大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

スカトロ

汚辱の宴

※オールスカトロ、大注意


奏陽子の定期連絡が途絶えたのは、昨日の夕方だ。
陽子は某国外務省直属の極秘捜査官で、マフィア絡みの犯罪を追う捜査チームの一員だった。
長い黒髪と整った顔立ちをした、美しい日本人。
チームでは主にそのルックスを活かし、名を偽った上で組織構成員との交渉役を担う。

捜査は長い時間を掛けて行われた。
陽子はその中で、何度も構成員と肉体関係を持つこととなる。
情報を得るため設けた酒の席で、浴びるほどにカクテルを飲まされ、
仲間に内線を通じさせたままで抱かれる。
時には六人以上の人数に輪姦されている事もあるようだった。
陽子は娼婦さながらの巧みな技術を用いて男を悦ばせ、
しかし最後には演技でなく感じ入ったような艶かしい声を上げながら耐え忍ぶ。
そうして一夜が明けた後には、涼しげな顔をして仲間の乗る指令車に戻り、
男達と粘膜で触れあいながら聴き出した情報を語り始める。
その情報は、毎度必ず捜査に進展をもたらした。

中間達はそれに感謝をしながらも、陽子の身を案じていた。
報告を行う陽子の顔は涼やかで、口調も淡々とした機械的なものだ。
しかし彼らは、内線を通じ、彼女が何度となく絶頂を迎えたと告白する様を、
もうやめて欲しいと哀願する様を耳にしている。
その乱れようが演技なのか、或いは淡々と報告する顔が羞恥からの強がりなのか。
仲間である男達にさえそこの見当が付かない。
それは捜査官としては頼もしいが、人間としては薄気味悪くさえ思えるものだった。

やがて数ヶ月の後。
陽子の人脈にいよいよ組織の大物が加わり、捜査も佳境に入った頃。
陽子は組織幹部の一人から自宅へ招かれる栄誉を得た。
わざわざ家へ招くという事は、改まって腹を割った話をしようという意思表示だ。
当然、陽子はそれを快諾する。
しかしその幹部の男は、女に対して変態的な趣向を持つ人物だとの情報もあった。
特に美女の排泄物が至上の好物ともされている。
そのような人物の自宅に招かれれば、女の地獄を味わう事は間違いない。
しかし陽子は、それで引くような芯の弱い女性ではなかった。
むしろいつも以上に凜とした表情で、背を伸ばして指令車を後にした。
ロングコートの襟元に小型の無線機を忍ばせて。



数時間の後、陽子は薄暗い地下室に繋がれていた。
壁は一面石造りで、あちらこちらにポールダンスをするような鉄の棒が設置されている。
天井からは色とりどりの縄が垂れ下がり、唯一の光源である壁面下部からの仄白い光に照らされる。
そして何より異常なのは、その床の一面がガラス張りで出来ており、地上でなされるあらゆる行為を映し出している事だった。

陽子の身にはショーツだけが残されていた。
腕も、乳房も、腹筋も、脚線も、局部を除くすべてを晒すがままだ。
両手首は万歳をするように天井からの赤い縄で吊るされている。
他に変わった事としては、白い腹筋から重苦しい唸りのような音が漏れてもいた。
「うく……く」
唸りが大きくなるにつれ、陽子の唇から声が漏れる。
苦しいのだろう。美しい顔と腋の下には、はっきりと見えるほどの汗が浮いている。

原因は、彼女の踵の近くを見れば明らかとなった。
金でできた洗面器にガラス式の浣腸器が立てかけられ、グリセリンの瓶が脇に置かれている。
グリセリン浣腸を受けたのであろう事は明らかだ。
「うンッ……は、くっ……」
陽子は痛烈な排泄感に苛まれながらも、なお捜査官らしい凜とした表情を崩さない。
斜め下を向く表情には隙のなさと寒風のような鋭さが同居し、男の視線を釘付けにする。
なるほど、用心深いマフィアの構成員が次々と篭絡されるはずだった。
陽子の正面に立つ男は、その毅然とした態度に顔を綻ばせる。
小太りで頭の半ば禿げ上がったこの男が、この館の主、つまりはマフィアの幹部なのだろう。

「……そろそろ浣腸を施してから20分。中々によく堪えるものだ。
 食事の時にも説明したが、お前がディナーと共にこまめに服用した錠剤には、
 消化活動に働きかけて排泄物そのものの容積を増し、さらにそれを膨らませる作用がある。
 その総量たるや、一ヶ月全くの排泄をしなかった場合と同程度。
 あれから4時間あまり……もはやお前の十二指腸はおろか、小腸の一部にまで排泄物が詰まっているだろう。
 出しても出しても終わらんぞ」

小太りの男は余裕の態度で陽子を眺めながら、その顎に指を掛けて顔を上げさせ、凛とした瞳を覗きこむ。
男に取り入る必要のある陽子には、その視線を避ける事は許されなかった。
苦悶に震えながらも男と目線を交し合い、やがてさらに10分近くが経った頃、ついに決壊が訪れる。

「ンぐぅっ!!!!」
陽子が目を見開きながら膝を擦り合わせ、内腿に力を込める。
その直後、凄まじい破裂音が臀部から響き渡った。

まず異臭が立ち込める。
次いで陽子のすらりとした脚の間から、茶色い汚液が滴り落ちていくのが見える。
さらに唯一身に着けていたショーツが、繁みを覗かせるほどにずり落ちた。
陽子の背後に回れば、ショーツの後ろがまるで石を詰めた麻袋のようになっているせいなのだと解る。
小太りの男はそのショーツの惨状を嬉しげに見やっていた。
「どうかね、良い歳をした美しいレディである自分が、“お漏らし”をしてしまった気分は。
 屈辱と羞恥に混じって、妙な開放感があるだろう」
男はそう良いながら陽子の髪に指を絡ませ、押し込んで下を向かせた。
直視しがたい現実が鏡に映り込んでいる。

純金の洗面器とガラス浣腸器、それに浴びせかかる形での茶色い下痢状の便。
茶色い液溜まりを踏みしめる形の足首、すっと汚液の線が伸びる脚線、穢れを滲ませながら歪に膨らんだ下着。
小太りの男がショーツを腿の半ばまでずり下げれば、いよいよ股布にこんもりと乗った汚物が露わになる。
その一部は股布と腿の間をすり抜けるように滑り落ち、ガラスに映る陽子の秘部を覆い隠した。

「……お尻が気持ち悪いわ。早く処理をしてちょうだい」
陽子は努めて冷静な態度で男に告げた。
まるで排泄ぐらいどうということもない、と言いたげに。
しかし何も感じていない筈はない。
絹糸のように艶めく黒髪や、女らしさを損なわないままによく鍛え込まれた腹筋、神経質なほどに揃えられた恥毛。
そこに見て取れるのは、陽子という女がもつ美しさへの徹底的なこだわりだ。
仕事柄だ、という見方もあるかもしれない。しかし公私の別なく、外見にこだわる行為にはプライドが付き纏う。
そのプライドを強制排便という恥辱的な行為で穢されて、心中穏やかであろうはずがない。
「これからが楽しみだな」
小太りの男はそうした女の心理を熟知しており、ゆえに嗤った。
陽子の頬がほんの僅かに引き攣るほどの醜悪さで。



一旦床と陽子の下半身が清められた後は、手首を吊るす格好をそのままに別の責めが行われ始めた。
幹部の男の子飼いと思しき男が、陽子の足元にしゃがみ込み、排泄の孔に器具責めを課す。
用いられるものは、膣用のバイブレーターと、真珠がいくつも連なったような棒状の器具。
男はバイブレーターを唸らせて陽子の前の孔を蕩かしながら、真珠状の棒を尻穴に出し入れする。
陽子は手を吊るされたまま、脚を肩幅より広く開いてそれに耐えていた。
「んっ……く、ふんんっ……!!」
陽子は唇を噛みしめるようにして声を殺していた。
つまりはそうする必要があるほどに、責めに何かを感じているという事なのだろう。

手の平で掴めば、簡単に形を変えてしまう白く柔らかな尻の肉。
そのちょうど渓谷に当たる部分に真珠の棒が出入りしている。
男が言った様に、陽子の腸の中には所狭しと便が詰まっている状態だ。
一度グリセリン浣腸で直腸の分を出し切ったとはいえ、
腸の蠕動によってすぐにまた新たな汚物が十二指腸の幽門を越えてくる。

その状態での尻穴責めは、それはえげつないものだった。
パール状の物体が引き抜かれるたび、珠の尻穴側の方にべっとりと汚物の付着している様が見える。
何度も抜き差しされると、その半液状のものは膣を苛む方の男の手に滴り、そこからさらに床のガラスへと飛沫を散らす。
責め手の男も意地が悪いもので、何度も連続して責め具を抜き差しし続ける最中で、
不意に責め具の動きを止める事があった。
陽子の初々しい肛門は、その動きに対応しきれずになおもひくっ、ひくっと蠢いている。
珠の冷たく無機質な感触だけが感じられる状況。
それに耐え切れず、陽子が下を向けば、そこには汚液を散々に掻き出され、尻穴から噴き出させている惨状がある。
その光景は陽子を確実に追い詰めているはずだった。

また、純粋に尻穴調教として見ても油断ならない状況だろう。
膣の方をバイブレーターで抉りまわされながら、尻穴に異物を抜き差しされる。
その薄皮一枚隔てただけの刺激は、脳に至る過程で簡単に交じり合い、尻穴の快感として伝わる。
特に延々と排便を繰り返すような、確実に物が出て行く感覚を伴いながらの責めは痛烈に脳に刻み込まれるはずだ。

「随分と心地良さそうな事だな。蜜壷を掻きまわされながらのアナル責めは効くだろう」
いつの間にか陽子の傍に立っていた小太りの男が言葉を掛ける。
陽子はその瞬間、潤みかけていた瞳を何度か瞬かせ、毅然とした瞳に戻した。
「退屈だわ。セックスの方がずっとまし」
淡々とそう語る陽子の顔へ、男の半笑いの表情が粘りつく。
「ほう、その割にはよく秘部を濡らしているようだが……まぁいい。
 もう少し立派なものに変えてやれ。それでは感じんそうだ」
男が責め手に告げると、男は無表情のままに責め具を引き抜き、一回り太い物にローションを塗していく。
それが尻穴へと埋め込まれ、勢いよく引き抜かれた瞬間。
「ぐっ!!」
陽子の口から明らかな声が漏れ、両の足指が丸め込まれる。
「直径が1cm太くなるだけで、感じ方も大分違ってくるらしいな」
小太りの男はそう言いながら、新たな快感に戸惑う陽子を観察し続けた。

「……よし、そろそろ左脚を上げてみろ」
反応が薄くなると、そうして新たに命令を下しもする。
陽子は言われるがままに左脚の膝を曲げ、右足一本で立つ状態での二孔責めを余儀なくされた。
「ぐ、うううっ!!!」
姿勢が不安定になることで腹圧も強まり、腰に力を入れざるを得ないために括約筋の刺激も増す。
「うう、あうっ!!」
軸足である右の太腿が筋張りながら痙攣し、健康的な土踏まずがより床から遠ざかるように反る。
「おうおう、ドロドロになってきたな」
小太りの男は、開かれた脚の間を覗きこみ、秘部を凝視しながら呟いた。
「…………ッ!」
陽子は凛とした態度を保とうとするが、秘部のバイブレーターが柔肉の割れ目から飛沫を飛ばし、
桜色の蕾からブリブリと音を立てながら太い責め具が抜き差しされる状況は、どうする事もできなかった。


恥辱はそれからも続いた。
仰向けに寝転がる格好の陽子の脚を、背後の男が肩につくまでに引き寄せる。
そうして晒された肛門へ、何度もローションを付け直しながらの指責め。
男の2本指を使っていよいよ肛門性感を覚え込ませると共に、ローションを尻穴内部へ染みこませる事が目的のようだった。
そうして肛門が充分なローションで満たされると、その菊輪には蛇口にも似た器具が取り付けられる。

息むたびに肛門の器具から少量だけ排便できるようになった陽子は、床のガラスに引かれた和紙の上に映される。
「さて、ではその紙の上に、美女の糞便で以って名でも記して貰おうか。
 日本人ならば習字などお手の物だろう?」
小太りの男がそう告げると、陽子は従うしかない。
両の手のひらを紙に突き、震えのきはじめている両脚をつま先立ちにしながら必死に腹部へ力を込める。
そうして少量ずつ出て行く便を視認し、自分の語っている偽名の綴りを思い出しながら腰を動かした。
「はっ……はあっ……はああっ…………」
呼吸も、発汗も酷い。陽子が精神的にかなり追い詰められている事は明らかだった。

名前を記し終えても、汚辱の宴は終わらない。
陽子はガラス床の上に四つ足で這うようにさせられ、延々と浣腸を受けていた。
暴れるのを防止するためか、肩口を押さえ込まれ、足指をぴんと張らせた下半身に、何度も何度も浣腸を施される。
すでに陽子の腹部は膨れ上がり、妊娠したかのようになって垂れ下がっていた。
それを床の鏡に映して確認しながら、背後の男は淡々と浣腸を続ける。
「へへ、よくもまぁこんなになるまで我慢ができるもんだぜ」
別の男は膨れ上がった陽子の腹部を撫で回しながら、小馬鹿にしたように告げる。
「ふうっ……ふううーっ……!!!」
陽子はそれらの屈辱に耐えながら、やがて本当の限界が来ると肛門から放物線を描いて汚液を飛ばした。
さすがに最初に比べると薄いものの、なおしっかりと赤茶色の付いた汚液。
それは美しい女捜査官の身体を穢しながら、勢いよく噴出しはじめた。
「はは、壮観じゃ、壮観じゃ」
小太りの男は椅子に腰掛けながら、満足げにその様子を見守っていた。



朝が来る頃になっても、陽子は肛門を犯され続けていた。
数人の若い男から、入れ代わり立ち代わり肛門に逸物を捻じ込まれ、下痢便を漏らしながらアナルセックスを繰り返す。
「おおおっ、いいっ!!!おおおぉぉおお、おしりいいいぃっ!!!!!!
 だめ、気持ち…いいっ!!うんち漏らしながら、おしりで、セックスするなんて……
 こんなの、こんなのぉ、知らな……あう、んひぃいいいいっっっ!!!!!」
度重なる恥辱と快感に、とうとう堪えきれなくなったのか。
陽子はそれまで発したことのないような獣じみた声で快感を宣言し続けていた。
もはや理性はほとんど残っていないように思える。
本当に任務を続行できるのか、このまま篭絡されて逆に情報を明け渡してしまうのではないか。
狂乱の様子を無線を通じて聴いていた仲間が、そう危惧し始めた頃。
その無線から、妙にはっきりとした声が流れ、仲間達を戦慄させる。

『……さて、聴こえているかな、雌犬捜査官のお仲間諸君。
 私の屋敷では、来客の衣服は極秘裏に調査することにしていてね、盗聴などの愚行は見逃さんのだよ。
 少々手間取ったが、先ほどようやく逆探知に成功した。
 そこを動かずにいたまえ。諸君らの中に女がいるなら、器量次第では次の玩具にしてやろう』

そう下卑た嗤いを含む声がした直後。
指令車の窓を開けたチーム員は、車が既に包囲されている事実に愕然とした。
チーム員には他に女が2人おり、彼女らは顔を強張らせながら、縋るように銃を抜いた。


END
続きを読む

桐羽落涙

※スカトロ注意


暴力団『桐羽組』の頭はと問われれば、多くの人間が現組長の名を上げる。
しかし実情はそうではない。
桐羽組を実際に指導しているのは、先代組長・桐羽平治の妻である雪美(ゆきみ)だ。

雪美は国立卒のエリートであり、故あってホステスをしていた所で桐羽平治と知り合った。
巷でも噂の立つほど人気の嬢であったという。
椿の葉のようにキリリと吊りあがった、狼を思わせる瞳。
細く凛々しい眉。すっと通った鼻筋に、薄い唇。シャープな輪郭。
どれ一つとして凡庸な部分のない顔の造りは、まるで磨き上げた氷を思わせ、それゆえに男達を魅了した。

彼女は普段やや冷めた態度で客をもてなしつつも、ここぞという場面では相手を思いやる言葉を漏らす。
男は皆がその暖かな一言に落とされた。職業柄女遊びに慣れた桐羽平治でさえも。
その言葉が心に響くのは、雪美が真に情の深い性格をしているがためだろう。
彼女が桐羽平治と求めあったのは、地位や金を目当てにしてではない。
ただ彼の夢を聞き、それに共感し、生涯をかけて支えてゆきたいと覚悟した上での事だった。
平治と雪美の初夜は、抱き合ったまま、口づけを交わし合ったままで三日三晩に渡って続けられたというから、
その愛の深さも窺い知れようというものだ。

また雪美は、その度胸も並ではない。
桐羽組にとって過去最大の苦境とされる黒綿会との抗争に於いて、
雪美は黒綿会の鉄砲玉に七首で脇腹を刺され、しかし血に塗れる中でなお黒綿会の幹部に向けて啖呵を切ってみせた。
その命を賭した気迫には誰もが感服し、黒綿会に圧倒的有利な状況であったにも関わらず、
即時痛み分けでの手打ちが為されたと伝わっている。

誰よりも桐羽平治という男を理解し、目下への情が深く、度胸もある。
当然の如くに組員からの人望も篤い。
平治が病に死した時、次期組長を襲名した男は、姉御と慕っていたこの雪美に自ら後見役を願い出た。
こうして若干28の若き極道の妻は、桐羽組の実質的な女親分となったのだった。
桐羽組は雪美の指導の下、地域に密着しての活動で着実に勢力を伸ばし、今や地方有数の勢力を有する組織だ。
その桐羽組の長である雪美を我が物に、と考える敵対組織は多かれど、実際に手を出せる組織は存在しない。

……表に顔の知れた組織ならば。
だがその逆、どこかの組織が秘密裏に傘下とする不良団体となると話は別だ。
彼ら・彼女らに怖いものはない。現実を深く知らないゆえに恐怖心も薄い。
魅力的な報酬をちらつかせて命じれば、本職であれば怖気づくような大物でさえ易々と攫ってしまいうる。
新興レディースチーム『朱蛇(しゅじゃ)』が雪美を攫ったのも、同様の理由からだろう。
朱蛇のメンバーは、雪美が贔屓にしている銭湯の女湯で彼女を囲み、スタンガンで昏倒させた後に部活用の荷物袋に詰めて運び出す。
外にいた桐羽組護衛がそれに気づいたのは、脅された番頭が恐る恐る打ち明けた、数十分も後のことだった。



雪美は、市の中心部から遥か離れた山間にあるラブホテルに監禁されていた。
ホテルとはいえ廃墟も同然で、オーナーが自殺して以来は恐ろしがって取り壊されもせずにいる物件だ。
その一室で、雪美の身体は椅子に縛り付けられていた。
手は後ろで背もたれに括り付けられ、両脚は大きく開かされたまま肘掛けに括り付けられ、
さらには彼女の胸をくびり出すように縄が掛けられてもいる。
当然ながら服などは一切纏っておらず、その脚の間からは秘匿すべき部分が晒されるがままとなっていた。
それだけではない。
豊かな乳房の先に息づく桜色の蕾は、どちらも鈴の下がった洗濯バサミで挟み潰されている。
さらには陰核にも電動式のマッサージ器が宛がわれ、その下の花園から蜜を吐き零させてもいた。

『朱蛇』のメンバー達は、その雪美のあられもない姿を笑い声と共にカメラに収めていく。
雪美の身体が幾度もフラッシュで影を作る。
その裸体は、顔同様に無駄なく絞られて美しく、スポーティな印象を受けた。
肌はくすみのない桜色で見惚れるばかりだが、右の脇腹にだけは縫い傷があり、噂が真実であったのだと知らしめる。

「ふぅん、さすがはあの桐羽組の女ね。
 そんなに脚おっぴろげてオマンコのドアップ写真撮られてるのに、涼しい顔のままなんて」

朱蛇のリーダーである亜衣が、雪美の割れ目へと指を沈めながら囁いた。
そして中でクチュクチュと音をさせた後、その指をゆっくりと引き抜いてカメラに晒す。
人差し指、中指、薬指。広げられたその3本の指の間に、艶かしい蜜が糸を引いて滴り落ちる。
少女達が嘲笑う中で、雪美は眉間に皺を寄せた。

「いい加減にしな、いつまでこんな馬鹿げた遊びに付き合わせるつもりだい!
 今頃ウチの連中600人からが、血眼になってアタシを探してる筈さ。見つかったら酷いよ?
 だがここらで止めりゃあ、若気の至りって事で寛容に対処してやっても良いんだ」
あくまで毅然と言い放つ雪美に、亜衣は苛立ちを露わにする。

「ちいっ、しぶとい女ね……いいわ。あんた達、“アレ”をやるよ。準備しなっ!」
亜衣の一言で、少女達が肘掛けと繋がっていた雪美の脚を解放し、床に膝をつかせて新たにまた縄をかけ始めた。
右太腿の膝に近い部分へと縄を回し、首後ろを経由して左腿へ、同じように。
腕から胸にかけての縛めもそのままだ。
その状態で這うような姿勢を取らされると、雪美は後ろ手縛りで尻を掲げた格好から身動きが取れなくなる。

「あーら、お綺麗な落書きね。その無様な格好だとよく見えるわ」
亜衣が雪美の背中を踏みつけて笑う。
その背には、桔梗や野菊など、様々な花の咲き誇る見事な刺青が彫り込まれていた。
「このガキ……!!」
任侠人の誇りである入墨を足蹴にされ、雪美の眼が亜衣を睨み上げる。
亜衣はそれをおかしそうに見下ろしながら、背後の少女達に指で合図した。
薄笑いを浮かべながら雪美の背後に回る少女達。
その手には、イチジクの形をした容器が握られている。
雪美の目が見開かれた。

「今までにもあんたのような跳ねっ返りは随分居たけどね、
 尻を剥いて浣腸をすれば、男も女もヒイヒイ泣いて赦しを乞うたもんよ」
亜衣の言葉が終わると共に、少女の一人が雪美の肛門にイチジクを突き立てた。
そして容赦なく捻り潰し、薬液を腸へと注ぎこむ。
「っ!」
雪美の鋭い瞳が細まった。
「ずいぶん微々たる量でしょう、でもかなり効くわよ?」
亜衣が言う間にも、また別の少女がイチジクの薬液を雪美の肛門へと注ぎ入れる。
二個、三個……四個。

ぐるるるうぅぅうぅ…………。

四個のイチジク溶液を受け入れた雪美の腹部から、早くも異音が鳴り始めた。
「うう……っ」
雪美は尻を掲げて這う姿勢のまま、額に汗を滲ませて苦悶する。

「どう、ウンチしたくて堪らないでしょ。でもそのままじゃあ、その場でぶち撒けるしかない。
 でもあたしだって鬼じゃないからね。奴隷になると誓うなら、トイレに行かせてやるよ」

亜衣は苦悶する雪美にそう言葉を投げた。勝ちを信じきっているという顔だ。
しかし雪美は、なお凛とした瞳のままで嘲る少女達を睨む。

「……本当に馬鹿なガキ共だね。浣腸されて便が出るのは、ただの生理現象だろ!
 そんな物を見られたところで、女の尊厳は穢されやしない!醜いのはそうさせるお前らさ!!
 アタシの排便が見たいのかい?見たいなら見せてやるさ、目ェかっぽじって、とくと見な!!!」

雪美はそう啖呵を切ると、太腿に力を込めて息みはじめた。
そして少女の一人が大慌てで差し出した盥に、勢いよく腹の中の物をぶちまける。
盥に当たる水音と汚らしい音、そしてむうと立ち昇る臭気。
そのおぞましい環境の中でなお、雪美の瞳は力強く亜衣達を睨み上げていた。

「どうだい、お望み通りやってみせたよ?何てこと無かったけどね。
 こんなもんで女を辱める気になってたなんて、ウブなネンネもいいとこさ。
 さぁ、解ったならとっとと縄を解きなッ!」

雪美に強くそう命じられると、少女の数名がびくりと背筋を伸ばした。
また何人かは、自分の方が恥ずかしげに顔を覆ってもいる。
女にとって最大の羞恥であるはずの公開排泄さえ、心の傷たり得ない鋼の精神。
それを前に、彼女達は完全に圧倒されていた。
ただ一人、亜衣を除いて。

「ふ、ふーん、これでも平気なんだ。でもねぇ、アンタ拉致しといて、ここで引き下がっちゃマズイのよ。
 あたしら朱蛇がこの世界で箔をつける為にも、アンタには奴隷になって貰わないとね。
 ……ほらあんた達、ぼーっとしてるんじゃない!!
 攪拌棒と浣腸器、それから『にがり』を持ってきな。こいつが参るまで、アレを耐えさせるんだよ!!」

亜衣が鋭い口調で命じると、少女達は我に返って部屋のクローゼットを物色し始める。
一人が脱脂綿の巻きつけられた棒を探し出し、亜衣に手渡す。
亜衣はそれに、鞄から取り出したローションボトルの中身を含ませて雪美の肛門へと押し当てた。
桜色のきゅっと窄まった肛門へ、脱脂綿に巻かれた棒が入り込んでいく。
「あくぐっ……!!」
さすがの雪美も、これには顔を歪ませて苦痛を露わにした。
亜衣は棒を根元まで押し込むと、そのままローションを棒へ伝わせながら前後させ、腸へと塗りこんでいく。

「ほーら、お尻の穴にずっぷり入ってるわよ。嬉しいでしょ?」
亜衣はそう解説を加えながら棒を抜き差しし、やがて勢いよく引きずり出す。
「うーわうわ」
どこか嬉しげに声をあげ、雪美の視界へ入る場所に棒を晒す亜衣。
白い脱脂綿の巻かれた棒には、その各所に茶色い汚れがこびり付いていた。

「腸に残ってるうんちを掻き出しちゃったみたい。ごめんね、気持ちよかったでしょ」
亜衣は不可思議な謝罪をしつつ、雪美の顔を覗きこむ。
「……ガキだね、本当に」
雪美は忌々しそうに呟いた。
そうこうしている内に、少女達がガラスの浣腸器と白い粉の入った袋を抱えて戻ってくる。
盥にも新たに水が汲まれ、そこに袋の中身が溶かされた。

「あの白い粉はねぇ、『にがり』……塩化マグネシウムよ。
 塩化マグネシウムを溶かした水はドナン浣腸液っていって、即効性があるから昔は医者がよく使ったの。
 ただあんまりにも患者が苦しみ悶えるもんだから、今では製造自体廃止されちゃった。
 解る?今から自分に注がれる液が、どのくらいキッツイか……」

亜衣は怪しげな笑みを浮かべて浣腸器に水を吸い上げ、一度吐き出させて空気を追い出す。
そして再度吸い上げると、雪美のローションに照り光る肛門へと押し込んだ。
ちゅうっという音で、薬液が少しずつ腸へと流し込まれていく。
「さっきのグリセリンもじわーっと効いてくるけど、これは本当に即効性が高いわよ。
 普通なら200ccぐらいで止めるところだけど、強情なアンタには特別に400まで入れてあげる」
亜衣がそう言いながら薬液を注ぎ終え、浣腸器を抜き去った時だ。

「あぐうっ!!」
苦しげな呻きと共に、雪美の腰が跳ね上がった。
「ふふふ、早い早い。ブランデーを直呑みしたみたいに、腸がカアッと熱く燃え上がってるんでしょ」
亜衣が雪美の尻肉を撫でながら問うた。
だが雪美はそれに反応する余裕など無く、やがてその肛門は緩み、便と混じった薬液をぼとぼとと零しはじめる。
「あれ、もう限界なんだ?さっきあんなに啖呵切った癖に、だらしないねぇ」
亜衣に謗られるも、雪美の肛門はますます開き、外に向けてめくり開かれるばかりだ。

「ま、ドナンを入れられたら誰だって、勝手に肛門が開いて駄々漏れになっちゃうみたいだけどね。
 しょうがないなぁ、栓したげるよ」
亜衣はそう言い、鞄からテニスボールを取り出して雪美の肛門に押し当てた。
普段であれば入るはずのない直径のテニスボールは、しかし肛門の緩みきっている今ならば呑み込まれ、
ちょうどアヌス栓のようにすっぽりと嵌まり込む。
「さ、固定固定」
亜衣はそこで他の少女達に指示を出し、雪美の身体を抱え上げさせた。
そして尻穴のゴルフボールを押さえつけるように椅子へと座らせ、肩を押さえ込み、膝を押さえつけてしまう。
「うぐあああはっ……!!!」
狂いそうなほどの排泄欲を封じられ、雪美が苦悶の声を漏らす。
「さて、そこからどれだけ耐え切れるか。桐羽組女親分の根性とやら、見せてもらうよ」
亜衣はポケットからストップウォッチを取り出し、悠々と壁に寄りかかりながらスタートを押した。



そこからの雪美は地獄のようだった。
「あああう゛……あう゛はああぁあああ゛あぐはっ……!!!」
雪美はナイフで刺されたかのような苦悶の声を上げ、身を捩らせる。

下腹部からは、只事ではない、濁流の渦巻くような音が響いていた。
全身にも酷い汗を掻いていた。
歯を食いしばったまま眉間に皺を寄せ、頭を左右に振りたくる様。
天の一点を仰いだまま下唇を白い歯で噛みしめ、喉の奥からキツネの鳴き声のような声ならぬ声を漏らす様。
押さえつけても押さえつけても背筋が伸び、むちりとした太腿が跳ね上がる様。
そのいずれもが異常と呼ぶ他なかった。

しかしながら、雪美は解放されない。
自らの体重と押さえ込む少女達の力で、尻穴にぐっぽりと嵌まり込んだゴルフボールが肛門を封じている。
びぶっ、ぶぶりっと小さな破裂音はして座部に茶色い液を広げてはいるが、それでも楽にはならない。
「ほーら、まだ24分だよ。もっと頑張れるよねぇ?」
亜衣はストップウォッチに目をやりながら、その雪美の様子をおかしそうに観察していた。

「あははっ、すっごい顔。顎が汗でビッショビショじゃん」
「さすがに効いてるねぇ。いくら羞恥責めで屈服しないっつっても、終わりのない苦痛には音を上げるもんだよ」
「おナカの音もすごいしねー。完全に下痢の音だよ」

当然、その他の少女達も悶え狂う雪美の様子を、各々の持つカメラや携帯電話で記録している。
またその内の何名かは、荒れ狂う雪美の膨れた腹部を、残酷にも細い指で揉みたくってすらいた。
「ふぐうううウウッ……!!!」
雪美はその状況下、なお進退叶わぬ無感地獄に悶え続ける。

さらに数分が経った頃。
「ねぇ、そろそろヤバイんじゃない、このオバサン」
押さえ込む少女の一人が、雪美をおぞましそうに見下ろして囁く。
雪美は後ろ手に縛られたまま、その鎖骨の辺りを電流でも流されたかのようにビクン、ビクンと痙攣させていた。
顔は白い首を晒したまま白目を剥いている。
「はーっ、ア゛…………あア゛…………ア゛……はーっ……」
涎と少量の泡に塗れた口の奥からは、そのようなあまり生命力を感じさせない呻きが漏れていた。

やがて。


「……させて……!!」
雪美から、大粒の涙と共にその声が出た。
「ハァ?」
「と、トイレを……させとくれ……もう限界だ、これ以上は……耐え切れない…………ッ!!!」
「何その言い方、もっとちゃんと考えてよね」
亜衣がばっさりとそう切り捨て、押さえ込む少女達がその力を強める。
雪美はガクガクト身体を震わせながら、さらなる涙を零した。

「…………くっ…………ど、奴隷に、なります……なんだって、しますっ…………。
 だからどうか、もう、もう…………堪忍してください…………!!」

そう涙ながらに宣誓する雪美に、亜衣がストップウォッチを止めて近づく。
「33分40秒。……ま、一応ドナンでの新記録か」
そして下に着けていた衣類を脱ぎ去り、雪美の前で性器を露わにした。
「ここに接吻しな」
亜衣がそう命じると、雪美は精一杯に前へ屈み、その花びらへ口をつける。
その瞬間だ。雪美の肛門に栓をしていたテニスボールが腹圧で弾け飛び、直後、おぞましい排泄が始まった。

それは少女達が聞いたどんな下痢便の音よりも汚らしく、長く、また無様なものだ。
彼女達は一様に鼻を摘み、指を差して雪美の陥落を嘲笑った。
記録にも数知れぬ枚数が残され、ビデオとしても録画されている。
雪美は、亜衣の下腹部に顔を埋めるようにして泣いていた。




その後、桐羽雪美は街から姿を消す。
出所不明のおぞましい写真を多数残し、桐羽組の構成員に絶望を植え付けたまま。
噂では、遥か遠い田舎町でそれらしい人物を見かけたという話もある。
だがそれは、およそ以前の彼女ではなかった。
木製の枷に手首と胴を拘束され、路面に尻だけを突き出している公衆便器だ。
『ご使用下さい』と入墨のなされた尻穴からは夥しい精液が溢れ、その脇にある缶には貨幣が捻じ込まれてある。
雪美であったものは、その金から少女達に餌を買い与えられ、感情のない瞳でただ咀嚼するのだという……。



                              終
続きを読む

裏の貌

※ スカトロ(嘔吐、排泄)、アナルなど注意

「ほう……さすがに皆、よく締まった良い身体つきをしている」

目と鼻腔部分のみをくり抜いたマスクで顔を隠す検査官が、部屋の隅に立つ6人の女を眺めて目を細める。
女達は皆が丸裸で直立の姿勢を保ち、検査官達にその肉体を晒すがままにしていた。
見事な身体つきだ。
全体的にすらりとしたスレンダーな体型だが、豊かな乳房の下には引き締まった腹筋が芸術的な隆起を作る。
太腿も無駄な肉の垂れることなく、しかし絶妙な艶かしさを残したまま、筋肉をうっすらと覗かせる。
その鍛え上げられた桜色の肉体は、前線で戦う女兵士にさえ勝る機能美に溢れていた。

「60kmのマラソンを倒れることなく完走し、成人男子の首と同硬度の巻き藁を、腕と腰の力だけでへし折れる女共だ。
 もし正気のまま反乱を起こされでもしたら、この場にいる男全員で掛かっても皆殺しがオチだろうな。
 アサシンとしての身体能力は文句なく合格圏内。加えて、精神力も並じゃない。
 その精神性がどれほど常軌を逸するか……実際に見せてやろう」

同じくマスクを付けた別の検査官が、先ほどの男に告げた。
その言葉と共に、女達の横へもう1人が加わる。
「な……なに、この薄暗い部屋……?」
何が起きてもまるで動じない他の6人に比べ、やや落ち着きのない娘だ。
その娘が並んで計7人となったところで、突如その頭上から強化ガラスが落とされる。
「キャッ!!」
新しく入った一人だけが悲鳴を上げた。

天井から床までを円柱状のガラスに阻まれた女達。
するとその足元に小さく開いた穴から、徐々に何かが追い立てられるように這い出し始める。
手足のないうねる生物……蛇だ。
蛇は床の穴から漏れるガスを嫌がり、ガラス内に一人ずついる女の脚へと絡みつきはじめた。
「いや、いやああぁっ!!!」
1人が叫びを上げる中、他の6人は顔色ひとつ変えない。
10を超える蛇が脚を這い登っているというのに、そちらに視線を落としさえしない。

「好んで暗い穴倉に棲む、毒性の強い蛇だ。
 極度に臆病な性格だから、堂々としていれば人間のような大型動物を襲う事はない。
 だが、逆に怯えを悟らせてしまえば…………」

マスクの男はそう言いながら、左端の新しく来た女を示す。
女は蛇に絡みつかれながら顔を強張らせ、悲鳴にならない悲鳴を零していた。
すると蛇はそんな彼女の首元に纏いつき……牙を突き立てる。
「ぎゃあっ!!」
鋭い悲鳴。同時に他の蛇も首元へ噛み付きはじめ、女の身体が痙攣を始める。
「あ"……あ゛ぁ、ああ゛……ッッ!!!」
女は湿疹のできた顔を青ざめさせて崩れ落ちた。頭が厚いガラスに当たり、ゴンと鈍い音を立てる。

「……怯えを見せればああなる。並の精神力では、まず生き残る事は不可能だ。
 もっとも今の女を除いた6人は、このくらい慣れたものだろうがな」
マスクの男はそう続け、他の6人へと意識を向けさせた。
6人は蛇に絡みつかれながら、なおも直立不動を貫き、前だけを見据えている。そこには微塵の怯えも見られない。

『5分経過』
記録係の女が腕時計を見やり、事務的に告げる。
その顔は淡々としたものだが、その内面は6人の女のうち、右から2番目を案ずる心で満たされていた。

 (鮎夏……もう少しだけ辛抱してね。これを切り抜ければ任務完了よ)

彼女……マレッタは、直立したまま感情を押し殺すパートナーへ、声のない励ましを送る。




鮎夏(あゆか)とマレッタは、欧州に本部を持つ諜報機関のメンバーだ。

『薄氷の仮面(フリズマスク)』と呼ばれるエリート諜報員・鮎夏。
マレッタにとって彼女は、組めばこれ以上なく頼もしい相棒であると共に、不可思議な存在でもあった。
何度となく行動を共にしてなお、彼女の全容が見えてこない。
日系人ではあるようだが、その本名も出自・経歴もまるで窺い知れない。
男好きのする美人ではあるが色恋は一切解さず、時には機械のように迷いなく冷酷な決断を下す。

ただ一つ解るのは、鮎夏はけして有能とはいえないマレッタを見捨てず、それどころか妹のように可愛がってくれていること。
彼女と組んで難事件解決の恩恵に与れなければ、マレッタが諜報組織に留まる事などできないだろう。
『死んだ妹に瞳が似ているから』
かつて鮎夏は、ミスの多いマレッタをあえてパートナーとする理由をそう語った。
そしてマレッタは、そのクールな優しさに救われつつ、彼女の為に懸命に尽くしてきた。
事実ここ数年、鮎夏・マレッタ組にミスらしいミスはない。
その功績を買われ、ついに上層部より秘中の秘である隠密捜査を正式に課せられたのが先月の事だ。

中世の時代に一度は途絶えた暗殺者(アサシン)の育成組織が、近年マフィア絡みで再び力を得始めているという。
鮎夏に与えられた任務は、組織内部に侵入し、そこで行われている暗殺者育成の工程を実際に体験すること。
そして薬物を投与された自身の身体そのものをサンプルとし、育成期間修了後、あらかじめ手配されているルートで諜報部へ帰還、 組織の分析調査に協力すること。
加えてマレッタには、研究員に扮してなるべく彼女の傍にあり、必要に応じてサポートする任務が課せられる。

この作戦に先立ち、鮎夏には現時点で流通しているあらゆる薬物への耐性が付与された。

ベッドに手足を縛り付けたまま数種の薬物サンプルを投与し、丸1日水だけを与えて放置、禁断症状を起こさせる。
その極限状態でセックスを行い、なお平常心を保てるよう徹底的に指導されたのだ。
機関内部での身内による特訓となれば、『薄氷の仮面(フリズマスク)』とて素しか出ない。
鮎夏はそれ専用に鍛えられた熟練の訓練官から徹底的に犯しぬかれ、何度も何十度も、立て続けに絶頂を極めさせられて泣き叫ぶ。
2日目以降に響き渡るのは、人ならぬ呻き声。凄まじいとしか表しようのないドラッグセックス。
特訓の様子を室外から覗くマレッタは、女が飽和した快感のあまり腰砕けになり、泡を噴いて痙攣する光景を初めて目にした。

薬物は単体使用・複合使用併せて67通りが試され、鮎夏への性指導は実に4ヶ月余りにも及んだ。
その地獄を経た後、いよいよ鮎夏はクスリへの磐石の耐性を持つ諜報員として、件の暗殺者育成組織へと忍び込む。
マレッタはこれまでのように彼女を信じて任務に挑むしかなかった。
相手取る組織の闇の深さに、言い知れぬ不安を抱えながら。



『……10分経過』
マレッタは腕時計を見やりながら、努めて事務的に時間を告げる。

鮎夏は他のアサシン候補の女同様、直立したままで蛇の嬲りを受け続けていた。
穴倉を好む性質ゆえか、赤黒い色をした不気味な蛇は、鮎夏の脚の間からその秘部へと頭を潜り込ませる。
ぴくっ、と鮎夏の内腿が強張った。
妙なヌメリを帯びた蛇の胴は、三角形をした頭さえ通り抜けると、そのままかなりの深くまで入り込む。

「おや、被検体Bのアソコにも一匹入り込んだようだな」
検査官の一人が告げると、その隣の男が好色そうに口を吊り上げる。
「お、本当だな。繁みの奥でグロテスクな蛇がうねってんのが丸見えだぜ。
 いやしかし、どの娘にしても器量は悪くないが、あの被検体Bはまた別格だな。
 ミルクの上に桜の花びらを乗せたような綺麗な肌、腰まで伸びた漆みてぇに艶やかな黒髪、
 あそこまで鍛え上げてもまだ柔らかそうな肉づき……やっぱ日本の女は、嗜好品として最高だ」

男が勝手を語る間にも、鮎夏は蛇に纏いつかれていく。
ピンク色の秘裂には早くも2匹目が入り込み、それどころか後孔さえも、散々つつき回された挙句に侵入を許してしまう。
「っ!」
これにはさすがの鮎夏も内向きに重心を変えた。
声を上げなかっただけ大したものだ、とマレッタは思う。
さらに蛇は鮎夏の首筋へと這い上がり、その口内への侵入を試みる。
何度か唇を押し上げられた後、ぬめった頭が歯の間を通り抜けた。
今度はいきなり2匹が入り込み、鮎夏の喉奥へと住処を求める。
「お゛っ、ゴお゛……!」
生理現象として当然、鮎夏の喉奥からはえづくような声が漏れた。
しかしそれは彼女に限った事ではない。
その横では、他の5人の娘も口内に侵入され、銀色に光る唾や涎を溢れさせていた。

それにもかかわらず、誰一人として表情は変えていない。
右から4番目の娘など、細い一匹に食道まで入り込まれたのか、けこぉっという鶏が絞められるような声を発し、
蛇の胴体に沿って薄黄色い吐瀉物を垂れ流してしまっているというのに、顔色に焦りは全くない。
鮎夏も同じくだ。
彼女はすでに秘裂に3匹、肛門に2匹、口に2匹と入り込まれ、セックスさながらに蠢かれているが、それでも瞳を動かさない。
まさに『薄氷の仮面(フリズマスク)』。
身体で情報を引き出そうとする男諜報員を相手に、徹底した不感症を演じてプライドをへし折る。
銃を向け合った犯人と静かに見つめあうだけで、一発の弾も発射させることなく投降させる。
そのような偉業を幾度となく為してきた、氷の海を思わせる冷たく深い表情。

他の5人は薬物や拷問で精神が麻痺したゆえの無反応だろうが、鮎夏だけは素面に近い。
最後にまともに話をしたのは2日前だが、日々薬物投与とマインドコントロールを受けている人間とは思えないほど、的確な現状把握・分析を行っていた。
やはり頭の出来も、心の強靭さも常識外れなのだ。彼女を落とせる拷問などありはしない。
マレッタはそう安堵する。
しかしその一方で、数名の検査官達の濁った瞳もまた、鮎夏の肉体へと集まり始めていた。





しばしの後に笛が鳴らされ、蛇の群れが一斉に女から離れて元いた穴へ帰っていく。
その穴が閉じると同時に、女達を隔絶していた円柱状のガラスも天井近くまで引き上げられた。
「そいつは片付けておけ」
蛇に噛まれて息絶えた1人が数名の男達に運び出される。
他の女も調整と称して別室に連れ込まれ、再び姿を現した時には、その首には犬の首輪のようなものが付けられていた。
輪の正面には宝石のような赤いランプが嵌め込まれており、さらによく見れば、首輪の内側からは極小の管が伸びて、女達の後ろ髪の中に入り込んでいる。

「おい、記録係の女。査定中はあのランプによく注目していろ。
 あの被検体どもは、育成期間中に何十度と絶頂を迎えさせられ、その際に示す脳波の平均値を記録されている。
 そしてあのランプは、装着者の脳がその平均値に近い脳波を示した時に灯るもの。
 言い換えるなら、あのランプが赤く灯っていれば、その時被検体は間違いなく絶頂状態にあるということだ。
 お前はそれを元に、被検体Bが絶頂を迎えるタイミングや状況を正確に記録しておけ」

マスクの男がマレッタに命じ、続けて隣の男に向き直った。

「さ、そろそろ最終査定を始めるか。まぁ査定つっても、“出荷”前の最後にお零れを戴こうってだけだがな。
 どうせアサシンなんつっても、ここ出た後はどこぞの組織に雇われて、大物と寝た後に殺すだけの人生なんだ。
 こんな痛みも感情も失くしちまったキリングドールに、まともな家庭なんぞ築けるわけがねぇ」
「まぁな。しっかし、俺らとしちゃ役得だよな。普段は命の保証もないようなヤバイ仕事か、
 とっつかまえた女拷問した後のゲロやら糞尿やら片付ける役目ばっかりだが、
 最後の最後にゃあこうして愉しめる。
 ここ出た後はウン千万って金でやり取りされるような、化けモンみてぇに強え美人をだ。
 たとえマグロでも、そんな女ァ嬲りまわせる機会なんざ他にねぇぜ?」

検査官達はそう言い合い、嬉しげに口元を緩める。
マレッタもその会話に聞き耳を立てていた。
やはりこれが最後。ここを無事に切り抜けさえすれば、マレッタも鮎夏も、計画通りに本部へ帰還できるのだ。

マレッタが再び心中での励ましを行う中、鮎夏は他の女同様、トレイに乗せられた注射器を手に取っていた。
検査官達が見守る中、彼女達は涼しげな顔でその中身を首元に打ち込む。
1本目が空になれば、すぐに次の1本を手に取って打ち込んでいく。
「ん、ありゃあ何だ?」
「ちょうど今開発中の、新種のクスリだよ。
 ちと強烈なヤツだが、ここで投与してるクスリに慣れた女にはダウナー系の鎮静効果があるだけさ。
 まぁ、ここで染みこませた薬を定着させるためのダメ押し、って所だな」
「ほう……。じゃ、もしもクスリに慣れてねぇ女なら?」
「健常者か。現段階じゃありえない話だが、逆に異様な精神の高揚とアッパー系の興奮作用をもたらすだろうな。
 初めてドラッグを極めた時と同ベクトルで、セックス中毒みたいな状態になるんだろう」

検査官が淡々と告げる内容を聞き、マレッタが目を見開く。
ここの新種のクスリはまずい。
この組織は拷問も専門分野とするため、薬学技術には目を見張るものがある。
マレッタが盗み見た開発資料にも、既存のクスリの裏をかくような画期的かつ残酷な成分が並んでいたものだ。
そんな物の一つがもう完成してしまったのか。
マレッタは、まともに鮎夏を見れば怪しまれるため横目で窺うに留めるが、
それでも注射器を置く綾夏の腕に緊張が走る様は見て取れた。



クスリの効果が回りはじめ、娘達の瞳が一様にとろんとしはじめた頃、検査官の一人が鮎夏の傍へ歩み寄った。

「おい、アソコを指で開いてみせろ」
横柄な口調で検査官が命じると、鮎夏は両の人指し指で秘部を割り開く。
蛇の分泌物でかすかにぬめるピンクの粘膜が露わになった。
「なにカマトトぶってんだ。脚ィがに股にして、もっと景気よくおっ広げんだよ!」
別の1人が野次を飛ばすと、鮎夏は言われるがままに肩幅ほどまで脚を開き、そのまま腰を落として『がに股』を作る。
そして両の人差し指と中指、計4本を陰唇にかけて大きく割り開いた。
今度は粘膜どころか、その奥に重なり合っていた襞の奥までが衆目に晒される。
検査官は下卑た笑みのまま、露骨にその恥じらいの箇所を観察しはじめた。

「ふん、雌豚の分際で綺麗なピンク色じゃないか。
 処女……な筈はないな。おまえ“教育係”の連中にも大人気で、拷問でへたった所を毎度犯されてたんだろ?
 『新入の黒髪女はマグロだが、膣の具合は最高だ』ってウワサが流れてきてたぜ。
 その首のランプにしても、本当にお前が感じてないのか調べるために開発されたって逸話まである。
 だが、綺麗な見た目の割には少々匂うな。
 さっき咥え込んだ蛇の生臭さか……いや違う、おまえ自身の産道が醸し出す匂いだ。
 やけにチンポに響く、フェロモンみたいな匂いだなぁ。お前、いっぱしにこの俺を誘ってやがるのか」

検査官は秘所を嗅ぎ回りながら言葉責めを繰り返す。
鮎夏は冷ややかな瞳でそれを見下ろすばかりだ。
これほど恥辱的な事をされながらも、その瞳は深い湖のような静けさを保っていた。
刑務官はその鮎夏を嬉しげに見上げながら、秘部の潤みに指を宛がう。

「さて、では俺自ら膣中の様子を探ってやろう。その『がに股』の姿勢を保っておけよ」

刑務官はそう囁きながら、中指と薬指の2本をゆっくりと淡いの中へと沈めていく。
そしてその指を浅い位置で直角に曲げ、ゆっくりと刺激を始めた。
鮎夏は声こそ上げないが、泉のように静かな瞳をかすかに横に流して変化を示す。

「……どうだ、中が蠢きはじめてきたぜ。俺の指は気持ちイイだろう。
 俺もここで働き始めたころは童貞だったが、そこから毎月のようにお前みたいな女を嬲ってよ。
 何人もイカせてきたんだ。
 ほぅーら、顔はクスリのせいで平然としていやがるが、身体の方はえらく正直じゃないか。
 ちっとずつGスポットが膨れてきたぜ。この膨らんだトコを、こうっ…押し込まれると、
 へへ、エロい腰が跳ねやがったな」

男の指責めは言葉通り中々のものらしく、鮎夏は大きく脚を開いたまま、数秒に一度腰を跳ね上げるようになる。
さらにその腰の落とし方も、徐々に深くなりはじめた。

「おいおい、腰が下がってきたぜ?俺の指に未練がましくアソコを押し付けてきやがって。
 まぁだがしょうがねぇか、蜜がどんどん零れてきはじめたからなぁ。
 おーお、すげぇすげぇ、手首やら尻の穴やら……あっちこっちに垂れ始めてるぜ」

男の言葉通り、その指が膣の中を掻き回すたびに、秘裂から蜜が零れ始めていた。
鮎夏はなおも涼やかな表情を崩していないが、よく観察すれば、その白い手は膝頭を強く握りしめている。
感じているのは間違いなかった。
「ほぅーら、そろそろ堪らんのだろう、イカせてやるぞ。
 こうして……5,4,3,2,1…………おら逝けッッ!!」
男はカウントを続けながら、曲げた指で勢いよく膣の一点を擦りあげる。
「くひゅっ!」
鮎夏の鼻からかすかに息の抜けるような声が漏れ、カウントが0になった瞬間、その秘部から透明な飛沫が溢れ出す。
男は秘部から指を抜き、その飛沫を手の平で受けて舐め始めた。

「うひー、甘露、甘露……。クソ生意気な別嬪がどうしようもなく噴いちまった潮ってのは絶品だな。
 しっかし解りやすいねぇお前、こないだ弄繰り回したフィリピン女と、膣の構造も逝くタイミングも同じだぜ。
 ……って、聴こえちゃいないか。おい記録係、Bが一回逝ったぞ、ちゃんと記録しとけー」

検査官は、息を荒げる鮎夏の首元を差して言った。
確かに首元のランプは、完全にではないがほのかに赤く光っている。
「……了解しました」
マレッタは自分本位な男に内心苛立ちを覚えながらも、経過時間ごとに細かく設けられたチェック欄へ印を付ける。
このチェック欄が、これから印で埋め尽くされていくのではと恐れながら。





「さて、と。んじゃ本格的に査定を始めるぞ。いいな記録係」
検査員の1人がマレッタに呼びかけ、寝台の上に寝そべった。
広い部屋に設置されたベッドのいくつかでは、すでに他の娘達も検査官に抱かれはじめている。

検査官の手招きで寝台へ上がった鮎夏の前で、検査官が下穿きをずり降ろす。
その予想外の大きさに、鮎夏に変わってマレッタが目を見開いた。
太さは女の片手では握りきれないほど、長さは一目見ただけでも膣に収まり切らない事が確信できるほどだ。
検査官は悠々と屹立したその剛直を見せ付けるように脈打たせる。

「ほら、どうした。この黒人よりデッカイやつで犯してやる、さっさと跨がれ」
検査官に催促を受け、鮎夏は男の腰の上で静かに脚を開いた。
その顔は他の娘同様の無感情なものだが、男の規格外の物を前にし、しかもそれを今まさに自らの性器へ迎え入れるのだ。
女として恐怖のないはずがなかった。
鮎夏は大きく脚を開いたまま、右手をシーツに突き、左手を尻側から回して剛直を掴んだ。
マレッタより幾分大きな鮎夏の手でさえ、その剛直を完全に握りきることができない。

そのままゆっくりと腰が下ろされた。
剛直の先端を秘唇に宛がい、溢れる蜜を利用して滑るように中へ迎え入れる。
その瞬間、かすかに鮎夏の腰が跳ねた。
痛みを感じたのだろうか、膝立ちの状態から左脚を立てるように変え、股の開きを大きくしてさらに腰を進める。
メリメリ、と音のしそうな動きで、赤黒い剛直が少しずつ鮎夏の桜色の部分に呑み込まれていく。
「おおお、締まる締まる。最高だぜ」
気楽な検査官の声とは対照的に、鮎夏の首筋からは汗が滴っていた。
逸物を半ばほどまで迎え入れたあたりで、立てた左脚に痙攣が起き始める。
あまりに太すぎるものを受け入れ、膣内がパニックを起こしたのかもしれない。

「おいおい、何止まってんだよ。逸物がデカすぎて怖気づいたか?」
「まさか。クスリで頭ン中停止状態になってんのに、恐怖心なんざ残ってるわけねぇだろ」
他の検査官達も野次を飛ばし始め、鮎夏は意を決したように痙攣する下半身を強引に下ろし始めた。
そして最後には溶けかかるように男の腰へと両脚を密着させ、膣奥を剛直で突き上げられるままにする。
無論、望んでそうしているわけではない。しかし他の娘なら皆そうする。
クスリの効果で痛みのない“マグロ状態”となっており、それに倣うならば、鮎夏も膝の力を抜いて男に身を委ねるしかなかった。

 (クッ……。太いだけじゃない、ほんとうに何て長さなの……!?)

マレッタは眉を顰める。
おそらく剛直の先は鮎夏の奥の奥まで達しているだろうに、それでもなお3分の1ほどが外に晒されている凶悪さ。
そしてその規格外の物が、今から体内で動くのだ。自分に置き換えて考えると、マレッタにはとても耐えられない。

「へへ、やっぱ最高だぜココの女は。子宮口突くまでになってんのに、その上で押し付けるみてぇに腰を落としてきやがる。
 クスリで足腰がきかねぇのか、痛みを感じねぇのかは知らんが、俺の物をまともに受け入れられる女は少ねぇからよ。
 亀頭が包み込まれて気持ちの良いこったぜ」
男はそう言いながら、容赦なく鮎夏を突き上げ始めた。
なんと残酷なセックスだろう。
鮎夏は、男が腰を掴んで反らせるままに最も感じる部位を犯され続ける。
腰を叩きつけながら捻られ、ゴリゴリと奥を抉られ続ける。
膝に力をこめて緩和する事も出来ないまま、敏感な膣のみでそれらを全て受け止めなければならない。
無反応を装ったままで。

「こりゃホント気持ちいいぜぇ。よく鍛えられてて、締まり具合がハンパじゃねぇ。
 入り口辺りと奥が、雑巾絞りするみてぇにギュウギュウ俺の太いのを締め付けてきやがる。
 だがお前だって堪らねぇんだろう?
 今まで何人も犯してきて、コイツが女泣かせだって事はハッキリしてっからなぁ。
 こうやって腰を掴んで捻り加えて、奥をもう一段階押し込んだ瞬間で留めてやりゃあッ…………!!」

男は嬉しげに語りながら鮎夏の腰を掴み、捻るようにしながら自らの腰へと強烈に引き寄せた。
そして鮎夏の恥丘が潰れるまでになったところで、無理矢理に腰を留める。
「…………っ!!!」
鮎夏の顔が天を仰いだ。その瞳は静かに閉じられ、唇も閉じた綺麗な顔だが、その行動自体が自然ではない。
外面からは読み取れない反応は、秘部の深くで繋がりあう検査官によって語られた。

「ふん、今ので自分から腰を動かし出さなかったのは評価してやる。
 だが感じちまうのはどうしようもねぇよなぁ、奥のほうが切なそうに、キュンキュン締め付けてきやがるぜ」
検査官がそう言った直後、晒された鮎夏の首にあるランプが灯る。
さきほど潮吹きで光ったものよりも明らかな光だ。
「へへ、逝っちまいやがった」
どこかで上がった声と共に、マレッタの手で再び記録簿にチェックが付けられる。

「頑張ってたようだが逝っちまったか。俺を相手に一度逝っちまうと、後がきついぜぇ。
 今までの女の例で言やぁ、こっから3分もたずに連続絶頂の世界へ引きずり込まれるペースだろうな。
 ま、せっかくの健康美人だ。遠慮一切ナシで愉しませて貰うぜ」

男は言いながら、いよいよ潤滑を増した秘部を突き上げ始める。
亀頭で的確に子宮口のみを狙い打つプロの技術。
極太で無理矢理に相手の膣内を征服し、相手がそのリズムに慣れた辺りで急に腰を止める残酷な緩急。
「へへっすげぇ、俺のデカイのがもうほとんど全部入り込んでんじゃねぇか!
 亀頭がヌルヌルしたのに包み込まれてるぜぇ、奥の奥で子宮口がツブれたか?」
鮎夏はだらりと膝の力を抜き、細い腰を掴まれながらやられたい放題に責められ続けるしかない。
すべては捜査を無事に終わらせるため。
事前に組織内で行った特訓の成果か、ひどく乱れるような姿だけは敵へ晒さずに済んでいる。
だが無抵抗に交わりを続けられ、瑞々しい女体が全く感じずにいられる筈もなかった。

「あっ、あっ、あっ……あ…………あっ」

天を向いた鮎夏の唇が開き、かすかに熱い息を吐きはじめる。
唇の端から涎が垂れ、首筋を伝って豊かに跳ねる乳房を流れる。
首元の赤いランプが点滅するように着いては消えた。
騎乗位で突き上げられる鮎夏が、背筋を震わせたまま連続絶頂に見舞われている事は、誤魔化しようのない事実といえる。

『被検体B、11~14度目の断続的なオルガスムスを確認。平均間隔50秒弱。
 なお12回目の絶頂後、微量の失禁あり。色・黄褐色、量・フラスコC1/3程度』

マレッタはその立場上、パートナーの現状を無機質に報告しなければならない。それは彼女自身の心をも氷のように突き刺した。



鮎夏を犯そうとするのは、当然最初の1人だけではない。
1人目が4度の射精を経てようやくに極太を引き抜いた後、続いて別の男が鮎夏を押し倒す。
その2人目は汗だくの鮎夏をベッド上で横臥させ、くの字に曲げさせた脚を重ねる変則的な格好で犯しはじめた。

「こりゃ完全にラブドールだなぁ。手足がダラッとしちまってて、足首掴んでやらねぇと安定しねえ。
 だがまぁ、人形にしちゃ肌はあったけぇし柔らけぇし、唇から息も漏れてやがる精巧ぶりだ。
 たとえマグロでもアソコの具合は最高だしな。
 窮屈な格好で締め付けっから、ブツがやわらかく捻られてるみてぇだ。
 珍しくあの極太に拡げられた後でも気持ちイイぜ」

男はそう言いながら、夢中になって鮎夏を犯し続ける。
鮎夏はキリリとした瞳をやや細めつつも、なんでもない風を装っていた。
だが先ほどまでとは微妙に違う所に当たる上、男が丁寧に丁寧に感じる場所を擦りあげてくるのでは、感じないはずがない。
やがてはその横臥の状態でも、後頭部を枕に押し付けるようにしながら絶頂ランプを灯らせてしまう。


3人目は更なる変化を求め、鮎夏をベッドから降ろし、寝台に顔を突っ伏すような格好でのバックスタイルを取った。
先ほどまでと比べ、格別に深くまで入り込む体位だ。
男は高く掲げた鮎夏の尻肉を鷲掴みにし、一切の容赦なくゴリゴリと膣奥を抉り回す。
リズムといい、突き込みの深さといい、オンナにとって快適すぎるのが傍目にも感じ取れた。

「…………っ!!
  ………………――ッッ!!!!」

シーツに髪を押し付けながら、鮎夏の口が幾度か開閉する。
3度目の体位というのもあって、本当に気持ちが良すぎ、あああ、と甘い声が漏れそうになっているのだろう。
同じ女であるマレッタにはその心情が生々しく理解できた。

「いいぜ、いいぜ、最高だぜお前……!!!」
男は互いの脚を絡み合わせるようにし、鮎夏のさらに奥深くを求める。
「ッ゛!!!」
どうしようもなく心地良かったのだろうか。鮎夏の肘がシーツをへこませ、顔が寝台から離れた。
汗の水分を吸って乱れた髪が、その首筋や頬にはりついて表情を隠す。
「ほーら、恥ずかしがらずにキレイなお顔見せろよ」
彼女にとってはそれは好都合だったろうが、相手の表情を見たい検査官達は無情にも髪を払いのける。

顔を露わにされた鮎夏は、再びベッドに肘を突いて耐え続ける。
下から覗き込む視線を受けて、顔は精悍さを保っているが、眉の辺りがどうにも苦しげだ。
脚の間にどろっどろっと愛液が零れていくが、どうしようもない。
気を抜けばより快感を貪るべく、足の指が床を踏みしめてぴんっと強張りそうにもなるが、
そこはあえて柔らかく膝を曲げて為されるがままを演じているようだ。

「こんなになっててもまだ声が出んとは、クスリって怖いね」
「他の娘も反応としちゃ似たようなもんさ。まぁあちらさんは、もう喘ぐ覇気もないって感じだが」
男達は口々にその様子を品評する。
それでも鮎夏の背筋をザクザク切り上げられるような快感は変わらないらしく、
何度も腹筋をへこませ、尻を掲げては周囲に快感を知らしめていた。


他の娘達が気の抜けたような喘ぎを発する中、鮎夏への一方的なセックスはさらに続く。

再びベッドの上に押し倒され、正常位で、右の足裏を相手の腹へ付けるように曲げたまま貫かれる鮎夏。
その不自由な格好のまま、さらに左脚をベッドから落とすようにして大開脚にさせられる。
秘部が全て相手に晒されてしまう、屈辱極まりない格好だ。

そして恥ずかしいだけでなく、鮎夏にとってその格好は快感も大きいらしい。
首元のランプはかなりの快感を訴えているが、ベッド横に下げた左脚はだらりとさせておかねばならない。
鮎夏は快感で思わず握りしめそうになる手を、左手は背中の下敷きに、右手は枕代わりにして巧妙に隠していた。
しかしそうして耐え凌いでいても、やはりストレスで昂ぶっていってしまう。

「さすがにもう何度もイッているだけあって、子宮がすっかり降りてきてるな。
 乳房も腹も太腿も、汗で濡れ光っていやらしいもんだ。
 相当感じてるはずだが、こうも全く喘がないのはクスリのダウナー効果が効き過ぎたのか?
 それとも教育係どもの言うとおり、本物のマグロ女なのかね。
 こう元の造りがいい上に涼しーい顔されちゃ、意地でも乱したくなっちまうぜ」

検査官は鮎夏を深く抱え込み、曲げさせた右足の膝裏付近を舐めまわしながら深く抽迭を繰り返す。
ぐちゃっあっと何とも生々しい結合音が鳴る。
「うあ……っあ」
それでも鮎夏は、ほんのわずかに喘ぐだけで乱れた所を見せようとしない。
すると男はさらに姿勢を変え、鮎夏の頭をベッドの向こうに落とすようにさせた。
「ぐっ!!」
これにはさすがに鮎夏も声を上げた。
「ふふ、どうだいその格好は。身体が反って、やばいぐらいに挿入感が増すだろう。
 頭の中を何度も快感が走り抜けるような感じじゃないか?」
男は鮎夏の首元にあるランプを凝視しながら、気分よく腰を叩きつけていく。
マレッタの指が動き、事細かに鮎夏の絶頂を記録していく。

このセックス地獄は、たっぷり4時間の間、充分な休みもなく続けられた。
マレッタの案じた通り、その時間帯の『被検体B』の絶頂記録は、予定されていた欄を埋め尽くすに充分なものとなった。





「さすがに4時間もやりっぱなしだと、コイツでも緩くなっちまうもんだな」
「ああ。特に一人馬鹿みたいにデカイのがヤりまくるから、その度に拡がっちまう」

検査官達は横たわる鮎夏を見下ろして告げる。
不特定多数で代わる代わる輪姦し、何十の精を膣内へ注ぎ込んだだろう。
はじめ初々しかった桜色の陰唇も、今や充血して本物の唇のようになり、中の粘膜を覗かせながら白濁を吐き零していた。
しかしそれでもなお、鮎夏は品を保っている。
他の5人の娘のように、だらしなく舌を垂らして喘ぐような真似はしない。
それがマレッタには頼もしく、また検査官にとっては、更なる加虐心を呼び覚ますらしかった。

「ほー、こっちの姉ちゃんはまだしっかりした瞳ェしてやがんな。
 俺らの方はやりすぎたのか瞳孔が開いちまって、しばらく使い物になんねぇよ」
別の娘を抱いていた男達も、飽きが来たのか鮎夏の周りへと集まってくる。
珍しい日本人女性であり、薬に耐性があるために品を保ててもいる鮎夏は、格別に男達の興味を引くらしい。
人の波が人の波を呼び、やがて鮎夏の周りには30人近い人だかりができていた。

「すっかりギャラリーも増えちまったな。おい、脚を抱えてザーメンまみれのアソコがよく見えるようにしな」
検査官は人だかりに気を良くし、鮎夏に命じる。
鮎夏は余計な疑いを持たれないためにも従うしかなく、大きく脚を開いて秘部を衆目に晒した。
それだけで新規のギャラリーから歓声が沸く。
「うへ、すげぇ。あのクールビューティーがMの字に脚おっ開げてやがる。眼福だねぇ」
「ビラビラからどんどんザーメンが溢れてくるじゃねぇか。お前ら一体どんだけ出したんだよ」
野次と共に、男達の視線は無遠慮に鮎夏の恥じらいの部分を嘗め回す。
マレッタにはそれすら許しがたい行為だった。

 (……ひどすぎるよ。4時間もあんなに犯されたあそこを、この人数に見せなきゃならないなんて……。
  鮎夏……耐えてね。こんな奴らに、絶対負けちゃダメ)

誰にも見えないよう拳を握りしめるマレッタをよそに、男達の視線はますます遠慮をなくしていく。
いつしかその視線は、白濁を零し続ける陰唇からやや下がり、なお慎ましく息づく肛門へと集まり始めていた。

「へへ。オマンコはしばらく使う気にならねぇが、こっちはまだ初々しいもんだな、姉ちゃん」
1人が鮎夏の前に陣取り、秘部に指を沈めて粘液を掬った後、おもむろにその指を尻穴へと捻じ込んだ。
再び歓声が上がる。
「おいおい、クソの穴かよ?んなとこマジで弄くるヤツ、初めて見たぜ!?」
「いや、だがこの女が恥ずかしがる所は見てみたいしな。ケツの穴ってのは、案外アリかもしれんぜ」
男達の品のない言葉を聞きながら、マレッタが口を押さえる。

 (う、うそ……あの男の指、本当に鮎夏のお尻に入っちゃってるの!?
  ありえない、うんちする穴に指を入れるなんて。……あんなところ、違う…………!!)

後孔への指の挿入を受けた鮎夏自身も、一瞬虚を突かれたように下を向き、再び虚空へと視線を戻す。
その顔は一見冷静に見えるが、鮎夏が尻穴に指を入れられて何とも思わない人間ではない事を、マレッタはよく知っている。
鮎夏はどちらかと言えば潔癖な人間だ。
付き合いの長いマレッタですら、遊びででもスカート越しに尻穴に触れれば大目玉を喰らうだろう。
そんな鮎夏が、丸裸のまま、衆人環視の元で尻穴を穿られている。その屈辱たるや想像するに余りあった。
それでもマレッタは自らの役目を全うするしかない。

『4時間2分、被検体Bの肛門部への性感調査を開始』

極めて事務的な声でそう告げた瞬間、鮎夏のかすかな動揺が伝わってくる。
マレッタは心中で謝りながら、尻穴に指を挿れられる鮎夏の様子を詳細に記録し始めた。


鮎夏への尻穴嬲りは、その尊厳を削り取るかの如く、いやらしく続けられた。
菊輪という言葉さながらに放射状に並んだ皺を、指で丹念に伸ばしていく。
菊輪が綻んだ所で、中指の腹を使って輪のすぐ内側を揉み潰していく。
そうして尻穴が小さく口を開けば、いよいよ中指を挿入して出し入れする。

「へへ、中指が食い千切られそうにきついぜ……こりゃ正真正銘の初物だなぁ。
 ホラどうだ?俺の中指が、出たり入ったりしてるのを感じるだろう。
 蛇に入り込まれた時もえらく反応してたしなぁ。俺は最初っからお前の顔だけを見てたから、よく覚えてんだよ。
 蛇のやつと俺の指、どっちが尻穴で気持ちいいんだ?」

男は薄笑いを浮かべながら鮎夏の尻穴を嬲る。
鮎夏は答える事もなく、やはりいつも通りの凍りつくような表情を変えずにいた。
尻穴を嬲られながらのその表情は、検査官達の心を打つ。

「いやぁしかし、生意気そうな女だなぁコイツ。極稀にこういう、クスリ打たれても射殺しそうな目の奴がいるんだよな。
 大体そういう奴は、国家転覆レベルの大仕事をやらかすって話だが……この女はどうかね」
「天晴れな女って事は間違いねぇだろう。さっき犯されてる時も、この女の声は全く聴こえて来なかったからな。
 記録によりゃあ不感症どころかイキまくってたようだが、かなりプライドが高いらしい。
 こうして尻穴ほじくられる所を大勢に見られるのも、耐え難いはずだぜ」
「全くだ。お前ら、くれぐれもマスクは外すなよ。素顔が割れたら、後々消しに来るかもしれんぞ」

検査官達が笑いあう中、男の指責めも激しさを増していく。
尻穴に入り込む指は、とうとう中指と人差し指の2本になっていた。

「尻の孔をこんだけ丁寧にほじくられるのは、生まれて初めての体験だろう。
 今ここで、まずクソをひり出す快感をたっぷりと尻穴に刷り込むぜ。
 膝の裏引きつけて、ケツにしっかり意識を集中しときな。
 こっからドンドン凄くなる……お前のまだ知らない世界を、2度と忘れられない位に堪能させてやる」

男はそう囁きかけながら、2本指を尻穴の中で広げ、弄繰り回し、臍側の壁を擦るようにしながら一気に抜き出す。
まるでその鉤状の2本指で排泄物を掻き出すかのように。
指が抜かれるたび、鮎夏の尻穴からはぎぽっと空気を含んだ音が立った。
指が入り込んで中で蠢いている間は、ぬちっ、という音。
男の飽くことのない尻穴責めは、ぬちっ、ぎぽっ、ぬちっぎぽっ……と定期的に恥辱の音を繰り返す。

尻穴を弄くるそうした指の動きも目を引くが、それによって着実にふっくらと開いていく蕾もまた見物だった。
むちりとした尻穴や太腿のラインもまた、尻穴責めの見栄えを良くするキーポイントだ。
鮎夏の顔は視線を意識するのか凛としたものだが、尻穴を延々と指で穿られると、やはり身体が反応してしまう。
尻穴嬲りが長引くほどに筋張っていく内腿、時おり堪らなそうにきゅっと内側に折れる足指。
それらはクールを装う鮎夏の心中を察する貴重な要素で、常時数名の男に見張られては反応をあげつらわれた。

指責めを繰り返していた男は、やがて粘液まみれの指を抜き去る。
そして指を嗅ぎ、ぽっかりと口を開いた肛門を眺めながら笑みを浮かべる。
「さて、指ばっかりってのも絵面が面白くない。そろそろ道具も使っていこうか。
 幸いここには、アナル用の道具なんざ腐るほどあるからなぁ」
男はそう言いながら、細めのディルドウにたっぷりとローションを振りかけた。



それからしばし時が経った。
鮎夏の尻穴には今、そこそこの太さがあるディルドウが出し入れされている。
その挿入部の下には夥しい数の道具が転がっており、その全てがやや黄がかったローションに塗れている事から、
間違いなく鮎夏の尻穴に対して使用されたのだと判別できた。
さらに鮎夏の口は、興奮のあまりマスクを外した男に奪われ、終わることのないディープキスを強要されてもいる。

「お姉さんのお口おいしー。お尻の孔穿られながらキスしまくって、綺麗な唇がすっかり唾にまみれちゃったね。
 息もさすがに荒くなってきちゃったみたいだし……いい匂いだけどそそる、変な息。
 あああホントに何回見ても美人顔だぁ、また唾出てきた。もっともっとその甘いお口の中、味わわせてねぇ」

男は妙な猫撫で声で鮎夏に呼びかけ、再びその顎を持ち上げて舌を絡ませあう。
鮎夏の方はされるがまま、舌を一切動かさない徹底した受動のキスだが、男は一切気にしていないようだ。
絡み合った舌から唾液がこぼれ、鮎夏の首筋を汚す。
鮎夏は感情を覗かせない瞳をやや上向かせたまま、男が貪りに飽きるのを待っているようだった。

「しっかし、この女も感じてきたもんだよな。今じゃ尻の奥まで挿れて抜くたびに、腸液が纏いついてるんだから」
「そりゃあそうだろう。この人数の前でマンコと尻穴晒しながら、あんだけ丁寧に尻穴開発されたんだ。
 キスだって、いくらあの気味の悪いデブ相手でも、ああまで深くしつこくされちゃあヘンな気分になるだろうしな。
 男なら、趣向なんざ関係なしにもう3回は射精してておかしくないぐらいだと思うぜ」
「ホント、お尻の穴トロトロになっちゃってるな。あのイボだらけの曲がったバイブが、一番反応良かったかな?」

男達は鮎夏を観察しながら口々に告げる。
その満足げな口調は、そろそろ尻穴嬲りも充分で、次の段階へ進むべきだとの色を含んでいた。
それを読み取り、尻穴を嬲る男が深々とディルドウを挿しいれる。
鮎夏の腰がびくんと跳ねた。
そのまま男の指が腸の奥深くでディルドウに円を描かせると、かすかに鮎夏の瞳が揺れる。
男は全てを把握している笑みで、ゆっくりとディルドウを引き抜いた。
視線が抜け出る瞬間に集まる。
かくして抜き出されたディルドウの先端には、かすかに茶色い汚れが付着していた。
場の誰もが薄々感じていたことだ。

『よ、4時間57分……7番ディルドウ先端部に、被検体Bの腸内残留物の付着を確認。
 S字結腸付近に残留している恐れあり』
やや声を震わせながら、マレッタが分析する。
検査官はその言葉を受け、勝ち誇ったような顔で汚物の付着したディルドウを鮎夏の前に晒した。

「へへ、お前みたいな美人でも、やっぱクソはあるみてぇだ。
 これからお前の尻穴で愉しもうって時に、こんなのがあっちゃいけねぇよなあ」
男達の言葉に、鮎夏はなおも深いキスを受けながらディルドウを凝視する。
羞恥のあまりハラワタが煮えくり返っているのだろう、とマレッタには読み取れた。
しかしあくまで潜入捜査官である鮎夏に、逆らうことなど許されない。
「まずは腸を綺麗にするぞ。立て、被検体B」
男達が悠然と告げる。鮎夏はただ、それを冷ややかな瞳で睨み返すしかなかった。




「お、何だ、あの黒髪女に浣腸すんのか?」
「ああ、しかも自分でやらせるらしいぜ。しっかし、あんな美人が恥ずかしい格好させられてんなぁ」

男達が部屋の一角を遠巻きに見て囁きあう。
そこには人垣が出来ており、その中心では、鮎夏が蹲踞の格好を取らされていた。
鮎夏の前には巨大な金盥が置かれており、透明な水が光を受けて揺れている。
検査官がそこへ、瓶に入った薬液を垂らしいれた。
手で掻き混ぜられると、透明な水にわずかにヌメリのような渦が現れる。

「ついでだ、コイツも入れとくか」
男は周りに確認を取りつつ、初めに6人の娘が自らに打った注射器を手に取る。
そしてシリンジを引き抜き、中身を水の中に混ぜ込んだ。
1本だけではない、2本、3本と続けて入れる。
「オイオイ……いくらなんでも3本もクスリ混ぜんのはやばくねーか?
 直腸ってのは吸収率がヤベーんだぞ、酒だって中毒になるしよ」
観衆の1人が言うと、薬液を作る男がおかしそうに笑う。

「今さら何言ってんだ。どうせこの女共は、とっくにウチのクスリ中毒じゃねーか。
 だからこそこいつらを裏で縛りつけられんのさ。組織系列裏切ったら、クスリの供給が止まるからな。
 こうやって最後の最後にクスリ打って輪姦すんのも、我の強いヤツをダメ押しでジャンキーにするためだろ?
 だったら上等じゃねーか。肛門でたっぷり吸い上げて、廃人になってくれたってよ」

男の言葉に、納得した空気が流れる。冷めた瞳をしているのはマレッタと鮎夏だけだ。
男達はそんな2人の心境など解する気もなく、出来上がった薬液入りの盥を鮎夏の前に押し出す。
とぷんと音がし、その水の中に透明なエネマシリンジの端が漬けられた。

「さぁ、始めろ。念の為説明するが、そのチューブの片端をケツに突っ込んで、
 真ん中のゴム球を握れば薬液が入っていくっつうシンプルな構造だ」
男が説明と共に浣腸を促す。
周囲がにわかに沸き立つ中、鮎夏は命ぜられた通りにチューブを摘み、その先端を尻穴に押し込む。
「お、簡単に入ったぜ。さすが指やら道具やらで拡げただけあるな」
「美人のすらーっとした脚の間にチューブ。絵になるねぇ、可愛い尻尾が生えたもんだ」
観衆の野次が飛ぶ。
鮎夏はそれらを意に介さずといった様子でチューブを手の平に収めた。

息を呑んで見守る中心で、白く長い指がゴム球を握り込み、水面からごぶっと泡の立つ音がする。
エネマシリンジが透明なため、薬液が吸い上げられて鮎夏の尻穴の中へ入り込んでいく様が丸見えだ。
男達はその瞬間に鮎夏の顔を振り仰ぐ。
鮎夏はやはり捜査官時さながらの表情を崩していないが、尻穴に自ら薬液を注がされている今は、
その凜とした表情すらも男達の良い肴となるのだった。

鮎夏の指がゴム球を握り込み、ごぷっ、ごぷっと水面で泡の音が立つ。
一見するとそれだけの変わり映えのしない光景だが、金盥の中の水位は着実に下がっている。
それはそのまま、鮎夏の女らしい骨盤の内へと入り込んだ量と考えられ、何とも背徳的だった。
鮎夏は何十という下卑た視線に晒されながら、淡々とゴム球を握り込んでいく。

「結構早いペースだな、表情も全く変わらんし。この女ども、時々本当に機械なんじゃないかと思うぞ」
「確かにな。尻の穴に水が入り込んでも、何も感じないのかね」

そう詰られながらも鮎夏の指は動き続け、ついに金盥の薬液が空になる。
ふぅっと桜色の唇から吐息が漏れた。平静を装っていても、やはり息苦しいのだろう。
場の空気もひと段落となり始めたその時、一人の男が金盥へ再び水を注ぎ込んだ。
鮎夏の瞳が上を向く。
「おかわりだ。この盥は約1リットル入る、腹が一杯になるまで飲め」
男はそう言いながら薬液を垂らし込んだ。
周り中から歓声が沸き、鮎夏とマレッタは唇を噛む。それでも、従うしかない。

鮎夏は後ろへ回した右手の指でシリンジの端を肛門に固定したまま、
左の掌でゴム球を握り込んで金盥の水を吸い上げていく。
二杯目、三杯目……。それだけの水を腸内に送り込むうち、彼女の身体にははっきりとした変化が表れはじめた。
「おおすげぇ……腹がパンパンに膨れてきやがった」
「この女の腹って、初めはかなり細かったよなぁ。それがもう妊婦みたいだぜ?」
男達の指摘する通り、鮎夏の腹部は水を入れるごとに膨らみ、今や子を身篭ったように成り果てていた。
マレッタがいつも見てきた、すらりとしたボディラインが見る影もない。
そうなってもなお赦しは出ず、鮎夏は四杯目の金盥の水を自らへ注ぎ込む。

「はっ、はっ、はっ……はぁっ…………」

鮎夏はさすがに苦しげな息を吐いていた。4リットル近い水が腸を押し広げているのだから当然だ。
そのタンクのような水の層は、腸の奥の奥まで入り込み、小腸や胃までをも圧迫している事だろう。
柳眉は顰められ、顔の至る所から油汗が伝い落ちている。
蹲踞の姿勢を何とか保ってこそいるが、その太腿や足首は激しく痙攣して止まらない有り様だ。
男達は、それら美しい鮎夏の限界を観て愉しんでいた。

さすがに緩慢になったゴム球の握りで四杯目のバケツが空になる。これで約4リットルだ。
汗みずくで睨みあげる鮎夏の前で、また盥へ水が注ぎ込まれる。
赦しは出ない。
鮎夏は奥歯を噛みしめ、ゴム球を握り込んだ。しかし、握っても水がエネマシリンジの中を上がっていかない。
「真面目にやれ」
男が冷たく言い放つと、鮎夏はますます怒りを滲ませながらゴム球を握り込んだ。
何とかその水が肛門へ入り込んだ直後、ぶずっという破裂音と共にその水が床へぶちまけられる。
鮎夏ははっとした様子で下を向いた。
「…………ッ!」
当然の如く沸く歓声に顔を顰めながら、なおを水を入れていく。
しかしそこからは、何度やってもシリンジの水が入り込まない。
かろうじて入ったと思った瞬間には、シリンジの中を液が逆流し、金盥に泡立ちながら微かな黄汚れを広げるばかりだ。

「……流石に限界か」
鮎夏が自ら浣腸を施す様子を見守っていた男が、肛門栓を手に鮎夏の前へ膝をつく。
「しっかりと尻穴を締めておけ。ここで漏らしたら、床へこぼれた分を舐めさせるぞ」
男はそう言いながらシリンジの端を肛門から抜き去り、入れ替わりに素早く栓を嵌め込んだ。
そして栓の底についたネジを固く巻き、さらにチューブで繋がったゴム風船を何度か握り込む。
「っ!」」
鮎夏の腰が浮いた。

「ふん、凄まじいだろう。こいつは特別製でな、奥へ入り込んだ部分がネジを巻くことで広がり、
 さらにその手前でバルーンが膨らむ二重仕掛けだ。
 腸の限界まで膨らむバルーンと返しの2つが組み合わされば、どれだけ気張っても自力では排泄できない。
 元は浣腸責めの為に作られた拷問器具だからな。
 大量に浣腸をぶち込んだ後、こいつに鍵をかけた状態で二晩も転がしときゃあ、
 男も女も涙ながらに自白してくるらしいぜ」

男は恐ろしい事を口走りながら、鮎夏の腕を掴んで無理矢理に立ち上がらせる。
そうして壁に手をつかせ、衆目に栓の嵌まった肛門を晒させた。
なかなかに衝撃的な光景だ。
肛門栓は遠目に見た時よりも太さがあり、鮎夏の初々しい菊輪を皺がなくなるまで押し拡げて嵌まり込んでいる。
中でバルーンと返しが膨らんでいる事を考えれば、圧迫感はそれ以上だろう。
「おい、見ろ!」
1人が肛門栓の周りを指差した。
栓は肛門を限界以上に押さえつけるが、それでもなお少量の薬液が溢れてしまっている。
何しろ直腸に入っていたものだ、元の通り無色透明とはいかない。
かすかに茶色く変色した筋が、細かに痙攣する伸びやかな脚線を伝い落ちていく。

マレッタはその様子を記録簿に書き留めながら、紙を破るほどに強くペンを押し付けていた。
周囲では、当然のごとくに男達の耳障りな歓声が起きている。

「へへ、クソ汁がちょこっと漏れちまってるじゃねーか。脚もブルブルしてっしよ。
 ご自慢だった腰のくびれも、今じゃまるでトドみてーだ。
 自分じゃあ解らねぇだろうが、えれぇ光景晒してんだぜ? どうだよそれ知った今の気分は」

男の1人が口汚く罵った。
鮎夏は苦しげに息を吐きながら、なお厳しさを残す顔で振り向く。

「はっ……はぁっ…………このくらい、なんともないわ」

その鮎夏の言葉に、ますます狂乱は激化した。
「ひょお、初めておねーちゃんの声が聞けたぜ。ゾクゾクするような冷たい声だなぁ」
「今までこっちの言う事全部無視してたくせに、ここで急に反論するってこたぁ、こりゃ相当参ってンぜ。
 このまま座禅組ませて一晩置いたら、ボロ泣きすんじゃねーのか?」
そうしてますます笑いの種になる。
いよいよ口惜しげに奥歯を噛みしめる鮎夏の横に、一人の男が立ちはだかった。

「そうか、“何ともない”のか。なら、もうしばらく我慢してもらおうかい。
 そうだな……跪いて俺のモノを咥えろ。ここにいる全員を満足させりゃ、出させてやるよ」

男はマスクを揺らして下卑た笑みを覗かせ、大振りな逸物を曝け出す。
鮎夏の瞳が動揺を示した。
何しろ『もう入らない』という本当の限界まで薬液を腸に溜め込んでいる。
強がってはいるが、その量と薬液の効果で、今すぐにでも排泄したい欲求が頭を満たしているだろう。
しかしながら、やはり鮎夏に拒否権などありはしない。
従わなければ排泄させない事だけは確かだろう。
狂ったような歓声が部屋を揺らす中、鮎夏は男の足元に跪く。
 (…………鮎夏っ…………!!!)
マレッタが悲痛に目を細める前で、鮎夏はにおい立つ男の怒張へと舌を這わせはじめた。

「んっ……ふむっ……んんっ…………んちゅっ……」
しばらくの間、鮎夏の懸命な奉仕が続いた。
舌で剛直を舐めしゃぶり、手を使って根元を扱く。
しかし数分の後、早くも達しそうになった男は煩そうに鮎夏の腕を払いのけた。
「く……!ええい、主導するなメスブタッ!!」
そして同時に鮎夏の頭頂部の髪を鷲掴みにし、自らの腰へ押し付けるようにし始める。
「う゛おっ!!」
急激な変化に鮎夏がえづきを上げる。

マレッタは気付いてしまった。
男達が鮎夏に求めたのは、女が口で男を射精に導く『フェラチオ』ではない。
女の尊厳や苦しみを一切無視し、ただその口腔を精処理道具として使用する『イラマチオ』だ。
鮎夏もそれを悟ったのか、喉奥を突かれる苦しみの中で両腕をだらりと垂らす。
瞳だけを燦爛と輝かせて男を睨み上げる美女が、頬をへこませ、えづき上げ、無防備に口内を蹂躙される。
それの何と背徳的な事だろう。

「おおうっ、いいぞ。具合のいい喉マンコじゃねぇか」
男は鮎夏の後頭部を掴みながら、自らの腰へと鮎夏の頭を引きつける。
「ごっ、ほお゛っ、んむげおろっ……!!!」
口をほんの片時閉じることもできずに喉奥を突かれ続ける鮎夏は、濁った声を漏らしながら目を見開いていた。
さすがに喉を潰される生理現象を迎えては、演技も何もあったものではない。

「そうだ……叫ぶようにして喉の奥を開いてみろ……ああいいぞ、亀頭の先が少しずつ入り込み始めてんな。
 唾やらヨダレやらがヌルヌルに絡みついてきて、動かしやすくなってきたぜ」
男はそう言いながら鮎夏の頭を前後させる。
その言葉通り、鮎夏の口からは大量の涎が零れ落ち、太腿に小雨の降ったような透明な跡を残していた。

「……ぐ、ごぐ、ぅお゛おっ……お゛、お゛ぇええお゛っ」
鮎夏のえづき声が延々と部屋に響く。いつしかその口元の涎は白く濁り、泡立ち始めていた。
「おう、それ気持ち良いぜ……おらもっと奥だ、もっと!!!!」
男は浮かれたように叫び、鮎夏の頭を強く抱え込む。
さらにその状態で顎までも掴み、無理やりに奥まりへ逸物を捻じ込んだ瞬間……鮎夏は限界を迎えた。

「かはっ……!あ゛っ、ごえ゛ぇっ…………!!」

逸物を奥まで突きこまれた顎が大きく開き、そこから逸物を押しのけるようにして白い塊が落ちていく。
びちっ、びちっと幾つも続けて。
「ははっ、この女ゲロ吐きやがったぜ? これでも何でもない、って澄ました顔で言うのかねぇ」
男達が騒ぎ立て、マレッタが目を瞑る。
その中で、逸物を咥えさせている男はますます興奮気味に息を荒げた。

「はああ……熱いゲロが逸物を流れてて、気持ちぃぜぇ。思わず吐いてる途中で出ちまった。
 俺はココまでにしとくが、後は好きなヤツに可愛がってもらいな」
そう勝手を言って鮎夏の身体を突き放す。
「あっ。かはっ……」
床に手をつき、黒髪を揺らしてなおも口の端から銀の糸を垂らす鮎夏。
嘔吐したばかりの人間を誰が襲うのか。
マレッタが嘆息しつつ想うその倫理観は、しかし容易く踏み越えられる。

「よ、よし空いた、次は俺だ!!」
別の1人が飛び掛るように鮎夏を壁に寄りかからせ、腰で押さえつけるように咥えさせる。
「ごぉっ……!!!」
壁と男の腰に挟まれ、鮎夏も声を殺しきれない。
しかし彼女は嘆いてばかりでもいなかった。一方的に口を蹂躙されながら、目元が涼やかさを取り戻している。
涎や吐瀉物を零してしまうのは生理現象として仕方ないが、だからそれがどうした、そう言わんばかりだ。

「へへへへ、相変わらずそそる眼だなオイ」
男はその強かさにいよいよ猛り、喉奥をごりごりと突き回す。 
鮎夏の整った鼻が、男の陰毛に隠れながら押し潰される。
桜色の唇から覗く逸物がぬらぬらと濡れ光る。
まるで戦いのように、それらの光景が続いた。
涎の量がすごい。
まるで伝線したストッキングのように、逸物を抜かれるたび涎の膜が千切れながら零れていく。
しかしどれほど気丈でいようとも、一方的な蹂躙である事に変わりはない。


「ごっ、かこっ……ぶふっ!!うお゛、んんあごおっ……!!!」
綾夏の口から突如咳き込みの音が漏れ、続いて狭まった唇から泡塗れの白い胃液が吐き零された。
ぐげぉごっという喉の奥の奥からの苦しげな声が幾度も続く。
その男が終わっても、すぐに次。再び膝立ちでの奉仕を強要される。

「おら、おら!!へ、顔はしれっとしてても、喉の方が怖がってるみてぇにビクビクしてんぜぇ?
 大丈夫だ、俺のは勃起してもやわらけぇから、こうして下向き、に……食道まで…入、んだよッ!!
 ……ふぅ、ほーら行ったぜ。ズルーっていま喉の奥まで来てんだろう。
 その喉奥通り抜けたまま、食道を深ぁーく擦ってやっからな、カタチ憶えこめー。
 どうだキモチいいだろ、大体の女はこうやって愛してやると、膝立ちのままでイクからなぁ。
 へへ、お前、えづき声が意外にすげぇじゃねぇかよ、オンナってそんな低音まで出んのか」

綾夏は、よほど苦しいのだろう、何度も何度も膝から手を浮かせていた。
相手の膝を手で押しのけたいのだろうが、しかしそれを尋常でない精神力で押さえつける。
「ごぼごっ……!!」
喉の深くで何かが弾けたような音がし、それでも逸物を抜かれずに喉奥を抉られた。
けこっけこっと喉奥を抉られる音が続く。
そこからさらに数分。
きゅうっ、という悲鳴じみた声が漏れた直後、勢いよく頭が引かれ、
大きく開いた口の暗がりから大きな白い塊が吐き出された。
そして顎がやや上向き、次いで素早く下を向いて、黄褐色の液体を吐き零す。
かなりの大量噴射だ。
主流が流れ出た後も、泡の膜を作りながら小さな飛沫が吐き出されていく。

「はぁ、げはぁっ、はあっ、はぁっ……」
出産を終えたかのような苦しげな息で、鮎夏はしばし目を見開いていた。
しかしその顔が再び上げられた時には、なおも堪えていないかのような涼しげな顔だ。
その強かさは、新たな男を誘蛾灯のように誘い込んだ。

はじめは小さかった吐瀉物の輪が、いつの間にか膝を覆い尽くすほどになっていた。
「あ゛っ……あう、あ゛、ごあっ……」
「おら、お前を子宮で散々イカせまくった有り難ぇチンポだぜ。気合入れてしゃぶれよ。
 しっかし……こりゃまたすげぇ光景だなぁ。
 頭前後させるたびに胸が揺れて、その下でカエル腹までタポンタポン揺れてやがる。
 鳴ってる音も完全に下痢漏らす寸前のだしよ……そこまでヤバイ腹の音、久しぶりに聞くぜ。
 よく我慢できんなーお前」

男達は様々に言葉責めを繰り出しながら、鮎夏の喉を『使い』続ける。
濡れたような瞳で放心状態になってもなお、休む間もなく頭を掴んで顔を上げさせ、再開される地獄。
やがては口のみならず、鼻からさえも黄色いものが溢れ出す。
「お゛っ、おごっ、お゛っ、おお゛…………!!」
綾夏はそれでもなお、静かな瞳のまま腕を垂らし、されるがままに嘔吐を続けた。
その異常ともいえる無抵抗ぶりに、男の数名が憧れにも近い視線を向け始めてさえいた。
しかし、いくら気丈であろうとも、やはり限界は来る。

幾度となく行われたように喉奥を突かれたある時、鮎夏の肛門から破裂音が響いた。
「ぷああっ!!」
鮎夏は逸物を涎を散らしながら吐き出し、つらそうに眉を顰める。
その彼女の足元には、かすかに土気色の液だまりが出来ていた。
「もう限界だな……よくやったよホント」
男達が乾いた拍手を送り、鮎夏の顔をさらに歪ませる。

「よし、じゃあそろそろいいぜ。バレリーナみてぇに片脚上げて、どれだけ限界なのか見せてみな」
男が命じると、鮎夏は言葉に従って静かに脚を上げ始めた。
壁に右手をつき、左手で脹脛を抱えながらのY字開脚。痙攣する脚が少しずつ開き、秘部が露わになる。
今は桃色の粘膜よりも、栓の嵌まった排泄の穴の方が目を引いた。
おお、と声が上がる。
肛門部は、まさしく限界そのものの様相を呈していた。
がっぷりと嵌まっていた極太の黒い線が、わずかに尻穴の外へと抜け出ている。
そしてその隙間からは夥しい量の汚液が溢れ、本職のバレリーナ顔負けの美脚を無残にも穢していた。

「すげぇ。よくあんなになるまで我慢してたな……」
「すらーっとした良い脚がクソ汁で台無しだ。
 しかし、脚とか腕は細いのに、腹だけはまるで妊婦だな。若妻みたいでやたらとエロいぜ」
「腰がヒクヒクしてらぁ。殺戮人形でも、クソ我慢するのが限界になると腰が動いちまうらしいな」
「そりゃ身体の反射だからな、しょうがねぇさ。
 その反射をもう数時間ばかし無理矢理押さえつけて、泣き入れさせるってのも面白そうではあるけどな」

男達が残酷な品評会を行う中、男の数名が鮎夏の足元付近に吸水シートを広げた。
そして準備を整えた上で肛門栓に手をかけ、まずバルーンを萎ませてから、ネジを回す。
「ほらいくぞ、そのまま全部ひり出せ!!」
男達がネジを回しきる前に、鮎夏の肛門から破裂音が迸る。
耐えに耐えた奔流は肛門栓を弾き飛ばし、吸水シートの上に音を立てて溢れ出す。
屈辱の公開排泄。
鮎夏の腸の中にあったものが湯気を立てながら広がっていき、逆に鮎夏の蛙のような腹部は元の美しさを取り戻していく。
排便は不安定な姿勢ゆえか、幾度もの中断と再噴出を繰り返し、5分以上にも渡って続けられた。
逆をいえばそれだけの時間、嘆くように汚物・汚液を吐き零す桜色の肛門が、
何十という男の視線に無防備に晒され続けたという事でもある。

『5時間27分、被検体Bの腸内残留物の排泄を確認。
 形状・液状便、朽葉色や鳶色など混在、純粋排泄物容積・目視にて約800gと推測。臭気やや強し』

マレッタは麻痺したような感覚の中、ぼそぼそと状況を読み上げた。
周囲では男達によって、排泄物の匂いや形が散々に揶揄されているのが聞こえる。

「 はぁ、……はぁ…………。 」
鮎夏当人は薄い視線を横に投げたまま、全く羞恥の色を見せずにいた。
大量排泄そのものの疲れで少々息を荒げてはいるが、まるでアスリートが軽く走り込んだだけのよう。
そこには爽やかさはあれど惨めさは欠片もない。
しかしその内で鮎夏は、マレッタ以上に頭の焼ききれそうな恥辱を味わっているに違いなかった。
トイレで用を足す際にも、何とか周囲に排泄する音を聞かせまいとする高潔な美人だ。
しかしながら公開排泄というこの状況下で、異様なほどに無反応を貫く鮎夏。
その姿を見るうちマレッタは、無二の相棒の心がひどく心配になった。



排泄物の処理が慣れた手つきで済まされた後、鮎夏は男達に肛門を開いてみせるように命じられる。
男達に背を向けたまま前屈みになり、自らの指で尻肉を掴む鮎夏。
その穴の様子を見て、男達が笑った。
「やっぱりな。出したばっかなのに、尻穴が物欲しそうにヒクついてるじゃねぇか。
 あそこからも密がトロトロに零れてるしよ……薬液が相当に効いたらしいな。
 俺達の男を咥えさせられて感じたのか?」

そうしてひとしきり変化を罵った後、男達は壁際を指で示す。
鮎夏が壁に目を向け、ほんの一瞬だけ目を見開いた。
「ひっ……!?」
マレッタも思わず悲鳴を上げてしまう。
壁にあったのは、黒光りする物々しい機械だ。
パネル部分から男根を模した巨大な責め具が突き出しており、壁の中にはギアのようなものが見える。
ファッキングマシン、あるいはドリルバイブと呼ばれる類のもの。
「物足り無さそうなお前には、あれを使わせてやる。肛門だけで逝ってみろ」
腕組みをしたまま、機械を顎で示す検査官。
鮎夏の喉でゴクリと音が鳴った。
どれほど恐怖だろう。しかし……拒むことは許されない。

鮎夏は命じられるままにマシンへ近づいた。
「普段はマンコ用として運用してるからな。脚の長いお前のケツに入れるとなりゃ、ちっと上げないとな」
男が操作盤に触れ、責め具の位置を微調整する。
前屈みになった鮎夏の尻穴へ、ちょうど先端が触れるように。
「その吊り輪を掴んで姿勢を安定させ、ゆっくりとケツに入れてみろ」
検査官達が、壁際に取り付けられた金属製の輪を叩いて言う。
鮎夏はその輪を掴み、ゆっくりと腰を壁へと近づけた。
入り込む。
成人男性より幾分大きめに作られた責め具が、鮎夏の直腸へと入り込んでいく。
「くうっ……!!」
鮎夏は凛とした表情を崩さないまま、鋭く背後へ視線を投げて挿入を続けた。
やがて開発された尻穴は、責め具を全て飲み込んでしまう。

「ほう、全て入ったか。かなり奥まで入り込んでいるだろう」
男が鮎夏の腰を撫でながら問うた。鮎夏は口を噤んで答えない。
男はさして気にする風もなく、むしろ他の目的を早く果たしたくて堪らない、という表情で操作盤に触れた。
「さて、では稼動させるぞ。先も言ったが、吊り輪を掴んで離すなよ」
男がそう告げると共に、操作盤が電子音を発する。
そして列車の発車を思わせる重々しい音と共に、機械は動き始めた。

そして数分の後……。



「ーーーーーーーーーーーッ!!!!ーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」


声にならない叫び声が、鮎夏の喉から漏れていた。
彼女はいつも通り目を鋭く光らせ、唇を引き結んで難しい顔をしている。
顔だけを見れば、やや額に汗を掻いているほかは彼女の普段と変わりないだろう。
しかし、その身体には明らかな変化が起きていた。

「おら、もっと腰を押し付けろっつってんだろ。甘えて逃げてんじゃねえぞ!!」
検査官の1人が怒声を上げ、鮎夏の腰を掴んで機械の根元へと押し付ける。
「ッあ!」
そこで鮎夏の口が大きく開き、唇の端から銀色の糸が滴り落ちた。
機械と肛門の結合部から発せられる音は形容しがたいものだった。
ずちゃ、ずちゃっという響きをさらに鈍く包み込んだような、異様な音。
その結合部からは鮎夏自身が分泌した腸液が溢れて、極感に強張る美脚を伝い落ちていた。

轟音と共に機械が駆動し、鮎夏の身体を揺らして突き込み続ける。
鮎夏は伸ばした脚を踏みしめてそれに耐えていた。
凛とした表情、踏みとどまる足腰。
それはまるで、身体を揺らすほどの機械陵辱にもまるで堪えていないように映る。

だが細かな部分では反応があった。
常に踏みしめている足指は、男達の介入などで突き込みの角度がずれた時、内や外に開きを変える。
そして床に、腸液や汗で曲線を描くのだ。
「もっと深く入れろ!!」
検査官が叫ぶと、鮎夏は猛然と稼動する機械に向けて腰を突き出す。
そして膝を様々に曲げて侵入角度を調整しつつ、自ら腰を叩きつけてのアナルファックを余儀なくされていた。
「うっ……!!うぐっ!!」
鮎夏は凛とした表情をなるべく崩すまいと男達を見据えながらも、時につらそうに片目を細める。
それはいい見世物だった。

やがて機械の突き込みが数十分続けられた頃、鮎夏の肛門から聞き覚えのある破裂音が響く。
「っ!!」
鮎夏は努めて何でもない風を装っているが、今の音は間違いない。
「おいおい、ケツが良すぎて、また下痢便漏らしてんのかよ」
鮎夏の腰を抑える男が嘲笑った。
その言葉通り、鮎夏の脚の間を新たな汚液が伝い落ちていた。
やはり4リットル以上も入り込んだ薬液を、Y字開脚ですべて排泄する事などできる筈もないのだろう。
排泄後間もなく直腸を穿たれ続けては、中身も掻き出されようというものだ。

「へへ、汚ねぇ汚ねぇ。だがマシンは、たとえ下痢便を漏らしたって止めちゃくれねぇぞ?」
男の言葉通り、例え漏らしても機械の陵辱は終わらない。
むしろその排泄を期に、鮎夏の顔が快感に染まってきたようにも見える。
「あ、ああっ、あっ、あっ、はぐっ…………!!」
桜色の唇が薄く開き、涎を垂らす。射殺すようだった瞳が濡れたようになる。

「へへ、何とも女らしい顔になってきやがった」
「クスリでヒクつくほど蕩けた尻穴へ機械ぶっこまれて、クソ漏らしながら逆流するみてぇに貫かれるんだ。
 我慢するにゃあ未知の快感が大きすぎるんだろうな」

男達が野次を飛ばす中、鮎夏は汗まみれで喘ぎを溢す。
下痢便を漏らそうとも検査官に許される事はなく、ただ腰を壁へつけて、より奥へ迎え入れるしかない。
「おら、これでどうだ?」
男が鮎夏の肩を引いて背を伸ばし、ぐうっとバイブを臍側へ挿れる。
その瞬間、鮎夏の首元のランプがかすかに点滅した。

「へへ、あの女ケツでイキかけてやがる。おそらく今での子宮の裏を擦るようにされたんだろうなあ」
「ああ。快感に満ちた下痢便が逆流するような、すさまじい感覚に見舞われているはずだぜ」
男達が見守る中、鮎夏は何度も腰を伸ばされ、絶頂ランプが赤くなっていく。
「う、うう、はううぅっ……く!!!」
鮎夏は目を固く瞑り、唇を噛みしめて耐えようとするが、もはや耐え切れる域ではない。
「そら、トドメだ。クソの穴で逝っちまいな!!!」
検査官達が鮎夏の脚を抱え上げ、腰を大きく後ろに反らして子宮裏を痛烈に刺激する。
「ああああ、あぐっ、ああああうああああああ!!!!!!」
そこでついに、鮎夏の口が大きく開ききった。
首元のランプが何度も輝く。鮎夏の秘裂から小水のような飛沫が噴き上がる。

尻穴での連続絶頂を迎え始めた鮎夏を、マレッタが静かに見つめていた。
彼女の視線は狂乱するパートナーに釘付けになっていた。
ゆえに彼女は気付かない。いつのまにか部屋の扉が開き、新たなマスクの男が入ってきた事に。
その男がマレッタの背後に近づき、昏倒するだけの電気を帯びた警棒を押し当てる瞬間に…………。



それから約二時間、鮎夏は嬲り者にされ続けた。
マシンでの絶頂地獄から開放された後も、視姦するうちに猛り始めた男から肛門を犯されたのだ。
ほとんどは屈曲位で、顔を見られながら尻穴に熱く硬い物を叩き込まれ、精を注ぎ込まれるパターンだった。
だが獣のように背後から犯すものもいれば、待ちきれずに前後の穴を同時に使う者もいた。
そうして散々に穢されながら、それでも鮎夏は新たに覚え込まされた尻穴の快感に浸る。
これが最後だと思っていたから。

部屋の検査官全てが精を放ち、虫の息の他5人と共に部屋を出る時、ようやくに鮎夏は心からの安堵を感じる。
長かった。長く苦しい捜査だったが、これでやっと終わる。
後は組織が寄越す偽の『買い手』に連れられ、マレッタと共にここを去るだけ。
そう思いながら廊下を進み、ある部屋の前を通った時だ。
「うああっ…………!!」
不意に発せられた声に、鮎夏の目が見開かれる。
聞き慣れた声。ここに来て以来唯一の希望であり、間違える筈のない声。

鮎夏は歩みを緩めながら、上方一部だけに鉄格子の嵌められた扉の中を覗き込む。
そこには目を疑う光景があった。
マレッタが拷問用の椅子に拘束され、マスクと白衣を身につけた男に囲まれているのだ。
男達の姿にはよく見覚えがある。
“教育係”。対拷問訓練と称して鮎夏に様々な拷問を課し、意識が朦朧となった所を犯した外道達だ。
その男達がマレッタを取り囲んでいる。

目を凝らせば、男の1人は大きく脚を開いたマレッタの秘部に電極棒を挿し込んでいた。
そうして幾度もスイッチを入れ、マレッタを断続的な絶頂状態に置いている。
どれだけその責めを続けられているのだろう。
マレッタは天を仰ぎ、口の端から大量の涎を垂らしている。瞳孔も開いており、すでに危険な状態にある事が見て取れた。

秘部が電気で緩みきった辺りで、一旦愛液まみれの電極棒が引き抜かれる。
そして入れ替わりに、男の腕が緩みきったマレッタの秘裂へと無理矢理に入り込んでいく。
「おら、肘まで全部入っちまうじゃねえか。もうガバガバだな。
 緩みまくった子宮口、中指で直接コリコリ抉られてんのを感じるだろ?ははっ、すんげぇ顔してやがる」
男は手首を沈み込ませたまま、中で指を蠢かせているらしい。
マレッタはうわ言のように喘ぎながら、足首の固定された両脚をビクンビクンと痙攣させていた。


「……あれが気になるか」
つい部屋の様子を凝視してしまっていた鮎夏に、検査官が声をかける。
「以前から不審な行動を取っていて、先ほど秘密裏に荷物検査を行った所、どこぞの潜入捜査官だったらしい。
 ちょうど今、潜入の目的や別の仲間の存在を問責しているところだ。
 まぁあまり意思の強そうなタイプではないから、今日中に落ちる事もありえそうだがな」
検査官は含みのある笑いをし、鮎夏の腰縄を引く。
鮎夏は背筋の凍りそうな感覚の中で、しかしだからこそ平静を装って付き従った。

計画を立て直さなければ。
マレッタは拷問の訓練など受けていない。苦しむ姿を見るのが耐え難く、鮎夏が受けさせなかったためだ。
情報を吐かれるのは不味い。しかし黙秘を続けて命を落としては何の意味もない。
マレッタを護らなければ。
もし自分が任務で命を落とすことがあるなら、それはマレッタを庇ってだと決めている。
自分が無知だったせいで死なせてしまった最愛の妹。
その妹の仇を諜報機関で働くことで探しつつ、常に傍でマレッタという第2の妹を守り抜く。
それが鮎夏の決めた生き方だ。
マレッタを死なせてしまってはならない。だが一体ここからどうすれば……。

鮎夏は涼しげな顔のまま、様々に考えを巡らす。
と、その時ふいに検査官の歩みが止まった。

「入れ。出荷までのおまえの滞在場所だ」
検査官はある部屋の前で静かに告げる。
いつもの個室とは違うが、教育の済んだ出所直前となれば待遇も変わるのだろう。
しかし、まだここを出る訳には……。

様々な事を考えながら、腰縄を外された鮎夏は部屋へと踏み入れた。
背後で扉が閉まり、外から鍵が掛けられる。
「…………?」
その瞬間、鮎夏は異様な感覚を覚えた。
別の人間がいる。獣のような凄まじい臭気と、肌に当たるほどの性欲をこちらに向ける人間達が。
やがて暗闇に目が慣れ、部屋の全容が明らかになった時、鮎夏は目を見開いた。
すぐに後ろを振り返る。
そこには能面のように冷たい目をした検査官がいた。

「そいつらはアサシンになり損ねた失敗作、いわばお前の義理の兄だ。その広い部屋に60人いる。
 身体能力はお前に敵わんが、もう何ヶ月も女を与えていないために性欲は折り紙つきだ。
 元は拷問室だからな、三角木馬も水責め用の水槽も、焼き鏝も一本鞭も、あらゆる責め具が揃っている。
 セックスに飽きても遊び方には困らんだろうさ。まぁ、仲良くやれよ」

そう言い残し、検査官は踵を返す。
鮎夏の唇が震えた。


マレッタがすでに口を割っていたのか?それとも疑いなど何もなく、出荷前の娘は皆こうなるのか?
いずれにせよ、鮎夏にとって悪夢以外の何者でもない。
先ほどまで平静を装えていたのは、かなり際どい状況だった。
日数的に、また体力的に何とか持つ限界。それが先ほどの責めだった。
もう余力がない。
最後と思っていた危機を切り抜けた安心感と疲労で、心が緩みきっている。
さらに、先程まではマレッタ経由で避妊薬を服用する事ができていたが、その効果もそろそろ切れる頃だ。
避妊薬なしでこれほどの男に犯されれば、まず望まぬ受胎は免れないだろう。
女にとって残酷すぎる未来への絶望感が、『薄氷の仮面』を硬い音で打ち砕いていく。

「…………オンナダ」
「……オンナ」
「オンナダ、オンナ、オンナ、オンナッッッ!!!!!!!」

痩せこけた獣のような男達が鮎夏に飛び掛り、見た目からは想像もできない力で押し倒す。
脚を開き、乳房を荒々しく揉みしだく。
鮎夏は悲鳴を上げた。




「……随分と騒々しく喚いているな。この間までの無反応は、クスリの作用ではなく演技……か」
「だろうな。あらかじめ薬物耐性をつけていたのか、最後まで常に正気を保っていたわけだ。
 野放しにしておけば組織的な危機だった。
 あのマレッタとかいう捜査官の荷物に、あの女の写真があって助かったよ」

研究員が2人、鉄格子の嵌まった部屋の中を覗いて笑う。
部屋の中には鮎夏の叫び声が響き渡っていた。

「いやっ、いやあああああああっっやめてぇぇぇええええええっっ!!!!
 そ、そんな、お尻に2本なんて……入っらないい……!!」

鮎夏は肌の煤けた男達に組み敷かれ、その肛門に2本の剛直を捻じ込まれていた。
骨盤が砕けるようなつらさだが、血は出ていない。
「ウシロ、イィ。シマル、キツイ、イイ、シマル」
「ゴリゴリ、アタル、イイ、モット……」
男達は濁りきった瞳で鮎夏を抱え上げ、前後から尻穴を突き上げる。
鮎夏の顔が苦痛に歪んだ。

「やめてええええっ、もう、もう本当にやめてえええええっっ!!!!
 これ以上は、これ以上ひどい事されたら、もう頭が正気でいられない……!!
 ああ、もういやっ、これ以上壊れるのはいやなのぉっ!!!!!!!!」

鮎夏の叫びは続く。
昨日も、今日も、そして明日も、涼しげな顔をした検査官達の余興として……。

                     
                        終わり
続きを読む

ヒーロー・ドラゴンキッドの“死”

『TIGER & BUNNY』ドラゴンキッドの腹責め物。
スカトロ表現に加え、やや特殊な腹責めあり。




『NEXT』と称される特殊能力者が世に現れて45年。
ここシュテルンビルトでは、日夜様々な犯罪者とヒーローの戦いが繰り広げられている。
今回の事例は、それらの中でも特に世の注目を集めていた。
近年街を脅かしている強盗団が、ヒーローへ向けて挑戦状を残したからだ。
挑戦状を叩きつけられてこれを逃せば、イメージの低下は避けられない。
そう考えた各スポンサー及びテレビ局は、何としてもこれを捕らえよ、とヒーローに厳命を申し渡す。

かくして夜の10時。ヒーロー達は一団が現れると思しきエリアを囲んでいた。
空にはスカイハイ、東の袋小路にはロックバイソン、西に続くストリートの6カ所ではその他のヒーローが目を光らせる。
しかし、不審者が訪れる気配は一向にない。早々にシャッターの閉まった店舗がいくつか見受けられるとはいえ、通りはおおよそいつも通りに稼動していた。

「なんか拍子抜けだな……。こんだけ俺達が見張ってる中で、ホントに強盗団なんて来んのか?
 タダの悪戯じゃねーの」
ワイルドタイガーこと鏑木虎徹が大きく息を吐いて肩を竦めた。
「気を抜かないでください、オジサン。ただでさえいつもボーッとしてるんだから」
相方であるバーナビーが赤いマスクで虎徹を見下ろす。
何だと、と虎徹が言い返すのをよそに、彼もまた腰に手をあてて嘆息した。

「……とはいえ、確かにこんな場所へノコノコと現れるとは考えにくい。
 上のほうの人達は、何を根拠にこんな場所へ僕らを並べるんだ」
「何でも、有力な筋からのタレコミがあったらしいわよぉ。詳しい事は知らないけど」
バーナビーの呟きに、やや女めいた口調のファイアーエンブレムが答える。
「タレコミ、ですか……。まぁ何の根拠もなく人数を散らすよりはマシかもしれませんね」
バーナビーが言い、会話に一旦の途切れが出来た時だ。急に歓声が上がった。

「あれ、なんか美味しそうな匂い!」
ショーウィンドウにもたれていたドラゴンキッドの声だ。
細い路地へ少し入った所に屋台が出ており、その匂いを嗅ぎつけたらしい。
醤油が焼け、砂糖が焦げるなんとも香ばしい匂いが漂っている。
赤い提灯と、『DANGO』と書かれた暖簾が目を引く屋台だ。
「うわぁ、お団子だっ!あれニッポンのお団子だよ!!」
日本通である折紙サイクロンがキッドと同じく目を輝かせる。
彼に限らず、このシュテルンビルトでもかつての日本文化はカルト的な人気を誇るため、
週に何度かはそのような『和』の催しが見受けられた。



「ほらほら、焼きたての熱々だよ!ヒーローさん達、これからひと踏ん張りするんだろ?
 腹が減っちゃあ戦はできないぜ、安くしとくからよ、1本どうだい!!」
中年の域に入った店主が声を張り上げる。
その前ではすでにドラゴンキッドと折紙サイクロンが串を手にかぶりついており、
至福の笑みを浮かべていた。
「あら、美味しいわぁ。見た目よりずっと繊細な味がするのね。癖になりそ」
ファイアーエンブレムも指先で串を引き抜いて賞賛する。
「美味い!そして、デリシャスだ!!」
「へぇ、結構いけるスイーツね」
さらにはスカイハイ、ブルーローズ。
「おお、マジでうめぇなこれ!!」
「ああ、ちょうど腹減ってたところだし、余計にな!」
末には虎徹、そしてロックバイソンまでもが匂いにつられて輪に混じっていた。

「ちょっと先輩達、そんな事してる場合じゃないでしょう!
 僕らは強盗団を見張ってる最中なんですよ。
 大体カメラも回ってるかもしれないのに、僕達ヒーローがこんな……」
1人輪の外にいるバーナビーにも、湯気の立つ串を手にした虎徹が迫る。
「そう言わずに、バニーちゃんも食えよ。何時間もこんなトコにいて、腹減ったろ。
 まだ何の事件も起きてないんだし、カメラも回ってねえさ」
「僕は結構です。第一、手が汚れそうだし」
「いいから喰えって、美味いから!!」
いつもの調子で、虎徹が無理矢理にバーナビーに串を渡す。
バーナビーは溜息をつきながら仕方なく団子を口に運んだ。

途端に鼻を通り抜ける、砂糖の香ばしい香り。
醤油の混じった甘辛いタレが味覚に染み渡り、唾液を分泌させ、
柔らかな団子の食感が口に心地よさを加える。
噛みしめると不思議な弾力とともに味わいが深まり、飲み込むのが惜しいほどだった。
「……おいしい……。」
バーナビーは思わず呟き、嬉しそうな虎徹に気付いて慌てて顔を逸らす。
遠方で爆発音が響いたのは、その直後だった。


『西4キロの地点で爆発を確認、各ヒーローは至急現場に向かいなさい!』

『ヒーローTV』のプロデューサーであるアニエスの声が無線から響く。
団子に頬を緩める8人のヒーローは、すぐに表情を引き締めて立ち上がった。
だがその瞬間、1人の表情がさらに変わる。

ぐぎゅるるるるるぅ…………。

暗雲が立ち込めるかのような腹鳴りは、ドラゴンキッドことホァン・パオリンの腹部から漏れ聴こえた。
「う゛っ……!」
キッドはヒーロースーツの腹部を押さえ、内股になって壁に寄りかかる。
その額には早くも脂汗が浮き始めていた。
調子に乗って団子を食べすぎた、とキッドは後悔する。
空腹のうえに美味だった事もあり、あのメンバーの中でも特に豪快に団子を平らげていたのがキッドだ。

「ねぇ、大丈夫?」
折紙サイクロンがキッドの顔色に気付いて身を案じた。
キッドは汗の浮く顔に無理矢理笑みを作る。
「わ、悪いけど、ボクちょっとトイレに寄ってから行くね」
「解ったよ。強盗団は僕らの方で何とかしとくから、気にしないで!」
折紙サイクロンの気遣いを嬉しく思いながら、キッドは一礼して路地裏に入る。
路地を通り過ぎた辺りに公衆トイレがある事を知っていたためだ。
だが事はそううまく運ばない。
この犯罪の満ちたシュテルンビルトにおいて、キッドがヒーローである以上は。

「……ごきげんよう、ドラゴン・キッド」
路地の脇から突如、数人の男が姿を現す。
いずれも武闘派を思わせる立派な体格で、フルフェイスのマスクと特殊な防護服を身に纏っている。
ただのチンピラではない事は明らかだった。

『おーっとぉ!?いきなり強盗犯の集団とヒーローの遭遇があったようです!
 いち早く犯人に辿り着いたのは、稲妻カンフーマスター・ドラゴンキッド!!!』

ヒーローTVのアナウンサーが声高に宣言する。
ビルの上と路地の出口から撮影も行われているようだ。
普段なら歓声を受けて心地よくなる場面であるにもかかわらず、今のキッドの表情は険しかった。



「どうかしたんだろう?顔を見れば一瞬で解るぜ」
男の1人が嘲笑交じりの声を掛けた。
キッドは腰を落とし、両端に龍を象った棍を構える。臨戦態勢だ。
じり、と男達が歩み寄った動きに合わせ、キッドも攻勢に出る。
「はあっ!」
棍を力強く地面に突きたて、それを軸に身を回転させての回し蹴り。
それでまず1人を昏倒させるつもりだった。しかし。
「お……っと、あぶねぇ!」
キッドの蹴りは、狙った男にすんでの所で回避されてしまう。
「っ!?」
キッドの顔に動揺が浮かんだ。
しかしそのまま硬直するキッドではなく、着地した後の余力を利用して棍を勢いよく振り回す。
風切り音とともに円と化した棍は、間違いなく数人にヒットした。
だが、それでも倒れる者がいない。

「ぐ、う……!!」
遠心力を失った棍が手中で直線に戻った頃、キッドは膝をついて呻いていた。
ぐるるるる、ぐぉおおうるるる……。
細い腹部の鳴りが、いよいよ重く断続的なものになっている。
決定打が放てないのもそのせいだった。
格闘において最も重要な、丹田の氣が散漫になっている。
強烈な便意の中、括約筋を引き締めようとするばかりで、その上に力が振り分けられない。

「おいおい、俺達ゃまだ何にもしてねぇってのに、もうヘバったのかよ。
 それでよくカンフーマスターが名乗れたもんだぜ」
蹲ったキッドに男達の嘲笑が浴びせられる。
その直後、キッドはおもむろに顔を上げ、男達へ掌を向けた。
「やあぁッッ!!」
その小さな掌から、青白い光が迸る。電撃を放つNEXT能力だ。
たとえ身体が満足に動かずとも、『稲妻カンフーマスター』は無力な訳ではなかった。
まさしく稲妻のような電撃が辺りを白く染め上げ、煙とともに焦げた匂いを立ち昇らせる。
「……ちょっと、やりすぎたかな」
キッドはそう呟きながら、棍を頼りに立ち上がった。
しかしその視界から煙が薄まった時、その目が大きく見開かれる。

男達は、立っていた場所から微動だにしていなかった。
避ける動作すら見せず、正面からキッドの全力の電撃を喰らい、泰然と立っている。

「……若いねぇ、稲妻カンフーマスター。俺達がヒーローの対策をしてないと思うのかい。
 このスーツとヘルメットは絶縁体で出来ている。
 耐火性にも優れ、さらには虎の咬合力でも食い千切れない強靭ぶりさ」

煙を上げながらゆっくりと迫る男達に、キッドは唇を震わせた。
勝てない。実力に劣っているわけではない。だが今のこの状況では、勝てない。
持ち前の戦闘勘からそれを悟ったドラゴンキッドは、それでも棍を取る。
「うぅあああああッッ!!!」
地を蹴り、腰の捻りを存分に活かして棍を振るった。
しかしその一閃は男が身を屈めたことでかわされ、別の1人に懐へ潜り込む隙を与えてしまう。

「あ…………!」
キッドは目を見開き、脇の下に迫る男をその瞳に映した。
拳が迫る。男のゴツゴツとした拳に厚手のグローブを被せ、さらに金属で過剰に補強した凶器。
それが、ごりっと自らの腹部へ入り込むのを、キッドははっきりと感じた。
ヒーロースーツなど役に立たなかった。
元より『ドラゴンキッド』のスーツは身軽さを重視し、防御力を二の次としたものだ。
腹部に当たる部分は同様の理由から特に装甲が薄い。
そんなもので、補強された男の鉄拳を防ぎきれる筈もなかった。



カメラには、下腹に拳が打ち込まれた瞬間、キッドの身体が持ち上がった映像が残されているという。
「うぉ゛おはっ……!!がはっ、あ゛っ……は、がア……っ!!!」
キッドは横様に倒れこみ、腹部を押さえて激しく咳き込んだ。
唇の端からかすかに黄色い液が漏れている。
内臓への壊滅的なダメージを思わせる、予想以上の一撃だった。

「ああ、そういや言い忘れてたな。俺達の着てるこのスーツのウリは、防御性能だけじゃないぜ。
 攻撃力も、お前らのパワードスーツの強度を考慮して設計してあるんだ」
男が言い、キッドの後ろの男に目配せした。
するとその男は蹲るキッドの腋を抱え込み、無理矢理に引き起こす。
「うう……!!」
腕を取られたまま無防備な腹部を晒す格好だ。キッドの顔が歪んだ。

「さて、カンフーマスター。さっきは何がどうなってるか解らなかったろう。
 今度はばっちり見えるその格好で殴ってやるから、よぉく見てろよ」
男が言い、鋼鉄の拳を引き絞る。
「ひっ……」
キッドの引き攣った顔を愉しみながら、男は勢いよく拳を打ち込んだ。
フックの軌道で下腹へ至り、拳の表面が当たる瞬間、男の手首の辺りで蒸気が噴き上がる。
同時に拳から先が人力では到底及ばない速度で打ち出された。
「んごぉうおおおォお゛お゛っっ!!!!!!」
キッドの口から、その顔には似つかわしくない呻きが上がる。
上を向いた唇から吐瀉物が溢れ、喉を通って黄を基調としたヒーロースーツを汚していく。

「おやおや、可愛い顔して無様な事だ。これをヒーローなんて呼んでいいのか?」
男はますます機嫌をよくしながら、再度キッドの腹部に拳を押し当てた。
肘を引き、勢いをつけて撃ち貫く。
やはり手首から蒸気が噴き出し、男の拳に機械の破壊力を上乗せして。
「おごぉお゛っ……!!え゛はっ、あ゛ぁ゛はっ……!!!」
キッドはきつく目をつむり、下を向いた唇からビチャビチャと吐瀉物を滴らせた。
もはやそれは唇からに留まらず、鼻の穴からさえも溢れている。
「お゛うっ……!ン゛、うえ゛ぇ……ッあはっ……!!!」
ひとしきり吐いた後も、キッドの唇からは銀色に滴る唾液が幾筋も伝い落ちた。
そのスーツの腹部は拳の形に皺が寄り、そのさらに奥からは、なおも鳴動が続いている。

「おうおう、すげぇもんだな。この腕で殴っても、これだけ反動が来るとはなぁ」
「おい、お前ばっかり楽しむんじゃねえよ、俺達にもやらせな。
 さっきコイツに棒で殴られた時にゃ、ちいとばっかし痛かったんだからよ」
機械仕掛けの腕を持つ男の他にも、キッドを痛めつけたいと思う男は数多くいた。

男の1人がキッドの前でメットの前面を開け、汗まみれのあどけない顔に舌を這わせた。
「……ッ!!!」
キッドがおぞましさに睨み返すと、男は嬉しげに笑みを浮かべる。
そしておもむろに腹部へ重い一撃を叩き込んだ。
「う゛んっ!!」
キッドの苦しげな声に満足そうにし、次の男とタッチを交わす。
次の男もまた、キッドのスーツから覗く生肌の部分、腋下や腿を撫で回した後で、腹部に痛烈な一撃を見舞っていく。
それが数人の男の間で、ローテーションで繰り返された。



「ほう。腹下しの入った団子を貪ってから20分余り……。
 そろそろ腹も限界だろうに、こうも殴られてまだクソを漏らさんか」
しばしの後、男が愉快そうに口走った。
キッドは息を切らせながら男を睨む。
「あ、あのお団子屋も……あんた達の仲間だったってわけ?
 一体目的は何さ。今のじゃまるで、ボクのお漏らしが見たい、ってふうに聴こえるよ」
キッドが嫌味交じりに言い放つが、男はそれに頷きを返した。

「いかにも。貴様らヒーローに、二度と世間へ顔向け出来んような恥を与える事が目的だ。
 貴様らは戦士である前に、市民の鑑たる存在であらねばならない。
 もしも公衆の面前で醜態を晒すような事があれば、その名声は地に堕ちる。
 スポンサーには見限られ、市民からも必要とされない。すなわち、死んだも同然だ」

男はそう告げ、キッドの顔が引き攣る様を愉しむ。
そして手を上げて一人を呼んだ。
「そろそろ、お前さんの出番だ。……来いよ」
男がそう言うと、通りの奥からのっそりと1人の男が姿を現す。
目つきが定まらず、呼吸が荒く、およそまともな人間とは思えない。
先ほど周りのメンバーがキッドを痛めつけている間も、ただ一人傍観していた男だった。

男は足を引きずるようにしてキッドの前に辿り着き、陰湿な笑みを浮かべる。
そしてかすかに痙攣するキッドの腹部に手を当て……『沈み込ませた』。
「うああっ!?」
キッドがそれまでとは全く違う悲鳴を上げる。
それもそのはずだ。彼女の胸の辺りに、男の手首が埋まっているのだから。
「お、おれのNEXT能力は……“透過”だ。人間の皮や脂肪をすり抜けて、直接内臓に触れるんだぜ。
 ほら、今俺の指辺りまで、あんたの中に入ってるんだ。
 ドックン、ドックンって、脈が力強いなぁ。健康な証拠だ、こういう中身は大好きだ。
 最近は顔だけよくて中身がつまらないのばっかり触ってたから……
 ああ、キモチいいなぁ」
男は陶然とした表情でキッドの中を弄る。
経験のないおぞましさと男の異常さに、キッドの顔がいよいよ恐怖に歪んだ。

「稲妻カンフーマスター様のカラダだ、そりゃ逸品だろうさ。
 遠慮する事はねぇ、どっかしら潰してさしあげな」
機械男が言うと、キッドに入り込む男はその手首をキッドのアバラの辺りに持ち上げた。
そして体の内部で、ぎゅっと何かを握りつぶす仕草をする。すると。
「ふんっ、グ……!?んう、ごうぇォえぇっ……!!」
突然、キッドの口から奇妙な音が発せられた。
直後、それまで腹打ちで吐いた量とは比にならない量の吐瀉物が、滝のように口から溢れ出る。
キッドの苦しみようは溺れた時さながらだった。
「へへ、胃をじかに握りつぶされたのは生まれて初めてだろ。
 魚のエラ袋みたいなのがキュンキュン手の中で抵抗してて、面白いぜ」
男は言いながら握りを離し、鼻の穴を大きく開いて息を求めるキッドを眩しそうに見つめる。




「綺麗だなぁ……。臓器の逞しさと、表面の肌とかの綺麗さ、純粋な外面の可愛さ。
 完璧だよ、あんたの本当の部分を、もっと見たいよ」
男はうっとりとした口調で呟きながら、キッドの下腹まで手首を下ろす。
機械男達が、いよいよだと囁きあって笑った。
「……も、もう、、やめ、て……!!」
キッドは汗まみれの顔で、縋るように男に言った。
だが男は、哀れなキッドの顔にいよいよ笑みを深め、その下腹の中で力を込める。
逞しい五本指の間で、キッドの大腸がぐじゅりと形を変えた。
「くわあああああああっっっ!!!!」
キッドの絶叫が響き渡る。
外からの刺激ではなく、直接腸を握りつぶされたとあっては耐えようもない。
キッドの括約筋が蠢き、奥から押し出される形で排泄物が溢れ出す。
それはカボチャパンツのような形をしたズボンの裾からはみ出し、白い腿を茶色く汚す。
男が下腹の中でぐ、ぐ、ぐと力を込めるのにやや遅れて、ぶぼっ、ぶぼっ、ぶぼっと糞便が流れ出していく。
自らの意志とは全く関係のないところで、腸を直接鷲掴みにされて便を送り出される。
ヒーロー『ドラゴンキッド』として、いや、ホァン・パオリンという1人の少女としても、人生で一番酷い瞬間だ。

『ドラゴンキッドを映すカメラを止めて!!汚らわしい映像を送るのをやめなさいっ!!!』
無線機の向こうで、ヒーローTVを取り仕切るアニエスがヒステリックな叫びを上げていた。
だがその部下達も混乱状態にある。
『ダメです、現場が指示に従いません!恐らくは現場の人間が、すでにあの強盗団と入れ替わっているかと……!』
絶望的な状況だ。キッドの醜態は延々とカメラに撮られ、街中に中継されている。
他のヒーロー達がいつまでも助けに来ないという事は、彼らも同じく窮地に陥っていると考えるべきだろう。

「あ゛……あ゛……おなが……ボクのおながが……ああ、あああ゛あ゛あ゛…………」

キッドは、現実を直視する事を諦めたガラスのような瞳で、
自分の下腹を襲う信じがたい現実を見ていた。
その繁みの奥からは糞便のみならず失禁までもが起こっており、元ヒーローの無力さを物語っていた。

そうして『ドラゴンキッド』の醜態を延々と垂れ流した後、男達はキッドを連れていずこかに姿を消した。
それはまさに瞬く間の事で、何か仕掛けがあったのか、NEXT能力を使ったものかは未だに解っていない。



それから数日の後。ドラゴンキッドは、まだ息をしていた。
しかし無事かというとそれも疑わしい。
彼女はヒーロースーツを取り去られた裸のまま、例の男に身体の中を弄られていた。
その瞳はぼんやりと天井を見つめたまま、腹の中をこねくり回される感覚を淡々と受け入れているようだった。
「ああキモチいいなぁ、最高だよお前の中は……。弾力といい血脈といい、新鮮すぎる。
 お前もキモチいいだろう、なぁ……?」
男はそう言いながら、キッドの腹部に手首までを沈めて内部をこねくり回す。
ハンバーグを作るような手つきだ。
「あっ……うあ、あ…………っあ」
キッドはかすかに口を開き、快感とも驚きともつかない声を上げている。
その子供めいた華奢な手足がぴくんぴくんと跳ねるのが、不相応にに色めいて見えた。

その動きにそそられたのか、男の数人がキッドの方へ歩み寄る。
「おい、お前ばっかり楽しんでないで、俺達にも貸してくれよ」
1人が言うと、腹をこね回す男はキッドの股座に視線をやった。
「良いよ……アンタらは、その『外の入り口』からこいつの中を味わうといい」
そう言うと、男達は下卑た笑みを見せる。

「へへ、なら遠慮なく……っと、おいおい、もう濡れてんのかよ?」
キッドの力ない片脚を持ち上げた男が、その繁みを見て言った。
確かに少女のそこは、かすかに濡れ光っている。
「腹の中を弄り続けられて感じちまったか?
 それとも腸やらと一緒に子宮まで捏ねくり回されて女にされたか?
 まぁどっちでもいいがな」
そう言ってキッドの中に押し入っていく。
「んん……」
キッドはほんの僅かに鼻に掛かった声を上げた。

「ふむ。相変わらず中々の締まりだが、あの強烈さを覚えちまうと物足りねぇな。
 おい、ちっとこいつの腎臓の辺りを掴んでくれ」
挿入する男が言うと、内臓を弄る男がキッドの繁みの上で力を込める。
「ふあっ!!」
キッドが愛らしく叫び、男が呻いた。
「うおおっ……!!これだ、この締め付けだ。こいつがタマらねぇ」
そう言って実に心地よさげに腰を使う。
その抜き差しを受けながら、先に内臓を押し潰し握りこまれ、キッドもまた身体を跳ねさせて反応する。
その奇妙なまぐわりは、キッドが助け出されるいつかの日まで、絶え間なく続くのだった……。



  ※



「…………という夢を見たんだ」
「最低ですよ、オジサン」



                         終わり
続きを読む

シャブり尽くされる女

※この物語はフィクションです。実在の女優・出来事とは一切関係ありません


ヤクザはいつの時代も嫌われ稼業だ。
マスコミの主導する街頭アンケートでは、身奇麗な女が眉を顰めて憤慨する。
「ヤクザなんて最低だと思います。人を騙して搾取して、悪いと思わないんでしょうか!」
なるほどもっともだ。だが笑える話でもある。
その女共が憧れ崇拝する『芸能界』には、ヤクザをも超える外道が巣食っているのだから。
数年前、薬物問題で世を騒がせたアイドル・大橋優佳。
あれなども業界人に食い物にされた一人だ。

大橋優佳は北陸地方の田舎に生まれ育った。
一日にバスが数本という本格的なド田舎だ。
人もまばらな商店街の外れで、偶然旅行に来ていたスカウトの心を射抜いたのだから、
その素材は一級品だと言って良いだろう。
『工夫のないセーラー服の上に、昭和みたいな丈の長いスカート。
 芋臭い事この上ない格好だったけど、その中身には一瞬で惚れたよ』
事実、スカウトマンはそう証言している。

元々、日本人離れしたすらりと長い脚をもっており、地元ではにわかに有名だったらしい。
いわゆる『村一番のめんこい娘』というやつだ。
その美貌は、上京してからのダンスレッスンでいよいよ磨き上げられた。
北陸出身ゆえの白い肌、都会ではそうは見かけない清楚で純朴な雰囲気、新生活への希望に満ちた瞳。
これだけの条件を備えた新星アイドルが、ブレイクしない理由はない。
雑誌の表紙を飾り、ネットでの人気投票では根強い支持を得、バラエティにも取り上げられた。
機転を利かせた面白い発言をする訳ではないが、そのわざとらしさのない生真面目さ・清楚さに、日々カルトじみたファンが増していった。
清純派アイドル。
大橋優佳が取り沙汰されていた時代、その謳い文句は彼女の為にあったと言っていい。

その彼女が転落するきっかけは、あるドラマへの進出だ。
有名若手俳優・観月健二が主演を張る『ヤドリギの花』。大橋優佳はそのヒロインに抜擢された。
当時上り調子にあったとはいえ、通常では考えられない栄誉。
優佳サイドが2つ返事で了承した事は想像に難くない。

真面目な優佳のことだ、女優としての初仕事にも魂を込めて挑んだのだろう。
泣き、笑い、憤り。優佳は劇中のヒロインになりきり、周囲が思う以上の熱演を見せた。
それに呼応するように他の役者の熱も上がり、ドラマは大成功を収める。
そしてラストシーンでの主人公とヒロインの熱愛がそのまま現実に顕われたかのように、
収録後も大橋優佳と観月健二の2人は親密さを増していった。

ただし、これを純愛などと反吐の出る呼び方をしてはならない。
観月健二は、外でこそ穏やかに笑い、『女を大事にしてくれそうな男ランキング』不動のトップを保っているが、その女癖の悪さは業界でも指折りだった。
奴にしてみれば、自分の中で及第点に達した女を、とりあえずつまみ食いしてみたに過ぎない。
無論、表面上はそんな気を微塵も見せないのが外道の外道たる所以だ。



観月健二が優佳を『喰った』のは、ドラマ収録を終えてから半年後の事だった。
優佳はオフの日、健二のマンションに呼び出された。
テレビなどで紹介されている自宅とはまったく間取りの違う、プライベートマンションだ。
そこに迎え入れられる事は、女に特別な思いを抱かせるだろう。

2人の砕けた空気を見る限り、もう何度も交際を繰り返している事が窺えた。
夜景を肴に色とりどりの酒を飲み、巨大なスクリーンで映画を鑑賞し、身を寄せ合う。
やがて優佳はバスルームに姿を消した。
おそらく彼女は、その時すでに、健二に抱かれる事を覚悟していたのだろう。
健二がバスルームの扉を開き、シャワーの降る中で優佳を抱きしめた時、彼女はさほど錯乱はしなかった。

「安心して。力を抜いて」
健二はベッドに腰を下ろし、全裸の優佳の乳房を弄びながら囁く。
なるほどその様は女を大事にする男のそれだ。
彼の指は楽器を奏でるような繊細さで膨らみを揉み解し、未熟な女を目覚めさせる。
「はっ……は、ぁ……っ」
優佳の表情と、刻一刻と形を確かにしていく乳首から察するに、それは多大な心地よさをもたらすらしい。
そうしてたっぷりと始まりの挨拶を施したあと、指は優佳の脚の間へと割り入った。
「ん」
優佳が初々しい声を上げる。
「処女なの?……大丈夫、痛くしない。最初の一瞬はつらいかもしれないけど、
 すぐに頭がおかしくなるくらい気持ちよくさせてあげるよ」
健二はそう囁きながら、優佳の潤みで指を蠢かす。
端正な顔や自信に満ちた態度ゆえか、若いながらに妙な説得力があった。

「可愛いよ、優佳」
夜景の広がるガラスにうっすらと姿を映しこみながら、健二は優佳を蕩かし続けた。
優佳はすでにほだされているようだ。
無理もない。これほどの男に大切さをアピールされながら尽くされて、心動かない女のほうが少ないだろう。
恋愛経験の乏しい生娘ならば尚更だ。
寝台に投げ出された優佳の脚の間は、十分なほどの潤いを見せていた。
指が蠢くたびに水気のある音を立てるほどに。
経験がなくとも、愛する男への気持ちが性のガードを緩めているのか。


「さ、いくよ」
十分すぎるほどに蕩かしを施した後、正常位に向き合って健二が言う。
優佳は小さく頷いた。
「おねがい…………します」
不安そうに上目遣いで囁く様は、普通の女ならばカマトトぶっている、となる所だが、
優佳にあってはそれが自然体なのだから驚くばかりだ。

半身を起こした白肌が汗に光り、艶やかな黒髪がシーツに広がる。
まるで姫君のようなその身を抱けるとなれば、さすがの健二も興奮する事だろう。
だが奴はまだ仮面を外さない。
「力を抜いて、まず一度大きく深呼吸をしてみるんだ。そうしたら俺を信じて」
そのように囁きながら、胸を上下させた優佳の中に、ゆっくりと腰を押し進めた。
「んんッ……!」
優佳の眉が下がり、唇が引き結ばれる。手足の強張りが純白のシーツに皺を作る。
だがその苦痛は一瞬で峠を越え、大きな息とともに弛緩に至った。
「無事に入ったね」
健二は穏やかな笑みで告げる。
「……はい。入ってるの……解ります。私、大人になったんですね」
優佳も感極まった様子だ。
その髪を幾度か撫でてから、健二はゆっくりと腰を動かし始めた。
「ああ、すごく気持ち良いよ。優佳の中は最高だ。
 まだ誰も知らないんだよな。優佳は見た目だけじゃなく、中身もこんなに可愛いなんてさ」
機を見て褒めちぎる事も忘れない。

性教育の教科書にでも載せられそうな、綺麗なセックスだ。
理想的な身体つきの男女が、向き合って互いを労わるように繋がっている。
ぱんっ、ぱんっと肉の当たる音が優しく響く。
あまりにも綺麗すぎて、それが性器と性器の結合である事さえ疑わしくなってくる。
だが、結合部を凝視する女の瞳が、紛れもなく繋がりあっているという事実を物語った。

穏やかなセックス。
しかしそれは同時に、優佳にとって堪えきれぬほど心地の良いものらしい。
「ああ、……ああっ……」
いつも品よく閉じている唇から、絶え間なく熱い息が吐き出されている。
上体を支えるべく後ろ手についた腕は、時おり背筋ごとぞくりと快感の竦み上がりを見せ、
はじめ無造作に投げ出されていた脚は、今や踵でシーツを磨り潰さんばかりに張っている。
頬を涙のように伝う汗もまた、火照り具合をうまく象徴していた。
感じ入っているのだ。事を始める前は生娘だった女が。

そのスパイスは抱かれる男への愛だろうか。
それとも、若い娘なら10人に9人が好意を持つ有名俳優を独占している、
自らと繋がりあい、心地良さそうにしてくれている、その夢のような出来事への幸福感だろうか。
女は本能的に自分にとっての“王子様”を追い求める生き物らしい。
であれば、その状況下で感じてしまう優佳を責める事はできまい。
ただし重ねて言うが、そこにあるのは純愛ではない。
なにしろ、俺がこうして大橋優佳の初夜を語り聞かせられるのも、後に残る映像媒体があったからだ。
観月健二が自らの寝室で撮影し、獲物の捕食記録として裏の世界に売り捌いた映像が。

今カメラの向こうで天を仰いだ娘は、そんな事は夢にも思っていないだろうが。



初夜で徹底的にセックスの味を覚えこまされた優佳は、すっかりその虜となった。
それは初めて食べたファーストフードに感銘を受け、連日通いつめる行為と似ている。
健二も惜しみなくその堕落に手を貸した。

二日目の夜、優佳はベッドに這ったまま、後ろから挿入を受けていた。
両肩に手を置かれ、一体感たっぷりに深い結合を受け続ける。
あの細い腰のどこに逸物が入るのか、と思えるほどだが、結合音は一定のリズムで繰り返された。
艶めく髪が背中にゆれ、整った顔は目を瞑ったまま顎を浮かせ。
優佳の様は、早くも女の悦びを見出している事が明らかだ。

互いの愛液が腿の間に粘ついた膜を作るころ、健二は優佳の身体を反転させた。
片脚を持ち上げて肩に担ぎ、大きく開かれた恥じらいの部分へ腰を沈み込ませる。
「あンっ、あ……!!」
これに優佳が実にいい声を出した。
まだ成熟には程遠い娘だが、その一瞬の声は女そのものだ。
「いかせてやる」
片脚を担ぎ直して姿勢を安定させながら、健二は確かにそう言った。
明らかに普段とは違う口調だ。本性を覗かせている。
しかし、快楽を待ちわびる優佳にそれを見抜く正気などなかっただろう。

昨日の小奇麗なセックスから一変し、荒々しく横向きに繋がり、乳房を揉みしだく交わり。
だが優佳は、三時を刻むように拡げた脚を何度も強張らせ、快感にうち震える。
純潔を失ってから僅かに2日目の夜。
優佳ははやくも絶頂の味を覚え込まされた。
それは次の日も、また、次の日も。
優佳が快楽を覚えるのに反比例し、健二は演技を止めてゆく。
まるでその分だけ、自らの本性を暴かれる心配がなくなった、と考えているかのように。

事実、一週間もする頃には、優佳は完全に健二の奴隷となっていた。
ワイングラスを傾ける健二の足元に跪き、その逸物を大切そうに舐めしゃぶる有り様だ。
まるで泡姫のような奉仕を強要されていた。
しかし、優佳がそれを嫌っている風はない。むしろ健二に奉仕できる事を誇りに思っている様子でもある。
完全に健二という男とそのセックスに酔わされているようだ。
根から純朴な彼女には、それを避けることなど叶わなかったことだろう。

そうして骨抜きにされた彼女に、ある日とうとう健二はクスリを使った。
いわゆる『シャブ漬け』だ。
クスリを使ったセックスは、一度やると忘れられない。
何度も快楽を刷り込みながら適量ずつクスリを用いると、どんな人間でも確実に中毒に陥る。
金のある限り、いや汚銭に手を出してまでクスリを求め続けるようになる。
クスリを提供する側の人間、つまり健二は、そうして優佳を性奴隷として繋ぎとめると共に、潤沢な貢ぎを受け続けるという寸法だ。
俺達ヤクザも女をシャブ漬けにする事はある。
だがそれは、あくまで女に稼がせる為の最終手段だ。組の利益にならない限りはやらない。
だが観月健二という男、いや芸能界という魔窟に住む連中は、遊び感覚でその一線をあっさりと踏み越える。
外道を超える外道、と俺が呼ぶのも、少しは理解できるだろうか。



逃亡劇の末、やつれ切って連行される優佳の姿は、改めて俺が語るまでもないだろう。
優佳は自分の意思で逃げていたのではない、と俺は思う。
彼女の性格なら、世間で疑惑が持ち上がった時点で自首を望むはずだ。
それをさせなかったのが彼女の事務所か、健二らクスリの関係者だったのかは解らない。
ともかく彼女は、塀の中で全てを明らかにした。
その段になってなお男を庇うほど馬鹿でもないのだ。
観月健二は芋づる式に逮捕された。裏にある暴力団組織にも捜査の手が伸びた。
黒幕も明らかになり、これにて事件は終了だ。

表の世界では。

ここからは、極めて信憑性の低い話となる。
そうであれば実に淫靡だ、というある種都市伝説めいた部分がある事も認めよう。
俺がこの話の根拠とするのは、裏のルートから仕入れた数本のビデオだ。
そこに映っているのは、懲役を終えた大橋優佳だとされている。
もっとも画面は全体として薄暗く、彼女の印象も数年前と比べて若干変わっている為に、
俺自身も眉唾物という気はしている。
だが、『なまじ名の売れた大橋優佳が、芸能界を追放された後も行く宛てがなく、
業界のお偉いさんの慰み者にされている』という状況説明に、成る程と思う部分もあったのだ。

ビデオは前述の通り薄暗い。
コールタールのような濃い飴色に染まったそこは、どこかのバーか。
直感で特別な場所だと解る。
上品な場、という意味ではない。金の有り余る好事家連中の溜まり場、ということだ。
品のなさという点ではある意味スラムの酒場よりひどい。

暗いバーの中央にはお立ち台のようなテーブルがあり、そこに白い影が浮かんでいる。
目を凝らすと、それが座り込む白い肌の娘だと解った。
逃げられないようだ。
天井から下がった鎖で手首の枷を繋ぎとめられ、脚も太腿と膝下を縄で縛り合わされている。
勿論というべきか、服など一切纏っていない真裸だ。


意外に素晴らしいその裸は、テーブルを囲むように座る男達の視線に晒されていた。
薄暗い中にも下卑た笑みが浮かんで見えるようだ。
そして、男達の視線はただ女の裸をなぞるだけではない。
粘つくような視線は、彼女の腹部から、震える脚をさすり、尻穴で止まる。
確かに女の尻は、何度か浮き沈みしており、何か妙だ。
注意深くその尻の付近に目を凝らすと、事情が飲み込めた。
テーブルの上、女の尻の下にイチジクの形をした容器が転がっている。
計四つ、いずれも潰されて使用済みの状態だ。
捨てられている場所からして、中身がどこへいったかなどは愚問だろう。

ぐるるるう……と女の腹が鳴った。

「お、お願いしますっ!!トイレに、トイレに行かせてください!!!」
女の声が映像内に響いた。
広くはない場所らしく、声が反響して聞こえている。
男達はただ笑っていた。
「お願いです、もう、もう限界なんです!!このまま出てしまいそうなんですっ!!!」
女の必死さはかなりのものだ。
正面に、横に、振り仰いだ背後に哀願の視線を向けている。
カメラに映った顔は整っていた。大橋優佳らしいかと言えば、らしくなくも無い。
少なくとも、こんな所で惨めな姿を晒さずともいくらでも生き方があるだろうという器量だった。
その彼女が、いよいよ苦しげに身悶える。

限界と見て取ったのか、男の一人が煙草をもみ消した灰皿を女の尻の下に滑らせた。
暗がりの中で宝石のように輝くガラスの灰皿。振り返った女が息を呑む。
「そこにしたまえ」
男が命じると、周りの笑いが大きくなった。
肩を揺らして大笑いする影の中心で、女が俯く。
しかし排泄欲には勝てなかったのか、腰を浮かせて灰皿に跨る格好を取った。
「う、うっ……!!ううっ……!!!」
苦悶か、泣き声か解らない声を漏らしている。
女の肌は雪のように白く美しかった。体型は向こう十年はグラビアでやっていけそうなほどに整っていた。
その女の排泄孔から、破裂音が響く。

「いやああああっ!!!!」
女の叫びは、それでも汚辱の音を掻き消すには至らない。
みちみちと浣腸液で緩んだ便が溶け出していく。灰皿の中に吸殻を覆い隠すように。
溶けたような軟便の後、太さのあるものも続く。時に千切れながら、滑り落ち、また奥から顔を出す。
何日にも渡って排便を禁じられていたのだろうか。
そう思えるほどの量で、灰皿の淵に設けられた窪みから外へ零れ出して行く。
やがては失禁も加わった。
それは灰皿に受け止められるはずも無く、テーブルに染みを広げてゆく。
笑い、笑い、笑い。
惨めな姿をなじり、見目に反してひどい匂いだと罵り、失禁を謗る。
女はそれにじっと耐えていた。
逃げられないようだった。



そこから、女は終わりがないかと思えるほどに嬲られ続けていた。
まずは、後ろ手に縛られた背中を上から撮るやりかたで、延々と後背位が映された。
若々しさを際立たせるためか、長い黒髪がリボンで纏められている。
ほっそりしたボディラインも相まり、まるで女子高生を犯しているような映像だ。
顔は見切れており、ちょうどその見切れる辺りから苦しげな声が漏れていた。
「え゛ごっ、んごぉおお゛っっ!!」
排泄を乞うていた時から3オクターブは低い、獣のような声だ。
女が口からそんな声を出せる状況は限られる。

カメラが乱交の正面映像を抜いた。
案の定、男の剛直を喉奥深くまで捻じ込まれている。
それも、顔を持ち上げ、喉奥の突起に逸物を擦り付けるような極めて苦しいやり口だ。
明らかに女の苦悶を愉しむ目的でやっている。
剛直は喉奥の深くまで入りこんだのか、女の顎から喉、乳房に至るまでは吐瀉物に塗れていた。
あのえづき声は、まさに嘔吐している最中のものだったのだろう。

イラマチオも酷いが、それによる締め付けを喜んで犯し抜く背後の男も酷い。
完全に種付け目的での腰使いだ。事実、女の恥じらいからは濃厚な精が絶え間なく溢れている。
後ろ手に縛られたままでの、身体の中心を刺し貫くような前後からの責め。
女はそれを、少し内股になった姿勢で耐え続ける。

乱交映像ばかりではなかった。
別の映像では、女はすらりとした脚を肩の方に持ち上げられ、尻穴を嬲られていた。
大股を開いた脚の、足首、脛、腿、尻肉に至るまでを数人の手が鷲掴みにしている。
そうして脚を戻せなくしたまま、尻穴に指入れを行われているのだ。
尻穴に潜り込んでいるのは男の節ばった指。オイル状のものを纏い、ぬるぬると出入りしている。
その様は鏡を用いて女自身にも見せつけられていた。
女は押さえ込む男達の鼻息を間近に感じながら、排泄孔への指の抜き差しという異常事態に声をなくしている。

テーブルには他にもいくつものアナル責め用の器具が見て取れた。
雰囲気からして、それら全てをたっぷりの時間をかけて用いる事だろう。
当然、指や器具で終わるはずも無い。
十分に解し広げられた暁には、彼女はその後孔をも使われる事となる。
その絶望的な未来をありありと感じながら、女は尻穴に指が出入りするさまを見つめていた。



                         終わり
続きを読む
アクセスカウンター

    ありがたいコメント
    さくさく検索
    月別アーカイブ
    メッセージ

    名前
    メール
    本文
    プロフィール

    kunsecat

    • ライブドアブログ