大樹のほとり

自作小説を掲載しているブログです。

クリトリス

悪戯妖精クリリア

※クリトリス責めモノ。

「クリリアの長よ、どうか我が交渉に応じて頂きたい!」
清閑な森に、女の凜とした声が木霊する。
彼女は一糸纏わぬ丸裸のまま、草木の中に立っていた。
露出の気がある訳ではない。ましてや気が触れている訳でもない。
むしろ所属する騎士団の中でも、もっとも道徳に厳しく、己への戒律が強いと評判の女だ。
彼女……ジゼルは今、シルフの亜種族であるクリリアとの交渉に臨んでいた。
クリリアは未知の者への警戒心が強い。
特に服を着た人間の前には、武器を隠しているとの恐れから姿すら現さない。
屈強な男も威圧感を与えるために好まれない。
ゆえに、完全な無抵抗を約束する真裸の、清らかな乙女こそが交渉役として適任だった。
とはいえ、万一交渉が決裂して敵対関係になった時、戦闘技術がなくては危険が大きすぎる。
これらの要因を踏まえ、女騎士であるジゼルに白羽の矢が立った。
「クリリアの長よ!」
ジゼルは再度呼びかける。
これは国防そのものに深く関わる、国王直々の任だ。成果無しには帰れない。

二度目の呼びかけから数分が経過した頃だろうか。
ジゼルの側方にある草葉が揺れた。覗き込めば、そこには小さな生き物がいる。
羽の生えた姿は極小の蝶にも見えるが、体型は人間の赤子に酷似していた。
まさに、噂に聞く妖精の類だ。
 (……乙女よ)
ジゼルは脳裏に直接響く声を感じ、顔を上げる。
周囲に人の姿はない。ただ小さな妖精が、目の前にいるだけだ。
 (人間の乙女よ。私たちは、お前を頭から疑いはしない。しかし、容易く信じる事もない。
  お前がどのような存在なのか、まずは見極めさせてほしい)
脳裏の声がそう告げると同時に、複数の草葉が揺れた。
そして先のものと同じ、小さな妖精が現れてジゼルの周囲を舞い始める。
「解った、クリリア達よ。どうか私を理解してほしい。我々とあなた方が、共存できることを願う」
ジゼルは穏やかな口調でそう告げ、掲げた指先に妖精の一匹を止まらせた。



それから、ジゼルとクリリア達の交流が始まった。
とはいえ大半は、ジゼルが幼いクリリアの子供たちと戯れて一日が終わる。
クリリア達はジゼルの身体の様々な所に止まり、くすぐったり抓りを加えてじゃれていた。
敵意がある訳ではなさそうだが、子供だけあって巨大な相手を悶えさせる事が嬉しいらしい。
そうして弱点を様々に探し回ったすえ、ついに子供達は、人間の女性の決定的な弱点を発見する。
「あ、ああっ、よせっ!敏感になっているんだ。も、もうそこには、触るなっ…………!!」
ジゼルが地に膝をつき、腰を震わせて叫んだ。
よく注意してみれば、彼女の秘部……亀裂より少し上に息づく蕾へ、3匹のクリリアが取り付いているのが解る。
彼らはその小さな身体でジゼルのクリトリスにしがみつき、身体を上下させて刺激しつづけているのだった。
 (やいジゼル、またここが硬く張ってきてるぞ。おまえ、これが気持ちいいんだろ)
  (そろそろ“イッて”いいんだぞ、巨体女ー!)
頭の中に幼いクリリア達の声が響く。
その声に言われずとも、性感帯の塊であるクリトリスに取り付かれてはたまったものではない。
小さな小さな手足が蠢くたびに表皮が擦られ、叩いたり蹴ったりの動作は、まるで極小の針を差し込まれるようだ。
それは奇跡的に心地いいマッサージと同じであり、数分も続けられれば、ジゼルとて直立を保てない。
「うう、くぅっ……い、いくっ!!」
ジゼルはその宣言とともに果て、腰を抜かしたようにへたり込む。
ジゼルの下にいたクリリア達が一旦散り散りになり、また舞い戻ってクリリアの足に群がり始めた。

 (まだまだ、休ませないぞ)
標的がへたり込んでからも、クリトリスに取り付いたクリリア達は動きを止めない。
むしろ感度が上がってぴくぴくと痙攣する肉芽をいい玩具として、さらに丹精を込めて嬲っていく。
「あっ、あはぁっ!イッたあとはよせと、いつも言っているだろうっ……!!」
ジゼルはその責めに感じ入りながらも、その身体を微動だにさせずにいた。
足元には無数のクリリアがおり、下手に身じろぎをするとその中の数匹を押し潰す恐れがある。
それゆえ、彼女は唇を噛みしめて耐えていた。
逃げることができないために、快感が神経を直撃し続ける。否応なく昂ぶらされてしまう。
「い、いくぅっ!いくいくいくっ、いくぅうう゛っ!!」
ジゼルはここ数日いつもそうであるように、断続的な絶頂に呻き声を上げた。
幼いクリリア達はキャハキャハと喜び、なおいっそう巨大な獲物を身悶えさせようとする。
 (やいジゼル、おまえ俺たちの子分になれよ。なったら堪忍してやる)
  (そうだそうだ、子分になれ!ジゼルが子分だと嬉しいぞ!)
クリリアの子供達が口々に訴えると、ジゼルは涙を流し、涎さえ零した顔で頷いた。
「わ、解った……おまえたちの子分になろう。だから少し、手を休めてくれ。こう立て続けでは、息が、できない……」

やがて子供達にたっぷりとクリトリスを責め抜かれ、ジゼルは眠るように意識を手放す。
クリリアの長達が、それを静かに見守っていた。
 (……よい人間じゃの)
  (ああ。種族を問わぬ慈愛に満ち、懐も深く、なにより子供達に好かれておる。
   あの人間を擁する国ならば、我らの力、貸し与えるに値しよう)
気難しいことで知られるクリリアは、難題を設けるまでもなくジゼルへの助力を決めた。
和睦の証として人間の国に同行させる者も、希望者があまりに多く、易々と決めかねたほどだ。
結局は最後まで譲らなかった悪戯好きの三匹がその座を勝ち取る事となる。

だがその決定こそが、後日ジゼルに赤恥をかかせる元となるのだった。




 
「なるほど、よくぞ成し遂げた。して、そのクリリアの使いというものを早速見せてくれるか」
ヘイグリッツ国王ギュシュアは、ジゼルの報告に喜色を露わにした。
王のみならず、周りの臣下たちも伝承に聞く精霊との契約に信じがたいといった表情だ。
「は、直ちに!」
兜を抱えて恭しく頭を下げるジゼルは、その姿勢のまま自らの胸元へと囁きを続けた。
「……おいお前達、いつまでそんな所にいるつもりだ。我が王がお呼びなのだ、姿を現してくれ」
ジゼルが囁く先は、なおクリトリスに張り付いたままの妖精達だ。
彼らは、恒常的な刺激で程よくせり立ったそこがよほど気に入ったのか、片時も離れる気配がない。
一匹などは、陰核を覆っていた包皮をまるでフードのように用い、心地良さそうに寝入っている。
 (なんだジゼル。おまえ、子分の癖に偉そうだぞ!)
  (そうだそうだ、子分が俺達に命令していいと思ってるのか、ジゼル!)
まだ反抗期真っ盛りのクリリア達はそう反論し、手馴れたやり口でジゼルの弱点を責め始めた。
「はぅっ!?」
瞬間、傍目にも明らかにジゼルの様子が変わる。
「……ジゼル殿?」
文官が異変を察して声をかけるが、ジゼルの変化は止まらない。
「う、うぁっ……うああ、あ……ひぅっ、うあ、あへへっ…………ぉあっ!」
普段の彼女からはおよそ想像もつかない浮ついた声を上げ、鎧を纏った腰をひくつかせるジゼル。
「なっ……い、一体どうしたの言うのだ、ジゼル!」
ギュシュアも玉座から腰を浮かせて狼狽を見せた。
その最中、ジゼルは天を仰いで高らかな喘ぎをもらす。
「ああぁっ……や、やめろ、ぉっ……!!くっ、クリトぃスを、そんっ……グリグリされて……
 …………こんな、たぁ、たっ、耐え……られ……なひぃっっ…………!!!」
その卑猥な発言に、場の者達は一様に顔を見合わせた。
「く、クリトリス、って言ってたよな、今……?」
「ま、まさか。あのジゼル殿に限って、王の御前でそのような……」
「しかし確かに聴こえたぞ」
「もしや、何かの呪いをかけられたのでは?」
一堂の視線は、妖しく腰を蠢かせながら顔を赤らめるジゼルに集まっていた。
往時であれば、そのような痴態を真っ先に叱咤していたであろう女騎士に。



「……あらジゼル様、御機嫌よう」
対面から近づくジゼルに向けて、宮女が頭を下げる。
「うむ」
ジゼルはそのまま距離をつめ、そして交錯する瞬間、宮女に耳打ちされる。
「ねぇ、ジゼルさま。あの愛らしい妖精さん、今晩もお貸し頂けないかしら?」
その言葉に、ぎょっとしたように目を剥くジゼル。

ヘイグリッツ国とクリリアの協定は、異種族のやや過激な愛情表現があったとはいえ、無事に締結される運びとなった。
しかしながら、クリリアの子供達の悪戯はなお留まる所を知らない。
最近ではジゼルのみならず、夜の知らぬ間に城内の他の女性のクリトリスを狙い、悶えさせて遊んでいるらしい。
無論憤慨する女性もいるが、中にはこの宮女のごとく、小さな妖精の悪戯を心待ちにする者もいるようだ。
ジゼルはその妖精たちの宿主と思われているようで、事あるごとにこうして伺いを立てられている次第である。
「あ……ああ、そうだな。また私からも頼んでみるとしよう」
ジゼルは苦笑しながらそう答えた。

時に他の女性への浮気があるとはいえ、もっとも入念に責められているのは変わらずジゼルだ。
今ではクリリアからの陰核調教もすっかり彼女の日常と化し、濡れた下着を替える回数は日に10度を超えるという。
「はぁ、あ……あぁっ………………!!」
長い廊下を渡り終えたタイミングで、しなだれかかるように壁に手を付き、艶かしい吐息を吐くジゼル。
そうした光景は、もはやヘイグリッツ城の密かな名物となっているのだった。


                        終わり
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友人の指

※『母の指』の続きです。


その場所で吸う煙草は美味かった。
街が一望できる、小高い丘。葉子はそこに腰を下ろし、煙を空へと吐き出す。
「ごきげんよう」
その葉子に、優雅な挨拶がなされた。
「あん?」
葉子は不機嫌そうに振り向く。
ごきげんよう、などと気取った挨拶をするのは、『白梅女学院』の生徒ぐらいのものだ。
基本姿勢として他者を見下し、綺麗事を並べる……そうした白梅の令嬢達を、葉子は嫌っていた。
しかし、声のした方を一瞥した途端、葉子の表情は変わる。
「なんだ、アンタか」
明らかに警戒心を解いた様子で、煙草をもみ消す葉子。
「……アンタも懲りねぇな」
「ご迷惑、でしたでしょうか?」
心配そうに尋ねる相手を、葉子は改めて観察する。
宮嵯千里(みやさせんり)。
雅楽の名家に生まれ育ち、その家格は令嬢が集う『白梅女学院』でも群を抜く。
彼女がしゃなりと歩けば、あらゆる生徒が黙って道を譲り、高貴さは皇族に次ぐとさえ言われていた。

千里との馴れ初めを、葉子は今でも覚えている。
千里は初対面の葉子に対し、自慰の助けを乞うた。
自分は母に性欲を管理されており、母離れしようにも、どうしても母の指が忘れられない。
だから葉子に代わりをして欲しい。
葉子の、他者を隔絶するような雰囲気は母にとても似ており、適役だ。
表現自体は柔らかなものだったが、千里の求めはおおよそそうしたものだった。
初めは頭のおかしい女かと思った葉子も、話を聞くうちに千里の真剣さを理解した。

「……来なよ。もう我慢できないんだろ」
葉子がそう言って立ち上がると、千里の顔に精気が宿る。
そして千里は、背後を振り向いた。
「では、森岡さん。申し訳ありませんが、少しお時間を下さい」
千里の視線の先には、執事風の男が控えている。
「は、行ってらっしゃいませ。18時からのレッスンだけは、お忘れなきよう」
森岡と呼ばれた男は、恭しく頭を下げた。




  
山中にあるプレハブ小屋。
窓からの光だけが光源のその小屋から、かすかに甘い吐息が漏れている。
千里のものだ。
葉子の指責めによって、壁際に立つ千里は震えていた。
指責めを始めてから、まだ5分と経っていない。
にもかかわらず、すでに千里の陰核は硬く屹立しつつある。
母によって陰核での絶頂を覚え込まされた千里は、葉子の指でもやはり昂ぶった。
趣味でギターをする葉子は、その指の皮の硬さが、琴の名手である母によく似ている。
かつて千里はそのように評していた。

千里の陰核を包皮ごと指先で転がしながら、葉子は千里を観察する。
両目を閉じ、軽く唇を結んで声を殺す姿。
高貴や清楚といった言葉を毛嫌いする葉子も、この千里だけは別だった。
心の底まで高貴さに満ちた人間が存在することを、千里に出会って初めて知った。
陰核がいよいよ固さを増していく。
葉子はそこで指をずらし、千里の秘裂を指先でなぞった。
まさに秘密の花園というべきそこは、すでに愛液でしっとりと潤んでいる。
その愛液を指で掬い取り、再び陰核へ。
愛液の助けを得ながら、僅かずつ僅かずつ、陰核の包皮を剥き上げていく。
千里の張りのある太腿がふるりと震えた。
包皮が完全に捲れる。
葉子はそれを認め、指の腹で柔らかく千里の陰核を潰した。
柔らかくとはいえど、包皮越しでない直に、だ。
「っっっ!!!」
千里は押し殺した嬌声を漏らしながら、とうとう背中を壁に預ける。
今の今まで、服を汚すまいと壁際で踏みとどまっていたが、腰が砕けたらしい。
こうなれば、後は堕ちるだけだ。
葉子は口の端に笑みを浮かべながら、いよいよ陰核を指の肉で包み込んだ。



「……っ! …………っっ!!」
宮嵯の娘として、あくまで声を上げぬよう調教されてきたのだろう。
腰が震えるほどに感じても、千里は声を出さない。
しかしその必死になって耐える姿がまた、責める方としては堪らない。
「……おい」
熱に浮かされたような千里に向け、葉子が呼びかける。
「はい」
千里は薄目を開けて答えた。目頭をつたう汗が艶かしい。
葉子はごくりと喉を鳴らした。
「……キス、させろよ」
真剣な面持ちで葉子が告げる。
千里は一拍の間を置いて、再び静かに目を閉じた。
「どうぞ」
清楚そのものの表情で告げる。葉子は背徳感を禁じえなかった。
自分のような存在が、先ほどまで煙草を吸っていた口でキスを迫る。
美しいものを汚すその背徳感。
しかし、千里みずからが葉子に近づき、汚される事を望んでいるのだ。

葉子は千里の唇を奪う。
舌をねじ込み、奥の方で震えている千里の舌を絡め取る。
同時に指遣いも強めた。
親指の腹でぐりぐりと押し潰す。
二本指で挟みこんだまま、煙草を箱から一本取り出す要領でトントンと叩く。
あるいは、舐めるようにやさしく。
緩急の付いた責めに応じ、千里は熱い息を吐いた。
葉子は自らの口内にもその呼吸を感じながら、さらに陰核を愛で続ける。
自らの指の動きと、口に感じる吐息が連動しているようで小気味良かった。
「ぷはっ!」
葉子が限界を迎えて口を離す。
一方の千里は、楽器の心得があるせいか、それとも煙草を吸わないせいか、呼吸が殆ど乱れていない。
しかし、性感には弱かった。
「…………た、達します…………っ!!」
千里がまた絶頂に至ったようだ。
正確には口づけの最中にも幾度か小さく達していたようだが、
背筋を伸ばしたまま綺麗に絶頂するので分かりづらい。

いつしか小屋の中には、夕焼けの黄金色が溶け込んでいた。
夢中になって千里を責め立てるうち、かなりの時間が経っていたようだ。
別れの時は近い。
千里と葉子は、どちらからともなく視線を交錯させた。

「…………もう」
そう言いかけ、葉子は言葉を途切れさせる。
もう来るんじゃねぇぞ、と照れ隠しに言い捨てるつもりだった。
しかしそれを口にしたが最後、生真面目な千里は散々に心を痛めた挙句、二度と葉子の前に姿を現さないだろう。
それは、葉子の望みとは違っていた。
「もう……何ですか?」
千里が澄んだ瞳で葉子の顔を覗き込む。
葉子はひとつ、ため息を吐いた。
「……もう一度、会ってやるよ。またしたくなったら、あの場所に来な」
葉子の言葉で、千里の頬が嬉しそうに赤らむ。
その笑顔をもっと見たい。
天涯孤独だったはずの葉子は、いつの頃からか、強くそう思うようになっていた。



                       終わり
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カラオケボックスでの淫事

姉たちの愉しみの後日談的な話。


これは俺が、町のカラオケ屋でバイトしてた時の話。
その店は立地の関係上、普通の客が少なくて、いわゆるヤンキーの溜まり場みたいになっていた。
客が帰った後に個室清掃に入っても、綺麗だったためしはない。
部屋中にポテトやらケチャップ、使用済みのゴムが撒き散らされているのはいつもの事。
そういう使い方をする客は大抵見た目も強烈だったけど、一組、特に忘れられない集団がいる。
『ジュリ』と呼ばれるヤンキーを先頭にした連中だ。

近くの高校の制服を着崩し、ダラダラと品なく歩く姿は有りがちではある。
ただその集団に1人だけ、場違いなほど品のいい子が混じっていたのが印象的だった。
あからさまな生徒会長タイプ。
校則遵守といわんばかりにカッチリと制服を着込み、背筋を伸ばして歩く姿は清々しかった。
まるで周囲のヤンキーの保護者にすら思えるほど、しっかりした娘。

……ただ、そんな子がいるにもかかわらず、この集団の個室の使い方は汚い。
必ずと言っていいほどソファがローション塗れになっていたし、愛液と思しき染みも飛び散っている。
俺は清掃に入るたび、それが気になって仕方がなかった。
もしかすると、あの集団はレズの関係なのだろうか。なら、あの真面目そうな娘は受けなのか、責めなのか。
そんな事を悶々と考えながら、自慰に耽ったこともある。
あまりにもそれが気になった末、俺はついに、よくその集団が使う部屋に隠しカメラを仕掛けてしまった。
勿論悪いとは思ったが、性に関する好奇心は抑えきれない。



土曜日の閉店作業中。
その日も営業時間の最後まで、例の一団が隠しカメラのある部屋を使用していた。
そうなるよう俺が部屋を手配したのだから当然だ。
俺は個室内を清掃しつつカメラを回収し、飲みの誘いさえ断ってすぐに帰宅した。
一刻も早く、カメラの映像を確認したかったからだ。

かくして、パソコンのブラウザに見慣れた個室の映像が映し出される。
カメラはDAMの下に設置していたため、映像内の視点は、横長の隙間から個室奥の長ソファを覗く形だ。
例の真面目そうな娘はその長ソファに座っているようで、設置場所としては最高だった。
しかし映像の冒頭部では、なぜかガラステーブルに腰掛けているヤンキー女が邪魔で何も見えない。
ただ、女ならではの陰湿そうな笑い声と、鼻を抜けるような呻きが漏れ聴こえるばかりだ。

数分後、ようやくテーブルの女がどいて視界が開ける。
そこには驚くべき光景があった。
あの生徒会長タイプの真面目娘は、ほとんど全裸といっていい様子で大股を広げていた。
惨めにも紺のハイソックスと革靴だけを残し、前方に性器を見せ付けるようなあられもない格好だ。
その両脇にはそれぞれ女ヤンキーが張り付いていて、無遠慮に左右の胸を揉みしだいている。
いや、揉むどころか、数秒に一度は指で乳首を捻り潰してすらいた。
その刺激からか、真面目娘の胸の尖りは、左右それぞれ大きさを違えながらも『しこり立っていた』。
雪のように真っ白な肌。芸術的なほどに鮮やかな色素沈着の乳輪。
どこを取っても清廉そのものの和風美少女が、乳首をしこり立てている。
俺の興奮は、この時点でいや増した。



真面目娘の正面にも1人、ヤンキー風の娘が屈み込んでいる。
ジュリと呼ばれる、一団の中でも一際発言力の強そうな奴だ。

『ほーらお嬢センパイったら、もう堪らなくなってきたんでしょ』

纏わりつくような嫌な口調で、ジュリが真面目娘に話しかけた。
手にはロウソクを持っている。それをライターで炙って、真面目娘の性器に垂らしているようだ。
仮にもカラオケの個室で、大胆なものだと思う。
赤い蝋が垂れる先を見ると、真面目娘の下の毛は綺麗に剃られ、クリトリスが丸見えになっていた。
……いや。クリトリスが丸見えなのは、陰毛の有る無しとは無関係かもしれない。
何しろ彼女のそこは、すでに小指の先ほどの大きさにまで膨らんでいるからだ。
俺も何人かの女の子と経験があるけれども、どれほど興奮してもあそこまで大きくなった所は見たことがない。
おそらくは繰り返し繰り返し調教を受け、肥大化してしまったんだろう。
ちょうど、今のように。

小指の先ほどのクリトリスに、赤い蝋が“じかに”垂らされていく。
『ふむぅうううっ!!!』
そのたびに、真面目娘からくぐもった悲鳴が漏れた。
真面目娘はその口に、自身のものだろうか、上質そうな絹のショーツを詰め込まれ、猿轡にされていた。
その猿轡の端からは、留め切れない唾液……あるいは涎が伝い落ちている。
普段はキリリと済ましたその美貌が透明な線で穢れている様は、少し尋常ではないほどのいやらしさだ。



ジュリという女は、クリトリスへとじかに蝋を垂らし続け、紅い芽をさらに赤く覆い尽くす。
そして蝋の層が分厚くなれば、傍らの1人にその蝋を一旦剥がさせた。
蝋がすべて取り去られた時、ある事実が解る。
クリトリスのすぐ下……おそらくは尿道の部分に、綿棒が3本、バラバラの方向でねじ込まれていた。
ジュリはその綿棒を指先で軽く弾き、真面目娘に高い声を上げさせる。
そして再び、蝋を垂らし始めるのだった。
『ううう“っ、はむ゛う゛うぅううんん゛っっ!!』
蝋の層が厚くなるにつれ控えめになっていた悲鳴が、ここでまた大きくなっていた。
クリトリスは神経の集まった、人体で一番敏感な箇所だと聞く。
そこへ蝋を垂らされれば、それだけで悲鳴を上げるには十分だろう。
さらに、SM本で聞きかじった知識ではあるけれども、一度蝋を垂らされた皮膚というのは非常に敏感になるという。
その熱く火照った肌から蝋を取り去り、再度蝋を垂らす。
これをされれば、たとえ尻肉のような痛みに強い箇所でさえ、身じろぎを抑えきれなくなるらしい。
それを、敏感なクリトリスでやってるんだ。
なんて残酷なんだろうか。最初はそう思った。けれども映像を見続けるうちに、どうにも事情が違うことに気付く。

『どうお嬢センパイ、堪らないでしょ……何度も何度も、クリチンポに蝋垂らされて。
 おまけに尿道を綿棒で押し上げられてるから、クリの根元がずっと緊張した状態だもんね。
 極限の熱さと痛みを、余さず受け止めるしかないんだよぉ……可哀想な状況だねぇ、センパイ?
 あははっ。脚が、びっくん、びっくん、動きはじめちゃった。いよいよ、豚モードだねぇ』
ジュリは愉しそうに笑っていた。
その正面では、真面目娘がいよいよ首を反らし、極感を訴えていた。
遠目には苦悶にしか見えない。しかしジュリの言葉を聞いた後では、その切ない呻きが、歓喜の叫びに思えてくる。
ジュリはここで、手元まで溶けた蝋燭を捨てる。
そして傍らのバッグを漁り、指で挟めるサイズの何かを取り出した。
『ほーら、じゃあそろそろ、センパイの大好きなクリオナホ使おっか。
 ……あんた達、適当に歌っといて。今日の調子だと、センパイまた“あの声”出しそうだから』
クリオナホ。
不思議な感じのするその言葉と共に、ジュリの手元が真面目娘の弱点に吸い付く。
『はぉもォ゛っ!!?』
ショーツを咥えた和風美少女の口から、奇妙な音が漏れた。



大音量でカラオケが熱唱されている。
その中で、真面目娘もまた黒髪を振り乱して叫んでいた。
絹のショーツは、すでに唾液にまみれたまま床に吐き捨てられている。
『あああ、あああああいやああぁあっ!!!
 く、クリトリスが……クリトリスが呑み込まれて、絞られてっ…………!!
 そんなのもう駄目っ!! イってる中でまらイって、頭がどんろん白くなって…………!!!』
『違うでしょ、クリチンポがズル剥けになって……でしょ。言葉は正しく使いなよ』
『あっ、あひぇっ……く、くぃちんほが、じゅるむけにらって…………あはっ、す、すごっ…………
 っ!? だ、駄目っ、今また、頭が飛んで…………!
 お願い、やめて、少し止めて? ねぇ?
 私、もう腰が抜けちゃってて……自分が真っ直ぐ座ってるのかすら、解らないの…………。
 あ……あぁっ、あアあぁああっ!!! いく、いぐいぐっ、あああああいぐいぐいぐううぅうううっ!!!
 あああ、ああおおおおおお゛おお゛お゛っっ!!!!!!』
『あははっ、出た出たこの声。あのセンパイが出してるんだと思うと、耳に気持ちいいねぇ!』
 
個室の中は地獄絵図といって良かった。
清楚な1人に群がる小鬼。
短いスカートから色とりどりのショーツを覗かせつつ、あの手この手で真面目娘を追い込んでいく。
『クリオナホ』と呼ばれる器具でクリトリスを吸い上げる事を繰り返したかと思えば、
いよいよ大きさを増したであろうそこを、様々に刺激する。
無数の指で揉み込む事もある。
ガラステーブルに腰を押し付けさせたまま、クリトリスをボールペンのノック部分で優しく突き潰す事もある。
そしてまたソファに戻し、吸盤のような器具で延々と吸引する……。
真面目娘は脚の各所を掴まれて大股を開かされ、責めに悶えまわっていた。
幾度も白目を剥き、首筋まで涎を垂らす。
時に低く、時に甲高い声で叫び続ける。大音量のカラオケにすら潰されないほどに。
潮を噴くこともあるらしく、その度に女子高生たちが大袈裟に避けながら笑い転げていた。

『お嬢センパイも、クリ中毒になって長いよねぇ。
 最近、センパイの妹が時々あたしのとこに来んのよ。“姉に何をしてるんですか”って。
 あのいつもビビリまくってたあいつが、だよ。
 優芽ちゃん。あんたさぁ、家でのオナニーも、もうなりふり構ってないんじゃないの?』

ジュリ達は、さも愉しげに言葉責めを繰り返し、真面目娘を責め立てる。
その言葉は恐らく、真面目娘当人にはもう届いてもいないのだろう。
ここまで狂った女性が果たして、あの毅然とした歩き姿の女性に戻れるのだろうか?
思わずそう疑問符を付けたくなるぐらいに、映像の中の令嬢は、普通でない方向へとひた走っていた……。



                          終わり
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クリクリクリニック

『稀代の天才写真家』ヘドリック・ハウセンに撮られる事は、女優やモデルにとって最高の栄誉とされる。
ヘドリックの悪魔的な美への執念で撮影された一枚は、
対象の美しさを奥底まで写し取って後世へと語り継ぐ。
彼と同じ時代に活動できた事を誉れに思う女性は、星の数ほど存在するという。
その彼がヌード写真を撮ると表明した時も、反響は大きかった。
世界最高峰のステータスを求めて、目の覚めるような美女が各地から集う。
瀬川優輝もその一人だ。

優輝は若干16歳にして、既に日本を代表する女優として知られている。
中学に入る前から演劇を始め、その天才的な表現力で人々の心を動かしてきた。
初主演作『真冬の蝉が見る夢』のアカデミー賞受賞は、彼女の“泣き”の演技に因る部分が大きいとされる。
また彼女は実力だけでなく、容姿にも優れていた。
人の無数に行きかう都心を歩いていても、なお振り返られるほどの垢抜けた涼やかな美。
整形するまでもなく、生まれて間もない頃から周囲の男の視線を惹きつけていた、やはり天賦の才だ。

ただそんな優輝は、天才であるが故の問題も持ち合わせている。
一言で表せば高飛車なのだ。自分の高い実力を理解しているだけに、称えられて当然と思っている。
何千という倍率を潜り抜けてヘドリックの被写体に選ばれたのも当然だと思ったし、
そのヘドリックが被写体に求めた『状態』にも、ただ一人不服を露わにした。

ヘドリックが求めたものは、最高級の女性が帯びる官能美。
頬と肌が紅潮し、乳首が屹立し、無毛の丘陵から桜色の性器と、慎ましく尖った陰核が覗く。
これこそ究極の人間美だと訴えたのだ。
一般には変態じみた思想とされるこの主張も、天才写真家の言葉となれば意味を変える。
誰もが少なくとも表面上は、その通りだと手の平を叩いた。
ただ一人、冷ややかな目つきをした優輝を除いて。
彼女にとってはヘドリックの撮影も、女優としての箔をつけるための儀式でしかない。
他の女性が期待に胸を膨らませる中、早く終われば良いのにと退屈そうに溜息を吐くのだ。



撮影当日、参加者の数名の女性には各々専属のマッサージ師が宛がわれた。
通常の撮影で行われる、メイクやヘアセットはない。
あくまで髪や肌は自然体のままで、性器だけを昂ぶらせての撮影だ。
優輝は撮影の番が来るまでの間に、何人もの女性が個室から現れて撮影に向かう瞬間を目にした。
彼女らは一人残らず頬を染め、はっきりと解るほどに乳首と陰核を紅く屹立させていた。
ばかばかしい。
優輝はそう溜息を吐きながら、係員に呼ばれて個室に向かう。

部屋の中はどこかのクリニックさながらに清潔に保たれており、白衣を着た女性が数名いた。
その中の女医らしき人間が、バスタオル一枚の優輝に椅子を勧める。
「瀬川優輝さんですね。大原と申します、よろしくお願いいたします」
大原と名乗った女医は、そう恭しく頭を下げる。
口調は丁寧だが、言葉に心が籠もっていない。あくまで上辺だけの礼だ。
それを見透かした優輝は、それ以上に尊大な態度で椅子に腰掛ける。
「はーいはい、さっさと終わらせてよ」
目を閉じてうんざりとした様子で告げる優輝。
「畏まりました」
大原は抑揚のない口調で答える。
心なしか機嫌を損なったのが優輝にも解ったが、知った事かと虚空を眺める。
かくして、優輝への官能のマッサージは始まった。

場にはリラックスできる環境が整っていた。
椅子はゆったりとしていて柔らかく、微かに不思議なアロマも焚いてある。
その中で優輝はバスタオルを取り去られ、裸身を晒した状態でマッサージ師の愛撫を受け始めた。
首元からオイルを垂らしかけ、肌に擦り込みながら胸を揉みしだく。
胸の房を手の平で包み込んだまま、優しく、けれども快楽の芯だけはしっかりと捉えて。



女性2人の手によって左右から乳房を刺激され、数分後。
椅子の肘掛けに乗せていた優輝の腕が、ぴくりと反応した。

(……な、何、こいつら……滅茶苦茶上手い……っ!!)

自慰の際に得るものとは比較にならない快感が、まだ若い乳房の中に渦巻いている。
乳房だけではない。腕も、腹部も、そして脚も。
柔らかく暖かな女の手の平でオイルを擦り込まれ、絶妙に刺激されている。
特に足指の間でぎゅぷぎゅぷと音を鳴らしながらオイルの泡を弾けさせる動きは、
優輝の脊髄全体に染み渡るような、如何ともしがたい快楽を与えてきた。

「ふふ、心地よろしいんですか?胸の先が尖って参りましたよ」
マッサージ師の1人が、優輝の胸に目をやりながら囁いた。
優輝が恥じらいを瞳に宿す。
「別に……。ただの生理現象じゃないの?」
口ではそう強がりながらも、オイルで柔らかく扱かれている胸の蕾は、
今までの人生でかつてなかったほどに尖っている事は十分に解っていた。
勿論、指をどけるだけでその状態が見える女達も同じだろう。

誰の目にも明らかなほど胸の先が尖りきった所で、いよいよ大原が優輝の脚を割り開く。
「さて、今度はこちらですわ」
大原はラテックスの手袋を嵌めた手でスプレー缶のようなものを握り、優輝の股座へと吹きかけた。
どうやらシェービングクリームの類らしく、優輝の薄い繁みが泡に塗れた。
大原はしばらくその泡のついた繁みを眺めた後、剃刀を取り出す。
「さて、じっとしていて下さいね。せっかくの宝物のような肌に、傷がついてしまいますから」
そう淡々と告げた後、優輝の白い丘陵に指をかけて剃刀を宛がった。

ショリ、ショリッと響く、恥毛が剃り落とされる音。
優輝は側方に視線を投げたまま、微動だにせずにいる。
片手で髪をいじってもおり、一見すれば何も感じていない風だ。
けれども彼女の視線に先回りして覗き込めば、どこか童女にも見える顔つきで、
しっかりと恥らっているのが解る。

毛が残らず剃り落とされ、つるりとした無毛の丘が改めて衆目に晒された。
大原はその丘の上に震える、慎ましく息づいた芽を撫でる。
「……っ!」
反射的に腰を引きながらも、まるで陵辱者を見るように大原を睨みつける優輝。
対する大原は淡々としたもので、閉じかけた優輝の脚を大きく開かせると、
メンソールの軟膏を掬い取って若芽に塗りつけた。
「少し冷やっとします。でもこれを塗っておくと、非常に感覚が鋭敏になるので」
大原はそう断りながら、ごく優しい指遣いで肉芽を扱きはじめる。
「………………う……っ、ぃひ、くっ……!!」
ややあって、優輝の薄い唇から声が溢れた。
大原はその優輝の表情を静かに見守りながら、ゆるゆると陰核への愛撫を続けていく。

それは優輝にとって、初舞台以来になる恥ずかしさだった。
部屋の中で裸になり、割れ目までを同性とはいえ他人に晒してしまっている。
「ああ、ああ……っあ」
肉芽への刺激は、優輝から気を抜いた瞬間に甘い声を絞り出した。
尻軽なクラスメイトが恋人とのセックス自慢で演じて見せた、あの雌の声。
それを出すまいと刺激に耐えようとすると、ある瞬間にどうしようもない快感の高波が来る。
大股開きで曲げた膝が跳ね上がり、快感を得た事を周囲に知らしめてしまう。
ならば快感に身を任せれば良いかといえば、それも甘い声を出してしまう結果になる。
出口のない堂々巡り。
ガラス張りになったドーナツ型の容器を延々と走らされ、見世物にされているような気分だ。
もう何度ばかり、軽い絶頂を迎えているだろう。
優輝は白衣を着た女達の視線から逃れるように瞳を彷徨わせつつ、そう考える。



「ふむ。反応は決して悪くありませんが、今ひとつ勃起力の弱いクリトリスですね」
大原が肉芽から指の腹を離し、包皮を剥き上げながら呟いた。
優輝も自らの陰核を見下ろして息を呑む。
きっちりと勃起はしている。普段ならば見つける事も困難なものが、小ぶりな小豆ほどに。
けれども、大原はその大きさに納得していないようだ。
撮影するヘドリックの思想を鑑みての事か、あるいは個人的な悪戯心からか。
いずれにせよ、彼女の指は手袋を新たに付け直し、優輝に更なる快楽をもたらそうとしていた。

「膣に指を入れ、膣壁越しに陰核の根元へ刺激を与えたいと思います。よろしいですか」
大原が優輝の瞳を覗きこみながら問う。
「何でもいいわ……好きにしてよ」
優輝は吐き捨てるようにそう告げたが、内心穏やかではない。
彼女自身、先ほどの陰核への揉み込みで、何度も小さな絶頂を自覚している。
その状態で割れ目に指を挿し入れられれば、濡れている事が知れてしまうと思われた。
とはいえ、拒否できる道理もない。

「失礼します」
機械じみた大原の言葉と共に、ラテックスの手袋のつるりとした感触が割れ目へ入り込む。
凄まじい圧迫感が優輝の背を貫いた。
「かなり締めつけが強いですね、普段から十分な運動をされているようで」
大原はそう言いながら指を進め、迷いなくある部分に指の先を宛がった。
優輝が自慰をする際に、最も気に入っている部分。
表面にざらつきがあり、興奮するにつれて膨らんでくる絶好の性感帯。

(うあっ……し、知られちゃってるんだ)

優輝の瞳に焦りの色が増す。
そしてその焦りが正しい事は、大原の指が動き始めて数秒で体感できた。



「あ、あああっ、はあああああっ!!あっあ、くああああ、はあああっ……ぁっ!!」

優輝の声が控え室の中に響く。
普段年頃よりも大人びた声を作っている彼女とは思えないほど、おさなく、澄んだ声だ。
陰核を指先でこね回し、押し潰し、裏側からも二本指で性感帯を押し込む。
そうされてしまっては、もはや優輝から声を堪えるなどという余裕は消え去った。
先ほどまでの肉芽だけへの刺激は、ならし運転に過ぎなかったらしい。
この大原は間違いなくプロだ。世界的な女優とはいえ小娘ごとき、好きに乱れさせるだけの。

「瀬川さま、少し愛液が出すぎではないですか」
大原が一旦濡れそぼった秘裂から指を抜き、替わりに吸水シートを秘裂に宛がう。
そうしてたっぷりと水を吸わせたそれを、見せ付けるかのように傍らの台へと重ねていく。
優輝はそれを横目に見ながら、自分がどれほど蜜を吐かされたのかを知った。

「濡れた、って……そんなにされたら、仕方ないじゃない!さっさと、終わってよ……」
「終わりにしたいのならば、クリトリスを勃起させてください。
 その為の助力は惜しみません」
「勃起、してる……よぉ……もう、痛いくらいに」

優輝の語気は、次第に弱くなっていた。
大原が絶対的支配者然としている事もひとつだ。
最初に優輝が見せた態度がよほど鼻についたのか、徹底的に嬲ってきている。
しかしその嬲りが、かつて経験のないほど心地の良いものである事が、最も大きな理由だった。
晒し者にされ、嬲られている事がどうでもよくなってくるほどに心地良い。
真正面から瞳を捉えてくるこの女性にもし服従すれば、どれほど幸せになれるのだろう。
そう思い描くと、その瞬間に陰核が立ち上がり、狂いそうな快感が根元から先にまで突き刺さる。
「いっ、いくうっ!!!!!」
大原が意地悪く陰核を摘んだ瞬間、優輝はすべての足の指を内に曲げ、歯を噛みしめて絶頂に打ち震えた。
深い、深い絶頂。



「よーし、中々に大きくなってきましたね」
大原はそう言って陰核を開放し、血が止まって薄桃色になった陰核が再び赤らむ様子を観察する。
そして見慣れない吸引口のついた器具を取り出し、不安がる優輝の瞳へ見せ付けるようにした。
「では、最後の仕上げです。あまり……暴れないでくださいね」
その言葉と共に、陰核に小さな吸引口が嵌めこまれる。
そして白衣の女のひとりがスイッチを入れた瞬間、膨らんだ陰核が機械に強く吸われ始める。

「あふぁぁあっ!?え、なにこれ、なにこれぇっ!!す、吸われてる、クリが吸われてるよ!!
 ああぁああ、いく、私いま、イッてるの?これ、イッてるのっ!!?
 だめっ、止めて!!ずっと、我慢してたけど、あたしずっと前から、腰ガクガクしてて……
 あっ、あっあっあっ!!!だめえぇ凄いいっ、クリ取れちゃう、千切れちゃふうううっ!!!!」

大原と白衣の女達は、悶え狂う優輝の様子を周囲から観察し続けた。
本当に限界が見えれば機械を止め、息が整えば再開して。
まだ幼さの残る尻肉が飛びはね、すらりとした脚が椅子の上でばたつき、
黒髪がさらさらと擦れながら、奇跡的に整った顔が快楽に緩む。
胸の蕾に若芽という、女の象徴たる器官までをも紅く快楽に染め上げ、震わせながら。
それこそはまさしく、ヘドリックが主張する最高の人間美であると思えた。




やがて優輝は、若芽が小豆よりもさらに大ぶりに実った頃に解放された。
涙と涎に塗れた心地良さそうな優輝を椅子から助け起こしつつ、大原は初めての笑顔を見せる。
「可愛かったわ」
僅か一言。けれども、しっかりと感情のこもった言葉。
「…………あ、ありがとう……ございました……」
優輝の頬が、大原の瞳の中で今一度赤く染まった。

部屋を出て、いよいよ撮影に挑むという一瞬。
優希は傍らの机にあった、クリニックの広告を見つめていた。
煌びやかな瞳を揺れさせて、まるで新しい生き甲斐を見出したかのように……。


    
 終わり
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母の指

千里(せんり)の生まれ落ちた宮嵯の家は、古くから雅楽を継承してきた名家だった。
御前で舞を披露した事もある、由緒ある血統。
その嫡子は、当然に高い教養を求められ、物心つく前から英才教育を施される。
千里にも、常に数人の目付け役と教育係が付き添っていた。
習字、着付け、算盤、茶道、華道、管弦、舞。
様々な芸事を習わされ、身につけるよう強いられる。

そして、宮嵯の家にはそれ以外にひとつ、変わったしきたりがあった。
齢15を過ぎた嫡子は、母の眼前で定期的に自慰を行わなければならないのだ。
数代前の嫡子が色恋に溺れて駆け落ちを図ったため、
間違いの元となる性欲をまめに発散させる必要がある、とされたゆえだ。

当代の嫡子である千里もまた同じく、母と二人きりの和室で服を脱ぎ去る。
長い黒髪に白い肌、いかにもな和風美人という容姿だ。
経験の豊かさゆえか、15になって間もない少女にしては、随分と落ち着いている。
「宜しくお願いします」
千里は実の母を前に恭しく三つ指をつき、面を上げて正座の姿勢を作る。
「……始めなさい」
千里の母もまた、芸事を極めた者独特の貫禄をもって余所余所しく告げた。
世話係を排して親子水入らずとしているのが、せめてもの情けといったところか。

千里は膝を合わせた正座から、拳一つ分ほどに脚をひらく。
そして細い指に絹の手袋を嵌め、傍に置かれた甕から薬を一掻き掬って、脚の間に息づく若芽へ触れた。
宮嵯の家では、婚姻するまで性器に指を入れる事は許されず、
乳房も仔が口に含むべき物とされている。
それゆえ、自慰の際に触れる事が許されるのは陰核だけだった。

「んっ……ん」
千里の指が陰核をなぞり、つまみ上げる。
押し潰し、転がす。
しかし、あまり心地よさそうな風ではなかった。
「やはり、まだ一人では気分が乗らないのですか」
母が静かに問うた。
千里は恥ずかしげに頷く。
すると母は小さく息を吐き、絹の手袋を指に嵌めた。
そして薬を一掬いして、正座した娘の脚の合間に手を伸ばす。
「あっ」
千里のおさない唇から声が漏れた。



母の指が弦を弾くように踊りはじめ、桜色の柔な若芽を震わせる。
「あっ、はああっ!!!」
千里の唇から、より大きな声が漏れた。
「はしたないですよ千里。宮嵯の娘が、そのような声を上げるものではありません」
母が淡々とした口調で告げる。
千里は気恥ずかしげに口を噤み、けれども母の指がもたらす極楽に打ち震えた。

「あっ、あっ……」
顎が上がり、白い喉が晒される。
声にならない喘ぎが、熱い息となって春の風に流れる。
指に転がされる若芽から、くちくちと聞き覚えのない湿った音が漏れ始める。
十五の娘は、まるで総身そのものが若芽になったように強張り、震え、仰け反った。
「た、達します…………!!」
やがて千里は小さく告げ、母の手の中で快楽の火花を散らす。

「満足しましたか」
母が、先の透けた絹手袋を外しながら問うた。
千里は未だ数度しか経験のない暖かさにほうとしながらも、はい、と応じる。
彼女は身を以って感じていた。
自分の身がこの宮嵯の家に囚われているのと同じように、
自分の快感は、この母によって囚われている。
きっと自分はいかような大人になろうとも、この母の指を忘れられないのだろう……と。



終わり
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