大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

ニューハーフ・シーメール

女神の試練

※シーメールの明菜を主人公とした4作目。なぜシリーズ化したし。
 コメント欄の老婆に虐められる明菜、というリクエストに着想を得たものです。
 アナル注意。また、前半に男によるイラマチオ(嘔吐なし)、後半にレズ(?)、老婆による責めがあります。

 なお、シリーズの時系列は 
天使の洗礼』→『シーメールの性欲処理』→『女神の屈服』→今作 
 の順です。

   

高級ショーパブ『アールヴヘイム』のオーナーは、傲岸不遜な人物として知られている。
パブの“ママ”であり、普段は女王のように振舞う真優ですら、このオーナーには頭が上がらない。
名は千賀弥千尋(せんがやちひろ)。
千と千で百万ドルの主だ、との自己紹介が定番だというが、実際の資産はいくつか桁が違うだろう。
シーメールパブの頂点たる『アールヴヘイム』以外にも、無数の風俗店を経営する、風俗界の重鎮なのだから。
なまじ保有する店舗が多いため、千尋が一店一店を視察する事は滅多にない。
しかし『運悪く』来訪した彼女の逆鱗に触れたが最後、より劣悪な系列店に飛ばされるという専らの噂だ。
そうした事情から、千尋が店を訪れるや、『アールヴヘイム』の天使達は皆々が平伏した。
“ママ”である真優も、最古参のキャストであるユリカやユキも。
ただ、1人例外が存在する。
『アールヴヘイム』入店以来、その類稀な美貌で屈指の人気嬢へと成長を遂げた超新星、明菜だ。
花園の中でも一際芳しく咲く大輪の華でありながら、その精神は雑草の如し。
いかなる恥辱に塗れようとも、受難の時が過ぎれば、すぐに高飛車な態度を取り戻す。
不撓不屈の泥女神――『アールヴヘイム』の同僚達は、皮肉と少しの畏敬を込めてそう渾名した。

「あら……良い気構えの嬢がいるものね」
周囲が平伏する中、ただ1人正座を崩さない明菜に、煌びやかな装いの老婆が笑いかける。
成金、姑、意地悪婆。その三つの単語で全てが説明できそうなほど、底意地の悪そうな人物だ。
「オーナーがいらっしゃるからといって、必ずしも平伏する必要はないと思います」
明菜は、背筋を伸ばし、曇りのない眼でぴしゃりと言い切る。
真優にも、先輩キャストにも、そして常連客にさえ、明菜のこの直刀のような態度は変わらない。
「ふふ、アッハッハッ!! 面白いコ、私にこうも堂々と意見するなんて……いつかのお前と同じねぇ、真優?」
老婆――千尋はファーコートを靡かせて笑った。
口元を扇子で隠しているのが滑稽に映るほど、品のない笑い方だ。
明菜の表情が険しくなる。男根を有する身ながら、女よりも女らしくあらんとするのが“彼女”だ。
その彼女にとって、正真正銘の女、それも十分に歳を重ねた老婆である千尋の品のなさは許し難いのだろう。
同時に、その千尋に平伏する真優の事も。
「訂正して下さい、オーナー」
明菜は千尋に向かって告げた。千尋の高笑いがふと止まる。
「…………何を、かしら?」
「真優さんと同じ、という発言をです。私はああして、犬のように頭を垂れる人間にはなりません」
そう語る明菜の眼は挑発的だった。嫌う人間はあくまで嫌うのが明菜だ。
今の発言を意訳するなら、『お前に頭を下げる価値はない』という事になる。
「明菜ッ、お前いい加減に…………!」
さすがに真優が物申そうとするが、それを千尋が手で制した。
千尋は目を細めて微笑んでいる。微笑んではいるが、その瞳の表情は睨みつける以上に暗い。
「そう、そうなの。あなたは真優とは違うというのね。真優以上の大器の持ち主だ、と」
「おっしゃる通りです」
千尋の静かな確認に対し、明菜は即答する。真優が苦い表情になった。
真優は明菜を案じているのだ。
明菜の不器用な性格を知るからこそ、居たたまれない。
その真優の心中をよそに、明菜と千尋の間には、目に見えぬ火花が散り始める。。

「本当に面白いコねぇ。そこまで言うアナタの器というものが見てみたいわ。
 都合のいいことに、私は初々しかった頃の真優を知っているの。
 まだ皮被りの少年のようだった真優に、じっくりと性を教え込んで、一流のシーメールに仕立て上げたのが私なんだもの。
 アナタ…………ええと、名前は何というのかしら」
千尋は、姑が嫁の品定めをするように視線を這わせた。
その毒々しさは、生粋のサドとして知られるユリカが、見つからぬよう半歩後ずさりするほどのものだ。
しかし、明菜は退かない。いや、退けない。彼女自身の生き様に懸けて。
「明菜です」
「そう、じゃあ明菜さん。シーメールとしてのアナタを、たっぷりと見せて貰うわね」
千尋の愉快そうな声が響き渡る。
「お前は、本当のバカだよ…………明菜」
真優が溜め息混じりに呟いた。

 ――ならせめて、自分を見失う事はするんじゃないよ。

そう続けた言葉は、誰の耳にも届かなかっただろうが。





「うひゃっ、こんな可愛い子のおっぱい弄くっていいの? ホントに!?」
中年の男が、明菜を見て下卑た笑みを浮かべる。
上半身のみ裸になったホステスが、ソファで横並びになった男性客に身体を触らせる、『おっぱいパブ』と通称される店。
明菜はそこでシーメールである事を伏せたまま、客を取らされる事となった。

『真優は本当に、女より女らしいわ。あの子なら、純粋なホステス役でも見事に演じきるでしょうね』

千尋の姑じみた陰湿な物言いが、明菜の脳裏に甦る。そうした物言いをされては、ホステス役を受けるしかない。
幸い明菜は、女性ホルモンを摂取し続けた影響で、男根がある事以外はほぼ女と変わりがない。
いや、むしろそれ以上だ。
『1日限りの新人』としてオーナーである千尋に紹介された時、店中のホステスの視線を釘付けにしたのだから。
艶めくような美しい栗色の巻毛に、涼やかな目元、すっと通った鼻筋に、品のいい唇。
豊かな乳房に、気持ちが良いほど大胆にくびれた腰つき。モデル顔負けの伸びやかな脚線。
どこから見ようと男の気配など微塵もない。
その“彼女”がシルクのショーツとミニスカート、ニーソックスを身に着ければ、いよいよ上等なホステスが出来上がる。

「うひひ、す、すごい脚だね。綺麗だ」
赤い超ミニと黒ニーソックス。その合間に存在する眩いばかりの太腿に惹かれ、男が手を伸ばそうとする。
「後藤様」
千尋の呼びかけが男を制止した。
千尋はソファの対面でカクテルを作りつつ、目を細めて微笑む。
「お忘れですか。下半身のお触りは禁止ですよ」
にこやかに千尋が告げると、後藤と呼ばれた男は舌を出した。
オーナーから直々に咎められたにしては軽い反応だ。どうやらこの後藤という男、かなりの常連客らしい。
「あはっ、ごめんねぇ千尋さん。じゃあいつも通り、胸を可愛がるよ」
後藤はそう告げ、明菜の上半身に意識を向ける。

男の毛深い両手が伸び、まずは正面から乳房の下部分を覆った。
そして胸を寄せながら、外側へ円を描くようにして揉みはじめる。女が快感を感じやすい刺激の仕方だ。
「…………っ」
明菜は、鼻から小さく息を漏らす。
ニューハーフには胸に詰め物をしている娘も多いが、明菜の場合は女性ホルモンの投与のみで膨らんだ天然物。
当然、乳腺の感覚は完全に女性と同じであり、後藤の揉み上げに何も感じない訳ではない。
しかし、声は出せなかった。明菜のハスキーボイスは中性的だが、シーメールであると露呈しないとも限らない。
そうなっては、『純粋なホステスを演じる』という千尋の課題は失敗に終わる。
ゆえに明菜は、どれほど乳腺からの快感を得ようとも、唇を結んで声を殺すしかなかった。

「あれぇ、声出さないんだね?」
後藤が明菜の顔を覗き込みながら問う。
「すみません。その子、口下手な上に無愛想なんです。そのせいでルックスはいいのに、中々お客様がつかなくて」
カクテルを差し出しながらしなを作る千尋。後藤はそのカクテルを受け取り、一息に飲み干した。
「……ぷはーっ。なるほどね、このルックスの娘が空いてるなんて、おかしいと思ったんだ。
 でも、それでこんな可愛い子とできるんなら儲けものだよ。儲けもので、ボクもう獣……なんちゃって!」
「まぁ、お上手!」
後藤のジョークに、千尋が身を揺らして笑う。
一方の明菜は冷め切った瞳だ。客相手であろうと愛想笑いはしない。
無口はともかく、無愛想というのは妥当な指摘かもしれなかった。
とはいえ明菜は、客を軽んじる嬢ではない。
ショーの合間に親しげな会話をするのは勿論、客の顔色一つで体調不良を見破るなど、意外にもよく気が回る嬢だ。
かつて常連客の1人から娘の相手を頼み込まれ、引き受けた事もある。
さらには、そのサディストの娘によって痛い目に遭ったにもかかわらず、未だにその常連客と繋がりを持っているほどだ。
勿論、父親である客当人へ、涙ながらに不満をぶつけた上でだが。
高飛車な態度の裏にそうした優しさを覗かせるからこそ、明菜は多くの客達を骨抜きにするのだった。

後藤の乳房責めは続く。
まずは乳房の下側から押し上げるように揉みほぐし、じわじわと乳腺を目覚めさせていく。
すると胸全体の感度が上がり、乳首も固さを増してくる。
「可愛いサクランボだ」
後藤は隆起しかけた乳頭を撫でた後、唐突に吸い付いた。
「っ!」
明菜は危うく声を漏らしかける。吸い付きはそれほど強い。
後藤の口が、まさしく『貪る』という様子で左乳首を責め始めた。
チュウチュウと音を立てて吸う。吸いながら、きゅぽんと音をさせて引き抜く。
唇で挟み、甘噛みする。中心を舌で舐め回し、転がし、押し込む。側面を嫌になるほど嘗める。
一旦乳首から離れ、乳輪に沿ってじっとりと舌を周回させる……。
こうした責めを受けるうち、明菜の左乳首はいよいよ固く屹立してしまう。
明菜からすれば屈辱の極みだが、生理反応には逆らえない。

「ぷはっ……ふふ、すごい。コッチの方だけ、こんなになっちゃったよ」
何分の後だろう。後藤は左乳首を解放し、乳房を揉みあげて右のそれと対比させる。
彼の言葉通り、やや陥没気味の右乳首に比べ、左乳首は円錐型に尖っていた。
感度もまるで違う。ほぼ無感覚の右に対して、左は冷たい空気の流れだけでも感じてしまう。
「右だけほっといたら可哀想だよね。右もちゃんと可愛がってあげるからね」
後藤はそう言いながら、今度は右乳首に吸い付いた。
そして左と同じように、徹底的に舐め上げる。
「……っ!!」
明菜の美しい手がソファを掴み、ニーソックスが閉じ合わされた。
じわりじわりと、明菜の深くに何かが芽生え始めていた。
その芽生えは、正面責めに飽きた後藤が明菜の背後に回って以来、加速度的に促される。

当然と言うべきか、後藤は背後からの責めも巧みだった。
正面からの場合と同じく、乳房の下半球に手を添え、ゆっくりと円を描くように揉みあげる。
ただこれだけで、明菜はひどく安心するような、うっとりとした気分の中に引きずり込まれる。
「可愛いよ、明菜ちゃん。それに何だか、首筋からいい匂いがするね?」
後藤は耳に息を吹きかけるように賛辞を述べた。
さらにその流れで、耳元を舐め、首筋に沿って口づけしていく。
「うっ……あ」
ごく自然に唇から声が漏れ、明菜は慌てて口を噤んだ。
ほとんど吐息に近い喘ぎであったため、女として不自然に思われる事はなかっただろう。
しかし、油断はできない。明菜は気を張り直し、しかしその事で、かえって身体の敏感さが増してしまう。
「すごいねぇ、オッパイおっきくなってきたねぇ。先も、もうコリコリだ」
後藤の暖かな手の平が、乳房を揉みしだく。2本指がしこり勃った乳首をいじめ抜く。
「……………………っ!!!!」
明菜は天を仰ぎながら歯を食い縛った。それでようやく甘い声を噛み殺せる。
それほどに心地がいい。
純然たる女がこの責めを受けたなら、ショーツに潜む渓谷は潤みに潤んでいるに違いなかった。
そしてそれがシーメールとなれば、当然、ショーツを押しのけるようにして逸物が隆起する事となる。
明菜のそれも張りに張り、いつミニスカートから顔を出すか解らない。
その恐れと羞恥に、女ならぬ女の頬は真っ赤に染まってしまっている。
千尋はそうした明菜の様子をたっぷりと堪能した後、ようやくにして助け舟を出す。

「…………あら、後藤さん。残念ですけど、お時間です」
腕時計を見やりながら千尋が言うと、後藤は残念そうに顔を上げた。
「えっ! そ、そうか……もう1時間経ってたんだ」
名残惜しそうに明菜の体を抱きすくめ、首を振る。
「ごめんなさい。明菜はこれで終わりですけど、別の娘を用意しますわ。たっぷり遊んで下さいね。
 さ、明菜。いらっしゃい」
千尋はそう言い残し、ふらつく明菜を個室の外へと連れ出した。



「あらあらあら、こんなに勃起させて。女になりきれって言ったでしょうに」
パブの控え室で千尋が笑う。
その前では明菜が直立していた。、赤いミニスカートをたくし上げ、ショーツをずらして怒張を露出させたまま。
「真優なら、あのぐらいは自制していたわ」
怒張を中指で弾き、さらに言葉責めを加える千尋。
美しい女体とは不釣合いな男根が、ぶらりぶらりと宙に揺れる。
「くっ……!」
明菜は唇を噛みしめた。人一倍プライドの高い彼女にとって、このような扱いは耐え難い。
だからこそ、千尋は面白がるのだが。
「しょうのない子ねぇ。続けて客を取らせようかと思ったけど、まずは一発抜いて鎮めてあげるわ」
千尋は意地の悪い笑みを見せ、部屋の隅から椅子を引いてくる。
肘掛けのない、簡素な椅子。そこに明菜を大股開きで掛けさせ、やや腰を浮かすように指示を出す。
「注文の多いことですね」
明菜が渋々と腿を上げた、直後。
それまで軟膏入れを舐めていた千尋の指が、ずぐりと明菜の肛門に挿し入れられる。
「ふあっ!?」
「あら、可愛い声。ソプラノも出るのねぇ」
皮肉とも賞賛とも取れない口調で言いながら、千尋は肛門内の指を蠢かし始めた。

指先は恐ろしく的確に明菜の前立腺を探り当て、刺激してくる。
ヂリリと焼けるような熱さが尿道を走った。真優の前立腺責めも巧みだが、千尋はそれ以上だ。
「あ、ああ、あっ!!」
「凄いでしょう。まだ義務教育を終えたばかりの真優にも、よくこうしてやったものよ。
 まだまだ生意気盛りで、悔しそうな顔をしながら、脚全体が真っ白く染まるぐらいに射精していたわ。
 アナタにも、その時の真優の気持ちがわかるかしら?」
千尋はそう言って前立腺を責めつつ、さらに逆の手で怒張を包む。
千尋の手の甲が明菜の目に映った。
美容品に相当な金を掛けているのか、年齢の割にはシミや皺が少ない。
しかし逸物をゆるゆるとしごき始めると、隠し切れない太い血管が浮き出してくる。
「若いわねぇ、アナタの肌は。元が男だっていうのが嘘に思えるぐらい、ハリがあって、きめ細かくて……」
手の甲に着目されている事に気付いたのか。
千尋は逸物を扱きながら、明菜の太腿に頬を擦り付ける。
その行為はなぜか、それまでのどの言葉よりも明菜の心を怖気立たせた。

「あ、ああ……あああっ、あ…………っは」
明菜の唇から吐息が漏れる。
ぬるっぬるっと逸物を扱き立てられ、前立腺も刺激されているため、快感は相当なものだ。
しかしいつも、今一歩のところで達することができない。
「ほらぁどうしたの、遠慮はいらないわ。時は金なりって言うでしょう、さっさとお逝きなさいな」
千尋が明菜に囁きかける。その声の調子で明菜は気付いた。
この老婆は、あえて明菜が絶頂へ至れぬよう加減し、意地悪く焦らしているのだと。
しかし、そうと解ったところで状況が変わる道理もない。
明菜は文字通りオーナーの『手の中で』、焦らしに焦らされる。
逸物からは、じわりと先走りが滲み出し。
「先っぽから何か出てきたわ。指の輪でクチュクチュいってるわね、何かしらこれ?」
睾丸は収縮を繰り返し。
「たまには、こっちの玉も可愛がってあげないとね…………あら、ふふっ。凄い顔するのねアナタ」
腿の肉は、女を忘れたように力強く強張ってしまう。
「ずいぶんと逞しい太腿ねぇ。とても女とは思えないわ」
肉体のありとあらゆる変化を目敏く見つけ出され、皮肉交じりに指摘される。
これは想像以上に恥ずかしく、さしもの明菜も気概ある瞳を保てない。
「やめてください、オーナー……」
痴漢を受ける女学生さながらに、弱った視線を床へ投げるばかりだった。
千尋はほくそ笑む。まさにその時、彼女の胸ポケットで携帯が鳴りはじめる。

千尋は肛門に差し込んだ指を引き抜き、傍らの布で拭い清めて携帯を開く。
「あら、どうも後藤さん。どうされました?」
千尋の反応から、通話の相手は先ほどの後藤である事が解った。
なぜ客がオーナーの番号を知っているのか。明菜はそう疑問を抱いたが、すぐにそれどころではなくなる。
通話の最中にもかかわらず、千尋の手が逸物への刺激を再開したせいだ。
「……っ、…………っ!!」
先走りに濡れる亀頭付近をぬるぬると愛撫され、思わず声が出そうになる。
明菜は必死で口を押さえた。その間にも、千尋の指はぬちっぬちっと逸物を弄び続けている。
明らかに先ほどよりも巧みだ。やはりこれまでは、あえて焦らしていたのだろう。
「いえ、それは…………はい、店としましては…………ええ、ごもっともですが」
千尋はやや声を低めた。深刻そうな内容、しかし責めは途切れない。
滲み出るカウパーを指で掬い、亀頭部分へと戻すように塗りこめる。
絶頂間際で敏感になっている亀頭へ、ぬめらかな刺激を続けられてはたまらない。
「~~~っ!!!!!」
明菜は右膝と左膝を忙しなく浮かせながら、椅子の背をガリガリと掻き毟った。

千尋が電話を切り、携帯を閉じる。
「お愉しみの所悪いんだけど、状況が変わったわ。さっきのお客様、後藤さんね、ちょっと無理を言ってきてるの。
 金を払ってるんだから、ついた嬢にはフェラチオぐらいさせろって言って聞かないのよ。
 あの人、いつも酒癖がいい方じゃないんだけど、今日は特にムシの居所が悪いみたいね」
「はぁっ、はぁっ…………き、規則は規則でしょう」
絶頂寸前のもどかしさで会話の行方が解らず、明菜は思ったままを口にする。
すると千尋は、芝居じみた動きで肩を落とした。
「そうねぇ。やっぱり今回ばかりは、頑として断るしかないわよね。
 大得意様だからといって、この店の嬢にそんな事を強制するわけにはいかないし……。
 真優がいれば、まだ何とかしてくれたかもしれないけど、私じゃあ頭が悪くて」
真優。その言葉に、明菜の脳裏から霧が晴れる。
また真優か。アクシデントか芝居かは知らないが、全ての事態において、真優をダシに明菜を煽ろうと言うのか。
「はぁ……解りました。私がやります」
明菜が溜め息交じりに告げる。
「あら、そう? 悪いわねぇ、助かるわ。あなた昔はニューハーフヘルスに居たそうだから、フェラチオもお手の物よね。
 ここはひとつ、プロの技を見せてちょうだい」
悪意を隠せない人間なのか、それとも隠す気すらないのか。
大仰に手を叩く千尋は、笑顔の一枚下に明確な嘲りを覗かせていた。



個室の扉を開けると、そこには嫌がるホステスに言い寄る後藤の姿があった。
先ほどまでとは雰囲気が違う。酒癖が悪いというのは事実だろう。
「お待たせしました」
明菜は後藤に向けて頭を下げる。その途端、ホステスが希望の光を見たという表情で立ち上がる。
「ゴメンね、後お願い……!」
ホステスは明菜とすれ違い様に囁き、急ぎ足で部屋を出た。よほど執拗にサービス外の行為を迫られたのだろう。
「いやぁー君が来てくれて良かったよぉ。さっきのお姉ちゃん、サービス悪くてさあ!」
後藤は顔の前で手を振りながらぼやく。明菜は嘆息する思いだった。

『聴こえる、明菜? 聴こえるなら2回瞬きして』
明菜が左耳に嵌めたイヤホンから、千尋の声がする。
イヤホンは、後藤が待つ個室へ向かう前に手渡されたものだ。一種の無線機であり、盗聴器でもある。
危険な客と個室で2人きりになる場合、このイヤホンが必須になると千尋は言った。
室内の様子はモニタールームで監視してもいるが、個室の監視カメラでは動きしか見えない。
ゆえにイヤホン型の無線盗聴器をつけ、音をモニタールームに送りつつ、何かあれば店側から指示を出すのだという。
そこまでするのなら、初めから危険を孕む状況を作らなければいいではないか。
明菜は内心そう思ったが、追求しても詮無い事だ。
店のルールを謳いながら、その実は千尋の独断による嫌がらせである可能性もあるのだから。
千尋からの指示通り、明菜はカメラへ映るように2回瞬きする。
『OKみたいね。じゃあ、頼むわよ』
「おいどうした、そんな所に突っ立ってても咥えらんねーぞー!」
千尋の声を掻き消すように後藤が叫ぶ。
明菜は一つ息を吐くと、ソファに座る後藤の前で跪いた。
「へへへ、へへ、へへっ…………」
明菜が下穿き脱がせる間、後藤は下卑た笑いを浮かべ続ける。そして現れた逸物もまた、主のおぞましさに負けていない。
ドス黒く、カリ首が妙に太い異形。匂いもきつい。
明菜は一瞬顔を引き攣らせたが、すぐに覚悟を決める。薄汚い男性器への奉仕は、初めてではない。

明菜の指が逸物を摘み上げ、開いた桜色の唇がぱくりと異形を咥え込む。
一度そうしてしまえば、後は彼女のペースだ。
男が喜ぶよう、多少大袈裟に音を立てながら、逸物の先から根元までを舐めしゃぶっていく。
尺八のように肉幹を唇と舌で責め立てると、後藤のたるんだ肉体が震えた。
「うううっ……し、新人オッパイちゃんの割には上手いじゃないか。ヘルス嬢並みだぞ」
後藤の賞賛を心中で小馬鹿にしながら、明菜は淡々と口戯を続ける。
「せっかくだ、胸も使ってくれよ」
後藤が声を上ずらせながら乞うた。
明菜もその程度の要望は断らない。両の乳房で逸物を挟み込み、乳首で側面をなぞりつつ、鈴口を舐め回す。
「あああっ堪らん! マシュマロみたいにふわふわで、気持ち良すぎる……!!」
後藤がいよいよ喜び始め、明菜は苦笑する。まるで腕白な子供だと。
しかし。後藤という男の厄介さを、彼女はまだ知らない。

「あああ、いい。気持ちいいぞ…………じゃあ今度は、もっとだ。もっと深くやってくれっ!!」
後藤は唐突に鼻息を荒くすると、明菜の後頭部を押さえ込んだ。
そして自らも腰を押し付け、有無を言わせずイラマチオを強いる。
「う“む゛ぅうう゛お゛えっ!!?」
哀れなのは明菜だ。不意に喉奥まで咥え込まされれば、声を抑えるどころの話ではない。
両の目を見開きながら、生々しい反応を示してしまう。
「あれっ、結構低いなぁ声。でもねぇ、そういうの結構好きだよ俺。やっぱえづき声は、苦しそうでなきゃあ」
後藤は上機嫌に笑いながら、長いストロークで明菜の喉奥を責め始めた。

「ごぇ、おお゛えっ!! ん゛んむ゛ぇああ゛お゛えっ、う゛、ごぶっ……ぐゅぶふっ!!!」
明菜はひたすらに悶え苦しむ。
形のいい鼻から汁を噴きだし、口からは涎の糸を垂らしてしまってもいた。

 ――冗談じゃないわ、ふざけないでっ!!

頭の中ではそう憤るが、後藤に力負けしてしまう。
後頭部を押さえつける力にも抗えず、迫る来る太腿を押しのける力も足りていない。
もう男であった頃の力がない事を、否応なく実感させられるばかりだ。
悔しいが、ここは観念するしかない。
そう悟った明菜は、抗うのをやめ、むしろ脱力して男の欲求を受け入れる。
呼吸は鼻で行い、なるべく喉奥を開いて蹂躙に耐える。
「ぐふっ、いい子いい子。…………あああーっ、いい、今のすげぇイイ! 最高だよこの喉は!!」
後藤は明菜の恭順を喜びながら、いよいよ無遠慮に腰を打ち込みはじめた。

独特の臭気が鼻腔を満たし、怒張に開かれた口から唾液が零れていく。
時おり口内から怒張が引き抜かれる事もあるが、休息は僅かばかりの間でしかない。
むしろその間に、新鮮な酸素が鼻を通り、痺れた嗅覚を再び研ぎ澄ませてしまう。
その中で明菜は、お゛えっ、ごえっ、という自らのえづきを聴いていた。
脳が白む。酸欠のせいか思考力は薄れ、妙な心地良ささえ感じられる。
心の底から女に……いや、メスになっている状態だ。
明菜がまさにその事を自覚した瞬間、イヤホンから皺枯れた声が囁きかけた。
『あらあら、凄いわねぇ』
千尋だ。明菜は目を見開く。
『シーメールが男のものを咥える気分って、どんな風なの?
 心は女といっても、男だった時の記憶も残ってるわけでしょう。気持ちが悪かったりはするの?
 ああごめんなさい、今は色んな意味で喋れないわね。だから、態度で勝手に判断するわ。
 今は……うん、とっても気持ちよさそうねぇ。とろーんとした顔してるわ、アナタ』
そう蔑むように言われては、明菜も平然とはしていられない。
今の今まで女として浸っていた口内の味が、匂いが、耐え難くなってしまう。
「ふむ゛ぉ゛ぅうう゛っっ!!!」
明菜は後藤を睨み上げた。しかし酔いの回った後藤は、それに対して笑みを深めるばかりだ。
「おおその目。いいねぇ、堪らない! 君みたいな子にそんな目されたら、おじさん、余計に燃えてくるよ!」
喘ぐようにそう言い、明菜の頭を強く掴み直す後藤。
いよいよ容赦のないディープスロートが始まった。
「ごほっ、おごっ……おおう゛えっごぼっ…………!!」
明菜はされるがままにえづく。
異常な状況だ。胸から上の反応は女のものでありながら、しかし暴れる腿の合間では、男根がそそり立っている。
その感覚は、明菜に自分の性を見失わせる。
『大丈夫?なんだかスカートが盛り上がってるように見えるんだけど……それ、足を蠢かせてるだけよね?』
追い討ちをかけるような千尋の声を聞き、いよいよ明菜の屹立は限界に達する。
メスの心とオスの欲情が、身体の中で混ざり合いながら極まったかのように。
「んんう゛もぉ゛ぉおううーーーっ!!!!」
辛抱堪らず、明菜は呻きを上げた。それが喉奥を絞り上げる結果となり、後藤の腰も跳ねる。
「うおおおーっ、最高だ! いっ、いくぞ、出すぞっっ!!!」
その言葉の直後、後藤は明菜の口内に精を迸らせた。
どぐり、どぐりと舌の上に生暖かさが吐き出され、栗の花の匂いが明菜の鼻腔を満たしていく。
『まぁ美味しそう。さ、溢さず呑んでおあげなさい。真優ならそうするわ』
千尋のその言葉で、明菜は生臭さを嚥下した。目元を不機嫌そうに震わせながら。

「…………お疲れ様。よかったわね、最高だったって。フェラチオは、真優以上なのかもしれないわね」
控え室へ戻った明菜に、千尋が言う。
明菜は汗に濡れたイヤホンを外し、千尋が差し出したジュースを受け取った。
そして荒れた喉を潤すように飲み始めた直後、千尋は口を開く。
「美味しそうに呑むわねぇ。後藤さんの精液と、どっちが美味しい?」
その言葉に、明菜は盛大に噴出してしまう。
「げほっ……お、怒りますよオーナー!」
「あら御免なさい、悪気はなかったのよ。思ったことがすぐ口に出ちゃうの、私」
そう言いつつも、千尋に反省の色はない。
それどころか彼女は腰を下ろし、明菜のショーツを擦り下ろした。
「あら、あらあらあら…………出ちゃったのね。男の人の物を咥えただけで」
粘質な糸を引くショーツの中を見ながら、千尋は可笑しそうに笑う。
明菜の顔が羞恥に赤らんだ。
さらに千尋の手は明菜の物を握り、緩々と扱き上げた。
自然に精液を滲ませるまでに興奮しきった今の明菜が、これに耐えられる道理はない。
「うっあ! んん、うふうっ…………!!」
心地良さそうな鼻声を上げ、盛大に数メートルばかり精液を飛ばしてしまう。
「へぇ、今度は簡単に出るのねぇ?」
嘲笑う千尋に精液を絞り上げられながら、明菜はただ、そのモデル然とした身体をうねらせる。

 -―――まだまだ、アナタの奥を見せて貰うわよ?

悪魔じみたその囁きが、妙にはっきりと明菜の耳に届いた。





明菜はベッドに横たわったまま、この数日を振り返っていた。
千尋が別荘として保有する邸宅。
そこで最初にさせられたのは、ストリップショーの真似事だ。

一本のポールを拠り所に、ベージュの布で股間を覆った明菜が舞う。
ただしその腹部には、腰の見事なくびれを殺さない程度に浣腸が施されている。
肛門に嵌め込まれた栓によって排泄は叶わず、栓の底からぶら下がった鈴が、腰を振るたびに煩く鳴る。
そのような恥辱のステージだった。
「へぇー、流石はショーパブの人気嬢ね。見応えがあるわ!」
「そうね。スタイルがよくて、嫉妬しちゃいそう」
「確かに優雅だけど、もっと激しくてもいいわね……ほらぁオカマ女、もっと威勢よく脚を上げなさいよ!」
「あははっ、アレが勃ってきたわ! ほとんど布が役目を果たしてないじゃないの」
千尋子飼いのホステス達が、明菜のダンスに野次を飛ばす。
シーメールである明菜に魅力で劣る劣等感からか、それとも日々の憂さ晴らしか。その野次には容赦が無い。
そして、明菜も人間だ。いかに負けん気が強いとはいえ、排泄欲に長くは抗えなかった。

ポールを背にがに股で腰を落としていた明菜は、壮絶な腹の鳴りと共に動きを止める。
顎や乳房から、汗の雫が滴り落ちる。
「……もう、無理っ…………だ、出させてちょうだい」
明菜は、ソファに脚を組んで座るホステス達、そしてその背後で笑う千尋に懇願した。
しかし、ホステス達は甲高い笑い声を上げるばかりだ。
「キャハハッ、もう無理だーなんて嘘ついちゃって。余裕あるようにしか見えないよん」
1人がソファから立ち上がり、隆起した明菜の股間を指で弾く。
「こーんなにビンビンにしちゃってさ。浣腸ぶちこまれたまま、あたしらの前で踊るのが気持ちいいんっしょ?」
「そうそう。じゃないと、こんな勃起させないってフツー!」
明菜は奥歯を軋ませた。
誇り高い彼女にとって、このような恥辱は許容できるものではない。
しかし、排泄欲に抗いながら激しく身を揺らし、それを少女達の見世物にされながら勃起させた事は事実だ。
「勃起なんて、ただの生理反応よ」
明菜はそう言い返すが、言葉に自信はない。果たして本当に、生理反応ゆえか。
そしてホステス達は、抜け目なくその言葉尻を捉える。
「へぇ、ただの生理反応かぁ。でもうんちしたいのだって、ただの生理反応だよね? じゃ、もっと我慢できるじゃん」
この言葉に、明菜はとうとう絶望的な表情を隠せなくなった。

記憶がはっきりしているのはここまでで、次の記憶はホステス達に上から圧し掛かられている時のものだ。
ホステスの潤んだ膣の中に、明菜の隆起が入り込んでいく。
排泄欲はもはやなく、ただただ強烈な射精欲に苛まれるばかりだ。
「あ……ああ、ああああ…………っ!!」
明菜は男としては極自然な呻きを上げた。ホステス達は、その女王然とした美貌を手の平で叩きながら笑う。
「ホラぁ、なんでお前が苦しそうな訳? レイプされてんのは水姫の方なのにさ」
勝手な理屈が並べられる中、圧し掛かったホステスの膣内が激しく明菜の怒張を絞り上げる。
「うううっ!!」
明菜は為すすべなく射精に至った。どくどくとかなりの量が吸い上げられていく。
「きゃー、こいつアタシの膣中で出してるぅー!!」
「いいじゃん、どうせピル飲んでんだし。それにもし出来たとしても、こんな美人?の子供ならオッケーっしょ」
「ホント、あそこ隠れてると完璧に女にしか見えないわ。不思議ね、シーメールって」
ホステス達の言葉が、疲れ果てた明菜の頭上を舞う。

またある日には、千尋からのアナル舐めのみで射精に導かれる事もあった。
キングサイズのベッド……千尋曰く『ほんの20万ドルの安物』の上でだ。
屈曲位に近い体制の明菜に対し、千尋が延々とその肛門を舐めしゃぶる。
初めは射精など有り得まいと高を括っていた明菜だが、次第に肛門性感を目覚めさせられていく。
千尋の萎びた唇で肛門を吸われ、舐められ、ざらついた舌を浅くねじ込まれ……。
その果てに、あえなく射精に至らしめられた。
一度も手を触れていない逸物から、断続的に精が吐かれた瞬間、明菜は心底驚愕したものだ。

そして今日もまた、千尋の玩具としての一日が始まる。



ベッドの上で開脚したまま、右の手首と足首、左の手首足首を拘束される恥辱のポーズ。
そのポーズを取った明菜の前に、道具箱を持参して千尋が腰を下ろす。
ベッドの上で向かい合う体勢だ。
「改めて見ると、本当にいい身体ねぇアナタって。確かに、真優に一番近いのはアナタかもしれないわ」
千尋はそう言いながら、道具箱からある物を取り出した。ワインオープナーに似た形状の道具だ。
「知ってるかしら。これね、エネマグラっていうの。男の前立腺を開発する為の道具よ。
 特にこれは真優専用の特注品で、それはもう凄いの。
 気丈だったあの子を、初めて半狂乱になるまで追い込んだ玩具なんだから。
 ほとんど家宝みたいなものなんだけど、アナタは気に入ったから、特別にご馳走してあげるわね」
千尋の指が慈しむようにエネマグラを撫で、ローションを塗りこめる。
そして充分に準備を整えると、雫を滴らせながら明菜の肛門に宛がった。
「さぁ、息を吐いて」
明菜が千尋の言葉に従い、異物は腸内へ滑り込んでいく。
直後、熱さが明菜の腸を焼いた。
「くぅっ!!」
声を抑えることなど出来ようはずもない。
効果は劇的だ。前立腺が焼き鏝で舐められたように熱くなり、次の瞬間からは余熱のようにじわりと疼きはじめる。
「ふふ。男のようでも女のようでもない、堪らない声ね。
 いいのよ、好きに乱れても。あの頃の真優なんて、それはもうはしたなくベッドを汚したものよ。
 まあ、一週間もすればすっかり女の子らしくなったけどね」
千尋の言葉が脳内で意味を成したとき、明菜は意外に感じた。
あの真優にも、そうした時期があったとは。
和風美人を体現するような真優の気品には、明菜も一目置いている。いや、憧れているのかもしれない。
だからこそ、その真優が千尋のような下劣な人間に平伏している現状が許せないのだ。
明菜の瞳が、静かに千尋を睨み据える。
千尋はそれを至近で受けながら、にこやかな笑みを返す。
「いい瞳だわ、本当に懐かしい。じゃあ始めましょうか、真ゆ……ああ、ごめんなさい、明菜だったわね」
その言葉と共に、エネマグラが明菜の腸内で蠢き始めた。

「………………う、うああっ……ああ、あ、あっ」
明菜のこの声は、けして意識したものではない。前立腺を的確に刺激され、自然にあふれた呻きだ。
勝手に声が出るほどの快感がある以上、肉体も反応する。
桜色の肛門が収縮を繰り返し、太腿も尻肉につられて引き締まる。
明菜は千尋を睨みながら、必死にこうした反応を耐えようとした。
しかし、無駄な足掻きだ。
真優の操るエネマグラの先が、18回目に前立腺を押し込んだ時……明菜の尿道を熱さが通り抜ける。
「ふぁあっ……!!」
声を漏らした直後、明菜はしまった、と思った。
喉から搾り出されたようなその掠れ声は、あまりにも雄弁に、明菜の快感を物語っていたからだ。
そして百戦錬磨の千尋は、その致命的な本音を聞き逃さない。
明菜の瞳から視線を外し、ゆっくりと視線を下げていく。
明菜は、それを追うことが出来なかった。ただ生唾を呑みこみ、来るべき時を覚悟するだけだ。
「…………ふふ。出ちゃったのね」
千尋の枯れた声が、はっきりとそう宣告した。
その言葉をきっかけとして明菜が視線を下ろすと、反り立つほどに勃起した逸物の先から、白い一筋が垂れている。
『トコロテン』と呼ばれる自然射精だ。
向かい合った千尋にそれを見られる羞恥は、明菜の美貌をひどく歪ませた。

「知ってるかしら。射精の直後って、前立腺が一番敏感になってるの。搾り出すチャンスなのよ」
千尋がさらにエネマグラを揺らし、最もつらい位置でぐっと留める。
すると明菜の尿道の根元から、再びじわりと熱さが沸いた。
射精が来る。
反り勃った逸物が前後に揺れ始め、鈴口から白濁の球が盛り上がり、破れて肉茎を伝っていく。
その直後にもまた球ができ、零れ、また球ができる。
「うぅううっ、あ、あ…………!!」
明菜の喉から漏れる掠れ声も、前以上に情けない。
「あらあらあらぁ、新鮮そうなのがどんどん出てくるじゃない。
 さっき凄い目でこっちを見てたから、てっきり我慢するつもりなのかと思ってたけど、素直で良かったわ」
千尋の嫌味が、明菜の胸を刺した。
「こんな小さな道具でお尻をレイプされて、感じるのねぇ。
 いやらしいわ明菜ちゃん。見てると、いつまででも虐めたくなってくる。不思議なシーメールねぇ、アナタって」
言葉責めはなお止まない。
腸内をかき回しながらのそれらの言葉は、孤高の女王たらんとする明菜にとって、どれほど屈辱的である事だろう。
しかし明菜は、どうする事もできない。
足掻けず、耐えられもせず、ただ肉体の反応を口惜しげに見下ろすしかない。
「さぁ明菜。今日は、まだまだ愉しませてあげるわ」
捕食者たる千尋は、普段通りの冷ややかな瞳で微笑んだ。



「あぁあああー……っ、あああっ…………っあああぁあっ、んあ、あああぁっっ………………!!」

艶かしい喘ぎが、静寂な部屋に響き渡る。
湯気を孕むようなねっとりとした喘ぎだ。聞きようによっては、重傷を負って今まさに死に行く人間の声とも思える。
実際、明菜は追い込まれていた。
逸物は己の白濁に塗れ、動物の乳を上から溢したような有様だ。
瞳はかろうじて千尋の視線を受け止めてはいるが、逸物が震えるたび、惑うように焦点を失う。
品のいい唇の端からは涎が垂れ、悦楽の只中にいる事が窺い知れた。
千尋は、そうした明菜の状態を、ただにこやかに見つめている。
明菜にとって、それが何よりつらいと知るかのように。

「すごい汗よ、明菜」
千尋の右手が明菜の身を撫でた。脇腹を流れ落ちる汗の筋を掬いながら、豊かな乳房に触れる。
乳房を持ち上げて雫を滴らせ、乳房の先を摘む。
「ふむぅんっ!!」
快感のあまりに屹立した乳首は、明菜の急所だ。摘まれれば声は殺せない。
千尋はその声を楽しみながら、さらに乳首を指先で虐め続ける。
当然、左手ではエネマグラを慣れた調子で蠢かしつつ、だ。
「んっくぅぅうぅっ…………!!」
この二点責めに、明菜はいよいよはっきりとした声を発し始める。
そして声がはっきりする瞬間は、彼女の絶頂の時でもあった。
明菜が呻いた実に2秒後。逸物が独りでに暴れ始め、また半透明な液を白濁の層へと上塗りする。
「やっぱり出てきたわ。前立腺でも乳首でも射精できるなんて、シーメールは得よね」
口調は柔らかく、しかし語気は冷たい。
何気ない一言にすら、千賀弥千尋という老婆の老獪さが滲み出ていた。
その冷ややかな瞳は、追い込まれた明菜の心を蝕んでいく。

 ――――もう、この目に見られたくない。

それが彼女の本音だが、しかし、彼女の矜持が視線を逸らす事を許さずにいた。
この先何があっても、せめて人としての尊厳は無くさない。
男である事を捨て、同性の知人からも異性の恋人からも見放された日に、そう誓ったのだから。

千尋の老いた指がニップルクリップを拾い上げても、明菜は視線を揺るがせない。
その責め具が乳頭を挟み潰した瞬間をも、歯を食い縛って耐えた。
「あら、今度は声出さなかったの。アナタの呻き声は聞き応えがあるのに。
 まぁいいわ。今度は前立腺だけじゃなく、オッパイも虐めてあげる。
 後藤さんに揉まれて、あれだけ善がってたアナタだもの。きっと今まで以上に気持ちよく逝けるはずよ」
明菜はここでようやく、千尋の目に感じていた異常性を悟る。
この千尋という女は、相手を玩具としか見ていない。
目の前の人間を、ただ自分が遊んで壊すための人形だと考えている。
だからこそ温かみが感じられず、瞳の奥の眼球が死んで見えるのだろう。
「さぁ、明菜。楽しませてちょうだい」
太い血管の浮いた手が動き、背後の道具箱から悪意ある責め具を引きずり出す。
その数々を見やり、血の通う肉人形は目を見開いた。






「…………なぁ、何か明菜って、前より女っぽくなってねぇか?」
煌びやかなステージで踊る明菜を見ながら、1人の客が隣の人間に囁きかけた。
落ち着きなく膝を揺らしていたその男もまた、男の発言に同意する。
「ああ、やっぱりそうだよな。前から美人だったけど、何か今は、凄いメスっぽいっつーか」
「本格的に女に目覚めたって感じだよな。まさか、本命ができたんじゃねーだろうな……」
「ほ、本命って誰だよ。男か、女か!?」
「し、知るかよ。あくまで仮説だって! 俺だってンなの信じてねぇよ!」
「なんかさ。デカイ声じゃ言えねぇけど、今の明菜の雰囲気って真優様っぽくねぇか……?」
「よせ、もし真優派に聞かれたら殺されんぞ。……っつっても正味、いい勝負しそうだわ。後は年季が入れば、ってとこだな」
近くの席にいた客達をも巻き込み、噂話は広がっていく。
その前方で踊る明菜は、確かにその瑞々しい魅力に加え、時おりゾクリとする妖艶な雰囲気を覗かせた。
ステージの袖に控える真優達は、その明菜を黙って見つめている。
「…………アキナぁ…………」
感受性の強いユリカは、堪らず目を潤ませ、猫の鳴くような声で後輩の名を呼んだ。

千尋の愉しみは、ただ生きた人形遊びのみで終わるものではない。
その様子をビデオに映し、ホステス達に見せて初めて完結する。
『アールヴヘイム』のホステス達にも、見せしめの意味を込めてか、明菜の味わった恥辱の全てが公開された。
そしてその最後の映像には、まざまざと変わり行く明菜が映し出されていた。

“まんぐり返し”の格好のまま、アナルフックで四方から肛門を拡げられての責め。
千尋がその肛門内へ瓶入りの液体を垂らすと、必ず明菜のすらりとした脚が跳ねた。
『もうやめてっ、さっきから使ってるそれは何なの!?
 何度もイってるのに、勃起も射精も衰えないなんて、普通じゃないわ!』
恐怖も露わに叫ぶ明菜。事実その腹部には、何ヶ月禁欲した果てかというほどの精液が飛び散っている。
睾丸の中身を残らず吐き出し、後から生成された精液も即座に搾り取りでもしなければ、それほどの量にはなるまい。
『秘密よ。名前を知ったらきっとアナタ、依存症になるまで買い漁っちゃうもの』
千尋は満面の笑みを浮かべて言い、再び責め具を抱え上げた。
『ああ、重い重い……歳を取ると、人を悦ばせるのも大変ね』
形状もサイズも真優の怒張に酷似したアナルディルドー。千尋はそれを、アナルフックで拡げられた肛門内へと挿入していく。
とても手で握ることのできない直径ゆえ、上から手の平で圧をかけるようにして。
『んん……くく、はっ…………っく…………!!』
メリ、メリッと音もしそうな威圧感でディルドーが進むにつれ、明菜の目が見開いていく。

一部を外に残して奥までディルドーが埋没すると、千尋はいよいよ力強くディルドウの根元を掴んだ。
そして己の体重全てをかけるようにして、垂直に力強くディルドーを叩き込んでいく。
映像を見るホステス達の誰もが、その責めの苛烈さに息を飲んだ。
そして当然、受ける明菜はそんな物では済まない。

『んああぁあ……あ“っ! かぁあ……あああ゛っおおお゛ぉっ、おぉっおおお゛お゛お゛っっっ!!!』

聴いているだけでも動悸が早まるほどの声を上げ、身を暴れさせる明菜。
それは彼女が初めて『アールヴヘイム』の洗礼を受けた時よりも、遥かに危険な声色だった。
男とも女ともつかない、ニューハーフとしての声色。
それが以前だったとするならば、今は剥き出しになった明菜自身が、原型を無くすまで攪拌されている最中という風だ。
そして以前の責め手である真優には、相手への温情があった。
口先では壊れろと言いながら、その実明菜が危険な状態になる直前で小休止を許す優しさがあった。
しかし千尋にそれはない。彼女の目は、耳は、眼前で悶え狂う人間を見てはいないのだから。

『いやらしいわねぇ、こんなに腸液を出して。こんなに腸液の匂いをさせて。
 懐かしい匂いだわ真優、もう一度アナタを壊せるなんて、思いもしなかったわ。
 さぁどうしたの、まだ頑張るの? 腸の中を作り変えられて、お腹じゅうに射精してて、まだ?
 いいわよ、もっと遊びましょう。もっともっと、高めてあげる。愉しませてあげるわ…………!!』

その言葉と共にディルドーが暴れ狂い、危険な角度をつけて腸内を抉り続ける。
『んおぉ゛っ、おぉおおおお゛お゛っ…………!!!」
明菜は濃い快感の呻きを響かせながら精を放った。
それを盛大に浴びながら、明菜の表情は過去のどれとも違ったものになっていく。

これは、ステージで妖艶に踊る彼女へと至る軌跡の記録。
『アールヴヘイム』の女神が、その殻を破って蝶へと羽化を遂げる瞬間を映した映像。
果たして明菜はこのまま、真優と同じ道を辿るのか。
それとも自我を取り戻し、かつての明菜のままに、誰も見た事のないシーメールへと成長してゆくのか。


彼女の器が試されるのは、これからだ。



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シーメールの性欲処理

※シーメールが同僚にアナルを掘られるお話。
天使の洗礼女神の屈服に関連する、明菜主役の3作目です。



高級ショーパブ『アールヴヘイム』では、半年に一度、<男放の儀>という催しが行われる。
普段から女性ホルモンを摂取し、女よりも女らしく振舞うパブのシーメール達にも、やはり男の心はあるものだ。
ペニスを除去しない限り、男の心根は完全には消え去らない。
その状態で女として扱われ続ければ、いずれ必ず歪みが生じてしまう。
ペニスを挿入して、射精したい。
思うがままに腰を打ちつけ、征服したい。
そうした溜まりに溜まった欲求を発散させるガス抜きの機会、それが<男放の儀>だ。
とはいえ、『アールヴヘイム』にもシーメールパブとしてのプライドがある。ガス抜きの為に女を呼ぶような真似はできない。
ではどうするか。
パブの中で最も身分の低い者……つまり新人が、先輩シーメールの欲求不満の受け皿となるしかない。
水商売の世界では、キャストの上下関係は絶対だ。
理不尽に耐えることもまた、ネオン眩い世界で生きるための勉強なのだ。

今回この外れクジを引いた嬢は、源氏名を明菜という。
目も覚めるほどに美しい嬢だ。
シャンデリアの光を受けて煌めく、栗色の巻き毛。涼やかな目元に、品のいい唇。
垂れることなく豊かに実った乳房。
大いにくびれた腰つきと、健康的に引き締まった太腿。
女性的なファッションに身を包めば、元が男であると言って信じる者はいないだろう。
その容姿は、客を大いに惹きつけた。
以前に在籍していた店では、No.1の座をほしいままにしていた“女王”だったという。
しかし、『アールヴヘイム』では違う。過去の栄光がどうあれ、1人の無力な新人に過ぎない。

「シーメールとしては恥ずかしい事かもしれないけど……正直、アンタを犯せると思うと勃起するわ」
1人の嬢が、隆々とそそり勃った逸物を扱きながら言う。
田舎から上京したばかりの純朴娘、という風で、こちらもまた女装が似合いそうだ。
「気骨のある所がまた良いのよね。何千万もする名物を痰壷にするような背徳感があって」
幼い見目の嬢が笑う。
背は低く、手足は細く、どう見ても小学校を卒業したばかりの少女という風だ。
しかしこちらの少女も、ペニスの大きさは成人男性と変わりない。
他にも様々なテーマに沿った容姿の娘が、正座した明菜を取り囲んで笑っている。
場所は、店内を改装して以来使われなくなった一室……古びた赤カーペットとベッドがあるだけの専用室だ。
明菜はその床に、姿勢を正して座している。
あまり新人には見えないが、しかし、最下層の立場であるという事実には変わりがない。



「お尻を向けて、明菜」
幼い少女に命じられると、明菜は渋々ながら立ち上がり、振り返って肛門を高く掲げた。
まさしく菊の花と呼ぶべき色合いだ。
しかし拡張の経験があるのか、完全に閉じてはいない。
嬢の一人が明菜に近寄り、手にした瓶の中身を肛門に塗りこめる。
無色透明で、指を離した際には煌めく糸が伸びる……恐らくはローションだろう。
「さぁ、ユリカさん。ぶち込んじゃって」
その言葉で、幼い少女が明菜の後ろにつく。
体格差はかなりのものだ。女にしては長身の明菜と、小学生のようなユリカ。
それは下手をすると親子ほどに違う。当然、肛門へ挿入するにしても脚の長さが違う。
ユリカがその白い足で懸命に爪先立ちをしても、ようやく亀頭が明菜の陰毛に触れる程度だ。
「跪きなさい」
ユリカは爪先立ちを諦め、拗ねたような表情で告げた。明菜は涼やかな視線を後方に送り、カーペットに膝をつく。
直後、ユリカは堪りかねたように挿入を果たした。
「う゛っ!」
明菜から小さく声が漏れる。
「ああ気持ちいい、気持ちいいわ明菜……」
ユリカはうっとりとした様子で呟き、滑らかに腰を使い始めた。

2本の細腕で相手の腰を抱える様は、幼い少女が母親に甘えるかのようだ。
女2人が腰を打ちつけ、パン、パンという音が繰り返される。
ペニスバンドでも用いているのかと思う状況だが、そうではない。生の肉棒が、熱を孕む太腿の合間で猛っているのだ。
「っ、…………っくっ…………」
ユリカに尻穴を使用されている明菜は、声を出さない。感じていないのではなく、押し殺しているといった様子だ。
実際、感じない筈がない。
ユリカの性交は巧みだった。細腕でしっかりと明菜の腰を抱え込み、逸物を根元まで深々と送り込む。
しかも真っ直ぐにではなく、奥まで届いた瞬間、やや上向きにねじり込むような動きを見せている。
おそらくはそれが前立腺を刺激するのだろう。
初めはだらりと垂れていた明菜の逸物は、ユリカが腰を打ちつけるにつれて硬さを増し、今や70度ほどにまで勃ちあがっている。
ヒクッ、ヒクッ、と前後に揺れる動きは、単に腰を前後している影響にしては力強すぎた。
しかし、射精には至れない。
ユリカが小悪魔のような笑みを浮かべながら、腰に回した手で明菜の睾丸を握りこんでいるせいだ。
「う、うう……く、ぅうっ…………く」
よくよく耳を澄ませば、明菜の唇から苦悶の声が漏れているのも解る。

「ユリカさん、アレわざと射精させないようにしてんだよね。ほんとドSだわ」
「あたしタマ取っちゃったから覚えてないんだけど、すごいんだっけ? タマ揉まれんのって」
「んー、焦らしの効果はあるよ。特に明菜って、今日のために一週間ぐらい射精禁止されてた筈だから、かなりキツイと思う」

そうした会話が交わされる中、幼い少女はじっとりと明菜を焦らし上げる。
その果てに、とうとうユリカの方が限界を迎えた。
「ああっ、いっ……いくぅっ!!」
容姿からすればソプラノであるべき今際の声は、やや低い。中性的な、妙にエロスを感じさせる響きだ。
その声の直後、白く伸びやかな少女の脚が筋張る。幾度も、幾度も筋張り、かなりの量の射精を周囲に伝えた。
怒張が抜けた瞬間、それと同じ太さに開いた肛門からドロリと白濁が零れ落ちる。
「あ、ユリカさん、中に出したぁ!」
「ちょっとぉ、肛内(なか)出しは2巡目以降って約束でしょ!」
嬢たちから非難が上がる。
「やーゴメン、我慢できなかった。だって最後の方、お尻の奥がヒクヒクしてくるんだもん」
ユリカは頭を掻きながら謝罪の言葉を口にした。


「次はあたしね。ああ、見せ付けられてしんどかった」
ユリカが脇に退いた後、田舎娘風の嬢……ユキが歩み出る。その逸物はいよいよ硬く勃起していた。
しかし、それは明菜も同じだ。
ユキは、へたり込んだ明菜の逸物を見下ろして笑う。
「あらあら、先走りまで滲ませちゃって、やーらしい。これなら簡単にイカせられそうね」
その一言に、明菜の目つきが鋭くなった。
「バカにしないで」
「事実を述べたまでよ。さぁ、始めましょう」
ユキは待ちきれない様子で明菜の腋を抱え、ベッドへと引き上げる。
そして自らが下になる背面座位で挿入を果たした。
「うくっ……!!」
小さく声が漏れる。そして今回は、その声も1回限りではない。
「あっ、あ、ハッ…………あくっ、あ……あぅううっ…………!!」
ユキが大きく腰をグラインドさせるにつれ、何度も喘ぎが起きる。
眉根を寄せ、美しい唇を噛みしめる悩ましい表情は、ベテランのシーメールをも見惚れさせる力があった。
明菜ほどの器量ならば、いずれ『アールヴヘイム』の中を上り詰めていく事は間違いない。
だからこそ、嬲るならば今しかない。その極上の肉体を味わえる機会は、今だけだ。

「ああいいわ。ユリカさんじゃないけど、本当に搾り取られるみたい!
 入り口はキツくって、奥はグニグニ動いて、締め付けもある……こんなの、すごすぎるわ!!」
ユキは興奮を隠せない様子で叫ぶ。
「はっ、はっ、あ……っは……」
一方の明菜は両腋を晒し、背後のユキの首を抱え込むようにして姿勢を安定させていた。
その状態で強く突き上げられ、喘ぐ。まるで悦楽に浸るかのように。
事実、たまらないのだろう。
ユキは幾度か抜き差しを繰り返し、最奥まで達した後に、明菜の腰を掴んでグリリと駄目押しをする事がある。
これが最も前立腺に響くらしく、明菜は必ず反応を示す。
「お゛っ!!」
今また同じ事をされ、明菜が呻いた。目を見開き、口を窄め。明らかに余裕がない。
「あーら、いい声。イキそうになったんでしょ」
「ち、違うわ!」
ユキの嘲りに対し、明菜は必死で反論する。
しかしその逸物は勃起しきり、まさに射精寸前とばかりに先走りを垂らし、前後にピクピクと揺れている有様だ。
いよいよ決壊が近いことは、誰の目にも明らかだった。
「そう。なら、あと何回耐えられるかしら?」
ユキは笑いながら、さらに同じ責めを繰り返した。
激しいストロークで責め立てながら、最奥で留め、グリリとねじ込む。その行為を、何度も。
「うくぅっ!!」
「あぐはぁ……っぐ!!」
明菜はその度に驚愕したような表情を見せた。逸物も最奥を抉られる瞬間、いよいよビィンと勃ちきって前後に揺れる。
美しい脚には、男の名残を感じさせるような力強い筋肉の蠢きが見えた。
その美しさと荒々しさが絶妙に混ざり合った姿こそ、シーメールのシーメールたる美しさの極致。
そう思わせるほどのいやらしさだ。
ユキは、そうした明菜の変化を肌で感じながら、着実に追い込んでいく。
そして、7度目のプッシュ。これが最後となった。
最奥まで突き込んでから、明菜の腰を両手で鷲掴みにし、グリグリとユキ自身の腰へとねじ込ませる。
「あぐうっ!!」
明菜から余裕のない声が上がった。
逸物から先走りがあふれ、ピクピクと大きな前後運動が始まる。
ギャラリーの指摘によってそれを知ったユキは、一度明菜の腰を開放すると、さらにもう一度ねじ込み直した。
「う!!」
声が上がる。その声を聞き、さらに一度。
「う」
声自体はより短く、より小さい。しかしそれこそが、人間の本当に余裕をなくした瞬間の声だ。喉が開かない状態なのだ。
その姿勢のまま、しばし。結腸にすら潜りこもうかという位置で、ユキの怒張がもごもごと蠢いた頃。
明菜の顔が天を仰いだ。声もなく、ただ麗しい身を震わせて。
決壊はいつも唐突だ。グラスの中でゆっくりと溶けていたロックアイスが、突如として崩れるように。
 
「ああ………………ぃ、いやぁあああっっ!!!!」
悲痛な叫びの後、ついに明菜の射精が始まった。
丸一週間に渡って射精を禁じられていた上に、焦らされ続けての射精。
その勢いたるや凄まじく、まさしく噴水のように高く噴きあがり、明菜自身の髪や頬に白く降り注ぐ。
汗を吸ったシーツに落ちた分などは、バタバタと音を立てるほどだった。
「あはははっ、出た出た出た! うわすっごい、何その勢い!?」
「ホントに女性ホルモン打ってるのか疑うぐらいの精力ねぇ。ちょっと懐かしいな」
「あーあー、まーだ撒き散らしてるよ。一週間分のザーメンって凄いわ」
生意気な明菜の決壊に、シーメール達は祭りのような騒ぎになる。
それを聞きつけたのか。部屋のドアが静かに開き、また1人が姿を現す。
数人がそちらを見やり、その瞬間に表情を変えた。
「あ、真優さん! お疲れ様です!!」
「お疲れ様です、姐さん!」
わざわざ居ずまいを正してそう声を掛ける所からして、また別格の人間であると解る。

腰までの艶やかな黒髪、優雅な着物、心地よい香。 切り身を思わせる桜色の唇。
誰もが律動で胸を焼かれるほどの容姿。
彼女こそは、この『アールヴヘイム』を取り仕切る女帝だ。
「ああ、そう畏まらなくてもいいよ。別に仕事で来たわけじゃない。
 あたしもすっかり“溜まっちまって”ね。そういや今日はこの日だったと思い出して、処理に来ただけさ」
鈴を揺らすような声で、真優が告げる。
そして着物の前を肌蹴ると、驚くほどの巨根が姿を見せた。
太さにして4センチ超、長さにして30センチ余り。 飲料ののボトルを思わせるサイズだ。
「わっ!!」
シーメール嬢の幾人かが、その威容を前にして凍りついた。
ベッドの上の明菜は経験があるのか、驚きはしない。ただ額に汗し、険しい表情をしているだけだ。


「ど、どうぞ真優さん」
ユキは明菜の肛門から逸物を抜き、早々に場所を譲る。
「悪いね、急かしちまったみたいで」
真優は言いながら、明菜に姿勢を変えさせる。
ベッドに手をつき、両脚は床に下ろしたまま、肛門を向ける格好だ。
「お、よく解れてるじゃないか。これならスムーズに入りそうだね」
その言葉の直後、規格外の怒張の先が肛門に触れる。
「…………っ!」
明菜は苦々しい表情を後ろに向けていた。しかし挿入が始まると、その表情はただ余裕のないものに変わる。
「あ、あが……ふっ、太い゛…………く、ぐぁああ…………あアあ゛あ゛っっ!!!」
怒張が1mm進むごとに、明菜の品のある唇から悲鳴が上がった。
両脚もガクガクと震えながら、がに股とそれ以上の開脚を繰り返し、よほどの極感に見舞われているのだと判る。
大臀部の肉感的な盛り上がりは、芸術的という他ない。
「そら、どうした。まだ半分も入っちゃいないよ、もっと尻の奥を開きな。
 お披露目の時に根元まで入るのは解ったからね、泣き言は言わせないよ!」
真優は明菜の脇腹を叩いて叫ぶ。そして、恐るべき力で腰を埋没させ続けた。

「あああっ、ああっ、あぐぁぁあっ!!」
真優の腰がリズミカルに前後するたび、明菜から声が上がる。
「ああ、こりゃあ良い。本当におまえの尻穴は、性欲処理の道具として最高だ!」
真優は強烈に腰を打ちつけながら笑った。
スレンダーな明菜の肛門に、ボトル並の剛直が出入りする。
それは明らかに無理のある現象ではあったが、どうやら受ける明菜も辛いばかりではないらしい。
“彼女”の持ち物は、激しく後背位で突かれながら、幾度も射精に至っているからだ。
結合部からは、じゅぶじゅぶという腸液の攪拌音も響いている。
それは痛々しいというよりむしろ、恐ろしく心地の良い責めに見えてしまう。
「何も、おまえが憎くてこうするんじゃない。ただ今は、良い機会だから愉しませてもらうよ。
 こんなに具合のいい穴で、性欲の処理ができるんだからね」
真優はそう囁きながら体位を変えた。
ベッドに手をつく後背位から、片足の膝裏を持ち上げた背面側位へ。
これにより、結合部分は勿論、射精の瞬間までもが他のシーメール達に晒されてしまう。
「やめてっ、み、見ないでっ!!」
明菜は必死に叫ぶ。しかしその口からは、快感のあまりに涎を垂れてしまっている。
またその最中にもまた、逸物の鈴口から白濁の球が滲み出し、竿をドロリと伝い落ちていく。
「さぁ、さぁ、これからだ。あたしら全員が飽きるまで、もっともっと愉しませてもらうよ!」
真優の言葉に、明菜の眉が垂れ下がる。
まだかろうじて美麗さを保っているその顔は、これからいよいよ情けなく成り果てるのだろう。
一堂はそれを予感し、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


                               終わり
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女神の屈服

天使の洗礼の後の話です


「うわー、ホントについてるんだぁ!」

タイトジーンズを脱がせた瞬間、女子高生達は驚きの声を上げた。
彼女らはまだ高校から帰ったばかりといった様子で、
胸元の第二ボタンまでをはだけた制服を纏ったままでいる。
一人の例外もなくすらりとした脚や、化粧慣れした顔は、
世の中年男性からさぞかし好色めいた視線を向けられる事だろう。
けれども、その女子高生達が取り囲む人物は、
それよりもなお艶やかで女性らしい魅力を醸し出していた。

品のよい艶を見せる栗色の巻毛、豊かに実ったやわらかそうな乳房、
気持ちの良いほどくびれた腰つき、引き締まった健康的な太腿。
その洗練された肉体は、まるで西洋の彫刻を思わせるほど芸術的に磨き込まれていた。
道行く女性でも、そこまで完成度の高い身体を持つ者などそうは居まい。
それゆえに異様な光景だった。
この上なく女らしい脚線の付け根から、逞しい男根が備わっているという状況は。

“彼女”の名前は明菜。
高級ショーパブ『アールヴヘイム』の中でも指折りの人気嬢だ。
入店の際のお披露目でこそ乱れた姿を衆目に晒したものの、
その後は依然変わらず、その有無を言わせぬ美貌と高飛車な態度で、
多くの客を骨抜きにし続けている。



「凄いなぁ、世界の七不思議に入れたいくらいだよ。
 服着てたら絶対モデルか洋画女優のどっちかだと思うもん。
 これが元男なんてねぇ」
「元はどれだけイケメンだったんだろうね。勿体無くない?
 それともホモが行き過ぎたのかな?

女子高生達は裸を晒した明菜の周りを歩きながら、その肢体を品評する。
完全に見世物とされている状況に、明菜はやや不服そうだ。

「女よりも女らしい、それが本物のシーメールというものよ。
 女に生まれついた事実にただ胡坐を掻いてるだけじゃ、辿り着けない境地もあるの」
明菜が冷ややかな視線と共に告げる。
制服を着崩し、ショーツが覗く事にすら頓着していない女子高生に向けての言葉だろう。
その言葉を聞き、女子高生の中でも一際整った顔立ちの少女が笑った。
不自然なほどに欠点のないその顔は、美容整形を疑わせる。

「ふふ、パパから聞かされてた通り、高飛車でプライド高そう。
 でも、他にも色々聞いてるよぉ?
 パパのぶっといのをお尻に咥えこんで、気持ち良さそうに腰をうねらせるんですってね。
 ネクタイで柔らかく手を拘束してから前立腺を擦り続けると、
 潮吹きするみたいにぴゅっぴゅって精液が飛ぶんでしょ?
 女性ホルモン打っててあそこまで射精力の強いシーメールは珍しいって、パパ驚いてたわ。
 元はよっぽど性欲の強い種付け馬だったんだろうって。そうなの明菜?」

高校生の少女から呼び捨てにされ、明菜の眉が吊り上がった。

「年上につける『さん』、はどうしたの?
 あなたのお父様は大切な常連だから義理もあるけれど、
 別にその娘に過ぎないあなたにまで恩があるわけじゃないのよ」
「解ってないわね。アンタは今夜、私に買い与えられたのよ。
 大金を支払ったパパが一晩私に付き合うよう頼んで、アンタはそれを了承した。
 ビジネスは成立してるのよ、明菜」
見下す姿勢が板についている。それを前に、明菜は言葉を返せない。
「愉しい夜になりそうね」
女子高生は、静かに睨みつける明菜を見上げて嘲笑った。



「くッ…………ん!!」
部屋に明菜の呻きが漏れていた。
直立した彼女の前に女子高生の一人が跪き、逸物を咥え込んでいる。
気を抜けばたちまち射精するような、風俗嬢顔負けのフェラチオ。

「この子こう見えて、ウリしたりして相当遊んでるからさぁ。マジ上手いっしょ?」
女子高生の一人が、奉仕している少女を指して言った。
明菜は答えないが、その逸物は雄弁に快感を物語っている。
始め半勃ちだったそれは、今や脈打ち、玉袋をせり上げ、挙句には鈴口が開いて、
透明な先走り液をどろどろと幹に伝わせてさえいた。
明確に射精寸前といった様子だ。
奉仕する一人は、上目遣いを織り交ぜながら逸物の先端を掴んだ。
先走りを指に絡めたまま扱かれると、にちゃにちゃと耳を覆いたくなるような恥の音が響く。

「ふふ。ねーぇ、何でこんなに“お元気さん”なのぉ?
 さっきは女より女らしくとか何とか言ってたけど、実は羨ましいんでしょ。
 可愛い現役の女子高生にしゃぶってもらえて、男の部分が興奮しちゃったんだ?」
誘うような声色。
「……馬鹿じゃないの。勃起なんてただの生理現象よ、自惚れるのも大概にして欲しいわ」
明菜は凜とした表情で少女を睨みつけながら応じる。
けれどもその手は腰の横で強く握りしめられ、美しい脚はガクガクと痙攣してさえいる。
射精しそうな所をすんでで堪えているのは、誰の目にも明らかだった。

「ふーん、頑張るんだ。ねぇ皆、もうアレ、行っちゃう?」
責め手の女子高生が、逸物を片手で摘み、もう片方の小指の先で鈴口を穿りながら告げる。
部屋の主である娘が頷いた。



上に掛かった布が取り去られ、明菜の前に見慣れない責め具が現れる。
全てのパーツは透明で、中の様子がどこからでも観察できるようになっていた。
ボックスの一点、ちょうど明菜の腰の辺りに小さな亀裂があり、
ボックスの中の襞状の孔に繋がっていた。
その形状はまるで、男性が自慰の際に用いるグッズさながらだ。

「いわゆる名器と呼ばれる女の特徴をすべて兼ね備えた、男泣かせの逸品よ。
 勿論締め付けの強さなんかも、残酷なくらい絶妙に調節できるわ。
 さ、遠慮なく召し上がれ」

女子高生達が明菜の手を後ろで縛りつけ、腰を抱えて機械に近づける。
そして、ずぬりと挿入を果たさせた。
「ぐっ……!!」
数分前に、射精寸前にまで押し上げられたばかりの明菜から声が漏れる。
その状況で、機械は無慈悲にも動作を開始した。
透明な箱の中の襞がうねり、勃起した明菜の男根を包み込む。
根元から先端へかけて、絞り込むように蠢いていく。
凄まじい衝撃だった。
明菜の腰がぶるりと震え、わずか一分と経たずに射精を迎える。
「………………っ!!!」
濁流に押し流されるかのような射精に、明菜は声もない。

一旦動きを止めたボックスの中では、彼女の男根が痙攣するように暴れ、
白い飛沫を襞にぶち撒けている様がはっきりと見て取れた。
「うわー、すっごいねぇ。あの美人が、尿瓶の中に白いおしっこしてるみたいに見えるよ」
女子高生から笑いが起きた。
さらに一人は、機械横のメーターに目をやる。
そこには、今まさに明菜が放出した精液の量が表示されていた。
「すごっ、4.2ccも出てるわよ。これは気持ちよかったでしょ」
そう顔を覗きこまれて問われるが、明菜は答えない。
理不尽には抗えないが、屈しもしない……とでも言いたげに。
「ふーん、シカトなんだ」
女子高生達は、再び機械の電源を入れる。
モーターの音と共に、先ほどよりもやや緩めの刺激が加わり始める。
中火でコトコトと煮込むように。
「うううう……!!」
射精直後の責めはつらいのか、明菜は初めて顔を歪めて呻きを漏らした。
「喉に引っかかったような、その堪んなさそうな声、大好きよ」
女子高生達は各々椅子に座り込み、苦しみを表す明菜を悠々と観察し始める。



数十分後が経ってなお、明菜は絶頂の最中にいた。
4回ほど射精し、男根が自ら放った白濁に塗れている様が露わとなっている。
もうほとんど、計測もされないような透明な液が折に触れて染み出している状態。
それでも夢のような、いや地獄のような締め付けで身体が反応してしまう。
「はぁ、はああ、あっ、くううぅうううっ…………!!」
さすがに明菜の息も荒い。首や胸に幾筋もの汗が伝っている。
瞳はきりりとしたものだが、かすかに涙が滲んでいるのが見て取れた。

「綺麗よ、明菜」
明菜の背後から女子高生が近寄り、快感に震える尻肉を割る。
日々犯されているにしては慎ましい肛門が露わとなった。
足腰の形は完全に女のものであるにも関わらず、女性器がないのは不思議な光景だ。
白濁にまみれる肌色の睾丸。
その上から会陰部で繋がった肛門は、今まさに訪れた射精によって物欲しげにひくついている。
尻肉を割った女子高生が、そこに好奇心から舌を這わせた。
皺の一本一本を舐めるようにして、明菜に腰を振らせる。

「シーメールって不思議ね、綺麗な女のアナル舐めてるようにしか思えないわ。
 ここで何度もぶっといの咥え込んでるんでしょ?
 いくら美人に見えたって、挿れるところはお尻しかないもんね。
 そんなカマトトぶっても、滑稽なだけよ」

女子高生は明菜の肛門に舌を這わせながら、言葉責めを繰り返す。
蟻の門渡りや玉袋をも嘗め回し、唾液でヌラヌラと濡れ光らせていく。
時には、尖らせた舌先を穴の中心へうずめる事さえしているようだ。
「っっ!!!!」
明菜は声こそ聞かせなかったが、よほど心地よいのか、
腰を仰け反らせて舌から逃れるような行動を幾度も見せていた。
やがてようやく女子高生が口を離したとき、その行動にも納得がいく。
明菜の肛門は、濡れ光りながら、くぱっと花開くほどになっていたからだ。
そしてその追い詰められた排泄の器官へ、駄目押しと言わんばかりに指が宛がわれる。
「くっ……!!」
明菜が焦りを露わにして背後を振り返った瞬間、白い指はずぐりと腸内へ入り込んだ。



桜色の肛門に少女の指が入り込み、蠢く。容赦のない動きだ。
少なくともその少女は、男へのアナル責めに慣れているようだった。

「あはは、きつい。いつもぶっといの咥え込んでるくせに。
 ここが前立腺よね?扱いてあげるねー、ほら、こりこりこりこり。
 あ、逝っちゃったねー、気持ちよかったの?
 あんたってさ、美人なのに、実はものすっごくイヤラシイんだね」
「ンンンンン゛ン゛ッ……!!!!!」
「もしかしてだけど、それで声殺してるつもりなの?
 普通に喘ぐよりエロいんだけど。
 やっぱ風俗のプロはすごいねー。そうやって男をソノ気にさせるんだね」

そうして散々に追い込んだ末に、少女は4本の指を使って明菜の肛門を大きく押し広げた。
別の一人がペンライトで中を照らす。

「へー、綺麗なピンク。こんな内臓の部分まで女の子みたい」
「ウンチはないけど、あの奥まりの左っ側にあんのって、ザーメンじゃない?
 確か美樹のパパと、店でプレイしてから来たんだよね」
「マジで!?じゃああたし、もうちょっとであのデブの精液舐めるとこだったわけ?
 それは勘弁だわー」
「あ、見て。おちんちんが搾り取られる度に、腸が蠢いてんのが見えるよ」

様々な声が、明菜の肛門を覗き込みながら交わされる。
肛門が一旦閉じられても、それで終わりではない。
女子高生達の、美しい第3の性への興味は、生半可では尽きないようだった。



そこから明菜の肛門は、様々な手段で嬲られた。

先端に鈴の提げられた長い肛門栓をはめ込まれ、放置されもした。
「アーラ何で鳴るのかしら?風もないのに」
「自分で腰を動かしでもしなければ鳴らないはずなのに、ねぇ?」
そのような言葉責めが課せられるが、機械によって際限のない射精地獄に置かれている明菜は、
浅ましく尻を振りながら鈴を鳴らし続けるしかない。
やがて緊張に次ぐ弛緩で肛門栓が抜け落ちると、それもまた物笑いの種にされた。

肛門栓の次には、一回り大きなアナルビーズが挿入される。
太い珠をいくつも捻じ込まれ、ゆっくりと、あるいは勢いよく引き出され。
「る゛っ……!!!」
明菜は下唇を噛みしめて必死に声を殺していた。
しかし度重なる肛門開発で、抑えがたい快感を得始めているのだろう。
すらりとした脚が艶かしくうねり、何度も組み変えられる。
さらに、十度目ほどに強くパールを抜き出された時には、がに股を作ったまま浅ましく腰を震えさせた。
「あら何かしらこの足は?」
快感の発露は目敏く見つけられ、少女らの手で片足の膝裏を掲げられる。

その状態で、さらに肛門に対して残酷な形状を持つ波状アナルバイブが捻じ込まれる。
相当に高い値段をする責め具なのだろう、それだけに得る快感は絶望的だ。
「ひぅ゛うんぐううううっ……!!!」
子犬が鳴くような明菜の声。
たまらなそうに持ち上げられた片脚が、少女達の手の中でびくんっと跳ねた。
「すらーっと綺麗な脚が、お尻の孔の快感であさましく感じてるのが解るわぁ」
女子高生はなお明菜の心を追い込んだ。
そこからさらに数度、波が肛門を通りぬけた頃、ついに明菜の唇の端から涎が垂れる。
「あ、ああ……」
それは、何とも解りやすい極まりの図だ。
「うっわぁー、気持ちよくて堪んなそうな顔になってきたよぉ。
 美人のこんな顔見てると、コッチまで堪んなくなってきちゃう」
明菜の顔を覗きこみ、少女達が歓声を上げた。

「そろそろね」
明菜を買い与えられた主役の少女が、上半身には制服のブレザーを纏ったまま、
白い下半身にペニスバンドを装着する。
成人男性よりも太く、長く、そして驚くべき反りを誇る凶器だ。
その凶器は、少女の笑いと共に幾度も明菜の尻穴に擦り付けられ、
明菜が戸惑ったように背後を振り返った瞬間に有無を言わせぬ挿入を開始する。
「ああああ、あ゛ああ゛……………ッッッ!!!!!」
明菜の瞳と唇はその瞬間に開ききり、女のものでも男のものでもない、
ゾクゾクするようなハスキーボイスを響かせた。



「どう?パパのよりも太くて、長いでしょう。反りだって、現実では有り得ないのよ。
 所々に、よく解った位置と大きさでイボがあるし……。
 男相手よりずっと気持ちよくなれるって、レズの間で大人気なんだから」

少女が腰を遣いながら明菜に囁きかける。
毛のひとつもないすべらかな4本足が絡まり、パンパンと音を弾けさせる。
リズミカルなその叩きつけは、受ける側にとって特に堪らないものであるようだ。

「すべすべの気持ちいい脚ねぇ、悔しいけど肌触りは私より上か。芸術的ね。
 ああこのむちっとした弾力、気持ちよくなっちゃった時の筋肉の張り。
 確かにこれは男でも女でもないわね、パパが病みつきになるのも無理ないかも」

腿を両手で挟み込むことで両脚を揃えさせたまま、少女が背中側を突き上げる。
「ああ゛っ……!」
明菜は背を丸め、泣くような瞳の形を作って悶えた。

「ほぉら鏡見てみなよ、世にもおかしな光景よね
 元男のアンタが抱かれてあんあん言って、女の私達に男の物がついてるだなんて
 でもどうせだから、この異常を突き詰めましょ。
 アンタの喉から男の子の声が出るまで……やるわよ」

少女が唇の端を吊り上げながら告げる。
彼女に後ろからねっとりと犯される一方で、明菜は横の一人に顎を摘まれ、唇を奪われてもいた。
舌を奥まで入れる濃厚なキス。
さらには豊かに実った乳房を、本物か確かめるように丹念に揉みしだかれもする。
明菜の乳房は、ホルモンを利用した正真正銘の性感体だ。
それを女子高校生のふくりとした掌で揉み上げられれば、当然に昂ぶってしまう。
「ふぁあうああうああ゛……っ!!!」
水商売をしていても滅多には味わう事のない多人数からの責め。
明菜はそれに翻弄され続けた。



少女が明菜の腰に手を添え、尻肉を鷲掴みにして深々と突き上げる。
「うっわー、ちょっと聴いてみて。突かれてるお尻の奥の方で、クポクポ音なってるよ。
 この綺麗なお腹ん中で、何が起こってんだろ」
横に座り込んで結合を見ていた一人が声を上げた。
「へぇ?」
それを聴き、責めていた少女が一旦責め具を抜き出す。
さらりとした液が表面に纏わりついていた。
「これ何?ローションとは違うみたいだけど」
「何ってそりゃ、腸液でしょ。
 さっきのクポクポって音、これが空気とで掻き混ぜられてる音だったんじゃん?
 まぁともかく、こんなのが滲んじゃってまで、感じてないなんて言えないよねぇ」
少女の一人が分析し、意地悪く解説する。
明菜の顔は羞恥に染まった。
そしてそこからいよいよ、明菜はその羞恥を深められる。

特に両脚を女子高生達に抱え上げられ、蛙のような格好のまま尻穴を穿たれて、
機械に淡々と精を搾り取られるのは恥辱の極みだった。
「ふぁあああああっ…………!!!」
意識せずとも声が出る。
泣きそうな気分になると共に、体中を被虐の快感が駆け巡る。
自分の培ってきた尊厳が、価値観が、ずぶずぶに侵食されていく。
自分が、果たして女なのか、まだ男が残っているのか、気高いのか、浅ましいのか。
全く解らなくなってしまう。

「うわぁすっごい、脚にまで腸液垂れてきてるぅ!
 あたしらみたいな素人にここまで本気で感じさせられて、プロとしては気分どうなの?」
「はぁううっ……!!」
「こいつ、腰反らせたままグッて深く突くと、物凄い切なそうな反応するね。
 前立腺のきついとこ捉えちゃったのかな?可愛い~」

心を斬り付ける様な屈辱的な言葉。耐え難い快感。
それらがない交ぜになり、明菜の尊厳を削り取っていく。



「おおおおおおお゛お゛お゛っ、はぁううう゛あぐおおおほおおおっ!!!!!!
 ま゛っ、まだでるっ、もぉ出したくない!!もう、前を絞るのはやめでえぇっ……!!!」

いつしか明菜は凄まじい咆哮を上げ、精液でない何かを屈辱の悦びから滲み出させていた。
フローリングの床が、汗と精液、腸液でぬめりを帯びていく。
自らの分泌した体液が足の裏でぴしゃっと音を立てるのは、現実に引き戻されるようで耐えがたい。

「ふふ、可愛い。でも朝まではまだ六時間以上あるからね。もっともっと可愛くなれるよ。
 このぷっくりしたお尻の孔に、どうやっても忘れられないぐらいの想い出を刻み込んであげる。
 あはっ、またちょっとだけ射精しちゃったんじゃない?
 想像して感じちゃったのね、明菜」

自分よりも遥か年下の子供に貫かれながら、明菜は涙を零して髪を振り乱す。
女神のように優れた容姿は、もはや見る影もなかった。
「ううううう゛!!!!ふむ゛ぅううう゛う゛っっ!!!!」
屈服などしたくない。けれども身体はすでに、悦びを露わにしてしまっている。
心までもそれに追従してしまうのは、そう遠い事ではない。

明菜にはそれが解っていた。



                                  終わり
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それは小さな繋がり

「みなさん、今日は来てくださって、ありがとうございました!」

明阜莉里(あきふりり)の澄んだ一声で、握手会は終わりを迎えた。
地鳴りのような喚声と拍手に見守られ、彼女は楽屋に姿を消す。
今度のドラマも盛況だろう。
「いい会見だった。あまり緊張しなくなったな」
舞台の袖から精悍な男が声をかけた。
今をときめく人気俳優の一人で、今度莉里の相方を演じる男だ。
彼との会話を願う女性がどれほどいるだろう。
「ハイ、どうもありがとうございます!」
莉里は人懐こい笑顔を浮かべ、急くように楽屋へ駆けていく。
トイレだろうかと首を傾げつつ、男はステージへ消えていった。


莉里は、はぁはぁと息を切らしながら控え室へ飛び込んだ。
「どうかしたの、そんなに慌てて」
マネージャーの吉野がゆっくりと立ち上がる。
「あの、あの…えっと、その」
莉里はなぜか赤面し、スカートの端を摘んでいた。
吉野はすべて了解しているように、さっとスカートを捲る。
白い絹の高級そうなショーツが硬く盛り上がっていた。
可憐な少女にはけっしてある筈のないもので。
「ふふ、いつにも増してガチガチね。握手会で感じたの?」
吉野は怒張をくるむ股布を剥ぎながら言う。
先走りがとろぉっと糸を引いた。

明阜莉里がニューハーフである事を知る者は少ない。
ふっくらとした童顔にウサギのような愛らしい瞳、
まだまだ発展途上のすらっと細長いカラダ。
その愛くるしさは、老若男女を問わず人気を博していた。
彼の性はどこもかしこも子供のまま。
男根も水着の撮影に全く問題ない大きさだ。

しかし、女性ホルモンの副作用だろうか。
ウサギのような「彼女」には発情期があった。
半年に一度、性欲が尋常ではないほど盛んになる。
今日のようにどうしても融通のきかない日は別として、
数日間はいっさいの仕事を断らざるをえない。
それを知るのは現在、事務所の社長ともう一人、マネージャーの吉野だけだ。


「ふふ。あなた可愛いもの、いやらしく触られたでしょう。
 握手で済んだ?胸を覗かれたり、髪の匂いを嗅がれたりしなかった?」
吉野はカウパーで莉里の亀頭を弄びながら問う。
莉里のそこは彼女が使う香水の瓶よりも大きく滾っていた。
「や、やめて……。はやく、はやく鎮めてください…。
 わたし…なんども、なんども扱きたくて…いきたくて…!!」
莉里は顎から汗を滴らせて哀願する。
吉野は少し残念そうに笑うと、彼女へのお預けを解禁した。
口を軽くひらき、軟らかな唇の輪で莉里の肉茎をしごき上げる。
「ふぁ!」
少女は思わず叫びを上げ、すぐにその口を小さな手で塞いだ。

ぐちゅぐちゅと湿った音を聞きながら、少女は壁に背を預けて身悶えた。
玉袋を指で転がされ、尿道口を舌で掘り当てられ、カリを歯でソフトに擦り上げられ。
「……っ!………っっ!!」
誰もに愛される脚ががくがくと震え、長い汗を伝わせていく。
「もうひきたいんでしょう?いいあよ」
吉野は上目遣いで許可を出すと、一気に口を窄めて茎を扱きはじめた。
ぎゅうぎゅうと音がするほどに海綿体を引き締められ、少女が目を見開く。
「…ああ、ああああっ…!だめ、離して吉野さん、わたしもう出ちゃう!
 吉野さんの口の中でいっちゃうよぉ!!」
相手の口内を穢すのを気遣ってか、莉里は吉野の額を押しやった。
しかし吉野はそれを是とせず、華奢な腰を強く引き寄せる。
粘度のような暖かく潤った喉で亀頭を潰され、少女の脳が白く疼いた。

「…あ、あぅっ……!!!」
呆けたような声と共に、彼女は精の滾りをどくどくと吉野の喉奥に注ぎ込んでいく。
吉野はそれを旨そうに嚥下した後、勢いの落ち着いた亀頭をすすり上げた。
「あ、うあ、うあっ」
吉野が啜るたびに尿道からにゅるっとした物が溢れだし、
少女は壁についた腰を少しずつ落としながら恍惚に浸った。


タクシーの運転手は、ミラーを覗きながら動悸を高めた。
女優の秋阜莉里といえば、たとえ彼のような中年がファンであっても
誰にも馬鹿にされぬほどの国民的アイドルである。
その彼女がぐったりした様子で後部座席に掛けているのだ。
「疲れたのね、可愛い寝顔しちゃって…」
マネージャーの吉野が莉里の顔を覗きながら呟く。

しかし、莉里は寝ていたのではなかった。
彼女は熱に浮かされたような濡れた瞳で、吉野に寄りかかる。
 (吉野さん助けて、わたし、また勃ってきちゃったの…。
  こんないやらしい身体、もうやだよぉ……!)
吉野は内心で舌を巻いた。
口戯であれだけ搾り取ったというのに。
ペニスを付けたまま、女の格好でファンに握手をされたことが
それほど刺激的だったのだろうか。

ともかくも、火照った莉里をこのままにはしておけない。
無理に我慢させても発情期が延びるだけだ。
「ここで結構です。下ろして頂けますか」
吉野に言われ、運転手は耳を疑った。そこがホテル街だったからだ。
「勘違いなさらないで下さいね。この子の気分が優れないので、
一晩休ませるだけですわ」
吉野は優雅にそういうと、湯当たりしたような莉里を連れて車を出た。

2人の理想的な後ろ姿に、運転手はしばし見惚れていたという。


「ずいぶん興奮したようね。これは徹底的に絞らないと」
少女をベッドに寝かせ、吉野は言った。
つやつやした黒髪、ようやくお椀になりはじめた乳白色の乳房、
すらりとした両の脚から覗く、肌より少し茶色いペニス。

吉野はそれらをじっと目に焼き付けた。
男でも女でもない莉里は、誰にもその桜色の裸を見せようとしない。
莉里を抱く事ができるのは、世界広しといえど自分だけ。
それだって少女が許してくれるからだ。
第一、今の自分の稼ぎはすべて彼女の頑張りから出ている。
彼女が自分を必要としてくれるから、浅学な自分が食べていける。
その幸せと有難さを、吉野は忘れないようにしていた。

「可愛い乳首が立ってるわ。弄られるのは嬉しい?」
吉野は桜の果実のような乳首を優しくつまむ。
んっという可愛らしい声がついてくる。
「泣きたいぐらい恥ずかしいです。でも吉野さんだと…ドキドキします」
ひらいた唇から甘い吐息を漏らしながら、莉里は囁く。
吉野はそれを目の当たりにし、秘所が熱く濡れるのを感じた。
もしも自分が男なら、たまらず彼女を貫いているかもしれない。

「いい子ね。ここでならたっぷり…していいからね」
吉野は、莉里の視線を感じながら衣服を脱ぎ去る。
肉感的ながらよく締まった裸体が露わになった。
少女の逸物が見る間に起ち上がり、皮に溜まっていた白い先走りが幹をつたう。
「いくわよ」
吉野は莉里の華奢な身体に跨ると、スプリングを沈み込ませた。

騎上位で交じり合う男根と女陰。
普通それで声をあげるのは女の方であろう。
しかし、相手が吉野では勝手が違う。
「あ、あっ、あっ!あっ、あああうっ!!」
愛くるしい顔をしかめながら、莉里は脚の指に力を込めた。
諜報員の色責めを思わせる膣の蠢きに。
ぎしぎしと浮き沈みするベッドが頭を揺らし、霞ませる。

  犯されている。

莉里の中にある「女」が歓喜していた。
背中に静電気が張り付き、波打つ。
身体に生えた芯が、熱いうねりに何度も何度も喰いちぎられている。
後ろの穴が勝手に収縮し、前立腺が触れらることなく軋む。
放尿をしているようなぬるさが常に肉茎の内外を流れる。
「熱い…。勝手に出したのね、駄目でしょ?」
自分に跨りながら激しく腰を使う女性が笑っていた。
その寒気のするほどの美貌からぽたぽたと汗が垂れてくる。
酸っぱいような甘いような、大人びた匂い。

「出た…んですか?わたし、もう腰がどろどろで…わかんない…」
莉里は柔らかい身体をベッドに溶かし、ただ男の猛りだけで存在していた。
涎を垂らす顔はどこまでもあどけない。
それを正面に見る吉野は、疲れさえ感じぬままさらに淡いを熱く濡らす。



「吉野さん……好き。すきです。」
熱く濡れた襞に怒張を咀嚼され、腰をがくがくと震わせながら、
ふいに莉里が言った。
恥ずかしいのか、頬を染めたまま顔を横向けている。
潤んだ目だけが、吉野のたゆむ胸と優しい顔を覗いていた。

「わたし…本当は握手会で興奮したわけじゃないんです。
 わたしのファンだって憧れてる人たちを見て、いつかのわたし……
 風俗街で出会った吉野さんに憧れる、男の子だったわたしを思い出して…
 今のアイドル扱いされる自分と重ねたら、何だか、た、たまらなくなって!」

言い終えぬうちに極まったのか、少女は吉野の膣奥に熱さを迸らせた。
「う、ん……っ!!」
奥深くへの突き上げに、さすがの吉野も腰を止めて歯を食いしばる。
一瞬締め付けが緩まった後のきつい収縮で、莉里は彼女も達したのだと悟った。

ぽすっと、吉野のやわらかな身体が力なく莉里に被さる。
こういう時、少女はやはり自分の身体の方がすこし硬いなと感じた。
好きな女性の体臭に鼻腔が満たされ、少女の怒張が娘の膣内でまた一回り大きくなる。
「あん、もぉ!」
膣への圧迫を感じ、吉野ははにかみながら莉里を小突いた。少し痛い。
吉野は少女に逝かされるのが屈辱なのか、達した後は決まって叩く。

「「…ふふっ」」
どちらからともなく、少女と娘は寄り添いながら笑いだした。
多忙な日々を送るふたりが、休息の刻を満喫する瞬間だ。

「このままあんたに付き合ってたら、腰が立たなくなっちゃうわ。
 そろそろ、お尻の穴を可愛がってあげる」
2人の身体中が互いの体液にまみれたころ、吉野は性器で繋がったまま
莉里の身体を持ち上げた。
折れそうなほど圧迫が増し、少女が大きく口を開ける。
吉野はローションをたっぷりと付けた指で莉里の肛門を抉った。
「ふぁあう!!」
少女の叫び。きちっぎちっといやらしく粘る音がその排泄の穴を満たす。
吉野はVの字にした指を回し、丁寧に腸壁を開いた。
莉里の腸奥が新鮮な空気に晒される。
十分に少女の蕾がくつろいだのを確認し、吉野は床に置かれた何かにも
大量のローションを浴びせた。
少女が振り返り、それを見て恐怖とも歓喜ともつかぬ表情になる。

「さぁ、可愛い女の子の莉里ちゃん。おしりを犯される時間よ。
 いつかみたいに、気持ちよくて暴れるのは無しね?」
吉野は莉里のちいさな手を後ろで縛り上げる。
少女は視線を惑わせ、期待と不安に揺れているのが明らかだった。
吉野に抱えられ、少女の華奢な肢体が床の冷たい剛直に沈む。
「ぃ、あ、っあああ……!!」
腰骨が開き、初々しい蕾が目一杯以上に皺をのばして、
彼自身の物とは比にならない大きさを飲み込んでいく。

骨盤を深く硬く抉られ、しこり起った男根を飲みこまれ、
国民的アイドルは身を震わせた。
後ろの孔から大量のローションを撒き散らし、腸液を垂らし、
愛する女性に何度も何度も精を吐く。
お互い狂ったように腰を打ち付け合い、穴という穴を穿ち合う。
やがて外が白むころ、ようやく彼女らは深い眠りにつくのだ。


迷い仔であったふたりが偶然に出会い、今を生き、
やがて幸せな未来へとつながる夢を見ながら。


                  おわり

暖かな水辺

その国は戦時下にあった。
国民の威信を賭けた戦いではない、軍部が独断で取り決めた暴虐。
男は7歳で徴兵を受け、死んでいく。それが長く続いた。
父や息子を失った女たちは嘆き哀しみ、下水道に隠れ住みはじめる。
その数は数百に及び、もはや小さな町を成していた。

1.

「よ、っと…」
大きな布袋をふたつ抱え、一人の娘が掛け声を上げる。
中年の女性達がそれに惚れ惚れとした視線を送った。
「はは、アイリーンは本当に力持ちだねぇ。助かるよ」
アイリーンと呼ばれた娘は澄んだ瞳を細める。
長く編んだ明るい茶髪が赤らむ頬を撫でた。
「あんまり自慢できる事じゃないけどね」
鼻筋の綺麗に通った上品そうな顔立ち。
自らの若い頃とは比にならない美しさに、女性達は溜め息をつく。
アイリーンは今日も子供に遊び相手をせがまれていた。
足早にその邪魔をかいくぐる美脚は引き締まり、しかし程よく肉づいて、
実に子供の教育に悪いと茶化されるほどだ。
「妙な気分だよ、全く…」
中年女の一人が娘の後姿を眺めて一人ごちた。
アイリーンが純粋な女ではないと知るがゆえの嘆息。

“彼女”が生まれたのは戦争が激化しはじめた頃だ。
母親により「息子を徴兵から逃したい」一心で女として育てられ、
その母が他界した後もそれは美しく成長した。
形見のヘアドレスをつけた姿は、同世代の少女よりずっと色気がある。
アイリーンが人一倍『女』を磨いてきたから。
ただ女性である他の者より、常に淑やかさや優しさを意識してきたから。
よもやそれが仇となる日が来ようなどとは、想像さえしなかったが。

下水道にはいつも強い塩素の匂いが立ち込めている。
それはプールのようであり、海のようでもある。
しかし、その日は何か違っていた。
せめてもの衛生にと撒かれたその匂いが穢れる時は、
大抵ろくでもない事が起こるのだとアイリーンは教わった。

それは大仰な足音を鳴らして踏み入ってくる。
カツカツと規則正しく響く音は軍靴に違いない。
一人、二人…十数人、小隊だろうか。
「…アイリ、早く子供を連れて隠れるんだよ!!」
聞きなれた声が叫んだ直後、娘は見た。
獣のように獰猛な目、悪魔のように下卑た笑みの男達。
携えた銃の縁が鈍く光り、下には見知った女性が伏している。
世間知らずなアイリーンは、しかし、そこに全てを悟った。

「御国の為に働こうともせんクズ共が、こんな所に隠れていたか」
彼らは無闇に銃声を打ち鳴らし、テントを蹴り壊す。
だがその暴挙を誰も止めない。
女の腕っ節では敵わないし、戦争から逃げた引け目もある。
皆が後ずさるのを小馬鹿にしつつ、兵は手近な少女の肩を抱いた。
アイリーンより2つ下、この間大人の日を祝ったばかりのシシーだ。
「へっ、美味そうなガキもいるじゃねぇか」
「い、嫌ぁっ!やめて下さい!」
胸をまさぐられ、シシーは悲鳴をあげた。
「黙れ。母親と一緒に慰安婦になりたいか」
兵が囁くと、たちまちあどけない顔が悲壮に歪む。
幼い彼女も分かっているのだ。
この場所が軍に知れた以上、誰かが犠牲にならなければならない。
男たちの本能を満たすため、この暮らしを守るために。
誰も助けてはくれない―――。
目を閉じかける彼女の視界に、突如、鮮やかな栗色の髪が舞った。
 (アイ、リ……?)

シシーを庇ってきっと睨みすえる娘に、男達は口笛を吹く。
涼やかな目元、薄く柔らかそうな唇、すらりと伸びた手足。
粗食のうえ洗顔も石鹸でしか許されぬ状況のため、
ややくすみはあるものの薄桃色に透き通る肌。
着古したブラウスにスカートという貧相な身なりさえ、
腰つきや太腿から匂い立つ何かを抑えるかのようだ。
戦時下では久しく見られない瑞々しさがそこにあった。


「貴様、名前は」
兵はシシーを離し、アイリーンに詰め寄った。
娘の瞳がやや動揺を映す。
「聞こえんのか。名前は」
銃口を向けてもアイリーンは答えない。
口が利けないのか。そう思った者もいたが、
ある一人が少女の喉元をいぶかしげに眺めていた。
自分たちと同様に隆起した喉仏を。
彼は笑い、アイリーンのスカートに手を差し入れてぐっと力を込める。
「…ぐぅあ゛っ!」
予想通り、“娘”の悲鳴には違和感があった。
他の兵が顔色を変える。
「貴様、男だな?」
敏い一人は娘のもつ玉袋をぐりりと捻り、涙目になる美貌へ笑みを寄せた。
「ち、違います!私は……っ!!」
アイリーンは首を振る。

徴兵が怖いわけではない。
男手が無くなった時、ここの暮らしにはきっと支障が出るだろうから。
自分ですら音を上げそうな重責を、女たちに負わせる事になるから。

「ほう、認めんのか?ならば慎重に確かめんとな。
 これは徴兵の規を侵しかねん事態だ」
兵たちはくくっと笑い、持参した荷を解き始めた。
アイリーンの顔が青ざめる。
そこには、彼女が目にした事もない淫具が無数に収められていた。
初めからここで女を辱める気でいたのだろう。
だが、それは「女性」に限らないらしい。
彼らはアイリーンの強張る身体に息を荒げる。
「お前が男か、女か……。ハッキリさせてやろう」
ガラス製の浣腸器が鳴り、嘲笑が華奢な娘を囲んだ。

2.

「う、んぅむっっ!!」
白人男の長大な物を喉に触れさせながら、娘は大きく息を求めた。
忘れていた生臭さが鼻腔を抜ける。
自分はこんなに汚らしい物を、自分にあるものよりずっとおぞましい物を
舐めしゃぶっているのだと泣きたくなるが、それもすぐに消し飛んでしまう。
内腿が、膝がふるえて前屈を保てない。
眼前の男の腰を強く抱え、已む無くずるりと喉奥へ熱さを呑みこむ。
あお゛っ、と白目を剥きそうになる瞬間が男を悦ばせてしまうらしい。

「ずいぶんと聞き分けが良くなったな。これが効いたか」
全裸のアイリーンを見下ろす兵士が床のガラス瓶を蹴った。
数人の少女が顔を背ける。憐れな情景を思い出したらしい。
とろみのついた液が娘へ注がれる様を。
手首を掴まれたまま吼えながら汚物が噴出される瞬間を。
着衣のまま脂汗を流して吼える娘は、しっかりと男の証を反り立てていた。
そのアイリーンの後孔はついにふやけきり、否、蕩けきっている。

「…ぁ、う、ううぅ、くはっ…」
口戯に浸っていた娘の口から涎が垂れ、鼻水が顎を伝う。
原因は尻穴深くへねじ込まれた3本の指だ。
度重なる排泄で粘膜の弱まった腸をくじり回され、一気に開かれる。
それはどんな気分だろう。
傍らでは別の男が少女の逸物をゆったりと扱いていた。
そこは大きさこそ半勃ちに戻ったが、大変な快感が巡っているらしい。
にちにちと先端で鳴る水音がそれをよく物語っていた。
「どう感じる」
尻穴を嬲っていた男が3本指を引き抜いて問うた。
初めにつけた潤滑油が淡い琥珀色に濁っている。
なるほど、何度も堪らないような唸りを上げるわけだ。
「……あ、あの…あそこも、お尻も、おしっこが漏れそうで。
 本当にただ、うう、って感じでした」
アイリーンは逡巡した後、素直にそう告げる。
男たちは意地悪い嘲笑いを深めた。
「ふん、尻穴で催すとはどうにも浅ましい女だな。 おっと、女かはまだ判らんか」
今一度念を押し、硬さを増してきた健気な裏筋をこりこりと弄る。
失禁のように忙しく訪れる射精感を、娘は必死に堪えねばならなかった。


 (アイリ…ごめんなさい)
シシーは涙を浮かべ、妙な動悸を感じながら見守っていた。
低い声、猛る怒張ははっきりと彼が男である事を示している。
しかしその女より肉感的な体つき、時おりシシーらを仰ぐ優しい瞳は、
彼女が敬愛し女としての目標とするアイリーンそのものだ。
変な気持ちがする。
彼女が男であるのか、女であるのか判らない。
兵士達が言った言葉は、茶化すばかりでは無かったのかもしれない。

娘の美脚がついに力をなくし、床に水音を立ててへたり込んだ。
その上に兵士達が群がり、慎ましい蕾に何かを捻じ込んでいく。
見るもおぞましい瘤に覆われた、大きな男根を模したもの。
到底、娘の小さな排泄孔に収まるとは思えない。
しかしそれは男の力で、皺を伸ばし、筋肉を張って飲み込まれていく。
「あ、おお゛ぅうう゛おおお゛………ッ!!」
アイリーンの美しい唇からたまらず呻きが漏れる。

ぞくっとした。

男でもなく女でもない、どこか神秘的ですらある中性的な叫び。
それは床についた腰へ垂直に張型が挿された時、最も大きくなった。
「いい声を出すな。ケツの感じ方はまるきり女か」
臍側の腸壁を擦り上げるように動かされると、娘の太腿が飛び跳ねる。
潰れたカエルのように無様に這いつくばり、アイリーンは身悶えた。
身動きできない肢体と同様、その腸内も快感に刺し貫かれて極まっているに違いない。
「うあっ!」
しばらくの後、娘は目を見開いて短く叫んだ。脚の震えが止まり、肩で息をする。
その意味は誰の目にも明らかだった。

「どうかしたのか」
兵士が愉しげに娘の菊輪から張型を抜き出し、大きく突き込んだ。
「い、いえ何でも……ぃああっ!!」
より一層の反応を示しながら、アイリーンは歯を喰いしばる。
その額には大粒の汗がいくつも浮いていた。
張型が抜き差しされる度、彼女の細い腰の下からにちゃにちゃと音がする。
それは回を増すごとに生々しいものになっていった。
「ほう、さては貴様…」
抜き差しを繰り返す兵士が、今思いついたとでも言いたげに娘の身体を仰向けにする。
「だ、駄目ぇ!!」
アイリーンは必死に抵抗したが軍人の力には敵わない。

晒された前身に多くの者が息を呑んだ。
娘のなだらかな下腹、小さな胸、鎖骨に至るまでを白濁が染め上げている。
それらが汗と混じり、美しい肌を露で穢す。
彼女は地面に平伏し、腸内を異物に掻き回されながら幾度も幾度も達していたのだ。
濃厚な雄の体臭が、この場で最も女らしい躯から発せられる。
少女の鼻腔から塩素の匂いが薄れていく。
「これは何だ」
兵士は白濁を掬いあげ、アイリーンの鼻先へ塗りつけた。
初めて嗅ぐ生臭い匂いに、可憐な娘はくふっと噎せ返る。
「わ…私、こんな…でも!」
かぶりを振るアイリーン。
そんな彼女に、兵士の一人が皮製のバンドを取り出した。
それを娘のすっかり隆起した怒張の根元に結わえ付ける。
「え、やだっ……」
娘は焦りを見せた。
簡素だが残酷なまでにしっかりと精の滾りを妨げられる。
空気がふれるだけで蜜の零れそうな今、それでは生殺しだ。
「お前は女だという積もりなんだろう?なら、そこは必要あるまい」

兵士達はみな一様に息を荒げていた。
実のところ、もう目の前の娘が男か女かなどどうでも良い。
ただ飢えた獣のように娘に群がっていく。
美しい顔に、落ち着いた声に、暖かな身体に狂わされて。
見守るだけの住人達さえ言葉を失くす。
そしてその熱気は、遂にアイリーン自身をも火照らせた。

3.

塩素臭の立ち込める下水道、ランプの灯りが集う場所。
そこに苦悶の息が吐かれてから何時間が経っただろう。
住人達は頭を抱え、耳を塞ぎながら刻が過ぎるのを待っていた。
その中央には幾重もの影を壁へ映し出す娘がいる。
白くやわらかな身体は水を浴びた様で、憑かれたかのように痙攣する腰を上下させた。
下に寝そべる兵士は自らの剛直とそこに纏いつく紅肉を見交わしている。
アイリーンは息を切らせていた。
脚が限界なのか、排泄の穴を抉られるのがつらいのか。
「よく締まるな、もう少しだ!」
兵の言葉に、娘はまた体中から汗を飛沫かせる。
「う、うっうっう、う―――ぐく……あぁっ!」
腰を剛直に叩きつけて何かを求めていた娘は、気落ちした様子で首を垂れた。
男は逆に満ち足りた顔で汗を拭う。

可憐な蕾から赤黒い逸物が引き抜かれると、大量の白濁が美脚を伝った。
それが全て出切る間もなく、また別の男が後ろから覆い被さる。
先ほどの男より2周りは大きい。
「い、っき、ッ、きついい……っ!!」
腹を埋め尽くされる感触は絶頂を思わせた。
しかし開放感に浸る事だけは叶わず、また男の気の向くまま後孔を犯される。
服を着ずとも女を匂わせる華奢な身体が大きく脚を広げていく。
その身体は汗や男達の白濁で発狂しそうな匂いになっていたし、
親兄弟にも等しい人々の視線は皮一枚隔てた心を苛んだ。
だが一生分の排泄を味わうような直腸の熱さが、それら全てを霞ませてしまう。
灼熱の杭を打ち込まれる感覚は、そのまま尿道を駆けて前立腺を張り詰めさせる。
しかしそこから熱さが抜けない。
「おう、おう、貴様の尻穴は…絶品だな。熱くて逸物が熔けそうだ」
喘ぎながら腰を叩きつける兵士に、息も絶え絶えなアイリーンは為す術もない。
人形のように頭を揺らし、歯だけを苦しそうに喰いしばる。
「どうだ、貴様も感じているか」
男の突き上げに応え、娘の怒張もぴんと天を向いた。
根元を絞られているにも拘らず、その先からは尿と精の入り混じった
黄色い斑らが床に染みを作っている。

シシーは沈痛な面持ちで眺めていた。
涙を流し、涎を垂らし、延々と内臓を突き上げられて苦悶する憧れの相手を。
助けたいという気持ちはあったが、つい見入ってしまう。
少女は“娘”の末期に思いを馳せた。

捲れ上がる菊輪から薄黄色い粘液を垂らしはじめたアイリーンは、
今まで見た事もない表情を作っている。
脚を裂けそうなほど大きくひらげ、抱え上げられた体内に真っ赤な怒張を突き刺されて。
男に摑まれた腹が低く鳴り、アイリーンは遂に限界を迎える。
「い、いかせてえぇえーーー!!いかせてよおーーーーーっっ!!!」
彼女はぞくぞくと背を仰け反らせて叫んだ。
何十回と突かれ、注がれた快感がついに膀胱を溢れさせたのである。
背後の男が達する瞬間、娘の革バンドも取り外される。
「ひぅっ―――!・」
急激な開放感と刺激の奔流に、アイリーンの澄んだ瞳は上向いたまま光を失った。
その漲りは勢い良く眼前の少女へと浴びせかかる。
 (これが……アイリの、精……。)
唇に垂れたとろみを舌で掬い、シシーは恍惚とした表情を浮かべた。

4.

兵士達は、その後もしばらく下水道に立ち寄ってはアイリーンを抱いた。
その愛し方は次第に恋人に対するそれに近しくなっていった。
キスをし、胸を舐め、指を絡めて。
シシーには、彼らが娘に惚れたことが一目でわかった。
肌で触れ合うことで心を許したのだろうか。
横暴に見えて一抹の寂寥があったのかもしれない。

だが、彼らはアイリーンに酌をさせた次の日、急に姿を消す。
理由は古ぼけたラジオから知れた。

敗戦。
軍部は壊滅し、多くの兵が捕虜となったのだという。
「自業自得よね」
アイリーンの腕にすがりつきシシーがそう言った時、
彼女はアイリーンの横顔に影を見た。
「きっと……何処かでは立派に戦ってらしたのよ」
シシーは思わず娘を見上げる。



それから数日の後、兵士達は再び下水道を訪れた。
ただし軍人ではなく、ただ行き場のない難民として。
彼らは唯一知るアイリーン達の所へ項垂れて現れた。
震え上がる彼らにアイリーンは告げる。
おかえりなさい、と。

兵は敬礼の姿勢を取った。



下水道に作られた集落は、歴史の裏側で多くの人々を育ててゆく。
そこにはかつて、ある慈悲深い“娘”が暮らしていた。

              
                                 FIN.
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