めたくなかった。
 喉奥を抉られる千代里の“うっとりとした”表情。それは、朝方に沙綾香が見せていた表情そのものだ。
「バレてねぇとでも思ったか? お前よう、今日はやたら俺らのコックを吐き出すじゃねぇか。あのガキほどじゃねえにしろ、毎晩俺らのを咥えてるお前のノドが、そこまで弱ぇわけねえよなあ。ってことはお前、自覚があるんだろ。ズルーッと奥まで咥え込まされてっと、“ああなる”自覚がよお?」
 レジャナルドの指摘を受け、沙綾香は手を握り込んだ。人が握り拳を作る時、その理由はいくつかに限定される。怒った時、喜びを噛み締める時、恐怖している時……。その共通点は、感情を激しく揺さぶられる場面、ということだ。
「同じ日本人なんだろ? ケチケチせずに見せてやれよ、本当のお前をよ!」
 レジャナルドはいよいよ顔中に笑みを広げながら、沙綾香の頭を引き付ける。ただ前後させるだけでなく、意図的に根元まで咥え込ませたまま、数秒腰を留めるやり口だ。
「んごっ、うぶっ! うおおえ゛っ、うぶっ、も゛え゛っ!! うう゛、うむ゛、ふうう゛……っ!!!」
 沙綾香はえずき、呻く。大量の唾液が顎を伝い落ち、ついにはその流れに涙が混じる。
「んん、ん゛!ん゛!ん゛!」
 沙綾香は、ここで抵抗を見せた。両手でレジャナルドの腰を押しやりはじめたんだ。
「お、おおっ!?」
 火事場の馬鹿力か、沙綾香の頭は少しずつ離れていき、レジャナルドに焦りを生じさせる。
 不運なのは、凌辱者が一人ではなかったことだ。
「こいつ、無駄な抵抗すんじゃねぇ!」
 様子を見守っていたモーリスが、沙綾香の腕を取り、足裏で後頭部を押さえつける。
「お゛、も゛ごおっ!!」
 黒人2人の力が合わされば、流石に沙綾香に勝ち目はない。決死の抵抗も空しく、沙綾香は再び喉奥深くを蹂躙されはじめた。えずき、呻き、涙を流しながら。

 一線を超えたのは、どのタイミングだったのか。
 蚊帳の外で見守るだけの俺に、それは解らない。だが、どこかにその瞬間があったはずだ。

 気づいた時には、沙綾香の仕草は、隣の千代里をなぞっていた。手指が力を失い、瞳が“うっとりとし”、深く落とされた腰が震える。
 カメラが床からのものに切り替わった時、そのインパクトは、千代里のそれを遥かに上回った。クロッチが変色している、なんて次元じゃない。
 洪水。
 溢れ出した愛液がショーツを覆い、内腿を濡らし、絶えず床に滴り落ちていく。割れ目や陰毛がほぼ透けているため、もはや下着を着けている意味がないほどだ。
 千代里は、膣の性感開発を受けていないんだろう。喉奥で快感を得る事だけを教え込まれ、結果、愛らしさすら感じる反応で済んだ。沙綾香は違う。時としてヘロイン以上の効果があるという催淫ガスを何度も吸わされ、女の悦びを繰り返し味わわされた。だから、あれほど愛液が溢れるのも仕方のないことだ。俺はそう思う。だが、他の連中は違うようだ。

「はっはははははっ!!」
「ひひひ、ひーっ、ひーっ!!」
「ぎゃはっはっはっはっはっ!!!!」

 数えきれないほどの笑い声が、混ざり合いながらフロアに反響する。手越も、ロドニーも、黒人共も、客も、心の底から楽しそうに沙綾香を嘲笑っていた。
「サーヤ…………?」
 唯一笑っていない千代里も、級友の過剰な反応を前に絶句している。
「ハハハハハッ、最ッ高だぜオマエ! 腹に刺激来てよお、このままイッちまいそうだ!!」
 レジャナルドは沙綾香の頭を自分の腰に叩きつけ、スパートをかけた。まだ呆然としている沙綾香の顔に、黒人の腰が何度も叩きつけられる。そして奴は、完全に根元まで飲み込ませながら動きを止めた。縦に揺れていた乳房が、急停止で横揺れに変わる。
「お゛も゛おおおっ…………!!」
 白い喉が蠢くのは、喉奥へ直に射精されている証拠だ。
 実に数秒をかけて精液を流し込み、ようやくレジャナルドの腰が引かれる。その足の間に映る沙綾香の顔は、生気がなかった。事切れているか、さもなくば世の中の全てに絶望した人間の顔に見えた。
 手越もその顔を目にしているはずだ。だが奴は、構わず沙綾香に問いを投げる。
「どうだ。気持ち良かったか?」
 その言葉で、沙綾香の肩が揺れた。瞳が揺れ、かすかに人間らしい表情が戻ってくる。さらに一つ瞬きすれば、その瞳の色は一変していた。嬉しくてたまらないという、濡れた瞳。
「あはっ……すごぉい。濡れちゃう、感じちゃう。太いおチンチン、もっと……舐めさせて」
 口角が上がったその顔は、性に溺れた淫乱女そのものだ。
「ほお。なら次は、俺の相手をしてもらおうか」
 そう言ってレジャナルドと入れ替わったのは、タイロン。10人の調教師の中でも、最大のペニスサイズを誇る男だ。馬並みでは済まないその逸物は、他の黒人の物を見慣れた状態であっても戦慄が走る。
「あはっ……すごい」
 沙綾香はタイロンの怒張を掴み、妖しく微笑んでみせた。演技であっても、その顔を目の当たりにすれば正気を失いそうだ。
「いくぜ」
 タイロンが亀頭を沙綾香の唇に押し当て、割りひらく。
「おぐぇ゛!!」
 亀頭の半分が口に入っただけで、沙綾香から壮絶な呻きが漏れる。無理もない。タイロンの亀頭は男の拳も同然。無理に咥えようとすれば、確実に顎が外れるだろう。少し口に含んでは吐き出すことを繰り返し、根気よく慣らしていく必要がある。
 だが、今日の沙綾香はかなりのハイペースだった。
「んぐうっ……!! んっ、ン……んぐっ!! んんんーーーっ!!!」
 鼻をほとんど真上に向け、頬が引き攣るほど口を開いて、着実に剛直を飲み込んでいく。
「……凄いな」
 客は、その鬼気迫る様子に息を呑んでいた。そして、同時に興奮してもいた。
「給仕、来い。上に跨って処理しろ」
 客の一人が、勃起した物を扱きながら百合を呼びつける。
「承知しました。では、失礼いたします」
 百合は眉ひとつ動かさず客に跨り、自ら腰を下ろす。日本人の平均にも満たないペニスは、スムーズに割れ目へと入り込んでいく。
「ほお、もう湿っているな。同じ女のディープスロートを見て興奮したのか?」
「……はい」
「ふん、淫らな女だ。だが締まりは悪くないな。どうだ、俺のチンポはいいか?」
「はい、気持ちようございます」
「ははは、淡々として。まるで人形のようですな」
「良いではないですか。この女に求められる役割は、我々の性欲処理人形だ」
「確かに。おい給仕。今から俺達でお前を使うがな、くれぐれも自分の本分を弁えろよ。気をやるにしても、派手に喘いで審査会の邪魔をするんじゃないぞ」
「……心得ております」
 客は百合を詰るだけ詰り、飽きれば千代里達に視線を戻す。女生徒の憧れの的であったという百合は、整った容姿に加え、一流の知性や品性を兼ね備えている。それを性欲処理の人形扱いとは、呆れるばかりだ。
 とはいえ、その百合ですら霞むほどの光景が繰り広げられているのも事実。

「んっ、ん……。んぐ、んんん゛……ぶっ、おげっ、お゛お゛え゛っ!!」
 また、苦悶の声が上がった。沙綾香のものだ。モニターには、彼女の口に入り込むタイロンの剛直が写っている。顔面積の8割はありそうな肉棒が口に入っていく様は、それだけでインパクト充分だ。しかもそれは、容赦なく奥へ奥へと潜り込んでいく。
「うごっ……ぐぶっ、ゴホッ!!」
 剛直が半分近く入ったところで、沙綾香は噎せはじめた。床からのカメラでは、タイロンの尻が邪魔をしてちょうど表情が見えない。それでも、目を見開く沙綾香の姿は容易に想像できた。
「ノドの滑りが良くなったじゃねぇか。慣らしはもう充分だろ、本気でいくぞ」
 怒張がさらに進み、半分以上が入ったところで、タイロンの手は沙綾香の顎と後頭部を挟み込む。絶対に逃がさない掴み方。つまり、絶対に逃げることを想定しているということだ。
 その想定通り、沙綾香の反応は壮絶だった。
「うむうう゛っ! げほっ、えほ……ごう゛っ、も゛ぇぇっ! え゛、おえ゛え゛っ!! んも゛おおお゛……う、うええ゛ぉあ゛っ!!」
 もはや、声から沙綾香の状態を知ることは不可能だ。えずき、噎せ、泣き……そうした声が、常に複数重複している。彼女の手は、タイロンの腰を必死に掴んでいた。脚は蹲踞の姿勢のまま、ガクガクと揺れていた。そうした限界を表す反応は見えるのに、肝心の表情が判らない。その状況が、俺の不安をひどく煽った。
「はぶっ、おっっぐうう゛う゛っっ!!!!」
 また、一段と凄まじい声がする。カメラに映る沙綾香の身体は、極端に前傾していた。タイロンの睾丸が、ぴったり沙綾香の顎についているように見えた。
「……ははは、はははははっ!! オマエ最高だな、マジで全部入ったじゃねぇか! 久しぶりだぜぇ、根元から先まで、丸ごと粘膜にくるまれんのは!!」
 タイロンの嬉しそうな声で、俺の疑惑は確信に変わる。彼女は今、あの野生動物級のペニスを、根元まで咥え込んでいるらしい。
 そんな無理を受け入れた沙綾香は、時間が止まったかのようだった。腕も脚も限界まで強張らせたまま、硬直している状態だ。だが、見えない部分では動きがあるらしい。
「おおおお、いいぜえ。喉の奥がビクンビクン脈打ってやがる。最高のフェラだぜこりゃ!」
 タイロンは心地よさそうに呻きながら、沙綾香の顔をさらに引き付けた。限界の、先。
「ごも゛ぉお゛お゛お゛お゛っ!!!」
 今度は、一線を超える瞬間がしっかり見えた。限界まで力の入った沙綾香の太腿が、浮き上がる。ローファーの先を完全に潰してのつま先立ち。その直後、彼女は潮を噴いた。ショーツ越しの潮噴きは、直に見る時よりも判りやすい。
「あー、凄え……!!」
 タイロンが呻き、太腿を震わせはじめた。その痙攣は、沙綾香の脚の震えとまったく同じだ。それを見て、俺は察してしまった。あの二人は今、同時に絶頂してるんだ。喉奥まで咥え込ませて、喉奥まで咥え込まされて。
 沙綾香の白い喉の動きが止まったところで、タイロンが腰を引く。
「うヴォッ……お゛ごあ゛っ、ごあっ、かおおお゛お゛っ!!」
 怒張が抜けた瞬間、沙綾香は下を向いて嘔吐した。喉奥がぱっくりと開いたまま吐き戻しているらしく、普段とは全く違う声が出ている。そうして吐くものを吐いた沙綾香は、そのまま腰を抜かすようにへたり込んだ。
「はーっ、はーっ、はーっ…………」
 タイロンの脚の間で荒い息を吐く顔は、深く絶頂した後のそれだった。

 俺はつい沙綾香ばかり見てしまうが、千代里の方も盛り上がっている。
「こいつ、マジで上手えな。むしゃぶりついてきやがる!」
 驚きの声を上げているのはマーキスだ。千代里の奉仕ぶりは、確かに“むしゃぶりつく”という表現が相応しい。亀頭を舐め回し、竿に舌を這わせ、咥え込めば一気に喉まで迎え入れる。日本人相手ならともかく、あの調教師共のペニスにそれをやれるのは大したものだ。当然、モニターの数字も順調に伸び、今は沙綾香が『8』に対し、千代里は『15』。常にほぼダブルスコアを記録している状態だ。
 ディープスロートという行為に限れば、沙綾香より素質も経験も勝る相手。短期決戦なら、沙綾香に勝ち目はなかっただろう。
 だが、千代里には弱点もあった。体力の無さだ。
 絶倫な黒人相手の奉仕は、ろくに休む暇がない。1人を射精に導いても、すぐに次の相手が来る。何本もの怒張に囲まれ、顔を左右に振りながら同時並行で奉仕させられる事もある。そんな状況の中、千代里は確実に消耗していった。もちろん、沙綾香も疲れてはいるが、余裕がないのはやはり千代里だ。
「はぁ、はぁ、はぁ……ち、千代、大丈夫……っ!?」
 時が進むにつれ、沙綾香が千代里の心配をする場面が増えていった。対して千代里は、『大丈夫』と言えなくなる。
「だい、じ……う、げほっ、げほっ……えぇえほっ、げほっ……!」
 必死に奉仕を続けようとするも、すぐに噎せてしまう。そして、根っからのサディストである黒人共が、そんな状態を見過ごすはずもない。
「おら、咥えろよ!」
「コッチもだ、1本ずつしゃぶってちゃ追っつかねぇぞ!!」
 苦しむ千代里の口に剛直を二本突っ込み、あどけなさの残る顔を散々に歪ませる。
「お前も、余裕こいてんじゃねぇぞ!!」
 沙綾香もまた剛直を捻じ込まれ、背中を丸めながら目を見開く。

 えずき、噎せ、嘔吐し。そんな地獄の中、千代里と沙綾香はいつの間にか背中合わせになっていた。互いの背中を支えとし、存在を確認するように手のひらを握り合う。
 その健気な友情は、かえって悲惨さを際立たせた。だから、黒人共はそれを引き裂こうとはしなかった。背中合わせを許したまま、それぞれの喉奥を蹂躙する。
「ははははっ、出るぞ、出るぞっ!! 一滴残さず飲み干せよ!!」
 ダリーが沙綾香の顎を掴み、喉奥に精を流し込む。2度目の射精とは思えないほど、大量に。
「ん、んぐっ、んぐううっ!!!」
 沙綾香は噎せ、鼻と口から精液を溢れさせる。その背後では、アンドレがやはり千代里の喉奥に射精していた。
「おごっ!! むぐっ、う゛、うう゛う゛っ!!!」
 千代里には、すでにその射精を耐えきる余裕がない。尻餅をつきながら足を浮かせ、ごぼおっという嘔吐音と共に失禁する。

「はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ……」
 同じ制服を纏った2人の少女は、後頭部を突き合わせながら、激しい喘ぎを繰り返していた。口からは泡まみれの吐瀉物と胃液が流れ落ち、眼球は上瞼に隠れている。
「なに白目剥いてんだ!」
 レジャナルドが千代里の髪を掴む。だが、千代里は一瞬目元を動かしただけで、ほとんど反応を見せない。
「あーあ、チビの方はぐったりしちまってらぁ。お前はまだまだ頑張れるよな?」
 千代里を鼻で笑いながら、トラバンが沙綾香の顔に怒張を近づける。
「はぁ、はぁ…………もちろん……です」
 沙綾香は激しく喘ぎながら、それでも淫靡な笑みを浮かべてみせた。


                 ※


 千代里は、明らかに疲労の限界だった。床に座ったまま咥えさせても、すぐ横や後ろに倒れてしまう。だから途中からは、一人掛けのソファに座ったまま奉仕をすることになった。
 客5人が座る椅子の正面に、黒い革ソファが2つ運ばれ、横並びで設置される。肘掛けと背もたれがU字型に繋がったタイプだ。そこへ、千代里と沙綾香が腰掛けた。わずか1メートルほどの距離にいる、美しい女子高生2人。客は興奮を抑えきれない様子だ。特に沙綾香の真正面にいる客は、あからさまに勃起した逸物を見せつけていた。沙綾香はそれににこやかな笑みを向けながら、視線を横に映す。
 沙綾香が見たのは、百合の姿だ。百合はすでに2人の客の性欲処理を終え、3人目に跨って犯されている。膣を『使われ』はじめてから、すでに1時間は経っているだろう。人形めいた無表情を保っているが、その全身にはじっとりと汗が浮いている。
「この給仕が気になるかね?」
 客は沙綾香の視線に気づき、深く挿入したまま、掴んだ百合の腰をグリグリと捻ってみせる。
「っ!」
 百合は一瞬息を詰まらせ、わずかに顎を浮かせた。どうやら軽く達したらしい。
「ふん、ふんっ!」
 客が気合の声と共に腹を引っ込めれば、膣の中の逸物が動くんだろう、百合もさらに反応する。客の太腿の上で脚を強張らせ、足指を曲げ。
「この通り、なかなかの色狂いでな。すぐに達しおる。もっとも……君ほどではないだろうが」
 客がそう言って視線を向けるのは、沙綾香の内股だ。今やショーツのクロッチ部分は完全に透け、濡れたティッシュが貼りついているようでしかない。
「そんなにパンツ濡れてたら、気持ち悪いでしょ。2人とも、脱いでいいよ」
 客の一人が、思いやりを装って許可を出す。本当は、美少女の性器を生で見たいだけだろうに。
「えー、脱ぐんですか? 恥ずかしいな」
 沙綾香はそうおどけてみせながら、千代里は疲労困憊のまま、ショーツに手をかけた。
 同じ脱ぐという動作でも、2人の印象はかなり違う。千代里は腰を浮かせてショーツをずり下げ、片足ずつ抜いていく、ごく普通の脱ぎ方だ。一方で沙綾香は、すらりと長い脚を上向きに揃え、そこにショーツを通していく。ショーツが膝までくれば脚を曲げ、一気に抜き去る。まるで超一流のストリップだ。その煽情的なパフォーマンスに、客からも調教師勢からも拍手が起きた。
 ただ……露わになった性器の美しさでは、優劣が逆転する。千代里の割れ目は、きっちりと閉じあわさったピンクの一本筋だ。一方で沙綾香は、完全に大人の女のそれだった。神に愛されたような肉体といえど、黒人の剛直を毎夜受け続けた結果をなかったことにはできない。
「ほお、これは……女性器のビフォーアフターといった風情ですな!」
「ふふふ、そうですねぇ。ツインテールの子はまだ未使用で、脚のすらっと長い子は、調教師によほど可愛がられてるんでしょう」
 下卑た目で2つの性器を見比べる客に、沙綾香は照れ笑いを浮かべた。
「やっ、比べないで!」
 そう拗ねてみせ、客の笑いを誘いもする。
 だがその一方、脚に添えられた彼女の手は、深々と肉に食い込んでいた。客からはちょうど死角、上から見下ろす俺だから気付ける仕草だ。そして当然、沙綾香の背後に居並ぶ調教師にも、その本音の動作は見えている。
「クククッ。あの連中、お前のプッシーに驚いてるらしいな。毎日このコックを咥え込んでんだ、変わって当たり前なのになぁ?」
 モーリスがソファに近づき、沙綾香の顔に怒張を乗せた。血管の浮き立った、暴力的な怒張。顔の半分を覆う圧倒的なサイズに、客が息を呑む。
「気持ちよくしてくれ。いつもみてぇによ」
 客に視線を向けながら、亀頭で沙綾香の唇を叩くモーリス。言葉が通じなかったとしても、その瞳と動作が全てを物語る。
「はい」
 沙綾香はソファの背もたれに体重を預けつつ、左手で怒張を掴んだ。
 モーリスの怒張は長い。女の右手と左手で掴んでも、なお長さが余るほどに。
「んふふ、おっきい。……えろっ……れあ、ん……っ」
 沙綾香はいやらしく微笑み、玉袋に舌を這わせはじめた。
 喉に沿うペニスは、その長さが解りやすい。沙綾香の舌が睾丸に触れている時、逸物の先は、軽く鎖骨の間を越える。沙綾香もそれを肌で感じているだろう。だが、彼女に怯えは見られなかった。
「へぇ、へぇ……ひもひ、ひい……?」
 舌で睾丸を舐り、その唾液を絡めながら柔らかに幹を扱く。見るからに心地よさそうな動きで、逸物はみるみる漲っていく。
「やるじゃねえか。おーっし、そろそろ咥えさせてやらぁ!」
 モーリスが満を持して沙綾香の口に亀頭を捻じ込む。勢いよく突き込まれた剛直は、あっという間に沙綾香の喉奥に達した。白い喉の盛り上がり方で、亀頭が今どこまで入り込んでいるのかがはっきり判る。
「んぐっ、ぐ……うっ!! おっご、オ゛ォッ!!! ふうっ、フゥオオッ……んぼっ、お゛、お゛っ!!」
 沙綾香の呻き声は、蹲踞の姿勢で咥えていた時より格段に酷い。姿勢が関係してるんだろう。ソファの背もたれを支えに、仰け反りながらのディープスロート。あんな恰好では、水を飲むことすら負担になるに違いない。
「くくく、いい穴だ」
 モーリスは沙綾香の腕を掴みながら、容赦のない抜き差しを繰り返す。怒張の半分以上まで咥え込ませては抜き、また咥え込ませ。挙句には、かなり深いところで腰を止め、グリグリと腰を押し付けてもいる。空き缶に近い太さの物でそうされて、耐えきれる人間などいない。
「おっげぁ゛!! んごおっ、ほっぉオオオ゛ッ!!!」
 沙綾香は、早くも限界を迎えた。口をへし曲げたままえずき上げ、泡まみれの胃液を吐き零す。異変を察したモーリスが怒張を引き抜けば、顔を横向け、さらに大量の液体を垂れ流していく。もう散々吐かされているため、はっきりと色のついた吐瀉物じゃない。だが、無色というわけでもない。
 そしてそういう激しい反応は、モーリスをますます興奮させてしまう。
「すげえ声だな。本性出てきたじゃねぇかジャパニーズ!」
 モーリスは沙綾香の首を両手で掴み、逃げ道を封じた上でまた怒張を飲み込ませていく。深く、深く。白い喉の盛り上がりが、鎖骨の合間まで達するまで。
「おッ、おぉ゛!! おごほっ、ごぼっ……ごお゛おおぉっ!!」
「はっはっは、いいぞぉ! 痰かゲロかしらねーが、ヌルヌルしてっからスムーズに動きやがる!」
 沙綾香のえずき声を楽しみながら、モーリスは腰の動きを速めていく。喉を掴んだまま腰を振りたくるその行為は、膣を犯している時そっくりだ。
 沙綾香の反応がまた激化した。ローファーを履いた右足がソファの座部に乗り、左足は床でつま先立ちになる。当然、スカートの中を隠す余裕などなく、ひくつく割れ目は客に覗かれ放題だ。

 苦しんでいるのは、隣の千代里も同じだった。彼女も沙綾香と同じく、ソファに座ったまま、仰け反る姿勢でダリーの物を咥え込まされている。ダリーの怒張は、モーリスより短い代わりに太い。それを喉に出し入れされる千代里は、狂ったように足をばたつかせていた。体つきの幼さもあって、駄々をこねているようにも見える。だが、えずき上げる声は幼さとはかけ離れたものだ。
「ンッ、んぶうっ! んっふ、ごほっ、うっゴォッ!! げえっ、お゛おえっ、オオ゛エ゛ッ!!!」
 沙綾香より強い喉をしているはずなのに、沙綾香以上に声が酷い。
「ははははっ、またすんげぇ声だな! なまじ強えノドで頑張りすぎて、反動が来てんのか? ま、だからっつって容赦はしねえぞ。吐きそうになってる動きとひでぇえずきが、いちいちイチモツに響くんだ。たまんねぇぜ!」
 ダリーはあえて日本語で語りかけながら、千代里の喉を蹂躙しつづける。千代里がどれだけ暴れても。どれだけの涙を流しても。


                 ※


 生き地獄。
 沙綾香と千代里の現状には、そんな言葉が相応しい。

「オラッ、喉締めろ! んな緩い穴じゃイケねぇぞマゾ奴隷!」
 ダリーは欲望のままに喉奥挿入を繰り返す。千代里はその腕を掴み、ハイソックスに包まれた脚を暴れさせて悶え苦しむ。そうした反応は、頭側と脚側のカメラを通し、大々的にモニターへと映し出されていた。
「ううお゛っぉっ……ごっふぇえ゛っ!!!」
 怒張が引き抜かれた瞬間、千代里は盛大に嘔吐する。薄黄色い液が口から噴き出し、顔面と逆立った髪に纏いつく。だが彼女はそれを嫌がる余裕さえなく、目を瞑ったまま死に物狂いで酸素を求めていた。
「ハアーッハアーッ、ハアァーーッハアーーー……ッ!!」
 全力疾走を繰り返した直後のような、荒すぎる呼吸。だが、それすら十分には行えない。ダリーがすぐにその顎を掴み、再び欲望を満たそうとするからだ。
「やああっ、や……ほごっ、ごぉ゛……おえ、おえ゛ぇっ!!」
 地獄に引き戻された千代里は、華奢な手足で何とか抗おうとする。だがその手と足も、すぐに周りの黒人共に掴まれてしまう。
「んん゛っ!? ふぐぇおっ、おお゛っ! ん゛ーーっ、ん゛ーーーっ!!」
 少女に許されるのは、手足を震わせ、切ない呻きを漏らす事だけだ。
 そうした悪戦苦闘の果てに、ようやく相手を射精に導けたとしても、十分な休息は望めない。頭上で調教師が入れ替わり、精液塗れの口に新しい怒張が捻じ込まれるだけだ。

 すぐ隣にいる沙綾香も、状況は同じだった。モーリスの剛直を喉奥まで押し込まれ、胃液と吐瀉物交じりの液体を首と顔全体に垂れ流す。暴れる手足を周りの連中に掴まれ、かろうじてソファを掴んで苦痛に耐える。そんな光景が何十分も続いていた。
 ところが。吐くだけ吐き、抵抗が弱まってきた頃、彼女の様子は変わりはじめた。
「おご゛ッ、ごっお! お゛う゛っ、もおぉお゛お゛え゛え゛え゛え゛っ!!」
 鼓膜を震わせるようなえずき声と共に、怒張が引き抜かれる。蜘蛛の巣を思わせるようなえずき汁が、口と怒張を繋ぐ。
「んぶはぁっ、はぁっ、はぁっ……はっ、はぁぁっ、はぁぁっ…………」
 モニターに映し出された沙綾香の顔は、まさしく疲弊しきった人間のそれだ。焦点の合わない眼も、舌を突き出した口も。なのに何故か、“そそられる”。
「……すごい顔ですな」
「ええ、ムラムラしてきますよ。ただ苦しんでいるだけのはずなのに、何なんでしょうねえ」
 客も俺と同じ感想らしい。
 この時は、何となくというレベルでしかなかった。勘違いと思えばそれで済んだ。だが実際には、この時に沙綾香が見せた表情こそ、決定的な変化のサインだったんだ。
 その後も、沙綾香は喉奥を犯されながら、激しい反応を見せつづけた。
「も゛ごっ、も゛ぉおおっ!! んんも゛お゛おお゛っ!!!」
 モーリスが一際深く身を沈めた瞬間、沙綾香の腰が跳ね上がった。ローファーを履いた足がつま先立ちになり、スカートが完全に座部から浮く。
「お、おおお……!」
「ははは、ははははっ!!!」
 見守る客が歓声を上げた。奴らの視線が集まる先は、マイクロミニのスカートの中だ。そこの様子なら、モニターにも大写しになっている。
 沙綾香の割れ目は、開閉を繰り返していた。ぽたり、ぽたり、と雫を垂らしながら。濡れているのはショーツの濡れ具合からも明らかだったが、性器の反応を目の当たりにすれば、生々しさが違う。
 生唾を呑む音がした。客か、あるいは調教師連中か。いずれにせよ、オスが欲情した時の音だ。
「ははははっ、なんだよお前! プッシーが喘いでるじゃねぇか!!」
 レジャナルドが笑いながら沙綾香の膝を引いた。股の角度が広がり、割れ目の様子がさらに露わになる。
「ほお゛う゛っ!?」
 沙綾香は明らかに嫌がる声を上げ、足を閉じようとしていた。だが、続く客の声でその抵抗は封じられる。
「いいぞ、もっとよく見せなさい!」
「そうだ、自分で広げて、ホラ!」
 客は好色そうな笑みを浮かべて叫ぶ。下衆な連中だが、この審査会においては王も同然だ。そんな相手に要求されれば、沙綾香は逆らえない。少し躊躇った後、自ら太腿に手をかけ、割りひらく。太腿の病的な震えは、喉を凌辱される苦しみか、それとも耐え難い羞恥のせいか。
「おっ。どうした、急にノドの締まりが良くなったじゃねぇか! はぁん、なるほど。トロトロんなったプッシーを客に見せつけて、興奮してるわけか。このビッチめ!」
 モーリスが嬉しそうな声を上げ、腰を振るペースを速める。
「おえ゛、えごぇこえ゛っ!えごあ゛っ、う゛え゛うぉえあ゛っ!!」
 沙綾香の声が一層悲痛さを増すが、そんな事はお構いなしだ。
「あああ堪んねぇ、いくぞ、思いっきり出すぞ、全部飲めよッ!!」
 涎を垂らしながら腰を打ちつけ、打ちつけて、大きく腰を震わせる。
「ふおおおぉっ……!!」
 上ずった声を聴くだけで、どれだけ気持ちのいい射精だったのかが判ってしまう。そして快感の射精は、精子の量も多い。
「ぐぶっ、ごぶふっ! お゛アっ、がげお゛っ!」
 沙綾香は精液を口から溢れさせ、苦しみ藻掻いていた。腰がまた浮き上がり……モニターの中で、割れ目が快感を訴える。たった今モーリスがしていたように、涎を垂らしながら。
「おおお、おおおおっ!! なんと淫靡なダンスだ!」
「いいぞ、いい!!」
 客は興奮のあまり前屈みになっていた。ある客は、竿役が交代しての新鮮な凌辱に期待を寄せ、ある客は、秘部を凝視しながら百合を犯す。

 百合は相変わらず、客に跨る格好で犯されていた。ただし今は、されるがままの無反応じゃない。
「くんん……!!」
椅子の手すりに手を置き、口に手の甲を宛がって必死に声を殺している。それを察して、左右に座る客が百合の手を取った。
「こっちも処理しなさい」
そう言って、それぞれに逸物を握らせる。百合は、命じられるままに逸物を扱くしかない。たとえ、そのせいで支えがなくなり、突き込みの衝撃を膣奥だけで受ける羽目になろうとも。
「はは。細身の女性とはいえ、全体重が掛かるとさすがに重いですな」
 客が百合の腰を掴み、激しく上下させる。
「っっ!!! ……っっ!!!!」
 百合は唇を噛んで声を殺しながら、太腿をブルブルと震えさせた。
「おっと。フフ……皆さん。今“達し”ましたよ、この女」
「ほう? 奉仕する身にもかかわらず、客より先にイクとは……」
「なっていない。もっともっと、躾が必要なようですね」
 客の野次が飛び交う中、百合はさらに追い詰められていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……、っ!!!」
「どうだ給仕、達したばかりの膣を犯される感覚は。絶頂後は膣が敏感になっているから、さっきより感じやすいだろう? だが、くれぐれも声は上げるなよ。お前ごときの下賤な声で、主役の邪魔をすることは許されんぞ」
 客は百合の反応を楽しみながら、ひたすらに快感を貪る。
「…………しょ、承知、して……おります」
 かろうじて床につく百合の足指は、何度も爪先立ちするように浮き上がっていた。
 絶頂に近づく中、百合の顔が前を向く。濡れた瞳は、食い入るように紗綾香の割れ目を見つめていた。彼女は、思い出しているのかもしれない。鉄格子の向こうで夜通し犯し抜かれ、狂い続けた『天国』を。
「…………くぁああイクっ!!」
 百合が、ついに声を上げた。男に跨ったまま、身を震わせながら。
「おい、『審査会』の邪魔をするなと言っただろう!」
「……ハッ、ハッ、ハッ……も、申しわけ……ございまっ、せ…………!!」
 客に叱られ、百合は謝罪を口にする。しかしその直後、また歯を食いしばりながら全身を震わせる。
「またイッたか。どうやらこの女、完全に中イキを覚え込まされているようですな」
「ははは、いやらしい人形もいたものだ。次は私の『処理』をしてもらうからな、気張りたまえよ給仕くん」
 客は百合の反応を散々に笑いながら、横目では常に沙綾香を意識していた。

「うわっ、マジですげぇな! 本気でこりゃ、プッシーよりいいんじゃねぇか!?」
 トラバンは沙綾香の喉奥に挿入するなり、目を剥いて叫んだ。よほど気持ちがいいらしい。逆に沙綾香はまたしても苦しみの渦中だ。
 トラバンのペニスは上から4番目のサイズを誇る。それを弱った喉へと突っ込まれた瞬間、沙綾香の土踏まずが浮き上がった。脚を広げる指も太腿に食い込み、実に痛々しい。
「おっご、ォお!!」
 トラバンが喉の深い所で動きを止めれば、脚は菱形になったまま宙に浮く。
「ふはははっ、ギュウギュウ締めてきやがる。こりゃ何分ももたんぜ。よおモーリス、テメエよくこれを我慢できてたモンだな!」
 トラバンは大口を開けて笑い、抜き差しを再開しながら、沙綾香の喉の膨らみを親指でなぞりはじめる。
「う゛む゛っ、う゛おっ! おっ……ぉおおお゛エ゛ッ!!」
 喉の隙間を潰された沙綾香は、ボロボロと涙を零しはじめた。脚はさらに高く上がり、一時的にではあるがVの字を描く。その望まぬパフォーマンスは、客を狂おしいほどに喜ばせた。
「ほおおっ、あんな高さまで! 凄いですなあ、どれだけ気持ちがいいのやら!」
「いいぞぉ! そのままだ、そのまま自分の足を掴め!!」
 客は悲鳴に近い声で叫び、沙綾香に恥の上塗りを要求する。沙綾香はゴエゴエとえずきながら、弱々しく手を振っていた。今は無理、という意思表示だろう。だがそれを見ても、客は要求をやめない。
「早くしろ! これも審査のうちだぞ!!」
 ここぞとばかりに特権を振りかざし、高圧的に命じる。
 沙綾香は、その言葉に従った。哀れなぐらい腕を震わせつつ、自分の太腿を抱え込み、マングリ返しに近い格好を晒す。相当にきつい体勢だ。ソファに座ったままそれを維持するには、腹筋と首に相当な負荷がかかる。つまり、喉が収縮する。
「うおおおすげぇ、コックが千切れそうだ!!」
 トラバンは歓喜しながら、膣を犯す以上に容赦のないピストンを見舞う。何度も深く突き込んでは腰を引き、また突き込む繰り返しだ。
「ゴボッ……おえ゛っ!! はぁっ、はぁっ……んぐお゛、オ゛っ、フゥおおっ……!!」
 沙綾香は聞くに堪えないえずきを漏らし続ける。一方で、身体の艶めかしさはさらに増していた。目を奪われるような美脚が、沙綾香自身の手で引き絞られながら快感に震える。V字の合間に咲く華は、露を吐きながら妖しく蠢く。
「ぐううっ、堪んねえっ!!!」
 トラバンが呻きながら腰を震わせる。苦々しいその顔は、想定外の射精だったことを伺わせた。

 体力が尽き、すぐに怒張を吐き出してしまう千代里。
 呻きながらも怒張を咥えつづけ、きっちりと射精させていく沙綾香。
 いつの間にか2人のプレイ内容は逆転し、モニター上部の数字も、沙綾香が猛烈に追い上げる形となっていた。とはいえ、タイムリミットも近いようだ。
「あと10分だ!」
 手越が時計に目をやり、叫ぶ。それを聴いて、沙綾香は動きを見せた。開いた足の踵をソファの肘掛けに乗せ、自由になった手でやはり肘掛けを掴む。
「くくっ。身体固定して、いつでも来いってか? なら望み通り、グチャグチャにしてやるよ!」
 ジャマールは沙綾香の頭を掴み直し、激しく腰を前後させはじめた。
「う゛っ、むうう゛っ! う゛え! おえ゛っ…お゛っ、うお゛っぉ……!!」
 沙綾香の喉から漏れる声も悲壮さを増す。それでも、彼女は必死に肘掛けを掴み、怒張を咥え続ける。
 水音と共に汁を飛び散らせる、苛烈な意地の張り合い。いつもなら音を上げるのは沙綾香が先だが、今回ばかりは違った。
「くううっ! ダメだ、出ちまうっ……!!」
 ジャマールが身を震わせ、当然の事のように喉奥へ精を放つ。濃い精液の直飲み。当然、沙綾香は大人しくしていられない。
「んんぐっ、ンオオ゛ぉ……ごぼっ!!」
 手足に力を込め、涙を伝わせながら、必死に喉を上下させる。明らかに辛そうだ。だが彼女は、休もうとしない。
「っぶは、ハァッ、ハアッ……。も、もっと、もっと、ちょうだい……」
 目を細め、口周りの精液を舌で舐め取りながら囁く。演技なのは明らかだが、客はもちろん、黒人共もその表情に心を揺さぶられたようだ。
「上等だ。やってやらあ!!」
 最後に名乗りを上げたのは、またしてもタイロンだ。
「…………ッ!!」
 顔とほとんど変わらないサイズの怒張を前に、沙綾香は一瞬表情を凍り付かせる。それでもすぐに頬を緩め、嬉しそうに飲み込みはじめた。
「う゛っふぇぇ! おえ゛っ…ぼぉお゛え゛ッ!! あが……がっ、オ゛エ゛エ゛エ゛ッ!!」
 半分ほど飲み込んだ時点で、沙綾香は嘔吐する。身体の暴れ方も相当だ。ソファの手すりに引っ掛けた足は強張り、痙攣し、腰を浮かせる。内腿の溝は深く、膣へ挿入されている時以上に思えた。それでも、沙綾香は死に物狂いで白い喉を蠢かす。
 水飴を掻き混ぜるような蹂躙の音。噎せる声。えずき声。荒い鼻息。それが途切れることなく続く。無理に無理を重ねてるんだろう、両脚は力むあまり手すりから滑り落ち、床の上でのつま先立ちに戻った。客がまた生唾を呑む。
「ひひ、いい格好だな! せっかくだ。テメェの手でオマンコおっぴろげて、もっとよく見せてやんな!」
 手越が面白がって沙綾香に命じる。するとそれを聞いた客も、チャンスとばかりに野次りはじめた。
「おお、そりゃいいな! ようし、やれっ!!」
「サービスしてみせろ、変態娘!!」
 もう、何度目だろう。沙綾香が言葉に縛られ、自分の心を殺すのは。
 細い指が肘掛けを離し、割れ目に宛がわれる。そして細かに震えながら、左右へと割りひらいていく。モニターに紅い華が咲いた。
「おおう、奥まで丸見えですよ。ヒクヒクと蠢いて、なんといやらしい……」
「ふふ。使い込まれた女性器というのも、オツなものですなあ」
 客は身を乗り出し、沙綾香の恥じらいの部分を品評する。沙綾香の顔は見えない。見えなくてよかったと思う。指と眉の形だけでも、彼女の恥辱が十分に推し量れてしまうんだから。そしてその恥じらいぶりは、タイロンにも伝わったらしい。
「へへへっ、堪らねえ! そろそろ出すぜジャパニーズ!!」
 タイロンはそう宣言し、背中を震わせる。
「う゛うむ゛っ! ふうう゛、う゛……っ!!」
 沙綾香の腰が跳ねた。彼女自身の指で開かれた割れ目から、飛沫が噴き上がる。
「はっはっは、勢いのいい潮噴きだ!!」
「男の物を咥え込みながらのアクメとは。いや、大した変態ぶりだ」
 客は手を叩いて喜び、沙綾香は重苦しい嚥下の音をさせはじめる。そんな中、手越が終了の合図を出した。

 客の視線がモニターを向く。赤と青を背景に光る数字は、左右どちらも『17』。最後の最後、ギリギリで並んだらしい。
「同点、ですか。こうなっては、立会人のお客様に決めていただくしかありません。多数決です。よりマゾ奴隷として相応しいと感じた方を、お指しください」
 手越はモニターを見て片眉を顰め、客に向き直る。
 千代里か、沙綾香か。結果は判りきっている。中盤までならいざ知らず、千代里がガス欠となってからは沙綾香の独壇場だった。
「私は、あの娘ですな」
「私もです」
「同じく。これはもう決まりでしょう」
 満場一致。5人の客すべてが沙綾香を指差し、『審査会』は決着する。
「はぁ……っ」
 沙綾香は顔中を精液に塗れさせながら、ほっとした様子で溜息を吐く。千代里もやはり顔中を汚したまま、寂しそうに目尻を下げた。
「……負けちゃったかぁ。勝って、サーヤに楽させたげたかったんだけど……バテちゃって、駄目だね」
 千代里が掠れ声で呟く。沙綾香は目を見開いた。
「千代、まさか、そのために……!?」
「……ん」
 沙綾香の問いに頷く千代里。その表情は慈しみに溢れている。彼女は、性欲に溺れて沙綾香に勝とうとしたんじゃない。沙綾香がそうしていたように、親友を助けたい一心で奮闘していたんだ。
「千代……!」
 沙綾香の目に涙が滲んだ。
 尊い友情だ。だが、女を嬲る事を趣味とする外道共が、そんな甘い空気を許すわけもない。

「では、これにて2回目の『審査会』は終了とします。お開き……といきたいところですが、お楽しみの最中のようですね」
 手越はそう言って、今も百合を犯す客に視線を向ける。
「悪いな。すぐに済ませる」
「いえ、続けてお楽しみいただいて結構ですよ。折角だ、こちらも夜の部を始めるとしましょう。……おい、犯していいぞ。お客様によく見えるように犯ってやれ」
 夜の部とは、鉄格子の中で毎晩行われている凌辱のことだろう。その許可を得て、黒人共の口に笑みが浮かぶ。
「よし、立て!」
 ソファに腰掛ける沙綾香の手を、ドミニクが掴み上げた。
「!」
 沙綾香は一瞬拒絶の素振りを見せたが、客の視線に気づいて表情を変える。このフロアに客の目がある限り、彼女はマゾ奴隷の演技を続けるしかない。万一にも悪評を流されないために。
 前のめりで凝視する客には、沙綾香のあらゆる反応が間近に見えているだろう。立ち上がった沙綾香の脚が震えているのも。脚の間に、雫が滴っているのも。
 ドミニクは沙綾香の背後に立ち、ギャラリーである客を優越感たっぷりに見下ろしていた。そして見せつけるように沙綾香の左胸を掴み、首筋に舌を這わせる。遠目にも、客が唾を呑んだのが判る。
 ドミニクは勝ち誇ったような笑みを見せつつ、沙綾香の股座に手を伸ばした。
「あんっ!」
 黒い指が割れ目に沈み込んだ瞬間、沙綾香が甘い声を上げる。演技と思いたいが、指が入った瞬間の腰の動きは、あまりにも自然だった。
 指はたっぷりと水音をさせてから引き抜かれ、客の前で開かれる。5本指すべての間に、濃い糸が引く。客の眼がさらに開かれる。
「俺らのコックをしゃぶるだけで、こんなにヨダレ垂らしやがって。いいぜ、味わわせてやる。極太のフランクフルトを、たっぷりとよ!!」
 ドミニクの太い腕が、沙綾香の脚を抱え上げた。奴が好む、背面立位……性器を客側に向けての『駅弁』だ。
「うあ゛あ、は……あぁ……っ」
 怒張が挿入されていく間、沙綾香の視線は結合部に注がれていた。感じすぎる予感がある時の仕草だ。
「いくぜぇ……おらっ!!」
 怒張が半ば入り込んだところで、ドミニクは気合を入れ直し、一気に沙綾香の腿を引き下げる。ぶじゅうっ、という音が響き、怒張は一気に根元近くまで入り込んだ。
「んがああ゛あ゛ーーーッ!!」
 沙綾香は天井を仰ぐ。ニーソックスに包まれた脚は膝下が跳ね上がる。劇的な反応だが、それはビンタを受けて、反射的に悲鳴が上がったようなもの。本当の痛みが来るのは、一拍置いた後だ。
「んぎいっ! あ、っ、かはっ……!!」
 沙綾香は顔を上向けたまま震えていた。4画面に戻ったモニターに、その様子がはっきりと映し出される。目を見開き、口を半開きにしたまま凍り付く表情。その顔には見覚えがある。

 ──黒人のチンポを思いっきり突っ込まれると、どの女もその顔になりやがる。目の前がチカチカする感覚なんだってな。

 十番勝負で手越が口にした言葉だ。沙綾香はまた、あの地獄に引きずり込まれているらしい。
「さ、サーヤ……!」
 ソファに腰掛けた千代里は、沙綾香の反応を見て絶句していた。前もって親友の現状を聞かされていたとしても、百聞は一見に如かず。あの壮絶な表情に勝る情報などない。
「ひひひ、注目されてんぜぇ。もっとよく見せてやれよ、オラッ!」
 ドミニクは周囲の反応を嬉しがりながら、掴んだ太腿を左右に割りひらく。足の甲がそれぞれ逆方向を向く、ほぼ180度の開脚。当然、結合部はどの方向からも丸見えとなる。
 バットの先を思わせる剛直が、根元まで入り込んでいる様も。割れ目から雫が滴っていく様も。太腿がピクピクと痙攣し、何らかの反応を抑えきれずにいる様も。
「おおお…………!」
「んんんん、これは…………!」
 客は、感嘆の溜息を漏らした。騒がず、言葉を並べ立てず。心底興奮している証拠だ。
「ぬううう、堪らん、堪らんぞおっ!!」
 やがて一人が、堰を切ったように唸った。百合を犯している男だ。奴はソファに深く掛け直し、沙綾香の秘部を凝視したまま、抱え上げた百合の太腿を上下させる。
 百合が膣を『使われ』はじめてから、そろそろ1時間というところか。すでに2人の男に欲望を叩きつけられ、今は3人目。彼女もいい加減、無反応を貫けなくなっている。
「んひいっ! あぁんっ、あはぁ……あ゛っ!!」
 客の逸物が沈み込むたび、声が漏れる。明らかに本気で感じている声だ。しかも彼女は、そうして快感に浸ってばかりもいられない。
「ほら、手がお留守だぞ!」
「こっちにも奉仕を忘れるなよ、給仕!」
 両隣に腰掛けた客が、百合の手を叩く。百合はそれを受け、握りしめた左右の逸物を扱きはじめた。だが、そうして意識を分散させれば、その分膣が無防備となる。客もそれは承知しているらしく、百合の太腿をさらに持ち上げ、膝をほとんど真上に向けさせる。腹圧が強まると同時に、それまでかろうじてソファの座部についていた百合の足裏が、完全に宙へ浮く形となる。そんな状態でさらに膣奥を突き上げられれば、今の百合は数十秒ともたない。
「あっ、ああ、あお、お゛っ……!」
 腹圧が高まったことで、百合の呻きが変わりはじめた。上品な唇の形で『あ』などと呻く余裕はすでにない。何かに吸い付くように唇を尖らせ、『お』と呻きはじめる。そこからは真っ逆さまだ。
「ふんんんおっ! ひっ、ぃ、ぃ、いぐっ…………ふぉおおおおお゛イグウウウッ!!!」
 我慢に我慢を重ねたせいか。百合は最後、左右の手で別の逸物を握ったまま、腹筋の力だけで脚を跳ね上げた。客の粗末な逸物はそれであっさりと抜け、蓋のなくなった割れ目からは、盛大に潮が飛び散る。すぐ前にいる沙綾香のみならず、その後ろのドミニクの顔にまで浴びせかかる勢いだ。
「チィッ! このビッチめ、やりやがったな!? 上等だよ。おら、お返ししてやれジャパニーズ!」
 ドミニクは白い歯を覗かせながら顔を振り、沙綾香の腰を上下させはじめる。
「んがっ、あ゛っ!! あ゛ーっ、あ゛ーーーっ!!!」
 沙綾香の反応は、百合とはハードさが違う。それもそのはず、膣に入り込んでいる物のサイズが違う。膣という空洞を丸ごと杭打ちするような剛直は、客の逸物と違い、抜ける気配さえない。規格外のサイズによる凌辱で、女体がどれだけ前後左右に暴れ回っても。
「どうだ、気持ちいいだろ? 教えてやれよ。あそこで間抜け面並べてる、イエローモンキーのお仲間によ!」
 ドミニクは腕を上下させながら沙綾香に囁きかける。沙綾香はまだ目を白黒させている状態だったが、客がドミニクの言葉に顔を上げると、表情を変えた。目尻を垂らし、妙な形に口を開いた、『ビッチ』の仮面だ。
「あ、はっ……きっ、きもち、いい……。こっ、黒人の、ペニス、最高……! あ、あそこが、全部、作り変えられちゃいそうで……ゴリゴリ、奥っ、抉られ……」
 沙綾香は淫靡な笑みを湛えたまま、セックスの快感を実況する。だがそれは、快感を噛み締めるに等しい行為だ。結果、それが彼女を追い詰める。
「あ、あ、あっ!? だ、だめ、だめいっちゃ…………あああ゛あ゛ーーーーっ!!!」
 転落は一瞬だった。蕩けていた顔が素の焦り顔に変わり、直後、快感の沼に引きずり込まれる。左右の足を大きく開き、潮を噴きながらの絶頂。剛直を捻じ込まれたままの潮噴きは、前には飛ばない。蛇口を指で押さえた時のように、四方八方へ飛び散っていく。中でもミニスカートに浴びせかかった一筋は、丁寧な作りの生地を濡らし、ぼたぼたと滴って、格別に惨めに映った。
「はははははっ、ああはははははっ!!!!」
 美女と美少女による、潮の噴き合い。オス共がそれを嗤いに嗤う。手越も、客も、黒人共も。
 恥辱を味わわされた2人は呆然と俯き、蚊帳の外に放り置かれた千代里は、親友と上級生の現在に顔を青ざめさせる。

 地獄だ。
 ここは、やはり地獄に違いない。


                 ※


 百合と沙綾香は、その後も向かい合ったまま犯され続けた。ただ、その反応はかなり違う。
「あっ、あはっ、おっ……おお゛っ、お゛う゛っ!! はぁ、はぁ……よ、よう、ございます、気持ちようございますっ……!!」
 『お』という低い声を交えながらも、快感に浸る余裕のある百合。
「あああ゛あ゛っ、ダメっ、ダメええ゛え゛っ!! ヤバイ、ヤバイよお゛っ! しっ子宮、潰れる! こんなの、ほ、ふぉんとに……かっ、感じ、すぎぢゃうう゛う゛っっ!!」
 色狂いの淫乱を演じようとするも、本気でその役に溺れそうになり、恐怖に顔を引き攣らせる沙綾香。
 違いがあって当然だ。日本人の控えめなペニスばかり相手にする百合と、ペットボトル級の黒人ペニスで犯され続ける沙綾香。受ける衝撃も快感も、たぶん桁が違う。
 そこへ来て沙綾香は、まさに昨日、徹底的にポルチオ性感を目覚めさせられたばかりだ。あれは、丸1日以上だった今もなお、沙綾香を毒しつづけている。どこが変わった、と言えるものじゃない。すべて。あらゆる反応が、前とは違って見える。
 深々と怒張を捻じ込まれた時、手足が強張り、ローファーが真上を向く程度なら前にも見られた反応だ。だが今は、ポルチオ周りの反応……ヘソの下辺りと脚の付け根が、ブルブルッ、ブルブルッ、と凍えるように震えている。しかも、同じようにじゃない。1度目、2度目も痙攣も大きいが、3度目はさらに病的だ。そしてその3度目の震えに合わせて、沙綾香は絶頂しているらしい。

『いっち、に、さーん。いっち、に、さーん』

 颯汰の声が蘇る。完全にあのリズムなんだ、沙綾香の腹の痙攣は。
 今や沙綾香は、熟しきって変色した桃に等しい。それをたとえば、鉛筆の尻で突き続ければどうなるか。誰にでもわかることだ。果皮は破れ、果肉は沈んで、内に秘められていた果汁が噴き出す。

「あ゛、はっ……お゛、お゛お゛お゛お゛お゛っっ!!!!」

 沙綾香はまた、音割れするほどの叫びと共に絶頂した。ダリーに横から突かれた時と同じく、目を見開き、舌を突き出して。M字に開いた足は、高圧電流の流れる針金で巻かれたかのように、限界まで力みながらの痙攣を繰り返す。逆に割れ目は弛緩しきり、くぱくぱと開閉しながら精液と愛液の混じったものを吐き零している。
 普通なら、心配になって行為を中断し、救急車の手配すら考えるほどの反応だ。だが、犯すアンドレは意にも介さない。破裂したばかりの桃の穴に、鉛筆を深々と捻じ込み、穴の一番奥でグリグリと腰を押し付ける。
「んう゛ぃい゛い゛い゛い゛ーーーーーー~~~~~ッ!!!!!」
 沙綾香の悲鳴は、もう声にさえならない。後頭部をアンドレの肩に預けたまま、ただ達する。一度達して、それで終わりじゃない。一切動かない剛直を根元まで咥え込んだまま、自ら腹部で3拍子を刻み……
「ふっぐうう゛う゛ん゛っ!!!」
 自ら、深く絶頂する。
「はははっ! あの娘、今勝手にイキましたな!」
「ええ。黒人の彼は一切動かしていなかった。間違いない」
「ポルチオアクメですからねぇ。ああして子宮口を押さえつけられるだけでも絶頂してしまうんでしょう。そうだろう、サヤちゃん?」
 客は膝を叩いて笑いながら、沙綾香自身に解説を求める。これが、また残酷なところだ。
「……そ、そう。あそこの奥、押さえられてるだけで……あ、足の先と、頭まで、痺れるの……。アクメが、止まんない……イってる最中に、また……ん、くううん゛っ!!」
 快感の実況。それが沙綾香を狂わせる。そして、だからこそ、客は執拗にそれを求めた。アンドレが再び沙綾香の太腿を上下させ、激しい蹂躙を再開してからも。
「はぁおお゛お゛っ!! おくっ、また、奥が……っ!!」
「奥がどうしたんだ、ええ?」
「奥っ、抉られてる……! 黒人のペニスの先でっ!!」
「ほう、ほう。サヤちゃんは奥がいいのか」
「い、いいぃっ……! 子宮の、入り口、よこっ……ズリズリされるとっ、ど、どうしても……いっちゃう……と、止めらんないっ…………!!」
「止めなくてもいいじゃないか。サヤちゃんは変態のマゾなんだから」
「………………あ、はは。そ、そ、だった…………あはっ、が、我慢、しなくて、い………いっひ、ひいい゛い゛っっ!!!!!」
 快楽を貪るマゾ奴隷。その演技が、沙綾香を飲み込んでいく。悲鳴を上げながら震える彼女の顔は、歯を食いしばった悲壮なものだった。だがその緊張が終わり、弛緩の時が訪れれば、表情も一変する。
「…………あは…………」
 虚ろな瞳で虚空を見上げ、涎塗れの口から舌を突き出して脱力する沙綾香。その口角が上がっていた。かろうじて意識を保っている状態で、演技などできるようには見えないのに。
「さ、サーヤ……。サーヤぁ…………!」
 千代里が、そんな沙綾香の姿を見上げながら泣いていた。
 友人の心中を想って泣ける彼女は、至極真っ当だ。だが、無力だ。
 遠巻きに見守る事しかできない、この俺のように。



                          続く

 
 

二度と出られぬ部屋 第二章 喉奥凌辱

第一章 人格破壊3Pの続きです。
 イラマチオ回。嘔吐要素があるため、ご注意ください。




■第二章 喉奥凌辱


【ディープスロート】
 地下16階の部屋には、入口にそう彫られた銀プレートが掛かっていた。そして扉の奥からは、生々しいえずき声が漏れ聴こえている。
 「おえ゛っ、おぉお゛え゛! おええ゛っ!!」
 濁りきった声。音だけ聴いていれば、泥酔した中年男が集団で嘔吐している光景が脳裏に浮かぶ。だが、いざ扉を開けて目の当たりにしたえずき声の主は、中年男などとんでもない、揃いも揃って格別の美少女だった。
 狭苦しい和室だった地下15階とは打って変わり、この部屋は煌びやかだ。眩く輝くシャンデリアに、いくつもの長ソファ。ガラステーブルの上にはフルーツ盛り。朧げな記憶ではあるが、似た光景に覚えがある。確か、キャバクラとかいったか。
 えずき声は、部屋内の3箇所から漏れていた。左奥、右奥、そして中央。ガラステーブルを臨むソファに一人ずつ制服姿の少女が腰掛け、左右をホスト風の男に挟まれている。
 少女3人は、ちょうど同じ責めを受けているようだ。口を開きっぱなしにする透明な器具を嵌め込まれ、歯茎まで露出させられた上で、喉の奥へ細長い道具を差し込まれる責め。敏感な喉へ異物を突っ込まれるんだから、無反応でいられる道理はない。3人は眉を顰め、身体を前後に揺らしながらオエオエとえずきまくる。そしてその苦しみぶりを、対面のソファに腰掛けた親父共が愉快そうに観察していた。
 顔面を変形させられ、元の顔の造りがわからないからだろうか。3人の腰掛けるガラステーブルには、それぞれ名札と写真が置かれていた。写真には個性が出ている。右奥の少女は、彼氏らしき年上男と腕を組んでいる。左奥の少女は、ぎこちない感じではにかんでいる。
 そして真ん中の少女は……ツインテールを揺らしながら、両手のピースサインを突き出すような一枚だった。後ろに映る友達達を隠さんばかりの、圧倒的な自己主張。しかし、そこに鬱陶しさはない。子供の無邪気さをつい許してしまうように、彼女のはしゃぎぶりも微笑ましいものだ。
 …………いや、少し嘘をついた。俺がその写真に好感を抱いたのは、無邪気さもそうだが、それ以上に彼女──『千代里』の容姿に因る部分が大きい。
 
 千代里は、俺がエレベーターで出会った女子高生集団の一人だ。皆が美形揃いだったせいで、あの場では特に意識はしなかった。だが改めて千代里個人に目を向ければ、その愛らしさは信じがたいレベルにある。
 写真の中で、千代里は白い歯を覗かせ、満面の笑みを浮かべている。その好感度は只事ではなく、生で目にしたら最後、確実につられて笑ってしまうだろう。
 好感度の理由は二つ。
 一つに、とにかく眼が輝いている。ふつう「綺麗な目をしている」と評される人間でも、瞳に輝きが一つあるぐらいが関の山だろう。しかし千代里の瞳の虹彩には、3つも光が踊っている。正面の光景を映し出す澄み具合はもちろんのこと、瞳それ自体が光り輝いているようだ。
 そしてもう一つは、歯並びのよさ。天然のものではなく、地道な嬌声の結果なんだろうが、そのあまりに整った歯並びは、笑顔の質を数段上げる。女優かアイドルのような、ひどく神聖な存在に思わせてくる。
 そしてこれら二つの武器を、幼い顔立ちが包んでいるのが絶妙だ。目にしろ口にしろ、整いすぎた部位は、ともすると気取った印象を与えかねない。しかし輪郭が幼いせいで、嫌味な印象は払拭され、『許せてしまう』。
 髪の色がやや軽めのブラウンであることも、ツインテールに結んだ髪形も、そうした美と愛嬌のバランスの邪魔をしない。まさに、奇跡的な愛らしさ。エレベーター内で友人と触れ合う彼女には、どこか天然気味な印象を受けたものだが、それはそうだ。彼女であれば、たとえどれだけズレた事をしようが、惚けたことを言おうが『許される』。同性異性関係なく、周囲のあらゆる人間から可愛がられるはず。つまり、天然のまま育つことを許された存在なんだ。この千代里は。
 ただ、彼女は周りの皆に愛されてきたようだが、天にまで愛されたわけではないらしい。もし天にすら愛されていたなら、彼女は今、この地の底で喉奥を掻き回され、醜く顔を歪めたりはしていないはずだから。

「どうだ、気持ちよくなってきただろ。ノドの奥にも、性感帯ってのはあるんだぜ?」
 千代里の喉に細い道具を捻じ込みながら、ホスト風の男が囁いた。
「げぇっ、は……っ!!」
 千代里は小さく噎せかえる。しかし、男の手は止まらない。
「エグついてる場合じゃねぇぞ。まだ半分しか入ってねぇんだ」
 ピンク色をした凹凸だらけの責め具を、さらに奥まで差し込んでいく。少しずつ、少しずつ。
「ほら、どんどん奥に入ってる。ノド開いてくのがわかんだろ?」
 男が問いかけても、千代里は前を凝視したまま、はっ、はっ、と怯えるような息を漏らすだけだ。男はそれを見て口元を緩めながら、さらに指先を押し込んでいく。責め具を掴んでいる親指と人差し指が、完全に口の中に隠れるぐらいまで。
「そーら、全部入った」
「かはっ……がはっ!!」
 男が全挿入を宣言するのと、千代里が咳き込むのはほぼ同時だった。
 一旦男の手が引かれる。ズルズルと引き出された細い責め具には、粘ついた唾液がべっとりと纏わりついていた。奥まで入れられていただけに、持ち手付近までが泡に包まれている。
「おーっ、すげぇすげぇ」
 重力に従って垂れ落ちるその糸を、もう一人の男がカクテルグラスで受け止める。カクテルグラスの中には、泡立つ液体がもう数センチも堪っていた。ただ、千代里の汁はまだ少ないほうだ。他の2人の少女は、その倍はえずき汁を出しているようだった。
「くくっ。やはりディルドーイラマはいい。アイドル級の子が、あんな濃いえずき汁を。これがテレビなら放送事故モノだ」
「まったくです。少し見目がいい程度の女だと、ああしてマウスオープナーをつけられたら最後、頬肉が吊り上がって不細工面になるものですがね。この子は目元だけでも逸材だとわかる」
 千代里の対面に座る人間が、それぞれ感想を口にする。他の少女2人には3人ずつしか観客がいないのに、この千代里にだけは4人がソファを占拠した上、さらにその後ろに立ち見で10人ほどが張りついている。一番可愛い子に群がるとは、現金なものだ。もっとも、立ち見に交じっている俺が言えたことでもないが。

「どうだ、これが全部入ったんだぞ」
 ホスト風の男は、唾液に塗れたディルドーを千代里に見せつける。
「はぁ、はぁ……」
 千代里は荒い息を吐きながら、信じられないという視線を責め具に向けていた。
「よし、もう一度いくか」
 一旦引き抜かれたディルドーが、また千代里の喉へと押し込まれていく。8割程度までは実にスムーズだったが、最後の一押しというところで、千代里の肩が跳ねはじめる。喉の奥からうがいをするような音がし、口の中で舌が暴れている。
「全部入ったぞ」
 千代里の変化など意に介さず、ディルドーはまた根元まで捻じ込まれた。千代里の瞳が細まり、涙が滲む。その涙はすぐに雫となって、整った目元をつうっと伝い落ちる。
「とうとう涙が出てきましたな」
「ああ。見た目が幼いだけに、背徳感が堪らんよ」
 見守る親父共が前のめりになりはじめた。その中で、またディルドーが引き抜かれる。纏わりつく粘液の量はさっきより多い。そうしてまた引き抜かれ、ほんのわずかなインターバルを挟んでまた挿入される。
 ただし、この回はさらに悪質だった。それまで通り指が口に入り込むぐらいまで押し込んでから、男の手がまったく動かなくなる。
「あ゛……ぉ……っ!?」
 責め具に喉の中心を杭打ちされ、千代里が呻く。唇の周辺は時が止まったように静止しているが、エネルギーがなくなったわけじゃない。そのエネルギーは、まるで暴発する銃のように、愛らしい少女の喉を不自然に蠢かせる。
 それまで小動物じみた上目遣いをしていた瞳が、急激に細まっていく。
「…………っ!…………ぐっ………………!!!」
 声にもなりきれない音がかすかに漏れ、瞼が揺れる。瞼の合間に覗く瞳はほとんど動かないが、それだけに、受けている衝撃の大きさが伝わってくるようだ。
「ぐっ……ぶほっ、ごぼっ!!」
 とうとう、千代里は咳き込みはじめた。その動きを受けて男が指を引くが、その最中にも何度も噎せてしまう。
「くはっ……は、はっ、はっ…………!!」
 何秒にも渡って呼吸管に蓋をされていたため、千代里の呼吸は荒い。舌も完全に開口具の外に飛び出してしまっている。そしてその舌に送り出されるように引き抜かれたピンクディルドーからは、もはやゼリー状と化した粘液が滴っていた。
「いいぞ。喉奥の汁がでてきた」
 ホスト男はほくそ笑み、さらにディルドーを押し込んでいく。奥へ、奥へ。
 千代里の反応は大きい。目をぎゅっとつむり、オエッ、オエッ、と連続でえずきはじめる。
「おーおー、苦しそうだ。すごい顔になってますよ」
「ふむ。しかし未経験でこれだけやられれば、普通はとうに吐いてしまっているものだが」
「確か彼女は、合唱部所属だそうですよ。それもソプラノパートの中心的な存在だとか」
「ほう。蒼蘭の合唱部といえば、コンクールで上位入賞していたな」
「蒼蘭は全国から才ある女子生徒を集めますんで、全国レベルの部活も多いですがね。逆にいえば、その環境下でなお抜きん出る人間は、紛れもなく天才と呼べるでしょう」
「なるほど、天才か。しかし可哀想なものだな。出る杭であったばかりに、こうして打たれることになる」
 ギャラリーは口々に千代里を謗り、嘲る。そしてその言葉は、間違いなく千代里自身にも聞こえているはずだ。だが、千代里にはそれに反応する余裕すらないようだった。閉じた目から涙を流し、噎せかえり。透明なえずき汁が、着々とカクテルグラスに溜まっていく。
「うおーっし、満タン!」
 そんな中、左奥に座る男がカクテルグラスを振り上げた。掲げられたグラスの中は、確かに液体で満ちている。ただし、千代里のそれと比べれば透明度は低い。白濁していたり、黄色かったり。
「はえーなオイ!」
「つーかそれ、半分ぐらいゲロじゃねぇ?」
「いいじゃん別に。早くグラス一杯にした組の勝ちだろ」
 ホスト風の連中同士でひとしきり盛り上がった後、勝った男共は嬉しそうに酒を呷り、負けた2組は眉を顰めて担当の少女に向き直る。
「ったく。お前ェが無駄に頑張っから、一番取られてんじゃねーかよ。もうディルドはやめだ、指で拡げてやる!」
 そう言ってディルドーを引き抜くと、二本指を開口具の内側へ突っ込みはじめる。指二本をあわせた直径は、さっきの極細ディルドーより明らかに上だ。当然、千代里達も激しく反応しはじめる。
「う、う゛!げっほ、あはっ!!」
 苦しそうな呻きと、咳き込み。細いディルドーでなら数秒は耐えられたそういう反応が、即時に出てくる。
「だから頑張ろうとすんなって。ゲー吐いてでもグラス一杯にしねーと、次行けねーぞ!?」
 男は苛立たしげに言いながら、指をさらに喉奥深く突っ込んでいく。喉の上側を刺激するのも強烈そうだが、指を横向け、喉奥の横腹を刺激されるのはもっときついらしい。
「お、オエ゛っ!!かはぇえエエッ!!!」
 乾いた咳のような声と共に、突き出た舌に沿ってどろどろと唾液がでてくる。
「出てきた出てきた。ネッバネバ」
「ああ。唾とか涎とかは少なめだけど、えずき汁がすげーなこいつ」
 男2人は、出てきた液を指に絡みつかせながら、さらにしつこく刺激する。
「ははは、すごい顔だ!」
「しかし、あの子なかなか吐きませんね。そこまで喉に耐性があるようにも見えませんし……こう言ってはなんですが、さして根性があるようにも」
「分かりませんよ。なにしろあのルックスだ。美形には美形特有のプライドがありますからね。無様を晒すまいという意地は、案外強いもんです」
 ギャラリーが茶化す中、千代里ともう一人は何度もえずき上げた。唾液やえずき汁の量は刻一刻と増え、喉奥を掻き回す男の手の甲を流れてグラスへ滴っていく。
 そして十数分後、3つのグラスはとうとう全て満たされた。
「お待たせしましたお客様。さあ、この美少女3人の唾液、おいくらでしょう!?」
 ホスト風の男達が立ち上がり、グラスを掲げて問う。俺にはいまいち趣旨の掴めない問いだったが、常連客らしい他の男共は色めき立つ。
「10万だ!」
「20万!」
「40万出そうッ!!」
 札束が投げ出され、オークションさながらに値段が叫ばれる。
「……?」
 千代里は、未だ開口具を外されないまま、雄の熱狂を小ウサギのような瞳で見上げていた。合コンでやるなら満点に近い反応だが、アンダーグラウンドな世界では格好の餌食にされる弱々しさだ。

 結局、60万の大台を叫んだ男が勝者となり、ホスト男からカクテルグラスを渡される。そして奴は、訝しげに見つめる俺や千代里の前で……ひと息に、その中身を飲み干してみせた。つまり、千代里の喉から掻き出された、濃厚なえずき汁を。
「っ!!」
 千代里が目を見開く。シャンデリアの明かりを余さず映す瞳が、明らかな動揺を示す。その表情が示すのは、困惑、そして軽蔑。そんな千代里の頬に、右側のホスト男が平手を見舞う。
「オイ! お客様になんて目ェ向けやがる!!」
 そう怒鳴りつけながら、荒々しく開口具を取り外す。千代里は突然の暴力に怯えながら、ようやく自由になった口をぱくつかせる。
「す、すみませんでした……。」
 小動物の瞳で、正面の客に謝罪する千代里。これで許さない男は、たぶん居ない。
「フフ……いいよいいよ、ああいう眼も興奮するものだ。えずき汁も雑味がなくて濃厚で、実に味わい深かったしねぇ」
 グラスを買い取った男は、口髭に泡を纏いつかせて笑う。時々口を蠢かし、内に含ませた粘液を味わいながら。
 美少女との『関節キス』でご満悦というところか。気色が悪い。
 だが……本来の俺も、こいつと同類かもしれないんだ。

「よし。んじゃ、本格的に喉のストレッチ開始だ」
 ホスト風の男達がそう言って、ガラステーブルに何かを置く。男のアレそっくりに作られた、本格的なディルドーだ。太さは俺のものより少し細めだが、楽に飲み込めるサイズじゃ決してない。
「これを、喉に……!?」
 千代里が顔を強張らせる。それはそうだろう。だが、ホスト男の表情に変化はない。
「なに、無理とか言うつもり? マンコ使うのはどーーしてもイヤだっつぅから、口で奉仕するだけで許してやったっつぅのによ。上の口でできねぇってんなら、下にぶち込むしかねぇぞ?」
 ドスの利いた声でそう釘を刺されると、千代里はさらに固くなる。でも結局は、
「…………わかりました」
 そう答えるしかない。
「うし。なら自分で咥えてみろ。目標は全呑みだ」
 右の男が、さらっと衝撃的な事を言う。今テーブルに置かれているディルドーは、どう見てもさっきまでの責め具より丈がある。その上で太さときたら、悠に3倍はあろうというのに。
 それでも、千代里は拒めない。目の前の凶器を前に息を呑み、恐る恐るという感じで根元を掴んでから、前屈みになって咥え込む。当然、スムーズに喉奥までとはいかない。太さがネックなのか、半分も飲み込まないうちに動きが止まる。
「ウ゛…ぐっ…………!!」
 呻き声を漏らしながら、涙を零し、なんとか喉奥へと苦戦した末に、とうとう耐え切れなくなって異物を吐き出す。明らかに奮闘してはいたが、その結果は調教役の不興を買ったようだ。
「お前、ふざけんなよ? 半分も入ってねぇじゃねえかッ!」
「根性出せや根性ォ!!!」
 男共は口々に怒鳴りつけ、膝立ちになって千代里の頭を鷲掴みにした。そして腕力にものを言わせ、強引に頭を押し下げていく。
「えあ゛……ぇかはっ!! あが……がああ゛っ…………!!」
 異物に太さがあるぶん、千代里のえずき声の深刻度合いも増していた。両の掌をガラステーブルにつき、必死の抵抗を見せている。だが、若い男2人の圧力に抗いきれるはずもない。ぐいぐい、ぐいぐいと、顔が押し下げられていく。異物が喉奥へと入り込んでいく。
「まだだ、もっと奥までいけ!」
 男共に容赦はない。髪のボリュームを完全に殺すぐらいまで力を込め、奥深くで咥え込ませ続ける。そうしてたっぷり10秒以上は押し留めてから、ようやく解放するんだ。
「んぐはっ、あはああっ!! ふ、……ふーーっ、ふーーーっ……!!」
 千代里は酸素を求め、溺死寸前の顔で呼吸する。その瞳からは、何筋もの涙が滴り落ちていた。
 束の間の解放。だが数秒の間すら置かず、次の地獄がくる。まさに極限状態。こういう状況だと、人間の取る行動は限られてくる。
「おら、掴むんじゃねぇよ!!」
「手ェどけろッ!!」
 左右の男が怒声を張り上げた。その視線の先を見れば、千代里の右手がディルドーを鷲掴みにしている。引き抜こうとしてか、それとも手をクッションにして、少しでも喉奥へ入り込むのを阻止しようとしてか。
「離さねぇと、後ろ手に縛りあげんぞオラッ!!」
 恫喝と共に、白い細腕が掴み上げられる。そうして手がテーブル下に戻された後は、追い込みにますます手心がなくなった。力むあまり血管さえ浮き立たせた4本の腕は、改めて千代里の小顔を掴み直す。それも今度は、後頭部を押すだけじゃない。首後ろを掴み、額に指を食い込ませて、完全に逃げ道を封じた上で頭を押し下げていく。
 その無茶は、当然ながら受ける側の反応となって顕在化する。
「ふも゛ぉおお゛えっ!! えがっ、がはっ……があああっ!!!」
 低いえずき声と共に、喉奥で何かが弾けるような音がする。バイブと口の隙間から、唾液がどろどろとあふれ出し、たっぷりと泡立ちながらガラステーブルに広がっていく。
 十二分に激しい反応だが、千代里の表情もまた壮絶だ。眉間に皺を寄せ、頬の線を完全に浮き立たせ、何度も噎せるうちに鼻水まで噴き出してしまう。
「おーおー、苦しそうになってきた!」
「これはこれは、間違っても美少女とは呼べませんなぁ!!」
 前列のギャラリーが、一人また一人とソファを降り、ガラステーブルを下から覗きこんで歓喜する。千代里の美貌が崩れれば崩れるほど面白いらしい。
 こうしたギャラリーの反応のよさが、ますますホスト風の男達を調子づかせる。他の2人の少女がテーブルから移動した後も、千代里だけが居残らされ、この覆い被さるようなディープスロートを続けられた。

「おら、もっといけんだろ。喉開け!」
「オメー合唱部だろうが、軟口蓋開ける訓練とかやんねーのかよ!?」
 ガラの悪い怒声を浴びせつつ、体重をかけて千代里の頭を押さえ込む男2人。
「うぶっ、ごふっ!!」
 千代里の口の端から唾液が零れていく。その中には時々、異様に真っ白い粘液が交じることもあった。
 明らかに辛そうなその状況でも、千代里は耐えていた。何度もオエッとえずき、肩を震わせながら。頭が動かないかわりに、腕が彼女のつらさを代弁する。ガラステーブルを掴んだり、肘をついたり。時には、背後のソファを握りしめることも。
 そんな中、彼女はソファの飾りボタンを思いきり掴み、千切りとってしまう。
「あっ、お前! どうすんだよ、ボタン取っちまいやがって。備品だぞこれ!?」
 男は2人して振り向き、焦りを見せた。ようやく呼吸ができた千代里も、事態を把握して青ざめる。
「あっ。ご、ごめんなさい……!!」
 彼女は頭を下げ、千切ったボタンを元の場所に埋め込もうとする。何度も、何度も、必死に。それを見て……青筋を立てていた男も、思わず吹き出す。
「ぶははっ!オイお前、笑わせんなよ!?」
「ば、馬鹿かお前! ンなんで戻るわけねぇだろうが!」
 調教役2人、そしてギャラリーの男達も大受けだ。その渦中で、千代里だけが戸惑っていた。
「え…? え……?」
 俺にはわかる。あれは、笑いを取ろうとしたわけじゃない。彼女なりに真剣に行動した結果、常識とズレてしまっただけだ。まさに天然。本来であれば場を和ませ、プラスに働くはずの性質。だが今この場では、『抜けている』ことは折檻の口実にしかならない。
「ここまでやられてボケるなんざ、いい度胸してんなぁオメー! ちっと躾が足んなかったか?」
 険しい顔つきを取り戻したホスト男達が、千代里の腕を掴んで無理矢理に立たせる。
「『平行棒』は……と、ちょうど空いてんじゃねぇか」
 ホスト男の片方が、ある方角を見て笑った。視線の先には、壁に備え付けられたディルドーがある。これまでの縦方向のディープスロートから一転、横向きに咥えさせるための責め具らしい。
 そしてその責め具には、明らかな『使用感』があった。具体的に言えば……ディルドーの周囲とその真下に、半固形の吐瀉物がこびりついているんだ。
「ヒュウ、いい彩りじゃねぇか!」
 根っからのサドらしいホスト男は、千代里の腕を掴んだまま口笛を吹いた。逆に千代里は凍りついている。そしてその顔を、跪く別の少女が見上げていた。
「あのっ。ご、ごめんね千代里ちゃん。私っ……は、吐いちゃって…………!!」
 どうやら彼女が、ディルドーを咥えさせられて嘔吐した当人らしい。
「ぎゃはははっ! オイ犯人見つかったな。奴隷同士だがキレていいぞ、ふざけんなっつってよ!」
「う……っ!!」
 ホスト男の罵声を浴び、跪いている子が泣きそうな表情をする。それを前にして、千代里は……
 にこやかに笑った。
「んーん、全然平気っ! 気にしないで、皐月ちゃん!」
 恨む気持ちなど微塵も感じさせず、にっと白い歯を覗かせて笑う。相手の失態のせいで、これから自分が、吐瀉物まみれの道具を咥えさせられるというのに。
 その朗らかな笑みは、どれだけ相手を勇気づけることだろう。彼女は確かに、少し天然気味なのかもしれない。世間一般の普通からは、いくぶん外れているのかもしれない。でも、いい子だ。奇跡的なぐらいに。
「ほー、『全然平気』ときたか。すごいねぇ、じゃチャッチャと咥えろや!」
 ホスト男2人は、プライドを傷つけられたのか、腹立たしげに千代里を壁のディルドー前まで引きずっていく。そして後頭部と顎に手を宛がい、強引に咥えさせる体勢に入った。
「う……!!」
 吐瀉物に塗れた異物を前にして、さすがに千代里も小さく呻く。
「ほらどうした、止まってんなよ。『全然平気』なんだよなぁ!?」
 千代里は、男2人の手で壁際に押し付けられ、渾身の悪意をぶつけられた。手で後頭部を押さえ込み、鼻が潰れるぐらい顔を壁に密着させて、千代里の喉奥までディルドーを嵌めこんでしまう。おまけに、そのまま男2人は動きを止めた。喉奥留めだ。
「おら、どうだお友達のゲロの味は」
「朝何食ったか当ててみろよ。ま、正解しても何もやんねーけどな?」
 男2人は、軽口を叩きながらも押さえる力を緩めない。
「ぶっ、ごぶう゛!!」
 千代里の身体が反射で暴れ、噎せる。それでも、彼女は耐えていた。震えながら、懸命に。
「これじゃラチあかねーな。甘ったれたガキみてぇな顔して、根性あんじゃん」
 ホスト男の一人がそう言い、一旦後頭部から手を離す。そして片足を上げると、今度は足の裏でもって千代里の頭を圧迫しはじめる。
「んお゛っ!!」
 壁際から小さな呻きが漏れた。
「脚の力は手の三倍、ってな。やろうと思えば、いくらでもキツくできんだぜ。おい、手!」
 ホスト男は笑みを浮かべ、もう一人に顎で合図する。
「OK!」
 そいつも薄笑みを浮かべながら、壁に宛がわれた千代里の両手のうち、右手首を掴み上げる。
「うう゛……!!」
 千代里の顔は見えない。が、怯えて右手を見上げているのが気配でわかった。
「うっしゃあ!!」
 千代里の頭を足蹴にしている男も、膝を曲げて上体を前に倒し、千代里の左手を掴んだ。そのまま2人が身を引けば、千代里は両腕を後方に引き絞られたまま、弓なりのような姿勢を取らされる。しかも、顔だけは男の足裏でディルドーに押し付けられたまま。明らかに不自然な格好。体にかかる負担は尋常じゃない。
「むう゛っ、ん゛ぉ……ぼぉお゛エ゛ッ!!」
 千代里の喉から、えずき声が漏れる。想像よりずっと低い声だ。ふわふわした女の子らしい彼女のイメージとは真逆の、男の声。
「ぎゃっはっはっは、すげぇ声。これってソプラノ?」
「違うな。だいぶ低めのテノールってとこだ。バスの一歩手前」
 千代里の声を聴いて、男2人の笑みが深まる。左右の細腕がますます直線に引き絞られ、明るい茶髪を押さえつける足裏は、駄目押しとばかりにグリグリと左右に捻られる。あんなひどい声まで漏れるコンディションの人間が、それに耐え切れる道理はない。
「おお゛っぉっろ……えろ゛お゛えええ゛っ!!!」
 耳を覆いたくなる声と共に、黄褐色の吐瀉物が千代里の太股の合間から覗く。筆荒いの水を捨てた時ぐらいの勢いで、ビチャビチャと床に音が立つ。
「おーおーおー、すげぇ出んじゃん。なーにが『全然平気!』だよ!」
「イキっといてこれはダセぇわ。友達の倍は吐いてんぞお前?」
 散々に笑い者にしながら、ホスト風の男2人が手足を離す。千代里の顔がようやくディルドーから外れ、ゲホゲホとひどく咳き込みはじめる。
「ひどいよ」
 横からそう声がした。さっき、千代里に吐いたのは自分だと自白した子だ。
「は?」
 責め役の数人が、一斉に鋭い眼を向ける。
「っ……だ、だって!」
 怯える彼女に、ゆらりとホストが近づこうとした、その時だ。
「ぐほっ、げほっ!! あ、あはは。ホント、吐いちゃうね、これ……。」
 千代里が、笑い声を上げた。寸前まで彼女は、喉を押さえて咳き込んでいる最中だったんだ。とても笑えるような状態じゃなかった。それでも無理をする理由は決まっている。ひとつは、場の空気を変えるため。そしてもうひとつは、「これは吐いても仕方ない」と同調することで、級友の罪悪感を軽くするためだ。
 なんていい子なんだろう。在り来たりな表現ではあるが、まさに天使だ。だがその天使を取り囲むのは、逸物を反り勃てた悪魔ばかり。

「さて。お集まりの皆様に、お願いがございます」
 ホスト風の男が、客側へと向き直った。これまでの野蛮な口調から一転、恭しい言葉遣いに変わっている。ただ、慇懃無礼という感じで、その眼差しは悪意を隠そうともしない。もっともそれは、聞き入れる客側にしても同じだが。
「ここは、美しい少女の喉奥をご堪能いただくお部屋。そのため本来は、充分にディープスロートに慣れた奴隷のみを、皆様に提供する決まりとなっております。しかしご覧の通り、この娘は若輩の我々では手に余る。そこで百戦錬磨のマニアたる皆様に、お力添えいただきたいのです」
 自分を下げ、相手を持ち上げての呼びかけ。回りくどいが要するに、剛情な千代里の喉奥を全員で輪姦せ、ということだろう。
「ほう?」
 この悪魔じみた提案に、居並ぶ雄が眼をギラつかせる。
 連中にとっては願ってもない話だろう。千代里は、ディープスロートに慣れていないどころか、キスの経験すらあるか怪しい娘だ。風俗で例えるなら、マットの研修すら受けていないまっさらな新人を、好き放題に抱けるようなもの。そんな好機を、マニア連中が逃すはずもない。
「いいだろう。熟成した大人の味を、たっぷりと教えてやる」
 歪んだ笑みは次々と伝染し、数秒かからずに千代里を包囲する。
「…………え…………?」
 千代里は、脂ぎった中年男に四方を囲まれ、困ったような笑みを浮かべた。彼女はこれまで、その人懐こさと笑顔でもって世の中を渡ってきたんだろう。そしてそれは、悪いことじゃない。彼女のように徳の高い人間が、笑って生きていける世界。それこそ、人類が目指すべき理想郷なんだから。
 しかし、理想はしょせん理想。そしてここは、血生臭い現実がすべてを支配する地の獄だ。
「さて。まず誰から始めるかだが……口の処女は、最古参である私に譲ってもらおうか。この場の誰よりも、『クラブ』のために金を落としてきたんだからね」
 腹の出た中年男が、千代里に歩み寄る。
「ははは。フロアのファーストナンバーをお持ちのHさんにそう仰られると、返す言葉がありませんな」
 一人がそう肩を竦める。異議を唱える声が出ないところを見ると、他の客も“H”と呼ばれるその男に一目置いているようだ。
「始めようか」
 Hはズボンを脱ぎ捨て、逸物を衆目に晒す。年季の入った赤黒いそれは、無慈悲にも千代里の鼻先につきつけられる。


 天使の顔から、ついに笑顔が消えた。



               ※



「ふふふ、初々しいものだ」
 仁王立ちになったHが、嬉しそうにほくそ笑む。千代里はその足元に跪き、逸物をしゃぶっている。俺はどうやら、そこまでセックスに詳しい人間じゃない。そんな俺でも見ていて判るぐらい、たどたどしいフェラチオだ。
 Hは、玩具遊びをする幼児を見守るように、しばらくそれを楽しんでいた。しかし数分が経つと、その目は足元の人間を童としてではなく、“女”として捉えるようになる。
「よし。ではそろそろ、しっかりと咥えてくれ」
 Hにそう告げられ、千代里の肩がびくりと震える。とはいえ、彼女も覚悟はしていたんだろう。一旦逸物を口から離し、ごくっと喉を鳴らすと、口を開いて逸物を口内に迎え入れていく。一気に半分ほど。けれども、たった半分。当然、ディープスロートマニアであるHは満足しない。
「駄目だな。もっと深く……こうだ!」
 そう言って千代里の頭を掴み、自分の腰へと引きつける。
「う゛、う゛えっ!うえ゛ぇっ!!」
「どうした、まだ7割ほどしか入っていないぞ。さっきのディルドーのように、根元まで咥えなさい!」
 千代里の頭を掴んだまま、前後に動かすH。
「う、う゛えっ!んえ、おえ゛ぇっ!!」
 一方の千代里は、その動きと同じペースでえずき上げていた。ディルドーの時は我慢強かったものだが、一度吐いたことで何かが変わったんだろうか。あるいは、脂ぎった中年男の匂いを受けつけないのかもしれない。無機物であるディルドーと、本物の生殖器との『滑り』の差という可能性もある。いずれにせよ、千代里はHの物を咥えるのに苦戦していた。
「駄目だ駄目だ、ノドを開け。えぐついた所で、グッと堪えてみろ! ディープスロートは慣れがすべてだ。ある程度素質に左右される膣やアナルと違って、喉奥は特訓すれば誰でも『使える』ようになる。何しろ食い物という固形物を通すための穴だからな。それが開かんなどというのは、ただの甘えだぞ!」
 中年男は持論を説きつつ、深々と咥えさせつづける。
「うえっ、うぇうぇ゛……んむえ゛ぇっ!!」
 千代里は低く呻き、手で相手の太股を押した。とはいえ、力任せに突き飛ばしたわけじゃない。小さな手で控えめに遠ざける、女の子らしい抵抗だ。Hが身を引いたのは、相手の窒息を危惧してのことか。
「くはっ、はあっ、はあっ……!!」
 実際、ようやく解放された千代里は、完全に肩で息をしていた。
「まったく、根性のない。相手が勢いづいている時は、苦しくても水を差すな。外気に一度触れるだけで、せっかく熱くなったものがリセットされる」
 Hはそう言って、今度は横から千代里の頭を鷲掴みにした。そして、また深く咥えさせる。
「う゛っ、むうう゛っ! げほっ、えほ……う゛っふぇぇ! おえ゛っ…おえ゛おえ゛っ!!」
 千代里の噎せ方も、一気にひどくなる。何度も噎せ、えづき。十回ほど喉奥を突いてから一旦逸物が抜かれた時には、必死な様子で舌を回して涎を切っていた。顎の下に垂れ落ちていく涎の量を見れば、必死さの理由も解ろうというものだ。
「ふむ、良くなってきたぞ。さすがに合唱部というだけあって、喉そのものは鍛えられているな。あとは我慢さえ覚えれば、性欲処理の道具としては及第点だ」
 Hは上機嫌で3度目の口内侵入を果たし、千代里のツインテールを前後に揺らす。そして今度こそ、逸物は抜かれない。右手で千代里の後頭部を押さえ込み、左手を顎の下に添えて、ラストスパートをかける。
「おえ゛、えごぇこえ゛っ!えごあ゛っ、う゛、う゛…ぃぉア゛っ!!」
 千代里のえずきはいよいよ声から遠ざかり、口内の深い部分を凌辱されている事実をわかりやすく伝えてくる。
「おおお、いいぞ、いい……出るぞっ!!」
 Hは口元を緩め、手の動きを早めつつ足を踏み変えた。そしてその一秒後、動きを止める。
「んん゛っ!?」
 千代里から驚きの声が漏れた以上、『何か』が起こったことは明らかだ。それは何か。決まっている。男が極限まで快楽を貪った果てに至る行為。射精だ。
「よーし。途中まではどうなることかと思ったが、どうにか形になったな」
 Hが腰を引き、逸物を抜き出した。千代里の唇と逸物の先を、太い糸が結ぶ。それは自重で下へ拡がり、泡立つ三角形の膜を形作る。
「ほう、お歳の割に見事ですな。不慣れな娘相手にこの一発とは……ハードルを上げてくださる」
「ふふふ。よちよち歩きの子馬の手綱を握り、思惑通りに走らせ、フィニッシュに至る──マニアの腕の見せ所だ。諸君も愉しみたまえ」
 『諸君』。Hのその言葉で、口内の精子を手に吐き出していた千代里が顔を上げる。そう、Hはあくまで1人目。そのHの後ろには、いつの間にかずらりと列ができている。
 列の二人目がズボンを脱いだ。色白で細身な、典型的デスクワーカーという風情の男。
「あ……あの、すみません。ティッシュありませんか? これ、拭かなきゃ……」
 千代里は迫り来る男に怯えつつも、右手の精液を見せて問いかける。だが、目の前にいる男の目は冷たかった。
「そんなもの、どうだっていいでしょ。君はどうせこれから、全身ザーメンまみれになるんだから」
 そう言いながら、痩躯に反して重量感のある逸物を突きつける。千代里は、何かを訴える目で相手を見上げていたが、意思の疎通が図れない事を悟ると、諦めたように口を開いた。

 この二人目の責め方は、Hとはまた違う。
 彼は最初こそ、やや深めに逸物を咥えさせ、軽快に腰を前後させていた。じゅぼじゅぼと唾液交じりの音が繰り返される、オーソドックスな『イラマチオ』だ。だが、ある時から様子が変わる。千代里の鼻先が変形するほど深く咥え込ませたかと思えば、今度はカリ首が覗くまで一気に抜く。それを繰り返しはじめた。
「しゅっ!」
 掛け声と共にまた逸物が引き抜かれ、千代里の口から唾液の糸が垂れる。
「げほ、げはっ!」
 千代里は咳き込み、さらに唾液を垂らす。そして……
「…………ゲェェェオ…………ッ!!」
 縦に開かれた口から、とうとう空気が漏れた。ひどい音を立てて。その女の恥を、この場の連中が見逃すはずもない。
「はっはっはっは、なんて音だ! 合唱部の生徒が、間違っても出していいシロモノじゃないぞ!」
「まったくだ。この娘を評価したコンクールの審査員にも、これを送りつけてやりたいよ!」
「アイドル級の娘から、このゲップを引き出すとは。Sさんは楽しませてくれる!」
 手を叩いて大笑いし、賞賛が沸き起こる。浮かない顔をしているのは、恥を掻かされた千代里本人と、その被虐を見守る級友2人だけだ。
「ふふふ、拍手有難うございます。私のモノは横幅がありますから、穴に空気を送り込みやすいんです。妻と普通にしていた頃も、よく『マン屁』が起きて怒られたものですよ」
 Sと呼ばれた男は、そう言ってまた笑いを取り、気をよくして千代里に向き直る。
「さて、パフォーマンスはここまで。ここからは、純粋に喉奥を堪能させてもらうとしましょう」
 そう言って千代里の下顎に指を当て、口を空けさせてから、ゆっくりと逸物を挿入していく。
 そして、ディープスロートが再開された。今度は引き抜かず、喉の深い部分を蹂躙する。
「う゛、ウう゛……!!」
 クチュクチュという音と同じ調子で、千代里の呻きが聞こえる。
 千代里の表情は険しかった。Sの陰毛の生え際を睨みつけるような目をしつつ、頬を膨らませている。怒り心頭の表情にも見えるが、短い間隔で噎せているところを見ると、苦しさゆえの顔なんだろう。Sの言葉が真実なら、奴の逸物は横幅がある。それに喉奥を掻き回されれば、ああいう表情になるのも不思議はない。
 可哀想なのは、彼女の手だ。千代里は未だに、右手の精液を床へ零さないように掲げている。そのせいで、苦しさのあまり相手の足を跳ね返すのも、左手でしかできない。当然そんなものは、大の男に対する抑止力にはなりえない。
「あああいい、いいよ……!」
 Sはうっとりとした顔をしながら、激しく腰を使う。千代里の呻きのペースも早まる。そして、その数分後。
「あああ、出る、出るからねぇ!全部飲んで、全部ゥッ!!!」
 Sは甲高い声で叫びながら、千代里の頭を引きつけて喉奥で射精しはじめる。しかも、射精してすぐに逸物を抜いたHと違い、このSは千代里の頭を押さえ込んだまま、じっと腰を押し付けている。
「ん、んんー!んンン゛っ!!」
 千代里が顔を顰め、左手で何度もSの腰を叩く。それでもSは動かない。千代里はとうとう、それまで宙に浮かせつづけてきた右手まで使ってSの足を叩くが、それが最後の抵抗となった。
「んんんん゛ーーーー!!!」
 Sの太股で精液が弾けた瞬間、千代里の忍耐も限界を迎える。そして彼女は、ごぐっと喉を鳴らした。精液を飲み下した……いや、『飲まされた』んだ。
「ふふ、そうそう。喉奥射精してもらったら、ちゃんと飲まないと。口淫奴隷として失礼だよ?」
 Sはそう言って、ようやく千代里の頭から手を離す。ツインテールを靡かせながら、千代里の頭が後ろに弾ける。
「ぶはっ……あ゛っ、げほっ!!げっほえほっ!!」
 唾液の糸を垂らしつつ、千代里は激しく噎せかえった。普通の日常なら、誰かが大丈夫かと背中でも擦るような状態だ。誰もに愛される千代里であれば尚のこと。だが、この場に配慮などはない。苦しむ少女を労わるどころか、さらに苦痛を与えるべく、3人目が千代里の前に立つ。そしてかなりの長さのある逸物を、喘ぐ唇へと捻じ込んでいく。

 喉奥へ迎え入れるなら、多少の幅があるより、長い方が苦しいんだろうか。3度目の喉奥奉仕で千代里が見せた表情は、壮絶だった。縦に開いた口が強張り、顎には複雑な皺が寄り、喉にも中央に筋が浮き立つほどの力が込められている。
「きぃゅうううおおお゛っっ!!」
 そんな風に聴こえる喘ぎ声も、今日初めて耳にするものだ。相手がそれほどの表情を晒していても、3人目の男に責めの手を緩める気配はない。それどころか、喉奥に咥えさせたまま千代里の身体を引きずり、ソファの傍まで移動すると、ソファの座部に片足を乗せて責めはじめる。
 自分の足で千代里の身体を隠すことなく、背後の人間にも痴態を見せることができる。そういうパフォーマンスかと思いきや、そればかりでもないらしい。
「ははは、先にやられちゃいました。あれ、見栄えもしますが、やってて気持ちいいんですよね」
「ええ。片足に負荷がかかる分、射精感が強まりますよね。仁王立ちでのイラマチオは征服感こそありますが、力の込めどころが難しい。若い時分ならともかく、歳を食って射精力が弱まってくると、ああいう一工夫が大事になってきます」
「おまけにあの長さだ。あれでもって、力の込めやすい体位で喉奥まで押し込まれれば……かなりきついはずですよ」
 客達は、3人目の男の行為を興味深そうに評している。この連中が賞賛するということは、それだけ千代里が追い詰められる責めということでもある。
「とュア゛……っ!」
 また、聴いた事もない音がした。おかしなものでも口に含み、大量のツバと共に吐き出すような音。
 どうやら、3人目の男の逸物が引き抜かれたらしい。太い唾液の線が、平行に二本伸びていく。その先では、濡れ光る逸物がぶらんぶらんと揺れ、透明な液を飛び散らせていた。改めて目を凝らしても、やはり長い。平均の倍近くはあるかもしれない。
「ふーっ、ふーーーっ……!!」
 逸物を引き抜かれた千代里の顔が、またひどい。口を閉じ合わせているが、その合間から精液と涎があふれ、完全に下唇を覆い隠している。ほんの少し皺の寄った顎にも、ダラダラと泡立つ筋が流れている。どうやらあの3人目は、何も言わず静かに……千代里にすら予告せずに精を放ったらしい。その不意打ちの結果が、あのおかしな音だったんだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ……」
 千代里は俯きながら、荒い息を吐いていた。その彼女の影に、いくつもの影が重なる。
「ほら、休んでる場合じゃないぞ。まだまだ次がいるんだ」
 もはや順番すら待ちきれなくなったのか、3人の男が千代里を囲む。千代里は顔を上げ、眉根を下げる。前と違って、笑顔は浮かべないが。

 制服姿の少女が、3人の中年男に奉仕している。
「ほら、手もちゃんと使って。すぐ硬いのが咥えられるように整えておくのも、イラマチオ奴隷の仕事の内だぞ」
 右の男にそう促され、小さな右手が動きを早めた。その逆の手でも別の一本を握り、桜色の唇で正面からの突き込みを受け止めながら。
「う、ぐっ!ぶはぁっ……!!」
 小さな呻き声の後、千代里が大きく口を開いた。白い前歯さえ覗かせるような大口。その口内には、唾液と交じっていない、粘ついた白濁が見える。あきらかに今射精されたものだ。正面の男に射精の宣言はなかった。黙々と腰を振り、快感に浸り、当たり前のように予告なしで射精したんだ。相手を女性としてではなく、性欲処理の道具として見ているのが、その気遣いのなさに表れている。そしてそれは、左右の男にしても同じ。
「今度はこっちだ」
 左側の男が千代里のツインテールを掴み、強引に横を向かせる。
「痛っ……!」
 この時ばかりは天使のような彼女も、割と本気で腹を立てたようだ。だが睨むよりも早く勃起したもので口を塞がれ、怒りの行き場を失くしてしまう。
「おぼっ、ごえっ!ごえっ、もえ゛っ!!」
 低い声でえずき、だらだらと涎を零す本格的なイラマチオ。この時点で制服のブラウスはかなり濡れていて、向日葵色のブラジャーが透けて見えていた。お嬢様学校らしいワインレッドのブレザーも、白濁液や透明な汁でかなり汚れてきている。それだけ執拗に喉奥を凌辱されてきたということだ。決して体力のある方には見えない、文科系という感じの千代里にとって、それはどれだけつらいことだろう。
 左右の男をかろうじて『処理』した頃、彼女はぐったりとしていた。半開きの口で細い呼吸を繰り返す様は、今にも気絶しそうに見える。そんな彼女の周りで、また男共が入れ替わった。
「へへへ、とうとう俺の番か」
「間近で見ても、やはり上玉だな」
「確かに。可愛い女と思いきや、化粧で『作っている』だけというパターンも多いですが、この子は正真正銘のすっぴん美少女ですよ。汗とザーメンで流されれば、どんな化けの皮も剥がれますからね」
 まだ射精していない7番目から9番目の男は、勃起した物を握りしめ、ニヤケ面で獲物を見下ろす。
「おら、ボサッとすんな。次のお客様がお待ちだ!」
「はぁ、はぁ……少し、休憩させてください……」
 壁際で見守るホスト男が怒声を上げると、千代里が薄目を開いた。本当に疲労困憊という様子だ。その姿に、客達が溜め息をつく。
「なるほど、駄目か」
「では仕方ない。キャスト君。あちらの奴隷、どちらか使わせてもらえるかな」
 客の指が、テーブルで喉奥開発を受けている二人の少女を指し示す。
「!?」
 少女2人も、そして千代里も、目を見開いた。
「仕方ありませんな。おい」
 壁際のホスト男が了承し、少女2人の脇を固める調教師に呼びかけた。
「ふふ、結構。だが私達はあくまで、このアイドル級の子が相手をしてくれると思って、楽しみにしていたんだよ。言っては悪いが、あそこの2人はこの子よりも幾分容姿で劣る。となれば、埋め合わせのために少々過激な『使い方』をすることになるが……構わんかね?」
「ええ、ご自由に」
 満足げに頷きつつ、耳を疑う要求を口にする客。そしてそれを、二つ返事で受ける従業員。その双方に、少女3人を気遣う気はないらしい。

「……少し休憩させてやるぐらい、べつに良いだろう」

 俺は見かねて、そう提案した。その瞬間、客と従業員の顔が一斉に俺を向く。
「なに?」
 眉を顰めた一人が、こっちへ歩み寄ってくる。そして俺の頭から爪先までを、不審そうに見回した。
「見ない顔だが、新規の入会者か?」
「あ、いや……」
 身元を尋ねられるとつらい。俺自身にも、俺がここにいる理由も、資格もわからないんだから。
「怪しいな。本当にメンバーか?」
「レストランで見かけた気はするが──そういえば、あの時も挙動不審だったな」
 次々と、疑いの目が俺を向く。レストランなら、確かに怪しかったかもしれない。食べ物の好みも、アレルギーすら判らない俺は、その場にあるすべての食べ物を少しずつ皿に取り、実験でもするように口に運んでいた。およそ普通の人間が取る行動じゃない。
「お客様」
 たじろぐ俺に、ホスト風の男が声をかける。
「生憎ですが、我々は無理を申し上げて皆様に助力を乞うている身。その上で、皆様にご満足いただけるサービスを提供できないとなれば、その補償をする義務がございます。それが、あちらの2人なのです」
「お客様。どうか我々に、挽回のチャンスを」
 ホスト男2人は、そう言って深々と頭を下げる。だが、そこに誠意は感じられない。低い声色は威圧的な証拠だし、眼には鋭さがある。
『記憶喪失の部外者は黙っていろ』
 今にもその本心が聴こえてきそうだ。
「あ……そ、その……」
 何十という冷ややかな眼に囲まれ、俺は返答に窮した。記憶がないというのは、こういう時あまりにも不利だ。理の拠り所がない。
 俺の常識は、はたして世間的に正しいのか。こいつらを外道と思う気持ちがそもそも誤りで、俺の方が変なんじゃないか。
 視線が痛い。
 余計な口を挟まなければよかった。己の数日前の行動さえわからない奴が、確たる日々を積み重ねてきた人間相手に何を語るというんだ。
 無言の圧力に耐えかねて、土下座すら考えた、その瞬間。

「────あ、あのっ!」

 鈴を揺らすような声が、部屋に響く。客も従業員も、一斉に声の源を振り向く。
「あ、あたし、もう大丈夫です。息がちゃんと出来るようになったので、またお相手させてください」
 千代里だ。床にへたり込んだ、幼い雰囲気の彼女は、しかしはっきりと宣言する。客が望む通りの答えを。
「なるほど。それなら問題ない」
「ああ。こちらとしても、君が相手をしてくれるのが一番いいんだ」
「うむ。それさえ満たされるなら、文句はない」
 客は、一人また一人と千代里の下へ戻っていく。まるで俺の存在など忘れたように。
「さて。せっかく千代里チャンもやる気出してくれたんだ。ここらで少し、キツめのいこうか」
 千代里の背後に立つ客がそう宣言し、勃起した逸物を千代里の顔に置いた。
「……!?」
 千代里の見開かれた目が横を向く。俺も奴の意図を察して凍りついた。
 背後から……というより、ほとんど真上から咥えさせる気だ。その苦しさは容易に想像できる。普通に飲めば何でもないペットボトルの水ですら、角度をつけて飲むと途端に噎せてしまう。俺も大浴場から上がって喉が渇ききっている時、売店の牛乳でやらかしたものだ。噎せて、鼻にも入って、地獄だった。それを男の逸物で、意図的にやらせようというのか。
「ほら、どうした。俺達の相手をするんじゃなかったのか。無理なら、やっぱりお友達にやってもらうか?」
 ピチピチと逸物で顔を叩かれ、千代里の表情が強張った。でも、それは一瞬のこと。
「いえ、やります。その前に、ちょっと……」
 その言葉の後、千代里の視線が俺を向く。人の輪から外れて、ひとり立ち尽くす俺の方を。
「あのっ。ありがとうございました!」
 千代里はそう言って、控えめな笑顔を作った。性格の良さが滲み出た笑顔。だからこそ、見ていてつらい。
 俺がどう答えようかか迷っているうちに、その権利は横から掠め取られた。
「はい、どういたしまして!!」
 千代里の背後にいる男が、そう言って逸物に角度をつけた。赤らんだ先端が千代里の唇を押しのけ、無遠慮に中へと入り込んでいく。
「あ……かっ!おぐっ……ぅも゛えっ、んも゛お゛お゛えええ゛っ!!!」
 不自然な角度での喉奥挿入が、普通でない声を発させる。普通に体調不良で嘔吐した時の方が、まだ人の声に近いのでは。そう思えるほど、濁った声。それが、あの朗らかな笑みをくれた千代里の喉から漏れているんだ。
「やあ、君。さっきは脅かしてしまってすまなかったね」
 凌辱を凝視する俺に、横から声が掛けられる。Hだ。最初に千代里から奉仕を受けたこの男は、ソファに腰掛けたまま、手の平で横を示す。座れ、ということか。
「我々も、君に敵意があるわけじゃない。だが君の発言は、あまりにも的外れだったからね。皆、つい訂正しようとしてしまったんだな」
 ソファへ腰掛けた俺に対し、Hは諭すようにそう言った。
「的外れ……とは、どんな風に?」
「簡単だ。君はあそこにいる3人の女を、まるで人間のように捉えている」
 人間のように? どういうことだ。
「いや、人間だろう。あの制服を見ろ、ごく当たり前の高校生だ」
「違う。あれは、我々の欲望を満たすための『奴隷』だよ。本質的には、排泄欲を解消するために設置された小便器と変わらん」
「なっ……!?」
「先ほどの君は、その小便器の連続使用に疑問を呈したんだ。おかしな話だと思わんかね。小便器があり、尿意を催した人間がいれば連続で使えばいい。一つの便器が『詰まった』ならば、その隣の便器を使えばいい。それだけのことだ」
 思わず、絶句する。その淡々とした物言いに。発言の内容も内容だが、もっと信じがたいのは、Hがそれを普通のトーンで話していることだ。冗談を言っている風じゃない。本気でそう考えている、という感じだ。
 おかしい。俺ははっきりとそう感じている。だがこの部屋にいる人間は、客も施設の従業員も、皆がその常識に基づいて行動しているようだ。女は性欲処理の道具。そういえばあのエレベーターガールも、職務中に凌辱されておきながら、それを当たり前のように受け入れていた。それが、この世界では普通なのか? 俺の意識だけが、この世界に適合していないのか?
 ──いや、違う。もしそれがこの世界の常識なら、千代里があれほど嫌がっているはずがない。あくまで、この連中の間だけで共有されるルール。この閉鎖空間に限っての法なんだ。

「はは、すっげぇヨダレ……いいのかよお前。お嬢様学校の制服が、ドロドロんなっちゃうぜ?!」
 後ろから咥えこませる男が笑う。だが今の千代里に、服の心配などしている余裕はないだろう。
「うぉ゛うむ゛、うお゛っ!!うお゛、ッコほっ……!!」
 千代里は、何度も肩を跳ね上げ、低い声でえずき上げていた。
「すごい声ですな。ああいう子供っぽい子がバスの音色を出すのは、いつ見ても堪りませんよ」
「ええ。人間誰しも平等だと感じますな」
 客達は、その様子を腕組みして見守りながら、したり顔で評価する。
「どうかね。ああいうものを見ていると、逸物がいきり勃つだろう。破滅の美学というやつだよ」
 俺の横でも、Hがウォッカグラスを傾けながら、先走りの滲む逸物を弄くりまわしている。
 俺は……勃起していない、わけじゃなかった。何か、非常に根源的なものにあてられて、ズボンの中が膨らんでいる。だが、俺はそれを望まない。H達に交じって、年端もいかぬ少女への凌辱を楽しむ気分にはなれない。
「人生など短いんだ。雄としての欲求を、早く認めてしまった方が楽だぞ」
 Hは諭すように言うと、冷笑しつつ俺から目を外した。
 そうした一連の間にも、千代里の喉は真上から犯されつづける。ストロークは充分に大きいが、音は地味だ。じゅぶじゅぶという音と、小さな呻き。少し距離のあるここでは、意識を集中しないと拾えない。だが、それが嵐の前の静けさなのは明らかだ。なにしろ、真上から充分なストロークで出し入れされているんだから。
 “嵐”の前兆は、3回の小さな音。
 ちゅっ、ちゅぶっ、ちゅうっ。いきなりそういう、逸物を強く吸う音がした。後追いでの分析だが、多分これは千代里が口を窄めた結果、偶然そうなったんだろう。じゃあ、なぜ口を窄めたか。相手により強く奉仕するため? 違う。肉体の反射行動を繰り返すばかりの彼女に、そんな余裕があろうはずもない。となれば、結論はひとつ。『吐きそうだったから』。それしかない。
 そして事実、3回の音が響き渡った数秒後、千代里の喉は決壊する。
「んも゛ぉっ!おろ゛……も゛ぉお゛う゛ええ゛え゛っっ!!!」
 限界を迎えた人間に、女も男もない。千代里は真上を向いたまま、地獄のように低く汚い声を響かせ、吐瀉物をあふれさせる。決壊の時、逸物はまだ口に入ったままだったから、黄色い汚物は口周りに沿って三方へ流れおちた。そして逸物が引き抜かれれば、自由に噎せられるようになったとばかりに、吐瀉物が噴き上がる。
「おう゛うぇれあ゛っ!!」
 そんな、あられもない声と共に。
「おおおおっ、吐いた!すっげぇ絵面!」
「ははは、これは盛大な!!」
 どっと場が沸く。その音圧と熱気は、ソファに座りながらもクラリとくるほどだ。
「はーっ、はーっ……はーっ……」
 千代里は上を向いたまま口を、胸を上下させて激しい息を繰り返す。
「ほら、休んでる暇ァないぞ」
 そう、千代里は休めない。嘔吐を晒してなお、次の責めを強いられる。他の2人の少女は、自分もディルドーで喉奥を開かれながら、千代里の方を凝視していた。その眼はひどく同情的だが、「自分が代わる」という言葉は出ない。でも、それを冷たいというのは酷だろう。安易に代われるわけがないんだ。噎せかえり、えずき上げ、吐瀉物を撒き散らし、それでも休む間すらなく逸物を咥えさせられる。そんな現場を目の当たりにしたら。


             ※


「歳のせいで勃ちが悪くてな、竿をしゃぶられるだけでは、中々勃起できないんだ。だから、タマも併せて刺激してくれ」
 千代里の前に立った男は、そう注文をつけた。千代里に逆らう術はない。命じられた通り、口で逸物を転がしつつ、男の毛だらけの睾丸を弄ぶ。舌も手も、かなり熱心に動かしているようだ。
「おっ、いいぞ。なかなか上手いものだ。口の中でイチモツが硬くなってきたのがわかるだろう」
 男は上機嫌だ。指揮者にでもなったつもりなのか、仁王立ちで股間を刺激させながら、指を空中で躍らせる。
「素晴らしい。ここまでギチギチに勃起するのは久しぶりだ。かわいい君がその小さな手で、丁寧にタマを刺激してくれたお陰だよ。お礼に、たっぷりと喉奥で堪能させてあげよう」
 男の左手が千代里の頭を掴み、強引に前後させる。
「う゛、おぼっ……おお゛っ、うお゛っぉ……」
 千代里から漏れる声は苦しそうだ。自分の奉仕で屹立させたもので苦しめられるのは、さぞかし屈辱的だろう。おまけに男の指揮は、素人目に見ても滅茶苦茶なものだ。合唱部として活動してきた人間にとって、そんなふざけた指揮は許せないに違いない。
 ただ、千代里の心中はどうあれ、男はますます調子づいていく。
「さぁっ、もっと強く!フォルティッシモだ!!」
 そう言って千代里の頭を強く引き寄せつつ、自分の腰も前に打ち出していく。まるでセックスと同じ腰遣いに、千代里は何度も噎せかえる。
「ごっ、おごっ!ほおお、お゛っ……え゛うぉえあ゛っ!!」
 20回を超す抽迭の果てに、千代里の口の端から吐瀉物があふれだす。
「ああああ熱い、ああ熱い……。いいぞ、いい喉奥合唱だったぞぉ!!」
 奴は下半身で嘔吐を浴びつつ、その最中に射精しているようだった。また眩暈がする。あれはさすがに理解できない。だが奴自信は満足らしく、たっぷりと時間をかけて精を放ち終えてから、逸物を抜き去った。濃茶色の指揮棒は、半勃起状態で斜め下に垂れ下がり、ぽたぽたと悲劇の残滓を滴らせている。
「いやー、お見事お見事。Tさんのプレイは、いつも楽しそうでいいですなあ。バレー部の子へのスパイク喉奥射精も見応えありましたが、今回は指揮ですか」
「ええ、なかなか楽しめましたよ」
「ははは、結構なことで。では私も、やりたいようにやるとしましょうか」
 次の男はそう言って、床に寝そべる。千代里は怯えた様子でそれを眺めていた。
「ほら、何してるんです。客が横たわったなら、覆いかぶさってしゃぶらないと!」
「……ごめんなさい」
 千代里は命じられるまま、男に覆い被さっていく。
「おほほ……制服姿の女子高生に圧し掛かられるなんて、夢のようです。しかも思ったより胸あるんですねぇ。とはいえ、せいぜいCカップでしょうが。そうそう、知ってます? これね、シックスナインって体位なんですよ」
 男の舌はよく回った。発言内容は最低だ。だがどんな相手でも、千代里は奉仕するしかない。勃起したものを口に咥え、深々と飲み込むことで。
「うん、いいですね。では、ここから……」
 男は両足を持ち上げ、千代里の頭後ろで交差させる。菱形の足で顔を圧迫する形だ。
「う゛っ!?」
 視界外からの圧迫を受け、千代里から驚きの声が漏れる。
「ははは、AVでよく見るやつですな!」
「ええ、一度やってみたくってねぇ。中々征服感があっていいですよ、喉の締まりも増してますしね」
 男はそう言いながら、足で作った菱形を狭めていく。
「ん゛んん゛っ、んん゛っ……りゅ、っく…………!!」
 呻き。そして、喉奥で気泡が潰されるような音。それが漏れ聴こえた。
「いいですよいいですよ、ほら。逃げられないままフェイスファックされる気分はどうです!」
 たるんだ脹脛が、繰り返し千代里の後頭部を叩き、深いイラマチオを強要する。
「うえ、うえ゛、う゛え゛、うえ゛っ!!」
 後頭部を叩かれるのと同じペースで呻きが漏れ、クチュクチュという水音もそれと交互に聴こえている。
 毛深い足に囲われた千代里の顔は、眠っているように静かだ。印象がだいぶ違うのは、大きな特徴であるツインテールが足で隠れ、ショートカットに見えるせいか。濡れた茶色の前髪が揺れ、柳の葉のように顔をくすぐっている。静かだ。だが顔を圧迫されたまま喉を抉られて、何ともないはずがない。ああして静かにしていることで、かろうじて耐えられているんだろう。
 実際、ようやく男が足を組むのをやめ、千代里を開放した瞬間、彼女の顔面は壮絶なことになっていた。
「あはははっ、見ろよ。ひょっとこだぜ!?」
 誰かが叫んだとおり。口を窄め、鼻の下を伸ばしきった、あの有名なふざけ顔だ。勿論、彼女はふざけてなどいないだろう。普通でない責めをされ、それに耐えるための努力に違いない。だがその顔は、物笑いのタネになる。
 しかも、それだけでは終わらない。ようやく自由を得られ、勢いよく顔を上げれば、また彼女は恥を晒すことになる。
「べはあ゛っ!!」
 ずるうっと逸物が引き抜かれたばかりの口は、喉奥が完全に開いていて、奥の穴がはっきり見えた。そしてその開いた喉奥から、黄色い吐瀉物を噴出したんだ。
「ふひゃひゃっ、すっげぇ。こんな細ぇゲロ見たことねぇや!」
「まるで喉から放尿しているようですな!」
 心無い罵声に、千代里は目を伏せてしまう。だが、これはあくまで小休止だ。
「ほら、ちょっと休んだら再開ですよ!」
 千代里に奉仕させている男は、そう言ってまた足を組み、菱形の中に千代里の頭を閉じ込める。そして前とまったく同じ容赦のなさで、強制的に深く咥えこませる。

 二度目も千代里は静かに耐えた。最初の3分ほどは。だが、今度は耐えきることができなかった。3分経過後、顔全体がビクビクと震え、頬が持ち上がって『ひょっとこ顔』が覗きはじめる。ぶほっ、ごぼっ、と2回噎せ、細く開いた目の中でぐるりと白目が覗く。
「おっと……おいUさんよ、ちょいストップ。なんかやばそう」
 その声で、男が足を離す。その瞬間、また千代里の顔が跳ね上がる。

「ふぅーーーお゛っっ!!!」

 目を瞑り、縦に開いた口の中に逸物を挟んだまま、彼女は嘔吐する。真っ白な涎が上唇の辺りから噴き出す、ここ数度では一番澄んだ嘔吐。
 吐いた物は澄んでいても、漏れたえずきは最悪だ。
「はははっ、今のがバスか。なあ、そうだろう?」
「ええ、間違いありません。男でもあそこまでの低音を出すのは難儀しますよ」
「さすがは蒼蘭合唱部の星。音域が広い上に、こちらの心を揺さぶってきますなあ!」
 悪意に満ち満ちた暴言の数々。それを耳にして、千代里がどんな表情をしているのか見ようとして……俺は、ひどいものを目にした。
 最低な嘔吐で茫然自失となっている彼女の顔に、精が浴びせられる瞬間だ。下になった男は、元々射精寸前だったのか、何の刺激もなしに暴発した。
「ら゛っ!? ぷあっ!!」
 鼻の辺りに射精を浴び、唐突に漏れた声は、ちゃんと女の子のそれだ。酷いことさえされなければ、彼女はそういう声でいられるんだ。彼女は、同年代女子の中でも、確実に上位に入るぐらい女の子らしいんだから。
 だが、この場の連中の望みは、そんな彼女にあえて惨めな思いをさせることなんだろう。

「あーあ、射精ちゃいましたねUさん。申し訳ないけど、替わってもらいますよ」
 次の男が、拍手しつつUに歩み寄った。この部屋の中でも、俺と並んで若く、30前半に見える。事実、タンクトップとジーンズを脱ぎ捨てた下からは、割れた腹筋と小麦色の肌という若々しい肉体が現れた。
 奴は千代里をUの腹上から引きずり下ろし、仰向けに寝かせてから、その顔の上に跨る。勿論、勃起しきった逸物を口の中に捻じ込みつつ、だ。
「お゛え゛っ!!」
 ストレートなえずきが響きわたる。
「俺もUさんに倣って、AVで見かけたプレイでいきます」
 男は、腰にかかる上着の裾を払った。そしてゆっくりと腰を上下しはじめる。ずっ、ずっ、という動き。抜き差しに速さはないが、千代里の反応は激しい。
「んお゛っ、おお゛あ゛っ!! うも゛ッ、ほごおお゛っ!!!」
 喉を圧迫されているのがはっきり伝わる、典型的なえずき声が繰り返される。そして同時にその喉からは、キュォオオッという妙な音もしていた。
 さらには、足。チェックのミニスカートとハイソックスに包まれた足が、激しく暴れている。膝を曲げて、地団太を踏むように床を蹴ったり。あるいはそれに失敗し、踵から滑ってまっすぐに伸びたり。足に相当な力が込められていないと、そうはならない。手は手で、男の太股へしがみつくように握っていて、必死さが窺える。
「相当な苦しみぶりですな。やっぱり若いと、逸物の張りが違うんでしょうね」
 一人がそう感想を漏らすと、男は笑った。
「はは、デカさも張りもそこそこっス。強いて言えば、反りですかね。喉のヤなとこに当たって、結構苦しいらしいです。前に一度、風俗嬢相手にもコレやったんですけど、嬢に秒でマジギレされちゃって。だから、ここでまたやるの楽しみにしてたんですよ。ここって、わりと何でもアリじゃないですか。おまけにこの子、その風俗嬢のパネマジ前より可愛いし」
 男はそう言い、千代里の頭の下に手をくぐらせた。そして頭を持ち上げての挿入を開始する。苦しむ千代里の表情を、真上から見下ろしつつ。
「う゛おお゛え゛っ、え゛っ!!ええ゛ぇあ゛っ!!」
 栞のえずき声は大変なものだった。両目を硬く瞑り、眉根を寄せた顔にも余裕はない。そして極めつけはその脚だ。この段階になり、脚がとうとう地団太をやめた。両の足裏をしっかりと床につけ、耐える体勢に入る。子供体型というか、やや肉付きのいい印象だった太股がきゅっと直線に引き締まっていて、かなり力が入っているんだと判る。
「あ、すげぇ締まる。聡美のマンコよりすげぇかも」
 彼女だろうか、男は誰かの性器と比較しながら、千代里の喉奥を犯し続ける。いつの間にか、腰を上下するペースもかなり早まっていた。くちゃかっ、くちゃかっ、くちゃかっ、という、時代劇で馬が走るような調子の音が響く。
「ん゛おえ゛っ!! ん゛う゛おお゛あえ゛っ!!!」
 文化系の千代里の太股へ、体育会系生徒に特有のラインが隆起していく。そしてとうとう、華奢な身体そのものがブリッジを始めた。まさに喉奥レイプを見ている気分だ。
「うわ、ちょっ! 暴れんなって!!」
 圧し掛かっていた男は姿勢を保てなくなり、横に尻餅をつく。だが、奴は近くにあった千代里の頭をすばやく太股で挟み込む。
「ほら、逃げちゃだめだって!」
 そう言って後頭部を押さえつけ、イラマチオを続行する。
「んんん゛っ、んああ゛っ!! あああ゛え゛あっ!!!」
 上からではなく横からの捻じ込みになったことで、えずきの種類が「お」から「あ」に変わった。とはいえ、苦しそうな声であることに何ら違いはない。実際千代里の脚は、まだ暴れている。横様に倒れたまま、床の上で滅茶苦茶に振り回す。
「おー、すごい暴れようだな!」
「あはは、パンツ見えてんぞー女子高生!!」
「おやおや。名門女子校の生徒ともあろう者がはしたない!」
「つか、今どき白パンなんて穿いてる子いるんだ」
 周囲にいた客が、茶化しながら避難を始めるぐらいの勢いだ。
 そうして暴れても、男からのイラマチオは止まない。そして、頭を押さえているだけでいい男と全力で暴れる千代里とでは、消耗するエネルギーが違いすぎる。結果、数分もその状況が続けば、千代里だけが一方的に疲れ果てることになる。

「ふーっ、やっと大人しくなったか。合唱部っていうから、もうちょっと大人しいのかと思った」
 男はそう言って、また千代里を仰向けにし、上からの捻じ込みを再開する。しかも、さっきは顎側からの挿入だったが、今度は頭の上に陣取っての喉奥蹂躙だ。
「お゛もおお゛っ!? こうぇっ、もぉ゛……もう゛あげげっ!」
 もうやめて。その声が、逸物を捻じ込まれながらもはっきり聴こえた。
「やめない。だって超いい感じになってきてんもん、喉マンコ」
 男にも言葉は通じたらしいが、肝心の心が通じない。太股を手で押しやられるのが鬱陶しくなったのか、千代里の両手首を握りしめながら、激しく腰を上下させる。
「んも゛え゛っ、も゛エ゛っ、も゛えっ、も゛ごえっ!!」
 千代里のえずき声も重苦しく、早くなっていく。
「すげー、チンコびっくんびっくんしてる。これ、どんだけ射精できんだろ」
 犯す男の方は呑気なものだ。彼は目の前の少女の激しい反応を見つつも、その苦しみを本当には理解していない。理解していないから容赦もしないし、そのせいで千代里は、ますますひどい領域まで引きずりおろされてしまう。
「こァッ……」
 その一言を発してから、千代里の動きが急に緩慢になる。それまで激しく脚をばたつかせていたのに。
「あれ、オチた?」
「や、違うぞたぶん。脚にすげー力入ってる」
 そんな会話が聴こえた。確かに失神とも思える感じだが、筋肉が弛んでいない。がに股に開かれた足……その太股は存外に平坦だが、膝から下、脹脛の周辺が相当に強張っている。
「オチてねぇってんなら、一体……」
 その疑問が発せられた、直後。千代里の股の間で変化が起きる。文字通り“一瞬”の間の変化。ミニスカートの奥にある純白のショーツが、黄色く染まっていく。その液体は、当然ショーツに染みただけでは止まらず、床へ不定形に広がっていく。
「あーっ、漏らした漏らした!!」
「ははは、とうとうやったか!」
「あーあ、白パンなんて穿いてっから真っ黄っ黄だよ。ま、嫌いじゃねーけど」
 場の人間が騒ぎ、イラマチオを強いていた男が顔を上げる。
「えっ? こいつ、漏らしたんスか!?」
 奴のいる位置だと、スカートに邪魔されて股の様子が見えないようだ。驚いた様子で手を伸ばし、ショーツに触れた。千代里の両膝がびくんと内に閉じる。
「うわ、すげぇグチャグチャ。はは、なんだよ。漏らすぐらい良かったってか!?」
 奴は、歯を見せるぐらいの満面の笑みを浮かべ、さらに力強く腰を使う。片膝を立てて、奥深く、しっかりと捻じ込んでいく。当然、千代里は反応を見せた。
「も゛っごっ、ごも゛ぉおおっ!! んも゛おおお゛っ!!!」
 呻きながら、また脚で地団太を踏みはじめる。さっきとの違いは、激しく身を捩りながらローファーで床を踏みつけるたび、びしゃ、ばしゃっと自らの尿を撒き散らしてしまうことだ。
「あああいいっ、いいっ……あ出る、出るぞっ!!!」
 男は、若くして遅漏なんだろうか。何十回と腰を使った末に、ようやく射精の時を迎える。千代里の口と自分の陰毛を密着させ、激しい息を繰り返しながら動きを止める。
「あ、うあ、出てる……マジで、どくんどくんって……すげぇ」
 男はうわ言のように感想を呟いていた。
 見た目に大きな変化はないが、男の腹筋がピクピクと動き、掴み上げられた千代里の指が何度も握られていることから、ずっと射精が続いているのがわかった。
「ふーーっ。ウンコまで出るかと思った」
 十何秒後なのか。ようやく男が、息を吐きながら腰を上げる。途端に、大きく開いた千代里の口から、じゅばーっという音が立った。
「ぷはあっ!!はあっ、ああああぁっ……!!」
 今日一番といえるぐらいの激しさで息を求める千代里。逸物と前歯を繋ぐ糸は恐ろしく太く、耳と同じサイズにまで気泡が膨らんでいる。千代里の喘ぎでその気泡が弾ければ、幼さを残す顔を涎の糸が縦断する。
「すごいヨダレの量だ。もう顔中ドロドロだな」
「ええ。ほぼ全員が喉奥射精しかしていないのに、連続でぶっかけられたみたいになってますね」
 男共が疲労困憊の千代里を見下ろし、脂ぎった顔に笑みを浮かべる。
 おそらく今で、ようやく半分の人間が射精したぐらいだろう。俺は、そろそろ見ているのがきつくなってきた。

「ほら、早く立て。できないなら……」
「い、いえ……やり、ます……」

 卑劣な脅しと、健気な宣言。それを聴きながら傾けるグラスからは、血に近い味がする。


             ※


 それからも、千代里の地獄は続いた。

 14人目は、自称『マウントイラママニア』。相手の顔にマウントし、それなり以上のサイズのある逸物で喉奥をグリグリと抉りまわすのが生き甲斐らしい。
「おふぉえあ゛っ!!」
 千代里の苦しみようは相当だった。何度も噎せ、薄い吐瀉物が口の端から流れ出す。顔を左右に振って嫌がっているが、喉奥に杭を通された状態では逃れようがない。
「んがぁぁあらっ……!」
 やがて、うがいをする時のような声がし、千代里が両手を握りしめた。
「おっと、窒息はいかんな」
 男がそう言って逸物を抜く。
「ぶはっ、はっ、はっ!!」
粘ついた糸と共に逸物が抜かれ、千代里は眉を顰めながら大きく空気を求める。その、直後。横向いた口から、細い吐瀉物が流れ出す。えろっ、えろっ、という声と共に。
 普通なら焦るような状況だが、自称マニアの男は顔色ひとつ変えない。
「よし、気道確保できたな。続けるぞ!」
 そう言って、また喉奥深くへ挿入していく。猛スピードでの喉奥攪拌。当然、千代里にはすぐにまた限界が来る。
「んーむ゛おえっ、ごふっ、ぶふっ!!」
 激しく噎せながら、口内の異物を吐き出そうとする。だが、それは叶わない。
「何をしている、そこで鈴口を吸いなさい!」
 そう厳しい声で命じられ、両手で顔を固定される。ぷちゅぅううっ、という音で、千代里が命令に従ったのがわかった。そして、ここでようやく逸物が抜かれる。
「んーむおえ゛っ! ぐ、ごふっ、ぶふ、ごはっ!!」
 悲惨な状況だ。白い顎が何度も跳ね上がる。真っ白な精液が、鼻の横から髪の生え際までを横断する。噎せるたびに大量の汁が噴出し、細い紐のようになって顔を覆う。
 その状況を前に、マニアの男は腰に手を当て、満足そうに頷く。そして最後の締めとばかりに、自らの手で逸物を扱き、ようやく呼吸ができるようになった千代里の鼻の穴に射精する。
「は、ぎゃあっ!!」
 千代里の悲鳴に、男の頷きはますます深まった。

 17人目の爺さんも、なかなかに陰湿だった。
 異様な目つきに怯える千代里を床に寝かせ、潰れた蛙のような格好でイラマチオを強いたんだ。
 乳房の上に跨って、口に逸物を捻じ込み、両の太股を足の甲で押さえつけるようなやり方。かなりの歳を食っている割に、ペニスのサイズは周囲と変わらず、硬さも備わっていたようだ。なにしろ、この変わった体位で数分ばかり喉を突かれるうちに、千代里が吐いてしまったようだから。
 俺が見ているテーブルは、爺さんの尻側だから、逸物の抜き差しの場面は爺さんの体に隠れて見えない。だから吐いたというのも、いくつかの状況証拠からの推測でしかない。
「んおおおええ゛っ!!」
 もはや聴き慣れた、人が吐く時の声。
「おっ、吐いたぜ!」
「へへ。ジジイの萎びたペニスで限界とは、弱くなったなあ合唱部のノドも」
 千代里の頭側から見ていた連中の、そんな嘲り。
 押さえつけていた爺さんの足の甲を撥ねのけ、苦しそうに崩れる脚。
 これだけ証拠が揃えば、状況を知るには充分だ。
「我慢してなさい」
 爺さんは厳しい声でそう命じ、足の甲で千代里の太股を叩く。千代里はぴくっと太股を強張らせたあと、がに股を作り直す。その太股を爺さんの足の甲が押さえつけ、さらに枯れ木のような手が万歳をする千代里の手首を掴めば、潰れたカエルの出来上がりだ。
 そしてまた、爺さんが腰を振りはじめる。
 俺の側から見えるのは、爺さんの湿布の張られた背中と、汚い尻、そしてピクピクと脈打つ千代里の足だけだ。
 その上下を見比べると、老化の残酷さが実感できた。上で揺れている枯れ木は灰色、下で耐えている柔肉はピンク寄りの肌色。瑞々しさがまるで違う。ぼうっと眺めていればそれは、セピア写真がカラー写真を侵食している図に見えてくる。
 侵食は淡々としたものだった。痩せた灰色の尻が上下するたび、カコカコカコカコと棒で喉奥を掻き回す音がする。ある程度の距離があるせいか、甲高い攪拌音は聴こえやすいが、くぐもった呻きはあまり聞き取れない。それでも意識を集中させれば、たまに聴こえてくる。
「う゛」
「お゛え」
「ごえ゛っ」
 そういう、苦悶の声が。千代里は、あんな枯れ木のような爺さんに、間違いなく喉を犯されているようだった。
 やがて、爺さんの腰の位置がやや高くなる。射精に向かっているんだろう。尻を振るスピードも、徐々に早まってきた。
「出るぞっ!」
 爺さんが喝を入れるかのように叫び、腰を沈める。シミだらけの太股と尻肉が引き締まり、セピアの写真は、そのまま静止する。動きはない。ないが、その不動ぶりと千代里の開かれた脚のこわばりが、大量に喉奥へ注がれている事実を物語っていた。
「ふうー……」
 ジジイが大きく息を吐き、膝を立てて逸物を引きずり出す。てゅぽっと妙な音がし、逸物が抜ける。
「う゛、えほっ、ごほっ!!」
 千代里の咳き込む音が聴こえた。爺さんが尻を浮かせているから、ここでようやく千代里の顔が見えるようになる。爺さんの陰に入っている部分も多く、明瞭じゃない。それでも、千代里の顎が粘液に塗れているのがわかった。いい齢をしているくせに、なんて量だ。
「こんなに出したのは20年ぶりだ。良いノドを持っとるのお」
 そう褒められても、千代里は嬉しくなどなかっただろう。よくよく見れば黄色く濁っている精液は、いかにもエグ味が強そうだった。

 そして、20人目……順番最後の男は、ずっとソファに座って酒を煽りながら、凌辱を見て逸物を弄りつづけていた禿げ親父だ。

 奴は、最初こそ普通にしゃぶらせていたが、やがて千代里のツインテールを鷲掴みにして顔を前後させはじめた。色白で毛深い足に、ツインテールの童顔が叩き込まれていくのは、犯罪的な絵面だ。
「いあ゛っ、あ゛っ!はごっ、おも゛っ……お゛っ!!」
 突然の暴力に驚いたのか、髪を掴まれる痛みか、それとも奥まで咥え込むのが苦しいのか。千代里は目を見開く。
 しかもこの親父が、またしつこい。何度も喉奥を抉り回しては、一旦口を離させる。そして自分の娘ぐらいの歳の子供が上目遣いで喘いでいるのを観察してから、またツインテールを掴んでしゃぶらせるんだ。
「うろ゛っ、お゛ろ゛っ、おも゛っ、う゛ろ゛っ…………」
 千代里の喉からは、早いペースで苦悶の声が漏れていた。一つ一つは壮絶なえずき声というわけじゃない。だがとにかくペースが速く、また小休止を挟みつつもしつこく繰り返されるとなれば、蓄積していく苦しさは並大抵じゃない。
 開始から15分あまりが経った頃、強制的に前後させられる千代里の顔は、完全に白目を剥いていた。小さな嘔吐が気つけになったんだから、酷い話だ。
 軽く10回以上は小休止とツインテールを掴んでの凌辱を繰り返し、そこでようやく禿げ親父はスパートに向かう。このスパートは単純に苦しいらしく、千代里はゴエゴエと喉を鳴らしつつ、激しく咳き込むような表情で受けていた。最後に喉奥射精された時の眉根の皺は相当深く、限界を感じさせた。
 そして、その予想通り。射精の最中、急に千代里の頬が膨らんだかと思うと、嘔吐が始まった。口内で水袋が破裂したような嘔吐で、かなり異質だった。場が沸いたのを見るに、マニアでもあまり見ない嘔吐だったらしい。

 そして、20人の相手を終えてなお、千代里が開放されることはなかった。さっきのは、あくまで『一巡目』。この後もまた2回3回と奉仕し、脂ぎった親父達を満足させきらなければならない。
 そう宣言された時の、千代里の表情が忘れられない。絶望、というのは、まさしくあの顔のことだろう。

 20人の雄に囲まれる、終わりのない喉奥凌辱。もはや立っている気力すらなく、床にへたり込んだまま、四方から突き出される男の象徴を喉で迎える。
 何度えずいても、何度吐いても、ついに吐けるものすらなくなって空嘔吐だけを繰り返す状態になっても、凌辱は終わらない。まさに、地獄。
「おら、こっちも!!」
 一人に奉仕したばかりの千代里のツインテールが掴まれ、逆側を向かされる。そしてまた、勃起しきったものを口に捻じ込まれる。その瞬間、千代里の身体がぶるりと震えた。そして千代里は、口の中の逸物を吐き出す。
「おい、ちゃんとやれ!!」
 怒声が飛ぶ。千代里は、その声の主を見上げた。涙ながらに。
「お、お願いします。口は、もうやめてください……!」
「なに!?」
「喉奥奴隷が口使わず、どうするつもりだ!」
 不機嫌そうな眼に囲まれ、千代里は肩を竦める。そして、かなりの躊躇の後、言葉を続ける。
「…………し、下も…………使って、いいですから!」
 その言葉に、数人の目元が変わる。
「下?」
「あ、あそこ……です。あそこも、使っていいですから、だから、口は……もう、やめてください!」
 まさに、必死の訴え。千代里にとって、処女は軽いものではないだろう。ましてや、散々に自分を痛めつけた相手に純潔を奉げるなど、望もうはずもない。それでも、千代里はあえてその交換条件を提示したんだ。
「なるほど、処女か」
 欲望に濁った視線が、制服に包まれた千代里の肢体を舐め回す。千代里の喉が鳴る。
 屈辱的でも、交渉の甲斐はあった。条件は呑まれ、彼女の酷使された喉は、しばらくの休息を得られるだろう。俺はそう思った。
 だが。
「────駄目だな。」
 千代里の哀願は、あっさりと切って捨てられる。
「……え?」
 千代里が眼を見開いた。
「他のフロアなら、その提案は喜んで受け入れられただろう。君はアイドル級にルックスがいい。スタイルも悪くない。……しかしだ」
 屈み込んだ中年男が、震える千代里の顎を掴み上げる。
「私達は違う。私達は、喉奥を好む故にここにいる。喉奥を開かれ、抉られ、注がれる女の姿。それに伴って搾り出される“なま”の声。耐え切れずあふれ出す涎や胃液。肉体の反射行動。そして、涙を流しながらメスマゾに変わっていく人格。私達が愛でるのは、それらだ。女性器を用いたノーマルセックスなど、フェチズムを知らん子供のお遊びだよ」
 千代里の歯が、凍えるようにガチガチと鳴り始める。男は、顎を押し下げてその危険信号を断ち切ると、開かれた歯の合間に逸物を送り込んでいく。
「い゛おえ゛……っ!!」
「そう、いい声だ。もっとその歌声を聴かせてくれ。部活で教わる声楽ではない。お前というメスが、極限の状況下で発してしまう、真実の声だ。なに、安心したまえ。苦しさはじきに消える。一線を超えたその先にあるのは、脳を蕩けさせる快楽だ」
 男はゆっくりと腰を前後させながら、穏やかな口調で語る。
「あ゛え、あ……く…………?」
 千代里は、その言葉を口内で繰り返す。

 そして千代里は、蕩けていった。
 回数を数えることすら億劫になるほど、延々と喉奥を『使われ』、次第に反応が薄くなっていく。うめきも、えずきも、嘔吐も。気絶しかけているのか、それとも何かに目覚めさせられたのか。

「あ……あえ、あえあ…………あ」

 眠たそうな瞳で半ば白目を剥き、涎を垂らしながら、太股をひくつかせる千代里。その姿は、男に抱きつきながら陶然とする祐希に重なった。
「……おや、お帰りかね」
 グラス片手に汗を拭き、Hが近づいてくる。奴も千代里で楽しんだばかりらしく、逸物とその根元の茂みが濡れ光っている。
「ああ」
 俺は一言そう答え、シャンデリアの照らす部屋を後にした。

 ( 俺は……何なんだ。催しを楽しむこともできず、止める事もせず。
   俺が存在する意味って、何なんだ )

 自問自答しても、答えは出ない。


 ひどく、疲れていた。

 

崩れた強さ

※スカトロ(嘔吐、小、大)注意。


健史にとって、押木戸有紗(おしきど ありさ)は強さの象徴だった。
屈強な男が幅を利かせるアウトロー世界において、女だてらに、身一つで地位を築き上げたからだ。
身一つで、とはいえ、体を売った訳ではない。
時には腕っ節に物を言わせ、時には悪魔じみた冷酷で合理的な策略を用いて。
純粋な力で以って、周囲に自分の存在を認めさせてきたのが有紗という女だ。

「あぐっ……す、すいま、えん…………れした…」
強面のドレッドヘアが、地に這い蹲ったまま哀れな声を漏らす。
それを聞き、ようやく有紗は彼の頭からピンヒールを退けた。
ドレッドヘアはよろめきながら逃走を図る。
裏路地は血にまみれ、そこで起きた争いの苛烈さを生々しく物語っていた。
しかし、有紗に付着した血液はすべて返り血だ。
ドレッドヘアは有紗より体格がよく、木製バットまで持参して不意打ちをかけた。
それでも一方的に叩きのめせるほどに、有紗は強い。
「……す、すげぇ…………」
健史は、金の入ったバッグを抱え直しながら呟いた。
いや、ようやく『呟けた』。

「ったく、要らねぇ時間取らせやがって」
有紗は煙草を取り出して火をつけながら、不機嫌そうに舌打ちする。
煙を吐く横顔は整っていた。
切れ長のくっきりとした瞳に、ハーフめいた鼻筋、血色のいい薄い唇。
油断なく引き締まったその表情は、多くの男から『中々にイイ女』と評される。
パンツ姿の似合う腰のくびれを有しており、スタイルもけして悪くない。
敵対するグループからも、有紗の容姿を貶める噂だけは聴こえてこない。
「さっさと行くぞ。無駄に時間喰ったからな」
有紗は短く告げた。
「あ、はい!」
足早に先を行く有紗を追い、健史も小走りに駆け出す。
向かうのは次の集金場所だ。
闇金業者として貸し付けた金を、利息分だけでも回収に回る。
無論、渋る相手は多い。
特に集金に来たのが若い女とあれば、ごねて場を切り抜けようとする顧客は数知れない。
しかし…………それで逃げ切れた相手を、健史は見たことがなかった。
有紗はあらゆる手段を用いて金を回収する。
元より、仕事に関してはタガの外れている女性だ。
違法スレスレの手段で相手を追い込みもすれば、倫理にもとる手段さえ辞さない。
バックについているヤクザを利用しての恐喝などは基本の基本だ。
それが元で逮捕される事になっても、有紗は微塵も恐れないのだから、追い込まれる側は地獄だ。

有紗には、怖いものなどないのではないか。
健史は常々そう思う。
しかし、そんな事はない。どれほどの強者にも、天敵というものは存在する。
有紗にとっての天敵とは、『金主』だ。
闇金業者として欠かせない資本を提供する、広域暴力団幹部。
有紗はその『金主』から金を借りている形であり、普段彼女が顧客へ強いているように、毎月利子をつけて返済しなければならない。
「いいか。『金主』の野郎に渡す分の金だけは、必ず確保しとけよ?」
有紗は日頃から、口癖のようにそう語っていた。
万が一その用意が出来なかった際の事を、何よりも危惧しているかのように。

そしてついに、その危惧が杞憂で済まない日が来る。
舎弟の一人が、目先の欲に走って大金を使い込んだ挙句、『金主』の組にまで多大な損害を与えたのだ。
単に金の返済ができないだけでなく、『金主』の顔に泥を塗る失態。
その報が齎されたとき、健史は初めて、血の気の引いた有紗の顔を目にした。



健史は有紗に付き添って、『金主』への金の受け渡し場所に向かう。
歓楽街にある高級キャバクラ……そのワンフロアを貸切にして、『金主』は愛人に囲まれていた。
「申し訳ありませんでした!!」
『金主』を前に、有紗は額をカーペットへ擦り付けて土下座する。
普段の“強者たる”彼女であれば、逆の立場こそあれ、まずありえない行動だ。
健史は、その異様な光景を目にして初めて、事の重大さが本当の意味で理解できた。
『金主』は頭を下げる有紗を物憂げに見下ろし、大仰に溜め息を吐く。
「とりあえず顔を上げなさい」
その言葉で有紗が正座に直ってからが、陰湿な嫌がらせの始まりだ。
「お前には期待してたんだけどなぁ。もう失望しすぎて、怒る気力もないよ。
 …………お前たち、私に替わって、ちょっと仕置きしてくれないか」
そう言いながら『金主』が両脇の娘の肩を撫でると、彼女達の瞳が面白そうに細まる。
普段は猫を被っているが、心の底は捻じ曲がった女揃いだ。
健史は、有紗がそうぼやいていた事を思い出す。

「えーっと、そうだなぁ。じゃあマッ君を困らせちゃったんだからぁー、反省しなさい!」
女の一人がそう告げてソファから立ち上がり、ガラステーブルにあったグラスを手に取る。
そして正座する有紗の頭上で、そのグラスを傾けた。
紫色をしたカクテルが降り注ぎ、有紗の茶色い髪で弾けて伝い落ちる。
仕立てのいいスーツに染みが広がっていく。
「っ!!」
健史は思わず息を呑んだ。あの有紗に、何と言うことを。
しかし有紗は、真っ直ぐに前を見据えたまま微動だにしない。
顔をカクテルが伝い落ちている最中にも、瞳を閉じず、眉さえ動かさない。
その根性の座り具合は、さすがと言う他なかった。
しかし『金主』を取り巻くのは、そうした侠気を理解できる女達ではない。
「なにこいつぅ、チョー生意気なんだけどぉ」
「じゃあ別の罰ねー、服脱いで。………………オラ、脱げ、っつってんの」
金主に声が届く範囲では猫を被り、有紗の耳元では地の声を出して、女達は有紗を追い詰める。
「わかりました」
有紗はすくと立ち上がり、スーツのボタンに手をかけると、見事な脱ぎっぷりを披露しはじめた。
微塵の躊躇も見せず、微塵の気後れも見せず。
無論、羞恥心がないわけではないだろう。どれだけの露出狂でも、自分の部下が見守る前で脱げるものではない。
ただそうした感情を、相手に悟らせないだけだ。

初めて目にする有紗の裸体に、健史は心奪われた。
普段、服の上からでもスタイルの良さが見て取れた有紗の肉体は、脱げばいよいよ魅惑的なものとなる。
肌は思った以上に若く、充分な張りと艶を併せ持っている。
胸の大きさはCカップといったところで、服を着ている時よりも控えめだ。
しかしそれも、スレンダーな体型によくマッチしている。
尻や脚の形も美しく、こちらに背を向けた後姿は、成熟した女優のようなそれだった。
「ほぉ。脱いでも中々の女だ」
『金主』が感心した風で告げる。
すると、その言葉がまた取り巻きの女達の嗜虐心を煽ったらしい。
彼女達は有紗の両腕を掴み、強引にソファへと掛けさせる。
『金主』の真正面……開いた脚の合間が丸見えになるようにだ。
「さぁ、マッ君にあそこ見てもらお。足閉じちゃ駄目だよ」
女の一人が有紗へ囁きかけるのを聞き、『金主』の口元に下卑た笑みが宿る。
「じゃ、いくよ」
チン、と硬質な音がし、ステンレスのマドラーがグラスから引き抜かれた。
先端に小さな球体のついたマドラー。それが有紗の秘所へと近づいていく。
しかしその狙う先は、秘裂にしては妙に上向きすぎていた。
「っ!」
有紗はいち早くその意図を察したのか、表情を険しくする。
その直後……マドラーは、有紗の尿道へと押し当てられた。
女の指の腹が容赦なくマドラーを送り込み、狭い尿道入り口を突き破らせる。
「っっっ、ぅ“っ!!!!!」
有紗はかろうじて悲鳴を噛み殺した。
口を固く引き結び、前方に視線を向けて、背筋をまっすぐに堪えている。
しかし女の指がゆるゆると前後に揺れ始めると、引き締まった腹筋が蠢くのが見えた。

そこからは、女達がそれぞれに有紗を弄び始める。
「あはっ、おしっこ出てきたぁ」
にち、にちっと音を立てて尿道をマドラーでかき回し、粗相を指摘する女。
有紗の鼻を掴んで顔を上向けさせ、どれだけ口から零れようが、無理矢理にカクテルを飲ませ続ける女。
むき出しになった乳房やその先端を、指先で弄び続ける女……。
『金主』は延々と続くその嫌がらせを肴に、薄笑いを浮かべながらグラスを傾ける。
健史には理解できない神経だ。

一時間ばかりその状態が続いただろうか。
「ごほっ、おぐっ…………う、え゛……あ……っぁ」
無理に酒を飲まされ続け、アルコールに強い有紗もさすがに意識が朦朧としはじめていた。
飲酒による尿意が訪れては、マドラーで掻き出される繰り返し。
ソファの下には、水溜りを思わせるほどの夥しい失禁跡が広がっていた。
「まったく…………食事マナーばかりか、排泄のマナーまで悪い女だ。
 せっかくのまぁまぁいい女が台無しだな」
『金主』はナプキンで口元を拭うと、立ち上がりながら続ける。
「自分で出したものだ、自分で舐めて綺麗にしろ。店に迷惑をかけるなよ、有紗」
その言葉を聞き、有紗がよろよろと身を起こす。
泥酔しているにしては力のある眼差しをソファに向け、命ぜられるまま、赤い舌を出して自らの小水を舐め始める。
健史は今日幾度目になるか解らない衝撃を受けた。
彼にとってそれは、最底辺の人間がする行為に思えたからだ。
あの強い有紗が。
小柄な自分のコンプレックスを払拭してくれる、強さの象徴たる有紗が……。

「これはいい、お似合いだぞ有紗。お前はガキの頃からの癖で、肉料理でもスープでも犬食いするからな。
 そういう意地汚い根性だから、部下がしっかり育たないんだ。
 …………ともかく、払えなかった金と私への損害分は、おまえ自身の体で支払ってもらうぞ。
 明日から、数本のAV撮影だ。見目はいい女だってのが、せめてもの救いだったな」

『金主』は大理石の床を嘗め回す有紗を見下ろし、満足げに笑いながら出口へと消える。
健史の耳には、しばしその高笑いがこびりつくように残っていた。



『金主』の言葉通り、その翌日から有紗のAV撮影が始まった。
港にほど近い倉庫の中に簡単なセットが組まれ、複数の男優を招いて撮影が進められる。
『金主』の意向なのか、撮影は有紗に羞恥を味わわせる類のものに偏っていた。

「ほーらドロドロだぁ、気持ちいいだろ。うん?」
男優が有紗に問う。
有紗は後ろ手に縛られたまま、喉奥深くに男の2本指を咥え込まされていた。
男の問いに答えはない。答えるような余裕は有紗にはない。
「あがっ……え、えあ゛っ……あ、っらぁ、ああ゛………………!!」
階段から突き落とされて腕の骨を折ったときでも、有紗は呻き声ひとつ上げなかったという。
その有紗は今、生理的な反応からのえづき声を絞り出されていた。
鼻はフックで豚のように醜く吊り上げられ、縦に大きく開いた口からは前歯が覗いて、若干の幼さを感じさせる。
瞳だけはなおも気丈に男優を見据えているが、片目は常に苦しさから歪んでいる。
男優の喉奥嬲りは執拗の一語に尽きた。
片手は常に有紗の後頭部を押さえており、苦しさから有紗の頭が上下左右に揺れても、的確にその動きに沿って指をねじ込む。
有紗の喉奥からは、幾度も嘔吐の前兆と思えるような泡立つ音が鳴っていた。
特に、天を仰いだ際に指を深く突き込まれる際には、さすがの有紗も目をきつく瞑ってしまう。
そのまま約2秒も責められれば、堪らず顎を引いて唾液を吐き出すしかない。
「けほっ、えぉっ…………あーっ、ああはっ…………う゛っ」
激しく喘ぎながらゆっくりと頭を戻し、前方から喉を弄くられる段になってようやく相手を睨めるようになる。
しかし……男優もよく解ったもので、有紗が睨むタイミングで都度指を引き抜いた。
すると、白く泡立った唾液がしとどに指に纏わりついてくる。
それを有紗の顎に塗りつけてしまえば、どれほど気丈に睨みすえようとも、威厳も何もない。
「っあーっ、あーーっ…………っはーっ…………!!」
指を抜かれた際の有紗の息遣いは、紛れもなく女のものだ。
ショッピングに興じる女子校生のものと、何も変わらない。
普段ドスの利いた声で男勝りに振舞う彼女のものとは、到底思えないほど女らしい声だ。
健史はその声を聞いた瞬間、口惜しいような、けれども興奮するような、妙な気分になった。

「…………おうタケシ。ちょっと飲み物やら漫画やら、買ってこいや」
撮影を仕切るヤクザの一人が、健史に札束を突き出しながら命じる。
健史は撮影現場を見守っていたい心境だったが、『金主』子飼いのヤクザに逆らえるはずもない。
「わかりました……」
そう言いながら小走りに倉庫の出口へ向かう。
ちょうどその背後で、状況の移ろうとしている会話が聞こえてくる。
「にしてもこいつ、喉つえーな。こんだけやっても吐かねぇ」
「だったら、もうそろそろ咥えさせちまうか?」
「だな。撮影スケジュールとはちと違うが、たまにゃこういう流れがあってもいいだろ。
 もういい加減、興奮してビンビンだかんよォ」
男優達のそうした言葉を捉えながら、健史は走る。
せめて、少しでも早く戻るために。

……しかし、場所は港の傍。
最寄のコンビニエンスストアさえ数キロ離れた場所にしかなく、さらには指定された漫画雑誌の一つが中々売っていない。
結局健史が倉庫に戻ったのは、実に2時間以上が経過した後の事だった。
当然、状況はまったく変わっていた。
健史の目の届かない場所で、何もかもが違う状況になっていた。
「んぶっ、んぐっ…………む゛ぇっ、ごぇえ゛え゛っ…………げぇえっ、げごっぉ゛っ…………!!!」
健史ははじめ、それを人の声でなく、軽リフトか何かの駆動音かと思った。
それほどに尋常でないえづき声が、一突きごとに発せられる。
勃起しきった複数人の男に囲まれ、膝立ちの有紗がイラマチオを強いられている。
尻を突き出し、相手の膝を力なく掴む逃げの姿勢。
およそ押木戸有紗という女傑が、男の物を咥えこまされて取るポーズとは思えない。
しかし。よくよく状況を見れば、それも仕方のない事だとわかる。
膝立ちになった有紗の足元には、バケツを誤って倒した時のような、夥しい量の吐瀉物が広がっているからだ。
一体それまでに何度、あるいは何十度に渡り、嘔吐させられたのだろう。
おそらく初めの内は雄雄しい佇まいを崩さなかったであろう有紗が、女としてのなまの反応を示してしまうほどに。
「ぶはっ!! ……もっ、もう…………やめ……て、くれっ…………!!」
怒張が一旦引き抜かれた瞬間、その時を待っていたように有紗が叫ぶ。異常なほどかすれた声だ。
しかし、その哀願が聞き届けられることはない。男達の嘲笑の的にしかならない。
「おら、まだまだやるっつってんだろ。逃げてんじゃねぇぞ!!」
男の一人が怒号を浴びせながら、無理矢理に有紗に怒張を咥え込ませようとする。
「ん、んん゛んっ!!」
有紗は必死に抵抗し、膝立ちから崩れるように寝転がった。
しかし、男はその上に圧し掛かるようにしてあくまで咥え込ませる。
「ん゛ーーーーーっ!!!!」
悲鳴と共に、有紗の足がばたついた。
よく引き締まった、相当な威力の蹴りを放つ足。しかしそれは今、レイプされる少女と同じ動きを辿るだけだった。
男達は、なおも暴れる有紗の腕を押さえつけ、完全に抵抗を封じてしまう。
「や゛あ゛ぁあ゛ああ゛あ゛っ!!!」
断末魔のような叫びを最後に、有紗の姿は男達の体の影に隠れた。
健史は、それでもかすかに覗く垂れ下がった有紗の眉を、魅入られたように眺めていた。
「おっ、帰ってたのか。ご苦労さん。
 …………へへ、すげぇだろ。あんまり暴れるんで、壁に頭押し付けて咥えさせてよぉ、
 3度くらい連続で吐いて、鼻からもデロデロ出てきた辺りから、急に弱弱しくなっちまった。
 ゲロで溺れる恐怖ってのは、あれほどのじゃじゃ馬にも有効らしいぜ」
ヤクザ男はそう笑いながら、ペットボトルを袋から抜き取る。
中心を失った袋の中身は、ガラリと音を立てて崩れた。



一週間が経った今も、有紗へのビデオ撮影は続いている。
健史は男達の買出しを請け負いながら、ただその撮影の様子を見守っていた。
すでに感傷はない。鳶が小動物を攫う瞬間を見守るが如く、自然の摂理を眺めているだけだ。

昨日の撮影は、有紗が男優の手で延々と潮を噴かされるシーンだった。
健史は場所取りが悪かったために、肝心のところが見えなかった。
男優の身体越しに覗くのは、有紗の膝から下と足の裏、そして足の間に飛び散る透明な飛沫のみ。
しかし、それはそれで刺激的だった。
肝心な部分が見えないからこそ、有紗の甲高い声や足の蠢きから状況を想像する楽しみがある。
飛沫が次第に蓄積し、床へ水溜りを作っていく様も生々しかった。

今日は一転し、スカトロの撮影らしい。
またしても健史の位置は悪く、有紗を背後から見守る格好だ。
けれども、それもいい。
有紗は低めの作業代の上に腰掛け、両手を後ろについたまま、脚を大きく広げていた。
2人の男がそのそれぞれの腿に手を宛がいつつ、もう片方の手で何かしている。
「ほーら、浣腸7つ目だ。そろそろ限界だろう、うん?」
逐一そうした言葉責めがあるため、行動を察するのは容易い。
有紗の表情はまったく解らないが、後ろ髪の位置から、俯いて後門を凝視していると思われる。
「まったく、辛抱強い女だ。しゃあねぇ、そろそろこいつで掻き出してやるとするか」
男の片手が一旦隠れ、棒状の何かを携えて現れる。
有紗の後ろ髪が動いた。顔を上げ、男の持ち出したものを確認したらしい。
ローションのボトルがへこむ音がする。
そして数秒後、ぐちゅりと湿った音が続いた。じゅぐ、じゅぐ、とその音は断続的に続いていく。
「おーらおら、出てきたぞぉ。へへっ、こらあすげぇ!!」
男達は嬉々としてその状況を覗き込んでいた。
有紗に恥辱を味わわせる事が愉しくて仕方ないようだ。
「…………や………………」
ほんのかすかに、有紗の声が聴こえる。男達の笑いが大きくなった。
「いや、じゃねぇんだよ。この様子はなぁ、全部ビデオに取ってんだ。ン千人って人間が見るんだよ、これを!!」
男達はがなり立てながら、有紗の腿を幾度も叩いた。
その中で有紗は、再び俯いてしまう。

状況こそみえないが、かすかに有紗の匂いが漂い始めていた。
彼女の中にあった、穢れの匂い…………。
今の健史には、それすらも魅惑的に感じられるのだった。


                                  終
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とろけるお口

※風俗イラマチオ&フェラチオ物。


持つべきものは友だ。
泰典に教わらなければ、俺は一生その風俗店を知らずにいただろう。
ネットで普通に検索しても見つからない。
何しろその店のホームページは、一見地味なエステサロン風なのだから。
しかし、会員だけに通知されるパスワードでログインすれば、一転して禁忌の園に様変わりする。
店舗型の高級ヘルス倶楽部。
一番の特徴は、他の店なら即座に出禁を喰らうようなハードプレイ……たとえばイラマチオなどが行える事らしい。
それでいて嬢のレベルは決して低くない。
高級店特有の、写りを計算しつくした煌びやかな写真が並んでいる。
目元のモザイク越しにも、間違いなく美人と確信できる嬢が何人もいた。
それだけに目移りしてしまう。
大体、風俗嬢の写真は加工ありきと考えるのが常識だ。
写真で期待できる嬢ほど、実物が外れだった時の落胆は大きい。

【本日出勤】の写真をしばらく眺め回した末に、俺はある賭けに出た。
一覧の左端……一つだけ写真がない嬢がいる。
クリックして詳細を開くと、そこにはこんな説明文があった。
『文句無しの抜群ルックス! 新鮮一番、思わず咥えさせたくなっちゃいます!!』
ルックスがいい……本当かは解らない。
しかし他の嬢が顔出ししている中で、一人だけ写真がない事が妙に気になった。
風俗で働いている事を知られたくない、育ちのいい娘なのかも。
あるいはこれも罠で、とんでもなく残念なルックスの娘なのかも。
期待と不安が心の中で入り混じり、それでも俺は期待の方に賭けた。
迷った時には最初の勘を頼りに進む……それが俺の信条だ。

ホームページに記載された番号に電話を掛け、指名する。
写真のない唯一の嬢……『愛璃』を。
『えっ、愛璃ちゃん…………ですか!? どこでそれを?』
電話番の店員は、まず驚きの声を上げた。
俺がホームページで見た事を伝えると、受話器から店員の気配が遠ざかる。
『…………おいおい、なんでもう愛璃ちゃんの写真載ってるわけ?
 お客さんが見たって言ってんだけど。マズいよー、誰だよ更新したの』
別の従業員に呼びかける声が遠く聴こえる。慌てるあまり保留にし損ねたという様子だ。
その瞬間、俺は確信した。この愛璃という嬢は、やはり特別なのだと。
「愛璃ちゃんで、お願いします!」
俺が語気を強めて告げると、通話状態である事に気付いたのだろう、店員の息を呑む声がする。
その後はしばし、困惑したような唸りが聴こえていた。
「是非!」
俺はさらに押す。ここが交渉時だ、プレミア嬢を何としても指名するのだ。
すると数秒の沈黙の後、ついに小さな溜め息が聴こえてくる。
「…………わっ……かりました、愛璃ちゃんですね。
 ただ言っときますけど、あんまりサービスの方は期待しちゃ駄目っスよ。
 一応研修はしたんですけど、正直まだ接客向きの態度じゃなくって……。
 指名料はオマケしときますんで、そこんとこ大目に見てやってください」
まるで腕白娘を紹介する親のように、店員は声を潜めてそう告げた。





店に着いたのは、予約時間である16:00より30分も前だった。
当然、時間までは1階隅の待合室で待機するのだが、その道すがら……俺は聞いた。
「おごぉお゛ええ゛…………ッえ゛ぉ、おお、っご…………!!」
凄まじい、えづき声。
普通のフェラチオではまず出ない、AVの中でしか聞いたことの無い声。
それが間違いなく、個室から漏れている。
俺は思わず足を止めた。
しばらくえづき声が繰り返された後、飲み物に噎せたような鼻水の音が3度。
そして、げほっ、ぇほっという激しい咳き込みが続く。
「ホラ、何やってんの。駄目だろ離しちゃ」
いかにも変態親父という感じの声が、咳の音に混じった。
咥えた物を離した事について叱っているのだろう。
もはや疑う余地は無い。
この薄いドア一枚隔てた向こうでは、俺が夢にまで見た、生のイラマチオが行われているんだ。
俺は、早くも逸物が硬く勃ち上がるのを感じた。待ち時間の一秒一秒がもどかしかった。

そして…………ついに夢の時間が来る。
螺旋階段を上がって2階へ。左手突き当たり、フリルだらけのカーテンを越えれば楽園がある筈だ。
ところが。
 ――――しまった!
部屋へ一歩足を踏み入れた瞬間、俺は反射的にそう感じていた。
嬢……“愛璃”がブサイクだった訳じゃない。というより、容姿を確認する間さえなかった。
『間違って、女子校生の部室に入ってしまったような錯覚』
俺の全身を支配していたのは、まさにそれだ。冷や汗が背中を伝う。
しかし、一呼吸置いて俺は落ち着きを取り戻した。
よくよく室内を見れば、ありふれたヘルスの個室だ。
オレンジ色の光に彩られ、ダブルサイズのベッドが圧倒的な存在感を誇る小部屋。
女子校生の部室とは似ても似つかない。
ただ、ベッドに腰掛ける愛璃に視線を戻した時、俺は錯覚の理由を理解した。
そこにいたのは、疑う余地も無い完璧な『女子校生』だったからだ。



愛璃はブレザー型の制服を身に着けていた。
ヘルス倶楽部で、制服がコスチュームとして取り入れられている例は珍しくない。
ただ、愛璃のそれはコスプレという風ではなかった。
駅で立っている本物の女子校生を見て、制服のコスプレだとは思わないように、
彼女の制服姿はあまりにも違和感がなさすぎた。
使用感というのか、妙に着慣れている感じがする。
顔立ちもどこかあどけなさを残しており、いよいよ本物の女子校生らしい。
近年は、風俗店が『本物の未成年』を雇って騒ぎになるケースがあるが、もしやこれも……と疑うほどに。
「何?」
あまりにも顔を凝視しすぎていたのか、愛璃は憮然とした様子で告げた。
この態度もまた、先ほどの錯覚の要因だろう。
この愛璃という嬢、常に妙なプレッシャーというか、パリッとした雰囲気を放っているのだ。
それはまさに、高校の部活動で感じられる類のものだった。

俺は嫌がられるのを承知で、改めて顔を注視する。
初めて意識的に見るその顔は、正直、予想を遥かに超えるものだった。
アイドル級。甘い評価でなく、はっきりとそう言える。
コンビニで週刊誌の表紙を飾っていれば、思わず手に取ってしまう。
背中まである黒髪は艶やかで、頭頂部付近の光の輪が印象的だ。
ただ、万人向けとは言い難いルックスだった。
表情が厳しいからだ。
明らかに、こちらの事を警戒あるいは軽蔑している。
眉根は寄り、吊り目気味な瞳はくっきりと開いたままこちらを見据え、口元にも緩みというものがない。
実際、目力は相当なものだ。気の弱い人間なら、2秒間視線を合わせることすら困難だろう。
ただし、俺のような変態にとっては大好物だ。これほどルックスのいい少女に睨まれていると、それだけで興奮できる。

俺はゆっくりと愛璃の方に歩み寄り、ベッドに腰掛けた。
そして愛璃の肩に手をかけてキスを迫る。
しかし、愛璃はにべもなく顔を背けてしまう。その先に回りこんで再度キスを申し入れても、同じこと。
あくまでキスを拒否するつもりらしい。
念の為言うと、ホームページには『即尺、即キス大歓迎!』とあったのだ。
どうやら接客態度がなっていないのは本当らしい。
とはいえ、俺の興奮は些かも冷めない。むしろその冷たい態度が、いよいよ俺の嗜虐心を尖らせていくようだ。



しばしキスを拒絶された後、俺は仕方なく愛璃をベッドに押し倒す。
そして、一枚ずつ彼女の制服を脱がしにかかった。
当然というべきか、愛璃はその時にも抵抗の意思を見せる。
「俺は客だぜ」
そのたび、俺はそう囁いた。すると、愛璃の抵抗が一旦収まる。
さすがにヘルスで働く以上、裸になることを仕方ないとは思っているようだ。
とはいえ、最後のシャツを脱がす瞬間や、パンツのゴムに手を掛けた瞬間にはまた抵抗を見せる。
結局、服を脱がしきるまでに、俺は10回以上も『俺は客だ』と繰り返すハメになった。
その苦労の甲斐あって、とうとう愛璃の肢体が露わになる。
本物の現役女子校生ではという疑念は、俺の中でさらに大きくなった。
身体が本当に瑞々しい。
普段俺が指名するヘルス嬢とは、まるっきり肌ツヤが違う。
オレンジの光の中でも解る、淡い桜色だ。腹部の肌を見ているだけで勃起の感覚が来る。
体型は、腰のくびれも魅惑的なスレンダー型。
けれども乳房のボリュームだけはかなりあり、男である俺の手でも掴むのがやっとのサイズだ。
D、いやEカップか。俺は脳内でそう当たりをつける。

「いい身体してるね。何かスポーツとかやってるの?」
俺は軽く愛璃の身体に触れながら尋ねた。
「まぁ」
愛璃は素っ気無く答える。
「何やってるの?」
「日拳」
2度目に返ってきた答えで、俺は正直少しだけ引いた。
日拳……略さず言うと日本拳法。
直突き(ストレート)の強烈さで知られる、実戦派格闘技だ。
防具をつけて練習するので顔や体に傷がつかず、女性向きといえば女性向きなのかもしれない。
俺は一瞬愛璃の身体から手を離しかけたが、ここで退いては男が廃る。
「へぇ、凄いね」
俺は平静を装いつつ、いよいよ愛璃の肉体を弄り始める。
愛璃の視線が露骨に鋭くなっても、男の意地で怯えは見せない。



見た目通り、愛璃の肌触りは最高だった。やはり本物の女子高生では……3度そう思うほどに。
ボディラインはいかにも女の子で、一見格闘技をしているようには見えない。
ただ、腕を軽く掴むとやはり違和感があった。
力瘤のできる部分の逆側……二の腕の下部がやや発達しているようだ。
太腿にも一般的な女性より若干の厚みがあり、弾力もあり、下半身の力はかなり強いものと思えた。
これらが、日拳をやっている人間の特徴なのだろうか。そう思いつつ触ると、下心を抜きにしても興味深い。
「触り方がキモいよ」
下心抜きに、と思った矢先、愛璃が言った。
氷のような視線、氷のような口調。たまらない。
俺はいよいよ嬉しくなり、愛璃の背後に移る。そして長い黒髪に鼻を埋めながら、乳房に手を回す。
「ちょっ……と」
愛璃は不機嫌そうな声を発しながら、やおら俺の手首を掴んだ。
格闘技をやっているだけあって、相当に力が強い。
俺もかなり力を込めているはずなのに、簡単にぐいと外された。最も、そういうコツがあるのかもしれないが。
「俺は客なんだぜ」
仕方なく、俺は魔法の言葉を囁きかける。
すると、俺の手首を掴む愛璃の手が強張った。そして数秒の躊躇の後、ゆっくりと指が開いていく。
俺は遠慮なく幸せを堪能にかかった。

一時的とはいえ、すっかり大人しくなった愛璃の髪を背後から嗅ぎ、乳房を揉みしだく。
きめ細かい黒髪の内側からは、とてもとても良いシャンプーの匂いがした。
俺は全く知らない類のシャンプーだ。女の子は一体どこで、こういうシャンプーを見つけるんだろう。
乳房もまた極上だ。若干の硬ささえ感じられる、張りたっぷりの乳房。
俺はその芯の残った乳房を揉み解すように、無遠慮に乳房を揉み続ける。
上下左右に大きく揺さぶり、乳首を指先でこねくり回し。
遠くにある風呂場の姿見にも、ボリューミーな乳房の乱れようがはっきりと映っている。
「どう、気持ちいい?」
俺が尋ねると、姿見の中で真一文字に引き結ばれていた愛璃の唇が開く。
「うざい」
紡がれたのは、たったのその一言。
あくまで一呼吸の範囲内でしか会話をしないつもりなのか。
その生意気さは…………俺にとって最高だ。
俺はいよいよ興奮し、愛璃の片腕を高く上げさせる。そして晒された脇の下を、これ見よがしに嗅いだ。
「…………っ!」
露骨に眉を顰めて嫌そうにする愛璃。その顔が、たまらない。
もっと嫌がられたいという、倒錯的な気持ちが沸き起こってしまう。



しばしのスキンシップの後、シックスナインの体勢に入ってからも、愛璃の態度は相変わらずだった。
俺が下になり、愛璃の秘裂を舐める。熱心に。
上になった愛璃は、勃起した俺の逸物をしゃぶる。いかにも気乗りしない様子で。
フェラチオというレベルにすら満たない、緩慢かつ無気力なしゃぶりだ。
上から密着してくる愛璃の肉や、左右非対称とはいえ充分に綺麗な秘裂の味は素晴らしい。
しかし、肝心な嬢の奉仕が杜撰では生殺しというものだ。

俺は無気力な嬢に罰を与えることにした。
この店では様々なSM道具が、無料オプションだけでも色々と用意されている。
その中の一つ……鼻フックを取り上げて愛璃に見せ付ける。
「どう使うか、解るよね」
俺が言うと、愛璃は予想通り表情を険しくする。
険しいが、それでも充分に愛嬌のある顔。それを今から、醜く壊すのだ。
フェチな人間として、これに興奮しない訳がない。
「ンあ゛っ……!!」
勢い良く鼻フックで吊り上げると、愛璃は短く呻いた。
鼻腔は見事な逆三角に変形し、鼻頭は醜く皺を寄せて潰れ、数秒前までの美貌が跡形もない。
なんて罪深いんだろう。俺は胸の中にゾクゾクと沸き起こるその考えに酔いしれた。

ブタ鼻を虐めるのは、想像以上に愉しい。
これでもかというほど執拗に鼻腔の内外を嘗め回し、俺の唾液まみれにする。
指で鼻を浅く穿り回し、その後綿棒やこよりを使って、気が済むまで鼻腔の深くを弄くり回す。
愛璃は凄まじい目力で睨んできていた。
さすが格闘技をやっているだけあって、割とマジで怖い。
ただその瞳も、鼻腔を弄くり回すうちに細まり、痙攣し、耐え難い苦しさに歪む。
かひょっ、ぁひょっと情けない声を何度も喉の奥から絞り出し、やがて目頭から大粒の涙を零す瞬間は最高だった。
軽く10分以上は苛め抜いただろうか。
最後の方には、愛璃の鼻はよく拡がったまま病気のように痙攣するようになっていた。
その頃には鼻水の量もそれは凄まじく、本来は整っている愛璃の鼻から下をグズグズに汚していた。
俺はその無残な姿を堪能しつつ、さらに道具を追加する。
ホワイトヘッド開口器。口を大きく上下に開いたまま固定できる、医療用の道具だ。
口を開きやすい代わりに外れやすくもあり、固定するためには頭後ろに回すゴム紐が必須でもある。
さすがにその辺りは良く考慮してあり、ここのオプション用開口具もゴム付きだ。

口を大開きにさせたまま、俺はしばし愛璃の舌を弄んだ。
愛璃の舌は、他の誰でもがそうであるように生暖かく、程よい弾力を持ちながらも柔らかい。
指で扱くと、身を捩るように指の間で踊り狂う。
口を閉じられないため唾液は垂れ流しになり、俺の手の平から零れては滴っていく。
俺は時々舌を離し、手首を返しながらしとどな唾液を舐め取った。
無味無臭のはずの唾液が、目の前の美少女のものだと思って舐めると媚薬のように感じられる。
それを飲み下した瞬間、俺は自分の中の熱さを堪えきれなくなる。
気付いた時には、痛いほどに勃起した逸物を、開いた愛璃の口内に押し込んでいた。
小さく腰の辺りが圧迫されている。
事態を把握した愛璃の抵抗だろうが、俺の腰を止めるには至らない。
俺は愛璃の艶やかな黒髪に指を絡ませ、深く逸物を咥え込ませた。



シックスナインの時とは比べ物にならないほど、逸物が深く入り込んでいるのが解る。
口を目一杯開いていてもなお、口内の生暖かさが伝わってくるのが新鮮だった。
はっ、はぁっ、という吐息も正面から亀頭をくすぐる。
その中で、俺は逸物の抜き差しを繰り返した。
なるべく奥まで突くようにしつつ、どこまで入るのか試すように抜き、挿す。
8回目の試みあたりから、逸物の先に喉の奥まりの感触がしっかりと伝わるようになってくる。
「んがカっ、えぁ゛…っハァ、ハァ、ハァッ………ぁえあ゛っっ…………はっ、ハァッ…………!!」
犬のように荒い呼吸に混じり、愛璃のえづき声が漏れていた。
涎も垂れ流しになっている。口を閉じられないので、止める術がないらしい。
鼻も豚のようで、実に惨めな有様だった。
強気な娘だ、内心では相当な屈辱を感じている事だろう。
実際、最初の頃は例の鋭い眼光で睨み上げてきていた。
ただそれも疲れるのか、数分した頃には目を細め、視線を斜め下に投げ出すようになってしまう。
苦しさからか、屈辱からか、その細まった目尻からは時おり涙の雫が伝い落ちる。
俺はそれらすべてをたっぷりと愉しんだ。

その後に、俺は愛璃の開口具と鼻フックを取り除いた。
愛璃の可愛らしい頬には、くっきりと開口具の痕が残っている。鼻も真っ赤だ。
「ぷっ、ぷっ、ぺっ!!!」
すぐに愛璃は、口内のものを吐き出しはじめる。
俺の先走りの汁でも吐こうというのだろうか。
俺はそんな愛璃を視界の端に捉えつつ、三つ目の道具を手に取った。
開口マスク。
先ほどの開口具とは違い、完全なSM用の道具だ。
鼻から下を覆う黒いラバーマスクに、一箇所だけ円筒状のリングが嵌め込まれている。
そこへ逸物を差込み、強制的に咥え込ませるという仕組みだ。
「ほら、咥えろよ」
俺はマスクを裏返した状態で愛璃に近づけ、リングを口元に押し付けた。
「やあっ……!」
愛璃は拒絶の言葉を口にしようとしたが、まさにその口の形が、リングを嵌め込むのに最適だ。
俺はすばやくリングを口内に押し込み、マスクを装着させる。
「うっ、うう゛う゛っ…………!!」
愛璃の非難は、すぐにくぐもった響きに変わった。
前の開口具より、声を遮る効果が高いらしい。
俺はまた新しい興奮を覚えながら、黒マスクの穴へと逸物を潜り込ませていく。



今度の抽迭は実にスムーズだった。
さっきは口を大きく開かせていた分、挿入する角度を工夫しなければならなかった。
ところが今回は、ただリングの中に突っ込むだけだ。何の迷いもない。
口内自体も、さっきより締まりが良い。
逸物の先が喉の突き当たりに届くと、漏れなく口粘膜が肉幹に纏いついてきて堪らない。
全く喉を突かなくても、狭まった口内の生暖かい呼吸が、はぁはぁはぁはぁと逸物に吹きかかる。
それはごくごく弱いフェラチオのようなもので、くすぐったい快感があった。
射精には至らないにせよ、萎えない程度のクールダウンにはもってこいだ。
そして、何より。
「んごぉおお゛ぇええ゛っ、おうえ゛っ…………!! んごっ、お、あお゛おぉっ、お゛、お゛っっ…………!!」
このえづき声だ。
一切遠慮の必要がなくなった俺は、愛璃の頭を両手で抱え込み、自分の腰に押し付けている。
もう喉奥を突くなんて事は当たり前。喉奥の窄まりを突破し、さらにその奥の空間に亀頭を滑り込ませる事もある。
凄まじいえづき声は、だいたいそこから亀頭を抜く瞬間に上がった。

そして興奮する要素は、触覚、聴覚のほかにもう一つ。視覚もある。
開口具と鼻フックの時は、意図的に愛璃の相好を崩していたが、今度は素の顔が見える。
目を固く瞑って、額にいっぱい汗をかいて咥えこむ愛璃の顔は、もう反則的としかいえないほどに可愛らしい。
いつの間にか、俺の足を押しやろうとする抵抗もすっかり弱まっていた。
時々反射的にそういう動きをするものの、大抵は俺の膝上を小さい手で掴んでいるだけだ。
イラマチオを受けている最中は暴れるなと、店から指導を受けているのかもしれない。
あるいはあまりの辛さに、呆然としているのかもしれない。
いずれにせよ好都合。
俺は幾度も幾度もリングの中で逸物を前後させ、時には引き抜いてもみた。
リングから、まず唾液で濡れ光る逸物が現れ、それを追うようにして真っ白な唾液が零れ落ちる。
愛璃自身は虚ろな瞳を開いたまま、俯きがちに喘ぐ。前髪や額から汗が次々と噴きだし、滴る。
その色っぽさを堪能すれば、また咥え込ませる。
それを繰り返した。その果てに、俺の射精感は刻一刻と高まっていく。
ここ数年来なかったほどの、膨大な射精の予感がする。
長く楽しみたい思いは、ついに射精欲求に負けた。
俺はいよいよ激しくストロークを繰り返しながら、喉の深くでぬるい空間へと精をぶちまける。
予想通り、凄まじいまでの射精だ。逸物の内部が幾度も幾度も脈打ち、精を吐き出していく。

たっぷり10秒は射精した後に、俺は逸物を引き抜いた。
愛璃自身の唾液でべとつくリングを通り抜け、冷ややかな外気の元へ。
「うぇ、えっ…………」
その直後、俺の放った大量の精液が愛璃の口から吐き出される。
可愛い顔から精液が吐き出される様子は、本当にいやらしい。
喉奥まで咥え込まされたのが、よほど苦しかったのだろう。
愛璃は薄っすらと涙を浮かべ、熱に浮かされたような瞳で前方を眺めていた。
「大丈夫か?」
さすがに心配になった俺は、マスクを外しながら愛璃に呼びかけた。
けれども反応はない。最初の頃の、ピリッとした雰囲気が跡形もない。
やりすぎただろうか。そうも思ったが、店で許可されている範囲で愉しんだまでだ。
俺はそう割り切り、せめて時間一杯愉しませて貰おうと、今度は道具なしで逸物を咥え込ませる。
脱力した愛璃を人形のように使い、頭を掴んで前後させる。
舌も動かない。拒絶もない。
けれどもその空しい一人遊びは、それから数分もしないうちに、180度変わることになる。



最初に感じたのは、逸物が握りこまれるような感触だった。
ぎゅうと締まるような感覚。
「うわっ!?」
何事かと驚いている間にも、状況は進行していく。
逸物に舌が絡みつき、口内粘膜が纏わりつき、尋常でない吸引がなされる。
じゅくっ、じゅぶっという水音が部屋に響き始める。
「あ、うわぁあああっ!!?」
俺は思わず叫んでいた。快感があまりに大きい。
先ほどまでのイラマチオも、人生初の劇的な体験だった。
ところが今のこのフェラチオは、その記憶をさらに上書きするほどに凄まじい。
『腰が抜ける』という感覚を、俺は生涯初めて、身を以って体験していた。
とても立っていられない。
縋るようにベッドに座り込み、膝立ちでなお逸物に吸い付いてくる愛璃の玩具と化す。
「ん、んふっ…………ん、んふぅん…………」
愛璃は小鼻から愛らしい息を漏らしながら、ただフェラチオに没頭していた。
とろんとした目の様子こそマスクを外した時と変わらないが、それ以外の全てが一変している。
「あああああああぁああっ!!!!!!」
俺はまた叫んだ。快感が強すぎて、叫ぶ以外の行動が取れない。
格闘技の熟練者に殴られ続ける間は、ただ叫ぶしかないように。
そうだ……これは、暴力での一方的な蹂躙と同じだ。
「ヤ、やぇっ…………ちょっ、ほんと、に…………!!」
俺は自分でも情けないと思える声を出していた。
大量射精したばかりの、鈍痛さえ覚える逸物から、問答無用に搾り取られる苦痛。
それは声を裏返すに充分だった。

何分もっただろう。いや、何十秒堪えられていただろう。
俺はもう堪らず、一度出したにも関わらずかなりの量を射精していた。
射精の最中に声は出せなかった。歯を真一文字に食い縛り、バーベルを上げるような気迫で射精していた。
さらに、それでもなお愛璃は止まらない。
射精した尿道の中身を、異様な吸引力で吸い上げ始める。
射精に次ぐ射精、その直後の尿道責め。これには、俺の内腿がビクンビクンと痙攣を始めてしまった。
「おい、おい!! やめろよっ、休めよ…………!!」
俺は叫んだ。愛璃は何かに憑かれたように、一心不乱に精液を吸い上げている。
やばい、やばいやばい。
俺が脳裏にその言葉を繰り返し始めた頃、唐突に吸引は止まった。
「………………あれ………………?」
気の抜けるような愛璃の声が発せられる。
その後、彼女は自分の精液まみれの手の平を見やり、目の前の逸物を眺めて……
やってしまった、と言わんばかりに、大仰な溜め息を吐いた。



「いっやぁ、あれは気持ちよかった。最高だ!!」
俺は愛璃に賞賛の言葉を送る。
本心の一部でもあったし、そう言えば愛璃が困ると解ってもいるからだ。
「うるっさいなぁ、もう…………。
 あくまで、仕事だからやったんだからね。最後の最後にさぁ」
愛璃は、鋭い目つきで俺を睨み上げながら告げる。
纏う雰囲気は最初と同じ。
けれどもなぜか今は、まるで違って思えるのが不思議だ。
「あ、でもノリノリでやってたとか誤解招きそうなこと、店員にとか、ホムペの掲示板で言わないでよ?
 もし言ったら、次から絶対NG客にするから!」
憤慨した様子でまくし立てる愛璃の頭を、俺は優しく撫でた。そういう気分だった。
「じゃあ、言わなきゃまた会ってくれるんだよな?」
からかうように俺が言うと、愛璃は唇を真一文字に引き結ぶ。
しかしその膨れ面からは、ついに否定の言葉が出てこないのだった。


                        終
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風前の灯

※スカトロ(嘔吐、排便)注意


その時代の多寡見町を知る人間は言う。
赤月静花の名は、『最強のスケバン』として広く知れ渡っていた、と。
いわゆる不良ではありながら義に厚く、妹分に手を出す人間は堅気・筋者の見境なく叩きのめす。
そんな静花は、同時に稀に見る美人でもあった。
豊かな胸にサラシを巻き、咥え煙草で木刀を担ぐ静花。
多くの男が、その麗姿を恐れる一方で、手慰みの助けにしていたという。

多寡見の女王とも呼ぶべき彼女は、しかしある時を境に姿を消した。
無茶をし過ぎたせいでヤクザの怒りを買い、簀巻きにして海に沈められたという噂もある。
あるいは心を入れ替え、どこか遠くの町で真っ当に生きているという噂もある。
しかし、事実はそのどちらもでもない。
静花は風俗に落とされたのだ。妹分の身代わりとして。
妹分は騙されて多額の借金を負っていた。
しばらくは色々と尽くしたが、ついに進退窮まって静花に泣きついたのだ。
腕ずくで解決できる話でもなく、静花が悩んだ末に導き出した答えが、妹分の身代わりになることだった。
静花の見目は人が振り返るほどに優れている。妹分よりもよほど稼げる。
闇金融側もこの話を断る理由はなかった。
ただ静花にとって不幸だったのは、この闇金融が、かつて彼女に叩きのめされた“チンピラ”と繋がりを持っていた事だ。
このため、静花に対する調教には、彼女に恨みを持つ男達が多数加わる事となった。





恐らくは暴力団の所有物であろう、古いアパートの一室。
そこに踏み入った静花の姿を見て、居並ぶ男達は一様に言葉を失った。
静花が、白い着物の襟を左前にした、いわゆる『死に装束』を纏っていたからだ。
今までの自分はすでに死んだ、という覚悟を表したもの。
18の小娘とは思えないほど落ち着いた鋭い眼光も相まり、言葉を失わせるに十分な迫力があるはずだ。
しかし、男達はすぐに表情を変える。
かつて最強のスケバンと呼ばれた静花も、今は売られた身。男達の欲望の捌け口に過ぎない。

「なるほど、確かにあん時のガキだ。よーく覚えてんぜ、お前ぇの蹴りで脛の骨折られた痛みはよ」
一人の男が静花に歩み寄り、その細い顎を摘み上げる。
静花は男の視線を受け止め、睨み返す。
身を捧げる覚悟こそ決めたが、心まで服従する気は毛頭なかった。
「俺は殴って歯をガタガタにされたっけな。しばらく物喰うのが億劫で仕方なかったぜ」
別の男が静花の後ろに回り、器用に白装束を脱がせ始める。
「アタシは、自分から喧嘩を売ったことは一度もないよ。全部、アタシか仲間に手ぇ出したそっちの責任さ」
静花は臆する事もなく言い放つ。
その毅然とした態度を嘲笑うかのごとく、装束の前がはだけられた。
瞬間、歓声が上がる。
静花は涼しい顔を保ちながらも、内心で歯噛みしていた。すべてを見られてしまう。
普段サラシに押さえつけていた、豊満な胸。夢のように鮮やかな桜色の乳輪。
細く括れた腰に、薄らと割れた腹。
手入れしたばかりの逆三角の繊毛に、ストリップ嬢から交換して欲しいと言われるほどしっとりと艶かしい脚。
そのすべてが。

「おいおい、勿体無ぇ話だな。こんな美味そうなカラダを、喧嘩にしか使ってなかったのかよ」
男達は舌なめずりしながら静花の身体に群がり始める。
乳房を揉み、太腿を撫で。
静花はされるがままになりながらも、蔑みの表情で男達を睨み続けた。
「犯すんならとっととしな。こっちはソープで200万から稼がないといけないんだ。時間が惜しいんだよ」
静花がそう言い放つと、男達は手を離す。しかし、下卑た笑みは消えない。
「そうか。なら望みどおり、“とりあえず”輪姦してやる。
 だが勘違いするな、それが目的じゃねえ。俺達ゃ、お前を徹底的に穢し尽くす積もりでいるのよ。
 たっぷりと時間をかけてな」
静花を取り囲みながら、男達が醜く笑う。静花は不快感を隠せず眉を顰めた。



「しっかし、まさか処女だったとはな」
「ああ。あんだけの美人だってのにな。硬派気取りってのは本当らしい」
「硬派? はは、おっかなくて近づく野郎が居なかっただけだろ」

六畳間の端に座り込んだ男達が、煙草をふかしながら語らっている。
静花はその傍で、なおも犯されていた。
煎餅布団には純潔の証である朱色の染みができている。
しかし静花は、まるで痛みや苦しみを顔に出さずにいた。
断続的な運動による発汗や息切れは仕方がないとして、基本的にはなされるがままになっている。
無論、痛みがないわけではない。
固い男のものを身体の深くまで叩き込まれると、身が引き裂かれるような感覚に襲われる。
破れた処女膜の辺りが擦れるたびに、背中に冷たい汗が噴き出す。
しかし、それを表に出さない。

逆に犯す男は、よほど具合が良いのだろうか、勃起しきった逸物を夢中で叩き込んでいる。
「クソッ、こいつなんて名器持ってやがる! 腰が、止まんねぇっ…………!!!」
男は苦しげにそう言うと、小さくうめきながら逸物を抜き出した。
それとほぼ同時に、赤黒い逸物の先から白濁が噴き上がる。
「どけ、次は俺だ!」
すかさず次の男が静花に覆い被さり、隆起しきった己自身を捻じ込んでくる。
男は静花の身体を持ち上げ、荒々しく突き上げながら尻肉を鷲掴みにした。
「おら、こっちにまだ使える穴が空いてんぜ! 誰かぶち込んでやれや!!」
男の叫びに、さすがの静花も一瞬視線を惑わせる。
男が空いているというのは、膣の後ろの穴に違いない。
そこへの侵入を受けるには、さすがにかなりの覚悟が要った。
だがそれは徒労に終わる。
「オイ何言ってんだ、そこはまだ使うなって久賀さんに言われてただろうが!」
別の男の言葉で、先の男は押し黙る。
どうやらこの場での使用はないらしい。しかし『まだ』という事は、後々には使用するということだ。
静花はそれを察し、小さく奥歯を噛みしめた。



「おら。歯ぁ立てんじゃねぇぞ」
一目で柄の悪さが解る刺青男が、静花に逸物を咥えさせながら言う。
男の物はそれなりの大きさがあり、根元まで咥えこむのは中々に難儀だ。
静花は風呂場で膝立ちになり、シャワーの雫を身に纏ったままで口を使われていた。
男が小さく腰を震わせ、口内に精を放つ。
静花は男を睨み上げながらその精を嚥下した。無論、強要されての事だ。
ぐっ、と喉を鳴らし、絡みつく粘りを無理矢理に喉の奥へと流し込む。
一体、何度目になるだろう。

「今度はこっちだ。てめぇに休んでる暇なんざ無ぇぞ」
直後、別の男が静花の頭を掴んで逸物を突きつける。
静花は口元に唾液と精液を絡ませ、息を荒げながらも男の逸物を咥え込んだ。
手は膝立ちになった脚の横に力なく垂らし、指先の一本さえも動かさない。
それが彼女に課せられた条件。それを守らなければ、妹分に危害が及ぶと脅しを掛けられている。
「へへ、まさかお前にしゃぶってもらう日が来るとはよ。……おお、クソ生意気な瞳だ」
男は嬉々として腰を振りながら、静花の顔を覗き込む。
静花はされるがままになりつつも、出来うるだけの目力を込めて眼前の男を睨み上げた。
無抵抗を義務付けられた今は、その気丈な姿がかえって男達を煽る要素となってしまうが、それでも意思は示し続ける。
矜持は通し抜けるはずだった。この程度の相手ばかりなら。
しかし……現実は残酷だった。

「そろそろ俺も、混ぜて貰おか」
それまで座って様子を見ていた一人が立ち上がる。
周りの男が慌ててスペースを空けた所からして、この集団の頭……先ほど『久賀』と呼ばれた男だと解る。
静花はそれまで以上に鋭い視線を久賀に向けた。
しかし久賀が意に介する様子もなく、静花の前へ歩み出て下着を脱ぎ捨てる。
その瞬間、静花は息を呑んだ。他の男とは比べ物にならない怒張だ。
長さは、あるいは静花の頭部の奥行きと等しいほど。
太さは、咥える事に恐怖を感じるほどであり、カリ首は逞しく張っている。
斜め上にせり立ったその威容は、太い木の枝を思わせた。
「さ、咥えろや」
凍りついた静花に対し、久賀は低く命じた。
静花はすぐに視線を引き締め直しながらも、規格外の怒張を前に冷や汗を禁じえない。
縦長に口を開くが、それでも怒張を迎え入れるに小さすぎる。
「ふん、俺の物はデカ過ぎて入らんか。ええわ、ネジ込んだるから口開けとれや」
久賀が笑みを浮かべながら告げた。
だが事実、それはいきなり自力で呑み込むには大きすぎた。
静花は口惜しげに歯噛みした後、顎が外れそうになるほどに開く。久賀が腰を押し進める。
極太の亀頭が唇を割り、ずるりと内部へと入り込む。尋常でない圧迫感が静花の脳髄を凍りつかせる。

逸物の先が喉の奥まで達した瞬間、静花は思わずえづき上げた。

「んごぉ゛っ、う゛う゛おぇええ゛え゛っ……!!!!」
静花のえづき声が風呂場に響く。
久賀の規格外の怒張を咥え込む以上、それは当然の反応だ。
しかし、その事実は静花の心を傷つけていく。
「へへ、すげぇ声出してやがる!」
「アゴが外れそうになってやがんな。俺がアゴ外された時の痛み、思い知るといいぜ!」
「にしても、えづき汁がマジ半端じゃねぇな。久賀さんのがドロドロになってやがるぜ」
外野の男達が逐一状況を囃し立てた。
その中で、静花は無理矢理に口を犯されている。

「どや、美味いか?」
久賀が一旦怒張を引き抜いて問うた。
静花は声を出せる状態ではなかったが、口に溜まったえづき汁を吐き捨て、久賀を睨み上げて敵意を表す。
「なるほど、俺の物を咥えさせられて心の折れんスケは本物や。こらァ、徹底的に可愛がったらな」
久賀は嬉しそうに言うと、再び逸物を静花の口へと潜り込ませた。
静花は眉を顰める。
彼女は自分で解っていた。今の自分に、久賀の物を受け入れるのは無理がある。
大きさもそうだが、技巧に余りにも差がある。
実のところ、静花は久賀の手の平の上で踊らされているような状態にあった。
久賀ほどの物をただ乱暴に喉奥へと突き込まれれば、ほどなく嘔吐してしまうだろう。
しかし久賀はあえてそうさせない。
かろうじて嘔吐しないような動きで喉奥を掻き回し、静花の息苦しさを増している。
直火ではなく、あぶり焼きでじっくりと焼成しているようなものだ。
そうされた結果、いずれ訪れる決壊時の苦しさの総量が跳ね上がる事は、静花にも容易く想像できる。

惨めだった。
「おお゛ぇええ゛っ!!げお゛っ、ごっ!!お゛え、エ゛ぇえお゛っっ!!!!」
喉奥を突かれ、反射的にえづき声が上がるのが煩いほど聞こえる。
えづき汁は次々と溢れ、口元から滴っていく。
かろうじて久賀を睨み上げてはいるものの、苦しみが増すと白目を剥いたようになってしまう。
それらを、下衆な輩に見られている。耐え難い屈辱だ。
久賀が可笑しそうに笑いながら変化を見せた。
「さぁ、出すで。しっかり飲めや!!」
その言葉が聞こえた直後、久賀の物が一気に喉奥近くへと入り込んでくる。
奥の奥、口と鼻の穴が通じている部分へ密着するように。
「!!」
静花は本能的にその危険を察し、身を捩ろうとする。しかし、遅かった。
久賀の物が一瞬痙攣した直後、夥しい量の精液が喉奥へと浴びせかけられる。
喉のみならず、鼻にまで精液が逆流し、生臭さが静花の鼻腔を満たす。
「ぐ、ぐぶふぅっ!!!」
静花は当然噎せかえった。しかしその苦しみの只中で、久賀はさらに逸物を押し込んでくる。
喉が詰まるほどに。
それをされては、静花はもう堪らない。
「うう゛ぉお゛お゛っっっ!!!!」
意思とは無関係に呻きが上がり、背中が痙攣する。
脇に垂らしていた腕が勝手に持ち上がろうとするが、それだけは意思の力でかろうじて抑え込む。

久賀はさらに責め立てた。
容赦なく抜き差しを繰り返し、窒息して静花の顔色が紫色になる頃にようやく逸物を抜く。
そして十分な休息も与えぬままに、再び喉奥を掻き回す。
静花にしてみれば溺れているようなものだ。
息継ぎのタイミングが解らず、やがて酸い熱さが喉元を駆け上がる。
「んも゛ごおぉ゛ええぇ゛え゛え゛え゛っっ!!!!」
静花は空中を睨み据えたまま、胃の中の物を逆流させた。
滝のように凄まじい嘔吐だ。
周囲の男達が喚きたてる声は聴こえるが、ひどい耳鳴りで内容までは解らない。
風呂場のタイルに液体の跳ねる音が響く。

「はっ、はっ、はぁっ、はっ、はーっ…………」
汚物塗れの逸物が抜き出された後、静花は床に手を突いて息を整えるのが精一杯だった。
歯の間から、唾液に塗れた酸い液体がなおも滴っていく。
身体中から汗が噴きだし、前のめりの身体から落ちていく。
うっすらと開いた視界に映るのは、間違いなく自分が出した薄黄色い吐瀉物。
風呂場のタイルに沿って広がり、固形物さえ見て取れる。何とも惨めな光景。
男達の罵声が聞こえる。今まで耳にしたどんな言葉よりも心に刺さる罵倒だ。
しかし、その地獄すらも終わりではなかった。
久賀は静花の身を起こさせ、なおも逸物を桜色の唇へと押し当てる。
「まだや、まだ終わっとらんぞ。ここからや」
その言葉で、静花の苦しみは再開した。

再び風呂場に響くえづき声。
声そのものは低くくぐもったようなものに変わったが、内なる苦しみはより増している。
本当の苦しさは嘔吐そのものよりも、その後にあった。
吐き癖がついたとでも言うのだろうか、静花は柔くなった喉奥を怒張でかき回されると、容易く嘔吐するようになった。
しかし二度目以降、久賀は嘔吐の最中すら怒張を抜かない。
それどころか両手で強く静花の頭を押さえ込み、吐瀉物を押し戻すようにする。
「ぶふぁっ!!」
逃げ場を失った吐瀉物は、静花の鼻から溢れ出した。その苦痛たるや並ではない。
静花は両手で足首を掴みながら、この地獄に耐え忍んだ。
苦しみを受け止めるのが精一杯で、とても目を開けていられない。
しかし、その心理を見逃す久賀ではなかった。
「どうした、さっきまでみたいにこっち見ぃや」
そう煽られると、静花とて逃げられない。
必死に目を剥き、陵辱者を睨み上げる。相当な根性が要った。
「ほぉ、ここでまだそないな眼ェ出来る女は久しぶりや。こらぁ愉しみやなぁ。
 ……しゃあけど、それもいつまでもつやろか。ソープ嬢はあんまり気が強ぅても可愛げがないさかいな。
 徹底的にその心、折らしてもらうで」
久賀はそう笑い、静花の喉奥を蹂躙し続ける。
静花のえづき声と嘔吐の音が、それに入り混じった。





徹底的に心を折る。
久賀のその言葉通り、静花には様々な恥辱が与えられた。

ある時には風呂場で『マングリ返し』の格好を取らされ、幾度も浣腸を施された。
両の足首を押さえられ、逃げる事が叶わない。
その状態で下腹部が膨れるほど、洗面器のグリセリン溶液を注ぎ込まれる。
「くっ……! こ、こんな事で、アタシがあんた達に屈するもんか!」
静花は精一杯強がるが、刻一刻と増していく便意を消し去る術はない。
便意の波が来ては堪え、さらに大きな波に翻弄される。
逆さになった静花の視界の中、憎い男達が苦しむ静花を見下ろしていた。
それを渾身の気力で睨み上げ、静花は唇を噛みしめる。血が出るほどに。
しかし……それでも決壊の時は訪れる。

「く、うう、うううっ……!! あああ、あああ゛っ! ああーーーーっ!!!!!」

切ない叫びと共に、剥き卵のような臀部から汚辱が噴き出す。
それは高く吹き上がり、女の白い肌の随所に浴びせかかる。
茶色い奔流は、内股を通り、腹部を抜け、首筋にまで。
決壊と同時に、男達の手元で幾度ものフラッシュが焚かれるのが解った。
「ぐうう、う……っぐ!!」
自らの汚物の匂いに塗れながら、静花は口惜しげに顔を歪める。
「はははは、あの澄ましてた美人がクソ塗れだぜ、ザマァねぇな!」
「全く、惨めだねぇ。お前のそのザマを写したネガは、きっちり可愛い妹分共に配ってやるよ」
男達の嘲笑いが、いよいよ彼女の自尊心を切り刻んでいく。
誇り高い、『多寡見の女王』の自尊心を。



静花は連日犯されていた。
用いられるのは、膣ではない。肛門ばかりを休みなく使用された。
今も静花の菊輪は、久賀の規格外の怒張によって押し拡げられている。
始めは苦痛だったそれも、今ではすっかり慣らされ、エラの張ったカリ首が抜き出される度に快感を覚えるほどになった。
しかし如何に心地よかろうとも、『排泄の穴を用いられている』という事への抵抗が無くなる事はない。
妹分の存在を盾に肛門調教を受けながら、静花は悔し涙を堪えるのに苦心する。
「んっ、んぉっ……あ、ああおっ…………お」
肛門を貫かれる静花の口から、かすかに声が漏れた。
嬌声。まさに漏れ出したというに相応しい、快感の色を含んだ声だ。
しかし、周囲の男達がそれに難色を示す。
「おい、また声が低くなってんぞ。オンナの声出せっつってんだろうが」
「可愛い妹がどうなってもいいのか、え?」
男達がそう凄むと、静花は心から口惜しげに鼻へ皺を寄せ、再び声を上げた。
「あっ、あ、ぁあっ…………」
先ほどとは一変した、少女の喘ぎ声。
まるで天使を思わせる声が、勇ましい女スケバンの喉から発せられる。

声を女のものにさせられるだけではない。
彼女は格好もまた、赤いスカートに白ブラウスというガーリッシュな出で立ちだ。
その状態で、後ろから抱くように肛門を犯されている。
そしてその様を見せつけるかのように、正面には大きな姿見が置かれていた。
「へへへ。そうしてると可愛いぜぇ、静花ちゃんよ」
男達は下卑た笑みを浮かべながら、静花の黒髪を撫でる。
髪に指を絡ませる形で、丹念に、執拗に。
さらには女の声を上げる静花の唇を、一人の男が奪う。
「んむっ、む、んんんんんっ……ん、あ…………」
蕩けるようなキスが始まった。
まるで想い合う男女がするような、深く舌を絡ませるフレンチキス。
妹分の身代わりである静花は、それを甘受するしかない。
女の格好をしたまま、為すすべもなく排泄の穴を犯され続け、髪を撫でられ、キスを強要される。
妙な感覚だ。頭がドロドロに溶けてゆく。

始めこそ静かな瞳で相手を睨んでいた静花の表情が、次第に、変わり始めた。
頬が紅潮し、瞳が蕩け……
その瞬間、はっとしたように静花は芽を見開く。
「や、やめろっ!!」
焦った口調で叫びながら、素早く顔を引いて男の口づけから逃れる。
周囲で笑いが起きた。
「おやおや、まーた女の気分になっちまったのか」
「そろそろ浸っちまえよ。その方が突っ張ってるより自然なんだ、楽になるぜ」
その言葉に、静花は強く頭を振る。
「違う、違う!! ア、アタシは、そんな女々しい心は持っちゃいない!!」
必死に否定するが、状況は変わらない。
「正直になったらどうや。女の扱いされながら尻穴犯されて、すっかり心が女になりかけとるやろ。
 なんぼ言葉で否定しても……ここは正直や」
背後から犯す久賀が、静花の秘裂に手を伸ばした。
静花の顔が青ざめる。
彼女自身も解っていた。女の扱いをされ、女の声を強要されるうち、自分に変化が起きている事が。
女として、濡れ始めていることが。
「そんなもの、ただの自衛反応だ……う、うふうう゛っ!!!」
必死に強がりを見せる静花。
しかし濡れた事を意識しながら尻穴を抉られた瞬間、再び彼女の声は快感に染まった。

女として『作り変えられていく』無間地獄の中、静花はただ瞳を彷徨わせる。
果たして自分は、自分の矜持が保てるのか。
静花にとって、今やそれは風前の灯が如く、ひどく儚げなものに思えるのだった。


                           終
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