大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

版権モノ(二次創作)

もうひとつのSHIROBAKO(SHIROBAKO二次創作)

※アニメ『SHIROBAKO』二次創作。クールな総務・興津由佳の枕営業モノ。
 独自設定・オリキャラありのため注意。



「ふう……。これで音響の人は終わりだから、後は、えっと…………」
宮森あおいは呟きながら、手にしたリストに目を通す。
武蔵野アニメーションに制作進行として入社し、半年あまり。
初の担当作である『えくそだすっ!』が先日無事に納品となり、今は関係各所に挨拶回りの最中だ。
製作進行中は、日々トラブルの連続だった。その事に対して侘び、感謝し、今後の協力を願う。
そうしたコミュニケーションこそ、製作進行の肝なのだと、今のあおいは身に染みて感じる。
「次は、美術さんかな」
あおいが考えを纏め、唇からペンを離したその時。
彼女の乗る営業者の窓が軽く叩かれる。視線を向けると、一人の中年男が立っていた。
佐野という、広告代理店の中堅社員だ。

「こんにちは!」
あおいはドアウィンドーを下げて笑顔を見せる。つられるように佐野も笑った。
「相変わらず忙しそうだね、宮森さん」
「いえ……あ、確かに忙しいのは忙しいんですけど、山場は乗り切りましたから!」
「そっか。ホント台風一過って感じだね。聞く所じゃ、今回もトラブル続きだったらしいじゃない、“ムサニ”さん」
「いやー…………お恥ずかしい限りです」
あおいはバツが悪そうに頬を掻いた。
武蔵野アニメーション、通称“ムサニ”の動向は、やはり同業者から注目されているようだ。
無理もない。前作で『ぷるんぷるん天国』という、アニメ史に残る作画崩壊をやらかしたばかりなのだから。
その汚名返上をモットーに始動した『えくそだすっ!』でまた進行トラブルとくれば、業界人にとってさぞや良いネタになろう。
「業界一年目でいきなり火事場に放り込まれるなんて、大変だったね」
佐野は瞳に同情の色を含んで尋ねた。
アニメーション業界において、対岸の火事などというものはない。慢性的に人手が足りず、常にどこかの現場が阿鼻叫喚の中にある世界だ。
よって他所の惨状を笑っていても、そこには少なからず自虐的な意味合いが含まれている。

「正直、毎日いっぱいいっぱいでした。特に4話の最後の方は、私、完全にショートしちゃって。
 まさか最後の最後でサーバートラブルが来るなんて思いもしませんでした。
 まさに『万策尽きたー!』って感じです」
「ああ、あのFTPサーバー止まった時でしょ? あれ、影響ヤバそうだなーって皆で噂してたんだよ」
「危うく、4話で早くも総集編になっちゃう所でした。
 何とかなったのは、先輩の矢野さんが状況を整理してくれたり、興津さんが私の抱えてたもう一件を引き継いでくれたおかげです」
あおいがそう告げた瞬間、佐野は目を丸くする。

「興津って、あのムサニの興津由佳!?」
「え、はいっ、そうです!」
あおいはたじろぐ。何の気なしに出した言葉であり、そこに食いつかれるとは思いもよらなかった。
「彼女、まだ現場やってたんだ」
「あ、いえ、今回だけは特別なんです。多分私が、本当に余裕がなかったから……」
「お、そか。そうだよな……あんな事があっちゃ、そうそう現場復帰しないよな」
ぽつりと佐野の口から零れた一言が、あおいの心に絡みついた。
「何か、ご存知なんですか?」
あおいはドアウィンドーから身を乗り出して尋ねる。
佐野は“しまった”という表情を見せた。
「あ、ああ、何でもない何でもない」
そうはぐらかそうとするが、あおいは手を伸ばして佐野の袖を掴んだ。
「気になります、教えてください佐野さん!」
喰らい付くようにしてさらに問うと、佐野はひとつ溜め息をついた。
「いや……でもコレはさ、君に言っちゃうと、セクハラとかって問題になるかもしれないんだよ。つまり、そっち系の話ってこと」
「っ!!」
佐野の言葉に、あおいは目を見開く。
枕営業。咄嗟にその言葉が脳裏を過ぎった。あのクールな興津がそんな事をするとは思えないが、それでもだ。
「詳しく教えてください。セクハラなんて、絶対に言いません!」
あおいは佐野の瞳を覗きこみながら告げる。
佐野はその後もしばし逡巡していたが、やがて諦めたように肩の力を抜いた。
「……くぅー、解ったよ、降参! ホント、ムサニの女子って強いよな。
 じゃあ夜になったら俺のマンションに来て。今はまだ仕事中でしょ」
佐野は住所をメモ帳に記すと、ページを千切ってあおいに渡す。

そこからの午後の仕事は、あおいにとっていつになく長いものに思えた。
会社での由佳は普段と変わらず、淡々と伝票整理を行っている。
何かあったようには見えない。しかし仮に何かあったとしても、それを社員に見せるような女性でもない。
「どうかしましたか」
あおいの視線に気付き、由佳がクールな美貌を向ける。
「あ、いえ!」
あおいは慌ててスケジュール表に視線を移した。
(あんまり見るのはまずいよ。さっきのだって、ただの噂かもしれないし)
(そう思うなら、さっさと聞けばいいじゃん。枕したんですかー、って)
(そんな事、訊ける訳ないよ。誰にでも、踏み込んじゃいけないラインはあるよ)
あおいの心中で、2つの人形が会話を交わす。精神的に余裕がない時の癖だ。
あおいはそれを振り払い、得意先に電話をかける。仕事に没頭するしか、逃げの道がなかった。


興津由佳。
武蔵野アニメーションの総務を務める彼女は、あおいから見ても魅力的な女性だ。
片目を隠すようなショートヘアに、あまり表情を変えない整った顔立ち。
総務らしくカッチリと着こなしたスーツも相まり、まさしくクールビューティといった雰囲気を持つ。
仕事面は極めて有能であり、個人の担当業務を完璧にこなす一方で、全体をよく見てもいる。
社内が浮ついた雰囲気になった時、一喝して場を鎮めるのは主に彼女だ。
あおいの先輩である矢野や落合が由佳の現場復帰を促した事から考えて、制作進行時代から優秀であったと判る。
新米のあおいからすれば、まさしく『大人の女性』という印象があった。

「その興津さんが、枕営業なんて…………ちょっと信じられません」
佐野のマンションで正座しながら告げるあおい。
佐野は、2つのマグカップにコーヒーを注ぎながら苦笑した。
「俺は、枕営業なんて言ってないでしょ。……ま、実際はそうなんだけどさ」
あおいの前にカップを置き、その対面に座り込んでから、佐野はふと表情を固くする。

「一応彼女にフォローを入れとくとね、仕方がないんだ。
 君の世代は知らないだろうけど、この業界もちょっと前までは暗黒時代でさ。
 その時代の制作進行なんていったら、それこそ何でもしなきゃいけなかった。
 調べたら判るけど、その頃の制作の自殺率ってハンパじゃないぞ。俺の知り合いも2人死んでる。
 興津さんも、その生き馬の目を抜くような時代の制作だからね。枕をしてたとしても変じゃない。
 自分から提案しないにしても、この人こそと決めた相手から条件を出されれば、断り切れない状況だってある」
「それは、確かに……そうかもしれません」
わずか一年足らずの経験ながら、佐野の語る理屈はあおいにも理解できる。
外注業者には癖のある人間が多くいた。理屈屋や金に煩い人間、サボり癖のある人間。
その中に、日々のカンヅメ作業で性欲を溜め込み、肉体を求めてくる男がいても何ら不思議ではない。
他に宛てがなく、時間的余裕もない状況下で、一度抱かれれば請けてやると迫られれば…………あおいには、断固拒絶する自信がない。
「じゃあ、その事を理解した上で……というより、興津さんの『ムサニを護る』って覚悟を汲んだ上で、コレを見てくれ」
そう言って佐野は、ラックから一枚のDVDを抜き取った。
シンプルな白いパッケージ。
「白箱……?」
あおいは思わずそう呟いた。それは、作品が完成したときにスタッフに配られる、白い箱に入ったDVDとよく似ていた。
つい数日前、『えくそだすっ!』の白箱を手にして感極まったばかりなだけに、あおいにとっては印象深い。
「その発想になる辺り、宮森さんもすっかり業界人だね。これは、ただ映像を焼いただけのヤツだよ」
佐野はそう言いながら、ひらひらとDVDを翳す。ケースの表面には、マジックで殴り書きがなされていた。
『興津 由佳 (武蔵野アニメーション) 200× 11/12』
所々が掠れているが、紛れもなく由佳の名前と所属、日付が記されている。
「本当に……興津さん…………!?」
あおいの心臓が強く脈打った。



DVDがデッキに飲み込まれてからしばし。
テレビの画面に、薄暗い室内が映し出される。妙に生活観のあるアパートのリビングだ。
部屋の至る所に男性用衣類が散乱し、フィギュアや成人指定らしきゲームソフト、丸めたティッシュペーパーが転がっている。
漫画ばかりを収納した棚や、パソコン・ステレオセットなどの機器が壁を埋め尽くし、床には配線が踊る。
典型的な『オタク』と呼ばれる人間の部屋だ、とあおいは感じた。
そしてその部屋の中央、薄汚れた敷布団の上に、一人の女性が映し出されている。
端整な顔立ちと、金のリングピアス。白い肌に、スレンダーなボディライン。
見間違えよう筈もない。それは先ほどまで会社で目にしていた興津由佳当人だ。
彼女は丸裸に剥かれ、華奢ともいえる肢体を露わにされいた。
脚をMの字に大きく開き、後方へもたれかかる格好だ。
後ろには冴えない容姿の肥満男が座り、もたれかかる由佳をたるんだ胸板で受け止めていた。
(テンプレートな『オタク』だね)
(ウチの監督に無精髭生やして、10倍不潔にしたようなブタね。見てるだけで匂ってきそう)
あおいの脳内で、再び2つの人形が会話を始める。

映像を見る限り、挿入はなされていない。
代わりに由佳の身体には、男の太い指が這い回っている。
愛撫……と言えるのかすら曖昧な、触れるか触れないかというソフトタッチだ。
「色んな意味でいやらしいよな。ああいうフェザータッチってのは、女性の感度を飛躍的に上げるらしい。
 好きな相手と見つめあいながらああされると、普段以上に濡れるんだとさ。
 …………っと、余計な情報だったな」
佐野は興奮気味に語りつつ、傍にいるのが年頃の女である事に気付いて口を噤む。
(はい、セクハラ一回目。最低だね)
(それは言わない約束じゃないか。それに、状況を解説して貰えるのは有り難いよ。ボクらには経験がないんだから)
あおいの脳内の人形劇が活気を増していく。
それは逆に、あおい本人がいよいよ余裕を無くしている事を意味した。
同じ女である以上、あおいには本能で理解できる。男のタッチが、どれだけ堪らないかが。
『はっ…………あっ、はぁっ……』
映像は、由佳が熱い吐息を吐き出す音までを拾っていた。
演技か素なのかは判らない。しかし、妙に真に迫っているように思える。
『ウヒヒ、感じてきた?』
『…………はい…………』
男の問いに、由佳が答える。
『そうかそうか。今日は由佳のオマンコを、指と舌だけでドロドロにしてあげるからね』
男は由佳の耳を舐めながら囁きかけた。その間も5本の指先での愛撫は止めない。
じっくりと時間をかけて乳房を下から撫で回し、乳輪をくすぐり。
そしてその末に、とうとう胸の先が震えるほどになった瞬間、狙い澄ましたように乳頭を摘み潰す。
『あっ…!』
由佳の唇から吐息が漏れた。かすかだが、発情の色がある。

(あの声は、完全に感じてるよね)
(そんなの見れば解るじゃん。胸の先がもう四角くなってるんだから。勃起よ、勃起)
(あの男の人、意外に上手いよね。興津さんの体の事を、よく知ってる感じがするよ)
(普通の女のコに相手にされないから、こういう時に発散するしかないんでしょ。情けないヤツ!)
(興津さんは可哀想だよね。あんな男の良いようにされるなんて、堪らないよ)
(あのデブにだって、枕を迫れるだけの実力があるんでしょ。力のある人間にはハイハイって従うしかないの、制作は)
あおいの2つの心が討論を続ける。
その間も、由佳は男のねっとりとした責めを受け続けていた。
様々に姿勢を変えながら、全身を這う指先。それはとうとう、由佳の内腿を重点的に責め始める。
『ふんん……っ』
由佳は両脚をM字に開く格好を取らされながら、小さく喘ぐ。
撫でられている太腿はともかく、腹部や肩、頭の先までもがむず痒そうにさわさわと動いている。
それは、微弱な電流が彼女の体の内を貫いている事を示すかのようだった。
顔もそうだ。瞳こそまだ冷静さを保っているものの、眉は常に垂れ下がり、口は半開きのまま閉じない。
自慰をはじめてから10分以上が経ったころ、鏡の中のあおいが見せる表情と同じだ。
『良い表情になってきたじゃないか、由佳』
男は肥満体を揺らしながら由佳の顎を掴み、キスを強いる。
『んっ……んっ……はっ、んむぁっ…………ん』
由佳は抵抗しない。それどころか、自らたっぷりと舌を絡め、唾液を交し合う。まるで本物の恋人にするかのように。
「ううっ……」
あおいは思わず眉を顰める。
「凄い根性だよねぇ、ここ。中々できる事じゃないよ」
あおいの横で、佐野も苦い表情を作った。

男は濃厚なキスを交わしながら、太い手を少しずつ由佳の股座へと近づけていく。
2本指が薄い茂みを越えた所で、ぐちゅりと音が立った。
『ぷはっ。はは、よく濡れてる。ちょっと淫乱過ぎるんじゃないか』
『……すみません』
男の煽りに、由佳は静かな瞳で謝罪する。見た目には依然としてクールだ。女を濡らしているとは、とても思えないほどに。
しかしそのクールさこそが、男の嗜虐心を焚き付けるのだろう。
『まあいい。もっと、嬲ってやる』
男はそう言うと、由佳の体を押し倒した。そして仰臥した由佳の足の間に顔を埋める。
『さあ由佳、いつものをしてやるよ。しっかり踏ん張れよ』
『わかりました』
股座に鼻を埋めているせいでくぐもった男の声と、銀行員のように明瞭な由佳の声。
対照的なそれらに続き、何かを啜る音が動画内に響いた。
何か。状況からして考えるまでもない。男が由佳の愛液を啜っている音だ。
「ひっ!!」
これには、見ているあおいの方が悲鳴を上げた。生理的な嫌悪感から、背筋が粟立つのが解った。
映像内の由佳は悲鳴を上げない。
けれども、男の視線がなくなったせいか、先ほどまでとは反応が違っていた。
瞳は先ほどまでとは違い、かすかに潤みを帯び始めている。
頬を赤らめ、視線を小さく彷徨わせるその姿は、大人の女性どころか少女のようだ。
あおいは知っている。由佳はクールに振舞う反面、可愛らしい女性の一面も持っている事を。
社内のデスクは誰よりも少女趣味で、愛らしいぬいぐるみや小物が並んでいる。
打ち上げでは意外にも高揚してよく話す。自社のアニメが好評と聞くと、一瞬とはいえ目を輝かせて喜ぶ。
そうした愛らしさが興津由佳という女性の素であり、普段は努めて鉄の女を演じているのだろう。

男は、飽くことなく由佳の秘裂を舐め続けていた。
女に飢えているらしい露骨さだ。
くの字に折れた由佳の伸びやかな脚……その両膝の下を押し込むようにして脚を開かせ、秘部を舐めしゃぶる。
柑橘系の果実に直接口をつけて貪るかのような、品のない音で。
ムードも何もあったものではなく、あおいならば堪らず悲鳴を上げている所だ。
『あっ、あっ……はぁっ、あ…………!!』
由佳は規則正しく喘ぎ声を発していた。同じ女であるあおいには、演技だとすぐに解る。
しかし男は、下卑た笑みを浮かべている所からして、その演技を真に受けているようだ。
『どう由佳、気持ちいい?』
『はい……とても気持ちいいです』
男が顔を上げて問うと、由佳は相手の望む通りに答えを返す。男の笑みが深まる。
『グフフ、ならもっとしてあげるよ』
男はそう告げ、由佳の膝下をやや上方向へと持ち上げた。
くの字を描いていた由佳の両脚が、揃えられたまま天井を向く。
男はその脚線をしばし堪能し、やがて上向きになった秘裂へ、覆い被さるようにして口をつけ始めた。
ずずっ、じゅるるっ、と水音が再開する。
『自分で脚、押さえといて。もっと情熱的にしてあげる』
男が命じると、由佳は細い腕を伸ばし、自らの膝裏を抱え込んだ。
両手が自由になった男は、舌だけでなく指も用いて秘裂を責め立てる。
秘裂を舐めながら、その上方……おそらくはクリトリスを指で捏ね回し。
舌と指の両方で穴を弄くり。
あるいは、10本指を用いて夢中で膣の中を拡げ、観察し続ける事もある。

(まるで人形遊びみたいな熱心さだね)
(本当に、人形相手で満足してればいいのに。相手する女の気持ちにもなれっての)
(でも……あれだけ色々とされたら、女の子の方も感じちゃうんじゃないかな)
(なワケないじゃん。防衛本能で濡れるだけ!)

あおいは映像を眺めながら、いよいよ精神的に余裕がなくなっていくのを感じていた。
女の地獄……まさしく、それを目にしている気分になった。
「大丈夫、宮森さん? やっぱもう、止めようか」
顔色の悪さを案じたのか、佐野が尋ねる。
「大丈夫です。続けてください」
あおいはきっぱりと答えた。
確かに直視に耐えがたい代物だ。けれどもせめて、由佳に何が起こったかだけでも把握しておきたかった。


『ウヒヒヒ……すっかりトロトロになった』
呆れるほど執拗な秘所責めの後、男が呟いた。
由佳は恥じらいを隠し切れずにいる。目を泣いたように潤ませ、頬を赤らめ、口元を噤み。
『いい顔だ、可愛いよ。じゃあそろそろ、挿れてあげる』
男はそう言って、由佳の体を反転させた。光の角度が変わり、由佳の背中から脇腹にかけての汗がよく見えるようになる。
常にクールな印象のある興津由佳ながら、その汗はひどく生々しい。
『あああ、いいよ由佳。やっぱりこの視点が一番そそるよ』
男は、由佳の背を見下ろして涎を啜った。
確かに由佳の這う格好は、仰臥とはまた雰囲気が違う。
仰臥ではすらりと長い脚が目を引くが、這う格好では華奢なボディラインが印象的だ。
黒いショートカットと金のピアス、すっきりとしたうなじまでは大人の女という風だが、その下のラインはひどく細い。
そのアンバランスさは、異様な魅力を放っていた。
映像を見るだけでは解らないが、由佳の汗の量からして、映像内には濛々としたおんなの匂いが立ち込めてもいるのだろう。
これだけ条件が揃っていて、女に飢えたオスが猛らぬはずもない。

『さ、さぁ、挿れるぞ由佳!』
男は息遣いも荒く由佳の腰を掴む。由佳は素早く後方を振り返った。
『ゴムを付けて下さい』
『あ、ああ、そっか。君は、ナマ嫌いだったっけ。…………でもさコレ、結構面倒なんだよね』
男は傍らからコンドームの袋を拾い上げて開封し、拙い手つきで隆起した逸物に被せていく。
そして、改めて由佳の腰を掴んだ。
隆起した逸物の先端が、由佳のヒップラインの中ほどを数度ほど擦る。
そして動きが止まると、少しずつ逸物の輪郭がヒップラインに隠れ始めた。
『んっ…………』
艶かしい動きは、間違いなく挿入がなされている事の証明だ。
「………っ!!」
あおいは、正座した膝の上で手の平を握り締めた。
こうした知識がない訳では勿論ない。しかし見知った人間が挿入される映像を見るのは、なんとも妙な感覚だった。
『ううううっ……相変わらず、締まるなぁ。幼女の処女マンコみたいだよ』
男は挿入を深めながら呻いた。
たるみきった腿を前に突き出し、掴んだ腰を引き付け、とうとう陰毛付近までの全てを由佳の体内に埋め込んでしまう。
『さぁ、一番奥まで入ったぞ。これから、動くからな』
舐めるように由佳の耳元へ囁きかける男。由佳は半ばほど振り返り、薄い笑みを浮かべてみせた。

一度男の腰が引かれてから、たんったんったんっとリズミカルに肉の弾ける音が響き始めた。
次いで大きいのが、シーツの擦れる音。そしてそれらに混じり、かすかに粘ついた水音も聴こえている。
男の過分な脂肪の乗った下腹や腿が脈打ち、華奢な由佳の身体へと圧し掛かる様は、ひどく犯罪的だ。
間違いなく根元まで入っているだろう。そう考えた時、あおいにはひとつ疑問が浮かんだ。
「あの…………佐野さん」
どうしても気になり、隣でやや気まずそうにしている佐野に声を掛ける。
「ん?」
「あの、この人のあそこって…………その、大きいん……ですか?」
頬を赤らめ、やや上目遣い気味に尋ねるあおい。佐野はそれに一瞬虚を突かれ、破顔する。
「ははっ。宮森さんは、まだ詳しくないってわけか! そうだなぁ。まぁ、平均よりちょっと大きめ、ってところかな」
「ちょっと大きめ……ですか。あ、ありがとうございますっ!」
あおいは、耳まで赤らめて佐野に頭を下げた。しかしその最中にも、映像内の腰を打ちつける光景が脳裏に浮かんでいる。
男の物は、傍目にもひどく大きく思えた。それを後ろから受け入れる、それも、自ら望まぬままに……。
あおいは今一度、膝の上で手を握り締めた。言葉に出来ない思いが渦巻いていた。

愛のないセックスに、気持ちよさなどある筈はない。それが、年頃の女としてあおいが持つ考えだ。
しかし、映像を見ているとその考えが揺らぎそうになってくる。
『ヒヒ、凄い愛液だ』
男は腰を打ちつけながら呟いた。事実、水音や由佳の内腿のてかりから、かなりの愛液が分泌されているとわかる。
それは果たして、ただの防衛反応からか?
『ああ、あっ……はっ、あ、あっ…………あ、ああっ…………』
由佳は深く挿入を受けながら、絶え間なく喘いでいた。
枕営業をかけている以上、相手を悦ばせるために演技するのは自然なことだ。
しかし、その喘ぎに妙に熱が篭もっているように思えて仕方がない。
挿入を受けて微妙に震える左脚の動きや、シーツを掴む右手の動きは、明らかに感じた女の反応に思える。
『ううっ。この奥のうねり、最高だっ!!』
男は挿入を繰り返しながら、かなり深い部分に挿入したまま、腰を留める事がある。
それどころか由佳の細い腰を両手で掴み、グリグリと円を描くように押し付ける動きさえする始末。
『くあっ!!』
そうした時の由佳の声は異質だ。鋭く、そして甘い。由佳という女性を体現するように。
俯いていた顔も、この時ばかりは前方に持ち上がる。細目を開き、唇の真ん中だけを噛みしめ。
女が本当にたまらないときに見せる顔だ。
「………………」
あおいは、正座のまま内股を狭める。
由佳の性的な反応を見るうちに、いつしか妙な気分が湧き上がってしまっていた。
もし隣に佐野という異性がいなければ、秘部への刺激を始めているほどに。

官能からくる様々な反応を表しつつ、雄と雌の激しい交わりは続く。
それはやがて、汗を散らしながらのスパートに至った。
『あ、いくっ!! いくよ由佳、射精るよっ!!!』
男は由佳の腰を掴みながら叫ぶ。
『は、はい、下さい……奥に、下さい!』
由佳も同じ調子で男に応えた。
その2秒後。男は奥深くまで結合したまま腰を留める。お、おうっ、という呻きと共に、由佳の腰を掴む手に力が篭められる。
射精しているのは明らかだった。
やがて男が逸物を抜き出すと、被さったコンドームの先端は呆れるほど膨らんでいた。
本来であればそれが由佳の膣内に浴びせられていたという事で、妊娠の危険性はかなり高かっただろう。
『ふいいーー、出た出た。一週間ぶりだったからなぁ』
男が腰を下ろすと、由佳も両脚を揃えたまま向き直る。
『お粗末様でした』
横髪をかき上げながらそう告げると、男の逸物からコンドームを外して咥えこむ。
『うっ! へへ、相変わらず、上手いお掃除フェラだよ。ここまでされちゃあ断れない。仕事はキッチリさせてもらうよ』
『ふぁい……ありがとうございます』
男は由佳の髪を撫でながら満足げに告げ、由佳は逸物をしゃぶりながら上目遣いに笑みを見せる。
そこには間違いなく、2人のプロの姿があった。


「どうだった、宮森さん?」
映像の消えたテレビから視線を外し、佐野が問う。
「あ、え!? ええっと……」
茫然自失という様子のあおいは、慌てて佐野の方を向いた。
しかし、どう、と言われてすぐに答えられそうもない。
「ああ、いいよいいよ。女の子にこんな映像見せて、どうだったもないよな。忘れてくれ」
佐野は苦笑しつつ、デッキからDVDを取り出す。そしてあおいに背を向けたまま、ふと動きを止めた。
「…………ひとつ言っておくとね、これを参考にはしない方がいいよ。
 枕なんてのは、すぐに噂になる。これは本当に、そうするしかなかった時代の最終手段だ。
 ただ、彼女……興津さんは、そうしてでもムサニを守りたかったんだと思う。
 どうかその意思だけは、知っておいてほしい」
「ムサニを、守る…………」
佐野の言葉に、あおいは胸に手を当てた。
確かにそうだ。興津由佳は、誰よりも武蔵野アニメーションを大切に思っている。たとえ泥を被ってでも、守ろうとするほどに。
「わかりました!」
あおいは、佐野に向かって笑顔で告げた。

翌日も、その笑顔は変わらない。
(興津さん……ありがとうございます!)
淡々とパソコンに向かう由佳をちらりと見やり、心の中で深く感謝する。
「よーしっ、今日もどーんと行きますか!!」
「おっ、みゃーもり気合入ってるねぇ」
「万馬券でも当たったかぁ?」
矢野や高梨といった同僚に驚かれるほど、あおいは強い決意を口にする。
その様を見て、由佳もかすかな笑みを浮かべた。
年が明ければ、また新たな企画がスタートするはずだ。制作進行の新人も入社し、いよいよ忙しくなるだろう。
しかし、それでもあおいは進む。
かつて由佳がそうしていたように、武蔵野アニメーションを守っていく。

『もうひとつの白箱』の事だけは、誰にも明かさないままに……。



                                終わり

苦楽の果てに (フェアリーテイル二次創作)

※フェアリーテイル365-366話にかけての、エルザ全裸拷問を読んで衝動的に。


キョウカは腰に手を添えたまま、囚われのエルザを眺めていた。
冥府の門(タルタロス)の地下。
石壁は苔生し、柱の合間には蜘蛛が巣を張る。
さほど頻繁に使われる訳でもなく、また使われるべきでもない階層の最奥……
二重の錠が護る石牢に、エルザは繋がれていた。

身に纏うものは何もなく、生まれたままの姿を晒している。
服を剥がれた理由は、一つには彼女が鎧を換装して戦う魔導士である事が関係していた。
とはいえ、彼女を繋ぐ拘束具はあらゆる魔法を封じる鉱石でできている。
それを手足に嵌めている以上、魔法の使用を危惧する必要などない。
すなわちこれは建前。
真の理由は、何といってもエルザの羞恥心を煽る事にある。
今からキョウカが行おうとしているのは尋問だ。
尋問において、相手が服を纏っているにも関わらず、自分だけが裸を晒すという状況は耐え難い。
無意識のうちに相手との格差を感じ、屈服しやすくなる。
特に、対象が美しく誇り高い女であればあるほど、劇的な効果が期待できた。

「……これが、妖精女王(ティターニア)か」
獲物の目覚めを待つ間、キョウカは誰にともなく呟く。
最強ギルドである事を改めて世に知らしめた『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』の中でも、
さらに頭一つ抜きん出たS級魔導士。
パンデモニウムにて、100の魔物をたった1人で倒しきったその実力を、もはや疑う者はいないだろう。
「なるほど」
エルザの裸体に今一度視線を這わせ、キョウカは続ける。
成熟と若々しさが絶妙に入り混じる肉体だ。
凛然と整った顔立ち。
スカーレット(緋色)の名に恥じぬ、紅蓮のような長い赤髪。
零れるほどによく実った乳房、肉の張りと筋肉の締まりの申し分ない脚線。
妖精女王の名にこれほど相応しい女も他に居まい。
「!」
その妖精女王が、ついに眠りから目覚める。
「目が覚めたかな」
キョウカは間髪を入れず告げた。
相手の意識も定まらぬ内に存在を示し、主導権を握る。些細ではあるが重要だ。
ギシッ、とエルザを拘束する頭上の鎖が軋む。続いて、両足首の鎖も。
「これは……!」
エルザは鎖を軋ませながら、己の置かれた状況を把握しつつあるようだった。
「ようこそ 冥府の門(タルタロス)へ」
淡々とした口調で、相手に現状把握のための材料を与えるキョウカ。
エルザの目を見開く様が滑稽だ。
いかな妖精女王とて、この急転直下の窮地は受け入れ難いらしい。
特に、その原因が意外な人間の裏切りとあれば。
「バカな!!!!元議長が裏切るハズなどっ!!!!」
ギシギシと激しく鎖を揺らすエルザに、キョウカは冷笑を投げかける。
魔法を封じられた魔導士は無力。それが世の理だ。
たとえ、噂に聞くS級魔導士であろうとも。

  
「そなたには聞きたい事がある」
キョウカはエルザの顎を掴みあげながら、静かに告げた。
「ジェラールの居場所だ」
尋問の意図を明らかにした瞬間、エルザの顔色が一変する。蒼白、と言うべきか。
そしてその反応は、キョウカが期待した通りのものでもあった。
「そなた等が親密な関係なのは知っている」
エルザの戸惑いを覗き込むように、キョウカは追求を続ける。
「な…なぜジェラールを?」
顎を引き、敵意を剥き出しにしながら問うエルザ。
しかし、キョウカに答えるつもりはない。
問うのは自分で、相手は答えを返すだけの木偶。その逆は赦さない。

エルザの顎先から離された指が、そのまま彼女の身体を滑る。
「どこにいるか言え」
キョウカはエルザの急所を摘み上げた。
狙うは女の芯。女性器の上端に息づく、小さな肉の芽だ。
「あ あ ぁ あ ぁ !!!」
気丈だったエルザの相好が瞬時に崩れ、苦悶の叫びを上げ始める。
「 あ あ 、 あ …… あ  !!!! 」
ぐっ、ぐっ、とキョウカが指先へ力を込めるたび、悲痛な叫びが石壁に響く。
「此方の“魔”は人の感覚を変化させる。
 そなたの痛覚は今、限界まで敏感になっている」
肉体の現状を知らしめつつ、今一度陰核を捻り上げるキョウカ。
「ふぐ…… ん!!」
エルザは歯を食い縛って悲鳴を堪えるが、波打つ身体が如実に痛みを訴えていた。
激痛が脊髄を駆け上っているのが見て取れる。
陰核を捻り潰されたのだから当然の反応だ。
薄皮の下に無数の神経が張り巡らされた陰核は、人体の中で最も敏感な箇所といえる。
しかし、エルザは理解しているだろうか。
たった今キョウカが明かした事実、“痛覚が極限まで敏感になっている”ということの意味を。
それはすなわち、エルザの皮膚という皮膚……顔に手足、腹部に乳房、そのすべてが陰核と化したも同然なのだと。
「言え」
今一度、キョウカが問う。軽い問いであった。キョウカはこの問いで、エルザが折れることを望んでいない。
「知ら……ない……」
眼に大粒の涙を湛え、唇の端から唾液の線を垂らし、汗に塗れ。
その状態でなお、エルザは毅然とした態度で答える。
これこそがキョウカの望み。エルザに本当の意味で現状を教えるための、最後の条件がクリアされた。

 
キョウカは薄い笑みを浮かべながら、人差し指を変質させて一振りの鞭を形作る。
太さはわずかに女の指ほど。
しかし鞭とは、操り方次第で容易く人間の肉を裂く凶器だ。
こと、皮膚とその直下に対する痛みにかけては人類史上あらゆる武器にも並ぶものはない。
ヒュン、と風を切りながら、キョウカの指先が宙を舞う。
竜の尾が巻くように一度円転させ、その運動エネルギーを余さず乗せて指を振り抜く。

スパァンッ!!

肉の爆ぜる音がした。狭い石牢に、けたたましくその鋭い音が反響した。
しかし余韻には浸れない。
「う あ あ あ ぁ あ あ あ あ ! ! ! ! 」
絶叫。
まさしくそうとしか形容しえない声が、エルザの喉奥から迸る。
鳩尾に一筋走った鞭痕を晒すように仰け反り、髪を振り乱して叫ぶ。
その様は歴戦の戦士ではない、紛れもなく一人のおんなだ。
クス、とキョウカから笑いが零れる。
彼女は今、狂おしい激痛の最中に知っただろう。
己の総身が、先ほど挟み潰された陰核と同質のものになっている事実を。
何があっても秘匿されるべき神経の塊を、無防備にもキョウカに晒している恐怖を。
「ハア、ハア、ハア……ハア、ハア……ハア…ハア…………」
下方の一点を見つめたまま、エルザの視線は凍り付いている。
肺は逆に暴れ狂っているのか、長時間疾走を続けたような荒い息が途切れない。
内股になったその脚には尿さえ伝い、排泄用に設けられた足元の溝へと流れ落ちていく。
ただ一度の笞打ち。されど全身が陰核化された身を打たれれば、ただの一度で失禁に至るのだ。
かの妖精女王(ティターニア)が。

「フェイスの封印を解く為、我々は元評議員を皆殺しにするつもりだった」
喘ぐエルザの耳元へ、キョウカはジェラールを捜す理由を囁きかける。
そして前髪を掴んで無理矢理に顔を上げさせた。
「……うち二人はすでに死んでいた。残る一人は…」
「まさ…か…」
エルザが朧に事実を把握する。その顎を掴み、キョウカは吐息も掛かろうかという距離に詰め寄る。
決定的な事実を告げるために。
「ジェラールが死ねばフェイスの封印が解ける」
「!!」
キョウカの言葉に、再び顔面を蒼白にするエルザ。
ジェラールに想いを寄せていることが、これほど解りやすい反応もない。
「おっと…少し口が滑ったな。これでは知ってても教えられんか」
キョウカは迂闊さを悔いる素振りを見せる。しかしその口調にはあくまで余裕が感じられた。
それもそのはずだ。キョウカには、まだ手の内にカードがある。
 
「知らん!!本当にジェラールの居場所は……」
「こうしよう」
エルザの声を遮り、キョウカはその横顔を覗き込む。
「ジェラールの居場所を言えば、ミラジェーンを返そう」
ミラジェーン。エルザと共に捕らえたギルド仲間だ。
彼女はキョウカの下僕とする為の肉体改造を施すつもりである事を、すでにエルザには伝えてある。
共に死線をくぐり抜けたギルドの仲間同士は、固い絆で結ばれているのが常だ。
特にエルザのような義に厚い人間が、仲間を見捨てる筈はない。
想い人か。ギルドの仲間か。エルザにすれば片方を見殺しにする、究極の選択といえる。
「…………!」
絶句するエルザを、キョウカは背後から静かに見つめる。
そして判断を急くが如く、素早く指先を降り抜いてエルザの尻肉を打ち据えた。
「言わねば……そなたもミラジェーンも死ぬ」
改めて置かれた状態を確認させる。
エルザは身を揺らして苦悶しながら、呻くように口を開いた。
「本当に……知らない…… ……んだ。………頼む…ミラを助けて…くれ」
真に迫った様子で哀願するエルザ。

あるいはエルザは、本当にジェラールの居場所を知らないのかもしれない。
確率は五分五分とキョウカは読んでいた。
一見して竹を割ったような性格に見えるエルザだが、歴戦の猛者である事も事実。
それなりの処世術は身に着けている筈であり、巧妙に白を切り通している可能性は捨てきれない。
しかし実のところ、エルザが情報を知っているのか否かはさして問題ではなかった。
情報を知っているならば、吐くまで甚振り続ければよし。
逆に本当に知らなかったとしても、この冥府の門(タルタロス)に連れ込んだ以上、生かして返す事は有り得ない。
キョウカは生粋の拷問好きだ。
彼女の拷問にかかれば、囚われた者は例外なく惨めな最期を迎える事となる。
エルザが情報を持っていようがいまいが、キョウカがその身をしゃぶれるだけしゃぶり尽くして愉悦に浸る事には変わりない。

「そうか……もう少し此方を楽しませてくれるのか」
キョウカは指先の鞭を引き絞りながら、湧き出る愉悦を噛み殺しつつエルザに告げる。
エルザの顔が恐怖に歪むさまを、この部屋で彼女だけが堪能できた。





「うぐあぁああっ!!」
キョウカの鞭が脇腹に巻きついた瞬間、エルザは天を仰いで絶叫する。
そして視線を虚空へと彷徨わせた後、力なく項垂れた。
気絶。
拷問が始まってから、一体何度目になるだろう。
痛覚が限界まで研ぎ澄まされた身だ。脳が過剰に危険を察し、意識を断ち切ろうとするのも無理はない。
しかし、キョウカは相手が休むことを赦さなかった。
ある時は頬を張り、ある時は赤髪を根元から掴みあげて、気を失うたびに覚醒させている。
「休ませぬぞ」
キョウカはやはりそう呟くと、俯くエルザの眼前で指を引き絞る。
狙う先は、エルザの肉感的な両脚の合間。
男女を問わず、下方からの打撃に耐えるよう作られてはいない場所だ。
キョウカの指が手招きをするように折られ、鞭の先端が風を切る。
ピシィッ、と鋭い音が響き渡った。
「っ!?……ぐぁああぁあああっっ!!!!!」
不意に訪れた衝撃に、エルザは身を捩らせながら悶え狂う。
気絶前は時の経つほどに反応が鈍くなっていたが、寝起きの一撃はやはり鮮度がいい。
「うぅ、うううぅうっ……!!」
閉じた目から涙を流し、内股に膝をすり合わせて苦しむエルザ。
それをさも可笑しそうに眺めながら、キョウカはエルザの背後に回る。
相手の周囲を巡りながら嬲るのがキョウカの常だった。

「痛かったか。では慰めてやろう」
嘲笑いを含む口調で告げながら、キョウカはエルザの脇下へと手を回す。
五指に長い爪を有する手が掴むのは、豊かに揺れる乳房だ。
静かに掌で包み込んだ次の瞬間、痛烈に力を込めて揉み潰す。
エルザの乳肉は容易く変形し、指と指の合間に白い隆起を見せた。
「うぐぐぐ、ぐっ……!!」
当然ながら、エルザからは苦悶の声が上がる。
痛覚を活性化されたエルザの側は、針山を押し付けられているようなものだろう。
「そなたの乳は底無しの柔らかさだな。極上の揉み心地だぞ」
キョウカは獲物の悲鳴に目を細めつつ、ゆったりと乳房を刺激し続ける。
そして存分に堪能した後、とうとう指先は頂にある蕾へと至る。
「気のせいか?ここも、反応しているようだが」
爪先が乳房を掴み、容赦なく引き絞る。
形のいい乳房は一瞬にして三角に尖り、その鋭利さで無理な力の込められ具合を示す。
普通の人間でいうならば、乳頭にピアス穴を開けられ、それを滑車で巻き上げられるに等しい苦痛か。
「いぎぃあああぁぁああっ!!!」
エルザから絶叫が搾り出された。
「いい声だ。耳を通り抜け、此方の心さえ震わせる。
 かの大魔闘演武でさえ、ここまでの叫びは聞けなかった」
キョウカはさらに乳頭の引き絞りを繰り返す。
「あぁあっ、あ……うああああっ!!!!」
その都度、エルザからは絶叫が迸った。全身を覆う脂汗が、さらにじっとりと濃さを増していく。
「そなたの汗は不思議と甘い匂いがするな、妖精女王。部屋中に充満しているぞ」
キョウカは粘ついた声をエルザの耳元に囁きかけ、そのまま鎖骨を舐めた。
「く……!!」
眉根を寄せるエルザ。痛みではなく、望まぬレズビアン行為に対する精神的屈辱からだろう。
エルザ自身にその気が有るにせよ無いにせよ、同性からの愛撫を強要される状況は耐え難い。
キョウカはそれをよく知っている。
 
「あ、あっ、ああ…………!!」
乳房と鎖骨への刺激で、エルザの身体は艶かしく踊る。
その末に内股の力が緩む瞬間を、キョウカは見逃さない。
蛇が木を滑り降りるような素早さで、しなやかな指先が股座へ入り込む。
「ここは小便まみれだ」
指先を浅く女の部分へ沈み込ませながら、キョウカが呟いた。
「よ、よせっ!!」
エルザは目を見開き、反射的に叫ぶ。
「よせ?そなた、誰に口を利いている。今すぐミラジェーンを改造してやっても良いのだぞ」
キョウカが気分を害された様子で凄むと、エルザの顔が驚愕に染まった。
「や、やめて…………くれ」
一転して弱気な哀願となり、秘裂への刺激を拒む。
しかし、相手の弱みを見つけたサディストが手を緩めることなど有り得ない。
キョウカは存分にエルザの秘裂の感触を堪能した後、引き抜いた指を太腿に這わせる。
その指先が次に狙うのは、より一層恥じらいの大きい部分。
尻肉の合間に息づく、排泄の穴だ。
「い゛っ!!!」
指先が入り込んだ瞬間、エルザの喉元から濁った叫びが漏れる。
「ほう、きついな。こちらは未使用か」
キョウカは口端を吊り上げた。
2本の指を重ねてより深くへと送り込み、指が握り潰されるような感触を味わう。
片やエルザは後方へと視線を投げかけたまま、ガチガチと奥歯を鳴らし始めていた。
出す事しか意識したことのない穴へ、異物の挿入を受けるおぞましさ。
それが勇ましい彼女の心に喰い付いている。
「ああぁ、あ……あああっ…………!!」
キョウカはしばし、腸内で指を蠢かしながらエルザの苦悶する様を眺め続けた。
そしてそれに飽きると、再び距離を取って鞭を浴びせる。
「あ あ ァあ あ あ あ っ!!!!」
久しく忘れていた皮膚の痛みに、新鮮な叫び声を上げてのた打ち回るエルザ。
キョウカはクスリと笑みを漏らす。
秘所の粘膜をくじり、辱めるのも一興。
しかしせっかく痛覚を鋭敏にさせている以上は、やはり鞭が一番面白い。
眼からも、耳からも、感触からも、狂おしいまでの痛々しさが伝わってくる。
涙を流し、涎を垂らし、汗を光らせて踊る獲物は滑稽だ。
特にそれが、勇猛で気高い女であればあるほど。
「まだだ、まだ足りぬ。この程度で壊れては、そなたである意味がない。
 そなたの堅強さには期待しているのだ。叫び、悶えて、時を忘れるほどに此方を楽しませてくれ」
エルザの身の至るところへ鞭を浴びせながら、キョウカは告げる。
まるで瞬きをしないその眼は病的であり、底知れぬ嗜虐性を感じさせた。


  
囚われてから、どれだけの時間が経ったのだろう。
エルザの身体は、傷のない箇所を探す方が困難なほどの裂傷に覆われていた。
上腕、下腕、肩口、乳房、脇腹、鳩尾、臀部、腿、足首……あらゆる場所がだ。
鞭が直に舐めた体の前面よりも、巻きつく形で叩きつけられた背面の方が、ことさら傷が深かった。
また、派手な鞭傷が目を引くが、よく目を凝らせば殴打痕と見られる痣や、爪を立てられたと思しき微細な切り傷も存在する。
白い柔肌を覆い尽くすそれらの痕は、エルザがどれだけ執拗に嬲り続けられたかを察するに余りある。

「騒がしいな」
エルザの十数度目の気絶を確認した直後、キョウカは異変に気がついた。
地震が訪れたように石牢が揺れ、地上階の方からは人の騒ぐ声も漏れ聴こえている。
苦しげに項垂れるエルザを一瞥した後、キョウカは口を開いた。
「ヤクドリガ、女を見張っていろ。此方は様子を見てくる」
まるでその呼びかけを心待ちにしていたが如く、石牢上部の天井に影が蠢く。
エルザの肢体に触手の束を垂らしながら現れたのは、異形の魔物だ。
ガマガエルの頭を有し、蟲を思わせる触覚を携え、手足の先は繊毛の生えたヒレ状のもの。
まさに今エルザに触れんとするそのヒレ先からは、微弱な電流さえ確認できる。
「手は出すな」
キョウカは鋭く忠告した。
ヤクドリガと呼ばれた魔物は、その声に反応してビクリと触手を引く。
「此方の拷問の楽しみがなくなる」
冷ややかな視線を投げかけながら釘を刺し、キョウカは石牢を後にした。

石牢の扉へ二重の錠を下ろしながら、キョウカはふと笑う。
「手を出すな……か。無駄な事だろうな」
覗き窓から見えるヤクドリガは、エルザを凝視しながらもキョウカを恐れて控えている。
しかし、それもキョウカの姿が見えるうちだ。
ヤクドリガはさして頭の良い魔物でもなく、またそれ以上に女好きが過ぎる。
特にエルザのような凜とした美女が好みらしい。
その好物と共に石牢へ残せば、いずれ手をつけることは目に見えていた。
むしろキョウカの制止が背徳感を煽り、より倒錯的な行為に走る可能性さえある。
「しかし、痛覚が極限まで高まった状態でアレの相手とは……哀れなものだ。
 戻った時には、果たしてどれほどの無様を晒していることか」
キョウカは後の楽しみに眼を光らせながら、異変を速やかに処理すべく歩を進めた。



 


 (ナツ……ルーシィ…………グレイ)

灰色に淀む脳裏に、ギルド仲間達の面影が浮かぶ。
焚き火を囲むようにして大所帯が集い、一様にエルザの方へ笑顔を見せる。
一度瞬きして目を開けば、その奥にはさらに、ミラジェーンやジェラールの姿も加わっていた。

 (皆、無事なんだな、良かった! すぐに私も、そこに……)

エルザは仲間の下へ歩み寄ろうとする。しかし、前進ができない。
両腕は頭上で一纏めに拘束され、足首は股を開いた状態で固定されている。
そして、次の瞬間。
彼女は腰の辺りから閃光を感じた。
その閃光はすぐに身を震わせる電流となり、彼女の意識を闇から引きずり出す。

「うああっ!!」
叫び声と共に、エルザは意識を取り戻した。
幾度も覚醒のたびに目にした、蝋燭の立ち並ぶ石牢。
仮面をつけた女の姿は見えないが、代わりに、自らの身体に何かが触れている事に気付く。
「なっ……!」
エルザは目を見開いた。
乳房に腰、そして大腿部に、得体の知れないものが張り付いていたからだ。
妙な生臭さを放つそれは、繊毛と吸盤上の皮膚でエルザの肌にぴとりと密着している。
繊毛からは涎のように粘液が分泌されてもおり、エルザのボディラインに沿って床へと滴り落ちていた。
さらには微弱な電流さえ帯びているようで、密着される皮膚はピリピリと痛む。
先ほど感じた電流の正体はこれのようだ。
「ギ、ギ」
触手の根元から奇声が発せられる。
見上げてその異形の頭を確認したエルザは、静かに喉を鳴らした。
魔物としての怖さは感じない。
彼女が100の魔物を屠ったパンデモニウムでいえば、せいぜいがB級モンスターといったところだ。
まともな状態で戦えば、もののついでで斬り捨てられる。
しかし、この状況での遭遇はまるで意味が違った。
今のエルザは手足を拘束され、魔法を封じられている。
挙句には、キョウカの能力で痛覚を極限まで高められている状態だ。
ほとんど村娘に等しい……否、それ以上に無力なこの状態で遭う魔物は、エルザの心臓に最大級の警鐘を打ち鳴らす。
「ギギィ」
エルザのその心境を読み取ったのだろうか。
ヤクドリガは明らかに喜色を浮かべた泣き声を発しながら、エルザの身に触手を巻きつけていく。
そして触手が身体の各部を一回りした段階になると、静かに頬袋を膨らませる。
何らかの攻撃を仕掛ける前兆だ。
エルザは豊富な戦闘経験からそれを感じ取ったが、しかし何ができるわけでもない。
かくしてエルザは、ヤクドリガの攻撃を為すすべなく受ける事となる。
それまでの微電流とは比較にならないほどの、痛烈な電流を。

 
「うぁああぁあぁあああ゛あ゛っ!!!!」
地下の石室に叫び声が響き渡る。
わずか数秒の間隔だけを置いて、もう幾度も立て続けに上がっている悲鳴だ。
「あ゛あぁああああ゛っっ!!!!!」
再び悲鳴が喉から迸るのを、エルザは遠くに感じていた。
地獄の電流拷問だ。
ただでさえつらい電流責めに加え、今は痛覚が過敏になりすぎている。
あまりに痺れが強いため、いつしか皮膚という皮膚が分厚いゴムになったように触感を失っていた。
代わりに、くすぐられるような狂おしいもどかしさが身の内を這い回る。
手足は意思とはまったく無関係に病的な痙攣を繰り返す。
挙句には自律神経さえ一時的に機能しなくなるため、ありとあらゆる体液が垂れ流しの状態だ。
涙に涎、汗、さらには愛液さえもが止め処なく溢れていく。
白目を剥いてもいるようだ。
しかし、止めようがない。
電流が流れる間は醜態を晒し続け、電流の止まるタイミングで脱力して酸素を求め、また醜態を晒すデスマーチ。
「ギギ、ギギギィ」
もはや疑う余地もなく、魔物はエルザを嬲る事を楽しんでいた。
「やぇっ、やぇろ………。……もぉ、やぇえ……くぇ…………」
呂律の回らない口調でエルザがいくら中断を訴えても、応じる気配がない。

それをどれだけ繰り返されたのか、やがてエルザは完全な脱力に至った。
「あ……あぅ………あぅぅう………………あ」
涙の滲む視線は虚空を彷徨い、閉じない口からは涎が垂れ続けている。
筋肉は弛緩しきって張りを失い、脚は内股に折れて、頭上の鎖を支えにかろうじて直立を保っている状態だ。
「ギィイッ」
獲物が完全に無力化する瞬間を待ち望んでいたのだろうか。
ヤクドリガは短く啼くと、いよいよエルザの肉体へと強く纏いつき始める。
それまでは触手だけを絡めていたものが、とうとう胴体さえ密着させ、抱きつくように肌を合わせて。
「……は、離せ!」
エルザは顔を引き攣らせる。その表情は嫌悪ゆえか、あるいは恐怖ゆえか。
いずれにせよ、もはや彼女にヤクドリガを振るい落とせる力はない。何をされてもされるがままだ。
ひた、ひた、と肌に触れていた触手が、とうとう産道の入り口に至っても。
「ギ」
ヤクドリガは一度啼いてエルザの注意を引き、彼女の視界端で触手の一本を収縮させる。
普段はイカやタコのそれを思わせる形状だったものが、収縮させる事で一本の太い枝のように変質していく。
「まさ……か」
それは女の本能だったのだろうか。瞬間的に、エルザは魔物の意図を理解した。
そしてその理解通り、ヤクドリガは陰唇に触れる触手の方も硬く握り込む。
そしてエルザの恐怖を楽しむようにゆっくりと秘裂の表面を撫で回すと、狙いを定めたように押し付ける。
「や、やめっ……!」
エルザが叫んだ時には、既にすべてが遅かった。
ヤクドリガの触手は深々と秘裂に突き刺さり、電流責めで愛液に塗れている内部を滑るように進む。
「ああああぁあっ!!!!」
エルザは叫び声を上げた。
女性器への侵入は、ただでさえ強い痛みや異物感があるものだ。
それに加え、今の彼女は身体中の痛覚が極限まで研ぎ澄まされた状態にある。
硬く太い触手が陰唇を擦る感触、襞の一つ一つに擦れていく感触、膣の拡張に伴って隣接する筋肉が蠢く感触。
それらが膨大な情報となって、焼き鏝を当てるように脳裏に刻み付けられていく。
どぐり、どぐり、どぐりと、血脈のリズムに合わせて、幾度でも。
「うぁあ、ああ……あ…………っ!!」
気絶できればまだ楽だ。しかしこの膣への挿入は、痛みの総量が膨大すぎて気絶すらままならない。
ゆえにエルザは、あくまで意識を保ったまま、己の秘匿すべき部分が蹂躙される痛みに耐えるしかなかった。




数知れぬ絶叫を吸収してきた石壁が、今は艶かしい音を啜っている。
ぬちゃ、にちゃっ、ぬちゅ、ぬちゃっ、にちゃっ……。
脚の合間から漏れるそうした音を、エルザは喘ぎながら耳にしていた。
音の元は、ヤクドリガの触手から滲む粘液か、それともエルザの零す蜜か。
膣の中の異物感は相当に強い。
収縮したとはいえ、ヤクドリガの触手はエルザが作る指の輪ほどの直径を誇る。
それが抜き差しされる苦痛はかなりのものだ。
「う、ああぁっ……!!」
触手の先端が子宮口を叩いた瞬間、エルザは呻きを上げた。
出産経験のない女性の場合、子宮口は硬く閉じており、突かれれば強い痛みを伴う。
痛覚が増幅している今のエルザには、身を揺さぶるほどの衝撃だ。
幾度もゴリゴリと奥を削られれば、涙を零さずにはいられない。
さらに触手は、不意に膣内へ電流を流すこともある。
身の内から痛烈に痺れさせられては、もはや悲鳴さえ上げられない。
「……………………っ!!」
エルザは目を見開き、瞳孔を収縮させて痙攣する。
そして電流が止めば、溺死からかろうじて助かったかのように激しく喘ぐ。
「ギギッ」
ヤクドリガは、そうしたエルザの苦悶を楽しんでいるようだった。
「ぐっ……!!」
エルザは奥歯を噛みしめる。
たかだかBランク程度の魔物に、いいように扱われる恥辱。
『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』最強のS級魔導士としての誇りが汚されていくようだ。
否、恥辱だけならばまだいい。
気がかりなのは、同じく囚われている仲間のミラジェーンだ。
助けに行きたいが、動けない。その焦りがエルザの情緒を不安定にし、感じやすくしていく。

そうして延々と苦悶に悶えるうち、やがてエルザは自らの小さな異変に気がついた。
膣奥を貫かれる狂おしい痛みが、10度に1度ほどの割合ではあるが、快感に変わりはじめているのだ。
 (バカな……!)
エルザは身の異変を否定しようとする。しかしその間にも、快感の頻度は増していく。
気付けばいつしか、否定しきれないほど明白な快感が脊髄を駆けていた。
「あっ、あ……あ、あああっ…………あっ!」
喘ぎにさえ甘い響きが含まれていると悟り、エルザは愕然とする。
妙なことではない。
人間の脳は、苦痛のレベルがある一線を超えた時、自衛本能からその苦痛を快楽と誤認させる。
いわゆるランナーズ・ハイと呼ばれる類の現象が、エルザにも起こっているだけだ。
しかし生真面目な彼女は、それを受け入れられない。
 (ありえない……下劣な魔物に嬲られて、快感を得るなど…………!)
歯を食い縛り、頭を振って正気に戻ろうとする。
その気丈さこそ、サディストにとっての責め甲斐であるとも知らずに。



触手に大きく突き上げられ、足の鎖が音を立てる。
足裏が床から浮き上がる瞬間さえあり、その瞬間は触手の突き上げを膣奥の一点で受け止めていることになる。
「くぅあっ……ああぁああっっ!!!!!」
普通であれば即座に失神してもおかしくない激痛が、エルザの脊髄を焼き焦がした。
しかし。今のエルザの脳は、その激痛をも未曾有の快楽にすり替える。
あるいは優れた魔導士として活性化した脳を持つゆえに、苦楽の変換効率も並外れて高いのかもしれない。
「あ……あぁっ…………あは、あっ…………」
エルザの毅然とした瞳が、一瞬精彩を欠く。
強靭な意志の力ですぐに正気に戻りはするが、幾度も秘所を突かれればまた快楽が勝る。
喘ぎ続ける口はいつしか閉じることを忘れ、だらしなく涎を垂らし続けていた。
そこへ、ヤクドリガの触手が近づく。
「よ、せ……」
エルザは反射的にそう呟いた。しかしそれが空しい事であると、彼女自身も理解している。
異形の魔物は、嘲るように触手をエルザの口内に侵入させた。
「ぐっ……ん、むぅっ!…………む、うむうぅっ!」
頬肉を突かれ、舌を掬い上げられ。
触手によって口内を貪られながら、エルザは呻き続ける。
苦味のある粘液が唾液と混ざるたびに、いよいよエルザの頭が霞んでいく。
神経毒か、あるいは催淫効果があるのか。いや、そのどちらであっても、今のエルザには変わりない。
身体中至る所を触手に巻きつかれ、秘裂を穿たれる。その状況から逃れる術などないのだから。
ヤクドリガの触手が、いよいよエルザの尻穴に宛がわれた。
「!!」
エルザは見開いた瞳で後方を振り返るが、それ以上何もできない。
ただ己の排泄の穴へ、キョウカの指よりも太いものが侵入する感触を味わうだけだ。
「むぉあああっ…………!!」
目一杯に括約筋が押し広げられたその瞬間、触手を咥える口から声が漏れた。
直腸を強引に奥までこじ開けられ、蹂躙される。
腸壁自体に神経はないが、腸に連なる筋肉が金切り声で異常を訴えていた。
快便の感覚を数十回分凝縮したようなものだ。数分ともたず、強靭なエルザの足腰が震え始める。

「うむうっ、ああうっ、あぁっ!!ああっ、うあぁああううあっ!!!!」
敏感な三穴を魔物に蹂躙されながら、エルザはただ悶え狂った。
緋色の髪を振り乱し、艶かしい身をうねらせて。
いつ終わるとも知れない快楽地獄は、刻一刻と人の心を絶望に染める。
どれほど甘い菓子であっても、絶え間なく与えられては恐怖しか生まれない。
キョウカに鞭で甚振られていた間のほうが、まだ生きた心地がしていたものだ。

救いの来ない地下牢の中。
あとどれだけの時間、エルザは正気を保てるのだろう。
「あ……あぁうあ………………っあ………………!!」
泥酔したように蕩けた表情で、堪らず吐息を漏らすエルザ。
その痴態は、高貴なる妖精女王の、そう遠からぬ陥落を仄めかしていた……。


                         終
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サシャへの厳罰

※『進撃の巨人』サシャ・ブラウスの陵辱イラマチオ物。嘔吐注意。
 アニメ3話の、口元に白いパン滓付けて白目剥いてぶっ倒れるシーンから妄想したので、
 当該シーンをご覧になるとより楽しめるかと思うます。



  
「……あれ。あの芋女、まだ帰ってきてねぇの?」

坊主頭のコニー・スプリンガーが、呆れを滲ませた口調で告げる。
宿舎の面々は、それに苦笑を返した。

「ああ。『ぶっ倒れる寸前まで走れ』って言われてから、実際に何時間かは走ってたんだけどな。
 気がついたら姿が消えてたんだ。
 まぁ最後の方は走るフォームも保てないくらいヘロヘロだったし、今頃どっかで伸びてるんだろうぜ」
「でもよ。噂じゃ、へばった所で教官連中に腕掴まれて、どっかの小屋へ引きずり込まれてたって話もあるらしいぞ」
「無理もねぇ。厨房から勝手に芋盗んできた挙句、あの鬼教官の前で舐めきった態度で喰ってたんだ。
 教官共にも面子はあるだろうし、二度と舐めた態度取れないように絞り上げるだろ」
「ああ。徹底的に人格否定してきたもんな、あのハゲ……」

苦い思い出を笑いの種に変え、『第104期訓練兵団』の新兵達は各々の方法で寛ぎ始める。
話の発端となった芋女とは、彼らの同期生であるサシャ・ブラウスに早くも付けられた渾名だ。
新兵への“洗礼”として恫喝を繰り返す訓練教官の眼前で、
豪胆にも厨房からくすねたふかし芋を貪り喰っていた事がその由来だった。
当然その行為は訓練教官の逆鱗に触れ、サシャはその後数時間が経つ現在もなお罰を受けている。
しかしその内容たるや、同期生達が思い描くよりも遥かに過酷なものだった。





「ほら、たっぷり喰えよ。パンを恵んでやった上に、極上のソーセージまで喰わせてやってるんだぜ?
 もうちっと旨そうに喰えって」
駐屯兵の一人が、鷲掴みにした少女の頭を自らの腰へと引きつける。
「ごぁっ……!!お、ごぉっ!!」
少女は栗色の瞳を見開き、目一杯に開いた唇を震わせて呻いた。
物置小屋を照らす蝋燭の灯が揺れる。男と、その足元に跪く少女の影も揺らぐ。

少女は、かのサシャ・ブラウスだ。
真新しい制服に身を包んだまま、屈強な兵士への奉仕を強いられている。
場には跪くサシャを囲むようにして、他に数名の男の姿があった。
いずれも好色そうな笑みを浮かべ、ズボンを脱ぎ捨てた下半身に滾る怒張を誇示している。

少女新兵に対する、口腔奉仕の強制。
これは城郭都市の兵団内において、珍しい話ではない。
巨人の侵入を防ぐべく築かれた城壁内部は、ある意味で閉鎖空間にも等しい。
その中で治安維持を司る兵団員には、それなりの威厳が求められる。
いわゆる娼婦を買うことすら、民間人からの信頼を損ねるとして固く禁じられていた。
とはいえ、兵士達も男だ。性欲は溜まる。
そこで新米女性兵士への懲罰として、口腔を用いた性欲処理をさせる事が水面下で慣例化しているのだった。

いかに懲罰を建前とするとはいえ、膣での性行為に及ぶのは様々な面から具合が悪い。
しかし口を用いるだけならば大きな問題とはならない、との考えだ。
実際、過去にこの懲罰を受けた女性兵士がその事を口外したという例はない。
この時世に兵士を志願するような者は、皆なにかしら退くに退けない事情を抱えている事が理由の一つ。
また、汚されたのが口のみという、恥でありながらも辛うじて許せる範疇である事も一つだろう。
そうした歴代少女達の忍耐こそが、陵辱の連鎖を生んでいるとは皮肉な話だが。

「オラ、ボケッとしてんじゃねぇ!朝まで掛かっても終わんねぇぞ!!」
別の一人が、サシャの瞳と同じく栗色をした髪を掴み、横向かせた鼻先へと怒張を突きつける。
「う、うっ……!!」
サシャは怯えの表情を浮かべていた。
細い眉は垂れ下がり、アーモンド型に開かれた瞳は横向きに凍りつき、白い歯を覗かせる口は震える息を吐くままにして。
しかし男は、そんなサシャに情けをかけない。
顎を掴んで顔を自らの陰部に正対させる。
サシャが薄い唇を引き結んで抵抗を見せると、鼻をきつく摘みあげて呼吸を絶ち、堪らず開かれた口に怒張を捻じ込む。

男はよく鍛えられた二の腕を持っていた。
その腕力でサシャのポニーテールに結わえられた髪の根元を掴み、引き寄せるのだ。
当然、少女の口内にはいきなり逸物が深く入り込む事となる。
「ご……っ!!」
生理的な反応として少女が呻くが、男は引きつけを緩めない。

成人男子として恥のない直径と長さを持つ逸物が、半ば以上、口内へと埋没しては抜かれる。
口腔奉仕に不慣れな少女にとっては、それだけでも充分につらいようだ。
「おえ、うぉえお゛っ、ぇ、おも゛っ…………!!」
唾液の攪拌される音と、舌を丸めたまま呻く独特の呻きが小屋に響く。
サシャの手は苦しさのあまり男の脛を掴み、小指の爪は浅く突き立ってすらいるが、男にはやはり容赦がない。
「もっと顎を下げろ、舌を引っ込めろ!この俺を見上げて奉仕するんだ!!」
男は恫喝するような口調でサシャに叫んでいた。
サシャは、そう強制されているのだろうか、それら一つ一つに返事を示す。
しかしなにぶん口内を突かれている最中であるため、ぁい、ぁい、という情けない響きだ。
それは彼女の立場の惨めさを、よく表す返答だった。


幾度も幾度もサシャの口内を出入りするうち、男の逸物はやがて艶やかに濡れ光りはじめる。
逸物と口の接合部にあたる部分から、時おり艶めく糸が滴り落ちるのも見て取れる。
息継ぎのために逸物が一旦引き抜かれた際には、その先端部と口内に太い唾液の線が結ばれている事もあった。
伸びきった唾液の線はやがて自重に負けて切れ、サシャの容のいい顎から垂れ下がる。
汗に濡れた前髪、恐れに見開いた瞳、荒い息を吐いたまま唾液を垂らす口。
それは年頃の少女が見せるには、余りにも惨めな顔といえる。
だが男達にしてみれば、そのあられもない表情にかえって嗜虐心を煽られるようだった。

「もう一度だ」
震えるサシャに、先の男が再度逸物を咥え込ませる。
パンを咥える時のように口を大きく開けさせ、半ばまで。
そして今度は、さらにその奥にまで先端を押し進める。
「んう゛っ……!!」
未知の部分への侵入に、強い嘔吐感を覚えたサシャが抵抗を示した。
唇をすぼめ、細腕で必死に男の膝を押しやろうとする。
しかし、仮にも対巨人の駐屯兵として訓練を積んできた男に力で敵う筈もない。
むしろより一層の力で腰を押し進められ、無理矢理に深くまで侵入される事となる。

男の陰毛がサシャの鼻先に触れた。
太い逸物が、根元まで口内に入り込んだ事になる。
「うむ、おごっっ……!!!」
サシャは目を硬く瞑り、頬を膨らませて苦悶の表情を作っていた。
無理もない。逸物の先端は彼女の口腔を席巻し、その喉奥にまで入り込んでいるのだから。
「へへへ、喉奥がヒクついてやがる。
 吐くんじゃねぇぞ。お前が盗んで喰いやがった芋も、今の俺達にゃあ貴重な食料なんだからな」
男は諭すようにそう言いながらも、一方ではまるで容赦なくサシャの喉奥を抉り回す。
人間の身体構造からして、そうされれば嘔吐を誘発すると解ろうものだが。

「お゛っ、おおぉ゛えっ!!!おごっ、ごぇ、えええ゛っっ!!!」
濁った呻きが漏れる。
太い怒張で喉奥深くを抉られ、いよいよ水音が強まっていく。
サシャ・ブラウスの表情は悲壮なものだ。
眉は鋭く顰められ、見開かれた瞳には涙袋が隈のような濃い陰影を形作っている。
かつて、巨人と遭遇したシガンシナ区の住民達の表情がそうであったように。
生命の危機を感じるという点では、同じかもしれない。
喉奥を異物に埋め尽くされ、こじ開けられる。その未知の感覚に、サシャは心底から恐怖しているようだった。

数分に及ぶ攪拌。その間ただ一度たりとも、逸物が口から抜かれる事はない。
喉を塞がれて思うように酸素を取り込めないサシャは、次第に苦しみを訴えて身を捩りはじめる。
「苦しいか。なら舌を使ってアレを押し上げてみろ、少しは気道が確保できるぞ。
 娼婦どもも使う、ディープスロートのコツだ」
男は嘲るように告げ、文字通り必死でそれを実践する少女を嗤った。

喉奥に達して以来、逸物には単なる唾液とは明らかに異なるものがこびり付きはじめていた。
唾液、涎、あるいは痰……そのようなものがない交ぜになり、粘液の膜となって陰茎に絡み付いている。
それは激しい前後運動の中で白い氷柱のように垂れ下がり、石床にぴちりと音を立てて滴っていく。
「お゛っ、ろえ゛っ、ろ゛っ、おお゛っ……お゛っっ!!」
本当に少女のものか疑わしいほどの低いえづきが、短いスパンで繰り返されていた。
濡れ光る赤黒い怒張が、残酷なまでのストロークで前後する。
湿ったものが激しく攪拌される音……男女の交わりが深まった時に聞かれる音。

一体どれだけ、そのような事が繰り返されたのか。
サシャの顔は汗と涙に塗れ、延々と走らされ続けた時と同じようになっていく。
そしていよいよ、嘔吐の予兆を見せ始めるようになっていた。
男はそれを待ちわびていたかのように責めを強める。
喉のもっとも深くまでを亀頭で押し開いたまま、サシャの後頭部を押さえ込むのだ。
苦しみの頂点で姿勢を維持される。
これに平気でいられる道理もなく、サシャは目を見開いたままで激しく背中を震わせる。
そして六度目にこの固着を為された時、ついに彼女は喉奥を開いたままで胃液を溢れさせた。
「ご、んごえええ゛え゛っ!!!!」
顔中を苦悶に歪め、逸物に開かれた口の端から白い液が迸る。
普通の少女であれば、そこで大きく口を開き、さらなる本格的な嘔吐へ向かうだろう。
しかし、サシャは違った。
「も、もぉ゛っ、おうっ!!」
一度自らが溢れさせんとしたものを啜り上げ、無理矢理に呑み込む。
その瞳には狩猟民族特有の前を射抜く鋭さがある。
「ほぉ、面白い娘だ」
兵士達はこれに感嘆を示す。食い意地の張っている新米だとは思っていたが、これほどとは。
しかしその気丈さを見たがゆえに、屈服させたいという欲求も強まるのだった。





夜はすっかり更けていた。
サシャ・ブラウスへの懲罰は今もなお続いている。
もう何人もの兵士が彼女の喉奥を蹂躙し、その喉奥へ精を放った。
サシャはその全てを無理矢理に飲み込まされ、十分な休息もなしに更なる喉奥への陵辱を受け続ける。

口元からは様々な粘液が漏れ、白い首を伝って制服の襟元へと垂れ落ちていた。
すでに抵抗をやめ、力なく床についた両手の間には、いかな彼女とて救いきれなかった白い吐瀉物が液だまりを作っている。
少女は明らかに疲弊しきっていた。
目元には幾筋もの涙の跡が見られる。
アーモンド型に爛々と開いていた瞳は、いつしか半開きになり、時おり瞳孔が瞼へ隠れるかのように上向く。

「…………も、もう…………許して ください…………。」

濡れ光る逸物を一旦引き抜かれた所で、サシャは力なく訴えた。
虚ろな瞳はかろうじて白目を剥くのを堪えている状態であり、白い吐瀉物を残す口元にも張りはない。
限界なのは誰の目にも明らかだ。
しかし、男達に容赦はない。
「まだだ、続けるぞ」
兵士の一人は威圧するような口調で言い、サシャを顎を掴み上げる。
本当に骨の髄まで、灸を据える腹積もりでいるらしい。
「う、ぁ…………」
臭気を放つ怒張が鼻先に突きつけられ、何度も味わった地獄が再び繰り返されると少女の脳裏に告げる。
その絶望的な現実を前に、サシャはただ、為されるがままになるしかなかった……。



                         終
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ヒーロー・ドラゴンキッドの“死”

『TIGER & BUNNY』ドラゴンキッドの腹責め物。
スカトロ表現に加え、やや特殊な腹責めあり。




『NEXT』と称される特殊能力者が世に現れて45年。
ここシュテルンビルトでは、日夜様々な犯罪者とヒーローの戦いが繰り広げられている。
今回の事例は、それらの中でも特に世の注目を集めていた。
近年街を脅かしている強盗団が、ヒーローへ向けて挑戦状を残したからだ。
挑戦状を叩きつけられてこれを逃せば、イメージの低下は避けられない。
そう考えた各スポンサー及びテレビ局は、何としてもこれを捕らえよ、とヒーローに厳命を申し渡す。

かくして夜の10時。ヒーロー達は一団が現れると思しきエリアを囲んでいた。
空にはスカイハイ、東の袋小路にはロックバイソン、西に続くストリートの6カ所ではその他のヒーローが目を光らせる。
しかし、不審者が訪れる気配は一向にない。早々にシャッターの閉まった店舗がいくつか見受けられるとはいえ、通りはおおよそいつも通りに稼動していた。

「なんか拍子抜けだな……。こんだけ俺達が見張ってる中で、ホントに強盗団なんて来んのか?
 タダの悪戯じゃねーの」
ワイルドタイガーこと鏑木虎徹が大きく息を吐いて肩を竦めた。
「気を抜かないでください、オジサン。ただでさえいつもボーッとしてるんだから」
相方であるバーナビーが赤いマスクで虎徹を見下ろす。
何だと、と虎徹が言い返すのをよそに、彼もまた腰に手をあてて嘆息した。

「……とはいえ、確かにこんな場所へノコノコと現れるとは考えにくい。
 上のほうの人達は、何を根拠にこんな場所へ僕らを並べるんだ」
「何でも、有力な筋からのタレコミがあったらしいわよぉ。詳しい事は知らないけど」
バーナビーの呟きに、やや女めいた口調のファイアーエンブレムが答える。
「タレコミ、ですか……。まぁ何の根拠もなく人数を散らすよりはマシかもしれませんね」
バーナビーが言い、会話に一旦の途切れが出来た時だ。急に歓声が上がった。

「あれ、なんか美味しそうな匂い!」
ショーウィンドウにもたれていたドラゴンキッドの声だ。
細い路地へ少し入った所に屋台が出ており、その匂いを嗅ぎつけたらしい。
醤油が焼け、砂糖が焦げるなんとも香ばしい匂いが漂っている。
赤い提灯と、『DANGO』と書かれた暖簾が目を引く屋台だ。
「うわぁ、お団子だっ!あれニッポンのお団子だよ!!」
日本通である折紙サイクロンがキッドと同じく目を輝かせる。
彼に限らず、このシュテルンビルトでもかつての日本文化はカルト的な人気を誇るため、
週に何度かはそのような『和』の催しが見受けられた。



「ほらほら、焼きたての熱々だよ!ヒーローさん達、これからひと踏ん張りするんだろ?
 腹が減っちゃあ戦はできないぜ、安くしとくからよ、1本どうだい!!」
中年の域に入った店主が声を張り上げる。
その前ではすでにドラゴンキッドと折紙サイクロンが串を手にかぶりついており、
至福の笑みを浮かべていた。
「あら、美味しいわぁ。見た目よりずっと繊細な味がするのね。癖になりそ」
ファイアーエンブレムも指先で串を引き抜いて賞賛する。
「美味い!そして、デリシャスだ!!」
「へぇ、結構いけるスイーツね」
さらにはスカイハイ、ブルーローズ。
「おお、マジでうめぇなこれ!!」
「ああ、ちょうど腹減ってたところだし、余計にな!」
末には虎徹、そしてロックバイソンまでもが匂いにつられて輪に混じっていた。

「ちょっと先輩達、そんな事してる場合じゃないでしょう!
 僕らは強盗団を見張ってる最中なんですよ。
 大体カメラも回ってるかもしれないのに、僕達ヒーローがこんな……」
1人輪の外にいるバーナビーにも、湯気の立つ串を手にした虎徹が迫る。
「そう言わずに、バニーちゃんも食えよ。何時間もこんなトコにいて、腹減ったろ。
 まだ何の事件も起きてないんだし、カメラも回ってねえさ」
「僕は結構です。第一、手が汚れそうだし」
「いいから喰えって、美味いから!!」
いつもの調子で、虎徹が無理矢理にバーナビーに串を渡す。
バーナビーは溜息をつきながら仕方なく団子を口に運んだ。

途端に鼻を通り抜ける、砂糖の香ばしい香り。
醤油の混じった甘辛いタレが味覚に染み渡り、唾液を分泌させ、
柔らかな団子の食感が口に心地よさを加える。
噛みしめると不思議な弾力とともに味わいが深まり、飲み込むのが惜しいほどだった。
「……おいしい……。」
バーナビーは思わず呟き、嬉しそうな虎徹に気付いて慌てて顔を逸らす。
遠方で爆発音が響いたのは、その直後だった。


『西4キロの地点で爆発を確認、各ヒーローは至急現場に向かいなさい!』

『ヒーローTV』のプロデューサーであるアニエスの声が無線から響く。
団子に頬を緩める8人のヒーローは、すぐに表情を引き締めて立ち上がった。
だがその瞬間、1人の表情がさらに変わる。

ぐぎゅるるるるるぅ…………。

暗雲が立ち込めるかのような腹鳴りは、ドラゴンキッドことホァン・パオリンの腹部から漏れ聴こえた。
「う゛っ……!」
キッドはヒーロースーツの腹部を押さえ、内股になって壁に寄りかかる。
その額には早くも脂汗が浮き始めていた。
調子に乗って団子を食べすぎた、とキッドは後悔する。
空腹のうえに美味だった事もあり、あのメンバーの中でも特に豪快に団子を平らげていたのがキッドだ。

「ねぇ、大丈夫?」
折紙サイクロンがキッドの顔色に気付いて身を案じた。
キッドは汗の浮く顔に無理矢理笑みを作る。
「わ、悪いけど、ボクちょっとトイレに寄ってから行くね」
「解ったよ。強盗団は僕らの方で何とかしとくから、気にしないで!」
折紙サイクロンの気遣いを嬉しく思いながら、キッドは一礼して路地裏に入る。
路地を通り過ぎた辺りに公衆トイレがある事を知っていたためだ。
だが事はそううまく運ばない。
この犯罪の満ちたシュテルンビルトにおいて、キッドがヒーローである以上は。

「……ごきげんよう、ドラゴン・キッド」
路地の脇から突如、数人の男が姿を現す。
いずれも武闘派を思わせる立派な体格で、フルフェイスのマスクと特殊な防護服を身に纏っている。
ただのチンピラではない事は明らかだった。

『おーっとぉ!?いきなり強盗犯の集団とヒーローの遭遇があったようです!
 いち早く犯人に辿り着いたのは、稲妻カンフーマスター・ドラゴンキッド!!!』

ヒーローTVのアナウンサーが声高に宣言する。
ビルの上と路地の出口から撮影も行われているようだ。
普段なら歓声を受けて心地よくなる場面であるにもかかわらず、今のキッドの表情は険しかった。



「どうかしたんだろう?顔を見れば一瞬で解るぜ」
男の1人が嘲笑交じりの声を掛けた。
キッドは腰を落とし、両端に龍を象った棍を構える。臨戦態勢だ。
じり、と男達が歩み寄った動きに合わせ、キッドも攻勢に出る。
「はあっ!」
棍を力強く地面に突きたて、それを軸に身を回転させての回し蹴り。
それでまず1人を昏倒させるつもりだった。しかし。
「お……っと、あぶねぇ!」
キッドの蹴りは、狙った男にすんでの所で回避されてしまう。
「っ!?」
キッドの顔に動揺が浮かんだ。
しかしそのまま硬直するキッドではなく、着地した後の余力を利用して棍を勢いよく振り回す。
風切り音とともに円と化した棍は、間違いなく数人にヒットした。
だが、それでも倒れる者がいない。

「ぐ、う……!!」
遠心力を失った棍が手中で直線に戻った頃、キッドは膝をついて呻いていた。
ぐるるるる、ぐぉおおうるるる……。
細い腹部の鳴りが、いよいよ重く断続的なものになっている。
決定打が放てないのもそのせいだった。
格闘において最も重要な、丹田の氣が散漫になっている。
強烈な便意の中、括約筋を引き締めようとするばかりで、その上に力が振り分けられない。

「おいおい、俺達ゃまだ何にもしてねぇってのに、もうヘバったのかよ。
 それでよくカンフーマスターが名乗れたもんだぜ」
蹲ったキッドに男達の嘲笑が浴びせられる。
その直後、キッドはおもむろに顔を上げ、男達へ掌を向けた。
「やあぁッッ!!」
その小さな掌から、青白い光が迸る。電撃を放つNEXT能力だ。
たとえ身体が満足に動かずとも、『稲妻カンフーマスター』は無力な訳ではなかった。
まさしく稲妻のような電撃が辺りを白く染め上げ、煙とともに焦げた匂いを立ち昇らせる。
「……ちょっと、やりすぎたかな」
キッドはそう呟きながら、棍を頼りに立ち上がった。
しかしその視界から煙が薄まった時、その目が大きく見開かれる。

男達は、立っていた場所から微動だにしていなかった。
避ける動作すら見せず、正面からキッドの全力の電撃を喰らい、泰然と立っている。

「……若いねぇ、稲妻カンフーマスター。俺達がヒーローの対策をしてないと思うのかい。
 このスーツとヘルメットは絶縁体で出来ている。
 耐火性にも優れ、さらには虎の咬合力でも食い千切れない強靭ぶりさ」

煙を上げながらゆっくりと迫る男達に、キッドは唇を震わせた。
勝てない。実力に劣っているわけではない。だが今のこの状況では、勝てない。
持ち前の戦闘勘からそれを悟ったドラゴンキッドは、それでも棍を取る。
「うぅあああああッッ!!!」
地を蹴り、腰の捻りを存分に活かして棍を振るった。
しかしその一閃は男が身を屈めたことでかわされ、別の1人に懐へ潜り込む隙を与えてしまう。

「あ…………!」
キッドは目を見開き、脇の下に迫る男をその瞳に映した。
拳が迫る。男のゴツゴツとした拳に厚手のグローブを被せ、さらに金属で過剰に補強した凶器。
それが、ごりっと自らの腹部へ入り込むのを、キッドははっきりと感じた。
ヒーロースーツなど役に立たなかった。
元より『ドラゴンキッド』のスーツは身軽さを重視し、防御力を二の次としたものだ。
腹部に当たる部分は同様の理由から特に装甲が薄い。
そんなもので、補強された男の鉄拳を防ぎきれる筈もなかった。



カメラには、下腹に拳が打ち込まれた瞬間、キッドの身体が持ち上がった映像が残されているという。
「うぉ゛おはっ……!!がはっ、あ゛っ……は、がア……っ!!!」
キッドは横様に倒れこみ、腹部を押さえて激しく咳き込んだ。
唇の端からかすかに黄色い液が漏れている。
内臓への壊滅的なダメージを思わせる、予想以上の一撃だった。

「ああ、そういや言い忘れてたな。俺達の着てるこのスーツのウリは、防御性能だけじゃないぜ。
 攻撃力も、お前らのパワードスーツの強度を考慮して設計してあるんだ」
男が言い、キッドの後ろの男に目配せした。
するとその男は蹲るキッドの腋を抱え込み、無理矢理に引き起こす。
「うう……!!」
腕を取られたまま無防備な腹部を晒す格好だ。キッドの顔が歪んだ。

「さて、カンフーマスター。さっきは何がどうなってるか解らなかったろう。
 今度はばっちり見えるその格好で殴ってやるから、よぉく見てろよ」
男が言い、鋼鉄の拳を引き絞る。
「ひっ……」
キッドの引き攣った顔を愉しみながら、男は勢いよく拳を打ち込んだ。
フックの軌道で下腹へ至り、拳の表面が当たる瞬間、男の手首の辺りで蒸気が噴き上がる。
同時に拳から先が人力では到底及ばない速度で打ち出された。
「んごぉうおおおォお゛お゛っっ!!!!!!」
キッドの口から、その顔には似つかわしくない呻きが上がる。
上を向いた唇から吐瀉物が溢れ、喉を通って黄を基調としたヒーロースーツを汚していく。

「おやおや、可愛い顔して無様な事だ。これをヒーローなんて呼んでいいのか?」
男はますます機嫌をよくしながら、再度キッドの腹部に拳を押し当てた。
肘を引き、勢いをつけて撃ち貫く。
やはり手首から蒸気が噴き出し、男の拳に機械の破壊力を上乗せして。
「おごぉお゛っ……!!え゛はっ、あ゛ぁ゛はっ……!!!」
キッドはきつく目をつむり、下を向いた唇からビチャビチャと吐瀉物を滴らせた。
もはやそれは唇からに留まらず、鼻の穴からさえも溢れている。
「お゛うっ……!ン゛、うえ゛ぇ……ッあはっ……!!!」
ひとしきり吐いた後も、キッドの唇からは銀色に滴る唾液が幾筋も伝い落ちた。
そのスーツの腹部は拳の形に皺が寄り、そのさらに奥からは、なおも鳴動が続いている。

「おうおう、すげぇもんだな。この腕で殴っても、これだけ反動が来るとはなぁ」
「おい、お前ばっかり楽しむんじゃねえよ、俺達にもやらせな。
 さっきコイツに棒で殴られた時にゃ、ちいとばっかし痛かったんだからよ」
機械仕掛けの腕を持つ男の他にも、キッドを痛めつけたいと思う男は数多くいた。

男の1人がキッドの前でメットの前面を開け、汗まみれのあどけない顔に舌を這わせた。
「……ッ!!!」
キッドがおぞましさに睨み返すと、男は嬉しげに笑みを浮かべる。
そしておもむろに腹部へ重い一撃を叩き込んだ。
「う゛んっ!!」
キッドの苦しげな声に満足そうにし、次の男とタッチを交わす。
次の男もまた、キッドのスーツから覗く生肌の部分、腋下や腿を撫で回した後で、腹部に痛烈な一撃を見舞っていく。
それが数人の男の間で、ローテーションで繰り返された。



「ほう。腹下しの入った団子を貪ってから20分余り……。
 そろそろ腹も限界だろうに、こうも殴られてまだクソを漏らさんか」
しばしの後、男が愉快そうに口走った。
キッドは息を切らせながら男を睨む。
「あ、あのお団子屋も……あんた達の仲間だったってわけ?
 一体目的は何さ。今のじゃまるで、ボクのお漏らしが見たい、ってふうに聴こえるよ」
キッドが嫌味交じりに言い放つが、男はそれに頷きを返した。

「いかにも。貴様らヒーローに、二度と世間へ顔向け出来んような恥を与える事が目的だ。
 貴様らは戦士である前に、市民の鑑たる存在であらねばならない。
 もしも公衆の面前で醜態を晒すような事があれば、その名声は地に堕ちる。
 スポンサーには見限られ、市民からも必要とされない。すなわち、死んだも同然だ」

男はそう告げ、キッドの顔が引き攣る様を愉しむ。
そして手を上げて一人を呼んだ。
「そろそろ、お前さんの出番だ。……来いよ」
男がそう言うと、通りの奥からのっそりと1人の男が姿を現す。
目つきが定まらず、呼吸が荒く、およそまともな人間とは思えない。
先ほど周りのメンバーがキッドを痛めつけている間も、ただ一人傍観していた男だった。

男は足を引きずるようにしてキッドの前に辿り着き、陰湿な笑みを浮かべる。
そしてかすかに痙攣するキッドの腹部に手を当て……『沈み込ませた』。
「うああっ!?」
キッドがそれまでとは全く違う悲鳴を上げる。
それもそのはずだ。彼女の胸の辺りに、男の手首が埋まっているのだから。
「お、おれのNEXT能力は……“透過”だ。人間の皮や脂肪をすり抜けて、直接内臓に触れるんだぜ。
 ほら、今俺の指辺りまで、あんたの中に入ってるんだ。
 ドックン、ドックンって、脈が力強いなぁ。健康な証拠だ、こういう中身は大好きだ。
 最近は顔だけよくて中身がつまらないのばっかり触ってたから……
 ああ、キモチいいなぁ」
男は陶然とした表情でキッドの中を弄る。
経験のないおぞましさと男の異常さに、キッドの顔がいよいよ恐怖に歪んだ。

「稲妻カンフーマスター様のカラダだ、そりゃ逸品だろうさ。
 遠慮する事はねぇ、どっかしら潰してさしあげな」
機械男が言うと、キッドに入り込む男はその手首をキッドのアバラの辺りに持ち上げた。
そして体の内部で、ぎゅっと何かを握りつぶす仕草をする。すると。
「ふんっ、グ……!?んう、ごうぇォえぇっ……!!」
突然、キッドの口から奇妙な音が発せられた。
直後、それまで腹打ちで吐いた量とは比にならない量の吐瀉物が、滝のように口から溢れ出る。
キッドの苦しみようは溺れた時さながらだった。
「へへ、胃をじかに握りつぶされたのは生まれて初めてだろ。
 魚のエラ袋みたいなのがキュンキュン手の中で抵抗してて、面白いぜ」
男は言いながら握りを離し、鼻の穴を大きく開いて息を求めるキッドを眩しそうに見つめる。




「綺麗だなぁ……。臓器の逞しさと、表面の肌とかの綺麗さ、純粋な外面の可愛さ。
 完璧だよ、あんたの本当の部分を、もっと見たいよ」
男はうっとりとした口調で呟きながら、キッドの下腹まで手首を下ろす。
機械男達が、いよいよだと囁きあって笑った。
「……も、もう、、やめ、て……!!」
キッドは汗まみれの顔で、縋るように男に言った。
だが男は、哀れなキッドの顔にいよいよ笑みを深め、その下腹の中で力を込める。
逞しい五本指の間で、キッドの大腸がぐじゅりと形を変えた。
「くわあああああああっっっ!!!!」
キッドの絶叫が響き渡る。
外からの刺激ではなく、直接腸を握りつぶされたとあっては耐えようもない。
キッドの括約筋が蠢き、奥から押し出される形で排泄物が溢れ出す。
それはカボチャパンツのような形をしたズボンの裾からはみ出し、白い腿を茶色く汚す。
男が下腹の中でぐ、ぐ、ぐと力を込めるのにやや遅れて、ぶぼっ、ぶぼっ、ぶぼっと糞便が流れ出していく。
自らの意志とは全く関係のないところで、腸を直接鷲掴みにされて便を送り出される。
ヒーロー『ドラゴンキッド』として、いや、ホァン・パオリンという1人の少女としても、人生で一番酷い瞬間だ。

『ドラゴンキッドを映すカメラを止めて!!汚らわしい映像を送るのをやめなさいっ!!!』
無線機の向こうで、ヒーローTVを取り仕切るアニエスがヒステリックな叫びを上げていた。
だがその部下達も混乱状態にある。
『ダメです、現場が指示に従いません!恐らくは現場の人間が、すでにあの強盗団と入れ替わっているかと……!』
絶望的な状況だ。キッドの醜態は延々とカメラに撮られ、街中に中継されている。
他のヒーロー達がいつまでも助けに来ないという事は、彼らも同じく窮地に陥っていると考えるべきだろう。

「あ゛……あ゛……おなが……ボクのおながが……ああ、あああ゛あ゛あ゛…………」

キッドは、現実を直視する事を諦めたガラスのような瞳で、
自分の下腹を襲う信じがたい現実を見ていた。
その繁みの奥からは糞便のみならず失禁までもが起こっており、元ヒーローの無力さを物語っていた。

そうして『ドラゴンキッド』の醜態を延々と垂れ流した後、男達はキッドを連れていずこかに姿を消した。
それはまさに瞬く間の事で、何か仕掛けがあったのか、NEXT能力を使ったものかは未だに解っていない。



それから数日の後。ドラゴンキッドは、まだ息をしていた。
しかし無事かというとそれも疑わしい。
彼女はヒーロースーツを取り去られた裸のまま、例の男に身体の中を弄られていた。
その瞳はぼんやりと天井を見つめたまま、腹の中をこねくり回される感覚を淡々と受け入れているようだった。
「ああキモチいいなぁ、最高だよお前の中は……。弾力といい血脈といい、新鮮すぎる。
 お前もキモチいいだろう、なぁ……?」
男はそう言いながら、キッドの腹部に手首までを沈めて内部をこねくり回す。
ハンバーグを作るような手つきだ。
「あっ……うあ、あ…………っあ」
キッドはかすかに口を開き、快感とも驚きともつかない声を上げている。
その子供めいた華奢な手足がぴくんぴくんと跳ねるのが、不相応にに色めいて見えた。

その動きにそそられたのか、男の数人がキッドの方へ歩み寄る。
「おい、お前ばっかり楽しんでないで、俺達にも貸してくれよ」
1人が言うと、腹をこね回す男はキッドの股座に視線をやった。
「良いよ……アンタらは、その『外の入り口』からこいつの中を味わうといい」
そう言うと、男達は下卑た笑みを見せる。

「へへ、なら遠慮なく……っと、おいおい、もう濡れてんのかよ?」
キッドの力ない片脚を持ち上げた男が、その繁みを見て言った。
確かに少女のそこは、かすかに濡れ光っている。
「腹の中を弄り続けられて感じちまったか?
 それとも腸やらと一緒に子宮まで捏ねくり回されて女にされたか?
 まぁどっちでもいいがな」
そう言ってキッドの中に押し入っていく。
「んん……」
キッドはほんの僅かに鼻に掛かった声を上げた。

「ふむ。相変わらず中々の締まりだが、あの強烈さを覚えちまうと物足りねぇな。
 おい、ちっとこいつの腎臓の辺りを掴んでくれ」
挿入する男が言うと、内臓を弄る男がキッドの繁みの上で力を込める。
「ふあっ!!」
キッドが愛らしく叫び、男が呻いた。
「うおおっ……!!これだ、この締め付けだ。こいつがタマらねぇ」
そう言って実に心地よさげに腰を使う。
その抜き差しを受けながら、先に内臓を押し潰し握りこまれ、キッドもまた身体を跳ねさせて反応する。
その奇妙なまぐわりは、キッドが助け出されるいつかの日まで、絶え間なく続くのだった……。



  ※



「…………という夢を見たんだ」
「最低ですよ、オジサン」



                         終わり
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009ノ1 その最期

※石ノ森章太郎作品 『009ノ1(ゼロゼロクノイチ)』 二次創作&女スパイ拷問モノ。
 主に2006年度アニメ版に準拠。一部想像上の設定あり。

時代背景:
冷戦がずっと続いてる2080年ぐらい。
世界はイースト・ブロックとウェスト・ブロックで二分されてて、常に核を巡ってスパイ合戦。
情報戦を制すれば即パワーバランスが崩れる状況。
主人公ミレーヌ・ホフマンはウェスト・ブロックの『00機関』に所属する最高級のエリートスパイ。






ミレーヌ・ホフマン、通称009-1(ゼロゼロナイン-ワン)。
地上を二分する世界のひとつ、ウェストエリアでも指折りの女諜報員だ。
明晰な頭脳、サイボーグゆえの高い戦闘能力、そして男の本能をくすぐる美貌。
そのいずれもが一流と言えた。
しかし……それほどの女も、数限りなく任務をこなしていれば捕縛される事もある。

今回に限っていえば、ミレーヌの捕縛は作戦の内だ。
敵方であるイーストエリアは事の初期から、ミレーヌが動いている情報を掴んでいた。
というより、ミレーヌ側があえてその情報を漏洩させていた。
最も警戒されるであろうミレーヌの動きを逐一流しつつ、別の言い方をすれば敵に『注目させ』、捕縛させる。
そうしてイーストエリア側が一息ついている間に、別働隊が任務と救出を行う手筈だ。

捕まったら最後、ミレーヌ・ホフマンには容赦のない尋問が待っているだろう。
極めて危険な事態だ。だが、だからこそ敵の目を欺ける。
文句無く最大の脅威である、ゼロゼロ機関のエリートスパイが自らの手の内に落ちた。
この状況で安堵しない理由はない。



「こちらの諜報員にも、罠と知りながらなお君と寝たがる男がいるらしいが……
 ふむ。頷ける話だ」
中年の尋問官・ケベルはミレーヌを眺めながら呟く。
彼女は一糸纏わぬ姿のまま、X字を描くように手足を繋がれていた。
胸の膨らみ、腰のくびれ、太腿の張り……全てのパーツが男の情欲をそそる。
その造形美は、顔から体型まで全てが男を落とすために改造されたのか、との疑念さえ抱かせた。

真裸の中で、唯一ミレーヌの乳首だけはクリップのようなもので潰されている。
これはミレーヌが、乳腺から液体金属を分泌、瞬時に固形化して打ち出すギミックを有するためだ。
この対策を怠り安易に吊るすと、マシンガンのような射撃でたちまち蜂の巣になってしまう。

「カラダを褒めてくれるのは嬉しいけど、女の裸を眺めるなんて……良い趣味じゃないわよ」
ミレーヌは薄い嘲笑をケベルに向けた。
ケベルはそれを受け、より大きな笑みで返す。

「この状況でその冷静さ、流石はウェストエリアの誇るエリートスパイだ。
 私は気高い女が好きだが、同時にそういった女を苦しめるのがこれまた大好きでね。
 君のその澄ました表情を醜く歪めたいと、先ほどから焦がれているんだよ」
ケベルが醜悪な笑みを深めた。
ミレーヌはそれを鼻で笑う。
「可哀想。そんな捻れた考えを持つぐらい、女に縁のない生活をしてきたのね」
そう精一杯言い返すが、同時にケベル達が着々と準備を進める様子に眉をひそめた。
彼らはミレーヌの肢体を下卑た視線で見つめている。
どんな尋問をされても耐え切る自信はあるが、女としてあまり好ましい状況ではない。



「さて、では君のスパイとしての心意気を試すとしよう」
ケベルが片手を上げて告げた。
周りの尋問官達が笑みを湛えてミレーヌを取り囲む。
彼らは2人がかりでミレーヌの尻肉を左右に割り開き、中央にある窄まりを露わにした。
そしてその窄まりへ捻じ込まれる、ホースのような質感。
「うっ……!」
ミレーヌが片目を細める。

ホース状の物が直腸深くへ入り込んだ後、背後にあるタンクのバルブが開かれた。
ごぼんっ、と大きな気泡の浮く音がし、やがてミレーヌの腸内を冷たさが襲う。
浣腸だ。ミレーヌはそう理解した。
尻から液を入れ、糞便を出させる恥辱の拷問。
苦しいのは言うまでもないが、排泄という惨めな行為を人前に晒すのも精神的にきつい。

「その溶液は特別性でな。グリセリンよりも浸透圧が高く、便意を催しやすい。よく効くぞ?」

ケベルが嬉しそうにそう語る間にも、ミレーヌの腸内へごぼりごぼりと液が流れ込んでゆく。
ミレーヌの引き締まった腹部が徐々に膨れ始めた。
「うっ……!!……っく!!」
ミレーヌが苦悶する中、腹の膨らみは刻一刻と増し、やがて臨月の妊婦ほどになってしまう。

「うへえ、腹ぁパンッパンになっちまってんぜ? これ何リットル入ってんだ?」
尋問官達がミレーヌの腹を指差して笑った。
ミレーヌは、尋常でない息苦しさなのだろう、額に薄っすらと汗をかいている。
「計器によれば4.6ℓだ。サイボーグとはいえ、そろそろ限界だろう。……おい、固めろ」
ケベルがそう命じると、タンクの前にいる人間が切り替えの操作を行った。
今までの液に代わり、ゼリー状のものがミレーヌの肛門を通り抜ける。
「う゛ぐっ!!」
限界の所をさらに少し押し込まれ、ミレーヌの呻きも重さを増した。

「苦しいか。だがそんな苦しみなどまだまだ序の口だぞ。
 今注入しているのは、先ほど注いだ溶液を固める薬品だ。
 さすがに溶液すべてには行き渡らんが、肛門に近い大部分がスライムほどの硬さに固形化する。
 少量であればひり出せる硬さだが、それだけ腸内でひしめき合っていては排泄も不可能。
 ……我々が赦しを出し、溶解させるための薬液を注がん限りはな」

ケベルはそう嬉しそうに告げ、ミレーヌの表情を愉しんだ。



その言葉通り、ミレーヌの尾骨の下辺りで妙な質量が生まれ始める。
まるでそれは溜めに溜めた固形便の様な、いやまさしく、何キロという重さの便。
同時に腹の上方からは、ギュルルル……という下痢便特有の音が鳴り始めていた。
極限の便秘と下痢が同時に襲う形だ。
ミレーヌはこの責めの恐ろしさを、改めて現実のものとして痛感する。

「良い顔だな、ミレーヌ・ホフマン。願わくばいつまででもそうして苦しめ続けたいほどだ。
 しかしこれは仮にも尋問。いい加減飽きの来た内容だが、一応答える機会を与えよう」

ケベルは脂汗を浮かべるミレーヌを眺めて口を開いた。

「お前がここに潜り込んだのは、データを盗むためだという事は解っている。
 だが身体検査でデータチップらしきものは見つからなかった。
 ……どこへ隠した」

ケベルは、もう何人もの尋問官が行った質問を繰り返した。
いくら聞いても無駄だ。ミレーヌは初めからチップなど持っていない。
彼女の眼はアイカメラになっており、また脳には情報を記録しておける人工知能が備わっている。
つまり、目当てのデータを目視さえすればそれで済むのだ。
……とはいえ、その事実が敵に知れては大変な事になる。
機密を詰め込んだミレーヌの脳が解析されれば、所属する00機関はおろか、世界そのもののパワーバランスが崩壊しかねない。
ゆえに、ミレーヌも敵に『データチップを隠している』と思わせていた方が得といえた。

そもそも、ここの尋問官達はまだ本気で情報を吐かそうとはしていない。
緊急性があればとうに自白剤を使っている筈だ。
彼らの目的は、あくまでミレーヌ・ホフマンを嬲ることにある。
拘束した以上は時間はいくらでもある、じっくりと様々な情報を吐かせれば良い。
そう思っているに違いない。
もっとも、いずれにせよミレーヌは、仲間が救出に来るまで耐え忍ぶしかないのだが。

「……答えんか。その蛙腹で排泄のチャンスを棒に振るとは、正気の沙汰ではないな。
 まぁそれでも構わん。ならばその腹を抱えたまま、一晩中悶え苦しむがいい。
 我々には貴様への憐憫の心など欠片ほどもない。
 貴様を苦しめる事もまた、祖国を勝利に導くのと同じほどに心地良いのだ」
ケベル達は気丈なミレーヌを見やり、笑いながら部屋を後にする。
「ぐ……!!」
ミレーヌは広い尋問室に一人残され、拘束された手足を握りしめた。



そこから地獄のような一夜が始まった。
ケベルが言った通り浣腸液の効き目は強く、30分もしないうちに足が震え始める。
額に脂汗が滲み、排泄欲が脳裏を焦がす。
だがどれほど踏ん張っても、ほんの僅かも排泄することができない。
「ううっ……!!!うっ!!う、うう……っく……!!!!」
ミレーヌは誰もいない部屋の中、小さく呻き続けた。
括約筋に繋がる内股の筋肉が強張り通しだ。寒気が体中を襲う。

「よう、調子はどうだ」
一時間ほどがした頃、尋問官の一人が瓶を片手に戻ってきた。
その瞬間、ミレーヌの苦悶の表情がふっと涼しげに変わる。
弱みを見せまいと、身体の異常を押し殺したのだ。
「へぇ、元気そうじゃねえか」
尋問官は嬉しそうに言い、手に持った瓶をミレーヌの口に押し付ける。
水を飲め、と言うのだろう。
「いらないわ、そんな何が入ってるかわからない水……」
ミレーヌは顔を背けて拒絶する。
「素直に飲んどけって。浣腸ってのは汗とかで結構身体の水分が飛ぶんだ。
 こっちとしても死なれちゃあ困るんだよ」
彼は笑いながら、瓶を掲げてミレーヌの頭から水を浴びせかける。
氷のような冷たさにミレーヌの身が震えた。

「しっかし、ホント良い女だよなぁお前。メリハリある身体ほど磔が似合うってね。
 丸見えの脇がセクシーだぜ」
尋問官はX字に吊るされたミレーヌの腋へ鼻先を擦り付けた。
驚きか羞恥か、ミレーヌの左腕が竦み上がる。

尋問官はすんすんと鼻を鳴らしてミレーヌの腋下の匂いを嗅ぎまわった。
「やっぱり結構汗掻いてんじゃねーか。商売女らしい、やけにそそる匂いだけどよ」
尋問官が笑い、さらに鼻先を滑らせていく。
かすかに肋骨の触れる脇腹に、妊婦のように膨らんだ下腹部。
「おーお、すげえわこれ」
腹を押しこんで尋問官が歓声を上げた。
「……お゛あっ!!!」
逆にミレーヌは苦しさが倍増し、声にならない悲鳴を上げる。
尋問官はそれをしっかりと聞き届け、意地悪く臍を弄くり回した。

しばし腹をこね回した後、彼はとうとうミレーヌの恥じらいの場所へ指を触れる。
ミレーヌの顔の強張りもいよいよ深まった。
「さて、ここはどうかな」
尋問官はミレーヌの美貌を見上げながら、指で女陰を割りひらく。
薄い繁みの下に赤い肉が露わになる。



「へええ……こんな所まで綺麗なんだな。処女なワケねぇのにな。
 すげえや、大物がどんどん釣られる筈だ。どんだけ男を喜ばせる身体してんだよ?」
尋問官は嬉しげに逸物を取り出した。
ミレーヌの身体を見ていたためか、すでに勃起しきっている。
尋問官はそれを、断りも無くミレーヌの秘唇に宛がった。
ミレーヌは脚を内股に閉じて無言の拒絶を示したが、男の脚に割り開かれると、それ以上の抵抗はしなかった。
男がいる以上、どのみち強姦ぐらいはされるのだ。

尋問官は逸物の先端をミレーヌの割れ目に押し当てる。
女が吊るされたやりづらい姿勢だが、性器はゆっくりと結合を開始した。
ミレーヌの極上とも言われる膣内を、浅黒い男の肉棒が侵食してゆく。
「おう、キツい……!!ケツの方がパンパンになってっから、締まりが凄いぜ!」
尋問官は陶然とした表情で溜息を漏らした。
ミレーヌは嵐が去るのを待つようにされるがままになっている。
だがよく見れば、その口元は何度も小さく噛む仕草をしており、彼女が耐えがたい恥辱あるいは苦痛を感じている事が見て取れた。

「……へへ、すげぇ目で睨みやがって。悔しいのか?それともクソしたくてたまんねぇのか?
 だが何もできねぇよ、拘束されたテメェには!!
 ああ、すげぇ!すげぇよ!!こんな気持ち良い穴初めてだ!!
 小便くせぇガキをぶち破った時より締まってンぜ!!!おあああ!!!!!」

尋問官は下卑た言葉を発しながら抽迭を続けた。そして、やがて絶頂を迎える。

「……ふうぅ、良かったぜ女スパイさんよ。親兄弟でも落とせるような、いいモノ持ってるぜ。
 また水やりに来てやっから、まぁ楽しみに股濡らしとけや」
尋問官はそう言い残して部屋を後にした。
ミレーヌはその後姿を睨みつけ、扉が閉まると同時に大きく息を吐き出す。
その瞬間にどっと汗が噴き出した。
明らかに余裕の無い顔色になっている。腹の鳴りも激しく、脚も震えている。
この様子を尋問官に晒していれば、ハイエナのような彼らは間違いなく嗜虐心を煽られただろう。

俯いたミレーヌの視界に、滴る汗と混じって、大切な所へ吐き出された白濁が垂れ落ちていた。
まるで穢された証のようだ、とミレーヌは考え、さらなる不浄の唸りに顔をしかめる。



それから何度か、水入りの瓶を持った尋問官が部屋を訪れた。
初めこそ水を拒否していたミレーヌも、やがて耐えがたい渇きに、不本意ながら水を求めてしまう。
ただでさえ膨れ上がった腹へ、さらに水。必要とはいえつらいものだ。
腹部の苦しみも次第に隠しようがなくなってゆく。
尋問官が来た瞬間に涼しげな顔を装えたのは最初だけで、数時間が経つ頃には、
男達の好色な笑みの前でも露骨な苦しみを晒してしまっていた。

「あっ……!あアっ……!!あぁ、あ……はぁっ…………!!!」

尋問官が来ない間、独り残された部屋の中で、ミレーヌは幾度も苦悶の声を上げた。
ぐるるる、ぎゅるるるる……という腹の鳴りがそれに重なる。

せわしなく両膝を擦り合わせるせいで、彼女の膝頭はすっかり朱に染まっていた。
脚はもう痙攣する事さえやめて妙な硬直状態だ。
括約筋の付近も、心臓の動きに合わせて熱く蠢く。
頭が茹だるようだ。肺が軋み、体中から汗の匂いが立ち昇っている。

苦しい、などというものではない。
日常生活では絶対に起こりえないほどの便秘と下痢に見舞われているのだ。
ミレーヌは何度か本当に死を選ぼうかと考えた。
彼女の左足の親指には即効性の、右足の親指には遅効性の毒が仕込まれている。
その爪で足の甲を傷つければ楽になれる。
そう思いはしたが、しかし、助けが来ると解っている以上は生を諦めるわけにもいかなかった。
ゆえに、その地獄のような苦しみをただ耐えるしかない。

長い長い一夜。
汗が頭頂部から足裏まで流れ落ちる動きを何十回と感じた。
一定周期で排泄欲の臨界点が訪れ、括約筋が狂ったように脈動する。
直腸末端でゼリー状に固まったものが邪魔をし、結局排泄は叶わない。

しかし、本当の限界はその強固な栓さえ超える。
何十度目かに腹が鳴り、直腸が裂けそうに拡がった末、ついに小さな破裂音が肛門から漏れた。
そして床に、ぴちゃ、ぴちゃっと液の垂れる音がする。
なにしろ肛門から垂れる液だ。
ぞっとしながらミレーヌが脚の間に視線をやると、汗に塗れて床に何滴かの雫が見えた。
茶黄色の雫。
「………………!!」
ミレーヌは目を見開き、すぐに視線を前に戻す。
誇り高い彼女にとっては、恥辱で頭が煮えそうな情景だった。



丸一晩が経過し、朝になって、ようやくケベル達が部屋に戻ってきた。
「ふむ、だいぶ参っているようだな」
ケベルはミレーヌを見て嬉しそうに言う。
ミレーヌは青白い顔で、目からは涙を、口からは涎を零していた。
妊婦のような腹から漏れる音は、何とも表現しようのない怪音となっている。
美しい女の弱りきった様子。それは眼前のサディスト達の嗜虐心を煽った。

一人が前に歩み出し、ミレーヌの腹を鷲掴みにした。そして強く捏ね回す。
ミレーヌの顔がたちまち歪んだ。
「いっ……!!いた、あッ……あ!!」
ただでさえ気を失いそうな腹痛を丸一晩堪えていた所に、そんな事をされては耐え切れない。
ミレーヌは苦悶し、口の端から涎を零した。
その銀色の雫は腹をまさぐる男の手に落ちる。男は笑い、手を口に近づけて雫を舐め取る。
ミレーヌの視線が気恥ずかしそうに横を向く。

また別の一人は、吊るされたミレーヌの背後に回る。
彼は汚液の流れる内腿を見て嘲笑った。
「へっ、中がゼリーで埋まってるってのに、ちっと汚ねぇのが漏れちまってらぁ。
 どんだけ完璧に栓をしても、それを超えちまう。人間の身体ってなぁ恐ろしいもんだぜ。
 ……っと、こいつはサイボーグだっけな」
尋問官はそうなじりながら、ミレーヌの尻肉を割る。

「はっは、固まった透明なゼリーがちっと飛び出しちまってるぜ。
 どんだけ気張っても、これが邪魔で出せねえんだよな」
尋問官の指が肛門のゼリーを摘み、軽く引き出す動きを見せる。
その動きにミレーヌの内股が反応を見せた。
「意地張っても、俺達ぁいつまでもそのままにしとくぜ。ひり出したいなら情報を吐きな」
尋問官はそう言ってミレーヌを追い詰める。
だがミレーヌはその美しい瞳をもって、断罪するかのように男達を睨みつけた。
その表情が、尋問官達のサディズムをより一層激化させる。

しばし、ミレーヌは見世物にされた。
乱れた顔を、汗まみれの身体を、床に落ちた汚液をなじられた。
「気丈なもんだなぁ。俺達がいねぇ間は、あんなにウンウン唸ってた癖によ」
「そうそう。一回すげぇ音してクソ漏らしちまってたもんな。
 しかもこのアマそれ自分で気付いて、わざわざ下向いて確認までしやがって。
 全部モニターで見えてたんだぜ?」
言葉責めを繰り返され、ミレーヌは恥辱に唇を噛み締める。
しかしどれほど追い詰められても、ついに彼女が口を開く事はなかった。



「……流石というべきか、こんなありふれた尋問では吐かないらしい」
やがて根負けしたかのように、ケベルが呟いた。
だがミレーヌが目線を和らげた瞬間、彼は続ける。
「ならばそろそろ楽にしてやろう。溶解液を流し込んでやる。
 ここで存分にクソをぶちまけるがいい」
「なっ……!?」
ミレーヌの目が驚愕に見開かれた。
それに満足したかのように、ケベルが笑う。

「何を驚く。まさかトイレでさせてもらえるとでも思ったのか。
 我々は尋問官、君を苦しめる役職だ。君が嫌がる事を積極的に行う。
 何千回何万回懇願してもやめはせんよ。
 君の心身を衰弱させる為なら何でもしよう。
 クソをぶちまける姿、浅ましくセックスに耽る姿、貴様の全てを見させてもらうぞ」

ケベルがそう言いながら傍らの男に指示を出す。
するとミレーヌの頭上で滑車が動き、腕を拘束する鎖が伸びて膝立ちに近い姿勢を取らされた。
次いで尻の下に大きな金属バケツが置かれる。
そしていよいよ尻穴に再びホース状のものを嵌められ、薬液が流し込まれる。
「う゛ぶっ……!!」
元々限界だった腹へさらに液が注がれ、猛烈な嘔吐感にミレーヌが頬を膨らませた。
しかしその苦しみの最中、さらに大きな“異常”が襲い掛かる。
腸で水を塞き止めていたゼリー状のものが溶け、腸の中が動き始めたのだ。

「う、ンああああああ゛あ゛っ……!!!!!」
耐えに耐えた排泄の始まりに、ミレーヌは耐え切れず叫びを上げる。
止めようもない怒涛の排泄。
ゴバッ、とゼリーの塊が肛門を通り抜けた。続いてその後ろから温い液が溢れ出す。
凄まじい勢いだった。蛇口を全開にしたようにバケツに流れ出てゆく。
激流というべき汚液の流れ、その中にいくつもゼリー状の弾力が混じる。
ぶりぶり、じょろじょろ、にゅるにゅる、感覚を現すとそうした風か。
かつて経験した事もないいような異様な排泄。
その激しさと苦しみは、尻から子供を産むかのようだった。

「すげえ、バケツにどんどん溜まってくぜ」
「はは、しかしすげぇ匂いだ!」
「ああ。透明だったはずのゼリーも液も、しっかり茶色になってやがるしな。
 こんだけ綺麗な顔した女でも、やっぱ腹ン中は糞だまりってわけだ」
「違いねぇ!しっかし恥ずかしそうな顔してやがんなぁ!?
 調査段階じゃどんな時でも素の感情を見せねぇ仮面の塊って事だったが、
 今はそのまんま恥ずかしいんだろうなぁ、俺らの前でクソをぶりぶりひり出してよ!」
「いやいや、それさえ演技かもしれねぇぜ?排便見られて嬉しがるんだよ、ウェストエリアの女は!」
「おい見ろ、こいつクソに混じって小便まで漏らしてやがるぜ!
 ったく、一番でかいバケツ用意したってのに、こりゃ溢れちまうんじゃねぇかあ?」

尋問官達はミレーヌの排泄を散々に嘲笑い、罵声を浴びせる。
ミレーヌはもう排泄を止めたかったが、一度始めた排便を止められるはずもなく、
ただ腕の鎖を握りしめながら、一刻も早く終えようと息む他なかった。

「…………ご苦労。実に良い映像が撮れたよ。
 君が排便する様は、このブロックで働く全従業員の目に触れさせよう。
 排泄とはいえ美しい君の姿だ、きっと皆喜んで自慰の種とすることだろう」
排泄を終え、ぐったりとしたミレーヌにケベルが囁きかける。
ミレーヌはその衝撃的な宣告に、ただ所在無げに瞳を彷徨わせた。





排泄の後、ミレーヌは手足の鎖を外され、汚れた身体をシャワーで洗い流される。
そして別の部屋で改めて拘束された。
柱を背にし、両腕を頭の後ろに組んだ形でだ。

部屋には研究員らしき女がいた。
彼女はミレーヌを嘗め回すように眺めながら、両手に透明な素材の手袋を嵌める。
そして傍らのデスクから瓶を取り出し、中身を片手に空けた。
薄桃色のゼリー状の薬品。
「自分の肌につかないよう気をつけろよ、シェリー。大変な事になるぞ」
ケベルが女に呼びかけた。
「へいへい、解ってますよ」
女は嬉しそうに笑いながらミレーヌに近づく。そして股座に手を近づけた。
「くっ!」
ミレーヌは唇を噛み締める。
自分達には絶対に肌に触れさせないような薬品を、たっぷりとこちらに塗るつもりなのだ。

関節にバネの仕込まれたミレーヌの脚ならば、ここで女を蹴り殺す事など造作もない。
だがそれをした所で何の解決にもならず、むしろ下手に動いて身体のギミックに気付かれれば、
それこそ最悪の事態だ。
ミレーヌは自分が今抵抗できる状況にない事を、嫌というほど理解していた。

女の手はミレーヌの股座を割り、秘部に入り込む。薬品のぬるみが粘膜を侵す。
ミレーヌは少しでもそれを逃れようと腰を捩る。
「ふふん、怖い?これはね、女のコをとってもいやらしく変えるクスリなの。
 手が自由なら一日中おまんこを弄くり回しちゃうような、あっさましいメスブタにね。
 肌から粘膜から、ぐんぐん吸収されるから、サイボーグのあなたでも耐え切れないわ」
女は囁きながら、ミレーヌの秘部に薬を塗りこめる。
それもただ塗っているだけではない。
女ならではの巧みな指遣いで、ミレーヌの女の部分を弄んでくる。
ミレーヌは足を閉じてなるべく指の侵入を拒むが、薬液の潤滑を得た細い指を柔肉で防ぎきる事は出来ない。

しばし、女の指が踊り続けた。
「はっ……はぁっ……!!!」
次第に、次第に、ミレーヌの息遣いが荒くなってゆく。
薬物には多少の耐性を持つミレーヌではあるが、この薬品の効果は並外れている。
おそらくは副作用などを度外視し、媚薬としての効果のみを追い求めた薬品だろう。
それによって死者が出ても問題なし、という考えで作られた悪魔の薬だ。
それが聞くのは当然だった。
しかもそれを敏感な秘所の粘膜に、溢れるほどたっぷりと塗り込められているのだ。



「…………っ!!…………はっ…………!!」
ミレーヌは熱い息を吐き、瞳を惑わせながら耐え忍ぶ。
どんどん身体が発情しているのがわかった。
白い肌はほのかに上気し、風呂上りのようになっている。
勃起力の強い乳首も勃ちあがり、先端を封じるクリップでより一層痛めつけられる。

「ほぉら、気持ちいいでしょう?とっくに自分でも気付いてるでしょうけど、
 ナカが私の指をきゅんきゅん締め付けてくるの。もう“濡れてる”し……」

女に見透かされたような言葉を掛けられた直後、ミレーヌはある感覚を覚えた。
危機感。それは絶頂を予見するものでもあった。
しかし、普通の絶頂ではない。薬物による特殊なもの。
感覚や理性をふっ飛ばして引きずり込まれる、諜報員にとって致命的な心地よさ。
女の指と粘膜を密着させている限り、それを避けられない。

「おっ!」
周りで見守る男達から驚きの声が上がった。
ミレーヌが、それまでぴっちりと閉じていた脚を開いたからだ。
秘部を弄られながら股を開く。
浅ましいその動きは、まるで気高い女諜報員が快感に負けたかのようだった。
実際には快楽に負けじとした行動であったのだが、脚を開いた直後、ミレーヌは後悔する。
女の指がより深く潜りこんできたのだ。
脚を開いたことで密着性は下がったものの、それまで触れられなかった部分までもが熱に炙られる。

ぞくぞくとする心地よさがミレーヌの背筋を駆け上った。
「あ、ああ、あっ……!!!」
ミレーヌは震える叫びを上げた。
意思に反して勝手に股が開いていく。愛液が溢れ出す。
「へへ、あの女、とうとうおツユが零れはじめたぜ?」
内股から脚線に沿って伝い落ちる愛液を指差し、男達が囁きあう。

女の指は延々と蜜壷をくじりながら、一旦糸を引いて引き抜かれる。
そして薬液をたっぷりと指先につけ、再びミレーヌの股座へ舞い戻った。
しかし次に指が触れたのは、女の花園ではない。
それより少し後方に位置する、肉の蕾だった。
「あ、お、おしりっ!?」
ミレーヌが目を見開き、女の顔を凝視した。
周りの男達が耳を疑う。普通に股の間に指を入れたように見えたが、後孔だったのか。
「あら、ごめんなさい。さっきの浣腸で緩んでたものだから、つい」
女は笑い、指を前に滑らせて割れた柔肉を弄ぶ。
しかししばらくして、また指の先で後ろの孔を穿り返した。
「ひっ!」
故意だ。ミレーヌはそうはっきりと理解した。
この女は故意に尻穴に薬液を塗りこんでいる。

「いい反応。後ろは初めてなの、エリートスパイさん?
 まぁいくら名のある男と寝たって言っても、こんな所でする紳士さんはいないでしょうしね。
 でもここも解しておかないと。あなたこれから、ここの男共に散々犯されるんだから。
 お口とアソコだけじゃ、到底追いつかないわよ」

女はそうミレーヌの耳に言葉を流し込み、指を蠢かし始めた。



「ん、ンんんっ!!」
ミレーヌは鼻にかかったような声を上げていた。
口を固く結び、瞳もまだ凛としてはいるものの、明らかに昂ぶっている。

事実、肛門に薬液を塗られるのは、膣以上にきつかった。
粘膜なのは同じだが、やはり大腸というものが消化において『水分を吸収する』役目を持つゆえか、
そこに薬を塗り込められると膣以上に激しく火照ってしまう。
また粘膜に限らず、菊輪を刺激されるだけでも心地よかった。
薬が菊輪に触れた瞬間は異常な痒みを感じた。
だがその痒みが、指を抜き差しされる度に言いようもない快感に変わるのだ。
虫刺されを掻くときの百倍ほどの心地よさ。
「くんっ……!!んっは、んン…………!!」
いかにミレーヌとはいえ、人間的な感覚が残っている以上、それに反応してしまう。

女は飽くことなくミレーヌを嬲り続けた。
時にはミレーヌのすらりとした右脚を肩に抱え上げ、大きく開いた後孔へ指を出し入れする。
初めは中指だけだったものが、やがて薬指も交えた2本指になる。
「おしりが気持ち良いんでしょ、ねぇ?」
「ふん。そんな訳、ないでしょ……!!」

女の言葉を否定しながらも、ミレーヌは自覚している。
菊の花のようだった肛門が変わり始めていた。
菊輪の部分が薬の効果で肥大し、小さく盛り上がっている。
そこに指が出し入れされるたび、ぎぽっぎぽっと水気のある音が漏れた。
「あああ゛!!うああ、ああああ!!!」
やがてミレーヌもとうとう声を上げはじめる。
目はなお毅然として女を睨みつけるが、肛門を音を立てて弄くられると、たまらず秘唇から愛液が零れる。
「ふふ、イイ声。そうして解りやすい反応してくれると、責め手としては助かるわぁ。
 反応の凄かった責めを繰り返すだけで、勝手に堕ちていってくれるんだもん」
女は囁きながら、巧みに指を蠢かす。

膣と肛門、その両方を交互に、時に同時に責め立てられるのはたまらなかった。
愛液が溢れ、小便を漏らした時のように膝の横を通り抜けてゆく。
陰核に薬を塗りつけられるのも痛烈だった。
神経の塊であるそこは、薬は触れただけで燃えるように熱くなる。
その場所へ、時に指先で挟むように、時に指の腹で押し付けるように薬を塗り込められてしまう。
「ふあぁああああああああっっ!!!!!」
ミレーヌは身体全体を震わせ、大口を開いて何度も天を仰いだ。

それが、何時間も続けられた。

数時間後、席を外していた男達が部屋に戻ると、女がミレーヌの身体を撫でていた。
「……出来上がったわよ、オスの皆さん。」
床に空のビンが転がっている所から見て、薬をすべて使い切ったのだろう。

ミレーヌは柱に背を預けたまま、むちりとした両脚をだらしなく開いている。
下半身は愛液に塗れ、何度か失禁さえしたらしく、床に薄黄色の液だまりができていた。
とろんとした瞳から涙が零れ、開いた口から乳房いっぱいに涎が垂れ。
「良い顔だ」
すっかり発情したメスとなった女諜報員に、男達が嬉しげな表情を作る。





ミレーヌは後ろ手に拘束し直され、股を大きく開く形で床に転がされた。
2人の尋問官が靴底でミレーヌの左右の膝を踏みつけ、熟れた秘所を公然に晒す。
桜色も鮮やかだった秘唇は赤く膨れ、時折り痙攣を起こしながら奥から蜜を吐きこぼす。
誰も触れてすらいないのにだ。

「薬はすっかり浸透しているようだな」
ケベルがその様を眺めて言った。
「火照ってたまらんだろう、今お望みのものをくれてやる。死ぬほどにな」
ケベルの言葉が終わらぬうちに、尋問官達がミレーヌを取り囲む。
カチャカチャとベルトを外し、ギラついた目で見下ろしながら。
「……っ!」
輪姦されるのだ、とミレーヌの本当が告げた。
妙な薬品をたっぷりと秘所に塗り込められ、昂ぶらされた状態での輪姦。
その快楽は心の持ちようで制御できるものではないだろう。
だが、ミレーヌにも矜持がある。
身体一つで地位ある男達を骨抜きにし、情報を引き出してきた女諜報員としての矜持が。

「も、もう我慢できねえ、犯るぞ!!」
男の中でも若めの尋問官がミレーヌに覆い被さる。
勃起しきった逸物を秘肉に擦りつけ、愛液を塗して挿入する。
「ああっ!!」
男は心地良さそうに声を上げた。そのまま獣のように腰を振りたくる。
「ああすげぇ、すげえよ!!!」
何度もそう声を上げて。だが、次第にその様子がおかしくなり始めた。
「うわ、やばい……やばい、何だこれ!?」
男の声に浮かぶ明らかな焦り、そして彼に組み敷かれるミレーヌの薄い笑み。
「うあああ、うあああああ!!!!!」
男はとうとう声を震わせ始めた。
「おい、どうした!?」
周りの尋問官達が男に問いかけると、男は助けを求めるように彼らを振り仰ぐ。

「こ、こいつの中、おかしいんだ。異常な締め付けで、根元から先っぽまで、膣が扱き上げてくる。
 ありえないような名器なんだよ、普通じゃねえよこれ!!
 き、きき気持ちよすぎて、さっきから俺もう、5回ぐらい射精させられてるんだ。
 このままじゃ袋の中身、根こそぎ全部搾り取られちまう。
 しかもナカの締め付けが強すぎて、抜こうとしても抜けねぇんだよ!!」

男は真っ青な顔で周りの男達に訴えかける。
その様子に、普段は強気な尋問官達も汗を流した。
「あら、この程度でへばったの?この私を犯すっていう位だから、良い度胸してると思ったのに」
ミレーヌは男を弄ぶように囁いた。
男の視線がいよいよ恐怖に震える。
しかし男達がミレーヌの手中に陥る中、先ほどまでミレーヌを狂乱させていた女が笑った。




「情けないわね、女スパイを尋問するエキスパートでしょう。
 この女は強がってるだけよ。本当は薬で身体が火照ってしょうがないのに、無理して隠してるの。
 膣で翻弄されるっていうなら、まずは先にそれ以外で蕩かしちゃいなさい。
 たとえば……その子が弱い、おしりの穴とかね」

女の言葉に、男達が得心のいった顔になる。同時にミレーヌの顔には緊張が走った。
「……なるほどな。遥か昔に居たっていうくノ一みたく、性技を使ってたわけだ。
 だが普段使わないケツの穴なら、それも発揮しようがねぇ」

男の一人がミレーヌ達をひっくり返し、尻の穴を晒させる。
少し前まで蕾のようだった後孔は、女による嬲りでほのかに盛り上がり、喘いでいた。
「さぁて、じゃあこっちも……頂くか!!」
男が後孔に怒張の先を宛がい、力を込める。
太さのある怒張は少しずつ、少しずつ括約筋の抵抗を押しやり、ある時吸い込まれるように腸内へ入り込んだ。
「あぐっ!!」
ミレーヌが苦悶の声を上げる。先ほどまでとは全く違う声色だ。
この声で、一気に場の魔法が解けた。
恐ろしい女諜報員から、ただ2つ穴が開いているだけのメスへと認識が改まる。
「おらおら、どうだ!あ!?」
後ろの男はミレーヌの腰を掴み、叩きつけるように尻穴を刺激する。
「あう!!ああ、違う、そっちは……違……ぁう!!」
ミレーヌは非難の叫びを上げながら視線を惑わせた。
必死に心を落ち着け翻弄しようと試みるが、未経験の尻穴での性交に心惑わされてゆく。
一突きごとに、ミレーヌは菊輪を擦られる奇妙な快感に酔いしれた。
「うあ、ああ……ぁ!!!」
やがて、悩ましい声と共に白い喉が晒され、膣壁は繋ぎとめていた男を取り逃がしてしまう。

「ふうぅ……やっと解放されたぜ」
最初に襲い掛かった男が逸物を抜き、ミレーヌの傍を離れた。
「お疲れさん。じゃ、次は俺だな」
間髪いれず、次の男がミレーヌの膣内へ侵入する。
尻穴を犯されている最中のミレーヌに、それをあしらう術はない。
「う、くうぅ!!!」
「おう何だ、入れただけで甘ぇ声だしやがって。もしかしてイッたのかよ?」
男になじられ、ミレーヌは睨み返した。
だがその顔には隠しようもないほどの快感が窺える。

「口に咥えさせんのはまだやめとけよ。大事なモノを食い千切られちまうかもしれんぞ」
そう若い衆に声を掛け、ケベルは壁に寄りかかった。
「経験談ですか?」
横に並び、女が言う。
「バカ、あくまで可能性だ。……しかしまあ、あの女狐もそうとう一杯一杯だな」
「それはそうですよ、あの薬を全部塗りこんだんですから。
 私が嬲ってた時も、最後の方は下半身が痙攣して止まらなくなってましたしね。
 もう今じゃ子宮口を突かれるだけで身悶えしちゃうぐらいの筈ですよ」

「尻もか?」
「あら、お尻だって、入り口を擦る動きとか、奥で子宮裏を擦る動きが凄く気持ち良いんだから」
「ほう、女は大変だな」
「あの子の場合はまた特別だけどね。あの薬を使ってどんな気分になるのかは、さすがに試したくないしさ」



「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!!」
ミレーヌの喘ぎ声が呼吸に合わせて吐き出される。
女一人に対するまぐわりは果てることなく続いていた。

「おお、きついきつい。尻の穴がこんなにイイもんだとは思わなかったわ」
「前の穴も、こんだけヤり続けでもまーだ締まるぜ」
膣と尻穴に入れ替わり立ち代わり逞しい肉棒が挿入され、美しい女体を悶えさせる。

さらには2穴だけでは足りないと、口を使おうとする者も出てくる。
「いくらサイボーグっつっても、こいつを嵌められちゃあ噛めねぇだろ」
そう言って、中央部に穴の開いた鉄製のギャグをミレーヌの口に嵌め込む。
そして押さえつけたミレーヌの口へ逸物を捻じ込んだ。

「……おえ゛っ、え゛ぼっ、え゛、おう゛ぇ、う゛ええ゛ぇえ゛ッッ!!!」

数時間後、栗の花の匂いに包まれた部屋には濁った声が響いていた。
「おお気持ちいい、喉奥まで最高だわコイツ」
椅子に腰掛けた男がそう呟いた。
彼の前では、後ろ手に縛られたミレーヌが背後から犯されている。
そしてその枷の嵌められた口は、椅子に座った男の逸物を深々と呑み込んでいた。
というより、髪を押さえつけられて“呑み込まされている”、という方が正しい。
先ほどからの濁った声は、その喉奥から発せられているようだ。

「しかしその女、ディープスロートまで会得してやがったんだな。
 おめぇのそのデケェのをそこまで咥え込めるってのは、誰でもできる事じゃねぇぞ」
何度かミレーヌを犯し終え、一息ついた男が声を掛けた。
椅子に座る男は満足げに答える。
「ああ、何もかも一級品さ、こいつは。だがさっきから、流石に苦しそうにえづいてやがる。
 こりゃあ吐くのも時間の問題だろうぜ」
そう言いながら、ミレーヌの頭を掴んで前後に揺さぶり始めた。
「あごぉおお゛お゛っ!!!!」
さしものミレーヌも、喉奥を逸物の先で突かれる行為には耐え切れない。
何度も何度もえづき上げ、やがて白い喉を波打たせる。
「おえ゛っ、げぼッオ゛……!!!!」
周りで歓声が上がる中、ミレーヌは枷に空いた穴から黄色い半固形のものを吐き出した。
「おお熱い、しかも吐いてるのが、すげぇ顔だ!……っと、あぁ出ちまった」
興奮のあまりか、椅子に座っていた男はまさに嘔吐しているミレーヌの喉奥に精を流し込んだ。
吐き出される吐瀉物に、白い濁りが混じる。

「へへ、これでこの女の下痢便も、吐瀉物さえ見ちまったわけだ」
「最初見たときはおっそろしく美しい女神にも思えたもんだが、こうなっちゃただのメスだな」
男達は口々にミレーヌを罵りながら、それでもなお彼女を犯し始める。
神聖さこそ薄れたものの、依然交尾をしたいメスだ、という気持ちは変わっていないようだ。


「 ひや……やひゅまへ、へ……ちょっと、ひゃひゅ、まひぇ……へ……!! 」


口枷の奥から漏れるミレーヌの声に、誰も耳を貸すものはない。
たとえ少し休もうと思っていても、休ませて欲しいと言われれば一気に責め立てる。
何をしてでも心を折りにかかる。
ここはミレーヌにとっての敵地なのだ。
それが解っていて、なお助けを求めてしまうほど、ミレーヌも極限を感じたのだろうが。







数十人の男達がとうとう精を吐き切って打ち止めになった頃、部屋の扉が開いて新しい男が入ってくる。
ミレーヌは涙に滲む瞳で入り口を見やり、その目を見開いた。

入ってきたのは明らかに真っ当な人間ではない。化け物だ。
皮膚は爬虫類のそれのように薄緑色をし、亀甲状のうろこも見て取れる。
盛り上がった手足の筋肉もヒトというよりは獣のそれだった。
特に異彩を放つのが逸物で、長さはミレーヌの顔より大きく、太さは彼女の握り拳ほど、
そしてその亀頭部分は、キノコの傘のごとくに拡がっている。
「…………!!」
化け物の異常さに、さすがのミレーヌも驚きを隠せない。
彼女や他のゼロゼロナンバーズが00機関で肉体改造を受けたのと同様、
目の前のこの男もまた、明らかに人為的に改造された生物だ。
捕らえた女を犯すために。

「驚いているようだね、まぁこれを前にしては仕方がない。
 だがモノが大きいだけではないぞ。こいつは人間だった頃は強姦の常習犯でな。
 毎日女を抱かなければ満足できんほど性欲が旺盛で、
 しかし逸物が大きすぎるために、商売女にさえ断られる始末だった。
 今では改造で理性を失い、ただ女を犯したいだけの化け物になっているがな」

尋問官が解説する間にも、改造された男はミレーヌを凝視していた。
血走った瞳。理性のある様子ではない。

「こいつは現在、もう2週間に渡って女を抱いていない。
 ミレーヌ、お前が怪しい動きをして、我々の作戦を妨害していたせいだ。
 今のこいつなら、何十時間でも眠らずにお前を犯してくれるだろう。
 さっきまでのセックスとは、質も量も段違いというわけだ。
 最初の男の不甲斐なさに憤慨していた君の事だ、嬉しいだろう?
 せいぜい狂わない程度に愉しめよ」

尋問官はそう言い残し、ミレーヌに布でできた轡を新たに噛ませて部屋を出た。
他の人間も、化け物を気味悪げに見ながら後を追う。
ミレーヌを火照らせた女だけは、かわいそかわいそ、と楽しげに繰り返していた。

化け物と2人きりになった途端、ミレーヌの総身に悪寒が走る。
ここまで解りやすい雄の性欲を、彼女はかつて受けた事がなかった。
「んん!!!」
猿轡の下から悲鳴を上げつつ、ミレーヌは身を捩る。
化け物はそれを押さえつけ、傘の張った極太を、彼女の恥じらいに押し付けた。



「んんん゛ん゛ん゛!!!んんんん゛ン゛ン゛ン゛ーーー!!!!」

数十分後、部屋には猿轡に殺された痛々しい叫びが響いていた。
女……ミレーヌの秘部には、彼女の腕と遜色ないほどの大きさを誇る怒張が出入りしている。
怒張は開かれた脚の間に深々と入り込み、女の腰を跳ね上げさせた。
明らかに最奥に達していると解る長さだが、それでも七割ほどしか入っていない。
化け物はそれを全て入り込ませたいとでも言うように、ミレーヌの腰を掴んで叩きつける。
「んんんンン゛ーーー!!!!!」
その動きのたび、哀れな犠牲者は目を見開いて呻きを上げる。
およそ普通ではない情景だ。セックスをするべき種族が違っている。
まるで人間がリスと交尾をするような異常性がそこにはあった。

しかし、その結合部は愛液に塗れている。
通常では考えられないほどの透明な飛沫が上がり、女の内腿を流れてゆく。
それはその交尾の異常さゆえか、女が長らく嬲られ続けたゆえか、あるいはその両方か。
いずれにせよ、女はその交尾に狂おしいほどの快感を感じているようだった。
そして、化け物の方も。
「オオオオオオォォ!!!!」
明らかにヒトならぬ咆哮を上げながら、化け物はミレーヌを犯し続ける。
ミレーヌは後ろ手に縛られたまま、顎を床に擦り付け、身体全体を揺らされてそれを受け止める。
いや、受け止めるしかなかった。

ぬちぬち、ぬちぬちと結合の音が繰り返される。

剛直を一突きされるたび、女の美しいふくらはぎに力が籠もった。
暴虐的な傘が奥から引きずり出される時には、華奢な背中が快感にぶるりと震える。
息は刻一刻と荒さを増し、やがて気丈に前を睨んでいた瞳までもが酩酊したように据わりはじめた。
ある時猿轡が外れ、口の端から気持ち良さそうに涎が滴り落ちた。
よく見れば、その唇が小さく動き、何かを呟いているのが見て取れる。

「おい、女の口元を拡大しろ!」
ミレーヌの様子からそれが重要な情報だと見抜いたケベルは、モニター前の部下に命じた。
ミレーヌの口元が拡大される。声は結合の音が大きすぎて聞き取れないが、
読唇術専門の尋問官が口の動きを訳す。
ミレーヌは、薬と効果と快感で意識が混濁する中、こう小さく呟いていた。

『ぜろぜろ……すりー……、ぜろぜろ……ふぉー……、ぜろぜろ……せぶん……。
 …………はやく…………はやくたすけに……きて…………
 わたし……もう……げんかい…………。もうなんにちも……たえら……れない…………』

「なるほどなるほど、003や004というコードネームを持つお仲間が助けに来る、という訳か。
 つまり以前からのこいつは陽動、別働隊が今も動いているという事だな?
 通りでこいつも悠長に構えているわけだ。……おい、至急本部へ連絡を繋げ!
 D~F地区の全隔壁も封鎖しろ、こいつの仲間が潜伏しているとすればそこだ!!」

ケベルの命で、場の人間たちが動き始める。
まさに作戦決行へ向けて機を窺っているゼロゼロ部隊を捕縛するべく。
イーストエリアの機動部隊もザルではない。
おおよその作戦内容が読めれば、捕まえる時はきっちりと捕まえる。
特にミレーヌの機転がない今なら。
事態は絶望的な方向へ動いていた。
だが延々と化け物に犯され、今ついに尻の穴まで押し広げられようとしているミレーヌに、それを知る術などなかった。





『ああああぁああぁあああああ゛あ゛あ゛っっ!!!!!!!!』

映像内に絶叫が響き渡った。
裏返り、音程も不規則なので聞きづらいが、ミレーヌの声だ。
映像の彼女は水平な台に拘束され、体中に電極を付けられて電気責めに掛けられていた。

膣と肛門に電極棒が捻じ込まれ、乳首、陰核にもクリップが挟まっている。
脇腹や下腹部、手足など至る所にも吸盤が張りついている。
その状態で火花の散るような電流が流されるたび、ミレーヌの身体はびくんと跳ねた。
美貌は目を見開き、大口を開けて、まるで溺れる人間の表情だ。

全身は汗で濡れ光っていた。
首筋から、肩口、太腿の付け根に至るまでの筋肉が盛り上がるほどに緊張しきっている。
電流で自律神経が壊れたのだろう、体液も垂れ流しだった。
涙、涎、あぶく、愛液、腸液、小便。
電流責めを行う尋問官達は、取り囲むように上からミレーヌを見下ろし、
股座から溢れる小便や愛液を指差して笑う。
露骨に匂いを嗅ぐ者さえいる。
ミレーヌはその中央で、電流責めにびくんびくんと反応を示しながら、ただ絶叫を繰り返す。

電流責めの後は、火照りきった身体を男達に輪姦された。
筋肉が弛緩しきっているために膣の締まりが無い、と不平を漏らす男達の手で、
尻の穴に電極棒を差し込まれて微弱な電気を浴びながらの性交。
これが凄まじかった。
尻穴深くまで流れる電流が子宮を肉壁腰に刺激してくる。
意思とは無関係に膣がぎゅうぎゅうと締まり、肉棒の感触を伝えてくる。
加えて電流責めで蕩けに蕩けきった子宮口への、まるで容赦のない突き込み……。
それらの複合効果には、いかに性経験豊かなミレーヌも耐え切れない。

一人の性交がやっと終わったと思った直後、また別の男が覆い被さる。
それを10人以上の数で延々と繰り返される。

何度も何度も、何度も絶頂を迎えさせられた。
背筋を太い快感の電流が走りぬけ、脳をスパークさせる。分刻みで目の奥に火花が散る。
イキすぎて死ぬ、とミレーヌは思った。
途中からは床につけた頭が溶けたように感じており、そして、映像が途切れる。




「……また、その映像ですか」
部屋の扉を開け、一人の尋問官がケベルに話しかける。
「ああ」
ケベルは黒い画面を見つめたまま答えた。
「ミレーヌ・ホフマンの脳に記録されていた、最後の情景……ですね。
 この尋問を最後に、彼女は他のゼロゼロナンバーズ同様に脳を暴かれ、解析された」
「その通りだ。……これが、最後だった」
「……ケベルさん、まさか、ですが」
尋問官は画面を見つめ続けるケベルに問う。
「彼女に気でも?」
ケベルは小さく肩を竦め、首を振った。

「俺に恋なんて人間らしい感情はもうないさ。だいたいあれはサイボーグだ、人間じゃねぇ」
ただよ、とケベルは続ける。
「サイボーグでも、心はあった。アイツの脳の回路には、色んな物語が詰まってた。
 ……つい余計な事考えちまうほどにな」
ケベルはそう吐き棄て、言葉に詰まる尋問官の肩を叩いた。

「ま、とりあえず今日は飲もうや。今やウェストエリアに気を遣うこともねぇ。
 我らの軍が世界一、我らの酒場が世界一だ。
 009-1のおかげで……な。」



                             FIN
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